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再表2013-161793無線パラメータ制御装置、無線基地局、無線パラメータ制御方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2013年10月31日
【発行日】2015年12月24日
(54)【発明の名称】無線パラメータ制御装置、無線基地局、無線パラメータ制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04W 24/02 20090101AFI20151201BHJP
   H04W 92/14 20090101ALI20151201BHJP
   H04W 16/18 20090101ALI20151201BHJP
【FI】
   H04W24/02
   H04W92/14
   H04W16/18
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】30
【出願番号】特願2014-512595(P2014-512595)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2013年4月23日
(31)【優先権主張番号】特願2012-98604(P2012-98604)
(32)【優先日】2012年4月24日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079005
【弁理士】
【氏名又は名称】宇高 克己
(72)【発明者】
【氏名】小林 航生
(72)【発明者】
【氏名】菅原 弘人
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA23
5K067EE10
5K067EE16
5K067JJ43
5K067LL01
(57)【要約】
本発明の課題は、他の無線セルの無線パラメータの変更によって生じる通信環境の変化を考慮しながら、無線セルの無線パラメータを制御することが可能な無線パラメータ制御装置を提供することである。本発明にかかる無線パラメータ制御装置は、第1の無線セルの無線パラメータの決定に用いる第1の測定情報に、第2の無線セルの無線パラメータの変更によって影響を受ける無線セルにおける、前記第2の無線セルの無線パラメータの変更によって無効となる第2の測定情報が含まれているか否かを判定する測定情報判定部と、前記第2の無線セルの無線パラメータの変更によって影響を受ける無線セルを決定する影響セル決定部と、前記測定情報判定部における判定結果に応じて、前記第1の無線セルの無線パラメータを決定する無線パラメータ決定部とを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線基地局が管理する無線セルの無線パラメータを制御する無線パラメータ制御装置であって、
第1の無線セルの無線パラメータの決定に用いる第1の測定情報に、第2の無線セルの無線パラメータの変更によって影響を受ける無線セルにおける、前記第2の無線セルの無線パラメータの変更によって無効となる第2の測定情報が含まれているか否かを判定する測定情報判定部と、
前記第2の無線セルの無線パラメータの変更によって影響を受ける無線セルを決定する影響セル決定部と、
前記測定情報判定部における判定結果に応じて、前記第1の無線セルの無線パラメータを決定する無線パラメータ決定部と、
を備える無線パラメータ制御装置。
【請求項2】
前記測定情報判定部は、
前記第1の測定情報に、前記第2の無線セルの無線パラメータの変更によって影響を受ける無線セルにおける測定情報が含まれる場合、前記影響を受ける無線セルにおける測定情報を前記無効となる第2の測定情報と判定する、請求項1に記載の無線パラメータ制御装置。
【請求項3】
前記測定情報判定部は、
前記第1の測定情報に、前記第2の無線セルの無線パラメータの変更時刻以前の測定情報が含まれる場合、前記第2の無線セルの無線パラメータの変更時刻以前の測定情報を前記無効となる第2の測定情報と判定する、請求項1又は2に記載の無線パラメータ制御装置。
【請求項4】
前記無線パラメータ決定部は、
前記第1の測定情報に、前記第2の測定情報が含まれている場合、前記第1の無線セルの無線パラメータの変更を抑制する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の無線パラメータ制御装置。
【請求項5】
前記無線パラメータの変更の抑制は、前記無線パラメータを変更しない、前記第1の測定情報を用いて決定される無線パラメータの変更値に対して、変更量を小さくする補正を加える、及び、無線パラメータの変更時刻を延期する、のいずれかである請求項4に記載の無線パラメータ制御装置。
【請求項6】
前記測定情報判定部は、
前記第1の測定情報に含まれる前記第2の測定情報の割合を求め、
前記無線パラメータ決定部は、
前記割合に基づいて、前記無線パラメータの変更を抑制する強さを決定する、
請求項4又は5に記載の無線パラメータ制御装置。
【請求項7】
前記無線パラメータ決定部は、
前記第1の測定情報に、前記第2の測定情報が含まれている場合、前記第1の測定情報から前記第2の測定情報を除いた情報を重視して、前記第1の無線セルの無線パラメータを決定する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の無線パラメータ制御装置。
【請求項8】
前記影響セル決定部は、
前記第2の無線セルの無線パラメータの変更によって、収容する無線端末に変化が生じる第3の無線セルを予測し、前記第3の無線セルを前記第2の無線セルの無線パラメータの変更によって影響を受ける無線セルと決定する、
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の無線パラメータ制御装置。
【請求項9】
前記影響セル決定部は、
前記無線端末における測定情報、ハンドオーバ関連情報及び無線セルの位置、の少なくとも1つを用いて、前記第3の無線セルを予測する、請求項8に記載の無線パラメータ制御装置。
【請求項10】
前記第2の無線セルの無線パラメータの変更によって、測定情報に変化が生じた第4の無線セルを判定する影響判定部をさらに備え、
前記影響セル決定部は、
前記第2の無線セルの無線パラメータの変更によって影響を受ける無線セルに、前記第4の無線セルを含める、
請求項1乃至9のいずれか1項に記載の無線パラメータ制御装置。
【請求項11】
前記無線パラメータ決定部は、
前記第1の無線セルの無線パラメータを変更することを決定した後に、前記第1の無線セルの識別子、及び、前記無線パラメータの変更時刻の少なくとも一つを無線パラメータ変更情報として記憶する、
請求項1乃至10のいずれか1項に記載の無線パラメータ制御装置。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれか1項に記載の無線パラメータ制御装置を備え、
自身の管理する無線セルの無線パラメータの変更によって影響を受ける無線セルに関する情報と、前記自身の管理する無線セルにおいて変更された無線パラメータ変更情報とを、他の無線基地局と交換する、無線基地局。
【請求項13】
無線基地局が管理する無線セルにおける無線パラメータ制御方法であって、
第2の無線セルの無線パラメータの変更によって影響を受ける無線セルを決定し、第1の無線セルの無線パラメータの決定に用いる第1の測定情報に、前記第2の無線セルの無線パラメータの変更によって影響を受ける無線セルにおける、前記第2の無線セルの無線パラメータの変更によって無効となる第2の測定情報が含まれているか否かを判定し、
前記判定結果に応じて、前記第1の無線セルの無線パラメータを決定する、無線パラメータ制御方法。
【請求項14】
前記第1の測定情報に、前記第2の測定情報が含まれているか否かを判定する際に、
前記第1の測定情報に、前記第2の無線セルの無線パラメータの変更によって影響を受ける無線セルにおける測定情報が含まれる場合、前記影響を受ける無線セルにおける測定情報を無効となる前記第2の測定情報と判定する、
請求項13に記載の無線パラメータ制御方法。
【請求項15】
前記第1の測定情報に、前記第2の測定情報が含まれているか否かを判定する際に、
前記第1の測定情報に、前記第2の無線セルの無線パラメータの変更時刻以前の測定情報が含まれる場合、前記第2の無線セルの無線パラメータの変更時刻以前の測定情報を無効となる前記第2の測定情報と判定する、
請求項13又は14に記載の無線パラメータ制御方法。
【請求項16】
前記第1の無線セルの無線パラメータを決定する際に、
前記第1の測定情報に、前記第2の測定情報が含まれている場合、前記第1の無線セルの無線パラメータの変更を抑制する、
請求項13乃至15のいずれか1項に記載の無線パラメータ制御方法。
【請求項17】
前記無線パラメータの変更の抑制は、前記無線パラメータを変更しない、前記第1の測定情報を用いて決定される無線パラメータの変更値に対して、変更量を小さくする補正を加える、及び、無線パラメータの変更時刻を延期する、のいずれかである
請求項16に記載の無線パラメータ制御装置。
【請求項18】
前記第1の無線セルの無線パラメータを決定する際に、
前記第1の測定情報に含まれる前記第2の測定情報の割合を求め、
前記割合に基づいて、前記無線パラメータの変更を抑制する強さを決定する、
請求項16又は17に記載の無線パラメータ制御方法。
【請求項19】
前記第1の無線セルの無線パラメータを決定する際に、
前記第1の測定情報に、前記第2の測定情報が含まれている場合、前記第1の測定情報から前記第2の測定情報を除いた情報を重視して、前記第1の無線セルの無線パラメータを決定する、
請求項13乃至15のいずれか1項に記載の無線パラメータ制御方法。
【請求項20】
前記第2の無線セルの無線パラメータの変更によって影響を受ける無線セルを決定する際に、
前記第2の無線セルの無線パラメータの変更によって、収容する無線端末に変化が生じる第3の無線セルを予測し、前記第3の無線セルを前記第2の無線セルの無線パラメータの変更によって影響を受ける無線セルと決定する、
請求項13乃至19のいずれか1項に記載の無線パラメータ制御方法。
【請求項21】
前記第2の無線セルの無線パラメータの変更によって影響を受ける無線セルを決定する際に、
前記無線端末における測定情報、ハンドオーバ関連情報及び無線セルの位置、の少なくとも1つを用いて、前記第3の無線セルを予測する、
請求項20に記載の無線パラメータ制御方法。
【請求項22】
前記第2の無線セルの無線パラメータの変更によって影響を受ける無線セルを決定する際に、
前記第2の無線セルの無線パラメータの変更によって、測定情報に変化が生じた第4の無線セルを判定し、
前記第2の無線セルの無線パラメータの変更によって影響を受ける無線セルに、前記第4の無線セルを含める、
請求項13乃至21のいずれか1項に記載の無線パラメータ制御方法。
【請求項23】
無線基地局が管理する無線セルにおける無線パラメータ制御をコンピュータに実行させるプログラムであって、
第2の無線セルの無線パラメータの変更によって影響を受ける無線セルを決定するステップと、
第1の無線セルの無線パラメータの決定に用いる第1の測定情報に、前記第2の無線セルの無線パラメータの変更によって影響を受ける無線セルにおける、前記第2の無線セルの無線パラメータの変更によって無効となる第2の測定情報が含まれているか否かを判定するステップと、
前記判定結果に応じて、前記第1の無線セルの無線パラメータを決定するステップと、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は無線通信網における無線パラメータ制御装置、無線基地局、無線パラメータ制御方法、およびプログラムに関し、特に複数の無線セルの無線パラメータを制御するのに適した無線パラメータ制御装置、無線基地局、無線パラメータ制御方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話に代表されるセルラ方式の無線通信網は、複数の無線基地局を分散して配置することにより、広域なサービスエリアを構成する。各無線基地局は、自身と通信可能な範囲である無線セルを形成する。通常は1〜6程度の無線セルが、1つの無線基地局によって管理される。
【0003】
無線基地局の設置時や運用中には、通信不能なエリア(Coverage hole)を減らし、さらには無線端末(UE; User Equipment)の無線品質(受信電力や信号対干渉比など)や通信品質(スループットや呼の異常切断率、ハンドオーバ失敗率など)を改善することを目的として、無線セルの無線パラメータの最適化が行われる。一般的には、現地にて専用の測定器を用いた走行試験を実施し、電波の受信電力や干渉状況、呼の異常切断やハンドオーバ失敗の発生有無、スループットなどを測定する。そして、受信電力が不十分な場所(Weak coverage)や、強い干渉を受けている場所(Pilot pollution)などを特定し、これらの問題を解消するための無線パラメータの調整が行われる。調整される無線パラメータとしては、例えば、無線セルのアンテナチルト角、アンテナ方位角、送信電力、ハンドオーバパラメータなどが一般的である。
【0004】
上述の走行試験に基づく無線セルの無線パラメータの最適化は、人手による測定ならびにチューニング作業を伴うため、無線通信網の運用コストの増加の一因となっている。そこで、こうした無線パラメータの最適化にかかるコストを削減するために、無線セルの無線パラメータを自律的に最適化する技術の開発および標準化が進められている。例えば、3GPP(3rd Generation Partnership Project)において標準化が進められているSON(Self Organizing Network)などがその一例である。
【0005】
特許文献1には、負荷分散のための無線セルの無線パラメータの最適化方法が開示されている。特許文献1に開示された方法によれば、無線セルのトラフィック負荷を測定し、当該無線セル(無線セルA)のトラフィック負荷が高い時には、無線セルAの周辺に存在するトラフィック負荷の低い無線セルのうち、無線セルAとの重なりが大きい無線セル(無線セルB)を選択する。そして、無線セルBのカバレッジを拡大するとともに、無線セルAのカバレッジを縮小する。一方、無線セルAのトラフィック負荷が低い時には、無線セルBのカバレッジを縮小するとともに、無線セルAのカバレッジを拡大する。以上の制御を、全ての無線セルについて順次実行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2000/072618号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に開示された方法は、無線セルの無線パラメータを決定する際に、他の無線セルの無線パラメータの変更によって生じる通信環境の変化を考慮していない。すなわち、他の無線セルの無線パラメータの変更によって通信環境が変化した後であっても、あるいは、近い将来に無線パラメータの変更によって通信環境が変化することが確実である場合であっても、通信環境の変化前の測定情報を含む測定情報を用いて無線パラメータが決定される。その結果、無線セルの無線パラメータが不適切な値に決定され、無線パラメータの変更によって通信品質の劣化が生じる可能性がある。
【0008】
上述した課題の一例を図11および図12を用いて説明する。図11に示す通り、無線通信網は、マクロ無線基地局101、ピコ無線基地局103、ピコ無線基地局105を備えている。マクロ無線基地局101は、マクロ無線セル102、ピコ無線基地局103は、ピコ無線セル104、ピコ無線基地局105は、ピコ無線セル106を管理している。ここでは、マクロ無線セル102は低負荷であり、ピコ無線セル104とピコ無線セル106とは、ともに高負荷であると仮定する。特許文献1に開示された方法を適用した場合、ピコ無線セル104とピコ無線セル106は、お互いの無線パラメータの変更によって生じる通信環境の変化を考慮せずに負荷分散を実行する。例えば、図12に示すように、ピコ無線基地局103とピコ無線基地局105は、送信電力を減少させることによりそれぞれの無線セルのカバレッジを縮小する。二つのピコ無線基地局が同時に負荷分散を実行した結果、マクロ無線セル102の負荷が急増し、マクロ無線セル102内の通信品質が劣化する。
【0009】
本発明は上記課題を鑑みてなされたものであって、他の無線セルの無線パラメータの変更によって生じる通信環境の変化を考慮しながら、無線セルの無線パラメータを制御することが可能な無線パラメータ制御装置、無線基地局、無線パラメータ制御方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の態様にかかる無線パラメータ制御装置は、無線基地局が管理する無線セルの無線パラメータを制御する無線パラメータ制御装置であって、第1の無線セルの無線パラメータの決定に用いる第1の測定情報に、第2の無線セルの無線パラメータの変更によって影響を受ける無線セルにおける、前記第2の無線セルの無線パラメータの変更によって無効となる第2の測定情報が含まれているか否かを判定する測定情報判定部と、前記第2の無線セルの無線パラメータの変更によって影響を受ける無線セルを決定する影響セル決定部と、前記測定情報判定部における判定結果に応じて、前記第1の無線セルの無線パラメータを決定する無線パラメータ決定部と、を備えるものである。
【0011】
本発明の第2の態様にかかる無線基地局は、無線パラメータ制御装置を備え、自身の管理する無線セルの無線パラメータの変更によって影響を受ける無線セルに関する情報と、自身の管理する無線セルにおいて変更された無線パラメータ変更情報とを、他の無線基地局と交換するものである。
【0012】
本発明の第3の態様にかかる無線パラメータ制御方法は、無線基地局が管理する無線セルにおける無線パラメータ制御方法であって、第2の無線セルの無線パラメータの変更によって影響を受ける無線セルを決定し、第1の無線セルの無線パラメータの決定に用いる第1の測定情報に、第2の無線セルの無線パラメータの変更によって影響を受ける無線セルにおける、前記第2の無線セルの無線パラメータの変更によって無効となる第2の測定情報が含まれているか否かを判定し、前記判定結果に応じて、前記第1の無線セルの無線パラメータを決定するものである。
【0013】
本発明の第4の態様にかかるプログラムは、無線基地局が管理する無線セルにおける無線パラメータ制御をコンピュータに実行させるプログラムであって、第2の無線セルの無線パラメータの変更によって影響を受ける無線セルを決定し、第1の無線セルの無線パラメータの決定に用いる第1の測定情報に、第2の無線セルの無線パラメータの変更によって影響を受ける無線セルにおける、前記第2の無線セルの無線パラメータの変更によって無効となる第2の測定情報が含まれているか否かを判定するステップと、前記測判定結果に応じて、前記第1の無線セルの無線パラメータを決定するステップと、をコンピュータに実行させるものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明により、他の無線セルの無線パラメータの変更によって生じる通信環境の変化を考慮しながら、無線セルの無線パラメータを制御することが可能な無線パラメータ制御装置、無線基地局、無線パラメータ制御方法及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施の形態1にかかる無線通信網の構成図である。
図2】実施の形態1にかかる無線パラメータ制御装置の構成図である。
図3】実施の形態1にかかる無線パラメータ制御処理の流れを示す図である。
図4】実施の形態1の具体例1にかかる無線通信網の構成図である。
図5】実施の形態1の具体例1にかかる各無線セルにおける測定情報を示す図である。
図6】実施の形態1の具体例2にかかる無線通信網の構成図である。
図7】実施の形態1の具体例2にかかる各無線セルにおける測定情報を示す図である。
図8】実施の形態2にかかる無線パラメータ制御装置の構成図である。
図9】実施の形態2にかかる無線パラメータ制御処理の流れを示す図である。
図10】実施の形態3にかかる無線通信網の構成図である。
図11】発明が解決しようとする課題を説明する図である。
図12】発明が解決しようとする課題を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(実施の形態1)
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。各図面において、同一または対応する要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略される。はじめに図1を用いて本発明の実施の形態1にかかる無線通信網の構成例について説明する。図1の無線通信網システムは、無線パラメータ制御装置1と、無線基地局2と、を備えている。
【0017】
無線基地局2は、無線セル3を管理し、UE4との間で双方向の無線通信を行う。無線基地局2は、上位ネットワーク(不図示)に接続されており、UE4と上位ネットワークとの間でトラフィックを中継する。上位ネットワークは、無線アクセスネットワーク及びコアネットワークを含む。なお、無線基地局2には、無線セル3の無線信号を中継するリレー基地局を含む。
【0018】
無線パラメータ制御装置1は、無線基地局2から測定情報を取得し、無線セル3の無線パラメータを決定する。ここで、無線基地局2から取得する測定情報としては、無線基地局2にて測定および記憶される通信統計品質や、UE4から無線基地局2へと報告されたUE4の測定情報(UE測定情報)などがある。
【0019】
通信統計品質の具体例としては、無線リンクの異常切断率(Radio Link Failure Rate)、呼の異常切断率(Call Drop Rate)、ハンドオーバ失敗率(Handover Failure Rate)、トラフィック負荷、平均ユーザスループット、セルスループットなどが挙げられる。また、UE測定情報の具体例としては、UE4によって測定された無線セル3毎の無線品質、例えば、下りパイロット信号またはリファレンス信号の受信電力、SINR(Signal to Interference plus Noise Ratio)などの信号対雑音干渉比が挙げられる。さらに、UE測定情報には、スループットやBLER(Block Error Rate)などの通信品質、異常切断やハンドオーバ失敗の発生有無といったイベント情報、UEが無線品質を測定した時刻、測定した無線セル3の識別子、UE4の識別子などの情報を含んでも良い。また、無線パラメータ制御装置1が決定する無線パラメータとしては、無線セル3毎のアンテナチルト角、アンテナ方位角、送信電力、ハンドオーバパラメータなどが含まれる。
【0020】
続いて、図2を用いて本発明の実施の形態1にかかる無線パラメータ制御装置1の構成例について説明する。無線パラメータ制御装置1は、無線パラメータ決定部10と、測定情報判定部11と、影響セル決定部12とを備えている。
【0021】
無線パラメータ決定部10は、無線基地局2から取得した測定情報をもとに、無線セル3の無線パラメータを決定する。無線パラメータ決定部10は、無線パラメータの決定時に用いる測定情報に無効な測定情報が含まれるか否かによって、無線パラメータの決定方法を変更する。
【0022】
例えば、無効な測定情報が含まれる場合には、無線パラメータの変更を抑制する、あるいは、無効な測定情報を除いた測定情報を無効な測定情報よりも重視して無線パラメータを決定する。さらに、無線パラメータ決定部10は、無線基地局2を介して無線セル3の無線パラメータを変更した後に、無線パラメータが変更される無線セル3の識別子と当該無線パラメータの変更時刻(あるいは、変更を決定した時刻)とを無線パラメータ変更情報として記憶する。もしくは、無線パラメータ変更情報を記憶するタイミングは、無線基地局2に無線セル3の無線パラメータの変更を指示した後、または、無線セル3の無線パラメータを変更することを決定した後などであってもよい。無線パラメータ変更情報には、無線パラメータが変更される無線セル3の識別子と当該無線パラメータの変更時刻(あるいは、変更を決定した時刻)との両方が含まれることが好ましい。しかし、無線パラメータ変更情報は、無線セル3の識別子と無線パラメータの変更時刻との両方が含まれる場合に限定されず、どちらか片方の情報のみであっても良い。また、無線パラメータ変更情報は、無線パラメータを変更した時刻(あるいは、変更を決定した時刻)から、所定の時間のみ有効となるフラグであっても良い。
【0023】
測定情報判定部11は、無線セル3の無線パラメータを決定する際に、当該無線パラメータの決定時に用いる測定情報に無効な測定情報が含まれる否かを判定する。具体的には、判定時刻以前の時刻Tcにおいて、ある無線セルの無線パラメータが変更された(あるいは、変更することが決定された)場合、当該無線セルの無線パラメータの変更によって通信環境に影響を受ける無線セル(影響セル)における、時刻Tc以前の測定情報を無効な測定情報とみなす。なお、無線パラメータ変更情報に、無線パラメータが変更された時刻(あるいは、変更を決定した時刻)の情報を含まない場合には、当該無線セルの無線パラメータの変更によって通信環境に影響を受ける無線セル(影響セル)の測定情報を、時刻によらずに一律に無効な測定情報としてもよい。また、無線パラメータ変更情報に、無線パラメータが変更された無線セルの識別子の情報を含まない場合には、時刻Tc以前の全ての無線セルの測定情報を無効な測定情報としてもよい。
【0024】
影響セル決定部12は、ある無線セルの無線パラメータの変更によって通信環境に影響を受ける無線セル(影響セル)を決定する。例えば、無線パラメータが変更された無線セル(以下、パラメータ変更セル)を影響セルとして決定する。あるいは、無線パラメータの変更により、収容する無線端末(UE)に変化が生じる無線セルを予測し、予測された無線セルを影響セルに含めても良い。
【0025】
収容する無線端末(UE)に変化が生じる無線セルを予測する方法の一例としては、UE測定情報を用いる方法がある。具体的には、影響セル決定部12は、無線パラメータの変更前にパラメータ変更セルにて収集したUE測定情報を用いて、パラメータ変更セルに接続していたUEが、無線パラメータの変更後にどの無線セルに接続する可能性が高いかを予測する。さらに、影響セル決定部12は、予測した無線セルを影響セルとして決定する。例えば、影響セル決定部12は、無線パラメータの変更前にパラメータ変更セルにて収集したUE測定情報に、UEによって検出または測定された無線セルの識別子が含まれるか否かを確認する。UEによって検出または測定された無線セルの識別子が含まれる場合には、影響セル決定部12は、検出または測定された無線セルの一部あるいは全てを、パラメータ変更セルに接続していたUEが無線パラメータの変更後に接続する可能性が高い無線セルとして予測する。ここで、UEによって検出または測定された無線セルの一部を選択する方法としては、UEによって検出または測定された無線セルのうち、受信電力や受信品質が所定値以上となる無線セルのみを選択するなどの方法を用いることができる。なお、ここでは、無線パラメータの変更によって、UEの接続先がパラメータ変更セルから他の無線セルへと切り替える場合について説明したが、この逆の移動が生じる場合、すなわち、無線パラメータの変更によって、UEの接続先がパラメータ変更セル以外の無線セルからパラメータ変更セルへと切り替える場合についても、同様の方法を用いることによって、収容する無線端末(UE)に変化が生じる無線セルを予測することができる。
【0026】
また、無線パラメータの変更に伴うUEの移動(UEの接続先となる無線セルの変化)を実測値として取得し、パラメータ変更セルからの、あるいは、パラメータ変更セルへの移動頻度が高い無線セルを影響セルとして決定しても良い。例えば、無線パラメータ制御装置1は、無線パラメータの変更前にパラメータ変更セルに接続していた無線端末が、無線パラメータの変更後にどの無線セルに接続したかに関する情報を、ネットワーク側における追跡によって取得、または、無線端末からの報告によって取得する。なお、ここでは、無線パラメータの変更によって、UEの接続先がパラメータ変更セルから他の無線セルへと切り替える場合について説明したが、この逆の移動が生じる場合、すなわち、無線パラメータの変更によって、UEの接続先がパラメータ変更セル以外の無線セルからパラメータ変更セルへと切り替える場合についても、同様の方法を用いることができる。
【0027】
収容する無線端末(UE)に変化が生じる無線セルを予測する他の一例としては、ハンドオーバ関連情報を用いる方法がある。ハンドオーバ関連情報の具体例としては、隣接セルリストやハンドオーバ回数などが挙げられる。ここで、隣接セルリストとは、無線セル毎に設定されるパラメータであり、当該無線セルに接続する無線端末のハンドオーバ先の候補となる無線セルを登録しておくリストである。影響セル決定部12は、この隣接セルリストを参照し、隣接セルリストに登録された無線セルの一部あるいは全てを、収容する無線端末(UE)に変化が生じる無線セルとして予測しても良い。また、影響セル決定部12は、パラメータ変更セルとの間で過去にハンドオーバの実績のある無線セルを、収容する無線端末(UE)に変化が生じる無線セルとして予測しても良い。
【0028】
収容する無線端末(UE)に変化が生じる無線セルを予測する他の一例としては、無線セルまたは無線基地局の位置情報を用いても良い。例えば、無線セルを代表する地点における位置情報が利用可能であれば、パラメータ変更セルから所定の距離以内に存在する無線セルを、収容する無線端末(UE)に変化が生じる無線セルとして予測しても良い。あるいは、パラメータ変更セルを管理する無線基地局あるいはパラメータ変更セルの送受信アンテナから所定の距離以内に無線セルを管理する無線基地局あるいは当該無線セルの送受信アンテナがある場合、当該無線セルを、収容する無線端末(UE)に変化が生じる無線セルとして予測しても良い。
【0029】
続いて、図3を用いて本発明の実施の形態1に係る無線パラメータ制御装置1による無線パラメータ制御処理の具体例について説明する。
【0030】
ステップS100では、無線パラメータ決定部10は、無線パラメータの制御対象となる無線セルを一つ選択する。例えば、無線パラメータ決定部10は、各無線セルに対して一意に割り当てられた無線セルの識別子を用いて、降順あるいは昇順に無線セルを選択してもよい。また別の例として、無線パラメータ決定部10は、無線セルの通信統計品質を取得し、例えば、呼の異常切断率が高い順や、トラフィック負荷が高い順に無線セルを選択しても良い。以下では、ステップS100で選択された無線セルを、選択無線セルと呼ぶ。
【0031】
ステップS101では、無線パラメータ決定部10は、選択無線セルについて、無線パラメータの変更条件を満たすか否かを判定する。無線パラメータの変更条件としては、例えば、選択無線セルについて前回の無線パラメータの変更時刻から所定の時間以上が経過したか否か、所定の時刻に達したか否か、無線端末から報告されたUE測定情報が所定数に達したか否か、通信統計品質(呼の異常切断率やトラフィック負荷など)が所定値以上または以下であるか否か、といった条件を用いることができる。無線パラメータの変更条件を満たす場合には、次のステップS102の処理が実行される。一方、無線パラメータの変更条件を満たさない場合には、ステップS100へと戻り、無線パラメータ決定部10は、次の無線セルを選択する。
【0032】
ステップS102では、測定情報判定部11は、無線パラメータの決定時に用いる測定情報に、無効な測定情報が含まれるか否かを判定する。ここでの測定情報とは、上述の通り、無線基地局にて測定および記憶される通信統計品質や、UEから無線基地局へと報告されたUEの測定情報(UE測定情報)などである。例えば、無線セル間の負荷分散を目的として、選択無線セルのトラフィック負荷と、選択無線セルの周辺に存在する無線セル(周辺無線セル)のトラフィック負荷とを用いて選択無線セルの無線パラメータを決定する場合においては、測定情報判定部11は、選択無線セルにおける測定情報と周辺無線セルにおける測定情報とのそれぞれについて、無効な測定情報が含まれるか否かを判定する。
【0033】
無線パラメータ決定部10は、無線パラメータの決定時に用いる測定情報に無効な測定情報が含まれるか否かの判定結果に応じて、無線パラメータの決定方法を変更する。なお、ここでの、「無効な測定情報」とは、例えば、測定情報判定部11における判定時刻以前に任意の無線セルに対して実施された(あるいは実施することが決定された)無線パラメータの変更(変更時刻Tc)について、その無線パラメータの変更によって影響を受ける無線セル(影響セル)における、変更時刻(Tc)以前の測定情報である。なお、無線パラメータの変更によって影響を受ける無線セル(影響セル)は、影響セル決定部12が、上述の無線パラメータ変更情報を用いて決定する。例えば、影響セル決定部12は、過去に無線パラメータが変更された(あるいは、変更することが決定された)無線セルを影響セルとして決定してもよい。あるいは、上述の通り、無線パラメータの変更により、収容する無線端末(UE)に変化が生じる無線セルを予測し、予測された無線セルを影響セルに含めても良い。ここで、選択無線セル、過去に無線パラメータの変更が実施された無線セル、過去に実施された無線パラメータの変更によって影響を受けた(影響を受けると予測された)無線セル(影響セル)のそれぞれは、全て別々の無線セルであっても良いし、一部同じ無線セルであっても良い。
【0034】
ステップS103では、無線パラメータ決定部10は、無線パラメータの決定時に用いる測定情報に無効な測定情報が含まれる場合の無線パラメータの決定処理を実行する。一方、ステップS104では、無線パラメータ決定部10は、無線パラメータの決定時に用いる測定情報に無効な測定情報が含まれない場合の無線パラメータの決定処理を実行する。
【0035】
無線パラメータの決定時に用いる測定情報に無効な測定情報が含まれない場合(ステップS104)には、無線パラメータ決定部10は、一般的な無線パラメータの決定手法を用いても良い。例えば、選択無線セルの過去1時間のトラフィック負荷(無線リソース使用率)が80%、周辺無線セルのトラフィック負荷(無線リソース使用率)が20%の場合、無線パラメータ決定部10は、選択無線セルのカバレッジを縮小し、選択無線セルから周辺無線セルへとトラフィックを移動させ、負荷分散を実行する。ここで、カバレッジの縮小は、具体的には、選択無線セルの送信電力を下げる、あるいはアンテナチルト角を下げる、といった無線パラメータの制御によって実施すれば良い。
【0036】
一方、無線パラメータの決定時に用いる測定情報に無効な測定情報が含まれる場合(ステップS103)には、無線パラメータ決定部10は、以下の方法を用いることができる。
【0037】
1.無線パラメータの変更を抑制する。
2.無効な測定情報を除いた測定情報を無効な測定情報よりも重視して無線パラメータを決定する。
【0038】
上記1.の方法の具体例としては、以下の方法を用いることができる。
1−1.無線パラメータを変更しない。
1−2.無線パラメータの変更量を小さくする。
1−3.無線パラメータの変更を延期する。
【0039】
例えば、1−2.の方法を用いる場合であれば、まず、無線パラメータ決定部10は、無線パラメータの決定時に用いる測定情報に無効な測定情報が含まれない場合と同じ無線パラメータの決定処理を実行する。そして、無線パラメータ決定部10は、無効な測定情報が含まれない場合の無線パラメータの決定処理によって得られる無線パラメータの変更値に対して、その変更量を小さくする修正を加える。そして、無線パラメータ決定部10は、修正された値を最終的な無線パラメータの変更値として決定する。なお、無線パラメータ決定部10は、無線パラメータの決定時に用いる測定情報のうち、無効な測定情報が含まれる割合を求め、当該無効な測定情報が含まれる割合に応じて、無線パラメータの変更を抑制する強さを決定しても良い。ここで、無線パラメータの変更を抑制する強さを決定する方法としては、例えば、上記の1−2.において無線パラメータの変更量を小さくする際に、無効な測定情報が含まれる割合が高いほど、無線パラメータの変更量を小さくする。あるいは、上記の1−3.において無線パラメータの変更を延期する際に、無効な測定情報が含まれる割合が高いほど、延期時間を長くする。
【0040】
また、上記2.の方法の具体例としては、以下の方法を用いることができる。
2−1.無線パラメータを決定する際に用いる測定情報から無効な測定情報を除外した測定情報のみを用いて無線パラメータを決定する。
2−2.無線パラメータを決定する際に用いる測定情報から無効な測定情報を除外した測定情報のみを用いて決定した無線パラメータの値(X)と、無線パラメータを決定する際に用いる測定情報のうち無効な測定情報のみを用いて決定した無線パラメータの値(Y)とを用いて、両者の無線パラメータの値の重み付け和(αX+βY)によって無線パラメータを決定する。例えば、αを0.8、βを0.2として、0.8X+0.2Yとして無線パラメータの値を決定する。
【0041】
ステップS105では、無線パラメータ決定部10は、無線パラメータの変更を決定した無線セルについて、当該無線セルの識別子と無線パラメータの変更時刻(あるいは、変更を決定した時刻)とを無線パラメータ変更情報として記憶する。
ステップS106では、ステップS100へと戻り、次の無線セルの処理へと移行する。
【0042】
以上説明したように、本発明の実施の形態1にかかる無線パラメータ制御装置を用いることにより、他の無線セルにおいて無線パラメータを変更したことによって生じる通信環境の変化を考慮して、選択無線セルの無線パラメータを決定することができる。
【0043】
(具体例1)
続いて、本実施の形態の具体例1について説明する。図4は具体例1にかかる無線通信網の構成例である。具体例1は、各無線セルの無線パラメータの変更条件を、当該無線セルのトラフィック負荷(無線リソース使用率)が所定値以上であるか否か、とした場合の例である。
【0044】
図4の無線通信網には、二つのマクロ無線基地局(MNB)21およびMNB41が存在する。MNB21はマクロ無線セル(MC)22を、MNB41はMC42を管理している。さらに、MC22のカバーエリア内にはピコ無線基地局(PNB)23およびPNB25が存在し、MC42のカバーエリア内にはPNB43が存在する。PNB23によって管理されるピコ無線セル(PC)はPC24、PNB25によって管理されるピコ無線セルはPC26、PNB43によって管理されるピコ無線セルはPC44である。さらに、MC22のカバーエリア内には、複数のUE27が存在し、MC42のカバーエリア内には、複数のUE45が存在する。また、各無線基地局は、無線パラメータ制御装置1(不図示)と接続されている。
【0045】
以上の構成のもとで、無線パラメータ制御処理について説明する。ここでは、PC24、PC26及びPC44の無線パラメータを制御する場合について説明する。なお、現在時刻は10時00分であり、現在時刻にて取得された各無線セルのトラフィック負荷(無線リソース使用率)は図5の通りであると仮定する。例えば、図5には、MC22において、09:00〜10:00の間に取得された無線リソース使用率の集計値は、20%であることが示されている。MC42、PC24、PC26及びPC44についても、09:00〜10:00における無線リソース使用率の集計値が示されている。
【0046】
また、各ピコ無線セルの無線パラメータの制御は、当該ピコ無線セルの過去1時間のトラフィック負荷(無線リソース使用率)と、当該ピコ無線セルをカバーエリアに含むマクロ無線セルの過去1時間のトラフィック負荷(無線リソース使用率)とを用いて、ピコ無線セルとマクロ無線セルとの間のトラフィック負荷が均衡するように行うものとする。この際、ピコ無線セルの過去1時間の無線リソース使用率が50%以上であるか否かを、当該ピコ無線セルにおける無線パラメータの変更条件とする。なお、ここでの仮定は単なる一例であって、本発明を限定するものではない。
【0047】
無線パラメータ制御装置1の無線パラメータ決定部10は、PC24、PC26、PC44について、順に無線パラメータの制御処理を実行する(図3のステップS100)。まず、無線パラメータ決定部10は、PC24について無線パラメータの変更条件を満たすか否かを判定する(図3のステップS101)。PC24の過去1時間のトラフィック負荷は80%であり、無線パラメータの変更条件である50%よりも高い。そのため、PC24は、無線パラメータの変更条件を満たすと判定される。測定情報判定部11は、PC24の無線パラメータの決定時に用いる測定情報に、無効な測定情報が含まれるか否かを判定する(図3のステップS102)。すなわち、PC24の過去1時間の無線リソース使用率と、PC24をカバーエリアに含むMC22の過去1時間の無線リソース使用率に、無効な測定情報が含まれるか否かを判定する。
【0048】
今回の例においては、現在時刻である10:00以前にはいずれの無線セルに対しても無線パラメータの変更が行われていないと仮定する。この場合、PC24の無線パラメータの決定時に用いる測定情報には無効な測定情報が含まれないため、無効な測定情報が含まれない場合の無線パラメータの決定処理が行われる(図3のステップS104)。無線パラメータ決定部10は、PC24の過去1時間の無線リソース使用率(80%)と、MC22の過去1時間の無線リソース使用率(20%)とを用いて、PC24とMC22との間のトラフィック負荷が均衡するようにPC24の無線パラメータを決定する。例えば、無線パラメータ決定部10は、PC24の送信電力を減少させ、PC24のカバレッジを縮小させる(図4のPC24')。
【0049】
無線パラメータ決定部10は、PC24の送信電力を変更した時刻(10時00分)と、PC24の識別子とを無線パラメータ変更情報として記憶する(図3のステップS105)。なお、無線パラメータ変更情報を記憶するタイミングは、必ずしも無線パラメータを実際に変更した後である必要はなく、無線パラメータを変更することを決定した後でも良い。以上により、PC24の無線パラメータの制御処理を終了する。
【0050】
次に、無線パラメータ決定部10は、PC26の無線パラメータの制御処理に進む(図3のステップS100)。無線パラメータ決定部10は、まずPC26について無線パラメータの変更条件を満たすか否かを判定する(図3のステップS101)。PC26の過去1時間のトラフィック負荷は55%であり、無線パラメータの変更条件である50%よりも高い。そのため、PC26は、無線パラメータの変更条件を満たすと判定される。
【0051】
測定情報判定部11は、PC26の無線パラメータの決定時に用いる測定情報に、無効な測定情報が含まれるか否かを判定する(図3のステップS102)。すなわち、測定情報判定部11は、PC26の過去1時間の無線リソース使用率と、PC24をカバーエリアに含むMC22の過去1時間の無線リソース使用率に、無効な測定情報が含まれるか否かを判定する。このために、影響セル決定部12は、過去に実施された(または、実施することが決定された)無線パラメータの変更に関する情報として、無線パラメータ決定部10によって記憶された無線パラメータ変更情報を取得する。そして、影響セル決定部12は、過去に実施された(または、実施することが決定された)無線パラメータの変更によって影響を受ける無線セル(影響セル)を決定する。
【0052】
例えば、影響セル決定部12は、無線パラメータが変更された(または、変更することが決定された)無線セル自身と、無線パラメータが変更された(または、変更することが決定された)無線セルから一定の距離以内に存在する無線セルを影響セルとして決定する。今回の例においては、PC24の無線パラメータが既に変更されている。そのため、PC24自身と、PC24の周辺に存在するMC22およびPC26が影響セルとして決定されたとする。
【0053】
測定情報判定部11は、PC26の無線パラメータの決定時に用いる測定情報に無効な測定情報が含まれるか否か、すなわち、影響セル(MC22、PC24、PC26)の測定情報であり、かつ、PC24の無線パラメータの変更時刻(10時00分)以前の測定情報が含まれるか否かを判定する。
【0054】
今回の例においては、PC26の無線パラメータの決定時に用いる測定情報がPC26とMC22の過去1時間(09時00分から10時00分)の無線リソース使用率であることから、無効な測定情報が含まれると判定される。そのため、無線パラメータ決定部10は、PC26に対しては無効な測定情報が含まれる場合の無線パラメータの決定処理を実行する(図3のステップS103)。例えば、無線パラメータ決定部10は、PC26の無線パラメータの変更を抑制し、PC26の無線パラメータを変更しない。以上により、PC26の無線パラメータの制御処理を終了する。
【0055】
次に、無線パラメータ決定部10は、PC44の無線パラメータの制御処理に進む(図3のステップS100)。上述のPC26の処理との違いは、PC44については、無効な測定情報が含まれない場合の無線パラメータの決定処理(図3のステップS104)が行われる点である。すなわち、PC44の無線パラメータの決定時に用いる測定情報はPC44と、PC44をカバーエリアに含むMC42の過去1時間(09時00分から10時00分)の無線リソース使用率である。一方、無効な測定情報は、上述の通り、影響セル(MC22、PC24、PC26)についての、PC24の無線パラメータの変更時刻(10時00分)以前の測定情報である。そのため、PC44の無線パラメータの決定時に用いる測定情報には、無効な測定情報は含まれない。
【0056】
無線パラメータ決定部10は、PC44の過去1時間の無線リソース使用率(65%)と、MC42の過去1時間の無線リソース使用率(30%)とを用いて、PC44とMC42との間のトラフィック負荷が均衡するようにPC44の無線パラメータを決定する。例えば、無線パラメータ決定部10は、PC44の送信電力を減少させ、PC44のカバレッジを縮小させる(図4のPC44')。無線パラメータ決定部10は、PC44の送信電力を変更した時刻(10時00分)と、PC44の識別子とを無線パラメータ変更情報として記憶する(図3のステップS105)。以上により、PC44の無線パラメータの制御処理を終了する。
【0057】
上記の通り、PC26の無線パラメータを決定する際には、PC24の無線パラメータの変更による通信環境の変化が考慮される。すなわち、PC24の無線パラメータの変更によって通信環境が変化した後においては、通信環境の変化前における測定情報を用いて無線パラメータが決定されることがないように無線パラメータの決定処理が変更される。一方、PC24の無線パラメータの変更によって生じる通信環境の変化の影響を受けないPC44については、通常の無線パラメータの決定処理を実行することができる。
【0058】
(具体例2)
続いて、本実施の形態の具体例2について説明する。図6は具体例2にかかる無線通信網の構成例である。具体例2は、各無線セルの無線パラメータの変更条件を、当該無線セルの周辺に存在する無線セルのトラフィック負荷(無線リソース使用率)が所定値以上であるか否か、とした場合の例である。
【0059】
図6の無線通信網は、MNB51、PNB53、PNB55を備えている。NB51は、MC52、PNB53は、PC54、PNB55は、PC56を管理している。PNB53およびPNB55は、MC52のカバーエリア内に存在する。さらに、MC52のカバーエリア内には、複数のUE57が存在している。また、各無線基地局は、無線パラメータ制御装置1(不図示)と接続されている。以上の構成のもとで、無線パラメータ制御処理について説明する。
【0060】
以降では、PC54およびPC56の無線パラメータを制御する場合について説明する。なお、現在時刻は10時00分であり、現在時刻において取得された各無線セルのトラフィック負荷(無線リソース使用率)は図7の通りであると仮定する。図7においては、図5と異なり、集計期間を30分毎としている。さらに、図7においては、無線リソース使用率の1時間の平均値も管理されている。また、今回の例においては、マクロ無線セルMC52との間の負荷分散を目的として、PC54のカバレッジを縮小する制御が、9時30分に行われているとする。このカバレッジを縮小する制御によって、図7に示すように、MC52の無線リソース使用率は40%から80%に増加し、PC54の無線リソース使用率は60%から20%に減少している。
【0061】
具体例1と同様に、各ピコ無線セルの無線パラメータの制御は、当該ピコ無線セルの過去1時間のトラフィック負荷(無線リソース使用率)と、当該ピコ無線セルをカバーエリアに含むマクロ無線セルの過去1時間のトラフィック負荷(無線リソース使用率)とを用いて、ピコ無線セルとマクロ無線セルとの間のトラフィック負荷が均衡するように行われる。ただし、具体例2は、具体例1とは異なり、PC54およびPC56における無線パラメータの変更条件を、MC52の過去1時間の無線リソース使用率が50%以上であるか否かとする。なお、ここでの仮定は単なる一例であって、本発明を限定するものではない。
【0062】
無線パラメータ制御装置1の無線パラメータ決定部10は、PC54、PC56について、順に無線パラメータの制御処理を実行する(図3のステップS100)。まず、無線パラメータ決定部10は、PC54について無線パラメータの変更条件を満たすか否かを判定する(図3のステップS101)。MC52の過去1時間のトラフィック負荷は60%であり、無線パラメータの変更条件である50%よりも高いため、無線パラメータの変更条件を満たすと判定される。
【0063】
測定情報判定部11は、PC54の無線パラメータの決定時に用いる測定情報に、無効な測定情報が含まれるか否かを判定する(図3のステップS102)。すなわち、測定情報判定部11は、PC54の過去1時間の無線リソース使用率と、MC52の過去1時間の無線リソース使用率に、無効な測定情報が含まれるか否かを判定する。このために、影響セル決定部12は、過去に実施された(または、実施することが決定された)無線パラメータの変更に関する情報として、無線パラメータ決定部10によって記憶された無線パラメータ変更情報を取得する。そして、影響セル決定部12は、過去に実施された(または、実施することが決定された)無線パラメータの変更によって影響を受ける無線セル(影響セル)を決定する。今回の例においては、PC54の無線パラメータが9時30分に変更されている。そのため、PC54自身と、PC54の周辺に存在するMC52およびPC56が影響セルとして決定されたとする。
【0064】
測定情報判定部11は、PC54の無線パラメータの決定時に用いる測定情報に無効な測定情報が含まれるか否か、すなわち、影響セル(MC52、PC54、PC56)の測定情報であり、かつ、PC54の無線パラメータの変更時刻(9時30分)以前の測定情報が含まれるか否かを判定する。今回の例においては、PC54の無線パラメータの決定時に用いる測定情報は、PC54と、PC54をカバーエリアに含むMC52の過去1時間(09時00分から10時00分)の無線リソース使用率である。これより、PC54の無線パラメータの決定時に用いる測定情報に無効な測定情報が含まれると判定される。そのため、無線パラメータ決定部10は、PC54に対しては無効な測定情報が含まれる場合の無線パラメータの決定処理を実行する(図3のステップS103)。
【0065】
具体的には、PC54の無線パラメータの決定時に用いる測定情報から無効な測定情報を除いた測定情報を、無効な測定情報よりも重視して無線パラメータを決定する。例えば、無効な測定情報を全て無視し、PC54の無線パラメータの決定時に用いる測定情報から無効な測定情報を除いた測定情報のみを用いて無線パラメータを決定する。すなわち、PC54の9時30分から10時00分までの無線リソース使用率(20%)と、MC52の9時30分から10時00分までの無線リソース使用率(80%)とを用いて、PC54の無線パラメータを決定する。
【0066】
今回の例では、MC52のトラフィック負荷を減少させるために、PC54の送信電力を増加させ、PC54のカバレッジを拡大するための制御が実施される。無線パラメータ決定部10は、PC54の送信電力を変更した時刻(10時00分)と、PC54の識別子とを無線パラメータ変更情報として記憶する(図3のステップS105)。以上により、PC54の無線パラメータの制御処理を終了する。
【0067】
次に、無線パラメータ決定部10は、PC56の無線パラメータの制御処理に進む(図3のステップS100)。無線パラメータ決定部10は、まずPC56について無線パラメータの変更条件を満たすか否かを判定する(図3のステップS101)。MC52の過去1時間のトラフィック負荷は60%であり、無線パラメータの変更条件である50%よりも高いため、無線パラメータの変更条件を満たすと判定される。
【0068】
測定情報判定部11は、PC56の無線パラメータの決定時に用いる測定情報に、無効な測定情報が含まれるか否かを判定する(図3のステップS102)。すなわち、PC56の過去1時間の無線リソース使用率と、MC52の過去1時間の無線リソース使用率に、無効な測定情報が含まれるか否かを判定する。このために、影響セル決定部12は、過去に実施された(または、実施することが決定された)無線パラメータの変更に関する情報として、無線パラメータ決定部10によって記憶された無線パラメータ変更情報を取得する。そして、測定情報判定部11は、過去に実施された(または、実施することが決定された)無線パラメータの変更によって影響を受ける無線セル(影響セル)を決定する。
【0069】
今回の例においては、10時00分にPC54の無線パラメータが変更されている(または、変更することが決定されている)。そのため、PC54自身と、PC54の周辺に存在するMC52およびPC56が影響セルとして決定されたとする。測定情報判定部11は、PC56の無線パラメータの決定時に用いる測定情報に無効な測定情報が含まれるか否か、すなわち、影響セル(MC52、PC54、PC56)の測定情報であり、かつ、PC54の無線パラメータの変更時刻(10時00分)以前の測定情報が含まれるか否かを判定する。
【0070】
今回の例においては、PC56の無線パラメータの決定時に用いる測定情報がPC56とMC52の過去1時間(09時00分から10時00分)の無線リソース使用率であることから、無効な測定情報が含まれると判定される。そのため、無線パラメータ決定部10は、PC56に対しては無効な測定情報が含まれる場合の無線パラメータの決定処理を実行する(図3のステップS103)。
【0071】
例えば、PC56の無線パラメータの決定時に用いる測定情報には無効な測定情報しか含まれないため、無線パラメータ決定部10は、PC56の無線パラメータの変更を抑制し、PC56の無線パラメータを変更しない。あるいは、無線パラメータ決定部10は、別の例として、PC56の無線パラメータの変更量を小さくしても良い。例えば、PC56とMC52との過去1時間(09時00分から10時00分)の無線リソース使用率を用いて無線パラメータを決定した結果、PC56の送信電力を10dB増加させるという決定がなされた場合、例えば変更量を2分の1にして、実際には送信電力を5dB増加させる。PC56の送信電力を変更した場合、無線パラメータ決定部10は、PC56の送信電力を変更した時刻(10時00分)と、PC56の識別子とを無線パラメータ変更情報として記憶する(図3のステップS105)。以上により、PC56の無線パラメータの制御処理を終了する。
【0072】
上記の処理によって、9時30分に実施されたPC54の無線パラメータの変更により生じた通信環境の変化、具体的にはMC52のトラフィック負荷の急増を考慮することが可能になるとともに、MC52に含まれる全てのピコ無線セルが独立かつ同時に負荷分散を実行することを回避することが可能となる。
【0073】
上述したように、本発明の実施の形態1に係る無線パラメータ制御装置1は、測定情報を用いて無線セルの無線パラメータを決定する際に、当該無線パラメータの決定に用いる測定情報に、他の無線セルの無線パラメータの変更によって影響を受ける無線セルにおける、無線パラメータの変更時刻以前の測定情報が含まれているかを判定し、その結果に応じて無線パラメータの決定方法を変更する。そのため、他の無線セルの無線パラメータの変更によって生じる通信環境の変化を考慮しながら、無線セルの無線パラメータを制御することができる。
【0074】
(実施の形態2)
続いて、図8を用いて本発明の実施の形態2にかかる無線パラメータ制御装置61の構成例について説明する。図8の無線パラメータ制御装置61は、影響判定部13を備える点で、本発明の第1の実施の形態に係る無線パラメータ制御装置1と異なる。
【0075】
影響判定部13は、無線セルの無線パラメータが変更された後に無線セル毎の測定情報を取得する。さらに、影響判定部13は、無線パラメータの変更前後で測定情報に変化が生じたか否かを無線セル毎に判定する。そして、影響判定部13は、無線パラメータの変更前後で測定情報に変化が生じた無線セルを、当該無線パラメータの変更によって影響を受ける無線セル(影響セル)として判定する。測定情報としては、通信統計品質やUE測定情報を用いることができる。例えば、通信統計品質として無線リソース使用率を用いる場合、影響判定部13は、無線パラメータの変更前後で、無線リソース使用率が所定値(例えば、0.1)以上変化した無線セルや、所定の割合(例えば、20%)以上変化した無線セルを、無線パラメータの変更によって影響を受けた無線セルとして判定する。あるいは、影響判定部13は、UE測定情報にSINRが含まれる場合、UE測定情報のSINRの平均値を無線パラメータの変更前と変更後とで無線セル毎に求め、その値が所定値あるいは所定の割合以上変化した無線セルを、無線パラメータの変更によって影響を受けた無線セルとして判定する。なお、影響判定部13は、必ずしも、現実の無線通信網における測定情報を用いて、無線パラメータの変更によって影響を受けた無線セルを判定する必要はない。例えば、電波伝搬シミュレータや、システムレベルシミュレータ等のシミュレータを用いて、仮想的に無線セルの無線パラメータを変更し、上述の測定情報の変化をシミュレータ上で判定しても良い。
【0076】
影響セル決定部12、または、影響判定部13、またはその他の手段を用いて、無線パラメータの変更が行われた無線セルと、それによって影響を受けた無線セル(影響セル)との対応関係を記憶しておき、再び同じ無線セルについて影響セルを決定する際には、記憶された過去の対応関係を用いることができる。
【0077】
続いて、図9を用いて、実施の形態2に係る無線パラメータ制御装置61による無線パラメータ制御処理の具体例について説明する。図3に示した実施の形態1における無線パラメータ制御処理との差異は、影響判定部13が、無線パラメータの変更後に、当該無線パラメータの変更によって影響を受けた無線セルを判定する処理(ステップS107)が含まれる点である。
【0078】
影響判定部13は、各無線セルにおける無線パラメータが変更された後、当該無線パラメータの変更前後で、各無線セルの測定情報に変化が生じたか否かを判定する。そして、測定情報に変化が生じたと判定された無線セルを、当該無線パラメータの変更によって影響を受けた無線セル(影響セル)として記憶する。その後、再び同じ無線セルについての影響セルを決定する際には、記憶された影響セルを活用する。
【0079】
以上説明したように、本実施の形態に係る無線パラメータ制御装置61は、無線パラメータの変更前後で測定情報に変化が生じた無線セルを、当該無線パラメータの変更によって影響を受けた無線セルとして決定する。そのため、無線パラメータの変更によって影響を受ける無線セルを、より信頼度高く予測することが可能となる。
【0080】
(実施の形態3)
続いて、図10を用いて、本発明の実施の形態3にかかる無線通信網の構成例について説明する。図1に示した本発明の第1の実施の形態に係る無線通信網の構成例との差異は、無線パラメータ制御装置1が、無線基地局2の一部として配置されている点である。無線基地局2の間は、無線あるいは有線の通信回線71を用いて接続されている。なお、無線基地局2の間は、通信回線71によって必ずしも直接的に接続されている必要はなく、例えば、上位ネットワークを介して間接的に接続されていても良い。各無線基地局2は、無線パラメータ変更情報や、当該無線基地局が管理する無線セルの無線パラメータの変更によって影響を受ける無線セル(影響セル)に関する情報を、通信回線71を介して、他の無線基地局と交換する。無線パラメータ制御装置1の構成や動作は、他の実施の形態と同じであるため省略する。
【0081】
以上説明したように、本発明の実施の形態3に係る無線パラメータ制御装置1は、無線基地局の機能の一部として実現される。そのため、複数の無線セルの無線パラメータを集中的に制御する集中制御型のサーバが不要となり、各無線セルの無線パラメータを自律分散的に制御することが可能となる。
【0082】
上述の実施の形態では、本発明をハードウェアの構成として説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明は、図3及び図9における無線パラメータ制御装置の処理を、CPU(Central Processing Unit)にコンピュータプログラムを実行させることにより実現することも可能である。
【0083】
上述の例において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0084】
(付記1)
無線基地局が管理する無線セルの無線パラメータを制御する無線パラメータ制御装置であって、
第1の無線セルの無線パラメータの決定に用いる第1の測定情報に、第2の無線セルの無線パラメータの変更によって影響を受ける無線セルにおける、前記第2の無線セルの無線パラメータの変更によって無効となる第2の測定情報が含まれているか否かを判定する測定情報判定部と、
前記第2の無線セルの無線パラメータの変更によって影響を受ける無線セルを決定する影響セル決定部と、
前記測定情報判定部における判定結果に応じて、前記第1の無線セルの無線パラメータを決定する無線パラメータ決定部と、
を備える無線パラメータ制御装置。
【0085】
(付記2)
前記測定情報判定部は、
前記第1の測定情報に、前記第2の無線セルの無線パラメータの変更によって影響を受ける無線セルにおける測定情報が含まれる場合、前記影響を受ける無線セルにおける測定情報を前記無効となる第2の測定情報と判定する、付記1に記載の無線パラメータ制御装置。
【0086】
(付記3)
前記測定情報判定部は、
前記第1の測定情報に、前記第2の無線セルの無線パラメータの変更時刻以前の測定情報が含まれる場合、前記第2の無線セルの無線パラメータの変更時刻以前の測定情報を前記無効となる第2の測定情報と判定する、付記1又は2に記載の無線パラメータ制御装置。
【0087】
(付記4)
前記無線パラメータ決定部は、
前記第1の測定情報に、前記第2の測定情報が含まれている場合、前記第1の無線セルの無線パラメータの変更を抑制する、付記1乃至3のいずれかに記載の無線パラメータ制御装置。
【0088】
(付記5)
前記無線パラメータの変更の抑制は、前記無線パラメータを変更しない、前記第1の測定情報を用いて決定される無線パラメータの変更値に対して、変更量を小さくする補正を加える、及び、無線パラメータの変更時刻を延期する、のいずれかである付記4に記載の無線パラメータ制御装置。
【0089】
(付記6)
前記測定情報判定部は、
前記第1の測定情報に含まれる前記第2の測定情報の割合を求め、
前記無線パラメータ決定部は、
前記割合に基づいて、前記無線パラメータの変更を抑制する強さを決定する、
付記4又は5に記載の無線パラメータ制御装置。
【0090】
(付記7)
前記無線パラメータ決定部は、
前記第1の測定情報に、前記第2の測定情報が含まれている場合、前記第1の測定情報から前記第2の測定情報を除いた情報を重視して、前記第1の無線セルの無線パラメータを決定する、付記1乃至3のいずれかに記載の無線パラメータ制御装置。
【0091】
(付記8)
前記影響セル決定部は、
前記第2の無線セルの無線パラメータの変更によって、収容する無線端末に変化が生じる第3の無線セルを予測し、前記第3の無線セルを前記第2の無線セルの無線パラメータの変更によって影響を受ける無線セルと決定する、
付記1乃至7のいずれか1項に記載の無線パラメータ制御装置。
【0092】
(付記9)
前記影響セル決定部は、
前記無線端末における測定情報、ハンドオーバ関連情報及び無線セルの位置、の少なくとも1つを用いて、前記第3の無線セルを予測する、付記8に記載の無線パラメータ制御装置。
【0093】
(付記10)
前記第2の無線セルの無線パラメータの変更によって、測定情報に変化が生じた第4の無線セルを判定する影響判定部をさらに備え、
前記影響セル決定部は、
前記第2の無線セルの無線パラメータの変更によって影響を受ける無線セルに、前記第4の無線セルを含める、
付記1乃至9のいずれか1項に記載の無線パラメータ制御装置。
【0094】
(付記11)
前記無線パラメータ決定部は、
前記第1の無線セルの無線パラメータを変更することを決定した後に、前記第1の無線セルの識別子、及び、前記無線パラメータの変更時刻の少なくとも一つを無線パラメータ変更情報として記憶する、
付記項1乃至10のいずれか1項に記載の無線パラメータ制御装置。
【0095】
(付記12)
付記1乃至11のいずれかに記載の無線パラメータ制御装置を備え、
自身の管理する無線セルの無線パラメータの変更によって影響を受ける無線セルに関する情報と、前記自身の管理する無線セルにおいて変更された無線パラメータ変更情報とを、他の無線基地局と交換する、無線基地局。
【0096】
(付記13)
無線基地局が管理する無線セルにおける無線パラメータ制御方法であって、
第2の無線セルの無線パラメータの変更によって影響を受ける無線セルを決定し、第1の無線セルの無線パラメータの決定に用いる第1の測定情報に、前記第2の無線セルの無線パラメータの変更によって影響を受ける無線セルにおける、前記第2の無線セルの無線パラメータの変更によって無効となる第2の測定情報が含まれているか否かを判定し、
前記判定結果に応じて、前記第1の無線セルの無線パラメータを決定する、無線パラメータ制御方法。
【0097】
(付記14)
前記第1の測定情報に、前記第2の測定情報が含まれているか否かを判定する際に、
前記第1の測定情報に、前記第2の無線セルの無線パラメータの変更によって影響を受ける無線セルにおける測定情報が含まれる場合、前記影響を受ける無線セルにおける測定情報を無効となる前記第2の測定情報と判定する、
付記13に記載の無線パラメータ制御方法。
【0098】
(付記15)
前記第1の測定情報に、前記第2の測定情報が含まれているか否かを判定する際に、
前記第1の測定情報に、前記第2の無線セルの無線パラメータの変更時刻以前の測定情報が含まれる場合、前記第2の無線セルの無線パラメータの変更時刻以前の測定情報を無効となる前記第2の測定情報と判定する、
付記13又は14に記載の無線パラメータ制御方法。
【0099】
(付記16)
前記第1の無線セルの無線パラメータを決定する際に、
前記第1の測定情報に、前記第2の測定情報が含まれている場合、前記第1の無線セルの無線パラメータの変更を抑制する、
付記13乃至15のいずれかに記載の無線パラメータ制御方法。
【0100】
(付記17)
前記無線パラメータの変更の抑制は、前記無線パラメータを変更しない、前記第1の測定情報を用いて決定される無線パラメータの変更値に対して、変更量を小さくする補正を加える、及び、無線パラメータの変更時刻を延期する、のいずれかである
付記16に記載の無線パラメータ制御装置。
【0101】
(付記18)
前記第1の無線セルの無線パラメータを決定する際に、
前記第1の測定情報に含まれる前記第2の測定情報の割合を求め、
前記割合に基づいて、前記無線パラメータの変更を抑制する強さを決定する、
付記16又は17に記載の無線パラメータ制御方法。
【0102】
(付記19)
前記第1の無線セルの無線パラメータを決定する際に、
前記第1の測定情報に、前記第2の測定情報が含まれている場合、前記第1の測定情報から前記第2の測定情報を除いた情報を重視して、前記第1の無線セルの無線パラメータを決定する、
付記13乃至15のいずれかに記載の無線パラメータ制御方法。
【0103】
(付記20)
前記第2の無線セルの無線パラメータの変更によって影響を受ける無線セルを決定する際に、
前記第2の無線セルの無線パラメータの変更によって、収容する無線端末に変化が生じる第3の無線セルを予測し、前記第3の無線セルを前記第2の無線セルの無線パラメータの変更によって影響を受ける無線セルと決定する、
付記13乃至19のいずれかに記載の無線パラメータ制御方法。
【0104】
(付記21)
前記第2の無線セルの無線パラメータの変更によって影響を受ける無線セルを決定する際に、
前記無線端末における測定情報、ハンドオーバ関連情報及び無線セルの位置、の少なくとも1つを用いて、前記第3の無線セルを予測する、
付記20に記載の無線パラメータ制御方法。
【0105】
(付記22)
前記第2の無線セルの無線パラメータの変更によって影響を受ける無線セルを決定する際に、
前記第2の無線セルの無線パラメータの変更によって、測定情報に変化が生じた第4の無線セルを判定し、
前記第2の無線セルの無線パラメータの変更によって影響を受ける無線セルに、前記第4の無線セルを含める、
付記13乃至21のいずれかに記載の無線パラメータ制御方法。
【0106】
(付記23)
無線基地局が管理する無線セルにおける無線パラメータ制御をコンピュータに実行させるプログラムであって、
第2の無線セルの無線パラメータの変更によって影響を受ける無線セルを決定するステップと、
第1の無線セルの無線パラメータの決定に用いる第1の測定情報に、前記第2の無線セルの無線パラメータの変更によって影響を受ける無線セルにおける、前記第2の無線セルの無線パラメータの変更によって無効となる第2の測定情報が含まれているか否かを判定するステップと、
前記判定結果に応じて、前記第1の無線セルの無線パラメータを決定するステップと、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【0107】
(付記24)
無線基地局が管理する無線セルの無線パラメータを制御する無線パラメータ制御システムであって、
第1の無線セルの無線パラメータの決定に用いる第1の測定情報に、第2の無線セルの無線パラメータの変更によって影響を受ける無線セルにおける、前記第2の無線セルの無線パラメータの変更によって無効となる第2の測定情報が含まれているか否かを判定する測定情報判定部と、
前記第2の無線セルの無線パラメータの変更によって影響を受ける無線セルを決定する影響セル決定部と、
前記測定情報判定部における判定結果に応じて、前記第1の無線セルの無線パラメータを決定する無線パラメータ決定部と、
を備える無線パラメータ制御システム。
【0108】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【0109】
本出願は、2012年4月24日に出願された日本出願特願2012−098604号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
【符号の説明】
【0110】
1 無線パラメータ制御装置
2 無線基地局
3 無線セル
4 UE
10 無線パラメータ決定部
11 測定情報判定部
12 影響セル決定部
13 影響判定部
21 マクロ無線基地局(MNB)
22 マクロ無線セル(MC)
23 ピコ無線基地局(PNB)
24 ピコ無線セル(PC)
25 ピコ無線基地局(PNB)
26 ピコ無線セル(PC)
27 UE
41 マクロ無線基地局(MNB)
42 マクロ無線セル(MC)
43 ピコ無線基地局(PNB)
44 ピコ無線セル(PC)
45 UE
51 マクロ無線基地局(MNB)
52 マクロ無線セル(MC)
53 ピコ無線基地局(PNB)
54 ピコ無線セル(PC)
55 ピコ無線基地局(PNB)
56 ピコ無線セル(PC)
61 無線パラメータ制御装置
71 通信回線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【国際調査報告】