特表2025-537811IP Force 特許公報全文掲載

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】
(54)【発明の名称】厚膜化学増幅ポジ型レジスト組成物およびそれを用いたレジスト膜の製造方法
(51)【国際特許分類】
   
   
   
   
   
   
【FI】
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】
(86)(22)【出願日】
(85)【翻訳文提出日】
(86)【国際出願番号】
(87)【国際公開番号】
(87)【国際公開日】
(31)【優先権主張番号】
(32)【優先日】
(33)【優先権主張国・地域又は機関】
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591032596
【氏名又は名称】メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D-64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100166165
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 英直
(74)【代理人】
【識別番号】100138210
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 達則
(74)【代理人】
【識別番号】100146466
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 正俊
(74)【代理人】
【識別番号】100202418
【弁理士】
【氏名又は名称】河原 肇
(72)【発明者】
【氏名】佐尾 高歩
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 健汰
(72)【発明者】
【氏名】片山 朋英
【テーマコード(参考)】
【Fターム(参考)】
2H196AA25
2H196BA11
2H196DA01
2H196DA10
2H196HA23
2H196HA40
2H197CA08
2H197CA10
2H197CE10
2H197GA01
2H197HA03
2H197HA04
2H197HA05
2H197HA10
2H197JA22
2H225AF16P
2H225AF71P
2H225AF75P
2H225AF99P
2H225AH12
2H225AJ13
2H225AJ44
2H225AJ48
2H225AJ56
2H225AN37P
2H225AN38P
2H225AN39P
2H225BA02P
2H225BA26P
2H225BA33P
2H225CA12
2H225CB08
2H225CC03
2H225CC15
2H225DA11
2H225EA06N
(57)【要約】
【課題】厚膜化学増幅型ポジ型レジスト組成物の提供。
【解決手段】特定の構造を有するアルカリ可溶性樹脂(A)、光酸発生剤(B)、および
溶媒(C)を含んでなる厚膜化学増幅型ポジ型レジスト組成物。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項】
アルカリ可溶性樹脂(A)、光酸発生剤(B)および溶媒(C)を含んでなる厚膜化学増幅ポジ型レジスト組成物:
ここで、
厚膜化学増幅ポジ型レジスト組成物から形成されるレジスト膜の膜厚は5.0~50.0μmであり;
アルカリ可溶性樹脂(A)は下記繰り返し単位を含んでなり;
【化】
(ここで、
R11、R21、R41およびR45は、それぞれ独立に、C1-5アルキル(ここで、アルキル中の-CH2-が-O-によって置きかえられていてもよい)であり;
R12、R13、R14、R22、R23、R24、R32、R33、R34、R42、R43およびR44は、それぞれ独立に、水素、C1-5アルキル、C1-5アルコキシ、または-COOHであり;
p11は0~4であり、p15は1~2であり、p11+p15≦5であり;
p21は0~4であり;
n21は0~1であり;
p41は0~4であり、p45は1~2であり、p41+p45≦5であり;
P31は、C4-20アルキルである(アルキルは環を形成しない;アルキルのHの一部または全部がハロゲンと置換してもよい);かつ
アルカリ可溶性樹脂(A)における繰り返し単位(A-1)、(A-2)、(A-3)および(A-4)の、繰り返し単位数nA-1、nA-2、nA-3、およびnA-4が、以下を満たす;
nA-1/(nA-1+nA-2+nA-3+nA-4)=0~80%、
nA-2/(nA-1+nA-2+nA-3+nA-4)=1~40%、
nA-3/(nA-1+nA-2+nA-3+nA-4)=0~40%、または
nA-4/(nA-1+nA-2+nA-3+nA-4)=0~40%;
ここで、nA-3/(nA-1+nA-2+nA-3+nA-4)とnA-4/(nA-1+nA-2+nA-3+nA-4)の少なくともいずれか一方は0%よりも大きい;
任意に、アルカリ可溶性樹脂(A)に含まれる全ての繰り返し単位の総数ntotalとすると、以下を満たす;
(nA-1+nA-2+nA-3+nA-4)/ntotal=80~100%。
【請求項】
溶媒(C)は、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)(C-1)を含んでなる請求項1に記載の組成物;
任意に、PGME(C-1)の含有量が溶媒(C)を基準として、30~100質量%である;
任意に、溶媒(C)が溶媒(C-2)をさらに含んでなる;
任意に、溶媒(C-2)の含有量は溶媒(C)を基準として、0質量%以上であり50質量%未満であり;
任意に、溶媒(C-2)は、アルコール溶媒(C-2-1)および低沸点溶媒(C-2-2)からなる群から選択される。
【請求項】
アルカリ可溶性樹脂(A)の質量平均分子量が10,000~50,000である、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項】
光酸発生剤(B)が、式(B-1)または式(B-2)で表される、請求項1~3の少なくともいずれか一項に記載の組成物。
Bn+カチオン Bn-アニオン (B-1)
ここで、
Bn+カチオンは式(BC1)で表されるカチオン、式(BC2)で表されるカチオン、または式(BC3)で表されるカチオンであり、Bn+カチオンは全体としてn価であり、nは1~3であり、
Bn-アニオンは、式(BA1)で表されるアニオン、式(BA2)で表されるアニオン、式(BA3)で表されるアニオン、または式(BA4)で表されるアニオンであり、Bn-アニオンは、全体としてn価である。
【化】
(ここで、
Rb1は、それぞれ独立に、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C6-12アリール、C6-12アリールチオ、またはC6-12アリールオキシであり、
nb1は、それぞれ独立に、0、1、2または3である)
【化】
(ここで、
Rb2は、それぞれ独立に、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、またはC6-12アリールであり、
nb2は、それぞれ独立に、0、1、2または3である)
【化】
(ここで、
Rb3は、それぞれ独立に、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、またはC6-12アリールであり、
Rb4は、それぞれ独立に、C1-6アルキルであり、
nb3は、それぞれ独立に、0、1、2または3である)
【化】
(ここで、Rb5は、それぞれ独立に、C1-6フッ素置換アルキル、C1-6フッ素置換アルコキシ、またはC1-6アルキルである)
【化】
(ここで、
Rb6は、C1-6フッ素置換アルキル、C1-6フッ素置換アルコキシ、C6-12フッ素置換アリール、C2-12フッ素置換アシル、またはC6-12フッ素置換アルコキシアリールであり、かつ
nb4は、1または2である)
【化】
(ここで、
Rb7は、それぞれ独立に、C1-6フッ素置換アルキル、C1-6フッ素置換アルコキシ、C6-12フッ素置換アリール、C2-12フッ素置換アシル、またはC6-12フッ素置換アルコキシアリールであり、ここで、2つのRb7が相互に結合してフッ素置換されたヘテロ環構造を形成していていもよい)
【化】
(ここで、
Rb8は、水素、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、またはヒドロキシであり、
Lbは、カルボニル、オキシまたはカルボニルオキシであり、
Ybは、それぞれ独立に、水素またはフッ素であり、
nb5は、0~10の整数であり、かつ
nb6は、0~21の整数である)
【化】
ここで、
Rb9は、C1-5フッ素置換アルキルであり、
Rb10は、それぞれ独立に、C3-10アルケニルもしくはアルキニル(ここで、アルケニルおよびアルキニル中のCH3-がフェニルによって置換されていてもよく、アルケニルおよびアルキニル中の-CH2-が-C(=O)-、-O-またはフェニレンの少なくともいずれか一つによって置き換えられていてもよい)、C2-10チオアルキル、C5-10飽和複素環であり、
nb7は、0、1または2である。
【請求項】
さらに光反応クエンチャー(D)を含んでなり、光反応クエンチャー(D)が、式(D-1)で表される請求項1または2に記載の組成物。
Dm+カチオン Dm-アニオン (D-1)
ここで、
Dm+カチオンは式(DC1)で表されるカチオン、または式(DC2)で表されるカチオンであり、Dm+カチオンは全体としてm価であり、
mは1~3であり、
Dm-アニオンは式(DA1)で表されるアニオン、または式(DA2)で表されるアニオンであり、Dm-アニオンは全体としてm価であり、
【化】
(ここで、
Rd1は、それぞれ独立に、C1-6のアルキル、C1-6アルコキシ、C6-12アリール、C6-12アリールチオ、またはC6-12アリールオキシであり、
nd1は、それぞれ独立に、0、1、2または3である)
【化】
(ここで、
Rd2は、それぞれ独立に、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、またはC6-12アリールであり、
nd2は、それぞれ独立に、0、1、2または3である)
【化】
(ここで、
Xは、C1-20の炭化水素または単結合であり、
Rd3は、それぞれ独立に、水素、ヒドロキシ、C1-6アルキル、またはC6-10アリールであり、
nd3は、1、2または3であり、
nd4は0、1または2である)
【化】
(ここで、
Rd4は、C1-15アルキル(ここで、アルキルの一部または全部が環を形成していてもよく、アルキル中の-CH2-が-C(=O)-によって置き換えられていてもよい)である)
任意に光反応クエンチャー(D)が光を受容することで生じるカチオン部分は、光酸発生剤(B)が光を受容することで生じるアニオン部分と反応するクエンチャーである。
【請求項】
界面活性剤(E)をさらに含んでなる、請求項1~5の少なくともいずれか一項に記載の組成物:
任意に、可塑剤(F)をさらに含んでなり;または
任意に、添加物(G)をさらに含んでなり、添加物(G)は、表面平滑剤、色素、コントラスト増強剤、塩基、酸、ラジカル発生剤、基板密着増強剤および消泡剤からなる群から選択される少なくとも1つである。
【請求項】
アルカリ可溶性樹脂(A)の含有量が、前記組成物を基準として、0質量%より大きく50質量%以下であり、
光酸発生剤(B)の含有量が、アルカリ可溶性樹脂(A)を基準として、0質量%より大きく20質量%以下であり、かつ
溶媒(C)の含有量が、前記組成物を基準として、20質量%以上100質量%未満である、請求項1~6の少なくともいずれか一項に記載の組成物:
任意に、光反応クエンチャー(D)の含有量が、アルカリ可溶性樹脂(A)を基準として、0.01~5質量%であり;
任意に、界面活性剤(E)の含有量が、アルカリ可溶性樹脂(A)を基準として、0.0001~1質量%であり;
任意に、可塑剤(F)の含有量が、前記組成物を基準として0~3質量%であり;または
任意に、添加物(G)の含有量が、アルカリ可溶性樹脂(A)を基準として、0.00001~10質量%である。
【請求項】
厚膜化学増幅ポジ型KrFレジスト組成物である、請求項1~7の少なくともいずれか一項に記載の組成物。
【請求項】
下記工程を含んでなるレジスト膜の製造方法。
(1)基板の上方に請求項1~8の少なくともいずれか一項に記載の組成物を適用する;
および
(2)前記組成物を加熱し、レジスト膜を形成する:
任意に、レジスト膜の膜厚が5.0μm~50μmであり;
任意に、(2)の加熱を、100~250℃および/または30~300秒間行う;または
任意に、(2)の加熱を、大気または窒素ガス雰囲気にて行う。
【請求項】
下記工程を含んでなるレジストパターンの製造方法。
請求項9に記載の方法でレジスト膜を形成する;
(3)前記レジスト膜を露光する;および
(4)前記レジスト膜を現像する。
【請求項】
前記レジストパターン頂部の端点から基板への垂線と、前記レジストパターン側面の最もえぐれている点から基板への垂線との距離のレジスト膜厚に対する比が0.023以下である、請求項10に記載のレジストパターンの製造方法。
【請求項】
下記工程を含んでなる加工基板の製造方法:
請求項10に記載の方法でレジストパターンを形成する;および
(5)レジストパターンをマスクとして加工する:
任意に、(5)は下層膜または基板を加工する。
【請求項】
下記工程を含んでなる加工基板の製造方法:
請求項10に記載の方法でレジストパターンを形成し、
(5a)レジストパターンをエッチングする;および
(5b)基板をエッチングすること:
ここで、(5a)と(5b)の工程の組合せが少なくとも2回以上繰り返され;かつ
基板は複数のSi含有層が積層されたものからなり、少なくとも1つのSi含有層は導電性であり、少なくとも1つのSi含有層は電気的に絶縁性であり:
任意に、導電性のSi含有層と、電気的に絶縁性のSi含有層が交互に積層される。
【請求項】
以下の工程を含んでなる、加工基板の製造方法:
請求項11に記載の方法でレジストパターンを製造する;および
前記レジストパターンをマスクとしてイオンインプランテーションを行う、または
前記レジストパターンをマスクとしてレジストパターンの下層を加工し、下層パターンを形成し、下層パターンをマスクとしてイオンインプランテーションを行う。
【請求項】
請求項12~14の少なくともいずれか一項に記載の方法を含んでなるデバイスの製造方法。
任意に、加工された基板に配線を形成する工程をさらに含んでなり;または
任意に、デバイスは半導体デバイスである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【】
本発明は、半導体素子や半導体集積回路などの製造に用いられる、厚膜化学増幅ポジ型レジスト組成物およびそれを用いたレジスト膜の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【】
半導体等のデバイスの製造過程において、レジストを用いたリソグラフィ技術による微細加工が一般的に行われている。微細加工の工程は、シリコンウェハ等の半導体基板上に薄いレジスト層を形成し、その層を目的とするデバイスのパターンに対応するマスクパターンで覆い、その層をマスクパターンを介して紫外線等の活性光線で露光し、露光された層を現像することでレジストパターンを得て、得られたレジストパターンを保護膜として基板をエッチング処理することを含み、それにより上述のパターンに対応する微細凹凸を形成する。
【】
特許文献1は、特定の構造を有するアルカリ現像液に可溶となる樹脂を含むポジ型レジスト組成物について開示している。この樹脂には酸の作用により分解し脱離する基として、t-ブチル基、t-アミル基、脂環構造を有する炭化水素基が挙げられている。このレジスト組成物は、薄膜に用いられることが好ましいとされ、実施例では、0.3μmのレジスト膜が形成されていることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【】
【特許文献】特開2009-244829号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【】
本発明者は、以下のように考えた。レジストパターンの微細化が求められる一方、高エネルギーのイオン注入等に対応するため、より厚く、アスペクト比が高い、レジストパターンが求められてきている。厚膜のレジストパターンを形成する場合、薄膜の場合とは異なり、組成物に求められる性能やプロセス条件が異なるため、単に薄膜のレジスト組成物の粘度を調整して、厚膜化することでは要求される形状を形成することはできないという、特有の困難性がある。
そして、本発明者は、厚膜化学増幅ポジ型レジスト組成物およびその使用について、いまだ改良が求められる1以上の課題が存在すると考えた。それらは例えば以下が挙げられる。
膜厚を厚くすると、レジストパターン壁頂部のえぐれが大きくなる。レジスト膜の透過性が下がり、感度が低い。解像性が低い。工程のプロセスマージンが狭い。レジストパターンの矩形性が低い。現像コントラストが低い。現像後に形状異常が起こる。レジストパターンの現像後のプロセス(例えばエッチング)への耐性が低い。現像による膜べりが大きい。エッチングの選択比が低い。厚いレジスト膜の場合に、底部に光を充分に届けることができない。レジスト膜を露光するエネルギーが大きくなる。レジスト膜の上部と底部で酸の発生量、拡散量のバラつきが大きい。
【課題を解決するための手段】
【】
本発明による厚膜化学増幅ポジ型レジスト組成物は、アルカリ可溶性樹脂(A)、光酸発生剤(B)および溶媒(C)を含んでなる。
ここで
厚膜化学増幅ポジ型レジスト組成物から形成されるレジスト膜の膜厚は5.0~50.0μmであり;
アルカリ可溶性樹脂(A)は下記繰り返し単位の少なくともいずれか1つを含んでなり;
【化】
(ここで、
R11、R21、R41およびR45は、それぞれ独立に、C1-5アルキル(ここで、アルキル中の-CH2-が-O-によって置きかえられていてもよい)であり;
R12、R13、R14、R22、R23、R24、R32、R33、R34、R42、R43およびR44は、それぞれ独立に、水素、C1-5アルキル、C1-5アルコキシ、または-COOHであり;
p11は0~4であり、p15は1~2であり、p11+p15≦5であり;
p21は0~4であり;
n21は0~1であり;
p41は0~4であり、p45は1~2であり、p41+p45≦5であり;
P31は、C4-20アルキルである(アルキルは環を形成しない;アルキルのHの一部または全部がハロゲンと置換してもよい);かつ
アルカリ可溶性樹脂(A)における繰り返し単位(A-1)、(A-2)、(A-3)および(A-4)の、繰り返し単位数nA-1、nA-2、nA-3、およびnA-4が、以下を満たす;
nA-1/(nA-1+nA-2+nA-3+nA-4)=0~80%、
nA-2/(nA-1+nA-2+nA-3+nA-4)=1~40%、
nA-3/(nA-1+nA-2+nA-3+nA-4)=0~40%、または
nA-4/(nA-1+nA-2+nA-3+nA-4)=0~40%;
ここで、nA-3/(nA-1+nA-2+nA-3+nA-4)とnA-4/(nA-1+nA-2+nA-3+nA-4)の少なくともいずれか一方は0%よりも大きい。
【】
本発明によるレジスト膜の製造方法は、下記工程を含んでなる。
(1)基板の上方にの組成物を適用する;
(2)前記組成物を加熱し、レジスト膜を形成する。
【発明の効果】
【】
本発明による厚膜化学増幅ポジ型レジスト組成物を用いることで、以下の1または複数の効果を望むことが可能である。
レジストパターン壁頂部のえぐれが抑制される。厚膜のレジスト膜でも良好な感度を得ることができる。解像性が十分である。工程のプロセスマージンが広い。レジストパターンの矩形性が十分である。現像コントラストが十分である。現像後の形状異常が起こりにくい。現像による膜べりが抑制される。現像後のプロセス(例えばエッチング)において、耐性が十分であるレジストパターンを得ることができる。エッチングの選択比が十分である。5~50μmと厚いレジスト膜であっても、底部に光を充分に届けることができる。レジスト膜を露光するエネルギーを抑制することできる。レジスト膜の上部と底部で酸の発生量、拡散量のバラつきを小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【】
【図】レジストパターンの断面形状を示す概念図。
【図】レジストパターンの壁頂部を示す概念図。
【発明を実施するための形態】
【】
[定義]
本明細書において、特に限定されて言及されない限り、本パラグラフに記載の定義や例に従う。
単数形は複数形を含み、「1つの」や「その」は「少なくとも1つ」を意味する。ある概念の要素は複数種によって発現されることが可能であり、その量(例えば質量%やモル%)が記載された場合、その量はそれら複数種の和を意味する。
「および/または」は、要素の全ての組み合わせを含み、また単体での使用も含む。
「~」または「-」を用いて数値範囲を示した場合、これらは両方の端点を含み、単位は共通する。例えば、5~25モル%は、5モル%以上25モル%以下を意味する。
「Cx-y」、「Cx~Cy」および「Cx」などの記載は、分子または置換基中の炭素の数を意味する。例えば、C1-6アルキルは、1以上6以下の炭素を有するアルキル鎖(メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル等)を意味する。
ポリマーが複数種類の繰り返し単位を有する場合、これらの繰り返し単位は共重合する。これら共重合は、交互共重合、ランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合、またはこれらの混在のいずれであってもよい。ポリマーや樹脂を構造式で示す際、括弧に併記されるnやm等は繰り返し数を示す。
温度の単位は摂氏(Celsius)を使用する。例えば、20度とは摂氏20度を意味する。
添加剤は、その機能を有する化合物そのものをいう(例えば、塩基発生剤であれば、塩基を発生させる化合物そのもの)。その化合物が、溶媒に溶解または分散されて、組成物に添加される形態もあり得る。本発明の一形態として、このような溶媒は溶媒(C)またはその他の成分として本発明にかかる組成物に含有されることが好ましい。
【】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
【】
厚膜化学増幅ポジ型レジスト組成物
本発明による厚膜化学増幅ポジ型レジスト組成物(以下、組成物ということがある)は、アルカリ可溶性樹脂(A)、光酸発生剤(B)および溶媒(C)を含んでなる。
厚膜レジスト組成物とは、厚膜のレジスト膜を形成できるレジスト組成物のことをいう。本発明において、厚膜レジスト組成物から形成されるレジスト膜の膜厚は、5.0~50μmである(好ましくは11.0~30μm;より好ましくは11.0~25μm;さらに好ましくは11~20μm)。
本発明による組成物の固形成分濃度は、好ましくは0質量%より大きく80質量%未満であり、より好ましくは30~50質量%であり、より好ましくは35~45質量%である。固形成分濃度は、組成物を基準とした、溶媒成分を除く他の全ての成分の濃度である。
粘度は、好ましくは100~3,000cPであり、より好ましくは150~2,500cPであり、さらに好ましくは200~2,000cPである。粘度は、細管粘度計により25℃で測定したものである。
本発明による組成物は、好ましくは、厚膜化学増幅ポジ型KrFレジスト組成物である。ここでの好適例で使われるKrFの用語は、レジスト組成物から形成するレジスト膜を露光する際にKrFエキシマレーザーを用いることを意味する。
【】
(A)アルカリ可溶性樹脂
本発明による組成物はアルカリ可溶性樹脂(A)(以下、(A)成分ということがある。他の成分についても同様)を含んでなる。(A)成分は、下記の式(A-1)、(A-2)、(A-3)および(A-4)で示される繰り返し単位を含んでなり、少なくとも(A-2)で示される繰り返し単位を含む。(A)成分は、酸と反応してアルカリ性水溶液に対する溶解度が増加するものである。このようなアルカリ可溶性樹脂は、例えば保護基によって保護された酸基を有しており、外部から酸が添加されると、その保護基が脱離して、アルカリ性水溶液に対する溶解度が増加するものである。
好ましい形態において、(A-2)で示される繰り返し単位は、保護基が脱離する酸解離性単位ではない。
【】
レジストパターンを形成する場合、膜厚が厚くなると、レジストパターンの壁頂部にえぐれが生じやすくなることがわかってきた。本発明において、(A)成分が、脂環式構造を有する式(A-2)で表される繰り返し単位を含むことが特徴の1つであり、これにより、えぐれ形状を改善できる。理論には拘束されないが、以下のように考えられる。
レジスト膜厚が厚くなると、底部に届く光の量が減るため、露光エネルギー量を多くする必要があると考えられる。露光エネルギーが多い場合に、光が届く量が多いレジスト膜上層部では、光酸発生剤による酸が多く発生し拡散されやすくなる。それにより、露光部から光酸発生剤由来の酸が、未露光部膜上部には浸透・拡散してしまい、現像の際に、その部分が大きく溶解し、えぐれ形状になると考えられる。本発明では、式(A-2)で表される繰り返し単位を含んでおり、吸光を抑制しつつ、レジスト樹脂として必要な特性を備えることで、5~50μmと厚いレジスト膜全体の透過性が上がると考えられる。これにより、露光エネルギーを抑制することができ、膜の上部と底部の光量の差を抑えることができ、未露光部膜上部への酸の拡散を抑えることができ、えぐれ形状が形成されにくくなると考えられる。
【】
式(A-1)は、以下である。
【化】
ここで、
R11は、それぞれ独立にC1-5アルキル(ここで、アルキル中の-CH2-が-O-によって置きかえられていてもよい)であり;好ましくはメチルまたはエチルであり;より好ましくはメチルである。本発明において、「アルキル中の-CH2-が-O-によって置き換えられてよい」という表現は、アルキル中の炭素間にオキシが存在してもよいことを意味しており、アルキル中の末端の炭素がオキシになる、つまりアルコキシや、ヒドロキシを有することを意図していない。
R12、R13、およびR14は、それぞれ独立に水素、C1-5アルキル、C1-5アルコキシ、または-COOHであり;好ましくは水素またはメチルであり;より好ましくは水素である。
p11は0~4であり;好ましくは0または1であり;より好ましくは0である。
p15は、1~2であり;好ましくは1である。
p11+p15≦5である。
【】
式(A-2)は以下である。
【化】
ここで、
R21は、それぞれ独立にC1-5アルキル(ここで、アルキル中のメチレンがオキシによって置きかえられていてもよい)であり;好ましくはメチル、エチル、またはt-ブチルであり;より好ましくはメチルまたはエチルであり;より好ましくはメチルである。
R22、R23、およびR24は、それぞれ独立に、水素、C1-5アルキル、C1-5アルコキシ、または-COOHであり;好ましくは水素、またはメチルであり;より好ましくは水素である。
p21は、0~1であり;好ましくは0または1であり;より好ましくは0である。
n21は、0~1であり;好ましくは0または1であり;より好ましくは1である。n21=0のとき、5員環であり、n=22のとき、六員環である。
【】
式(A-2)の具体例として以下が挙げられる。
【化】
【】
式(A-3)は以下である。
【化】
ここで、
R32、R33およびR34は、それぞれ独立に、水素、C1-5アルキル、C1-5アルコキシ、または-COOHであり;好ましくは水素、メチル、エチル、t-ブチル、メトキシ、t-ブトキシまたは-COOHであり;より好ましくは水素またはメチルであり;さらに好ましくは水素である。
P31はC4-20アルキルであり、アルキルは環を形成せず、アルキルのHの一部または全部がハロゲンと置換してもよい。P31のアルキル部分は、分岐であることが好ましい。P31のC4-20アルキルがハロゲンと置換する場合、全部が置換することが好ましく、置換するハロゲンはFまたはClが好ましく;Fがより好ましい。P31のC4-20アルキルのHはハロゲンで置換しないことが本発明の好適な一形態である。P31は、好ましくは、メチル、イソプロピル、t-ブチル;より好ましくはt-ブチルである。
【】
式(A-3)の具体例として以下が挙げられる。
【化】
【】
式(A-4)は以下である。
【化】
ここで、
R41は、それぞれ独立にC1-5アルキル(ここで、アルキル中のメチレンがオキシによって置きかえられていてもよい)であり;好ましくは、メチル、エチルまたはt-ブチルであり;より好ましくはメチルである。
R45は、それぞれ独立にC1-5アルキル(ここで、アルキル中のメチレンがオキシによって置きかえられていてもよい)であり;好ましくは、メチル、t-ブチルまたは-CH(CH3)-O-CH2CH3である。
R42、R43、およびR44は、それぞれ独立に、水素、C1-5アルキル、C1-5アルコキシ、または-COOHであり;好ましくは水素またはメチルであり;より好ましくは水素である。
p41は、0~4であり;より好ましくは0または1であり;さらに好ましくは0である。
p45は1~2であり;より好ましくは1である。
p41+p45≦5である。
【】
式(A-4)の具体例として以下が挙げられる。
【化】
【】
アルカリ可溶性樹脂(A)は、式(A-1)、(A-2)、(A-3)または(A-4)で表される複数種の繰り返し単位を含むことが可能である。例えば、p15=1の構成単位とp15=2の構成単位を1:1で有することが可能である。この場合、全体としてp15=1.5となる。以下、特に明記されない限り、本発明においてポリマーを表現する数について同様である。
本発明の好ましい一形態において、アルカリ可溶性樹脂(A)は、式(A-2)で表される繰り返し単位の他に、式(A-1)で表される繰り返し単位および式(A-3)で表される繰り返し単位を含む。
【】
これらの構成単位は、目的に応じて適切に配合される。酸によってアルカリ性水溶液に対する溶解度の増加割合が適当になるように配合されるのが好適な形態である。
アルカリ可溶性樹脂(A)における繰り返し単位(A-1)、(A-2)、(A-3)および(A-4)の、繰り返し単位数nA-1、nA-2、nA-3およびnA-4について以下に説明する。
nA-1/(nA-1+nA-2+nA-3+nA-4)は0~80質量%であり;好ましくは40~80%であり;より好ましくは45~75%であり;さらに好ましくは50~70%であり;よりさらに好ましくは55~65%である。
nA-2/(nA-1+nA-2+nA-3+nA-4)は好ましくは1~40%であり;より好ましくは0~35%であり;さらに好ましくは5~35%であり;よりさらに好ましくは15~25%である。
nA-3/(nA-1+nA-2+nA-3+nA-4)は好ましくは0~40%であり;より好ましくは10~40%であり;さらに好ましくは15~30%であり;よりさらに好ましくは15~25%である。
nA-4/(nA-1+nA-2+nA-3+nA-4)は好ましくは0~40%であり;より好ましくは0~30%であり;さらに好ましくは0~10%であり;よりさらに好ましくは0~5%である。
ここで、nA-3/(nA-1+nA-2+nA-3+nA-4)とnA-4/(nA-1+nA-2+nA-3+nA-4)の少なくともいずれか一方は0%よりも大きい。nA-4が0であることも本発明の好ましい一形態である。
本発明の一形態として、nA-3>0かつnA-4=0である。
【】
アルカリ可溶性樹脂(A)は、(A-1)、(A-2)、(A-3)および(A-4)で表される繰り返し単位以外のさらなる繰り返し単位を含むこともできる。
アルカリ可溶性樹脂(A)に含まれる全ての繰り返し単位の総数ntotalとすると、
(nA-1+nA-2+nA-3+nA-4)/ntotalは、好ましくは80~100%であり、より好ましくは90~100%であり、さらに好ましくは95~100%である。さらなる繰り返し単位を含まないことも、アルカリ可溶性樹脂(A)の好適な一形態である。
【】
アルカリ可溶性樹脂(A)の具体例として以下が挙げられる。
【化】
【】
アルカリ可溶性樹脂(A)の質量平均分子量(以下、Mwということがある)は、10,000~50,000であり;より好ましくは18,000~40,000であり;さらに好ましくは20,000~35,000である。
本発明において、Mwはゲル浸透クロマトグラフィー(gel permeation chromatography、GPC)にて測定することが可能である。同測定では、GPCカラムを摂氏40度、溶出溶媒テトラヒドロフランを0.6mL/分、単分散ポリスチレンを標準として用いることが好適な1例である。
【】
(A)成分の含有量は、組成物を基準として、好ましくは0質量%より大きく50質量%以下であり、15~50質量%であり、より好ましくは20~45質量%であり、さらに好ましくは30~40質量%である。
【】
(B)光酸発生剤
本発明による組成物は、光酸発生剤(B)を含んでなる。ここで、(B)成分は光の照射によって酸を放出する。好適には(B)成分由来の酸が(A)成分に作用して、(A)成分のアルカリ性水溶液に対する溶解度を増加させる役割を果たす。例えば(A)成分が保護基によって保護された酸基を有している場合に、酸によって、その保護基を脱離させる。本発明による組成物に用いられる(B)成分は、従来知られているものから選択することができる。
【】
(B)成分は、露光により、酸解離定数pKa(H2O)が好ましくは-20~1.4;より好ましくは-16~1.4;さらに好ましくは-16~1.2;よりさらに好ましくは-16~1.1の酸を放出する。
【】
(B)成分は、好ましくは式(B-1)または式(B-2)で表される。
【】
式(B-1)は以下である。
Bn+カチオン Bn-アニオン (B-1)
ここで、
Bn+カチオンは式(BC1)で表されるカチオン、式(BC2)で表されるカチオン、または式(BC3)で表されるカチオンであり、Bn+カチオンは全体としてn価であり、nは1~3であり、好ましくは1または2であり、より好ましくは1であり、
Bn-アニオンは、式(BA1)で表されるアニオン、式(BA2)で表されるアニオン、式(BA3)で表されるアニオン、または式(BA4)で表されるアニオンであり、Bn-アニオンは、全体としてn価である。
【】
式(BC1)は以下である。
【化】
ここで、
Rb1は、それぞれ独立に、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C6-12アリール、C6-12アリールチオ、またはC6-12アリールオキシであり、好ましくはメチル、エチル、t-ブチル、メトキシ、エトキシ、フェニルチオ、またはフェニルオキシであり、より好ましくは、t-ブチル、メトキシ、エトキシ、フェニルチオ、またはフェニルオキシである。
nb1は、それぞれ独立に、0、1、2または3である。全てのnb1が1であり、全てのRb1が、同一であることも好適な一形態である。また、nb1が0であることも、好適な一形態である。
【】
式(BC1)の具体例は、以下である。
【化】
【】
式(BC2)は以下である。
【化】
ここで、
Rb2は、それぞれ独立に、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、またはC6-12アリールであり、好ましくはC4-6の分岐構造を有するアルキルであり、より好ましくはt-ブチルまたは1,1-ジメチルプロピルであり、よりさらに好ましくはt-ブチルである。
nb2は、それぞれ独立に、0、1、2または3であり、好ましくはそれぞれ1である。
【】
式(BC2)の具体例は、以下である。
【化】
【】
式(BC3)は以下である。
【化】
ここで、
Rb3は、それぞれ独立に、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、またはC6-12アリールであり、好ましくはメチル、エチル、メトキシ、またはエトキシであり、より好ましくはメチルまたはメトキシである。
Rb4は、それぞれ独立に、C1-6アルキルであり、好ましくはメチル、またはエチルであり、より好ましくはメチルである。
nb3は、それぞれ独立に、0、1、2または3であり、より好ましくは3である。
【】
式(BC3)の具体例は、以下である。
【化】
【】
Bn+カチオンは、式(BC1)または(BC2)で表されるカチオンからなる群から選択されるものが、より良い効果を奏するので好ましい。
【】
式(BA1)は以下である。
【化】
ここで、Rb5は、それぞれ独立に、C1-6フッ素置換アルキル、C1-6フッ素置換アルコキシ、またはC1-6アルキルである。例えば、-CF3はメチル(C1)の水素がフッ素に置換したものを意味する。好ましくはC1-6フッ素置換アルキルに存在する水素の全てがフッ素に置換する。Rb5のアルキル部分は、好ましくはメチル、エチルまたはt-ブチルである(より好ましくはメチル)。好適な一形態において、Rb5は、好ましくは、フッ素置換アルキルであり、より好ましくは-CF3である。
【】
式(BA1)の具体例は以下である。
【化】
【】
式(BA2)は以下である。
【化】
ここで、
Rb6は、C1-6フッ素置換アルキル、C1-6フッ素置換アルコキシ、C6-12フッ素置換アリール、C2-12フッ素置換アシル、またはC6-12フッ素置換アルコキシアリールであり、好ましくはC2-6フッ素置換アルキルであり、より好ましくはC2-3フッ素置換アルキルであり、さらに好ましくはC3フッ素置換アルキルである。Rb6のフッ素置換アルキルにおいて、アルキル部分に存在する水素の全てがフッ素に置換されている形態が好適である。Rb6のアルキル部分は、好ましくはメチル、エチル、プロピル、ブチルまたはペンチルであり、より好ましくはプロピル、ブチルまたはペンチルであり、さらに好ましくはブチルである。Rb6のアルキル部分は直鎖であることが好適である。
nb4は、1または2であり、好ましくは1である。
nb4が2の場合は、Rb6は二価となり、のRb6から、水素またはフッ素が単結合となり、S原子と結合される。
【】
式(BA2)の具体例は以下である。
CF3SO3-、C4F9SO3-、C3F7SO3-
【化】
【】
式(BA3)は以下である。
【化】
ここで、
Rb7は、それぞれ独立に、C1-6フッ素置換アルキル、C1-6フッ素置換アルコキシ、C6-12フッ素置換アリール、C2-12フッ素置換アシル、またはC6-12フッ素置換アルコキシアリールであり、好ましくはC2-6フッ素置換アルキルである。Rb7のアルキル部分は、好ましくはメチル、エチル、プロピル、ブチルまたはペンチルであり、より好ましくはメチル、エチルまたはブチルであり、さらに好ましくはブチルである。Rb7のアルキル部分は直鎖であることが好ましい。
ここで、2つのRb7が相互に結合してフッ素置換されたヘテロ環構造を形成していていもよく、この場合、ヘテロ環は単環であっても、多環であってもよいが、好ましくは、構成員数が5~8の単環構造である。
【】
式(BA3)の具体例は以下である。
【化】
【】
式(BA4)は以下である。
【化】
ここで、
Rb8は、水素、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、またはヒドロキシであり、
好ましくは水素、メチル、エチル、メトキシ、またはヒドロキシであり、より好ましくは水素またはヒドロキシである。
Lbは、カルボニル、オキシまたはカルボニルオキシであり、好ましくはカルボニルまたはカルボニルオキシであり、より好ましくはカルボニルである。
Ybは、それぞれ独立に、水素またはフッ素であり、好ましくは少なくとも1以上がフッ素である。
nb5は、0~10の整数であり、好ましくは0である。
nb6は、0~21の整数であり、好ましくは4、5または6である。
【】
式(BA4)の具体例は以下である。
【化】
【】
式(B-2)は以下である。
【化】
ここで、
Rb9は、C1-5フッ素置換アルキルであり、好ましくはC1-4の、全ての水素がフッ素置換されているアルキルであり、より好ましくはC1またはC4の全ての水素がフッ素置換されているアルキルである。
Rb10は、それぞれ独立に、C3-10アルケニルもしくはアルキニルであり(ここで、アルケニルおよびアルキニル中のCH3-がフェニルによって置換されていてもよく、アルケニルおよびアルキニル中の-CH2-が-C(=O)-、-O-またはフェニレンの少なくともいずれか一つによって置き換えられていてもよい)、C2-10チオアルキル、C5-10飽和複素環であり、好ましくは、C3-12アルケニルもしくはアルキニル、C3-5のチオアルキル、C5-6の飽和複素環であり、より好ましくは-C≡C-CH2-CH2-CH2-CH3、-CH=CH-C(=O)-O-tBu、-CH=CH-Ph、-S-CH(CH3)2、-CH=CH-Ph-O-CH(CH3)(CH2CH3)およびピぺリジンである。ここで、tBuはt-ブチルを意味し、Phはフェニレンまたはフェニルを意味する。なお、本発明において、アルケニルとは、1以上の二重結合(好ましくは1つ)を有する1価基を意味するものとする。同様に、アルキニルとは、1以上の三重結合(好ましくは1つ)を有する1価基を意味するものとする。
nb7は、0、1または2であり、好ましくは0または1であり、より好ましくは0である。nb7=1であることも、好適な一形態である。
【】
式(B-2)の具体例として以下が挙げられる。
【化】
【】
(B)光酸発生剤の分子量は、好ましくは400~2,500であり、より好ましくは400~1,500である。
【】
(B)成分は、1種または2種以上であってよい。
(B)成分の含有量は、(A)成分の総質量を基準として、好ましくは、0質量%より大きく20質量%以下であり、0.05~10質量%であり、より好ましくは0.1~5質量%、さらに好ましくは0.5~2質量%である。
【】
(C)溶媒
本発明による組成物は、(C)溶媒を含んでなる。
溶媒(C)は、好ましくはプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)(C-1)を含んでなり、PGME(C-1)の含有量が溶媒(C)を基準として、好ましくは30~100質量%であり、50質量%より大きく100質量%以下であり、好ましくは55~90質量%であり、より好ましくは55~80質量%である。
【】
溶媒(C)は、より好ましくは、溶媒(C-1)以外の溶媒(C-2)をさらに含んでなる。溶媒(C-2)は、アルコール溶媒(C-2-1)および低沸点溶媒(C-2-2)からなる群から選択される。アルコール溶媒(C-2-1)は、鎖式または脂環式の炭化水素の水素原子がヒドロキシで置換された化合物であって、メチレンがオキシやカルボニルによって置き換えられていてもよく、水素原子がアリールによって置換されていてもよい。
溶媒(C-2)の含有量は、溶媒(C)を基準として、好ましくは、0質量%以上50質量%未満であり、好ましくは5~45質量%であり、より好ましくは10~35質量%である。
【】
アルコール溶媒(C-2-1)としては、例えば、メタノール、エタノール、n-プロパノール、i-プロパノール(イソプロピルアルコール、IPA)、n-ブタノール、i-ブタノール、sec-ブタノール、t-ブタノール、n-ペンタノール、i-ペンタノール、2-メチルブタノール、sec-ペンタノール、t-ペンタノール、3-メトキシブタノール、n-ヘキサノール、2-メチルペンタノール、sec-ヘキサノール、2-エチルブタノール、sec-ヘプタノール、ヘプタノール-3、n-オクタノール、2-エチルヘキサノール、sec-オクタノール、n-ノニルアルコール、2,6-ジメチルヘプタノール-4、n-デカノール、sec-ウンデシルアルコール、トリメチルノニルアルコール、sec-テトラデシルアルコール、sec-ヘプタデシルアルコール、フェノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、3,3,5-トリメチルシクロヘキサノール、ベンジルアルコール、フェニルメチルカルビノール、ジアセトンアルコール、クレゾール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ペンタンジオール-2,4、2-メチルペンタンジオール-2,4、ヘキサンジオール-2,5、ヘプタンジオール-2,4、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、グリセリン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、エチレングリコールモノ-n-ヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ-n-ヘキシルエーテル、エトキシトリグリコール、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、4-メチル-2-ペンタノール、3-メチル-2-ペンタノール、2-メチル-2-ペンタノール、3-メチル-2-ブタノール、2-メチル-2-ブタノール、4-メチル-2-ヘキサノール、5-メチル-2-ヘキサノール、3-メチル-2-ヘキサノール、2-メチル-2-ヘキサノール、乳酸エチル(EL)、乳酸プロピル、乳酸n-ブチル、乳酸n-アミル、酪酸、2-ヒドロキシイソ酪酸メチル、2-ヒドロキシ酪酸メチル、3-ヒドロキシ酪酸メチル、4-ヒドロキシ酪酸メチル、2-ヒドロキシイソ酪酸エチル、2-ヒドロキシ酪酸エチル、3-ヒドロキシ酪酸エチルおよび4-ヒドロキシ酪酸エチルからなる群から選択され、好ましくは、IPAおよび/またはELである。
【】
低沸点溶媒(C-2-2)の沸点は、1気圧下で、好ましくは80~130℃であり、より好ましくは80~110℃であり、さらに好ましくは80~100℃である。
低沸点溶媒(C-2-2)としては、例えば、n-プロパノール、i-プロパノール(IPA)、n-ブタノール、i-ブタノール、sec-ブタノール、t-ブタノール、i-ペンタノール、2-メチルブタノール、sec-ペンタノール、t-ペンタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、2-メチル-2-ペンタノール、3-メチル-2-ブタノール、2-メチル-2-ブタノール、プロピレングリコールジメチルエーテル、酢酸ブチル、メチルエチルケトンおよびメチルイソブチルケトンからなる群から選択され、好ましくはIPAおよび/またはプロピレングリコールジメチルエーテルである。
【】
溶媒(C)は、溶媒(C-1)、溶媒(C-2)以外の溶媒(C-3)をさらに含むことができる。溶媒(C-3)としては、例えばプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、N-メチルピロリドン等が挙げられる。
溶媒(C-3)の含有量は、溶媒(C)を基準として、50質量%未満であり、好ましくは0以上35質量%以下であり、より好ましくは0以上10質量%以下であり、さらに好ましくは0以上5質量%以下である。溶媒(C-3)を含まないことも本発明の好適な一形態である。
【】
本発明の好ましい一形態において、溶媒(C)が低沸点溶媒であるPGMEである。さらに好ましい形態として、溶媒(C)が、アルコール溶媒(C-2-1)および低沸点溶媒(C-2-2)からなる群から選択される溶媒(C-2)をさらに含む。
【】
(C)溶媒の含有量は、組成物を基準として、好ましくは20質量%以上100質量%未満であり、より好ましくは50~79質量%であり、さらに好ましくは55~70質量%である。
【】
(D)光反応クエンチャー
本発明による組成物は、光反応クエンチャー(D)をさらに含むことができる。光反応クエンチャーは、光の照射によって酸を放出するが、その酸がポリマーに直接的に作用するものではない。この点で、放出した酸によってポリマーの保護基を脱離させることによって、ポリマーに直接的に作用を有する(B)成分とは異なるものである。
光反応クエンチャー(D)が光を受容することで生じるカチオン部分は、好ましくは、光酸発生剤(B)が光を受容することで生じるアニオン部分と反応する。
【】
光反応クエンチャー(D)は、露光部で生成した(B)成分に由来する酸の拡散を抑える、クエンチャーとしての機能を果たす。これは、理論に拘束されないが、以下のようなメカニズムと考えられる。露光により、(B)成分から酸が放出され、この酸が未露光部(露光されない部分)に拡散すると、(D)成分と塩交換がおこる。つまり、(B)成分のアニオンと、(D)成分のカチオンが塩となる。これにより、酸の拡散が抑えられるのである。このとき、(D)成分のアニオンが放出されるが、これは弱酸であり、ポリマーを脱保護することができないため、未露光部には影響が出ないと考えられる。
【】
光反応クエンチャー(D)は、好ましくは、式(D-1)で表される。
Dm+カチオン Dm-アニオン (D-1)
ここで、
Dm+カチオンは式(DC1)で表されるカチオン、または式(DC2)で表されるカチオンであり、Dm+カチオンは全体としてm価であり、
mは1~3であり、
Dm-アニオンは式(DA1)で表されるアニオン、または式(DA2)で表されるアニオンであり、Dm-アニオンは全体としてm価である。
mは、好ましくは1または2であり、より好ましくは1である。
【】
式(DC1)は以下である。
【化】
ここで、
Rd1は、それぞれ独立に、C1-6のアルキル、C1-6アルコキシ、C6-12アリール、C6-12アリールチオ、またはC6-12アリールオキシであり、好ましくは、メチル、エチル、t-ブチル、メトキシ、エトキシ、フェニルチオ、またはフェニルオキシであり、より好ましくは、t-ブチル、メトキシ、エトキシ、フェニルチオ、フェニルオキシであり、さらに好ましくはt-ブチルまたはメトキシである。
nd1は、それぞれ独立に、0、1、2または3である。全てのnd1が1であり、全てのRd1が、同一であることも好適な一形態である。
また、nd1が0であることも、好適な一形態である。
【】
式(DC1)の具体例は以下である。
【化】
【】
式(DC2)は以下である。
【化】
ここで、
Rd2は、それぞれ独立に、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、またはC6-12アリールである。Rd2はC4-6の分岐構造を有するアルキルであることが好ましい。それぞれのRd2は同一であっても異なっていてもよく、同一であることがより好適である。Rd2はさらに好ましくは、t-ブチルまたは1,1-ジメチルプロピルであり、よりさらに好ましくはt-ブチルである。
nd2は、それぞれ独立に、0、1、2または3であり、それぞれ1であることが好ましい。
【】
式(DC2)の具体例は以下である。
【化】
【】
式(DA1)は以下である。
【化】
ここで、
Xは、C1-20の炭化水素または単結合である。Xが炭化水素である場合、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよいが、直鎖または環状であることが好ましい。直鎖または環状であることが好ましい。直鎖の場合は、C1-4であることが好ましく(より好ましくはC1-2)、鎖中に、二重結合を1つ有しているか、または飽和であることが好ましい。環状である場合は、芳香環の単環、または飽和の単環もしくは多環であってもよく、単環である場合は、6員環であることが好ましく、多環である場合は、アダマンタン環であることが好ましい。Xは、好ましくは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、エタン、フェニル、シクロヘキサン、アダマンタンまたは単結合であり、より好ましくはメチル、フェニル、シクロヘキサンまたは単結合であり、さらに好ましくはフェニルである。
Rd3は、それぞれ独立に、水素、ヒドロキシ、C1-6アルキル、またはC6-10アリールであり、好ましくは、ヒドロキシ、メチル、エチル、1-プロピル、2-プロピル、t-ブチル、またはフェニルであり、より好ましくはヒドロキシである。
nd3は、1、2または3であり、好ましくは1または2であり、より好ましくは1である。
nd4は0、1または2であり、好ましくは0または1であり、より好ましくは1である。
【】
Xが単結合である場合、Rd3は、水素であることが好ましい。Xが単結合、Rd3が水素、nd3=nd4=1の(DA1)は、H-COO-であるアニオン表す。
【】
式(DA1)の具体例は以下である。
【化】
【】
式(DA2)は以下である。
【化】
ここで、
Rd4は、C1-15アルキル(ここで、アルキルの一部または全部が環を形成していてもよく、アルキル中の-CH2-が-C(=O)-によって置き換えられていてもよい)である)である。Rd4は好適にはC3-13アルキルであり;より好適にはC5-12アルキルであり;さらに好適にはC8-17アルキルであり;よりさらに好適にはC10アルキルである。Rd4のアルキルは、好適には一部または全部が環を形成し;より好適には一部が環を形成する。好適にはRd4のアルキル中の1または複数(より好適には1)の-CH2-が-C(=O)-により置き換えられる。
【】
式(DA2)の具体例として以下が挙げられる。
【化】
【】
光反応クエンチャー(D)は、露光により、酸解離定数pKa(H2O)が好ましくは1.5~8;より好ましくは1.5~5の酸を放出する。
【】
光反応クエンチャー(D)の分子量は、好ましくは300~1,400であり;より好ましくは300~1,200ある。
【】
光反応クエンチャー(D)の含有量は、(A)成分を基準として、好ましくは、0.01~5質量%であり;より好ましくは0.03~1質量%であり;さらに好ましくは0.05~1質量%である。
【】
(E)界面活性剤
本発明による組成物は界面活性剤(E)をさらに含むことができる。(E)成分によって、組成物の塗布性を改善することができる。(E)成分としては、例えば非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤などが挙げられる。
【】
非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル類やポリオキシエチレン脂肪酸ジエステル、ポリオキシ脂肪酸モノエステル、ポリオキシエチレンポリオキシピロピレンブロックポリマー、アセチレンアルコール、アセチレングリコール、アセチレンアルコールのポリエトキシレート、アセチレングリコールのポリエトキシレートなどのアセチレングリコール誘導体、フッ素含有界面活性剤、例えばフロラード(商品名、住友スリーエム)、MEGAFACE(商品名、DIC)、スルフロン(商品名、旭硝子)、または有機シロキサン界面活性剤、例えばKF-53(商品名、信越化学工業)、BYK-333(商品名、ビックケミ-)などが挙げられる。前記アセチレングリコールとしては、3-メチル-1-ブチン-3-オール、3-メチル-1-ペンチン-3-オール、3,6-ジメチル-4-オクチン-3,6-ジオール、2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオール、3,5-ジメチル-1-ヘキシン-3-オール、2,5-ジメチル-3-ヘキシン-2,5-ジオール、2,5-ジメチル-2,5-ヘキサンジオールなどが挙げられる。
【】
アニオン性界面活性剤としては、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸のアンモニウム塩または有機アミン塩、アルキルジフェニルエーテルスルホン酸のアンモニウム塩または有機アミン塩、アルキルベンゼンスルホン酸のアンモニウム塩または有機アミン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸のアンモニウム塩または有機アミン塩、アルキル硫酸のアンモニウム塩または有機アミン塩などが挙げられる。
【】
さらに両性界面活性剤としては、2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン、ラウリル酸アミドプロピルヒドロキシスルホンベタインなどが挙げられる。
【】
(E)成分は、1種または2種以上であってよい。
(E)成分の含有量は、(A)成分を基準として、好ましくは、0.0001~1質量%であり、より好ましくは0.001~1質量%であり、さらに好ましくは0.05~0.5質量%である。
【】
(F)可塑剤
本発明による組成物は可塑剤(F)をさらに含むことができる。(F)成分を含むことにより、厚膜形成時の膜割れを抑えることができる。
(F)成分の例としてアルカリ可溶性ビニルポリマーや酸解離性基含有ビニルポリマーを挙げることができる。より具体的には、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリヒドロキシスチレン、ポリビニルアセテート、ポリビニルベンゾエート、ポリビニルエーテル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコール、ポリエーテルエステル、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸エステル、マレイン酸ポリイミド、ポリアクリルアミド、ポリアクリルニトリル、ポリビニルフェノール、ノボラックおよびそれらのコポリマーなどが挙げられ、ポリビニルエーテル、ポリビニルブチラール、ポリエーテルエステルがより好ましい。
【】
(F)成分の含有量は、組成物を基準として、好ましくは0~3質量%であり、より好ましくは0~1質量%である。本発明の組成物が(F)成分を含まない形態も、本発明の好適な一形態である。
【】
(G)添加物
本発明による組成物は、(A)~(F)以外の、添加物(G)を含むことができる。(G)成分は、表面平滑剤、色素、コントラスト増強剤、塩基、酸、ラジカル発生剤、基板密着増強剤および消泡剤からなる群の少なくとも1つから選択される。
(G)成分の含有量(複数の場合、その和)は、(A)成分を基準として、好ましくは0.0001~10質量%であり、より好ましくは0.01~2質量%である。(G)成分を含まない(0質量%)ことも、本発明の好適な一形態である。
【】
塩基は、露光部で発生した酸の拡散を抑える効果と、空気中に含まれるアミン成分による膜表面の酸失活を抑える効果が期待できる。塩基としては、好ましくは、アンモニア、C1-16第一級脂肪族アミン化合物、C2-32第二級脂肪族アミン化合物、C3-48第三級脂肪族アミン化合物、C6-30芳香族アミン化合物、またはC5-30ヘテロ環アミン化合物である。
C1-16第一級脂肪族アミン化合物としては、例えば、メチルアミン、エチルアミン、イソプロピルアミン、tert-ブチルアミン、シクロヘキシルアミン、エチレンジアミン、テトラエチレンジアミンが挙げられる。
C2-32第二級脂肪族アミン化合物としては、例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、メチルエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N-ジメチルメチレンジアミンが挙げられる。
C3-48第三級脂肪族アミン化合物としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルエチルアミン、トリイソブチルアミン、トリエタノールアミン、トリ-n-オクチルアミン、トリシクロヘキシルアミン、N,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’’ ,N’’-ペンタメチルジエチレントリアミン、トリス[2-(ジメチルアミノ)エチル]アミン、トリス[2-(2-メトキシエトキシ)エチル]アミンが挙げられる。
C6-30芳香族アミン化合物としては、例えば、アニリン、ベンジルアミン、ナフチルアミン、N-メチルアニリン、2-メチルアニリン、4-アミノ安息香酸、フェニルアラニンが挙げられる。
C5-30ヘテロ環アミン化合物としては、例えば、ピロール、オキサゾール、チアゾ-ル、イミダゾール、4-メチルイミダゾール、ピリジン、メチルピリジン、ブチルピリジン、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンが挙げられる。
【】
レジスト膜の製造方法
本発明によるレジスト膜の製造方法は、以下の工程:
(1)基板の上方に本発明による組成物を適用する;
(2)前記組成物を加熱し、レジスト膜を形成する
を含んでなる。
以下、本発明による製造方法の一形態について説明する。
【】
工程(1)
基板(例えば、シリコン/二酸化シリコン被覆基板、シリコンナイトライド基板、シリコンウェハ基板、ガラス基板およびITO基板等)の上方に、適当な方法により本発明による組成物を適用する。ここで、本発明において、上方とは、直上に形成される場合および他の層を介して形成される場合を含む。例えば、基板の直上に、平坦化膜やレジスト下層膜を形成し、その直上に本発明による組成物が適用されていてもよい。本発明による組成物を基板の直上に(他の層を介さずに)適用する形態が、より好適である。適用方法は特に限定されないが、例えばスピナー、コーターによる塗布による方法が挙げられる。
【】
工程(2)
組成物の適用後、加熱する(プリベーク)ことにより、レジスト膜を形成する。(2)の加熱は、例えばホットプレートによって行われる。加熱温度は、好ましくは100~250℃である(より好ましくは100~200℃;さらに好ましくは100~160℃)。ここでの温度は加熱雰囲気、例えばホットプレートの加熱面温度である。加熱時間は、好ましくは30~300秒間である(より好ましくは60~240秒間)。加熱は、好ましくは大気または窒素ガス雰囲気にて行われる。
レジスト膜の膜厚は、目的に応じて選択されるが、本発明による組成物を用いた場合、膜厚の厚い塗膜を形成させた場合に、より優れた形状のパターンを形成できる。このため、レジスト膜の厚さは厚いことが好ましく、好ましくは5.0~50μmであり、より好ましくは11.0~30μmであり、さらに好ましくは11.0~25μmであり、さらにより好ましくは11~20μmである。
【】
さらに、以下の工程
(3)レジスト膜を露光する;
(4)レジスト膜を現像する
を含んでなる方法により、レジストパターンを製造することができる。明確性のために記載すると、(3)工程の前に、(1)および(2)の工程が行われる。工程を示す()の中の数字は、順番を意味する。以降において同様である。
【】
工程(3)
レジスト膜に、所定のマスクを通して露光が行なわれる。露光に用いられる光の波長は特に限定されないが、波長が13.5~248nmの光で露光することが好ましい。具体的には、KrFエキシマレーザー(波長248nm)、ArFエキシマレーザー(波長193nm)、および極紫外線(波長13.5nm)等を使用することができ、好ましくはKrFエキシマレーザーである。これらの波長は±1%の範囲を許容する。露光後、必要に応じて露光後加熱(post exposure bake、PEB)を行なうこともできる。露光後加熱の温度は好ましくは80~150℃、より好ましくは100~140℃であり、加熱時間は0.3~5分間、好ましくは0.5~3分間である。
【】
工程(4)
露光されたレジスト膜に、現像液を用いて現像が行なわれる。現像法としては、パドル現像法、浸漬現像法、揺動浸漬現像法など従来フォトレジストの現像の際用いられている方法を用いることができる。また現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、珪酸ナトリウムなどの無機アルカリ、アンモニア、エチルアミン、プロピルアミン、ジエチルアミン、ジエチルアミノエタノール、トリエチルアミンなどの有機アミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)などの第四級アミンなどを含む水溶液が用いられ、好ましくは2.38質量%TMAH水溶液である。現像液に、さらに界面活性剤を加えることもできる。現像液の温度は好ましくは5~50℃、より好ましくは25~40℃、現像時間は好ましくは10~300秒、より好ましくは30~60秒である。現像後、必要に応じて、水洗またはリンス処理を行うこともできる。ポジ型レジスト組成物を利用した場合、露光された部分が現像によって除去され、レジストパターンが形成される。このレジストパターンに、例えばシュリンク材料を用いることでさらに微細化することも可能である。
【】
化学増幅型レジストを用いて厚膜レジストパターンを形成した場合に、特にアスペクト比が高い場合に、レジストパターンの壁頂部にえぐれが生じることがある(えぐれ部分の詳細は、実施例において図を用いて説明する)。
好ましい形態において、レジストパターン頂部の端点から基板に対する垂線と、前記レジストパターン側面の最もえぐれている点から基板への垂線との距離(以下、食い込み幅ということがある)のレジスト膜厚に対する比が0.023以下であり、より好ましくは0~0.022であり、さらに好ましくは0~0.021である。本発明では、えぐれを抑制することができる。えぐれ部分を抑制することができることで、その後の工程で、パターンの耐性を強くすることができ、有利である。
【】
さらに、以下の工程
(5)レジストパターンをマスクとして加工処理する
を含んでなる方法により、加工基板を製造することができる。
【】
工程(5)
形成されたレジストパターンは、好ましくは下層膜または基板(より好ましくは基板)に加工処理を行うことに使用される。具体的には、レジストパターンをマスクとして、下地となる各種基板を、ドライエッチング法、ウェットエッチング法、イオン注入法、金属めっき法などを用いて、加工することができる。本発明のレジストパターンをマスクとして、ドライエッチング法で基板をエッチングすることが、より好ましい形態である。本発明によるレジストパターンは、膜厚を厚くし得るので、イオン注入法を用いた基板加工に用いられることも可能である。
レジストパターンを用いて下層膜を加工する場合、段階的に加工を行っても良い。例えば、レジストパターンを用いてBARC層を加工し、BARCパターンを用いてSOC膜を加工し、SOCパターンを用いて、基板を加工してもよい。
【】
加工方法の一例として、
(5a)レジストパターンをエッチングする;
(5b)基板をエッチングする
を含んでなる方法が挙げられる。
ここで、(5a)と(5b)の工程の組合せが少なくとも2回以上繰り返され;かつ
基板は複数のSi含有層が積層されたものからなり、少なくとも1つのSi含有層は導電性であり、少なくとも1つのSi含有層は電気的に絶縁性である。
好ましくは、導電性のSi含有層と、電気的に絶縁性のSi含有層が交互に積層される。
【】
本発明によるレジストパターンはイオンインプランテーションに用いることもできる。
したがって、本発明による加工基板の製造方法は、以下の工程を含んでなる。
請求項11に記載の方法でレジストパターンを製造する;および
レジストパターンをマスクとしてイオンインプランテーションを行う、または
レジストパターンをマスクとしてレジストパターンの下層を加工し、下層パターンを形成し、下層パターンをマスクとしてイオンインプランテーションを行う。
イオンインプランテーションは、公知のイオンインプランテーション装置を用いて、公知の方法により行うことができる。半導体素子や液晶表示素子等の製造においては、基板表面に不純物拡散層を形成することが行われている。不純物拡散層の形成は、通常、不純物の導入と拡散の二段階で行われている。導入の方法の1つとして、リンやホウ素などの不純物を真空中でイオン化し、高電界で加速して支持体表面に打ち込むイオンインプランテーションがある。イオンインプランテーション時のイオン加速エネルギーとして、一般に10~200keVのエネルギー負荷がレジストパターンに加わり、レジストパターンが破壊されることがある。
本発明によって形成されたレジストパターンは、厚膜であり、矩形性も高く、耐熱性も高いため、高エネルギーでイオン注入が行われるイオンインプランテーション用途に好適に用いることができる。
イオン源(不純物元素)としては、ホウ素、りん、砒素、アルゴンなどのイオンが挙げられる。基板上の薄膜としては、ケイ素、ニ酸化ケイ素、窒化珪素、アルミニウムなどが挙げられる。
【】
その後、必要に応じて、基板にさらに加工がされ、好ましくは加工された基板に配線を形成する工程が行い、デバイスを製造することができる。これらの加工は、公知の方法を適用することができる。必要に応じて、基板をチップに切断し、リードフレームに接続され、樹脂でパッケージングされる。本発明では、このパッケージングされたものをデバイスという。デバイスとしては、半導体デバイス、液晶表示素子、有機EL表示素子、プラズマディスプレイ素子、太陽電池素子が挙げられ、好ましくは半導体デバイスである。
【実施例】
【】
本発明を諸例により説明すると以下の通りである。なお、本発明の形態はこれらの例のみに限定されるものではない。
【】
レジスト組成物Iの調整
PGMEとPGMEAとMMPOM(プロピレングリコールジメチルエーテル)を質量比60:20:20(=PGME:PGMEA:MMPOM)で混合し、混合溶媒を得る。この混合溶媒に、アルカリ可溶性樹脂A1、光酸発生剤B1、光反応クエンチャーD1、および界面活性剤E1をそれぞれ添加し、混合液を得る。固形成分濃度は36.5質量%である。これらは、質量比でA1:B1:D1:E1=100:1.44:0.10:0.15である。
以降の実施例において、溶媒以外の成分を固形成分と言い、溶媒以外の成分の和が組成物全体に占める濃度を固形成分濃度と言う。
の混合液を室温で30分間攪拌することで、溶液を得る。目視で各成分が完全に溶解していることを確認する。得た溶液を0.05μmフィルターでろ過し、レジスト組成物Iを得る。
・アルカリ可溶性樹脂A1:p-ヒドロキシスチレン/シクロヘキサンアクリレート/t-ブチルアクリレート共重合体(Mw=27,000、ランダム共重合)
【化】
・光酸発生剤B1:下記化合物(Heraeus、DTBPIO-C1)
【化】
・光反応クエンチャーD1:下記化合物(住友ファーマフード&ケミカル、ZK-1741)
【化】
・界面活性剤E1:有機シロキサン界面活性剤(ビックケミ-、BYK-333)
【】
比較レジスト組成物IIの調製
アルカリ可溶性樹脂A1をアルカリ可溶性樹脂A2に変更した以外は、レジスト組成物Iの調製と同様にして、比較レジスト組成物IIを得る。
・アルカリ可溶性樹脂A2:p-ヒドロキシスチレン/スチレン/t-ブチルアクリレート共重合体(Mw=27,000、ランダム共重合)
【化】
【】
<レジスト膜の形成>
8インチシリコンウェハーに90℃60秒のHMDS処理を行う。コーターデベロッパーMark8(東京エレクトロン)を使用し、8インチシリコンウェハー上に、調製したレジスト溶液を滴下しスピン塗布する。目的の膜厚に応じて1,000から3,000rpmで速度を変更する。次に140℃、120秒間 ホットプレートにてベークを行ってレジスト膜を得る。得られたレジスト膜を光干渉式膜厚測定装置(M-1210、大日本スクリーン)を用いて膜厚測定を行う。
上述の操作を行い、レジスト組成物I(固形成分濃度36.5質量%)を用いて1,000rpmでスピン塗布して得るレジスト膜の膜厚は18.0μmである。以降の実施例において、目的の膜厚に応じて、スピン塗布の回転速度を調整して、所望の膜厚を得る。
膜厚10~18μmのレジスト膜を形成する場合、固形成分濃度36.5質量%である組成物1を用いる。スピン塗布の回転速度は、18μmの膜厚の場合は1,000rpmであり、10μmの膜厚の場合は3,000rpmである。回転速度を徐々に上げることで、徐々に得られる膜厚を小さくすることができる。
表1に、レジスト組成物Iまたは比較レジスト組成物IIを用いて膜厚が18μmのときの結果(実施例101および比較例101)を示す。
表2は、レジスト組成物Iまたは比較レジスト組成物IIを用いて膜厚が10μmのときの結果を示す(実施例201および比較例201)。
表3は、レジスト組成物Iを用いて膜厚が12、14、16μmのときの結果を示す(実施例301~303)。
【表】
【表】
【表】
【】
<レジストパターンの形成>
実施例101および比較例101では、KrFステッパー(FPA3000-EX5、キヤノン)を用いて、上述のレジスト膜の形成例で得る膜厚18μmのレジスト膜に露光を行う。その後110℃120秒ホットプレートでPEB(露光後加熱)を行う。この膜を2.38質量%TMAH水溶液で90秒現像を行い、Line:Space=3:1、Space幅10μmのトレンチパターンを形成する。得られたパターンの断面形状を走査型電子顕微鏡(S9200、Hitachi)を用いパターン形状を確認する。
レジスト組成物Iを用いて上述のレジストパターンの形成例の通りに18μm膜厚のレジスト膜を形成するように操作を行うと、パターン壁の頂部の幅が7μmとなるレジストパターンを得る。このときの露光量を感度とする。
その他の膜厚のレジスト膜からレジストパターンを形成する場合、上述の膜厚18μmレジスト膜と同じ条件で露光を行い、レジストパターンを得る。
形成されるパターン形状を図1を用いて説明する。図1(a)は、基板11にレジストパターン12が形成されており、ライン幅13、スペース幅14、頂部幅15は、それぞれ15μm、5μm、7μmである。パターン壁頂部16は、頂部の端であり、この部分でえぐれが生じることがある。図1(a)のレジスト膜厚は18μmである。レジストパターンの傾きを変更せずに、膜厚を10μmとしたときの模式図が、図1(b)である。
膜厚を変更した評価ではこのように傾きを変更せずに、パターンを製造する。
【】
<食い込み幅>
形成されたレジストパターンを観察し、パターン頂部から内側にえぐれている程度(食い込み幅)を評価する。具体的に図2を用いて説明する。図2は図1の壁頂部21を模式的に示す。パターン頂部の端から基板に垂直に線を引く。パターン側面の最もえぐれている点から基板に垂直に線を引く。それぞれの線の距離を食い込み幅(nm)とする。
【】
<矩形性>
形成されたレジストパターンの頂部のスペースの幅をSt、レジストパターン底部のスペースの幅をSbとすると、
矩形性=St/Sb
として算出する。Stは、えぐれが生じている部分よりも上部の、頂部で測長される。
【】
<露光裕度(EL)>
の露光量を最適露光量(Eop)とし、パターン壁頂部の幅が±0.5%となる露光量(Emax、Emin)を測定する。
EL=((Emax-Emin)/Eop)×100(%)
として、算出する。
【】
<焦点深度(DoF)>
露光機の焦点位置を最適値(Dop)からシフトさせたとき、レジストパターン壁頂部の幅が±0.5%となる焦点位置(Dmax、Dmin)を測定する。
DoF=((Dmax-Dmin)/Dop)×100(%)
として、算出する。
【】
<膜べり>
現像前後の膜厚を測定し、膜べり=現像前の膜厚-現像後の膜厚を算出する。
【】
<エッチングレート>
で得られたレジストパターンをO2エッチングまたはCF4エッチングして、エッチングレートを測定する。
エッチングにはエッチング装置NE-5000N(ULVAC)を用いる。
O2エッチングでは、チャンバー圧力を10Pa、パワー500W、Bias100Wとし、ガス流量をO2(30sccm)、N2(5sccm)、He(266sccm)、時間30秒でウェハー上の各膜をドライエッチングする。
CF4エッチングでは、チャンバー圧力を10Pa、パワー500W、Bias100Wとし、ガス流量をCF4(45sccm)、He(266sccm)、時間30秒でウェハー上の各膜をドライエッチングする。
膜厚の測定は、光干渉式膜厚測定装置(M-1210、大日本スクリーン)を用いて膜厚測定を行う。
エッチング前の膜厚とエッチング後の膜厚を測定する。前者と後者の差分を得て、単位時間あたりのエッチングレートを算出する(nm/min)。
【符号の説明】
【】
11.基板
12.レジストパターン
13.ライン幅
14.スペース幅
15.頂部幅
16.パターン壁頂部
21.壁頂部
22.食い込み幅
【図】
【図】
【国際調査報告】

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