(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-10-30
(54)【発明の名称】濾過システム、濾過モジュール、洗濯設備及び制御方法
(51)【国際特許分類】
D06F 39/10 20060101AFI20251023BHJP
【FI】
D06F39/10 D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2025527063
(86)(22)【出願日】2023-11-13
(85)【翻訳文提出日】2025-06-20
(86)【国際出願番号】 CN2023131265
(87)【国際公開番号】W WO2024104288
(87)【国際公開日】2024-05-23
(31)【優先権主張番号】202211418577.5
(32)【優先日】2022-11-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202211470218.4
(32)【優先日】2022-11-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202211470223.5
(32)【優先日】2022-11-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202211508779.9
(32)【優先日】2022-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521356862
【氏名又は名称】重慶海爾滾筒洗衣机有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】520148792
【氏名又は名称】海爾智家股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HAIER SMART HOME CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1 Haier Road, Laoshan District Qingdao, Shandong 266101 China
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】呂艷芬
(72)【発明者】
【氏名】許升
(72)【発明者】
【氏名】呂佩師
(72)【発明者】
【氏名】李敬▲徳▼
【テーマコード(参考)】
3B166
【Fターム(参考)】
3B166AA01
3B166AE01
3B166AE02
3B166AE04
3B166BA26
3B166BA52
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3B166FB01
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3B166GA06
3B166GA12
3B166GA22
(57)【要約】
【課題】濾過システム、濾過モジュール、洗濯設備及び制御方法を提供する。
【解決手段】本発明は、洗濯設備技術分野に属し、濾過システム、濾過モジュール、洗濯設備及び制御方法を開示するものであり、前述の濾過システムは、ポンプによって駆動され、洗濯設備の水槽から少なくとも順に濾過器と濾過装置とを経由して、洗濯設備の外部に排水する第1濾過水路と、前述の濾過装置から少なくとも順に濾過機能を有する汚水受け装置と前述のポンプとを経由して、洗濯設備の外部に排水する第2濾過水路とを備える。本発明において、洗濯設備の濾過システムは、濾過後に外に排水できる2つの濾過水路を有し、それにより、水中の濾過不純物を十分に除去することができ、洗濯設備の排水水流中に含まれる濾過不純物の含有量を減少させるとともに、第1濾過水路はポンプによって駆動され、第2濾過水路は同じポンプを経由することにより、濾過排水の動力構造を簡略化した。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯設備の濾過システムであって、
ポンプによって駆動され、洗濯設備の水槽から少なくとも順に濾過器と濾過装置とを経由して、洗濯設備の外部に排水する第1濾過水路と、
前記濾過装置から少なくとも順に濾過機能を有する汚水受け装置と前記ポンプとを経由して、洗濯設備の外部に排水する第2濾過水路とを備えることを特徴とする洗濯設備の濾過システム。
【請求項2】
前記第2濾過水路は、少なくともポンプを経由した後、前記第1濾過水路に合流して外に排水することを特徴とする請求項1に記載の洗濯設備の濾過システム。
【請求項3】
前記第1濾過水路上において、前記ポンプは水槽と濾過装置との間に設置され、
前記第2濾過水路において、汚水受け装置は前記ポンプに連通し、又は、第1濾過水路の、水槽とポンプとの間に位置する部分に連通することを特徴とする請求項2に記載の洗濯設備の濾過システム。
【請求項4】
前記濾過器はポンプ内部に統合して設置され、前記第1濾過水路は、
水槽からポンプに導水するための水槽排水管と、
ポンプから濾過装置に導水するための中間管路と、
洗濯設備の外部に排水するための排水管路とを備え、
前記汚水受け装置はポンプの内部室に連通し、又は、前記汚水受け装置は管路を介して水槽排水管に連通することを特徴とする請求項3に記載の洗濯設備の濾過システム。
【請求項5】
前記第2濾過水路の開閉を制御するための汚水排出制御装置をさらに備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の洗濯設備の濾過システム。
【請求項6】
前記第2濾過水路は、濾過装置から汚水受け装置に導水するための汚水排出管路を備え、前記汚水排出制御装置は前記汚水排出管路上に設置された汚水排出制御弁を備えることを特徴とする請求項5に記載の洗濯設備の濾過システム。
【請求項7】
前記汚水受け装置は前記濾過装置の下部に設置され、前記濾過装置は、重力の作用で、汚水排出管路に沿って汚水受け装置に排水し、
好ましくは、前記濾過装置は水槽の中心軸の高さよりも上方に設置され、前記汚水受け装置は水槽の中心軸の高さよりも下方に設置され、
より好ましくは、前記ポンプは水槽の中心軸の高さよりも下方に設置されることを特徴とする請求項6に記載の洗濯設備の濾過システム。
【請求項8】
ポンプによって駆動され、水槽から少なくとも順に濾過器と濾過装置とを経由した後、前記水槽に戻る第3濾過水路をさらに備えることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の洗濯設備の濾過システム。
【請求項9】
前記第1濾過水路と第3濾過水路とが択一的に開通するように制御するための切り替え装置をさらに備え、
好ましくは、前記第1濾過水路は洗濯設備の外部に排水するための排水管路を備え、前記第3濾過水路は水槽に水を戻すための戻り管路を備え、
前記切り替え装置は、濾過装置、排水管路及び戻り管路にそれぞれ連通し、前記排水管路と戻り管路が前記濾過装置と択一的に開通するように制御することを特徴とする請求項8に記載の洗濯設備の濾過システム。
【請求項10】
洗濯設備であって、請求項1から9のいずれか一項に記載の洗濯設備の濾過システムを備えることを特徴とする洗濯設備。
【請求項11】
洗濯設備であって、
水槽と、
水槽中の水を受けて濾過するための濾過装置であって、濾過不純物を包含する汚水を排出するための汚水排出口が設置された濾過装置と、
濾過装置の汚水排出口に連通し、前記汚水排出口の高さよりも低い位置に設置され、濾過装置から排出された汚水を受けるための汚水受け装置とを備えることを特徴とする洗濯設備。
【請求項12】
前記濾過装置の設置位置は水槽の中心軸の高さよりも高く、前記汚水受け装置の設置位置は水槽の中心軸の高さよりも低く、
好ましくは、前記洗濯設備は筐体をさらに備え、前記水槽は筐体内部に設置され、
前記筐体の側壁、筐体の頂壁、及び水槽の筒壁によって第1取り付け空間が構成され、前記筐体の同じ側壁、筐体の底壁、及び水槽の筒壁によって第2取り付け空間が構成され、前記濾過装置は前記第1取り付け空間内に設置され、前記汚水受け装置は前記第2取り付け空間内に設置されることを特徴とする請求項11に記載の洗濯設備。
【請求項13】
前記汚水受け装置は、汚水受け装置が受けた汚水を濾過して、汚水中に包含される濾過不純物を収集するための糸屑収集アセンブリを備えることを特徴とする請求項11又は12に記載の洗濯設備。
【請求項14】
水槽に連通し、洗濯設備の外部に排水するための排水装置をさらに備え、前記汚水受け装置内で濾過された汚水は前記排水装置を介して洗濯設備外に排出されることを特徴とする請求項13に記載の洗濯設備。
【請求項15】
前記排水装置は、入水端が水槽に連通するポンプと、ポンプから圧出された水を受けて、洗濯設備外に排出する排水管路とを備え、前記汚水受け装置は前記ポンプに連通し、濾過後の汚水はポンプから排水管路に圧送されて排出されることを特徴とする請求項14に記載の洗濯設備。
【請求項16】
前記ポンプはポンプ本体を備え、前記汚水受け装置は前記ポンプ本体に接触して設置され、前記汚水受け装置はポンプ本体の上方に設置され、又はポンプ本体の片側に水平方向に沿って設置され、
或いは、前記ポンプはポンプ本体を備え、前記汚水受け装置はポンプ本体と間隔をあけて設置され、汚水受け装置とポンプ本体との間は排出管を介して連通することを特徴とする請求項15に記載の洗濯設備。
【請求項17】
前記汚水受け装置は、ポンプ本体と間隔をあけて設置され、排出管を介して連通し、前記汚水受け装置上の、前記排出管を接続するための出口は、前記ポンプ本体上の、前記排出管を接続するための入り口よりも高いことを特徴とする請求項16に記載の洗濯設備。
【請求項18】
前記ポンプの出水端は濾過装置の入水口に連通し、前記排水管路は濾過装置の濾過水出口に連通し、前記ポンプから圧出された水は濾過装置によって濾過された後、排水管路に沿って洗濯設備外に排出されることを特徴とする請求項15から17のいずれか一項に記載の洗濯設備。
【請求項19】
前記洗濯設備は、水槽に連通する戻り管路、及び濾過装置の濾過水出口に連通する切り替え装置をさらに備え、前記切り替え装置は、戻り管路と排水管路が濾過装置の濾過水出口と択一的に開通するように制御するためのものであることを特徴とする請求項18に記載の洗濯設備。
【請求項20】
前記ポンプの入水端と出水端との間に濾過器が設置され、ポンプに入った水は濾過器によって濾過された後、濾過装置外に圧出され、
好ましくは、前記濾過器が濾過可能な混入物の寸法は、濾過装置が濾過可能な濾過不純物の寸法よりも大きく、前記濾過装置が濾過可能な濾過不純物の寸法は、汚水受け装置内の糸屑収集アセンブリが収集可能な濾過不純物の寸法以上であることを特徴とする請求項18又は19に記載の洗濯設備。
【請求項21】
濾過モジュールであって、
濾過不純物を包含する汚水を排出するための汚水排出口が設置された濾過装置と、
濾過装置から排出された汚水を受けるための汚水受け装置と、
汚水受け装置に詰まりが発生しているかどうかを検出するための検出装置と、
汚水受け装置と濾過装置の汚水排出口とを接続するための汚水排出管路であって、汚水受け装置に詰まりが発生した時に、汚水を検出装置に誘導する検出分岐路が接続されている汚水排出管路とを備えることを特徴とする濾過モジュール。
【請求項22】
前記検出装置は、
内部に水受け室を有する外装と、
前記水受け室内の水位高さを検出するための検出アセンブリであって、前記水位高さが予め設定された高さに達した時にフィードバック信号を生成することができる検出アセンブリとを備えることを特徴とする請求項21に記載の濾過モジュール。
【請求項23】
前記検出アセンブリは、
前記水受け室の内部に設置され、前記水受け室内の水面高さの変化に応じて上下動するフロートと、
前記フロートの高さ位置を検知するためのセンサーであって、前記フロートが水面と共に予め設定された高さまで上昇した時にフィードバック信号を生成するセンサーとを備えることを特徴とする請求項22に記載の濾過モジュール。
【請求項24】
前記フロートは磁性を有し、前記センサーは前記外装頂部に設置されたリードスイッチであり、前記フロートが水面と共に予め設定された高さまで移動すると、前記リードスイッチはフロートの磁気作用で導通することを特徴とする請求項23に記載の濾過モジュール。
【請求項25】
前記検出アセンブリは誘導部をさらに備え、前記誘導部の内部に上下に延伸する中空通路が形成されており、前記フロートは、前記中空通路内で水面と共に上下動するように位置が制限され、前記リードスイッチは前記誘導部の上方に設置されることを特徴とする請求項24に記載の濾過モジュール。
【請求項26】
前記汚水排出管路上に前記汚水排出管路の開閉を制御するための汚水排出制御弁が設置され、前記検出分岐路の一端は検出装置に接続され、他端は前記汚水排出制御弁と汚水受け装置との間に接続されることを特徴とする請求項21から25のいずれか一項に記載の濾過モジュール。
【請求項27】
前記検出装置は汚水排出管路の上部に設置されることを特徴とする請求項21から26のいずれか一項に記載の濾過モジュール。
【請求項28】
洗濯設備であって、請求項21から27のいずれか一項に記載の濾過モジュールを備えることを特徴とする洗濯設備。
【請求項29】
請求項28に記載の洗濯設備の制御方法であって、洗濯設備は、検出装置によって汚水受け装置に詰まりが発生していると判断した場合に、警報信号を発信することを含むことを特徴とする洗濯設備の制御方法。
【請求項30】
前記検出装置は、内部に水受け室を有する外装、前記水受け室の内部に設置され、水面高さの変化に応じて上下動するフロート、及び前記フロートの高さ位置を検知するためのセンサーを備え、
前記センサーは、フロートが予め設定された高さ以上に移動した時にフィードバック信号を生成し、洗濯設備が予め設定された時間を超えて前記フィードバック信号を継続的に受信した場合に、警報信号を発信することを含むことを特徴とする請求項29に記載の洗濯設備の制御方法。
【請求項31】
濾過モジュールであって、
濾過不純物を包含する汚水を排出するための汚水排出口が設置された濾過装置と、
内部に収集アセンブリが設置され、前記収集アセンブリは、汚水中の濾過不純物を収集するための収集室であって、濾過装置の汚水排出口に連通する収集室を有する汚水受け装置と、
前記収集アセンブリが汚水受け装置内の適切な位置に取り付けられているかどうかを検出するための位置検出装置とを備えることを特徴とする濾過モジュール。
【請求項32】
前記汚水受け装置は収容ケーシングを備え、前記収集アセンブリは前記収容ケーシングの内部に取り付けられ、
前記位置検出装置は、前記収容ケーシング上に設置された検出素子/被検出素子、及び前記収集アセンブリ上に設置された被検出素子/検出素子を備えることを特徴とする請求項31に記載の濾過モジュール。
【請求項33】
前記検出素子は収容ケーシング上に設置されたリードスイッチであり、前記被検出素子は収集アセンブリ上に設置された磁性部品であり、
前記位置検出装置は検出回路をさらに備え、前記リードスイッチは前記検出回路上に設置され、前記収集アセンブリが汚水受け装置内の適切な位置に取り付けられている場合、前記リードスイッチは磁性部品の作用で前記検出回路を導通させることを特徴とする請求項32に記載の濾過モジュール。
【請求項34】
前記リードスイッチは収容ケーシングの外側に設置され、収容ケーシングの外壁に密着して設置されることを特徴とする請求項33に記載の濾過モジュール。
【請求項35】
前記収集アセンブリは、前記収集室を囲む収集室壁を備え、前記磁性部品は前記収集室壁の内部に埋め込まれて設置されることを特徴とする請求項33又は34に記載の濾過モジュール。
【請求項36】
一端が濾過装置の汚水排出口に接続され、他端が収容ケーシングの側壁を貫通して収集アセンブリの収集室に連通する汚水排出管路をさらに備え、
前記検出素子は収容ケーシング上の、前記汚水排出管路が貫通するための側壁上に設置され、前記被検出素子は収集アセンブリ上に設置され、かつ収集アセンブリが汚水排出管路に連通する側に位置することを特徴とする請求項32から35のいずれか一項に記載の濾過モジュール。
【請求項37】
洗濯設備であって、請求項31から36のいずれか一項に記載の濾過モジュールを備えることを特徴とする洗濯設備。
【請求項38】
請求項37に記載の洗濯設備の制御方法であって、
洗濯プログラムの開始命令を受信することと、
収集アセンブリが適切な位置に取り付けられていると判断した場合に、洗濯プログラムの運転を開始することとを含むことを特徴とする洗濯設備の制御方法。
【請求項39】
収集アセンブリが適切に取り付けられていないと判断した場合に、洗濯設備をロックして、警報信号を発信することを特徴とする請求項38に記載の洗濯設備の制御方法。
【請求項40】
前記汚水受け装置は収容ケーシングを備え、前記収集アセンブリは前記収容ケーシングの内部に取り付けられ、前記位置検出装置は、収容ケーシング上に設置されたリードスイッチ、及び収集アセンブリ上に設置された磁性部品を備え、前記リードスイッチは検出回路上に設置され、
洗濯設備が洗濯プログラムの開始命令を受信した後に、前記検出回路が導通状態である場合、収集アセンブリは適切な位置に取り付けられていると判断し、及び/又は、前記検出回路が切断状態である場合、収集アセンブリが適切に取り付けられていないと判断することを特徴とする請求項38又は39に記載の洗濯設備の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は洗濯設備技術分野に属し、具体的には、濾過システム、濾過モジュール、洗濯設備及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
衣類を洗浄するための洗濯設備、例えば洗濯機は、衣類の洗濯過程で衣類と衣類との間、及び衣類と洗濯機本体との間に摩擦が存在するため、衣類に糸屑が発生して脱落し、洗濯水中に混入する。洗濯機が洗濯を終えて排水する時、衣類から脱落した糸屑は、排水水流と共に排出される。
【0003】
しかしながら、近年、提案されているマイクロプラスチックの概念は、環境保護分野でますます重視されるようになっており、研究によりマイクロプラスチックの重要な発生源は、家庭用洗濯機から排出された廃水であることが分かっている。これは、化学繊維生地の普及に伴って、洗濯過程で脱落した衣類の繊維が、洗濯機の排水水流と共に排出され、自然水環境に混入したマイクロプラスチックとなるためである。マイクロプラスチックは排水水流と共に直接生態循環に入り、自然の生物連鎖を通じて最終的に人の体内に蓄積され、人体の健康に影響を及ぼす可能性がある。このため、一部の地域では、洗濯機排水中のマイクロプラスチック含有量について関連基準が制定されている。
【0004】
現在、洗濯機排水の濾過を実現するための方法は、一般的に排水ポンプ内部に濾過器を取り付けるなど、排水路上に濾過器を設置する方法である。しかし、従来の濾過機能を備えた排水ポンプのほとんどは、異物が排水路に詰まるのを防止するために、比較的大きな寸法の異物しか濾過できず、水中の糸屑、すなわち上記のマイクロプラスチックは、排水ポンプ内の濾過器によって効果的に捕捉されず、排水水流中に大量に混在して洗濯機から排出されている。したがって、洗濯設備の排水水流中に含まれる糸屑などの濾過不純物をいかに効果的に濾過するかは、当分野で解決すべき問題である。
【0005】
さらに、現在の多くの洗濯機は、ユーザーが濾過器を取り外して手作業で清掃する必要があり、取り扱いが不便である。この問題に対して、従来技術では付着した濾過不純物を自己排出することができる、自己清掃機能を備えた濾過装置が提案されている。しかし、洗濯機の内部空間は比較的コンパクトであり、濾過装置が汚水を外に排出する汚水排出経路は一般的に比較的長く、かつ一定の高度差がある可能性があるため、駆動力に頼らずに濾過装置内の汚水を十分に排出することが難しく、洗濯終了後、濾過装置内に汚水が残留するという問題が存在する。濾過装置を長期的に使用した後も、細菌増殖などの問題が依然として発生する可能性がある。
【0006】
上記に鑑みて本発明を提案する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする技術的課題は、従来技術の不足を克服し、濾過システム、濾過モジュール、洗濯設備及び制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の技術的課題を解決するため、本発明の第1の目的は、洗濯設備の濾過システム及び洗濯設備を提供し、それにより、洗濯設備の排水水流中の濾過不純物含有量を効果的に減少させることであり、具体的には以下の技術的解決手段を採用した。
【0009】
洗濯設備の濾過システムであって、
ポンプによって駆動され、洗濯設備の水槽から少なくとも順に濾過器と濾過装置とを経由して、洗濯設備の外部に排水する第1濾過水路と、
前述の濾過装置から少なくとも順に濾過機能を有する汚水受け装置と前述のポンプとを経由して、洗濯設備の外部に排水する第2濾過水路とを備えることを特徴とする。
【0010】
さらに、前述の第2濾過水路は、少なくともポンプを経由した後、前述の第1濾過水路に合流して外に排水する。
【0011】
さらに、前述の第1濾過水路上において、前述のポンプは水槽と濾過装置との間に設置される。
【0012】
前述の第2濾過水路において、汚水受け装置は前述のポンプに連通し、又は、第1濾過水路の、水槽とポンプとの間に位置する部分に連通する。
【0013】
さらに、前述の濾過器はポンプ内部に統合して設置され、前述の第1濾過水路は、
水槽からポンプに導水するための水槽排水管と、
ポンプから濾過装置に導水するための中間管路と、
洗濯設備外部に排水するための排水管路とを備え、
前述の汚水受け装置はポンプの内部室に連通し、又は、前述の汚水受け装置は管路を介して水槽排水管に連通する。
【0014】
さらに、前述の第2濾過水路の開閉を制御するための汚水排出制御装置をさらに備える。
【0015】
さらに、前述の第2濾過水路は、濾過装置から汚水受け装置に導水するための汚水排出管路を備え、前述の汚水排出制御装置は前述の汚水排出管路上に設置された汚水排出制御弁を備える。
【0016】
さらに、前述の汚水受け装置は前述の濾過装置の下部に設置され、前述の濾過装置は、重力の作用で、汚水排出管路に沿って汚水受け装置に排水し、
好ましくは、前述の濾過装置は水槽の中心軸の高さよりも上方に設置され、前述の汚水受け装置は水槽の中心軸の高さよりも下方に設置され、
より好ましくは、前述のポンプは、水槽の中心軸の高さよりも下方に設置される。
【0017】
さらに、ポンプによって駆動され、水槽から少なくとも順に濾過器と濾過装置とを経由した後、前述の水槽に戻る第3濾過水路をさらに備える。
【0018】
さらに、前述の第1濾過水路と第3濾過水路とを択一的に開通するように制御するための切り替え装置をさらに備え、
好ましくは、前述の第1濾過水路は、洗濯設備の外部に排水するための排水管路を備え、前述の第3濾過水路は、水槽に水を戻すための戻り管路を備え、
前述の切り替え装置は、濾過装置、排水管路及び戻り管路にそれぞれ連通し、前述の排水管路と戻り管路が前述の濾過装置と択一的に開通するように制御する。
【0019】
洗濯設備であって、上記の洗濯設備の濾過システムを備える。
【0020】
本発明の第2の目的は、濾過装置を有する洗濯設備を提供することであり、そのうち、濾過装置は、余分な駆動力に頼らずに汚水の排出を実現することができ、内部に残留水が存在するという問題を防止することができる。具体的には以下の技術的解決手段を採用した。
【0021】
洗濯設備であって、
水槽と、
水槽中の水を受けて濾過するための濾過装置であって、濾過不純物を包含する汚水を排出するための汚水排出口が設置された濾過装置と、
濾過装置の汚水排出口に連通し、前述の汚水排出口の高さよりも低い位置に設置され、濾過装置から排出された汚水を受けるための汚水受け装置とを備える。
【0022】
さらに、前述の濾過装置の設置位置は水槽の中心軸の高さよりも高く、前述の汚水受け装置の設置位置は水槽の中心軸の高さよりも低く、
好ましくは、前述の洗濯設備は筐体をさらに備え、前述の水槽は筐体内部に設置され、
前述の筐体の側壁、筐体の頂壁、及び水槽の筒壁によって第1取り付け空間が構成され、前述の筐体の同じ側壁、筐体の底壁、及び水槽の筒壁によって第2取り付け空間が構成され、前述の濾過装置は前述の第1取り付け空間内に設置され、前述の汚水受け装置は前述の第2取り付け空間内に設置される。
【0023】
さらに、前述の汚水受け装置は、汚水受け装置が受けた汚水を濾過して、汚水中に包含される濾過不純物を収集するための糸屑収集アセンブリを備える。
【0024】
さらに、水槽に連通し、洗濯設備の外部に排水するための排水装置をさらに備え、前述の汚水受け装置内で濾過された汚水は前述の排水装置を介して洗濯設備外に排出される。
【0025】
さらに、前述の排水装置は、入水端が水槽に連通するポンプと、ポンプから圧出された水を受け、洗濯設備外に排出する排水管路とを備え、前述の汚水受け装置は前述のポンプに連通し、濾過後の汚水はポンプから排水管路に圧送されて排出される。
【0026】
さらに、前述のポンプはポンプ本体を備え、前述の汚水受け装置は前述のポンプ本体に接触して設置され、前述の汚水受け装置はポンプ本体の上方に設置され、又はポンプ本体の片側に水平方向に沿って設置され、
或いは、前述のポンプはポンプ本体を備え、前述の汚水受け装置はポンプ本体と間隔をあけて設置され、汚水受け装置とポンプ本体との間は排出管を介して連通する。
【0027】
さらに、前述の汚水受け装置はポンプ本体と間隔をあけて設置されて、排出管を介して連通し、前述の汚水受け装置上の、前述の排出管を接続するための出口は、前述のポンプ本体上の、前述の排出管を接続するための入り口よりも高い。
【0028】
さらに、前述のポンプの出水端は濾過装置の入水口に連通し、前述の排水管路は濾過装置の濾過水出口に連通し、前述のポンプから圧出された水は濾過装置によって濾過された後、排水管路に沿って洗濯設備外に排出される。
【0029】
さらに、前述の洗濯設備は、水槽に連通する戻り管路、及び濾過装置の濾過水出口に連通する切り替え装置をさらに備え、前述の切り替え装置は、戻り管路と排水管路が濾過装置の濾過水出口と択一的に開通するように制御するためのものである。
【0030】
さらに、前述のポンプの入水端と出水端との間に濾過器が設置され、ポンプに入った水は濾過器によって濾過された後、濾過装置外に圧出され、
好ましくは、前述の濾過器が濾過可能な混入物の寸法は、濾過装置が濾過可能な濾過不純物の寸法よりも大きく、前述の濾過装置が濾過可能な濾過不純物の寸法は、汚水受け装置内の糸屑収集アセンブリが収集可能な濾過不純物の寸法以上である。
【0031】
本発明の第3の目的は、濾過装置から排出された汚水を受けるための汚水受け装置に対して、詰まり状態の自己検出を実現することができ、汚水受け装置に詰まりが発生して、濾過モジュールの作業効果に影響を与えることを防止することができる、濾過モジュール、洗濯設備及び洗濯設備の制御方法を提供することである。具体的には、以下の技術的解決手段を採用した。
【0032】
濾過モジュールであって、
濾過不純物を包含する汚水を排出するための汚水排出口が設置された濾過装置と、
濾過装置から排出された汚水を受けるための汚水受け装置と、
汚水受け装置に詰まりが発生しているかどうかを検出するための検出装置と、
汚水受け装置と濾過装置の汚水排出口とを接続するための汚水排出管路であって、汚水受け装置に詰まりが発生した時に、汚水を検出装置に誘導する検出分岐路が接続されている汚水排出管路とを備えることを特徴とする。
【0033】
さらに、前述の検出装置は、
内部に水受け室を有する外装と、
前述の水受け室内の水位高さを検出するための検出アセンブリであって、前述の水位高さが予め設定された高さに達した時にフィードバック信号を生成することができる検出アセンブリとを備える。
【0034】
さらに、前述の検出アセンブリは、
前述の水受け室内部に設置され、前述の水受け室内の水面高さの変化に応じて上下動するフロートと、
前述のフロートの高さ位置を検知するためのセンサーであって、前述のフロートが水面と共に予め設定された高さまで上昇した時にフィードバック信号を生成するセンサーとを備える。
【0035】
さらに、前述のフロートは磁性を有し、前述のセンサーは前述の外装頂部に設置されたリードスイッチであり、前述のフロートが水面と共に予め設定された高さまで移動すると、前述のリードスイッチはフロートの磁気作用で導通する。
【0036】
さらに、前述の検出アセンブリは誘導部をさらに備え、前述の誘導部内部には上下に延伸する中空通路が形成されており、前述のフロートは前述の中空通路内で水面と共に上下動するように位置が制限され、前述のリードスイッチは前述の誘導部の上方に設置される。
【0037】
さらに、前述の汚水排出管路上に、前述の汚水排出管路の開閉を制御するための汚水排出制御弁が設置され、前述の検出分岐路の一端は検出装置に接続され、他端は前述の汚水排出制御弁と汚水受け装置との間に接続される。
【0038】
さらに、前述の検出装置は汚水排出管路の上部に設置される。
【0039】
洗濯設備であって、上記の濾過モジュールを備える。
【0040】
上記の洗濯設備の制御方法であって、洗濯設備は、検出装置によって汚水受け装置に詰まりが発生していると判断した場合に、警報信号を発信することを含む。
【0041】
さらに、前述の検出装置は、内部に水受け室を有する外装、前述の水受け室内部に設置され、水面高さの変化に応じて上下動するフロート、及び前述のフロートの高さ位置を検知するためのセンサーを備え、
前述のセンサーは、フロートが予め設定された高さ以上に移動した時にフィードバック信号を生成し、前述の制御方法は、洗濯設備が予め設定された時間を超えて前述のフィードバック信号を継続的に受信した場合に、警報信号を発信することを含む。
【0042】
本発明の第4の目的は、濾過装置から排出された汚水を受けるための汚水受け装置に対して、内部の収集アセンブリの取り付け状態に対する自己検出を実現することができ、収集アセンブリが取り付けられていない、又は収集アセンブリが適切な位置に取り付けられていない場合に、汚水中の濾過不純物の収集効果に影響を与えるのを回避することができる、濾過モジュール、洗濯設備及び洗濯設備の制御方法を提供することである。具体的には、以下の技術的解決手段を採用した。
【0043】
濾過モジュールであって、
濾過不純物を包含する汚水を排出するための汚水排出口が設置された濾過装置と、
内部に収集アセンブリが設置され、前述の収集アセンブリは、汚水中の濾過不純物を収集するための収集室であって、濾過装置の汚水排出口に連通する収集室を有する汚水受け装置と、
前述の収集アセンブリが汚水受け装置内の適切な位置に取り付けられているかどうかを検出するための位置検出装置とを備える。
【0044】
さらに、前述の汚水受け装置は収容ケーシングを備え、前述の収集アセンブリは前述の収容ケーシング内部に取り付けられ、
前述の位置検出装置は、前述の収容ケーシング上に設置された検出素子/被検出素子、及び前述の収集アセンブリ上に設置された被検出素子/検出素子とを備える。
【0045】
さらに、前述の検出素子は収容ケーシング上に設置されたリードスイッチであり、前述の被検出素子は収集アセンブリ上に設置された磁性部品であり、
前述の位置検出装置は検出回路をさらに備え、前述のリードスイッチは前述の検出回路上に設置され、前述の収集アセンブリが汚水受け装置内の適切な位置に取り付けられている場合、前述のリードスイッチは磁性部品の作用で前述の検出回路を導通させる。
【0046】
さらに、前述のリードスイッチは、収容ケーシングの外側に設置され、収容ケーシングの外壁に密着して設置される。
【0047】
さらに、前述の収集アセンブリは、前述の収集室を囲む収集室壁を備え、前述の磁性部品は前述の収集室壁の内部に埋め込まれて設置される。
【0048】
さらに、前述の汚水排出管路の一端が濾過装置の汚水排出口に接続され、他端が収容ケーシングの側壁を貫通して収集アセンブリの収集室に連通する汚水排出管路をさらに備え、
前述の検出素子は収容ケーシング上の、前述の汚水排出管路が貫通するための側壁上に設置され、前述の被検出素子は収集アセンブリ上に設置され、かつ収集アセンブリが汚水排出管路に連通する側に位置する。
【0049】
洗濯設備であって、上記の濾過モジュールを備える。
【0050】
上記の洗濯設備の制御方法であって、
洗濯プログラムの開始命令を受信することと、
収集アセンブリが適切な位置に取り付けられていると判断した場合に、洗濯プログラムの運転を開始することとを含む。
【0051】
さらに、収集アセンブリが適切に取り付けられていないと判断した場合には、洗濯設備をロックして、警報信号を発信する。
【0052】
さらに、前述の汚水受け装置は収容ケーシングを備え、前述の収集アセンブリは前述の収容ケーシング内部に取り付けられ、前述の位置検出装置は、収容ケーシング上に設置されたリードスイッチ、及び収集アセンブリ上に設置された磁性部品を備え、前述のリードスイッチは検出回路上に設置され、
洗濯設備が洗濯プログラムの開始命令を受信した後、前述の検出回路が導通状態である場合は、収集アセンブリが適切な位置に取り付けられていると判断し、及び/又は、前述の検出回路が切断状態である場合は、収集アセンブリが適切に取り付けられていないと判断する。
【発明の効果】
【0053】
上記の技術的解決手段を採用することにより、本発明は従来技術と比較して以下の有益な効果を有する。
【0054】
本発明によって提供される洗濯設備の濾過システムは、濾過後に外に排水可能な2つの濾過水路を有しており、それにより、水中の濾過不純物を十分に除去して、洗濯設備の排水水流中の濾過不純物含有量を減らすことができる。そのうち、第1濾過水路はポンプによって駆動され、第2濾過水路は同じポンプを経由し、それにより、同じポンプによって駆動力を提供することもでき、濾過水路の数量を増やすと同時に、駆動装置を余分に増やす必要がなく、洗濯設備が濾過排水を行う動力構造を簡略化した。
【0055】
本発明によって提供される洗濯設備は、汚水受け装置によって濾過装置から排出された汚水を受け、汚水中に包含される濾過不純物が排水水流と共に洗濯設備外に直接排出されることを防止することができ、さらには、濾過不純物中のマイクロプラスチックが生態循環に入るという問題を回避することができる。濾過装置内の汚水は、重力の作用で汚水受け装置内に流し込まれることができ、汚水排出過程に余分な駆動力を提供する必要がなく、相応の駆動装置の設置を省くとともに、濾過装置の内部において、特に洗濯設備が洗濯を終えた後に残留水を排出できないという問題を防止することができる。
【0056】
本発明によって提供される濾過モジュールは検出装置を備えており、検出分岐路を介して検出装置と汚水排出管路とを開通させる。濾過装置から排出された汚水を受ける汚水受け装置に詰まりが発生すると、汚水が検出分岐路に沿って検出装置に誘導され、それにより、検出装置は汚水受け装置の詰まり故障を適時に検出することができる。前述の濾過モジュールが洗濯設備内に適用された場合、汚水受け装置の詰まり故障に適時に対応して、洗濯設備の正常な運転を保証することができる。
【0057】
本発明によって提供される別の濾過モジュールは、汚水受け装置内の収集アセンブリが適切な位置に取り付けられているかどうかを検出できる位置検出装置を備える。濾過モジュールが洗濯設備内に適用された場合、洗濯設備は収集アセンブリが適切な位置に取り付けられていると判断した場合にのみ、洗濯プログラムを運転することにより、収集アセンブリの取り付けミスによって濾過不純物を効果的に収集できないという問題を回避した。
【0058】
以下、図面を参照して本発明の具体的な実施形態をさらに詳細に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0059】
本発明の一部を構成する図面は、本発明のさらなる理解を提供するためのものであり、本発明の例示的な実施例及びその説明は、本発明を解釈するためのものであり、本発明を不当に限定するものではない。言うまでもなく、以下の記載における図面はいくつかの実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な労力を要することなく、これらの図面に基づいて他の図面も得ることができる。図面は以下の通りである。
【0060】
【
図1】
図1は本発明の実施例1から4における洗濯設備の構造概略図である。
【
図2】
図2は本発明の実施例1から4における洗濯設備の内部構造概略図(循環過程)である。
【
図3】
図3は本発明の実施例1から4における洗濯設備の内部構造概略図(排水過程)である。
【
図4】
図4は本発明の実施例1から4における洗濯設備の内部構造概略図(汚水排出過程)である。
【
図5】
図5は本発明の実施例における濾過装置の構造概略図である。
【
図6】
図6は本発明の実施例の1及び2における汚水受け装置とポンプの構造概略図である。
【
図7】
図7は本発明の実施例3における汚水受け装置とポンプの構造概略図である。
【
図8】
図8は本発明の実施例4における汚水受け装置とポンプの構造概略図である。
【
図9】
図9は本発明の実施例6における洗濯設備の構造概略図である。
【
図10】
図10は本発明の実施例6における濾過モジュール及び関連水路の構造概略図(汚水受け装置の正常状態)である。
【
図12】
図12は本発明の実施例6における濾過モジュール及び関連水路の構造概略図(汚水受け装置が詰まった状態)である。
【
図14】
図14は本発明の実施例6における洗濯設備の制御方法のフローチャートである。
【
図15】
図15は本発明の実施例11及び12における洗濯設備の構造概略図である。
【
図16】
図16は本発明の実施例11及び12における濾過モジュール及び関連水路の構造概略図である。
【
図17】
図17は本発明の実施例11及び12における汚水受け装置が汚水排出管路に接続された概略図である。
【
図18】
図18は本発明の実施例11及び12における位置検出装置の取り付け概略図(収集アセンブリが適切な位置に取り付けられている場合)である。
【
図19】
図19は本発明の実施例11及び12における位置検出装置の取り付け概略図(収集アセンブリが適切な位置に取り付けられていない場合)である。
【
図20】
図20は本発明の実施例11及び12における位置検出装置の取り付け概略図(収集アセンブリが取り付けられていない場合)である。
【
図21】
図21は本発明の実施例12における洗濯設備の制御方法のフローチャートである。
【
図22】
図22は本発明の実施例12における洗濯設備の別の制御方法のフローチャートである。
【0061】
説明すべきこととして、これらの図面及び文字による記載は、何らかの形態によって本発明の構想の範囲を限定するためのものではなく、特定の実施例を参照することで、当業者に本発明の概念を説明するためのものである。
【発明を実施するための形態】
【0062】
本発明の実施例の目的、技術的解決手段及び利点をより明確にするために、以下、本発明の実施例における図面を参照して、実施例における技術的解決手段を明確かつ完全に記載する。以下の実施例は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するためのものではない。
【0063】
本発明の記載において説明すべきこととして、用語「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「内」、「外」などによって示される方位又は位置関係は、図面に示される方位又は位置関係に基づくものであり、本発明の記載及び記載の簡略化を容易にするためのものに過ぎず、示される装置又は構成要素が必ず特定の方位を有し、特定の方位で構成及び操作されることを指示又は暗示するものではないため、本発明を限定するものと理解してはならない。
【0064】
本発明の記載において説明すべきこととして、他に明確に規定、限定しない限り、用語「取り付ける」、「相互に接続する」、「接続する」は広義に理解すべきである。例えば、固定的に接続することであってもよく、着脱可能に接続することであってもよく、又は一体的に接続することであってもよく、また、機械的に接続することであってもよく、電気的に接続することであってもよく、また、直接的に相互に接続することであってもよく、中間媒介を介して間接的に相互に接続することであってもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて、本発明における上記用語の具体的な意味を理解することができる。
【実施例1】
【0065】
図1から
図5に示すように、本実施例は、洗濯設備の濾過システム、及び前述の濾過システムを有する洗濯設備を提供するものである。そのうち、前述の洗濯設備は、洗濯機、洗濯乾燥機、衣類ケア機などの衣類洗浄機能を有する洗濯設備であってもよい。
【0066】
本実施例に記載の濾過システムは少なくとも第1濾過水路と、第2濾過水路とを備える。前述の第1濾過水路は、ポンプ400によって駆動され、洗濯設備の水槽100から少なくとも順に濾過器420と濾過装置600とを経由した後、洗濯設備の外部に排水する。前述の第2濾過水路は、濾過装置600から少なくとも順に汚水受け装置500とポンプ400とを経由した後、洗濯設備の外部に排水する。
【0067】
上記の手段では、前述の濾過システムは、濾過後に洗濯設備の外部に排水可能な少なくとも2つの濾過水路を有しており、洗濯設備が外に排水する時、2つの濾過水路上にそれぞれ位置する濾過器420、濾過装置600及び汚水受け装置500は、いずれも経由した排水水流を濾過することができ、水中の濾過不純物を捕捉し、さらには、水中の濾過不純物を十分に除去することができ、洗濯設備の排水水流中の濾過不純物含有量を減少させることができる。また、第1濾過水路はポンプ400によって駆動され、第2濾過水路も同じポンプ400を経由し、それにより、ポンプ400によって駆動力を提供することもできる。洗濯設備が外に排水可能な2つの濾過水路を有する場合、2台の駆動装置をそれぞれ設置する必要がなく、洗濯設備が濾過排水を行う動力構造を簡略化した。
【0068】
本実施例の好ましい手段として、前述の第1濾過水路上において、濾過器420は予め設定された寸法よりも大きな濾過不純物を濾過するためのものであり、濾過装置600は予め設定された寸法以下の濾過不純物を濾過するためのものである。
【0069】
上記の手段では、第1濾過水路に沿って流動する水流は、順に濾過器420と、濾過装置600とを経由し、異なる寸法範囲の濾過不純物に対して段階的な濾過を実現でき、それにより、より良い濾過効果に達することができる。また、異なる寸法範囲の濾過不純物がそれぞれ異なる濾過器によって捕捉され、濾過器上の濾過孔径と濾過不純物との寸法差が比較的大きい場合に、濾過器が詰まりやすくなるという問題を効果的に回避することができ、濾過効率を高めるのに有利である。
【0070】
具体的には、濾過器420は主に水槽100内の水に対して予備的な濾過効果を実現するためのものであり、上記の、予め設定された寸法よりも大きな濾過不純物には主に、比較的大きな寸法を有する混入物、例えば、洗濯物と共に水槽100内に持ち込まれた硬貨、ヘアピン、又は衣類から脱落したボタンなどの異物が含まれる。それにより、濾過器420を経由した後の水流中に上記の異物が含まれることはなく、前述の異物が第1濾過水路の後続の配管、又は濾過装置600に詰まることにより、洗濯設備の濾過機能が故障するという問題を防止することができる。
【0071】
濾過器420が予備的な濾過を終えると、濾過装置600によってさらなる濾過が行われ、それにより、洗濯過程で衣類の表面から脱落した糸屑など、上記の、予め設定された寸法以下の濾過不純物が除去される。具体的には、洗濯設備の排水水流中に生態環境に有害なマイクロプラスチックをできるだけ含有しないことを保証するため、濾過装置600は寸法が50μmよりも大きな濾過不純物を濾過することができ、前述の濾過不純物にはマイクロプラスチックが含まれていてもよい。特に、濾過不純物には長さが50μmよりも大きく、直径が10~1000μmのプラスチック繊維が含まれていてもよい。好ましくは、前述のプラスチック繊維は400~600μmの長さを有し、分布において最も一般的な長さは500μm±50μmである。これらのプラスチック繊維の直径は好ましくは10~50μmであり、最も一般的なものは17μm±2μmの直径を有する。
【0072】
本実施例のさらなる手段において、前述の第2濾過水路は少なくともポンプ400を経由した後、前述の第1濾過水路に合流して外に排水する。すなわち、前述の第1濾過水路と第2濾過水路は一部の水路構造を共用する。さらに具体的には、洗濯設備の外部空間に直接連通して、排水水流を洗濯設備外に導出するための管路は、上記の2つの濾過水路に共用される。このようにすると、洗濯設備は筐体10の外部に延伸する排水管路250を1本設置するだけでよく、ユーザーが洗濯設備の排水を排水口内など、家内の排水システムにさらに導入しやすくなる。
【0073】
さらに、前述の第1濾過水路上において、ポンプ400は水槽100と濾過装置600との間に設置される。前述の第2濾過水路内において、汚水受け装置500はポンプ400に連通しており、これにより、第2濾過水路はポンプ400で第1濾過水路内に合流する。
【0074】
本実施例の具体的な手段では、濾過器420はポンプ400の内部に統合して設置され、前述の第1濾過水路は少なくとも、
水槽100からポンプ400に導水するための水槽排水管260と、
ポンプ400から濾過装置600に導水するための中間管路200と、
洗濯設備の外部に排水するための排水管路250とを備える。
【0075】
汚水受け装置500はポンプ400の内部室に連通しており、汚水受け装置500によって濾過された水はポンプ400内に入り、ポンプ400の駆動作用で、さらに第1濾過水路の中間管路220と排水管路250に沿って洗濯設備外に排出される。
【0076】
上記の手段では、ポンプ400の内部に前述の濾過器420が設置され、第1濾過水路に沿ってポンプ400に入った水は、濾過器420によって、予め設定された寸法よりも大きな濾過不純物が濾過除去された後、ポンプ400の出水端から圧出され、中間管路220に沿って濾過装置600に輸送され、最終的に排水管路250に沿って洗濯設備外に排出される。汚水受け装置500は、濾過後の水を第2濾過水路に沿ってポンプ400内に流し込むことができ、ポンプ400は受けた水を中間管路220と排水管路250に沿って圧出する。
【0077】
本実施例では、汚水受け装置500は、具体的にはケーシング、及び前述のケーシング内部に設置された糸屑収集アセンブリ560を備える。糸屑収集アセンブリ560は、汚水受け装置500を経由した水流を濾過すると同時に、水中に包含される濾過不純物を収集する。
【0078】
具体的には、糸屑収集アセンブリ560は、濾過不純物を収集するための収集室を有する。汚水受け装置500は、濾過装置600から前述の第2濾過水路に沿って排出された排水を受け、受けた水流は、糸屑収集アセンブリ560の収集室内に直接入り、さらに、糸屑収集アセンブリ560によって濾過された後、糸屑収集アセンブリ560の外側に流れ、ポンプ400に流し込まれることができ、濾過不純物は前述の収集室内に収集される。
【0079】
図2から
図6に示すように、本実施例のさらなる手段では、ポンプ400はポンプ本体410を備え、汚水受け装置500は、ポンプ本体410に接触して設置され、かつポンプ本体410の上方に設置される。
【0080】
具体的には、ポンプ本体410は水槽100に連通する入水端、及び中間管路220に接続された出水端を有する。ポンプ本体410の頂部に、汚水受け装置500のケーシング内部に連通し、汚水受け装置500の排水を受けるための開口が設置される。
【0081】
好ましくは、ポンプ本体410は汚水受け装置500のケーシングと一体的に設置され、両者の内部空間は相互に連通する。濾過装置600の排水は、汚水受け装置500に入った後、汚水受け装置500内部の糸屑収集アセンブリ560によって濾過され、濾過後の水は、さらに重力の作用でポンプ400のポンプ本体410に流し込まれ、さらに、ポンプ400によって排水管路250に圧送されて洗濯設備外に排出されることができる。
【0082】
本実施例のさらなる手段では、濾過装置600は自己清掃機能を有しており、ユーザーは、洗濯設備から濾過装置600を外して手作業で清掃する必要がなく、濾過装置600は自己清掃を行って、濾過過程で蓄積された濾過不純物を水流と共に排出することができる。濾過装置600上には汚水排出口6103が設置され、汚水排出口6103を介して、自己清掃後の濾過不純物を包含する汚水を排出することができ、濾過不純物が濾過装置600の内部に大量に堆積して、濾過効率に影響を与えることを防止することができる。
【0083】
また、濾過器420と汚水受け装置500は、ユーザーが定期的に清掃する必要がある。具体的には、濾過器420はポンプ400の内部に着脱可能に取り付けられることができ、糸屑収集アセンブリ560は汚水受け装置500のケーシング内部に着脱可能に取り付けられることができる。筐体10の前側壁12上に、開くことができる下部口18が、濾過器420と汚水受け装置500の取り付け位置に対応して設置され、ユーザーは下部口18を開き、ポンプ400内から濾過器420を外し、又は汚水受け装置500内から糸屑収集アセンブリ560を取り出して、清掃することができる。
【0084】
本実施例において、前述の第2濾過水路は、濾過装置600が自己清掃を行った後に排出した汚水を濾過して、洗濯設備外に排出するためのものである。具体的には、濾過装置600は汚水排出口6103から濾過不純物を包含する汚水を排出し、前述の汚水は汚水受け装置500内に入って濾過が実現され、濾過不純物は糸屑収集アセンブリ560に収集され、濾過後の濾過不純物を含まない汚水のみがポンプ400内に入ることができ、ポンプ400に圧出されて洗濯設備外に排出される。
【0085】
上記の形態により、濾過装置600はユーザーの介入を必要とせずに、濾過不純物を排出することができるという目的を達成することができ、また、濾過装置600から排出された濾過不純物が洗濯設備の排水水流と共に直接排出されないことを保証し、濾過不純物中のマイクロプラスチックが生態環境に入るという問題を回避することができる。
【0086】
上記の手段において、汚水受け装置500は、濾過不純物の最終的な収集目的を達成するためのものである。前述のように、本実施例における濾過装置600は寸法が50μmよりも大きな濾過不純物を濾過することができ、それには、マイクロプラスチック、特に長さが50μmよりも大きく、直径が10~1000μmのプラスチック繊維が含まれる。濾過装置600から排出された汚水中に包含される上記寸法のマイクロプラスチック又はプラスチック繊維が、糸屑収集アセンブリ560によって十分に収集可能であることを保証するため、糸屑収集アセンブリ560が汚水を濾過する時に、濾過収集が可能な濾過不純物の寸法は、少なくとも濾過装置600が濾過可能な濾過不純物の寸法以上である必要がある。例えば、濾過装置600は、寸法が50μmよりも大きな濾過不純物を濾過することができる。その場合、糸屑収集アセンブリ560は、受けた汚水を濾過する時に、少なくとも寸法が50μmよりも大きな濾過不純物は通過できないことを保証する必要がある。好ましくは、寸法が50μmよりも僅かに小さな濾過不純物も通過できず、汚水中のマイクロプラスチックが糸屑収集アセンブリ560内にできるだけ多く収集されることを確保することができる。
【0087】
本実施例の具体的な手段では、濾過装置600の内部に濾過を実現するためのフィルターが設置されており、糸屑収集アセンブリ560は収集室を囲むスクリーンを備え、濾過装置600から排出された汚水は糸屑収集アセンブリ560の収集室内に入り、前述のスクリーンによって汚水の濾過及び濾過不純物の収集を実現する。
【0088】
また、前述の寸法のマイクロプラスチックの濾過除去を実現するために、濾過装置600内部のフィルターは20から500メッシュを選択する。また、汚水受け装置500が、糸屑収集アセンブリ560によって汚水中に包含されるマイクロプラスチックをできるだけ十分に収集することができ、濾過装置600によって濾過されたマイクロプラスチックが、汚水受け装置500内で糸屑収集アセンブリ560を通り抜けられるという問題が発生しないことを保証するため、糸屑収集アセンブリ560内のスクリーンの孔径寸法は少なくとも濾過装置600内のフィルターの孔径以下である。すなわち、糸屑収集アセンブリ560内のスクリーンのメッシュ数は、濾過装置600内のフィルターのメッシュ数である20メッシュから500メッシュ以上である。
【0089】
事前に異なる種類の衣類及び異なる洗濯プログラムを大量に試験したことにより、糸屑収集アセンブリ560内のスクリーンのメッシュ数及び濾過装置600内のフィルターのメッシュ数を、本実施例に記載の上記の範囲内に設定すると、洗濯水及び洗濯設備の排水中から上記寸法のプラスチック繊維を濾過することができ、最終的に、汚水受け装置500内で、水中の総含有量の80%以上を占めるマイクロプラスチック粒子を収集できることが分かった。これにより、洗濯設備の最終的な排水水流中のマイクロプラスチック含有量を大幅に低減し、直接放出の基準を満たすことができる。
【0090】
本実施例の詳細な手段では、濾過装置600の自己清掃機能を実現するため、濾過装置600は、
入水口6101、濾過水出口6102及び汚水排出口6103を有する濾過室610と、
濾過室610の内部に回転可能に設置され、濾過水出口6102の内壁に回転可能に密封接続された出水ジョイント621を有する濾過機構620と、
濾過機構620に接続され、濾過機構620を濾過室610内で回転駆動するための駆動機構660とを備える。
【0091】
濾過機構620は、フィルターフレーム、及びフィルターフレームの表面を覆うフィルターを備え、濾過室610の内部を外部収容室と内部収容室とに分け、そのうち、入水口6101は前述の外部収容室に連通する。水槽100内の濾過対象の洗濯水は、入水口6101を介して外部収容室内に入り、濾過機構620を介して内部収容室に入って濾過が実現され、水中に包含される濾過不純物は、濾過機構620の外壁上に付着し、濾過不純物が濾過除去された浄水は、内部収容室に連通する出水ジョイント621を介して流出し、最終的に、濾過水出口6102から濾過室610外に流出する。
【0092】
濾過装置600内部の濾過不純物を清掃する必要がある場合には、駆動機構660、例えば、モーターが濾過機構620を回転駆動することにより、濾過室610内の水流を攪拌して、濾過機構620の外壁に付着した濾過不純物を、遠心力及び水流の激しい振動の二重作用により剥離させ、濾過室610内の水中に溶け込ませ、さらには、濾過室610上の汚水排出口6103から水流と共に排出させることができる。
【0093】
上記の手段では、回転可能な濾過機構620を設置することによって、濾過装置600が濾過不純物の自己清掃を実現できるようになり、かつ濾過不純物の除去効率が高い。通常の使用状況で、ユーザーは、濾過装置600を洗濯設備内から取り出して手作業で清掃する必要がなく、洗濯設備がより使用しやすいものとなる。
【0094】
本実施例のさらなる手段では、前述の洗濯設備の濾過システムは、前述の第2濾過水路の開閉を制御するための汚水排出制御装置をさらに備える。濾過装置600が水を濾過する時、前述の汚水排出制御装置が第2濾過水路を遮断することによって、濾過装置600に入る水はすべて濾過後に濾過水出口6102から流出することができ、濾過対象の水が濾過装置600に入った後に、直接、第2濾過水路に沿って汚水受け装置500に流れる状況が発生しないことを保証することができる。濾過装置600が自己清掃を行って汚水を排出する必要がある場合にのみ、前述の汚水排出制御装置が第2濾過水路を開通するように制御される。
【0095】
さらに、前述の第2濾過水路は、濾過装置600から汚水受け装置500に導水するための汚水排出管路240を備える。前述の汚水排出制御装置は、汚水排出管路240上に設置された汚水排出制御弁241を備える。濾過装置600が水を濾過する時、汚水排出制御弁241は閉状態にあり、汚水排出管路240が遮断されるため、濾過装置600が汚水排出口6103から外に排水することはない。濾過装置600が汚水を排出する必要がある場合には、汚水排出制御弁241が開かれ、それにより、汚水排出管路240は濾過装置600と汚水受け装置500とを開通させることができ、汚水が濾過装置600から汚水受け装置500内に流し込まれることを実現することができる。
【0096】
本実施例の好ましい手段では、汚水受け装置500は濾過装置600の下部に設置され、濾過装置600は重力の作用で汚水排出管路240に沿って汚水受け装置500に排水する。
【0097】
より好ましくは、濾過装置600は水槽100の中心軸の高さよりも上方に設置され、汚水受け装置500は水槽100の中心軸の高さよりも下方に設置される。さらに、本実施例における汚水受け装置500は、ポンプ400に直接連通し、かつ汚水受け装置500のケーシングは、ポンプ400のポンプ本体410と一体的に設置されるため、ポンプ400は汚水受け装置500と共に、水槽100の中心軸の高さよりも下方に設置される。
【0098】
さらに好ましくは、汚水排出口6103は濾過装置600の濾過室610底部に設置され、濾過室610内の汚水を汚水排出口6103から十分に排出でき、残留を回避することを確保する。
【0099】
上記の手段では、濾過装置600内の汚水は、重力の作用で汚水受け装置500内に流し込まれることができ、余分な駆動力に頼る必要がない。第2濾過水路において、ポンプ400は、主に汚水受け装置500の外への排水に駆動力を提供するが、濾過装置600の汚水受け装置500への排水は、外部の駆動力に頼らずに行うことができる。特に、洗濯設備が今回の洗濯プログラムの運転を終了しようとしている時、又は終了した後で、汚水排出制御弁241が開状態を一定時間維持することによって、濾過装置600内の残留水も、重力の作用で汚水排出口6103から十分に排出されることができ、洗濯設備の作業終了後に、濾過装置600に残留水が存在するという問題を効果的に防止した。
【0100】
本実施例では、洗濯設備の筐体10は対向して設置された頂壁11と底壁17、及び頂壁11と底壁17の周囲を取り囲む4つの側壁を備える。水槽100は筐体10の内部に設置され、水槽100の中心軸は筐体10の前後方向に沿って設置される。
【0101】
本実施例の好ましい手段では、筐体10の右側壁14、頂壁11、及び水槽100の筒壁104によって第1取り付け空間Mが構成される。同時に、筐体10の右側壁14、底壁17、及び水槽100の筒壁104によって第2取り付け空間Nが構成される。濾過装置600は、筐体10の右側上部領域に位置する第1取り付け空間M内に設置され、ポンプ400は汚水受け装置500と共に筐体10の右側下部領域に位置する第2取り付け空間N内に設置される。
【0102】
上記の手段では、水槽100と筐体10との間の、筐体10内の右側上部領域に略三角柱状の第1取り付け空間Mが形成されるとともに、筐体10内の右側下部領域に略三角柱状の第2取り付け空間Nが形成される。濾過装置600と汚水受け装置500はそれぞれ、上記の第1取り付け空間Mと第2取り付け空間Nの内部に設置され、汚水受け装置500が濾過装置600の下部に位置されることにより、重力を利用して汚水を自動排出できるという目的を達成し、また、筐体10の内部空間を十分に利用して、洗濯設備の筐体10の内部構造をコンパクトにすることもでき、洗濯設備全体の体積を減少させながら、水槽100により大きな容量を持たせることを保証することに有利である。濾過装置600と汚水受け装置500は、水槽100の同じ側(
図2から
図4の水槽100の右側)に設置され、汚水排出管路240は略垂直方向に沿って延伸して設置されることができ、構造が簡単で、かつ汚水が重力によって濾過装置600外に排出される効率が高い。
【0103】
さらに好ましくは、洗濯設備は、洗剤を水槽100内に自動投入する機能を実現するための洗剤ケース300をさらに備える。洗剤ケース300は、筐体10の左側上部領域に設置され、具体的には、筐体10の頂壁11、左側壁13及び水槽100の筒壁104によって構成される空間内に取り付けられる。
【0104】
本実施例のさらなる手段では、前述の洗濯設備の濾過システムは、ポンプ400によって駆動され、水槽100から少なくとも順に濾過器420と濾過装置600とを経由した後、前述の水槽100に戻る第3濾過水路をさらに備える。
【0105】
さらに、前述の濾過システムは、前述の第1濾過水路と第3濾過水路とを択一的に開通するように制御するための切り替え装置270をさらに備える。
【0106】
上記の手段において、前述の第1濾過水路は、洗濯設備の排水濾過機能を実現することにより、排水水流を、濾過不純物を濾過除去した後に外に排出させるためのものである。前述の第3濾過水路は、洗濯設備の循環濾過機能を実現するためのものであり、具体的には、洗濯過程で、水槽100内の水を絶えず濾過器420と濾過装置600に循環経由させることができ、水中の糸屑などの濾過不純物を減少させ、糸屑が衣類に付着して洗濯効果に影響を与えることを防止する。切り替え装置270によって、第1濾過水路と第3濾過水路とが択一的に開通するように制御され、洗濯設備の排水濾過機能と循環濾過機能を択一的に運転させることができる。
【0107】
第1濾過水路と第3濾過水路は、水槽100から濾過装置600までの区間内で管路構造を共用し、かつ両者はポンプ400を利用して駆動力を提供することができる。すなわち、濾過システムのポンプ400、濾過器420及び濾過装置600はいずれも排水濾過に用いることができ、また、循環濾過にも用いることができ、洗濯設備の内部構造を簡略化することができ、濾過装置又は駆動装置を過剰に設置する必要性や、水路設計が過度に複雑になるという面倒を省くことができる。
【0108】
本実施例のさらなる手段では、前述の第3濾過水路は水槽100内に水を戻すための戻り管路230を備える。切り替え装置270は、濾過装置600、排水管路250及び戻り管路230にそれぞれ連通し、排水管路250と戻り管路230とが択一的に濾過装置600と開通するように制御する。
【0109】
本実施例における水路構造は、具体的には以下の通りである。水槽100の底部は水槽排水管260の一端に接続され、水槽排水管260の他端はポンプ400の入水端に接続される。ポンプ400の出水端は中間管路220の一端に接続され、中間管路220の他端は濾過装置600の入水口6101に接続される。濾過装置600の濾過水出口6102は、連通管路280を介して切り替え装置270の入水口に連通し、切り替え装置270の1つの出水口に戻り管路230が接続され、もう一つの出水口に排水管路250が接続される。切り替え装置270の内部に可動可能な切り替え機構271が設置されており、切り替え機構271の動きによって、2つの出水口は択一的に入水口と開通し、それにより、戻り管路230と排水管路250とが択一的に濾過装置600の濾過水出口6102と開通するように制御されることができる。
【0110】
上記の手段では、切り替え装置270が戻り管路230と濾過水出口6102とを開通すると、ポンプ400が運転して水槽100内の水を引き抜き、濾過装置600に圧送して濾過し、濾過後に戻り管路230に沿って再び水槽100内に戻すことができ、それにより、洗濯設備の洗濯過程で洗濯水を循環濾過することができ、洗濯設備の循環濾過機能を実現することができる。切り替え装置270が排水管路250と濾過水出口6102とを開通すると、ポンプ400が運転して、水槽100内の水が濾過装置600に圧送され、濾過後の水が排水管路250に沿って排出される。これにより、洗濯設備の排水水流が濾過後に外に排出され、洗濯設備の排水濾過機能が実現される。
【0111】
以下、
図2から
図4を参照しながら、本実施例における洗濯設備の作業過程を具体的に記載する。
【0112】
図2は、洗濯設備が洗濯段階及び/又はすすぎ洗い段階に洗濯水を循環濾過する循環過程を示している。具体的には、水槽100内に水が入れられ、衣類を洗濯する時、切り替え装置270は連通管路280と戻り管路230とを開通した状態にあり、汚水排出制御弁241は閉じられて、汚水排出管路240が遮断状態にある。ポンプ400が作動し、水槽排水管260に沿って水槽100内の洗濯水が引き抜かれる。洗濯水はポンプ400内部の濾過器420を経由して、予備的な濾過が実現された後、中間管路220に沿って濾過装置600に圧送され、さらなる濾過が実現される。濾過後の洗濯水は、濾過装置600の濾過水出口6102から流出し、連通管路280に沿って切り替え装置270に入り、最終的に戻り管路230から水槽100内に戻る。
【0113】
図3は洗濯設備の排水過程を示している。具体的には、洗濯設備が排水する必要がある時、切り替え装置270は連通管路280と排水管路250とを開通した状態に切り替え、汚水排出制御弁241は閉状態を維持する。ポンプ400が作動するように制御され、水槽排水管260に沿って水槽100内の洗濯水が引き抜かれる。洗濯水はポンプ400内部の濾過器420を経由して、予備的な濾過が実現された後、中間管路220に沿って濾過装置600に圧送され、さらなる濾過が実現される。濾過後の洗濯水は、濾過装置600の濾過水出口6102から流出し、連通管路280に沿って切り替え装置270に入り、最終的に排水管路250から洗濯設備外に排出される。
【0114】
図4は、洗濯設備において、濾過装置600が自己清掃を行い、濾過不純物を包含する汚水を排出する汚水排出過程を示している。具体的には、
図5を参照すると、駆動機構660が作動して、濾過機構620を濾過室610で回転駆動することにより、濾過機構620の外壁に付着した濾過不純物を、遠心力及び水流の激しい振動の作用により剥離させる。水流の激しい振動は同時にまた、濾過室610の内壁に付着する可能性のある濾過不純物を脱落させ、さらには、濾過室610内の水中に溶け込ませることもできる。汚水排出制御弁241が開かれ、濾過室610内で濾過不純物を包含する汚水が、重力の作用で汚水排出口6103から流出し、汚水排出管路240に沿って汚水受け装置500内に流し込まれる。汚水受け装置500に入る汚水は、糸屑収集アセンブリ560によって濾過された後、汚水中の濾過不純物が糸屑収集アセンブリ560の内部に収集され、濾過不純物を含有しない汚水はポンプ400内に流し込まれる。切り替え装置270は、連通管路280と排水管路250とを開通させた状態に制御され、ポンプ400が作動することにより、濾過不純物が除去された汚水は、順に中間管路220、連通管路280及び排水管路250に沿って洗濯設備外に排出されることができる。
【0115】
本実施例では、洗濯設備の濾過システムに合計3つの濾過水路が設置されている。そのうち、第1濾過水路は、水槽100から排出された洗濯水を濾過した後、洗濯設備外に排出することができる。濾過装置600は第2濾過水路に沿って、自己清掃後の濾過不純物を包含する汚水を排出することができ、さらに、汚水を汚水受け装置500によって濾過し、濾過不純物を収集した後、さらに外に排出することができる。このように、洗濯設備の排水水流中に濾過不純物をほとんど含有しないことを実現し、濾過不純物中に包含されるマイクロプラスチックが、洗濯設備の排水と共に直接排出されるという問題を回避した。
【0116】
第3濾過水路は、洗濯設備の循環濾過機能を実現するためのものであり、それにより、洗濯水中の糸屑含有量を減少させ、衣類の洗濯効果を改善することができる。前述の濾過システムでは、一部の構造が上記の3つの濾過水路のうち少なくとも2つの濾過水路に共用され、それにより、濾過システムの構造をできるだけ簡略化する目的を達成した。洗濯設備の内部構造を簡略化して、複雑な構造が過大な取り付け空間を占用するのを回避できる一方で、駆動装置、濾過装置の設置数を減らし、洗濯設備の生産コストを削減することにも有利である。
【実施例2】
【0117】
図1から
図5に示すように、本実施例は、水槽100と、水槽100内の水を受けて濾過するための濾過装置600とを備える洗濯設備を提供するものである。前述の洗濯設備は、洗濯機、洗濯乾燥機、衣類ケア機などの衣類洗浄機能を有する洗濯設備であってもよい。
【0118】
具体的には、濾過装置600は自己清掃機能を有しており、ユーザーは濾過装置600を外して手作業で清掃する必要がない。濾過装置600は自己清掃を行い、水流と共に濾過過程で蓄積された濾過不純物を排出することができる。濾過装置600上には汚水排出口6103が設置され、汚水排出口6103を介して、自己清掃後の濾過不純物を包含する汚水を排出することができ、濾過不純物が濾過装置600の内部に大量に堆積して、濾過効率に影響を与えることを防止する。
【0119】
本実施例の洗濯設備は、濾過装置600の汚水排出口6103に連通しており、濾過装置600から排出された汚水を受けるための汚水受け装置500をさらに備える。このように、濾過装置600から排出された汚水が洗濯設備の排水水流に直接合流し、外に排出されるという問題を回避し、それにより、濾過不純物中のマイクロプラスチックが排水水流と共に生体循環に入り、生態環境及び人体の健康に害を及ぼすことを防止することができる。
【0120】
本実施例では、汚水受け装置500は、濾過装置600の汚水排出口6103の高さよりも低い位置に設置される。このような場合、濾過装置600内の濾過不純物を包含する汚水は、汚水排出口6103から排出された後、重力の作用で汚水受け装置500内に流し込まれることができ、余分な駆動力に頼る必要がない。濾過装置600が汚水を排出する汚水排出過程のために、洗濯設備の内部に駆動装置を個別に設置することなく、濾過装置600が濾過不純物を自動排出する機能を実現することができる。
【0121】
さらに、本実施例では、汚水排出口6103は、濾過装置600の底部領域に設置され、下向きに排水される。現在の洗濯プログラムの最後の排水が終了した後など、洗濯設備が、濾過のために水槽100内の洗濯水を濾過装置600に輸送しなくなった場合に、濾過装置600内に残留した洗濯水は、重力の作用で、汚水排出口6103から汚水受け装置500内に流し込まれることができ、濾過装置600内に洗濯水が残留するという問題を防止した。
【0122】
本実施例のさらなる手段では、濾過装置600の設置位置は水槽100の中心軸の高さよりも高く、汚水受け装置500の設置位置は水槽100の中心軸の高さよりも低い。濾過装置600と汚水受け装置500との間に汚水排出管路240が設置されて連通を実現し、濾過装置600内の汚水は、重力の作用で、汚水排出管路240に沿って汚水受け装置500内に流し込まれる。
【0123】
好ましくは、汚水排出管路240上に汚水排出制御弁241が設置される。濾過装置600が水槽100内の水を受けて濾過を行う時には、汚水排出制御弁241が閉じられて、汚水排出管路240が遮断されることにより、濾過装置600に入った洗濯水が、重力の作用で汚水排出口6103から直接排出されて、汚水排出管路240に沿って汚水受け装置500内に流し込まれることなく、濾過後に送出されることができることを確保する。濾過装置600が、内部に蓄積された濾過不純物を排出する必要がある場合にのみ、汚水排出制御弁241が開かれ、濾過装置600内の濾過不純物を包含する汚水が汚水排出管路240に沿って汚水受け装置500内に流し込まれる。
【0124】
具体的には、本実施例の濾過装置600は、
入水口6101、濾過水出口6402及び汚水排出口6103を有する濾過室610と、
濾過室610の内部に回転可能に設置され、濾過水出口6102の内壁に回転可能に密封接続された出水ジョイント621を有する濾過機構620と、
濾過機構620に接続され、濾過機構620を濾過室610内で回転駆動するための駆動機構660とを備える。
【0125】
濾過機構620は、フィルターフレーム、及びフィルターフレームの表面を覆うフィルターを備え、濾過室610の内部を外部収容室と内部収容室とに分け、そのうち、入水口6101は前述の外部収容室に連通する。水槽100内の濾過対象の洗濯水は、入水口6101を介して外部収容室内に入り、濾過機構620を介して内部収容室に入って濾過が実現され、水中に包含される濾過不純物は濾過機構620の外壁上に付着し、濾過不純物が濾過除去された浄水は、内部収容室に連通する出水ジョイント621を介して流出し、最終的に濾過水出口6102から濾過室610外に流出する。
【0126】
濾過装置600内部の濾過不純物を清掃する必要がある場合には、駆動機構660、例えば、モーターが濾過機構620を回転駆動することにより、濾過室610内の水流を攪拌して、濾過機構620の外壁に付着した濾過不純物を、遠心力及び水流の激しい振動の二重作用により剥離させ、濾過室610内の水中に溶け込ませ、さらには、濾過室610上の汚水排出口6103から水流と共に排出させることができる。
【0127】
上記の手段では、回転可能な濾過機構620を設置することによって、濾過装置600が濾過不純物の自己清掃を実現できるようになり、かつ濾過不純物の除去効率が高い。通常の使用状況で、ユーザーは、濾過装置600を洗濯設備内から取り出して手作業で清掃する必要がなく、洗濯設備がより使用しやすいものとなる。
【0128】
本実施例の洗濯設備は筐体10をさらに備え、筐体10は具体的には、対向して設置された頂壁11と底壁17、及び頂壁11と底壁17の周囲を取り囲む4つの側壁を備える。水槽100は筐体10の内部に設置され、水槽100の中心軸は筐体10の前後方向に沿って設置される。
【0129】
本実施例の好ましい手段では、筐体10の右側壁14、頂壁11、及び水槽100の筒壁104によって第1取り付け空間Mが構成される。同時に、筐体10の右側壁14、底壁17、及び水槽100の筒壁104によって第2取り付け空間Nが構成される。濾過装置600は、筐体10の右側上部領域に位置する第1取り付け空間M内に設置され、汚水受け装置500は筐体10の右側下部領域に位置する第2取り付け空間N内に設置される。
【0130】
上記の手段では、水槽100と筐体10との間の、筐体10内の右側上部領域に略三角柱状の第1取り付け空間Mが形成されると同時にまた、筐体10内の右側下部領域に略三角柱状の第2取り付け空間Nが形成される。濾過装置600と汚水受け装置500はそれぞれ、上記の第1取り付け空間Mと第2取り付け空間Nの内部に設置され、汚水受け装置500が濾過装置600の汚水排出口6103よりも低いことにより、重力を利用して汚水を自動排出できるという目的を達成し、また、筐体10の内部空間を十分に利用して、洗濯設備の筐体10の内部構造をコンパクトにすることもでき、洗濯設備全体の体積を減少させながら、水槽100により大きな容量を持たせることを保証することに有利である。濾過装置600と汚水受け装置500は、水槽100の同じ側(
図2から
図4の水槽100の右側)に設置され、汚水排出管路240は略垂直方向に沿って延伸して設置されることができ、構造が簡単で、かつ汚水が重力によって濾過装置600外に排出される効率が高い。
【0131】
さらに好ましくは、洗濯設備は、洗剤を水槽100内に自動投入する機能を実現するための洗剤ケース300をさらに備える。洗剤ケース300は、筐体10の左側上部領域に設置され、具体的には、筐体10の頂壁11、左側壁13及び水槽100の筒壁104によって構成される空間内に取り付けられる。
【0132】
本実施例のさらなる手段では、汚水受け装置500は糸屑収集アセンブリ560を備え、汚水受け装置500が受ける汚水は糸屑収集アセンブリ560によって濾過され、糸屑収集アセンブリ560は同時にまた、汚水中に包含される濾過不純物を収集することもできる。
【0133】
具体的には、汚水受け装置500はケーシングを備え、糸屑収集アセンブリ560は前述のケーシングの内部に設置され、かつ濾過不純物を収集するための収集室を有する。濾過装置600から排出された汚水は、汚水排出管路240に沿って汚水受け装置500に流し込まれ、糸屑収集アセンブリ560の収集室内に入り、糸屑収集アセンブリ560によって濾過された後、糸屑収集アセンブリ560の外側に流れ、濾過不純物は前述の収集室内に収集される。
【0134】
詳細には、糸屑収集アセンブリ560は前述の収集室を囲むスクリーンを備え、濾過装置600から排出された汚水は糸屑収集アセンブリ560の収集室内に入り、前述のスクリーンによって汚水の濾過及び濾過不純物の収集を実現する。
【0135】
上記の手段では、汚水は、汚水受け装置500に入った後、糸屑収集アセンブリ560によって濾過され、それにより、濾過不純物を汚水中から分離することができ、ユーザーが収集された濾過不純物を直接処理するのに便利であり、濾過不純物が水中に混合して、効果的に処理できないという事態を回避した。
【0136】
本実施例の好ましい手段では、糸屑収集アセンブリ560は汚水受け装置500の内部に着脱可能に取り付けられ、ユーザーは、汚水受け装置500内から糸屑収集アセンブリ560を外して、内部に収集された濾過不純物を清掃することができる。清掃完了後、糸屑収集アセンブリ560を再び汚水受け装置500上に取り付けることにより、汚水受け装置500は、洗濯設備が次回、洗濯プログラムを運転する時に、引き続き濾過装置600から排出された汚水を受けることができる。
【0137】
具体的には、本実施例では、筐体10の前側壁12上に開くことのできる下部口18が設置され、下部口18の設置位置は、汚水受け装置500がちょうど下部口18の内側に位置するように、汚水受け装置500と対応する。糸屑収集アセンブリ560を手作業で清掃する必要がある場合に、ユーザーは、下部口18を開いて、汚水受け装置500内から糸屑収集アセンブリ560を取り出すことができる。
【0138】
本実施例のさらなる手段では、前述の洗濯設備は水槽100に連通する排水装置をさらに備え、洗濯設備は前述の排水装置を介して外部に排水する。汚水受け装置500は前述の排水装置に連通しており、濾過後の汚水は、前述の排水装置を介して洗濯設備外に排出されることができる。
【0139】
汚水受け装置500内で濾過された後、汚水中に濾過不純物は含有されなくなり、排水装置を介して洗濯設備外に直接排出されるため、マイクロプラスチックが生態環境に入るという問題が生じない。また、汚水受け装置500は定期的に、又はリアルタイムに濾過後の汚水を排出することができ、ユーザーが汚水受け装置500を洗濯設備内から完全に取り出して、内部の汚水を傾けて廃棄する必要がなく、ユーザーがより使いやすい。一方で、汚水が汚水受け装置500内に大量に貯留することがなく、それにより、汚水受け装置500の容積に対する要件が低下するため、汚水受け装置500の体積を減少させることができる。
【0140】
さらに、前述の排水装置は、ポンプ400と、排水管路250とを備える。そのうち、ポンプ400の入水端は水槽100に連通しており、水槽100内の水を引き抜き、ポンプ400の出水端から圧出することができる。排水管路250は、洗濯設備の外部に通じており、ポンプ400から圧出された水を受けて、洗濯設備外に排出することができる。
【0141】
本実施例では、汚水受け装置500はポンプ400に連通しており、汚水受け装置500内の濾過された汚水は、ポンプ400内に流し込まれ、ポンプ400から排水管路250に圧送されて排出されることができる。一方で、ポンプ400は、一般的に水槽100の下方に設置され、それにより、本実施例では汚水受け装置500に比較的近い位置に設置されることができ、汚水受け装置500が濾過後の汚水をポンプ400内に直接流し込むことを容易にする。他方で、ポンプ400は洗濯設備の排水に駆動力を提供し、汚水受け装置500はポンプ400に連通するように設置され、ポンプ400を利用して、汚水受け装置500の排水に補助駆動力を提供することができ、汚水受け装置500が受けた汚水を濾過した後、ポンプ400内に十分に流し込むことができることを確保する。
【0142】
図2から
図6に示すように、本実施例のさらなる手段では、ポンプ400はポンプ本体410を備え、汚水受け装置500は、ポンプ本体410に接触して設置され、かつポンプ本体410の上方に設置される。
【0143】
具体的には、ポンプ本体410は水槽100に連通する入水端、及び水をポンプ400に圧出する出水端を有する。ポンプ本体410の頂部に、汚水受け装置500のケーシング内部に連通し、汚水受け装置500の排水を受けるための開口が設置される。
【0144】
好ましくは、ポンプ本体410は汚水受け装置500のケーシングと一体的に設置され、両者の内部空間は相互に連通する。濾過装置600から排出された汚水は、汚水受け装置500に入った後、汚水受け装置500内部の糸屑収集アセンブリ560によって濾過され、濾過後の汚水は、さらに重力の作用でポンプ400のポンプ本体410に流し込まれ、さらには、ポンプ400によって排水管路250に圧送されて洗濯設備外に排出されることができる。
【0145】
さらに、ポンプ400の出水端は濾過装置600の入水口6101に連通し、排水管路250は濾過装置600の濾過水出口6102に連通し、ポンプ400から圧出された水は濾過装置600によって濾過された後、排水管路250に沿って洗濯設備外に排出される。
【0146】
上記の手段では、洗濯設備の排水水流はまず、濾過装置600によって濾過され、濾過不純物が除去された後、排水管路250に沿って洗濯設備の外部に放出される。このように、洗濯設備の排水水流中に濾過不純物が存在しないことを確保し、濾過不純物中に存在し得る小さな糸屑が排水水流とともに生態循環に入るという問題を回避した。
【0147】
本実施例のさらなる手段では、前述の洗濯設備は水槽100に連通する戻り管路230、及び濾過装置600の濾過水出口6102に連通する切り替え装置270をさらに備える。切り替え装置270は、戻り管路230と排水管路250とが択一的に濾過装置600の濾過水出口6102と開通するように制御するためのものである。
【0148】
詳細には、水槽100の底部には、水槽排水管260の一端が接続され、水槽排水管260の他端はポンプ400の入水端に接続される。ポンプ400の出水端は中間管路220の一端に接続され、中間管路220の他端は濾過装置600の入水口6101に接続される。濾過装置600の濾過水出口6102は、連通管路280を介して切り替え装置270の入水口に連通し、切り替え装置270の1つの出水口に戻り管路230が接続され、もう一つの出水口に排水管路250が接続される。切り替え装置270の内部に可動可能な切り替え機構271が設置されており、切り替え機構271の動きによって、2つの出水口は択一的に入水口と開通し、それにより、戻り管路230と排水管路250とが択一的に濾過装置600の濾過水出口6102と開通するように制御されることができる。
【0149】
上記の手段では、切り替え装置270が戻り管路230と濾過水出口6102とを開通すると、ポンプ400が運転して、水槽100内の水を引き抜き、濾過装置600に圧送して濾過し、濾過後に戻り管路230に沿って再び水槽100内に戻すことができる。それにより、洗濯設備の洗濯過程で洗濯水を循環濾過することができ、洗濯設備の循環濾過機能を実現することができる。切り替え装置270が排水管路250と濾過水出口6102とを開通すると、ポンプ400が運転して、水槽100内の水を濾過装置600に圧送し、濾過後の水が排水管路250に沿って排出される。これにより、洗濯設備の排水水流が濾過後に外に排出され、洗濯設備の排水濾過機能が実現される。
【0150】
洗濯設備の循環濾過と排水濾過は、同じポンプ400によって駆動力を提供し、同じ濾過装置600を利用して濾過効果を実現すると同時にまた、一部の管路構造を共用し、洗濯設備内部の水路構造を簡略化するのに有利である。水路構造の簡略化は取り付け空間を節約する一方で、循環ポンプと排水ポンプをそれぞれ設置する必要がないため、駆動装置の設置数を減少させ、洗濯設備の生産コストを削減するのに有利である。
【0151】
本実施例のさらなる手段では、ポンプ400は濾過器420をさらに備え、濾過器420はポンプ400の入水端と出水端との間に設置され、具体的にはポンプ本体410の内部に設置される。前述の入水端からポンプ400に入る水は濾過器420によって濾過された後、出水端から圧出され、中間管路220に沿って濾過装置600に圧送されて、濾過が実現される。
【0152】
好ましくは、濾過器420が濾過可能な混入物の寸法は、濾過装置600が濾過可能な濾過不純物の寸法よりも大きい。濾過装置600が濾過可能な濾過不純物の寸法は、汚水受け装置500内の糸屑収集アセンブリ560が収集可能な濾過不純物の寸法以上である。
【0153】
具体的には、ポンプ400内の濾過器420は主に、水槽100内の水に対し予備的な濾過効果を実現するためのものであり、一部の比較的大きい寸法の混入物、例えば、洗濯物と共に水槽100内に持ち込まれた硬貨、ヘアピン、又は衣類から脱落したボタンなどの異物を除去する。上記の異物は水流とともにポンプ400を経由する時に、ポンプ400の出水端から圧出されずに、濾過器420によって捕捉されるため、前述の異物が中間管路220又は濾過装置600に詰まることにより、洗濯設備の濾過機能が故障するという問題を防止することができる。
【0154】
好ましくは、濾過器420はポンプ400上に着脱可能に取り付けられ、ユーザーは濾過器420を外して清掃することができる。具体的には、ポンプ400は、筐体10内部の右下領域の第2取り付け空間N内に、汚水受け装置500のケーシングと一体的に設置され、かつ、両者は、筐体10の前側壁12上に設置された下部口18の内側に共に位置される。ユーザーは、下部口18を開くことにより、ポンプ400と汚水受け装置500を同時に露出させることができ、さらには、必要に応じて、ポンプ400の濾過器420及び/又は汚水受け装置500の糸屑収集アセンブリ560を着脱して清掃することができる。
【0155】
さらに、ポンプ400の濾過器420によって水が予備的に濾過された後に、濾過装置600によってさらに濾過されることにより、寸法が上記の異物の寸法よりも小さな濾過不純物、例えば、洗濯過程で衣類の表面から脱落した糸屑などが除去される。具体的には、濾過装置600は寸法が50μmよりも大きな濾過不純物を濾過することができ、前述の濾過不純物内にはマイクロプラスチックが含まれていてもよい。特に、濾過不純物には長さが50μmよりも大きく、直径が10~1000μmのプラスチック繊維が含まれていてもよい。好ましくは、前述のプラスチック繊維は400~600μmの長さを有し、分布において最も一般的な長さは500μm±50μmである。これらのプラスチック繊維の直径は好ましくは10~50μmであり、最も一般的なものは17μm±2μmの直径を有する。
【0156】
濾過装置600は、濾過された濾過不純物を清掃することにより、上記の濾過不純物を包含した汚水を汚水受け装置500に流し込み、汚水受け装置500によって濾過不純物の最終的な収集目的を達成することができる。汚水中に包含される上記寸法のマイクロプラスチック又はプラスチック繊維が、糸屑収集アセンブリ560によって十分に収集可能であることを保証するため、糸屑収集アセンブリ560が汚水を濾過する時に濾過収集が可能な濾過不純物の寸法は、少なくとも濾過装置600が濾過可能な濾過不純物の寸法以上である必要がある。例えば、濾過装置600は、寸法が50μmよりも大きな濾過不純物を濾過することができる。その場合、糸屑収集アセンブリ560は、受けた汚水を濾過する時に、少なくとも寸法が50μmよりも大きな濾過不純物は通過できないことを保証する必要がある。好ましくは、寸法が50μmよりも僅かに小さな濾過不純物も通過できず、汚水中のマイクロプラスチックが糸屑収集アセンブリ560内にできるだけ多く収集されることを確保することができる。
【0157】
上記寸法のマイクロプラスチックの濾過除去を実現するため、濾過装置600内の濾過機構620のフィルターは20メッシュから500メッシュを選択する。また、汚水受け装置500は汚水中に包含されるマイクロプラスチックをできるだけ十分に収集することができ、濾過装置600によって濾過されたマイクロプラスチックが、汚水受け装置500内で糸屑収集アセンブリ560を通り抜けられるという問題が発生しないことを保証するため、糸屑収集アセンブリ560内のスクリーンの孔径寸法は、少なくとも濾過装置600内のフィルターの孔径以下である。すなわち、糸屑収集アセンブリ560内のスクリーンのメッシュ数は、濾過装置600内のフィルターのメッシュ数である20メッシュから500メッシュ以上である。
【0158】
本実施例では、事前に異なる種類の衣類及び異なる洗濯プログラムを大量に試験したことにより、糸屑収集アセンブリ560内のスクリーンのメッシュ数及び濾過装置600内のフィルターのメッシュ数を上記の範囲内に設定すると、洗濯水及び洗濯設備の排水中から上記寸法のプラスチック繊維を濾過することができ、最終的に、汚水受け装置500内で、水中の総含有量の80%以上を占めるマイクロプラスチック粒子を収集できることが分かった。これにより、洗濯設備の最終的な排水水流中のマイクロプラスチック含有量を大幅に低減し、直接放出の基準を満たすことができる。
【0159】
本実施例では、洗濯設備の作業過程は実施例1と同じであるため、説明を省略する。
【0160】
本実施例で提供される洗濯設備には自己清掃機能を有する濾過装置600が設置されており、該濾過装置600は、洗濯水に対する循環濾過機能を実現することができ、また、洗濯設備の排水水流を濾過することができると同時にまた、内部に蓄積された濾過不純物を自己清掃することもでき、ユーザーが濾過装置600を取り外して手作業で清掃する必要がなく、ユーザーが使用しやすい。洗濯設備には汚水受け装置500がさらに設置されており、濾過装置600が自己清掃を行った後に排出した汚水を受け、汚水中の濾過不純物を収集することができ、濾過不純物中に包含されるマイクロプラスチックが洗濯設備の排水と共に直接排出されるという問題を回避した。
【0161】
濾過装置600が洗濯設備の筐体10内部の上部領域に設置され、汚水受け装置500が筐体10内部の下部領域に設置されることにより、汚水受け装置500の設置高さが濾過装置600よりも低くなり、特に、汚水受け装置500が濾過装置600の汚水排出口6103よりも低くなり、濾過装置600内部の汚水は余分な駆動力に頼らずに、重力の作用だけで、汚水受け装置500内に流し込まれることができる。また、洗濯設備が今回の洗濯プログラムの運転を終了しようとしている時、又は今回の洗濯プログラムの運転が終了した後、汚水排出制御弁241が開状態を一定時間維持することによって、濾過装置600内の残留水も、重力の作用で汚水排出口6103から十分に排出することができ、濾過装置600内に洗濯水が残留するという問題が発生するのを回避し、濾過装置600の内部は、洗濯を終えた後にできるだけ早く比較的乾燥した環境にすることができ、濾過装置600の内部の清浄性・衛生性を保証した。
【実施例3】
【0162】
図4から
図7に示すように、本実施例と上記の実施例1又は2との違いは、汚水受け装置500がポンプ400と水平に配列されることである。具体的には、汚水受け装置500はポンプ400のポンプ本体410と接触し、かつポンプ本体410の片側(すなわち、
図7のポンプ本体410の左側)に設置される。
【0163】
さらに、本実施例では、ポンプ本体410の左側に汚水受け装置500のケーシング内部に連通する開口が設置され、汚水受け装置500の内部で濾過された汚水は、前述の開口からポンプ400内に入り、さらに、ポンプ400から排水管路250に圧送されて洗濯設備外に排出されることができる。
【0164】
好ましくは、上記実施例1と類似して、本実施例のポンプ本体410と汚水受け装置500は同様に一体的に設置され、かつ内部空間は相互に連通する。濾過装置600が汚水受け装置500に汚水を流し込んだ後、ポンプ400が作動し、汚水受け装置500内で糸屑収集アセンブリ560によって濾過された汚水は、ポンプ本体410内部に吸入され、中間管路220に沿って上方に圧送され、最終的に排水管路250から洗濯設備外に排出される。
【0165】
本実施例では、実施例1、2に基づき、汚水受け装置500とポンプ400の配列形態のみを変更し、その他の構造はいずれも実施例1又は2と同じである。濾過システムの全体構造は変わらず、依然として異なる機能を実現するための3つの濾過水路を備えており、濾過装置600が重力の作用で汚水を汚水受け装置500内に流し込み、さらにポンプ400によって、汚水受け装置500内で濾過された汚水を洗濯設備外に排出する効果も実現することができる。
【実施例4】
【0166】
図4と
図8に示すように、本実施例と上記の実施例1又は2との違いは、汚水受け装置500がポンプ400のポンプ本体410と間隔をあけて設置され、両者の間は排出管590を介して連通することである。
【0167】
本実施例の好ましい手段では、汚水受け装置500上の、排出管590を接続するための出口は、ポンプ本体410上の、排出管590を接続するための入り口よりも高い。濾過装置600内の汚水は、汚水排出管路240に沿って汚水受け装置500に流し込まれた後、汚水受け装置500内の糸屑収集アセンブリ560によって濾過が実現され、濾過された汚水は、重力の作用で排出管590に沿ってポンプ400のポンプ本体410内部に輸送され、さらにはポンプ400の圧送作用により、最終的に排水管路250に沿って排出されることができる。
【0168】
具体的には、汚水受け装置500のケーシング下部に、排出管590の一端が接続される出口が設置され、ポンプ本体410の下部に、排出管590の他端が接続される入り口が設置されており、汚水受け装置500の設置高さがポンプ400の設置高さよりもやや高いことにより、前述の出口の高さは入り口の高さよりも高くなっている。排出管590は、汚水受け装置500のケーシング上の出口からポンプ本体410上の入り口まで延伸し、全体的に下向きに傾斜して延伸する構造を呈しており、さらには、汚水受け装置500内で濾過された汚水は、重力の作用で、排出管590に沿ってポンプ400のポンプ本体410内部に自動的に流し込まれることができ、汚水受け装置500の内部に汚水が残留することはない。
【0169】
本実施例では、洗濯設備のその他の構造はいずれも上記の実施例1、2と同じであり、さらには、3つの濾過水路によって、それぞれ異なる濾過機能を実現するという目的も達成することができる。また、濾過装置600は、重量の作用のみによって汚水を汚水受け装置500に流し込むことができ、濾過装置600の内部に洗濯水が残留するのを防止することができる。汚水受け装置500は、ポンプ400と別体に間隔を空けて設置され、排出管590を介して連通することで、汚水受け装置500内で濾過された汚水がポンプ400に輸送され、さらに排出されることを実現する。このように、従来技術で洗濯設備に用いられる排水ポンプを利用して簡単に改造し、汚水を受けるための入り口を追加すれば、本実施例のポンプ400を得ることができ、ポンプ本体410の構造を再設計する必要があるという手間を省いた。汚水受け装置500がポンプ400よりもやや高く設置されるため、汚水受け装置500内で濾過された汚水は、重力の作用でポンプ400内に十分に流し込まれることができ、汚水受け装置500内に汚水が残留するという問題を回避することができる。
【実施例5】
【0170】
本実施例と上記の実施例1との違いは、前述の第2濾過水路において、汚水受け装置が、第1濾過水路の水槽とポンプとの間に位置する部分に連通することである。
【0171】
具体的には、本実施例では、水槽とポンプとの間は水槽排水管を介して連通し、前述の汚水受け装置は管路を介して水槽排水管に連通する。
【0172】
本実施例では、前述の汚水受け装置のケーシング上には排出口が設置され、出水管路が接続されている。前述の水槽排水管上に三方構造が設置され、前述の出水管路の端部は前述の三方構造上に接続され、それにより、水槽排水管に連通する。
【0173】
上記の構造によって、水槽排水管は水槽からポンプに直接導水することができ、汚水受け装置内で濾過された汚水も、出水管路に沿って前述の三方構造に流れ、前述の三方構造を介して水槽排水管内に入り、さらに、水槽排水管に沿ってポンプ内に導入されることができる。
【0174】
本実施例では、汚水受け装置は水槽排水管に連通しており、濾過された汚水はポンプ内に直接送り込まれない。上記の実施例1、3及び4と比べ、本実施例のポンプは、従来技術で洗濯設備に用いられる排水ポンプを直接採用することができ、その構造を変更する必要がない。
【実施例6】
【0175】
図9から
図13に示すように、本実施例は、濾過モジュール、及び前述の濾過モジュールを有する洗濯設備を提供するものであり、前述の濾過モジュールは、洗濯設備に適用された場合に水に対する濾過機能を実現するためのものである。前述の洗濯設備は、洗濯機、洗濯乾燥機、衣類ケア機などの衣類洗浄機能を有する洗濯設備であってもよい。
【0176】
具体的には、前述の洗濯設備は水槽100を備え、前述の濾過モジュールは、水槽100に連通し、水槽100内の水を濾過するためのものである。
【0177】
本実施例では、前述の濾過モジュールは具体的には、濾過装置600と、汚水受け装置500とを備える。そのうち、濾過装置600は自己清掃機能を有しており、汚水排出口6103が設置され、汚水排出口6103を介して自己清掃後に生じた汚水を排出することができ、前述の汚水中には濾過過程で蓄積された濾過不純物が包含されている。汚水受け装置500は、濾過装置600の汚水排出口6103に連通し、濾過装置600から排出された汚水を受けるためのものである。
【0178】
上記の手段では、濾過モジュールの濾過装置600は、洗濯設備の水槽100内の水を受けて濾過するためのものであり、かつ濾過装置600は一定の自己清掃能力を有し、濾過過程で蓄積された濾過不純物を汚水受け装置500内に流し込むことができ、濾過不純物が大量に蓄積して濾過効率に影響を与えることを回避する。前述の汚水を洗濯設備の排水水流に合流させて直接排出するのではなく、汚水受け装置500が濾過装置600から排出された汚水を受けることにより、濾過不純物中に含有されるマイクロプラスチックが洗濯設備の排水と共に直接、生態循環に入るという問題を回避した。
【0179】
濾過モジュール全体は洗濯設備の内部に取り付けられるため、ユーザーは、洗濯設備を使用する際に、濾過モジュールの状態、特に内部の濾過不純物の蓄積状態を直接観察することができない。しかし、一旦濾過不純物が過剰になると、汚水受け装置500は濾過不純物によって詰まり、濾過装置600内の汚水は、汚水受け装置500に継続的に流し込まれなくなり、さらには、濾過モジュールが濾過機能を継続的に実現できなくなる可能性がある。
【0180】
このため、本実施例の濾過モジュールには、汚水受け装置500に詰まりが発生しているかどうかを検出するための検出装置900がさらに設置されている。具体的には、前述の濾過モジュールには、汚水受け装置500と濾過装置600の汚水排出口6103とを接続し、濾過装置600から汚水受け装置500への汚水の輸送を実現するための汚水排出管路240が設置されている。汚水排出管路240上には、汚水受け装置500に詰まりが発生した時に汚水を検出装置900に誘導する検出分岐路249が接続されている。
【0181】
上記構造により、汚水受け装置500に詰まり故障が発生すると、濾過装置600から排出された汚水は汚水受け装置500に入ることができないため、検出分岐路249に沿って検出装置900に誘導される。検出装置900が流入した汚水を検出すると、汚水受け装置500に詰まりが発生していると判断することができる。このように、濾過モジュールは検出装置900によって、汚水受け装置500の詰まり故障を適時に検出することができ、さらには、洗濯設備の制御システムに対応する情報をフィードバックすることができる。それにより、例えば、後続の洗濯過程で、濾過装置600が汚水受け装置500に汚水を放出しないように制御するなど、洗濯設備が汚水受け装置500の詰まり故障に適時に対応することができるようになり、洗濯設備が正常に運転できることを保証することができる。
【0182】
本実施例のさらなる手段では、検出装置900は具体的には、内部に水受け室911を有する外装910、及び水受け室911内の水位高さを検出するための検出アセンブリを備える。前述の検出アセンブリは、水受け室911内の水位高さが予め設定された高さに達した時にフィードバック信号を生成して、洗濯設備の制御システムに送信することができる。洗濯設備の制御システムは、前述のフィードバック信号を受信した状況に応じて、洗濯設備が警報信号を発信するように制御することができ、さらには、洗濯設備が今回の運転を終了した後に、ユーザーが汚水受け装置500を清掃できるように、ユーザーに汚水受け装置500の詰まり故障を適時に知らせることができ、洗濯設備の再運転時に汚水受け装置500が正常に使用できることを確保することができる。
【0183】
具体的には、本実施例における汚水受け装置500は、洗濯設備の筐体10上に着脱可能に取り付けられ、ユーザーは、汚水受け装置500を定期的に清掃することができ、特に、汚水を受けた後に内部に蓄積された濾過不純物を清掃することができる。しかし、ユーザーが汚水受け装置500を適時に清掃することを忘れると、洗濯設備の運転過程で、汚水受け装置500に濾過不純物による詰まりが発生する可能性がある。検出装置900は、汚水受け装置500の詰まり故障を適時に検出することができ、それにより、洗濯設備は警報信号を発信してユーザーに知らせ、さらに、ユーザーは汚水受け装置500の詰まり故障を適時に知り、手作業で清掃して故障を排除することができる。
【0184】
本実施例では、検出装置900は、汚水排出管路240の上部に設置され、検出分岐路249は、好ましくは汚水排出管路240の両端の間から垂直上方に延伸し、検出装置900に連通する。汚水受け装置500が、濾過装置600から排出された汚水を正常に受けることができる場合、汚水は一般的に、重力の作用により検出分岐路249に沿って検出装置900に入ることはない。汚水受け装置500に詰まり故障が発生した場合にのみ、濾過装置600は汚水を外に排出し続け、排出された汚水は検出分岐路249に沿って検出装置900内に入る。
【0185】
さらに、本実施例に記載の検出アセンブリはフロート920と、センサー930とを備える。このうち、フロート920は、水受け室911の内部に設置され、水受け室911内の水面高さの変化に応じて上下動することができる。センサー930は、フロート920の高さ位置を検知するためのものであり、フロート920が水面と共に予め設定された高さまで上昇した時にフィードバック信号を生成する。
【0186】
本実施例の具体的な手段では、フロート920は磁性を有し、センサー930は外装910の頂部に設置されたリードスイッチ940である。フロート920が水面と共に予め設定された高さまで移動すると、リードスイッチ940はフロート920の磁気作用で導通し、それによりフィードバック信号を生成する。
【0187】
詳細には、フロート920は1つの永久磁石、及び前述の永久磁石の外部に巻き付けられた被覆体を備えることができる。前述の被覆体の密度は水よりも小さく、例えば、発泡プラスチック素材を選択することができ、それにより、フロート920が水面上に浮くことができるようにする。又は、前述の被覆体は中空構造を有し、それにより、フロート920全体の密度は水よりも小さくなり、水面上に浮くことができる。
【0188】
リードスイッチ940は外装910の頂部外側に設置され、水受け室911に入る汚水と接触するのを回避する。リードスイッチ940には、洗濯設備の制御システムに接続されることにより、生成されたフィードバック信号を伝送するための信号出力導線943が接続されている。
図10と
図11を参照すると、汚水が水受け室911に入っていないとき、フロート920は水受け室911の底部に静止し、リードスイッチ940内部の第1電極941と第2電極942は常態的に接触しない。すなわち、リードスイッチ940は切断状態にある。
【0189】
汚水受け装置500に詰まりが発生すると、濾過装置600から排出された汚水は検出分岐路249に沿って水受け室911内に入る。
図12と
図13を参照すると、フロート920は水受け室911内の水面が上がると共に上昇し、一定の高さに達すると、リードスイッチ940はフロート920の磁気作用を受けて、第1電極941と第2電極942とを接触させる。この時、リードスイッチ940は導通状態にあり、フィードバック信号を生成して、信号出力導線943を介して洗濯設備の制御システムに伝送する。
【0190】
本実施例のさらなる手段では、検出アセンブリは誘導部950をさらに備え、誘導部950の内部に上下に延伸する中空通路が形成され、フロート920は前述の中空通路内で水面と共に上下動するよう位置が制限される。リードスイッチ940は誘導部950の上方に設置される。
【0191】
具体的には、誘導部950は垂直に延伸する中空管状構造を有し、それにより内部に前述の中空通路が形成される。誘導部950の下端に、前述の中空通路と誘導部950外部の空間を連通させるための開口を有し、それにより、前述の中空通路内の水面高さは水受け室911内の水面高さに同期して変化することができる。
【0192】
さらに、誘導部950の上部領域にいくつかの換気孔(図示せず)が設置され、前述の中空通路内の空気が、水面の上昇と共に前述の換気孔から排出されることができることを確保し、空気圧の存在によって、中空通路内の水面と水受け室911内の水面に高度差が生じることを回避する。
【0193】
上記の手段では、フロート920は、誘導部950によって形成された中空通路内に位置が制限されており、前述の中空通路内で上下に移動することしかできず、水受け室911内を自由に移動することはない。すなわち、フロート920は、常にリードスイッチ940の真下の領域内で上下に浮動し、フロート920が水面と共に上昇した後、フロート920が周囲に放射した磁界がリードスイッチ940に作用して、リードスイッチ940を導通させることができることを確保し、リードスイッチ940が導通されないという問題を回避した。
【0194】
本実施例では、汚水受け装置500は具体的には、ケーシング510、及びケーシング510内部に取り付けられた収集アセンブリ570を備える。収集アセンブリ570は、ケーシング510の内部を、上下に配置された第1室531と第2室532とに分ける。汚水排出管路240の出水端は、第1室531に連通し、濾過不純物を包含する汚水は、第1室531に入り、収集アセンブリ570によって濾過された後、第2室532に入る。濾過不純物は、第1室531内に収集され、すなわち、収集アセンブリ570の上側表面に収集される。
【0195】
汚水受け装置500は、収集アセンブリ570によって、受けた汚水中から濾過不純物を分離することができ、ユーザーが汚水受け装置500を清掃する際に、ユーザーが収集された濾過不純物を直接処理しやすく、濾過不純物が水中に混合して、効果的に処理できない事態を回避した。
【0196】
詳細には、収集アセンブリ570は水平に設置されたフレーム及び前述のフレーム上に敷設されたスクリーンを備え、ケーシング510は洗濯設備の筐体10上に挿入/引き抜き可能に取り付けられ、ケーシング510の上側に開放口を有し、収集アセンブリ570はケーシング510の内部に着脱可能に取り付けられる。汚水受け装置500、特に内部の収集アセンブリ570を清掃する必要がある場合、ユーザーは、筐体10内からケーシング510を引き抜く時に、ケーシング510上側の開放口を介して、ケーシング510内部から収集アセンブリ570を外し、取り出して清掃することができる。この時、汚水受け装置500を完全に取り外す必要がなく、取り扱いがさらに便利である。
【0197】
好ましくは、汚水受け装置500のケーシング510上に第2室532に連通する出水口(図示せず)が設置されてもよく、それにより、第2室532内の、濾過後に濾過不純物を含有しない水が外に排出される。例えば、洗濯設備の排水システムを介して洗濯設備外に直接排出されるため、排水水流中に濾過不純物を包含することにより、マイクロプラスチックの排出リスクを招くという問題が生じることはない。このような場合、ユーザーが汚水受け装置500を清掃する際に、内部の汚水を傾けて手作業で廃棄する必要がなく、より便利である。また、洗濯設備の運転過程で、汚水受け装置500が汚水で満たされ、汚水受け装置500が溢水するという問題も回避した。
【0198】
本実施例では、汚水受け装置500に詰まり故障が発生するのは、汚水排出管路240と汚水受け装置500の接続部が濾過不純物で詰まり、汚水が汚水受け装置500内に入ることができなくなるためであると考えられる。また、汚水中の濾過不純物の含有量が高すぎて、収集アセンブリ570が詰まり、汚水が収集アセンブリ570によって濾過されずに第2室532内に入り、さらには、第1室531が汚水で満たされ、濾過装置600が排出し続ける汚水が、汚水受け装置500内に入ることができず、詰まりが生じたためであるとも考えられる。
【0199】
本実施例では、濾過装置600の具体的な構造は、
入水口6101、濾過水出口6102及び汚水排出口6103が設置された濾過室610と、
濾過室610の内部に回転可能に設置され、濾過水出口6102に回転可能に密封接続された出水ジョイント621を有する濾過機構620と、
濾過機構620に接続され、濾過機構620を濾過室610内で回転駆動するための駆動機構660とを備える。
【0200】
濾過機構620は、濾過室610の内部を外部収容室と内部収容室とに分け、そのうち、入水口6101は前述の外部収容室に連通し、濾過水出口6102は内部収容室に連通する。濾過対象の水は、入水口6101から外部収容室内に入り、濾過機構620を通り抜けて内部収容室に入り、濾過が実現される。水中に包含される濾過不純物は、濾過機構620の外壁上に付着し、濾過不純物を濾過除去した水は、出水ジョイント621を介して濾過水出口6102から流出することができる。
【0201】
詳細には、濾過機構620は、フィルターフレーム、及び前述のフィルターフレーム上を覆うフィルターを備える。前述のフィルターフレームの一端は、濾過水出口6102に伸びて出水ジョイント621を形成する。
【0202】
濾過装置600内部の濾過不純物を清掃する必要がある場合には、駆動機構660が濾過機構620を回転駆動することにより、濾過室610内の水流を攪拌して、濾過機構620の外壁に付着した濾過不純物を、遠心力及び水流の激しい振動の二重作用により剥離させ、濾過室610内の水中に溶け込ませることができる。濾過不純物が混合している汚水は、濾過室610上の汚水排出口6103から水流とともに排出され、汚水は、汚水排出管路240を介して汚水受け装置500内に輸送される。
【0203】
本実施例のさらなる手段では、汚水排出管路240上に汚水排出管路240の開閉を制御するための汚水排出制御弁241が設置される。検出分岐路249の上端は検出装置900に接続され、下端は汚水排出管路240上に接続され、かつ汚水排出制御弁241と汚水受け装置500との間に位置する。
【0204】
濾過装置600が受けた水を濾過する時、汚水排出制御弁241は閉状態にあり、汚水排出管路240は遮断される。検出分岐路249は汚水排出制御弁241の下流領域に位置するため、汚水排出制御弁241が閉じている時は、汚水排出口6103と検出分岐路249との間も連通しない。この時、濾過装置600は汚水排出口6103から外に排水せず、それにより、入水口6101から濾過装置600に入った水がすべて濾過機構620によって濾過された後に、濾過水出口6102から排出されることを確保することができる。
【0205】
濾過装置600が汚水を排出する必要がある場合にのみ、汚水排出制御弁241が開かれ、汚水排出管路240が開通される。この時、濾過装置600は汚水排出口6103から汚水受け装置500に汚水を放出することができ、検出分岐路249は、汚水受け装置500で詰まり故障が発生した場合も検出装置900に導水することができ、さらに汚水受け装置500の詰まり故障の検出を実現することができる。
【0206】
本実施例では、濾過装置600は寸法が50μmよりも大きな濾過不純物を濾過することができ、前述の濾過不純物にはマイクロプラスチックが含まれていてもよい。特に、濾過不純物には長さが50μmよりも大きく、直径が10~1000μmのプラスチック繊維が含まれていてもよい。好ましくは、前述のプラスチック繊維は400~600μmの長さを有し、分布において最も一般的な長さは500μm±50μmである。これらのプラスチック繊維の直径は好ましくは10~50μmであり、最も一般的なものは17μm±2μmの直径を有する。
【0207】
濾過装置600は、濾過された濾過不純物を清掃し、上記の濾過不純物を包含した汚水を汚水受け装置500に流し込むことができ、汚水受け装置500によって濾過不純物の最終的な収集目的を達成することができる。汚水中に包含される上記寸法のマイクロプラスチック又はプラスチック繊維が、収集アセンブリ570によって十分に収集可能であることを保証するため、収集アセンブリ570が汚水を濾過する時に濾過収集が可能な濾過不純物の寸法は、少なくとも濾過装置600が濾過可能な濾過不純物の寸法以上である必要がある。例えば、濾過装置600は、寸法が50μmよりも大きな濾過不純物を濾過することができる。その場合、収集アセンブリ570は、受けた汚水を濾過する時に、少なくとも寸法が50μmよりも大きな濾過不純物は通過できないことを保証する必要がある。好ましくは、寸法が50μmよりも僅かに小さな濾過不純物も通過できず、汚水中のマイクロプラスチックが収集アセンブリ570の上側にできるだけ多く収集されることを確保することができる。
【0208】
上記寸法のマイクロプラスチックの濾過除去を実現するため、濾過装置600内の濾過機構620のフィルターは20メッシュから500メッシュを選択する。また、汚水受け装置500は汚水中に包含されるマイクロプラスチックをできるだけ十分に収集することができ、濾過装置600によって濾過されたマイクロプラスチックが、汚水受け装置500内で収集アセンブリ570を通り抜けられるという問題が発生しないことを保証するため、収集アセンブリ570内のスクリーンの孔径寸法は、少なくとも濾過装置600内のフィルターの孔径以下である。すなわち、収集アセンブリ570内のスクリーンのメッシュ数は、濾過装置600内のフィルターのメッシュ数である20メッシュから500メッシュ以上である。
【0209】
本実施例では、事前に異なる種類の衣類及び異なる洗濯プログラムを大量に試験したことにより、収集アセンブリ570内のスクリーンのメッシュ数及び濾過装置600内のフィルターのメッシュ数を上記の範囲内に設定すると、洗濯水から上記寸法のプラスチック繊維を濾過することができ、最終的に、汚水受け装置500内で、水中の総含有量の80%以上を占めるマイクロプラスチック粒子を収集できることが分かった。これにより、洗濯設備の最終的な排水水流中のマイクロプラスチック含有量を大幅に低減し、直接放出の基準を満たすことができる。
【0210】
以下、
図9と
図10を参照しながら、上記の濾過モジュールが取り付けられている洗濯設備の具体的な構造をさらに説明する。
【0211】
前述の洗濯設備は循環濾過管路を備えており、循環濾過管路の入水端と出水端はそれぞれ水槽100に連通している。濾過装置600は前述の循環濾過管路上に設置され、かつ前述の循環濾過管路上にはポンプ400がさらに設置されている。洗濯設備が衣類を洗濯する過程で、ポンプ400が作動し、水槽100内の水が循環濾過管路に沿って流動して濾過装置600に入り、濾過された後に水槽100内に戻るように駆動することができる。
【0212】
詳細には、水槽100の底部に水槽排水管260が接続され、水槽排水管260はポンプ400の入り口端に接続され、ポンプ400の出口端に、上方に延伸して設置された上方排出管路210が接続されており、上方排出管路210の上端は中間管路220に連通し、中間管路220はさらに濾過装置600の入水口6101に接続される。濾過装置600の濾過水出口6102は戻り管路230を介して水槽100に連通する。戻り管路230の出水端は具体的には、水槽100の筒口部の窓パッキン110上に接続され、窓パッキン110を介して水槽100内に水を戻す。
【0213】
好ましくは、戻り管路230上に、戻り管路230の開閉を制御するための戻り制御弁231が設置される。洗濯設備は洗濯水の循環濾過を行う時に、戻り制御弁231を開き、水槽100内に水を戻す。濾過装置600が汚水を排出して清掃する必要がある場合は、戻り制御弁231が閉じられて戻り管路230が遮断され、それにより、濾過装置600は濾過水出口6102から外に出水できなくなるため、濾過装置600が汚水排出口6103から汚水を十分に排出できることが確保される。
【0214】
本実施例のさらなる手段では、上方排出管路210と中間管路220との間に切り替え装置270が設置され、切り替え装置270の入水口は上方排出管路210の上端に接続される。切り替え装置270は第1出水口と第2出水口とを有し、前述の第1出水口には中間管路220が接続され、第2出水口には洗濯設備の外部に排水する外部排出管路250が接続される。切り替え装置270の内部に、第1出水口と第2出水口とが択一的に前述の入水口と開通するように制御するための切り替え機構が設置される。
【0215】
洗濯設備が洗濯水の循環濾過を行う時、切り替え装置270の第1出水口は入水口と開通し、それにより、上方排出管路210が中間管路220に連通し、洗濯設備の循環濾過管路が開通される。洗濯設備が洗濯を終えて外に排水する時、切り替え装置270の第2出水口は入水口と開通し、上方排出管路210は外部排出管路250に連通し、ポンプ400が作動して、水槽100内の水は上方排出管路210と外部排出管路250に沿って洗濯設備外に排出されることができる。
【0216】
切り替え装置270の設置により、洗濯設備は同じポンプ400によって洗濯過程における循環濾過を実現することができ、さらに、洗濯設備の外部排水も実現することができる。また、循環濾過と排水は一部の管路構造を共用して、洗濯設備内部の水路を簡略化した。切り替え装置270の開通方向を制御することにより、循環濾過と排水の機能の切り替えを実現することができ、制御ロジックが簡単である。
【0217】
本実施例はさらに、汚水受け装置500に詰まり故障が発生した時の自動警報を実現するための、上記洗濯設備の制御方法を提供する。
【0218】
具体的には、洗濯設備が検出装置900によって汚水受け装置500に詰まりが発生したと判断した場合に、警報信号を発信する。検出装置900は、汚水受け装置500に詰まりが発生したかどうかを検出することができるため、汚水受け装置500に詰まり故障が発生したことを検出すると、洗濯設備は警報信号を発信する形態でユーザーに知らせ、ユーザーが汚水受け装置500の作業状況を適時に把握し、汚水受け装置500をできるだけ早く手作業で清掃して、詰まり故障を排除することを容易にする。
【0219】
本実施例では、検出装置900は、センサー930、すなわち、リードスイッチ940によって、洗濯設備の制御システムにフィードバック信号を発信する形態で、汚水受け装置500に詰まり故障の発生を通知する。本実施例のさらなる手段では、洗濯設備が予め設定された時間を超えて前述のフィードバック信号を継続的に受信した場合に、警報信号を発信する。
【0220】
詳細には、汚水が検出分岐路249に沿って検出装置900の外装910に入り、水受け室911内に一定の水位高さを有する時、フロート920は水面と共に上昇して、リードスイッチ940を導通させ、フィードバック信号を生成して、洗濯設備の制御システムに送信する。
【0221】
図14を参照すると、洗濯設備の制御システムは、前述のフィードバック信号を受信した後に計時を開始し、今回の前述のフィードバック信号を受信した継続時間Tを計算し、予め設定された時間T0と比較する。現在の継続時間Tが予め設定された時間T0よりも大きい場合、洗濯設備が警報信号を発信するように制御する。T≦T0である場合、T>T0になるまで、又はリードスイッチ940が切断したことにより、前述のフィードバック信号を受信しなくなるまで、継続時間Tの累積が継続される。
【0222】
本実施例では、汚水受け装置500に詰まり故障が発生していない場合、一般的に、汚水が検出装置900に入ることはない。しかし、検出分岐路249の延伸長さには制限があり、汚水排出管路240内の水流量が過大である場合、一部の汚水が検出分岐路249に沿って検出装置900に流れ込む事態が発生する可能性がある。この時、フロート920が水面と共に浮上した状態となる可能性があり、ひいては、リードスイッチ940の第1電極941と第2電極942とが通電されるようにトリガーされ、フィードバック信号が生成される。
【0223】
上記の手段では、洗濯設備が予め設定された時間T0を超えてフィードバック信号を継続的に受信した場合にのみ警報をトリガーすることにより、汚水流量が過大であるためにリードスイッチ940が一時的に導通した場合に、洗濯設備が汚水受け装置500の詰まり故障に対し、誤警報を生成することを回避した。
【0224】
本実施例では、濾過装置600と汚水受け装置500との間の汚水排出管路240上に検出分岐路249が接続され、検出装置900が設置されることにより、汚水受け装置500の詰まり故障に対する検出を実現し、洗濯設備の正常な運転を保証する。ユーザーが汚水受け装置500を適時に清掃できるように、洗濯設備は、汚水受け装置500に詰まり故障が発生した時に警報を出してユーザーに通知することができ、後続の使用に影響を与えることを回避する。洗濯設備は検出装置900から発信されたフィードバック信号を継続的に受信した場合にのみ、警報通知を行うことによって、誤警報の確率を減少させるため、汚水受け装置500の詰まり故障に対する警報がより正確である。
【実施例7】
【0225】
本実施例と上記の実施例6との違いは、前述のリードスイッチが検出装置の外装底部に設置され、水受け室内に水がない時、磁性フロートは水受け室の底部に位置し、リードスイッチはフロートの磁気作用により導通状態を呈することである。汚水が水受け室内に入り、フロートが水面と共に浮上して、リードスイッチから一定の距離まで分離されると、リードスイッチはフロートの磁気作用を受けなくなり、内部の第1電極と第2電極が切断される。この時、洗濯設備の制御システムに送信されるフィードバック信号が生成されることができる。
【0226】
本実施例では、リードスイッチの設置位置のみを変更し、その他の構造はいずれも上記の実施例6と同じであり、同様に、汚水受け装置の詰まり故障を適時に検出できるという効果を有する。
【実施例8】
【0227】
本実施例と上記の実施例6との違いは、前述のセンサーが周囲の磁界強度の変化を検出できる磁界強度センサーであることである。
【0228】
水受け室内に水がない時、磁性フロートは水受け室の底部に静止し、前述の磁界強度センサーとの間の距離は比較的大きくなり、さらには、前述の磁界強度センサーによって検出される磁界強度が低くなる。また、汚水受け装置が詰まり、汚水が水受け室に入ると、フロートは水面と共に上昇し、徐々に磁界強度センサーに近づき、さらには、検出される磁界強度が徐々に大きくなる。
【0229】
本実施例では、検出された磁界強度が設定閾値に達すると、フィードバック信号が生成されて洗濯設備の制御システムに送信される。洗濯設備の制御システムが予め設定された時間を超えて、前述のフィードバック信号を継続的に受信した場合、すなわち、検出された磁界強度が設定閾値を下回らない範囲内で、予め設定された時間を継続的に超えた場合は、汚水受け装置に詰まり故障が発生したことを示しており、洗濯設備は警報信号を発信する。
【0230】
本実施例のさらなる手段では、前述の磁界強度センサーはさらに、実施例6のリードスイッチと共に適用することもできる。すなわち、リードスイッチの開閉によってフロートが水面と共に浮上しているかどうかを判断すると同時にまた、磁界強度センサーによって磁界強度の変化を検出してフロートの位置を判断する。上記の2つの形態を併用して検出することにより、汚水受け装置の詰まり故障に対する検出精度をさらに向上させる。
【0231】
本実施例では、濾過モジュール及び洗濯設備のその他の結果はいずれも実施例6と同じであるため、説明を省略する。
【実施例9】
【0232】
本実施例と上記の実施例6との違いは、前述のセンサーが接触スイッチであり、前述の誘導部の内壁上部領域に設置されるか、又は誘導部の頂端に対応する外装内壁上に設置されることである。
【0233】
本実施例では、前述のフロートは磁性を有する必要がなく、水面上に浮遊でき、それにより、水面高さの変化に応じて上下動可能であることを実現しさえすればよい。水受け室内に水がない時、フロートは水受け室の底部に静止し、前述の接触スイッチから分離される。また、汚水受け装置が詰まり、汚水が水受け室に入ると、フロートは水面と共に徐々に上昇する。水受け室内の水位が一定の高さに達すると、フロートは、水面と共に上昇して前述の接触スイッチに接触し、前述の接触スイッチがフィードバック信号を生成するようにトリガーすることができる。
【0234】
さらに、フロートが予め設定された時間を超えて前述の接触スイッチを継続的にトリガーした場合、すなわち、この時に、洗濯設備の制御システムが予め設定された時間を超えてフィードバック信号を継続的に受信した場合は、汚水受け装置に詰まり故障が発生していることを示しており、洗濯設備は警報信号を発信する。
【0235】
上記実施例3と類似して、本実施例は上記実施例6及び3の手段と組み合わせて適用することもできる。すなわち、検出装置には、接触スイッチ、並びにリードスイッチ及び/又は磁界強度センサーが同時に設置される。洗濯設備の制御システムは、接触スイッチ、並びにリードスイッチ及び/又は磁界強度センサーから発信されるフィードバック信号を同時に受信して、汚水受け装置に詰まり故障が発生しているかどうかを総合的に分析して判断することができ、検出精度をさらに向上させることができる。
【実施例10】
【0236】
本実施例と上記の実施例6との違いは、前述の検出アセンブリが水位センサーであり、水受け室内の水位高さが予め設定された高さに達した時にフィードバック信号を生成することができることである。
【0237】
本実施例の具体的な一実施形態として、前述の水位センサーは、水受け室内壁の一定の高さに設置された2つの水位プローブである。水受け室内の水位高さが予め設定された高さに達すると、前述の2つの水位プローブは水と接触して、回路の導通が検出され、それにより、フィードバック信号が生成される。
【0238】
本実施例の別の具体的な一実施形態として、前述の水位センサーは、水受け室の底壁又は側壁の底部領域に設置された圧力センサーであり、前述の圧力センサーによって水圧情報が検出され、それにより、水受け室内の水位高さが確定される。水位高さが予め設定された高さに達すると、フィードバック信号が生成されて洗濯設備の制御システムに送信される。
【0239】
本実施例のさらなる手段では、前述の検出アセンブリはさらに、フロートとセンサーとの組み合わせを含んでもよい。前述の水位センサーは、水受け室内の水位高さを直接検出し、前述のセンサーは、フロートが水面と共に上昇する高さを検出する。洗濯設備の制御システムは、前述の水位センサーが生成したフィードバック信号、及びフロートと連動するセンサーが生成したフィードバック信号を同時に受信し、受信した2つのフィードバック信号の継続時間がいずれも予め設定された時間を超えた場合にのみ、汚水受け装置に詰まり故障が発生したと判断し、それにより、洗濯設備が警報信号を発信するように制御する。
【0240】
上記の手段では、前述のフロートとセンサーとの組み合わせは、実施例6から9の任意の一実施例の手段を採用することができる。
【0241】
本実施例では、水位センサーと、フロートとセンサーとの組み合わせとを連動させて適用することにより、汚水受け装置に詰まりが発生しているかどうかの検出精度をさらに向上させることができる。特に、フロートが誘導部内に挟まり、水面と共に下降できない場合には、対応するセンサーがフィードバック信号を継続的に生成して、洗濯設備が汚水受け装置の詰まりを誤判定することを回避した。
【実施例11】
【0242】
図15から
図20に示すように、本実施例は、濾過モジュール、及び前述の濾過モジュールを有する洗濯設備を提供するものであり、前述の濾過モジュールは、洗濯設備に適用された場合に水に対する濾過機能を実現するためのものである。前述の洗濯設備は、洗濯機、洗濯乾燥機、衣類ケア機などの衣類洗浄機能を有する洗濯設備であってもよい。
【0243】
具体的には、前述の洗濯設備は水槽100を備え、前述の濾過モジュールは、水槽100に連通し、水槽100内の水を濾過するためのものである。
【0244】
本実施例では、前述の濾過モジュールは具体的には、濾過装置600と、汚水受け装置500とを備える。そのうち、濾過装置600は自己清掃機能を有しており、汚水排出口6103が設置され、汚水排出口6103を介して自己清掃後に生じた汚水を排出することができ、前述の汚水中には濾過過程で蓄積された濾過不純物が包含されている。汚水受け装置500は、濾過装置600の汚水排出口6103の下流に設置され、濾過装置600から排出された汚水を受けることができる。
【0245】
上記の手段では、濾過モジュールの濾過装置600は、洗濯設備の水槽100内の水を受けて濾過するためのものであり、かつ濾過装置600は、一定の自己清掃能力を有し、濾過過程で蓄積された濾過不純物を汚水受け装置500の収集アセンブリ570内に流し込むことができ、濾過不純物の大量蓄積が濾過効率に影響を与えることを回避することができる。前述の汚水を洗濯設備の排水水流に合流させて直接排出するのではなく、汚水受け装置500を利用して濾過装置600から排出された汚水を受けることにより、濾過不純物中に含有されるマイクロプラスチックが洗濯設備の排水と共に直接、生態循環に入るという問題を回避した。
【0246】
具体的には、本実施例では、汚水受け装置500の内部に収集アセンブリ570が設置され、収集アセンブリ570は汚水中の濾過不純物を収集するための収集室571を有し、収集室571は濾過装置600の汚水排出口6103に連通する。濾過装置600から排出された汚水は直接、収集室571内に入り、収集アセンブリ570は汚水を濾過することができ、それにより、汚水中の糸屑などの濾過不純物を収集室571内に収集する。
【0247】
本実施例の収集アセンブリ570は、汚水受け装置500の内部に着脱可能に取り付けられる。収集室571内の蓄積された濾過不純物が一定の量に達すると、ユーザーは、後続の使用に備えて、収集アセンブリ570を汚水受け装置500内から外して清掃した後、清掃を終えた収集アセンブリ570を再び汚水受け装置500に取り付けることができる。
【0248】
しかしながら、収集アセンブリ570は汚水受け装置500の内部に着脱可能であり、収集アセンブリ570が適切な位置に取り付けられていない、ひいては、ユーザーが収集アセンブリ570を取り付け忘れるという事態が発生する可能性がある。このとき、洗濯設備が運転して、濾過モジュールを利用して濾過機能を実現する場合、濾過不純物が収集室571内に収集されないという問題が生じる。
【0249】
収集アセンブリ570が濾過不純物の効果的な収集を実現できることを保証するため、本実施例の濾過モジュールには、収集アセンブリ570が汚水受け装置500内の適切な位置に取り付けられているかどうかを検出するための位置検出装置がさらに設置されている。前述の位置検出装置により、収集アセンブリ570の取り付け状態をフィードバックすることができ、それにより、洗濯設備は、収集アセンブリ570が適切に取り付けられていない場合に適時にユーザーに知らせることができ、収集アセンブリ570が適切に取り付けられていない状態で洗濯設備が運転するのを回避することができる。このように、収集アセンブリ570が適切に取り付けられていない状態で濾過装置600が汚水の排出を行うことにより、汚水中の濾過不純物が効果的に収集されないという問題を防止した。
【0250】
本実施例のさらなる手段では、汚水受け装置500は収容ケーシング510を備え、収集アセンブリ570は収容ケーシング510の内部に取り付けられる。前述の位置検出装置は、収容ケーシング510上に設置された検出素子、及び収集アセンブリ570上に設置された被検出素子を備えている。前述の被検出素子が検出素子の効果的な検出範囲内に位置している場合、前述の検出素子をトリガーすることができ、さらには、収集アセンブリ570が適切な位置に取り付けられているかどうかの検出を実現することができる。
【0251】
前述の検出素子と被検出素子の設置位置は入れ替えることができ、すなわち、前述の検出素子が収集アセンブリ上に設置され、前述の被検出素子が前述の収容ケーシング上に設置された場合も、同様に収集アセンブリが適切な位置に取り付けられているかどうかの検出を実現できることを理解されたい。
【0252】
さらに、本実施例では、前述の検出素子は収容ケーシング510上に設置されたリードスイッチ820であり、前述の被検出素子は収集アセンブリ570上に設置された磁性部品810である。前述の位置検出装置は検出回路をさらに備え、リードスイッチ820は前述の検出回路上に設置される。収集アセンブリ570が汚水受け装置500内の適切な位置に取り付けられている場合、磁性部品810はリードスイッチ820の有効検出範囲内に位置しており、さらには、リードスイッチ820は、磁性部品810の作用により前述の検出回路を導通させる。
【0253】
詳細には、リードスイッチ820の内部には、第1電極821と第2電極822とを有し、信号出力導線823を介して前述の検出回路内に直列接続される。第1電極821と第2電極822は常態的に接触しておらず、前述の検出回路は切断状態となる。収集アセンブリ570が適切な位置に取り付けられている場合、磁性部品810はリードスイッチ820に近い位置に位置しており、リードスイッチ820が磁性部品810の磁気作用を受けて、第1電極821と第2電極822が接触し、さらには、前述の検出回路が導通する。洗濯設備は、前述の検出回路の開閉状態に基づいて、収集アセンブリ570が適切な位置に取り付けられているかどうかを判断することができる。
【0254】
図16及び
図17は、本実施例における汚水受け装置500の平面構造図であり、
図18は、
図17の汚水受け装置500の点線に沿って形成した断面図である。
【0255】
図18に示すように、本実施例の好ましい手段では、リードスイッチ820は収容ケーシング510の外側に設置され、かつ収容ケーシング510の外壁に密着して設置される。リードスイッチ820上の信号出力導線823の引き出しを容易にする一方で、リードスイッチ820が汚水受け装置500に流し込まれた汚水と接触して損傷するというリスクも減少させた。
【0256】
収集アセンブリ570は、収集室571を囲む収集室壁572を備え、磁性部品810は収集室壁572の内部に埋め込まれて設置される。収集室壁572には、リードスイッチ820と連動する磁性部品810が内嵌され、収集アセンブリ570が繰り返し着脱された時に磁性部品810が脱落する可能性があるという問題を回避し、さらには、収集アセンブリ570の取り付け状態の効果的な検出を保証した。
【0257】
さらに、本実施例の濾過モジュールは、汚水排出管路240をさらに備え、汚水排出管路240の一端(すなわち、汚水排出管路240の入水端)は濾過装置600の汚水排出口6103に接続され、他端(すなわち、汚水排出管路240の出水端)は収容ケーシング510の側壁を貫通して収集アセンブリ570の収集室571に連通する。
【0258】
前述の検出素子であるリードスイッチ820は、収容ケーシング510上の、汚水排出管路240が貫通するための側壁上、すなわち、
図18の収容ケーシング510の左側壁に設置される。前述の被検出素子である磁性部品810は、収集アセンブリ570と汚水排出管路240とが連通する側に位置し、すなわち、磁性部品810は
図18の収集室壁572の左側壁内に内嵌される。
【0259】
上記の手段では、収集アセンブリ570が汚水排出管路240に接続されて、汚水の受け及び濾過不純物の収集を実現し、リードスイッチ820と磁性部品810がそれぞれ汚水排出管路240の出水端に近い位置に設置されるため、収集アセンブリ570の現在の取り付け位置が、汚水排出管路240の出水端との有効な接続を実現できているかどうかをより正確に検出することができる。このように、収集アセンブリ570が汚水受け装置500内の適切な位置に取り付けられていることが検出された場合、汚水排出管路240の出水端が収集アセンブリ570と有効に接続されていることを確保でき、さらには、汚水中の濾過不純物を効果的に収集することができるため、濾過不純物中のマイクロプラスチックが捕捉されずに洗濯設備の排水水流と共に排出されるという問題を防止することができる。
【0260】
詳細には、
図18に示すように、収集アセンブリ570が収容ケーシング510内の適切な位置に取り付けられている場合、磁性部品810は収容ケーシング510の外側のリードスイッチ820の近くにあり、リードスイッチ820の第1電極821と第2電極822が磁性部品810の磁気作用により相互に接触し、それにより、検出回路が導通する。
【0261】
また、
図19に示すように、収集アセンブリ570が収容ケーシング510内の適切な位置に取り付けられていない場合、磁性部品810とリードスイッチ820との間には一定の距離があるため、それにより、リードスイッチ820が受ける磁気作用は極めて弱く、第1電極821と第2電極822は分離されたままとなり、検出回路が切断状態となる。同様に、
図20に示すように、収容ケーシング510内に収集アセンブリ570が取り付けられていない場合、リードスイッチ820は完全に磁界の作用を受けず、それにより、第1電極821と第2電極822は分離されたままとなり、検出回路が切断状態となる。
【0262】
本実施例の詳細な手段では、収集室壁572上にいくつかの透水孔が設けられ、収集アセンブリ570は、前述の透水孔上を覆い、受けた汚水の濾過を実現し、それにより、濾過不純物を収集室571内に収集するためのスクリーンをさらに備える。濾過装置600から排出された汚水は汚水排出管路240に沿って収集室571内に入り、濾過不純物はスクリーンによって捕捉され、収集室571の内部に収集され、濾過不純物が濾過除去された汚水は前述の透水孔上のスクリーンを通過して、収容ケーシング510内に流れる。
【0263】
本実施例では、収容ケーシング510は洗濯設備の筐体10上に押し引き可能に設置され、ユーザーは収容ケーシング510を引っ張り出し、それにより、内部の収集アセンブリ570を外し、内部に収集された濾過不純物を清掃することができる。収集アセンブリ570が汚水を濾過することによって、水中から濾過不純物を分離することができ、濾過不純物が水中に混在して、ユーザーが処理しにくいという問題を回避することができる。
【0264】
本実施例の好ましい手段では、収容ケーシング510上に、濾過後の水を排出するための出水口(図示せず)が設置されることができる。前述の出水口は、洗濯設備の水槽100に連通することができ、濾過後の濾過不純物を含有しない水を水槽100内に通して再利用することができる。又は、前述の出水口はさらに、洗濯設備の外部に通じて、濾過後の濾過不純物を含有しない水を洗濯設備外に排出することもできる。
【0265】
収容ケーシング510上に自己排水可能な出水口が設置されることにより、濾過装置600から排出された汚水が収容ケーシング510内に滞留することを回避し、それにより、収容ケーシング510の内部容積を減少させることができ、洗濯設備の運転過程で汚水受け装置500が溢水するという問題が発生することはない。また、ユーザーは、収容ケーシング510を引っ張り出して清掃する時に、収集アセンブリ570を外して、内部の濾過不純物を清掃するだけでよく、収容ケーシング510を筐体10上から取り外し、それにより、内部に溜まった汚水を傾けて手作業で廃棄する必要がなく、より便利である。
【0266】
本実施例のさらなる手段では、前述の濾過モジュールの濾過装置600は具体的には、
入水口6101、濾過水出口6102及び汚水排出口6103が設置された濾過室610と、
濾過室610の内部に回転可能に設置され、濾過水出口6102に回転可能に密封接続された出水ジョイント621を有する濾過機構620と、
濾過機構620に接続され、濾過機構620を濾過室610内で回転駆動するための駆動機構660とを備える。
【0267】
濾過機構620は濾過室610の内部を外部収容室と内部収容室とに分け、そのうち、入水口6101は前述の外部収容室に連通し、濾過水出口6102は内部収容室に連通する。濾過対象の水は、入水口6101から外部収容室内に入り、濾過機構620を通り抜けて内部収容室に入り、濾過が実現される。水中に包含される濾過不純物は、濾過機構620の外壁上に付着し、濾過不純物を濾過除去した水は、出水ジョイント621を介して濾過水出口6102から流出することができる。
【0268】
詳細には、濾過機構620は、フィルターフレーム、及び前述のフィルターフレーム上を覆うフィルターを備える。前述のフィルターフレームの一端は、濾過水出口6102に伸びて出水ジョイント621を形成する。
【0269】
濾過装置600内部の濾過不純物を清掃する必要がある場合には、駆動機構660が濾過機構620を回転駆動することにより、濾過室610内の水流を攪拌して、濾過機構620の外壁に付着した濾過不純物を、遠心力及び水流の激しい振動の二重作用により剥離させ、濾過室610内の水中に溶け込ませることができる。濾過不純物が混合している汚水は、濾過室610上の汚水排出口6103から水流とともに排出され、汚水は、汚水排出管路240を介して汚水受け装置500内に輸送される。
【0270】
さらに好ましくは、濾過室610の内壁と濾過機構620の外壁との間に、水流と共に摩擦・衝突して、濾過室610の内壁と濾過機構620の外壁を洗浄するための洗浄粒子680がさらに設置されている。濾過過程において、洗浄粒子680は、流動する水流と共に濾過室610の内壁と濾過機構620の外壁を絶えず摩擦して、付着した濾過不純物を脱落させ、それにより、濾過不純物の沈殿を防止し、濾過機構620が濾過不純物によって過度に早く覆われ、濾過効率に影響を与えることを回避する。一方で、濾過完了後に付着した濾過不純物の厚さが比較的大きく、濾過室610の内壁又は濾過機構620の外壁に密着して過度に固着し、後で濾過装置600を清浄する時に、濾過不純物を除去しにくいという問題も回避した。
【0271】
また、駆動機構660が濾過機構620を濾過室610内で回転駆動して自己清掃を実現する時、洗浄粒子680は水流の激しい振動の作用に伴って濾過室610内を移動し、濾過室610の内壁及び濾過機構620の外壁と摩擦を生じ、それにより、濾過不純物の剥離効率が上がり、濾過装置600の自己清浄効果がより向上される。
【0272】
濾過室610内には、遮蔽板690がさらに設置されており、遮蔽板690上に通水孔691が設置される。洗浄粒子680は遮蔽板690の片側(すなわち、
図16の左側)に設置され、濾過室610上の濾過水出口6102と汚水排出口6103は共に遮蔽板690の他側(すなわち、
図16の右側)に位置される。
【0273】
遮蔽板690の設置によって、濾過過程で洗浄粒子680が濾過水出口6102に凝集するのを防止することができる。濾過装置600が自己清掃して汚水を排出する時、濾過不純物を包含する汚水は、通水孔691を介して遮蔽板690を通り抜け、汚水排出口6103から排出されることができる。また、洗浄粒子680は遮蔽板690によって遮られるため、汚水排出口6103から水流と共に排出されることがなく、洗浄粒子680の損失を回避した。同時にまた、洗浄粒子680が汚水排出口6103に堆積して、汚水排出口6103が詰まり、汚水排出効率に影響を与える事態も防止することができる。
【0274】
本実施例のさらなる手段では、汚水排出管路240上に汚水排出管路240の開閉を制御するための汚水排出制御弁241が設置されている。濾過装置600が受けた水を濾過する時、汚水排出制御弁241は閉状態にあり、汚水排出管路240は遮断される。濾過装置600に入る水が、濾過後に濾過水出口6102から流出可能であることを確保する。濾過装置600内の汚水を排出する必要がある場合は、汚水排出制御弁241が開かれて汚水排出管路240が開通し、濾過装置600内の汚水は汚水受け装置500内に流し込まれることができる。
【0275】
好ましくは、濾過装置600の濾過水出口6102に、濾過装置600によって濾過された水を輸送するための戻り管路230が接続される。戻り管路230上に、戻り管路230の開閉を制御するための戻り制御弁231が設置される。濾過装置600が濾過を行う時、戻り制御弁231は開状態であるが、濾過装置600が汚水を排出するように制御されると、戻り制御弁231は閉じられ、濾過装置600は濾過水出口6102から出水できず、それにより、濾過装置600内の汚水が汚水排出口6103から十分に排出されることを確保する。
【0276】
本実施例では、濾過装置600は寸法が50μmよりも大きな濾過不純物を濾過することができ、前述の濾過不純物中にはマイクロプラスチックが含まれていてもよい。特に、濾過不純物には長さが50μmよりも大きく、直径が10~1000μmのプラスチック繊維が含まれていてもよい。好ましくは、前述のプラスチック繊維は400~600μmの長さを有し、分布において最も一般的な長さは500μm±50μmである。これらのプラスチック繊維の直径は好ましくは10~50μmであり、最も一般的なものは17μm±2μmの直径を有する。
【0277】
濾過装置600は、濾過された濾過不純物を清掃し、上記の濾過不純物を包含した汚水を汚水受け装置500に流し込むことができ、汚水受け装置500内部の収集アセンブリ570によって濾過不純物の最終的な収集目的を達成することができる。汚水中に包含される上記寸法のマイクロプラスチック又はプラスチック繊維が、収集アセンブリ570によって十分に収集可能であることを保証するため、収集アセンブリ570が汚水を濾過する時に濾過収集が可能な濾過不純物の寸法は、少なくとも濾過装置600が濾過可能な濾過不純物の寸法以上である必要がある。例えば、濾過装置600は、寸法が50μmよりも大きな濾過不純物を濾過することができる。その場合、収集アセンブリ570は、受けた汚水を濾過する時に、少なくとも寸法が50μmよりも大きな濾過不純物は通過できないことを保証する必要がある。好ましくは、寸法が50μmよりも僅かに小さな濾過不純物も通過できず、汚水中のマイクロプラスチックが収集アセンブリ570の収集室571内にできるだけ多く収集されることを確保することができる。
【0278】
上記寸法のマイクロプラスチックの濾過除去を実現するため、濾過装置600内の濾過機構620のフィルターは20メッシュから500メッシュを選択する。また、汚水受け装置500内部の収集アセンブリ570が汚水中に包含されるマイクロプラスチックをできるだけ十分に収集できることを保証し、濾過装置600によって濾過されたマイクロプラスチックが、汚水受け装置500内で収集アセンブリ570内のスクリーンを通り抜けられるという事態の発生を回避するため、収集アセンブリ570のスクリーンの孔径寸法は、少なくとも濾過装置600内のフィルターの孔径以下である。すなわち、収集アセンブリ570内のスクリーンのメッシュ数は、濾過装置600内のフィルターのメッシュ数である20メッシュから500メッシュ以上である。
【0279】
本実施例では、事前に異なる種類の衣類及び異なる洗濯プログラムを大量に試験したことにより、収集アセンブリ570内のスクリーンのメッシュ数及び濾過装置600内のフィルターのメッシュ数を上記の範囲内に設定すると、洗濯水から上記寸法のプラスチック繊維を濾過することができ、最終的に、収集アセンブリ570内で、水中の総含有量の80%以上を占めるマイクロプラスチック粒子を収集できることが分かった。これにより、洗濯設備の最終的な排水水流中のマイクロプラスチック含有量を大幅に低減し、直接放出の基準を満たすことができる。
【0280】
以下、
図15及び
図16を参照しながら、本実施例に記載の濾過モジュールが取り付けられている洗濯設備の具体的な構造をさらに説明する。
【0281】
前述の洗濯設備は循環濾過管路を備えており、循環濾過管路の入水端と出水端はそれぞれ水槽100に連通している。前述の濾過モジュールの濾過装置600は前述の循環濾過管路上に設置され、かつ前述の循環濾過管路上には、ポンプ400がさらに設置されている。洗濯設備で衣類を洗濯する過程で、ポンプ400が作動し、水槽100内の水が循環濾過管路に沿って流動し、濾過装置600に入り、濾過された後に水槽100内に戻るように駆動することができる。
【0282】
詳細には、水槽100の底部に水槽排水管260が接続され、水槽排水管260はポンプ400の入り口端に接続され、ポンプ400の出口端に、水槽100の後方に回り込んで上方に延伸して設置された上方排出管路210が接続されており、上方排出管路210の上端は中間管路220に連通し、中間管路220はさらに濾過装置600の入水口6101に接続される。濾過装置600の濾過水出口6102は戻り管路230を介して水槽100に連通する。戻り管路230の出水端は具体的には、水槽100の筒口部の窓パッキン110上に接続され、窓パッキン110を介して水槽100内に水を戻す。
【0283】
本実施例のさらなる手段では、上方排出管路210と中間管路220との間に切り替え装置270が設置され、切り替え装置270の入水口は上方排出管路210の上端に接続される。切り替え装置270は第1出水口と第2出水口とを有し、前述の第1出水口には中間管路220が接続され、第2出水口には洗濯設備の外部に排水する外部排出管路250が接続される。切り替え装置270の内部に、第1出水口と第2出水口とが択一的に前述の入水口と開通するように制御するための切り替え機構が設置される。
【0284】
洗濯設備が洗濯水の循環濾過を行う時、切り替え装置270の第1出水口は入水口と開通し、それにより、上方排出管路210が中間管路220に連通し、洗濯設備の循環濾過管路が開通される。洗濯設備が洗濯を終えて外に排水する時、切り替え装置270の第2出水口は入水口と開通し、上方排出管路210は外部排出管路250と開通し、ポンプ400が作動して、水槽100内の水は上方排出管路210と外部排出管路250に沿って洗濯設備外に排出されることができる。
【0285】
切り替え装置270の設置により、洗濯設備は同じポンプ400によって洗濯過程における循環濾過を実現することができ、また、洗濯設備の外部排水も実現することができる。また、循環濾過と排水は一部の管路構造を共用して、洗濯設備内部の水路を簡略化した。切り替え装置270の開通方向を制御することにより、循環濾過と排水の機能の切り替えを実現することができ、制御ロジックが簡単である。
【0286】
本実施例では、洗濯設備に濾過モジュールが設置されているため、運転過程で洗濯水を循環濾過することができ、洗濯後の衣類に糸屑などが付着するのを防止し、衣類の洗濯効果を改善することができる。濾過モジュール内の、洗濯水の濾過を実現するための濾過装置600は自己清掃機能を有しており、濾過過程で蓄積された糸屑などの濾過不純物を自己排出することができる。前述の濾過モジュールは、汚水受け装置500をさらに有しており、内部の収集アセンブリ570を利用して濾過装置600から排出された汚水を受けることができ、さらには、汚水中の濾過不純物の収集を実現することができ、前述の汚水が直接排出されて、濾過不純物中のマイクロプラスチックが生態循環に入るという問題を引き起こすことを防止することができる。
【0287】
収集アセンブリ570は、汚水受け装置500の内部に着脱可能に設置されており、ユーザーが取り出して手作業で清掃できるようになっている。前述の濾過モジュールには位置検出装置がさらに設置されており、前述の位置検出装置を利用して、洗濯設備に収集アセンブリ570の取り付け状態をフィードバックすることができる。ユーザーが収集アセンブリ570を適切な位置に取り付けていない、又は収集アセンブリ570を取り付け忘れた場合、ユーザーに適時に知らせることができ、洗濯設備がそのまま洗濯プログラムを運転して、濾過不純物が収集アセンブリ570によって効果的に収集されない事態を引き起こすことを回避することができる。
【実施例12】
【0288】
本実施例は、上記の実施例11に記載の洗濯設備の制御方法を提供するものである。
図15から
図20に示すように、前述の制御方法は具体的には、
洗濯プログラムの開始命令を受信することと、
収集アセンブリ570が適切な位置に取り付けられていると判断した場合、洗濯プログラムの運転を開始することとを含む。
【0289】
さらに、収集アセンブリ570が適切に取り付けられていないと判断した場合、洗濯設備をロックして、警報信号を発信する。
【0290】
説明すべきこととして、本実施例に記載の「収集アセンブリ570が適切に取り付けられていない」には、収集アセンブリ570は収容ケーシング510の内部に取り付けられているが、適切な位置に取り付けられていない状態(
図19に示す)、及び収容ケーシング510の内部に収集アセンブリ570が取り付けられていない状態(
図20に示す)という、少なくとも2つの状態が含まれる。
【0291】
本実施例では、洗濯設備は洗濯プログラムの開始命令を受信した後、そのまま運転を開始せず、先に、収集アセンブリ570の取り付け状態を判断する。収集アセンブリ570が適切な位置に取り付けられている状態でのみ、洗濯プログラムの運転を開始し、洗濯過程で、濾過装置600から排出された汚水が汚水受け装置500の収集アセンブリ570に正確に流入されることを確保し、収集アセンブリ570によって汚水中の濾過不純物の収集を実現する。
【0292】
また、収集アセンブリ570が適切な位置に取り付けられていない、ひいては収集アセンブリ570が取り付けられていないと判断した場合には、洗濯設備が自動でロックされ、洗濯プログラムが運転されず、濾過不純物が効果的に収集されないという問題を回避した。洗濯設備はさらに、収集アセンブリ570が適切に取り付けられていないと判断した場合に警報信号を発信することもでき、それにより、ユーザーに、収集アセンブリ570の取り付け状態を手作業で検査するように適時に知らせ、洗濯設備ができるだけ早く運転を開始できることを確保する。
【0293】
本実施例では、前述の警報信号は警報ランプの点滅、ビープ音又は音声によるお知らせなどの様々な形態であってもよく、ここでは具体的に限定しない。
【0294】
本実施例の具体的な手段では、前述の濾過モジュールは、磁性部品810とリードスイッチ820との連動によって、洗濯設備に収集アセンブリ570の取り付け状態をフィードバックする。リードスイッチ820は検出回路内に組み込まれ、洗濯設備は前述の検出回路の開閉状態を取得することによって、収集アセンブリ570が適切な位置に取り付けられているかどうかの判断を実現することができる。
【0295】
具体的には、洗濯設備は、洗濯プログラムの開始命令を受信した後に、前述の検出回路の開閉状態を取得する。前述の検出回路が導通状態である場合は、収集アセンブリ570が適切な位置に取り付けられていると判断し、前述の検出回路が切断状態である場合は、収集アセンブリ570が適切に取り付けられていないと判断する。
【0296】
さらに、本実施例の洗濯設備にはプログラム開始キーが設定されており、洗濯設備が洗濯プログラムの開始命令を受信したということは、具体的には、洗濯設備が、前述のプログラム開始キーがトリガーされたことを示す信号を受信したということを意味する。
【0297】
詳細には、
図21に示すように、本実施例における前述の洗濯設備の制御方法は以下のステップを含む。
【0298】
S1、プログラム開始キーがトリガーされたことを示す信号を受信する。
【0299】
S2、検出回路の開閉状態を取得し、検出回路が導通状態であるかどうかを判断する。
【0300】
S3、検出回路が導通状態である場合、収集アセンブリは適切な位置に取り付けられていると判断して、洗濯設備は洗濯プログラムの運転を開始し、そうでない場合は、収集アセンブリが適切に取り付けられていないと判断して、ステップS4を実行する。
【0301】
S4、洗濯設備をロックして、警報通知メッセージを発信する。
【0302】
本実施例のさらなる手段では、洗濯設備は、収集アセンブリ570が適切に取り付けられていないと判断した後に、収容ケーシング510が引っ張り出されて再び筐体10内に押し込まれたことを検出した場合、再び検出回路の開閉状態を取得して、収集アセンブリ570の取り付け状態を判断する。
【0303】
具体的には
図22に示すように、上記のステップS4の後に以下のステップをさらに含む。
【0304】
S5、収容ケーシングが筐体から引っ張り出されたことを検出すると、警報通知メッセージの発信を停止する。
【0305】
S6、収容ケーシングが筐体に押し込まれたことを検出すると、洗濯設備がロックを解除し、ステップS2に戻る。
【0306】
上記の手段では、洗濯設備が、収容ケーシング510が引っ張り出されて再び筐体10内に押し込まれたことを検出した場合、ユーザーが収集アセンブリ570の取り付けを再調整したことを意味する。この場合、収集アセンブリ570の取り付け状態を再検出することができ、適切な位置に取り付けられている場合は、洗濯プログラムの運転を自動的に開始することができ、ユーザーが洗濯プログラムを再び手作業で開始する必要がなく、扱いやすい。
【0307】
さらに、洗濯設備が、前述の検出回路がいずれも切断状態であることを連続してN回取得した場合、洗濯設備は継続的にロック状態となることを維持して、洗濯プログラムの運転をキャンセルし、洗濯設備は、汚水受け装置500全体に対して検出を行うことをユーザーに通知する警報メッセージを発信する。
【0308】
上記の手段では、ユーザーが収集アセンブリ570の取り付け位置を複数回調整した後に、検出回路が依然として切断状態にあることを、洗濯設備が取得した場合、リードスイッチ820、収集アセンブリ570などの構造自体が損傷している可能性があり、収集アセンブリ570が適切な位置に取り付けられていることの検出を実現することができない。この場合は、収集アセンブリ570が濾過不純物の収集機能を実現できるかどうかを正確に判断できないため、洗濯設備は洗濯プログラムを運転せずに、ユーザーに点検修理を行うように通知する。
【0309】
本実施例では、洗濯設備は洗濯プログラムの運転を開始する前に、先に位置検出装置によって収集アセンブリ570の取り付け状態を取得し、収集アセンブリ570が適切な位置に取り付けられている場合にのみ、洗濯プログラムの運転を開始し、そうでない場合は、洗濯設備をロックして洗濯プログラムを運転しないようにすることで、収集アセンブリ570が洗濯設備の運転過程で濾過不純物を効果的に収集できることを保証し、マイクロプラスチックが濾過不純物と共に洗濯設備外に排出されるのを防止する。
【0310】
以上の記載は、本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明をいかなる形式でも限定するものではない。本発明は好ましい実施例により、すでに上記のように開示したが、本発明を限定するためのものではない。当業者は、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で、上記に示した技術的内容を利用してわずかな変更又は修飾を行い、同等に変化させた等価の実施例とすることができる。しかし、本発明の技術的思想を逸脱することなく、本発明の技術的本質に基づいて、以上の実施例に対して行われるいかなる簡単な修正、同等の変化及び修飾も、依然として本発明の思想の範囲内に属する。
【符号の説明】
【0311】
図中:10 筐体 11 頂壁 12 前側壁、13 左側壁、14 右側壁、17 底壁、18 下部口、M 第1取り付け空間、N 第2取り付け空間、100 水槽、104 筒壁、110 窓パッキン、210 上方排出管路、220 中間管路、230 戻り管路、231 戻り制御弁、240 汚水排出管路、241 汚水排出制御弁、249 検出分岐路、250 排水管路、260 水槽排水管、270 切り替え装置、271 切り替え機構、280 連通管路、300 洗剤ケース、400 ポンプ、410 ポンプ本体、420 濾過器、500 汚水受け装置、510 ケーシング、531 第1室、532 第2室、560 糸屑収集アセンブリ、570 収集アセンブリ、571 収集室、572 収集室壁、590 排出管、600 濾過装置、610 濾過室、6101 入水口、6102 濾過水出口、6103 汚水排出口、620 濾過機構、621 出水ジョイント、660 駆動機構、680 洗浄粒子、690 遮蔽板、691 通水孔、810 磁性部品、820 リードスイッチ、821 第1電極、822 第2電極、823 信号出力導線、900 検出装置、910 外装、911 水受け室、920 フロート、930 センサー、940 リードスイッチ、941 第1電極、942 第2電極、943 信号出力導線、950 誘導部。
【手続補正書】
【提出日】2025-10-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯設備の濾過システムであって、
ポンプによって駆動され、洗濯設備の水槽から少なくとも順に濾過器と濾過装置とを経由して、洗濯設備の外部に排水する第1濾過水路と、
前記濾過装置から少なくとも順に濾過機能を有する汚水受け装置と前記ポンプとを経由して、洗濯設備の外部に排水する第2濾過水路とを備えることを特徴とする洗濯設備の濾過システム。
【請求項2】
前記第2濾過水路は、少なくともポンプを経由した後、前記第1濾過水路に合流して外に排水することを特徴とする請求項1に記載の洗濯設備の濾過システム。
【請求項3】
前記第1濾過水路上において、前記ポンプは水槽と濾過装置との間に設置され、
前記第2濾過水路において、汚水受け装置は前記ポンプに連通し、又は、第1濾過水路の、水槽とポンプとの間に位置する部分に連通
し、
好ましくは、前記汚水受け装置が受けた汚水を濾過して、汚水中に包含される濾過不純物を収集するための糸屑収集アセンブリを備える
ことを特徴とする請求項2に記載の洗濯設備の濾過システム。
【請求項4】
前記濾過器はポンプ内部に統合して設置され、前記第1濾過水路は、
水槽からポンプに導水するための水槽排水管と、
ポンプから濾過装置に導水するための中間管路と、
洗濯設備の外部に排水するための排水管路とを備え、
前記汚水受け装置はポンプの内部室に連通し、又は、前記汚水受け装置は管路を介して水槽排水管に連通することを特徴とする請求項
1に記載の洗濯設備の濾過システム。
【請求項5】
前記第2濾過水路の開閉を制御するための汚水排出制御装置をさらに備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の洗濯設備の濾過システム。
【請求項6】
前記第2濾過水路は、濾過装置から汚水受け装置に導水するための汚水排出管路を備え、前記汚水排出制御装置は前記汚水排出管路上に設置された汚水排出制御弁を備えることを特徴とする請求項5に記載の洗濯設備の濾過システム。
【請求項7】
前記汚水受け装置は前記濾過装置の下部に設置され、前記濾過装置は、重力の作用で、汚水排出管路に沿って汚水受け装置に排水し、
好ましくは、前記濾過装置は水槽の中心軸の高さよりも上方に設置され、前記汚水受け装置は水槽の中心軸の高さよりも下方に設置され、
より好ましくは、前記ポンプは水槽の中心軸の高さよりも下方に設置されることを特徴とする請求項6に記載の洗濯設備の濾過システム。
【請求項8】
ポンプによって駆動され、水槽から少なくとも順に濾過器と濾過装置とを経由した後、前記水槽に戻る第3濾過水路をさらに備えることを特徴とする請求項1から
4のいずれか一項に記載の洗濯設備の濾過システム。
【請求項9】
前記第1濾過水路と第3濾過水路とが択一的に開通するように制御するための切り替え装置をさらに備え、
好ましくは、前記第1濾過水路は洗濯設備の外部に排水するための排水管路を備え、前記第3濾過水路は水槽に水を戻すための戻り管路を備え、
前記切り替え装置は、濾過装置、排水管路及び戻り管路にそれぞれ連通し、前記排水管路と戻り管路が前記濾過装置と択一的に開通するように制御することを特徴とする請求項8に記載の洗濯設備の濾過システム。
【請求項10】
洗濯設備であって、請求項1から9のいずれか一項に記載の洗濯設備の濾過システムを備え
、
洗濯設備
は、
水槽と、
水槽中の水を受けて濾過するための濾過装置であって、濾過不純物を包含する汚水を排出するための汚水排出口が設置された濾過装置と、
濾過装置の汚水排出口に連通し、前記汚水排出口の高さよりも低い位置に設置され、濾過装置から排出された汚水を受けるための汚水受け装置とを備えることを特徴とする洗濯設備。
【請求項11】
前記汚水受け装置は、汚水受け装置が受けた汚水を濾過して、汚水中に包含される濾過不純物を収集するための糸屑収集アセンブリを備えることを特徴とする請求項
10に記載の洗濯設備。
【請求項12】
前記排水管路をさらに含み、入水端が水槽に連通するポンプと、ポンプから圧出された水を受けて、洗濯設備外に排出する排水管路とを備え、前記汚水受け装置は前記ポンプに連通し、濾過後の汚水はポンプから排水管路に圧送されて排出されることを特徴とする請求項
10に記載の洗濯設備。
【請求項13】
前記ポンプはポンプ本体を備え、前記汚水受け装置は前記ポンプ本体に接触して設置され、前記汚水受け装置はポンプ本体の上方に設置され、又はポンプ本体の片側に水平方向に沿って設置され、
或いは、前記ポンプはポンプ本体を備え、前記汚水受け装置はポンプ本体と間隔をあけて設置され、汚水受け装置とポンプ本体との間は排出管を介して連通することを特徴とする請求項
11に記載の洗濯設備。
【請求項14】
濾過不純物を包含する汚水を排出するための汚水排出口が設置された濾過装置と、
濾過装置から排出された汚水を受けるための汚水受け装置と、
汚水受け装置に詰まりが発生しているかどうかを検出するための検出装置と、
汚水受け装置と濾過装置の汚水排出口とを接続するための汚水排出管路であって、汚水受け装置に詰まりが発生した時に、汚水を検出装置に誘導する検出分岐路が接続されている汚水排出管路とを備えることを特徴とする
請求項1から4のいずれか一項に記載の洗濯設備の濾過システム。
【請求項15】
前記検出装置は、
内部に水受け室を有する外装と、
前記水受け室内の水位高さを検出するための検出アセンブリであって、前記水位高さが予め設定された高さに達した時にフィードバック信号を生成することができる検出アセンブリとを備え
、
好ましくは、前記検出アセンブリは、
前記水受け室の内部に設置され、前記水受け室内の水面高さの変化に応じて上下動するフロートと、
前記フロートの高さ位置を検知するためのセンサーであって、前記フロートが水面と共に予め設定された高さまで上昇した時にフィードバック信号を生成するセンサーとを備え
、
前記フロートは磁性を有し、前記センサーは前記外装頂部に設置されたリードスイッチであり、前記フロートが水面と共に予め設定された高さまで移動すると、前記リードスイッチはフロートの磁気作用で導通することを特徴とする
請求項14に記載の洗濯設備の濾過システム。
【請求項16】
前記検出アセンブリは誘導部をさらに備え、前記誘導部の内部に上下に延伸する中空通路が形成されており、前記フロートは、前記中空通路内で水面と共に上下動するように位置が制限され、前記リードスイッチは前記誘導部の上方に設置されることを特徴とする請求項
15に記載の
洗濯設備の濾過システム。
【請求項17】
前記汚水排出管路上に前記汚水排出管路の開閉を制御するための汚水排出制御弁が設置され、前記検出分岐路の一端は検出装置に接続され、他端は前記汚水排出制御弁と汚水受け装置との間に接続されることを特徴とする請求項
14に記載の
洗濯設備の濾過システム。
【請求項18】
濾過不純物を包含する汚水を排出するための汚水排出口が設置された濾過装置と、
内部に収集アセンブリが設置され、前記収集アセンブリは、汚水中の濾過不純物を収集するための収集室であって、濾過装置の汚水排出口に連通する収集室を有する汚水受け装置と、
前記収集アセンブリが汚水受け装置内の適切な位置に取り付けられているかどうかを検出するための位置検出装置とを備えることを特徴とする
請求項1から4のいずれか一項に記載の洗濯設備の濾過システム。
【請求項19】
前記汚水受け装置は収容ケーシングを備え、前記収集アセンブリは前記収容ケーシングの内部に取り付けられ、
前記位置検出装置は、前記収容ケーシング上に設置された検出素子/被検出素子、及び前記収集アセンブリ上に設置された被検出素子/検出素子を備えることを特徴とする請求項
18に記載の
洗濯設備の濾過システム。
【請求項20】
一端が濾過装置の汚水排出口に接続され、他端が収容ケーシングの側壁を貫通して収集アセンブリの収集室に連通する汚水排出管路をさらに備え、
前記検出素子は収容ケーシング上の、前記汚水排出管路が貫通するための側壁上に設置され、前記被検出素子は収集アセンブリ上に設置され、かつ収集アセンブリが汚水排出管路に連通する側に位置することを特徴とする請求項
19に記載の
洗濯設備の濾過システム。
【国際調査報告】