(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】
(54)【発明の名称】モリブデンの湿式原子層エッチングの方法
(51)【国際特許分類】
【FI】
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】
(86)(22)【出願日】
(85)【翻訳文提出日】
(86)【国際出願番号】
(87)【国際公開番号】
(87)【国際公開日】
(32)【優先日】
(33)【優先権主張国・地域又は機関】
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】514028776
【氏名又は名称】トーキョー エレクトロン ユーエス ホールディングス,インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】Tokyo Electron U.S. Holdings, Inc.
【住所又は居所原語表記】401 S 1st. St., Suite 900, Austin, Texas 78704, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110004381
【氏名又は名称】弁理士法人ITOH
(72)【発明者】
【氏名】ダハル,トゥラシ
(72)【発明者】
【氏名】アベル,ケイト
(72)【発明者】
【氏名】デバス,メンギスティエ
【テーマコード(参考)】
【Fターム(参考)】
5F043AA26
5F043BB18
5F043BB27
5F043DD02
(57)【要約】
湿式ALEプロセスにおいてモリブデンをエッチングするためのシステム及び方法が提供される。本明細書に開示される方法は、多種多様な技術及び湿式エッチング化学物質を使用して、モリブデン表面を酸化し、湿式ALEプロセスの表面改質工程において自己律速型の酸化モリブデン不動態化層を形成する。例えば、この方法は、(a)モリブデン表面の酸化を制限し、準自己律速型酸化挙動を提供する酸化ラジカルを生成するための過酸化物酸化剤の紫外線(UV)光分解、(b)より良好な自己律速型酸化挙動を実現するための大きい反応物分子を有する酸化剤の立体障害、及び/又は(c)酸化モリブデン不動態化層の表面化学を変化させ、自己律速型酸化挙動を確実にするための配位子支援酸化を使用する。本明細書で開示される1つ以上の酸化技術を使用して酸化モリブデン不動態化層を形成した後、不動態化層は、モリブデン表面をエッチングするために湿式ALEプロセスの溶解工程で選択的に除去される。
【特許請求の範囲】
【請求項】
エッチングする方法であって、
モリブデン(Mo)層がその上に形成された基板を受け取る工程であって、モリブデン表面が前記基板の表面上で曝露される工程と、
前記基板の前記表面を、非水性溶媒に溶解された酸化剤を含む表面改質溶液に曝露する工程であって、前記酸化剤は、前記モリブデン表面と反応して前記モリブデン表面を酸化し、自己律速型で前記非水性溶媒に不溶性である酸化モリブデン不動態化層を形成する工程と、
前記酸化モリブデン不動態化層を形成した後に、前記基板の前記表面から前記表面改質溶液を除去する工程と、
前記基板の前記表面を溶解溶液に曝露して、前記酸化モリブデン不動態化層を選択的に除去する工程であって、前記溶解溶液は、前記酸化モリブデン不動態化層と反応して、前記溶解溶液によって溶解される可溶性種を形成する工程と、
前記基板の前記表面から前記溶解溶液及び前記可溶性種を除去して、前記モリブデン層をエッチングする工程と、
を含む、エッチングする方法。
【請求項】
前記基板の前記表面を前記表面改質溶液に曝露する前記工程と、前記表面改質溶液を除去する前記工程と、前記基板の前記表面を前記溶解溶液に曝露する前記工程と、前記溶解溶液及び前記可溶性種を除去する前記工程とを、所定量の前記モリブデン層が前記基板から除去されるまで複数回繰り返すことを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項】
前記表面改質溶液は、前記酸化モリブデン不動態化層と反応して前記酸化モリブデン不動態化層の表面化学を変化させる配位子種を更に含み、前記表面化学を変化させることにより、前記酸化モリブデン不動態化層が自己律速型であり前記非水性溶媒に不溶性であることを確実にする、請求項1に記載の方法。
【請求項】
前記酸化剤は、過酸化物酸化剤又は非過酸化物酸化剤を含み、前記配位子種は、カルボン酸を含み、前記非水性溶媒は、有機溶媒を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項】
前記酸化剤は、過硫酸アンモニウム(APS)を含み、前記配位子種は、シュウ酸、酢酸、アスコルビン酸、マンデル酸、リンゴ酸、マレイン酸又はフマル酸を含み、前記非水性溶媒は、メタノール(CH
3OH)、ジエチルエーテル((C
2H
5)
2O)、アセトニトリル(C
2H
3N)、ジメチルスルホキシド(C
2H
6OS)、イソプロピルアルコール(IPA)、別のアルコール、ケトン又はアセテートを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項】
前記基板の前記表面を前記表面改質溶液に曝露させる前記工程の間に、
前記基板の前記表面を紫外線(UV)照射に曝露して、前記酸化剤を光分解し、酸化ラジカルを生成し、前記酸化ラジカルは、前記モリブデン表面と反応して前記モリブデン表面を酸化し、前記酸化モリブデン不動態化層を形成する工程であって、前記酸化ラジカルの寿命により、前記酸化モリブデン不動態化層の酸化が制限されて、準自己律速型酸化挙動を提供する工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項】
前記酸化剤は、過酸化物酸化剤を含み、前記非水性溶媒は、有機溶媒を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項】
前記酸化剤は、過酸化水素(H
2O
2)、対称有機過酸化物、非対称有機過酸化物、モノペルオキシド、又はペルオキシ酸を含み、前記非水性溶媒は、メタノール(CH
3OH)、ジエチルエーテル((C
2H
5)
2O)、アセトニトリル(C
2H
3N)、ジメチルスルホキシド(C
2H
6OS)、イソプロピルアルコール(IPA)、別のアルコール、ケトン又はアセテートを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項】
前記酸化剤は、2オングストローム未満の分子サイズを有するより小さい反応物分子と比較して、実質的に2オングストロームを超える分子サイズ及びより小さい拡散係数を有する大きい反応物分子を含み、前記大きい反応物分子の前記拡散係数が小さいほど、前記酸化剤が前記モリブデン表面を酸化して前記酸化モリブデン不動態化層を形成する酸化速度が低減し、前記酸化速度を低減させることは、前記酸化剤の自己律速型酸化挙動を改善する、請求項1に記載の方法。
【請求項】
前記酸化剤は、前記大きい反応物分子を有する非過酸化物酸化剤を含み、前記非水性溶媒は、有機溶媒を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項】
前記非過酸化物酸化剤は、過硫酸アンモニウム(APS)、塩化第二鉄(FeCl
3)、四酸化オスミウム、四酸化ルテニウム、ルテニウム酸塩、マンガン酸塩、過マンガン酸塩、過ヨウ素酸塩、又は金属硝酸塩を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項】
前記非過酸化物酸化剤は、過硫酸アンモニウム(APS)を含み、前記非水性溶媒は、メタノール(CH
3OH)、ジエチルエーテル((C
2H
5)
2O)、アセトニトリル(C
2H
3N)、ジメチルスルホキシド(C
2H
6OS)、イソプロピルアルコール(IPA)、別のアルコール、ケトン又はアセテートを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項】
前記非過酸化物酸化剤は、塩化第二鉄(FeCl
3)を含み、前記非水性溶媒は、イソプロピルアルコール(IPA)又はアセトンを含み、前記塩化第二鉄は、前記モリブデン表面と反応して前記モリブデン表面を酸化し、自己律速型で前記非水性溶媒に不溶性であるオキシ塩化モリブデン不動態化層を形成する、請求項10に記載の方法。
【請求項】
前記酸化剤は、前記大きい反応物分子を有する過酸化物酸化剤を含み、前記非水性溶媒は、有機溶媒を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項】
前記過酸化物酸化剤は、ジ-tert-ブチルペルオキシド(C
8H
18O
2))又はtert-ブチルペルオキシベンゾエート(C
11H
14O
3)を含み、前記非水性溶媒は、メタノール(CH
3OH)、ジエチルエーテル((C
2H
5)
2O)、アセトニトリル(C
2H
3N)、ジメチルスルホキシド(C
2H
6OS)、イソプロピルアルコール(IPA)、別のアルコール、ケトン又はアセテートを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項】
前記溶解溶液は、塩酸(HCl)、硝酸、又は硫酸を含む酸性水溶液、水酸化アンモニウム(NH
4OH)、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)、水酸化カリウム(KOH)、又は水酸化カルシウム(Ca(OH)
2)を含む塩基性水溶液、或いはアセトン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、メチルエチルケトン(MEK)、又は別のケトンにおけるアルファ-ベンゾインオキシムを含む非水性配位子溶液である、請求項1に記載の方法。
【請求項】
湿式原子層エッチング(ALE)プロセスを使用して基板をエッチングする方法であって、前記方法は、
モリブデン(Mo)層がその上に形成された前記基板を受け取る工程であって、モリブデン表面が前記基板の表面上で曝露される工程と、
前記湿式ALEプロセスを複数サイクル実行することによって前記モリブデン層を選択的にエッチングする工程と、を含み、各サイクルは、
前記モリブデン表面を、非水性溶媒中で酸化剤及び配位子種を含む第1のエッチング溶液に曝露して、自己律速型で前記非水性溶媒に不溶性である化学改質されたMo表面層を形成する工程と、
第1のパージ溶液で前記基板をリンスして、前記基板の前記表面から前記第1のエッチング溶液を除去する工程と、
前記化学改質されたMo表面層を第2のエッチング溶液に曝露して、前記化学改質されたMo表面層を溶解する工程と、
前記基板を第2のパージ溶液でリンスして、前記基板の前記表面から前記第2のエッチング溶液を除去する工程と、
を含む、方法。
【請求項】
前記酸化剤は、前記モリブデン表面と反応して前記モリブデン表面を酸化させ、前記化学改質されたMo表面層を形成し、前記配位子種は、前記化学改質されたMo表面層と反応して前記化学改質されたMo表面層の表面化学を変化させ、前記表面化学を変化させることにより、前記化学改質されたMo表面層が自己律速型であり、前記非水性溶媒に不溶性であることを確実にする、請求項17に記載の方法。
【請求項】
前記酸化剤は、過硫酸アンモニウム(APS)、塩化第二鉄(FeCl
3)、四酸化オスミウム、四酸化ルテニウム、ルテニウム酸塩、マンガン酸塩、過マンガン酸塩、過ヨウ素酸塩、金属硝酸塩、過酸化水素(H
2O
2)、又は別の過酸化物を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項】
前記配位子種は、カルボン酸を含み、前記非水性溶媒は、有機溶媒を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項】
前記配位子種は、シュウ酸、酢酸、アスコルビン酸、マンデル酸、リンゴ酸、マレイン酸又はフマル酸を含み、前記非水性溶媒は、メタノール(CH
3OH)、ジエチルエーテル((C
2H
5)
2O)、アセトニトリル(C
2H
3N)、ジメチルスルホキシド(C
2H
6OS)、イソプロピルアルコール(IPA)、別のアルコール、ケトン又はアセテートを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項】
前記第2のエッチング溶液は、塩酸(HCl)、硝酸、又は硫酸を含む酸性水溶液、水酸化アンモニウム(NH
4OH)、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)、水酸化カリウム(KOH)、又は水酸化カルシウム(Ca(OH)
2)を含む塩基性水溶液、或いはアセトン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、メチルエチルケトン(MEK)、又は別のケトンにおけるアルファ-ベンゾインオキシムを含む非水性配位子溶液である、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【】
関連出願の相互参照
本出願は、2023年8月30日に出願された米国非仮特許出願第18/240,142号の優先権及びその出願日の利益を主張するものであり、同出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【】
半導体デバイスの製造に関し、具体的には、遷移金属などの多結晶材料の除去及びエッチング
【】
通常の半導体製造中、基板に形成された様々な金属は、パターン化されたエッチング、化学的機械研磨及び他の技術によって除去され得る。プラズマ系エッチング(乾式エッチングとも呼ばれる)及び液体系エッチング(湿式エッチングとも呼ばれる)を含む、基板上の層をエッチングするための様々な技術が知られている。湿式エッチングは、一般に、基板の表面上に渡って化学溶液を分配すること又は基板を化学溶液に浸漬することを伴う。化学溶液は、多くの場合、溶媒、基板表面の材料と反応するように設計された化学物質及び反応生成物の溶解を促進する化学物質を含む。基板表面がエッチング液に曝露されると、材料が基板から除去される。エッチング液の組成及び温度を制御して、エッチング速度、特異性及びエッチング後の基板の表面の残留材料を制御することができる。
【】
熱力学及び動力学は、両方ともエッチング液の配合において役割を果たす。エッチングを成功させるために、所望の反応は、熱力学的にも動力学的にも好適である必要がある。多結晶材料をエッチングするには、成功の要件がはるかに厳しくなる。これらの材料の場合、結晶子の形態又は環境に関わりなく、それぞれの個別の結晶子面及び粒界の幾何形状に対する除去速度は、実質的に同様であることが望ましい。ナノスケールのフィーチャの界面品質及び電気特性において、表面粗さは、重要な役割を果たす。ナノスケールの多結晶材料をエッチングする場合、異なる結晶面と比較して粒界でのエッチング速度が異なると、エッチングにおいて表面の粗化を引き起こす。更に、材料の除去速度は、巨視的レベル及び微視的レベルで均一であるべきであり、大量生産にも適合する速度で生じることが望ましい。巨視的な均一性は、慎重な操作により対処することができるが、微視的な均一性は、エッチング自体の化学作用に依存する。
【】
基板構造の幾何形状が縮小し続け、構造の種類が進化するにつれて、基板のエッチングの課題が増大している。これらの課題に対処するために利用されてきた1つの技術が、原子層エッチング(ALE)である。ALEは、1つ以上の自己律速型反応を通して薄層を連続的に除去するプロセスである。例えば、ALEは、典型的には、原子の精度でエッチングできる技術、即ち、一度に材料を材料の1つの単分子層(又はいくつかの単分子層)を除去することによりエッチングできる技術を指す。一般に、ALEプロセスは、エッチング対象の表面の化学的改質及びその後の改質された層の選択的除去に依存する。従って、ALEプロセスは、エッチングプロセスを表面改質及び改質表面の除去の連続した工程に分離することにより、向上した性能を提供する。いくつかの実施形態では、ALEプロセスは、複数の循環的な一連の層改質及びエッチング工程を含み得、層改質工程は、曝露された表面を改質し、エッチング工程は、改質された層を選択的に除去する。このようなプロセスでは、一連の自己律速型反応が発生し得、所望の又は指定されたエッチング量が実現されるまでサイクルが繰り返し実行され得る。他の実施形態では、ALEプロセスは、1つのサイクルのみを使用し得る。
【】
プラズマALE技術、熱ALE技術及び湿式ALE技術を含む様々なALEプロセスが知られている。全てのALEプロセスと同様に、湿式ALEは、典型的には、連続的な自己律速型反応を使用して表面から材料を選択的に除去する循環的なプロセスである。しかしながら、熱ALE及びプラズマALEと異なり、湿式ALEで使用される反応は、主に液相で起こる。他のALEプロセスと比較して、湿式ALEは、室温(又はそれに近い温度)及び大気圧で実行できるため、多くの場合に望ましい。加えて、湿式ALEプロセスの自己律速型の性質により、他のエッチングプロセス中でよく見られる表面の粗さではなく、エッチング中に表面が滑らかになる。
【】
湿式ALEプロセスは、典型的には、材料を第1の溶液に曝露して、自己律速型の改質された表面層を生成する表面改質工程から始まる。理想的には、改質された表面層は材料の一番上の単分子層に限られ、改質反応がこれ以上進行することを防止する不動態化層として機能する。改質された表面層が形成された後、湿式ALEプロセスは、その後に続く溶解工程において、改質された表面層を第2の溶液に曝して改質された表面層を選択的に溶解することができる。溶解工程は、下にある未改質の材料を少しも除去することなく、改質された表面層を選択的に溶解しなければならない。この選択性は、表面改質工程で使用したものと異なる溶媒を溶解工程で使用するか、pHを変更するか又は第1の溶媒中の他の成分の濃度を変更することによって達成され得る。湿式ALEサイクルは、所望の又は指定されたエッチング量が実現されるまで繰り返され得る。
【】
近年、モリブデン(Mo)は、ラインメタライゼーション、メモリ用途、及び埋め込み電源レール(buried power rail)などの新しい集積スキームの中心的金属として考えられている。これらの用途の多くは、エッチング後の表面の表面形態がデバイス性能にとって重要であるエッチバック操作を必要とする。しかしながら、モリブデンの多結晶の性質により、エッチング液が粒界で粒子の表面よりも速い速度論で反応する場合、孔食の影響を受けやすくなる。エッチング液の化学作用は、少なくとも表面を当初より粗くせず、理想的にはエッチング中の表面粗さを改善する必要がある。残念ながら、モリブデンをエッチングするために従来使用されている湿式エッチング化学物質では、エッチング後の表面が粗くなる結果となる。従って、モリブデンをエッチングするために新しい湿式エッチング化学物質が必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【】
多結晶材料をエッチングするための改善された湿式エッチングプロセス及び方法を提供する。より具体的には、モリブデン(Mo)などの遷移金属を、湿式エッチングプロセスにおいてエッチングするための新しいエッチング化学物質を利用する、湿式エッチングプロセス及び方法の様々な実施形態を提供する。
【】
以下でより詳細に記載されるように、本明細書に開示される遷移金属表面を第1のエッチング溶液に曝露して、遷移金属表面を化学改質し、改質された表面層(本明細書では不動態化層とも呼ばれる)を形成し、これを第2のエッチング溶液に選択的に溶解して遷移金属表面をエッチングすることができる。第1のエッチング溶液は、一般に、非水性溶媒に溶解された酸化剤を含み得る。第1のエッチング溶液中に含まれる酸化剤は、遷移金属表面と反応して遷移金属表面を酸化し、自己律速型で非水性溶媒に不溶性である遷移金属酸化物不動態化層を形成する。いくつかの実施形態では、第1のエッチング溶液は、配位子種も含み得る。配位子種は、遷移金属不動態化層と反応し結合して、遷移金属不動態化層の表面化学を変化させ、これによって遷移金属不動態化層が自己律速型で非水性溶媒に不溶性であることを確実にする。
【】
遷移金属(例えば、モリブデン、Moなど)の曝露された面を酸化し、下にある遷移金属(例えば、金属Mo)上に自己律速型の遷移金属酸化物不動態化層(例えば、MoO3など)を形成するための多種多様な技術及びエッチング化学物質が本明細書に開示される。例えば、本明細書に開示される実施形態では、(a)モリブデン表面の酸化を制限し、準自己律速型酸化挙動を提供する酸化ラジカルを生成するための過酸化物酸化剤の紫外線(UV)光分解、(b)より良好な自己律速型酸化挙動を実現するための比較的大きい反応物分子を有する酸化剤の立体障害、及び/又は(c)遷移金属酸化物不動態化層の表面化学を変化させ、自己律速型酸化挙動を確実にするための配位子支援酸化(ligand-assisted oxidation)を使用することができる。本明細書に開示される酸化技術の1つ以上を使用して自己律速型の遷移金属酸化物不動態化層を形成した後、第2のエッチング溶液を基板の表面に分配して、遷移金属酸化物不動態化層を選択的に溶解させることができ、こうして下にある遷移金属(例えば、金属Mo)をエッチングすることなく、基板表面から遷移金属酸化物不動態化層を除去する。以下でより詳細に記載されるように、金属Moを溶解することなく、酸化モリブデン(例えば、MoO3など)を選択的に溶解するために、いくつかのエッチング化学物質を使用することができる。
【】
一実施形態によれば、モリブデン層がその上に形成された基板をエッチングするための方法が本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、この方法は、モリブデン(Mo)層がその上に形成された基板を受け取り、モリブデン表面が基板の表面上で曝露され、基板の表面を、非水性溶媒に溶解された酸化剤を含む表面改質溶液に曝露することによって開始され得る。酸化剤は、モリブデン表面と反応してモリブデン表面を酸化し、自己律速型で非水性溶媒に不溶性である酸化モリブデン不動態化層を形成する。この方法は、酸化モリブデン不動態化層を形成した後に、基板の表面から表面改質溶液を除去する工程と、基板の表面を溶解溶液に曝露して、酸化モリブデン不動態化層を選択的に除去する工程と、を更に含む。溶解溶液は、酸化モリブデン不動態化層と反応して、溶解溶液によって溶解される可溶性種を形成する。この方法は、基板の表面から溶解溶液及び可溶性種を除去して、モリブデン層をエッチングする工程を更に含み得る。いくつかの実施形態では、基板の表面を表面改質溶液に曝露する工程と、表面改質溶液を除去する工程と、基板の表面を溶解溶液に曝露する工程と、溶解溶液及び可溶性種を除去する工程とを、所定量のモリブデン層が基板から除去されるまで複数回繰り返すことができる。
【】
上で開示された方法は、モリブデン表面を酸化し、自己律速型の酸化モリブデン不動態化層を形成するために、多種多様な酸化技術及び表面改質溶液の化学物質を使用することができる。
【】
第1の実施形態では、この方法は、過酸化物酸化剤の紫外線(UV)光分解を使用して酸化ラジカルを生成し、これによりモリブデン表面の酸化が制限され、準自己律速型酸化挙動がもたらされる。例えば、この方法は、基板の表面を表面改質溶液に曝露させて酸化剤を光分解し、酸化ラジカルを生成し、これがモリブデン表面と反応してモリブデン表面を酸化し、酸化モリブデン不動態化層を形成する前述の工程の間に、基板の表面をUV照射に曝露させることができる。酸化ラジカルの寿命は比較的短いため、酸化剤として酸化ラジカルを使用すると、酸化モリブデン不動態化層の酸化が制限され、準自己律速型酸化挙動がもたらされる。
【】
第1の実施形態では、酸化剤は、過酸化物酸化剤であり得、非水性溶媒は、有機溶媒であり得る。第1の実施形態で使用され得る過酸化物酸化剤の例としては、これらに限定されないが、過酸化水素(H2O2)、対称有機過酸化物(例えば、ジ-tert-ブチルペルオキシド(C8H18O2))、非対称有機過酸化物(例えば、tert-ブチルペルオキシベンゾエート(C11H14O3))、モノペルオキシド(例えば、tert-ブチルヒドロペルオキシド(C4H10O2))、又はペルオキシ酸(例えば、ペルオキシ酢酸、又は過酢酸、(C2H4O3))が挙げられる。非水性有機溶媒は、メタノール(CH3OH)、ジエチルエーテル((C2H5)2O)、アセトニトリル(C2H3N)、ジメチルスルホキシド(C2H6OS)、イソプロピルアルコール(IPA)、別のアルコール、ケトン又はアセテートであり得る。一実施形態では、第1の実施形態で使用される酸化剤は、過酸化水素(H2O2)であり得、非水性有機溶媒は、イソプロピルアルコール(IPA)であり得る。しかしながら、過酸化物酸化剤と非水性有機溶媒との他の組み合わせも又、第1の実施形態で使用されることができる。
【】
第2の実施形態では、この方法は、酸化剤の立体障害を使用して、より良好な自己律速型酸化挙動を実現する。第2の実施形態で使用される酸化剤は、一般に、比較的大きい反応物分子(例えば、実質的に2オングストロームを超える分子サイズを有する反応物分子)を含み得、これは、より小さい反応物分子(例えば、2オングストローム未満の分子サイズを有する反応物分子)よりも小さい拡散係数を有する。大きい反応物分子の拡散係数が小さいほど、酸化剤がモリブデン表面を酸化して酸化モリブデン不動態化層を形成する酸化速度が低減する。従って、この方法の第2のより大きい反応物分子の立体障害を利用して、酸化剤がモリブデン表面を酸化する酸化速度を低減することによって、酸化剤の自己律速型酸化挙動を改善する。
【】
第2の実施形態で使用される酸化剤は、過酸化物酸化剤又は非過酸化物酸化剤であり得る。第2の実施形態で使用され得る非過酸化物酸化剤の例としては、これらに限定されないが、過硫酸アンモニウム(APS)、塩化第二鉄(FeCl3)、四酸化オスミウム、四酸化ルテニウム、ルテニウム酸塩、マンガン酸塩、過マンガン酸塩、過ヨウ素酸塩、及び金属硝酸塩が挙げられる。過酸化物酸化剤の例としては、これらに限定されないが、ジ-tert-ブチルペルオキシド(C8H18O2)及びtert-ブチルペルオキシベンゾエート(C11H14O3)などの有機過酸化物が挙げられる。第2の実施形態で使用される非水性溶媒は、メタノール(CH3OH)、ジエチルエーテル((C2H5)2O)、アセトニトリル(C2H3N)、ジメチルスルホキシド(C2H6OS)、イソプロピルアルコール(IPA)、別のアルコール、ケトン及びアセテートを含む群から選択される有機溶媒であり得る。一実施形態では、非過酸化物酸化剤は、過硫酸アンモニウム(APS)であり得、非水性溶媒は、メタノール(CH3OH)であり得る。別の実施形態では、非過酸化物酸化剤は、塩化第二鉄(FeCl3)であり得、非水性溶媒は、イソプロピルアルコール(IPA)又はアセトンであり得る。塩化第二鉄が酸化剤として使用される場合、塩化第二鉄は、モリブデン表面と反応してモリブデン表面を酸化し、自己律速型で非水性溶媒に不溶性であるオキシ塩化モリブデン不動態化層を形成する。第2の実施形態では、酸化剤と非水性有機溶媒との他の組み合わせも使用され得る。
【】
第3の実施形態では、この方法は、配位子支援酸化を使用して、酸化モリブデン不動態化層の表面化学を変化させ、自己律速型酸化挙動を確実にする。第3の実施形態で使用される表面改質溶液は、酸化剤と、非水性溶媒と、酸化モリブデン不動態化層と反応して酸化モリブデン不動態化層の表面化学を変化させる配位子種とを含む。酸化モリブデン不動態化層の表面化学を変化させることにより、この方法の第3の酸化モリブデン不動態化層が自己律速型であり非水性溶媒に不溶性であることを確実にする。
【】
第3の実施形態では、酸化剤は、過酸化物酸化剤又は非過酸化物酸化剤であり得、非水性溶媒は、有機溶媒であり得、配位子種は、カルボン酸であり得る。第3の実施形態で使用され得る非過酸化物酸化剤の例としては、これらに限定されないが、過硫酸アンモニウム(APS)、塩化第二鉄(FeCl3)、四酸化オスミウム、四酸化ルテニウム、ルテニウム酸塩、マンガン酸塩、過マンガン酸塩、過ヨウ素酸塩、及び金属硝酸塩が挙げられる。過酸化物酸化剤の例としては、過酸化水素(H2O2)、有機過酸化物(ジ-tert-ブチルペルオキシド(C8H18O2)及びtert-ブチルペルオキシベンゾエート(C11H14O2)など)、モノペルオキシド(tert-ブチルヒドロペルオキシド(C4H10O3)など)、ペルオキシ酸(過酢酸(C2H4O3)など)が挙げられる。第3の実施形態に使用される非水性有機溶媒は、メタノール(CH3OH)、ジエチルエーテル((C2H5)2O)、アセトニトリル(C2H3N)、ジメチルスルホキシド(C2H6OS)、イソプロピルアルコール(IPA)、別のアルコール、ケトン及びアセテートを含む群から選択されることができる。配位子種は、シュウ酸、酢酸、アスコルビン酸、マンデル酸、リンゴ酸、マレイン酸又はフマル酸であり得る。一実施形態では、酸化剤は、APSであり得、有機溶媒は、メタノールであり得、配位子種は、シュウ酸であり得る。しかしながら、第3の実施形態では、酸化剤、非水性有機溶媒及び配位子種の他の組み合わせも使用され得る。
【】
多種多様な溶解溶液が、の方法の実施形態で使用され得る。例えば、溶解溶液は、(a)塩酸(HCl)、硝酸、又は硫酸を含む酸性水溶液、(b)水酸化アンモニウム(NH4OH)、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)、水酸化カリウム(KOH)、又は水酸化カルシウム(Ca(OH)2)を含む塩基性水溶液、或いは(c)アセトン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、メチルエチルケトン(MEK)、又は別のケトンにおけるアルファ-ベンゾインオキシムを含む非水性配位子溶液であり得る。
【】
別の実施形態によると、湿式原子層エッチング(ALE)プロセスを使用して基板をエッチングする方法が本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、この方法は、基板を受け取ることから開始することができ、基板は、その上にモリブデン(Mo)層が形成されており、モリブデン表面は、基板の表面上で曝露される。この方法は更に、湿式ALEプロセスを複数サイクル実行することによってモリブデン層を選択的にエッチングする工程を更に含み、各サイクルは、(a)モリブデン表面を、非水性溶媒中で酸化剤及び配位子種を含む第1のエッチング溶液に曝露して、自己律速型で非水性溶媒に不溶性である化学改質されたMo表面層を形成する工程と、(b)第1のパージ溶液で基板をリンスして、基板の表面から第1のエッチング溶液を除去する工程と、(c)化学改質されたMo表面層を第2のエッチング溶液に曝露して、化学改質されたMo表面層を溶解する工程と、(d)基板を第2のパージ溶液でリンスして、基板の表面から第2のエッチング溶液を除去する工程と、を含む。
【】
で開示された方法では、第1のエッチング溶液中に含まれる酸化剤がモリブデン表面と反応して、モリブデン表面を酸化し、化学改質されたMo表面層を形成する。第1のエッチング溶液中に含まれる配位子種は、化学改質されたMo表面層と反応して、化学改質されたMo表面層の表面化学を変化させる。表面化学を変化させることにより、化学改質されたMo表面層が自己律速型であり非水性溶媒に不溶性であることを確実にする。
【】
多種多様な酸化剤、配位子種、及び非水性溶媒が、第1のエッチング溶液で使用され得る。例えば、酸化剤は、これらに限定されないが、過硫酸アンモニウム(APS)、塩化第二鉄(FeCl3)、四酸化オスミウム、四酸化ルテニウム、ルテニウム酸塩、マンガン酸塩、過マンガン酸塩、過ヨウ素酸塩、及び金属硝酸塩などの、非過酸化物酸化剤であり得る。或いは、酸化剤は、これらに限定されないが、過酸化水素(H2O2)、有機過酸化物(ジ-tert-ブチルペルオキシド(C8H18O2)及びtert-ブチルペルオキシベンゾエート(C11H14O3)など)、モノペルオキシド(tert-ブチルヒドロペルオキシド(C4H10O2)など)、又はペルオキシ酸(過酢酸(C2H4O3)など)などの過酸化物酸化剤であり得る。非水性溶媒は、メタノール(CH3OH)、ジエチルエーテル((C2H5)2O)、アセトニトリル(C2H3N)、ジメチルスルホキシド(C2H6OS)、イソプロピルアルコール(IPA)、別のアルコール、ケトン又はアセテートなどの有機溶媒であり得る。配位子種は、シュウ酸、酢酸、アスコルビン酸、マンデル酸、リンゴ酸、マレイン酸又はフマル酸などのカルボン酸であり得る。
【】
第2のエッチング溶液は、水溶液及び非水性溶液に溶解された様々な反応物を含み得る。例えば、第2のエッチング溶液は、(a)塩酸(HCl)、硝酸又は硫酸を含む酸性水溶液、(b)水酸化アンモニウム(NH4OH)、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)、水酸化カリウム(KOH)又は水酸化カルシウム(Ca(OH)2)を含む塩基性水溶液、或いは(c)アセトン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、メチルエチルケトン(MEK)、又は別のケトンにおけるアルファ-ベンゾインオキシムを含む非水性配位子溶液であり得る。
【】
本明細書に開示される方法は、多結晶材料、単結晶材料、及び非晶質材料を含む多種多様な材料をエッチングするために使用され得る。いくつかの実施形態では、本明細書で開示される方法は、遷移金属をエッチングするために使用され得る。本明細書に開示される方法を使用してエッチングされ得る遷移金属の例としては、これらに限定されないが、モリブデン(Mo)、コバルト(Co)、銅(Cu)、タングステン(W)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、クロム(Cr)及びニッケル(Ni)が挙げられる。
【】
この発明の概要の項は、本開示又は特許請求の範囲に記載される本発明の全ての実施形態及び/又は段階的に新規な態様を指定するものではないことに留意されたい。代わりに、この発明の概要は、様々な実施形態及び従来の技術に対する新規性に対応する点についての予備的な考察のみを提供する。本発明及び実施形態の追加の詳細及び/又は予想される観点について、読者は、以下で更に議論されるような本開示の詳細な説明の項及び対応する図面を参照されたい。
【】
本発明及びその利点は、類似の参照番号が類似の特徴を示す添付の図面と併せて解釈される以下の説明を参照することでより完全に理解され得る。しかし、添付の図面は、開示される概念の例示的実施形態を例示しているに過ぎず、従って、開示される概念が他の等しく有効な実施形態も包含し得るため、その範囲を限定するものとみなされるべきではないことに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【】
【図】循環的な湿式原子層エッチング(ALE)プロセスを使用して基板をエッチングするために本明細書に開示された技術を利用する方法の一実施形態を例示するフローチャート図である。
【図】本開示の第1の実施形態による、モリブデン表面などの遷移金属表面をエッチングするために使用できる循環的な湿式ALEプロセスの一例を例示する。
【図】UV光分解が有る場合及び無い場合の、様々な濃度の表面改質溶液(例えば、過酸化水素、H2O2)を使用してモリブデン表面をエッチングしようとした場合に、経時的に実現され得る(分、minで表される)例示的なエッチング量(ナノメートル、nmで表される)を表すグラフである。
【図】図2に示される湿式ALEプロセスにおいて、H2O2のUV光分解を使用してモリブデン表面を酸化した場合に、酸化時間(秒、sで表される)の関数として実現される例示的なエッチング量(nm)を表すグラフである。
【図】図2に示される湿式ALEプロセスにおいて、H2O2のUV光分解を使用してモリブデン表面を酸化した場合に、H2O2濃度(%で表される)の関数として実現される例示的なエッチング量(nm)を表すグラフである。
【図】図2に示される湿式ALEプロセスで使用される様々なエッチング条件において、蒸着したままのモリブデン及びエッチング後のモリブデンを表す走査型電子顕微鏡(SEM)画像を提供する。
【図】本開示の第2の実施形態による、モリブデン表面などの遷移金属表面をエッチングするために使用できる循環的な湿式ALEプロセスの別の例を例示する。
【図】図5に示される湿式ALEプロセスにおいて、様々な非過酸化物酸化剤(例えば、過硫酸アンモニウム、APS、及びH2O2)を使用してモリブデン表面を酸化した場合に、酸化時間(分、minで表される)の関数として実現される例示的なエッチング量(nmで表される)を表すグラフである。
【図】図5に示される湿式ALEプロセスにおいて、様々な濃度のAPSを使用してモリブデン表面を酸化した場合に、酸化時間(秒、sで表される)の関数として実現される例示的なエッチング量(nmで表される)を表すグラフである。
【図】図5に示される湿式ALEプロセスにおいて、様々な濃度のAPSを使用してモリブデン表面を酸化した場合に、サイクル数の関数として実現される例示的なエッチング量(nmで表される)を表すグラフである。
【図】過硫酸アンモニウム(APS)を酸化剤として使用した場合に、図5に示される湿式ALEプロセスで使用される様々なエッチング条件において、蒸着したままのモリブデン及びエッチング後のモリブデンを表すSEM画像を提供する。
【図】図5に示される湿式ALEプロセスにおいて、様々な溶媒(例えば、脱イオン水(DIW)、メタノール、イソプロピルアルコール(IPA)、及びアセトン)に溶解された塩化第二鉄(FeCl3)を使用して、モリブデン表面を酸化した場合に、酸化時間(分、minで表される)の関数として実現される例示的なエッチング量(nmで表される)を表すグラフである。
【図】図5に示される湿式ALEプロセスにおいて、IPAに溶解された50mMのFeCl3を使用してモリブデン表面を酸化し、DIWを含む溶解溶液を使用して酸化されたモリブデン表面をエッチングした場合に、酸化時間(秒、sで表される)の関数として実現される例示的なエッチング量(nmで表される)を表すグラフである。
【図】図5に示される湿式ALEプロセスにおいて、IPAに溶解された50mMのFeCl3を使用してモリブデン表面を酸化し、DIWを含む溶解溶液を使用して酸化されたモリブデン表面をエッチングした場合に、溶解時間(秒、sで表される)の関数として実現される例示的なエッチング量(nmで表される)を表すグラフである。
【図】塩化第二鉄(FeCl3)を酸化剤として使用する場合に、図5に示される湿式ALEプロセスで使用される様々なエッチング条件において、蒸着したままのモリブデン及びエッチング後のモリブデンを表すSEM画像を提供する。
【図】本開示の第3の実施形態による、モリブデン表面などの遷移金属表面をエッチングするために使用できる循環的な湿式ALEプロセスの更に別の例を例示する。
【図】図10に示される湿式ALEプロセスにおいて、配位子支援酸化が有る場合及び無い場合の、様々なAPS溶液を使用してモリブデン表面を酸化した場合に、酸化時間(分で表される)の関数として実現される例示的なエッチング量(nmで表される)を表すグラフである。
【図】図10に示される湿式ALEプロセスにおいて、0.2%のAPS-メタノール溶液、並びにメタノール溶液における0.2%のAPS及び50mMのシュウ酸を使用してモリブデン表面を酸化した場合に、酸化時間(秒、sで表される)の関数として実現される例示的なエッチング量(nmで表される)を表すグラフである。
【図】図10に示される湿式ALEプロセスを使用した場合に、配位子濃度(例えば、シュウ酸濃度、ミリモル、mMで表される)及び溶解温度の関数として実現される例示的なエッチング量(nmで表される)を表すグラフである。
【図】図10に示される湿式ALEプロセスで使用される様々なエッチング条件において、蒸着したままのモリブデン及びエッチング後のモリブデンを表すSEM画像を提供する。
【図】湿式ALEプロセスを使用して基板をエッチングする図10に示される配位子支援酸化技術を利用する方法の一実施形態を例示するフローチャート図である。
【図】本明細書に開示される湿式ALEプロセスを使用して、モリブデン表面などの遷移金属表面をエッチングするために使用できる処理システムの一実施形態を例示するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【】
湿式ALEプロセスを使用して、湿式ALEプロセスの1つ以上のサイクルを実行することにより、基板上に形成された遷移金属をエッチングすることができ、この場合、各サイクルは、表面改質工程と、溶解工程とを含む。表面改質工程では、遷移金属の曝露された表面を、酸化剤を含む表面改質溶液に曝露して、遷移金属の曝露された表面を化学改質し、改質された表面層(例えば、遷移金属酸化物不動態化層)を形成することができる。溶解工程では、改質された表面層を溶解溶液に曝露して、改質された表面層を溶解することにより、改質された表面層を選択的に除去することができる。表面改質溶液及び溶解溶液が混合することを防ぐために、表面改質工程と溶解工程との間でパージ工程を実行することができ、所望の量のエッチングが実現されるまでプロセスを循環的に繰り返すことができる。しかしながら、原子層エッチングを実現するために、表面改質工程及び溶解工程の少なくとも1つは、自己律速型でなければならない。
【】
湿式ALEプロセスを使用して、コバルト(Co)、ルテニウム(Ru)、銅(Cu)、金(Au)、プラチナ(Pt)、イリジウム(Ir)などを含む、様々な遷移金属をエッチングできる。このような遷移金属をエッチングするための湿式ALEプロセスは、「Wet Atomic Layer Etching Using Self-Limiting and Solubility-limited Reactions」と題する米国特許第10,982,335号明細書、「Methods for Wet Atomic Layer Etching of Ruthenium」と題する米国特許出願公開第2023/0118554号明細書、「Methods for Wet Atomic Layer Etching of Copper」と題する米国特許出願公開第2023/0140900号明細書、及び「Methods for Wet Atomic Layer Etching of Noble Metals」と題する米国特許出願公開第2023/0121246号明細書に開示されており、これらはそれぞれ参照により本明細書に組み込まれる。
【】
モリブデン(Mo)は、半導体製造で使用される別の遷移金属である。しかしながら、モリブデンをエッチングするための湿式ALE化学物質の開発は、多くの表面反応が自己律速型な挙動につながらないため困難である。例えば、三酸化モリブデン(MoO3)は、容易に形成される改質された表面層であるが、湿式化学物質を使用して自己律速型の方式で形成することは困難である。この困難さは、MoO3の溶解度のために生じる。MoO3は、水溶液に可溶性であるため、全ての酸化は、非水性溶液中で行われなければならない。しかしながら、強力な酸化剤(過酸化水素、H2O2など)は、非水性溶液中であってもモリブデンを溶液中に引き込むことができ、自己律速型ではない酸化挙動をもたらす。強力な酸化剤は又、優先的な粒界攻撃を引き起こし、モリブデン表面の連続エッチングをもたらす。改質された表面層の選択的溶解も、段階的な酸化物形成のために困難である。これらの条件の両方は、(ウェハー内及びウェハー間の両方で)ALEサイクル当たりのモリブデン表面のエッチング量が一定でないこと、及びモリブデン表面のエッチング後の表面粗さが増加することにつながり、これは、集積回路における抵抗容量(resistive-capacitive)(RC)時間遅延に悪影響を及ぼす。これらの課題を緩和するために、モリブデン及び他の遷移金属をエッチングするための新しい湿式ALE化学物質及び技術が必要とされている。
【】
基板上に形成された遷移金属をエッチングするための新しい湿式原子層エッチング(ALE)プロセスを提供する。より具体的には、湿式ALEプロセスにおいてモリブデン(Mo)をエッチングするための新しいエッチング化学物質を利用する方法の様々な実施形態を提供する。以下でより詳細に記載されるように、本明細書に開示される湿式ALEプロセス及び方法は、多種多様な技術及びエッチング化学物質を使用して、湿式ALEプロセスの表面改質工程において、基板に曝露されたモリブデン表面を酸化し、下のMo表面(例えば、金属Mo)に自己律速型の酸化モリブデン不動態化層(例えば、MoO3など)を形成することができる。例えば、本明細書に開示される湿式ALEプロセス及び方法は、(a)モリブデン表面の酸化を制限し、準自己律速型酸化挙動を提供する酸化ラジカルを生成するための過酸化物酸化剤の紫外線(UV)光分解、(b)より良好な自己律速型酸化挙動を実現するための比較的大きい反応物分子を有する酸化剤の立体障害、及び/又は(c)酸化モリブデン不動態化層の表面化学を変化させ、自己律速型酸化挙動を確実にするための配位子支援酸化を使用することができる。本明細書で使用される場合、「自己律速型」酸化挙動又は「自己律速型」反応は、酸化(又は他の反応)の速度が経時的にゼロになるものである。厳密に自己律速型の反応と比較して、「準律速型」反応は、酸化(又は他の反応)の速度が経時的に減少するがゼロにならないものである。本明細書に開示される1つ以上の酸化技術を使用して酸化モリブデン不動態化層を形成した後、酸化モリブデン不動態化層は、湿式ALEプロセスの溶解工程で選択的に除去されて、モリブデン表面をエッチングする。
【】
本明細書で開示される技術は、多種多様な層及びフィーチャがその上に形成された多種多様な基板において実行され得る。一般に、本明細書に開示される技法で利用される基板は、材料をエッチングすることが望ましい任意の基板であり得る。例えば、基板は、1つ以上の半導体処理層(それらの全てが一緒に基板を含み得る)が上に形成された半導体基板であり得る。一実施形態では、基板は、多種多様な構造及び層をもたらす複数の半導体処理工程(これらは全て、基板処理技術において周知である)が施された基板であり得る。一実施形態では、基板は、形成された様々な構造及び層を含む半導体ウェハーであり得る。
【】
本明細書に開示される技術は、多結晶材料、単結晶材料、及び非晶質材料を含む多種多様な材料をエッチングするために使用され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される技術は、これらに限定されるものではないが、遷移金属及び貴金属などの金属材料をエッチングするために使用され得る。一例示的実施形態では、エッチングされる材料は、モリブデンであり得る。以下、本明細書に記載される技術をモリブデンのエッチングに関連して論じるが、そのような例は例示に過ぎず、本明細書に記載される技術は、多種多様な他の材料をエッチングするために使用され得ることが、当業者には認識されよう。例えば、本明細書に記載される技術は、これらに限定されるものではないが、コバルト(Co)、銅(Cu)、タングステン(W)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)及びクロム(Cr)、ニッケル(Ni)及びそれらの組み合わせなどの他の遷移金属をエッチングするために使用され得る。
【】
本明細書に開示される技術は、遷移金属のエッチングに使用される他のエッチング技術に比べて多くの利点を提供する。例えば、本明細書に開示される技術は、エッチング総量の正確な制御、表面粗さの制御、及びウェハースケールの均一性の改善などのALEの利点を提供する。本明細書に開示される技術は、又、エッチングチャンバの簡素化、常温常圧のエッチング条件付近における自己律速型反応、及び表面粗さの低減など、湿式エッチングの様々な利点を提供する。モリブデンなどの遷移金属をエッチングするために使用される従来のエッチングプロセスとは異なり、本明細書に開示される技術は、遷移金属をエッチングするための自己律速型酸化工程及び選択的溶解工程を提供する湿式ALEプロセスを提供する。従って、本明細書に記載される技術は、モリブデンをエッチングするための特異的な方法を提供する。
【】
図1は、湿式原子層エッチング(ALE)プロセスを使用して基板をエッチングするために使用され得る方法100の一実施形態を例示する。より具体的には、図1は、湿式ALEプロセスを使用して基板に形成されたモリブデン(Mo)層をエッチングするために使用され得る方法100の一実施形態を例示する。図1の実施形態は単なる例示であり、追加の方法が、本明細書に記載される湿式ALE技術を利用し得ることが認識されるであろう。更に、記載された工程は排他的であることを意図していないので、図1に示す方法に、追加の処理工程を追加することができる。更に、工程の順序は、異なる順序が生じる場合があり、及び/又は様々な工程が組み合わされて又は同時に実施されてもよいので、図に示す順序には限定されない。
【】
図1に示される方法100は、モリブデン(Mo)層がその上に形成された基板を受け取る工程であって、モリブデン表面が基板の表面上で曝露される工程(工程110で)と、基板の表面を、非水性溶媒に溶解された酸化剤を含む表面改質溶液に曝露する工程(工程120で)と、を含む。表面改質溶液中に含まれる酸化剤は、モリブデン表面と反応してモリブデン表面を酸化し、自己律速型で非水性溶媒に不溶性である酸化モリブデン不動態化層を形成する。以下でより詳細に記載されるように、多種多様な酸化剤が表面改質溶液中に含まれ得る。
【】
自己律速型の酸化モリブデン不動態化層を形成した後、方法100は、基板の表面から表面改質溶液を除去し(工程130で)、基板の表面を溶解溶液に曝露して、酸化モリブデン不動態化層を選択的に除去する(工程140で)。溶解溶液は、酸化モリブデン不動態化層と反応して、溶解溶液によって溶解される可溶性種を形成する。方法100は、基板の表面から溶解溶液及び可溶性種を除去してモリブデン層をエッチングする(工程150で)。いくつかの実施形態では、この方法は、所定量のモリブデンが基板から除去されるまで、工程120~150を複数回繰り返すことができる(工程160で)。
【】
図1に示される方法100は、工程120で、モリブデン表面を酸化し、自己律速型の酸化モリブデン不動態化層を形成するために、多種多様な技術及びエッチング化学物質を利用することができる。例えば、図1に示される方法100は、(a)モリブデン表面の酸化を制限し、準自己律速型酸化挙動を提供する酸化ラジカルを生成するための過酸化物酸化剤の紫外線(UV)光分解、(b)より良好な自己律速型酸化挙動を実現するための比較的大きい反応物分子を有する酸化剤の立体障害、及び/又は(c)酸化モリブデン不動態化層の表面化学を変化させ、自己律速型酸化挙動を確実にするための配位子支援酸化を使用することができる。上述した酸化技術のそれぞれについて、表面改質工程(工程120)、溶解工程(工程140)、及びパージ工程(工程130及び150)で使用され得る例示的なエッチング化学物質について、以下でより詳細に記載する。
【】
酸化剤のUV光分解
図2は、本開示の第1の実施形態に従ってモリブデンをエッチングするために使用できる湿式ALEプロセスの一例を例示する。以下でより詳細に記載されるように、図2に示される湿式ALEプロセスは、1つ以上のALEサイクルからなる循環的なプロセスであり、各ALEサイクルには、表面改質工程200、第1のパージ工程240、溶解工程250、及び第2のパージ工程260が含まれる。
【】
図2に示される湿式ALEプロセスでは、誘電材料210に囲まれたモリブデン層205が、表面改質工程200中に表面改質溶液215と接触させられる。表面改質溶液215は、非水性溶媒に溶解された酸化剤220を含む。いくつかの実施形態では、酸化剤220は、過酸化物酸化剤を含み得、非水性溶媒は、有機溶媒であり得る。一例示的実施形態では、酸化剤220は、過酸化水素(H2O2)であり得、非水性溶媒は、イソプロピルアルコール(IPA)であり得る。しかしながら、以下でより詳細に記載されるように、他の酸化剤及び溶媒も表面改質溶液215中で使用され得る。
【】
図2に示される第1の実施形態では、湿式ALEプロセスは、紫外線(UV)光分解を使用して、非常に短い寿命及び非常に高い酸化電位を有する反応物を生成して表面酸化を行う。表面改質工程200の間、基板の表面をUV照射230に曝露して酸化剤220を光分解し、酸化ラジカル222を生成し、これは、モリブデン層205の曝露された表面と反応してモリブデン表面を酸化し、酸化モリブデン不動態化層225(例えば、三酸化モリブデン層、MoO3)を形成する。過酸化水素が酸化剤220として使用される場合、例えば、酸化剤220のUV光分解によりヒドロキシルラジカルが生成され、これによりモリブデン表面が酸化され、酸化モリブデン不動態化層が形成される。UV光分解によって生成される酸化ラジカル222の寿命は比較的短いため、酸化反応物として酸化ラジカル222を使用することにより、モリブデン表面の酸化を制限して準自己律速型酸化挙動を提供する。
【】
表面改質工程200で酸化モリブデン不動態化層225が形成された後、第1のパージ工程240を実行して、基板の表面から表面改質溶液215を除去する。第1のパージ工程240では、基板を第1のパージ溶液245でリンスして、表面改質溶液215及び過剰な反応物を基板の表面から除去する。第1のパージ溶液245は、表面改質工程200中に形成された酸化モリブデン不動態化層225と、又は表面改質溶液215中の反応物と反応してはならない。いくつかの実施形態では、第1のパージ溶液245は、表面改質溶液215で使用されるものと同じ溶媒(例えば、IPA)を使用することができる。しかしながら、以下でより詳細に説明されるように、他の溶媒も利用され得る。いくつかの実施形態では、第1のパージ工程240は、基板表面から全ての過剰な反応物を完全に除去するのに十分な長さであり得る。
【】
基板がリンスされた後、溶解工程250を実行して、表面改質工程200中に形成された酸化モリブデン不動態化層225を選択的に除去する。溶解工程250では、基板は溶解溶液255に曝露されて、酸化モリブデン不動態化層225の下にある未改質のモリブデン層205又はモリブデン層205を取り囲む誘電材料210を除去することなく、酸化モリブデン不動態化層225を選択的に除去又は溶解する。溶解溶液255は、水性溶媒に溶解された反応剤を含む。いくつかの実施形態では、反応剤は、塩酸(HCl)などの酸であり得、水性溶媒は、脱イオン水(DIH2O)であり得る。以下でより詳細に説明されるように、他の反応剤及び溶媒も利用され得る。
【】
酸化モリブデン不動態化層225を選択的に除去するためには、溶解溶液255に、酸化モリブデン不動態化層225が可溶性であり、且つ、酸化モリブデン不動態化層225の下にある未改質のモリブデン層205が不溶性でなければならない。酸化モリブデン不動態化層225の溶解性により、バルク溶解溶液255への溶解によるその除去が可能となる。いくつかの実施形態では、溶解工程250は、酸化モリブデン不動態化層225が溶解するまで継続することができる。
【】
酸化モリブデン不動態化層225が溶解溶液255中に溶解されると、図2に示される湿式ALEエッチングサイクルは、第2のパージ工程260を実行して基板の表面から溶解溶液255を除去することによって完了することができる。第2のパージ工程260では、基板は第2のパージ溶液265でリンスされ、第2のパージ溶液265は第1のパージ溶液245と同じであり得る又は異なり得る。いくつかの実施形態では、第2のパージ溶液265は、表面改質溶液215中で使用されたものと同じ溶媒(例えば、IPA)を使用することができる。しかしながら、以下でより詳細に説明されるように、他の溶媒も利用され得る。第2のパージ工程260は一般に、溶解溶液255、及び/又は溶解溶液255中に含まれる反応物及び可溶性種が、基板の表面から完全に除去されるまで継続し得る。
【】
モリブデンの湿式ALEでは、下にある未改質のモリブデン層上に自己律速型不動態化層を形成する必要がある。この不動態化層は、その形成に使用される第1のエッチング溶液(即ち、表面改質溶液215)に不溶性である必要があるが、その溶解に使用される第2のエッチング溶液(即ち、溶解溶液255)に自由に溶解できる必要がある。自己律速型不動態化層は、あらゆるサイクルにおいて、その形成後に除去されなければならない。第2のエッチング溶液は、下にある未改質のモリブデン層をエッチングすることなく不動態化層を選択的に溶解するために使用される。
【】
図2に示される湿式ALEプロセスでは、過酸化物酸化剤(例えば、過酸化水素、H2O2)のUV光分解によって酸化ラジカル222が生成され、これがモリブデン層205の曝露された表面と反応してモリブデン表面を酸化し、準自己律速型の酸化モリブデン不動態化層225(例えば、MoO3など)を形成することによって、不動態化層の形成が達成される。自己律速型ではない過酸化水素(及び他の過酸化物)を使用したモリブデン表面の酸化とは異なり、過酸化物のUV光分解によって生成される酸化ラジカル222を使用したモリブデン表面の酸化を使用して、準自己律速型の酸化モリブデン不動態化層225を形成することができる。
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図2に示される表面改質溶液及び溶解溶液中で、多種多様なエッチング化学物質を使用できる。いくつかの実施形態では、表面改質溶液215には、(a)過酸化水素(H2O2)などの過酸化物酸化剤、及び(b)メタノール(CH3OH)、ジエチルエーテル((C2H5)2O)、アセトニトリル(C2H3N)、ジメチルスルホキシド(C2H6OS)、イソプロピルアルコール(IPA)、別のアルコール、ケトン、又はアセテートなどの非水性有機溶媒が含まれ得る。他の過酸化物酸化剤及び非水性有機溶媒も又、表面改質溶液215中で使用され得る。過酸化水素の代わりに、例えば、表面改質溶液215には、対称有機過酸化物(ジ-tert-ブチルペルオキシド(C8H18O2)など)、非対称有機過酸化物(tert-ブチルペルオキシベンゾエート(C11H14O3)など)、モノペルオキシド(tert-ブチルヒドロペルオキシド(C4H10O2)など)、又はペルオキシ酸(ペルオキシ酢酸、又は過酢酸、(C2H4O3)など)が含まれ得る。
【】
過酸化物のUV光分解によって多種多様な酸化ラジカル222を形成することができる。上述したように、過酸化水素のUV光分解は、ヒドロキシルラジカルを形成する。しかしながら、他の過酸化物は、光分解すると他のタイプの酸化ラジカル222を形成する。例えば、UV有機過酸化物は、アルコキシラジカルを形成し(例えば、ジ-tert-ブチルペルオキシドは、光分解されてtert-ブトキシラジカルになる)、ペルオキシ酸は、光分解すると、ヒドロキシルラジカル及びアシドキシラジカルの両方を形成する(例えば、過酢酸は、ヒドロキシル及びアセトキシラジカルを形成する)。これらの過酸化物のいずれかから形成される酸化ラジカル222を使用して、モリブデン表面を酸化し、準自己律速型の酸化モリブデン不動態化層225を形成することができる。
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溶解溶液255は、水性又は非水性溶解溶液であり得る。いくつかの実施形態では、例えば、溶解溶液255は、塩酸(HCl)、硝酸、又は硫酸などの酸、及び脱イオン水(DIH2O)などの水性溶媒を含み得る。他の実施形態では、溶解溶液255は、水性溶媒に溶解される、水酸化アンモニウム(NH4OH)、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)、水酸化カリウム(KOH)、又は水酸化カルシウム(Ca(OH)2)などの塩基を含み得る。溶解溶液255には、他の酸及び塩基も使用され得る。更なる実施形態では、溶解溶液255は、非水性溶媒に溶解された配位子を含み得る。アルファ-ベンゾインオキシムは、溶解溶液255中に含まれ得る配位子の一例である。アルファ-ベンゾインオキシムは、アルコール、アセトン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、メチルエチルケトン(MEK)及び他のケトンに可溶性である。α-ベンゾインオキシム配位子は、MoO3不動態化層を含むMo6+イオンに選択的に結合して、Mo-α-ベンゾインオキシム錯体を形成し、この錯体は、アセトン、DMSO、及び他のケトンに可溶性であるが、アルコール又は水には不溶性である。この化学的選択性により、例えば、アセトン、DMSO、及び他のケトンを含む単一の非水性溶媒中で配位子結合及び溶解を達成することができる。
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片面に様々な厚さの化学蒸着(CVD)モリブデンを蒸着させた300mmのシリコンウェハーから切り取られたクーポンに対してエッチング実験を行い、図2に示される湿式ALEプロセスを調査した。モリブデンをエッチングするために使用されるエッチングレシピは、複数の湿式ALEサイクルを含み、各サイクルは、イソプロピルアルコール(IPA)に溶解された様々な濃度の過酸化水素(例えば、0.1~0.5%のH2O2)における浸漬、それに続くIPAリンス、5M HCl水溶液における10秒間の浸漬、並びにIPAリンス及びブロー乾燥を含む。湿式ALEプロセスを異なるプロセス条件下でいくつかのALEサイクルに渡って繰り返して、図2に示される湿式ALEプロセスによって生成されたエッチング速度をUV光分解が有る場合及び無い場合で調査し、UV曝露が酸化時間及びH2O2濃度の関数としてのエッチング速度に及ぼす影響を調査した。
【】
図3Aに示されるグラフ300は、表面改質工程200中にUV曝露が有る場合及び無い場合の、様々な濃度の過酸化水素(例えば、0.1%のH2O2及び0.5%のH2O2)を使用してモリブデン(Mo)表面をエッチングしようとした場合に、経時的に実現された(分、minで表される)例示的なエッチング量(ナノメートル、nmで表される)を表す。グラフ300に示される結果を得るために、シリコンウェハーの表面を、可変長の時間(例えば、0~10分間)に渡ってUV曝露の存在下及び非存在下で100マイクロリットル(μL)のIPA溶液における0.1%及び0.5%のH2O2に曝露して、モリブデン表面を酸化し、酸化モリブデン不動態化層を形成した。具体的には、3回の別個の湿式ALEプロセスで、シリコンウェハーの表面を、UV照射下(UVオン(UV on))のIPA溶液における0.5%のH2O2、UV照射下(UVオン)のIPA溶液における0.1%のH2O2、UV照射無し(UVオフ(UV off))のIPA溶液における0.1%のH2O2に曝露した。リンス工程及び溶解工程を実施し、各湿式ALEプロセスをいくつかのサイクルに渡って繰り返した後、4点プローブ(4pp)抵抗率測定値を得て、湿式ALEプロセスによって実現されたエッチング量を測定した。
【】
酸化モリブデンは水に溶解する傾向があるが、IPAなどのアルコールには溶解しない。図3Aに示されるグラフ300では、UV照射無し(UVオフ)のIPA溶液における0.1%のH2O2は、示されている期間に渡ってモリブデン表面の連続エッチングをもたらす。これは、H2O2が酸化モリブデンを酸化して、アルコールに可溶性であるモリブデンオキソ過酸化物にすることができるためである。しかしながら、H2O2溶液がUV照射に曝露されると、H2O2内の過酸化物結合が切断され、ヒドロキシルラジカルが生成され、これがモリブデン表面と反応して酸化モリブデン不動態化層が形成されるため、エッチング速度は、H2O2濃度に依存する。図3Aに示されるように、H2O2のUV光分解により、H2O2濃度が高い場合(例えば、IPA溶液におけるH2O2が0.5%の場合)にはエッチング量が増加するが、H2O2濃度が低い場合(例えば、IPA溶液におけるH2O2が0.1%の場合)にはエッチング量が抑制される。
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図3Bに示されるグラフ310は、図2に示される湿式ALEプロセスにおいて、H2O2のUV光分解を使用してモリブデン表面を酸化する場合に、酸化時間(秒、sで表される)の関数として実現される例示的なエッチング量(nm)を表す。グラフ310は、図2に示される湿式ALEプロセスは、短い酸化時間(例えば、0~20秒)において準自己律速型であるが、長い酸化時間(例えば、20秒を超える)では、UV光分解の利点を失うことを示す。
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図3Cに示されるグラフ320は、図2に示される湿式ALEプロセスにおいて、H2O2のUV光分解を使用してモリブデン表面を酸化する場合に、H2O2濃度の関数として実現される例示的なエッチング量(nm)を表す。グラフ320は、酸化速度がH2O2濃度とは独立しており、別の種(例えば、ヒドロキシルラジカル222)が酸化を駆動していることを表していることを示す。
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図2に示される湿式ALEプロセスは、エッチング後の表面の表面粗さの最小限の増加を引き起こす。エッチングされた表面を観察するために、図4に示されるように、様々なエッチング条件で、蒸着したままのモリブデン(400)とエッチング後のモリブデン(410、420、430)のトップダウン及び傾斜ビューの走査型電子顕微鏡(SEM)画像が得られた。エッチング後のSEM画像(410、420、及び430)では、モリブデン膜の4点プローブ(4pp)抵抗率測定値からエッチング量が計算され、SEM断面によって測定されたエッチング量とよく一致している。
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図4には、エッチング後のSEM画像が3セット例示されている。エッチング後のSEM画像410の第1のセットでは、UV照射無し(UVオフ)でIPA溶液における0.1%のH2O2を使用してクーポンをエッチングした。このエッチング溶液を使用すると、15サイクル後におよそ3.7nmのエッチングが行われた。エッチング後のSEM画像420の第2のセットは、UV照射下(UVオン)でIPA溶液における0.1%のH2O2を使用してエッチングされたクーポンを示している。このクーポンは、25サイクル後におよそ2.9nmエッチングされた。エッチング後のSEM画像430の第3のセットは、UV照射下(UVオン)でIPA溶液における0.1%のH2O2を使用してエッチングされたクーポンを示している。このクーポンは、50サイクル後におよそ11.9nmエッチングされた。エッチング後のSEM画像410、420、及び430は、モリブデン膜のエッチング後の表面は、少量のエッチング量では(画像410と420との比較に示されるように)UV照射後の方がより良好である(例えば、より平滑である)が、エッチング量が増加するにつれて(画像430に示されるように)悪くなることを示している。
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図2に示される湿式ALEプロセスは、モリブデンをエッチングするための新しい湿式エッチング化学物質及び技術を提供する。図2に示される湿式ALEプロセスにおいて、過酸化物酸化剤のUV光分解を使用して、酸化モリブデン不動態化層を安定化させ(モリブデン表面の酸化を制限するために短い寿命のヒドロキシルラジカルを使用することによって)、表面改質工程において準自己律速型酸化挙動を提供する。いくつかの実施形態では、酸化挙動は、表面改質工程200で非過酸化物酸化剤を使用することなどによって、追加の又は代替の酸化技術を利用することによって更に改善され得る。
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酸化剤の立体障害
図5は、本開示の第2の実施形態によるモリブデンをエッチングするために使用できる湿式ALEプロセスの別の例を例示する。図2に示される前述の実施形態と同様に、図5に示される湿式ALEプロセスは、1つ以上のALEサイクルからなる循環的なプロセスであり、各ALEサイクルは、表面改質工程200と、第1のパージ工程240と、溶解工程250と、第2のパージ工程260とを含む。
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表面改質工程200の間、図5に示される湿式ALEプロセスにおいて、基板の表面が表面改質溶液215に曝露されて、モリブデン層205の表面が酸化され、酸化モリブデン不動態化層225が形成される。図2に示される前述の実施形態と同様に、図5に示される湿式ALEプロセスで使用される表面改質溶液215は、非水性溶媒に溶解された酸化剤220を含む。しかしながら、前述の実施形態とは異なり、図5で使用される酸化剤220は、実質的により大きい反応物分子を有する酸化剤を含む。
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一例示的実施形態では、図5で使用される酸化剤220は、過硫酸アンモニウム(APS)であり、非水性溶媒は、メタノール(CH3OH)などの有機溶媒である。メタノールに溶解されたAPSは、モリブデン層205の表面を酸化して、三酸化モリブデン(MoO3)などの酸化モリブデン不動態化層を形成する。別の例示的実施形態では、図5で使用される酸化剤220は、塩化第二鉄(FeCl3)であり、非水性溶媒は、イソプロピルアルコール(IPA)又はアセトン(C3H6O)などの有機溶媒である。IPA又はアセトンに溶解された塩化第二鉄は、モリブデン層205の表面を酸化する。この酸化剤中にハロゲンが存在すると、酸化された表面層にハロゲンを取り込むことができ、塩化モリブデン(例えば、MoClx)又はオキシ塩化モリブデン不動態化層(例えば、MoOyCl(x-2y))の形成が可能である。しかしながら、以下でより詳細に記載されるように、他の酸化剤及び溶媒も利用され得る。
【】
図5に示される第2の実施形態では、湿式ALEプロセスは、酸化剤の立体障害を使用して、図2に示される湿式ALEプロセスよりも良好な自己律速型酸化挙動を実現する。より具体的には、図5に示される湿式ALEプロセスは、比較的大きい反応物分子を有する酸化剤220を使用することができる。以下でより詳細に記載されるように、大きい反応物分子を有する酸化剤220を使用することにより、表面改質工程200中にモリブデン表面の酸化速度を低下させることによって、自己律速型挙動を改善する。
【】
いくつかの実施形態では、図2に示される湿式ALEプロセスで使用される過酸化物酸化剤の代わりに、図5に示される湿式ALEプロセスでは、表面改質溶液215における非過酸化物酸化剤を使用することができる。非過酸化物酸化剤は、過酸化水素(H2O2)を含む、の過酸化物酸化剤の多くのものよりも実質的に大きい反応物分子を有する。いくつかの実施形態では、「より大きい」反応物分子と「より小さい」反応物分子との間の相対的な差は、非過酸化物酸化剤における反応物分子の分子サイズを過酸化水素における反応物分子の分子サイズと比較することによって定量化され得る。例えば、過酸化水素(H2O2)における水酸化物ラジカル(hydroxide radica)は、およそ1.0オングストローム(Å)の結合長及びおよそ1.5オングストローム(Å)のラジカル長を有する。比較すると、図5で使用された非過酸化物酸化剤における酸化ラジカル(又は反応物分子)は、水酸化物ラジカルのラジカル長よりも実質的に長いラジカル長を有し得る。例えば、非過酸化物酸化剤における酸化ラジカルは、いくつかの実施形態では、2オングストローム(Å)を実質的に超えるラジカル長、又は水酸化物ラジカルのサイズの少なくとも2倍のラジカル長を有し得る。
【】
上述したように、過硫酸アンモニウム(APS)及び塩化第二鉄(FeCl3)は、図5に示される実施形態では酸化剤220として使用することができる非過酸化物酸化剤の例である。APSにおける反応物分子は、硫酸ラジカル(SO4・-)であり、結合長は、1.5オングストローム(Å)であり、ラジカル長はおよそ3.6オングストローム(Å)である。過酸化水素における水酸化物ラジカルと比較して、APSにおける硫酸ラジカルは、水酸化物ラジカルのおおむね2.4%大きい。塩化第二鉄(FeCl3)が酸化剤220として使用される場合、非過酸化物酸化剤における反応物分子は、2.3オングストローム(Å)の結合長を有し、従って、水酸化物ラジカルよりも更に長いラジカル長を有する。
【】
非過酸化物酸化剤(APS及びFeCl3など)に加えて、実質的により大きい反応物モジュール(例えば、反応物分子は、実質的に2Åを超える分子サイズ、又はラジカル長を有する)を有する他の酸化剤も又、図5に示される表面改質溶液215において使用され得る。例えば、対称有機過酸化物(ジ-tert-ブチルペルオキシド(C8H18O2)など)及び非対称有機過酸化物(tert-ブチルペルオキシベンゾエート(C11H14O3)など)を使用して、立体障害を利用することにより、より良好な自己律速型酸化挙動を実現することができる。
【】
図5に示される表面改質工程200が実行されて、下にあるモリブデン層205に酸化モリブデン不動態化層225(例えば、MoO3又はMoOyCl(x-2y)不動態化層)を形成した後、第1のパージ工程240が実行されて、表面改質溶液215及び過剰な反応物を基板の表面から除去する。いくつかの実施形態では、第1のパージ溶液245は、表面改質溶液215で使用されるものと同じ溶媒(例えば、メタノール、IPA、又はアセトン)を使用することができる。しかしながら、以下でより詳細に説明されるように、他の溶媒も利用され得る。上述したように、第1のパージ工程240は、基板表面から全ての過剰の反応物を完全に除去するのに十分な長さであり得る。
【】
基板がリンスされた後、溶解工程250が実行されて、表面改質工程200中に形成された酸化モリブデン不動態化層225を選択的に除去する。溶解工程250では、基板を溶解溶液255に曝露して、酸化モリブデン不動態化層225の下にある未改質のモリブデン層205又はモリブデン層205を取り囲む誘電材料210を除去することなく、酸化モリブデン不動態化層225を選択的に除去又は溶解する。溶解溶液255は、水性又は非水性溶媒に溶解された反応剤を含む。いくつかの実施形態では、表面改質溶液215が過硫酸アンモニウム(APS)を含む場合、溶解溶液255は、脱イオン水(DIH2O)における塩酸(HCl)又はアセトンにおけるα-ベンゾインオキシムを含み得る。他の実施形態では、表面改質溶液215が塩化第二鉄(FeCl3)を含む場合、溶解溶液255は、メタノール又は水を含み得る。以下でより詳細に説明されるように、他の反応剤及び溶媒も利用され得る。
【】
酸化モリブデン不動態化層225が溶解溶液255中に溶解された後、図5に示される湿式ALEエッチングサイクルは、第2のパージ工程260を実行して基板の表面から溶解溶液255を除去することによって完了することができる。第2のパージ工程260では、基板は第2のパージ溶液265でリンスされ、第2のパージ溶液265は第1のパージ溶液245と同じであり得る又は異なり得る。いくつかの実施形態では、第2のパージ溶液265は、表面改質溶液215中で使用されるのと同じ溶媒(例えば、メタノール、IPA、又はアセトン)を使用することができる。しかしながら、以下でより詳細に説明されるように、他の溶媒も利用され得る。第2のパージ工程260は一般に、溶解溶液255、及び/又は溶解溶液255中に含まれる反応物及び可溶性種が、基板表面から完全に除去されるまで継続し得る。
【】
不動態化層の形成は、図5に示される湿式ALEプロセスにおいて、より大きいサイズの酸化剤(例えば、APS、FeCl3、及び有機過酸化物)の立体障害を使用して、より小さい反応物分子(例えば、過酸化水素及び他の過酸化物など)を有する酸化剤で起こる連続エッチングプロセスを防止することによって達成される。より大きい反応物分子(例えば、実質的に2Åを超える分子サイズ、又はラジカル長を有する反応物分子)は、より小さい反応物分子(例えば、2Å未満の分子サイズ、又はラジカル長を有する反応物分子)よりも小さい拡散係数を有する。これは、より遅い表面下の酸化速度をもたらすであろうが、不動態化層の形成中のより遅い望ましくない連続溶解速度ももたらすであろう。従って、過酸化水素(より小さい反応物分子)から過硫酸アンモニウム(より大きい反応物分子)に切り替えることにより、図5に示される湿式ALEプロセスは、表面改質工程200中にモリブデン表面の酸化速度を低下させることによって、酸化モリブデン不動態化層225の自己律速型挙動を改善する。過硫酸アンモニウムは自己律速型挙動を改善するが、他の非過酸化物酸化剤を使用して、自己律速型酸化挙動を確実にし得る。例えば、IPA又はアセトンに溶解された塩化第二鉄を酸化剤220として使用することにより、厳密に自己律速型であり、表面改質溶液215に使用される非水性溶媒(IPA又はアセトン)に不溶性である、塩化モリブデン(例えば、MoClx)又はオキシ塩化モリブデン(例えば、MoOyCl(x-2y))不動態化層を形成することによって、自己律速型酸化挙動を確実にする。
【】
図5に示される表面改質溶液及び溶解溶液中で多種多様なエッチング化学物質が使用され得る。いくつかの実施形態では、表面改質溶液215は、(a)比較的大きい反応物分子を有する非過酸化物酸化剤又は過酸化物酸化剤と、(b)非水性有機溶媒とを含み得る。図5に示される表面改質溶液215に使用できる非過酸化物酸化剤の例としては、これらに限定されないが、過硫酸アンモニウム(APS)、塩化第二鉄(FeCl3)、四酸化オスミウム、四酸化ルテニウム、ルテニウム酸塩、マンガン酸塩、過マンガン酸塩、過ヨウ素酸塩(及び他のハロゲン化物オキシアニオン)、及び金属硝酸塩(例えば、硝酸セリウムアンモニウムなど)が挙げられる。大きい反応物分子を有する過酸化物酸化剤の例としては、ジ-tert-ブチルペルオキシド(C8H18O2)及びtert-ブチルペルオキシベンゾエート(C11H14O3)などの有機過酸化物が挙げられる。水性有機溶媒の例としては、メタノール(CH3OH)、ジエチルエーテル((C2H5)2O)、アセトニトリル(C2H3N)、ジメチルスルホキシド(C2H6OS)、イソプロピルアルコール(IPA)、別のアルコール、ケトン又はアセテートが挙げられる。他の酸化剤及び非水性有機溶媒も又、表面改質溶液215中で使用され得る。
【】
図2に示される湿式ALEプロセスと同様に、図5に示される湿式ALEプロセスで使用される溶解溶液255は、酸性水溶液(例えば、HCl、硝酸又は硫酸を含む)、塩基性水溶液(例えば、NH4OH、TMAH、KOH、又はCa(OH)2を含む)、又は非水性配位子溶液(例えば、アセトン、DMSO、MEK又は他のケトンにおけるアルファ-ベンゾインオキシムを含む)であり得る。溶解溶液255の選択は、一般に、表面改質溶液215で使用される特定の酸化剤に依存し得る。いくつかの実施形態では、例えば、溶解溶液255は、過硫酸アンモニウム(APS)が非過酸化物酸化剤として使用される場合、塩酸(HCl)水溶液、又はアセトンに溶解されたα-ベンゾインオキシムを含み得る。他の実施形態では、塩化第二鉄(FeCl3)が非過酸化物酸化剤として使用される場合、溶解溶液255は、メタノール又は脱イオン水を含み得る。酸化モリブデン不動態化層225を選択的に溶解するために、溶解溶液255において他の反応剤も使用され得る。
【】
片面に様々な厚さの化学蒸着(CVD)モリブデンを蒸着させた300mmのシリコンウェハーから切り取られたクーポンに対してエッチング実験を行い、過硫酸アンモニウム(APS)が酸化剤220として使用される場合の図5に示される湿式ALEプロセスを調査した。モリブデンをエッチングするために使用されるエッチングレシピは、複数の湿式ALEサイクルを含み、各サイクルは、様々な表面改質溶液(例えば、様々な濃度のAPS及びH2O2を含む)における浸漬、それに続くメタノールリンス、5M HCl水溶液における10秒間の浸漬、並びにメタノールリンス及びブロー乾燥を含む。湿式ALEプロセスを異なるプロセス条件下でいくつかのALEサイクルに渡って繰り返し、より大きい(APS)及びより小さい(H2O2)反応物分子によって生成されたエッチング速度、及びAPSが酸化時間及びサイクル数の関数としてのエッチング速度に及ぼす影響を調査した。
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図6Aに示されるグラフ600は、図5に示される湿式ALEプロセスにおいて、様々な表面改質溶液を使用してモリブデン表面を酸化する場合に、酸化時間(分、minで表される)の関数として実現される例示的なエッチング量(nmで表される)を表す。グラフ600に示される結果を得るために、3回の別個の湿式ALEプロセスにおいて、シリコンウェハーの表面を、可変長の時間(例えば、0~15分)に渡ってメタノールにおける0.5%のAPS、DIWにおける0.5%のAPS、及びメタノール溶液における0.5%のH2O2に曝露して、モリブデン表面を酸化し、酸化モリブデン不動態化層を形成した。グラフ600は、メタノール溶液における0.5%のH2O2がモリブデン表面の連続エッチングを生成する一方で、酸化剤としてAPSを使用すると、H2O2と比較してエッチング量が大幅に減少することを示している。グラフ600は、メタノール(非水性溶液)における0.5%のAPSが、DIW(水溶液)における0.5%のAPSよりも遅いエッチングプロセスを提供することを更に示している。
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図6Bに示されるグラフ610は、図5に示される湿式ALEプロセスにおいて、様々な濃度のAPS(例えば、0.2%のAPS及び1%のAPS)を使用してモリブデン表面を酸化する場合に、酸化時間(秒、sで表される)の関数として実現される例示的なエッチング量(nmで表される)を表す。グラフ610は、0.2%のAPS酸化後のALEウィンドウ(例えば、およそ10秒)が、1%のAPS酸化後のALEウィンドウ(例えば、およそ5秒)よりも大きいことを示している。APS濃度が高いほど(1%のAPS)モリブデン表面はより速く飽和し、結果として、APS濃度がより低い場合(0.2%のAPS)よりもALEウィンドウが小さくなる。ALEウィンドウを越える連続エッチングプロセスは、複数の酸化工程が可能であることを示唆している。
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図6Cに示されるグラフ620は、図5に示される湿式ALEプロセスにおいて、様々な濃度のAPS(例えば、0.2%のAPS及び1%のAPS)を使用してモリブデン表面を酸化する場合に、ALEサイクル数の関数として実現される例示的なエッチング量(nmで表される)を表す。グラフ620は、エッチング量がALEサイクル数と共に線形的に変動し、ALEウィンドウ内のAPS濃度とは独立していることを示している。
【】
図7は、図5に示される湿式ALEプロセスで使用される様々なエッチング条件において、蒸着されたままのモリブデン(700)及びエッチング後のモリブデン(710、720)を表すSEM画像を提供する。図7には、エッチング後のSEM画像が2セット例示されている。エッチング後のSEM画像710の第1のセットでは、表面改質溶液としてメタノールにおける0.2%のAPSを使用してクーポンをエッチングした。このエッチング溶液により、145サイクル後におよそ13.1nmのエッチングが行われた。エッチング後のSEM画像720の第2のセットは、表面改質溶液としてメタノールにおける1%のAPSを使用してエッチングされたクーポンを示している。このクーポンは、145サイクル後におよそ16.7nmエッチングされた。エッチング後のSEM画像710及び720は、両方の酸化性溶液においてエッチング後の表面粗さが増加する一方で、メタノール溶液における1%のAPSは、メタノール溶液における0.2%のAPS(RMS粗さおよそ1.12nm)よりも粗いエッチング後の表面(RMS粗さおよそ2.62nm)を生成することを示している。0.2%のAPSメタノール溶液で生成されるより低いRMS粗さは、クーポンの連続モリブデンエッチングを防止することに起因し得る。
【】
片面に様々な厚さの化学蒸着(CVD)モリブデンを蒸着させた300mmのシリコンウェハーから切り取られたクーポンに対して更なるエッチング実験を行い、酸化剤220として塩化鉄(FeCl3)を使用した場合の図5に示される湿式ALEプロセスを調査した。モリブデンをエッチングするために使用されるエッチングレシピは、複数の湿式ALEサイクルを含み、各サイクルは、様々な表面改質溶液(例えば、脱イオン水、メタノール、IPA、及びアセトンにおける様々な濃度のFeCl3を含む)における浸漬、それに続くIPAリンス、脱イオン水における浸漬、並びにIPAリンス及びブロー乾燥を含む。湿式ALEプロセスを異なるプロセス条件下でいくつかのALEサイクルに渡って繰り返して、塩化第二鉄が様々な溶媒に溶解されたときに生成されるエッチング速度、並びに塩化第二鉄が酸化時間及び溶解時間の関数としてのエッチング速度に及ぼす影響を調査した。
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図8Aに示されるグラフ800は、図5に示される湿式ALEプロセスにおいて、様々な溶媒(例えば、DIW、メタノール、IPA、及びアセトン)に溶解された塩化第二鉄(FeCl3)を使用してモリブデン表面を酸化した場合に、酸化時間(分、minで表される)の関数として実現される例示的なエッチング量(nmで表される)を表す。グラフ800は、IPAに溶解されたFeCl3又はアセトンに溶解されたFeCl3を酸化剤220として使用した場合に、モリブデン表面の酸化が自己律速型であることを示している。
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図8Bに示されるグラフ810は、図5に示される湿式ALEプロセスにおいて、IPAに溶解された50mMのFeCl3を含む表面改質溶液を使用してモリブデン表面を酸化し、脱イオン水(DIW)を含む溶解溶液を使用して酸化されたモリブデン表面をエッチングした場合に、酸化時間(秒、sで表される)の関数として実現される例示的なエッチング量(nmで表される)を表す。グラフ810では、およそ0.2nm/サイクルのモリブデンエッチング速度が、10~20秒の範囲の酸化時間で実現され、モリブデン表面を酸化して酸化モリブデン不動態化層225(例えば、MoOyCl(x-2y))を形成することが、これらの酸化時間中に自己律速型であることを示している。
【】
図8Cに示されるグラフ820は、図5に示される湿式ALEプロセスにおいて、IPAに溶解された50mMのFeCl3を含む表面改質溶液を使用してモリブデン表面を酸化し、脱イオン水(DIW)を含む溶解溶液を使用して酸化されたモリブデン表面をエッチングした場合に、溶解時間(秒、sで表される)の関数として実現される例示的なエッチング量(nmで表される)を表す。グラフ820では、およそ0.2nm/サイクルのモリブデンエッチング速度が、5~20秒の範囲の溶解時間で実現され、酸化モリブデン不動態化層225(例えば、MoOyCl(x-2y))の溶解が又、これらの溶解時間中に自己律速型であることを示している。
【】
図9は、図5に示される湿式ALEプロセスで使用される様々なエッチング条件において、蒸着されたままのモリブデン(900)及びエッチング後のモリブデン(910、920)を表すSEM画像を提供する。エッチング後のSEM画像910及び920では、表面改質工程でIPA溶液における50mMのFeCl3を使用してクーポンをエッチングした。このエッチング溶液は、25サイクル後におよそ4.7nmのエッチング(画像910)をもたらし、50サイクル後におよそ10.5nmのエッチング(画像920)をもたらした。エッチング後のSEM画像910及び920は、エッチング量と共にエッチング後の表面粗さが増加することを示している。4pp厚さ測定値とSEM測定値との間のばらつきは、表面の孔食を示す。
【】
図5に示される湿式ALEプロセスは、モリブデンをエッチングするための新しい湿式エッチング化学物質及び技術を提供する。図5に示される湿式ALEプロセスでは、表面の粗さを犠牲にしながらも、表面改質工程200における自己律速型酸化挙動を改善するために、より大きい反応物分子を有する非過酸化物酸化剤が使用される。いくつかの実施形態では、酸化挙動は、追加の又は代替の酸化技術を利用することによって、例えば、表面改質工程200で非過酸化物酸化剤に配位子を添加して配位子支援酸化を提供することによって更に改善され得る。
【】
配位子支援酸化
図10は、本開示の第3の実施形態に従ってモリブデンをエッチングするために使用できる湿式ALEプロセスの更に別の例を例示する。図2及び図5に示される前述の実施形態と同様に、図10に示される湿式ALEプロセスは、1つ以上のALEサイクルからなる循環的なプロセスであり、各ALEサイクルは、表面改質工程200と、第1のパージ工程240と、溶解工程250と、第2のパージ工程260と、を含む。
【】
前述の実施形態と同様に、表面改質工程200中に基板の表面を表面改質溶液215に曝露して、モリブデン層205の表面を酸化し、酸化モリブデン不動態化層225を形成する。前述の実施形態とは異なり、図10に示される表面改質溶液215は、非水性溶媒に溶解された酸化剤220と、配位子種224とを含む。酸化剤220は、モリブデン層205の表面と反応して、モリブデン層205を酸化し、酸化モリブデン不動態化層225を形成する。配位子種224は、酸化モリブデン不動態化層225と反応し結合して、酸化モリブデン不動態化層225の表面化学を変化させ、そうすることにより、酸化モリブデン不動態化層225が自己律速型であることを確実にする。
【】
図10に示される酸化剤220は、の過酸化物酸化剤及び非過酸化物酸化剤のいずれかを含み得る。一実施形態では、図10において使用される酸化剤220は、過硫酸アンモニウム(APS)であり得、配位子種224は、カルボン酸(シュウ酸など)であり得、非水性溶媒は、有機溶媒(メタノールなど)であり得る。メタノールに溶解されたAPSは、モリブデン層205の表面を酸化して、酸化モリブデン不動態化層225(例えば、三酸化モリブデン、MoO3など)を形成する。シュウ酸は、モリブデン表面と反応し結合し、表面生成物を変化させ、酸化プロセスを厳密に自己律速型にする。APS、シュウ酸、及びメタノールは、例として本明細書で提供されるが、以下でより詳細に記載されるように、他の酸化剤、配位子種、及び非水性溶媒も利用され得る。
【】
図10に示される第3の実施形態では、湿式ALEプロセスは、配位子支援酸化を使用して、自己律速型酸化挙動を確実にする。図10に示される湿式ALEプロセスでは、酸化モリブデン不動態化層225の表面化学を変化させるために、配位子種224(例えば、シュウ酸など)が表面改質溶液215に添加される。酸化モリブデン不動態化層225の表面化学を変化させることにより、表面種(例えば、シュウ酸オキシモリブデン)を形成することによって、自己律速型酸化挙動を確実にし、表面種は、表面改質溶液215中に含まれる非水性溶媒(例えば、メタノール)には不溶性であるが、溶解溶液255中に含まれる水性溶媒又は非水性溶媒には可溶性である。
【】
図10に示される表面改質工程200が実行されて、酸化モリブデン不動態化層225を形成した後、第1のパージ工程240が実行されて、表面改質溶液215及び過剰な反応物を基板の表面から除去する。いくつかの実施形態では、第1のパージ溶液245は、表面改質溶液215で使用されるのと同じ溶媒(例えば、メタノール)を使用することができる。しかしながら、以下でより詳細に説明されるように、他の溶媒も利用され得る。上述したように、第1のパージ工程240は、基板表面から全ての過剰な反応物を完全に除去するのに十分な長さであり得る。
【】
基板がリンスされた後、溶解工程250を実行して、表面改質工程200中に形成された酸化モリブデン不動態化層225を選択的に除去する。溶解工程250では、基板を溶解溶液255に曝露して、酸化モリブデン不動態化層225の下にある未改質のモリブデン層205又はモリブデン層205を取り囲む誘電材料210を除去することなく、酸化モリブデン不動態化層225を選択的に除去又は溶解する。溶解溶液255は、水性又は非水性溶媒に溶解された反応剤を含む。いくつかの実施形態では、図10に示される溶解工程250で使用される溶解溶液255は、脱イオン水(DIH2O)における塩酸(HCl)を含み得る。以下でより詳細に説明されるように、他の反応剤及び溶媒も利用され得る。
【】
酸化モリブデン不動態化層225が溶解溶液255中で溶解された後、図10に示される湿式ALEエッチングサイクルは、第2のパージ工程260を実行して基板の表面から溶解溶液255を除去することによって完了することができる。第2のパージ工程260では、基板は第2のパージ溶液265でリンスされ、第2のパージ溶液265は第1のパージ溶液245と同じであり得る又は異なり得る。いくつかの実施形態では、第2のパージ溶液265は、表面改質溶液215中で使用されるのと同じ溶媒(例えば、メタノール)を使用することができる。しかしながら、以下でより詳細に説明されるように、他の溶媒も利用され得る。第2のパージ工程260は一般に、溶解溶液255、及び/又は溶解溶液255中に含まれる反応物及び可溶性種が、基板表面から完全に除去されるまで継続し得る。
【】
不動態化層の形成は、配位子支援酸化を使用して反応生成物を制御し、表面改質溶液215に可溶性の酸化生成物を形成することを回避することによって、図10に示される湿式ALEプロセスにおいて達成される。酸化剤220に添加された配位子種224は、酸化モリブデン不動態化層225の表面化学を変化させることにより、モリブデン表面の連続エッチングを防止し、こうして、酸化モリブデン不動態化層225を表面改質溶液215に不溶性にすることにより自己律速型酸化挙動を確実にする。次いで、酸化モリブデン不動態化層225が溶解溶液255中で選択的に除去される。これにより、エッチング量に伴う表面の粗さの進行が防止され、結果として、ウェハー内及びウェハー間のエッチング均一性が良好に制御される。酸化/表面改質工程200で配位子結合を使用することにより、優先的な粒界エッチングも防止され、結果として、エッチング後の形態がより良好になる。
【】
図10に示される表面改質溶液及び溶解溶液中で、多種多様なエッチング化学物質を使用できる。いくつかの実施形態では、表面改質溶液215は、以下を含み得る:(a)過酸化物酸化剤、例えば、過酸化水素(H2O2)、ジ-tert-ブチルペルオキシド(C8H18O2)、tert-ブチルペルオキシベンゾエート(C11H14O3)、tert-ブチルヒドロペルオキシド(C4H10O2)、又はペルオキシ酢酸(C2H4O3)、又は非過酸化物酸化剤、例えば、過硫酸アンモニウム(APS)、塩化第二鉄(Cl3)、四酸化オスミウム及び四酸化ルテニウム、ルテニウム酸塩、マンガン酸塩、過マンガン酸塩、過ヨウ素酸塩(及び他のハロゲン化物オキシアニオン)、及び金属硝酸塩(例えば、硝酸セリウムアンモニウムなど)、(b)配位子種、例えば、シュウ酸、酢酸、アスコルビン酸、マンデル酸、リンゴ酸、マレイン酸又はフマル酸、及び(c)非水性有機溶媒、例えば、メタノール(CH3OH)、ジエチルエーテル((C2H5)2O)、アセトニトリル(C2H3N)、ジメチルスルホキシド(C2H6OS)、イソプロピルアルコール(IPA)、別のアルコール、ケトン又はアセテート。他の酸化剤、配位子種及び非水性有機溶媒も又、表面改質溶液215中で使用され得る。前述の実施形態と同様に、図10に示される溶解溶液255は、酸性水溶液(例えば、HCl、硝酸又は硫酸を含む)、塩基性水溶液(例えば、NH4OH、TMAH、KOH、又はCa(OH)2を含む)、又は非水性配位子溶液(例えば、アセトン、DMSO、MEK又は他のケトンにおけるアルファ-ベンゾインオキシムを含む)であり得る。一例示的実施形態では、溶解溶液255は、塩酸(HCl)を含む水性溶解溶液であり得る。溶解溶液255には、他の反応剤も使用され得る。
【】
片面に様々な厚さの化学蒸着(CVD)モリブデンを蒸着させた300mmのシリコンウェハーから切り取られたクーポンに対してエッチング実験を行い、図10に示される湿式ALEプロセスを調査した。モリブデンをエッチングするために使用されるエッチングレシピは、複数の湿式ALEサイクルを含み、各サイクルは、様々な表面改質溶液(例えば、脱イオン水におけるAPS、メタノールにおけるAPS、並びにメタノールにおけるAPS及びシュウ酸を含む)における浸漬、それに続くメタノールリンス、5M HCl水溶液における10秒間の浸漬、並びにメタノールリンス及びブロー乾燥を含む。湿式ALEプロセスを異なるプロセス条件下でいくつかのALEサイクルに渡って繰り返して、配位子支援酸化が有る場合及び無い場合の、生成されたエッチング速度、及び酸化時間の関数としてのエッチング速度に及ぼす配位子の添加の影響を調査した。
【】
図11Aに示されるグラフ1100は、図10に示される湿式ALEプロセスにおいて、モリブデン表面を酸化するために配位子支援酸化が有る場合及び無い場合の、様々な表面改質溶液を使用した場合に、酸化時間(分、minで表される)の関数として実現される例示的なエッチング量(nmで表される)を表す。グラフ1100に示される結果を得るために、3つの別個の湿式ALEプロセスにおいて、シリコンウェハーの表面を、可変長の時間(例えば、0~15分)に渡ってDIWにおける0.2%のAPS、メタノールにおける0.2%のAPS、並びにメタノール溶液における0.2%のAPS及び50mMのシュウ酸に曝露して、モリブデン表面を酸化し、酸化モリブデン不動態化層を形成した。グラフ1100は、メタノール溶液における0.2%のAPS及び50mMのシュウ酸によるモリブデン表面の酸化が自己律速型であることを示している。
【】
図11Bに示されるグラフ1110は、図10に示される湿式ALEプロセスにおいて、0.2%のAPS-メタノール溶液、並びにメタノール溶液における0.2%のAPS及び50mMのシュウ酸を使用してモリブデン表面を酸化した場合に、酸化時間(秒、sで表される)の関数として実現される例示的なエッチング量(nmで表される)を表す。グラフ1110に示される結果を得るために、2つの別個の湿式ALEプロセスにおいて、シリコンウェハーの表面を、メタノールにおける0.2%のAPS、並びにメタノール溶液における0.2%のAPS及び50mMのシュウ酸に最大1分間曝露した。グラフ1110は、0.2%のAPS及び50mMのシュウ酸溶液を使用した配位子支援酸化後のALEウィンドウ(例えば、およそ35秒)が、モリブデン表面を酸化するためにメタノールにおける0.2%のAPSを単独で使用した場合に生成されるALEウィンドウ(例えば、およそ10秒)よりも大きいことを示している。従って、グラフ1110は、配位子(例えば、シュウ酸)を0.2%のAPS-メタノール溶液に添加すると、ALEウィンドウが大幅に(3倍超)拡大することを示している。
【】
図11Cに示されるグラフ1120は、図10に示される湿式ALEプロセスを使用した場合に、配位子濃度(ミリモル、mMで表される)及び溶解温度の関数として実現される例示的なエッチング量(nmで表される)を表す。グラフ1120に示されるように、5mMのシュウ酸のみを0.2%のAPS-メタノール溶液に添加した後、より低いエッチング速度(例えば、0.07nm/サイクル対0.1nm/サイクル)が生成される。グラフ1120に示されるより低いエッチング速度は、酸化モリブデン不動態化層の表面化学の変化を示している。エッチング速度は、最大約100mMのシュウ酸の配位子濃度とは独立しており、それを超えるとエッチング速度は低下した後、再びシュウ酸濃度とは独立したままである。エッチング速度の低下は、生成物の化学量論の変化に起因し得る。いくつかの実施形態では、エッチング速度は、酸化モリブデン不動態化層を高温で溶解させることによって増加させることができる。例えば、グラフ1120は、溶解工程で約40℃の溶解温度が利用される場合、エッチング速度が約0.12nm/サイクルに増加することを示す。
【】
図12は、図10に示される湿式ALEプロセスで使用される様々なエッチング条件において、蒸着されたままのモリブデン(1200)及びエッチング後のモリブデン(1210、1220、1230)を表すSEM画像を提供する。エッチング後のSEM画像1210、1220、及び1230では、表面改質溶液としてメタノール溶液における0.2%のAPS及び500mMのシュウ酸を使用してクーポンをエッチングし、その後40℃で5M HClに溶解してALEサイクル数を変動させた。このエッチング溶液は、50サイクル後におよそ4.4nm(画像1210)、70サイクル後におよそ6.3nm(画像1220)及び45サイクル後におよそ4.2nm(画像1230)のエッチングをもたらした。エッチング後のSEM画像1210、1220、及び1230は、モリブデン膜のエッチング後の表面が、他の酸化性溶液と比較して改善されており、基準のクーポン(画像1200)より改善されているか、又は基準のクーポン(画像1200)とおおむね同じであることを示している。改善されたエッチング後の表面の平滑性は、配位子の添加に起因し、これは、酸化モリブデン不動態化層の表面化学を変化させ、モリブデンが表面から引き離されることを防止する。
【】
図10に示される湿式ALEプロセスは、モリブデンをエッチングするための新しい湿式エッチング化学物質及び技術を提供する。図10に示される湿式ALEプロセスでは、配位子支援酸化は、酸化モリブデン不動態化層の表面化学を変化させ、表面改質工程における自己律速型酸化挙動を確実にするために使用される。0.2%のAPS-メタノール溶液と比較して、表面改質溶液に配位子種(例えば、シュウ酸)を添加することにより、酸化剤(APS)による優先的な粒界攻撃が最小限に抑えられ、ALEウィンドウが大幅に拡大し、エッチング後の表面の平滑性が維持される。多種多様な配位子種を表面改質溶液に添加して、の結果を実現することができる。シュウ酸が一例として提供されているが、他の適切な配位子種としては、これらに限定されないが、酢酸、アスコルビン酸、マンデル酸、リンゴ酸、マレイン酸及びフマル酸などのカルボン酸が挙げられる。
【】
図13は、湿式原子層エッチング(ALE)プロセスを使用して基板をエッチングするために使用され得る方法1300の別の実施形態を例示する。より具体的には、図13は、配位子支援酸化を利用してモリブデン表面を酸化する、湿式ALEプロセスを使用して、その上にモリブデン(Mo)層が形成された基板をエッチングするために使用できる方法1300を例示する。図13の単なる例示であり、更なる方法が、本明細書に記載される湿式ALE技術を利用し得ることが認識されるであろう。更に、記載された工程は排他的であることを意図していないので、図13に示される方法に、追加の処理工程を追加することができる。更に、工程の順序は、異なる順序が生じる場合があり、及び/又は様々な工程が組み合わされて又は同時に実施されてもよいので、図に示される順序には限定されない。
【】
図13に示される方法1300は、基板を受け取ることによって開始し、基板は、その上にモリブデン(Mo)層が形成され、モリブデン表面は、基板の表面上で曝露される(工程1310で)。次いで、工程1320で、方法1300は、湿式ALEプロセスを複数サイクル実行することによってモリブデン層を選択的にエッチングする工程を含み、各サイクルは、(a)モリブデン表面を、非水性溶媒中に酸化剤及び配位子種を含む第1のエッチング溶液に曝露して、自己律速型で非水性溶媒に不溶性である化学改質されたMo表面層を形成する工程と、(b)第1のパージ溶液で基板をリンスして、基板の表面から第1のエッチング溶液を除去する工程と、(c)化学改質されたMo表面層を第2のエッチング溶液に曝露して、化学改質されたMo表面層を溶解する工程と、(d)基板を第2のパージ溶液でリンスして、基板の表面から第2のエッチング溶液を除去する工程と、を含む。
【】
方法1300では、第1のエッチング溶液中に含まれる酸化剤は、モリブデン表面と反応して、モリブデン表面を酸化し、化学改質されたMo表面層を形成する。第1のエッチング溶液中に含まれる配位子種は、化学改質されたMo表面層と反応し結合して、化学改質されたMo表面層の表面化学を変化させる。表面化学を変化させることにより、化学改質されたMo表面層が自己律速型であり非水性溶媒に不溶性であることが確実になる。図10を参照して上述したように、多種多様な酸化剤、配位子種、及び非水性溶媒が、第1のエッチング溶液において利用され得る。
【】
一例示的実施形態では、第1のエッチング溶液は、APS(酸化剤として)と、シュウ酸(配位子種として)と、メタノール(非水性溶媒として)とを含み得る。しかしながら、モリブデン表面の配位子支援酸化を提供するために、他の酸化剤、配位子種、及び非水性溶媒も、第1のエッチング溶液中で使用され得、これにより、化学改質されたMo表面層が非水性溶媒に不溶性になり、自己律速型酸化挙動が確実になる。第1のエッチング溶液で使用される非水性溶媒には不溶性であるが、化学改質されたMo表面層は、第2のエッチング溶液中で可溶性である。一例示的実施形態では、第2のエッチング溶液は、水性溶媒に溶解された反応剤(酸又は塩基など)を含み得る。例えば、第2のエッチング溶液は、塩酸(HCl)、硝酸又は硫酸を含む酸性水溶液、或いは水酸化アンモニウム(NH4OH)、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)、水酸化カリウム(KOH)、又は水酸化カルシウム(Ca(OH)2)を含む塩基性水溶液であり得る。別の例示的実施形態では、第2のエッチング溶液は、例えば、アセトン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、メチルエチルケトン(MEK)、及び他のケトンにおけるアルファ-ベンゾインオキシムを含む非水性配位子溶液であり得る。
【】
モリブデンをエッチングするための、で説明され、図1、5、及び10に示された湿式ALEプロセスは、様々な技術を使用して達成できる。例えば、で開示されたモリブデン湿式ALEプロセスは、モリブデン試料を各エッチング溶液のビーカーにて浸漬することによって実行され得る。この場合、パージは、試料をリンスするか又は適切な溶媒浴にて浸漬することによって達成され得る。モリブデン湿式ALEプロセスは、スピナにおいても達成され得る。例えば、モリブデン試料は、試料の上に配置されたノズルからエッチング溶液が分配される間、回転され得る。試料の回転運動により、溶液が表面に渡って分配される。設定された曝露時間後、ノズルは、エッチングレシピで次の溶液の分配を開始する。このプロセスは、エッチングサイクル全体を通して継続され、所望の量の金属を除去するために必要なだけサイクルが繰り返される。大量生産の場合、湿式エッチングツール及びリンスツールなどの従来のツールを使用して、エッチング溶液及びリンス液の分配を実行し得る。
【】
本明細書では、遷移金属をエッチングするための、より具体的には、で説明され、図1、図5、及び図10に示される湿式ALEプロセスを使用してモリブデンをエッチングするための例示的なプロセス条件(例えば、エッチング化学作用、温度、処理時間など)が提供される。しかしながら、本明細書に開示される湿式ALEプロセスは、本明細書に記載される例示的なプロセス条件に厳密に限定されず、エッチングされる材料に応じて多種多様なプロセス条件を使用して実行され得ることが当業者には認識されよう。
【】
図14は、本明細書に開示される湿式ALEプロセスを使用して基板1430の表面におけるモリブデン表面などの遷移金属表面をエッチングすることができる処理システム1400の一実施形態を例示する。図14に示されるように、処理システム1400は、プロセスチャンバ1410を含み、プロセスチャンバ1410は、いくつかの実施形態では圧力制御チャンバであり得る。図14に示される実施形態では、プロセスチャンバ1410は、スピナ1420(又はスピンチャック)を有するスピンチャンバであり、スピナ1420(又はスピンチャック)は、一定の回転速度でスピン又は回転するように構成されている。基板1430が、例えば静電気力又は真空圧によってスピナ1420上に保持される。一例では、基板1430は、基板1430上又は基板1430内に形成されたモリブデンなどの遷移金属を有する半導体ウェハーであり得る。
【】
図14に示される処理システム1400は、液体ノズル1440を更に含み、液体ノズル1440は、基板1430の表面上に各種エッチング溶液1442を分配するために、基板1430の上方に配置される。基板1430の表面に分配されるエッチング溶液1442には、一般に、モリブデン表面を化学改質し、改質された表面層(例えば、酸化モリブデン、塩化モリブデン、又はオキシ塩化モリブデン不動態化層)を形成する表面改質溶液と、モリブデン表面から改質された表面層を選択的に除去する溶解溶液とが含まれ得る。表面改質溶液と溶解溶液とを分離するために、パージ溶液を表面改質工程と溶解工程との間で基板1430の表面に分配することもできる。表面改質、溶解及びパージ溶液の例は、上で論じされている。
【】
図14に示されるように、エッチング溶液1442は、様々なエッチング溶液1442を保持するための1つ以上のリザーバと、液体供給ライン1444を介してプロセスチャンバ1410に流体的に結合される化学物質注入マニホールドとを含み得る化学物質供給システム1446内に貯蔵され得る。操作において、化学物質供給システム1446は、プロセスチャンバ1410内に配置された液体供給ライン1444及び液体ノズル1440を介して、所望の化学物質をプロセスチャンバ1410に選択的に適用することができる。従って、化学物質供給システム1446を使用して、基板1430の表面にエッチング溶液1442を分配することができる。プロセスチャンバ1410は、プロセスチャンバ1410からエッチング溶液1442を除去するためのドレイン1450を更に含み得る。
【】
処理システム1400の構成要素は、コントローラ1460に結合できる及びコントローラ1460により制御でき、コントローラ1460は、次いで、対応するメモリストレージユニット及びユーザインターフェース(図示せず)に結合できる。様々な処理動作がユーザインターフェースを介して実行でき、様々な処理レシピ及び動作がメモリストレージユニット内に保存できる。従って、所与の基板1430が、特定のレシピに従ってプロセスチャンバ1410内で処理され得る。いくつかの実施形態では、モリブデンをエッチングするために本明細書に記載された湿式ALE技術を利用するエッチングレシピに従って、プロセスチャンバ1410内で所与の基板1430を処理することができる。
【】
図14ではブロック図形式で示されるコントローラ1460は、多種多様な仕方で実施され得る。一例では、コントローラ1460は、コンピュータであり得る。別の例では、コントローラ1460は、本明細書に記載される機能を提供するようにプログラムされた1つ以上のプログラマブル集積回路を含み得る。例えば、1つ以上のプロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、中央処理装置など)、プログラマブルロジックデバイス(例えば、コンプレックスプログラマブルロジックデバイス(CPLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)など)、及び/又は他のプログラマブル集積回路をソフトウェア又は他のプログラミング命令でプログラムして、定められたプロセスレシピの機能を実現できる。ソフトウェア又は他のプログラミング命令は、1つ以上の非一時的コンピュータ可読媒体(例えば、メモリ記憶デバイス、フラッシュメモリ、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、再プログラム可能な記憶デバイス、ハードドライブ、フロッピーディスク、DVD、CD-ROMなど)に記憶され得ることと、ソフトウェア又は他のプログラミング命令は、プログラマブル集積回路によって実行されると、本明細書に記載される処理、機能及び/又は能力をプログラマブル集積回路に実行させることとに更に留意されたい。他の変形例も実施可能である。
【】
図14に示されるように、コントローラ1460は、処理システム1400の様々な構成要素に結合されて、構成要素から入力を受け取り、構成要素に出力を供給し得る。例えば、コントローラ1460は、プロセスチャンバ1410に結合されてプロセスチャンバ1410内の温度及び/又は圧力を制御し得、スピナ1420に結合されてスピナ1420の回転速度を制御し得、化学物質供給システム1446に結合されて基板1430に分配される様々なエッチング溶液1442を制御し得る。コントローラ1460は、当技術分野で既知の通り、図14に示されない他の処理システム構成要素を制御し得る。
【】
いくつかの実施形態では、コントローラ1460は、モリブデン(Mo)をエッチングするための本明細書に記載された湿式ALE技術を利用するエッチングレシピに従って、処理システム1400の様々な構成要素を制御し得る。例えば、コントローラ1460は、化学物質供給システム1446に様々な制御信号を供給することができ、これらの制御信号は、化学物質供給システム1446に、a)表面改質溶液を基板1430の表面に分配して、モリブデンの曝露された表面を化学改質し、基板1430において化学改質されたMo表面層(例えば、酸化モリブデン、塩化モリブデン、又はオキシ塩化モリブデン不動態化層)を生成する工程、b)基板1430を第1のパージ溶液でリンスして、表面から表面改質溶液及び過剰な反応物を除去する工程、c)溶解溶液を基板1430の表面に分配して、化学改質されたMo表面層を選択的に除去又は溶解する工程、及びd)基板を第2のパージ溶液でリンスして、基板1430の表面から溶解溶液を除去する工程を行わせる。いくつかの実施形態では、コントローラ1460は、所望の量のモリブデンが除去されるまで、工程a)~d)が1つ以上のALEサイクルで繰り返されるように、化学物質供給システム1446に循環的に制御信号を供給することができる。
【】
コントローラ1460は、他の処理システム構成要素にも制御信号を供給することができる。いくつかの実施形態では、例えば、コントローラ1460は、第2のパージ工程が実行された後、基板1430を乾燥させるためにスピナ1420及び/又は化学物質供給システム1446に制御信号を供給することができる。一例では、コントローラ1460は、スピン乾燥工程において基板1430を乾燥するように、スピナ1420の回転速度を制御し得る。別の例では、コントローラ1460から化学物質供給システム1446に供給される制御信号は、スピン乾燥工程を実行する前に基板を乾燥することを更に支援するために、乾燥剤(例えば、イソプロピルアルコールなど)を基板1430の表面に分配させ得る。
【】
いくつかの実施形態では、コントローラ1460は、プロセスチャンバ1410内の温度及び/又は圧力を制御し得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のモリブデン湿式ALEプロセスの表面改質工程、溶解工程及びパージ工程は、おおむね同じ温度及び圧力で実行され得る。実施の一例では、表面改質工程、溶解工程及びパージ工程は、それぞれ大気圧(又はそれに近い大気圧)及び室温で実行され得る。処理工程を同じプロセスチャンバ内でおおむね同じ温度及び圧力で実行することは、不必要なチャンバ移行及び温度/圧力変化を回避することにより、本明細書に記載される湿式ALEプロセスのサイクル時間を短縮し、処理能力を改善する。
【】
しかしながら、本明細書に記載される大気圧及び室温のみに厳密に限定されず、特定のプロセスチャンバにも限定されないことに留意されたい。他の実施形態では、表面改質工程、溶解工程及びパージ工程の1つ以上は、圧力容器内で大気圧を超える圧力において又は真空チャンバ内で減圧において実行され得る。液体の蒸気圧がチャンバ圧力よりも低い限り、エッチング溶液は、これらの環境でも分配され得る。これらの実施では、液体分配ノズルを備えたスピナが圧力容器又は真空チャンバ内に配置される。分配される液体の温度は、プロセスの圧力における沸点未満の任意の温度まで上昇され得る。一例示的実施態様では、溶解工程は、溶解の速度論を増加させるために高温(例えば、約40℃で)で実行され得る。
【】
湿式ALEプロセスにおいてモリブデン(Mo)をエッチングするための新しいエッチング化学物質を利用するシステム及び方法を提供する。上述のように、本明細書に開示される湿式ALEプロセス及び方法は、多種多様な技術及びエッチング化学物質を使用して、湿式ALEプロセスの表面改質工程において、基板の表面上で曝露されたモリブデン層を酸化し、自己律速型の酸化モリブデン不動態化層(例えば、酸化モリブデン、塩化モリブデン又はオキシ塩化モリブデン不動態化層)を形成する。例えば、本明細書に開示される湿式ALEプロセス及び方法は、(a)モリブデン表面の酸化を制限し、準自己律速型酸化挙動を提供する酸化ラジカルを生成するための過酸化物酸化剤の紫外線(UV)光分解、(b)より良好な自己律速型酸化挙動を実現するための比較的大きい反応物分子を有する酸化剤の立体障害、及び/又は(c)酸化モリブデン不動態化層の表面化学を変化させ、自己律速型酸化挙動を確実にするための配位子支援酸化を使用することができる。モリブデンをエッチングするために使用される従来の方法及び化学物質とは異なり、本明細書に記載の新しい湿式エッチング化学物質及び方法は、表面改質工程におけるモリブデン表面の酸化挙動を改善するために、及び/又は自己律速型で表面改質溶液に不溶性である酸化モリブデン不動態化層を提供するために、単独で又は組み合わせて使用することができる。モリブデンをエッチングするために本明細書に記載されるが、本明細書に記載される技術は、これらに限定されないが、コバルト(Co)、銅(Cu)、タングステン(W)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、及びニッケル(Ni)などの他の遷移金属のエッチングにも使用できる。
【】
本明細書で用いる用語「基板」は、材料が上に形成された基材又は構造体を意味し、それらを含んでいる。基板は、単一材料、様々な材料の複数の層、様々な材料又は様々な構造体の領域を内部に有する1つ以上の層を含み得ることが理解されるであろう。これらの材料は、半導体、絶縁体、導体又はこれらの組み合わせを含み得る。例えば、基板は、半導体基板、支持構造体上の基本半導体層、金属電極又はそれらの上に形成された1つ以上の層、構造体又は領域を有する半導体基板であり得る。基板は、従来のシリコン基板又は半導電性材料の層を含む他のバルク基板であり得る。本明細書で使用される場合、用語「バルク基板」は、シリコンウェハーだけでなく、シリコンオンサファイア(「SOS」)基板及びシリコンオンガラス(「SOG」)基板などの、シリコンオンインシュレータ(「SOI」)基板、基本半導体基盤上のシリコンのエピタキシャル層、並びにシリコンゲルマニウム、ゲルマニウム、ガリウムヒ素、窒化ガリウム、及びリン化インジウムなどの、他の半導体又は光電子材料をも意味し、且つそれらを含む。基板は、ドープされていても又はドープされていなくてもよい。
【】
基板には、デバイス、特に半導体デバイス又は他の電子デバイスの任意の材料部分又は構造体も含まれ得、例えば半導体基板などの基本基板構造体又は基本基板構造体上の又はその上に位置する層であり得る。従って、用語「基板」は、任意の特定の基本構造体、下層又は上層、パターン化された層又はパターン化されていない層に限定されることを意図せず、むしろ、任意のこのような層又は基本構造体、並びに層及び/又は基本構造体の任意の組み合わせを含むことが意図される。
【】
本明細書の全体に渡って、「1つの実施形態」又は「ある実施形態」への言及は、この実施形態との関連で記載される特定の特徴、構造体、材料、又は特性が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味するが、それらがあらゆる実施形態に存在することを意味するものではないことが指摘される。従って、本明細書の全体に渡って様々な箇所での表現「1つの実施形態では」又は「ある実施形態では」の出現は、必ずしも本発明の同じ実施形態を指すわけではない。更に、特定の特徴、構造体、材料、又は特性は、1つ以上の実施形態で任意の適切な方法で組み合わされ得る。他の実施形態では、様々な追加の層及び/又は構造体が含まれることもあり、並びに/又は記載される特徴が省略されることもある。
【】
当業者であれば、様々な実施形態が、1つ以上の具体的な詳細無しに、或いは他の代替及び/又は追加の方法、材料、又は構成要素を用いて実施され得ることを認識するであろう。他の例では、周知の構造体、材料、又は動作は、本発明の様々な実施形態の態様を曖昧にすることを避けるために、詳細には示されていない又は記載されていない。同様に、本発明の完全な理解を提供するために、説明の目的で、具体的な数、材料、及び構成が記述される。それにもかかわらず、本発明は、特定の詳細無しに実施され得る。更に、図に示される様々な例示的な表現であり、必ずしも原寸通りに描かれていないことを理解されたい。
【】
本明細書に記載される方法の更なる修正及び代替本記載を考慮して当業者に明らかであろう。それ故に、記載された方法が、これらの事例構成によって限定されないことは認められるであろう。本明細書に示され、記載された方法の形態が、事例実施形態として解釈されるべきであることは理解されるべきである。様々な変更形態が実装形態において行われ得る。このように、本発明は、本明細書で特定の実施形態に関連して記載されているが、様々な修正及び変更を本発明の範囲を逸脱することなく行うことができる。従って、本明細書及び図面は、限定的な意味に対してむしろ、例示的な意味で見られるべきであり、このような修正は、本発明の範囲内に含まれることを意図する。更に、特定の実施形態に関して本明細書に記載されるいかなる利益、利点又は問題の解決策も、請求項のどの又は全ての決定的に重要な、必要な、又は本質的な特徴又は要素として解釈することを意図しない。
【図】
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【手続補正書】
【提出日】
【手続補正】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項】
エッチングする方法であって、
モリブデン(Mo)層がその上に形成された基板を受け取る工程であって、モリブデン表面が前記基板の表面上で曝露される工程と、
前記基板の前記表面を、非水性溶媒に溶解された酸化剤を含む表面改質溶液に曝露する工程であって、前記酸化剤は、前記モリブデン表面と反応して前記モリブデン表面を酸化し、自己律速型で前記非水性溶媒に不溶性である酸化モリブデン不動態化層を形成する工程と、
前記酸化モリブデン不動態化層を形成した後に、前記基板の前記表面から前記表面改質溶液を除去する工程と、
前記基板の前記表面を溶解溶液に曝露して、前記酸化モリブデン不動態化層を選択的に除去する工程であって、前記溶解溶液は、前記酸化モリブデン不動態化層と反応して、前記溶解溶液によって溶解される可溶性種を形成
し、前記溶解溶液は、酸性水溶液、塩基性水溶液、又は非水性配位子溶液である工程と、
前記基板の前記表面から前記溶解溶液及び前記可溶性種を除去して、前記モリブデン層をエッチングする工程と、
を含む、エッチングする方法。
【請求項】
前記基板の前記表面を前記表面改質溶液に曝露する前記工程と、前記表面改質溶液を除去する前記工程と、前記基板の前記表面を前記溶解溶液に曝露する前記工程と、前記溶解溶液及び前記可溶性種を除去する前記工程とを、所定量の前記モリブデン層が前記基板から除去されるまで複数回繰り返すことを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項】
前記表面改質溶液は、前記酸化モリブデン不動態化層と反応して前記酸化モリブデン不動態化層の表面化学を変化させる配位子種を更に含み、前記表面化学を変化させることにより、前記酸化モリブデン不動態化層が自己律速型であり前記非水性溶媒に不溶性であることを確実にする、請求項1に記載の方法。
【請求項】
前記酸化剤は、過酸化物酸化剤又は非過酸化物酸化剤を含み、前記配位子種は、カルボン酸を含み、前記非水性溶媒は、有機溶媒を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項】
前記酸化剤は、過硫酸アンモニウム(APS)を含み、前記配位子種は、シュウ酸、酢酸、アスコルビン酸、マンデル酸、リンゴ酸、マレイン酸又はフマル酸を含み、前記非水性溶媒は、メタノール(CH
3OH)、ジエチルエーテル((C
2H
5)
2O)、アセトニトリル(C
2H
3N)、ジメチルスルホキシド(C
2H
6OS)、イソプロピルアルコール(IPA)、別のアルコール、ケトン又はアセテートを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項】
前記酸化剤は、2オングストローム未満の分子サイズを有するより小さい反応物分子と比較して、実質的に2オングストロームを超える分子サイズ及びより小さい拡散係数を有する大きい反応物分子を含み、前記大きい反応物分子の前記拡散係数が小さいほど、前記酸化剤が前記モリブデン表面を酸化して前記酸化モリブデン不動態化層を形成する酸化速度が低減し、前記酸化速度を低減させることは、前記酸化剤の自己律速型酸化挙動を改善する、請求項1に記載の方法。
【請求項】
前記酸化剤は、前記大きい反応物分子を有する非過酸化物酸化剤を含み、前記非水性溶媒は、有機溶媒を含む、請求項
6に記載の方法。
【請求項】
前記非過酸化物酸化剤は、過硫酸アンモニウム(APS)、塩化第二鉄(FeCl
3)、四酸化オスミウム、四酸化ルテニウム、ルテニウム酸塩、マンガン酸塩、過マンガン酸塩、過ヨウ素酸塩、又は金属硝酸塩を含む、請求項
7に記載の方法。
【請求項】
前記非過酸化物酸化剤は、過硫酸アンモニウム(APS)を含み、前記非水性溶媒は、メタノール(CH
3OH)、ジエチルエーテル((C
2H
5)
2O)、アセトニトリル(C
2H
3N)、ジメチルスルホキシド(C
2H
6OS)、イソプロピルアルコール(IPA)、別のアルコール、ケトン又はアセテートを含む、請求項
7に記載の方法。
【請求項】
前記非過酸化物酸化剤は、塩化第二鉄(FeCl
3)を含み、前記非水性溶媒は、イソプロピルアルコール(IPA)又はアセトンを含み、前記塩化第二鉄は、前記モリブデン表面と反応して前記モリブデン表面を酸化し、自己律速型で前記非水性溶媒に不溶性であるオキシ塩化モリブデン不動態化層を形成する、請求項
7に記載の方法。
【請求項】
前記酸化剤は、前記大きい反応物分子を有する過酸化物酸化剤を含み、前記非水性溶媒は、有機溶媒を含む、請求項
6に記載の方法。
【請求項】
前記過酸化物酸化剤は、ジ-tert-ブチルペルオキシド(C
8H
18O
2))又はtert-ブチルペルオキシベンゾエート(C
11H
14O
3)を含み、前記非水性溶媒は、メタノール(CH
3OH)、ジエチルエーテル((C
2H
5)
2O)、アセトニトリル(C
2H
3N)、ジメチルスルホキシド(C
2H
6OS)、イソプロピルアルコール(IPA)、別のアルコール、ケトン又はアセテートを含む、請求項
11に記載の方法。
【請求項】
前記溶解溶液は、塩酸(HCl)、硝酸、又は硫酸を含む酸性水溶液、水酸化アンモニウム(NH
4OH)、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)、水酸化カリウム(KOH)、又は水酸化カルシウム(Ca(OH)
2)を含む塩基性水溶液、或いはアセトン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、メチルエチルケトン(MEK)、又は別のケトンにおけるアルファ-ベンゾインオキシムを含む非水性配位子溶液である、請求項1に記載の方法。
【請求項】
湿式原子層エッチング(ALE)プロセスを使用して基板をエッチングする方法であって、前記方法は、
モリブデン(Mo)層がその上に形成された前記基板を受け取る工程であって、モリブデン表面が前記基板の表面上で曝露される工程と、
前記湿式ALEプロセスを複数サイクル実行することによって前記モリブデン層を選択的にエッチングする工程と、を含み、各サイクルは、
前記モリブデン表面を、非水性溶媒中で酸化剤及び配位子種を含む第1のエッチング溶液に曝露して、自己律速型で前記非水性溶媒に不溶性である化学改質されたMo表面層を形成する工程と、
第1のパージ溶液で前記基板をリンスして、前記基板の前記表面から前記第1のエッチング溶液を除去する工程と、
前記化学改質されたMo表面層を第2のエッチング溶液に曝露して、前記化学改質されたMo表面層を溶解する工程
であって、前記第2のエッチング溶液は、酸性水溶液、塩基性水溶液、又は非水性配位子溶液である工程と、
前記基板を第2のパージ溶液でリンスして、前記基板の前記表面から前記第2のエッチング溶液を除去する工程と、
を含む、方法。
【請求項】
前記酸化剤は、前記モリブデン表面と反応して前記モリブデン表面を酸化させ、前記化学改質されたMo表面層を形成し、前記配位子種は、前記化学改質されたMo表面層と反応して前記化学改質されたMo表面層の表面化学を変化させ、前記表面化学を変化させることにより、前記化学改質されたMo表面層が自己律速型であり、前記非水性溶媒に不溶性であることを確実にする、請求項
14に記載の方法。
【請求項】
前記酸化剤は、過硫酸アンモニウム(APS)、塩化第二鉄(FeCl
3)、四酸化オスミウム、四酸化ルテニウム、ルテニウム酸塩、マンガン酸塩、過マンガン酸塩、過ヨウ素酸塩、金属硝酸塩、過酸化水素(H
2O
2)、又は別の過酸化物を含む、請求項
14に記載の方法。
【請求項】
前記配位子種は、カルボン酸を含み、前記非水性溶媒は、有機溶媒を含む、請求項
14に記載の方法。
【請求項】
前記配位子種は、シュウ酸、酢酸、アスコルビン酸、マンデル酸、リンゴ酸、マレイン酸又はフマル酸を含み、前記非水性溶媒は、メタノール(CH
3OH)、ジエチルエーテル((C
2H
5)
2O)、アセトニトリル(C
2H
3N)、ジメチルスルホキシド(C
2H
6OS)、イソプロピルアルコール(IPA)、別のアルコール、ケトン又はアセテートを含む、請求項
14に記載の方法。
【請求項】
前記第2のエッチング溶液は、塩酸(HCl)、硝酸、又は硫酸を含む酸性水溶液、水酸化アンモニウム(NH
4OH)、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)、水酸化カリウム(KOH)、又は水酸化カルシウム(Ca(OH)
2)を含む塩基性水溶液、或いはアセトン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、メチルエチルケトン(MEK)、又は別のケトンにおけるアルファ-ベンゾインオキシムを含む非水性配位子溶液である、請求項
14に記載の方法。
【請求項】
エッチングする方法であって、
モリブデン(Mo)層がその上に形成された基板を受け取る工程であって、モリブデン表面が前記基板の表面上で曝露される工程と、
前記基板の前記表面を、非水性溶媒に溶解された酸化剤を含む表面改質溶液に曝露する工程であって、前記酸化剤は、前記モリブデン表面と反応して前記モリブデン表面を酸化し、自己律速型で前記非水性溶媒に不溶性である酸化モリブデン不動態化層を形成する工程と、
前記酸化モリブデン不動態化層を形成した後に、前記基板の前記表面から前記表面改質溶液を除去する工程と、
前記基板の前記表面を溶解溶液に曝露して、前記酸化モリブデン不動態化層を選択的に除去する工程であって、前記溶解溶液は、前記酸化モリブデン不動態化層と反応して、前記溶解溶液によって溶解される可溶性種を形成する工程と、
前記基板の前記表面から前記溶解溶液及び前記可溶性種を除去して、前記モリブデン層をエッチングする工程と、
を含み、
前記基板の前記表面を前記表面改質溶液に曝露させる前記工程の間に、
前記基板の前記表面を紫外線(UV)照射に曝露して、前記酸化剤を光分解し、酸化ラジカルを生成し、前記酸化ラジカルは、前記モリブデン表面と反応して前記モリブデン表面を酸化し、前記酸化モリブデン不動態化層を形成する工程であって、前記酸化ラジカルの寿命により、前記酸化モリブデン不動態化層の酸化が制限されて、準自己律速型酸化挙動を提供する工程を更に含む、エッチングする方法。
【請求項】
前記酸化剤は、過酸化物酸化剤を含み、前記非水性溶媒は、有機溶媒を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項】
前記酸化剤は、過酸化水素(H
2
O
2
)、対称有機過酸化物、非対称有機過酸化物、モノペルオキシド、又はペルオキシ酸を含み、前記非水性溶媒は、メタノール(CH
3
OH)、ジエチルエーテル((C
2
H
5
)
2
O)、アセトニトリル(C
2
H
3
N)、ジメチルスルホキシド(C
2
H
6
OS)、イソプロピルアルコール(IPA)、別のアルコール、ケトン又はアセテートを含む、請求項20に記載の方法。
【国際調査報告】