再表2013-153803IP Force 特許公報全文掲載

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2013年10月17日
【発行日】2015年12月17日
(54)【発明の名称】半導体装置、ダイアタッチ材料および半導体装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/48 20100101AFI20151120BHJP
   C09J 4/02 20060101ALI20151120BHJP
   C09J 11/06 20060101ALI20151120BHJP
   C09J 11/04 20060101ALI20151120BHJP
   H01L 21/52 20060101ALI20151120BHJP
【FI】
   H01L33/00 400
   C09J4/02
   C09J11/06
   C09J11/04
   H01L21/52 E
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】29
【出願番号】特願2014-510055(P2014-510055)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2013年4月10日
(31)【優先権主張番号】特願2012-89337(P2012-89337)
(32)【優先日】2012年4月10日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】000002141
【氏名又は名称】住友ベークライト株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】599117509
【氏名又は名称】スミトモ ベークライト シンガポール プライベート リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(72)【発明者】
【氏名】牧原 康二
(72)【発明者】
【氏名】ロー スイ セン
(72)【発明者】
【氏名】マン リン サム
【テーマコード(参考)】
4J040
5F047
5F142
【Fターム(参考)】
4J040FA151
4J040FA171
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4J040FA201
4J040FA291
4J040HA066
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4J040HD36
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4J040JA01
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4J040JB02
4J040KA42
4J040LA06
4J040LA07
4J040LA10
4J040MA02
4J040NA20
4J040PA30
5F047AA11
5F047BA21
5F047BA54
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5F047BB11
5F047BB16
5F047BB18
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5F142AA67
5F142BA32
5F142CA02
5F142CG03
5F142DB30
(57)【要約】
基板(1)、接着層(2)及び発光ダイオードチップ(3)を含む半導体装置(10)であって、接着層(2)が、一般式(1)で表わされる化合物(A1)、および1分子内にシクロアルキレン基と2個以上の(メタ)アクリル基とを有し芳香環を有しないアクリレート化合物(A2)からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂成分(A)と、シランカップリング剤(B)と、無機フィラー(C)と、を含有するダイアタッチ材料の硬化物である半導体装置(10)(式中、Xは酸素または窒素原子を表し、m及びnは0または1であり;R1、R2、R3、R4は水素原子または芳香環を有さない有機基を表し、ただし、R1、R2、R3、R4のうち少なくとも2つは(メタ)アクリル基を有する有機基である。)。
[化1]
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板、接着層及び発光ダイオードチップを含む半導体装置であって、
前記接着層が、
下記一般式(1)で表わされる化合物(A1)、および1分子内にシクロアルキレン基と2個以上の(メタ)アクリル基とを有し芳香環を有しないアクリレート化合物(A2)からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂成分(A)と、
下記一般式(b−1)で表される化合物(B1)、および下記一般式(b−2)で表される化合物(B2)からなる群より選ばれる少なくとも1種のシランカップリング剤(B)と、
無機フィラー(C)と、
を含有するダイアタッチ材料の硬化物である半導体装置。
【化1】
(式中、Xは酸素原子または窒素原子を表し、m及びnはそれぞれ独立に0または1であり、Xが酸素原子の時はm+n=1、Xが窒素原子の時はm+n=2であり;R1、R2、R3、R4はそれぞれ独立に水素原子または芳香環を有さない有機基を表し、ただし、R1、R2、R3、R4のうち少なくとも2つは(メタ)アクリル基を有し芳香環を有さない有機基であり、R1、R2、R3、R4のうち少なくとも2つの置換基が環を形成していてもよい。)
Y−(CH2)m−SiR5R6R7 (b−1)
(S)n−((CH2)p−SiR5R6R7)2 (b−2)
(式中、R5、R6、R7はそれぞれ独立に炭素数1〜10のアルキル基または炭素数1〜10のアルコキシ基を表し、ただし、R5、R6、R7の少なくとも1つは炭素数1〜10のアルコキシ基であり;Yはアミノ基、グリシジルオキシ基、(メタ)アクリロイルオキシ基、メルカプト基、イソシアネート基のいずれかであり;m及びpはそれぞれ独立に1〜10の整数であり;nは1以上の整数である。)
【請求項2】
前記ダイアタッチ材料が、ダイアタッチペーストである請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記化合物(A1)が、下記一般式(a1−1)で表される化合物、および下記一般式(a1−2)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む請求項1または2に記載の半導体装置。
【化2】
(式中、R1、R2、R3はそれぞれ独立に水素原子または芳香環を有さない有機基であり、R1、R2、R3のうち少なくとも2つは(メタ)アクリル基を有し芳香環を有さない有機基である。)
【化3】
(式中、R1'、R2'はそれぞれ独立に(メタ)アクリル基を有し芳香環を有さない有機基である。)
【請求項4】
前記化合物(A1)が、アクリル基または(メタ)アクリル基を分子内に少なくとも3つ以上有する化合物である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記アクリレート化合物(A2)が、下記一般式(a2−1)で表される化合物を含む請求項1または2に記載の半導体装置。
【化4】
(R1'、R2'はそれぞれ独立に(メタ)アクリル基を有し芳香環を有さない有機基であり、R11、R12はそれぞれ独立に直鎖状のアルキレン基又は単結合であり、Zはシクロアルキレン基を表す。)
【請求項6】
前記樹脂成分(A)が、前記一般式(a1−1)で表される化合物を含む請求項3に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記シランカップリング剤(B)が、前記一般式(b−1)で表される化合物を含む請求項1乃至6のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記一般式(b−1)においてYが、グリシジルオキシ基又は(メタ)アクリロイルオキシ基である請求項1乃至7のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項9】
基板と発光ダイオードチップとを接着するために用いるダイアタッチ材料であって、
当該ダイアタッチ材料が、下記一般式(1)で表わされる化合物(A1)、および1分子内にシクロアルキレン基と2個以上の(メタ)アクリル基とを有し芳香環を有しないアクリレート化合物(A2)からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂成分(A)と、
下記一般式(b−1)で表される化合物(B1)、および下記一般式(b−2)で表される化合物(B2)からなる群より選ばれる少なくとも1種のシランカップリング剤(B)と、
無機フィラー(C)と、
を含むダイアタッチ材料。
【化5】
(式中、Xは酸素原子または窒素原子を表し、m及びnはそれぞれ独立に0または1であり、Xが酸素原子の時はm+n=1、Xが窒素原子の時はm+n=2であり;R1、R2、R3、R4はそれぞれ独立に水素原子または芳香環を有さない有機基を表し、ただし、R1、R2、R3、R4のうち少なくとも2つは(メタ)アクリル基を有し芳香環を有さない有機基であり、R1、R2、R3、R4のうち少なくとも2つの置換基が環を形成していてもよい。)
Y−(CH2)m−SiR5R6R7 (b−1)
(S)n−((CH2)p−SiR5R6R7)2 (b−2)
(式中、R5、R6、R7はそれぞれ独立に炭素数1〜10のアルキル基または炭素数1〜10のアルコキシ基を表し、ただし、R5、R6、R7の少なくとも1つは炭素数1〜10のアルコキシ基であり;Yはアミノ基、グリシジルオキシ基、(メタ)アクリロイルオキシ基、メルカプト基、イソシアネート基のいずれかであり;m及びpはそれぞれ独立に1〜10の整数であり;nは1以上の整数である。)
【請求項10】
下記一般式(1)で表わされる化合物(A1)、および1分子内にシクロアルキレン基と2個以上の(メタ)アクリル基とを有し芳香環を有しないアクリレート化合物(A2)からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂成分(A)と、下記一般式(b−1)で表される化合物(B1)、および下記一般式(b−2)で表される化合物(B2)からなる群より選ばれる少なくとも1種のシランカップリング剤(B)と、無機フィラー(C)とを混合してダイアタッチ材料を製造する工程と、
前記ダイアタッチ材料を基板と発光ダイオードチップとの間に介在させる工程と、
前記基板に前記発光ダイオードチップを接着する工程と、
を含む半導体装置の製造方法。
【化6】
(式中、Xは酸素原子または窒素原子を表し、m及びnはそれぞれ独立に0または1であり、Xが酸素原子の時はm+n=1、Xが窒素原子の時はm+n=2であり;R1、R2、R3、R4はそれぞれ独立に水素原子または芳香環を有さない有機基を表し、ただし、R1、R2、R3、R4のうち少なくとも2つは(メタ)アクリル基を有し芳香環を有さない有機基であり、R1、R2、R3、R4のうち少なくとも2つの置換基が環を形成していてもよい。)
Y−(CH2)m−SiR5R6R7 (b−1)
(S)n−((CH2)p−SiR5R6R7)2 (b−2)
(式中、R5、R6、R7はそれぞれ独立に炭素数1〜10のアルキル基または炭素数1〜10のアルコキシ基を表し、ただし、R5、R6、R7の少なくとも1つは炭素数1〜10のアルコキシ基であり;Yはアミノ基、グリシジルオキシ基、(メタ)アクリロイルオキシ基、メルカプト基、イソシアネート基のいずれかであり;m及びpはそれぞれ独立に1〜10の整数であり;nは1以上の整数である。)
【請求項11】
前記ダイアタッチ材料が、ダイアタッチペーストであって、
前記ダイアタッチ材料を介在させる前記工程において、前記ダイアタッチペーストを前記基板と前記発光ダイオードチップに塗布する、請求項10に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項12】
前記化合物(A1)が、下記一般式(a1−1)で表される化合物、および下記一般式(a1−2)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む請求項10または11に記載の半導体装置の製造方法。
【化7】
(式中、R1、R2、R3はそれぞれ独立に水素原子または芳香環を有さない有機基であり、R1、R2、R3のうち少なくとも2つは(メタ)アクリル基を有し芳香環を有さない有機基である。)
【化8】
(式中、R1'、R2'はそれぞれ独立に(メタ)アクリル基を有し芳香環を有さない有機基である。)
【請求項13】
前記化合物(A1)が、アクリル基または(メタ)アクリル基を分子内に少なくとも3つ以上有する化合物である、請求項10乃至12のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項14】
前記アクリレート化合物(A2)が、下記一般式(a2−1)で表される化合物を含む請求項10または11に記載の半導体装置の製造方法。
【化9】
(R1'、R2'はそれぞれ独立に(メタ)アクリル基を有し芳香環を有さない有機基であり、R11、R12はそれぞれ独立に直鎖状のアルキレン基又は単結合であり、Zはシクロアルキレン基を表す。)
【請求項15】
前記樹脂成分(A)が、前記一般式(a1−1)で表される化合物を含む請求項12に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項16】
前記シランカップリング剤(B)が、前記一般式(b−1)で表される化合物を含む請求項10乃至15のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項17】
前記一般式(b−1)においてYが、グリシジルオキシ基又は(メタ)アクリロイルオキシ基である請求項10乃至16のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置、ダイアタッチ材料および半導体装置の製造方法
【背景技術】
【0002】
近年、発光ダイオード(LED)は、携帯電話のバックライト、噴水の明かり、スポットライト、デスクトップパソコンおよびテレビの液晶ディスプレイのバックライト等の、低出力LED(0.3W/mK未満)または中出力LED(0.3〜0.5W/mK)として種々の分野で用いられている。また、今後、自動車のヘッドライトなどの大出力LED(0.5W/mK超)として用いる等、更なる応用分野の拡大が期待されている。
【0003】
LEDは、通常、LEDチップを基板やリードフレームにダイアタッチペーストを介して接着し、LEDパッケージとして使用される。
半導体装置に用いるダイアタッチペーストは、従来から種々のものが知られている(例えば特許文献1〜3参照)。しかし、LEDに用いられるダイアタッチペーストとしては、LEDの特徴を最大限に活かすために、以下のような特性を兼ね備えていることが要求されている。
(1)高光反射性
LEDから基板側に向けて発光する光を最大限利用し、LEDの光出力を最大限にするために要求されている。
(2)高耐変色
LEDの最大光出力を維持するために要求されている。
(3)高弾性率
小さいLEDチップである場合、低弾性率ではワイヤーボンディングできないため要求されている。
(4)高密着強度
ワイヤーボンディング中にLEDチップが取れないように要求されている。
【0004】
現在LED用ダイアタッチペーストとしては、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等を含有するものが知られている(例えば、特許文献4〜9参照)。
シリコーン樹脂を含有するダイアタッチペーストは、無色で高耐変色であるという点で優れているが、密着性に劣るという不都合があった。エポキシ樹脂を含有するダイアタッチペーストは、密着性に優れているものの、着色しやすく、低耐変色であるという不都合があった。アクリル樹脂を含有するダイアタッチペーストは、光反射性に優れているものの、密着性が悪く、弾性率が低いという不都合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−019912号公報
【特許文献2】特開2001−019722号公報
【特許文献3】特開2001−019821号公報
【特許文献4】特開2005−113059号公報
【特許文献5】特開2009−242587号公報
【特許文献6】特開2009−256400号公報
【特許文献7】特開2010−248349号公報
【特許文献8】特開2011−100927号公報
【特許文献9】特開2011−088947号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明者らが検討した結果、従来の半導体装置用ダイアタッチペーストをそのままLEDに適用しても、高光反射性という面から使用に適さないという知見を得た。
また、従来のLED用ダイアタッチペーストによれば、無色で高耐変色であるという点で優れているが密着性に劣る、密着性に優れているものの、着色しやすく、低耐変色である、光反射性に優れているものの、密着性が悪く、弾性率が低い、といった不都合があったため、背景技術の項で述べた(1)〜(4)の特徴をそれぞれ満たすLED用ダイアタッチペーストは知られていなかった。
【0007】
本発明は、事情に鑑みてなされたものであって、高光反射性、高耐変色、高弾性率および高密着強度のバランスに優れた特性を有する半導体装置、および半導体装置の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
の課題を解決するために、本発明は以下の構成を採用した。
すなわち、本発明の第一の態様は、基板、接着層及び発光ダイオードチップを含む半導体装置であって、
前記接着層が、
下記一般式(1)で表わされる化合物(A1)、および1分子内にシクロアルキレン基と2個以上の(メタ)アクリル基とを有し芳香環を有しないアクリレート化合物(A2)からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂成分(A)と、
下記一般式(b−1)で表される化合物(B1)、および下記一般式(b−2)で表される化合物(B2)からなる群より選ばれる少なくとも1種のシランカップリング剤(B)と、
無機フィラー(C)と、
を含有するダイアタッチ材料の硬化物である半導体装置、である。
【0009】
【化1】
(式中、Xは酸素原子または窒素原子を表し、m及びnはそれぞれ独立に0または1であり、Xが酸素原子の時はm+n=1、Xが窒素原子の時はm+n=2であり;R1、R2、R3、R4はそれぞれ独立に水素原子または芳香環を有さない有機基を表し、ただし、R1、R2、R3、R4のうち少なくとも2つは(メタ)アクリル基を有し芳香環を有さない有機基であり、R1、R2、R3、R4のうち少なくとも2つの置換基が環を形成していてもよい。)
【0010】
Y−(CH2)m−SiR5R6R7 (b−1)
(S)n−((CH2)p−SiR5R6R7)2 (b−2)
(式中、R5、R6、R7はそれぞれ独立に炭素数1〜10のアルキル基または炭素数1〜10のアルコキシ基を表し、ただし、R5、R6、R7の少なくとも1つは炭素数1〜10のアルコキシ基であり;Yはアミノ基、グリシジルオキシ基、(メタ)アクリロイルオキシ基、メルカプト基、イソシアネート基のいずれかであり;m及びpはそれぞれ独立に1〜10の整数であり;nは1以上の整数である。)
【0011】
また、本発明の第二の態様は、基板と発光ダイオードチップとを接着するために用いるダイアタッチ材料であって、当該ダイアタッチ材料が、前記一般式(1)で表わされる化合物(A1)、および1分子内にシクロアルキレン基と2個以上の(メタ)アクリル基とを有し芳香環を有しないアクリレート化合物(A2)からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂成分(A)と、下記一般式(b−1)で表される化合物(B1)、および下記一般式(b−2)で表される化合物(B2)からなる群より選ばれる少なくとも1種のシランカップリング剤(B)と、無機フィラー(C)と、を含むダイアタッチ材料である。
【0012】
本発明の第一および第二の態様においては、前記ダイアタッチ材料が、ダイアタッチペーストであることが好ましい。
【0013】
本発明の第一および第二の態様においては、前記化合物(A1)が、下記一般式(a1−1)で表される化合物、および下記一般式(a1−2)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
【0014】
【化2】
(式中、R1、R2、R3はそれぞれ独立に水素原子または芳香環を有さない有機基であり、R1、R2、R3のうち少なくとも2つは(メタ)アクリル基を有し芳香環を有さない有機基である。)
【0015】
【化3】
(式中、R1'、R2'はそれぞれ独立に(メタ)アクリル基を有し芳香環を有さない有機基である。)
【0016】
本発明の第一および第二の態様においては、前記化合物(A1)が、アクリル基または(メタ)アクリル基を分子内に少なくとも3つ以上有する化合物であることが好ましい。
【0017】
本発明の第一および第二の態様においては、前記アクリレート化合物(A2)が、下記一般式(a2−1)で表される化合物を含むことが好ましい。
【0018】
【化4】
(R1'、R2'はそれぞれ独立に(メタ)アクリル基を有し芳香環を有さない有機基であり、R11、R12はそれぞれ独立に直鎖状のアルキレン基又は単結合であり、Zはシクロアルキレン基を表す。)
【0019】
本発明の第一および第二の態様においては、前記樹脂成分(A)が、前記一般式(a1−1)で表される化合物を含むことが好ましい。
【0020】
本発明の第一および第二の態様においては、前記シランカップリング剤(B)が、前記一般式(b−1)で表される化合物を含むことが好ましい。
【0021】
本発明の第一および第二の態様においては、前記一般式(b−1)中、Yがグリシジルオキシ基又は(メタ)アクリロイルオキシ基であることが好ましい。
【0022】
本発明の第三の態様は、前記一般式(1)で表わされる化合物(A1)、および1分子内にシクロアルキレン基と2個以上の(メタ)アクリル基とを有し芳香環を有しないアクリレート化合物(A2)からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂成分(A)と、下記一般式(b−1)で表される化合物(B1)、および下記一般式(b−2)で表される化合物(B2)からなる群より選ばれる少なくとも1種のシランカップリング剤(B)と、無機フィラー(C)とを混合してダイアタッチ材料を製造する工程と、前記ダイアタッチ材料を基板または発光ダイオードチップに塗布する工程と、前記基板に前記発光ダイオードチップを接着する工程と、を含む半導体装置の製造方法である。
【0023】
本発明の第三の態様においては、前記ダイアタッチ材料が、ダイアタッチペーストであることが好ましい。
【0024】
本発明の第三の態様においては、前記化合物(A1)が、前記一般式(a1−1)で表される化合物、および前記一般式(a1−2)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有することが好ましい。
【0025】
本発明の第三の態様においては、前記化合物(A1)が、アクリル基または(メタ)アクリル基を分子内に少なくとも3つ以上有する化合物であることが好ましい。
【0026】
本発明の第三の態様においては、前記アクリレート化合物(A2)が、前記一般式(a2−1)で表される化合物を含むことが好ましい。
【0027】
本発明の第三の態様においては、前記樹脂成分(A)が、前記一般式(a1−1)で表される化合物を含むことが好ましい。
【0028】
本発明の第三の態様においては、前記シランカップリング剤(B)が、前記一般式(b−1)で表される化合物を含むことが好ましい。
【0029】
本発明の第三の態様においては、前記一般式(b−1)においてYが、グリシジルオキシ基又は(メタ)アクリロイルオキシ基であることが好ましい。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、高光反射性、高耐変色、高弾性率および高密着強度のバランスに優れた特性を有する半導体装置、および半導体装置の製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本半導体装置の一例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0033】
本半導体装置は、基板、接着層及び発光ダイオードチップを含有する。
基板としては特に限定されず、従来LED半導体装置で用いられているものを用いることが出来る。
具体的には基板として、銅、銅合金、セラミックス、有機基板などの表面に、光反射性の向上を目的として銀、金、銀合金などのメッキを施したフレーム等が挙げられる。これらの中でも、銀メッキを施した銅のフレームが一般的であり、より好ましい。
【0034】
図1は、本半導体装置の一例を示す断面図である。
本半導体装置10として、たとえば、図1に示すように、基板1と、基板1上に搭載された発光ダイオードチップ3と、基板1と発光ダイオードチップ3との間に設けられた接着層2とを含むものがある。また、本半導体装置10において、基板1と発光ダイオードチップ3は、ボンディングワイヤ20により電気的に接続されている。そして、発光ダイオードチップ3およびボンディングワイヤ20は、透明な封止樹脂21により封止されている。
【0035】
本半導体装置において、接着層は、以下の成分を含有するダイアタッチ材料の硬化物を備える。
前記一般式(1)で表わされる化合物(A1)(以下、「(A1)成分」という。)及び1分子内にシクロアルキレン基と2個以上の(メタ)アクリル基とを有し芳香環を有しないアクリレート化合物(A2)(以下、「(A2)成分」という。)からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂成分(A)(以下、「(A)成分」という。)
前記一般式(b−1)で表される化合物(B1)(以下、「(B1)成分」という。)及び前記一般式(b−2)で表される化合物(B2)(以下、「(B2)成分」という。)からなる群より選ばれる少なくとも1種のシランカップリング剤(B)(以下、「(B)成分」という。)
無機フィラー(C)(以下、「(C)成分」という。)
以下、ダイアタッチ材料の各成分について説明する。
【0036】
本実施形態におけるダイアタッチ材料は、ダイアタッチフィルムであっても、ダイアタッチペーストであってもよい。また、本実施形態におけるダイアタッチ材料は、ダイアタッチペーストであることが好ましい。
以下、本実施形態におけるダイアタッチ材料について、ダイアタッチペーストを例に挙げて説明する。
【0037】
<(A)成分>
(A)成分は、(A1)成分及び/又は(A2)成分を含有する樹脂成分である。
(A1)成分は、下記一般式(1)で表わされる化合物である。
【0038】
【化5】
(式中、Xは酸素原子または窒素原子を表し、m及びnはそれぞれ独立に0または1であり、Xが酸素原子の時はm+n=1、Xが窒素原子の時はm+n=2であり;R1、R2、R3、R4はそれぞれ独立に水素原子または芳香環を有さない有機基を表し、ただし、R1、R2、R3、R4のうち少なくとも2つは(メタ)アクリル基を有し芳香環を有さない有機基であり、R1、R2、R3、R4のうち少なくとも2つの置換基が環を形成していてもよい。)
【0039】
前記一般式(1)中、Xは酸素原子または窒素原子を表し、m及びnはそれぞれ独立に0または1である。ただし、Xが酸素の時はm+n=1、Xが窒素の時はm+n=2である。Xとしては、窒素原子が好ましい。
【0040】
前記一般式(1)中、R1、R2、R3、R4はそれぞれ独立に水素原子または芳香環を有さない有機基を表す。ただし、R1、R2、R3、R4のうち少なくとも2つは(メタ)アクリル基を有し芳香環を有さない有機基である。
R1、R2、R3、R4の有機基としては、例えば芳香環を含まないポリイソシアネートと芳香環を含まず分子中に一個の水酸基と1個以上の(メタ)アクリル基を有する化合物の反応物、芳香環を含まず分子中に一個のイソシアネート基と一個以上の(メタ)アクリル基を有する化合物と芳香環を含まないポリオールの反応物、芳香環を含まないポリイソシアネートと芳香環を含まず分子中に一個のアミノ基と1個以上の(メタ)アクリル基を有する化合物の反応物、芳香環を含まず分子中に一個のイソシアネート基と一個以上の(メタ)アクリル基を有する化合物と芳香環を含まないポリアミンの反応物、イソシアヌレート環の窒素上の置換基に(メタ)アクリル基を有する化合物などから誘導される有機基が例示される。
【0041】
具体的には、前記芳香環を含まないポリイソシアネートとして、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート[別名:イソホロンジイソシアネート]、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4'−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、水添キシリレンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネートを挙げることができる。
【0042】
芳香環を含まず分子中に一個の水酸基と1個以上の(メタ)アクリル基を有する化合物としては、例えば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートなどの分子中に一個の水酸基を有する脂肪族(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリ(カプロラクトン)グリコールモノ(メタ)アクリレートなどの分子中に一個の水酸基を有するポリアルキレンエーテルモノ(メタ)アクリレート、ポリエステルモノ(メタ)アクリレートなどが例示される。
【0043】
さらに、芳香環を含まず分子中に一個のイソシアネート基と一個以上の(メタ)アクリル基を有する化合物としては、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、1,1−(ビスアクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネートなどの分子中に一個のイソシアネート基と一個以上の(メタ)アクリル基を有する脂肪族アクリレートが例示される。
【0044】
芳香環を含まないポリオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキサントリオールなどの脂肪族グリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの脂肪族ポリオール、ポリエチレングリコールなどのポリアルキレンエーテルグリコール、ポリ(カプロラクトン)グリコールなどのポリエステルグリコール、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートなどのイソシアヌル環の窒素上の置換基にヒドロキシアルキル基を有する化合物が例示される。
【0045】
芳香環を含まないポリアミンとしては、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、1,2−プロピレンジアミン、2,3−ブチレンジアミン、1,3−ブチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン、3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミン[別名:イソホロンジアミン]、1,3−シクロペンタンジアミン、1,3−シクロヘキサンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン、メチル−2,4−シクロヘキサンジアミン、メチル−2,6−シクロヘキサンジアミン、4,4'−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンなどの脂環族ジアミン、スペルミン、スペルミジンなどの脂肪族ポリアミンなどが例示される。
【0046】
イソシアヌレート環の窒素上の置換基に(メタ)アクリル基を有する化合物としては、(トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、ジ(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ε−カプロラクトン変性トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレートなどが例示されるが、これに限定されず、2−ヒドロキシエチルイソシアヌレートやイソシアヌル酸と(メタ)アクリル酸や(メタ)アクリル酸ハライドの縮合反応で(メタ)アクリル基を導入した化合物、2−ヒドロキシエチルイソシアヌレートの水酸基とポリアルキレングリコール、ポリエステルグリコールを反応させた化合物の末端に(メタ)アクリル酸や(メタ)アクリル酸ハライドの縮合反応で(メタ)アクリル基を導入した化合物も本発明に含まれる。
【0047】
これらの中でも、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート(サートマー社、SR−368)、ペンタエリスリトールトリアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ペンタエリスリトールトリアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー(共栄社化学社、UA−306H)、ペンタエリスリトールトリアクリレートイソホロンジイソシアネートウレタンプレポリマー(共栄社化学社、UA−306I)、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー(共栄社化学社、UA−510H)、ε−カプロラクトン変性トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート(新中村化学工業社、A−9300−1CL)、トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ジ(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレートが好ましい。
【0048】
前記一般式(1)中、R1、R2、R3、R4のうち少なくとも2つの置換基が環を形成していてもよい。この場合、Xは窒素原子であることが好ましい。
【0049】
(A1)成分としては、下記一般式(a1−1)で表される化合物及び下記一般式(a1−2)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有することが好ましく、下記一般式(a1−1)で表される化合物が特に好ましい。
【0050】
【化6】
(式中、R1、R2、R3はそれぞれ独立に水素原子または芳香環を有さない有機基であり、R1、R2、R3のうち少なくとも2つは(メタ)アクリル基を有し芳香環を有さない有機基である。)
【0051】
【化7】
(式中、R1'、R2'はそれぞれ独立に(メタ)アクリル基を有し芳香環を有さない有機基である。)
【0052】
前記一般式(a1−1)中、R1、R2、R3はそれぞれ独立に水素原子または芳香環を有さない有機基であり、前記一般式(1)と同様である。R1、R2、R3の有機基としては、(メタ)アクリロイル基、ラクトン変性(メタ)アクリロイル基、ポリアルキレングリコール(メタ)アクリロイル基が好ましく、(メタ)アクリロイル基、ラクトン変性(メタ)アクリロイル基がより好ましく、(メタ)アクリル基が特に好ましい。
R1、R2、R3のうち少なくとも2つは(メタ)アクリル基を有し芳香環を有さない有機基であり、R1、R2、R3のいずれも(メタ)アクリル基を有し芳香環を有さない有機基であることが好ましい。
【0053】
前記一般式(a1−2)中、R1'、R2'はそれぞれ独立に(メタ)アクリル基を有し芳香環を有さない有機基であり、前記R1、R2、R3の有機基と同様である。前記一般式(a1−2)中、R1'、R2'の有機基としては、ペンタエリスリトールトリアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ペンタエリスリトールトリアクリレートトルエンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ペンタエリスリトールトリアクリレートイソホロンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマーなどから誘導される有機基が好ましく、ペンタエリスリトールトリアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー、ペンタエリスリトールトリアクリレートイソホロンジイソシアネートウレタンプレポリマーから誘導される有機基がより好ましく、ペンタエリスリトールトリアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマーから誘導される有機基が特に好ましい。
【0054】
また、一般式(1)で表わされる化合物(A1)は、アクリル基または(メタ)アクリル基を分子内に少なくとも3つ以上有する化合物であることが好ましい。こうすることで、高光反射性、高耐変色、高弾性率および高密着強度のバランスにより一層優れた特性を有する半導体装置を実現することができる。
【0055】
(A2)成分は、1分子内にシクロアルキレン基と2個以上の(メタ)アクリル基とを有し芳香環を有しないアクリレート化合物である。
(A2)成分としては、下記一般式(a2−1)で表される化合物が好ましい。
【0056】
【化8】
(R1'、R2'はそれぞれ独立に(メタ)アクリル基を有し芳香環を有さない有機基であり、R11、R12はそれぞれ独立に直鎖状のアルキレン基又は単結合であり、Zはシクロアルキレン基を表す。)
【0057】
前記一般式(a2−1)中、R1'、R2'はそれぞれ独立に(メタ)アクリル基を有し芳香環を有さない有機基であり、前記と同様である。前記一般式(a2−1)中、R1'、R2'の有機基としては、(メタ)アクリロキシ基、アルキル(メタ)アクリロキシ基、ポリアルキレングリコール(メタ)アクリロキシ基が好ましく、(メタ)アクリロキシ基、アルキル(メタ)アクリロキシ基がより好ましく、(メタ)アクリロキシ基が特に好ましい。
前記一般式(a2−1)中、R11、R12はそれぞれ独立に直鎖状のアルキレン基又は単結合を表す。R11、R12の直鎖状のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基等が挙げられる。
R11、R12としては直鎖状のアルキレン基が好ましく、R11、R12のいずれもメチレン基であることが特に好ましい。
前記一般式(a2−1)中、Zはシクロアルキレン基を表す。シクロアルキレン基は単環であっても多環であっても良いが、多環であることが好ましい。シクロアルキレン基の炭素数は6以上が好ましく、8以上がより好ましく、10以上が更に好ましい。
シクロアルキレン基の具体例としては、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、トリシクロデシレン基等が挙げられる。これらの中でも、シクロへキシレン基、トリシクロデシレン基が好ましく、トリシクロデシレン基が特に好ましい。
このような化合物としては、例えばトリシクロデカンジメタノールジアクリレート(新中村化学工業社、A−DCP)がある。
【0058】
本実施形態において、ダイアタッチペーストに含まれる好ましい樹脂成分(A)の含有量は3重量%以上20重量%以下、より好ましい範囲は5重量%以上16重量%以下、さらに好ましい範囲は7重量%以上12重量%以下である。その理由としては、樹脂成分(A)の含有量が範囲内となる場合、良好な密着強度、高弾性率を両立でき、ワイヤーボンディングでの不良が生じにくくなるからである。
【0059】
<(B)成分>
(B)成分は、下記一般式(b−1)で表される(B1)成分及び/又は下記一般式(b−2)で表される(B2)成分からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有するシランカップリング剤である。
【0060】
Y−(CH2)m−SiR5R6R7 (b−1)
(S)n−((CH2)p−SiR5R6R7)2 (b−2)
(式中、R5、R6、R7はそれぞれ独立に炭素数1〜10のアルキル基または炭素数1〜10のアルコキシ基を表し、ただし、R5、R6、R7の少なくとも1つは炭素数1〜10のアルコキシ基であり;Yはアミノ基、グリシジルオキシ基、(メタ)アクリロイルオキシ基、メルカプト基、イソシアネート基のいずれかであり;m及びpはそれぞれ独立に1〜10の整数であり;nは1以上の整数である。)
【0061】
前記一般式(b−1)及び(b−2)中、R5、R6、R7はそれぞれ独立に炭素数1〜10のアルキル基または炭素数1〜10のアルコキシ基を表す。ただし、R5、R6、R7の少なくとも1つは炭素数1〜10のアルコキシ基である。
R5、R6、R7のアルキル基は炭素数1〜8が好ましく、1〜5がより好ましく、1〜3が更に好ましい。R5、R6、R7のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基が挙げられる。これらの中でも、メチル基、エチル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
R5、R6、R7のアルコキシ基は炭素数1〜8が好ましく、1〜5がより好ましく、1〜3が更に好ましい。R5、R6、R7のアルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基が挙げられる。これらの中でも、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基が好ましく、メトキシ基又はエトキシ基が特に好ましい。
R5、R6、R7の少なくとも1つは炭素数1〜10のアルコキシ基であり、少なくとも2つが炭素数1〜10のアルコキシ基であることが好ましく、R5、R6、R7の全てが炭素数1〜10のアルコキシ基であることが特に好ましい。
【0062】
前記一般式(b−1)中、Yはアミノ基、グリシジルオキシ基、(メタ)アクリロイルオキシ基、メルカプト基、イソシアネート基のいずれかである。中でも、Yとしては、アミノ基、グリシジルオキシ基、(メタ)アクリロイルオキシ基、メルカプト基が好ましく、グリシジルオキシ基又は(メタ)アクリロイルオキシ基が特に好ましい。
【0063】
前記一般式(b−1)及び(b−2)中、m及びpはそれぞれ独立に1〜10の整数であり、好ましくは1〜6の整数であり、より好ましくは1〜3の整数である。
前記一般式(b−2)中、nは1以上の整数であり、好ましくは2以上10以下の整数であり、より好ましくは2以上4以下の整数である。
【0064】
本実施形態において、(B)成分としては、密着強度と反射率の観点から、(B1)成分が好ましい。
本実施形態において、ダイアタッチペーストに含まれる好ましいシランカップリング剤(B)の含有量は0.1重量%以上10重量%以下、より好ましい範囲は0.5重量%以上8重量%以下、さらに好ましい範囲は1重量%以上5重量%以下である。その理由としては、範囲内となる場合、良好な密着強度を得ることができ、ボイドやブリードへの悪影響が生じにくくなるからである。
【0065】
<(C)成分>
(C)成分は無機フィラーである。無機フィラーとしては特に限定されず、従来公知のものが使用でき、具体的には銀粉、金粉、ニッケル粉、銅粉等の導電性フィラー、窒化アルミニウム、炭酸カルシウム、シリカ、アルミナ等の絶縁フィラーが挙げられる。これらの無機フィラーは、1種単独でも2種以上を組み合わせても使用することができる。これらの中でも、大出力LEDに用いるためには熱伝導性が必須となるため、20W/m・K以上の熱伝導性フィラーを使用することが好ましい。また同時に絶縁性が要求される場合には、アルミナ、マグネシア、窒化ホウ素、窒化アルミニウムを用いることがより好ましく、アルミナが特に好ましい。
本発明において、ダイアタッチペーストに含まれる好ましい無機フィラー(C)の含有量は60重量%以上90重量%以下、より好ましい範囲は65重量%以上85重量%以下、さらに好ましい範囲は70重量%以上80重量%以下である。その理由としては、範囲内となる場合、良好な作業性、熱伝導率を得ることができるからである。
【0066】
<任意成分>
本実施形態において、ダイアタッチペーストは前記(A)成分、(B)成分及び(C)成分以外に、所望により従来公知の任意成分を添加することが出来る。具体的には、例えば、(A)成分以外のアクリレート樹脂(以下、「(D)成分」という。)、有機過酸化物(以下、「(E)成分」という。)等が挙げられる。
【0067】
<(D)成分>
(D)成分のアクリレート樹脂としては、例えばトリメチロールプロパントリメタクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルメチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルメチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイルキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイルキシプロピルフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルテトラヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルテトラヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルメチルテトラヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルメチルテトラヒドロフタル酸、2−ヒドロキシ1,3ジ(メタ)アクリロキシプロパン、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート、1,4―シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、エチル−α−(ヒドロキシメチル)(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ターシャルブチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、その他のアルキル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ターシャルブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジンクモノ(メタ)アクリレート、ジンクジ(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール(メタ)アクリレート、トリフロロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフロロプロピル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4−ヘキサフロロブチル(メタ)アクリレート、パーフロロオクチル(メタ)アクリレート、パーフロロオクチルエチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクトキシポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ラウロキシポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ステアロキシポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、アリロキシポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、N,N'−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N'−エチレンビス(メタ)アクリルアミド、1,2−ジ(メタ)アクリルアミドエチレングリコール、ジ(メタ)アクリロイロキシメチルトリシクロデカン、2−(メタ)アクリロイロキシエチル、N−(メタ)アクリロイロキシエチルマレイミド、N−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、N−(メタ)アクリロイロキシエチルフタルイミド、N−ビニル−2−ピロリドン、エトキシ化ビスフェノールA(メタ)アクリレート、プロポキシ化ビスフェノールA(メタ)アクリレート、スチレン誘導体、α−メチルスチレン誘導体などが挙げられるが特に限定しない。また、これらのアクリレート樹脂は、硬化性、作業性、接着性等の点より2種類以上を併用してもかまわない。
ダイアタッチペーストに含まれる好ましいアクリレート樹脂(D)は必須成分ではないが、粘度や硬化性等の調整において必要な場合には、その含有量は0.1重量%以上20重量%以下、より好ましい範囲は0.5重量%以上15重量%以下、さらに好ましい範囲は1重量%以上10重量%以下である。
【0068】
<(E)成分>
(E)成分の有機過酸化物としては、例えば1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、メチルエチルケトンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルアセトアセテートパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロドデカン、n−ブチル4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、t−ブチルハイドロパーオキサイド、P−メンタンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、t−ヘキシルハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、α、α'−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、イソブチリルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、桂皮酸パーオキサイド、m−トルオイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−3−メトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシジカーボネート、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、α、α'−ビス(ネオデカノイルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、クミルパーオキシネオデカノエート、1,1,3,3,−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルへキサノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシマレイックアシッド、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシ−m−トルオイルベンゾエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ビス(t−ブチルパーオキシ)イソフタレート、t−ブチルパーオキシアリルモノカーボネート、3,3',4,4'−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノンなどが挙げられるが、これらは単独あるいは硬化性を制御するために2種類以上を併用して用いることもできる。
ダイアタッチペーストに含まれる好ましい有機化酸化物(E)の含有量は0重量%以上0.15重量%以下、より好ましい範囲は0重量%以上0.1重量%以下、さらに好ましい範囲は0重量%以上0.05重量%以下である。
【0069】
また、本実施形態におけるダイアタッチペーストには、所望により硬化剤、有機溶剤、消泡剤、界面活性剤、エラストマー等の添加剤を用いることもできる。
【0070】
本実施形態において、ダイアタッチペーストは、例えば、各成分を予備混合した後3本ロールを用いて混練し、その後真空下脱泡することにより製造することができる。また、固形の成分に関しては予備混合の前に予め有機溶剤に溶解し使用することが好ましい。
有機溶剤としては、例えば安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチル、γ−ブチロラクトン、シュウ酸ジブチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、エチレングリコールモノ酪酸エステル、炭酸プロピレン、N−メチルピロリドン、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチルグリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、サリチル酸メチル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセタートが挙げられる。これらの中でも、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチル、γ−ブチロラクトン、シュウ酸ジブチル、マレイン酸ジエチル、エチレングリコールモノ酪酸エステル、炭酸プロピレン、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチルグリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、サリチル酸メチル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセタートが好ましく、γ−ブチロラクトンがさらに好ましい。
【0071】
のように調製したダイアタッチペーストを基板と発光ダイオードチップに塗布し、該基板に該発光ダイオードチップを接着することにより本半導体装置が製造できる。なお、本ダイアタッチ材料がダイアタッチフィルムである場合、該ダイアタッチ材料は、基板と発光ダイオードチップとの間に介在させ、基板に該発光ダイオードチップを接着することにより本半導体装置が製造できる。
【0072】
本半導体装置は、高光反射性、高耐変色、高弾性率、高密着強度等のバランスに優れた特性を有するダイアタッチペーストの硬化物を備えた接着層を有する。そのため、本半導体装置は、光出力を最大限にすると共に、最大光出力を維持することが可能となる。また、本半導体装置は、LEDチップが極小であっても、ワイヤーボンディング中にLEDチップが取れることなく基板等に接着することができる。
のような効果が得られる理由は定かではないが、以下のように推測される。
すなわち、本半導体装置の接着層に用いられるダイアタッチペーストは、樹脂成分(A)として(A1)成分及び/又は(A2)成分を有する。
(A1)成分は、その構造中に極性の高いNC(=O)骨格を有する。そのため、高密着強度が達成できると推測される。
また、(A2)成分は、芳香環を有さないため、光吸収が小さく、高光反射率を達成できる。そのため、発光ダイオードチップが基板側に向けて発光する光も最大限利用し、LEDの光出力を最大限にすることができると推測される。また、より剛直な骨格であるシクロアルキレン基を有することにより、硬化後の高弾性率が達成できると推測される。
特に、樹脂成分(A)が前記一般式(a1−1)で表される化合物である場合、(A1)成分の特徴と(A2)成分の特徴を兼ね備えていることから、高光反射性、高耐変色、高弾性率、高密着強度等のバランスにより一層優れた特性を有するダイアタッチペーストの硬化物を備えた接着層を有した半導体装置を得ることができる。
【0073】
また、本半導体装置の接着層に用いられるダイアタッチペーストは、特定のシランカップリング剤(B1)成分及び/又は(B2)成分を含有する。
(B1)成分はアミノ基、グリシジルオキシ基、(メタ)アクリロイルオキシ基、メルカプト基、イソシアネート基のいずれかを有するシランカップリング剤であり、(B2)成分はスルフィド結合を有するシランカップリング剤である。特に、グリシジルオキシ基、(メタ)アクリロイルオキシ基を有するシランカップリング剤を含有することで良好な密着性を付与することができ、かつダイアタッチペーストのワニス成分が着色し難く、高光反射率を達成できるため好ましい。なお、シランカップリング剤は密着性、光反射性の特性を損なわない範囲で2種類以上を併用して用いることも可能である。
【実施例】
【0074】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0075】
<実施例1〜5、比較例1〜3>
表1に示す各成分を配合し、3本ロールを用いて混錬し、脱泡後ダイアタッチペーストを得た。
【0076】
【表1】
【0077】
表1中の各略号は以下の意味を有する。また、各成分の配合量は重量%である。また、実施例および比較例で用いた各成分は、以下に示す通りである。
(A)−1:トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート(商品名:SR−368、サートマー社製)。
(A)−2:ペンタエリスリトールトリアクリレートヘキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー(商品名:UA−306H、共栄社化学(株)製)。
(A)−3:トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(商品名:A−DCP、新中村化学工業(株)製)。
(A)−4:ビスフェノールF型エポキシ樹脂(商品名:SB−403S、日本化薬工業社製)
(A)−5:メタパラクレジルグリシジルエーテル(商品名:m,p−CGE、阪本薬品工業(株)製)。
【0078】
【化9】
【0079】
(B)−1:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(商品名:KBM−403E、信越化学工業(株)製)
(B)−2:3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(商品名:KBM−503P、信越化学工業(株)製)。
(B)−3:2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(商品名:KBM−303、信越化学工業(株)製)。
【0080】
【化10】
【0081】
(C)−1:アルミナ(AX3−15R、新日鉄マテリアルズ(株)マイクロン社製、平均粒径3μm)
(C)−2:シリル化シリカ(商品名:AEROSIL R805、日本エアロジル(株))。
(D)−1:トリメチロールプロパントリメタクリレート(商品名:TMP、共栄社化学(株)製)
(D)−2:テトラエチレングリコールジメタクリレートを主成分とする化合物(商品名:ライトエステル4EG、共栄社化学(株)製)。
【0082】
【化11】
【0083】
(E)−1:1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン(商品名:パーヘキサC(S)、日本油脂(株)製)。
(F)−1:フェノールノボラック樹脂(商品名:PR−51470、住友ベークライト社製)
(F)−2:ジシアンジアミド(商品名:EH3636AS、(株)ADEKA製)。
(S)−1:γ−ブチロラクトン
(G)−1:テトラフェニスホスホニウムテトラフェニルボレート(商品名:TPP−K、北興化学工業(株)製)。
【0084】
各実施例・比較例で得られたダイアタッチペーストを以下の方法で評価した。
【0085】
<光反射性>
6×3×0.1mmのフィルム状の試験片を作製し(硬化条件25℃から175℃まで昇温30分、175℃30分)、波長450nmにおける光反射率を分光測色計(商品名:X−rite 8200、エス・デイ・ジー(株)製)を使用して測定した。
反射率が60%以上を「A」、反射率60%未満を「B」と評価した。結果を表2に示す。
【0086】
<耐紫外線性>
1mm厚のシート状硬化物(硬化条件25℃から175℃まで昇温30分、175℃30分)の、波長450nmにおける光透過率(T0)を分光光度計U−4100(日立ハイテック社製)にて測定した。該硬化物を、365nmバンドパスフィルターを装備したUV照射装置(照度100mW/cm2)で、24時間照射後の光透過率(T1)を同様にして測定し、T1/T0(%)を求めた。
T1/T0が90%以上を「A」、T1/T0が90%未満を「B」と評価した。結果を表2に示す。
【0087】
<接着強度>
0.5×0.5mmのシリコンチップをAgめっきした銅フレームにマウントし、硬化条件25℃から175℃まで昇温30分、175℃30分でオーブン中にて硬化した。硬化後に自動接着力測定装置を用い260℃での熱時ダイシェア強度を測定した。260℃熱時ダイシェア強度が5N以上を「A」、3N以上5N未満を「B」、3N未満を「C」と評価した。結果を表2に示す。
【0088】
<弾性率>
4×20×0.1mmのフィルム状の試験片を作製し(硬化条件25℃から175℃まで昇温30分、175℃30分)、動的粘弾性測定機(DMA)にて引っ張りモードでの測定を行った。測定条件は以下の通りである。
測定温度:−100〜300℃
昇温速度:5℃/分
周波数:10Hz
荷重:100mN
200℃における貯蔵弾性率を弾性率とし 弾性率が800MPaを「A」、400MPa以上800MPa未満を「B」、400MPa未満を「C」と評価した。結果を表2に示す。
【0089】
<総合評価>
評価結果に基づいて、実用上LED半導体装置に適用しうるものを「A」、適用できないものを「B」と評価した。結果を表2に示す。
【0090】
【表2】
【0091】
表2の結果より、実施例1〜5のダイアタッチペーストは、LED半導体装置の接着層に要求される反射率、すなわち光反射性、耐紫外線性、すなわち高耐変色性、弾性率および密着強度等の各種特性に優れており、実用可能なLED半導体装置が製造できることが確認された。また、比較例のダイアタッチペーストは、いずれも実用上LED半導体装置に適用できないものであった。
【0092】
特に、樹脂成分(A)として前記一般式(a1−1)で表される化合物を用いた実施例1〜3では、全ての評価項目について優れていた。実施例4は樹脂成分の構造中に極性の高いNC(=O)骨格を有するものの、剛直な構造を有しないため、高密着強度は達成できるが、弾性率という観点では実施例1〜3と比べてやや劣る結果となった。また、実施例5は樹脂成分の構造中に剛直なシクロアルキレン骨格を有するものの、極性の高い官能基を持たないため、高弾性率は達成できるが、密着強度という観点では実施例1〜3と比べてやや劣る結果となった。
【0093】
一方、樹脂成分としてエポキシ樹脂を用いた比較例1では、反射率、耐紫外線性に劣ることが確認された。これは比較例1の樹脂成分が可視光領域に光吸収を有する芳香環を含むことに由来し、さらには酸化されやすい官能基を含むことによる結果であると推測される。
【0094】
また、一般式(b−3)で表されるシランカップリング剤を用いた比較例2では、樹脂成分(A)として前記一般式(a1−1)で表される化合物を用いたにもかかわらず、接着性に劣ることが確認された。これは比較例2に用いたシランカップリング剤が実施例で用いたカップリング剤と比べて嵩高い反応性官能基を有するため、樹脂成分との反応性が悪く、樹脂成分と無機フィラー、あるいは樹脂成分と被着体との良好な結合が得られなかったことによる結果であると推測される。
【0095】
また、樹脂成分として樹脂成分(A)を含んでいない比較例3では、接着強度、弾性率に劣ることが確認された。これは比較例3の樹脂成分が極性の高い官能基を持たず、かつシクロアルキレン骨格などの剛直な構造を含まないことによる結果であると推測される。
【0096】
以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、本発明はこれら実施例に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。本発明は前述した説明によって限定されることはなく、添付のクレームの範囲によってのみ限定される。
【図1】
【国際調査報告】

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