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再表2013-147244ストロークシミュレータおよびストロークシミュレータ用のブッシュ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2013年10月3日
【発行日】2015年12月14日
(54)【発明の名称】ストロークシミュレータおよびストロークシミュレータ用のブッシュ
(51)【国際特許分類】
   B60T 8/17 20060101AFI20151117BHJP
【FI】
   B60T8/17 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】28
【出願番号】特願2014-508220(P2014-508220)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2013年3月29日
(31)【優先権主張番号】特願2012-83316(P2012-83316)
(32)【優先日】2012年3月30日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000226677
【氏名又は名称】日信工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000136354
【氏名又は名称】株式会社フコク
(74)【代理人】
【識別番号】100064414
【弁理士】
【氏名又は名称】磯野 道造
(74)【代理人】
【識別番号】100111545
【弁理士】
【氏名又は名称】多田 悦夫
(74)【代理人】
【識別番号】100129067
【弁理士】
【氏名又は名称】町田 能章
(72)【発明者】
【氏名】兵藤 伸威
(72)【発明者】
【氏名】村山 一昭
(72)【発明者】
【氏名】中村 元泰
(72)【発明者】
【氏名】青木 俊輔
【テーマコード(参考)】
3D246
【Fターム(参考)】
3D246AA08
3D246BA02
3D246DA01
3D246GA13
3D246GB04
3D246GC14
3D246HA03A
3D246HA43A
3D246HA45A
3D246JB47
3D246LA02Z
3D246LA04Z
3D246LA09Z
3D246LA12Z
3D246LA15Z
3D246LA16Z
3D246LA57A
3D246LA63Z
3D246LA73Z
(57)【要約】
ストロークシミュレータに備わるブッシュが、方向を管理することなく取り付け可能に構成されるストロークシミュレータ、およびストロークシミュレータ用のブッシュを提供することを課題とする。
運転者によるブレーキペダルの操作に応じて発生する液圧でシリンダ内を変位するシミュレータピストンでブレーキ反力を発生するストロークシミュレータとする。そして、シミュレータピストンによる押圧で軸方向に弾性変形してブレーキ反力を発生する円筒状のゴムブッシュ(226)において、シミュレータピストン側の第一端部(226c1)と、第一端部(226c1)に対向する第二端部(226c2)とに、それぞれ、軸方向に凹んだ凹部(226d)が2つ以上の同じ数だけ形成され、第一端部(226c1)に形成される凹部(226d)と第二端部(226c2)に形成される凹部(226d)は、軸方向に異なった位置に形成されることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転者によるブレーキ操作子の操作によって液圧発生手段が発生する液圧でシリンダ内を変位するシミュレータピストンと、
前記シミュレータピストンの変位に応じた反力を当該シミュレータピストンに付与する反力発生手段と、を備え、
前記シミュレータピストンに付与された反力を前記ブレーキ操作子に対するブレーキ反力として発生するストロークシミュレータであって、
前記反力発生手段は、
前記シミュレータピストンの変位による押圧で軸方向に弾性変形する円筒状のブッシュを有し、
当該ブッシュの一方の端部である第一端部と、他方の端部である第二端部とに、それぞれ、軸方向に凹んだ凹部または軸方向に凸状の凸部が2つ以上の同じ数だけ形成され、
前記第一端部に形成される前記凹部または前記凸部と、前記第二端部に形成される前記凹部または前記凸部は、前記ブッシュの軸方向に異なった位置に形成されることを特徴とするストロークシミュレータ。
【請求項2】
前記ブッシュには軸方向に貫通する円柱状の中空部が形成され、
前記凹部または前記凸部は、前記第一端部および前記第二端部のそれぞれにおいて前記中空部の周囲に等間隔で形成されていることを特徴とする請求項1に記載のストロークシミュレータ。
【請求項3】
前記ブッシュの前記第一端部と前記第二端部のそれぞれに2つの前記凹部または前記凸部が形成され、
前記第一端部には、軸方向と直交する第一直線上に2つの前記凹部または前記凸部が形成され、
前記第二端部には、軸方向と直交し、かつ、前記第一直線と直交する方向の第二直線上に2つの前記凹部または前記凸部が形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のストロークシミュレータ。
【請求項4】
前記シミュレータピストンから前記ブッシュに向かって延出して前記ブッシュの軸方向の弾性変形をガイドするロッド部材が当該ブッシュに形成されるロッド挿通孔に挿通されて備わり、
前記ロッド挿通孔の内周と接する前記ロッド部材の外周は、前記シミュレータピストンから前記ブッシュに向かう側が軸方向に平坦であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のストロークシミュレータ。
【請求項5】
運転者によるブレーキ操作子の操作によって液圧発生手段が発生する液圧でシリンダ内を変位するシミュレータピストンに付与された反力を前記ブレーキ操作子に対するブレーキ反力として発生するストロークシミュレータに備わって、前記シミュレータピストンの変位に応じた反力を当該シミュレータピストンに付与する反力発生手段に配設されるストロークシミュレータ用のブッシュであって、
前記シミュレータピストンの変位による押圧で軸方向に弾性変形する円筒状を呈し、
一方の端部である第一端部と、他方の端部である第二端部とに、それぞれ、軸方向に凹んだ凹部または軸方向に凸状の凸部が2つ以上の同じ数だけ形成され、
前記第一端部に形成される前記凹部または前記凸部と、前記第二端部に形成される前記凹部または前記凸部が軸方向に異なった位置に形成されていることを特徴とするストロークシミュレータ用のブッシュ。
【請求項6】
軸方向に貫通する円柱状の中空部が形成され、
前記凹部または前記凸部は、前記第一端部および前記第二端部のそれぞれにおいて前記中空部の周囲に等間隔で形成されていることを特徴とする請求項5に記載のストロークシミュレータ用のブッシュ。
【請求項7】
前記第一端部と前記第二端部のそれぞれに2つの前記凹部または前記凸部が形成され、
前記第一端部には、軸方向と直交する第一直線上に2つの前記凹部または前記凸部が形成され、
前記第二端部には、軸方向と直交し、かつ、前記第一直線と直交する方向の第二直線上に2つの前記凹部または前記凸部が形成されていることを特徴とする請求項5または請求項6に記載のストロークシミュレータ用のブッシュ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動ブレーキ装置のブレーキペダルに付与するためのブレーキ反力を発生するストロークシミュレータ、および、ストロークシミュレータ用のブッシュに関する。
【背景技術】
【0002】
ブレーキペダルが踏み込まれたときの踏力を倍力する倍力装置の駆動源を電動モータとするブレーキ装置(電動ブレーキ装置)は広く知られている。このような電動ブレーキ装置には、運転者によって踏み込まれたブレーキペダルにブレーキ反力を擬似的に発生させるストロークシミュレータが備わっている(特許文献1参照)。
ストロークシミュレータには、ブレーキフルード(ブレーキ液)で作動する従来型のブレーキペダルと同様の操作感(操作フィーリング)を運転者に付与することが要求される。そこで、弾性係数の異なる2つの弾性部材が弾性変形して発生する弾性力(反力)をブレーキ反力としてブレーキペダルに付与する構成とし、ブレーキペダルの踏み込み操作量に応じて、2つの弾性部材のそれぞれから反力がブレーキペダルに付与されるストロークシミュレータを有するブレーキ装置が開示されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−210372号公報
【特許文献2】特開2009−073478号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば特許文献2に開示されるブレーキ装置のストロークシミュレータは、第1弾性部材(第一リターンスプリング)と第2弾性部材(第二リターンスプリング)が直列に接続され、第1弾性部材は第2弾性部材よりもばね定数(弾性係数)が小さく設定される。そして、ブレーキペダルの踏み込み操作量が小さい間は、ばね定数の小さな第1弾性部材が弾性変形して生じた反力がブレーキ反力としてブレーキペダルに付与される。第1弾性部材が所定の規定量だけ弾性変形した後は、ブレーキペダルの踏み込み操作量に応じてばね定数の大きな第2弾性部材が弾性変形し、その弾性変形に応じた反力がブレーキ反力としてブレーキペダルに付与される。
【0005】
この構成によると、ブレーキペダルに付与されるブレーキ反力が、第1弾性部材で生じる反力から第2弾性部材で生じる反力に切り替わる点(以下、切替点という)でブレーキペダルに付与されるブレーキ反力が非連続に変化する場合があり、この場合、運転者はブレーキペダルの操作フィーリングに違和感を感じる。
そこで、ブレーキペダルに付与されるブレーキ反力が、切替点において第1弾性部材で生じる反力から第2弾性部材で生じる反力に連続的に滑らかに切り替わるように、第1弾性部材で生じる反力と第2弾性部材で生じる反力の差を補間する反力を発生可能な第3弾性部材が備わる構成が好ましい。
【0006】
第3弾性部材は、例えば第1弾性部材と並列に接続され、切替点の直前で弾性変形を開始してその弾性力(反力)をブレーキ反力としてブレーキペダルに付与するような構成であればよい。この構成によると、ブレーキペダルには、切替点の直前から第1弾性部材で生じる反力に第3弾性部材で生じる反力が重なって付与されブレーキ反力が増大する。そして、切替点において、第1弾性部材で生じる反力と第3弾性部材で生じる反力の弾性力とで、第2弾性部材で生じる反力と同等(又はそれに近い)のブレーキ反力がブレーキペダルに付与されることが好ましい。
【0007】
このため、第3弾性部材は弾性変形の初期では生じる反力が小さく、弾性変形が大きくなるにしたがって生じる反力が大きくなることが好ましい。つまり、第3弾性部材は、発生する反力がブレーキペダルの踏み込み操作量に応じて変化する構成が好ましい。
この構成によると、第3弾性部材が弾性変形する初期ではブレーキペダルに付与される反力が、第1弾性部材で生じる反力と大差ない。したがって、運転者は第3弾性部材で生じる反力が付与されていることに気づくことなく自然な操作フィーリングでブレーキペダルを踏み込み操作できる。
さらに、前記した切替点において、第1弾性部材と第3弾性部材とで生じる反力が第2弾性部材で生じる反力と大差なければ、運転者は、切替点においてブレーキペダルに付与されるブレーキ反力が第1弾性部材と第3弾性部材とで生じる反力から第2弾性部材で生じる反力に切り替わることに気づくことなく自然な操作フィーリングでブレーキペダルを踏み込み操作できる。
【0008】
このように第3弾性部材は、弾性変形の初期で生じる反力が小さく、前記した切替点においては、第1弾性部材で生じる反力と第2弾性部材で生じる反力の差を補間する程度の反力を生じることが好ましい。
そこで、例えば、第3弾性部材をゴム部材からなるブッシュとし、ブレーキペダルの踏み込み操作量に応じて弾性変形させて生じる反力を変化させる構成が好適である。
【0009】
このように反力を発生する第3弾性部材として、例えば第1弾性部材を弾性変形させるピストンに押圧されて弾性変形して反力を発生する構成のブッシュが考えられる。
このような構成の第3弾性部材は、ピストンの変位の方向に弾性圧縮するように取り付けられる。このとき、第3弾性部材において、ピストンの変位の方向の両端(一端をA端、他端をB端とする)の配置によって発生する反力が異なる場合がある。例えば、A端がピストンの側となるように取り付けられる場合と、B端がピストンの側となるように取り付けられる場合と、で発生する反力が異なる場合がある。
【0010】
このような取り付け方向の違いによる反力の違いをストロークシミュレータごとに発生させないためには、第3弾性部材の取り付け方向を全てのストロークシミュレータで一致させることが必要になる。例えば、全てのストロークシミュレータでA端がピストンの側となるように第3弾性部材が取り付けられることが必要になる。これによって、ストロークシミュレータの生産工程で第3弾性部材を取り付ける作業において、取り付けの方向を管理することが要求されることになり、作業効率が低下するという問題が生じる。また、第3弾性部材が逆方向に取り付けられたストロークシミュレータは不良品となるため、第3弾性部材の取り付け不良によって不良率が高くなるという問題も生じる。
【0011】
そこで、本発明は、ストロークシミュレータに備わるブッシュが、方向を管理することなく取り付け可能に構成されるストロークシミュレータ、およびストロークシミュレータ用のブッシュを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記課題を解決するため本発明は、運転者によるブレーキ操作子の操作によって液圧発生手段が発生する液圧でシリンダ内を変位するシミュレータピストンと、前記シミュレータピストンの変位に応じた反力を当該シミュレータピストンに付与する反力発生手段と、を備え、前記シミュレータピストンに付与された反力を前記ブレーキ操作子に対するブレーキ反力として発生するストロークシミュレータとする。そして、前記反力発生手段は、前記シミュレータピストンの変位による押圧で軸方向に弾性変形する円筒状のブッシュを有し、当該ブッシュの一方の端部である第一端部と、他方の端部である第二端部とに、それぞれ、軸方向に凹んだ凹部または軸方向に凸状の凸部が2つ以上の同じ数だけ形成され、前記第一端部に形成される前記凹部または前記凸部と、前記第二端部に形成される前記凹部または前記凸部は、前記ブッシュの軸方向に異なった位置に形成されていることを特徴とする。
【0013】
この発明によると、シミュレータピストンの変位で軸方向に弾性変形する円筒状のブッシュには、軸方向の両端となる第一端部および第二端部のそれぞれに凹部または凸部が2つ以上の同じ数だけ形成され、さらに、第一端部の凹部または凸部と、第二端部の凹部または凸部は軸方向に異なった位置に形成される。この構成によって、ブッシュにおける軸方向の両端のどちらを第一端部(第二端部)としても生じる反力に違いが生じない。したがって、ストロークシミュレータの生産工程では、軸方向の方向性を管理することなくブッシュをとりつけることができ、生産性の低下を防止できる。また、ブッシュが誤方向に取り付けられる取り付け不良も発生しないため不良率を低下できる。
【0014】
また本発明の前記ブッシュには軸方向に貫通する円柱状の中空部が形成され、前記凹部または前記凸部は、前記第一端部および前記第二端部のそれぞれにおいて前記中空部の周囲に等間隔で形成されていることを特徴とする。
【0015】
この発明によると、ブッシュには軸方向に貫通する中空部が円柱状に形成され、さらに、第一端部と第二端部に形成される凹部または凸部は、中空部の周囲に等間隔で形成される。これによって、ブッシュで反力を均等かつ好適に発生させることができる。
【0016】
また本発明は、前記ブッシュの前記第一端部と前記第二端部のそれぞれに2つの前記凹部または前記凸部が形成され、前記第一端部には、軸方向と直交する第一直線上に2つの前記凹部または前記凸部が形成され、前記第二端部には、軸方向と直交し、かつ、前記第一直線と直交する方向の第二直線上に2つの前記凹部または前記凸部が形成されていることを特徴とする。
【0017】
この発明によると、第一端部には、第一直線上に2つの凹部または凸部が形成され、第二端部には、第一直線と直交する方向の第二直線上に2つの凹部または凸部が形成される。したがって、第一端部の2つの凹部または凸部と、第二端部の2つの凹部または凸部と、を周方向に90°ずらして配置でき、第一端部の凹部または凸部と、第二端部の凹部または凸部を周方向に異なった位置に形成できる。そして、断面係数の変化を抑えて剛性を保ちつつ、第一端部の側と第二端部の側とで、均等に反力を発生させることができる。
【0018】
また本発明は、前記シミュレータピストンから前記ブッシュに向かって延出して前記ブッシュの軸方向の弾性変形をガイドするロッド部材が当該ブッシュに形成されるロッド挿通孔に挿通されて備わり、前記ロッド挿通孔の内周と接する前記ロッド部材の外周は、前記シミュレータピストンから前記ブッシュに向かう側が軸方向に平坦であることを特徴とする。
【0019】
この発明によると、ブッシュのロッド挿通孔に挿通されるロッド部材がシミュレータピストンからブッシュに向かって延出して備わり、ブッシュはロッド部材にガイドされて弾性変形する。そして、ロッド部材の外周はシミュレータピストンからブッシュに向かう側が軸方向に平坦に形成される。したがって、ロッド部材がブッシュを挿通する方向はブッシュの軸方向に規制されない。このことによって、ストロークシミュレータの生産工程では、ブッシュの軸方向の方向性を管理することなく、ロッド部材をブッシュに挿通ささせることができる。
【0020】
また本発明は、運転者によるブレーキ操作子の操作によって液圧発生手段が発生する液圧でシリンダ内を変位するシミュレータピストンに付与された反力を前記ブレーキ操作子に対するブレーキ反力として発生するストロークシミュレータに備わって前記シミュレータピストンの変位に応じた反力を当該シミュレータピストンに付与する反力発生手段に配設されるストロークシミュレータ用のブッシュとする。そして、前記シミュレータピストンの変位による押圧で軸方向に弾性変形する円筒状を呈し、一方の端部である第一端部と、他方の端部である第二端部とに、それぞれ、軸方向に凹んだ凹部または軸方向に凸状の凸部が2つ以上の同じ数だけ形成され、前記第一端部に形成される前記凹部または前記凸部と、前記第二端部に形成される前記凹部または前記凸部が軸方向に異なった位置に形成されていることを特徴とする。
【0021】
この発明によると、ストロークシミュレータの反力発生手段に配設され、シミュレータピストンの変位で軸方向に弾性変形する円筒状のブッシュ(ストロークシミュレータ用のブッシュ)には、軸方向の両端となる第一端部および第二端部のそれぞれに凹部または凸部が2つ以上の同じ数だけ形成され、さらに、第一端部の凹部または凸部と、第二端部の凹部または凸部は軸方向に異なった位置に形成される。この構成によって、ブッシュにおける軸方向の両端のどちらを第一端部(第二端部)としても生じる反力に違いが生じない。したがって、ストロークシミュレータの生産工程では、軸方向の方向性を管理することなくブッシュをとりつけることができ、生産性の低下を防止できる。また、ブッシュが誤方向に取り付けられる取り付け不良も発生しないため不良率を低下できる。
【0022】
また本発明は、軸方向に貫通する円柱状の中空部が形成され、前記凹部または前記凸部は、前記第一端部および前記第二端部のそれぞれにおいて前記中空部の周囲に等間隔で形成されていることを特徴とする。
【0023】
この発明によると、軸方向に貫通する中空部が円柱状に形成され、さらに、第一端部と第二端部に形成される凹部または凸部が中空部の周囲に等間隔で形成されるブッシュになる。これによって、このブッシュが配設される反力発生手段は、反力を均等かつ好適に発生させることができる。
【0024】
また本発明は、前記第一端部と前記第二端部のそれぞれに2つの前記凹部または前記凸部が形成され、前記第一端部には、軸方向と直交する第一直線上に2つの前記凹部または前記凸部が形成され、前記第二端部には、軸方向と直交し、かつ、前記第一直線と直交する方向の第二直線上に2つの前記凹部または前記凸部が形成されていることを特徴とする。
【0025】
本発明によると、第一端部には、第一直線上に2つの凹部または凸部が形成され、第二端部には、第一直線と直交する方向の第二直線上に2つの凹部または凸部が形成されているブッシュになる。したがって、第一端部の2つの凹部または凸部と、第二端部の2つの凹部または凸部と、を周方向に90°ずらして配置でき、第一端部の凹部または凸部と、第二端部の凹部または凸部を周方向に異なった位置に形成できる。そして、断面係数の変化を抑えて剛性を保ちつつ、第一端部の側と第二端部の側とで、均等に反力を発生するブッシュとすることができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によると、ストロークシミュレータに備わるブッシュが、方向を管理することなく取り付け可能に構成されるストロークシミュレータ、およびストロークシミュレータ用のブッシュを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の実施形態に係るストロークシミュレータを備える車両用ブレーキシステムの概略構成図である。
図2】(a)はマスタシリンダ装置の側面図、(b)は同じく正面図である。
図3】ハウジングの分解斜視図である。
図4】本実施形態に係るストロークシミュレータの構成を示す断面図である。
図5】ゴムブッシュの形状を示す斜視図である。
図6】(a)はゴムブッシュを第一端部と第二端部の側から見た平面図、(b)は(a)のSec1−Sec1断面図である。
図7】ブレーキ反力と踏み込み操作量の関係を示すグラフであり、ゴムブッシュの作用を説明するための説明図である。
図8】(a)は第一端部と第二端部に3つの凹部が形成されるゴムブッシュを示す図、(b)は第一端部と第二端部に4つの凹部が形成されるゴムブッシュを示す図、(c)は第一端部と第二端部に2つの凸部が形成されるゴムブッシュを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態に係る車両用ブレーキシステムの概略構成図である。
図1に示す車両用ブレーキシステムAは、原動機(エンジンやモータ等)の動作時に作動するバイ・ワイヤ(By Wire)式のブレーキシステムと、非常時や原動機の停止時などに作動する油圧式のブレーキシステムの双方を備えるものであり、ブレーキペダル(ブレーキ操作子)Pが踏み込み操作されるときの踏力によってブレーキ液圧を発生させるマスタシリンダ装置A1と、電動モータ(図示略)を利用してブレーキ液圧を発生させるモータシリンダ装置A2と、車両挙動の安定化を支援するビークルスタビリティアシスト装置A3(以下「液圧制御装置A3」という。)と、を備えている。マスタシリンダ装置A1、モータシリンダ装置A2および液圧制御装置A3は、別ユニットとして構成されており、外部配管を介して連通している。
【0029】
車両用ブレーキシステムAは、エンジン(内燃機関)のみを動力源とする自動車のほか、モータを併用するハイブリッド自動車やモータのみを動力源とする電気自動車・燃料電池自動車などにも搭載することができる。
【0030】
マスタシリンダ装置(入力装置)A1は、タンデム式のマスタシリンダ1と、ストロークシミュレータ2と、リザーバ3と、常開型遮断弁(電磁弁)4,5と、常閉型遮断弁(電磁弁)6と、圧力センサ7,8と、メイン液圧路9a,9bと、連絡液圧路9c,9dと、分岐液圧路9eとを備えている。
【0031】
マスタシリンダ1は、ブレーキペダルPが踏み込み操作されるときの踏力をブレーキ液圧に変換して液圧を発生させる液圧発生手段であり、第一シリンダ穴11aの底壁側に配置された第一ピストン1aと、プッシュロッドRに接続された第二ピストン1bと、第一ピストン1aと第一シリンダ穴11aの底壁との間に配置された第一リターンスプリング1cと両ピストン1a,1bの間に配置された第二リターンスプリング1dとを備えている。第二ピストン1bは、プッシュロッドRを介してブレーキペダルPに連結されている。両ピストン1a,1bは、ブレーキペダルPの踏力を受けて摺動(変位)し、圧力室1e,1f内のブレーキ液を加圧する。圧力室1e,1fは、メイン液圧路9a,9bに通じている。
【0032】
ストロークシミュレータ2は、擬似的な操作反力(ブレーキ反力)を発生してブレーキペダルPに付与する装置であり、第二シリンダ穴11b内を摺動して変位するシミュレータピストン2aと、シミュレータピストン2aを付勢する大小二つのリターンスプリング(第一リターンスプリング2b,第二リターンスプリング2c)を備えている。ストロークシミュレータ2は、メイン液圧路9aおよび分岐液圧路9eを介して圧力室1eに通じており、圧力室1eで発生したブレーキ液圧によって作動する。ストロークシミュレータ2の詳細は後記する。
【0033】
リザーバ3は、ブレーキ液を貯溜する容器であり、マスタシリンダ1に接続される給油口3a,3bと、メインリザーバ(図示略)から延びるホースが接続される管接続口3cとを備えている。
【0034】
常開型遮断弁4,5は、メイン液圧路9a,9bを開閉するものであり、いずれもノーマルオープンタイプの電磁弁からなる。一方の常開型遮断弁4は、メイン液圧路9aと分岐液圧路9eとの交差点からメイン液圧路9aと連絡液圧路9cとの交差点に至る区間においてメイン液圧路9aを開閉する。他方の常開型遮断弁5は、メイン液圧路9bと連絡液圧路9dとの交差点よりも上流側においてメイン液圧路9bを開閉する。
【0035】
常閉型遮断弁6は、分岐液圧路9eを開閉するものであり、ノーマルクローズタイプの電磁弁からなる。
【0036】
圧力センサ7,8は、ブレーキ液圧の大きさを検知するものであり、メイン液圧路9a,9bに通じるセンサ装着穴(図示略)に装着されている。一方の圧力センサ7は、常開型遮断弁4よりも下流側に配置されており、常開型遮断弁4が閉じられた状態(=メイン液圧路9aが遮断された状態)にあるときに、モータシリンダ装置A2で発生したブレーキ液圧を検知する。他方の圧力センサ8は、常開型遮断弁5よりも上流側に配置されており、常開型遮断弁5が閉じられた状態(=メイン液圧路9bが遮断された状態)にあるときに、マスタシリンダ1で発生したブレーキ液圧を検知する。圧力センサ7,8で取得された情報は、図示せぬ電子制御ユニット(ECU)に出力される。
【0037】
メイン液圧路9a,9bは、マスタシリンダ1を起点とする液圧路である。メイン液圧路9a,9bの終点である出力ポート15a,15bには、液圧制御装置A3に至る管材Ha,Hbが接続されている。
【0038】
連絡液圧路9c,9dは、入力ポート15c,15dからメイン液圧路9a,9bに至る液圧路である。入力ポート15c,15dには、モータシリンダ装置A2に至る管材Hc,Hdが接続されている。
【0039】
分岐液圧路9eは、一方のメイン液圧路9aから分岐し、ストロークシミュレータ2に至る液圧路である。
【0040】
マスタシリンダ装置A1は、管材Ha,Hbを介して液圧制御装置A3に連通しており、常開型遮断弁4,5が開弁状態にあるときにマスタシリンダ1で発生したブレーキ液圧は、メイン液圧路9a,9bおよび管材Ha,Hbを介して液圧制御装置A3に入力される。
【0041】
モータシリンダ装置A2は、図示は省略するが、スレーブシリンダ内を摺動するスレーブピストンと、電動モータおよび駆動力伝達部を有するアクチュエータ機構と、スレーブシリンダ内にブレーキ液を貯溜するリザーバとを備えている。
電動モータは、図示せぬ電子制御ユニットからの信号に基づいて作動する。駆動力伝達部は、電動モータの回転動力を進退運動に変換したうえでスレーブピストンに伝達する。スレーブピストンは、電動モータの駆動力を受けてスレーブシリンダ内を摺動して変位し、スレーブシリンダ内のブレーキ液を加圧する。
モータシリンダ装置A2で発生したブレーキ液圧は、管材Hc,Hdを介してマスタシリンダ装置A1に入力され、連絡液圧路9c,9dおよび管材Ha,Hbを介して液圧制御装置A3に入力される。リザーバには、メインリザーバ(図示略)から延びるホースが接続される。
【0042】
液圧制御装置A3は、車輪のスリップを抑制するアンチロックブレーキ制御(ABS制御)、車両の挙動を安定化させる横滑り制御やトラクション制御などを実行し得るような構成を具備しており、管材を介してホイールシリンダW,W,…に接続されている。なお、図示は省略するが、液圧制御装置A3は、電磁弁やポンプ等が設けられた液圧ユニット、ポンプを駆動するためのモータ、電磁弁やモータ等を制御するための電子制御ユニットなどを備えている。
【0043】
次に車両用ブレーキシステムAの動作について概略説明する。
車両用ブレーキシステムAが正常に機能する正常時には、常開型遮断弁4,5が弁閉状態となり、常閉型遮断弁6が弁開状態となる。かかる状態で運転者がブレーキペダルPを踏み込み操作すると、マスタシリンダ1で発生したブレーキ液圧は、ホイールシリンダWに伝達されずにストロークシミュレータ2に伝達される。そして、シミュレータピストン2aが変位することにより、ブレーキペダルPの踏み込み操作が許容されるとともに、シミュレータピストン2aの変位で弾性変形する弾性部材からシミュレータピストン2aに付与される反力が擬似的なブレーキ反力として発生し、ブレーキペダルPに付与される。
【0044】
また、図示しないストロークセンサ等によってブレーキペダルPの踏み込みが検知されると、モータシリンダ装置A2の電動モータが駆動され、スレーブピストンが変位することによりシリンダ内のブレーキ液が加圧される。
図示せぬ電子制御ユニットは、モータシリンダ装置A2から出力されたブレーキ液圧(圧力センサ7で検知されたブレーキ液圧)とマスタシリンダ1から出力されたブレーキ液圧(圧力センサ8で検知されたブレーキ液圧)とを対比し、その対比結果に基づいて電動モータの回転数等を制御する。
【0045】
モータシリンダ装置A2で発生したブレーキ液圧は、液圧制御装置A3を介してホイールシリンダW,W,…に伝達され、各ホイールシリンダWが作動することにより各車輪に制動力が付与される。
【0046】
なお、モータシリンダ装置A2が作動しない状況(例えば、電力が得られない場合や非常時など)においては、常開型遮断弁4,5がいずれも弁開状態となり、常閉型遮断弁6が弁閉状態となるので、マスタシリンダ1で発生したブレーキ液圧は、ホイールシリンダW,W,…に伝達されるようになる。
【0047】
次に、マスタシリンダ装置A1の具体的な構造を説明する。
本実施形態のマスタシリンダ装置A1は、図2の(a)、(b)の基体10の内部あるいは外部に前記の各種部品を組み付けるとともに、電気によって作動する電気部品(常開型遮断弁4,5、常閉型遮断弁6および圧力センサ7,8(図1参照)をハウジング20で覆うことによって形成されている。なお、ハウジング20内には、機械部品等が収納されてもよい。
【0048】
基体10は、アルミニウム合金製の鋳造品であり、シリンダ部11(図2の(b)参照、以下同じ)と、車体固定部12と、リザーバ取付部13(図2の(b)参照、以下同じ)と、ハウジング取付部14と、配管接続部15とを備えている。また、基体10の内部には、メイン液圧路9a,9b(図1参照)や分岐液圧路9e(図1参照)となる孔(図示略)などが形成されている。
【0049】
シリンダ部11には、マスタシリンダ用の第一シリンダ穴11aと、ストロークシミュレータ用の第二シリンダ穴11b(いずれも図2の(b)に破線で図示)とが形成されている。両シリンダ穴11a,11bは、いずれも有底円筒状であり、車体固定部12に開口するとともに、配管接続部15に向けて延在している。第一シリンダ穴11aには、マスタシリンダ1(図1参照)を構成する部品(第一ピストン1a、第二ピストン1b、第一リターンスプリング1cおよび第二リターンスプリング1d)が挿入され、第二シリンダ穴11bには、ストロークシミュレータ2を構成する部品(シミュレータピストン2aおよび第一、第二リターンスプリング2b,2c)が挿入される。
【0050】
車体固定部12は、トーボード(図示せず)などの車体側固定部位に固定される。車体固定部12は、基体10の後面部に形成されており、フランジ状を呈している。車体固定部12の周縁部(シリンダ部11から張り出した部分)には、図示しないボルト挿通孔が形成され、ボルト12aが固定されている。
【0051】
図2の(b)に示すように、リザーバ取付部13は、リザーバ3の取付座となる部位であり、基体10の上面部に2つ(一方のみ図示)形成されている。リザーバ取付部13には、リザーバユニオンポートが設けられている。なお、リザーバ3は、基体10の上面に突設された図示しない連結部を介して基体10に固定されている。
リザーバユニオンポートは、円筒状を呈しており、その底面から第一シリンダ穴11aに向かって延びる孔を介して第一シリンダ穴11aと連通している。リザーバユニオンポートには、リザーバ3の下部に突設された図示しない給液口が接続され、リザーバユニオンポートの上端には、リザーバ3の容器本体が載置される。
【0052】
基体10の側面には、ハウジング取付部14が設けられている。ハウジング取付部14は、ハウジング20の取付座となる部位である。ハウジング取付部14は、フランジ状を呈している。ハウジング取付部14の上端部および下端部には、図示しない雌ネジが形成されており、この雌ネジに、図2の(a)に示すように、取付ネジ16を螺合させることで、ハウジング20がハウジング取付部14(基体10の側面)に固定されるようになっている。
【0053】
図示は省略するが、ハウジング取付部14には、三つの弁装着穴と二つのセンサ装着穴とが形成されている。三つの弁装着穴には、常開型遮断弁4,5および常閉型遮断弁6(図1参照)が組み付けられ、二つのセンサ装着穴には、圧力センサ7,8(図1参照)が組み付けられる。
【0054】
配管接続部15は、管取付座となる部位であり、図2の(a)に示すように、基体10の前面部に形成されている。配管接続部15には、図2の(b)に示すように、二つの出力ポート15a,15bと、二つの入力ポート15c,15dが形成されている。出力ポート15a,15bには、液圧制御装置A3(図1参照)に至る管材Ha,Hb(図1参照)が接続され、入力ポート15c,15dには、モータシリンダ装置A2(図1参照)に至る管材Hc,Hd(図1参照)が接続される。
【0055】
ハウジング20は、ハウジング取付部14に組み付けられた部品(常開型遮断弁4,5、常閉型遮断弁6および圧力センサ7,8、図1参照、以下同じ)を液密に覆うハウジング本体21と、ハウジング本体21の開口21a(図3参照)に装着される蓋部材30とを有している。
ハウジング本体21は、図3に示すように、フランジ部22と、フランジ部22に立設された周壁部23と、周壁部23の周壁面から突設されたコネクタ部としての2つのコネクタ24,25と、を有している。
【0056】
ハウジング本体21の周壁部23の内側には、図示は省略するが、常開型遮断弁4,5(図1参照)および常閉型遮断弁6(図1参照)を駆動するための電磁コイルが収容されているほか、電磁コイルや圧力センサ7,8(図1参照)に至るバスバーなどが収容されている。また、フランジ部22は、ハウジング取付部14(図2の(b)参照、以下同じ)に圧着される部位である。フランジ部22は、取付ネジ部としてのボス部22a〜22dに連続するようにして、ハウジング本体21の外側へ張り出すように形成されている。
【0057】
各ボス部22a〜22dは、ハウジング取付部14の雌ネジの位置に合わせてハウジング本体21の四隅に設けられている。各ボス部22a〜22dには、金属製のカラーが埋設されており、その内側に、挿通孔として機能するネジ挿通孔27(ネジ孔)が形成されている。ネジ挿通孔27には、締結部材としての取付ネジ16(図2の(a)参照、以下同じ)がそれぞれ挿通される。基体10(図2の(a)参照)のハウジング取付部14にハウジング20を固着する際には、各取付ネジ16を均等に締め付けることによって行うことができる。
【0058】
図3に示すように、フランジ部22のうち、ボス部22bに連続するフランジ部22b1は、下面が傾斜状とされている。このフランジ部22b1の傾斜は、周壁部23の後記する第1傾斜縁部232の傾斜に対応したものとなっている。これによって、省スペース化が図られている。
【0059】
なお、フランジ部22のハウジング取付部14に対向する面には、図示しない周溝が形成されており、この周溝には、合成ゴム性のシール部材が装着される。このシール部材は、取付ネジ16の締め付けによりハウジング取付部14に密着してハウジング本体21の液密性を保持する役割をなす。
【0060】
周壁部23の外周面には、適所にリブ23aが設けられている。リブ23aは、図3に示すように、周壁部23からフランジ部22に亘って形成されている。
【0061】
周壁部23の内側には、図3に示すように、隔壁26が形成されている。隔壁26には、圧力センサ7,8(図1参照)が接続されるセンサ接続孔261やコイル接続孔263、さらには電磁弁挿通孔(常開型遮断弁4,5や常閉型遮断弁6の挿通孔)265が開口形成されている。センサ接続孔261およびコイル接続孔263には、ターミナル262,264が配置されている。
【0062】
図3に示すように、周壁部23の開口縁234には、蓋部材30が取り付けられる。蓋部材30は、接着剤、超音波溶着等の接着手段によって開口縁234に固着される。
開口縁234は、蓋部材30の外形に対応した形状とされている。
【0063】
蓋部材30は、図3に示すように、外形が八角形状とされており、周壁部23の開口21aの中心に対応する中心に対して、点対称形状に形成されている。
蓋部材30は、2組の対向する2辺で形成される四角形(二点鎖線で図示した長方形)に内接する外形を有している。蓋部材30は、この四角形の2組の対角のうちの一方の対角を同じ大きさで欠損させてなる一対の第1欠損部32,32、および他方の対角を同じ大きさで欠損させてなる一対の第2欠損部33,33を有している。第1欠損部32,32および第2欠損部33,33は、ともに三角形状を呈している。
【0064】
蓋部材30は、前記四角形の辺に沿う直線縁301と、第1欠損部32,32に面している第1傾斜縁302,302と、第2欠損部33,33に面している第2傾斜縁303,303と、を備えている。
【0065】
直線縁301は、前記四角形の4辺に対応して4つ形成されており、長さがともに等しい。直線縁301は、対向する2辺が平行となっている。
第1傾斜縁302,302は、隣接する直線縁301,301同士を繋いでおり、互いに平行である。第2傾斜縁303,303は、隣接する直線縁301,301同士を繋いでおり、互いに平行である。
【0066】
第1欠損部32,32は、第2欠損部33,33よりも面積(欠損量)が大きくなっており、図2の(a)に示すように、基体10の側方において、一方の第1欠損部32が基体10の前側下部に位置し、他方の第1欠損部32が基体10の後側上部に位置するように配置されている。
ここで、マスタシリンダ装置A1は、エンジンルーム内において基体10の前側を車両の前側へ向けて搭載されるようになっており、これにより、一方の第1傾斜縁302は、基体10の前側下部に形成されるようになっている。つまり、一方の第1傾斜縁302は、エンジンルーム内において、構造物や周辺機器Mが存在し易いスペースに向けて配置されるようになっている。
【0067】
第2欠損部33,33は、第1欠損部32,32よりも面積(欠損量)が小さくなっており、図2の(a)に示すように、基体10の側方において、一方の第2欠損部33が基体10の前側上部に位置し、他方の第2欠損部33が基体10の後側下部に位置するように配置されている。前側上部の第2欠損部33には、側面視でボス部22aのネジ挿通孔27の一部が位置している。つまり、ネジ挿通孔27は、一方の第2欠損部33を利用して第2傾斜縁303(周壁部23)に近付けて形成されている。
なお、前側上部の第2欠損部33にネジ挿通孔27の中心が位置することが望ましく、さらに望ましくは、ネジ挿通孔27の全体が第2欠損部33に位置するとよい。
【0068】
なお、図2の(a)に示すように、前側下部の第1欠損部32には、側面視でボス部22bのネジ挿通孔27の全体が位置している。
【0069】
蓋部材30の表面の周縁には、周方向に間隔を空けて複数の凹部30bが形成されている。
ここで、1つの第1傾斜縁302に形成されている凹部30bの数は2個であり、また、1つの第2傾斜縁303に形成されている凹部30bの数は1個である。つまり、第1欠損部32に面する周縁に設けられる凹部30bの数は、第2欠損部33に面する周縁に設けられる凹部30bの数よりも多くなっている。
なお、4つの直線縁301には、それぞれ4個の凹部30bが設けられている。
【0070】
蓋部材30の周縁の内側には、周溝30cが形成されている。なお、周溝30cと各凹部30bとは溝が連通している。
【0071】
図3に示すように、ハウジング本体21の周壁部23の開口縁234は、前記した蓋部材30の外形に対応した形状とされており、4つの直線縁部231と、隣接する直線縁部231,231同士を繋ぐ第1傾斜縁部232,232および第2傾斜縁部233,233と、を有している。
4つの直線縁部231は、蓋部材30の直線縁301にそれぞれ対応しており、第2傾斜縁部232,232は、蓋部材30の第1傾斜縁302,302に対応しており、また、第2傾斜縁部233,233は、蓋部材30の第2傾斜縁303,303に対応している。
開口縁234は平らな面とされており、蓋部材30の裏面に形成される溶着部が当接して溶着される。なお、開口縁234の外周縁には、周リブ235が形成されている。
【0072】
このような周壁部23は、側面視でフランジ部22よりも内側に立設されている。また、周壁部23は、開口21aに近い側に段部23cを有しており、この段部23cを境にして周壁部23の下部が内側にオフセットされた形状とされている。
これにより、フランジ部22に近い側において、コイル等の比較的大径の部品も周壁部23の内側に好適に収容することが可能となっている。また、開口21aに近い側において、周壁部23の下部が内側にオフセットされているので、周壁部23の下部周りの省スペース化を図ることができる。
【0073】
コネクタ24,25は、図3に示すように、周壁部23の周方向に2つ並設されている。コネクタ24,25は、いずれも筒状であって周壁部23から一体的に突設されている。コネクタ24,25には、電磁コイルに通じる図示しないケーブルと、圧力センサ7,8(図1参照)に通じる図示しないケーブルとが接続されている。
【0074】
本実施形態では、図3に示すように、2つのコネクタ24,25の中心軸線X1,X2が、周壁部23の直線縁部231に交差するように配置されている。
そして、第1欠損部32に近い側(上下方向下側)に設けられる一方のコネクタ25は、他方のコネクタ24よりも周壁部23からの突出量が小さくなっている。
また、コネクタ25は、ケーブルが接続される側から見た形状においても、コネクタ24より小さくなっている。
【0075】
説明を図2の(a)に戻す。リザーバ3は、給油口3a,3b(図1参照)のほか、管接続口3cと、図示しない連結フランジとを備えている。管接続口3cは、ブレーキ液を貯溜する容器本体3eから突出している。管接続口3cには、メインリザーバ(図示略)から延びるホースが接続される。連結フランジは、容器本体3eの下面に突設され、リザーバ取付部13(図2の(b)参照)に重ねられ、図示しないスプリングピンによって基体10の連結部に固定される。
【0076】
以上のように構成されるマスタシリンダ装置A1(図1参照)に組み込まれるストロークシミュレータ2は、本実施形態において図4に示すように、基体10(図2の(a)参照)に形成される本体部220aに構成要素が組み込まれて構成される。
本実施形態に係るストロークシミュレータ2は、図4に示すように、分岐液圧路9e(図1参照)に常閉型遮断弁6(図1参照)を介して接続される液導ポート220bと、略円筒形状の第二シリンダ穴11bを形成するシリンダ部200と、このシリンダ部200内を進退自在に変位可能なシミュレータピストン2aと、第一弾性係数K1(ばね定数)を有するコイル状の第一リターンスプリング2bと、第一弾性係数K1よりも大きい第二弾性係数K(ばね定数)を有するコイル状の第二リターンスプリング2cとを備える。第二シリンダ穴11bは、液導ポート220bを介して分岐液圧路9eに連通している。そして、常時閉弁している常閉型遮断弁6(図1参照)の弁体が開位置に切り替えられた場合に、液導ポート220bを介してブレーキ液が第二シリンダ穴11bに出入りする。
【0077】
シリンダ部200は、シミュレータピストン2aの退避方向(図4中の左方向、以下、この方向を“後”と定義する)の側に配設される第一のシリンダ201と、シミュレータピストン2aの進出方向(図4中の右方向、以下、この方向を“前”と定義する)の側に配設される第二のシリンダ202とを、同軸上に連通させて構成されている。また、シミュレータピストン2aは第一のシリンダ201内を前後方向に変位(摺動)するように構成されている。そして、第一のシリンダ201の円周状の内径は、第二のシリンダ202の円周状の内径よりも小さく形成されている。
なお、シリンダ部200(第一のシリンダ201、第二のシリンダ202)にはブレーキ液が充満している。
【0078】
第一のシリンダ201の内壁には環状溝201aが形成されている。この環状溝201aには、例えばシリコーンゴム製のカップシール201bが嵌装され、第一のシリンダ201の内壁とシミュレータピストン2aとの間に形成される間隙を封じている。これにより、カップシール201bが発揮する液密性によって、第二シリンダ穴11bが液導ポート220b側と第二のシリンダ202とに区画され、液導ポート220bを介して第二シリンダ穴11bに流入するブレーキ液がカップシール201bよりも前側(第二のシリンダ202側)に漏出しないようになっている。そして、この構成によって液導ポート220bから流入するブレーキ液の液圧をシミュレータピストン2aの押圧に効果的に作用させることができる。
【0079】
シミュレータピストン2aには、その後方向(退避方向)に向けて開口した略円筒形状の肉抜き部2a1が形成されている。この肉抜き部2a1は、シミュレータピストン2aの軽量化に寄与するとともに、第二シリンダ穴11bの体積を増やして、ブレーキ液の蓄液量を増やす機能を有する。シミュレータピストン2aの前端壁2a2には突出部が形成されている。この突出部には、第一のばね座部材222が外嵌され、溶接や圧入等の接合手段によって固着されている。
また、肉抜き部2a1には複数の貫通孔2a3が形成されている。液導ポート220bから第一のシリンダ201に取り込まれたブレーキ液が貫通孔2a3を流通して肉抜き部2a1に流れ込むように構成されている。
【0080】
第一のばね座部材222は前側が閉塞した有底の筒部(円筒部222d)を有して形成され、略カップ状を呈している。第一のばね座部材222は円筒部222dの開口が前端壁2a2で閉塞された状態でシミュレータピストン2aに固着される。この第一のばね座部材222は、中央部分が肉抜きされたドーナツ円板形状のフランジ部222aと、このフランジ部222aの内周部分から前側に立ち上がる側壁部222bと、この側壁部222bの頂部を覆う頂壁部222cとを備える。そして、フランジ部222aの前端側は第一リターンスプリング2bの後端側を受け止める。
なお、符号222d1は、円筒部222dを貫通する貫通孔である。貫通孔222d1は、円筒部222dの内側に溜まる不要な空気やブレーキ液を排出するために形成される。
【0081】
第一のばね座部材222に対向する前側には有底の筒部(円筒部224d)を有する第二のばね座部材224が配設されている。第二のばね座部材224は、第一リターンスプリング2bと第二リターンスプリング2cを直列に配置するとともに内部に収容される第一リターンスプリング2bの弾性変形をガイドするガイド部材であり、中央部分が肉抜きされたドーナツ円板形状のフランジ部224aと、このフランジ部224aの内周部分から前側に立ち上がる側壁部224bと、この側壁部224bの頂部を覆う頂壁部224cとを備える。フランジ部224aの前端側は第二リターンスプリング2cの後端側を受け止める。また、第二のばね座部材224の側壁部224bおよび頂壁部224cによって有底の円筒部224dが形成され、第一リターンスプリング2bが円筒部224dの内側に収納される。つまり、頂壁部224cは円筒部224dの閉塞した一端を形成する。
【0082】
第二のばね座部材224のサイズは、第一のばね座部材222のサイズと比べて全体的に大きく形成されている。具体的に第一のばね座部材222の円筒部222dの外径は、第二のばね座部材224の円筒部224dの内径より小さく形成され、第一のばね座部材222の円筒部222dが第一リターンスプリング2bの内側に入り込むように形成されている。そして、第二のばね座部材224の頂壁部224cの後端側は、第一リターンスプリング2bの前端側を受け止める。
【0083】
第一のばね座部材222のうち頂壁部222cの前端側には、例えばゴムを素材とするブッシュ(ゴムブッシュ226)が設けられている。ゴムブッシュ226は、第一リターンスプリング2bの内側に収納されている。これにより、限りあるスペースを有効に活用するとともに、第一リターンスプリング2bに対してゴムブッシュ226を並列に配設することができる。
ゴムブッシュ226はストロークシミュレータ用のブッシュとして、ストロークシミュレータ2に備わるものである。
【0084】
以上のように本実施形態では、第一リターンスプリング2bと第二リターンスプリング2cがガイド部材である第二のばね座部材224を介して直列に配置され、さらに、第一リターンスプリング2bとゴムブッシュ226が並列に配設される。そして、第一リターンスプリング2b、第二リターンスプリング2c、ゴムブッシュ226、および第二のばね座部材224を含んで反力発生手段を構成する。
そして、第一リターンスプリング2b、第二リターンスプリング2c、およびゴムブッシュ226は、シミュレータピストン2aの前後方向を軸方向として配設される。
【0085】
また、第一のばね座部材222のフランジ部222aの前端側と、第二のばね座部材224のフランジ部224aの後端側との間には、第一の区間lが設定されている。一方、第二のばね座部材224の頂壁部224cの側に移動して前側の端部(第二端部226c2)が頂壁部224cに当接した状態のゴムブッシュ226の後側の端部(第一端部226c1)と、第一のばね座部材222の頂壁部222cの間には、第三の区間lが設定されている。第一の区間lは、第三の区間lと比べて大きく設定されている。これにより、第一の区間lから第三の区間lを差し引いた第二の区間lにおいて、第一リターンスプリング2bの弾性圧縮に加えて、ゴムブッシュ226が潰れて弾性圧縮するように構成される。このように第一〜第三の区間が設定されることによって、ゴムブッシュ226は、シミュレータピストン2aに付与される反力が第一リターンスプリング2bで発生する反力(第一反力F1)から第二リターンスプリング2cで発生する反力(第二反力F2)に切り替わる切替点で滑らかに切り替わるように好適な反力(第三反力F3)を発生する。
なお、ゴムブッシュ226周りの詳細構成および作用については後記する。
【0086】
この構成によると、運転者によるブレーキペダルP(図1参照)の踏み込み操作によって、第一のばね座部材222は、第二のばね座部材224に対して第一の区間lに相当する長さだけ進出方向に移動(変位)し、第一リターンスプリング2bは、第一の区間lに相当する長さだけ弾性変形(弾性圧縮)する。つまり、第一リターンスプリング2bは、第一の区間lに相当する長さを所定の規定量として弾性変形するように構成される。
この第一の区間l、第二の区間l、および第三の区間lは、例えば、車両用ブレーキシステムA(図1参照)に要求される操作フィーリング等に基づいてストロークシミュレータ2の設計値として適宜決定される値とすればよい。
【0087】
また、ブレーキペダルP(図1参照)が踏み込み操作されない状態のとき、第二リターンスプリング2cが自然長よりΔSt2だけ弾性圧縮された状態であると、このときの第二リターンスプリング2cには、「第二弾性係数K×ΔSt2」に相当する第二反力F2が発生している。さらに、運転者によるブレーキペダルPの踏み込み操作によって、第一のばね座部材222のフランジ部222aの前端側が第二のばね座部材224のフランジ部224aの後端側に当接するまで第一のばね座部材222が進出方向に変位したとき、つまり、所定の規定量だけ第一リターンスプリング2bが弾性変形(弾性圧縮)したときに第一リターンスプリング2bが自然長よりΔSt1だけ弾性圧縮された状態であると、第一リターンスプリング2bには、「第一弾性係数K×ΔSt1」に相当する第一反力F1が発生する。
そして、第一弾性係数Kが第二弾性係数Kより小さく設定されれば、先に第一リターンスプリング2bが所定の規定量だけ弾性変形(弾性圧縮)し、その後で第二リターンスプリング2cが弾性変形(弾性圧縮)を開始する構成とすることができる。
【0088】
ゴムブッシュ226は、運転者によるブレーキペダルP(図1参照)の踏み込み操作に応じて第一リターンスプリング2bが弾性圧縮されて第一のばね座部材222の頂壁部222cと第二のばね座部材224の頂壁部224cの間隔がゴムブッシュ226の軸方向の自然長より短くなるのにともなって軸方向に弾性圧縮する。そして、弾性係数(第三弾性係数K)に応じて第三反力F3を発生する。
【0089】
第二のばね座部材224に対向する前側には、第二リターンスプリング2cの内側に進入するように取り付けられる係止部材228が配設されている。係止部材228は前側が径方向に広がってフランジ部228aが形成され、フランジ部228aが第二のシリンダ202に嵌入されて固定される。また、フランジ部228aの周囲には係合溝228bが形成され、係合溝228bに取り付けられる環状のシール部材228cがフランジ部228aと第二のシリンダ202の間を液密に封じる。この構成によって、シリンダ部200(第二のシリンダ202)に充満するブレーキ液がフランジ部228aと第二のシリンダ202の間から漏出することが防止される。
また、フランジ部228aは後端側で第二リターンスプリング2cの前端側を受止める。
【0090】
第二のシリンダ202の前端側には、係止環225が嵌装される環状溝225aが第二のシリンダ202の内側を周回するように形成される。そして、係止部材228はフランジ部228aの前端側が環状溝225aよりも後端側になるように配置され、環状溝225aに嵌装される係止環225によって前方向(進出方向)への移動が規制される。この構成によって、係止部材228が第二のシリンダ202から抜け落ちることが防止される。さらに、係止部材228は、フランジ部228aの後端側から第二リターンスプリング2cによって前方向に付勢されてフランジ部228aの前端側が係止環225に押し付けられて固定される。
【0091】
第一、第二のばね座部材222,224の頂壁部222c,224cのそれぞれには、その中央部分に通孔222e,224eが開設されている。また、ゴムブッシュ226は、軸方向に貫通する円柱形状の中空部226bを有する筒状の本体部226cにより実質的に形成されている。通孔222e,224eおよび、ゴムブッシュ226の中空部226bのそれぞれを貫通するようにロッド部材221が設けられている。この構成によって、中空部226dは、ロッド部材221が挿通するロッド挿通孔として機能する。
また、中空部226b(ロッド挿通孔)は円柱形状に形成され、その内周は軸方向に平坦(つまり、ストレート形状)である。
本実施形態において通孔224eの径は通孔222eの径より小さい。また、ロッド部材221は、後端側が通孔222eおよびゴムブッシュ226の中空部226bを挿通する程度に外径が大きく、前端側は通孔224eを挿通する程度に外径が小さくなって段付形状を呈する。そして、ロッド部材221の後端側は、第一のばね座部材222の頂壁部222cの後端側において通孔222eより拡径して抜け止めを構成している。そして、ロッド部材221は、第一のばね座部材222からゴムブッシュ226に向かって、つまり、シミュレータピストン2aからゴムブッシュ226に向かって延出するように取り付けられる。
一方、ロッド部材221の前端側の端部は通孔224eより前側で拡径して抜け止めを構成している。
【0092】
ロッド部材221の前端側の抜け止めは、例えば、通孔224eを後側から挿通したロッド部材221の前端側をカシメ等で拡径して容易に形成できる。
ゴムブッシュ226は中空部226dに挿通されるロッド部材221に沿って軸方向に弾性変形する。つまり、ロッド部材221は、ゴムブッシュ226の軸方向の弾性変形をガイドする機能を有する。
そして、ロッド部材221の外周は、ゴムブッシュ226の中空部226dと接する部分(すなわち、ロッド挿通孔である中空部226dの内周と接する部分)がシミュレータピストン2aからゴムブッシュ226に向かう側が軸方向に平坦に形成されること、つまり、ストレート形状であることが好ましい。
【0093】
また、係止部材228の頂部228dは第二のばね座部材224の頂壁部224cと対向しており、シミュレータピストン2aの進出方向への変位を規定するストッパとなる。シミュレータピストン2aの進出方向(前方向)への変位にともなって進出方向に移動する第二のばね座部材224は、頂壁部224cが係止部材228の頂部228dに当接するまで移動する。
つまり、第二のばね座部材224の頂壁部224cが係止部材228の頂部228dに当接するまでシミュレータピストン2aが変位可能に構成される。
したがって、頂壁部224cが頂部228dに当接したときのシミュレータピストン2aの変位が、シミュレータピストン2aの進出方向の最大変位となる。
なお、頂部228dには、第二のばね座部材224の頂壁部224cから突出するロッド部材221の端部を収容する凹部が形成される。
また、係止部材228の前側が軽量化のために適宜肉抜きされる構成としてもよい。
【0094】
このように、第二リターンスプリング2cの前端側は係止部材228を介してストロークシミュレータ2の本体部220aで当接支持され、その後端側は第二のばね座部材224のフランジ部224aで当接支持される。また、第一リターンスプリング2bの前端側は第二のばね座部材224の円筒部224dの内側で頂壁部224cで当接支持され、その後端側は第一のばね座部材222のフランジ部222aで当接支持される。そして、第一のばね座部材222がシミュレータピストン2aの前端壁2a2に固着される。その結果、シミュレータピストン2aは、第一及び第二リターンスプリング2b、2cによって後方向(退避方向)に付勢される。
【0095】
第一および第二リターンスプリング2b、2cは力学的に直列に配置されている。第一および第二弾性係数K1,Kは、ブレーキペダルP(図1参照)の踏み込み初期時にシミュレータピストン2aに付与される反力(ブレーキ反力)の増加勾配を小さくし、踏み込み後期時にシミュレータピストン2aに付与される反力の増加勾配を大きくするように設定される。これは、ブレーキペダルPの踏み込み操作量に対するブレーキ反力を、ブレーキ液で作動する従来型のブレーキシステムにおけるブレーキ反力と同等とすることにより、従来型のブレーキシステムが搭載されているのか、または、バイ・ワイヤ式のブレーキシステムが搭載されているのかを運転者に意識させないという設計思想に基づく。
【0096】
次に、本実施形態に係るゴムブッシュ226の周辺構成について、図5および図6を参照して説明する。ゴムブッシュ226は、ブレーキペダルP(図1参照)のブレーキ反力としてシミュレータピストン2aに付与される反力が第一反力F1から第二反力F2に切り替わる切替点において、シミュレータピストン2aに付与される反力を連続的に滑らかに切り替える機能を有する。具体的にゴムブッシュ226は、切替点における第一反力F1と第二反力F2の差を補間する第三反力F3を発生するように構成される。
ゴムブッシュ226は、図5に示すように、中心を軸方向に貫通する中空部226bを有する円筒状の本体部226cにより実質的に形成されている。ゴムブッシュ226は、例えば合成樹脂(合成ゴム)、天然ゴムなどの弾力のある素材を原材料として成形される弾性部材で、第二弾性係数Kよりも小さい範囲の値をとる第三弾性係数K(ただし、Kは可変の値をとる。)を有する。また、ゴムブッシュ226は、第一リターンスプリング2b(図4参照)に対して力学的に並列に配設される。
具体的には図4に示すように、第一リターンスプリング2bの内側に、第一リターンスプリング2bと同じ軸方向で収納されるように配設される。
【0097】
また、第三弾性係数Kを、第二弾性係数Kよりも小さい範囲の値に設定することによって、ゴムブッシュ226の弾性変形を第二リターンスプリング2cの弾性変形より先に開始させることができる。このことによって、シミュレータピストン2aに付与される反力が、第一反力F1から第二反力F2に切り替わる切替点の近傍で、第二リターンスプリング2cより先にゴムブッシュ226を弾性変形させてゴムブッシュ226の第三反力F3を反力としてシミュレータピストン2aに付与することができる。そして、第三反力F3によって切替点における第一反力F1と第二反力F2の差を補間することにより、切替点における反力を滑らかにシミュレータピストン2aに付与できる。なお、第三弾性係数Kは、第一弾性係数Kよりも小さい範囲の値に設定してもよい。
【0098】
また、第三反力F3を発生させる弾性部材をスプリングではなくゴムブッシュ226とすることで、第三反力F3を非線形とすることができる。つまり、ゴムブッシュ226の弾性圧縮は、中空部226bの内周壁と、ロッド部材221の外周壁との間の摩擦力を増加させるように作用する。この摩擦力の増加は、ゴムブッシュ226における外周壁の膨張が第一リターンスプリング2bの内径によって拘束されていることなどに基づく。
ゴムブッシュ226がシミュレータピストン2aで押圧されて弾性圧縮する場合、本体部226cは外側に向かって膨らむように変形する。しかしながら第一リターンスプリング2b(図4参照)の内側に収納されるゴムブッシュ226では外側への膨らみが第一リターンスプリング2bによって規制される。このことによって、シミュレータピストン2aの押圧で弾性圧縮するゴムブッシュ226は中空部226bの側に圧縮されてロッド部材221とゴムブッシュ226の摩擦力が増加する。
このような摩擦力の増加によって、ゴムブッシュ226の弾性圧縮で生じる第三反力F3は非線形となる。
【0099】
本実施形態に係るゴムブッシュ226は、図5および図6に示すように、ロッド部材221の軸方向に中空部226bが貫通する略円筒状の本体部226cを有して形成され、ロッド部材221が中空部226bを貫通した状態で第一のばね座部材222(頂壁部222c)と第二のばね座部材224(頂壁部224c)の間に組み込まれる。以下、ロッド部材221の軸方向をゴムブッシュ226の軸方向とする。
ロッド部材221は、第一のばね座部材222の頂壁部222cに形成される通孔222e(図4参照)の側からゴムブッシュ226の中空部226bを貫通し、さらに、第二のばね座部材224の頂壁部224cに形成される通孔224e(図4参照)を貫通する。前記したようにロッド部材221の第一のばね座部材222側の端部は拡径しており、この拡径した端部が第一のばね座部材222の通孔222eを通過しない構成によって、ロッド部材221の抜け止めが形成される。また、ロッド部材221の第二のばね座部材224側の端部はカシメ等によって拡径されて抜け止めが形成される。
なお、第二のばね座部材224の円筒部224dの内側には第一リターンスプリング2b(図4参照)が収納されるが、図5では第一リターンスプリング2bを省略している。
【0100】
ゴムブッシュ226は、運転者によるブレーキペダルP(図1参照)の踏み込み操作に応じて第一リターンスプリング2b(図4参照)が弾性圧縮されて第一のばね座部材222の円筒部222dが第二のばね座部材224の円筒部224dに入り込み、第一のばね座部材222の頂壁部222cと第二のばね座部材224の頂壁部224cの間隔がゴムブッシュ226の軸方向の自然長より短くなるのにともなって軸方向に弾性圧縮する。このとき、ゴムブッシュ226の、第一のばね座部材222側、つまり、シミュレータピストン2a側の一方の端部である第一端部226c1は頂壁部222cで押圧され、他方の端部となる第二のばね座部材224側の第二端部226c2は頂壁部224cで押圧される。
【0101】
そして、図5および図6に示すように、本体部226cの第一端部226c1には、軸方向に凹んだ複数の凹部226dが形成される。凹部226dは、中空部226bの周囲に等間隔で配置されることが好ましい。図5および図6の(a)には、軸方向と直交する直線(第一直線Ln1)上に配置される2つの凹部226dが図示されている。
第一端部226c1は、凹部226dと凹部226dの間が第一のばね座部材222の頂壁部222cと接触して押圧されて弾性圧縮する。第一端部226c1は凹部226dが形成されることによって頂壁部222cとの接触面積が小さくなり弾性圧縮しやすい形状となっている。そして、凹部226dの数や形状を適宜決定することによって、ゴムブッシュ226の弾性係数(第三弾性係数K)を適宜設定できる。
また、本実施形態に係るゴムブッシュ226は、本体部226cが軸方向に向かって僅かに傾斜するテーパ形状を呈し、第一端部226c1の外径が第二端部226c2の外径よりも僅かに小さく形成される。それにともなって第一端部226c1の凹部226dは第二端部226c2の凹部226dよりも容積が僅かに小さく設定されている。この構成によって、第一端部226c1と第二端部226c2に均等な反力(第三反力F3)を発生させることができる。
【0102】
なお、図5において凹部226dは、中空部226bから本体部226cの外周に向かって径方向に溝状に延びる形状としたが、他の形状の凹部226dであってもよい。例えば、第一端部226c1、第二端部226c2が円形に窪んで形成される凹部(図示せず)であってもよい。
【0103】
また、図5および図6に示すように、本実施形態に係るゴムブッシュ226の第二端部226c2にも軸方向に凹んだ複数の凹部226dが形成される。第二端部226c2に形成される凹部226dも中空部226bの周囲に等間隔で配置されることが好ましい。さらに、第二端部226c2に形成される凹部226dと第一端部226c1に形成される凹部226dはその数が等しく、かつ、第二端部226c2に形成される凹部226dは、第一端部226c1に形成される凹部226dと、軸方向に異なった位置に配置されることが好ましい。
【0104】
ゴムブッシュ226の第一端部226c1に形成される凹部226dと、第二端部226c2に形成される凹部226dと、の全てを、ゴムブッシュ226の軸方向を法線とする仮想平面に投影したとき、その仮想平面上で第一端部226c1の凹部226dと第二端部226c2の凹部226dと、が周方向にずれるような構成(つまり、第一端部226c1の凹部226dと第二端部226c2の凹部226dが軸方向に異なった位置となる構成)が好ましい。
この構成によって、第一端部226c1に形成される凹部226dと第二端部226c2に形成される凹部226dは、ゴムブッシュ226の軸方向に異なった位置に形成される。
【0105】
凹部226dが形成される位置は、ゴムブッシュ226が弾性圧縮したときに他の場所に比べて応力が集中する脆弱な部分となる。
したがって、第一端部226c1に形成される凹部226dと、第二端部226c2に形成される凹部226dが周方向に同じ位置(軸方向に同じ位置)に形成されると、第一端部226c1と第二端部226c2の脆弱な部分が軸方向に同じ位置となるためこの位置の強度が他の場所に比べて低下する。
第一端部226c1に形成される凹部226dが、第二端部226c2に形成される凹部226dと、軸方向に異なった位置に配置される構成によって、第一端部226c1における脆弱な部分と第二端部226c2における脆弱な部分を軸方向に異なる位置とすることができる。したがって脆弱な部分が分散されて強度の低下を抑えることができ、ゴムブッシュ226の剛性を高めることができる。
【0106】
図5および図6の(a)には、第二端部226c2において軸方向と直交する直線(第二直線Ln2)上に配置される2つの凹部226dが図示されている。この第二直線Ln2は、第一端部226c1において2つの凹部226dが配置される第一直線Ln1と直交する方向の直線であることが好ましい。
この構成によって、第二端部226c2に形成される凹部226dは、第一端部226c1に形成される凹部226dに対し、中空部226bを中心として周方向に90°回転した位置に形成され、第一端部226c1に形成される凹部226dと第二端部226c2に形成される凹部226dが周方向に異なった位置(軸方向に異なった位置)に配置される。
【0107】
このように、第二端部226c2に形成される凹部226dと第一端部226c1に形成される凹部226dは、その数が等しく、かつ、周方向(軸方向)に異なった位置に配置されることが好ましい。
この構成によると、第一端部226c1と第二端部226c2の形状の違いをより小さくすることができ、ゴムブッシュ226の軸方向の両端のどちらを第一端部226c1(第二端部226c2)としても、ゴムブッシュ226が発生する第三反力F3を等しくすることができる。
【0108】
このことによって、ストロークシミュレータ2(図4参照)の生産工程における、ゴムブッシュ226の取り付け作業において、当該作業の担当者は第一端部226c1と第二端部226c2を意識することなくゴムブッシュ226を取り付けることができる。つまり、ストロークシミュレータ2の生産工程においてゴムブッシュ226の取り付け方向を管理する必要が無くなって作業効率を向上できる。また、ゴムブッシュ226が逆方向に取り付けられた不良品も発生せず、ストロークシミュレータ2の生産部留まりの低下を回避できる。
【0109】
図7は、ゴムブッシュの作用を説明するための説明図であり、ブレーキ反力とブレーキペダルの踏み込み操作量との関係を示すグラフである。
まず、ブレーキペダルP(図1参照)が踏み込み操作されるとマスタシリンダ1(図1参照)が液圧を発生し、この液圧がシリンダ部200(図4参照)内のシミュレータピストン2a(図4参照)に伝わる。すると、シミュレータピストン2aがシリンダ部200内を進出方向(前方向)に変位する。シミュレータピストン2aの変位によって、弾性係数の大きい第二リターンスプリング2cに比べて、弾性係数の小さい第一リターンスプリング2bが先に弾性圧縮し第一反力F1が発生する。この区間が第一の区間(図7中の点Oから点Qに至る区間)lである。
さらに、ブレーキペダルPが踏み込み操作されると、破線で示すように点Qから第二リターンスプリング2c(図4参照)が弾性圧縮して第二反力F2が発生する。
【0110】
つまり、シミュレータピストン2a(図4参照)の進出方向への変位によって第一のばね座部材222(図4参照)が前方向に移動すると、ついには、第一のばね座部材222のフランジ部222aの前端壁222a1(図4参照)が、第二のばね座部材224のフランジ部224aの後端壁224a1(図4参照)に当接する。要するに、第一のばね座部材222が前方向への移動を開始してから、第二のばね座部材224に当接するまでが、第一の区間lに相当する。
【0111】
第一リターンスプリング2b(図4参照)と並列にゴムブッシュ226(図4参照)が備わる本実施形態において、この第一の区間lは、第二の区間lおよび第三の区間lに分けることができる。このうち、第二の区間lとは、シミュレータピストン2a(図4参照)の進出方向への変位にともなってゴムブッシュ226が弾性変形(弾性圧縮)を開始した後の区間をいう。一方、第三の区間lとは、シミュレータピストン2aの進出方向への変位にともなって第一のばね座部材222(図4参照)が前方向への移動を開始してから、ゴムブッシュ226が弾性変形(弾性圧縮)を開始する直前までの区間をいう。
【0112】
換言すると、第二の区間lは、第一の区間lの途中点(シミュレータピストン2aの進出方向への変位にともなって、ゴムブッシュ226(図4参照)が弾性圧縮を開始する時点:図7の点P)を始点とする一方、第一の区間lのうちの切替点(シミュレータピストン2aに付与される反力が第一リターンスプリング2bで生じる第一反力F1から第二リターンスプリング2cで生じる第二反力F2に切り替わる切替点:図7中の点Q)を終点とする。したがって、ゴムブッシュ226の弾性圧縮は、第一の区間lの途中点(図7の点P)から前記した切替点(図7の点Q)に至る第二の区間lにおいて、第一リターンスプリング2b(図4参照)の弾性圧縮と並列に進行し、ゴムブッシュ226は第三反力F3を発生する。
【0113】
第二の区間lにおいて、ブレーキペダルP(図1参照)の踏み込み操作量に対するブレーキ反力は、実線で示すように、第一リターンスプリング2b(図4参照)の弾性圧縮により生じる線形の第一反力F1と、ゴムブッシュ226(図4参照)の弾性圧縮により生じる非線形の第三反力F3と、が重なった反力となって発生する。これにより、第二の区間l図7の点Pから点Qに至る区間)でブレーキペダルPに付与されるブレーキ反力は第一リターンスプリング2bによる線形の第一反力F1と第二リターンスプリング2cによる線形の第二反力F2を緩やかにつなぐように補正される。特に切替点(図7中の点Q)で、第一反力F1と第二反力F2の差が第三反力F3で補間されるように第1反力F1が補正される。この補正(補間)は、図7に示すように、第一リターンスプリング2bの弾性圧縮によって生じる線形の第一反力F1に、ゴムブッシュ226の並列介挿により得られた非線形の第三反力F3を重ねるように加算することによって実現される。
【0114】
したがって、本実施形態に係るゴムブッシュ226(図4参照)を備える車両用ブレーキシステムA(図1参照)は、ブレーキペダルP(図1参照)のブレーキ反力としてシミュレータピストン2aに付与される反力が第一弾性係数Kを有する第一リターンスプリング2bの第一反力F1から第二弾性係数Kを有する第二リターンスプリング2cの第二反力F2に切り替わる切替点において滑らかに切り替えることができ、運転者が感じる違和感を大幅に低減できる。
【0115】
なお、ゴムブッシュ226(図5参照)の形状は、第一端部226c1(図5参照)と、第二端部226c2(図5参照)にそれぞれ2つの凹部226d(図5参照)が形成される形状に限定されない。例えば、図8の(a)に示すように、第一端部226c1と第二端部226c2にそれぞれ3つの凹部226dが形成される形状であってもよいし(第二端部226c2の凹部226dは破線で示す。以下同じ)、図8の(b)に示すように、第一端部226c1と第二端部226c2にそれぞれ4つの凹部226dが形成される形状であってもよい。さらに、図示はしないが、第一端部226c1と第二端部226c2にそれぞれ5つ以上の凹部226dが形成される形状であってもよい。
つまり、ゴムブッシュ226の第一端部226c1および第二端部226c2に形成される凹部226dの数、形状および大きさは、切替点において第一反力F1と第二反力F2の差を補間できる第三反力F3が発生するように適宜決定されればよい。
【0116】
また、いずれの形状であっても、凹部226d(図5参照)は中空部226b(図5参照)の周囲に等間隔で配置され、さらに、第一端部226c1(図5参照)に形成される凹部226dと第二端部226c2(図5参照)に形成される凹部226dは、軸方向に異なった位置に形成されることが好ましい。
【0117】
例えば、図8の(a)に示すように第二端部226c2に3つの凹部226dが形成される場合、中空部226bの周囲に等間隔に形成される凹部226dは120°間隔で形成される。この場合、第一端部226c1(図5参照)に形成される凹部226dは、第二端部226c2に形成される凹部226dに対して周方向に60°回転した位置に形成される構成が好ましい。この構成によって第一端部226dの凹部226dと、第二端部226c2の凹部226dが同じ数で、かつ、軸方向に異なった位置に形成される。
同様に、図8の(b)に示すように第二端部226c2に4つの凹部226dが形成される場合、中空部226bの周囲に等間隔に形成される凹部226dは90°間隔で形成される。この場合、第一端部226c1に形成される凹部226dは、第二端部226c2に形成される凹部226dに対して周方向に45°回転した位置に形成される構成が好ましい。この構成によって第一端部226dの凹部226dと、第二端部226c2の凹部226dが同じ数で、かつ、軸方向に異なった位置に形成される。
つまり、第二端部226c2にN個(Nは2以上の自然数)の凹部226dが形成される場合、中空部226bの周囲に等間隔に形成される凹部226dは(360/N)°間隔で形成される。この場合、第一端部226c1に形成されるN個の凹部226dは、第二端部226c2に形成される凹部226dに対して周方向に(180/N)°回転した位置に形成される構成が好ましい。この構成によって第一端部226dの凹部226dと、第二端部226c2の凹部226dが同じ数で、かつ、軸方向に異なった位置に形成される。
【0118】
また、図8の(c)に示すように、凹部226d(図5参照)に替わって、ゴムブッシュ226の第一端部226c1および第二端部226c2に軸方向に凸状の凸部226eが形成される構成であってもよい。この構成では、第一端部226c1に形成される凸部226eが第一のばね座部材222の頂壁部222c(図5参照)の前端側に接触し、第二端部226c2に形成される凸部226eが第二のばね座部材224の頂壁部224c(図5参照)の前端側に接触する。
この場合、凸部226eの形状を適宜決定することによって、ゴムブッシュ226の第三弾性係数Kを適宜設定できる。
そして、シミュレータピストン2aの変位にともなって凸部226eが頂壁部222c、224cによって押しつぶされるようにゴムブッシュ226が弾性変形(弾性圧縮)して、第三反力F3を発生する。
【0119】
第一端部226c1および第二端部226c2に凸部226eが形成される場合も、凸部226eは中空部226bの周囲に等間隔で配置され、さらに、第一端部226c1に形成される凸部226eと第二端部226c2に形成される凸部226eは、軸方向に異なった位置に形成されることが好ましい。
【0120】
例えば、図8の(c)には、中空部226bから本体部226cの外周に向かって径方向に尾根状に延びる形状の凸部226eを図示した。
そして、第一端部226c1、第二端部226c2には、それぞれ軸方向に直交する直線(第一直線Ln1、第二直線Ln2)上に2つの凸部226eが形成され、第一端部226c1の2つの凸部226eが形成される第一直線Ln1は、第二端部226c2の2つの凸部226eが形成される第二直線Ln2と直交する方向であるとした。
この構成によって、第一端部226c1の2つの凸部226eと第二端部226c2の2つの凸部226eは軸方向に異なった位置に形成される。
第一端部226c1に3つ以上の凸部226eが形成される場合も、凹部226dが形成される場合と同様に、第二端部226c2に、第一端部226c1の凸部226eと同数で、かつ、軸方向に異なった位置に形成される構成とすればよい。
【0121】
なお、凸部226eの形状は限定されない。例えば、第一端部226c1、第二端部226c2に突起状に形成される凸部(図示せず)であってもよい。
【符号の説明】
【0122】
1 マスタシリンダ(液圧発生手段)
2 ストロークシミュレータ
2a シミュレータピストン
2b 第一リターンスプリング(反力発生手段)
2c 第二リターンスプリング(反力発生手段)
200 シリンダ部
201 第一のシリンダ
202 第二のシリンダ
221 ロッド部材
224 第二のばね座部材(反力発生手段)
226 ゴムブッシュ(ブッシュ、反力発生手段、ストロークシミュレータ用のブッシュ)
226b 中空部
226c1 第一端部
226c2 第二端部
226d 凹部
226e 凸部
Ln1 第一直線
Ln2 第二直線
P ブレーキペダル(ブレーキ操作子)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】