特表-13150584IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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再表2013-150584生産システムおよび加工品の製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2013年10月10日
【発行日】2015年12月14日
(54)【発明の名称】生産システムおよび加工品の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B23P 21/00 20060101AFI20151117BHJP
   B23P 19/00 20060101ALI20151117BHJP
   B25J 13/08 20060101ALI20151117BHJP
【FI】
   B23P21/00 307P
   B23P19/00 301A
   B23P19/00 301L
   B25J13/08 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】23
【出願番号】特願2014-508932(P2014-508932)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2012年4月2日
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN
(71)【出願人】
【識別番号】000006622
【氏名又は名称】株式会社安川電機
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】松田 隆一
(72)【発明者】
【氏名】池田 敏章
(72)【発明者】
【氏名】石橋 啓吾
(72)【発明者】
【氏名】池永 敬久
(72)【発明者】
【氏名】原田 敏行
【テーマコード(参考)】
3C030
3C707
【Fターム(参考)】
3C030AA02
3C030AA10
3C030AA11
3C030AA23
3C030BC02
3C030BC04
3C030BC16
3C030DA02
3C030DA04
3C030DA23
3C030DA28
3C707BS10
3C707KT01
3C707KT06
3C707LT06
3C707LT08
3C707NS02
(57)【要約】
取り扱うワーク種に対する汎用性を高めることを課題とする。この課題を解決するために、実施形態に係る生産システムは、循環装置(2)と、ロボット(3)と、姿勢変更機構(70)とを備える。循環装置(2)は、ワーク(W)を所定の経路に沿って循環させる。ロボット(3)は、所定の経路の一部分である保持領域において、循環されるワーク(W)を保持して所定の場所へ移動させる。姿勢変更機構(70)は、循環装置(2)に設けられ、循環されるワーク(W)の姿勢を異ならせる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークを所定の経路に沿って循環させる循環装置と、
前記所定の経路の一部分である保持領域において、循環されるワークを保持して所定の場所へ移動させるロボットと、
前記循環装置に設けられ、循環される前記ワークの姿勢を異ならせる姿勢変更機構と
を備えることを特徴とする生産システム。
【請求項2】
前記循環装置の姿勢変更機構は、
ワークを第1の高さ位置から該第1の高さ位置よりも高い第2の高さ位置へ移動させて該第2の高さ位置から落下させる往路部と、
前記往路部における前記第2の高さ位置から落下したワークを前記往路部へ戻す復路部と
を備える請求項1に記載の生産システム。
【請求項3】
前記往路部は、
前記第1の高さ位置に設けられるワーク供給部と、
所定の角度で傾斜し、前記ワーク供給部へ供給されたワークを前記第2の高さ位置へ移動させて該第2の高さ位置から落下させる第1の搬送部と
を備え、
前記復路部は、
前記第2の高さ位置よりも低い第3の高さ位置に設けられ、前記保持領域を有する第2の搬送部と、
前記第1の搬送部における前記第2の高さ位置から落下したワークを受け止め、受け止めたワークを前記第2の搬送部へ送る第3の搬送部と、
前記ロボットによって保持されなかったワークを前記第2の搬送部から前記ワーク供給部へ戻す第4の搬送部と
を備えることを特徴とする請求項2に記載の生産システム。
【請求項4】
前記第2の搬送部上のワークを撮像する撮像装置と、
前記撮像装置によって撮像された画像に基づき、予め設定された条件をみたす姿勢で搬送されるワークを検出し、検出されたワークの保持を前記ロボットに対して指示する制御装置と
を備えることを特徴とする請求項3に記載の生産システム。
【請求項5】
前記ロボットは、
前記制御装置から前記ワークの保持動作を指示されていない場合において所定の動作を行うものであって、前記所定の動作の合間に、前記制御装置からの指示に従って前記ワークの保持動作を行うことを特徴とする請求項4に記載の生産システム。
【請求項6】
前記制御装置は、
前記予め設定された条件をみたす姿勢で搬送されるワークが検出され、当該ワークが前記保持領域に到達した場合に、前記循環装置によるワークの循環を停止したうえで、検出されたワークの保持を前記ロボットに対して指示することを特徴とする請求項4または5に記載の生産システム。
【請求項7】
前記循環装置は、
前記第1の搬送部の上方から該第1の搬送部の搬送面へ向けて垂下する第1の搬送規制部
をさらに備えることを特徴とする請求項3〜6のいずれか一つに記載の生産システム。
【請求項8】
前記循環装置は、
前記ロボットによる前記ワークの保持動作が行われる前記第2の搬送部上の領域よりも上流側に設けられ、前記第2の搬送部の上方から該第2の搬送部の搬送面へ向けて垂下する第2の搬送規制部
をさらに備えることを特徴とする請求項3〜7のいずれか一つに記載の生産システム。
【請求項9】
前記ワーク供給部は、
前記ワークを循環させる場合には、前記ワークを前記第1の搬送部へ向けて搬送し、前記ワークを前記循環装置から排出する場合には、前記第1の搬送部と反対側に設けられるワーク排出部へ向けて前記ワークを搬送することを特徴とする請求項3〜8のいずれか一つに記載の生産システム。
【請求項10】
加工品の製造に供されるワークを第1の高さ位置から該第1の高さ位置よりも高い第2の高さ位置へ移動させて該第2の高さ位置から落下させる往路部と、前記往路部における前記第2の高さ位置から落下したワークを前記往路部へ戻す復路部とを備える循環装置を用いて、前記ワークを循環させる工程と、
前記循環装置によって循環されるワークのうち予め設定された条件をみたす姿勢で循環されるワークをロボットによって保持して所定の場所へ移動させる工程と
を含むことを特徴とする加工品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の実施形態は、生産システムおよび加工品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、たとえば生産ラインにおいて、ロボットにワークを保持させ、保持したワークを他の場所へ移動させる生産システムが知られている。
【0003】
近年では、バラ積みされた多数のワークをパーツフィーダと呼ばれる装置を用いて自動的に整列させたうえでロボットへ供給することで、ロボットによるワークの保持動作を簡略化する手法も提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−126555号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来技術には、取り扱うワーク種に対する汎用性を向上させるという点で更なる改善の余地がある。
【0006】
たとえば、従来技術において用いられるパーツフィーダは、ワークが投入されるボウルの内面に形成される段差の形状が、取扱うワークの大きさ等に応じて個別に設計される。このため、従来技術では、取り扱うワーク種を変更する場合には、パーツフィーダのボウルの取替え作業が発生することとなり、生産性の低下等を招く可能性があった。
【0007】
実施形態の一態様は、上記に鑑みてなされたものであって、取り扱うワーク種に対する汎用性を高めることのできる生産システムおよび加工品の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態の一態様に係る生産システムは、循環装置と、ロボットと、姿勢変更機構とを備える。循環装置は、ワークを所定の経路に沿って循環させる。ロボットは、所定の経路の一部分である保持領域において、循環されるワークを保持して所定の場所へ移動させる。姿勢変更機構は、循環装置に設けられ、循環されるワークの姿勢を異ならせる。
【発明の効果】
【0009】
実施形態の一態様によれば、取り扱うワーク種に対する汎用性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本実施形態に係る生産システムの模式斜視図である。
図2図2は、本実施形態に係る生産システムの模式平面図である。
図3A図3Aは、ボビンの形状を示す模式図である。
図3B図3Bは、ボビンの形状を示す模式図である。
図3C図3Cは、ボビンの形状を示す模式図である。
図4図4は、循環装置の模式斜視図である。
図5図5は、姿勢変更機構をY軸負方向から見た場合の模式側面図である。
図6図6は、姿勢変更機構をX軸正方向から見た場合の模式側面図である。
図7A図7Aは、第1の搬送規制部の模式斜視図である。
図7B図7Bは、第1の搬送規制部の模式側面図である。
図7C図7Cは、第1の搬送規制部の模式側面図である。
図8A図8Aは、第2の搬送規制部の模式正面図である。
図8B図8Bは、第2の搬送規制部の模式平面図である。
図8C図8Cは、第2の搬送規制部の模式平面図である。
図9A図9Aは、ボビンの供給方法の説明図である。
図9B図9Bは、ボビンの排出方法の説明図である。
図10図10は、制御装置の構成を示すブロック図である。
図11図11は、制御装置が実行する処理手順を示すフローチャートである。
図12図12は、排出処理の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して、本願の開示する生産システムおよび加工品の製造方法の実施形態を詳細に説明する。
【0012】
ここで、本実施形態では、モータの製造に供される巻線用のボビンを巻線装置へ搬送するとともに、巻線が取り付けられた状態のボビンを巻線装置から受け取って収納トレーへ収納する生産システムについて説明する。ただし、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。たとえば、本願の開示する生産システムが取り扱うワークは、ボビン以外のワークであってもよい。
【0013】
まず、本実施形態に係る生産システムの外観について図1および図2を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る生産システムの模式斜視図であり、図2は、本実施形態に係る生産システムの模式平面図である。なお、以下においては、位置関係を明確にするために、互いに直交するX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向を規定し、Z軸正方向を鉛直上向き方向とする。
【0014】
図1および図2に示すように、本実施形態に係る生産システム1は、セル100内に、循環装置2、ロボット3、撮像装置4、受渡ユニット5、搬送装置6、ブラッシング部7、検査装置8、ボビン反転部9、収納トレー10、制御装置11等を備える。
【0015】
セル100の略中央には、ロボット3が配置される。そして、ロボット3以外の各装置は、ロボット3の周囲にそれぞれ配置される。たとえば、ロボット3のX軸正方向側に受渡ユニット5が配置され、Y軸正方向側に循環装置2、ブラッシング部7、検査装置8、ボビン反転部9等が配置され、ロボット3のX軸負方向側に収納トレー10が配置される。
【0016】
また、ロボット3から見て受渡ユニット5よりも奥側には搬送装置6が配置される。かかる搬送装置6は、生産システム1と隣接して設けられる巻線装置50(図2参照)と接続される。以下、各装置の構成について個別に説明する。
【0017】
循環装置2は、ボビンW(図3参照)を所定の経路に沿って循環させる装置である。かかる循環装置2の具体的な構成については、後述する。また、ロボット3は、所定の経路の一部分である保持領域において、循環されるボビンWを保持して受渡ユニット5まで移動させる動作を行う。
【0018】
ここで、循環装置2によって循環されるボビンWは、表面、裏面、側面でそれぞれ異なる形状を有しており、これらの面のうち何れかの面をZ軸正方向へ向けた状態で循環装置2によって循環される。そして、ロボット3は、これらのボビンWのうち予め設定された条件をみたす姿勢で循環されるボビンW、本実施形態では、裏面をZ軸正方向へ向けて循環されるボビンWのみを保持する。
【0019】
かかる点について図3A図3Cを用いて説明する。図3A図3Cは、それぞれ異なる方向から見た場合のボビンWの形状を示す模式図である。本実施形態では、ボビンWの各面のうち図3Aに示す面を「裏面」、図3Bに示す面を「表面」、図3Cに示す面を「側面」と定義する。
【0020】
図3A図3Cに示すように、ボビンWは、裏面、表面および側面がそれぞれ異なる形状に形成される。ロボット3は、これらのボビンWのうち、図3Aに示す裏面をZ軸正方向へ向けて循環されるボビンWのみを保持して受渡ユニット5まで移動させる。
【0021】
なお、ロボット3は、たとえば垂直多関節ロボットであり、アームの先端部に設けられた保持部31を用いてボビンWの保持を行う。本実施形態では、ボビンWを把持するタイプの保持部31をロボット3が備える場合の例について説明するが、ロボットが備える保持部は、把持タイプの保持部に限定されない。たとえば、ロボットは、空気圧を利用してワークを吸着保持する吸着タイプの保持部を備えてもよい。
【0022】
また、ロボット3は、循環装置2によって循環されるボビンWを保持して受渡ユニット5まで移動させる動作以外の動作も行う。たとえば、ロボット3は、巻線装置50によって巻線が取り付けられたボビンW(以下、「処理済ボビンWp」と記載する)を受渡ユニット5から受け取り、受け取った処理済ボビンWpをブラッシング部7、検査装置8、ボビン反転部9へ順次移動させた後、収納トレー10へ収容する動作も行う。
【0023】
撮像装置4は、循環装置2によって循環されるボビンWを撮像する。撮像装置4によって撮像された画像は、制御装置11へ送信される。なお、撮像装置4は、たとえばCCD(Charge Coupled Device)カメラである。
【0024】
受渡ユニット5は、ロボット3と搬送装置6との間で、ボビンWまたは処理済ボビンWpの受け渡しを行う装置である。具体的には、受渡ユニット5は、取付装置5aと取外装置5bとを備える。
【0025】
取付装置5aは、ロボット3から受け取ったボビンWに対して所定の治具を取り付け、治具が取り付けられたボビンW(以下、「治具付ボビンWj」と記載する)を搬送装置6の搬出部6aへ受け渡す処理を行う。また、取外装置5bは、搬送装置6の搬入部6bによって巻線装置50から搬入される処理済ボビンWpを受け取り、受け取った処理済ボビンWpから治具を取り外す処理を行う。
【0026】
搬送装置6は、治具付ボビンWjの搬出および処理済ボビンWpの搬入を行う装置である。具体的には、搬送装置6は、搬出部6aおよび搬入部6bを備える。これら搬出部6aおよび搬入部6bは、Y軸方向に沿って延在し、生産システム1のY軸正方向側に隣接する巻線装置50と接続される。
【0027】
搬出部6aは、治具付ボビンWjをセル100外の巻線装置50へ搬出する。また、搬入部6bは、処理済ボビンWpを巻線装置50からセル100内へ搬入する。なお、搬出部6aおよび搬入部6bは、たとえばベルトコンベアである。
【0028】
ブラッシング部7は、回転ブラシを用いて処理済ボビンWpに付着するパーティクルを除去する装置である。検査装置8は、CCDカメラ等の撮像装置を用いて処理済ボビンWpを撮像し、撮像結果に基づいて巻線状態の良否やボビン欠けの有無等の検査を行う装置である。ボビン反転部9は、図3Cに示す側面をZ軸正方向へ向けて載置された処理済ボビンWpをZ軸回りに180度回転させることによって、処理済ボビンWpを反転させる装置である。収納トレー10は、ブラッシング部7によるブラッシング工程、検査装置8による検査工程、ボビン反転部9による反転工程を経た処理済ボビンWpが収納されるトレーである。
【0029】
制御装置11は、生産システム1全体を制御する装置である。かかる制御装置11は、撮像装置4から取得した画像データに基づき、裏面をZ軸正方向へ向けて循環されるボビンW(図3A参照)を検出する。そして、制御装置11は、裏面を向けたボビンWを検出すると、検出されたボビンWの保持動作の実行をロボット3に対して指示する。なお、制御装置11は、ボビンWが検出され、検出されたボビンWが保持領域に到達した場合に、循環装置2によるボビンWの循環を停止したうえで、検出されたボビンWの保持動作の実行をロボット3に対して指示することとしているが、かかる点については、後述する。
【0030】
なお、ロボット3のX軸正方向側には、作業台13aが設置され、かかる作業台13a上に、受渡ユニット5および搬送装置6が載置される。また、ロボット3のY軸正方向側には、作業台13bが設置され、かかる作業台13b上に、循環装置2、撮像装置4、ブラッシング部7、検査装置8、ボビン反転部9が載置される。また、ロボット3のX軸負方向側には、作業台13cが設置され、かかる作業台13c上に、収納トレー10が載置される。また、制御装置11は、たとえば作業台13c下部の空きスペースに配置される。
【0031】
本実施形態に係る生産システム1は、上記のように構成されており、循環装置2やロボット3、受渡ユニット5といった各装置が制御装置11の制御に従って動作する。ここで、生産システム1の一連の動作について簡単に説明する。
【0032】
循環装置2によって循環されるボビンWのうち裏面を向けた状態で循環されるボビンWが検出されると、ロボット3は、検出されたボビンWを保持して受渡ユニット5の取付装置5aへ渡す。取付装置5aは、ロボット3からボビンWを受け取ると、受け取ったボビンWに対して治具を取り付けて搬送装置6の搬出部6aへ載置する。搬出部6aへ載置された治具付ボビンWjは、搬出部6aによって巻線装置50へ搬送され、巻線装置50によって巻線が取り付けられる。
【0033】
巻線装置50によって巻線が取り付けられた処理済ボビンWpは、搬送装置6の搬入部6bによってセル100内に再び搬入される。処理済ボビンWpは、搬入部6bによって取外装置5bの手前まで搬送された後、取外装置5bによって搬入部6bから取り出され、治具が取り外される。なお、取り外された治具は、搬入部6bによって取付装置5aの手前まで搬送された後、取付装置5aによって新たなボビンWに取り付けられることとなる。
【0034】
取外装置5bが処理済ボビンWpから治具を取り外すと、ロボット3は、処理済ボビンWpを取外装置5bから受け取り、受け取った処理済ボビンWpをブラッシング部7へ搬送する。かかるブラッシング部7では、処理済ボビンWpのブラッシング工程が行われる。
【0035】
ブラッシング部7によるブラッシング工程が完了すると、ロボット3は、処理済ボビンWpを検査装置8へ搬送する。かかる検査装置8では、処理済ボビンWpの検査工程が行われる。かかる検査工程において処理済ボビンWpに異常が発見されなかった場合、ロボット3は、処理済ボビンWpをボビン反転部9へ搬送する。かかるボビン反転部9では、処理済ボビンWpの反転工程が行われる。なお、反転工程は、ロボット3が処理済ボビンWpを所定の向きで収納トレー10へ収納する動作を行い易くするために行われる。
【0036】
ボビン反転部9による反転工程が完了すると、ロボット3は、ボビン反転部9から処理済ボビンWpを受け取り、受け取った処理済ボビンWpを収納トレー10へ収納する。なお、処理済ボビンWpは、収納トレー10に対して特定の向き(たとえば図3Bに示す表向き)で収納される。
【0037】
このように、本実施形態に係る生産システム1では、循環装置2によって循環されるボビンWのうち、予め設定された条件を満たす姿勢、具体的には、裏面を向けたボビンW(図3A参照)を保持対象とする。
【0038】
ここで、本実施形態に係る循環装置2は、循環されるボビンWの姿勢を異ならせる姿勢変更機構を備える。具体的には、本実施形態に係る循環装置2は、ボビンWを所定の高さから落下させることによってボビンWの姿勢を異ならせる機構を姿勢変更機構として備える。
【0039】
これにより、生産システム1では、表向きや横向きで循環していたボビンW、すなわち、ロボット3の保持対象でないボビンWであっても、姿勢変更機構を用いてボビンWを落下させ、ボビンWの向きを変化させることで、ロボット3の保持対象とすることができる。
【0040】
以下では、循環装置2の具体的な構成について図4図6を用いて説明する。図4は、循環装置2の模式斜視図である。また、図5は、姿勢変更機構をY軸負方向から見た場合の模式側面図であり、図6は、姿勢変更機構をX軸正方向から見た場合の模式側面図である。なお、図5および図6は、各搬送部の高さ関係を説明するための図であり、搬送部以外の部材を省略して示している。
【0041】
図4に示すように、循環装置2は、ボビンWをX軸正方向へ搬送する往路部2aと、往路部2aによって搬送されたボビンWをZ軸負方向へ搬送して往路部2aへ戻す復路部2bとを備える。このように、ボビンWは、往路部2aおよび復路部2bによって形成される経路を循環する。また、本実施形態に係る姿勢変更機構70(図5参照)は、これら往路部2aおよび復路部2bによって構成される。
【0042】
なお、撮像装置4は、復路部2bの上方に設けられており、復路部2b上を搬送されるボビンWを撮像する。また、制御装置11は、裏向きの姿勢(図3A参照)で循環されるボビンWが検出された場合、循環装置2によるボビンWの循環を停止したうえで、検出されたボビンWの保持をロボット3に対して指示する。これにより、検出されたボビンWが往路部2aへ戻されることを防止することができる。
【0043】
往路部2aは、ボビン供給部21と、第1の搬送部22とを備える。ボビン供給部21および第1の搬送部22は、X軸正方向へ向けてボビン供給部21、第1の搬送部22の順で配置される。すなわち、ボビン供給部21の上流側に第1の搬送部22が配置される。
【0044】
ボビン供給部21は、図5に示すように、第1の高さ位置において略水平に設けられており、セル100外部から供給されるボビンWをX軸正方向へ搬送して第1の搬送部22へ渡す。なお、ボビン供給部21は、X軸正方向だけでなくX軸負方向へもボビンWを搬送することができるが、かかる点については、後述する。
【0045】
第1の搬送部22は、ボビン供給部21から搬送されてきたボビンWをさらにX軸正方向へ搬送する。ここで、第1の搬送部22は、図5に示すように、所定の角度で傾斜しており、ボビン供給部21から搬送されたボビンWを第1の高さ位置よりも高い第2の高さ位置まで移動させる。第2の高さ位置まで移動したボビンWは、その後、第2の高さ位置から落下することとなる。
【0046】
復路部2bは、第2の搬送部24と、第3の搬送部23と、第4の搬送部25とを備える。第2の搬送部24は、往路部2aと平行に設けられており、ボビンWをX軸負方向へ搬送する。かかる第2の搬送部24は、第2の高さ位置よりも低く、かつ、第1の高さ位置よりも高い第3の高さ位置において略水平に設けられる。なお、ロボット3によるボビンWの保持動作が行われる領域である保持領域は、かかる第2の搬送部24に形成される。
【0047】
第3の搬送部23は、Y軸方向に沿って延在する部材であり、Y軸正方向側の端部が、第1の搬送部22における下流側端部の下方に配置され、Y軸負方向側の端部が、第2の搬送部24における上流側端部の上方に配置される。
【0048】
かかる第3の搬送部23は、Y軸正方向からY軸負方向へ向けて下り勾配となるように設けられており、第1の搬送部22から落下したボビンWを受け止め、受け止めたボビンWを重力に従って移動させ、第2の搬送部24へと送る。
【0049】
第4の搬送部25は、Y軸方向に沿って延在する部材であり、Y軸負方向側の端部が、第2の搬送部24における下流側端部の下方に配置され、Y軸正方向側の端部が、ボビン供給部21における上流側端部の上方に配置される。
【0050】
かかる第4の搬送部25は、Y軸負方向からY軸正方向へ向けて下り勾配となるように設けられており、第2の搬送部24における下流側端部まで搬送されたボビンWを重力に従って移動させてボビン供給部21へ戻す。
【0051】
このように、ボビンWは、ボビン供給部21へ供給された後、第1の搬送部22、第3の搬送部23、第2の搬送部24および第4の搬送部25を順次経由して再びボビン供給部21へ戻される。
【0052】
なお、本実施形態においてボビン供給部21、第1の搬送部22および第2の搬送部24は、たとえばベルトコンベアであり、モータ等の動力源を用いてボビンWを機械的に搬送する。これに対し、第3の搬送部23および第4の搬送部25は、動力源を用いることなく、傾斜を利用してボビンWを搬送する。本実施形態に係る生産システム1では、第2の搬送部24をボビン供給部21よりも高い位置に設けることにより、モータ等の動力源を用いることなく、第2の搬送部24からボビン供給部21へボビンWを戻すことができる。
【0053】
循環装置2によって循環されるボビンWは、第1の搬送部22によって第2の高さ位置まで移動した後、かかる第2の高さ位置から第3の搬送部23へ向けて落下する。このとき、ボビンWには、落下によって姿勢が変化する可能性が生じる。
【0054】
たとえば、図6に示すように、ボビンWは、第1の搬送部22上において表向き(図3B参照)で搬送されていた場合であっても、第2の高さ位置から落下することによって姿勢が裏向き(図3A参照)に変化する場合がある。かかる場合、ボビンWは、ロボット3による保持対象となる。
【0055】
このように、本実施形態に係る生産システム1では、循環装置2を用いてボビンWを途中で落下させながら循環させることによって、最終的には、全てのボビンWをロボット3に対して保持させることができる。
【0056】
循環装置2のその他の構成について説明する。図4に示すように、循環装置2は、第1の搬送規制部203を備える。ここで、かかる第1の搬送規制部203の構成について図7A図7Cを用いて説明する。図7Aは、第1の搬送規制部203の模式斜視図である。また、図7Bおよび図7Cは、第1の搬送規制部203の模式側面図である。
【0057】
図7Aに示すように、第1の搬送規制部203は、第1の搬送部22の上方に設けられ、Y軸方向に延在する基部203aと、基部203aに対して一端側が固定され、第1の搬送部22の搬送面へ向けて垂下する長尺状の垂下部203bとを備える。
【0058】
垂下部203bは、たとえばゴム等であり、基部203aに対して所定の間隔を開けて複数設けられる。各垂下部203bの他端側と搬送面との間には、ボビンWが通過できる程度の隙間が形成される。
【0059】
図7Bに示すように、第1の搬送部22によって搬送されるボビンWの中には、上下に重なった状態で搬送されるボビンWが存在する場合がある。このように重なった状態のままでは、保持対象である裏向きのボビンWを適切に検出できない可能性があり、また、検出できたとしても、ロボット3による保持動作に支障を来たすおそれがある。
【0060】
一方、本実施形態において、他のボビンWの上部に重なるボビンWは、第1の搬送規制部203の垂下部203bと当接することとなる。この結果、他のボビンWの上部に重なるボビンWは、第1の搬送部22の上流側への搬送が規制されることとなるため、他のボビンWとの重なりが解消される。
【0061】
このように、本実施形態に係る生産システム1では、第1の搬送規制部203を用いてボビンW同士の上下の重なりを解消することとした。このため、生産システム1によれば、裏向きのボビンWを適切に検出することができ、また、ロボット3による保持動作を確実に実行することができる。
【0062】
なお、第1の搬送部22自体が傾斜しているため、たとえばボビンW上に不安定に重なったボビンW等は、重力によって自然落下し易い。すなわち、傾斜を有する第1の搬送部22を用いてボビンWを搬送することによっても、ボビンW同士の上下の重なりを解消することができる。また、第1の搬送規制部203は、第1の搬送部22の中央よりも下流側に設けられる。これにより、第1の搬送部22の傾斜によってある程度解消されたボビンW同士の重なりを、第1の搬送規制部203によってさらに解消させることができる。
【0063】
図4に戻り、循環装置2のその他の構成についての説明を続ける。循環装置2は、第2の搬送規制部204をさらに備える。ここで、かかる第2の搬送規制部204の構成について図8A図8Cを用いて説明する。図8Aは、第2の搬送規制部204の模式正面図である。また、図8Bおよび図8Cは、第2の搬送規制部204の模式平面図である。
【0064】
図8Aに示すように、第2の搬送規制部204は、第1の搬送規制部203と同様、ボビンWの搬送を規制する部材であり、特に、ボビンW同士が近接した状態を解消する。
【0065】
具体的には、第2の搬送規制部204は、第2の搬送部24の上方に設けられ、Y軸方向に延在する基部204aと、基部204aに対して一端側が固定され、第2の搬送部24の搬送面へ向けて垂下する長尺状の垂下部204bとを備える。
【0066】
垂下部204bは、たとえば肉薄のプラスチック部材であり、基部204aに対して所定の間隔を開けて複数設けられる。また、垂下部204bの他端側と搬送面との間には、ボビンWが通過できない程度の僅かな隙間が形成される。すなわち、垂下部204bと第2の搬送部24の搬送面との間の隙間は、垂下部203bと第1の搬送部22の搬送面との間の隙間よりも小さく形成される。なお、垂下部204bの他端側は、第2の搬送部24の搬送面と接していてもよい。
【0067】
図8Bに示すように、第1の搬送規制部203によってボビンWの上下の重なりが解消されたとしても、ボビンW同士が互いに近接した状態で搬送される場合がある。このようにボビンW同士が近接している場合、ロボット3による保持動作に支障を来たすおそれがある。
【0068】
そこで、本実施形態に係る生産システム1では、第2の搬送部24に対して第2の搬送規制部204を設けることにより、第2の搬送部24を近接した状態で搬送される複数のボビンWをバラけさせ(図8C参照)、近接状態を解消することとした。これにより、生産システム1では、ロボット3による保持動作をより確実に実行することができる。
【0069】
なお、本実施形態では、第1の搬送規制部203の基部203aに対して垂下部203bが4個設けられ、第2の搬送規制部204の基部204aに対して垂下部204bが3個設けられる場合の例について示したが、垂下部203b,204bの個数は、これらに限定されない。また、垂下部203b,204bは、ボビンWを傷付け難い比較的柔らかい部材であればよく、ゴムやプラスチックに限定されない。
【0070】
図4に戻り、循環装置2のその他の構成についての説明を続ける。循環装置2は、第1の搬送部22上のボビンWを検知する第1の検知部201と、第2の搬送部24上のボビンWを検知する第2の検知部202とを備える。第1の検知部201および第2の検知部202としては、たとえば透過型のレーザセンサ等を用いることができる。
【0071】
第1の検知部201および第2の検知部202によるボビンWの検知結果は、制御装置11へ送信される。制御装置11は、かかる検知結果に基づいて第1の搬送部22および第2の搬送部24上のボビンWの有無を判定する。かかる判定結果は、ボビンWを循環装置2から排出する場合に用いられる。
【0072】
ここで、循環装置2に対するボビンWの供給方法および排出方法について図9Aおよび図9Bを用いて説明する。図9Aは、ボビンWの供給方法の説明図であり、図9Bは、ボビンWの排出方法の説明図である。
【0073】
図9Aに示すように、セル100には、ボビン供給部21の近傍、かつ、ボビン供給部21よりも上方に扉体101が設けられている。作業者等は、かかる扉体101を開け、ボビン供給部21の上方からボビンWをボビン供給部21へ供給する。
【0074】
ボビンWを循環させる場合、ボビン供給部21は、供給されたボビンWをX軸正方向へ搬送して第1の搬送部22へ渡す。これにより、ボビンWは、ロボット3によって保持されるまでの間、第1の搬送部22、第3の搬送部23、第2の搬送部24、第4の搬送部25およびボビン供給部21を循環し続ける。
【0075】
一方、ボビン供給部21の第1の搬送部22が設けられる側と反対側には、ボビン排出部102が設けられている。ボビン排出部102は、セル100に形成された開口部102aと、かかる開口部102aに設置された受け部102bとを備える。開口部102aは、ボビン供給部21の近傍、かつ、ボビン供給部21よりも下方に形成される。また、受け部102bは、セル100の内部および外部に跨って配置される。
【0076】
図9Bに示すように、循環装置2からボビンWを排出する場合、ボビン供給部21は、ボビンWを循環させる場合とは反対側、すなわち、X軸負方向側に設けられるボビン排出部102へ向けてボビンWを搬送する。これにより、ボビン供給部21上のボビンWは、ボビン供給部21から落下し、ボビン排出部102の受け部102bによって受け止められる。受け部102bによって受け止められたボビンWは、その後、作業者等によって回収される。
【0077】
このように、生産システム1では、ボビン排出部102が、ボビン供給部21の第1の搬送部22が設けられる側と反対側に設けられる。そして、ボビン供給部21は、ボビンWを循環させる場合には、ボビンWを第1の搬送部22へ向けて搬送し、ボビンWを循環装置2から排出する場合には、第1の搬送部22と反対側に設けられるボビン排出部102へ向けてボビンWを搬送する。
【0078】
これにより、生産システム1では、循環装置2へ供給されたボビンWの排出を容易に行うことができる。
【0079】
次に、制御装置11の構成について図10を用いて説明する。図10は、制御装置11の構成を示すブロック図である。なお、図10では、制御装置11の特徴を説明するために必要な構成要素を示しており、一般的な構成要素についての記載を適宜省略している。
【0080】
また、図10では、第1の検知部201および第2の検知部202を総称して「検知部」と記載し、ボビン供給部21、第1の搬送部22および第2の搬送部24を総称して「搬送部」と記載している。また、図10では、生産システム1が備える各装置のうち、循環装置2、ロボット3、撮像装置4および制御装置11以外の装置を「その他の装置」と記載する。
【0081】
図10に示すように、制御装置11は、制御部111と、記憶部112とを備える。また、制御部111は、循環制御部111aと、ロボット制御部111bとを備える。また、記憶部112は、作業データ112aを記憶する。
【0082】
制御部111は、制御装置11の全体制御を行う。循環制御部111aは、循環装置2が備える搬送部のうち、動力源を備えるボビン供給部21、第1の搬送部22および第2の搬送部24の動作制御を行う。
【0083】
たとえば、循環制御部111aは、ボビンWを循環させる場合には、ボビン供給部21および第1の搬送部22をX軸正方向へ動作させるとともに、第2の搬送部24をX軸負方向へ動作させる。また、循環制御部111aは、外部からボビンWの排出指示を受けた場合には、ボビン供給部21をX軸負方向へ動作させる。なお、かかる点については、図12を用いて後述する。
【0084】
ロボット制御部111bは、ロボット3の動作制御を行う。具体的には、ロボット制御部111bは、撮像装置4によって撮像された画像に基づいて、予め設定された条件のをみたす姿勢、すなわち、裏向きで搬送されるボビンWを検出し、検出されたボビンWの保持をロボット3に対して指示する。
【0085】
記憶部112は、ハードディスクドライブや不揮発性メモリといった記憶デバイスであり、作業データ112aを記憶する。作業データ112aは、生産システム1が実行する作業の内容を規定する情報であり、たとえば、ロボット3による保持対象となる裏向きのボビンWの画像データなどを含む。制御部111は、かかる作業データ112aに基づいて循環装置2やロボット3またはその他の装置の制御を行う。
【0086】
次に、制御装置11の具体的動作について図11を用いて説明する。図11は、制御装置11が実行する処理手順を示すフローチャートである。
【0087】
図11に示すように、制御装置11の制御部111は、外部から排出指示を受けたか否かを判定し(ステップS101)、排出指示を受けたと判定すると(ステップS101,Yes)、排出処理を行う(ステップS102)。排出処理は、循環装置2内のボビンWを循環装置2から排出する処理である。この排出処理の処理手順については、図12を用いて後述する。
【0088】
ステップS101において排出指示を受けていない場合(ステップS101,No)、制御部111は、裏向きのボビンWが検出されたか否かを判定し(ステップS103)、検出されたと判定した場合には(ステップS103,Yes)、処理をステップS104へ移行する。
【0089】
ステップS104において制御部111は、ロボット3が他の作業中か否かを判定し、ロボット3が他の作業中である場合(ステップS104,Yes)、ロボット3に対して他の作業を実行させた後(ステップS105)、搬出処理を行う(ステップS106)。
【0090】
ここで、搬出処理とは、ステップS013において検出された裏向きのボビンWをロボット3を用いて循環装置2から取り出し、取り出したボビンWに対して取付装置5aを用いて治具を取り付けて搬出部6aへ渡す処理のことである。また、他の作業とは、たとえば、ロボット3が、取外装置5bから受け取った処理済ボビンWpをブラッシング部7、検査装置8、ボビン反転部9を経由しつつ収納トレー10へ収納する作業等である。
【0091】
このように、ロボット3は、制御装置11からボビンWの保持動作を指示されていない場合には、搬入処理等の他の動作を行っており、かかる他の動作の合間に、制御装置11からの指示に従ってボビンWの保持動作を行う。
【0092】
すなわち、本実施形態に係る生産システム1では、循環装置2が落下を利用してボビンWの姿勢を変化させるものであるため、裏向きのボビンWが常に検出されるとは限らない。しかし、仮に、裏向きのボビンWが長い期間検出されなかったとしても、ロボット3は、単に待機しているのではなくその他の動作を行うため、生産システム1全体としての効率の低下を防止することができる。
【0093】
なお、制御部111は、ロボット3が他の作業中でなければ(ステップS104,No)、そのまま搬出処理へ処理を移行する。
【0094】
一方、ステップS103において裏向きのボビンWが検出されない場合(ステップS103,No)、制御部111は、搬入処理を行う(ステップS107)。かかる搬入処理は、巻線装置50から搬入されてきた処理済ボビンWpを受け取り、ブラッシングや検査等を行ったうえで収納トレー10へ収納する処理である。
【0095】
ステップS102の排出処理、ステップS106の搬出処理またはステップS107の搬入処理を終えると、制御部111は、全ての作業が終了したか否かを判定する(ステップS108)。たとえば、制御部111は、外部から作業を終了すべき旨の指示を受けた場合、あるいは、電源がオフされた場合に、全ての作業が終了したと判定する。制御部111は、ステップS108において全ての作業が終了していない場合には(ステップS108,No)、処理をステップS101へ移行し、全ての作業が終了したと判定した場合には(ステップS108,Yes)、処理を終了する。
【0096】
次に、ステップS102に示す排出処理の処理手順について図12を用いて説明する。図12は、排出処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0097】
図12に示すように、制御部111の循環制御部111aは、ボビン供給部21をボビン排出部102側へ動作させる(ステップS201)。これにより、ボビン供給部21上のボビンWがボビン排出部102へ落下する。
【0098】
つづいて、循環制御部111aは、第1の検知部201によるボビンWの検知が一定期間なかったか否かを判定する(ステップS202)。かかる処理において、第1の検知部201によるボビンWの検知が一定期間なかったと判定すると(ステップS202,Yes)、循環制御部111aは、第1の搬送部22を停止する(ステップS203)。
【0099】
つづいて、循環制御部111aは、第2の検知部202によるボビンWの検知が一定期間なかったか否かを判定する(ステップS204)。かかる処理において、第2の検知部202によるボビンWの検知が一定期間なかったと判定すると(ステップS204,Yes)、循環制御部111aは、第2の搬送部24を停止する(ステップS205)。
【0100】
つづいて、循環制御部111aは、第2の搬送部24を停止してから一定時間が経過したか否かを判定する(ステップS206)。かかる処理において、第2の搬送部24を停止してから一定時間が経過したと判定すると(ステップS206,Yes)、循環制御部111aは、ボビン供給部21を停止して(ステップS207)、排出処理を終える。
【0101】
上述してきたように、本実施形態に係る生産システム1は、循環装置2と、ロボット3と、姿勢変更機構70とを備える。循環装置2は、ボビンWを所定の経路に沿って循環させる。ロボット3は、所定の経路の一部分である保持領域において、循環されるボビンWを保持して所定の場所へ移動させる。姿勢変更機構70は、循環装置2に設けられ、循環されるボビンWの姿勢を異ならせる。
【0102】
また、循環装置2の姿勢変更機構70は、往路部2aと、復路部2bとを備える。往路部2aは、ボビンWを第1の高さ位置から第1の高さ位置よりも高い第2の高さ位置へ移動させて第2の高さ位置から落下させる。復路部2bは、往路部2aにおける第2の高さ位置から落下したボビンWを往路部2aへ戻す。したがって、本実施形態に係る生産システム1によれば、取り扱うワーク種に対する汎用性を高めることができる。
【0103】
なお、上述してきた実施形態では、姿勢変更機構が、ワークを落下させることによってワークの姿勢を異ならせる場合の例について説明したが、姿勢変更機構は、他の方法によってワークの姿勢を異ならせてもよい。たとえば、姿勢変更機構は、循環装置に設けられ、いずれかの経路を振動させることによってワークの姿勢を異ならせる機構(振動発生装置)であってもよい。
【0104】
また、姿勢変更機構は、循環装置によって循環されるワークに対して気体(たとえば、空気)を噴出することによってワークの姿勢を異ならせる機構であってもよい。
【0105】
また、上述してきた実施形態では、予め設定された条件を満たす姿勢が1つである場合の例について説明したが、予め設定された条件を満たす姿勢は、1つに限らず複数であってもよい。
【0106】
また、上述してきた実施形態では、ロボット3として垂直多関節ロボットを適用した例について説明したが、ロボットは垂直多関節ロボットに限定されず、たとえばパラレルリンクロボットや直交ロボット等、ワークを保持して搬送できる構成であればよい。
【0107】
また、上述してきた実施形態では、ロボット3が、処理済ボビンWpを収納トレー10へ収納する動作も行う場合の例について説明したが、ロボット3は、さらに、収納トレー10が処理済ボビンWpで一杯になった場合に、処理済ボビンWp上に図示しない底板部材を載置する動作を行ってもよい。
【0108】
底板部材は、たとえば段ボールや厚紙であり、ロボット3の保持部31が届く範囲に置かれる。ロボット3は、エンドエフェクタを把持タイプの保持部31から吸着タイプの保持部へ持ち替えた後、底板部材を吸着保持して収納トレー10内に収納された処理済ボビンWpの上部に載置する。これにより、収納トレー10を取り替えることなく、底板部材の上部にあらたな処理済ボビンWpを収納することができる。
【0109】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0110】
1 生産システム
2 循環装置
2a 往路部
21 ボビン供給部
22 第1の搬送部
2b 復路部
23 第3の搬送部
24 第2の搬送部
25 第4の搬送部
70 姿勢変更機構
201 第1の検知部
202 第2の検知部
203 第1の搬送規制部
203a 基部
203b 垂下部
204 第2の搬送規制部
204a 基部
204b 垂下部
3 ロボット
4 撮像装置
5 受渡ユニット
6 搬送装置
7 ブラッシング部
8 検査装置
9 ボビン反転部
10 収納トレー
11 制御装置
100 セル
102 ボビン排出部
W ボビン
Wj 治具付ボビン
Wp 処理済ボビン
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図10
図11
図12
【国際調査報告】