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再表2013-154180水なし平版印刷版原版の現像装置および現像方法ならびに水なし平版印刷版の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2013年10月17日
【発行日】2015年12月21日
(54)【発明の名称】水なし平版印刷版原版の現像装置および現像方法ならびに水なし平版印刷版の製造方法
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/30 20060101AFI20151124BHJP
   G03F 7/00 20060101ALI20151124BHJP
【FI】
   G03F7/30 501
   G03F7/00 504
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】39
【出願番号】特願2013-526657(P2013-526657)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2013年4月12日
(31)【優先権主張番号】特願2012-91795(P2012-91795)
(32)【優先日】2012年4月13日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】000003159
【氏名又は名称】東レ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】久世 康典
(72)【発明者】
【氏名】末沢 満
(72)【発明者】
【氏名】吉田 智之
【テーマコード(参考)】
2H096
2H196
【Fターム(参考)】
2H096AA13
2H096BA09
2H096EA04
2H096GA24
2H096GA27
2H196AA13
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(57)【要約】
露光後の水なし平版印刷版原版を現像するための現像装置であって、該現像装置は、水なし平版印刷版原版の表面を摩擦する回転可能な現像ロール、水なし平版印刷版原版を支える受け台、および水なし平版印刷版原版を搬送する搬送装置で構成される現像部を有し、該現像ロールは支持体上に布材を固定したものであり、該現像ロールは該受け台の上部に、水なし平版印刷版原版が通過できるクリアランスを持って設置され、前記搬送装置は、該現像部に供給された水なし平版印刷版原版を、該受け台と該現像ロールの間のクリアランスを通して搬送する機能を有し、かつ、前記現像部は、供給された水なし平版印刷版原版の表面を、前記現像ロールによって摩擦する機能を有する水なし平版印刷版原版の現像装置。本発明は、現像面積が大きい場合や処理枚数が大きい場合にも、版面傷や現像ムラを抑制することのできる直描型水なし平版印刷版原版の現像方法を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
露光後の水なし平版印刷版原版を現像するための現像装置であって、該現像装置は、水なし平版印刷版原版の表面を摩擦する回転可能な現像ロール、水なし平版印刷版原版を支える受け台、および水なし平版印刷版原版を搬送する搬送装置で構成される現像部を有し、
該現像ロールは支持体上に布材を固定したものであり、該現像ロールは該受け台の上部に、水なし平版印刷版原版が通過できるクリアランスを持って設置され、
前記搬送装置は、該現像部に供給された水なし平版印刷版原版を、該受け台と該現像ロールの間のクリアランスを通して搬送する機能を有し、
かつ、前記現像部は、供給された水なし平版印刷版原版の表面を、前記現像ロールによって摩擦する機能を有する水なし平版印刷版原版の現像装置。
【請求項2】
前記布材の体積密度が0.12〜0.40g/cmである請求項1に記載の水なし平版印刷版原版の現像装置。
【請求項3】
前記布材の表面を構成する繊維の単糸径が30μm以下である請求項1および2のいずれかに記載の水なし平版印刷版原版の現像装置。
【請求項4】
前記布材の表面を構成する繊維のヤング率が3GPa以下である請求項1〜3のいずれかに記載の水なし平版印刷版原版の現像装置。
【請求項5】
前記布材が表面にパイルを有する編物または織物である請求項1〜4のいずれかに記載の水なし平版印刷版原版の現像装置。
【請求項6】
前記布材が繊維結合を有する不織布である請求項1〜4のいずれかに記載の水なし平版印刷版原版の現像装置。
【請求項7】
前記支持体の硬度が、JIS K 6253規格でデュロメーター硬さA10〜50度である請求項1〜6のいずれかに記載の水なし平版印刷版原版の現像装置。
【請求項8】
前記支持体が表面の少なくとも一部にゴムが配置されたものである請求項1〜7のいずれかに記載の水なし平版印刷版原版の現像装置。
【請求項9】
前記現像部は、供給された水なし平版印刷版原版の表面を、液体の非存在下で前記現像ロールによって摩擦するように構成された請求項1〜8のいずれかに記載の水なし平版印刷版原版の現像装置。
【請求項10】
表面にインキ反発層を有する水なし平版印刷版原版から、露光工程および現像工程を経て、水なし平版印刷版を得る水なし平版印刷版の製造方法であって、該露光工程が、デジタルデータに基づいて走査されるレーザー光により、該水なし平版印刷版原版を露光する工程であり、かつ、該現像工程が、請求項1〜9のいずれかに記載の現像装置を用いて、前記露光工程によって露光された水なし平版印刷版原版から露光部のインキ反発層を除去する工程である水なし平版印刷版の製造方法。
【請求項11】
露光後の水なし平版印刷版原版の表面に、回転させた現像ロールの表面を、液体の非存在下で接触させ摩擦する現像方法であって、前記水なし平版印刷版原版に対する前記現像ロールの押し込み力が400N/m以下である水なし平版印刷版原版の現像方法。
【請求項12】
前記印刷版原版の表面と前記現像ロールの表面が接触する位置での現像ロール表面の周速度と、印刷版原版の搬送速度の比が50〜1000である請求項11に記載の水なし平版印刷版原版の現像方法。
【請求項13】
前記印刷版原版の表面と前記現像ロールを接触させ摩擦する際に、前記印刷版原版の移動方向と前記現像ロール表面の擦り方向とが同一方向の現像ロールと1回以上、および、前記印刷版原版の移動方向と前記現像ロール表面の擦り方向とが反対方向の現像ロールと1回以上、前記印刷版原版を接触させる請求項11または12に記載の水なし平版印刷版原版の現像方法。
【請求項14】
前記印刷版原版の表面と前記現像ロールを接触させ摩擦する際に、現像ロールに平行な方向の、印刷版原版の長さ全部において、現像ロールと印刷版原版の表面を接触させる請求項11〜13のいずれかに記載の水なし平版印刷版原版の現像方法。
【請求項15】
表面にインキ反発層を有する水なし平版印刷版原版から、露光工程および現像工程を経て、水なし平版印刷版を得る水なし平版印刷版の製造方法であって、該露光工程が、デジタルデータに基づいて走査されるレーザー光により、該水なし平版印刷版原版を露光する工程であり、かつ、該現像工程が、請求項11〜14のいずれかに記載の現像方法を用いて、前記露光工程によって露光された水なし平版印刷版原版から露光部のインキ反発層を除去する工程である水なし平版印刷版の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水なし平版印刷版原版の現像装置および現像方法ならびに水なし平版印刷版の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
これまでに、シリコーンゴムやフッ素樹脂をインキ反発層として使用した、湿し水を用いない平版印刷(以下、水なし平版印刷という)を行うための印刷版が種々提案されている。水なし平版印刷は、画線部と非画線部とをほぼ同一平面に存在させ、画線部をインキ受容性、非画線部をインキ反発性として、画線部と非画線部のインキ付着性の差異を利用して画線部のみにインキを着肉させた後、紙などの被印刷体にインキを転写して印刷する平版印刷方法であり、湿し水を用いることなく印刷できることが特徴である。水なし平版印刷に好適な印刷版(以下、水なし平版印刷版という)は、表面にインキ反発層を有する水なし平版印刷版原版から、露光工程および現像工程を経て、画線部のインキ反発層を除去する方法によって得られる。
【0003】
水なし平版印刷版原版の露光方法としては様々な方法が提案されている。これらは、紫外線を原画フィルムを介して印刷版原版に照射することにより露光を行う方式と、原画フィルムを用いることなく原稿情報に基づいて直接印刷版原版に画像を書き込むコンピューター・トゥ・プレート(以下、CTPという)方式とに大別される。CTP方式としては、レーザー光を照射する方法、サーマルヘッドで書き込む方法、ピン電極で電圧を部分的に印加する方法、インクジェットでインキ反発層またはインキ受容層を形成する方法などが挙げられる。これらの中で、レーザー光を照射する直描型方式は、解像度および製版速度の面で、他の方式よりも優れている。
【0004】
レーザー光を照射する方法は、光反応によるフォトンモード方式と、光熱変換を行って熱反応を起こさせるヒートモード方式の2つの方式に分けられる。特にヒートモード方式は、明室で取り扱える利点と、光源となる半導体レーザーの急激な進歩によって、その有用性は大きくなってきている。
【0005】
このヒートモード方式に対応した直描型水なし平版印刷版原版に関して、これまでに様々な提案がなされてきた。中でも、露光によりインキ反発層がインキ受容層から剥離し、版面上に隆起する直描型水なし平版印刷版原版は、露光後に摩擦などの物理的な力を加えるだけで現像することができるという利点がある。
【0006】
このような直描型水なし平版印刷版原版の現像方法としては、湿式現像法および乾式現像法が実施されている。湿式現像法は、液体の存在下、ブラシ、布、現像用パッドなどを用いて露光部を摩擦する方法である。例えば、見かけ比重が0.15以上の編物布、織物布または不織布でインキ反発層表面を摩擦する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。一方、乾式現像法は、液体の存在しない乾燥した状態で露光部を摩擦する方法である。例えば、木綿パッド、ガーゼ、現像用パッドなどを用いて手動で露光部を摩擦する方法が提案されている(例えば、特許文献2〜4参照)。いずれの現像方法においても有害な有機溶剤を含んだ現像液を用いることなく現像できるため、安全性、取り扱い性および環境低負荷性に優れている。中でも、乾式現像法は、湿式現像法よりも高い摩擦力が得られるため、より高精細な現像が可能となる点で有利である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−224348号公報
【特許文献2】特許第3422816号公報
【特許文献3】特許第3789569号公報
【特許文献4】特開2002−351088号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献2〜4に記載された現像方法は、露光部のインキ反発層を擦る現像部材の接触が不均一であり、摩擦力が部分的に過大または過小となるために、版面傷や現像ムラが発生しやすいという課題があった。特に、印刷版原版の現像面積が大きい場合や処理枚数が大きい場合に、現像部材の接触が不均一となる場合が多く、版面傷や現像ムラが顕著であった。そこで、本発明は、かかる従来技術の課題を解決し、現像面積が大きい場合や処理枚数が大きい場合にも、版面傷や現像ムラを抑制でき、かつ、より高精細な現像が可能となる水なし平版印刷版原版の現像装置および現像方法、ならびに、それを用いた水なし平版印刷版の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、露光後の水なし平版印刷版原版を現像するための現像装置であって、該現像装置は、水なし平版印刷版原版の表面を摩擦する回転可能な現像ロール、水なし平版印刷版原版を支える受け台、および水なし平版印刷版原版を搬送する搬送装置で構成される現像部を有し、
該現像ロールは支持体上に布材を固定したものであり、該現像ロールは該受け台の上部に、水なし平版印刷版原版が通過できるクリアランスを持って設置され、
前記搬送装置は、該現像部に供給された水なし平版印刷版原版を、該受け台と該現像ロールの間のクリアランスを通して搬送する機能を有し、
かつ、前記現像部は、供給された水なし平版印刷版原版の表面を、前記現像ロールによって摩擦する機能を有する水なし平版印刷版原版の現像装置である。
【0010】
また、本発明は、表面にインキ反発層を有する水なし平版印刷版原版から、露光工程および現像工程を経て、水なし平版印刷版を得る水なし平版印刷版の製造方法であって、該露光工程が、デジタルデータに基づいて走査されるレーザー光により、該水なし平版印刷版原版を露光する工程であり、かつ、該現像工程が、上記の現像装置を用いて、前記露光工程によって露光された水なし平版印刷版原版から露光部のインキ反発層を除去する工程である水なし平版印刷版の製造方法である。
【0011】
また、本発明は、露光後の水なし平版印刷版原版の表面に、回転させた現像ロールの表面を、液体の非存在下で接触させ摩擦する現像方法であって、前記現像ロールを前記水なし平版印刷版原版に対し400N/m以下の押し込み力で接触させる水なし平版印刷版原版の現像方法である。
【0012】
また、本発明は、表面にインキ反発層を有する水なし平版印刷版原版から、露光工程および現像工程を経て、水なし平版印刷版を得る水なし平版印刷版の製造方法であって、該露光工程が、デジタルデータに基づいて走査されるレーザー光により、該水なし平版印刷版原版を露光する工程であり、かつ、該現像工程が、上記の現像方法を用いて、前記露光工程によって露光された水なし平版印刷版原版から露光部のインキ反発層を除去する工程である水なし平版印刷版の製造方法である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、印刷版原版の現像面積が大きい場合や処理枚数が大きい場合にも、水なし平版印刷版原版の版面傷や現像ムラを抑制し、高精細な現像が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の自動現像機の断面を表す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
水なし平版印刷版は、画線部をインキ受容性、非画線部をインキ反発性として、画線部と非画線部とをほぼ同一平面に有し、インキ付着性の差異を利用して画線部のみにインキを着肉させた後、紙などの被印刷体にインキを転写して印刷する平版印刷版である。表面にインキ反発層を有する水なし平版印刷版原版から、露光工程および現像工程を経て、露光部のインキ反発層を除去することにより、水なし平版印刷版を製造することができる。すなわち、インキ反発層が除去された露光部は、インキ受容性の画線部となる。一方、インキ反発層が残存する非露光部は、インキ反発性の非画線部となる。
【0016】
本発明の水なし平版印刷版原版の現像装置ならびに現像方法は、露光によりインキ反発層がインキ受容層から剥離し、版面上に隆起する直描型水なし平版印刷版原版に好ましく使用することができる。このような直描型水なし平版印刷版原版としては、例えば、特開2009−80422号公報などに記載される、基板上に感熱層および有色顔料を含むシリコーンゴム層を有する直描型水なし平版印刷版原版;特許第4807472号公報などに記載される、基板上に少なくとも210〜270℃の範囲に沸点を有する液体を含む液泡を有する感熱層、およびシリコーンゴム層をこの順に積層してなる直描型水なし平版印刷版原版;特開2012−093728号公報などに記載される、基板上に少なくとも非感光性粒子を含む感熱層、およびシリコーンゴム層をこの順に有する直描型水なし平版印刷版原版;特開2012−133321号公報などに記載される、基板上に少なくとも傾斜領域を有する感熱層、およびシリコーンゴム層をこの順に有する直描型水なし平版印刷版原版;特開2012−133322号公報などに記載される、基板上に少なくとも膜厚縮小領域を有する感熱層、およびシリコーンゴム層をこの順に有する直描型水なし平版印刷版原版;特許出願2012−504942号などに記載される、基板上に少なくともノボラック樹脂を含む相とポリウレタンを含む相とを有する相分離構造を有する感熱層、およびシリコーンゴム層をこの順に有する直描型水なし平版印刷版原版;および前記特許文献2〜4に記載される直描型水なし平版印刷版原版などを挙げることができる。
【0017】
本発明の現像方法を用いて、水なし平版印刷版原版から水なし平版印刷版を製造する方法について以下に説明する。
【0018】
水なし平版印刷版原版から水なし平版印刷版を製造する方法は、少なくとも水なし平版印刷版原版を露光する工程(露光工程)および露光後の水なし平版印刷版原版を現像する工程(現像工程)を有する。必要により、さらに現像カスを除去する工程(水洗工程)を有してもよい。
【0019】
露光工程について説明する。露光工程は、水なし平版印刷版原版を、原画フィルムを介して紫外線によって、あるいは、デジタルデータに基づいて走査されるレーザー光により露光する工程である。水なし平版印刷版原版が保護フィルムを有する場合、保護フィルム上から露光してもよいし、保護フィルムを剥離して露光してもよい。露光工程で用いられるレーザー光源としては、発光波長領域が300nm〜1500nmの範囲にあるものが挙げられる。これらの中でも近赤外領域付近に発光波長領域が存在する半導体レーザーやYAGレーザーが好ましく用いられる。具体的には、明室での版材の取扱い性などの観点から、780nm、830nm、または1064nmの波長のレーザー光が露光に好ましく用いられる。
【0020】
次に、現像工程について説明する。現像工程は、露光工程によって露光された水なし平版印刷版原版から露光部のインキ反発層を除去する工程である。
【0021】
本発明の水なし平版印刷版原版の現像方法の好ましい態様は、露光後の水なし平版印刷版原版の表面に回転させた現像ロールの表面を液体の非存在下で接触させ摩擦する現像方法であって、前記現像ロールを前記水なし平版印刷版原版に対し400N/m以下の押し込み力で接触させる。この方法によれば、水なし平版印刷版原版の表面と現像ロールの表面に高い摩擦力が得られるため、高精細な現像が可能である。
【0022】
現像ロールは、水なし平版印刷版原版の表面に対して現像ロールの軸が平行となるように配置され、所定の押し込み力で現像ロール表面を印刷版原版の表面に接触させる。さらに、現像ロールは軸を中心に回転することによって、印刷版原版の表面に平行方向の擦り力を伴って、現像ロール表面で印刷版原版の表面を摩擦する。前記印刷版原版の表面と前記現像ロールを接触させ摩擦する際に、現像ロールに平行な方向の、印刷版原版の長さ全部において、現像ロールと印刷版原版の表面を接触させることで、広幅の印刷版原版を均一に現像することが可能となるので、好ましい。さらに、現像ロールを印刷版原版に対し400N/m以下の押し込み力で接触させたとき、水なし平版印刷版原版の表面に平行方向に高い擦り力が得られることによって、高精細な現像が可能となる。
【0023】
現像ロールの印刷版原版に対する押し込み力は、印刷版原版と同一の厚みに調整した圧力センサーを受け台と現像ロールとの間のクリアランスに挟み込み、そのとき圧力センサーを上から押し込む荷重を圧力センサーの感知幅で割ることで得られる値である。
【0024】
本発明において、現像は、液体の非存在下で実施される。液体の非存在下で現像する場合、現像ロール表面の印刷版表面に対する摩擦抵抗が高く、すべりが起きず、高い摩擦力が得られる利点がある。従来、液体の存在下で現像する場合、液体が布材と版面の間に存在するために、布材の摩擦抵抗が著しく低下したり、“すべり”が起こり、版面を摩擦する力が著しく損なわれるので、高精細な現像を行うことは困難であった。
【0025】
本発明の水なし平版印刷版原版の現像装置の好ましい態様は、露光後の水なし平版印刷版原版を現像するための現像装置であって、該現像装置は、水なし平版印刷版原版の表面を摩擦する回転可能な現像ロール、水なし平版印刷版原版を支える受け台、および水なし平版印刷版原版を搬送する搬送装置で構成される現像部を有し、
該現像ロールは支持体上に布材を固定したものであり、該現像ロールは該受け台の上部に、水なし平版印刷版原版が通過できるクリアランスを持って設置され、
前記搬送装置は、該現像部に供給された水なし平版印刷版原版を、該受け台と該現像ロールの間のクリアランスを通して搬送する機能を有し、
かつ、前記現像部は、供給された水なし平版印刷版原版の表面を、前記現像ロールによって摩擦する機能を有する。
【0026】
現像ロールは、水なし平版印刷版原版面に対して平行な回転軸を有しており、回転軸に対して外径が一定であることが好ましい。現像ロール回転によって生じるロール表面の速度の均一化が容易となり、摩擦力や接触頻度の変動を低減できるため、版面傷や現像ムラの発生を少なくすることができるためである。他方で、回転ディスクのように水なし平版印刷版原版面に対して垂直な回転軸を有する場合では、中心軸により近い部分は速度が小さく、より遠い部分は速度が大きくなり、摩擦力や接触頻度の変動が大きくなるため、版面傷や現像ムラの発生が多くなり好ましくない。
【0027】
現像ロールは、ロール形状の支持体上に布材を固定したものであることが好ましい。ここでいう布材とは、有機高分子の繊維を多数交絡させて、薄く広い面を持つように加工したものを指す。支持体上に布材を固定した現像ロールとしては、支持体の表面にシート状の布材を、布材が支持体の表面と平行となるように巻き付けた現像ロール、支持体に円筒状の布材を嵌め込んだ現像ロール、支持体の外周に放射状にシート状の布材の辺を固定した現像ロール(フラップタイプ)、支持体にディスク状に打ち抜かれた布材の中心を通し重ねた現像ロール(ディスクタイプ)などが挙げられる。布材の固定の簡便さから、支持体の表面にシート状の布材の面が平行となるように巻き付けた現像ロール、または、支持体に円筒状の布材を嵌め込んだ現像ロールが好ましい。
【0028】
布材としては、例えば、編物、織物、不織布、フェルトなどを使用することができる。これらを2種以上用いてもよい。
【0029】
編物は、緯編みおよび経編みのいずれでもよく、筒編み、平編み、リブ編み、両面編み、パール編み、トリコット、ラッセルなどが使用できる。その編み方は限定されない。ロールへ簡便に固定することができる点で、筒編みが望ましい。
【0030】
織物は、平織り、綾織り、朱子織りのいずれでもよく、綾織り、朱子織りに関しては、三枚斜文、四枚斜文、五枚朱子などが使用できる。その織り方は限定されない。
【0031】
前記布材としては、上記編物または織物を下地とした、表面にパイルを有する編物または織物が好ましい。表面にパイルを有することにより、布材に厚みを持たせることができ、その柔軟さから摩擦力を一定にしやすいため、現像ムラおよび版面傷の発生をより抑制することができる。パイルはループパイルでもカットパイルでもよいが、ループパイルの方が生産性の観点から好ましい。布材の片面のみにパイルを有してもよく、両面に有してもよい。
【0032】
このような表面にパイルを有する編物または織物は、例えば、シンカーパイル装置を有する筒編み機や丸編み機で作製できる。表面にパイルを有する編物または織物の例として、カラマンボ(テクノロール(株)製)、NEWMOL(登録商標)((株)加貫ローラ製作所製)、ブルーアイス(日本欄罫工業(株)製)などが挙げられる。
【0033】
前記布材として不織布やフェルトを使用する場合、汎用のものを使用できるが、繊維の脱落が少ないという点で繊維結合を有する不織布が好ましい。繊維結合としては、例えば、サーマルボンド、ケミカルボンド、ニードルパンチ、スパンレース、ステッチボンド、スチームジェットなどが使用できるがこの限りではない。耐久性の点でサーマルボンド、または、ケミカルボンドが好ましい。
【0034】
このような不織布の例として、ELTAS(登録商標)(旭化成せんい(株)製)、ELTAS SOFT(旭化成せんい(株)製)、コルドンフェルト(旭化成せんい(株)製)、d−c−fix(Konrad Hornschuch AG製)、スプリトップ(登録商標)(前田工繊(株)製)、ストラテック(登録商標)(出光石油化学(株)製)、マントル(登録商標)(東レ(株)製)、サニボン(登録商標)((株)ゴークラ製)、クランボン(登録商標)(倉敷繊維加工(株))、ボンリック(登録商標)(金星製紙(株))などが挙げられる。
【0035】
一般的に、上記表面にパイルを有する編物または織物は、表面にパイルが突出している分、布材に厚みを持たせることができる。そのため、柔軟性をより向上させることが容易であるという点で有利である。布材が柔軟であれば、摩擦力を一定にしやすいため、現像ムラおよび版面傷の発生をより抑制することができる。
【0036】
布材の材質は、例えば、天然繊維では木綿、絹、麻、モヘヤ、ウール、カシミア;再生繊維ではレーヨン、アセテート、キュプラ(登録商標);合成繊維ではナイロン、ポリ塩化ビニリデン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリエステルなどが使用できるがこの限りではない。布材の少なくとも表面を構成する繊維として、ヤング率が3GPa以下の繊維を用いることで現像ムラおよび版面傷の発生をより抑制できるため好ましい。好ましい繊維の例として、例えばウール、ナイロンおよびポリ塩化ビニリデンから選ばれた繊維が挙げられる。
【0037】
前記繊維の単糸径は、編物、織物、不織布、フェルトなどの布材を構成できる範囲で限定なく選択できる。布材の少なくとも表面を構成する繊維の単糸径が30μm以下である場合には現像ムラおよび版面傷の発生をより抑制できるため好ましい。
【0038】
布材の体積密度は、0.12g/cm以上が好ましく、0.15g/cm以上がより好ましい。0.12g/cm以上であれば、繊維密度が高いので、摩擦力が高くなり、高精細な現像が可能となる。一方、布材の体積密度は0.40g/cm以下が好ましく、0.30g/cm以下がより好ましい。0.40g/cm以下であれば、柔軟性が高く、摩擦力を一定にしやすいため、布材の偏当たりをより抑制し、現像ムラおよび版面傷の発生をより抑制することができる。
【0039】
布材の体積密度Vdは、以下の式より算出することができる。ここで、布材の標準状態における1cm当たりの質量は、相対湿度(50±10)%、温度(23±2)℃の標準状態で布材を1時間静置した後、布材の長さ、幅および重量を測定することにより求めることができる。また、布材の厚みは、26g/cmの荷重をかけながら測定した任意の10点の厚みの平均値とする。
Vd=(Ad/t)×10
Vd=体積密度(g/cm
Ad=標準状態における1cm当たりの質量(g/cm
t=布材の厚み(mm)。
【0040】
上記布材の上記ロール形状の支持体への固定方法は特に限定されないが、布材がシート状であれば、汎用の両面接着テープ、接着剤、結束バンドなどで固定できる。中でも、両面接着テープは布材への染みだし成分が少なく、全面を均一に固定できる点で優れている。支持体上に布材を固定することによって、現像ロールとして支持体表面と布材がずれることなく回転できる。布材が筒編みの場合は両面テープなどによらずそのまま装着できる点で有利である。さらに、熱を加える、水で濡らす、あるいはその両方を実施することで収縮する筒編み布材は、支持体に強固に均一に固定しやすく好ましく使用できる。また、布材そのものに伸縮性があるものが取り扱いの点で有利である。
【0041】
布材を固定するロール形状の支持体としては、例えば、ゴムロール、スポンジロール、樹脂ロール、金属ロールなどを使用することができる。前記支持体の硬度がJIS K 6253(2012)規格に基づいて測定したデュロメーター硬さが、A10〜50度であることが好ましい。また、前記支持体が、表面の少なくとも一部にゴムが配置されたものであることが好ましい。ゴムは、柔軟性を調整しやすく、ロールの柔軟性を適度に高めることにより、布材の偏当たりに起因する版面傷や現像ムラをより抑制することができる。また、ロールの柔軟性を適度におさえることにより、十分な摩擦力が得られやすく、より高精細な現像ができる。支持体が、表面の全部にゴムが配置されたゴムロールであることがより好ましい。
【0042】
ゴムの材質としては、例えば、ニトリルブチルゴム、クロロプレンゴム、エチレン・プロピレンゴム、ブチルゴム、スチレンゴム、ウレタンゴム、ハイバロンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムなどが使用できるがこの限りではない。
【0043】
ゴム硬度はA50度以下が好ましく、A30度以下がより好ましい。ゴム硬度がA50度以下であれば、摩擦力を一定にしやすいため、版面傷や現像ムラをより抑制することができる。ただし、上記の条件は厚み1mm以下の汎用的な布材の場合であって、固定される布材が十分厚みを持っているなど、柔軟性に富んでいる場合はこの限りではない。
【0044】
ゴム硬度を任意の範囲に調整する方法としては、例えば、ゴムの材質を選択する方法、ゴムの架橋度を調整する方法、添加剤を加える方法などが挙げられる。各種ゴム硬度を有するゴムロールが市販されている。本発明においては、デュロメーター硬さで上記の範囲内にあるならば、どのような手段で硬度を調整されていても構わない。
【0045】
ここで、ゴム硬度は、JIS K 6253(2012)規格に従い求めたデュロメーター硬さを言う。ゴムロールのゴム硬度は、大きさ30mm×30mm、厚さ10mmの試験片を用いて測定することができる。試験片は標準状態で1時間静置した後に、標準状態下で測定を行う。標準状態は相対湿度(50±10)%、温度(23±2)℃とする。タイプAデュロメーター硬さの測定可能範囲はA10〜90度であるが、測定精度を高めるため、A20度未満のときはタイプEデュロメーターで測定する。試験片の端から12mm以上離れた位置で、押針が測定面に対して直角になるようにデュロメーターを保持し、加圧面を衝撃が加わらない程度になるべく速やかに試験片測定面に密着させ、15秒間保持した後に目盛を読み取る。この操作を3回繰り返し、平均値の小数点以下第1位を四捨五入した値をゴム硬度とする。A20度未満の場合、タイプEデュロメーターで測定したE硬度が求められる。かかる方法により測定すると、前述のゴム硬度の好ましい範囲は、E10度以上E20度未満またはA20度以上A50度以下となる。
【0046】
ゴムロールのゴム肉厚は特に限定されるものではないが、10〜30mmがコストの点で好ましい。
【0047】
スポンジロールの材質としては、例えば、エチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)、ポリウレタン、ポリビニルアルコール、上記のゴムなどが使用できるがこの限りではない。
【0048】
樹脂ロールの材質としては、例えば、ポリウレタン樹脂、ナイロン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ABS樹脂、フッ素樹脂などが使用できるがこの限りではない。
【0049】
金属ロールの材質としては、例えば、ステンレス、スチール、アルミニウム、クロム、チタンなどが使用できるがこの限りではない。
【0050】
水なし平版印刷版原版の現像の精細度には、現像ロール表面と水なし平版印刷版原版の接触頻度および摩擦力が大きく寄与している。
【0051】
現像ロール表面と水なし平版印刷版原版の接触頻度とは、現像ロール表面と水なし平版印刷版原版の相対速度である。現像ロール表面の速度は現像ロール回転数ならびにロールの直径に比例するため、ロール回転数とロール直径の組み合わせにより任意の速度が適用できる。ロール回転数もしくはロール直径が大となれば、現像ロール表面の速度が大となり、その結果、接触頻度も大となる。
【0052】
ここで、現像ロール表面と水なし平版印刷版原版の相対速度は、(現像ロールの周速度)/(印刷版原版の搬送速度)で表される。現像ムラをより抑制し、現像性を向上させる観点からは、相対速度は高いことが好ましい。一方、版面傷をより抑制する観点からは、相対速度は低いことが好ましい。相対速度は50以上が好ましく、150以上がより好ましい。50以上であれば、より高精細な現像が可能となる。一方、相対速度は、1000以下が好ましく、700以下がより好ましい。1000以下であれば、版面傷をより抑制することができる。
【0053】
現像ロール表面と水なし平版印刷版原版の摩擦力は、現像ロール表面の材料の選定とともに、現像ロール表面の水なし平版印刷版原版への押し込み力と、現像時に現像ロール表面が水なし平版印刷版原版と継続的に接する面積と、水なし平版印刷版原版の相対速度とによって調整できる。
【0054】
現像ロール表面の水なし平版印刷版原版への押し込み力は、現像時のロール中心軸から水なし平版印刷版原版の表面までの距離の増減によって調整できる。すなわち、無負荷で印刷版原版の表面と現像ロール表面が接する位置から、現像時の位置まで現像ロールを押し下げた時の現像ロール中心軸の変位量(以下、押し込み長さという)を指標として調整できる。
【0055】
水なし平版印刷版原版の表面への現像ロールの押し込み力は、摩擦力を高くして現像ムラをより抑制し、現像性を向上させる観点からは、大きいことが好ましい。一方、版面傷をより抑制する観点からは、押し込み力は小さいことが好ましい。表面への現像ロールの押し込み力は、15N/m以上が好ましく、25N/m以上がより好ましい。15N/m以上であれば、より高精細な現像が可能となる。一方、押し込み力は、400N/m以下が好ましく、250N/m以下がより好ましい。押し込み力が、400N/m以下であれば、版面傷をより抑制することができる。
【0056】
現像時に現像ロール表面が水なし平版印刷版原版と継続的に接する面積は、その面積を規定する現像ロールと平行な方向の長さと直交方向の長さのうち、現像ロールと直交する方向の長さを変化させることによって増減できる。この現像ロールと直交方向の長さを、擦り幅と定義する。擦り幅は、印刷版を搬送せず、所定の押し込み長さで版面の同一箇所を一定時間摩擦することで、版面上の擦り跡の幅として確認することができる。擦り幅と上記押し込み長さには相関があり、押し込み長さを大きくするほど擦り幅は広くなる。擦り幅は広いほど摩擦力が高くなるため現像ムラをより抑制し、現像性を向上させることができる。一方で、擦り幅を広くするために押し込み長さを過大にすると、版面傷が悪化する傾向がある。この対策として、押し込み長さを小さく維持したまま広い擦り幅を得るためには、印刷版原版のパスラインを下げて、現像ロール表面の曲面に印刷版原版の表面を沿わせるように僅かにたわませる方法や、現像ロール径を大きくする方法がある。擦り幅は、押し込み長さ、パスライン、および、現像ロール径といった複数の要素によって最適値が決定されるため、特に限定されることはない。十分な摩擦力や現像ロールの幅方向の擦り幅の均一性を得る点から、擦り幅は3mm以上が好ましく、5mm以上がより好ましい。擦り幅が3mm以上であれば、高い摩擦力を得ることができ、また幅方向の擦り幅のバラツキを抑えることができる。一方、擦り幅は、20mm以下が好ましく、18mm以下がより好ましい。擦り幅が20mm以下であれば、摩擦力過剰による搬送不良や布材の摩耗を抑制することができる。
【0057】
水なし平版印刷版原版の表面に働く平行方向の擦り力は、現像ムラをより抑制し現像性を向上させる観点からは、高いことが好ましい。一方、印刷版原版を版端の折れや座屈なく一定速度で移動させる搬送性の観点からは、擦り力は低いことが好ましい。擦り力は80N/m以上が好ましく、100N/m以上がより好ましい。擦り力が80N/m以上であれば、より高精細な現像が可能となる。一方、擦り力は220N/m以下が好ましく、200N/m以下がより好ましい。擦り力が220N/m以下であれば、印刷版原版を正常に搬送することができる。擦り力は、現像ロール表面の水なし平版印刷版原版への押し込み長さ、擦り幅、および相対速度によって調整される。
【0058】
現像ロールの印刷版原版の表面に平行方向の擦り力は、回転する現像ロール表面での摩擦によって印刷版原版を引き込む力としてフォースゲージを使用して測定できる。実測した力を測定に使用した印刷版原版の幅で割ることで、擦り力の値が得られる。
【0059】
現像ロールの直径は60mm以上が好ましく、70mm以上がより好ましい。ロールの直径が60mm以上であれば、接触頻度が高くなり、高精細な現像が可能となる。一方、ロールの直径は130mm以下が好ましく、100mm以下がより好ましい。ロールの直径が130mm以下であれば、版面へのロールの押し込み長さが小さい場合にも、現像に必要な摩擦力を得ることができる。
【0060】
現像ロールの回転速度は一定でも緩やかに増減してもよい。ロールの回転数は、特に限定されるものではないが、接触頻度の点で200rpm以上が好ましい。一方、構造強度の点で、ロールの回転数は、600rpm以下が好ましい。現像ロールをモーターにより回転させ、インバーターによりロール回転速度を制御することにより、任意の速度でロールを回転させることができる。また、支持体上に布材を固定した現像ロールを用いる場合、布材やそれを固定する支持体の柔軟性を調整することで、布材の偏当たりをより効果的に防ぎつつ、高精細な現像に必要な摩擦力を確保することができる。
【0061】
露光後の水なし平版印刷版原版の表面と回転させた現像ロールの表面を接触させ摩擦する回数は、特に限定されるものではないが、高精細な現像を可能とするという点から2回以上が好ましい。この場合、1本の現像ロールを印刷版原版の表面に2回以上接触させて摩擦させてもよく、2本以上の現像ロールをそれぞれ印刷版原版の表面に接触させて摩擦させてもよい。摩擦する回数と同じ本数の現像ロールを用いて、印刷版原版の表面に、各現像ロールを1回ずつ接触させて摩擦させると、より短時間で現像が可能となるので好ましい。この場合、2本以上の現像ロールと印刷版原版の表面を同時に接触させて摩擦させても、逐次に接触させて摩擦させてもよい。また、版面傷の発生を抑制するという点から、印刷版原版の表面と現像ロールの表面を接触させ摩擦する回数は4回以下が好ましい。4回以下であれば、版面傷の発生を抑制することができる。現像ロールの本数は特に限定されるものではないが、高精細な現像を可能とするという点から、2本以上が好ましい。2本以上の現像ロールと水なし平版印刷版原版を接触させて摩擦することにより、高精細な現像を可能とする。一方で、版面傷の発生を抑制するという点から、現像ロールの本数は4本以下が好ましい。4本以下の現像ロールであれば、水なし平版印刷版原版と接触させて摩擦しても、版面傷の発生を抑制することができる。
【0062】
水なし平版印刷版原版を搬送装置によって現像ロールに対して移動させることにより、印刷版原版全面に対して現像を実施することができる。水なし平版印刷版原版の移動方向と現像ロールの擦り方向の関係は、同一方向(順回転)であっても、反対方向(逆回転)であってもよい。現像ロールを2本以上とする場合には、順回転のみ、逆回転のみ、順回転と逆回転の組み合わせのいずれでも構わない。また、1本の現像ロールを印刷版原版に2回以上接触させる場合、同じ擦り方向で接触させても、擦り方向が反対になるように接触させてもよい。現像残渣を発生させないという点では、順回転の現像ロールと1回以上、および、逆回転の現像ロールと1回以上、前記印刷版原版を接触させるのが好ましい。順回転の現像ロールを1本以上と、逆回転の現像ロールを1本以上とを設け、印刷版原版を該現像ロールと接触させるのがより好ましい。
【0063】
次に、水洗工程について説明する。水洗工程は、現像後の印刷版に付着した現像カスを除去する工程である。水もしくは界面活性剤入りの水をシャワーしながら、洗浄用のブラシを回転させ、現像後の印刷版の表面のみ、あるいは、表面および裏面を軽く擦ることにより、版面に傷を付けることなく現像カスを除去することが好ましい。
【0064】
現像工程および水洗工程の一部または全部を、現像装置に組み入れて、自動的に処理することも可能である。自動現像装置は、水なし平版印刷版原版を搬送する搬送機構を有し、前記現像工程に対応する現像部と、必要により前記水洗工程に対応する水洗部を有することが好ましい。
【0065】
自動現像装置の現像部は、露光部のインキ反発層を除去する工程を担っており、少なくとも、露光後の水なし平版印刷版原版の表面を摩擦する現像ロール、水なし平版印刷版原版の表面が摩擦されるときに水なし平版印刷版原版を支える受け台、および、水なし平版印刷版原版を搬送する搬送装置で構成される。ここで、受け台と搬送装置は一体となっていても構わない。上記ロールと上記受け台は鉛直方向に同一線上に配置され、上部に配置されたロールと下部に配置された受け台の間には、少なくとも上記露光後の水なし平版印刷版原版が通過できるクリアランスが設けられている。上記露光後の水なし平版印刷版原版は上記クリアランスへ任意の速度で搬送されながら、回転するロールに固定された布材によって表面を摩擦され、露光部のインキ反発層を除去することで現像される。このときの摩擦力はロールの回転数、押し込み長さなどにより任意に調整することができる。上記ロールは順回転、逆回転のどちらでもよく、順回転のみ、逆回転のみ、順回転と逆回転の組み合わせのいずれでも構わない。
【0066】
自動現像装置の水洗部は、現像部から搬送された現像後の水なし平版印刷版に付着した現像カスを除去する工程を担っており、少なくとも、洗浄用のブラシ、上記現像後の水なし平版印刷版および洗浄用のブラシを濡らすためのシャワー、現像後の水なし平版印刷版を搬送する装置で構成される。現像部から搬送されてきた現像後の水なし平版印刷版に、水もしくは界面活性剤入りの水をシャワーしながら、洗浄用のブラシを回転させることで、現像後の水なし平版印刷版の表面のみ、あるいは、表面および裏面を軽く擦ることにより、水なし平版印刷版の版面に傷を付けることなく現像カスを除去することが好ましい。上記洗浄用のブラシの本数は特に限定されないが、2本以上あれば、現像カスの除去において確実性が増すので有利である。しかし、上述の布材を固定したロールの中に逆回転ロールがあれば、水洗部に現像カスを持ち込む量が少なくなり、水洗部での負担が軽減されるため、この限りではない。
【0067】
なお、自動現像機において、水洗部の液体が現像部に流入しないよう間仕切りをすることにより、液体の非存在下で前記現像ロールによって、現像後の水なし平版印刷版を摩擦するように構成されていることが好ましい。
【実施例】
【0068】
以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説明する。各実施例・比較例における評価は次の方法で行った。
【0069】
(1)直描型水なし平版印刷版原版の作製
厚さ0.24mmの脱脂したアルミ基板(三菱アルミ(株)製)上に下記の断熱層組成物溶液を塗布し、200℃で90秒間乾燥し、膜厚10g/mの断熱層を設けた。
【0070】
<断熱層組成物溶液>
(a)活性水素を有するポリマー:エポキシ樹脂:“エピコート(登録商標)”1010(ジャパンエポキシレジン(株)製):35重量部
(b)活性水素を有するポリマー:ポリウレタン:“サンプレン(登録商標)”LQ−T1331D(三洋化成工業(株)製、固形分濃度:20重量%):375重量部
(c)アルミキレート:“アルミキレート”ALCH−TR(川研ファインケミカル(株)製):10重量部
(d)レベリング剤:“ディスパロン(登録商標)”LC951(楠本化成(株)製、固形分:10重量%):1重量部
(e)酸化チタン:“タイペーク(登録商標)”CR−50(石原産業(株)製)のN,N−ジメチルホルムアミド分散液(酸化チタン50重量%):60重量部
(f)N,N−ジメチルホルムアミド:730重量部
(g)メチルエチルケトン:250重量部。
【0071】
次いで、下記の感熱層組成物溶液を前記断熱層上に塗布し、120℃で30秒間加熱し、膜厚1.5g/mの感熱層(インキ受容層)を設けた。
【0072】
<感熱層組成物溶液>
(a)赤外線吸収染料:“PROJET(登録商標)”825LDI(Avecia社製):10重量部
(b)有機錯化合物:チタンジ−n−ブトキサイドビス(2,4−ペンタンジオネート):“ナーセム(登録商標)”チタン(日本化学産業(株)製、濃度:73重量%、溶剤としてn−ブタノール(沸点:117℃、溶解度パラメーター:23.3(MPa)1/2):17重量%を含む):11重量部
(c)フェノールホルムアルデヒドノボラック樹脂:“スミライトレジン(登録商標)”PR50731(住友ベークライト(株)製、熱軟化点:95℃):75重量部
(d)ポリウレタン:“ニッポラン(登録商標)”5196(日本ポリウレタン(株)製)、濃度:30重量%、溶剤としてメチルエチルケトン(沸点:80℃、溶解度パラメーター:19.0(MPa)1/2):35重量%、シクロヘキサノン(沸点:155℃、溶解度パラメーター:20.3(MPa)1/2):35重量%を含む):20重量部
(e)メチルエチルケトン(沸点:80℃、溶解度パラメーター:19.0(MPa)1/2):434重量部
(f)エタノール(沸点:78℃、溶解度パラメーター:26.0(MPa)1/2):85重量部
(g)脂肪族飽和炭化水素:“アイソパー(登録商標)”M(エッソ化学(株)製、沸点:223〜254℃、溶解度パラメーター:14.7(MPa)1/2):5重量部。
【0073】
この感熱層組成物溶液の固形分濃度は15.5重量%、溶解度パラメーターが17.0(MPa)1/2以下であり、かつ、210〜270℃の範囲に沸点を有する液体の含有量は0.78重量%である。また、透過型電子顕微鏡H−1700FA型(日立製)を用いて、加速電圧100kV、倍率2000倍の条件で、得られた感熱層断面を観察したところ、210〜270度の範囲に沸点を有する液体である“アイソパー(登録商標)”Mに由来する液泡が確認できた。
【0074】
次いで、塗布直前に調製した下記のシリコーンゴム層組成物溶液を前記感熱層上に塗布し、130℃で90秒間加熱し、膜厚2.0g/mのシリコーンゴム層(インキ反発層)を設けた。加熱直後のシリコーンゴム層は完全に硬化していた。
【0075】
<シリコーンゴム層組成物溶液>
下記(a)〜(c)をジルコニアビーズ(φ0.3mm)が充填されたビーズミル“スターミル(登録商標)”ミニツェア(アシザワ・ファインテック(株)製)で分散することで紺青分散液を得た。一方、(d)〜(h)を混合することでシリコーン希釈液を得た。紺青分散液を撹拌しながらシリコーン希釈液を加え、均一になるまでよく撹拌した。得られた液を自然脱泡した。
(a)N650紺青(大日精化(株)製):4重量部
(b)“プレンアクト(登録商標)”KR−TTS(味の素ファインテクノ(株)製):1.5重量部
(c)“アイソパー(登録商標)”M(エッソ化学(株)製):83重量部
(d)α,ω−ジビニルポリジメチルシロキサン:“DMS”V52(重量平均分子量155000、GELEST Inc.製):83重量部
(e)メチルハイドロジェンシロキサン“SH”1107(東レダウコーニング(株)製):4重量部
(f)ビニルトリス(メチルエチルケトオキシイミノ)シラン:3重量部
(g)白金触媒“SRX”212(東レダウコーニング(株)製):6重量部
(h)“アイソパー(登録商標)”E(エッソ化学(株)製):817重量部。
【0076】
上記のように作製された直描型水なし平版印刷版原版を以下の各実施例・比較例で評価に用いた。
【0077】
(2)布材の体積密度の算出
(2−1)布材の厚み
マイクロメータ(ソニー製DIGITAL MICROMATER M−30)を用いて、26g/cmの荷重をかけながら布材の任意の10点の厚み(mm)を測定し、その平均値を布材の厚みとした。
【0078】
(2−2)布材の標準状態における1cm当たりの質量
布材を標準状態で1時間静置した後、長さ、幅および重量を測定し、布材の標準状態における1cm当たりの質量(g/cm)を算出した。標準状態は相対湿度(50±10)%、温度(23±2)℃とした。
【0079】
(2−3)布材の体積密度の算出
布材の体積密度Vdは、以下の式より算出した。
Vd=(Ad/t)×10
Vd=体積密度(g/cm
Ad=標準状態における1cm当たりの質量(g/cm
t=布材の厚み(mm)
(3)ゴム硬度測定
使用するロールがゴムロールである場合、その柔軟性を示す指標として、JIS K 6253(2012)規格に従いデュロメーター硬さを求めた。ゴムロールのゴム硬度は、ゴムロールに使用されているものと同じゴムから試験片を作製して測定した。ここで、試験片の大きさは30mm×30mm、厚さは10mmとした。試験片は標準状態で1時間静置した後に、標準状態下で測定を行った。標準状態は相対湿度(50±10)%、温度(23±2)℃とした。タイプAデュロメーター硬さの測定範囲はA20〜90度とし、硬さがA20度未満のときはタイプEデュロメーターで測定した。試験片の端から12mm以上離れた位置で、押針が測定面に対して直角になるようにデュロメーターを保持し、加圧面を衝撃が加わらない程度になるべく速やかに試験片測定面に密着させ、15秒間保持した後に目盛を読み取った。この操作を3回繰り返し、平均値の小数点以下第1位を四捨五入した値をゴム硬度とした。
【0080】
スポンジロールについても上記ゴムロールと同様の方法で硬度の測定を行い、ゴム硬度相当の硬度を求めた。
【0081】
(4)水なし平版印刷版原版の表面に働く押し込み力の算出
(4−1)布材を用いて自動で現像する場合の版面への押し込み力の算出
水なし平版印刷版原版の表面に働く押し込み力は、FSRセンサー(インターリンク製)および3803 DIGITAL HiTESTER(HIOKI製)で構成されるひずみゲージを用いて測定した。各実施例および比較例に用いられる水なし平版印刷版原版と同じ厚みのFSRセンサーを、各実施例および比較例に用いられるロールと受け台の間に挟み込み、FSRセンサーと接続された3803 DIGITAL HiTESTERで抵抗値を読み取った。読み取った抵抗値から付属の抵抗−荷重換算表を用いて、布材の版面への押し込み力を算出した。
【0082】
(4−2)布材を用いて手動で現像する場合の版面への押し込み力の算出
布材を用いて手動で現像する場合は、圧力測定シートである“プレスケール(登録商標)”(FUJIFILM製、微圧用、測定可能圧力範囲:510〜2040g/cm)を各比較例における現像時と同じ力で摩擦し、変色濃度から付属の圧力換算表を用いて、布材の版面への押し込み力を算出した。
【0083】
(5)水なし平版印刷版原版の表面に働く平行方向の擦り力の算出
現像時に水なし平版印刷版原版の表面に働く平行方向の擦り力は、プッシュプルゲージ FGP−20(SHIMPO製)を用いて測定した。水なし平版印刷版原版にプッシュプルゲージを取り付け、現像ロールと受け台の間に挟み込み、現像ロールの回転によって引き込まれる力を測定した。測定に供した水なし平版印刷版原版の幅で割り返し規格化したものを擦り力とした。
【0084】
(6)微小網点再現性の評価
(6−1)露光
露光機“PlateRite”8800E(大日本スクリーン製造(株)製)を用いて、照射エネルギー:130mJ/cmで露光を行った。100mm×560mmサイズの上記水なし平版印刷版原版に、少なくとも2400dpi、175線でAM0.5%、1%および2%の微小網点をそれぞれ2.5mm×2.5mmの画像面積で露光した。
【0085】
(6−2)現像
上記(6−1)で露光した微小網点再現性の評価用サンプルを現像し、微小網点の再現率を確認した。2.5mm×2.5mmの画像を25倍のルーペで観察し、1%が100%再現できており、加えて0.5%が90%以上再現できていればA、1%が100%再現できており、加えて0.5%が50%以上再現できていればB、1%が100%再現できているが、0.5%が50%未満しか再現できていなければC、1%が100%再現できていないが、2%が100%再現できていればD、2%が100%再現できていなければEとした。
【0086】
(7)現像均一性の評価
(7−1)露光
露光機“PlateRite”8800E(大日本スクリーン製造(株)製)を用いて、照射エネルギー:130mJ/cmで露光を行った。1130mm×900mmサイズの上記水なし平版印刷版原版に、少なくとも2400dpi、175線でAM1%の平網を1000mm×100mmの画像面積で露光した。
【0087】
(7−2)現像
上記(7−1)で露光した現像均一性の評価用サンプルを現像し、現像ムラの有無を観察した。現像後の版を幅方向に10等分し、それぞれの領域で2.5mm×2.5mmの範囲を25倍のルーペで観察した。10箇所の中で最も現像性の悪い箇所について評価し、1%の平網が100%再現できていればA、90%以上100%未満再現できていればB、50%以上90%未満再現できていればC、50%未満しか再現していなければD、全く再現できていなければEとした。
【0088】
(8)版面傷の評価
1130mm×900mmサイズの水なし平版印刷版原版を、未露光のまま上記(6)および(7)と同じ条件で現像した後、100mm×100mmの領域をランダムに5箇所選定した。選定した領域のシリコーンゴム層を、シリコーンゴム層を膨潤させる“アイソパー(登録商標)”E(エッソ化学(株)製)で膨潤させながら注意深く目視観察し、5mm以上の長さの傷の個数を数えた。5箇所の領域における傷の個数の平均値を求め、4未満であればA、4以上9未満であればB、9以上15未満であればC、15以上25未満であればD、25以上であればEと評価した。
【0089】
(実施例1)
自動現像機TWL−1160GII(東レ(株)製)において、規定の現像用回転ブラシを、以下の現像ロール条件1に記載する、布材が固定されている現像ロール(1200mm幅)に換装した。さらに、自動現像機の水洗部の液体が現像部に流入しないよう間仕切りをし、液体の非存在下で前記現像ロールによって、現像後の水なし平版印刷版を摩擦できるように改造した自動現像機を準備した(図1)。この自動現像機を用いて、水なし平版印刷版原版を速度80cm/分で搬送しながら、400rpmの回転速度の順回転の現像ロールおよび同じ回転速度の逆回転の現像ロールの2本のロールで、原版の表面を摩擦し現像を行った。ロールの回転軸は、版面に対して平行方向とした。
【0090】
<現像ロール条件1>
以下の(a)布材を(b)ロールに取り付け、水で濡らし乾燥することで(a)布材を収縮・固定し、現像ロールとした。
(a)布材:カラマンボ(テクノロール(株)製)
布種類:筒編み
材質:レーヨン
表面状態:ループパイルあり
(b)ロール:TX10((株)加貫ローラ製作所製)
材質:ニトリルブタジエンゴム(NBR)
ゴム硬度:E10度
ゴム肉厚:20mm
ロール径:80mm。
【0091】
前記方法により、布材の厚みを測定し、体積密度を算出したところ、布材の厚みは4000μm、体積密度は0.217g/cmであった。また、現像ロール表面と水なし平版印刷版原版の相対速度は126、押し込み力は30N/m、擦り力は80N/mであった。前記方法により得られた現像後の版を評価したところ、微小網点再現性はA、現像均一性はA、版面傷平均個数は1.8で評価はAと良好な結果が得られた。
【0092】
(実施例2)
自動現像機のロールを<現像ロール条件1>から以下の<現像ロール条件2>に換装した以外は実施例1と同じ条件で現像を行った。
<現像ロール条件2>
以下の(a)布材を(b)ロールに取り付け、水で濡らし乾燥することで(a)布材を収縮・固定し、現像ロールとした。
(a)布材:カラマンボ(テクノロール(株)製)
布種類:筒編み
材質:レーヨン
表面状態:ループパイルあり
(b)ロール:TX30((株)加貫ローラ製作所製)
材質:ニトリルブタジエンゴム(NBR)
ゴム硬度:A30度
ゴム肉厚:20mm
ロール径:80mm。
【0093】
実施例1と同様の評価を行ったところ、布材の厚みは4000μm、体積密度は0.217g/cmであった。また、現像ロール表面と水なし平版印刷版原版の相対速度は126、押し込み力は40N/m、擦り力は100N/mであった。前記方法により得られた現像後の版を評価したところ、微小網点再現性はA、現像均一性はA、版面傷平均個数は2.2で評価はAと良好な結果が得られた。
【0094】
(実施例3)
自動現像機のロールを<現像ロール条件1>から以下の<現像ロール条件3>に換装した以外は実施例1と同じ条件で現像を行った。
<現像ロール条件3>
以下の(a)布材を(b)ロールに取り付け、水で濡らし乾燥することで(a)布材を収縮・固定し、現像ロールとした。
(a)布材: カラマンボ(テクノロール(株)製)
布種類:筒編み
材質:レーヨン
表面状態:ループパイルあり
(b)ロール:TX50((株)加貫ローラ製作所製)
材質:ニトリルブタジエンゴム(NBR)
ゴム硬度:A50度
ゴム肉厚:20mm
ロール径:80mm。
【0095】
実施例1と同様の評価を行ったところ、布材の厚みは4000μm、体積密度は0.217g/cmであった。また、現像ロール表面と水なし平版印刷版原版の相対速度は126、押し込み力は60N/m、擦り力は120N/mであった。前記方法により得られた現像後の版を評価したところ、微小網点再現性はA、現像均一性はA、版面傷平均個数は2.8で評価はAと良好な結果が得られた。
【0096】
(実施例4)
自動現像機のロールを<現像ロール条件1>から以下の<現像ロール条件4>に換装した以外は実施例1と同じ条件で現像を行った。
<現像ロール条件4>
以下の(a)布材を(b)ロールに取り付け、水で濡らし乾燥することで(a)布材を収縮・固定し、現像ロールとした。
(a)布材: カラマンボ(テクノロール(株)製)
布種類:筒編み
材質:レーヨン
表面状態:ループパイルあり
(b)ロール:TX10((株)加貫ローラ製作所製)
材質:ニトリルブタジエンゴム(NBR)
ゴム硬度:E10度
ゴム肉厚:20mm
ロール径:80mm。
【0097】
実施例1と同様の評価を行ったところ、布材の厚みは4000μm、体積密度は0.217g/cmであった。また、現像ロール表面と水なし平版印刷版原版の相対速度は126、押し込み力は15N/m、擦り力は40N/mであった。前記方法により得られた現像後の版を評価したところ、微小網点再現性はA、現像均一性はB、版面傷平均個数は0.8で評価はAと良好な結果が得られた。
【0098】
(実施例5)
自動現像機のロールを<現像ロール条件1>から以下の<現像ロール条件5>に換装した以外は実施例1と同じ条件で現像を行った。
<現像ロール条件5>
以下の(a)布材を(b)ロールに取り付け、水で濡らし乾燥することで(a)布材を収縮・固定し、現像ロールとした。
(a)布材: ナイロンモルトン((株)加貫ローラ製作所製NEWMOLの表面パイルを東レ(株)製ナイロン糸に替えた改良品)
布種類:筒編み
材質:ナイロン
表面状態:ループパイルあり
(b)ロール:TX10((株)加貫ローラ製作所製)
材質:ニトリルブタジエンゴム(NBR)
ゴム硬度:E10度
ゴム肉厚:20mm
ロール径:100mm。
【0099】
実施例1と同様の評価を行ったところ、布材の厚みは3600μm、体積密度は0.345g/cmであった。また、現像ロール表面と水なし平版印刷版原版の相対速度は157、押し込み力は250N/m、擦り力は180N/mであった。前記方法により得られた現像後の版を評価したところ、微小網点再現性はA、現像均一性はA、版面傷平均個数は1.6で評価はAと良好な結果が得られた。
【0100】
(実施例6)
自動現像機のロールを<現像ロール条件1>から以下の<現像ロール条件6>に換装し、水なし平版印刷版原版を速度40cm/分で搬送しながら、500rpmの回転速度で現像した以外は実施例1と同じ条件で現像を行った。
<現像ロール条件6>
以下の(a)布材を(b)ロールに取り付け、水で濡らし乾燥することで(a)布材を収縮・固定し、現像ロールとした。
(a)布材: ナイロンモルトン((株)加貫ローラ製作所製NEWMOLの表面パイルを東レ(株)製ナイロン糸に替えた改良品)
布種類:筒編み
材質:ナイロン
表面状態:ループパイルあり
(b)ロール:TX10((株)加貫ローラ製作所製)
材質:ニトリルブタジエンゴム(NBR)
ゴム硬度:E10度
ゴム肉厚:20mm
ロール径:100mm。
【0101】
実施例1と同様の評価を行ったところ、布材の厚みは3600μm、体積密度は0.345g/cmであった。また、現像ロール表面と水なし平版印刷版原版の相対速度は393、押し込み力は250N/m、擦り力は200N/mであった。前記方法により得られた現像後の版を評価したところ、微小網点再現性はA、現像均一性はA、版面傷平均個数は3.0で評価はAと良好な結果が得られた。
【0102】
(実施例7)
自動現像機のロールを<現像ロール条件1>から以下の<現像ロール条件7>に換装した以外は実施例1と同じ条件で現像を行った。
<現像ロール条件7>
以下の(a)布材を(b)ロールに取り付け、水で濡らし乾燥することで(a)布材を収縮・固定し、現像ロールとした。
(a)布材: ナイロンモルトン((株)加貫ローラ製作所製NEWMOLの表面パイルを東レ(株)製ナイロン糸に替えた改良品)
布種類:筒編み
材質:ナイロン
表面状態:ループパイルあり
(b)ロール:TX10((株)加貫ローラ製作所製)
材質:ニトリルブタジエンゴム(NBR)
ゴム硬度:E10度
ゴム肉厚:20mm
ロール径:100mm。
【0103】
実施例1と同様の評価を行ったところ、布材の厚みは3600μm、体積密度は0.345g/cmであった。また、現像ロール表面と水なし平版印刷版原版の相対速度は157、押し込み力は300N/m、擦り力は220N/mであった。前記方法により得られた現像後の版を評価したところ、微小網点再現性はA、現像均一性はA、版面傷平均個数は4.2で評価はBとなった。
【0104】
(実施例8)
自動現像機のロールを<現像ロール条件1>から以下の<現像ロール条件8>に換装した以外は実施例1と同じ条件で現像を行った。
<現像ロール条件8>
以下の(a)布材を(b)ロールに取り付け、水で濡らし乾燥することで(a)布材を収縮・固定し、現像ロールとした。
(a)布材: ナイロンモルトン((株)加貫ローラ製作所製NEWMOLの表面パイルを東レ(株)製ナイロン糸に替えた改良品)
布種類:筒編み
材質:ナイロン
表面状態:ループパイルあり
(b)ロール:TX10((株)加貫ローラ製作所製)
材質:ニトリルブタジエンゴム(NBR)
ゴム硬度:E10度
ゴム肉厚:20mm
ロール径:100mm。
【0105】
実施例1と同様の評価を行ったところ、布材の厚みは3600μm、体積密度は0.345g/cmであった。また、現像ロール表面と水なし平版印刷版原版の相対速度は157、押し込み力は400N/m、擦り力は300N/mであった。前記方法により得られた現像後の版を評価したところ、微小網点再現性はA、現像均一性はA、版面傷平均個数は9.0で評価はCとなった。
【0106】
(実施例9)
自動現像機のロールを<現像ロール条件1>から以下の<現像ロール条件9>に換装した以外は実施例1と同じ条件で現像を行った。
<現像ロール条件9>
以下の(b)ロールの表面に両面接着テープNo.532(日東電工(株)製)を貼り付け、その上に(a)布材を貼ることで固定し、現像ロールとした。
(a)布材:ELTAS SOFT TA−3000(新東京旭(株)製)
布種類:不織布
材質:ナイロン
表面状態:サーマルボンドあり
(b)ロール:TX10((株)加貫ローラ製作所製)
材質:ニトリルブタジエンゴム(NBR)
ゴム硬度:E10度
ゴム肉厚:20mm
ロール径:100mm。
【0107】
実施例1と同様の評価を行ったところ、布材の厚みは380μm、布材の体積密度は0.179g/cmであった。また、現像ロール表面と水なし平版印刷版原版の相対速度は157、押し込み力は40N/m、擦り力は100N/mであった。前記方法により得られた現像後の版を評価したところ、微小網点再現性はA、現像均一性はA、版面傷平均個数は3.0で評価はAと良好な結果が得られた。
【0108】
(実施例10)
自動現像機のロールを<現像ロール条件1>から以下の<現像ロール条件10>に換装した以外は実施例1と同じ条件で現像を行った。
<現像ロール条件10>
以下の(b)ロールの表面に両面接着テープNo.532(日東電工(株)製)を貼り付け、その上に(a)布材を貼ることで固定し、現像ロールとした。
(a)布材:ELTAS SOFT TA−3000(新東京旭(株)製)
布種類:不織布
材質:ナイロン
表面状態:サーマルボンドあり
(b)ロール:TX30((株)加貫ローラ製作所製)
材質:ニトリルブタジエンゴム(NBR)
ゴム硬度:A30度
ゴム肉厚:20mm
ロール径:100mm。
【0109】
実施例1と同様の評価を行ったところ、布材の厚みは380μm、布材の体積密度は0.179g/cmであった。また、現像ロール表面と水なし平版印刷版原版の相対速度は157、押し込み力は60N/m、擦り力は120N/mであった。前記方法により得られた現像後の版を評価したところ、微小網点再現性はA、現像均一性はA、版面傷平均個数は3.8で評価はAと良好な結果が得られた。
【0110】
(実施例11)
自動現像機のロールを<現像ロール条件1>から以下の<現像ロール条件11>に換装し、水なし平版印刷版原版を速度100cm/分で搬送しながら、200rpmの回転速度で現像した以外は実施例1と同じ条件で現像を行った。
<現像ロール条件11>
以下の(b)ロールの表面に両面接着テープNo.532(日東電工(株)製)を貼り付け、その上に(a)布材を貼ることで固定し、現像ロールとした。
(a)布材:ELTAS SOFT TA−3000(新東京旭(株)製)
布種類:不織布
材質:ナイロン
表面状態:サーマルボンドあり
(b)ロール:TX10((株)加貫ローラ製作所製)
材質:ニトリルブタジエンゴム(NBR)
ゴム硬度:E10度
ゴム肉厚:20mm
ロール径:100mm。
【0111】
実施例1と同様の評価を行ったところ、布材の厚みは380μm、布材の体積密度は0.179g/cmであった。また、現像ロール表面と水なし平版印刷版原版の相対速度は63、押し込み力は40N/m、擦り力は60N/mであった。前記方法により得られた現像後の版を評価したところ、微小網点再現性はA、現像均一性はB、版面傷平均個数は0.4で評価はAとなった。
【0112】
(実施例12)
自動現像機のロールを<現像ロール条件1>から以下の<現像ロール条件12>に換装し、水なし平版印刷版原版を速度25cm/分で搬送しながら、500rpmの回転速度で現像した以外は実施例1と同じ条件で現像を行った。
<現像ロール条件12>
以下の(b)ロールの表面に両面接着テープNo.532(日東電工(株)製)を貼り付け、その上に(a)布材を貼ることで固定し、現像ロールとした。
(a)布材:ELTAS SOFT TA−3000(新東京旭(株)製)
布種類:不織布
材質:ナイロン
表面状態:サーマルボンドあり
(b)ロール:TX10((株)加貫ローラ製作所製)
材質:ニトリルブタジエンゴム(NBR)
ゴム硬度:E10度
ゴム肉厚:20mm
ロール径:100mm。
【0113】
実施例1と同様の評価を行ったところ、布材の厚みは380μm、布材の体積密度は0.179g/cmであった。また、現像ロール表面と水なし平版印刷版原版の相対速度は628、押し込み力は40N/m、擦り力は200N/mであった。前記方法により得られた現像後の版を評価したところ、微小網点再現性はA、現像均一性はA、版面傷平均個数は3.8で評価はAと良好な結果が得られた。
【0114】
(実施例13)
自動現像機のロールを<現像ロール条件1>から以下の<現像ロール条件13>に換装し、水なし平版印刷版原版を速度20cm/分で搬送しながら、600rpmの回転速度で現像した以外は実施例1と同じ条件で現像を行った。
<現像ロール条件13>
以下の(b)ロールの表面に両面接着テープNo.532(日東電工(株)製)を貼り付け、その上に(a)布材を貼ることで固定し、現像ロールとした。
(a)布材:ELTAS SOFT TA−3000(新東京旭(株)製)
布種類:不織布
材質:ナイロン
表面状態:サーマルボンドあり
(b)ロール:TX10((株)加貫ローラ製作所製)
材質:ニトリルブタジエンゴム(NBR)
ゴム硬度:E10度
ゴム肉厚:20mm
ロール径:100mm。
【0115】
実施例1と同様の評価を行ったところ、布材の厚みは380μm、布材の体積密度は0.179g/cmであった。また、現像ロール表面と水なし平版印刷版原版の相対速度は942、押し込み力は40N/m、擦り力は300N/mであった。前記方法により得られた現像後の版を評価したところ、微小網点再現性はA、現像均一性はA、版面傷平均個数は12.4で評価はCとなった。
【0116】
(実施例14)
自動現像機のロールを<現像ロール条件1>から以下の<現像ロール条件14>に換装し、水なし平版印刷版原版を速度15cm/分で搬送しながら、600rpmの回転速度で現像した以外は実施例1と同じ条件で現像を行った。
<現像ロール条件14>
以下の(b)ロールの表面に両面接着テープNo.532(日東電工(株)製)を貼り付け、その上に(a)布材を貼ることで固定し、現像ロールとした。
(a)布材:ELTAS SOFT TA−3000(新東京旭(株)製)
布種類:不織布
材質:ナイロン
表面状態:サーマルボンドあり
(b)ロール:TX10((株)加貫ローラ製作所製)
材質:ニトリルブタジエンゴム(NBR)
ゴム硬度:E10度
ゴム肉厚:20mm
ロール径:100mm。
【0117】
実施例1と同様の評価を行ったところ、布材の厚みは380μm、布材の体積密度は0.179g/cmであった。また、現像ロール表面と水なし平版印刷版原版の相対速度は1257、押し込み力は40N/m、擦り力は400N/mであった。前記方法により得られた現像後の版を評価したところ、微小網点再現性はA、現像均一性はA、版面傷平均個数は18.4で評価はDとなった。
【0118】
(実施例15)
自動現像機のロールを<現像ロール条件1>から以下の<現像ロール条件15>に換装した以外は実施例1と同じ条件で現像を行った。
<現像ロール条件15>
以下の(b)ロールの表面に両面接着テープNo.532(日東電工(株)製)を貼り付け、その上に(a)布材を貼ることで固定し、現像ロールとした。
(a)布材:コルドンフェルト TA−1100(旭化成せんい(株)製)
布種類:不織布
材質:ナイロン
表面状態:ニードルパンチ孔あり
(b)ロール:TX10((株)加貫ローラ製作所製)
材質:ニトリルブタジエンゴム(NBR)
ゴム硬度:E10度
ゴム肉厚:20mm
ロール径:80mm。
【0119】
実施例1と同様の評価を行ったところ、布材の厚みは490μm、布材の体積密度は0.237g/cmであった。また、現像ロール表面と水なし平版印刷版原版の相対速度は126、押し込み力は40N/m、擦り力は100N/mであった。前記方法により得られた現像後の版を評価したところ、微小網点再現性はA、現像均一性はA、版面傷平均個数は3.8で評価はAと良好な結果が得られた。
【0120】
(実施例16)
自動現像機のロールを<現像ロール条件1>から以下の<現像ロール条件16>に換装した以外は実施例1と同じ条件で現像を行った。
<現像ロール条件16>
以下の(b)ロールの表面に両面接着テープが具備された(a)布材を貼ることで固定し、現像ロールとした。
(a)布材:d−c−fix(Konrad Hornschuch AG製)
布種類:不織布
材質:ナイロン
表面状態:ケミカルボンドあり
(b)ロール:TX10((株)加貫ローラ製作所製)
材質:ニトリルブタジエンゴム(NBR)
ゴム硬度:E10度
ゴム肉厚:20mm
ロール径:80mm。
【0121】
実施例1と同様の評価を行ったところ、布材の厚みは550μm、布材の体積密度は0.319g/cmであった。また、現像ロール表面と水なし平版印刷版原版の相対速度は126、押し込み力は40N/m、擦り力は100N/mであった。前記方法により得られた現像後の版を評価したところ、微小網点再現性はA、現像均一性はA、版面傷平均個数は6.2で評価はBとなった。
【0122】
(実施例17)
自動現像機のロールを<現像ロール条件1>から以下の<現像ロール条件17>に換装した以外は実施例1と同じ条件で現像を行った。
<現像ロール条件17>
以下の(b)ロールの表面に両面接着テープNo.532(日東電工(株)製)を貼り付け、その上に(a)布材を貼ることで固定し、現像ロールとした。
(a)布材:“トレシー(登録商標)”(東レ(株)製)
布種類:編物
材質:ポリエステル(PET)
(b)ロール:TX10((株)加貫ローラ製作所製)
材質:ニトリルブタジエンゴム(NBR)
ゴム硬度:E10度
ゴム肉厚:20mm
ロール径:80mm。
【0123】
実施例1と同様の評価を行ったところ、布材の厚みは480μm、布材の体積密度は0.435g/cmであった。また、現像ロール表面と水なし平版印刷版原版の相対速度は126、押し込み力は40N/m、擦り力は100N/mであった。前記方法により得られた現像後の版を評価したところ、微小網点再現性はA、現像均一性はB、版面傷平均個数は15.2で評価はDとなった。
【0124】
(実施例18)
自動現像機のロールを<現像ロール条件1>から以下の<現像ロール条件18>に換装した以外は実施例1と同じ条件で現像を行った。
<現像ロール条件18>
以下の(b)ロールの表面に両面接着テープNo.532(日東電工(株)製)を貼り付け、その上に(a)布材を貼ることで固定し、現像ロールとした。
(a)布材:“シルック(登録商標)”(東レ(株)製)
布種類:織物
材質:ポリエステル(PET)
(b)ロール:TX10((株)加貫ローラ製作所製)
材質:ニトリルブタジエンゴム(NBR)
ゴム硬度:E10度
ゴム肉厚:20mm
ロール径:80mm。
【0125】
実施例1と同様の評価を行ったところ、布材の厚みは200μm、布材の体積密度は0.445g/cmであった。また、現像ロール表面と水なし平版印刷版原版の相対速度は126、押し込み力は40N/m、擦り力は100N/mであった。前記方法により得られた現像後の版を評価したところ、微小網点再現性はA、現像均一性はB、版面傷平均個数は20.2で評価はDとなった。
【0126】
(実施例19)
自動現像機のロールを<現像ロール条件1>から以下の<現像ロール条件19>に換装した以外は実施例1と同じ条件で現像を行った。
<現像ロール条件19>
以下の(b)ロールの表面に両面接着テープNo.532(日東電工(株)製)を貼り付け、その上に(a)布材を貼ることで固定し、現像ロールとした。
(a)布材:デニム生地(日清紡(株)製)
布種類:織物
材質:コットン
(b)ロール:TX10((株)加貫ローラ製作所製)
材質:ニトリルブタジエンゴム(NBR)
ゴム硬度:E10度
ゴム肉厚:20mm
ロール径:80mm。
【0127】
実施例1と同様の評価を行ったところ、布材の厚みは580μm、布材の体積密度は0.317g/cmであった。また、現像ロール表面と水なし平版印刷版原版の相対速度は126、押し込み力は40N/m、擦り力は100N/mであった。前記方法により得られた現像後の版を評価したところ、微小網点再現性はA、現像均一性はA、版面傷平均個数は36.6で評価はEとなった。
【0128】
(実施例20)
自動現像機のロールを<現像ロール条件1>から以下の<現像ロール条件20>に換装した以外は実施例1と同じ条件で現像を行った。
<現像ロール条件20>
以下の(a)布材を(b)ロールに取り付け、水で濡らし乾燥することで(a)布材を収縮・固定し、現像ロールとした。
(a)布材: カラマンボ(テクノロール(株)製)
布種類:筒編み
材質:レーヨン
表面状態:ループパイルあり
(b)ロール:EVAスポンジ(富士ケミカル(株)製)
材質:エチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)
ゴム硬度:E10度未満相当
ゴム肉厚:20mm
ロール径:80mm。
【0129】
実施例1と同様の評価を行ったところ、布材の厚みは4000μm、体積密度は0.217g/cmであった。また、現像ロール表面と水なし平版印刷版原版の相対速度は126、押し込み力は8N/m、擦り力は20N/mであった。前記方法により得られた現像後の版を評価したところ、微小網点再現性はB、現像均一性はC、版面傷平均個数は0.2で評価はAとなった。
【0130】
(実施例21)
自動現像機のロールを<現像ロール条件1>から以下の<現像ロール条件21>に換装した以外は実施例1と同じ条件で現像を行った。
<現像ロール条件21>
以下の(b)ロールの表面に両面接着テープNo.532(日東電工(株)製)を貼り付け、その上に(a)布材を貼ることで固定し、現像ロールとした。
(a)布材:ELTAS SOFT TA−3000(新東京旭(株)製)
布種類:不織布
材質:ナイロン
表面状態:サーマルボンドあり
(b)ロール:白EC270((株)加貫ローラ製作所製)
材質:ニトリルブタジエンゴム(NBR)
ゴム硬度:A70度
ゴム肉厚:20mm
ロール径:80mm。
【0131】
実施例1と同様の評価を行ったところ、布材の厚みは380μm、布材の体積密度は0.179g/cmであった。また、現像ロール表面と水なし平版印刷版原版の相対速度は126、押し込み力は85N/m、擦り力は140N/mであった。前記方法により得られた現像後の版を評価したところ、微小網点再現性はA、現像均一性はA、版面傷平均個数は5.4で評価はBとなった。
【0132】
(実施例22)
自動現像機のロールを<現像ロール条件1>から以下の<現像ロール条件22>に換装した以外は実施例1と同じ条件で現像を行った。
<現像ロール条件22>
以下の(b)ロールの表面に両面接着テープNo.532(日東電工(株)製)を貼り付け、その上に(a)布材を貼ることで固定し、現像ロールとした。
(a)布材:ELTAS SOFT TA−3000(新東京旭(株)製)
布種類:不織布
材質:ナイロン
表面状態:サーマルボンドあり
(b)ロール:ステンレスロール((有)大和工業所製)
材質:ステンレス(SUS)
ロール径:80mm。
【0133】
実施例1と同様の評価を行ったところ、布材の厚みは380μm、布材の体積密度は0.179g/cmであった。また、現像ロール表面と水なし平版印刷版原版の相対速度は126、押し込み力は85N/m、擦り力は140N/mであった。前記方法により得られた現像後の版を評価したところ、微小網点再現性はA、現像均一性はA、版面傷平均個数は11.2で評価はCとなった。
【0134】
(実施例23)
自動現像機のロールを<現像ロール条件1>から以下の<現像ロール条件23>に換装した以外は実施例1と同じ条件で現像を行った。
<現像ロール条件23>
以下の(b)ロールの表面に両面接着テープNo.532(日東電工(株)製)を貼り付け、その上に(a)布材を貼ることで固定し、現像ロールとした。
(a)布材:ELTAS SOFT TA−3000(新東京旭(株)製)
布種類:不織布
材質:ナイロン
表面状態:サーマルボンドあり
(b)ロール:ウレタンロール“13801”((株)岡本ローラ製作所製)
材質:ポリウレタン(PU)
ロール径:80mm。
【0135】
実施例1と同様の評価を行ったところ、布材の厚みは380μm、布材の体積密度は0.179g/cmであった。また、現像ロール表面と水なし平版印刷版原版の相対速度は126、押し込み力は85N/m、擦り力は140N/mであった。前記方法により得られた現像後の版を評価したところ、微小網点再現性はA、現像均一性はA、版面傷平均個数は10.4で評価はCとなった。
【0136】
(比較例1)
以下の(a)布材を用いて、露光した原版の表面を手動で摩擦し、現像を行った。
(a)布材:ハイゼガーゼ(旭化成せんい(株)製)
布種類:織物
材質:コットン。
【0137】
実施例1と同様の評価を行ったところ、布材の厚みは270μm、布材の体積密度は0.111g/cmであった。布材の版面への押し込み力は、プレスケールを用いて測定したところ1000〜1500N/m、擦り力は80N/mであった。また、前記方法により得られた現像後の版を評価したところ、微小網点再現性はC、現像均一性はE、版面傷平均個数は32.4で評価はEとなった。
【0138】
(比較例2)
以下の(a)布材を用いて、露光した原版の表面を手動で摩擦し、現像を行った。
(a)布材:Handi−Pads(Fiberweb製)
布種類:不織布
材質:コットン。
【0139】
実施例1と同様の評価を行ったところ、布材の厚みは3000μm、布材の体積密度は0.083g/cmであった。布材の版面への押し込み力は、プレスケールを用いて測定したところ1000〜1500N/m、擦り力は110N/mであった。また、前記方法により得られた現像後の版を評価したところ、微小網点再現性はC、現像均一性はE、版面傷平均個数は6.2で評価はBとなった。
【0140】
(比較例3)
以下の(a)布材を(b)ディスク摩擦装置のプラテンに両面接着テープNo.532(日東電工製)で貼り付け、版面に対して垂直の回転軸を持つ回転ディスクにより、露光した原版の表面を摩擦し、現像を行った。
(a)布材:ELTAS SOFT TA−3000(新東京旭(株)製)
布種類:不織布
材質:ナイロン
表面状態:サーマルボンドあり
(b)ディスク摩擦装置:CMP実験装置MAT ARW−8C1MS(MAT社製)
プラテン径:φ200mm
プラテンおよびヘッド速度:100rpm
荷重:450N/m
摩擦時間:2分間。
【0141】
実施例1と同様の評価を行ったところ、布材の厚みは380μm、布材の体積密度は0.179g/cmであった。布材の版面への押し込み力は450N/m、擦り力は30N/mであった。また、前記方法により得られた現像後の版を評価したところ、微小網点再現性はD、現像均一性はE、版面傷平均個数は14.6で評価はCとなった。
(比較例4)
自動現像機TWL−1160GII(東レ(株)製)を用いて、水なし平版印刷版原版を速度60cm/分で搬送しながら、275rpmの回転速度の2本のロールで、原版の表面に水をかけながら摩擦し現像を行った。現像ロールは以下のチャンネルブラシを用いた。
<チャンネルブラシ条件>
材質:ポリブチレンテレフタレート(PBT)
単糸径:100μm
ブラシ径:126mm
チャンネルブラシ表面と水なし平版印刷版原版の相対速度は181、押し込み力は450N/m、擦り力は60N/mであった。
【0142】
前記方法により得られた現像後の版を評価したところ、微小網点再現性はE、現像均一性はE、版面傷平均個数は8.4で評価はBとなった。
【0143】
実施例1〜23および比較例1〜4の条件および評価結果を表1〜2に示す。
【0144】
【表1】
【0145】
【表2】
【符号の説明】
【0146】
1 現像ロール
2 布材
3 現像ロール軸
4 受け台
5 搬送ロール
6 パスライン
7 水洗ユニットへ
【産業上の利用可能性】
【0147】
本発明の現像方法により得られる直描型水なし平版印刷版は、一般的な印刷分野(商業印刷、新聞印刷、フィルムや樹脂板または金属などの非吸収体への印刷)に利用できる。また、PDPやLCDなどのディスプレイ分野、配線パターンなどの作製を印刷法で行うプリンタブルエレクトロニクス分野にも応用できる。
図1
【国際調査報告】