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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2025-10-31
(54)【発明の名称】パウチ型の電池セル
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/202 20210101AFI20251024BHJP
   H01M 50/204 20210101ALI20251024BHJP
   H01M 50/211 20210101ALI20251024BHJP
   H01M 50/317 20210101ALI20251024BHJP
【FI】
H01M50/202 401F
H01M50/202 501P
H01M50/204 401F
H01M50/211
H01M50/317 201
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2025517999
(86)(22)【出願日】2023-09-22
(85)【翻訳文提出日】2025-03-26
(86)【国際出願番号】 KR2023014561
(87)【国際公開番号】W WO2024071869
(87)【国際公開日】2024-04-04
(31)【優先権主張番号】10-2022-0123603
(32)【優先日】2022-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】キテク・ジュン
(72)【発明者】
【氏名】ジョンフン・パク
(72)【発明者】
【氏名】ミンヒ・ハン
(72)【発明者】
【氏名】ジュフン・パク
(72)【発明者】
【氏名】スンウォン・ハン
【テーマコード(参考)】
5H012
5H040
【Fターム(参考)】
5H012AA03
5H012AA07
5H012BB08
5H012CC10
5H040AA37
5H040AS07
5H040AT02
5H040AT04
5H040AY05
5H040CC28
5H040DD13
5H040JJ02
5H040JJ03
5H040LL06
(57)【要約】
本発明は、発火時、隣接した電池セルへの熱伝播が防止されて、ベントが下方に誘導される電池セルおよび前記電池セルを含む電池モジュールの構造に関する。前記電池セルは、電極組立体、前記電極組立体を収容して、半分に折り畳まれ、折り畳まれた面を除く3面でシールされるパウチと、前記電極組立体から延在して、前記パウチの外部に突出する電極リードと、を含む電池セルにおいて、一方が開放された箱状であり、スリット状のリード孔が設けられる断熱、耐熱及び耐火性の遮断部材を含み、前記リード孔を介して前記遮断部材の外部に前記電極リードを突き出させて、前記遮断部材によって前記折り畳まれた面を除く5面がカバーされる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極組立体;
前記電極組立体を収容するパウチであって、半分に折り畳まれ、折り畳まれた面を除く3面でシールされるパウチと、
前記電極組立体から延在して、前記パウチの外部に突出する電極リードと、を含む電池セルであって、
長さ、幅及び高さがそれぞれX、Y及びZである断熱、耐熱及び耐火性の遮断部材であって、前記遮断部材は、一方が開放された箱状構造を有し、スリット状のリード孔が設けられる、断熱、耐熱及び耐火性の遮断部材を含み、
前記リード孔を介して前記遮断部材の外部に前記電極リードを突出させて、前記遮断部材によって、前記パウチの前記折り畳まれた面を除く前記パウチの5面がカバーされる、
電池セル。
【請求項2】
前記遮断部材は、折り畳み可能な遮断材シートから形成される、
請求項1に記載の電池セル。
【請求項3】
前記遮断材シートは、
横及び縦がそれぞれX及びY+2Zである長方形のフォルダ部と、
前記フォルダ部の横長方向の両側に突出して、前記リード孔が設けられ、横及び縦がそれぞれY及びZである長方形の羽部と、を含み、
前記フォルダ部は、前記電池セルの高さ方向の一側面及び厚さ方向の両側面に対応し、
前記羽部は、前記電池セルの長さ方向の両側面に対応する、
請求項2に記載の電池セル。
【請求項4】
前記遮断材シートは、
横及び縦がそれぞれX及びY+2Zである長方形のフォルダ部と、
前記フォルダ部の横長方向の両側に突出して、前記リード孔が設けられ、横及び縦がそれぞれZ及びYである長方形の羽部と、を含み、
前記フォルダ部は、前記電池セルの高さ方向の一側面及び厚さ方向の両側面に対応し、
前記羽部は、前記電池セルの長さ方向の両側面に対応する、
請求項2に記載の電池セル。
【請求項5】
前記遮断部材は、前記電池セルを囲むように、前記遮断材シートを折り畳んだ後、互いに連結されることなく、隣接した縁部を接着テープを付着して連結することで形成される、
請求項2に記載の電池セル。
【請求項6】
前記接着テープは、耐熱及び耐火性の材料から形成される、
請求項5に記載の電池セル。
【請求項7】
前記遮断材シートは、前記電池セルを囲むように折り畳まれたとき、互いに連結されることなく、隣接した縁部のうち1つの縁部から突出して折り畳まれることにより、他の縁部をカバーして接着される接着羽を含む、
請求項2に記載の電池セル。
【請求項8】
前記リード孔と前記電極リードとの間の隙間を密封する密封材を更に含む、
請求項2に記載の電池セル。
【請求項9】
前記密封材は、耐熱及び耐火性の樹脂である、
請求項8に記載の電池セル。
【請求項10】
前記遮断部材は、あらゆる縁部が互いに連結された一体の箱状である、
請求項2に記載の電池セル。
【請求項11】
前記遮断部材を構成するように折り畳まれた前記遮断材シートの隣接した縁部は、互いに融着されている、
請求項10に記載の電池セル。
【請求項12】
前記電極リードは、前記電池セルの長さ方向の両側に突出し、
前記リード孔は、前記遮断部材の長さ方向の両側面に、その下端部まで高さ方向に延長して形成される、
請求項10に記載の電池セル。
【請求項13】
前記遮断部材は、その開放された面に前記電池セルが挿入されることにより、前記電池セルに被せられ、
前記遮断部材の長さ方向の両側面の下端部には接着テープが付着する、
請求項12に記載の電池セル。
【請求項14】
前記接着テープは、耐熱及び耐火性の材料から形成される、
請求項13に記載の電池セル。
【請求項15】
前記リード孔と前記電極リードとの間の隙間を密封する密封材を更に含む、
請求項10に記載の電池セル。
【請求項16】
請求項1~請求項15のいずれか一項に記載の電池セルの複数個が積層して形成される電池セル積層体、およびこれを収容するハウジングを含む、
電池モジュール。
【請求項17】
前記遮断部材は、圧縮性材料から形成される、
請求項16に記載の電池モジュール。
【請求項18】
前記電池セル積層体は、前記遮断部材の開放された方向が下方に向かうように、前記ハウジングに収容される、
請求項16に記載の電池モジュール。
【請求項19】
前記ハウジングの底面には、下方に開放されるベント孔が設けられる、
請求項18に記載の電池モジュール。
【請求項20】
前記ベント孔は、前記ハウジングの内圧の増加によって開放される、
請求項19に記載の電池モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2022年9月28日付韓国特許出願第10-2022-0123603号に基づく優先権の利益を主張し、同韓国特許出願の文献に開示のすべての内容は、本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は、パウチ型の電池セルに関する。より具体的には、本発明は、熱及び火炎の伝播を遮断し、ベントの方向を誘導することができるパウチ型の電池セルに関する。
【背景技術】
【0003】
製品群による適用容易性が高く、高いエネルギー密度などの電気的特性を有する二次電池は、携帯用機器のみならず、電気的駆動源によって駆動する電気自動車またはハイブリッド自動車、電力貯蔵装置などに一般的に応用されている。これらの二次電池は、化石燃料の使用を画期的に減少させることができるという一次的な長所だけでなく、エネルギーの使用による副産物が全く発生しない点で、環境にやさしい、かつ、エネルギー効率性を向上するため新しいエネルギー源として注目されている。
【0004】
小型モバイル機器には、デバイス1台当たり1個または2、3個の電池セルが使用される反面、自動車などのような中大型機器には、高出力の大容量が必要である。よって、多数の電池セルを電気的に連結した中大型電池モジュールが使用される。
【0005】
中大型電池モジュールは、可能であれば、小さいサイズと重量で製造されるのが望ましいため、高い集積度で積層され得、容量に対する重量が小さい角型の電池、パウチ型の電池などが、中大型電池モジュールの電池セルとして主に使用されている。
【0006】
図1及び図2は、パウチ型の電池セルを含む電池モジュールを示す斜視図及び分解斜視図である。これら図面を参照すると、電池モジュール1は、複数個の電池セルが積層して形成される電池セル積層体11と、これを収容するハウジング12とを含んでいてもよい。
【0007】
図3は、パウチ型の電池セルを示す斜視図である。これを参照すると、前記電池セル2は、電極組立体と、前記電極組立体を収容するパウチ22と、前記電極組立体から延在して、前記パウチ22の外部に突出する電極リード21と、を含んでいてもよい。前記パウチ22は、金属箔材質のパウチシートが前記電極組立体を囲んで折り畳まれ、その折り畳まれた面を除く3面がシールされることで形成することができる。これによって、前記パウチ22は、前記折り畳まれた面の反対側面に第1シール部221aを、かつ、その他2面に第2シール部221bを含んでいてもよい。前記第1シール部221aは、シールされた後、その端部が折り畳まれて、テーピングされるなどで再度シールされてもよい。前記第2シール部221bでは、前記パウチシートが前記電極リード21を介してシールされてもよい。
【0008】
一方、前記電池セル2は、短絡が起こるなど、過熱して発火するリスクがある。前記電池セル2が発火する場合、熱、火炎、及び前記パウチ22の内部に充電される電解液が気化して発生するベントガスが前記電池セル2から排出され得る。また、前記電池セル2の発火による熱及び火炎は、隣接した他の電池セル2に伝播して連鎖的な発火を引き起こし得る。
【0009】
図4は、パウチ型の電池セルにおけるベントが起こる様子を示す模式図である。これを参照すると、前記熱、火炎及びベントガスは、前記電池セル2では、主に前記パウチ22のシール部221を介して排出することができる。一方、図1及び図2をさらに参照すると、前記電池セル2は、その折り畳まれた面が下方に向かうように、前記ハウジング12に収容され得、これによって、前記熱、火炎及びベントガスは、主に前記電池モジュール1の上方に向かって排出することができる。
【0010】
しかし、特に、電気自動車における前記電池モジュールは、複数個が集積した電池パックの形で車両の底面に設置されるのが一般的である。よって、前記電池モジュールから熱、火炎及びベントガスが上方に向かって排出される場合、搭乗者にとって大きなリスクになり得る。
【0011】
このため、前記電池セル間の熱伝播を防止し、火炎及びベントガスの排出を下方に誘導することができる電池セル単位あるいは電池モジュール単位での解決手段が切実に求められる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上記のような従来技術の背景下で創案したものであって、熱暴走の際、ベントを下方に誘導することができる、電池セル及び電池モジュールの構造を提供することを目的とする。
【0013】
本発明は、また、隣接した電池セル間の熱伝播を防止して、連鎖的な発火を防止することができる、電池セル及び電池モジュールの構造を提供することを目的とする。
【0014】
本発明のさらに他の技術的課題は、既存の電池セル及び電池モジュールの設計並びに生産設備を変更することなく、既存の電池モジュールのエネルギー密度をそのまま維持し、かつ、上記のような熱暴走時の安全対策を具備する、電池セル及び電池モジュールの構造を提供することにある。
【0015】
本発明の技術的課題は、以上に言及した目的に限らず、言及していない本発明の他の目的及び長所は、下記の説明によって理解することができ、本発明の実施例によってより明らかに理解することができる。また、本発明の目的及び長所は、特許請求の範囲に示した手段及びその組み合わせによって実現できることが容易に理解できる。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記課題を解決するために本発明は、電極組立体と、前記電極組立体を収容して、半分に折り畳まれ、折り畳まれた面を除く3面でシールされるパウチと、前記電極組立体から延在して、前記パウチの外部に突出する電極リードと、を含む電池セルにおいて、一方が開放された箱状であり、スリット状のリード孔が設けられる断熱、耐熱及び耐火性の遮断部材を含み、前記リード孔を介して前記遮断部材の外部に前記電極リードを突出させて、前記遮断部材によって前記折り畳まれた面を除く5面がカバーされる、電池セルの構造を提供する。
【0017】
以下では、前記遮断部材の長さ、幅及び高さは、それぞれX、Y及びZとする。
【0018】
前記遮断部材は、1つの展開図状の遮断材シートを前記箱状に折り畳むことで製造することができる。
【0019】
前記遮断材シートは、フォルダ部及び羽部を含んでいてもよい。
【0020】
前記フォルダ部は、横及び縦がそれぞれX及びY+2Zである長方形であってもよい。
【0021】
前記フォルダ部は、前記電池セルの高さ方向の一側面及び厚さ方向の両側面に対応することができる。
【0022】
前記羽部は、横及び縦がそれぞれY及びZである長方形であってもよい。または、前記羽部は、横及び縦がそれぞれZ及びYである長方形であってもよい。
【0023】
前記羽部は、前記フォルダ部の横長方向の両側に突出して形成されてもよい。
【0024】
前記羽部は、前記電池セルの長さ方向の両側面に対応することができる。
【0025】
前記遮断部材は、前記電池セルを囲むように、前記遮断材シートを折り畳んだ後、互いに連結されておらず、隣接した縁部を接着テープで付着して連結することで形成されてもよい。
【0026】
前記接着テープは、耐熱及び耐火性の材料から形成されてもよい。
【0027】
前記遮断材シートは、接着羽を含んでいてもよい。
【0028】
前記接着羽は、前記遮断材シートが前記電池セルを囲むように折り畳まれたとき、互いに連結されることなく、隣接した縁部の1つの縁部から突出して折り畳まれることにより、他の縁部をカバーして接着されるように形成されたものであってもよい。
【0029】
前記遮断部材は、あらゆる縁部が互いに連結された一体の箱状であってもよい。
【0030】
前記遮断部材は、1つの展開図状の遮断材シートを折り畳み、互いに連結されていない隣接した縁部を互いに融着して製造することができる。
【0031】
前記電極リードは、前記電池セルの長さ方向の両側に突出してもよい。このとき、前記リード孔は、前記遮断部材の長さ方向の両側面に、その下端部まで高さ方向に延在して形成されてもよい。
【0032】
前記遮断部材は、その開放された面に前記電池セルが挿入されることにより、前記電池セルに被せることができる。このとき、前記電極リードは、前記遮断部材の長さ方向の両側面の下端部から前記リード孔に沿って挿入することができる。
【0033】
前記遮断部材に前記電池セルが挿入された後、前記遮断部材の長さ方向の両側面の下端部には接着テープが付着してもよい。
【0034】
前記接着テープは、耐熱及び耐火性の材料から形成されてもよい。
【0035】
前記リード孔と前記電極リードとの間の隙間には、前記隙間を密封する密封材が設けられてもよい。
【0036】
前記密封材は、耐熱及び耐火性の樹脂であってもよい。
【0037】
本発明は、また、前記遮断部材を含む前記電池セルの複数個が積層して形成される電池セル積層体、およびこれを収容するハウジングを含む電池モジュールの構造を提供する。
【0038】
前記遮断部材は、圧縮性材料から形成されてもよい。このとき、前記遮断部材は、前記電池セルの間に介在して、スウェリング及び公差を吸収することができる。
【0039】
前記電池セル積層体は、前記遮断部材の開放された方向が下方に向かうように、前記ハウジングに収容されてもよい。
【0040】
前記ハウジングの底面には、下方に開放されるベント孔が設けられてもよい。
【0041】
前記ベント孔は、前記ハウジングの内圧が増加することによって開放されるものであってもよい。
【発明の効果】
【0042】
本発明は、下方が開放された遮断部材で前記電池セルの5面を囲むことにより、隣接した電池セル間の熱伝播を防止して、連鎖的な発火を防止し、ベントを下方に誘導することができる電池セルの構造を提供することができる。
【0043】
本発明は、また、遮断部材が一体に形成されることにより、電池セルの発火時、急激な内圧の増加にもかかわらず、その箱形状を維持することにより、ベントの誘導性能を発揮することができる電池セルの構造を提供することができる。
【0044】
本発明のさらに他の利点は、別途ケーシング部材を付加することなく、薄い遮断材シートからなる遮断部材だけで、上記のように急激な内圧の増加に耐えられることにより、既存の電池セル及び電池モジュールの設計並びに生産設備の変更が不要であり、既存の電池モジュールのエネルギー密度がそのまま維持される、電池セル及び電池モジュールの構造を提供することができる点にある。
【0045】
本発明のさらに他の利点は、圧縮性材質の遮断部材を用いることにより、公差及びスウェリングを吸収することができる点にある。
【0046】
この他も、本発明は、種々の効果を奏することができ、これについては、各実施例で説明するか、通常の技術者が容易に類推できる効果などについては、当該説明を省略することとする。
【図面の簡単な説明】
【0047】
図1】パウチ型の電池セルを含む電池モジュールを示す斜視図である。
図2】パウチ型の電池セルを含む電池モジュールを示す分解斜視図である。
図3】パウチ型の電池セルを示す斜視図である。
図4】パウチ型の電池セルにおけるベントが起こる様子を示す模式図である。
図5】本発明による遮断部材を具備する電池セルを示す斜視図である。
図6】本発明の実施例1による遮断材シートを示す斜視図である。
図7】本発明の実施例1による遮断材シートが電池セルを囲みながら折り畳まれる様子を示す模式図である。
図8】本発明の実施例1による遮断部材を具備する電池セルを示す斜視図である。
図9】本発明の実施例2による遮断材シートを示す斜視図である。
図10】本発明の実施例2による遮断材シートが電池セルを囲みながら折り畳まれる様子を示す模式図である。
図11】本発明の実施例2による遮断部材を具備する電池セルを示す斜視図である。
図12】本発明の実施例3による遮断材シートを示す斜視図である。
図13】本発明の実施例3による遮断材シートが電池セルを囲みながら折り畳まれる様子を示す模式図である。
図14】本発明の実施例3による遮断部材を具備する電池セルを示す斜視図である。
図15】本発明の実施例4による遮断部材を示す斜視図である。
図16】本発明の実施例4による遮断部材に電池セルが挿入される様子を示す模式図である。
図17】本発明の実施例4による遮断部材を具備する電池セルを示す斜視図である。
図18】本発明による遮断部材を具備する電池セルにおけるベントが起こる様子を示す模式図である。
図19】本発明による遮断部材を具備する電池セルを含む電池モジュールを示す正断面図である。
図20】本発明による遮断部材を具備する電池セルを含む電池モジュールを示す側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
前述した目的、特徴及び長所は、添付の図面を参照して詳細に後述され、これによって、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明の技術思想を容易に実施することができる。本発明を説明するにあたって、本発明に係る公知の技術に関する具体的な説明が、本発明の要旨を曖昧にすると判断される場合には、詳細な説明を省略する。以下では、添付の図面を参照して、本発明による好ましい実施例を詳説することとする。図面における同じ参照符号は、同一又は類似の構成要素を示すために使われる。
【0049】
たとえ、第1、第2などは、様々な構成要素を示すために使われるものの、これら構成要素は、これらの用語によって制限されないことは勿論である。これらの用語は、単に一構成要素を他の構成要素と区別するために使うものであり、特に逆の記載がない限り、第1構成要素は、第2構成要素であってもよいことは勿論である。
【0050】
全明細書において、特に逆の記載がない限り、各構成要素は、単数であってもよく、複数であってもよい。
【0051】
以下では、構成要素の「上部(又は下部)」又は構成要素の「上(又は下)」に任意の構成が配されるということは、任意の構成が、上記構成要素の上面(又は下面)に接して配されるだけでなく、上記構成要素と、上記構成要素上に(又は下に)配された任意の構成との間に他の構成が介在し得ることを意味する。
【0052】
また、ある構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」又は「接続」されると記載されている場合、上記構成要素は、互いに直接に連結されるか、或いは接続されてもよいものの、各構成要素の間に他の構成要素が「介在」するか、各構成要素が他の構成要素を介して「連結」、「結合」又は「接続」されてもよいと理解しなければならない。
【0053】
本明細書で使われる単数の表現は、文脈上白らかに他に意味しない限り、複数の表現を含む。本出願における「構成される」又は「含む」などの用語は、明細書上に記載した複数の構成要素、或いは複数のステップを必ずしも全て含むものであると解釈されてはならず、そのうち、一部の構成要素又は一部のステップは含まれなくてもよく、或いはさらなる構成要素又はステップをさらに含んでいてもよいと解釈しなければならない。
【0054】
全明細書における「A及び/又はB」とするとき、これは特に逆の記載がない限り、A、B又はA及びBを意味し、「C~D」とするとき、これは特に逆の記載がない限り、C以上かつD以下であることを意味する。
【0055】
本明細書の全体では、便宜上、電池セル及び電池モジュールの最も長い縁部に沿う方向を電池セルの長さ方向(X1)、電池セルの最も広い面の法線に沿う方向を電池セルの厚さ方向(Y1)、そして、前記X1及びY1のいずれもと交差する方向を電池セルの高さ方向(Z1)と言う。電池セルの長さ方向、厚さ方向及び高さ方向は、それぞれ電池モジュールの長さ方向、幅方向及び高さ方向と対応することができる。
【0056】
また、遮断部材の長さ(X)、幅(Y)及び高さ(Z)は、それぞれ前記X1、Y1及びZ2方向に沿う寸法を意味する。一方、遮断材シートの寸法に関して、横長方向(X2)及び縦長方向(Y2)は、互いに交差する方向である。
【0057】
以下では、本発明の好ましい実施例を添付の図面を参照して説明する。
【0058】
図3は、パウチ型の電池セルを示す斜視図である。これを参照すると、前記電池セル2は、電極組立体と、前記電極組立体を収容するパウチ22と、前記電極組立体から延在して、前記パウチ22の外部に突出する電極リード21と、を含んでいてもよい。
【0059】
前記パウチ22は、金属箔材質のパウチシートが前記電極組立体を囲み、半分に折り畳まれ、その折り畳まれた面を除く3面がシールされることで形成することができる。これによって、前記パウチ22は、前記折り畳まれた面の反対側面に第1シール部221aを、かつ、他の2面に第2シール部221bを含んでいてもよい。
【0060】
前記第1シール部221aは、シールされた後、その端部が折り畳まれて、シールテープ221Tが付着してもよい。
【0061】
前記第2シール部221bでは、前記パウチシートが前記電極リード21を介在してシールされてもよい。
【0062】
一方、前記電池セル2は、短絡が起こるなど、過熱して発火するリスクがある。前記電池セル2が発火する場合、熱、火炎、及び前記パウチ22の内部に充填される電解液が気化して発生するベントガスが、前記電池セル2から排出し得る。これらの前記電池セル2の発火による熱及び火炎は、隣接した他の電池セル2に伝播されて、連鎖的な発火を引き起こし、これらの連鎖的な発火及びベントガスの発生による瞬間的な電池の内圧の上昇は、爆発に繋がり得る。
【0063】
図4は、パウチ型の電池セルにおけるベントが起こる様子を示す模式図である。これを参照すると、前記熱、火炎及びベントガスは、前記電池セル2では、主に前記パウチ22のシール部221を介して排出されてもよい。一方、前記電池セル2は、そのシール部221が上方及び前後方に向かうように、電池モジュールに収容されることが一般的である。この場合、前記電池セル2から発生した熱、火炎及びベントガスは、1つの電池パック内で隣接した他の電池モジュールに伝播されるリスクがあり、特に、電気自動車の場合、搭乗者に向かって爆発が起こるリスクもある。
【0064】
このため、本発明は、前記電池セルにおいて、熱伝播を遮断して、火炎及びベントガスを特定の方向に誘導することができる、遮断部材を具備する電池セルの構造を提供する。
【0065】
図5は、本発明による遮断部材を具備する電池セルを示す斜視図である。これを参照すると、本発明による前記電池セル2は、遮断部材3を具備することができる。
【0066】
前記遮断部材3は、断熱、耐熱及び耐火性の材料から形成されてもよい。例えば、前記遮断部材3は、断熱、耐熱及び耐火性の合成樹脂材料から形成されてもよい。
【0067】
前記遮断部材3は、一方が開放された箱状部材であってもよい。以下では、前記遮断部材3の長さ、幅及び高さは、それぞれX、Y及びZとする。
【0068】
前記遮断部材3にはリード孔32が設けられてもよい。
【0069】
前記リード孔32は、複数で設けられてもよい。
【0070】
前記電池セル2は、前記遮断部材によって前記折り畳まれた面を除く5面をカバーされることができる。このとき、前記電極リード21は、前記リード孔32を介して前記遮断部材3の外部に突出してもよい。
【0071】
[実施例1]
図6は、本発明の実施例1による遮断材シートを示す斜視図である。これを参照すると、前記遮断部材3は、1つの展開図状の遮断材シート31を箱状に折り畳むことで製造することができる。
【0072】
前記遮断材シート31は、断熱、耐熱及び耐火性の材料から形成されてもよい。例えば、前記遮断材シート31は、断熱、耐熱及び耐火性の合成樹脂材料から形成されてもよい。
【0073】
前記遮断材シート31は、フォルダ部311及び羽部312を含んでいてもよい。
【0074】
本実施例による前記フォルダ部311は、横及び縦がそれぞれX及びY+2Zである長方形であってもよい。
【0075】
本実施例による前記羽部312は、横及び縦がそれぞれY及びZである長方形であってもよい。
【0076】
前記羽部312は、前記フォルダ部311の横長方向の両側に突出して形成されてもよい。
【0077】
前記羽部312は、リード孔32を含んでいてもよい。
【0078】
図7は、本発明の実施例1による遮断材シートが電池セルを囲みながら折り畳まれる様子を示す模式図である。これを参照すると、本実施例による遮断材シート31は、前記フォルダ部311と前記羽部312が順次に折り畳まれて、前記電池セル2の5面を囲む前記遮断部材3を形成することができる。
【0079】
前記フォルダ部311及び前記羽部312が折り畳まれる順序は、関係ない。例えば、前記フォルダ部311と前記羽部312が一側ずつ交互に折り畳まれる方式も可能である。
【0080】
前記フォルダ部311は、前記電池セル2の高さ方向の一側面及び厚さ方向の両側面に対応することができる。
【0081】
前記羽部312は、前記電池セル2の長さ方向の両側面に対応することができる。
【0082】
前記羽部312を折り畳む過程で、前記電極リード21が前記リード孔32を通過することができる。これにより、前記電極リード21は、前記遮断部材3の外部に突出してもよい。
【0083】
図8は、本発明の実施例1による遮断部材を具備する電池セルを示す斜視図である。これを参照すると、前記遮断部材3は、前記遮断材シート31が前記電池セル2を囲むように折り畳んだ後、互いに連結されることなく、隣接した縁部を互いに接着テープ33を付着して連結することで形成することができる。すなわち、本実施例による前記遮断部材3は、その長さ方向の両側面とその厚さ方向の両側面とが互いに交わる4個の縁部が、互いに前記接着テープ33によって連結することで形成されてもよい。
【0084】
前記接着テープ33は、耐熱及び耐火性の材料から形成されてもよい。例えば、前記接着テープ33は、耐熱及び耐火性の合成樹脂材料から形成されてもよい。
【0085】
前記リード孔32と前記電極リード21との間の隙間には、前記隙間を密封する密封材が設けられてもよい。
【0086】
前記密封材は、耐熱及び耐火性の樹脂であってもよい。
【0087】
図18は、本発明による遮断部材を具備する電池セルにおけるベントが起こる様子を示す模式図である。これを参照すると、本実施例による遮断部材3は、前記電池セル2の5面をいずれもカバーして、前記電池セル2からの熱伝播を防止し、火炎及びベントガスの方向をその開放口に誘導することができる。
【0088】
このとき、本実施例による前記遮断部材3は、前記第1シール部221aに対応する面の4辺が互いに一体として連結され、前記第2シール部221bに対応する面の各2辺が前記接着テープ33で連結されることで密封することができる。これによって、前記電池セル2の前面及び側面に位置する前記遮断材シート31は、発火による急激な内圧の増加にも前記電池セル2から脱落しないことが可能である。
【0089】
また、本実施例による前記羽部312は、前記電極リード21が延在する方向に折り畳まれるため、折り畳む過程で、前記リード孔32に前記電極リード21を挿入することが容易である。
【0090】
[実施例2]
図9は、本発明の実施例2による遮断材シートを示す斜視図である。これを参照すると、本実施例による前記遮断材シート31は、フォルダ部311及び羽部312を含んでいてもよい。
【0091】
本実施例による前記フォルダ部311は、横及び縦がそれぞれX及びY+2Zである長方形であってもよい。
【0092】
本実施例による前記羽部312は、横及び縦がそれぞれZ及びYである長方形であってもよい。
【0093】
前記羽部312は、前記フォルダ部311の横方向の両側に、互いに向かい合う位置で突出して形成されてもよい。または、前記羽部312は、前記フォルダ部311の横方向の両側に、互いに行き違う位置で突出して形成されてもよい。
【0094】
前記羽部312は、リード孔32を含んでいてもよい。
【0095】
図10は、本発明の実施例2による遮断材シートが電池セルを囲みながら折り畳まれる様子を示す模式図である。これを参照すると、本実施例による遮断材シート31は、前記フォルダ部311と前記羽部312が順次に折り畳まれて、前記電池セル2の5面を囲む前記遮断部材3を形成することができる。
【0096】
前記フォルダ部311及び前記羽部312が折り畳まれる順序は、関係ない。例えば、前記フォルダ部311と前記羽部312が一側ずつ交互に折り畳まれる方式も可能である。
【0097】
前記フォルダ部311は、前記電池セル2の高さ方向の一側面及び厚さ方向の両側面に対応することができる。
【0098】
前記羽部312は、前記電池セル2の長さ方向の両側面に対応することができる。
【0099】
前記羽部312を折り畳む過程で、前記電極リード21が前記リード孔32を通過することができる。これにより、前記電極リード21は、前記遮断部材3の外部に突出してもよい。
【0100】
図11は、本発明の実施例2による遮断部材を具備する電池セルを示す斜視図である。これを参照すると、前記遮断部材3は、前記遮断材シート31が前記電池セル2を囲むように折り畳まれた後、互いに連結されることなく、隣接した縁部を互いに接着テープ33を付着して連結されることで形成することができる。すなわち、本実施例による前記遮断部材3は、その長さ方向の両側面がその厚さ方向の各一側面及び高さ方向の一側面と互いに交わる4個の縁部が、互いに前記接着テープ33によって連結されることで形成することができる。
【0101】
前記接着テープ33は、耐熱及び耐火性の材料から形成されてもよい。例えば、前記接着テープ33は、耐熱及び耐火性の合成樹脂材料から形成されてもよい。
【0102】
前記リード孔32と前記電極リード21との間の隙間には、前記隙間を密封する密封材が設けられてもよい。
【0103】
前記密封材は、耐熱及び耐火性の樹脂であってもよい。
【0104】
図18をさらに参照すると、本実施例による遮断部材3は、前記電池セル2の5面をいずれもカバーして、前記電池セル2からの熱伝播を防止し、火炎及びベントガスの方向をその開放口に誘導することができる。
【0105】
このとき、本実施例による前記遮断部材3は、前記第1シール部221a及び前記第2シール部221bに対応する各面の2つの辺が一体として連結され、他の2辺が前記接着テープ33によって互いに連結して密封されてもよい。これによって、前記電池セル2の前面及び側面に位置する前記遮断材シート31は、発火による急激な内圧の増加にも前記電池セル2から脱落しないことがある。
【0106】
また、本実施例による前記遮断部材3は、実施例1に比べて、前記接着テープ33の必要量がさらに少ないという利点がある。
【0107】
[実施例3]
図12は、本発明の実施例3による遮断材シートを示す斜視図である。これを参照すると、本実施例による前記遮断材シート31は、前記実施例1の前記遮断材シート31に加えて、接着羽313を更に含んでいてもよい。
【0108】
前記接着羽313は、前記遮断材シート31の少なくとも一辺から外部に突出して形成されてもよい。
【0109】
前記接着羽313は、前記羽部312に設けることもでき、前記フォルダ部311に設けることもできる。また、前記接着羽313は、前記羽部312及び前記フォルダ部311に設けることもできる。
【0110】
前記接着羽313は、台形などの四角形であってもよく、好ましくは、前記羽部312及び/または前記フォルダ部311の一辺の全体にわたって突出して設けられてもよいものの、いずれの形でも突出した形でさえあれば関係ない。
【0111】
図13は、本発明の実施例3による遮断材シートが電池セルを囲みながら折り畳まれる様子を示す模式図である。これを参照すると、本実施例による前記遮断材シート31は、上記実施例1のように、前記電池セル2を囲み、折り畳まれてもよい。
【0112】
このとき、前記接着羽313は、前記遮断材シート31が前記電池セル2を囲むように折り畳まれたとき、互いに連結されることなく、隣接した縁部のうち1つの縁部から突出して折り畳まれることにより、他の縁部をカバーして接着してもよい。
【0113】
前記接着羽313は、それ自体の接着性またはそれ自体に塗布される接着剤により前記遮断材シート31に直接接着されてもよく、後述するように、接着テープによって接着されてもよい。
【0114】
前記接着羽313は、隣接した縁部のうち一辺から他辺に突出して折り畳まれてもよく、両辺から各他辺に突出して折り畳まれることにより、二重接着されてもよい。
【0115】
図14は、本発明の実施例3による遮断部材を具備する電池セルを示す斜視図である。これを参照すると、本実施例による前記遮断部材3は、前記接着羽313が折り畳まれて、前記遮断材シート31が箱状をなした後、前記接着羽313を前記遮断材シート31に接着テープ33で接着することで形成することができる。
【0116】
前記接着テープ33は、耐熱及び耐火性の材料から形成されてもよい。例えば、前記接着テープ33は、耐熱及び耐火性の合成樹脂材料から形成されてもよい。
【0117】
前記リード孔32と前記電極リード21との間の隙間には、前記隙間を密封する密封材が設けられてもよい。
【0118】
前記密封材は、耐熱及び耐火性の樹脂であってもよい。
【0119】
図18をさらに参照すると、本実施例による遮断部材3は、前記電池セル2の5面をいずれもカバーして、前記電池セル2からの熱伝播を防止し、火炎及びベントガスの方向をその開放口に誘導することができる。
【0120】
本実施例による遮断部材3は、前記実施例1に比べて、前記接着羽313を具備することにより、前記遮断部材3に存在し得る隙間が最小化し、構造的にさらに高い強度を有するという利点がある。
【0121】
[実施例4]
図15は、本発明の実施例4による遮断部材を示す斜視図である。これを参照すると、前記遮断部材3は、あらゆる縁部が互いに連結された一体の箱状であってもよい。
【0122】
前記遮断部材3は、1つの展開図状の遮断材シート31を箱状に折り畳み、互いに連結されることなく、隣接した縁部を互いに融着することで製造することができる。しかし、前記互いに連結されることなく、隣接した縁部を互いに連結する方法では、断熱、耐熱及び耐火性の接着テープを付着する方式のような様々な方法を用いることができる。
【0123】
前記遮断材シート31は、断熱、耐熱及び耐火性の材料から形成されてもよい。例えば、前記遮断材シート31は、断熱、耐熱及び耐火性の合成樹脂材料から形成されてもよい。
【0124】
前記遮断部材3の長さ方向の両側面には、前記リード孔32が設けられてもよい。
【0125】
前記リード孔32は、前記遮断部材3の長さ方向の両側面の下端部まで高さ方向に延在して設けられてもよい。
【0126】
図16は、本発明の実施例4による遮断部材に電池セルが挿入される様子を示す模式図である。これを参照すると、前記遮断部材3は、その開放された面に前記電池セル2が挿入されることにより、前記電池セルに被せることができる。
【0127】
このとき、前記電極リード21は、前記遮断部材3の長さ方向の両側面の下端部から前記リード孔32に沿って挿入することができる。
【0128】
図17は、本発明の実施例4による遮断部材を具備する電池セルを示す斜視図である。これを参照すると、前記遮断部材3は、前記電池セル2が挿入された後、その長さ方向の両側面の下端部に接着テープ33が付着することで形成することができる。
【0129】
前記接着テープ33は、耐熱及び耐火性の材料から形成されてもよい。例えば、前記接着テープ33は、耐熱及び耐火性の合成樹脂材料から形成されてもよい。
【0130】
前記リード孔32と前記電極リード21との間の隙間には、前記隙間を密封する密封材が設けられてもよい。
【0131】
前記密封材は、耐熱及び耐火性の樹脂であってもよい。
【0132】
図18をさらに参照すると、本実施例による遮断部材3は、前記電池セル2の5面をいずれもカバーして、前記電池セル2からの熱伝播を防止し、火炎及びベントガスの方向をその開放口に誘導することができる。
【0133】
本実施例による前記遮断部材3は、そもそも下方の開放面を除く5面が互いにあらゆる縁部で連結されて密封された状態で、前記電池セル2を囲むため、前記電池セル2で発生する熱、火炎及びベントガスが漏れず、ただ下方のみに排出されるように誘導することができる。
【0134】
また、本実施例による遮断部材3は、完全な密封に要する前記接着テープ33の必要量が非常に少ないという利点がある。
【0135】
本発明は、また、上記のように、遮断部材を含む前記電池セルを含む電池モジュールの構造を開示する。実施例1~実施例4の前記電池セルも後述する構造の電池モジュールを構成することができることは勿論である。
【0136】
まず、一般的な電池モジュールの構造を図面を参照して説明する。
【0137】
図1及び図2は、それぞれパウチ型の電池セルを含む電池モジュールを示す斜視図及び分解斜視図である。これら図面を参照すると、パウチ型の電池セルを含む電池モジュールは、前記電池セル2の複数個が積層して形成される電池セル積層体と、前記電池セル積層体11を収容するハウジング12と、を含んでいてもよい。
【0138】
前記電池セル積層体11は、前記電池セル2が互いに厚さ方向に複数個が積層して形成することができる。
【0139】
前記電池セル積層体11は、前記電池セル2が圧縮性パッドを介在して、互いに厚さ方向に複数個を積層して形成することができる。前記圧縮性パッドは、前記電池セル2の形状に合わせて圧縮成形されることにより、公差及びスウェリング(電池セルのパウチの内部にガスが満ちて、前記パウチが膨れ上がる現象)を吸収することができる。
【0140】
前記ハウジング12は、上方及び長さ方向の両側方が開放された「U」字状のUフレーム123と、前記Uフレーム123の前後方をカバーするエンドプレート122と、前記Uフレームの上方をカバーするトッププレート121と、を含んでいてもよい。
【0141】
前記電池セル積層体11は、前記電池セル2の前記折り畳まれた面が下方に向かうように、つまり、前記第1シール部221aが上方に向かうように、前記ハウジングに収容することができる。
【0142】
前記ハウジング12と前記電池セル積層体11との間には、前記電池セル積層体11と外部との間の絶縁のため絶縁フィルムが介在して設けられてもよい。
【0143】
前記Uフレーム123の底面には、前記電池セル積層体11からの発熱を冷却するために、外部に熱を伝導させることができる熱伝導性樹脂が設けられてもよい。
【0144】
以下では、本発明の好ましい実施例による電池モジュールの構造を図面を参照して説明する。
【0145】
[実施例5]
図19及び図20は、それぞれ本発明による遮断部材を具備する電池セルを含む電池モジュールを示す正断面図及び側断面図である。これら図面を参照すると、前記電池セル2は、前記遮断部材3で囲まれた状態で、互いに厚さ方向に積層されて、前記電池セル積層体11を形成することができる。
【0146】
前記電池セル2は、前記遮断部材3の開放された方向が、互いにいずれも一致するように積層されて、前記電池セル積層体11を形成することができる。
【0147】
前記遮断部材3は、圧縮性材料から形成されてもよい。これにより、前記遮断部材3は、前記圧縮性パッドのように、公差及びスウェリングを吸収する働きをすることができる。この場合、前記遮断部材3は、前記圧縮性パッドが占めていた空間をそのまま占めるだけであり、設計の変更や生産設備を変更することなく、既存の圧縮性パッドを用いる電池モジュールにおける前記電池セル積層体11の製造過程を若干変形することだけで、本実施例による電池モジュール1の製造が可能である。
【0148】
これは、前記遮断部材3がその特有な一体型構造により、薄い前記遮断材シート31からなるにもかかわらず、強い内圧に対してその箱状の構造を維持できることで可能になるものであり、別途剛体ケーシングなどを加える必要がなく、既存の圧縮性パッドを前記遮断部材3に取り替えることだけで、本発明の実施が可能である点からの利点である。
【0149】
本実施例のさらに他の利点は、上記のように、別途部材を加えることなく、前記電池モジュール1が製造され得る場合、1つの前記電池モジュール1当たり収容可能な前記電池セル2の数及び体積に対するエネルギー容量、つまり、エネルギー密度が既存の電池モジュールに比べて減少しないことにある。
【0150】
前記電池セル積層体11は、前記電池セル2の前記折り畳まれた面および前記遮断部材3の開放された面が下方に向かうように、前記ハウジング12に収容することができる。
【0151】
前記電池セル積層体11と前記ハウジング12の前記トッププレート121及び両側壁との間には、前記絶縁フィルム13が介在し得る。
【0152】
前記電池セル積層体11と前記ハウジング12の底面との間には、前記熱伝導性樹脂14が介在し得る。
【0153】
前記電池モジュール1の底面には、これを下方に貫通して開放されるベント孔124が設けられてもよい。前記電池セル2の発火時、前記遮断部材3によって下方に誘導される火炎及びベントガスは、前記ベント孔124を介して前記電池モジュール1の外部に排出することができる。これにより、前記電池セル2単位から前記電池モジュール1単位まで、前記電池セル2の発火による火炎及びベントガスは、下方に誘導することができる。
【0154】
この場合、前記遮断部材3が前記電池セル2単位から前記ベントガスによる瞬間的な内圧の増加に耐えられ、前記遮断部材3は、圧縮性材料から形成されてもよいため、急激に増加する内圧が前記ハウジングに加える負担を低減することができる。例えば、前記電池モジュール1単位でのみベントを下方に誘導する場合は、前記電池セル2から発生する火炎が、前記絶縁フィルム13及び前記熱伝導性樹脂14を損傷させる可能性が大きい。
【0155】
特に、前記エンドプレート122には、主に前記電池モジュール1が隣接した他の電池モジュールと連結されて、電池パックを構成することができるように、前記電池セル積層体11を外部と電気的に連結することができるターミナルが設けられてもよい。ところで、電池モジュール単位でのベントの誘導は、前記エンドプレート122を加熱させ、火炎及びベントガスに露出させるため、隣接した電池モジュールへの熱伝播を防止することがとても難しく、よって、電池パック内での電池モジュール間の連鎖的な発火が起こり、前記電池セル2の発火がさらに大きな爆発に繋がるリスクがある。本発明によれば、上記のような電池モジュール間の連鎖的な発火も防止することができる。
【0156】
また、前記遮断部材3は、前記電池セル2間の熱伝播を防止することもできるため、そもそも前記電池セル2の連鎖的な発火による過度な熱暴走を防止することができる。
【0157】
前記ベント孔124は、前記ハウジング12の内圧の増加によって開放されるものであってもよい。また、前記ベント孔124は、前記ハウジング12の内圧の減少によってさらに閉鎖し得るものであってもよい。すなわち、前記ベント孔124は、前記ハウジング12の内圧の増減に応じて開閉可能なものであってもよい。
【0158】
前述した実施例は、すべての面で例示的なものであり、限定的なものではないと理解しなければならず、本発明の範囲は、前述した詳細な説明よりは、後述する特許請求の範囲によって示される。そして、後述する特許請求の範囲の意味及び範囲はもちろん、その等価概念から想到するあらゆる変更及び変形可能な形態は、本発明の範囲に含まれると解釈しなければならない。
【0159】
以上のように、本発明について例示の図面を参照して説明したが、本発明は、本明細書で開示の実施例と図面によって限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内で通常の技術者によって様々な変形が行われることは自らかである。なお、本発明の実施例を前述しながら、本発明の構成による作用効果を明示的に記載して説明しなかったとしても、該構成によって予測可能な効果も認めるべきであることは当然である。
【符号の説明】
【0160】
1 電池モジュール
11 電池セル積層体
12 ハウジング
121 トッププレート
122 エンドプレート
123 Uフレーム
124 ベント孔
13 絶縁フィルム
14 熱伝導性樹脂
2 電池セル
21 電極リード
22 パウチ
221 シール部
221a 第1シール部
221b 第2シール部
221T シールテープ
222 突出部
3 遮断部材
31 遮断材シート
311 フォルダ部
312 羽部
313 接着羽
32 リード孔
33 接着テープ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
【国際調査報告】