特表-13161534IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2013年10月31日
【発行日】2015年12月24日
(54)【発明の名称】コロナ放電装置及び空気調和機
(51)【国際特許分類】
   B03C 3/38 20060101AFI20151201BHJP
   B03C 3/02 20060101ALI20151201BHJP
   B03C 3/41 20060101ALI20151201BHJP
【FI】
   B03C3/38
   B03C3/02 A
   B03C3/41 C
   B03C3/41 A
   B03C3/41 J
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】31
【出願番号】特願2014-512446(P2014-512446)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2013年4月3日
(11)【特許番号】特許第5774212号(P5774212)
(45)【特許公報発行日】2015年9月9日
(31)【優先権主張番号】特願2012-97785(P2012-97785)
(32)【優先日】2012年4月23日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098604
【弁理士】
【氏名又は名称】安島 清
(74)【代理人】
【識別番号】100087620
【弁理士】
【氏名又は名称】高梨 範夫
(74)【代理人】
【識別番号】100125494
【弁理士】
【氏名又は名称】山東 元希
(74)【代理人】
【識別番号】100141324
【弁理士】
【氏名又は名称】小河 卓
(74)【代理人】
【識別番号】100153936
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 健誠
(74)【代理人】
【識別番号】100160831
【弁理士】
【氏名又は名称】大谷 元
(74)【代理人】
【識別番号】100166084
【弁理士】
【氏名又は名称】横井 堅太郎
(72)【発明者】
【氏名】太田 幸治
(72)【発明者】
【氏名】稲永 康隆
(72)【発明者】
【氏名】守川 彰
(72)【発明者】
【氏名】酒井 隆弘
(72)【発明者】
【氏名】谷村 泰宏
【テーマコード(参考)】
4D054
【Fターム(参考)】
4D054AA11
4D054BA02
4D054BB02
4D054BB05
4D054BB12
4D054BC31
4D054EA27
4D054EA30
(57)【要約】
安定したコロナ放電を行うことができ、また組み立てが容易なコロナ放電装置を得る。導電性平板または細線で構成された複数の荷電部高圧電極11を有する荷電部高圧電極ユニット10と、導電性平板で構成された荷電部接地電極ユニット20とを備え、荷電部設置電極ユニット20は、平板で構成された複数の荷電部接地電極21を有しており、複数の荷電部高圧電極11は、風路61の空気流れと交差する方向に間隔を開けて配置され、導電性のフレーム部13により長手方向の少なくとも一方の端部が互いに連結されており、荷電部接地電極ユニット20は、複数の荷電部接地電極21が、その平面の向きが風路61の空気流れと略平行になるようにして荷電部高圧電極11どうしの間に挿入され、導電性のフレーム部23により長手方向の少なくとも一方が互いに連結されており、複数の荷電部高圧電極11と複数の荷電部接地電極21とが、風路61の空気流れと交差する方向に間隔を開けて交互に積層されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に風路を有する風路筐体と、
導電性を有する細線または平板で構成された複数の第一放電電極を有する放電電極ユニットと、
導電性を有する平板で構成された対向電極ユニットとを備え、
前記対向電極ユニットは、平板で構成された複数の対向電極を有しており、
前記複数の第一放電電極は、前記風路の空気流れと交差する方向に間隔をあけて配置され、導電性を有するフレームにより長手方向の少なくとも一方の端部が互いに連結されており、
前記対向電極ユニットは、前記複数の対向電極が、その平面の向きが前記風路の空気流れと略平行になるようにして前記第一放電電極どうしの間に挿入され、
前記複数の対向電極は導電性を有するフレームにより長手方向の少なくとも一方が互いに連結されており、
前記対向電極と前記第一放電電極とが、前記風路の空気流れと交差する方向に間隔をあけて交互に積層されている
ことを特徴とするコロナ放電装置。
【請求項2】
同一形状の前記複数の対向電極を含む2つの前記対向電極ユニットを備え、
一方の前記対向電極ユニットの前記対向電極どうしの間に、他方の前記対向電極ユニットの前記対向電極が挿入されている
ことを特徴とする請求項1記載のコロナ放電装置。
【請求項3】
前記対向電極の、前記第一放電電極よりも空気流れ方向下流側の長さは、対向する前記第一放電電極との間の放電ギャップ長の2倍以上である
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のコロナ放電装置。
【請求項4】
前記複数の対向電極のうち両端に設けられた一対の前記対向電極は、前記風路の側壁の一部を構成している
ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のコロナ放電装置。
【請求項5】
前記複数の第一放電電極は、導電性を有する材料で構成された板部材の一部を刳り抜いて残した部分によって構成されている
ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のコロナ放電装置。
【請求項6】
前記複数の対向電極は、導電性を有する材料で構成された板部材の一部を切り起こして構成されている
ことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載のコロナ放電装置。
【請求項7】
前記放電電極ユニットのフレームと前記対向電極ユニットのフレームは、絶縁物を介して、空気流れ方向に沿って重ねられている
ことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載のコロナ放電装置。
【請求項8】
前記放電電極ユニットのフレームは、絶縁性を有する樹脂で覆われている
ことを特徴とする請求項7記載のコロナ放電装置。
【請求項9】
前記絶縁性を有する樹脂は、熱硬化性樹脂である
ことを特徴とする請求項8記載のコロナ放電装置。
【請求項10】
絶縁性材料で構成され、隣り合う前記第一放電電極と前記対向電極とをブリッジするスペーサーを備えた
ことを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載のコロナ放電装置。
【請求項11】
前記第一放電電極及び前記対向電極の空気流れ下流側に、前記風路の空気流れと交差する方向に間隔をあけて配置される複数の第二放電電極を備えた
ことを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれか一項に記載のコロナ放電装置。
【請求項12】
請求項1〜請求項11のいずれか一項に記載のコロナ放電装置を備えたことを特徴とする空気調和機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気集塵装置、脱臭装置、除菌装置、ウイルス除去装置等に使用されるコロナ放電装置、及びこのコロナ放電装置を備えた空気調和機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電気集塵装置や脱臭装置において、コロナ放電により塵埃を帯電状態にさせるコロナ放電部を設け、帯電状態の塵埃を集塵部にて捕集する技術が採用されている。このコロナ放電部は、一般には、線径0.1mm〜1.0mm程度の線電極からなる放電電極に高電圧を印加し、放電電極と対向電極との間でコロナ放電を発生させる構成である。細い線電極を使用するほど、放電を発生させるための印加電圧を低くすることができる。しかし、細線を用いる場合には、腐食、スパッタ等により部分的に放電したり、断線したりする可能性がある。効果的に塵埃を捕集するためには、塵埃を含む空気流のほぼ全量に対して電荷を浴びせる必要があり、このため、放電電極の表面積を大きくするのが好ましい。
【0003】
このような事項を背景として、四方形状で0.1mm〜0.2mmの厚さを有するステンレス薄板を、放射形状にエッチング処理またはプレス打ち抜きして形成された放電電極が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、タングステン等の金属からなる板状(リボン状)の放電電極を、対向電極の間に間隔を設けて配置したものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実公昭58−26020号公報(第1頁17行〜第1頁30行、第2図等)
【特許文献2】特開2010−22999号公報(第3頁、図1等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載のようなコロナ放電電極にあっては、放電を起こすための電界方向と、風の流れる向きとが平行であるため、放電により発生した電子やイオンに触れない空気が存在する。また、放電電極に給電する給電部では放電を起こさないため、このような非放電部を通過する空気を帯電させることができず、荷電効率が悪いという問題点があった。
【0007】
また、特許文献2に記載の荷電装置は、放電電極を板状(リボン状)に構成することで、細い線電極と比べて強度が向上している。しかし、特許文献2に記載の複数の放電電極と対向電極を風路内に設置するためには、放電電極と対向電極をそれぞれ1本ずつ枠に張る必要があり、製作に手間がかかるという課題があった。
【0008】
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたもので、安定したコロナ放電を行うことができ、また組み立てが容易なコロナ放電装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るコロナ放電装置は、内部に風路を有する風路筐体と、導電性を有する細線または平板で構成された複数の第一放電電極を有する放電電極ユニットと、導電性を有する平板で構成された対向電極ユニットとを備え、前記対向電極ユニットは、平板で構成された複数の対向電極を有しており、前記複数の第一放電電極は、前記風路の空気流れと交差する方向に間隔をあけて配置され、導電性を有するフレームにより長手方向の少なくとも一方の端部が互いに連結されており、前記対向電極ユニットは、前記複数の対向電極が、その平面の向きが前記風路の空気流れと略平行になるようにして前記第一放電電極どうしの間に挿入され、前記複数の対向電極は導電性を有するフレームにより長手方向の少なくとも一方が互いに連結されており、前記対向電極と前記第一放電電極とが、前記風路の空気流れと交差する方向に間隔をあけて交互に積層されているものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るコロナ放電装置は、荷電効率がよく、第一放電電極と対向電極の組み立ても容易である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施の形態1に係るコロナ放電装置の概略図である。
図2】実施の形態1に係る荷電部高圧電極の構成を説明する図である。
図3】実施の形態1に係る荷電部接地電極の構成を説明する図である。
図4】実施の形態1に係る荷電部の構成を説明する図である。
図5】実施の形態1に係る荷電部高圧電極及び荷電部接地電極の組み付け態様を説明する図である。
図6】実施の形態1に係る荷電部高圧電極の固定態様を説明する図である。
図7】実施の形態2に係る荷電部の構成を説明する分解斜視図である。
図8】実施の形態2に係る荷電部接地電極ユニットの寸法例を説明する図である。
図9図8に示す荷電部接地電極板を2つ組み合わせた構成を説明する図である。
図10】実施の形態2に係る荷電部を、1つの荷電部高圧電極ユニットと2つの荷電部接地電極ユニットにより構成した例を説明する断面模式図である。
図11】実施の形態3に係る荷電部高圧電極ユニットの背面図である。
図12】実施の形態3に係る荷電部の分解斜視図である。
図13】実施の形態3に係る荷電部の断面模式図である。
図14】製作時より温度が15℃高いときの、ステンレスとABSそれぞれの線膨張及びその差をグラフに表したものである。
図15】実施の形態4に係る荷電部高圧電極及び荷電部接地電極を説明する図である。
図16】実施の形態5に係る荷電部高圧電極を説明する図である。
図17】実施の形態5に係る荷電部高圧電極に絶縁体を組み合わせた状態を説明する図である。
図18】実施の形態6に係る荷電部高圧電極を説明する図である。
図19】実施の形態6に係る荷電部高圧電極に絶縁体を組み合わせた状態を説明する図である。
図20】実施の形態7に係る荷電部高圧電極を説明する図である。
図21】実施の形態7に係る荷電部高圧電極を一枚の板から切り出す場合の配置例を説明する図である。
図22】実施の形態7に係る荷電部高圧電極を一枚の板から切り出す場合の配置例を説明する図である。
図23】実施の形態7に係る荷電部高圧電極と絶縁体を組み合わせた状態を説明する図である。
図24】実施の形態7に係る荷電部高圧電極の絶縁体への組み付け部分の構成を説明する図である。
図25】実施の形態8に係るコロナ放電電極を利用した電気集塵装置の概略図である。
図26】実施の形態8に係る荷電部と捕捉部の構成を説明する要部の断面模式図である。
図27】実施の形態8に係る荷電部と捕捉部の構成を説明する要部の斜視図である。
図28】実施の形態9に係る空気調和機の室内機を説明する概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係るコロナ放電装置の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、理解を容易にするために方向を表す用語(例えば「上」、「下」、「右」、「左」、「前」、「後」など)を適宜用いるが、これは説明のためのものであって、これらの用語は本願発明を限定するものではない。また、以下に示す図面の形態によって本発明が限定されるものではない。また、各実施の形態において同一または実質的に同一の構成については、同じ符号を付す。
【0013】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係るコロナ放電装置(以下装置100)の概略図である。図1に基づいて、装置100の構成及び動作について説明する。なお、図1を含め、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。また、図1では、空気の流れを矢印で示している。
【0014】
[装置100]
装置100は、本装置100内に流入した空気に浮遊している粒子(以下浮遊粒子と称す)や、微生物・ウイルス(以下、浮遊微生物と称する)を捕捉し、浮遊粒子や浮流微生物を捕捉した後の空気を外部へ供給することにより、空間を清浄化するための電気集塵装置である。装置100は、空気が流れる風路61を内部に有する風路筐体6を備え、風路61内には、荷電部1、捕捉部2、及び送風機3が配設されている。
【0015】
荷電部1は、第一放電電極である荷電部高圧電極11と、荷電部高圧電極11の対向電極である荷電部接地電極21を、それぞれ複数備えている。荷電部高圧電極11には、荷電用高圧電源4によって電圧が印加される。
捕捉部2は、第二放電電極である捕捉部高圧電極31と、捕捉部高圧電極31の対向電極である捕捉部接地電極41を、それぞれ複数備えている。捕捉部高圧電極31には、捕捉用高圧電源5によって電圧が印加される。
【0016】
送風機3は、風路筐体6内に空気を取り込み、取り込んだ空気を送り出す。送風機3により形成される空気流れにおいて、上流側に荷電部1が配置され、荷電部1よりも下流側に捕捉部2が配置される。
【0017】
[荷電部高圧電極]
図2は、実施の形態1に係る荷電部高圧電極の構成を説明する図であり、図2(a)は正面図、図2(b)は側面図、図2(c)は斜視図である。
それぞれの荷電部高圧電極11は、リボン状(薄板状)である。また、荷電部高圧電極11は細線状であってもよい。荷電部高圧電極11の寸法は、例えば、厚みA0が0.05mm〜0.5mm程度、幅A1が0.3mm〜1mm程度である。薄い導電性の板を用いることで、放電を開始させるための印加電圧を低くすることができる。このような複数本の荷電部高圧電極11が、風路61の空気流れと交差する方向に間隔をあけて並べられており、複数の荷電部高圧電極11は、角枠状の導電性材料で構成されたフレーム部13によって一体化されて荷電部高圧電極ユニット10を構成している。なお、フレーム部13の形状は図示のものに限定されず、複数の荷電部高圧電極11を互いに連結するものであれば任意の形状を採用できる。
【0018】
荷電部高圧電極ユニット10は、例えば、導電性材料で構成された薄板を、荷電部高圧電極11及びフレーム部13となる部分を残して、プレス打ち抜き、エッチング、ワイヤー加工等により刳り抜くことによって構成される。荷電部高圧電極11は、例えば、タングステン、銅、ニッケル、ステンレス、亜鉛、鉄などの金属、あるいはこれらの金属を主成分とする合金、もしくはこれらの金属に、銀、金、白金などの貴金属を表面にメッキした材料によって構成される。このように、一枚の薄板から複数の荷電部高圧電極11が一体化された荷電部高圧電極ユニット10を切り出すことで、組み立てを容易に行うことができる。なお、一枚の薄板を荷電部高圧電極11及びフレーム部13となる部分を残して切り抜くのではなく、荷電部高圧電極11及びフレーム部13を別部材として構成してこれらを溶接等により一体化することも可能である。
【0019】
また、本実施の形態1では、荷電部高圧電極ユニット10において荷電部高圧電極11の外周を囲む額縁状のフレーム部13には、図2(a)に破線で示すように折り曲げ片14を形成し、この折り曲げ片14を折り返し曲げ加工(ヘミング加工)している。このようにすることで、板厚の薄い荷電部高圧電極ユニット10の外周部、すなわち荷電部高圧電極11のフレーム部13が、強化される。
【0020】
また、フレーム部13には、荷電部高圧電極ユニット10を風路筐体6に取り付けるときの接続部分となる支持部12が設けられている。この支持部12は、フレーム部13の周囲に形成した舌片を略直角に折り曲げ加工して構成されている。支持部12には、後述する碍子7(図5参照)を挿入するための穴が形成されている。
【0021】
[荷電部接地電極]
図3は、実施の形態1に係る荷電部接地電極の構成を説明する図であり、図3(a)は正面図、図3(b)は側面図、図3(c)は平面図、図3(d)は荷電部接地電極の加工方法を説明する図である。
それぞれの荷電部接地電極21は、平板形状であり、その平板面が空気流れと略平行になる向きで、風路61内に設置される。荷電部接地電極21の厚みB0は、0.1mm〜1.0mm程度である。複数の荷電部接地電極21は、荷電部高圧電極11のそれぞれを両側から挟み込むようにして、荷電部高圧電極11どうしの間に配置される。したがって、荷電部接地電極21は、荷電部高圧電極11の数に対応した数だけ設けられる。複数の荷電部接地電極21は、導電性材料で構成されたフレーム部23によって一体化されて荷電部接地電極ユニット20を構成している。なお、フレーム部23の形状は図示のものに限定されず、複数の荷電部接地電極21を互いに連結するものであれば任意の形状を採用できる。
【0022】
荷電部接地電極21は、例えば、導電性材料で構成された厚みが0.1mm〜1.0mm程度の薄板を、図3(d)の一点鎖線で示す切断線22aに沿ってプレス打ち抜き、エッチング、ワイヤー加工等により切断し、切断して形成された舌片を、二点鎖線で示す折線22bに沿って約90度折り曲げることによって構成される。このように、一枚の薄板から複数の荷電部接地電極21が一体化された荷電部接地電極ユニット20を切り出すことで、組み立てを容易に行うことができる。なお、一枚の薄板を荷電部接地電極21及びフレーム部23となる部分を残して切り抜くのではなく、荷電部接地電極21及びフレーム部23を別部材として構成してこれらを溶接等により一体化することも可能である。
【0023】
[荷電部]
次に、荷電部高圧電極ユニット10と荷電部接地電極ユニット20との組み合わせにより構成される荷電部1について説明する。
図4は、実施の形態1に係る荷電部の構成を説明する図である。図4(a)は分解斜視図、図4(b)は平面的に見た図である。図4に示すように、荷電部接地電極21どうしの間に荷電部高圧電極11がそれぞれ挿入されるようにして、荷電部接地電極ユニット20と荷電部高圧電極ユニット10とが配置される。図4(b)、図1に示すように、荷電部高圧電極11と荷電部接地電極21は、風路61の空気流れに交差する方向に、互いに間隔をあけて交互に積層配置される。
【0024】
また、本実施の形態1では、荷電部接地電極ユニット20のフレーム部23と荷電部高圧電極ユニット10のフレーム部13との間に、角枠状の枠部材62が配置される。この枠部材62は、荷電部高圧電極ユニット10と荷電部接地電極ユニット20を保持するためのものである。また、枠部材62は、風路筐体6の内壁に接するようにして設置され、枠部材62の内壁は風路61の壁の一部を構成する。枠部材62の一方の開口面(図4(b)の紙面下側の開口面)に、荷電部接地電極ユニット20のフレーム部23が重ねられており、荷電部接地電極21は、枠部材62の内部に挿入されている。
【0025】
図1図4に示すように、荷電部高圧電極11と荷電部接地電極21との積層方向に沿い、かつ空気流れ方向に沿った仮想面を想定すると、この仮想面における荷電部高圧電極11の断面形状は矩形であり、その矩形の短辺11aが、荷電部接地電極21の平面と対向している。このような配置により、荷電部高圧電極11の断面四隅における電界強度が大きくなり、コロナ放電を開始しやすいので、浮遊粒子や浮遊微生物を効率よく荷電状態にすることができる。また、このような配置により、スパッタによる電極摩耗による断線の影響を小さくする効果がある。
【0026】
なお、荷電部高圧電極11の短辺11aの先端から荷電部接地電極21までの距離、すなわち、放電ギャップ長Cは、短すぎると、アーク放電に移行したり部分的に強い放電が生じたりして、電極全体に放電が広がらない。一方で、放電ギャップ長Cが長すぎると、印加電圧が高くなり、リーク電流が発生したり想定外のところでの絶縁破壊が生じたりする。そのため、放電ギャップ長Cは、3mmから20mm程度が好ましい。特に、より低い電圧で安定的に放電させるためには、放電ギャップ長Cは、4mmから10mm程度が好ましい。このような放電ギャップ長となるように配置された荷電部高圧電極11に、+3kV〜+10kV、ないし、−2kV〜−10kV程度の電圧を荷電用高圧電源4により印加して、コロナ放電を発生させる。
【0027】
図5は、実施の形態1に係る荷電部高圧電極及び荷電部接地電極の組み付け態様を説明する図であり、図5(a)は荷電部高圧電極及び荷電部接地電極を中心とする構成を側面から透視した概略図、図5(b)は図5(a)のA−A’断面の模式図、図5(c)は図5(a)のB−B’断面の矢視図である。図6は、実施の形態1に係る荷電部高圧電極の固定態様を説明する図である。図6は、荷電部高圧電極ユニット10及び枠部材62を正面から見た図であり、荷電部接地電極ユニット20の記載を省略している。
【0028】
図5図6に示すように、荷電部高圧電極ユニット10は、枠部材62の内側に、碍子7を介して設置される。荷電部高圧電極ユニット10の長手方向(図6の紙面横方向)の両側端部には支持部12が設けられており(図2参照)、この支持部12と、枠部材62とを、碍子7を介して連結する。この碍子7を取り付けるに際しては、引っ張り張力をかける。枠部材62の幅方向の内寸を内寸E、荷電部高圧電極ユニット10の横寸法を横寸法A2、碍子7の長さを長さDとすると、これらの寸法関係は以下の通りである。
(数1)
E>(A2+2×D)・・・(式1)
【0029】
なお、本実施の形態1では、荷電部高圧電極ユニット10の横方向(長手方向)の端部に支持部12を設けたが、同様の支持部12を荷電部高圧電極ユニット10の高さ方向(短手方向)の端部に設け、上下方向に荷電部高圧電極ユニット10を張ってもよい。また、荷電部高圧電極ユニット10の横方向、高さ方向の両方の端部に支持部12を設け、左右方向及び上下方向の両方に荷電部高圧電極ユニット10を張ってもよい。
【0030】
また、上記式1に代えて、以下の寸法関係を採用してもよい。
(数2)
E=(A2+2×D)・・・(式2)
この式2の寸法関係とした場合には、枠部材62自体に、外側に広がる力をかけて引っ張るようにする。
【0031】
このように、式1のような寸法関係を採用することにより、あるいは式2の寸法関係を採用して枠部材62に対して外側に広がる力をかけることにより、荷電部高圧電極ユニット10に外側(外周方向)に引っ張る力をかけることができる。このようにすることで、温度上昇時に荷電部高圧電極11が伸びて弛みにくく、放電ギャップ長の変動を抑制することが可能となり、安定した放電を行うことができる。
【0032】
[捕捉部]
次に、図1を参照して捕捉部2について説明する。
捕捉部2は、導電性を有する材料で構成された平板状の複数の捕捉部高圧電極31と、同じく導電性を有する材料で構成された平板状の複数の捕捉部接地電極41とを備える。捕捉部高圧電極31と捕捉部接地電極41は、その平板面が空気流れと略平行になる向きで、かつ空気流れに直交する方向において両者が交互に配置されるようにして、風路61内に設置される。この平板状の捕捉部高圧電極31に、+1kV〜+10kV、もしくは−10kV〜−1kV程度の電圧を捕捉用高圧電源5により印加して、電界場を形成する。なお、複数の捕捉部高圧電極31及び複数の捕捉部接地電極41を、荷電部高圧電極ユニット10や荷電部接地電極ユニット20と同様にしてフレームによりユニット化してもよい。
【0033】
[動作]
次に、実施の形態1に係る装置100の動作を、図1を参照して説明する。
送風機3が動作すると、図1の矢印に示すように、浮遊粒子や浮遊微生物を含んだ空気が風路61内を流れる。そして、荷電用高圧電源4によってフレーム部13を介して荷電部高圧電極11に電圧が印加されると、荷電部高圧電極11と荷電部接地電極21との間でコロナ放電が起こり、コロナ放電によりイオンが発生し、発生したイオンが浮遊粒子や浮遊微生物に付着し、これによって浮遊粒子や浮遊微生物が帯電する。また、捕捉用高圧電源5によって捕捉部高圧電極31に電圧が印加されると、荷電部1にて帯電した浮遊粒子や浮遊微生物が、捕捉部2に電気的に捕捉される。
【0034】
本実施の形態1では、導電性を有する薄板で構成された複数の荷電部高圧電極11を間隔をあけて配置し、これら荷電部高圧電極11どうしの間に、薄板状の荷電部接地電極21をその平面が風路61の空気流れと略平行になるようにして配置した。このため、荷電部高圧電極11と荷電部接地電極21が対向しており、両者の間に放電を生じさせ、風路61内を通る浮遊粒子や浮遊微生物を帯電させることができる。また、風路61の空気流れと略平行に配置された荷電部接地電極21が風洞として機能し、荷電部高圧電極11と荷電部接地電極21との間の放電部へ空気を誘導することができるので、空気に含まれる浮遊粒子や浮遊微生物を効率よく帯電させることができる。
【0035】
また、複数の荷電部高圧電極11を、導電性を有する平板の一部を刳り抜いて残した部分によって構成したので、部品点数が少なく、組み立てが容易であり、製造コストを低減できる。
また、複数の荷電部接地電極21を、導電性を有する平板の一部を切り起こすことによって構成したので、部品点数が少なく、組み立てが容易であり、製造コストを低減できる。
【0036】
実施の形態2.
前述の実施の形態1では、1つの荷電部接地電極ユニット20を設けていたが、本実施の形態2では、複数の荷電部接地電極ユニット20を設ける例を説明する。なお、本実施の形態2では、荷電部接地電極の他の構成例について、実施の形態1との相違点を中心に説明する。また、本実施の形態2は、後述の実施の形態と組み合わせることもできる。
【0037】
図7は、実施の形態2に係る荷電部の構成を説明する分解斜視図である。図7に示すように、荷電部1には、2つの荷電部接地電極ユニット20(荷電部接地電極ユニット20a、荷電部接地電極ユニット20bと区別して称する場合がある)が設けられている。荷電部接地電極ユニット20bの荷電部接地電極21が、荷電部接地電極ユニット20aの荷電部接地電極21どうしの隙間に挿入されるようにして、荷電部接地電極ユニット20aと荷電部接地電極ユニット20bが重ねられる。
【0038】
図8は、実施の形態2に係る荷電部接地電極ユニットの寸法例を説明する図である。
図8に示すように、荷電部接地電極ユニット20において、荷電部接地電極21の空気流れ方向の長さB1は29mmであり、7枚の荷電部接地電極21が距離B2(2mm)おきに配置されている。紙面右端の荷電部接地電極21の右側には、幅B3(6.8mm)の開口部が設けられ、その右側には幅B4(40mm)にわたって平板状の部分が設けられている。荷電部接地電極ユニット20の幅B5(図8における紙面左右方向の長さ)は、300mmである。また、荷電部接地電極ユニット20の高さB6(図8における紙面上下方向の長さ)は、180mmであり、荷電部接地電極21の高さB7は142mm、この荷電部接地電極21の上下にはそれぞれ長さB8(19mm)にわたる平板状のフレーム部23が設けられている。
【0039】
図9は、図8に示す荷電部接地電極ユニットを2つ組み合わせた構成を説明する図である。図10は、実施の形態2に係る荷電部を、1つの荷電部高圧電極ユニットと2つの荷電部接地電極ユニットにより構成した例を説明する断面模式図である。
図9に示すように、図8で例示した同じ構成の荷電部接地電極ユニット20を、平面方向に2つ重ねて、複数の荷電部接地電極21を構成する。このとき、荷電部接地電極ユニット20aに対して、荷電部接地電極ユニット20bを180度回転させた状態で、両者を組み合わせる。そして、荷電部接地電極ユニット20aの荷電部接地電極21どうしの間の開口部内に、荷電部接地電極ユニット20bの荷電部接地電極21を挿入する。このようにすると、荷電部接地電極ユニット20aの一部である荷電部接地電極21と、荷電部接地電極ユニット20bの一部である荷電部接地電極21とが、交互に配置される。
【0040】
図10に示すように、組み合わされた荷電部接地電極ユニット20a及び荷電部接地電極ユニット20bの荷電部接地電極21どうしの間に、荷電部高圧電極11がそれぞれ配置される。
【0041】
ここで、本実施の形態2において2つの荷電部接地電極ユニット20を設ける理由について説明する。
実施の形態1で示したように、浮遊粒子及び浮遊微生物は、荷電部1で発生するイオン種と衝突して帯電後に、捕捉部2にて電気的に捕捉される。そして、荷電部1の電界の方向は、対向する荷電部高圧電極11から荷電部接地電極21への向きと略平行となる。このため、荷電部接地電極21の長さを荷電部高圧電極11の下流方向へ長くすることにより、放電部で帯電された浮遊粒子及び浮遊微生物を、荷電部接地電極21にて捕捉することが可能になる。このとき、荷電部接地電極21の、荷電部高圧電極11の下流端から空気流れ下流側における長さB9(つまり、放電部よりも下流側における荷電部接地電極21の長さ。図10参照)が、放電ギャップ長Cに対して2倍以上の長さであれば、荷電部高圧電極11から出る電気力線が荷電部接地電極21に入りこみ、浮遊粒子及び浮遊微生物の捕捉効率を向上させることが可能になる。
【0042】
しかし、図3に例示したように、荷電部接地電極ユニット20を構成する平板を、切断線22aに沿って切断して折線22bに沿って折り曲げて荷電部接地電極21を構成する場合、以下の寸法関係が成り立つ。
(数3)
B1f2×C+A1
但し、B1:荷電部接地電極21の長さ、C:放電ギャップ長、A1:荷電部高圧電極11の幅。
【0043】
荷電部接地電極21の下流側の長さB9は、荷電部接地電極21の長さB1よりも短いから、一枚の平板からなる荷電部接地電極ユニット20の荷電部接地電極21どうしの隙間のすべてに荷電部高圧電極11を挿入しようとすると、荷電部接地電極21の長さB1を、放電ギャップ長Cの2倍以上の長さにすることができない。
【0044】
そこで、本実施の形態2では、同様の構成の2つの荷電部接地電極ユニット20を設ける。このように2つの荷電部接地電極ユニット20を設けると、図3で示したものと比べて荷電部接地電極21の数が2倍になる。そして、図10に示すように、これら2つの荷電部接地電極ユニット20により構成される荷電部接地電極21の隙間に、荷電部高圧電極11を配置する。この場合、図3で示したものと比べて2倍の数の荷電部高圧電極11を、荷電部高圧電極ユニット10に形成することが可能となる。そして、図10に示す構成によれば、荷電部高圧電極11の幅A1を調整することで、放電ギャップ長Cに対し、荷電部接地電極21の風の放電部よりも下流側の長さB9を2倍以上にすることができる。
【0045】
また、同様の構成の2つの荷電部接地電極ユニット20を180度回転させた向きで重ねることで、放電ギャップ長Cを一定に等間隔で設定することが可能になる。また、同様の構成の荷電部接地電極ユニット20を用いるため、部品の製造コストの増加を抑制できる。
【0046】
また、荷電部接地電極ユニット20aと荷電部接地電極ユニット20bとを組み合わせることにより形成される開口部の投影面(図9(a)に破線で示す)が、荷電部高圧電極11と荷電部接地電極21との間の放電領域全体の投影面と等しくなるようにすることにより、荷電部接地電極ユニット20aと荷電部接地電極ユニット20bとにより形成される開口部を通過する空気、すなわち装置100の風路61を通過する空気のすべての流路上に、放電領域が配置されることとなる。このようにすることで、装置100を通過する空気中に含まれるより多くの浮遊粒子及び浮遊微生物に帯電させることができ、これら浮遊粒子及び浮遊微生物の捕捉効率を向上させることができる。
【0047】
このように、本実施の形態2では、荷電部1の荷電部接地電極21において浮遊粒子及び浮遊微生物を捕捉可能であるので、捕捉部2を設けない構成とすることもできる。捕捉部2を設けない場合、捕捉部2を設ける実施の形態1と比べて浮遊粒子や浮遊微生物の捕捉効率が低下するが、装置100の構成部材の点数を低減することができるという効果がある。
【0048】
なお、本実施の形態2では、2つの荷電部接地電極ユニット20を設ける例を示したが、荷電部接地電極ユニット20の数は2つに限定されず、3つ以上であってもよい。荷電部接地電極ユニット20の数は、荷電部接地電極21の空気流れ方向の長さ、風路61の幅、及び放電ギャップ長等を考慮して、適宜設定することができる。
【0049】
実施の形態3.
本実施の形態3では、荷電部の他の構成例について、実施の形態1との相違点を中心に説明する。なお、本実施の形態3は、後述の実施の形態と組み合わせることもできる。
【0050】
図11は、実施の形態3に係る荷電部高圧電極ユニットの背面図である。
実施の形態1の図6で説明した例では、荷電部高圧電極ユニット10に設けた支持部12を、碍子7を介して枠部材62に取り付ける構成であったが、本実施の形態3では、支持部12と碍子7を設けずに荷電部高圧電極ユニット10を組み付ける。図11に示すように、角枠平板状の絶縁体8に重ねて、荷電部高圧電極ユニット10取り付けられている。絶縁体8の角枠形状の幅及び高さ寸法は、荷電部高圧電極ユニット10のフレーム部13を包含する寸法であり、フレーム部13が絶縁体8からはみ出さないようにして、絶縁体8に荷電部高圧電極ユニット10を重ねることができるようになっている。荷電部高圧電極ユニット10と絶縁体8は、長手方向の両端部において図示しないネジによってネジ止めされる。なお、ネジ止めに代えて、絶縁体8に爪部を設け、荷電部高圧電極ユニット10に設けた穴に絶縁体8の爪部を引っ掛けるようにしてもよく、このようにすると組み立てがより容易になる。このように、荷電部高圧電極ユニット10のフレーム部13を絶縁体8に重ねることで、薄板状の荷電部高圧電極ユニット10が補強される。
【0051】
図12は、実施の形態3に係る荷電部の分解斜視図である。
図12に示すように、荷電部高圧電極ユニット10は、絶縁体8を介して枠部材62の開口面の一面側に取り付けられる。枠部材62の反対側の開口面には、荷電部接地電極ユニット20が取り付けられる。図12では、実施の形態2で説明したように2つの荷電部接地電極ユニット20を組み合わせる例を示しているが、実施の形態1で示したように荷電部接地電極ユニット20は1つであってもよい。荷電部接地電極ユニット20の荷電部接地電極21は、所定間隔をおいて並んだ複数の荷電部高圧電極11どうしの間に、挿入される。
【0052】
図13は、実施の形態3に係る荷電部の断面模式図である。図13は、図12に示した荷電部1を組み立てた状態のものであって、図12のC−C’線における断面を示している。
図13に示すように、枠部材62の紙面上側に、絶縁体8及び荷電部高圧電極ユニット10が配置され、枠部材62の紙面下側に、2つの荷電部接地電極ユニット20が重ねて配置される。荷電部高圧電極ユニット10と荷電部接地電極ユニット20との間には絶縁体8が介在しており、荷電部高圧電極ユニット10と荷電部接地電極ユニット20は直接的に重ねられてはいない。
【0053】
図12に示すように、角枠状の絶縁体8の略中央に設けられた略矩形の開口部81の高さF2は、荷電部接地電極21の高さB7とほぼ同じである。開口部81内に複数の荷電部接地電極21が挿入され、この荷電部接地電極21どうしの間に、荷電部高圧電極11が配置される。したがって、荷電部接地電極21と荷電部高圧電極11との間に形成される放電部が、開口部81の幅F1の範囲内に収まる。また、図13に示すように、開口部81の左右両側の端部に、最も端の荷電部接地電極21が接しており、端の荷電部接地電極21と開口部81の端部との間にはほぼ隙間がない。左右両端に配置される荷電部接地電極21が、風路61の側壁として機能する。このような構成であるので、絶縁体8が、荷電部接地電極21と荷電部高圧電極11との間に形成される放電部以外への風の漏れを防ぎ、送風機3により送られる風はいずれかの放電部を通ることとなる。したがって、空気中の浮遊粒子や浮遊微生物を荷電部1にて効率的に帯電させることができる。
【0054】
また、図13に示すように、荷電部高圧電極ユニット10のフレーム部13の内幅A3は、絶縁体8の開口部81の幅F1よりも大きく、荷電部高圧電極ユニット10のフレーム部13と、荷電部接地電極21との間には、幅F3にわたって絶縁体8が介在する。このため、荷電部高圧電極11におけるコロナ放電に寄与しないフレーム部13からの電気力線を消すことができ、放電部における電界強度が高くなる。放電部における電界強度が高くなるため、コロナ放電を低電圧で開始することができるようになる。
【0055】
さらに、リボン状の荷電部高圧電極11の前面及び背面(図13に示す荷電部高圧電極11の長辺側の面であり、荷電部接地電極21と対向しない面)を、絶縁物で覆ってもよい。このようにすることで、コロナ放電に寄与しない余分な電気力線を消すことができ、また、高電圧に対する安全性が高まる。
【0056】
また、荷電部高圧電極ユニット10と絶縁体8とを熱硬化樹脂で固めてもよい。このようにすると、温度が上昇して金属製の荷電部高圧電極ユニット10が伸びたときに、熱硬化樹脂が固まるため、硬化後に温度が低下するときには縮む方向に力がかかり、温度上昇による放電ギャップ長の変化を抑制することが可能になる。製作時の温度を室温の20℃〜25℃とした場合、使用環境では最大15℃程度の温度差がでる。そのため、荷電部高圧電極11で線膨張が起こった場合には、弛みが生じる可能性がある。図14は、製作時より温度が15℃高いときの、ステンレスとABSそれぞれの線膨張及びその差をグラフに表したものである。このように、一般に樹脂系材料は、金属系材料よりも温度による伸びが大きいため、金属が樹脂により引っ張られることになる。絶縁体8を厚さ1mm以上の板とすることにより、温度変化による荷電部高圧電極11の弛みをなくすことが可能になる。
【0057】
実施の形態4.
前述の実施の形態1で述べたように、薄い導電性の板を用いて荷電部高圧電極11を構成している。このようにすると、放電開始電圧を低下させることができるが、荷電部高圧電極11の厚みによっては、風によって荷電部高圧電極11が揺らぎやすくなる。荷電部高圧電極11が揺らぐと、放電ギャップ長が変化して放電が不安定となってしまう。そこで、本実施の形態4では、荷電部高圧電極11の風による揺らぎを抑制するための構成を設けている。なお、本実施の形態4では、実施の形態1との相違点を中心に説明する。また、本実施の形態4は、後述の実施の形態と組み合わせることもできる。
【0058】
図15は、実施の形態4に係る荷電部高圧電極及び荷電部接地電極を説明する図である。図15は、一対の荷電部接地電極21とその間に配置された荷電部高圧電極11を示している。図15(a)及び図15(b)において、上段の図が要部の平面図、下段の図が要部の正面図である。
図15(a)、図15(b)に示すように、荷電部高圧電極11とその両脇の荷電部接地電極21との間をブリッジし、荷電部高圧電極11の配置を固定するスペーサー9が設けられている。荷電部高圧電極11の風に対する揺らぎやすさを考慮して、荷電部高圧電極11の高さ方向に1つあるいは複数のスペーサー9を設けることができる。スペーサー9は、放電に影響を与えにくい材料で構成される。このようなスペーサー9を設けることで、荷電部高圧電極11の配置が固定されて放電ギャップ長の変動が抑制されるので、安定した放電を継続して実施できるようになる。
【0059】
図15(a)に示すように、スペーサー9を棒状(直線状)に構成してもよい。このようにすると、スペーサー9の製造が容易である。
また、図15(b)に示すように、スペーサー9を弧状に構成し、荷電部高圧電極11と荷電部接地電極21との間の沿面距離を長くしてもよい。このように荷電部高圧電極11と荷電部接地電極21との間の沿面距離が長くすることで、沿面放電を抑制することができる。
【0060】
なお、図11等で説明した絶縁体8と組み合わせる場合には、この絶縁体8にスペーサー9を取り付けてもよいし、絶縁体8とスペーサー9を一体成形してもよい。
【0061】
実施の形態5.
本実施の形態5では、荷電部高圧電極の変形例について、実施の形態1との相違点を中心に説明する。なお、本実施の形態5は、後述の他の実施の形態と組み合わせることができる。
図16は、実施の形態5に係る荷電部高圧電極を説明する図である。図17は、実施の形態5に係る荷電部高圧電極に絶縁体を組み合わせた状態を説明する図である。
【0062】
前述の実施の形態1では、図2に示したように、導電性材料からなる薄板を荷電部高圧電極11が残るようにして矩形状に刳り抜いて、荷電部高圧電極ユニット10を構成していた。
一方、本実施の形態5では、図16に示すように、導電性材料からなる薄板を櫛状に加工して、複数の荷電部高圧電極11が一体化された荷電部高圧電極ユニット10Aを構成している。荷電部高圧電極ユニット10Aにおいては、風路61の幅方向に延びるフレーム部13から、このフレーム部13と直交する方向(風路61の高さ方向に相当)に複数の荷電部高圧電極11が延びており、荷電部高圧電極11の一端側は他の部材に接続されておらず開放されている。このような荷電部高圧電極11は、導電性を有する材料で構成された薄板を、プレス打ち抜き、ワイヤー加工、エッチング等により加工することによって構成される。
【0063】
荷電部高圧電極ユニット10Aのフレーム部13には、荷電用高圧電源4が接続される。フレーム部13が、複数の荷電部高圧電極11への給電部として機能し、複数の荷電部高圧電極11は、略同電位に保たれる。
【0064】
この荷電部高圧電極ユニット10Aを同形状の2枚の絶縁体8で前後(空気流れ方向における前後をいう)に挟み込むことにより、あるいは、荷電部高圧電極ユニット10Aを型にはめて絶縁樹脂を流し込むことにより、荷電部高圧電極ユニット10Aと絶縁体8とが一体化される。図17に示すように、櫛状の荷電部高圧電極ユニット10Aは、櫛の歯にあたる荷電部高圧電極11が、角枠状の絶縁体8の一方の辺(紙面上側の辺)から他方の辺(紙面下側の辺)に渡るようにして、絶縁体8に重ねられる。荷電部高圧電極ユニット10Aにおいて櫛の柄にあたるフレーム部13は、絶縁体8の上に載置される。荷電部高圧電極11を絶縁材料と一体化することにより、荷電部高圧電極11とその周囲部との間での異常放電を防ぐことができる。また、荷電部高圧電極11の一端をフレーム部13に接続するとともに他端を開放することで、複数の荷電部高圧電極11の他端を、それぞれ、絶縁体8に固定することができる。荷電部高圧電極11をそれぞれ張架するので、フレーム部13の剛性が低い場合でも、たわませることなく各荷電部高圧電極11を張ることができる。
【0065】
一体化された荷電部高圧電極ユニット10Aと絶縁体8は、風路61内に設置される。このとき、絶縁体8は風路61の周壁内に嵌合され、絶縁体8の開口部81の周壁が、風洞の一部をなす構成となる。このように、荷電部高圧電極ユニット10Aと絶縁体8を一体化したものを風路61内に組み付けるようにすることで、組み立てを容易に行うことができる。
【0066】
実施の形態6.
本実施の形態6では、荷電部高圧電極の変形例を説明する。なお、本実施の形態6では、実施の形態5との相違点を中心に説明する。
図18は、実施の形態6に係る荷電部高圧電極を説明する図である。図19は、実施の形態6に係る荷電部高圧電極に絶縁体を組み合わせた状態を説明する図である。
【0067】
前述の実施の形態5では、荷電部高圧電極11の一端を自由端とする櫛状の荷電部高圧電極ユニット10Aを示した。
本実施の形態6では、図18に示すように、実施の形態5と同様に櫛形に形成された2つの荷電部高圧電極ユニット10Aを、荷電部高圧電極11の向きが互い違いになるように対向させて並べている。ここで、2つの荷電部高圧電極ユニット10Aを、便宜上、荷電部高圧電極ユニット10Aa、10Abと呼び分ける場合がある。図18に示すように、荷電部高圧電極ユニット10Aaと荷電部高圧電極ユニット10Abは、紙面上下対称に配置されている。そして、荷電部高圧電極ユニット10Aa、10Abのフレーム部13にはそれぞれ荷電用高圧電源4が接続され、荷電部高圧電極ユニット10Aa、10Abのフレーム部13はそれぞれ給電部として機能する。この2つの荷電部高圧電極ユニット10Aは、図19に示すように、実施の形態5と同様にして絶縁体8と一体化される。
【0068】
このように、荷電部1への給電部を二箇所に分散させるので、例えば断線等によって片方の給電線の導通性が失われた場合においても、他方の給電線から給電を受けて空気中の浮遊粒子や浮遊微生物に帯電させることができる。したがって、断線等の不測の事態においても、集塵性能の著しい低下を抑制することができる。
【0069】
実施の形態7.
本実施の形態7では、荷電部高圧電極の変形例を説明する。前述の実施の形態1〜6では、導電性を有する薄板に荷電部高圧電極が残るようにして切り抜き加工等を施して、複数の荷電部高圧電極を一体化した荷電部高圧電極ユニットを構成していた。本実施の形態7では、1本ずつ製作した荷電部高圧電極を複数本組み合わせる例を説明する。
【0070】
図20は、実施の形態7に係る荷電部高圧電極を説明する図である。
図20に示すように、本実施の形態7の荷電部高圧電極11Bは、実施の形態1〜3で示したのと同様のリボン状(薄板状)の両端部に、これと交差する方向に延びる接続部11b、接続部11cが連なっている。荷電部高圧電極11Bは、全体として鉤形状である。
【0071】
荷電部高圧電極11Bの製作方法は、前述の実施の形態と同様であり、導電性を持つ薄板を、プレス打ち抜き、エッチング、ワイヤー加工等により切り抜くことで荷電部高圧電極11Bを製作できる。
図21図22は、実施の形態7に係る荷電部高圧電極を一枚の板から切り出す場合の配置例を説明する図である。本実施の形態7の鉤状の荷電部高圧電極11Bは、例えば図21図22に示すように、導電性を有する一枚の薄板から切り出される。各荷電部高圧電極11Bを切り出すときの配置を工夫することで、無駄を省いて多くの荷電部高圧電極11Bを一枚の薄板から作製することができる。
【0072】
図23は、実施の形態7に係る荷電部高圧電極と絶縁体を組み合わせた状態を説明する図である。図23に示すように、複数本の荷電部高圧電極11Bを、角枠状の絶縁体8の上に所定間隔をあけて複数本並べる。このとき、荷電部高圧電極11Bが絶縁体8の開口部81の上に配置され、接続部11bと接続部11cは開口部81を挟んで絶縁体8の上に載置される。接続部11cの上には、荷電用高圧電源4に電気的に接続された給電板15が載置される。このように本実施の形態7では、絶縁体8が、複数の荷電部高圧電極11を一体化するフレーム(実施の形態1〜6のフレーム部13に相当)として機能し、絶縁体8と複数の荷電部高圧電極11とによって荷電部高圧電極ユニット10Bが構成される。
【0073】
荷電部高圧電極11Bは、給電板15を介して荷電用高圧電源4から電圧を印加される。荷電用高圧電源4から電圧を印加されると、その印加電圧と荷電部高圧電極11Bとが同電位になる。
【0074】
図24は、実施の形態7に係る荷電部高圧電極の絶縁体への組み付け部分の構成を説明する図である。図24(a)は、荷電部高圧電極11Bの一端側の接続部11c近傍の正面図、図24(b)は、断面模式図である。図24に示すように、絶縁体8の表面には、荷電部高圧電極11Bの接続部11cが嵌る溝82が形成されている。そして、絶縁体8の溝82に接続部11cを嵌め、その上に給電板15を重ね、さらにその上を絶縁体8で覆うことによって、荷電部高圧電極ユニット10Bが構成される。図24では、接続部11cと絶縁体8との組み付け部分のみを図示しているが、接続部11bについても同様である。このようにすると、荷電部高圧電極11Bを絶縁体8に組み付けるときのずれがなくなって組み立て精度のよい製品となり、また組み立て作業も容易である。なお、板状に成形した絶縁体8と荷電部高圧電極11Bとを組み合わせるのに代えて、荷電部高圧電極11Bの周りに絶縁性の樹脂を流し込んで固めてもよく、同様の効果を奏する。
【0075】
実施の形態8.
前述の実施の形態1では、荷電部1及び捕捉部2の放電電極(荷電部高圧電極11、捕捉部高圧電極31)に、それぞれ接地電極(荷電部接地電極21、捕捉部接地電極41)を設けることを説明した。本実施の形態8では、荷電部1と捕捉部2において、接地電極を共用するように構成したコロナ放電装置(以下、装置100)を説明する。本実施の形態8では、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
【0076】
図25は、実施の形態8に係るコロナ放電電極を利用した電気集塵装置の概略図である。装置100は、荷電部1と捕捉部2において共用される接地電極51を備えている。接地電極51は略平板形状を有し、その平板面が風の流れ方向と略平行になるようにして、風路61内に配置されている。風路61内には、複数の接地電極51が所定間隔をおいて配置されており、この接地電極51どうしの隙間には、荷電部高圧電極11及び捕捉部高圧電極31が配置されている。空気流れ方向において、荷電部高圧電極11が上流側、捕捉部高圧電極31が下流側に配置されている。
【0077】
図26は、実施の形態8に係る荷電部と捕捉部の構成を説明する要部の断面模式図である。図27は、実施の形態8に係る荷電部と捕捉部の構成を説明する要部の斜視図である。
荷電部高圧電極ユニット10及び荷電部高圧電極11は、実施の形態1で示したのと同様のものである。なお、実施の形態2〜7で示した荷電部高圧電極を用いてもよい。複数の荷電部高圧電極11の外周側には、枠状の絶縁体83が設けられている。この絶縁体83は、風路筐体6内の風路61を形成する風洞を兼ねている。
【0078】
捕捉部高圧電極ユニット30及び捕捉部高圧電極31は、実施の形態1で示したのと同様のものである。捕捉部高圧電極31と荷電部高圧電極11との間には、絶縁体83が介在しており、両者は直接接しないように構成されている。また、捕捉部高圧電極31の外周側には、枠状の絶縁体84が設けられている。この絶縁体84は、捕捉部高圧電極ユニット30を支持するとともに、風路筐体6内の風路61を形成する風洞の機能を兼ねている。
【0079】
接地電極ユニット50は、複数の接地電極51を一体化したものである。接地電極51は、例えば図3で示した荷電部接地電極21と同様に、一枚の薄板の一部を切り起こして形成されている。さらに本実施の形態8では、3つの接地電極ユニット50を重ね合わせている。このようにしているのは、風の流れ方向における接地電極51の長さを確保するためである。すなわち、実施の形態2で述べたように、例えば一枚の平板から複数の接地電極51を切り出す場合、接地電極51の長さを長くすると接地電極51の枚数が少なくなり、反対に接地電極51の枚数を多くしようとすると接地電極51の一枚あたりの長さが短くなってしまう。本実施の形態8は、荷電部1と捕捉部2とで接地電極51を共用する構成であるため、荷電部高圧電極11から捕捉部高圧電極31に跨るようにするためには接地電極51の長さが求められる。そこで、3つの接地電極ユニット50を重ね合わせることで、接地電極51の長さと枚数を確保している。このようにすることで、捕捉部高圧電極31の長さを長くとることができ、荷電部1からの電界力(クーロン力)及び捕捉部2からのクーロン力により捕捉効果を高めることが可能になる。なお、接地電極ユニット50の数を限定するものではなく、接地電極51に要求される長さと枚数を考慮して、任意の枚数を用いることができる。なお、接地電極ユニット50の数は3つに限定されず、荷電部高圧電極11及び捕捉部高圧電極31の空気流れ方向の長さ、風路61の幅、及び放電ギャップ長等を考慮して、適宜設定することができる。
【0080】
なお、図26図27では、接地電極ユニット50を風下に配置した例を示したが、接地電極ユニット50を荷電部高圧電極11の風上に配置してもよい。この場合、図26図27に示す接地電極ユニット50を、風の流れ方向に反転させた配置とする。
【0081】
このような構成において、送風機3が動作すると、図25の矢印に示すように、浮遊粒子や浮遊微生物を含んだ空気が風路61内を流れる。そして、荷電用高圧電源4によって荷電部高圧電極11に電圧が印加されると、荷電部高圧電極11と接地電極51との間でコロナ放電が起こり、コロナ放電によりイオンが発生し、発生したイオンが浮遊粒子や浮遊微生物に付着し、これによって浮遊粒子や浮遊微生物が帯電する。また、捕捉用高圧電源5によって捕捉部高圧電極31に電圧が印加されると、荷電部1にて帯電した浮遊粒子や浮遊微生物が、捕捉部2に電気的に捕捉される。
【0082】
本実施の形態8では、導電性を有する薄板で構成された複数の荷電部高圧電極11を間隔をあけて配置し、これら荷電部高圧電極11どうしの間に、薄板状の接地電極51をその平面が風路61の空気流れと略平行になるようにして配置した。このため、荷電部高圧電極11と接地電極51が対向しており、両者の間に放電を生じさせ、風路61内を通る浮遊粒子や浮遊微生物を帯電させることができるという実施の形態1と同様の効果を得ることができる。また、風路61の空気流れと略平行に配置された接地電極51が風洞として機能し、荷電部高圧電極11と接地電極51との間の放電部へ空気を誘導することができるので、空気に含まれる浮遊粒子や浮遊微生物を効率よく帯電させることができるという実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0083】
また、複数の荷電部高圧電極11を、導電性を有する平板の一部を刳り抜いて残した部分によって構成したので、部品点数が少なく、組み立てが容易であり、製造コストを低減できる。
また、複数の接地電極51を、導電性を有する平板の一部を切り起こすことによって構成したので、部品点数が少なく、組み立てが容易であり、製造コストを低減できる。また、接地電極51を、荷電部1と捕捉部2の放電電極として共用する構成としたので、部品点数が低減され、組み立ても容易となる。
【0084】
実施の形態9.
実施の形態9では、実施の形態1〜8で示した装置を、空気調和機の室内機に適用した構成を説明する。
【0085】
図28は、実施の形態9に係る空気調和機の室内機を説明する概略図である。
図28に示すように、空気調和機の室内機200の上部には吸込口201、下部には吹出口202が開口している。また、室内機200の内部において吸込口201の近傍には、装置100が設けられている。送風機3は、吸込口201から吸い込んだ空気を吹出口202から吹き出す室内機200の送風機を兼ねており、例えばクロスフローファンなどが用いられる。そして、室内機200の内部には、送風機3の動作によって吸込口201から吸い込んだ空気を吹出口202に導く風路(図示せず)が形成されている。この風路上に、熱交換器203が設けられている。
【0086】
送風機3が動作すると、吸込口201から室内の空気が吸い込まれ、吸い込まれた空気は装置100内に流入する。装置100内に流入した空気に含まれる浮遊粒子や浮遊微生物は、前述の実施の形態で説明したように空気中から除去され、浮遊粒子や浮遊微生物が取り除かれた後の清潔な空気が、熱交換器203にて熱交換を行い、吹出口202から室内へと吹き出される。このように、空気調和機の室内機200に装置100を設けることにより、室内に供給される空気を清浄化し、室内を快適に保つことができる。また、装置100を室内機200への空気の取入口である吸込口201近傍に取り付けることで、清浄化された空気が熱交換器203等に供給されるので、室内機200の内部を清潔に保つことができる。
【0087】
なお、本実施の形態9では、吸込口201の近傍の熱交換器203の上流側に装置100を設置した例を示したが、装置100を室内機200の吹出口202の上流側近傍に設置してもよい。このようにしても、空気中の浮遊粒子や浮流微生物を取り除いた空気を、室内に供給することができる。
【0088】
なお、装置100に代えて、実施の形態1〜8で示した荷電部1のみを、室内機200に設けてもよい。前述の実施の形態1において説明したように、荷電部1の荷電部接地電極21において浮遊粒子及び浮遊微生物を捕捉可能であるので、荷電部1だけを設けた場合、捕捉部2を設けた場合と比べて浮遊粒子や浮遊微生物の除去率が若干低下するものの、室内機200内や室内を快適に保つことができる。
【0089】
また、本実施の形態9では、装置100を空気調和機の室内機200に設けた例を説明したが、空気清浄機、テレビ、電気掃除機、換気扇に装置100を取り付けてもよい。また、空調ダクト内に装置100を直接取り付けることで、室内へ取り込む空気中の浮遊粒子、浮遊微生物を除去することが可能になる。
【0090】
なお、上記実施の形態では、荷電部1にて帯電させた浮遊粒子や浮遊微生物を、捕捉部2の電極にて捕捉することを説明したが、捕捉部2の電極に代えて、浮遊粒子や浮遊微生物を捕捉するフィルターを荷電部1の下流側に設けてもよい。
【符号の説明】
【0091】
1 荷電部、2 捕捉部、3 送風機、4 荷電用高圧電源、5 捕捉用高圧電源、6 風路筐体、7 碍子、8 絶縁体、9 スペーサー、10 荷電部高圧電極ユニット、10A 荷電部高圧電極ユニット、10Aa 荷電部高圧電極ユニット、10Ab 荷電部高圧電極ユニット、10B 荷電部高圧電極ユニット、11 荷電部高圧電極、11B 荷電部高圧電極、11a 短辺、11b 接続部、11c 接続部、12 支持部、13 フレーム部、14 折り曲げ片、15 給電板、20 荷電部接地電極ユニット、20a 荷電部接地電極ユニット、20b 荷電部接地電極ユニット、21 荷電部接地電極、22a 切断線、22b 折線、23 フレーム部、30 捕捉部高圧電極ユニット、31 捕捉部高圧電極、41 捕捉部接地電極、50 接地電極ユニット、51 接地電極、61 風路、62 枠部材、81 開口部、82 溝、83 絶縁体、84 絶縁体、100 装置、200 室内機、201 吸込口、202 吹出口、203 熱交換器。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28

【手続補正書】
【提出日】2014年10月3日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
本発明に係るコロナ放電装置は、内部に風路を有する風路筐体と、導電性を有する細線または平板で構成された複数の第一放電電極を有する放電電極ユニットと、導電性を有する平板で構成された2つの対向電極ユニットとを備え、前記対向電極ユニットのそれぞれは、平板で構成された同一形状の複数の対向電極を有しており、一方の前記対向電極ユニットの前記複数の対向電極どうしの間に、他方の前記対向電極ユニットの前記対向電極が挿入されており、前記複数の第一放電電極は、前記風路の空気流れと交差する方向に間隔をあけて配置され、導電性を有するフレームにより長手方向の少なくとも一方の端部が互いに連結されており、前記2つの対向電極ユニット前記複数の対向電極、その平面の向きが前記風路の空気流れと略平行になるようにして前記第一放電電極どうしの間に挿入され、前記複数の対向電極は導電性を有するフレームにより長手方向の少なくとも一方が互いに連結されており、前記対向電極と前記第一放電電極とが、前記風路の空気流れと交差する方向に間隔をあけて交互に配置されているものである。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0042
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0042】
しかし、図3に例示したように、荷電部接地電極ユニット20を構成する平板を、切断線22aに沿って切断して折線22bに沿って折り曲げて荷電部接地電極21を構成する場合、以下の寸法関係が成り立つ。
(数3)
B12×C+A1
但し、B1:荷電部接地電極21の長さ、C:放電ギャップ長、A1:荷電部高圧電極11の幅。
【手続補正3】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に風路を有する風路筐体と、
導電性を有する細線または平板で構成された複数の第一放電電極を有する放電電極ユニットと、
導電性を有する平板で構成された2つの対向電極ユニットとを備え、
前記対向電極ユニットのそれぞれは、平板で構成された同一形状の複数の対向電極を有しており、
一方の前記対向電極ユニットの前記複数の対向電極どうしの間に、他方の前記対向電極ユニットの前記対向電極が挿入されており、
前記複数の第一放電電極は、前記風路の空気流れと交差する方向に間隔をあけて配置され、導電性を有するフレームにより長手方向の少なくとも一方の端部が互いに連結されており、
前記2つの対向電極ユニット前記複数の対向電極、その平面の向きが前記風路の空気流れと略平行になるようにして前記第一放電電極どうしの間に挿入され、
前記複数の対向電極は導電性を有するフレームにより長手方向の少なくとも一方が互いに連結されており、
前記対向電極と前記第一放電電極とが、前記風路の空気流れと交差する方向に間隔をあけて交互に配置されている
ことを特徴とするコロナ放電装置。
【請求項2】
前記対向電極の、前記第一放電電極よりも空気流れ方向下流側の長さは、対向する前記第一放電電極との間の放電ギャップ長の2倍以上である
ことを特徴とする請求項1記載のコロナ放電装置。
【請求項3】
前記複数の対向電極のうち両端に設けられた一対の前記対向電極は、前記風路の側壁の一部を構成している
ことを特徴とする請求項1又は請求項に記載のコロナ放電装置。
【請求項4】
前記複数の第一放電電極は、導電性を有する厚さ0.05mm〜0.5mmの板部材の一部を刳り抜いて残した部分によって構成されている
ことを特徴とする請求項1〜請求項のいずれか一項に記載のコロナ放電装置。
【請求項5】
前記複数の対向電極は、導電性を有する材料で構成された板部材の一部を切り起こして構成されている
ことを特徴とする請求項1〜請求項のいずれか一項に記載のコロナ放電装置。
【請求項6】
前記放電電極ユニットのフレームと前記対向電極ユニットのフレームは、絶縁物を介して、空気流れ方向に沿って重ねられ
前記放電電極ユニットのフレームを構成する導電性材料は、熱硬化性樹脂で覆われている
ことを特徴とする請求項1〜請求項のいずれか一項に記載のコロナ放電装置。
【請求項7】
請求項1〜請求項のいずれか一項に記載のコロナ放電装置を備えたことを特徴とする空気調和機。
【国際調査報告】