特表-13161792IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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再表2013-161792熱交換器、その製造方法及び冷凍サイクル装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2013年10月31日
【発行日】2015年12月24日
(54)【発明の名称】熱交換器、その製造方法及び冷凍サイクル装置
(51)【国際特許分類】
   F28F 1/32 20060101AFI20151201BHJP
   F28F 1/02 20060101ALI20151201BHJP
   F28F 21/08 20060101ALI20151201BHJP
   F28D 1/053 20060101ALI20151201BHJP
   F25B 39/00 20060101ALI20151201BHJP
【FI】
   F28F1/32 B
   F28F1/02 A
   F28F1/32 U
   F28F21/08 A
   F28D1/053 A
   F25B39/00 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】17
【出願番号】特願2014-512594(P2014-512594)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2013年4月23日
(11)【特許番号】特許第5832641号(P5832641)
(45)【特許公報発行日】2015年12月16日
(31)【優先権主張番号】PCT/JP2012/002897
(32)【優先日】2012年4月27日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098604
【弁理士】
【氏名又は名称】安島 清
(74)【代理人】
【識別番号】100087620
【弁理士】
【氏名又は名称】高梨 範夫
(74)【代理人】
【識別番号】100125494
【弁理士】
【氏名又は名称】山東 元希
(74)【代理人】
【識別番号】100153936
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 健誠
(74)【代理人】
【識別番号】100160831
【弁理士】
【氏名又は名称】大谷 元
(74)【代理人】
【識別番号】100166084
【弁理士】
【氏名又は名称】横井 堅太郎
(72)【発明者】
【氏名】李 相武
(72)【発明者】
【氏名】松田 拓也
(72)【発明者】
【氏名】石橋 晃
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 多佳志
【テーマコード(参考)】
3L103
【Fターム(参考)】
3L103AA01
3L103AA37
3L103BB42
3L103CC22
3L103DD33
3L103DD85
(57)【要約】
所定の間隔で積層され、その間を空気が流れるアルミニウムを含む金属製の挿入孔を有する板状の複数のフィン11と、長辺側を直線とし、短辺側を半円状の曲線とした形状を断面とし、長辺側の両側外周表面とフィン11と接する短辺側の外周表面とにロウ材が被覆された管であり、フィン11の積層方向に沿って冷媒が管内を流れるようにフィンに挿入されるアルミニウムを含む金属製の複数の扁平管12とを備え、フィン11のフィンカラー18の先端部と扁平管12とが接触し、フィンカラー18の根元部と扁平管12との間には隙間を有し、扁平管12は、短辺側に被覆するロウ材の厚さを長辺側に被覆するロウ材の厚さよりも薄くし、扁平管12の外周表面に被覆したロウ材を有するロウクラッド材15によりフィン11と扁平管12とを接合し、容易に、確実に接合を行うようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の間隔で積層され、その間を空気が流れるアルミニウムを含む金属製の挿入孔を有する板状の複数のフィンと、
長辺側を直線とし、短辺側を半円状の曲線とした形状を断面とし、前記長辺側の両側外周表面と前記フィンと接する前記短辺側の外周表面とにロウ材が被覆された管であり、前記フィンの積層方向に沿って冷媒が管内を流れるように前記フィンに挿入されるアルミニウムを含む金属製の複数の扁平管とを備え、
前記フィンのフィンカラーの先端部と前記扁平管とが接触し、前記フィンカラーの根元部と前記扁平管との間には隙間を有し、前記扁平管は、前記短辺側に被覆するロウ材の厚さを前記長辺側に被覆するロウ材の厚さよりも薄くし、前記扁平管に被覆したロウ材により前記フィンと前記扁平管とを接合した熱交換器。
【請求項2】
前記長辺側に被覆するロウ材の厚さを全厚肉の3〜7パーセントの範囲にする請求項1に記載の熱交換器。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の熱交換器の扁平管を製造する方法であって、
あらかじめロウ材を被覆したアルミニウムを含む金属製の板を分割する工程と、
分割した板の切断面に冷媒の流路となる凹部をそれぞれ形成する工程と、
前記凹部を対向させて前記分割した板を接合する工程と
を有する熱交換器の製造方法。
【請求項4】
冷媒を圧縮して吐出する圧縮機と、熱交換により前記冷媒を凝縮させる凝縮器と、凝縮に係る冷媒を減圧させるための絞り装置と、減圧に係る冷媒と空気とを熱交換して前記冷媒を蒸発させる蒸発器とを配管接続して冷媒回路を構成し、
前記蒸発器、前記凝縮器の少なくとも一方を請求項1又は2に記載の熱交換器とすることを特徴とする冷凍サイクル装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷媒と空気との間で熱交換を行う熱交換器等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の熱交換器に、板状のフィンを多数平行に配置して治具で固定し、各フィンと伝熱管となる扁平管とを挿入し、ロウ材を配置して各フィンと各扁平管とを接合して固定する熱交換器がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−281693号公報(図9図12等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような熱交換器においては、例えばロウ材がうまく配置されていないと、ロウ付け時に溶融したロウ材が例えばロウ材がフィン上に流れてしまい、フィンを溶かしてしまう可能性があった。また、フィンと扁平管との隙間に入り込んで行かないことがあるため、フィンと扁平管との接合がうまくなされない可能性があった。
【0005】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、フィンと扁平管との接合を容易に確実に行うことができる熱交換器等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る熱交換器は、所定の間隔で積層され、その間を空気が流れるアルミニウムを含む金属製の挿入孔を有する板状の複数のフィンと、長辺側を直線とし、短辺側を半円状の曲線とした形状を断面とし、長辺側の両側外周表面とフィンと接する短辺側の外周表面とにロウ材が被覆された管であり、フィンの積層方向に沿って冷媒が管内を流れるようにフィンに挿入されるアルミニウムを含む金属製の複数の扁平管とを備え、フィンのフィンカラーの先端部と扁平管とが接触し、フィンカラーの根元部と扁平管との間には隙間を有し、扁平管は、短辺側に被覆するロウ材の厚さを長辺側に被覆するロウ材の厚さよりも薄くし、扁平管に被覆したロウ材によりフィンと扁平管とを接合したものである
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、扁平管に被覆したロウ材により、扁平管と板状フィンとのロウ付けを行って接合することで、容易に、確実に接合を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施の形態1に係る熱交換器を有する室内ユニットの構成を示す図である。
図2】本発明の実施の形態1における主熱交換器10の一部を示す図である。
図3】フィン11と扁平管12との接合部分を説明する図である。
図4】本発明の実施の形態1に係る扁平管12の断面を示す図である。
図5】本発明の実施の形態2に係る扁平管12の断面を示す図である。
図6】本発明の実施の形態3に係るロウクラッド材15の厚さと熱交換率との関係を表す図である。
図7】本発明の実施の形態4に係る扁平管12の製造工程を説明するための図である。
図8】本発明の実施の形態5における冷凍サイクル装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1に係る熱交換器を有する室内ユニットの構成を示す図である。ここでは空気調和を行う空気調和装置(冷凍サイクル装置)において、空調対象空間側に配置する室内ユニットを例にして説明する。ただし、本発明の熱交換器は室内ユニットの熱交換器として限定するものではない。ここで、以下においては、図の左側を前面、右側を背面として説明する。また、機器等について、特に区別したり、特定したりする必要がない場合には、添字を省略して記載する場合もある。また、以下で説明する温度、圧力の高低については、特に絶対的な値との関係で高低等が定まっているものではなく、装置等における状態、動作等において相対的に定まる関係に基づいて表記しているものとする。
【0010】
図1において、室内ユニット1のケーシング2と前面パネル3と間の上部に、空気の吸込み口5を有する天面パネル4を設ける。そして、天面パネル4の内側(下流側)にはフィルタ6を設置する。ドレンパン7a、7bは、熱交換により生じる水分を受ける。また、吸込み口5の下流側に送風機8を配置する。そして、送風機8の下流側には吹出し口9を有している。
【0011】
第1の主熱交換器10a、10bは室内ユニット1の前面側上部(フィルタ6と送風機8との間)において、空気の流れ方向(矢印で示す)に対して2列に設置されている。また、第2の主熱交換器10c、10dは第1の熱交換器10a、10bの下部において、空気の流れ方向に対して2列に配設されている。そして、第3の主熱交換器10e,10fは室内ユニット1の背面側上部において、空気の流れ方向に対して2列に配設されている。第1〜第3の主熱交換器10a〜10fは、平板状のフィン11と伝熱管となる扁平管12を有するフィンチューブ型の熱交換器である。ここで、2列に並んだ主熱交換器10aと10b、10cと10d、10eと10fにおいては、扁平管12が千鳥状になるような配置関係にある。以下、第1〜第3の主熱交換器10a〜10fを、単に主熱交換器10と記すことがある。
【0012】
また、補助熱交換器20a、20b、20cはフィン21に円管からなる伝熱管22を取付けて構成している。そして、第1〜第3の主熱交換器10の空気の流れに対して上流側にそれぞれ配設する。
【0013】
図2は本発明の実施の形態1における主熱交換器10の一部を示す図である。図2(a)は部分斜視図を示している。また、図2(b)はフィン11と扁平管12との関係を示す部分拡大図である。本実施の形態の主熱交換器10は、前述したように、断面形状の一部が曲線となっている扁平状の伝熱管である扁平管12を有する扁平管熱交換器について説明する。図2(a)において、実施の形態1の主熱交換器10は、冷媒が流れる方向と垂直に切断した断面において、長辺部分が直線で、短辺部分が例えば半円状等の曲線とした扁平状の複数の扁平管12を有する。複数の扁平管12は、管内に流す冷媒の流路方向とは直交する方向に、一定間隔をおいて平行に配列している。また、挿入孔16が設けられた複数の平板状(矩形状)のフィン11を有する。フィン11は冷媒の流路方向(扁平管12の並び方向と直交する方向)で一定間隔に平行に配列させる。そして、平板状のフィン11の挿入孔16に挿入された扁平管12とを備え、フィン11と扁平管12との接触部分(ロウ付け部13)をロウ付けにより接合している。ここで、フィン11及び扁平管12は、アルミニウム又はアルミニウム合金を材料として用いる。本実施の形態においてはアルミニウムを材料とする。アルミニウム等を材料とすることにより、熱交換効率の向上、軽量化、小型化等をはかることができる。ここで、本実施の形態のフィン11については、扁平管12の長辺に沿う、幅方向(扁平管12を楕円としたときの長軸方向)の長さよりも扁平管12の短辺に沿う、並び方向(扁平管12を楕円としたときの短軸方向)の方が長い矩形状であるため、扁平管12の並び方向を長手方向とし、扁平管12の幅方向を短手方向とする。
【0014】
図3は、フィン11と扁平管12との接合部分を説明する図である。フィン11は、長手方向に複数の挿入孔16を有している。各挿入孔16は各扁平管12に対応するため、例えば、扁平管12と同数かつ同間隔(両端を除く)で設けている。また、各挿入孔16の間にフィン11の一部を切り起こして形成したスリット17を設けている。そして、各挿入孔16の縁には、フィン11に対して垂直方向に立ち上げられたフィンカラー18が設けられている。扁平管12とフィンカラー18とは、フィンカラー18の先端部において扁平管12と接触している。フィンカラー18の根元部においては扁平管12とフィンカラー18との間は隙間を有している。扁平管12とフィンカラー18との間に隙間があると、扁平管12を平板状フィン11の挿入孔16に挿入しやすくなる。扁平管12とフィンカラー18との隙間は2μmから30μmが好ましい。そして、図3に示すように、扁平管12とフィン11(フィンカラー18)とをロウ付け部13においてロウ材で接合することで、各扁平管12と各フィン11とを固定している。ここで、例えば扁平管12の表面にロウクラッド材15を有していると、隙間が2μm以下の場合、扁平管12にフィンカラー18を挿入するのが難しい。また、隙間が30μm以上の場合には、扁平管12とフィンカラー18とを有効に接合することができない。このため、扁平管12とフィンカラー18との隙間を2μmから30μmとしている。
【0015】
図4は本発明の実施の形態1に係る扁平管12の断面を示す図である。扁平管12内には、幅方向に、複数の孔(冷媒流路)14が並んで設けられている。冷媒流路14内には例えば主熱交換器10を通過する空気と熱交換をさせるための冷媒が流れる。ここで、冷媒流路14には、内周面に螺旋状の溝が形成されている。この溝により、冷媒の相変化を効率よく行い、管内の表面積増加、流体攪拌効果、溝の毛細管作用による液膜保持効果等により、伝熱管の伝熱性能の改善をはかる。
【0016】
また、本実施の形態においては、溶融させてフィン11と扁平管12とをロウ付けするためのロウ材をクラッド(被覆)したロウクラッド材15を、扁平管12の長辺側の両側外周表面と扁平管12のフィン11が接する短辺側の外周表面に形成して有している。本実施の形態では、フィン11及び扁平管12の材料がアルミニウムであるため、アルミニウムにシリコンを含有したAl−Si系(アルミニウム−シリコン系)の合金をロウ材としてロウクラッド材15を形成している。
【0017】
ロウクラッド材15を扁平管12の長辺側の両側外周表面と扁平管12のフィン11が接する短辺側の外周表面に形成して、扁平管12にフィン11を挿入してロウ付けを行うようにすることで、ロウ付けを容易に行うことができる。このとき、ロウ材がロウ付け部13にまんべんなく行き渡った状態でロウ付けをすることができる。ここで、フィン11となるアルミニウム板にロウクラッド材を形成することも考えられるが、ロウ材はアルミニウムよりも硬い合金である。このため、例えばフィン11を成型する際、加工に用いる金型が破損しやすくなり、加工コストが増加する。また、フィン11となるアルミニウム板にロウクラッド材を形成すると、フィン11を製作するための加工が難しくなる。このため、スリットの高さを確保することが困難となり、熱交換の性能が低下する。以上のことから、本実施の形態においては、扁平管12にロウクラッド材15を形成するようにしている。
【0018】
以上のように、実施の形態1の熱交換器によれば、扁平管12の長辺側の両側外周表面と扁平管12のフィン11が接する短辺側の外周表面に形成したロウクラッド材15により、主熱交換器10を構成するフィン11と扁平管12とをロウ付けして接合するようにしたので、容易に、確実に接合することができる。接合を確実に行うことができるので、熱交換効率の向上をはかることができる。
【0019】
実施の形態2.
図5は本発明の実施の形態2に係る扁平管12の断面を示す図である。図4に示すように、本実施の形態の扁平管12では、外周表面の短辺部分におけるロウクラッド材15と長辺部分におけるロウクラッド材15の厚さが異なるように形成する。例えば、外周表面の短辺部分におけるロウクラッド材15を長辺部分におけるロウクラッド材15よりも薄く形成している(長辺部分におけるロウクラッド材15を厚く形成している)。場合によっては、長辺部分のみにロウクラッド材15を形成するようにしてもよい。
【0020】
前述した実施の形態1の扁平管12は、外周表面全体にロウクラッド材15を形成するものであった。例えば、ロウ付けを行っているときに、溶融したロウ材が重力等によって伝ってくることがある。このとき、ロウ材が多いと短辺部分に余剰のロウ材がまわり込むことがある。このままロウ材が固まると、接合部分以外にはみ出したロウ材がフィン11間の隙間を小さくして熱交換器における通風を阻害する可能性がある。そこで、溶融したロウ材がはみ出すことがないように、本実施の形態では、短辺部分におけるロウクラッド材15を長辺部分より薄くなるように形成し、フィン11と扁平管12との隙間を伝ってきたロウ材により短辺部分をロウ付けして接合するようにする。
【0021】
以上のように、実施の形態2の熱交換器によれば、外周表面の短辺部分のロウクラッド材15を薄く形成するようにしたので、ロウ付け時において、短辺部分に余剰のロウ材が回り込むことがなく、通風を阻害することがなくなる。
【0022】
実施の形態3.
図6は本発明の実施の形態3に係るロウクラッド材15の厚さと熱交換率との関係を表す図である。図5において、横軸は扁平管12の全肉厚(短辺方向長さ)に対するロウクラッド材15の厚さの割合をクラッド率(百分率)として表し、縦軸は熱交換率(百分率)を表している。
【0023】
例えばクラッド率が低すぎる(約3パーセント以下)場合には、フィン11と扁平管12とを接合するためのロウ材が不足し、接合不良が発生するため、熱交換率が悪くなる。また、クラッド率が高すぎる(約7パーセント以上)場合には、ロウクラッド材15が溶融したときにフィン11と扁平管12との隙間が広がる。長辺部分におけるフィン11と扁平管12との隙間が広がると、隙間にロウ材を保持できなくなってしまい、接合不良が発生する。また、長辺部分でロウ材が不足すると共に、短辺部分に多くのロウ材がまわり込むことになる。このため、余剰のロウ材がフィン11間の隙間を小さくし、空気側の圧力損失(通風抵抗)が増加する。以上より熱交換率が悪くなる。
【0024】
以上のことから、扁平管12の全肉厚に対するロウクラッド材15の厚さの割合を3〜7パーセントとした扁平管12とフィン11とを接合して熱交換器を作成することがよい。
【0025】
実施の形態4.
図7は本発明の実施の形態4に係る扁平管12の作製工程を説明するための図である。図7に基づいて、本実施の形態における扁平管12の製造の一例について説明する。本実施の形態においては、一般に市販等がされている、母材表面にロウクラッド材15を形成したビレット30を材料とする(図7(a))。
【0026】
そして、ビレット30を2つに分割する(図7(b))。そして、切断面側にそれぞれ冷媒流路14となる凹部31を形成する(図7(c))。凹部31を形成する際には、前述した螺旋状の溝も形成しておく。そして切断面同士(凹部31を形成した面)を対向させて結合し、扁平管12を作製する。
【0027】
あらかじめ母材表面にロウクラッド材15を形成したビレット30を用いて加工することで、加工に係る時間、費用等、コストを削減することができる。
【0028】
ここでは市販等されているロウクラッド材15を形成したビレット30を用いたが、別の方法で作成することもできる。例えば、ビレットに押し出し成型により冷媒流路14を加工して、扁平管12を作製した後、扁平管12表面にロウ材を塗布等してロウクラッド材15を形成するようにしてもよい。
【0029】
実施の形態5.
図8は本発明の実施の形態5における冷凍サイクル装置の構成を示す図である。図8の冷凍サイクル装置は、圧縮機100、凝縮器200、膨張弁300及び蒸発器400を配管接続して冷媒回路(冷媒循環回路)を構成している。ここで、温度の高低、圧力の高低については、特に絶対的な値との関係で高低等が定まっているものではなく、装置内の冷媒等における状態、動作等において相対的に定まるものとする。
【0030】
圧縮機100は冷媒を吸入し、圧縮して高温・高圧の状態にして吐出する。ここで、例えばインバータ回路等により回転数を制御し、冷媒の吐出量を調整できるタイプの圧縮機で構成するとよい。熱交換器となる凝縮器200は、例えば送風機(図示せず)から供給される空気と冷媒との間で熱交換を行い、冷媒を凝縮させて液状の冷媒にする(凝縮液化させる)ものである。
【0031】
また、膨張弁(減圧弁、絞り装置)300は、冷媒を減圧して膨張させるものである。例えば電子式膨張弁等の流量制御手段で構成するが、例えば、感温筒を有する膨張弁、毛細管(キャピラリ)等の冷媒流量調節手段等で構成してもよい。蒸発器400は、空気等との熱交換により冷媒を蒸発させて気体(ガス)状の冷媒にする(蒸発ガス化させる)ものである。
【0032】
ここで、蒸発器400、凝縮器200の少なくとも一方に、実施の形態1〜4において説明した、扁平管12を有する熱交換器を用いることができる。これにより、伝熱性能を向上させることができる。伝熱性能が向上することにより、エネルギー効率がよく、省エネルギーの冷凍サイクル装置を得ることができる。
【0033】
次に、冷凍サイクル装置の各構成機器における動作等を、冷媒回路を循環する冷媒の流れに基づいて説明する。まず、圧縮機100は、冷媒を吸入し、圧縮して高温・高圧の状態にして吐出する。吐出した冷媒は凝縮器200へ流入する。凝縮器200は、送風機500から供給される空気と冷媒との間で熱交換を行い、冷媒を凝縮液化させる。凝縮液化した冷媒は膨張弁300を通過する。膨張弁300は、通過する凝縮液化した冷媒を減圧する。減圧した冷媒は蒸発器400に流入する。蒸発器400は、例えば熱負荷(熱交換対象)との熱交換により冷媒を蒸発ガス化する。蒸発ガス化した冷媒を圧縮機100が吸入する。ここでは蒸発器400において熱負荷と熱交換を行っているが、熱負荷を過熱する場合には凝縮器200で行うようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0034】
例えば、上述の実施の形態1等においては、空気調和装置の室内ユニットが有する熱交換器について説明したが、これに限定するものではない。空気調和装置の室外ユニットが有する熱交換器にも適用することができる。また、他の冷凍サイクル装置の蒸発器、凝縮器等に用いる熱交換器にも適用することができる。
【符号の説明】
【0035】
1 室内ユニット、2 ケーシング、3 前面パネル、4 天面パネル、5 吸込み口、6 フィルタ、7a,7b ドレンパン、8 送風機、9 吹出し口、10,10a〜10f 主熱交換器、11 フィン、12 扁平管、13 ロウ付け部、14 冷媒流路、15 ロウクラッド材、16 挿入孔、17 スリット、18 フィンカラー、20a〜20c補助熱交換器、21 フィン、22 伝熱管、30 ビレット、31 凹部、100 圧縮機、200 凝縮器、300 膨張弁、400 蒸発器。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8

【手続補正書】
【提出日】2014年10月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明に係る熱交換器は、間隔をあけて並べられ、その間を空気が流れ挿入孔を有する板状の複数のフィンと、長辺側を直線とし、短辺側を半円状の曲線とした形状を断面とし、長辺側の両側外周表面とフィンと接する短辺側の外周表面とにロウ材が被覆された管であり、フィンの積層方向に沿って冷媒が管内を流れるようにフィンに挿入され複数の扁平管とを備え、フィンのフィンカラーの先端部と扁平管とが接触し、フィンカラーの根元部と扁平管との間には隙間を有し扁平管に被覆したロウ材によりフィンと扁平管とを接合し、長辺側に被覆するロウ材の厚さを全厚肉の3〜7パーセントの範囲にしたものである。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
間隔をあけて並べられ、その間を空気が流れ挿入孔を有する板状の複数のフィンと、
長辺側を直線とし、短辺側を半円状の曲線とした形状を断面とし、前記長辺側の両側外周表面と前記フィンと接する前記短辺側の外周表面とにロウ材が被覆された管であり、前記フィンの積層方向に沿って冷媒が管内を流れるように前記フィンに挿入され複数の扁平管とを備え、
前記フィンのフィンカラーの先端部と前記扁平管とが接触し、前記フィンカラーの根元部と前記扁平管との間には隙間を有し前記扁平管に被覆したロウ材により前記フィンと前記扁平管とを接合し、前記長辺側に被覆するロウ材の厚さを全厚肉の3〜7パーセントの範囲にした熱交換器。
【請求項2】
間隔をあけて並べられ、その間を空気が流れる挿入孔を有する板状の複数のフィンと、
長辺側を直線とし、短辺側を半円状の曲線とした形状を断面とし、前記長辺側の両側外周表面と前記フィンと接する前記短辺側の外周表面とにロウ材が被覆された管であり、前記フィンの積層方向に沿って冷媒が管内を流れるように前記フィンに挿入される複数の扁平管とを備え、
前記フィンのフィンカラーの先端部と前記扁平管とが接触し、前記フィンカラーの根元部と前記扁平管との間には隙間を有し、前記扁平管は、前記短辺側に被覆するロウ材の厚さを前記長辺側に被覆するロウ材の厚さよりも薄くし、前記扁平管に被覆したロウ材により前記フィンと前記扁平管とを接合した熱交換器。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の熱交換器の扁平管を製造する方法であって、
あらかじめロウ材を被覆し板を分割する工程と、
分割した板の切断面に冷媒の流路となる凹部をそれぞれ形成する工程と、
前記凹部を対向させて前記分割した板を接合する工程と
を有する熱交換器の製造方法。
【請求項4】
冷媒を圧縮して吐出する圧縮機と、熱交換により前記冷媒を凝縮させる凝縮器と、凝縮に係る冷媒を減圧させるための絞り装置と、減圧に係る冷媒と空気とを熱交換して前記冷媒を蒸発させる蒸発器とを配管接続して冷媒回路を構成し、
前記蒸発器、前記凝縮器の少なくとも一方を請求項1又は2に記載の熱交換器とすることを特徴とする冷凍サイクル装置。
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正の内容】
図1
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図7
【補正方法】変更
【補正の内容】
図7
【国際調査報告】