特表-13157488IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 本田技研工業株式会社の特許一覧
<>
  • 再表WO2013157488-燃料電池システム 図000003
  • 再表WO2013157488-燃料電池システム 図000004
  • 再表WO2013157488-燃料電池システム 図000005
  • 再表WO2013157488-燃料電池システム 図000006
  • 再表WO2013157488-燃料電池システム 図000007
  • 再表WO2013157488-燃料電池システム 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2013年10月24日
【発行日】2015年12月21日
(54)【発明の名称】燃料電池システム
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/04 20060101AFI20151124BHJP
【FI】
   H01M8/04 A
   H01M8/04 J
   H01M8/04 P
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】20
【出願番号】特願2014-511193(P2014-511193)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2013年4月12日
(11)【特許番号】特許第5698410号(P5698410)
(45)【特許公報発行日】2015年4月8日
(31)【優先権主張番号】特願2012-92667(P2012-92667)
(32)【優先日】2012年4月16日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100064414
【弁理士】
【氏名又は名称】磯野 道造
(74)【代理人】
【識別番号】100111545
【弁理士】
【氏名又は名称】多田 悦夫
(72)【発明者】
【氏名】上田 健一郎
(72)【発明者】
【氏名】樽家 憲司
(72)【発明者】
【氏名】濱地 正和
(72)【発明者】
【氏名】小岩 信基
【テーマコード(参考)】
5H127
【Fターム(参考)】
5H127AB04
5H127AC02
5H127BA02
5H127BA22
5H127BA28
5H127BA58
5H127BA59
5H127BB02
5H127BB12
5H127BB34
5H127BB37
5H127BB39
5H127BB40
5H127DA09
5H127DB22
5H127DB23
5H127DB63
5H127DB66
5H127DC22
5H127DC24
5H127DC28
5H127DC34
5H127FF01
(57)【要約】
回転軸がエアベアリングにより軸支されて回転運動により酸化剤ガスを取り込んで燃料電池(10)へと送り出すターボ型の酸化剤ポンプ(21)と、酸化剤ガスの実流量検出手段(Q)と、酸化剤ガスの圧力調整手段(24)と、酸化剤ポンプ(21)の回転速度確認手段(40)と、酸化剤ポンプ(21)の回転速度がエアベアリングによる軸支が可能となる最低回転速度領域にある場合、酸化剤ガスの実流量が目標流量より多いときに、圧力調整手段(24)を介して酸化剤ガスの圧力を高める制御手段(40)とを備える構成とした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料ガスと酸化剤ガスとが供給されて発電する燃料電池と、
前記燃料電池への酸化剤供給路と、
回転軸がエアベアリングにより軸支されて回転運動により酸化剤ガスを取り込んで送り出すターボ型の酸化剤ポンプと、
前記酸化剤ガスの実流量検出手段と、
前記酸化剤ガスの圧力調整手段と、
前記酸化剤ポンプの回転速度確認手段と、
前記酸化剤ポンプの回転速度が前記エアベアリングによる軸支が可能となる最低回転速度領域にある場合、前記酸化剤ガスの実流量が目標流量より多いときに、前記圧力調整手段を介して前記酸化剤ガスの圧力を高める制御手段と、
を備えることを特徴とする燃料電池システム。
【請求項2】
前記制御手段は、
前記燃料電池への要求電流値から前記目標流量及び目標圧力を設定し、
前記実流量が前記目標流量より多いときには、前記目標圧力に第1の所定値を加えて新たな目標圧力を設定することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
【請求項3】
前記酸化剤ポンプと前記燃料電池との間に配置された加湿器と、
前記加湿器をバイパスする加湿器バイパス路と、
前記加湿器と前記加湿器バイパス路との酸化剤ガスの流れの割合を調整する酸化剤流れ調整手段と、をさらに備え、
前記制御手段は、前記酸化剤流れ調整手段の調整割合に応じて前記目標圧力を設定することを特徴とする請求項2に記載の燃料電池システム。
【請求項4】
前記酸化剤流れ調整手段の調整割合と前記目標流量と酸化剤流れ圧力損失との関係に基づき、酸化剤流れ圧力損失値を求め、
前記目標圧力と前記酸化剤流れ圧力損失値との合算値が既定値より小さい場合には、
前記目標圧力に第2の所定値を加えて新たな目標圧力を設定することを特徴とする請求項3に記載の燃料電池システム。
【請求項5】
前記酸化剤流れ調整手段が前記加湿器バイパス路に配置された流量調整弁であって、
制御手段は、
前記流量調整弁の開度を所定開度よりも大きく設定した場合には、
あらかじめ前記目標圧力に所定値を加えて新たな目標圧力を設定することを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の燃料電池システム。
【請求項6】
燃料ガスと酸化剤ガスとが供給されて発電する燃料電池と、
前記燃料電池に供給される酸化剤ガスが流れる酸化剤供給路と、
前記燃料電池から排出される酸化剤オフガスが流れる酸化剤排出路と、
酸化剤ガスを取り込んで送り出す回転式の酸化剤ポンプと、
前記酸化剤ガスの実流量を検出する実流量検出手段と、
前記酸化剤ポンプの回転速度を確認する回転速度確認手段と、
前記酸化剤排出路に配置され、前記燃料電池のカソードに供給される酸化剤ガスの圧力を調整する背圧弁と、
前記背圧弁の開度を開方向に制御した後、前記酸化剤ポンプの回転速度が最低回転速度領域まで低下しても前記実流量が目標流量よりも多い場合、前記背圧弁の開度を閉方向に、前記開方向に制御したときよりも小さな開度で変化するように制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする燃料電池システム。
【請求項7】
前記酸化剤供給路に配置され、前記カソードに供給される酸化剤ガスの圧力を検出する圧力検出手段を備え、
前記制御手段は、前記圧力が所定圧力まで上昇した場合、前記背圧弁の開度制御を終了することを特徴とする請求項6に記載の燃料電池システム。
【請求項8】
前記制御手段は、前記燃料電池の出力を所定低出力状態に設定する場合、前記背圧弁の開度制御を実行することを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の燃料電池システム。
【請求項9】
前記制御手段は、前記燃料電池の出力が所定低出力状態に維持されている場合、前記背圧弁の開度制御を実行することを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の燃料電池システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料ガスと酸化剤ガスとを用いて発電する燃料電池システムに関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池システムは、燃料ガス供給源からの燃料ガスと、酸化剤ガス供給源からの酸化剤ガスとを用いて燃料電池(スタック)が電気化学的に発電する発電システムである。酸化剤ガスは、通常空気が用いられ、コンプレッサにより酸化剤ガスとしての空気が燃料電池に圧送される。
特許文献1は、コントローラが、燃料電池自動車のアクセル開度、車速及び空気流量に基づいて、燃料電池に空気を圧送するコンプレッサの目標回転速度を計算して、コンプレッサの回転速度を制御、すなわち燃料電池に供給する空気の量を制御している。たとえば、流量センサで検出される流量検出値が燃料電池の運転状態に基づいて算出される正常範囲内であれば、流量検出値を用いて空気流量のフィードバック制御を行い、流量検出値が正常範囲外へ逸脱したときは、空気流量(コンプレッサ回転速度)のフィードフォワード制御を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−241384号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、コンプレッサには、エアベアリングで軸支されたターボ型エアポンプがあるが、エアベアリングの場合、回転速度の制御だけでは、狙った流量の空気を燃料電池に供給することができないことがある。具体的には、空気の流量検出値を用いて回転速度のフィードバック制御を行うことで、所望の空気流量を供給しようとすると、回転速度指令値がエアベアリングの軸浮上に必要な最低回転速度付近にある場合、回転速度を制御するだけでは、所望の空気流量を供給することができない。ちなみに、流量センサ誤差、吸気圧・温度のばらつきにより、エアポンプの回転速度指令値が下限に張り付いた場合、エアポンプの特性上、流量が大幅に増大してしまうという問題があることがわかった(図4参照)。
【0005】
特に、エアポンプと燃料電池の間に、圧力損失(以下「圧損」という)の程度を変えるデバイス(加湿器バイパス弁など)が設置されているシステムでは、前記事象がより顕著になることがわかった。
そこで、本発明は、かかる問題を解決して、目標とする流量を適切に供給することができる燃料電池システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)上記課題を解決した本発明においては、燃料ガスと酸化剤ガスとが供給されて発電する燃料電池と、前記燃料電池への酸化剤ガス供給路と、回転軸がエアベアリングにより軸支されて回転運動により酸化剤ガスを取り込んで送り出すターボ型の酸化剤ポンプと、前記酸化剤ガスの実流量検出手段と、前記酸化剤ガスの圧力調整手段と、前記酸化剤ポンプの回転速度確認手段と、前記酸化剤ポンプの回転速度が前記エアベアリングによる軸支が可能となる最低回転速度領域にある場合、前記酸化剤ガスの実流量が目標流量より多いときに、前記圧力調整手段を介して前記酸化剤ガスの圧力を高める制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、酸化剤ガスの実流量が目標流量より多いときには、酸化剤ガスの圧力が高められて、エアポンプによる実流量が調整される。
【0008】
(2)また、本発明においては、前記制御手段は、前記燃料電池への要求電流値から目標流量及び目標圧力を設定し、実流量が目標流量より多いときには、目標圧力に第1の所定値を加えて新たな目標圧力を設定することを特徴とする燃料電池システムである。
【0009】
この構成によれば、実流量が目標流量よりも多いときには、目標圧力を大きくして(酸化剤圧力が高められて)、これによって、酸化剤ポンプによる実流量が調整される。
【0010】
(3)また、本発明においては、酸化剤ポンプと燃料電池との間に配置された加湿器と、加湿器をバイパスする加湿器バイパス路と、加湿器と加湿器バイパス路との酸化剤流れの割合を調整する酸化剤流れ調整手段(バイパス弁又は加湿器前調整弁)と、をさらに備え、制御手段は、酸化剤流れ調整手段の調整割合に応じて前記目標圧力を設定することを特徴とする燃料電池システムである。
【0011】
この構成によれば、同じ流量の酸化剤ガスを燃料電池に供給する場合でも、加湿器バイパス路への流れの調整割合により、酸化剤ポンプと燃料電池との間の圧力損失(圧損)が異なることとになるが、その場合でも、調整割合に応じて目標圧力が設定される。
【0012】
(4)また、本発明においては、酸化剤流れ調整手段の調整割合と目標流量と酸化剤流れ圧力損失との関係に基づき、酸化剤流れ圧力損失値を求め、目標圧力と圧力損失値との合算値が既定値より小さい場合には、目標圧力に前記第2の所定値を加えて新たな目標圧力を設定することを特徴とする燃料電池システムである。
【0013】
この構成によれば、例えば、後記の第2実施形態のステップS22〜S28のように制御がなされ、より適切に酸化剤ポンプの流量をコントロールできる。
【0014】
(5)また、本発明においては、酸化剤流れ調整手段がバイパス路に配置された流量調整弁であって、制御手段は、流量調整弁の開度を所定開度よりも大きく設定した場合には、あらかじめ目標圧力に所定値を加えて新たな目標圧力を設定することを特徴とする。
【0015】
この構成によれば、流量調整弁の開度を大きくするので、酸化剤ポンプと燃料電池との間の圧損は小さくなり、酸化剤ガスの流量が増大する傾向となる。このため、目標圧力に所定値を加えて目標圧力を大きくして、酸化剤ガスの流量の増大を抑制する。
【0016】
(6)また、本発明においては、燃料ガスと酸化剤ガスとが供給されて発電する燃料電池と、前記燃料電池に供給される酸化剤ガスが流れる酸化剤供給路と、前記燃料電池から排出される酸化剤オフガスが流れる酸化剤排出路と、酸化剤ガスを取り込んで送り出す回転式の酸化剤ポンプと、前記酸化剤ガスの実流量を検出する実流量検出手段と、前記酸化剤ポンプの回転速度を確認する回転速度確認手段と、前記酸化剤排出路に配置され、前記燃料電池のカソードに供給される酸化剤ガスの圧力を調整する背圧弁と、前記背圧弁の開度を開方向に制御した後、前記酸化剤ポンプの回転速度が最低回転速度領域まで低下しても前記実流量が目標流量よりも多い場合、前記背圧弁の開度を閉方向に、前記開方向に制御したときよりも小さな開度で変化するように制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0017】
この構成によれば、背圧弁の開度を開方向に制御した後に、酸化剤ポンプの回転速度が最低回転速度領域まで低下しても、実流量が目標流量よりも多い場合には、背圧弁の開度を閉方向に、背圧弁の開度を開方向に制御したときよりも小さな開度で変化するように制御することによって、酸化剤ガスの圧力が上昇して、実流量を目標流量まで低下させることが可能になる。
【0018】
(7)また、本発明においては、前記酸化剤供給路に配置され、前記カソードに供給される酸化剤ガスの圧力を検出する圧力検出手段を備え、前記制御手段は、前記圧力が所定値まで上昇した場合、前記背圧弁の開度制御を終了することを特徴とする。
【0019】
この構成によれば、制御手段は、酸化剤ガスの圧力の検出値(実測値)に基づいて背圧弁の開度制御の終了を判定することで、背圧弁の開度制御の終了タイミングを適切に制御することができる。
【0020】
(8)また、本発明においては、前記制御手段は、前記燃料電池の出力を所定低出力状態に設定する場合、前記背圧弁の開度制御を実行することを特徴とする。
【0021】
この構成によれば、制御手段は、例えば、燃料電池システムを搭載した車両(自動車)において、車両が減速してアイドリング状態(所定低出力状態)に移行した場合であっても、背圧弁の開度制御により酸化剤ガスの実流量を目標流量に制御することが可能になる。
【0022】
(9)また、本発明においては、前記制御手段は、前記燃料電池の出力が所定低出力状態に維持されている場合、前記背圧弁の開度制御を実行することを特徴とする。
【0023】
この構成によれば、例えば、燃料電池システムを搭載した車両(自動車)において車両がアイドリング状態(所定低出力状態)中に酸化剤ガスの実流量が目標流量まで下げられなくなった場合であっても、背圧弁の開度制御により実流量を目標流量まで下げることが可能になる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、目標とする流量を適切に供給することができる燃料電池システムなどを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の実施形態(第1実施形態・第2実施形態)に係る燃料電池システムの構成を示す図である。
図2】本発明の第1実施形態に係る制御のフローチャートである。
図3】本発明の第2実施形態に係る制御のフローチャートである。
図4】エアポンプの特性を示す図であり、横軸は吸入体積流量、縦軸は圧力比である。
図5】本発明の第3実施形態に係る制御のフローチャートである。
図6】本発明の第3実施形態に係る制御におけるタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
≪第1実施形態≫
次に、本発明を実施するための一形態(実施形態)について、添付の図面を参照し、詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る燃料電池システム1の全体構成を模式的に示す図である。なお、この燃料電池システムは、電動機により走行する燃料電池車両に、電源として搭載されるものとする。
【0027】
図1に示すように、燃料電池システム1は、燃料電池10と、前記燃料電池に酸化剤ガスとしての空気(エア)を供給するとともに排気するエア供給系20と、前記燃料電池10に燃料ガスとしての水素を供給するとともに排気する水素供給系30と、燃料電池システム1を制御する制御装置40などを備える。
【0028】
このうち、燃料電池10は、アノード極(水素極)11とカソード極(空気極)12とを備え、それぞれに供給される水素とエアとを用いて電気化学的に発電する周知の発電装置である。
【0029】
また、エア供給系20は、主要な構成として、エアポンプ21と、加湿器22と、加湿器バイパス弁23と、背圧弁24とを備える。さらに、エア供給系20は、エアポンプ21と燃料電池10のカソード極12の入口側とを加湿器22を介して結んでエアを供給するエア供給配管20aと、加湿器22をバイパスするバイパス配管20bと、燃料電池10のカソード極12の出口側から排出されるエアオフガスを加湿器20介して排出するエア排出配管20cを備える。バイパス配管20bには、加湿器バイパス弁23を備える。これらの構成要素は、一般的に用いられるものなので説明を省略する。
【0030】
なお、エアポンプ21は、背景技術で説明したエアベアリングで軸支されたターボ型のものであり、回転運動によりエアを取り込んで送り出す機能を有する。このエアポンプ21は、回転速度指令値が、エアベアリングの軸浮上に必要な最低回転速度付近(最低回転速度領域)にある場合、所望のエア流量を得ることができないという特性を有するものである(図4参照)。
ちなみに、制御装置40は、エアポンプ21の回転速度の確認を、自身で生成した回転速度指令値により行うものとするが、ホール素子などによる回転速度センサを備えるようにして、この回転速度センサにより確認するようにしてもよい。なお、センサレスで回転を制御する技術が一般的に知られている。また、「酸化剤流れ調整手段」として加湿器バイパス弁23を用いているが、この加湿器バイパス弁23に代えて又は併せて、加湿器22の入口直前や出口直後に弁を設け、これを「酸化剤流れ調整手段」としてもよい。
【0031】
水素供給系30は、主要な構成として、水素供給システム31を備える。さらに、水素供給系30は、水素を燃料電池10のアノード極11に供給する水素供給配管30aと、燃料電池10のアノード極11からの水素オフガスを排気する水素排出配管30bと、水素排出配管30bから分岐して水素供給配管に戻る水素戻し配管30cとを備える。ちなみに、水素供給システム31は、30MPaや70MPaという超高圧で、水素を貯蔵している図示しない水素貯蔵容器を備えているものとするが、メタノールなどの液体原燃料を改質などして水素を生成する改質装置を備えていてもよい。
【0032】
なお、図1において、エゼクタやパージ弁などの記載は省いている。水素供給系30におけるこれらの各構成要素は、一般的に用いられるものなので説明を省略する。
【0033】
制御装置40は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、各種インタフェイスなどを備える。この制御装置40は、各種インタフェイスを介して、大気圧センサPaと接続されるとともに、エア供給系20に配置された、吸気温センサT、流量センサQ、圧力センサPbと接続され、これらが検出した値が入力されるようになっている。また、制御装置40は、燃料電池10に対する要求電流値(以下「FC要求電流」という)を決定する図示しない他の制御装置とも接続されて、FC要求電流が入力されるようになっている。ちなみに、FC要求電流は、概略、スロットルペダルの踏み込み量に比例して求まる電流値と補機などの稼働量に比例して求まる電流値とを合算したものである。
【0034】
また、制御装置40は、各種インタフェイスを介して、エアポンプ21(その駆動回路)、加湿器バイパス弁23(その駆動回路)、背圧弁24(その駆動回路)と接続されており、前記エアポンプ21に対しては回転速度指令値を生成して送信し、加湿器バイパス弁23や背圧弁24に対しては、開度指令値を生成して送信するようになっている。ちなみに、回転速度指令値が増すと、エアポンプ21の回転速度が増して燃料電池10のカソード極12に供給するエア流量が増す(流量センサQで検出される流量が増す)。なお、加湿器バイパス弁23の開度を増すと、加湿器22を通流するエア流量が減る(加湿器22を介さないでカソード極12に供給されるエアの流量が増す)。また、背圧弁24の開度を増すと、カソード極12の圧力が低下する(圧力センサPbで検出される圧力が下がる)。
【0035】
本実施形態での制御装置40は、エア供給系20に対しては、エアポンプ21の回転速度を制御することにより供給するエア量を積極的に制御するが、水素供給系30に対しては、水素量を特段制御することはしていない。アノード極11での水素消費量が増えれば、自ずと(パッシブに)、図示しないレギュレータを介しての水素供給システム31からの水素の供給量が増えるように構成されているものとする。
【0036】
以上説明したシステム構成の第1実施形態に係る燃料電池システム1の動作を、図2の制御のフローチャートを参照して説明する。なお、加湿器バイパス弁23の制御については、後記する図3の制御のフローにおいて説明する。
【0037】
まず、スロットルペダルの踏み込み量やエアコンの負荷(補機などの稼働量)に基づいて(さらには図示しない高電圧バッテリの充放電などを加味して)、他の制御装置において、燃料電池10の要求発電電流(FC要求電流)が設定され、制御装置40に、そのFC要求電流が送信される。制御装置40では、FC要求電流から、あらかじめ記憶されているテーブルやマップなどを参照して、燃料電池10に供給すべき目標エア流量を算出する(ステップS10)。同様に、テーブルやマップなどを参照して、FC要求電流から目標エア圧力を算出する(ステップS20)。
ちなみに、目標エア圧力は、カソード極12の入口(圧力センサPbの位置)におけるものとする。
【0038】
そして、圧力センサPbで検出したエア圧力の値がステップS20で算出した目標エア圧になるように、背圧弁24をフィードバック制御(F/B制御)して背圧弁24の開度を調整する(ステップS30)。また、流量センサQで検出したエア流量の値がステップS10で算出した目標エア流量になるように、エアポンプ21の回転速度をフードバック制御する(ステップS40)。つまり、制御装置40が、フィードバック制御に基づいて、回転速度指令値や開度指令値を設定(生成)して、エアポンプ21や背圧弁24を制御する。なお、エア流量は、吸気温センサTにより検出されたエアの温度や大気圧センサPaにより検出されたエアの圧力(大気圧)で補正されるものとする。
【0039】
ところで、本実施形態のエアポンプ21は前記のとおりエアベアリングで軸支されており、エアポンプ21の回転速度は、エアベアリングの軸浮上に必要な最低回転速度(下限)よりも高い値になるようにされている。つまり、スロットルペダルの踏み込み量や補機の稼働量が少ない場合や、主として高電圧バッテリからの放電を多く行う場合などは、燃料電池10による発電の必要がないため、エアポンプ21の回転速度が下限の近くになることがあるが、それでも、回転速度が下限よりは若干高い値になるように設定されている。しかし、流量センサQや圧力センサPbの誤差により、また、吸気圧(吸入エア圧力)・吸気温度(吸入エア温度)のばらつきにより(気象条件や環境により)、エアポンプ21の回転速度が、下限に張り付くことがある。このような下限の回転速度では、従来、意図しないエア流量の増大が生じるなど、エア流量の制御を適切に行えないという問題があった(「実流量が目標流量を達成しない」)。
【0040】
そこで、第1実施形態では、エアポンプ回転速度がエアポンプ21の最低回転速度(下限)にあるかどうかを判定する(ステップS50)。下限になければ、処理を元に戻し、ステップS10からの処理を繰り返す(Return)。なお、下限は、実験やシミュレーションなどにより適宜設定されているものとする。
【0041】
エアポンプ回転速度が下限にある場合は(ステップS50→YES)、エア流量(実測値)>目標エア流量であるかを判定する(ステップS60)。これは、エアポンプ回転速度が下限にある場合、エアベアリングで軸支されたエアポンプ21の特性上、エア流量が大幅に上昇してしまうことがあるからである(「実流量が目標流量より多い」)。ちなみに、前記のとおり、制御装置40は、自身で生成する回転速度指令値によりエアポンプ21の回転速度を確認する。
【0042】
エア流量>目標エア流量でなければ(ステップS60→NO)、これは正常といえるので、処理を元に戻し、ステップS10からの処理を繰り返す(Return)。一方、エア流量>目標エア流量であれば(ステップS60→YES)、制御装置40は、ステップS20で設定した目標エア圧力に第1の所定値(第1の所定値≧0)を加算して、新たな目標エア圧力を設定する(ステップS70)。そして、エア圧力の値が目標エア圧力となるように、背圧弁24の開度を閉じる方向に調整する(ステップS80)。つまり、制御装置40は、過度に流れているエア流量を抑える方向に調整して、エア流量を抑える方向に制御する。この際の制御は、フィードフォワード制御でもフィードバック制御でも両方を加味した制御でもよいが、フィードフォワード制御は、応答性が早いという特性がある。なお、第1の所定値は、実験やシミュレーションなどにより設定される値とするが、第1の所定値が固定値であっても、エア流量と目標エア流量の偏差などに基づいて変動する変動値であってもよい。
このステップS80の処理の後は、ステップS60に移行して、処理を継続する。
【0043】
この第1実施形態によれば、エアポンプ21の回転速度が下限になった場合(S50→YES)、かつ、エア流量>目標エア流量になった場合(ステップS60→YES)、エア流量が過大となって制御を逸脱している。このため、制御装置40は、目標エア圧力を大きな値にして(ステップS70)、背圧弁24を閉じる方向に調整する(ステップS80)。これより、適切なエア流量を確保することができる。
【0044】
すなわち、本実施形態のエアポンプ21のように、エアベアリングで軸支されたターボ型エアポンプを採用するシステムにおいて、エアポンプ21の回転速度指令値がエアベアリングの軸浮上に必要な最低回転数付近にある場合(最低回転速度領域)でも、圧力指令値(背圧弁24の開度)を調整することで所望のエア流量を供給することができるようになった。このため、燃料電池10(カソード極12)への過剰なエア供給が防止でき、電解膜の過乾燥を防止しつつ、効率の良い発電ができるようになり、システムの信頼性が大幅に向上した。補足すると、エアの供給量が増えるとエアが乾燥する方向になり、これが燃料電池10の電解膜の乾燥を招き、燃料電池10のIV特性(電流・電圧特定)の低下、つまり、燃料電池1の発電効率の低下をもたらすが、本実施形態の燃料電池システム1によれば、これが抑制される。また、無駄なエアの供給の防止によるシステム効率の低下が抑制される。
【0045】
ちなみに、エアポンプ21の回転速度が少ない領域(低回転速度領域)は、燃料電池10の発電量が少ない領域であるので、当然、電気化学反応による生成水も少ない。このため、電解膜が乾燥しやすい状況にあるといえ、このような状況で過度のエアを供給することは電解膜の過乾燥(ひいては発電効率の低下や電解膜の劣化)を招きやすいが、本実施形態によれば、これが抑制される。
【0046】
≪第2実施形態≫
次に、第2実施形態を、適宜、図1を参照しつつ、図3の制御のフローチャートに即して説明する。なお、第2実施形態は、図1のシステム構成の燃料電池システムにおいて、加湿器バイパス弁23の開度を加味した制御を行うものである。このため、図3の制御のフローチャートでは、第1実施形態と共通する部分については図2と同じステップ番号を付けて、適宜、説明を省略する。
【0047】
図3に示すように、第1実施形態と同様に、制御装置40がステップS10(目標エア流量算出)とステップS20(目標エア圧力算出)を行う。次に、FC要求電流から加湿器バイパス弁23の開度(加湿器バイパス弁開度)を算出する(ステップS22)。その次に、この第2実施形態では、目標エア流量と加湿器バイパス弁23の開度から、加湿器22での圧損(加湿器圧損)を算出する(ステップS24)。
【0048】
図3の中に、目標エア流量と加湿器圧損と加湿器バイパス弁開度との関係のマップを概念的に示すが、このマップに示される関係のように、目標エア流量と加湿器圧損は、目標エア流量が大きくなれば加湿器圧損も大きくなる関係にある。また、同じ目標エア流量でも、加湿器バイパス弁開度が大になれば加湿器圧損は少なくなる関係がある。なお、このマップは、「酸化剤流れ調整手段の調整割合と目標流量と酸化剤流れ圧力損失との関係」である。ちなみに、マップは一例であり、関数でもテーブルでもその他でもよい。
【0049】
制御装置40は、目標エア圧力と加湿器圧損を加算した値が既定値よりも小さいかを、つまり、目標エア圧力+加湿器圧損<既定値かを判定する(ステップS26)。なお、既定値は、実験やシミュレーションにより設定される値である。
【0050】
目標エア圧力+加湿器圧損<既定値であれば(ステップS26→YES)、目標エア圧力に第2の所定値を加算して新たな目標エア圧力を算出する。そして、ステップS30へ移行する。また、ステップS26がNOの場合もステップS30へ移行する。なお、第2の所定値は、0より大きな値(第2の所定値>0)であり、実験やシミュレーションにより設定される。ステップS30以降は、第1実施形態と同じなので説明を省略する。
【0051】
エアポンプ21と燃料電池10の間に、エアの圧損を変えるデバイス(ここでは加湿器バイパス弁23)が設置されている燃料電池システム1では、前記事象、すなわち、エアポンプ21の下限の回転速度域でのエア流量の増大がより顕著になる。補足すると、加湿器バイパス弁23の開度が変化すると、エアポンプ21から燃料電池10までの圧損が変化する。通常、燃料電池10の入口(カソード極12の入口)の圧力(圧力計Pbで検知)が所定になるようエア供給を制御している。しかし、加湿器バイパス弁23の開度が変化するとエアポンプ21の出口圧力(エアポンプ圧縮比)が変化して、「ばらつき」領域(図4参照)の縦軸が大きく変化する。このため、前記の事象が顕著となる。
【0052】
しかし、この第2実施形態では、加湿器圧損を算出し(ステップS24)、この圧損を加味した制御を行い(ステップS26・S28)、目標エア圧力を、加湿器圧損を加味した新たな目標エア圧力にする。そして、この新たな目標エア圧力によってステップS30の背圧弁24の制御を行うので、エア流量の増大(意図しない増大)は抑制され、適正なエア流量が確保される。
【0053】
よって、この第2実施形態によれば、前記の第1実施形態と同様に適切なエア流量により、適切に燃料電池システム1を運用することができ、しかも、エアポンプ21とアノード極12との間でエアの圧損を変えるデバイスの存在を加味しているので、第1実施形態よりも、より適切に燃料電池システム1を運用することができる。
【0054】
≪その他≫
前記の第2実施形態では、ステップS24において、図3中のマップを参照したが、例えば、調整手段流量配分を制御するデバイス(酸化剤流れ調整手段)が、バイパス配管20bに設置された流量制御弁(加湿器バイパス弁23)である場合、流量制御弁(加湿器バイパス弁23)の開度が所定開度よりも大きく、かつ、エアポンプ21の圧縮比が低くなると予想される場合(流量調整弁の開度を所定開度よりも大きく設定した場合には)、制御手段40が、あらかじめ目標圧力を上げることで、つまり、あらかじめ目標圧力に所定値(第3の所定値)を加えて新たな目標圧力を設定することで、エアポンプ21による目標流量を達成するようにしてもよい。なお、各所定値は、目標流量に実流量を合せるようにして、適切なエアの流量を供給するという目的を達成するために(過大な流量を抑制するために)適宜設定される値である。
【0055】
≪第3実施形態≫
次に、第3実施形態について、図5及び図6(適宜、図1)を参照して説明する。なお、第3実施形態は、例えば、図1のシステム構成の燃料電池システムを車両(四輪車、二輪車など)に搭載した燃料電池車両において、燃料電池車両が走行状態から減速して、いわゆる燃料電池10の最小出力を維持するアイドリング状態となる場合(燃料電池10の発電電力を所定低出力状態に設定する場合)、背圧弁24の開度を開方向に制御するものである。つまり、背圧弁24の開度を、走行状態から減速してアイドリング状態に移行する際には、通常走行時に開方向に制御するときよりも大きく変化させる。なお、第1実施形態と共通する部分については図2と同じステップ番号を付して、適宜、説明を省略する。
【0056】
図5に示すように、制御装置40は、エア流量(実流量)が目標エア流量よりも多いと判定した場合には(S60→Yes)、背圧弁24の開度を小さく調整する(ステップS90)。つまり、走行状態から減速してアイドリング状態に移行する際に背圧弁24の開度を、開方向に大きく制御したときよりも、小さく変化するように制御する。
【0057】
そして、制御装置40は、エア圧力が所定圧力以上であるか否かを判定する(ステップS100)。なお、所定圧力は、背圧弁24による開度調整を終了するか否かを判定する閾値である。制御装置40は、エア圧力が所定圧力以上でないと判定した場合には(S100→No)、ステップS60に戻り、エア圧力が所定圧力以上であると判定した場合には(S100→Yes)、背圧弁14の開度調整を終了する(ステップS110)。
【0058】
さらに図6を参照して説明すると、所定低出力状態(例えば、アイドリング状態)に移行する場合には、背圧弁24の開度を大きく制御するとともに、エアポンプ21の回転速度を低下させる(時刻t0−t1)。この場合、図5のステップS30の処理によって背圧弁24の開度が大きく変化するように制御され、図5のステップS40の処理によってエアポンプ21の回転速度が低くなるように制御されることにより、エア圧力が大きく低下する。
【0059】
そして、時刻t1において、背圧弁24の開度を大きく変化するように制御すると、エアポンプ21の回転速度が下限回転速度に至り、これ以上エアポンプ21の回転速度を下げることができない場合(S50→Yes)、依然としてエア流量(実流量、実線参照)が目標エア流量(破線参照)に到達していないとき(S60→Yes)、つまりエア流量(実流量)が過大であることを検知してエア圧力を高める必要があるとき、エア圧力を上げてエア流量(実流量)を下げるために背圧弁24の開度を閉方向に小さく変化させていく(S90)。このとき、背圧弁24の開度を閉方向に小さく変化させることで、エア圧力が上昇する。このように、背圧弁24の開度を小さく変化させることで、エア流量(実流量)が徐々に減少する。
【0060】
そして、時刻t2において、背圧弁24の開度調整によって、エア圧力が所定圧力に到達した場合には(S100→Yes)、背圧弁24の開度制御を終了する(S110)。このとき、エア流量(実流量)は、目標エア流量となる。
【0061】
よって、この第3実施形態によれば、走行状態からアイドリング状態に移行する際に、背圧弁24の開度を開方向に大きく変化させた後に、エアポンプ21の回転速度が下限回転速度(最低回転速度領域)まで低下しても、依然としてエア流量(実流量)が目標エア流量よりも多い場合に、背圧弁24の開度を閉方向に小さく変化させることにより、エア圧力(酸化剤ガスの圧力)を上昇させ、エア流量(実流量)を目標流量まで低下させることができる。このようにして背圧弁24の開度を調整することにより、エア流量の増大(意図しない増大)が抑制され、適正なエア流量が確保される。
【0062】
また、第3実施形態によれば、エア圧力が所定圧力まで上昇した場合、背圧弁24の開度制御を終了することで、背圧弁24の開度制御の終了タイミングを適切に実行できる。
【0063】
また、第3実施形態によれば、燃料電池10の出力を所定低出力状態(アイドリング状態)に設定する場合に適用することにより、エア流量の増大を抑制して、適正なエア流量を確保できる。
【0064】
なお、第3実施形態では、背圧弁24の開度制御を実行する状況として、車両が減速してアイドリング状態に移行する場合を例に挙げて説明したが、このような状況の場合のみ適用するのではなく、アイドリング状態である最中に、例えば、暖房用ヒータの利用が開始される等、車両全体での負荷が変動するに伴い、エアポンプ21への供給電力が一時的に変動した際に実流量が若干振れて、その結果、実流量が目標エア流量まで下げられなくなった場合においても適用してもよい。
【符号の説明】
【0065】
1 燃料電池システム
10 燃料電池
11 アノード極
12 カソード極
20 エア供給系
20a エア供給配管(酸化剤供給路)
20b バイパス配管(加湿器バイパス路)
20c エア排出配管(酸化剤排出路)
21 エアポンプ(酸化剤ポンプ)
22 加湿器
23 加湿器バイパス弁(酸化剤流れ調整手段、流量調整弁)
24 背圧弁(圧力調整手段)
30 水素供給系
31 水素供給システム
40 制御装置(制御手段、回転速度確認手段)
Pb 圧力センサ(圧力検出手段)
Q 実流量検出手段(流量センサ)
図1
図2
図3
図4
図5
図6

【手続補正書】
【提出日】2013年8月14日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(削除)
【請求項2】
(削除)
【請求項3】
燃料ガスと酸化剤ガスとが供給されて発電する燃料電池と、
前記燃料電池への酸化剤供給路と、
回転軸がエアベアリングにより軸支されて回転運動により酸化剤ガスを取り込んで送り出すターボ型の酸化剤ポンプと、
前記酸化剤ガスの実流量検出手段と、
前記酸化剤ガスの圧力調整手段と、
前記酸化剤ポンプの回転速度確認手段と、
前記酸化剤ポンプの回転速度が前記エアベアリングによる軸支が可能となる最低回転速度領域にある場合、前記酸化剤ガスの実流量が目標流量より多いときに、前記圧力調整手段を介して前記酸化剤ガスの圧力を高める制御手段と、
前記酸化剤ポンプと前記燃料電池との間に配置された加湿器と、
前記加湿器をバイパスする加湿器バイパス路と、
前記加湿器と前記加湿器バイパス路との酸化剤ガスの流れの割合を調整する酸化剤流れ調整手段と、を備え、
前記制御手段は、
前記燃料電池への要求電流値から前記目標流量及び目標圧力を設定し、
さらに、前記目標圧力は、前記酸化剤流れ調整手段の調整割合に応じて設定し、
前記実流量が前記目標流量より多いときには、前記設定した目標圧力に第1の所定値を加えて新たな目標圧力を設定する、
ことを特徴とする燃料電池システム。
【請求項4】
前記酸化剤流れ調整手段の調整割合に応じて前記目標圧力を設定する際において、
前記酸化剤流れ調整手段の調整割合と前記目標流量と酸化剤流れ圧力損失との関係に基づき、酸化剤流れ圧力損失値を求め、
前記目標圧力と前記酸化剤流れ圧力損失値との合算値が既定値より小さい場合には、
前記目標圧力に第2の所定値を加えて新たな目標圧力を設定することを特徴とする請求項3に記載の燃料電池システム。
【請求項5】
前記目標圧力を、前記酸化剤流れ調整手段の調整割合に応じて設定する場合において、
前記酸化剤流れ調整手段が前記加湿器バイパス路に配置された流量調整弁であって、
制御手段は、
前記流量調整弁の開度を所定開度よりも大きく設定した場合には、
あらかじめ前記目標圧力に所定値を加えて新たな目標圧力を設定することを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の燃料電池システム。
【請求項6】
燃料ガスと酸化剤ガスとが供給されて発電する燃料電池と、
前記燃料電池に供給される酸化剤ガスが流れる酸化剤供給路と、
前記燃料電池から排出される酸化剤オフガスが流れる酸化剤排出路と、
酸化剤ガスを取り込んで送り出す回転式の酸化剤ポンプと、
前記酸化剤ガスの実流量を検出する実流量検出手段と、
前記酸化剤ポンプの回転速度を確認する回転速度確認手段と、
前記酸化剤排出路に配置され、前記燃料電池のカソードに供給される酸化剤ガスの圧力を調整する背圧弁と、
前記背圧弁の開度を開方向に制御した後、前記酸化剤ポンプの回転速度が最低回転速度領域まで低下しても前記実流量が目標流量よりも多い場合、前記背圧弁の開度を閉方向に、前記開方向に制御したときよりも小さな開度で変化するように制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする燃料電池システム。
【請求項7】
前記酸化剤供給路に配置され、前記カソードに供給される酸化剤ガスの圧力を検出する圧力検出手段を備え、
前記制御手段は、前記圧力が所定圧力まで上昇した場合、前記背圧弁の開度制御を終了することを特徴とする請求項6に記載の燃料電池システム。
【請求項8】
前記制御手段は、前記燃料電池の出力を所定低出力状態に設定する場合、前記背圧弁の開度制御を実行することを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の燃料電池システム。
【請求項9】
前記制御手段は、前記燃料電池の出力が所定低出力状態に維持されている場合、前記背圧弁の開度制御を実行することを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の燃料電池システム。
【国際調査報告】