特表-13161328IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2013年10月31日
【発行日】2015年12月24日
(54)【発明の名称】画像形成方法
(51)【国際特許分類】
   B41M 5/00 20060101AFI20151201BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20151201BHJP
   C09D 11/326 20140101ALI20151201BHJP
【FI】
   B41M5/00 A
   B41M5/00 E
   B41J2/01 129
   B41J2/01 501
   B41J2/01 401
   B41J2/01 301
   B41J2/01 111
   C09D11/326
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】32
【出願番号】特願2014-512377(P2014-512377)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2013年4月30日
(31)【優先権主張番号】特願2012-103213(P2012-103213)
(32)【優先日】2012年4月27日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105050
【弁理士】
【氏名又は名称】鷲田 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100155620
【弁理士】
【氏名又は名称】木曽 孝
(72)【発明者】
【氏名】池田 征史
【テーマコード(参考)】
2C056
2H186
4J039
【Fターム(参考)】
2C056EA04
2C056EC13
2C056EC14
2C056EC21
2C056EC29
2C056FA13
2C056FC02
2C056FD02
2C056HA44
2H186AA01
2H186AB05
2H186AB11
2H186BA08
2H186DA12
2H186FB04
2H186FB05
2H186FB07
2H186FB11
2H186FB15
2H186FB24
2H186FB29
2H186FB32
2H186FB36
2H186FB38
2H186FB44
2H186FB46
2H186FB54
2H186FB57
4J039AD21
4J039BE23
4J039BE26
4J039EA05
4J039EA33
4J039EA36
4J039EA46
4J039GA24
(57)【要約】
光重合性化合物、光重合開始剤、およびゲル化剤を含有し、温度により相転移する活性光線硬化型インクジェットインクを記録媒体上に吐出する工程と、記録媒体上に吐出された活性光線硬化型インクジェットインクに活性光線を照射して硬化させる工程と、を含み、活性光線の照射は、記録媒体の表面における照度の最大値が2〜5W/cmとなり、かつ記録媒体の表面における照射領域の、記録媒体の搬送方向に沿った照度の分布において、照度の半値幅が20mm以上となるように行う、画像形成方法。この画像形成方法によれば、生産性が高く、かつ光沢均一性、表面硬化性および擦過性に優れた画像を形成しうる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光重合性化合物、光重合開始剤、およびゲル化剤を含有し、温度により相転移する活性光線硬化型インクジェットインクを記録媒体上に吐出する工程と、
前記記録媒体上に吐出された前記活性光線硬化型インクジェットインクに活性光線を照射して硬化させる工程と、を含み、
前記活性光線の照射は、
前記記録媒体の表面における照度の最大値が2〜5W/cmとなり、かつ
前記記録媒体の表面における照射領域の、前記記録媒体の搬送方向に沿った照度の分布において、照度の半値幅が20mm以上となるように行う、画像形成方法。
【請求項2】
前記活性光線の照射は、活性光線光源によって行い、
前記活性光線光源の照射面の前記記録媒体の表面からの高さが、30mm以上200mm未満である、請求項1に記載の画像形成方法。
【請求項3】
前記記録媒体の表面における照度が0.1W/cm以上である照射時間が0.1秒以上である、請求項1に記載の画像形成方法。
【請求項4】
前記記録媒体の搬送速度が50m/分以上である、請求項1に記載の画像形成方法。
【請求項5】
照射する活性光線の積算光量が400mJ/cm未満である、請求項1に記載の画像形成方法。
【請求項6】
前記活性光線光源は、ピーク波長を360nm〜420nmの範囲に有する発光ダイオードである、請求項2に記載の画像形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェット記録方式は、簡易かつ安価に画像を形成できることから、例えばプラスチック、紙、木工および無機材などへの塗料、接着剤、印刷インキ、回路基板材料、電気絶縁材料などの印刷に用いられている。インクジェット記録方式の一つとして、インクの液滴を記録媒体に着弾させた後、紫外線を照射して硬化させて画像を形成する紫外線硬化型インクジェット方式がある。紫外線硬化型インクジェット方式は、インク吸収性のない記録媒体においても、高い耐擦過性と密着性を有する画像を形成できることから、近年注目されつつある。
【0003】
ピニング性が高い紫外線硬化型インクジェットインクとして、例えばゲル化剤を含み、温度によりゾル−ゲル相転移するインクが提案されている(例えば特許文献1)。即ち、高温で液体状態のインク液滴を吐出し、記録媒体に着弾させると同時に、記録媒体上でインク液滴を冷却してゲル化させて、ドットの合一を抑制することができる。
【0004】
一方、ゲル化剤を含まない紫外線硬化型インクや、ラジカル重合性の硬化性ワックスを含む紫外線硬化型インクに紫外線を照射する光源として、紫外線を発する発光ダイオード(UV−LED)を用いることが提案されている(例えば、特許文献2および3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−041015号公報
【特許文献2】特開2010−150465号公報
【特許文献3】特開2011−168685号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来は、記録媒体の搬送速度を高くしたときに、インクを短時間で硬化させるために、輻射熱が高い光照射手段(メタルハライドランプなど)や、高照度の光照射手段(高照度UV−LEDなど)によって、高照度の紫外線を照射することが一般的である。
【0007】
しかしながら、特許文献1のようなゲル化剤を含むインクに対して、高照度の紫外線を短時間で照射すると、記録媒体の表面温度が上昇し、ゲル化したインク液滴の表面が溶融することがあった。それにより、得られる画像の光沢均一性が低下しやすいという問題があった。
【0008】
また、高照度の紫外線を照射すると、インク中で高濃度のラジカル活性種が発生しやすい。それにより、インク中のラジカル重合性化合物の硬化が阻害されて分子量が大きくならず、得られる画像の表面硬化性や擦過性が低下することがあった。
【0009】
このように、高い記録速度であっても、得られる画像の光沢均一性、表面硬化性および擦過性が良好であるインクジェット記録方法は知られていなかった。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、生産性が高く、かつ光沢均一性、表面硬化性および擦過性に優れた画像を形成しうる活性光線硬化型インクジェット記録方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
[1] 光重合性化合物、光重合開始剤、およびゲル化剤を含有し、温度により相転移する活性光線硬化型インクジェットインクを記録媒体上に吐出する工程と、前記記録媒体上に吐出された前記活性光線硬化型インクジェットインクに活性光線を照射して硬化させる工程と、を含み、前記活性光線の照射は、前記記録媒体の表面における照度の最大値が2〜5W/cmとなり、かつ前記記録媒体の表面における照射領域の、前記記録媒体の搬送方向に沿った照度の分布において、照度の半値幅が20mm以上となるように行う、画像形成方法。
[2] 前記活性光線の照射は、活性光線光源によって行い、前記活性光線光源の照射面の前記記録媒体の表面からの高さが、30mm以上200mm未満である、[1]に記載の画像形成方法。
[3] 前記記録媒体の表面における照度が0.1W/cm以上であり、照射時間が0.1秒以上である、[1]または[2]に記載の画像形成方法。
[4] 前記記録媒体の搬送速度が50m/分以上である、[1]〜[3]のいずれかに記載の画像形成方法。
[5] 照射される活性光線の積算光量が400mJ/cm未満である、[1]〜[4]のいずれかに記載の画像形成方法。
[6] 前記活性光線光源は、ピーク波長を360nm〜420nmの範囲に有する発光ダイオードである、[2]〜[5]のいずれかに記載の画像形成方法。
【発明の効果】
【0012】
本発明の活性光線硬化型インクジェット記録方法は、生産性が高く、かつ光沢均一性、表面硬化性および擦過性に優れた画像を形成しうる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1A】ライン記録方式のインクジェット記録装置の要部の構成の一例を示す側面図である。
図1B図1Aの下面図である。
図2A】活性光線光源の本発明の設置態様の一例を示す模式図である。
図2B】活性光線光源の本発明の設置態様の一例を示す模式図である。
図2C】活性光線光源の従来の設置態様の一例を示す模式図である。
図3A】実施例に用いたUV−LEDランプ1の記録媒体表面での照射領域の照度分布を示すグラフである。
図3B】実施例に用いたUV−LEDランプ2の記録媒体表面での照射領域の照度分布を示すグラフである。
図3C】実施例に用いたUV−LEDランプ3の記録媒体表面での照射領域の照度分布を示すグラフである。
図3D】記録媒体表面での照度が0.1W/cm以上であるときの照射距離から照射時間をもとめる一例を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
1.活性光線硬化型インクジェットインク
活性光線硬化型インクジェットインクは、少なくとも光重合性化合物、光重合開始剤およびゲル化剤を含む。
【0015】
光重合性化合物について
光重合性化合物は、光の照射により架橋または重合する化合物である。光重合性化合物は、一種類であってもよいし、二種類以上の混合物であってもよい。光重合性化合物は、ラジカル重合性化合物またはカチオン重合性化合物であり、好ましくはラジカル重合性化合物である。
【0016】
ラジカル重合性化合物は、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物(モノマー、オリゴマー、ポリマーあるいはこれらの混合物)である。ラジカル重合性化合物は、単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0017】
ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物の例には、不飽和カルボン酸とその塩、不飽和カルボン酸エステル化合物、不飽和カルボン酸ウレタン化合物、不飽和カルボン酸アミド化合物、アクリロニトリル、スチレン、不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、不飽和ウレタン等が含まれる。不飽和カルボン酸の例には、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等が含まれる。
【0018】
なかでも、ラジカル重合性化合物は、不飽和カルボン酸エステル化合物であることが好ましく、(メタ)アクリレート化合物であることがより好ましい。(メタ)アクリレート化合物は、モノマー、オリゴマー、モノマーとオリゴマーの混合物、変性物または重合性官能基を有するオリゴマー等であってよい。(メタ)アクリレート化合物は、一種類であっても、二種類以上の混合物であってもよい。
【0019】
(メタ)アクリレート化合物は、硬化性を高めるためには、1分子中に(メタ)アクリレート基を2以上有することが好ましい。
【0020】
(メタ)アクリレート化合物は、疎水性の高いゲル化剤との相溶性を高めるためには、ClogP値が4.0〜7.0の(メタ)アクリレート化合物を含むことが好ましい。ClogP値が4.0〜7.0の(メタ)アクリレート化合物は、1)分子内に(−C(CH)H−CH−O−)m(mは3〜14の整数)で表される構造を有する三官能以上の(メタ)アクリレート化合物、または2)分子内に環状構造を有する二官能以上の(メタ)アクリレート化合物であることが好ましい。これらの(メタ)アクリレート化合物は、光硬化性が高く、かつ硬化収縮しにくいため、ゾル−ゲル相転移の再現性を高めうる。
【0021】
1)分子内に(−C(CH)H−CH−O−)m(mは3〜14の整数)で表される構造を有する三官能以上の(メタ)アクリレート化合物は、3以上の水酸基を有する化合物の水酸基をプロピレンオキシド変性し、得られた変性物を(メタ)アクリル酸でエステル化したものでありうる。そのような化合物の例には、3PO変性トリメチロールプロパントリアクリレート Photomer 4072(分子量471、ClogP4.90、Cognis社製)、3PO変性トリメチロールプロパントリアクリレート Miramer M360(分子量471、ClogP4.90、Miwon社製)などが含まれる。
【0022】
2)分子内に環状構造を有する二官能以上の(メタ)アクリレート化合物は、例えば2以上の水酸基とトリシクロアルカンとを有する化合物の水酸基を、(メタ)アクリル酸でエステル化したものでありうる。そのような化合物の例には、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート NKエステルA−DCP(分子量304、ClogP4.69)、トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート NKエステルDCP(分子量332、ClogP5.12)、1,10−デカンジオールジメタクリレート NKエステルDOD−N(分子量310、ClogP5.75、新中村化学社製)、ノニルフェノール8EO変性アクリレートMiramer M166(ClogP6.42、Miwon社製)などが含まれる。
【0023】
これらの(メタ)アクリレート化合物のClogP値は、4.0〜7.0の範囲であることが好ましく、4.5〜6.0の範囲であることがより好ましい。ClogP値が4.0未満であると、それを含むインクが親水性を示すため、疎水性を示すゲル化剤が溶解しにくい。そのようなインクは、加熱してもゲル化剤を完全に溶解しにくいことがある。一方、ClogP値が7.0超であると、インク中における光重合開始剤や開始助剤の溶解性が低下しやすい。それにより、硬化性が低下したり、吐出安定性が低下したりしやすい。
【0024】
「logP値」とは、水と1-オクタノールのそれぞれに対する化合物の親和性を示す係数である。1-オクタノール/水分配係数Pは、1-オクタノールと水の二液相の溶媒に微量の化合物が溶質として溶け込んだときの分配平衡で、それぞれの溶媒中における化合物の平衡濃度の比であり、底10に対するそれらの対数logPで示す。即ち、logP値とは、1-オクタノール/水の分配係数の対数値であり、分子の親水性・疎水性を示す重要なパラメータとして知られている。
【0025】
「ClogP値」とは、計算により算出されたLogP値である。ClogP値は、フラグメント法や、原子アプローチ法等により算出されうる。より具体的に、ClogP値を算出するには、文献(C.Hansch及びA.Leo、“Substituent Constants for Correlation Analysis in Chemistry and Biology”(John Wiley & Sons, New York, 1969))に記載のフラグメント法または下記市販のソフトウェアパッケージ1または2を用いればよい。
【0026】
ソフトウェアパッケージ1:MedChem Software (Release 3.54,1991年8月、Medicinal Chemistry Project, Pomona College,Claremont,CA)
ソフトウェアパッケージ2:Chem Draw Ultra ver.8.0.(2003年4月、CambridgeSoft Corporation,USA)
【0027】
本発明におけるClogP値は、ソフトウェアパッケージ2を用いて計算されたものであることが好ましい。
【0028】
活性光線硬化型インクジェットインクにおけるClogP値が4.0〜7.0の範囲である(メタ)アクリレート化合物の含有量は、10〜40質量%の範囲であることが好ましく、15〜35質量%の範囲であることがより好ましい。当該(メタ)アクリレート化合物の含有量が10質量%未満であると、インクが親水性を示すため、疎水性を示すゲル化剤の溶解性が低下しやすい。一方、当該(メタ)アクリレート化合物の含有量が40質量%超であると、インク液滴の硬化収縮が生じやすく、印刷物がカールしやすい。そのため、画像を折り曲げた時に画像が割れやすい。
【0029】
(メタ)アクリレート化合物は、他の(メタ)アクリレート化合物を含んでもよい。他の(メタ)アクリレート化合物の例には、エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート化合物が含まれる。エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート化合物は、感光性が高く、低温下でゲル化する際に後述のカードハウス構造を形成しやすい。
【0030】
エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート化合物の例には、Sartomer社製の4EO変性ヘキサンジオールジアクリレートCD561(分子量358)、3EO変性トリメチロールプロパントリアクリレートSR454(分子量429)、6EO変性トリメチロールプロパントリアクリレートSR499(分子量560)、4EO変性ペンタエリスリトールテトラアクリレートSR494(分子量528)、新中村化学社製のポリエチレングリコールジアクリレートNKエステルA−400(分子量508)、NKエステルA−600(分子量742)、ポリエチレングリコールジメタクリレートNKエステル9G、NKエステル14G、大阪有機化学社製テトラエチレングリコールジアクリレートV#335HPなどが含まれる。
【0031】
活性光線硬化型インクジェットインクに含まれる光重合性化合物の分子量は、280〜1500の範囲であることが好ましく、300〜800の範囲であることがより好ましい。分子量が280未満の光重合性化合物とゲル化剤とを含むインクは、吐出温度前後でのインクの粘度変化が大きすぎるからである。一方、分子量が1500を超える光重合性化合物とゲル化剤とを含むインクは、ゾル粘度が高すぎるため、インクジェットインクとして適さないからである。
【0032】
活性光線硬化型インクジェットインクにおける光重合性化合物の合計含有量は、1〜97質量%であることが好ましく、30〜95質量%であることがより好ましい。
【0033】
ゲル化剤について
活性光線硬化型インクジェットインクに含まれるゲル化剤は、インクを温度によって可逆的にゾル−ゲル相転移させる機能を有する。そのようなゲル化剤は、少なくとも1)ゲル化温度よりも高い温度で、光重合性化合物などに溶解すること、2)ゲル化温度以下の温度で、インク中で結晶化すること、が必要である。
【0034】
ゲル化剤がインク中で結晶化するときに、ゲル化剤の結晶化物である板状結晶が三次元的に囲む空間を形成し、前記空間に光重合性化合物を内包することが好ましい。このように、板状結晶が三次元的に囲む空間に光重合性化合物が内包された構造を「カードハウス構造」ということがある。カードハウス構造が形成されると、液体の光重合性化合物を保持することができ、インク液滴をピニングすることができる。それにより、液滴同士の合一を抑制することができる。
【0035】
カードハウス構造を形成するには、ゾル状のインク中で溶解している光重合性化合物とゲル化剤とが相溶していることが好ましい。これに対して、ゾル状のインク中で溶解している光重合性化合物とゲル化剤とが相分離していると、カードハウス構造を形成しにくい場合がある。
【0036】
そのようなゲル化剤の例には、脂肪族ケトン化合物;脂肪族エステル化合物;パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラクタム等の石油系ワックス;キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、木ロウ、ホホバ油、ホホバ固体ロウ、およびホホバエステル等の植物系ワックス;ミツロウ、ラノリンおよび鯨ロウ等の動物系ワックス;モンタンワックス、および水素化ワックス等の鉱物系ワックス;硬化ヒマシ油または硬化ヒマシ油誘導体;モンタンワックス誘導体、パラフィンワックス誘導体、マイクロクリスタリンワックス誘導体またはポリエチレンワックス誘導体等の変性ワックス;ベヘン酸、アラキジン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、オレイン酸、およびエルカ酸等の高級脂肪酸;ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール;12-ヒドロキシステアリン酸等のヒドロキシステアリン酸;12-ヒドロキシステアリン酸誘導体;ラウリン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、12-ヒドロキシステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド(例えば日本化成社製 ニッカアマイドシリーズ、伊藤製油社製 ITOWAXシリーズ、花王社製 FATTYAMIDシリーズ等);N-ステアリルステアリン酸アミド、N-オレイルパルミチン酸アミド等のN-置換脂肪酸アミド;N,N'-エチレンビスステアリルアミド、N,N'-エチレンビス-12-ヒドロキシステアリルアミド、およびN,N'-キシリレンビスステアリルアミド等の特殊脂肪酸アミド;ドデシルアミン、テトラデシルアミンまたはオクタデシルアミンなどの高級アミン;ステアリルステアリン酸、オレイルパルミチン酸、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、エチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等の脂肪酸エステル化合物(例えば日本エマルジョン社製 EMALLEXシリーズ、理研ビタミン社製 リケマールシリーズ、理研ビタミン社製 ポエムシリーズ等);ショ糖ステアリン酸、ショ糖パルミチン酸等のショ糖脂肪酸のエステル(例えばリョートーシュガーエステルシリーズ 三菱化学フーズ社製);ポリエチレンワックス、α−オレフィン無水マレイン酸共重合体ワックス等の合成ワックス(Baker−Petrolite社製 UNILINシリーズ等);ダイマー酸;ダイマージオール(CRODA社製 PRIPORシリーズ等);ステアリン酸イヌリン等の脂肪酸イヌリン;パルミチン酸デキストリン、ミリスチン酸デキストリン等の脂肪酸デキストリン(千葉製粉社製 レオパールシリーズ等);ベヘン酸エイコサン二酸グリセリル;ベヘン酸エイコサンポリグリセリル(日清オイリオ社製 ノムコートシリーズ等);N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジブチルアミド、N-(2-エチルヘキサノイル)-L-グルタミン酸ジブチルアミド等のアミド化合物(味の素ファインテクノより入手可能);1,3:2,4-ビス-O-ベンジリデン-D-グルシトール(ゲルオールD 新日本理化より入手可能)等のジベンジリデンソルビトール類;特開2005−126507号公報、特開2005−255821号公報および特開2010−111790号公報に記載の低分子オイルゲル化剤などが含まれる。
【0037】
なかでも、前述の「カードハウス構造」を形成しやすくするためには、ゲル化剤は、炭素数が12以上のアルキル鎖を含む化合物であることが好ましい。当該化合物におけるアルキル鎖は、分岐していてもよい。
【0038】
炭素数が12以上の直鎖アルキル基を含む化合物は、炭素数が12以上の直鎖アルキル基を有する、脂肪族ケトン化合物、脂肪族エステル化合物、高級脂肪酸、高級アルコールまたは脂肪酸アミド等でありうる。ただし、高級脂肪酸、高級アルコールおよび脂肪酸アミドなどは、アルキル鎖の末端に−OH、−COOH等の極性基を有するため、ゾル状のインク中での安定性が低く、析出したり、層分離したりしやすい。また、インクの硬化膜から、ゲル化剤が溶出することもある。そのため、ゲル化剤は、脂肪族ケトン化合物もしくは脂肪族エステル化合物であることが好ましい。つまり、下記一般式(G1)または(G2)で表される化合物が好ましい。
一般式(G1):R1−CO−R2
一般式(G2):R3−COO−R4
【0039】
一般式(G1)および(G2)中、R1〜R4は、それぞれ独立に、炭素数12以上の直鎖部分を有する炭化水素基を表す。R1〜R4は、分岐部分を有していてもよい。
【0040】
一般式(G1)において、R1およびR2で表される炭化水素基は、それぞれ独立に、炭素原子数が12以上25以下の直鎖部分を含む脂肪族炭化水素基であることが好ましい。R1およびR2で表される脂肪族炭化水素基に含まれる直鎖部分の炭素原子数が12未満であると、十分な結晶性を有しないためゲル化剤として機能しないだけでなく、前述のカードハウス構造において、光重合性化合物を内包するための十分な空間を形成できないおそれがある。一方、脂肪族炭化水素基に含まれる直鎖部分の炭素原子数が25を超えると、融点が高くなりすぎるため、インクの吐出温度を高くしなければ、インク中に溶解しなくなるおそれがある。
【0041】
一般式(G1)で表される脂肪族ケトン化合物の例には、ジリグノセリルケトン(C24−C24)、ジベヘニルケトン(C22−C22、融点88℃)、ジステアリルケトン(C18−C18、融点84℃)、ジエイコシルケトン(C20−C20)、ジパルミチルケトン(C16−C16、融点80℃)、ジミリスチルケトン(C14−C14)、ジラウリルケトン(C12−C12、融点68℃)、ラウリルミリスチルケトン(C12−C14)、ラウリルパルミチルケトン(C12−C16)、ミリスチルパルミチルケトン(C14−C16)、ミリスチルステアリルケトン(C14−C18)、ミリスチルベヘニルケトン(C14−C22)、パルミチルステアリルケトン(C16−C18)、バルミチルベヘニルケトン(C16−C22)、ステアリルベヘニルケトン(C18−C22)等が含まれる。
【0042】
一般式(G1)で表される化合物の市販品の例には、18−Pentatriacontanon(Alfa Aeser社製)、Hentriacontan−16−on(Alfa Aeser社製)、カオーワックスT1(花王株式会社製)等が含まれる。
【0043】
活性光線硬化型インクジェットインクに含まれる脂肪族ケトン化合物は、一種類のみであってもよく、二種類以上の混合物であってもよい。
【0044】
一般式(G2)おいて、R3およびR4で表される炭化水素基は、特に制限されないが、炭素原子数12以上26以下の直鎖部分を含む脂肪族炭化水素基であることが好ましい。R3およびR4で表される脂肪族炭化水素基に含まれる直鎖部分の炭素原子数が12以上26以下であると、一般式(G1)で表される化合物と同様に、ゲル化剤に必要な結晶性を有しつつ、前述のカードハウス構造を形成でき、融点も高くなりすぎない。
【0045】
一般式(G2)で表される脂肪族エステル化合物の例には、ベヘン酸ベヘニル(C21−C22、融点70℃)、イコサン酸イコシル(C19−C20)、ステアリン酸ステアリル(C17−C18、融点60℃)、ステアリン酸パルミチル(C17−C16)、ステアリン酸ラウリル(C17−C12)、パルミチン酸セチル(C15−C16、融点54℃)、パルミチン酸ステアリル(C15−C18)、ミリスチン酸ミリスチル(C13−C14、融点43℃)、ミリスチン酸セチル(C13−C16、融点50℃)、ミリスチン酸オクチルドデシル(C13−C20)、オレイン酸ステアリル(C17−C18)、エルカ酸ステアリル(C21−C18)、リノール酸ステアリル(C17−C18)、オレイン酸ベヘニル(C18−C22)、セロチン酸ミリシル(C25−C16)、モンタン酸ステアリル(C27−C18)、モンタン酸ベヘニル(C27−C22)、リノール酸アラキジル(C17−C20)、トリアコンタン酸パルミチル(C29−C16)等が含まれる。
【0046】
一般式(G2)で表される脂肪族エステル化合物の市販品の例には、ユニスターM−2222SL(日油株式会社製)、エキセパールSS(花王株式会社製、融点60℃)、EMALEX CC−18(日本エマルジョン株式会社製)、アムレプスPC(高級アルコール工業株式会社製)、エキセパール MY−M(花王株式会社製)、スパームアセチ(日油株式会社製)、EMALEX CC−10(日本エマルジョン株式会社製)等が含まれる。これらの市販品は、二種類以上の混合物であることが多いため、必要に応じて分離・精製してもよい。
【0047】
活性光線硬化型インクジェットインクに含まれる脂肪族エステル化合物は、一種類のみであってもよく、二種類以上の混合物であってもよい。
【0048】
活性光線硬化型インクジェットインクにおけるゲル化剤の含有量は、インク全量に対して0.5〜7.0質量%の範囲であることが好ましく、1.0〜5.0質量%の範囲であることがより好ましい。0.5質量%未満であると、インク液滴を十分にゲル化(温度によるゾル−ゲル相転移)させることができないことがある。一方、7.0質量%を超えると、得られる硬化膜の硬度が不十分で、画像表面に傷がつきやすいことがある。
【0049】
光重合開始剤について
活性光線硬化型インクジェットインクに含まれる光重合開始剤は、分子内結合開裂型と分子内水素引き抜き型とがある。
【0050】
分子内結合開裂型の光重合開始剤の例には、ジエトキシアセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、ベンジルジメチルケタール、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル-(2-ヒドロキシ-2-プロピル)ケトン、1-ヒドロキシシクロヘキシル-フェニルケトン、2-メチル-2-モルホリノ(4-チオメチルフェニル)プロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-ブタノン等のアセトフェノン系;
ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾイン類;
2,4,6-トリメチルベンゾインジフェニルホスフィンオキシド等のアシルホスフィンオキシド系;
ベンジル及びメチルフェニルグリオキシエステル等が含まれる。
【0051】
分子内水素引き抜き型の光重合開始剤の例には、ベンゾフェノン、o-ベンゾイル安息香酸メチル-4-フェニルベンゾフェノン、4,4'-ジクロロベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4-ベンゾイル-4'-メチル−ジフェニルサルファイド、アクリル化ベンゾフェノン、3,3',4,4'-テトラ(t-ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3'-ジメチル-4-メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系;
2-イソプロピルチオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2,4-ジクロロチオキサントン等のチオキサントン系;
ミヒラ−ケトン、4,4'-ジエチルアミノベンゾフェノン等のアミノベンゾフェノン系;
10-ブチル-2-クロロアクリドン、2-エチルアンスラキノン、9,10-フェナンスレンキノン、カンファーキノン等が含まれる。
【0052】
なかでも、光感度が高いことから、アシルホスフィンオキシドやアシルホスフォナートが好ましく、具体的には、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチル-ペンチルホスフィンオキサイドなどがより好ましい。
【0053】
光重合開始剤の含有量は、インク全量の0.1〜10質量%の範囲であることが好ましく、2〜8質量%の範囲であることがより好ましい。
【0054】
活性光線硬化型インクジェットインクは、光重合開始剤として光酸発生剤を含んでもよい。光酸発生剤の例には、化学増幅型フォトレジストや光カチオン重合に利用される化合物が用いられる(有機エレクトロニクス材料研究会編、「イメージング用有機材料」、ぶんしん出版(1993年)、187〜192ページ参照)。
【0055】
活性光線硬化型インクジェットインクは、必要に応じて光重合開始剤助剤や重合禁止剤をさらに含んでもよい。
【0056】
光重合開始剤助剤は、第3級アミン化合物であってよく、芳香族第3級アミン化合物が好ましい。芳香族第3級アミン化合物の例には、N,N-ジメチルアニリン、N,N-ジエチルアニリン、N,N-ジメチル-p-トルイジン、N,N-ジメチルアミノ-p-安息香酸エチルエステル、N,N-ジメチルアミノ-p-安息香酸イソアミルエチルエステル、N,N-ジヒドロキシエチルアニリン、トリエチルアミン及びN,N-ジメチルヘキシルアミン等が含まれる。なかでも、N,N-ジメチルアミノ-p-安息香酸エチルエステル、N,N-ジメチルアミノ-p-安息香酸イソアミルエチルエステルが好ましい。これらの化合物は、単独で用いられてもよいし、2種類以上が併用されてもよい。
【0057】
重合禁止剤の例には、(アルキル)フェノール、ハイドロキノン、カテコール、レゾルシン、p-メトキシフェノール、t-ブチルカテコール、t-ブチルハイドロキノン、ピロガロール、1,1-ピクリルヒドラジル、フェノチアジン、p-ベンゾキノン、ニトロソベンゼン、2,5-ジ-tert-ブチル-p-ベンゾキノン、ジチオベンゾイルジスルフィド、ピクリン酸、クペロン、アルミニウムN-ニトロソフェニルヒドロキシルアミン、トリ-p-ニトロフェニルメチル、N-(3-オキシアニリノ-1,3-ジメチルブチリデン)アニリンオキシド、ジブチルクレゾール、シクロヘキサノンオキシムクレゾール、グアヤコール、o-イソプロピルフェノール、ブチラルドキシム、メチルエチルケトキシム、シクロヘキサノンオキシム等が含まれる。
【0058】
色材について
活性光線硬化型インクジェットインクは、色材をさらに含んでいてもよい。色材は、染料または顔料であってよく、顔料であることが好ましい。
【0059】
活性光線硬化型インクジェットインクに含まれうる顔料を、以下に列挙する。
C.I.Pigment Yellow 1,2,3,12,13,14,16,17,73,74,75,81,83,87,93,95,97,98,109,114,120,128,129,138,150,151,154,155,180,185,213
C.I.Pigment Red 5,7,12,22,38,48:1,48:2,48:4,49:1,53:1,57:1,63:1,101,112,122,123,144,146,168,184,185,202
C.I.Pigment Violet 19,23
C.I.Pigment Blue 1,2,3,15:1,15:2,15:3,15:4,18,22,27,29,60
C.I.Pigment Green 7,36
C.I.Pigment White 6,18,21
C.I.Pigment Black 7
【0060】
顔料の平均粒径は0.08〜0.5μmであることが好ましく、顔料の最大粒径は0.3〜10μmであり、好ましくは0.3〜3μmである。顔料の粒径を調整することによって、インクジェット記録ヘッドのノズルの詰まりを抑制し、インクの保存安定性、インク透明性及び硬化感度を維持することができる。
【0061】
一方、活性光線硬化型インクジェットインクに含まれうる染料は、油溶性染料等でありうる。油溶性染料は、以下の各種染料が挙げられる。
【0062】
マゼンタ染料の例には、MS Magenta VP、MS Magenta HM−1450、MS Magenta HSo−147(以上、三井東圧社製)、AIZENSOT Red−1、AIZEN SOT Red−2、AIZEN SOTRed−3、AIZEN SOT Pink−1、SPIRON Red GEH SPECIAL(以上、保土谷化学社製)、RESOLIN Red FB 200%、MACROLEX Red Violet R、MACROLEX ROT5B(以上、バイエルジャパン社製)、KAYASET Red B、KAYASET Red 130、KAYASET Red 802(以上、日本化薬社製)、PHLOXIN、ROSE BENGAL、ACID Red(以上、ダイワ化成社製)、HSR−31、DIARESIN Red K(以上、三菱化成社製)、Oil Red(BASFジャパン社製)が含まれる。
【0063】
シアン染料の例には、MS Cyan HM−1238、MS Cyan HSo−16、Cyan HSo−144、MS Cyan VPG(以上、三井東圧社製)、AIZEN SOT Blue−4(保土谷化学社製)、RESOLIN BR.Blue BGLN 200%、MACROLEX Blue RR、CERES Blue GN、SIRIUS SUPRATURQ.Blue Z−BGL、SIRIUS SUPRA TURQ.Blue FB−LL 330%(以上、バイエルジャパン社製)、KAYASET Blue FR、KAYASET Blue N、KAYASET Blue 814、Turq.Blue GL−5 200、Light Blue BGL−5 200(以上、日本化薬社製)、DAIWA Blue 7000、Oleosol Fast Blue GL(以上、ダイワ化成社製)、DIARESIN Blue P(三菱化成社製)、SUDAN Blue 670、NEOPEN Blue 808、ZAPON Blue 806(以上、BASFジャパン社製)等が含まれる。
【0064】
イエロー染料の例には、MS Yellow HSm−41、Yellow KX−7、Yellow EX−27(三井東圧)、AIZEN SOT Yellow−1、AIZEN SOT YelloW−3、AIZEN SOT Yellow−6(以上、保土谷化学社製)、MACROLEX Yellow 6G、MACROLEX FLUOR.Yellow 10GN(以上、バイエルジャパン社製)、KAYASET Yellow SF−G、KAYASET Yellow2G、KAYASET Yellow A−G、KAYASET Yellow E−G(以上、日本化薬社製)、DAIWA Yellow 330HB(ダイワ化成社製)、HSY−68(三菱化成社製)、SUDAN Yellow 146、NEOPEN Yellow 075(以上、BASFジャパン社製)等が含まれる。
【0065】
ブラック染料の例には、MS Black VPC(三井東圧社製)、AIZEN SOT Black−1、AIZEN SOT Black−5(以上、保土谷化学社製)、RESORIN Black GSN 200%、RESOLIN BlackBS(以上、バイエルジャパン社製)、KAYASET Black A−N(日本化薬社製)、DAIWA Black MSC(ダイワ化成社製)、HSB−202(三菱化成社製)、NEPTUNE Black X60、NEOPEN Black X58(以上、BASFジャパン社製)等が含まれる。
【0066】
色材の含有量は、インク全量に対して0.1〜20質量%の範囲であることが好ましく、0.4〜10質量%の範囲であることがより好ましい。色材の含有量が少なすぎると、得られる画像の発色が十分ではなく、多すぎるとインクの粘度が高くなり、吐出安定性が低下しやすい。
【0067】
活性光線硬化型インクジェットインクは、分散助剤として、各種顔料に応じたシナージストをさらに含有していてもよい。分散剤と分散助剤の合計量は、顔料に対して1〜50質量%であることが好ましい。
【0068】
顔料をインク中に分散させやすくするために、活性光線硬化型インクジェットインクは、顔料分散液と他のインク成分とを混合して得ることが好ましい。
【0069】
顔料分散液は、分散媒体に顔料を分散して得ることができる。顔料の分散は、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等を用いて行えばよい。また、顔料の分散を行う際に、分散剤を添加してもよい。分散剤は、高分子分散剤であることが好ましく、高分子分散剤は、Avecia社のSolsperseシリーズや、味の素ファインテクノ社のPBシリーズなどでありうる。
【0070】
顔料分散液の分散媒体は、溶剤または光重合性化合物でありうる。記録媒体に着弾した直後にゲル化させやすくする、あるいは硬化物の耐溶剤性の低下を抑制し、残留する溶剤のVOCの問題などを抑制するためには、顔料分散液は、溶剤を含まないことが好ましい。そのため、顔料分散液の分散媒体は光重合性化合物、特に粘度の低いモノマーであることが分散適性上好ましい。
【0071】
その他の成分について
活性光線硬化型インクジェットインクは、必要に応じて他の成分をさらに含んでもよい。他の成分は、各種添加剤や他の樹脂等であってよい。添加剤の例には、界面活性剤、レベリング添加剤、マット剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、抗菌剤、インクの保存安定性を高めるための塩基性化合物等も含まれる。塩基性化合物の例には、塩基性アルカリ金属化合物、塩基性アルカリ土類金属化合物、アミン等の塩基性有機化合物等が含まれる。他の樹脂の例には、硬化膜の物性を調整するための樹脂等が含まれ、例えばポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、およびワックス類等が含まれる。
【0072】
活性光線硬化型インクジェットインクの物性
活性光線硬化型インクジェットインクは、前述のようにゲル化剤を含むため、温度によって可逆的にゾル−ゲル相転移する。ゾル−ゲル相転移する活性光線硬化型インクは、高温(例えば80℃程度)では液体(ゾル)であるため、インクジェット記録ヘッドから吐出されうる。高温下で吐出された活性光線硬化型インクジェットインクの液滴は、記録媒体に着弾した後、自然冷却されてゲル化する。これにより、隣り合うドット同士の合一を抑制し、画質を高めることができる。
【0073】
インク液滴の吐出安定性を高めるためには、高温下におけるインクの粘度が一定以下であることが好ましい。具体的には、活性光線硬化型インクジェットインクの、80℃における粘度が3〜20mPa・sの範囲であることが好ましい。一方、隣り合うドットの合一を抑制するためには、着弾後の常温下におけるインクの粘度が一定以上であることが好ましい。具体的には、活性光線硬化型インクジェットインクの25℃における粘度は1000mPa・s以上であることが好ましい。
【0074】
活性光線硬化型インクジェットインクのゲル化温度は、40℃以上70℃以下であることが好ましく、50℃以上65℃以下であることがより好ましい。吐出温度が80℃近傍である場合に、インクのゲル化温度が70℃を超えると、吐出時にゲル化が生じやすいため吐出安定性が低下しやすい。一方、ゲル化温度が40℃未満であると、記録媒体に着弾後の液滴が、速やかにゲル化しにくい。ゲル化温度とは、ゾル状態にあるインクを冷却する過程において、ゲル化して流動性が低下するときの温度である。
【0075】
インクの80℃における粘度、25℃における粘度およびゲル化温度は、レオメータにより、インクの動的粘弾性の温度変化を測定することにより求めることができる。具体的には、インクを100℃に加熱し、剪断速度11.7(1/s)、降温速度0.1℃/sの条件で20℃まで冷却したときの、粘度の温度変化曲線を得る。そして、80℃における粘度と25℃における粘度は、粘度の温度変化曲線において80℃、25℃における粘度をそれぞれ読み取ることで求めることができる。ゲル化温度は、粘度の温度変化曲線において、粘度が200mPa・sとなる温度として求めることができる。
【0076】
レオメータは、Anton Paar社製 ストレス制御型レオメータ PhysicaMCRシリーズを用いることができる。コーンプレートの直径は75mm、コーン角は1.0°とすることができる。
【0077】
活性光線硬化型インクジェットインクは、前述の光重合性化合物と、ゲル化剤とを含む各成分を加熱下で混合して得ることができる。好ましくは、一部の光重合性化合物に色材(特に顔料)を分散させた顔料分散溶液を調製し;当該顔料分散溶液と、光重合性化合物、光重合開始剤およびゲル化剤などのインク成分と混合して得ることができる。
【0078】
2.活性光線インクジェットインクを用いた画像形成方法
本発明の画像形成方法は、1)活性光線硬化型インクジェットインクを、記録媒体上に吐出する工程と、2)記録媒体上に吐出された活性光線硬化型インクジェットインクに、活性光線を照射して硬化させる工程とを含む。本発明の画像形成方法は、例えば後述するインクジェット記録装置10により行うことができる。
【0079】
1)工程について
活性光線硬化型インクジェットインクの液滴を、インクジェット装置のインクジェット記録ヘッドから、記録媒体上に吐出する。インク液滴の吐出安定性を高めるためには、インクジェット記録ヘッド内のインクジェットインクの温度を、ゲル化温度よりも10〜30℃高い温度に設定することが好ましい。
【0080】
インクジェット記録ヘッド内のインク温度が、(ゲル化温度+10)℃未満であると、インクジェット記録ヘッド内もしくはノズル表面でインクがゲル化して、インク液滴の吐出安定性が低下しやすい。一方、インクジェット記録ヘッド内のインクの温度が(ゲル化温度+30)℃を超えると、インクが高温になりすぎるため、インク成分が劣化することがある。
【0081】
インクジェット記録ヘッドの各ノズルから吐出される1滴あたりの液滴量は、画像の解像度にもよるが、0.5〜10plであることが好ましく、高精細の画像を形成するためには、0.5〜2.5plであることがより好ましい。
【0082】
記録媒体に付与したインク液滴は冷却されてゾル−ゲル相転移により速やかにゲル化する。これにより、インク液滴が拡散せずに、ピニングすることができる。また、ゲル化したインクには、酸素が拡散しにくいため、光重合性化合物への酸素阻害を低減することができる。
【0083】
記録媒体は、紙であってもよいし、樹脂フィルムであってもよい。紙の例には、印刷用コート紙、印刷用アート紙、上質紙、普通紙などが含まれる。樹脂フィルムの例には、ポリエチレンテレフタレートフィルムや塩化ビニルフィルムなどが含まれる。
【0084】
インク液滴が着弾するときの記録媒体の温度は、当該インクのゲル化温度よりも10〜20℃低い温度に設定されていることが好ましい。記録媒体の温度が低すぎると、インク液滴が、十分にレベリングする前にゲル化してしまうため、画像光沢が低下することがある。一方で、記録媒体の温度が高すぎると、インク液滴がゲル化しにくく、インク液滴の隣り合うドット同士が混じりやすい(ピニングしにくい)。記録媒体の温度を適切に調整することで、インク液滴の隣り合うドット同士が混じり合わない程度の適度なレベリングと、適切なピニングとが実現される。記録媒体の温度は、後述するインクジェット記録装置の温度制御手段によって調整することができる。
【0085】
2)工程について
記録媒体上に付与したインク液滴に活性光線を照射して、インクに含まれる光重合性化合物を硬化させる。活性光線の照射は、後述するインクジェット記録装置の活性光線光源によって行うことができる。
【0086】
活性光線の照射は、全てのインクジェット記録ヘッドからインク液滴を吐出した後に行うことが好ましい。活性光線の照射は、隣り合うインク液滴同士が合一するのを抑制するために、インク液滴が記録媒体上に着弾した後10秒以内、好ましくは0.001秒〜5秒以内、より好ましくは0.01秒〜2秒以内に行うことが好ましい。
【0087】
従来の記録方法では、記録媒体の搬送速度を高く、例えば搬送速度50m/分以上にしたとき、インク液滴を短時間で硬化させるために、高照度、例えば照度の最大値が5W/cm2以上の光を照射しようとしていた。しかしながら、高照度の光を短時間照射すると、記録媒体の表面温度が上昇しすぎて、ゲル化したインクが溶融し、得られる画像の光沢均一性が低下しやすいという問題があった。また、インクが十分には硬化しにくく(インク中の光重合性化合物が十分に重合および架橋せず)、画像の表面硬化性や耐擦性が低下しやすい。
【0088】
本発明者らは、記録媒体の表面での照度条件を鋭意検討した結果、同じ積算光量であっても、低照度、例えば照度の最大値が5W/cm2未満の光を長時間照射するほうが、高照度の光を短時間照射するよりも、ゲル化したインクの(照射)熱による溶融を抑制できるだけでなく、インクを十分に硬化しうること(硬化度の高いインク膜が得られること)を見出した。
【0089】
低照度の光を長時間照射することによって、硬化度の高いインク膜が得られる理由は必ずしも明らかではないが、以下のように推測される。即ち、高照度の光を短時間照射すると、インク中にラジカル活性種が短時間で高濃度に発生しやすく、ラジカル活性種同士の再結合による失活が生じたり、生成した光重合性化合物の重合または架橋物の成長反応が不十分となり、分子量が大きくなりにくい。これに対して、低照度の光を長時間照射すると、インク中にラジカル活性種が高濃度で発生しにくく、適度なラジカル活性種濃度を保つことができる。そのため、ラジカル活性種同士の再結合や、生成した光重合性化合物の重合または架橋物の成長反応の阻害が起こりにくく、分子量が大きくなりやすいと考えられる。
【0090】
そこで本発明では、低照度の光を長時間照射する;即ち、記録媒体の表面での照度が低く、かつ記録媒体表面の照射領域の、記録媒体の搬送方向の長さが大きくなるように行うことが好ましい。「照射領域」とは、活性光線を照射する工程の「ある時点」での照射領域を意味する。
【0091】
具体的には、記録媒体の表面での照度の最大値は、2〜5W/cmの範囲であることが好ましく、2.5〜4W/cmの範囲であることがより好ましい。記録媒体上での照度の最大値が5W/cm超であると、記録媒体の表面温度を高めすぎて、ゲル化されたインクを照射熱によって溶融させやすい。一方、記録媒体上での照度の最大値が2W/cm未満であると、インクが十分には硬化しにくい。
【0092】
また、記録媒体の表面での照度が0.1W/cm以上である照射時間が0.1秒以上であることが好ましく、0.2秒以上であることがより好ましい。光重合性化合物の重合または架橋物の成長反応を行うのに十分な時間を確保するためである。照射時間は、後述する照射領域と搬送速度からもとめることができる。
【0093】
記録媒体の表面における照度は、活性光線光源の照度や、照射面の(記録媒体表面からの)高さHなどによって調整することができる。記録媒体の表面における照度は、紫外線積算光量計C9536−02(浜松ホトニクス社製)により測定することができる。
【0094】
記録媒体表面の照射領域の、記録媒体の搬送方向に沿った照度の分布(照度分布)において、照度の半値幅が20mm以上となるように行うことが好ましく、40mm以上となるように行うことがより好ましい。半値幅が大きいほど、インクの硬化に寄与する照度領域の、記録媒体の搬送方向の長さが大きいことを意味する。半値幅が20mm未満であると、インクの硬化に寄与する照射領域の記録媒体の搬送方向の長さが小さい。そのため、特に記録速度が高い場合にインクへの積算光量が不足しやすく、インクを十分に硬化できないことがある。
【0095】
「記録媒体表面の照射領域の、記録媒体の搬送方向に沿った照度の分布」(照度分布)は、後述する図3A〜3Cに示されるように、記録媒体表面の照射領域の、記録媒体の搬送方向の起点からの位置(mm)を横軸とし;当該位置ごとの照度(W/cm)を縦軸とするグラフで表される。「照射領域の記録媒体の搬送方向の起点」は、記録媒体の搬送方向に照度が最大となる位置であり;照射領域の、記録媒体の搬送方向の中央部であることが多い。照度分布は、通常、起点に対して対称な形状となるが、例えば活性光線光源を傾けるなどして分布を不均一にすることで、照射領域を制御してもよい。
【0096】
記録媒体の表面における照射領域の照度分布における照度の半値幅は、活性光線光源の照度分布、照射面の高さH、照射面の搬送方向の長さLなどによって調整することができる。
【0097】
活性光線の照射は、記録媒体の表面での照度の最大値が2〜5W/cmの範囲となり、かつ照度分布における照度の半値幅が20mm以上となるように配置されることがより好ましい。そのためには、後述するインクジェット記録装置において、高照度(例えば5W/cm以上)の活性光線光源の照射面の高さH(活性光線光源の照射面の記録媒体の表面からの高さ)を大きくしたり;低照度(例えば5W/cm未満)の活性光線光源の照射面の搬送方向の長さLを大きくしたりすればよい。5W/cm以上の高照度の活性光線光源を配置する場合には照射面の高さHを30mm以上200mm未満に設定することが好ましく、50mm以上100mm未満とすることがより好ましい。30mm以上200mmとすることで光沢均一性、表面硬化性および擦過性に優れた画像を形成できる。
また、記録媒体の表面での照度が0.1W/cm以上である照射時間が0.1秒以上であることが好ましく、0.2秒以上であることがより好ましい。図3Dに示されるように照度が0.1W/cmであるときの搬送方向の長さをXmm、搬送速度をYm/分とすると、照射時間Tは、T=X/Y×60/1000でもとめることができる。
【0098】
照射される活性光線の積算光量は、400mJ/cm未満であることが好ましく、350mJ/cm以下であることがより好ましい。積算光量の下限は、インクを一定以上硬化させるためには、150mJ/cm程度としうる。積算光量が400mJ/cm超であると、記録媒体の表面での照度が高かったり、記録媒体の搬送速度が低かったりする場合に、記録媒体上のゲル化したインクが熱によって溶融しやすい。
【0099】
活性光線の照射時間は、積算光量が前述の範囲を満たすように設定されうる。活性光線の照射時間は、記録媒体の搬送速度や記録媒体の表面での照度にもよるが、0.1秒間以上、好ましくは0.2秒間以上である。
【0100】
記録媒体の搬送速度は、50〜120m/分であることが好ましく、60〜120m/分であることがより好ましい。搬送速度が50m/分未満であると、生産性が低くなりやすい。一方、搬送速度が120m/分超であると、積算光量が不足しやすく、インクを十分に硬化できず、画像品質が低下しやすい。
【0101】
インクの硬化膜の総厚みは、2〜25μmの範囲であることが好ましい。インクの硬化膜の総厚みとは、記録媒体12上に付与されたインクの硬化膜の最大厚みである。
【0102】
本発明の画像形成方法では、活性光線の照射を低照度かつ長時間行う;好ましくは記録媒体の表面での、照度の最大値が2〜5W/cmとなり、かつ前述の照度分布における照度の半値幅が20mm以上となるように行う。それにより、記録媒体の表面の過剰な温度上昇によって、ゲル化したインク液滴の溶融を抑制し、光沢均一性の高い画像を得ることができる。
【0103】
さらに、低照度で照射を行うため、ラジカル活性種が高濃度に発生せず、光重合性化合物(モノマー)の転化率が高く、光重合性化合物の重合または架橋物の分子量も大きくなりやすい。それにより、記録媒体の搬送速度が50m/分以上と高くても、インクを十分に硬化させる(インク中の光重合性化合物を十分に重合または架橋させる)ことができ、生産性を損なうことなく、表面硬化性や擦過性の高い画像を得ることができる。
【0104】
インクジェット記録装置について
本発明の画像形成方法に用いられるインクジェット記録装置は、ライン記録方式(シングルパス記録方式)のものや、シリアル記録方式のものでありうる。求められる画像の解像度や記録速度にもよるが、記録速度を高めるためには、ライン記録方式(シングルパス記録方式)のインクジェット記録装置が好ましい。
【0105】
図1Aは、ライン記録方式のインクジェット記録装置の要部の構成の一例を示す側面図であり;図1Bは、図1Aの下面図である。
【0106】
図1Aに示されるように、インクジェット記録装置10は、複数のインクジェット記録ヘッド14を収容するヘッドキャリッジ16と、ヘッドキャリッジ16に接続されたインク流路30と、インク流路30を通じて供給するインクを貯留するインクタンク31と、記録媒体12の全幅を覆い、かつヘッドキャリッジ16の(記録媒体の搬送方向)下流側に配置された活性光線光源18と、記録媒体12の下面に配置された温度制御手段19と、を有する。
【0107】
ヘッドキャリッジ16は、記録媒体12の全幅を覆うように固定配置されており、各色毎に設けられた複数のインクジェット記録ヘッド14を収容する。インクジェット記録ヘッド14にはインクが供給されるようになっている。たとえば、インクジェット記録装置10に着脱自在に装着された不図示のインクカートリッジ等から、直接または不図示のインク供給手段によりインクが供給されるようになっていてもよい。
【0108】
インクジェット記録ヘッド14は、各色ごとに、記録媒体12の搬送方向に複数配置される。記録媒体12の搬送方向に配置されるインクジェット記録ヘッド14の数は、インクジェット記録ヘッド14のノズル密度と、印刷画像の解像度によって設定される。例えば、液滴量2pl、ノズル密度360dpiのインクジェット記録ヘッド14を用いて1440dpiの解像度の画像を形成する場合には、記録媒体12の搬送方向に対して4つのインクジェット記録ヘッド14をずらして配置すればよい。また、液滴量6pl、ノズル密度360dpiのインクジェット記録ヘッド14を用いて720×720dpiの解像度の画像を形成する場合には、2つのインクジェット記録ヘッド14をずらして配置すればよい。dpiとは、2.54cm当たりのインク液滴(ドット)の数を表す。
【0109】
インク流路30は、インクタンク31中のインクをヘッドキャリッジ16に供給する経路である。インクタンク31は、ヘッドキャリッジ16と、インク流路30を介して接続されている。インク液滴を安定して吐出させるために、インクタンク31、インク流路30、ヘッドキャリッジ16およびインクジェット記録ヘッド14内のインクを所定の温度に加熱するための加熱機構(不図示)が設けられうる。
【0110】
活性光線光源18は、記録媒体12の全幅を覆い、かつ記録媒体の搬送方向についてヘッドキャリッジ16の下流側に配置されている。活性光線光源18は、インクジェット記録ヘッド14により吐出されて、記録媒体に着弾した液滴に光を照射し、液滴を硬化させる。活性光線光源18の照射面の、記録媒体の搬送方向の長さLは、記録媒体の幅方向に同一か、またはそれ以上であることが好ましい。
【0111】
活性光線光源18は、特に制限されないが、面発光型LEDであることが好ましく、面発光型UV−LEDであることがより好ましい。面発光型UV−LEDは、基板と、その上に配置された複数の発光素子とを含み、集光や光の拡散を調整するために、必要に応じて発光素子の前面にレンズまたは拡散板をさらに含んでもよい。
【0112】
複数の発光素子は、基板上に任意の配置形式で配置されてよく、千鳥格子状、正格子状等に配置されうる。なかでも、発光素子を高密度に配置することができ、単位面積当たりの照度を高くしやすいことなどから、千鳥格子状に配置することが好ましい。発光素子は、基板上に、従来周知の薄膜形成技術によって形成されうる。
【0113】
活性光線光源18の照度や照度分布は、発光素子の配置形式、配置数、配置密度などによって調整することができる。
【0114】
活性光線光源18が発する活性光線のピーク波長は、紫外線領域、例えば360nm〜420nmの範囲であることが好ましく、380nm〜410nmの範囲であることがさらに好ましい。活性光線光源18の照度は、2〜17W/cm程度とし、好ましくは4〜12W/cmである。活性光線光源18は、市販の高照度UV−LEDなどであってもよい。
【0115】
前述の通り、活性光線光源18は、記録媒体の表面での照度の最大値が2〜5W/cmの範囲となり、かつ照度分布における照度の最大値の半値幅が20mm以上となるように配置されることが好ましい。そのためには、高照度(例えば照度が5W/cm以上)の活性光線光源18の照射面の高さHを大きくしたり;低照度(例えば照度が5W/cm未満)の活性光線光源18の照射面の長さLを大きくしたりすればよい。低照度の活性光線光源18の照射面の長さLを大きくするためには、1つの活性光線光源18の照射面の長さLを大きくしてもよいし;複数の活性光線光源18を配置して、それらの照射面の長さの合計を大きくしてもよい。なかでも、小さい活性光線光源18を使用できることから、高照度の活性光線光源18の照射面の高さHを大きくすることが好ましい。
【0116】
図2Aおよび図2Bは、活性光線光源18の本発明の設置態様の一例を示す模式図であり;図2Cは、活性光線光源18の従来の設置態様の一例を示す模式図である。図中の矢印は、記録媒体12の搬送方向を示す。
【0117】
高照度の活性光線光源18を用いる場合、活性光線光源18の照射面の高さHを小さくするよりも(図2C);照射面の高さHを大きくするほうが(図2A)、記録媒体の表面での、照度を小さくし、かつ照射領域Eの記録媒体の搬送方向の長さを大きくすることができる。
【0118】
活性光線光源18の照射面の高さHは、活性光線光源18の照射分布や、記録媒体の搬送速度に応じて適宜設定されうる。活性光線光源18の照射面の高さHは、記録媒体の搬送速度が大きくても、記録媒体上のインクを十分に硬化させるためには、30mm以上200mm未満の範囲であることが好ましく、30mm以上150mm以下であることがより好ましく、50mm以上100mm以下であることがさらに好ましい。30mm未満であると、記録媒体の表面での照度が高くなりすぎて、記録媒体の表面温度が高くなりすぎることがある。一方、200mm以上であると、記録媒体の表面での照度が低くなりすぎて、インクを十分に硬化できないことがある。
【0119】
一方、低照度の活性光線光源18’を用いる場合、低照度の活性光線光源18’の照射面の(記録媒体の)搬送方向長さLを長くすることで、記録媒体の表面での照射領域Eの記録媒体の搬送方向の長さを大きくすることができる(図2B)。
【0120】
活性光線光源18の照射面の搬送方向長さLは、記録媒体表面での照度にもよるが、例えば20mm以上とすることが好ましく、40mm以上とすることがより好ましく、60mm以上とすることがさらに好ましい。活性光線光源18の照射面の搬送方向長さLの上限は、例えば150mm程度としうる。
【0121】
低照度の活性光線光源18’は、一つだけ配置されても、複数配置されてもよい。
【0122】
活性光線光源18の照射面の高さHを高くすると、活性光線を照射したときに、活性光線光源18から拡散した光が記録媒体の表面で反射して、インクジェット記録ヘッド14の吐出面に当たる可能性がある。しかしながら、本発明では、吐出されるインクは吐出面上では加熱されてゾル状態の低粘度になっているため、酸素阻害の影響を受けやすい。そのため、反射した紫外線によって吐出されるインクが、インクジェット記録ヘッド14の吐出面上で硬化して、吐出不良を生じる可能性は低いと考えられる。
【0123】
一方で、活性光線光源18から拡散した光が記録媒体の表面を介してインクジェット記録ヘッド14に当たるのを防止するために、活性光線光源18が配置された領域に、記録媒体12の全幅を覆うカバー(不図示)をさらに設置してもよい。カバーの形状は、活性光線光源18の照度分布を参考にして、拡散した光を記録媒体上のインクに十分に照射できるように、(記録媒体の)搬送方向に角度をつけることが好ましい。カバーの材質は、特に制限されないが、記録媒体上のインクの硬化性を高めるためには、カバーの内側(記録媒体の表面と対向する側)の面が、アルミなどの光を反射する金属材料で構成されていることが好ましい。
【0124】
温度制御手段19は、記録媒体12の下面に配置されており、記録媒体12を所定の温度に維持する。温度制御手段19は、例えば各種ヒータ等でありうる。
【実施例】
【0125】
以下において、実施例を参照して本発明をより詳細に説明する。これらの実施例によって、本発明の範囲は限定して解釈されない。
【0126】
1.インクの材料
1)光重合性化合物
MKエステルA−400(ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、新中村化学社製)
MKエステルA−600(ポリエチレングリコール#600ジアクリレート、新中村化学社製)
SR499(6EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、SARTOMER社製)
Photomer4072(3PO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、コグニス社製)
【0127】
2)光重合開始剤
DAROCURE TPO(ホスフィンオキサイド、BASF社製)
IRGACURE 819(ホスフィンオキサイド、BASF社製)
IRGACURE 369(α-アミノアルキルフェノン、BASF社製)
SPPEDCURE ITX(DKSH社製)
3)重合禁止剤
Irgastab UV10(BASF社製)
【0128】
4)ゲル化剤
ジステアリルケトン(花王社製)
ベヘン酸ベヘニル(日油社製)
【0129】
5)界面活性剤
KF352(信越化学社製)
【0130】
2.インクの調製
顔料分散液の調製
(顔料分散液1)
下記成分をステンレスビーカーに入れて、65℃のホットプレート上で加熱しながら1時間加熱下で攪拌させて溶解させた。
アジスパーPB824(味の素ファインテクノ社製):9質量部
トリプロピレングリコールジアクリレート(APG−200、新中村化学社製):71質量部
【0131】
得られた溶液を室温まで冷却した後、顔料1:Pigment Black 7(三菱化学社製、#52)を20質量部加えて、直径0.5mmのジルコニアビーズ200gと共にガラス瓶に入れ密栓した。これを、ペイントシェーカーにて5時間分散処理した後、ジルコニアビーズを除去して、顔料分散液1を得た。
【0132】
(顔料分散液2)
顔料1を、顔料2:Pigment Blue 15:4(大日精化製、クロモファインブルー6332JC)に変更した以外は顔料分散液1と同様にして顔料分散液2を得た。
【0133】
(顔料分散液3)
顔料1を、顔料3:Pigment Red 122(大日精化製、クロモファインレッド6112JC)に変更し、かつ分散処理時間を8時間に変更した以外は顔料分散液1と同様にして顔料分散液3を得た。
【0134】
(顔料分散液4)
顔料1を、顔料4:Pigment Yellow 180(大日精化製、クロモファインイエロー6280JC)に変更し、かつ分散処理時間を8時間に変更した以外は顔料分散液1と同様にして顔料分散液4を得た。
【0135】
インクの調製
(インクK1、C1、M1およびY1)
表1に示される各成分を混合して、80℃に加熱して攪拌した。得られた溶液を加熱下において#3000の金属メッシュフィルタで濾過した後、冷却してそれぞれインクK1、C1、M1およびY1を得た。そして、インクK1、C1、M1およびY1を有するインクセット1を得た。
【0136】
(インクK2、C2、M2およびY2)
インクの組成を表1に示されるように変更した以外はインクK1と同様にしてインクK2、C2、M2およびY2を得た。そして、インクK2、C2、M2およびY2を有するインクセット2を得た。
【0137】
これらのインクの組成を表1に示す。
【表1】
【0138】
(実施例1)
得られたインクセット1を、インクジェット記録装置に装填した。インクジェット記録装置のインクジェット記録ヘッドは、ピエゾ型インクジェットノズルを有するものを用いた。インクセット1が装填されたインクジェット記録装置により、A4サイズのコート紙(OK金藤 米坪量104.7g/m 王子製紙社製)上に、以下の条件で画像を形成した。
【0139】
インクジェット記録装置のインク供給系は、インクタンク、インク流路、インクジェット記録ヘッド直前のサブインクタンク、フィルター付き配管、ピエゾヘッドからなる。インクタンクからピエゾヘッドまでの間のインクを90℃に加温した。ピエゾヘッドを、ヘッド内のインク温度が80℃になるようにヘッド内ヒータで加温した。また、コート紙の表面温度が50℃となるように加温した。
【0140】
ピエゾヘッドからの1滴あたりの吐出量が3plになるように電圧を印加し、360dpiの解像度のヘッドを、各色4個ずつ用いて吐出した。解像度1440×1440dpi、1色あたりの付き量7.5g/mのYMCKのベタ画像または自然画を、それぞれ形成した。
【0141】
コート紙上に付与されたインクに、UV−LEDランプ1(ピーク波長395nm)を用いて紫外線を照射し、光硬化させた。紫外線の照射は、UV−LEDランプ1の照射面の高さHが50mmとなるようにして行った。コート紙表面での照度の最大値は3.8W/cm、コート紙表面での照度分布における半値幅は64mm、コート紙表面での照度が0.1W/cm以上である照射時間を0.12秒とした。コート紙の搬送速度は60m/分とし、積算光量は310mJ/cmとした。コート紙上での照度は、紫外線積算光量計C9536−02(浜松ホトニクス社製)により測定した。
【0142】
(実施例2〜8および比較例1〜13)
インクセットの種類、紫外線の照射条件、およびコート紙の搬送速度のうち少なくとも一つを表2に示されるように変更した以外は実施例1と同様にして画像を形成した。表2に示されるUV−LEDランプ2のピーク波長は395nmであり;UV−LEDランプ3のピーク波長は395nmであった。
【0143】
また、実施例1〜8および比較例1〜13で得られた画像の品質(光沢均一性)、および硬化性(耐スクラッチ性、耐擦過性、表面硬化性)を、以下の方法で評価した。
【0144】
1)光沢均一性
上記の画像形成条件および方法で、コート紙(OK金藤 米坪量104.7g/m 王子製紙社製)上に、YMCKの4色インクで自然画(財団法人・日本規格協会発行の高精細カラーデジタル標準画像データ「フルーツバスケット」)を形成した。得られた画像を目視観察し、画像の光沢均一性を下記基準に基づいて評価した。
○:15cm離れた位置から観測して、光沢差が認められない
△:15cm離れた位置から観測して、画像の一部において光沢差が認められるが、実用上許容範囲である
×:15cm離れた位置から観測して、画像の全体において著しい光沢差が認められ、実用に耐えない品質である
【0145】
2)耐スクラッチ性
上記の画像形成条件および方法で、コート紙(OK金藤 米坪量104.7g/m 王子製紙社製)に、YMCKの各色のベタ画像、二次色のBGRベタ画像を形成した。得られた画像を爪で引っかいた後、画像の白抜けの程度を目視観察した。耐スクラッチ性の評価は、下記基準に従って行った。
○:全色で、画像の白抜けはまったく認められない
△:GとKの画像で一部白抜けが認められるが、実用上許容範囲にある
×:GとKとYの画像で明らかな白抜けが認められ、実用に耐えない品質である
【0146】
3)耐擦過性
上記の画像形成条件および方法で、コート紙(OK金藤 米坪量104.7g/m 王子製紙社製)に、YMCKの各色のベタ画像、二次色のBGRベタ画像を形成した。得られたベタ画像上に、「JIS規格 K5701−1 6.2.3 耐摩擦性試験」に記載された方法に準じて、4cmとなる大きさに切り取った印刷用コート紙Aを載せて、500gの荷重をかけて擦り合わせた。その後、印刷用コート紙Aを取り除き、得られたベタ画像の濃度低下の程度を目視観察した。耐擦過性の評価は、下記基準に従って行った。
○:30回以上擦っても、画像濃度の変化はまったく認められない
△:30回擦った段階で画像濃度の低下が認められるが、実用上許容範囲にある
×:30回未満の擦りで、明らかな画像の濃度低下が認められ、実用に耐えない品質である
【0147】
4)表面硬化性
上記の画像形成条件および方法で、コート紙(OK金藤 米坪量104.7g/m 王子製紙社製)に、YMCKの各色のベタ画像、二次色のBGRベタ画像を形成した。その直後に、画像を指で擦り、画像表面の変化を目視観察した。表面硬化性の評価は、下記基準に従って行った。
○:全色で、画像表面の変化がまったく認められない
△:CとBの画像で擦った跡が確認されるが、実用上許容範囲にある
×:全色で擦った跡が確認され、さらにCとBの画像は顔料の色移りが認められ、実用に耐えない品質である
【0148】
5)生産性
生産性の評価は、下記基準に基づいて行った。
○:記録媒体の搬送速度が50m/分以上であり、生産性が高い
△:記録速度が30m/分以上50m/分未満であり、生産性は実用上許容範囲にある
×:記録速度が30m/分未満であり、生産性は実用上問題となる
【0149】
実施例1〜8および比較例1〜13の評価結果を表2に示す。また、これらの実施例および比較例で用いたUV−LEDランプ1の記録媒体表面での照射領域の照度分布を図3Aに示し;UV−LEDランプ2の記録媒体表面での照射領域の照度分布を図3Bに示し;UV−LEDランプ3の記録媒体表面での照射領域の照度分布を図3Cに示す。
【0150】
図3A〜3Cにおいて、横軸は、照射領域の記録媒体の搬送方向の起点からの位置(mm)を示し;縦軸は、当該位置ごとの照度(W/cm)を示す。「照射領域の記録媒体の搬送方向の起点」とは、記録媒体の搬送方向において、記録媒体表面での照度が最大となる位置であり;通常、照度分布は、起点に対して対称な形状となる。
【表2】
【0151】
表2に示されるように、実施例1〜8で得られる画像は、比較例1〜13で得られる画像よりも、いずれも光沢均一性が高く、かつ硬化性が良好であることがわかる。
【0152】
具体的には、実施例1〜2と比較例1〜3とを対比する。照度の最大値が5.0W/cm以下である実施例1〜2では、インク表面の溶融は少ないため画像の光沢均一性が高く、画像の硬化性も良好であることがわかる。一方、照度の最大値が2.0W/cm未満である比較例3では、インク表面の溶融は少ないため画像の光沢均一性は実施に耐えうるものであるが、硬化性が低いことがわかる。
【0153】
さらに、同じ光源であっても、照射面の高さHによってコート紙面での照度の最大値や照射分布の半値幅を調整できることがわかる。具体的には、照射面の高さHを30mm超とした実施例1〜2では、照度の最大値が5.0W/cm以下と低く、かつ照射分布の半値幅が64mm以上と大きいことがわかる。これに対して、照射面の高さHを30mm以下とした比較例1〜2では、照度の最大値が5.0W/cm超と高く、かつ照射分布の半値幅が60mm以下と小さいことがわかる。
【0154】
照度の最大値の半値幅が20mm未満である比較例10では、照度の最大値の半値幅が20mm以上である比較例1よりも、積算光量が少なすぎるため、硬化性が低いことがわかる。照度の最大値の半値幅が20mm未満であるが、最大照度が16.5W/cmである比較例11は、積算光量は十分であるが、比較例1と同様にインク表面の溶融があり、光沢均一性および硬化性が低いことがわかる。また、実施例5と比較例11で比べると積算光量は同じ310mJ/cmであるにもかかわらず、照度の最大値が3W/cm2の低照度の光を0.18秒の長時間照射するほうが、16.5W/cm2の高照度の光を0.05秒の短時間照射するよりも光沢均一性、硬化性に優れることがわかる。
【0155】
比較例1、4および7を対比する。記録媒体の搬送速度が低くなるにつれ、積算光量が増加するため、硬化性は高いが、生産性が低いことがわかる。
本出願は、同出願人により先にされた日本国特許出願、すなわち、特願2012−103213号(出願日2012年4月27日)に基づく優先権主張を伴うものであって、これらの明細書の内容を参照して本発明の一部としてここに組み込むものとする。
【産業上の利用可能性】
【0156】
本発明によれば、生産性が高く、かつ光沢均一性、表面硬化性および擦過性に優れた画像を形成しうる活性光線硬化型インクジェット記録方法を提供することができる。
【符号の説明】
【0157】
10 インクジェット記録装置
12 記録媒体
14 インクジェット記録ヘッド
16 ヘッドキャリッジ
18、18’ 活性光線光源
19 温度制御手段
30 インク流路
31 インクタンク
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図3D
【国際調査報告】