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再表2013-161980シクロヘキサンジアミド誘導体及びその医薬用途
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  • 再表WO2013161980-シクロヘキサンジアミド誘導体及びその医薬用途 図000027
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2013年10月31日
【発行日】2015年12月24日
(54)【発明の名称】シクロヘキサンジアミド誘導体及びその医薬用途
(51)【国際特許分類】
   C07C 255/60 20060101AFI20151201BHJP
   C07C 321/14 20060101ALI20151201BHJP
   C07C 317/44 20060101ALI20151201BHJP
   C07C 237/24 20060101ALI20151201BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20151201BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20151201BHJP
   A61P 9/12 20060101ALI20151201BHJP
   A61K 31/277 20060101ALI20151201BHJP
   A61K 31/167 20060101ALI20151201BHJP
【FI】
   C07C255/60CSP
   C07C321/14
   C07C317/44
   C07C237/24
   A61P43/00 111
   A61P13/12
   A61P9/12
   A61K31/277
   A61K31/167
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】47
【出願番号】特願2013-519883(P2013-519883)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2013年4月26日
(31)【優先権主張番号】特願2012-102764(P2012-102764)
(32)【優先日】2012年4月27日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】000003159
【氏名又は名称】東レ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】黒澤 聡
(72)【発明者】
【氏名】西村 裕
(72)【発明者】
【氏名】加藤 祐子
(72)【発明者】
【氏名】渕 信寛
(72)【発明者】
【氏名】青木 拓実
(72)【発明者】
【氏名】山田 将輝
(72)【発明者】
【氏名】山田 尚弘
【テーマコード(参考)】
4C206
4H006
【Fターム(参考)】
4C206AA01
4C206AA02
4C206AA03
4C206GA31
4C206HA14
4C206MA01
4C206MA04
4C206NA14
4C206ZA42
4C206ZA81
4C206ZC20
4H006AA01
4H006AA03
4H006AB20
4H006BJ20
4H006BJ50
4H006BM30
4H006BM72
4H006BV22
4H006BV24
4H006BV62
4H006TA01
4H006TA02
4H006TA04
4H006TB02
(57)【要約】
本発明は、sEH阻害活性を示す化合物を提供するとともに、sEH阻害作用に基づき慢性腎臓病及び肺高血圧症に対する治療効果及び予防効果を発揮する医薬を提供することを目的としている。本発明は、下記の化学式に代表されるシクロヘキサンジアミド誘導体を提供する。

【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の一般式(I)で示される、シクロヘキサンジアミド誘導体。
【化1】
[式中、Rは、水酸基、シアノ基、炭素数1〜6のアルキル基若しくはアルキルオキシ基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数2〜7のアルキルオキシアルキル基、炭素数4〜7のシクロアルキルアルキル基(該アルキル基、該アルキルオキシ基、該シクロアルキル基、該アルキルオキシアルキル基及び該シクロアルキルアルキル基は、1〜3個の水素原子が、それぞれ独立して、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、−SR、−S(=O)R又は−S(=O)で置換されていてもよい)、フェニルオキシ基(該フェニルオキシ基は、ベンゼン環の1〜3個の水素原子が、それぞれ独立して、炭素数1〜6のアルキルオキシ基で置換されていてもよい)、−N(H)C(=O)R、−N(H)S(=O)、−C(=O)N(H)R又は−C(=O)ORを表し、
及びRは、それぞれ独立して、水素原子(ただし、R及びRは、同時に水素原子を表すことはない)、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数2〜7のアルキルオキシアルキル基(該アルキル基及び該アルキルオキシアルキル基は、1〜3個の水素原子が、それぞれ独立して、ハロゲン原子、水酸基又はシアノ基で置換されていてもよい)を表すか、一緒になって−(CH−を表すか、又は、さらにRと一緒になってアダマンチル基を表してもよく、
及びRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基又は炭素数1〜6のアルキル基若しくはアルキルオキシ基(該アルキル基及び該アルキルオキシ基は、1〜3個の水素原子が、それぞれ独立して、ハロゲン原子で置換されていてもよい)を表し、
は、炭素数1〜6のアルキル基を表し、
は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数2〜7のアルキルオキシアルキル基又は炭素数4〜7のシクロアルキルアルキル基(該アルキル基、該シクロアルキル基、該アルキルオキシアルキル基及び該シクロアルキルアルキル基は、1〜3個の水素原子が、それぞれ独立して、ハロゲン原子、水酸基又はシアノ基で置換されていてもよい)を表し、
lは、2〜5の整数を表す。]
【請求項2】
及びRは、それぞれ独立して、水素原子若しくは炭素数1〜6のアルキル基を表すか、又は、一緒になって−(CH−を表し、
は、ベンゼン環上の2位の置換基である、請求項1記載のシクロヘキサンジアミド誘導体。
【請求項3】
は、炭素数1〜6のアルキル基又は−N(H)C(=O)Rであり、
は、ハロゲン原子、シアノ基又は炭素数1〜6のアルキル基若しくはアルキルオキシ基であり、
は、ハロゲン原子又は炭素数1〜6のアルキル基若しくはアルキルオキシ基である、請求項2記載のシクロヘキサンジアミド誘導体。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項記載のシクロヘキサンジアミド誘導体を有効成分として含有する、医薬。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれか一項記載のシクロヘキサンジアミド誘導体を有効成分として含有する、可溶性エポキシド加水分解酵素阻害剤。
【請求項6】
請求項1〜3のいずれか一項記載のシクロヘキサンジアミド誘導体を有効成分として含有する、慢性腎臓病若しくは肺高血圧症の治療剤又は予防剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シクロヘキサンジアミド誘導体及びその医薬用途に関する。
【背景技術】
【0002】
腎臓病患者の増加に伴い、人工透析患者が世界中で増加し続けており、その数はこの30年間で10倍以上に達している。このような状況下、慢性腎臓病という新しい疾患の概念が2002年に提唱された(非特許文献1)。慢性腎臓病とは、腎不全には至っていない腎機能低下状態から腎不全の末期までを含む大きな概念であり、腎機能の低下や腎障害を示唆する所見が持続して認められる状態であっても、放置すれば腎不全へと進行するリスクが高いことが判明したために提唱されたものである。
【0003】
慢性腎臓病の患者は、末期の腎不全にまで進行すると、人工透析や腎移植なしでは生存できなくなるため、患者のクオリティー・オブ・ライフは著しく低下する。さらに、慢性腎臓病の患者は、心血管疾患を併発することも多く、この場合には死亡リスクが一段と高まる。このため、慢性腎臓病の早期治療は極めて重要性が高く、心血管疾患の併発を抑制するという観点からも大きな意味を持つとされている。
【0004】
しかし、現在、慢性腎臓病の有効な治療剤は存在しないため、慢性腎臓病の患者には、アンジオテンシンII受容体拮抗剤やアンジオテンシン変換酵素阻害剤等のアンジオテンシン系の降圧剤が処方され、厳格な血圧管理を行うことで、慢性腎臓病の進展と心血管疾患の併発及び進展を食い止める治療がなされるのが通例である(非特許文献2)。
【0005】
一方、肺高血圧症とは、肺動脈圧の上昇を認める病態の総称であり、運動耐容能を著しく低下させ、そのほとんどが進行性で予後も不良であることが知られている。健常人は、肺動脈圧が全身の血圧より低く維持されているが、肺高血圧症患者は、平均肺動脈圧が安静時に25mmHg以上あり(運動時には30mmHg以上あり)、この状態が長期間持続することで右心室肥大や右心不全が誘発され、最悪の場合には死に至ることになる。
【0006】
肺高血圧症発症の原因の一つには、肺血管攣縮が関与していると考えられているため、肺高血圧症の治療には、プロスタサイクリン誘導体、エンドセリンレセプター拮抗剤及びホスホジエステラーゼ阻害剤等の短期肺血管拡張作用を示す薬剤が使用されている(非特許文献3)。
【0007】
近年、内皮細胞由来の過分極因子の一つであるエポキシエイコサトリエン酸(Epoxyeicosatrienoic acids;以下、EETs)が、血圧上昇抑制作用及び血管内皮保護作用を有しており、腎臓や肺の疾患において臓器保護作用を示すことが報告された(非特許文献4及び5)。EETsは、可溶性エポキシド加水分解酵素(soluble epoxide hydrolase;以下、sEH)によってジヒドロキシエイコサトリエン酸(dihydroxyeicosatrienoic acids;以下、DHETs)に代謝され失活するが、可溶性エポキシド加水分解酵素阻害剤(以下、sEH阻害剤)は、EETsの量を増加させ、血圧上昇抑制や血管内皮保護作用を発揮することが示されている(非特許文献6〜8及び特許文献1)。
【0008】
しかし、sEH阻害剤であっても、自然発症型高血圧(Spontaneously Hypertensive Rat)モデルに対しては治療効果を示さないことが報告されている(非特許文献9〜11)。
【0009】
一方、sEH阻害活性を示し、慢性腎臓病及び肺高血圧症の治療に有用な化合物が、報告されている(特許文献1及び2並びに非特許文献8)が、これらの化合物の構造は、いずれもシクロヘキサンジアミド構造を有するものではない。
【0010】
また、シクロヘキサンジアミド構造を有する化合物としては、O6−アルキルグアニン誘導体(特許文献3)及びアミノメチルシクロヘキサンアミン誘導体(特許文献4)が報告されているが、これらの誘導体とsEH阻害活性との関係については一切開示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】国際公開第2007/106525号
【特許文献2】特開2011−16742号公報
【特許文献3】国際公開第2010/034931号
【特許文献4】国際公開第2009/146539号
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】NKF−K/DOQI、American Journal of Kidney Disease、2001年、第37巻(suppl. 1)、p.S182−S238
【非特許文献2】飯野靖彦ら、「CKD診療ガイド2009」、日本腎臓学会編、2009年、p58−68
【非特許文献3】佐藤徹、最新医学、2010年、第65巻、第8号、p.1698−1702
【非特許文献4】Leeら、The Journal of the Federation of America Societies for Experimantal Biology、2010年、第24巻、P.3770−3781
【非特許文献5】Dhanasekaranら、AJP−Heart and Circulatory Physiology、2006年、第291巻、H517−H531
【非特許文献6】Spectorら、Progress in Lipid Research、2004年、第43巻、p.55−90
【非特許文献7】Larsenら、Trends in Pharmacological Science、2006年、第28巻、第1号、p.32−38
【非特許文献8】Imigら、Pharmaceuticals、2009年、第2巻、p.217−227
【非特許文献9】Shenら、Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters、2009年、第19巻、p.3398−3404
【非特許文献10】Shenら、Journal of Medicinal Chemistry、2009年、第52巻、p.5009−5012
【非特許文献11】Shenら、Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters、2009年、第19巻、p.5314−5320
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、慢性腎臓病の治療において、アンジオテンシン系降圧剤による血圧管理のみでは慢性腎臓病の進行を阻止するには不十分であるだけでなく、アンジオテンシン系降圧剤の使用は咳等の副作用のリスクを伴うおそれがある。また、肺高血圧症については、その治療法及び予防法は未だ確立されていないのが現状であり、肺高血圧症の治療に用いられている薬剤は、頭痛や潮紅等の副作用を高頻度で引き起こすリスクがある。中でも、プロスタサイクリン誘導体は、半減期が短いだけでなく、持続投与した場合であっても薬効が不十分であり、エンドセリンレセプター拮抗剤に至っては、肝毒性等の副作用を伴うリスクが懸念されている。
【0014】
さらに、慢性腎臓病及び肺高血圧症は、患者のクオリティー・オブ・ライフを著しく低下させるおそれがあり、死亡リスクのある重篤な疾患であるため、発症メカニズムに基づき薬効が発揮される薬剤の早期創出が強く望まれている。
【0015】
原因は不明であるが、sEH阻害活性を示す化合物であったとしても、高血圧に対して治療効果を示すとは限らないため(非特許文献10〜12)、慢性腎不全や肺高血圧症に対して、治療効果を示すsEH阻害剤を見出すことは容易ではない。しかしながら、sEHを阻害しEETsの分解を強く抑制することにより、病態の進行に伴う腎機能低下や肺動脈圧上昇に対して抑制作用を示す化合物を見出すことができれば、sEHが過剰発現していない正常組織には影響を及ぼさない、安全性の高い医薬になり得ると考えるに至った。
【0016】
そこで本発明は、sEH阻害活性を示す化合物を提供するとともに、sEH阻害作用に基づき慢性腎臓病及び肺高血圧症に対する治療効果及び予防効果を発揮する医薬を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討した結果、新規なシクロヘキサンジアミド誘導体が、sEH阻害活性を示すこと、並びに、その作用メカニズムに基づき慢性腎臓病及び肺高血圧症に対し優れた治療効果を発揮することを見出し、本発明を完成させた。
【0018】
すなわち、本発明は、以下の一般式(I)で示されるシクロヘキサンジアミド誘導体を提供する。
【化1】
[式中、Rは、水酸基、シアノ基、炭素数1〜6のアルキル基若しくはアルキルオキシ基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数2〜7のアルキルオキシアルキル基、炭素数4〜7のシクロアルキルアルキル基(該アルキル基、該アルキルオキシ基、該シクロアルキル基、該アルキルオキシアルキル基及び該シクロアルキルアルキル基は、1〜3個の水素原子が、それぞれ独立して、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、−SR、−S(=O)R又は−S(=O)で置換されていてもよい)、フェニルオキシ基(該フェニルオキシ基は、ベンゼン環の1〜3個の水素原子が、それぞれ独立して、炭素数1〜6のアルキルオキシ基で置換されていてもよい)、−N(H)C(=O)R、−N(H)S(=O)、−C(=O)N(H)R又は−C(=O)ORを表し、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子(ただし、R及びRは、同時に水素原子を表すことはない)、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数2〜7のアルキルオキシアルキル基(該アルキル基及び該アルキルオキシアルキル基は、1〜3個の水素原子が、それぞれ独立して、ハロゲン原子、水酸基又はシアノ基で置換されていてもよい)を表すか、一緒になって−(CH−を表すか、又は、さらにRと一緒になってアダマンチル基を表してもよく、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基又は炭素数1〜6のアルキル基若しくはアルキルオキシ基(該アルキル基及び該アルキルオキシ基は、1〜3個の水素原子が、それぞれ独立して、ハロゲン原子で置換されていてもよい)を表し、Rは、炭素数1〜6のアルキル基を表し、Rは、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数2〜7のアルキルオキシアルキル基又は炭素数4〜7のシクロアルキルアルキル基(該アルキル基、該シクロアルキル基、該アルキルオキシアルキル基及び該シクロアルキルアルキル基は、1〜3個の水素原子が、それぞれ独立して、ハロゲン原子、水酸基又はシアノ基で置換されていてもよい)を表し、lは、2〜5の整数を表す。]
【0019】
上記のシクロヘキサンジアミド誘導体は、R及びRが、それぞれ独立して、水素原子若しくは炭素数1〜6のアルキル基を表すか、又は、一緒になって−(CH−を表し、Rが、ベンゼン環上の2位の置換基であることが好ましい。
【0020】
この場合には、より強いsEH阻害活性が期待できる点で優れている。
【0021】
また、上記のシクロヘキサンジアミド誘導体は、Rが、炭素数1〜6のアルキル基又は−N(H)C(=O)Rであり、Rが、ハロゲン原子、シアノ基又は炭素数1〜6のアルキル基若しくはアルキルオキシ基であり、Rが、ハロゲン原子又は炭素数1〜6のアルキル基若しくはアルキルオキシ基であることがより好ましい。
【0022】
この場合には、より強いsEH阻害活性が期待でき、加えて、薬物動態も優れていることから、慢性腎臓病及び肺高血圧症におけるより優れた治療効果が期待できる。
【0023】
また本発明は、上記のシクロヘキサンジアミド誘導体を有効成分として含有するsEH阻害剤を提供する。
【0024】
さらに本発明は、上記のシクロヘキサンジアミド誘導体を有効成分として含有する医薬を提供する。この医薬は、慢性腎臓病若しくは肺高血圧症の治療剤又は予防剤であることが特に好ましい。
【発明の効果】
【0025】
本発明のシクロヘキサンジアミド誘導体は、sEH阻害活性が強いことから、その作用メカニズムに基づき慢性腎臓病及び肺高血圧症に対して高い治療効果又は予防効果を発揮でき、患者の症状に合わせて、副作用を軽減した処方を選択できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】ラット抗糸球体基底膜抗血清(抗GBM抗血清)投与腎炎モデルにおける血清クレアチニン(sCre)値に対する実施例化合物1及び2の作用を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明のシクロヘキサンジアミド誘導体は、以下の一般式(I)で示されることを特徴としている。
【化2】
[式中、Rは、水酸基、シアノ基、炭素数1〜6のアルキル基若しくはアルキルオキシ基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数2〜7のアルキルオキシアルキル基、炭素数4〜7のシクロアルキルアルキル基(該アルキル基、該アルキルオキシ基、該シクロアルキル基、該アルキルオキシアルキル基及び該シクロアルキルアルキル基は、1〜3個の水素原子が、それぞれ独立して、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、−SR、−S(=O)R又は−S(=O)で置換されていてもよい)、フェニルオキシ基(該フェニルオキシ基は、ベンゼン環の1〜3個の水素原子が、それぞれ独立して、炭素数1〜6のアルキルオキシ基で置換されていてもよい)、−N(H)C(=O)R、−N(H)S(=O)、−C(=O)N(H)R又は−C(=O)ORを表し、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子(ただし、R及びRは、同時に水素原子を表すことはない)、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数2〜7のアルキルオキシアルキル基(該アルキル基及び該アルキルオキシアルキル基は、1〜3個の水素原子が、それぞれ独立して、ハロゲン原子、水酸基又はシアノ基で置換されていてもよい)を表すか、一緒になって−(CH−を表すか、又は、さらにRと一緒になってアダマンチル基を表してもよく、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基又は炭素数1〜6のアルキル基若しくはアルキルオキシ基(該アルキル基及び該アルキルオキシ基は、1〜3個の水素原子が、それぞれ独立して、ハロゲン原子で置換されていてもよい)を表し、Rは、炭素数1〜6のアルキル基を表し、Rは、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数2〜7のアルキルオキシアルキル基又は炭素数4〜7のシクロアルキルアルキル基(該アルキル基、該シクロアルキル基、該アルキルオキシアルキル基及び該シクロアルキルアルキル基は、1〜3個の水素原子が、それぞれ独立して、ハロゲン原子、水酸基又はシアノ基で置換されていてもよい)を表し、lは、2〜5の整数を表す。]
【0028】
「炭素数1〜6のアルキル基」とは、炭素原子を1〜6個有する直鎖状又は炭素原子を3〜6個有する分岐鎖状の飽和炭化水素基を意味し、例えば、メチル基、エチル基、1−プロピル基、2−プロピル基、1−ブチル基、2−ブチル基、2−メチル−2−プロピル基(tert−ブチル基)、2−メチル−1−プロピル基、2,2−ジメチル−1−プロピル基、1−ペンチル基、2−ペンチル基又は3−ペンチル基が挙げられる。
【0029】
「炭素数1〜6のアルキルオキシ基」とは、上記の炭素数1〜6のアルキル基が酸素原子に結合した基を意味し、例えば、メトキシ基、エトキシ基、1−プロピルオキシ基、2−プロピルオキシ基、1−ブチルオキシ基又は2−ブチルオキシ基が挙げられる。
【0030】
「炭素数3〜6のシクロアルキル基」とは、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基又はシクロヘキシル基を意味する。
【0031】
「炭素数2〜7のアルキルオキシアルキル基」とは、炭素原子を2〜7個有し、アルキル基の1個の水素原子がアルキルオキシ基で置換された基を意味し、例えば、メトキシメチル基、メトキシエチル基、メトキシプロピル基、エトキシメチル基、プロポキシメチル基又はイソプロポキシメチル基が挙げられる。
【0032】
「炭素数4〜7のシクロアルキルアルキル基」とは、炭素原子を4〜7個有し、アルキル基の1個の水素原子がシクロアルキル基で置換された基を意味し、例えば、シクロプロピルメチル基、シクロプロピルエチル基、シクロプロピルプロピル基、シクロブチルメチル基、シクロペンチルメチル基又はシクロヘキシルメチル基が挙げられる。
【0033】
「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を意味する。
【0034】
上記のシクロヘキサンジアミド誘導体は、一般式(I)において、Rは、水酸基、炭素数1〜6のアルキル基又は−N(H)C(=O)Rであることが好ましく、炭素数1〜6のアルキル基又は−N(H)C(=O)Rであることがより好ましく、メチル基又はプロピオンアミジル基であることがさらに好ましい。この場合、炭素数1〜6のアルキル基は、1〜3個の水素原子が、それぞれ独立して、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、−SR、−S(=O)R又は−S(=O)で置換されていてもよい。
【0035】
及びRは、それぞれ独立して、水素原子若しくは炭素数1〜6のアルキル基であるか、又は、一緒になって−(CH−であることが好ましく、それぞれ独立して、水素原子若しくは炭素数1〜3のアルキル基であるか、又は、一緒になって−(CH−若しくは−(CH−であることがより好ましく、それぞれ独立して、水素原子、メチル基又は2−プロピル基であることがさらに好ましい。
【0036】
は、ハロゲン原子、シアノ基又は炭素数1〜6のアルキル基若しくはアルキルオキシ基であることが好ましく、ハロゲン原子又はシアノ基であることがより好ましい。
【0037】
は、ベンゼン環上の2位の置換基であることが好ましい。また、Rは、ハロゲン原子又は炭素数1〜6のアルキル基若しくはアルキルオキシ基であることが好ましく、ハロゲン原子又は炭素数1〜6のアルキルオキシ基であることがより好ましく、トリフルオロメトキシ基であることがさらに好ましい。
【0038】
は、メチル基であることが好ましい。
【0039】
は、メチル基又はエチル基であることが好ましい。
【0040】
lは、2又は3であることが好ましい。
【0041】
上記の一般式(I)で示されるシクロヘキサンジアミド誘導体(以下、シクロヘキサンジアミド誘導体(I))は、不斉炭素原子を有する化合物を包含している。この場合、光学異性体やジアステレオマーが存在するものであるが、シクロヘキサンジアミド誘導体(I)は単一異性体のみならず、ラセミ体及びジアステレオマー混合物も包含するものである。
【0042】
シクロヘキサンジアミド誘導体(I)の製造に使用する出発物質と試薬は、市販品をそのまま利用してもよいし、又は、公知の方法により合成しても構わない。
【0043】
シクロヘキサンジアミド誘導体(I−a)は、例えば、以下のスキーム1に示すように、塩基及び縮合剤存在下、アミン誘導体(II)とカルボン酸誘導体(III)との縮合反応により製造できる。
【化3】
[式中、R1’は、水酸基、シアノ基、炭素数1〜6のアルキル基若しくはアルキルオキシ基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数2〜7のアルキルオキシアルキル基、炭素数4〜7のシクロアルキルアルキル基(該アルキル基、該アルキルオキシ基、該シクロアルキル基、該アルキルオキシアルキル基及び該シクロアルキルアルキル基は、1〜3個の水素原子が、それぞれ独立して、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、−SR、−S(=O)−R又は−S(=O)で置換されていてもよい)、−N(H)C(=O)R、−C(=O)N(H)R又は−C(=O)ORを表す。R〜Rは、上記定義に同じ。]
【0044】
縮合反応に用いる縮合剤としては、例えば、シクロヘキシルカルボジイミド、N−エチル−N’−3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミド塩酸塩、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリスジメチルアミノホスホニウム塩(BOP試薬)、1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−ベンゾトリアゾリウム−3−オキシドヘキサフルオロホスファート(HBTU)又はO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスファート(以下、HATU)が挙げられるが、HATUが好ましい。該縮合剤の当量は、アミン誘導体(II)に対して1〜10当量が好ましく、1〜3当量がより好ましい。
【0045】
縮合反応に用いる溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(以下、DMF)、テトラヒドロフラン(以下、THF)、ジクロロメタン、クロロホルム、ジエチルエーテル又はジメチルエーテルが挙げられるが、DMF又はTHFが好ましく、DMFがより好ましい。
【0046】
縮合反応に用いる塩基としては、例えば、ジイソプロピルエチルアミン(以下、DIPEA)、トリエチルアミン(以下、TEA)、ピリジン若しくはN−メチルモルホリン等の有機塩基又は炭酸カリウム、炭酸ナトリウム若しくは炭酸水素ナトリウム等の有機酸塩が挙げられるが、DIPEA又はTEAが好ましい。該塩基の当量は、アミン誘導体(II)に対して1〜100当量が好ましく、1〜10当量がより好ましい。
【0047】
縮合反応に用いるカルボン酸誘導体(III)の当量は、アミン誘導体(II)に対して0.1〜100当量が好ましく、0.1〜10当量がより好ましく、0.8〜2当量がさらに好ましい。
【0048】
縮合反応の反応温度は、−50〜100℃が好ましく、0〜50℃がより好ましく、0〜30℃がさらに好ましい。また、縮合反応の反応時間は、1分間〜48時間が好ましく、1分間〜24時間がより好ましく、10分間〜24時間がさらに好ましい。
【0049】
縮合反応におけるアミン誘導体(II)の反応開始時の濃度は、0.01〜100Mが好ましく、0.01〜10Mがより好ましく、0.1〜10Mがさらに好ましい。
【0050】
が、−N(H)C(=O)Rであるシクロヘキサンジアミド誘導体(I−b)は、例えば、以下のスキーム2に示すように、塩基存在下、アミン誘導体(IV)と酸クロリド誘導体(V)との縮合反応、又は、塩基及び縮合剤存在下、アミン誘導体(IV)とカルボン酸誘導体(VI)との縮合反応により製造できる。
【化4】
[式中、R〜R及びRは、上記定義に同じ。]
【0051】
酸クロリド誘導体(V)との縮合反応に用いる溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、アセトニトリル、DMF、THF、ジオキサン、ジエチルエーテル又は1,2−ジメトキシエタンが挙げられるが、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、アセトニトリル又はTHFが好ましく、ジクロロメタン又は1,2−ジクロロエタンがより好ましい。
【0052】
酸クロリド誘導体(V)との縮合反応に用いる酸クロリド(V)の当量は、アミン誘導体(IV)に対して0.1〜10当量が好ましく、1〜3当量がより好ましく、1〜1.5当量がさらに好ましい。
【0053】
酸クロリド誘導体(V)との縮合反応に用いる塩基としては、例えば、DIPEA、TEA、ピリジン又はN−メチルモルホリン等の有機塩基が挙げられるが、DIPEA又はTEAが好ましい。該塩基の当量は、アミン誘導体(IV)に対して1〜100当量が好ましく、1〜10当量がより好ましい。
【0054】
酸クロリド誘導体(V)との縮合反応の反応温度は、−50〜100℃が好ましく、−20〜60℃がより好ましく、0〜40℃がさらに好ましい。また、酸クロリド(V)との縮合反応の反応時間は、30分間〜24時間が好ましく、30分間〜12時間がより好ましく、30分間〜8時間がさらに好ましい。
【0055】
酸クロリド誘導体(V)との縮合反応におけるアミン誘導体(IV)の反応開始時の濃度は、0.01〜100Mが好ましく、0.01〜10Mがより好ましく、0.1〜10Mがさらに好ましい。
【0056】
一方、アミン誘導体(IV)とカルボン酸誘導体(VI)との縮合反応は、スキーム1と同様の条件により行うことができる。
【0057】
が、−N(H)S(=O)であるシクロヘキサンジアミド誘導体(I−c)は、例えば、以下のスキーム3に示すように、塩基存在下、アミン誘導体(IV)とスルホン酸クロリド誘導体(VII)とのスルホンアミド化反応により製造できる。
【化5】
[式中、R〜R及びRは、上記定義に同じ。]
【0058】
スルホンアミド化反応に用いる溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、アセトニトリル、DMF、THF、ジオキサン、ジエチルエーテル又は1,2−ジメトキシエタンが挙げられるが、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、アセトニトリル又はTHFが好ましく、ジクロロメタン又は1,2−ジクロロエタンがより好ましい。
【0059】
スルホンアミド化反応に用いるスルホン酸クロリド誘導体(VII)の当量は、アミン誘導体(IV)に対して0.1〜10当量が好ましく、1〜3当量がより好ましく、1〜1.5当量がさらに好ましい。
【0060】
スルホンアミド化反応に用いる塩基としては、例えば、DIPEA、TEA、ピリジン又はN−メチルモルホリン等の有機塩基が挙げられるが、DIPEA又はTEAが好ましい。該塩基の当量は、アミン誘導体(IV)に対して1〜100当量が好ましく、1〜10当量がより好ましい。
【0061】
スルホンアミド化反応の反応温度は、−50〜50℃が好ましく、−30〜30℃がより好ましく、−20〜20℃がさらに好ましい。また、スルホンアミド化反応の反応時間は、30分間〜24時間が好ましく、30分間〜12時間がより好ましく、30分間〜8時間がさらに好ましい。
【0062】
スルホンアミド化反応におけるアミン誘導体(IV)の反応開始時の濃度は、0.01〜100Mが好ましく、0.01〜10Mがより好ましく、0.1〜10Mがさらに好ましい。
【0063】
上記のスキーム2及び3における出発物質であるアミン誘導体(IV)は、例えば、以下のスキーム4に示すように、塩基存在下、アミン誘導体(II)とカルボン酸誘導体(VIII)との縮合反応後、保護基を除去する脱保護反応により製造できる。
【化6】
[式中、R〜Rは、上記定義に同じであり、Rは、保護基を表す。]
【0064】
アミン誘導体(II)とカルボン酸誘導体(VIII)との縮合反応は、スキーム1と同様の条件により行うことができる。
【0065】
縮合反応に続く脱保護反応は、例えば、Protective Groups in Organic Synthesis第3版(Greenら著、1999年、John Wiley & Sons,Inc.)に記されている公知の方法により行うことができる。例えば、保護基が、tert−ブトキシカルボニル基である場合には、トリフルオロ酢酸(以下、TFA)等の強酸で処理することで保護基を除去することができる。
【0066】
上記のスキーム4におけるカルボン酸誘導体(VIII)は、市販品をそのまま利用してもよいし、又は、公知の方法により製造しても構わない。
【0067】
上記のスキーム1及び4における出発物質であるアミン誘導体(II)は、例えば、以下のスキーム5に示すように、塩基及び縮合剤存在下、ベンジルアミン誘導体(IX)とシクロヘキサン誘導体(X)との縮合反応後、保護基を除去する脱保護反応により製造できる。
【化7】
[式中、R、R及びRは、上記定義に同じ。]
【0068】
ベンジルアミン誘導体(IX)とシクロヘキサン誘導体(X)との縮合反応は、スキーム1と同様の条件により行うことができる。
【0069】
脱保護反応は、スキーム4記載の方法と同様の条件にて行うことができる。
【0070】
スキーム5の縮合反応は、シクロヘキサン誘導体(X)を酸クロリドへ変換し、塩基存在下にて行うこともできる。
【0071】
シクロヘキサン誘導体(X)を酸クロリドへ変換する試薬としては、オキサリルクロリド又は塩化チオニルが挙げられるが、オキサリルクロリドが好ましい。該試薬の当量は、シクロヘキサン誘導体(X)に対して1〜10当量が好ましく、1〜1.5当量がより好ましい。
【0072】
シクロヘキサン誘導体(X)を酸クロリドへ変換する際に用いる溶媒としては、ジクロロメタン、クロロホルム、THF、1,2−ジクロロエタン、アセトニトリル、1,4−ジオキサン若しくはDMF、または、これらの混合溶媒が挙げられるが、ジクロロメタン、THF若しくはDMF、又は、これらの混合溶媒が好ましく、ジクロロメタンとDMFとの混合溶媒又はTHFとDMFとの混合溶媒がより好ましい。混合溶媒の比率としては、例えば、ジクロロメタンとDMFとの混合溶媒の場合、ジクロロメタン:DMF=1〜1000:1が好ましく、1〜100:1がより好ましい。
【0073】
シクロヘキサン誘導体(X)を酸クロリドへ変換する際の反応温度は、−50〜100℃が好ましく、−30〜30℃が好ましく、−20〜0℃がさらに好ましい。また、シクロヘキサン誘導体(X)を酸クロリドへ変換する際の反応時間は、30分間〜24時間が好ましく、30分間〜12時間がより好ましく、30分間〜2時間がさらに好ましい。
【0074】
シクロヘキサン誘導体(X)を酸クロリドへ変換する際の反応開始時のシクロヘキサン誘導体(X)の濃度は、0.01〜100Mが好ましく、0.01〜10Mがより好ましく、0.1〜3Mがさらに好ましい。
【0075】
上記のスキーム5におけるベンジルアミン誘導体(IX)は、市販品をそのまま利用してもよいし、又は、公知の方法により製造しても構わない。
【0076】
また、シクロヘキサンジアミド誘導体(I−b)は、例えば、以下のスキーム6に示すように、塩基及び縮合剤存在下、ベンジルアミン誘導体(IX)とカルボン酸誘導体(XI)との縮合反応によっても製造できる。
【化8】
[式中、R〜R及びRは、上記定義に同じ。]
【0077】
ベンジルアミン誘導体(IX)とカルボン酸誘導体(XI)との縮合反応は、スキーム1と同様の条件により行うことができる。
【0078】
上記のスキーム6における出発物質であるカルボン酸誘導体(XI)は、例えば、以下のスキーム7に示すように、塩基存在下、アミン誘導体(XII)と酸クロリド誘導体(V)との縮合反応、又は、塩基及び縮合剤存在下、アミン誘導体(XII)とカルボン酸誘導体(VI)との縮合反応後、保護基を除去する脱保護反応により製造できる。
【化9】
[式中、R、R及びRは、上記定義に同じであり、Rは、保護基を表す。]
【0079】
アミン誘導体(XII)と酸クロリド誘導体(V)との縮合反応、又は、アミン誘導体(XII)とカルボン酸誘導体(VI)との縮合反応は、スキーム2と同様の条件により行うことができる。
【0080】
縮合反応に続く脱保護反応は、例えば、Protective Groups in Organic Synthesis第3版(Greenら著、1999年、John Wiley & Sons,Inc.)に記されている公知の方法により行うことができる。例えば、保護基が、メチル基である場合には、水酸化ナトリウム等の強塩基で処理することで保護基を除去することができる。
【0081】
上記のスキーム7における出発物質であるアミン誘導体(XII)は、例えば、以下のスキーム8に示すように、塩基及び縮合剤存在下、アミン誘導体(XIII)とカルボン酸誘導体(VIII)との縮合反応後、保護基を除去する脱保護反応により製造できる。
【化10】
[式中、R、R、R及びRは、上記定義に同じ。]
【0082】
アミン誘導体(XIII)とカルボン酸誘導体(VIII)との縮合反応は、スキーム1と同様の条件により行うことができる。
【0083】
脱保護反応は、スキーム4記載の方法と同様の条件にて行うことができる。
【0084】
以上のようにして得られる上記のシクロヘキサンジアミド誘導体(I)、又は、上記のシクロヘキサンジアミド誘導体(I)の製造に用いる中間体、原料化合物若しくは試薬は、必要に応じて、抽出、蒸留、クロマトグラフィー又は再結晶等の方法で単離、精製してもよい。
【0085】
また、本発明の医薬、sEH阻害剤並びに慢性腎臓病若しくは肺高血圧症の治療剤及び予防剤は、シクロヘキサンジアミド誘導体(I)を有効成分として含有することを特徴としている。
【0086】
上記のシクロヘキサンジアミド誘導体(I)は、強力なsEH阻害活性を示すことから、医薬及びsEH阻害剤として用いることができ、特に、過剰なsEHによるEETs存在量の減少に起因する疾患である、慢性腎臓病及び肺高血圧症の治療剤又は予防剤として、好ましく用いられる。
【0087】
「sEH」は、基質であるエポキシドの加水分解を触媒し、対応するジオールに変換する、生体内において重要な代謝酵素である。sEHの最も知られた基質は、内皮細胞由来の過分極因子の一つであるEETsであり、sEHは、EETsをDHETsに代謝し、失活させる。EETsは、血圧上昇抑制作用及び血管内皮保護作用を有しており、腎臓や肺の疾患において臓器保護作用を示すことが知られている(The Journal of the Federation of America Societies for Experimantal Biology、2010年、第24巻、P.3770−3781及びAJP−Heart and Circulatory Physiology、2006年、第291巻、H517−H531)。
【0088】
「sEH阻害活性」とは、sEHの作用を阻害する活性を意味する。したがって、sEH阻害活性とは、sEHの基質の一つであるEETsの加水分解を触媒するというsEHの酵素反応を阻害する活性を包含する。
【0089】
「sEH阻害剤」とは、sEH阻害活性を示す化合物又は該化合物を有効成分として含有する組成物を意味する。
【0090】
sEH阻害活性は、例えば、ヒトsEHと、その基質であるEETsとをsEH阻害剤の存在下で反応させ、産生されるDHETsの量を、sEH阻害剤非存在下におけるDHETs産生量と比較することで測定できる。また、市販の測定キット(Soluble Epoxide Hydrolase Inhibitor Screening Assay Kit;Cayman社)を用いるか、公知文献(Analytical Biochemistry、2005年、第343巻、p.66−75、等)に記載の方法によっても、sEH阻害剤のsEH阻害活性を測定できる。
【0091】
また、sEH阻害剤存在下及び非存在下で、sEHの基質としてラセミ性4−ニトロフェニル−トランス−2,3−エポキシ−3−フェニルプロピルカルボナートを用いて、4−ニトロフェノラート陰イオンの出現を測定するか、又は、sEHの基質としてシアノ(6−メトキシナフタレン−2−イル)メチル 2−(3−フェニルオキシラン−2−イル)アセタートを用いて、6−メトキシ−2−ナフトアルデヒドの出現を測定することによっても、sEH阻害剤のsEH阻害活性を測定できる。
【0092】
「慢性腎臓病」とは、米国腎臓病財団―腎臓病患者の予後改善機構(The National Kidney Foundation−Kidney Disease Outcomes Quality Initiative;K/DOQI)により定義された疾病を意味する。すなわち、(1)糸球体濾過量(Glomerular filtration rate;GFR)の減少の有無に関わらず、腎臓の構造上又は機能上の異常により定義される腎臓の障害を3ヶ月間以上にわたり有する疾病、又は、(2)腎臓の障害の有無に関わらず、糸球体濾過量が3ヶ月間以上にわたり60mL/分/1.73m未満である疾病を意味する。
【0093】
「肺高血圧症」とは、血液を心臓から肺に送る肺動脈圧の上昇を認める病態のうち、安静臥位での平均肺動脈圧が25mmHg以上の状態、又は、肺疾患、睡眠時無呼吸症候群及び肺胞低換気症候群では、平均肺動脈圧が安静時で20mmHg以上の状態(運動時では、30mmHg以上)、を意味する(ダイジェスト版 肺高血圧症治療ガイドライン(2006年改訂版)、P2−P3.)。
【0094】
シクロヘキサンジアミド誘導体(I)の、慢性腎臓病に対する治療効果は、人為的に慢性腎臓病を誘発させた動物モデルを用いて評価することができる。そのような動物モデルとしては、例えば、マウスやラットを用いた抗糸球体基底膜抗血清(抗GBM抗血清)投与腎炎モデル(Kidney Internatinal、2003年、第64巻、p.1241−1252、等)又は5/6腎摘出による腎不全モデル(Journal of the American Society of Nephrology、2002年、第13巻、p.2909−2915、等)が挙げられる。なお、腎臓の機能上の異常は、血清クレアチニン値を測定することで確認できる。
【0095】
また、シクロヘキサンジアミド誘導体(I)の、肺高血圧症に対する治療効果は、人為的に肺高血圧症を誘発させた動物モデルを用いて評価することができる。そのような動物モデルとしては、例えば、ラットを用いたモノクロタリン投与肺高血圧症モデル(Journal of Pharmacological Sciences、2009年、第111巻、p.235−243)が挙げられる。なお、肺動脈圧の上昇は、右心室収縮期圧を測定することで確認できる。また、肺高血圧症に伴う右心室肥大及び肺肥大の病態は、それぞれ、右心室重量比(右心室重量/(中隔重量+左心室重量))及び肺重量比(肺重量/体重)を測定することで確認できる。
【0096】
シクロヘキサンジアミド誘導体(I)を、医薬として用いる場合は、そのまま、又は、適当な剤形の医薬組成物として、哺乳動物(例えば、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、イヌ、サル、ウシ、ヒツジ又はヒト)に対して、経口的又は非経口的(例えば、経皮投与、静脈投与、直腸内投与、吸入投与、点鼻投与又は点眼投与)に投与することができる。
【0097】
哺乳動物への投与のための剤形としては、例えば、錠剤、散剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、シロップ剤、液剤、注射剤、乳剤、懸濁剤若しくは坐剤、又は公知の持続型製剤が挙げられる。これら剤形は、公知の方法によって製造でき、製剤分野において一般的に用いられる担体を含有するものである。そのような担体としては、例えば、固形製剤における賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤、あるいは、液状製剤における溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤又は無痛化剤が挙げられる。また必要に応じて、等張化剤、緩衝剤、防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤、吸着剤又は湿潤剤等の添加物を用いても構わない。
【0098】
賦形剤としては、例えば、乳糖、D−マンニトール、澱粉、ショ糖、コーンスターチ、結晶セルロース又は軽質無水ケイ酸が挙げられる。
【0099】
滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク又はコロイドシリカが挙げられる。
【0100】
結合剤としては、例えば、結晶セルロース、D−マンニトール、デキストリン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、澱粉、ショ糖、ゼラチン、メチルセルロース又はカルボキシメチルセルロースナトリウムが挙げられる。
【0101】
崩壊剤としては、例えば、澱粉、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム又はL−ヒドロキシプロピルセルロースが挙げられる。
【0102】
溶剤としては、例えば、注射用水、アルコール、プロピレングリコール、マクロゴール、ゴマ油又はトウモロコシ油が挙げられる。
【0103】
溶解補助剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、D−マンニトール、安息香酸ベンジル、エタノール、コレステロール、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム又はクエン酸ナトリウムが挙げられる。
【0104】
懸濁化剤としては、例えば、ステアリルトリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸、レシチン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム若しくはモノステアリン酸グリセリン等の界面活性剤又はポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース若しくはヒドロキシプロピルセルロース等の親水性高分子が挙げられる。
【0105】
無痛化剤としては、例えば、ベンジルアルコールが挙げられる。
【0106】
等張化剤としては、例えば、ブドウ糖、塩化ナトリウム、D−ソルビトール又はD−マンニトールが挙げられる。
【0107】
緩衝剤としては、例えば、リン酸塩、酢酸塩、炭酸塩又はクエン酸塩等の緩衝液が挙げられる。
【0108】
防腐剤としては、例えば、パラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、デヒドロ酢酸又はソルビン酸が挙げられる。
【0109】
抗酸化剤としては、例えば、亜硫酸塩又はアスコルビン酸が挙げられる。
【0110】
上記の医薬は、シクロヘキサンジアミド誘導体(I)を、0.001〜99重量%含有することが好ましく、0.01〜99重量%含有することがより好ましい。シクロヘキサンジアミド誘導体(I)の、有効投与量及び投与回数は、投与形態、患者の年齢、体重又は治療すべき症状の性質若しくは重篤度によっても異なるが、通常成人1日当り1〜1000mgを、好ましくは1〜300mgを、1回又は数回に分けて投与することができる。
【0111】
なお、上記の医薬は、単独で投与してもよいが、疾患の予防効果若しくは治療効果の補完又は増強、あるいは投与量の低減のために、他の薬剤と配合するか、他の薬剤と併用して使用することもできる。
【0112】
配合又は併用し得る他の薬剤(以下、併用薬剤)としては、例えば、糖尿病治療剤、糖尿病性合併症治療剤、高脂血症治療剤、降圧剤、肺高血圧症治療剤、抗肥満剤、利尿剤、化学療法剤、免疫療法剤、抗血栓剤又は悪液質改善剤が挙げられる。
【0113】
上記の医薬を併用薬剤と併用して使用する場合には、上記の医薬及び併用薬剤の投与時期は特に限定されず、これらを投与対象に対して同時に投与してもよいし、時間差をおいて投与しても構わない。また、併用薬剤は低分子化合物であってもよいし、タンパク質、ポリペプチド若しくは抗体等の高分子又はワクチン等であっても構わない。併用薬剤の投与量は、臨床上用いられている投与量を基準として、適宜選択することができる。上記の医薬と併用薬剤との配合比は、投与対象、投与ルート、対象疾患、症状又は、上記の医薬と併用薬剤の組み合わせ等により適宜選択することができる。例えば、投与対象がヒトである場合には、シクロヘキサンジアミド誘導体(I)に対し、併用薬剤を0.01〜99.99の配合比で用いればよい。
【0114】
糖尿病治療剤としては、例えば、ウシ若しくはブタの膵臓から抽出された動物インスリン製剤、大腸菌若しくは酵母を用いて遺伝子工学的に合成したヒトインスリン製剤、インスリン亜鉛、プロタミンインスリン亜鉛、インスリンのフラグメント若しくは誘導体等のインスリン製剤、塩酸ピオグリタゾン、トログリタゾン、ロシグリタゾン若しくはそのマレイン酸塩等のインスリン抵抗性改善剤、ボグリボース、アカルボース、ミグリトール若しくはエミグリテート等のα−グルコシダーゼ阻害剤、フェンホルミン、メトホルミン若しくはブホルミン等のビグアナイド剤、トルブタミド、グリベンクラミド、グリクラジド、クロルプロパミド、トラザミド、アセトヘキサミド、グリクロピラミド、グリメピリド、グリピザイド、グリブゾール、レパグリニド、ナテグリニド、ミチグリニド若しくはそのカルシウム塩水和物等のインスリン分泌促進剤、プラムリンチド等のアミリンアゴニスト、バナジン酸等のホスホチロシンホスファターゼ阻害剤、シタグリプチン、ビルダグリプチン、アログリプチン等のDPP−IV阻害剤、エクセナチド、リラグルチド等のGLP−1様作用物質、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤、グルコース−6−ホスファターゼ阻害剤、グルカゴン拮抗剤又はSGLUT阻害剤が挙げられる。
【0115】
糖尿病性合併症治療剤としては、例えば、トルレスタット、エパルレスタット、ゼナレスタット、ゾポルレスタット、ミナルレスタット若しくはフィダレスタット等のアルドース還元酵素阻害剤、NGF、NT−3若しくはBDNF等の神経栄養因子、神経栄養因子産生・分泌促進剤、PKC阻害剤、AGE阻害剤、チオクト酸等の活性酸素消去剤又はチアプリド若しくはメキシレチン等の脳血管拡張剤が挙げられる。
【0116】
高脂血症治療剤としては、例えば、プラバスタチン、シンバスタチン、ロバスタチン、アトルバスタチン、フルバスタチン、リパンチル、セリバスタチン若しくはイタバスタチン等のHMG−CoA還元酵素阻害剤、ベザフィブラート、ベクロブラート、ビニフィブラート、シプロフィブラート、クリノフィブラート、クロフィブラート、クロフィブリン酸、エトフィブラート、フェノフィブラート、ゲムフィブロジル、ニコフィブラート、ピリフィブラート、ロニフィブラート、シムフィブラート若しくはテオフィブラート等のフィブラート系化合物、スクアレン合成酵素阻害剤、アバシマイブ若しくはエフルシマイブ等のACAT阻害剤、コレスチラミン等の陰イオン交換樹脂、プロブコール、ニコモール若しくはニセリトロール等のニコチン酸系薬剤又はイコサペント酸エチル、ソイステロール若しくはガンマオリザノール等の植物ステロールが挙げられる。
【0117】
降圧剤としては、例えば、カプトプリル、エナラプリル若しくはデラプリル等のアンジオテンシン変換酵素阻害剤、カンデサルタンシレキセチル、ロサルタン、エプロサルタン、バルサンタン、テルミサルタン、イルベサルタン若しくはタソサルタン等のアンジオテンシンII拮抗剤、マニジピン、ニフェジピン、ニカルジピン、アムロジピン若しくはエホニジピン等のカルシウム拮抗剤、レブクロマカリム等のカリウムチャンネル開口剤、クロニジン又はアリスキレンが挙げられる。
【0118】
肺高血圧症治療剤としては、例えば、ボセンタン、アンブリセンタン、シタキセンタン若しくはマシテンタン等のエンドセリン受容体拮抗剤、シルデナフィル、タダラフィル若しくはバルデナフィル等のPDE−5阻害剤、ベラプロスト、イロプロスト、エポプロステノール若しくはトレプロスチニル等のプロスタサイクリン製剤、PGI2アゴニストであるセレキシパグ又はファスジル、イマチニブ、ソラフェニブ若しくはバフェチニブ等のキナーゼ阻害剤が挙げられる。
【0119】
抗肥満剤としては、例えば、デキスフェンフルラミン、フェンフルラミン、フェンテルミン、シブトラミン、アンフェプラモン、デキサンフェタミン、マジンドール、フェニルプロパノールアミン若しくはクロベンゾレックス等の中枢性抗肥満剤、オルリスタット等の膵リパーゼ阻害剤、β3アゴニスト、レプチン若しくはCNTF(毛様体神経栄養因子)等のペプチド性食欲抑制剤又はリンチトリプト等のコレシストキニンアゴニストが挙げられる。
【0120】
利尿剤としては、例えば、サリチル酸ナトリウムテオブロミン若しくはサリチル酸カルシウムテオブロミン等のキサンチン誘導体、エチアジド、シクロペンチアジド、トリクロルメチアジド、ヒドロクロロチアジド、ヒドロフルメチアジド、ベンチルヒドロクロロチアジド、ペンフルチジド、ポリチアジド若しくはメチクロチアジド等のチアジド系製剤、スピロノラクトン若しくはトリアムテレン等の抗アルドステロン製剤、アセタゾラミド等の炭酸脱水酵素阻害剤、クロルタリドン、メフルシド若しくはインダパミド等のクロルベンゼンスルホンアミド系製剤、アゾセミド、イソソルビド、エタクリン酸、ピレタニド、ブメタニド又はフロセミドが挙げられる。
【0121】
化学療法剤としては、例えば、サイクロフォスファミド若しくはイフォスファミド等のアルキル化剤、メソトレキセート若しくは5−フルオロウラシル等の代謝拮抗剤、マイトマイシン若しくはアドリアマイシン等の抗癌性抗生物質、ビンクリスチン、ビンデシン若しくはタキソール等の植物由来抗癌剤、シスプラチン、オキサロプラチン、カルボプラチン又はエトポキシド等が挙げられる。
【0122】
免疫療法剤としては、例えば、ムラミルジペプチド誘導体、ピシバニール、レンチナン、シゾフィラン、クレスチン、インターフェロン、インターロイキン(IL)、顆粒球コロニー刺激因子又はエリスロポエチン等が挙げられる。
【0123】
抗血栓剤としては、例えば、ヘパリンナトリウム、ヘパリンカルシウム若しくはダルテパリンナトリウム等のヘパリン、ワルファリンカリウム等のワルファリン、アルガトロバン等の抗トロンビン剤、ウロキナーゼ、チソキナーゼ、アルテプラーゼ、ナテプラーゼ、モンテプラーゼ若しくはパミテプラーゼ等の血栓溶解剤、塩酸チクロピジン、シロスタゾール、イコサペント酸エチル、ベラプロストナトリウム若しくは塩酸サルポグレラート等の血小板凝集抑制剤が挙げられる。
【0124】
悪液質改善剤としては、例えば、インドメタシン若しくはジクロフェナック等のシクロオキシゲナーゼ阻害剤、メゲステロールアセテート等のプロゲステロン誘導体、デキサメサゾン等の糖質ステロイド、メトクロプラミド系薬剤、テトラヒドロカンナビノール系薬剤若しくはエイコサペンタエン酸等の脂肪代謝改善剤、成長ホルモン、IGF−1又は悪液質を誘導する因子であるTNF−α、LIF、IL−6若しくはオンコスタチンMに対する抗体が挙げられる。
【実施例】
【0125】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。シリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製は、特に記述のない場合、「HI−FLASH」カラム(山善社製)又はPurif−α2(昭光サイエンティフィックス社製)を用いて行った。
【0126】
(実施例1)
cis−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−4−((S)−3−メチル−2−プロピオナミドブタナミド)シクロヘキサンカルボキサミドの合成:
〔ステップ1〕
4−ブロモ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンズアルデヒド(以下、参考例化合物1)の合成:
−78℃下、4−ブロモ−1−ヨード−2−(トリフルオロメトキシ)ベンゼン(25g、68mmol)のTHF(0.40L)溶液に、n−ブチルリチウムヘキサン溶液(1.6規定、86mL、0.14mol)を1.5時間かけて滴下した。−78℃下で1時間撹拌した後、反応溶液に、DMF(11mL、0.14mmol)を10分間かけて滴下した。−78℃下で2時間撹拌した後、反応溶液に、クエン酸水溶液(0.25M、0.25L、63mmol)を加え、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し、参考例化合物1を16g(87%)得た。
【0127】
〔ステップ2〕
(4−ブロモ−2−(トリフルオロメトキシ)フェニル)メタノール(以下、参考例化合物2)の合成:
−10℃下、参考例化合物1(16g、59mmol)のメタノール(0.23L)溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(2.4g、63mmol)を加えた。−10℃下で10分間撹拌した後、反応溶液に、アセトン(10mL)及び1規定塩酸(10mL)を加えた。反応溶液を減圧濃縮し、得られた粗生成物に、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=50:1→1:1)で精製し、参考例化合物2を15g(91%)得た。
【0128】
〔ステップ3〕
4−ブロモ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル メタンスルホナート(以下、参考例化合物3)の合成:
室温下、参考例化合物2(0.63mL、7.4mmol)及びTEA(1.2mL、8.9mmol)のジクロロメタン(20mL)溶液に、メタンスルホニルクロリド(0.63mL、8.1mmol)を加えた。室温下で3時間撹拌した後、反応溶液に水を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し、参考例化合物3を2.6g(定量的)得た。
【0129】
〔ステップ4〕
2−(4−ブロモ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)イソインドリン−1,3−ジオン(以下、参考例化合物4)の合成:
氷冷下、参考例化合物3(2.6g、7.4mmol)のDMF(20mL)溶液に、フタルイミドカリウム(2.1g、11mmol)を加えた。室温下で一晩撹拌した後、水を加えた。生じた固体をろ取した後、水で洗浄し、乾燥後、参考例化合物4を2.7g(91%)得た。
【0130】
〔ステップ5〕
(4−ブロモ−2−(トリフルオロメトキシ)フェニル)メタンアミン(以下、参考例化合物5)の合成:
室温下、参考例化合物4(2.6g、6.5mmol)のメタノール(40mL)溶液に、ヒドラジン一水和物(0.98g、19mmol)を加えた。60℃下で2時間撹拌した後、室温に冷却し、固体をろ別した。ろ液を減圧濃縮し、得られた粗生成物を酢酸エチルに溶解し、水及び飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し、参考例化合物5を1.5g(85%)得た。
【0131】
〔ステップ6〕
tert−ブチル (cis−4−((4−ブロモ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)カルバモイル)シクロヘキシル)カルバメート(以下、参考例化合物6)の合成:
室温下、cis−4−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキサンカルボン酸(0.27g、1.1mmol)、参考例化合物5(0.30g、1.1mmol)及びDIPEA(0.48mL、2.7mmol)のDMF(3.0mL)溶液に、HATU(0.41g、1.1mmol)を加えた。室温下で4時間撹拌した後、反応溶液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水及び飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=90:10→40:60)で精製し、参考例化合物6を0.37g(68%)得た。
【0132】
〔ステップ7〕
tert−ブチル (cis−4−((4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)カルバモイル)シクロヘキシル)カルバメート(以下、参考例化合物7)の合成:
150度下、参考例化合物6(0.050g、0.10mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.035g、0.030mmol)及びシアン化亜鉛(0.018g、0.15mmol)の1−メチル−2−ピロリドン(1.0mL)溶液をマイクロウェーブ反応装置(MONOWAVE300;アントンパール社製)にて、1時間撹拌した。反応溶液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水及び飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=80:20→30:70)で精製し、参考例化合物7を0.015g(34%)得た。
【0133】
〔ステップ8〕
cis−4−アミノ−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)シクロヘキサンカルボキサミド(以下、参考例化合物8)の合成:
氷冷下、参考例化合物7(1.8g、4.2mmol)のジクロロメタン(40mL)溶液に、TFA(6.4mL、83mmol)を加えた。室温下で3時間撹拌した後、反応溶液を減圧濃縮した。得られた粗生成物をジクロロメタンに溶解させ、飽和炭酸ナトリウム水溶液で中和し、ジクロロメタンで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し、参考例化合物8を1.3g(93%)得た。
【0134】
〔ステップ9〕
(S)−3−メチル−2−プロピオナミドブタン酸メチル(以下、参考例化合物9)の合成:
氷冷下、L−バリンメチルエステル塩酸塩(10g、60mmol)及びピリジン(17mL、210mmol)のジクロロメタン(100mL)溶液に、プロピオニルクロリド(7.8mL、89mmol)を加えた。氷冷下で3時間撹拌した後、反応溶液に、水及び1規定塩酸を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=70:30→20:80)で精製し、参考例化合物9を12g(定量的)得た。
【0135】
〔ステップ10〕
(S)−3−メチル−2−プロピオナミドブタン酸(以下、参考例化合物10)の合成:
室温下、参考例化合物9(11g、60mmol)のメタノール(100mL)溶液に、1規定水酸化ナトリウム水溶液(90mL、90mmol)を加えた。室温下で3時間撹拌した後、反応溶液に1規定塩酸を加えて中和し、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し、参考例化合物10を8.5g(82%)得た。
【0136】
〔ステップ11〕
cis−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−4−((S)−3−メチル−2−プロピオナミドブタナミド)シクロヘキサンカルボキサミド(以下、実施例化合物1)の合成:
室温下、参考例化合物8(0.70g、2.1mmol)、参考例化合物10(0.34g、2.0mmol)及びDIPEA(0.85mL、4.9mmol)のDMF(20mL)溶液に、HATU(0.97g、2.5mmol)を加えた。室温下で一晩撹拌した後、反応溶液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;クロロホルムのみ→クロロホルム:メタノール=90:10)で精製し、実施例化合物1を0.63g(65%)得た。
【0137】
(実施例2)
cis−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−4−ピバルアミドシクロヘキサンカルボキサミド(以下、実施例化合物2)の合成:
氷冷下、参考例化合物8(0.15g、0.44mmol)及びピリジン(0.11mL、1.3mmol)のジクロロメタン(5.0mL)溶液に、ピバロイルクロリド(0.070mL、0.57mmol)を加えた。室温下で一晩撹拌した後、反応溶液に、水を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=60:40→10:90)で精製し、実施例化合物2を0.13g(68%)得た。
【0138】
(実施例3)
cis−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−4−(2−メチル−2−(メチルスルホナミド)プロパナミド)シクロヘキサンカルボキサミドの合成:
〔ステップ1〕
2−メチル−2−(メチルスルホナミド)プロパン酸エチル(以下、参考例化合物11)の合成:
氷冷下、2−アミノ−2−メチルプロパン酸エチル塩酸塩(4.0g、24mmol)及びDIPEA(13mL、72mmol)のジクロロメタン溶液に、メタンスルホニルクロリド(1.9mL、25mmol)を加えた。室温下で2時間撹拌後、反応溶液に1規定塩酸を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を水及び飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=10:1→1:1)にて精製し、参考例化合物11を4.3g(86%)得た。
【0139】
〔ステップ2〕
2−メチル−2−(メチルスルホナミド)プロパン酸(以下、参考例化合物12)の合成:
室温下、参考例化合物11(4.0g、19mmol)のメタノール(35mL)溶液に、水酸化ナトリウム水溶液(1規定、29mL、29mmol)を加えた。室温下で8時間撹拌後、反応溶液を減圧濃縮した。得られた粗生成物を1規定塩酸に溶解させた後、クロロホルム:メタノール混合溶媒(10:1)にて抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し、参考例化合物12を2.5g(72%)得た。
【0140】
〔ステップ3〕
cis−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−4−(2−メチル−2−(メチルスルホナミド)プロパナミド)シクロヘキサンカルルボキサミド(以下、実施例化合物3)の合成:
氷冷下、参考例化合物12(0.074g、0.41mmol)及びDMF(1mL)のジクロロメタン(5mL)溶液に、オキザリルクロリド(0.037mL、0.43mmol)を加えた。室温下で30分撹拌後、氷冷下、参考例化合物8(0.10g、0.29mmol)及びDIPEA(0.015mL、0.88mmol)のジクロロメタン(10mL)溶液に、反応液を加えた。室温下で30分撹拌後、反応液に水を加え、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を0.1規定塩酸、水及び飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=50:50→酢酸エチルのみ)で精製し、実施例化合物3を0.11g(75%)を得た。
【0141】
(実施例4)
cis−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−4−((S)−2,3−ジメチル−2−(メチルスルホナミド)ブタナミド)シクロヘキサンカルボキサミドの合成:
〔ステップ1〕
(9H−フルオレン−9−イル)メチル ((S)−1−((cis−4−((4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)カルバモイル)シクロヘキシル)アミノ)−2,3−ジメチル−1−オキソブタン−2−イル)カルバメート(以下、参考例化合物13)の合成:
室温下、参考例化合物8(0.10g、0.29mmol)、((S)−2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−2,3−ジメチルブタン酸(0.10g、0.28mmol)及びDIPEA(0.12mL、0.70mmol)のDMF(10mL)溶液にHATU(0.14g、0.36mmol)を加えた。室温下で一晩撹拌した後、反応溶液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=50:50→20:80)で精製し、参考例化合物13を0.16g(84%)得た。
【0142】
〔ステップ2〕
cis−4−((S)−2−アミノ−2,3−ジメチルブタナミド)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)シクロヘキサンカルボキサミド(以下、参考例化合物14)の合成:
氷冷下、参考例化合物13(0.16g、0.24mmol)のDMF(4.0mL)溶液に、モルホリン(1.0mL、11mmol)を加えた。室温下で5時間撹拌した後、反応溶液を減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;クロロホルムのみ→クロロホルム:メタノール=95:5)で精製し、参考例化合物14を0.072g(69%)得た。
【0143】
〔ステップ3〕
cis−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−4−((S)−2,3−ジメチル−2−(メチルスルホナミド)ブタナミド)シクロヘキサンカルボキサミド(以下、実施例化合物4)の合成:
氷冷下、参考例化合物14(0.035g、0.077mmol)及びピリジン(0.019mL、0.23mmol)のジクロロメタン(2.0mL)溶液に、メタンスルホニルクロリド(0.0072mL、0.092mmol)を加えた。室温下で一晩撹拌した後、反応溶液に、水を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;クロロホルムのみ→クロロホルム:メタノール=95:5)で精製し、実施例化合物4を0.0042g(10%)得た。
【0144】
(実施例5)
cis−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−4−((S)−2,3−ジメチル−2−プロピオナミドブタナミド)シクロヘキサンカルボキサミド(以下、実施例化合物5)の合成:
氷冷下、参考例化合物14(0.035g、0.077mmol)及びピリジン(0.019mL、0.23mmol)のジクロロメタン(2.0mL)溶液に、プロピオニルクロリド(0.0080mL、0.092mmol)を加えた。室温下で一晩撹拌した後、反応溶液に、水を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;クロロホルムのみ→クロロホルム:メタノール=95:5)で精製し、実施例化合物5を0.0052g(13%)得た。
【0145】
(実施例6)
cis−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−4−((R)−2,3−ジメチル−2−プロピオナミドブタナミド)シクロヘキサンカルボキサミドの合成:
〔ステップ1〕
(9H−フルオレン−9−イル)メチル ((R)−1−((cis−4−((4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)カルバモイル)シクロヘキシル)アミノ)−2,3−ジメチル−1−オキソブタン−2−イル)カルバメート(以下、参考例化合物15)の合成:
室温下、参考例化合物8(0.50g、1.3mmol)、((R)−2−((((9H−フルオレン−9−イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)−2,3−ジメチルブタン酸(0.47g、1.3mmol)及びDIPEA(0.90mL、5.2mmol)のDMF(10mL)溶液にHATU(0.65g、1.7mmol)を加えた。室温下で一晩撹拌した後、反応溶液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=50:50→20:80)で精製し、参考例化合物15を0.55g(61%)得た。
【0146】
〔ステップ2〕
cis−4−((R)−2−アミノ−2,3−ジメチルブタナミド)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)シクロヘキサンカルボキサミド(以下、参考例化合物16)の合成:
氷冷下、参考例化合物15(0.16g、0.24mmol)のDMF(4.0mL)溶液に、モルホリン(1.0mL、11mmol)を加えた。室温下で5時間撹拌した後、反応溶液を減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;クロロホルムのみ→クロロホルム:メタノール=95:5)で精製し、参考例化合物16を0.10g(94%)得た。
【0147】
〔ステップ3〕
cis−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−4−((R)−2,3−ジメチル−2−プロピオナミドブタナミド)シクロヘキサンカルボキサミド(以下、実施例化合物6)の合成:
氷冷下、参考例化合物16(0.050g、0.11mmol)及びピリジン(0.027mL、0.33mmol)のジクロロメタン(2.0mL)溶液に、プロピオニルクロリド(0.011mL、0.13mmol)を加えた。室温下で一晩撹拌した後、反応溶液に、水を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;クロロホルムのみ→クロロホルム:メタノール=95:5)で精製し、実施例化合物6を0.0068g(12%)得た。
【0148】
(実施例7)
N−(cis−4−((4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)カルバモイル)シクロヘキシル)アダマンタン−1−カルボキサミド(以下、実施例化合物7)の合成:
氷冷下、参考例化合物8(0.10g、0.29mmol)及びTEA(0.20mL、1.5mmol)のジクロロメタン(2.0mL)溶液に、アダマンタン−1−カルボニルクロリド(0.064g、0.32mmol)を加えた。室温下で一晩撹拌した後、減圧濃縮した。粗生成物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した後、エタノール−水で再結晶し、実施例化合物7を0.11g(72%)得た。
【0149】
(実施例8)
cis−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−4−(1−(トリフルオロメチル)シクロプロパンカルボキサミド)シクロヘキサンカルボキサミド(以下、実施例化合物8)の合成:
室温下、参考例化合物8(0.10g、0.29mmol)、1−(トリフルオロメチル)シクロプロパンカルボン酸(0.045g、0.29mmol)及びDIPEA(0.12mL、0.70mmol)のDMF(1.0mL)溶液にHATU(0.13g、0.35mmol)を加えた。室温下で一晩撹拌した後、反応溶液に酢酸エチルを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=50:50→酢酸エチルのみ)で精製し、ヘキサン−酢酸エチルから再結晶し、実施例化合物8を0.10g(72%)得た。
【0150】
(実施例9)
cis−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−4−(1−プロピオナミドシクロブタンカルボキサミド)シクロヘキサンカルボキサミドの合成:
〔ステップ1〕
tert−ブチル (1−((cis−4−((4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)カルバモイル)シクロヘキシル)カルバモイル)シクロブチル)カルバメート(以下、参考例化合物17)の合成:
室温下、参考例化合物8(0.30g、0.88mmol)、1−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)シクロブタンカルボン酸(0.18g、0.84mmol)及びDIPEA(0.37mL、2.1mmol)のDMF(10mL)溶液にHATU(0.41g、1.1mmol)を加えた。室温下で一晩撹拌した後、反応溶液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=40:60→酢酸エチルのみ)で精製し、参考例化合物17を0.50g(定量的)得た。
【0151】
〔ステップ2〕
cis−4−(1−アミノシクロブタンカルボキサミド)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)シクロヘキサンカルボキサミド(以下、参考例化合物18)の合成:
氷冷下、参考例化合物17(0.050g、0.93mmol)のジクロロメタン(15mL)溶液に、TFA(1.4mL、19mmol)を加えた。室温下で3時間撹拌した後、反応溶液を減圧濃縮した。得られた粗生成物をジクロロメタンに溶解させ、飽和炭酸ナトリウム水溶液で中和し、ジクロロメタンで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し、参考例化合物18を0.41g(定量的)得た。
【0152】
〔ステップ3〕
cis−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−4−(1−プロピオナミドシクロブタンカルボキサミド)シクロヘキサンカルボキサミド(以下、実施例化合物9)の合成:
氷冷下、参考例化合物18(0.20g、0.46mmol)及びDIPEA(0.24mL、1.4mmol)のジクロロメタン(5.0mL)溶液に、プロピオニルクロリド(0.048mL、0.55mmol)を加えた。氷冷下で3時間撹拌した後、反応溶液に水を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;クロロホルムのみ→クロロホルム:メタノール=90:10)で精製し、実施例化合物9を0.19g(85%)得た。
【0153】
(実施例10)
cis−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロパナミド)シクロヘキサンカルボキサミド(以下、実施例化合物10)の合成:
室温下、参考例化合物8(0.10g、0.29mmol)、2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン酸(0.031g、0.29mmol)及びDIPEA(0.12mL、0.70mmol)のDMF(1.0mL)溶液にHATU(0.13g、0.35mmol)を加えた。室温下で一晩撹拌した後、反応溶液に酢酸エチルを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=50:50→酢酸エチルのみ→酢酸エチル:メタノール=90:10)で精製し、実施例化合物10を0.040g(32%)得た。
【0154】
(実施例11)
3−((cis−4−((4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)カルバモイル)シクロヘキシル)アミノ)−2,2−ジメチル−3−オキソプロパン酸エチル(以下、実施例化合物11)の合成:
室温下、参考例化合物8(0.50g、1.5mmol)、3−エトキシ−2,2−ジメチル3−オキソプロパン酸(0.26g、1.6mmol)及びDIPEA(0.61mL、3.5mmol)のDMF(3.0mL)溶液にHATU(0.67g、1.8mmol)を加えた。室温下で一晩撹拌した後、反応溶液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水及び飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=50:50→酢酸エチルのみ)で精製し、実施例化合物11を0.65g(91%)得た。
【0155】
(実施例12)
cis−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−4−(2−メトキシ−2−メチルプロパナミド)シクロヘキサンカルボキサミド(以下、実施例化合物12)の合成:
室温下、参考例化合物8(0.10g、0.29mmol)、2−メトキシ−2−メチルプロパン酸(0.038g、0.32mmol)及びDIPEA(0.12mL、0.70mmol)のDMF(1.0mL)溶液にHATU(0.13g、0.35mmol)を加えた。室温下で一晩撹拌した後、反応溶液に酢酸エチルを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水及び飽和食塩水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=50:50→酢酸エチルのみ)で精製した。得られた生成物をヘキサン中に懸濁させ、生じた固体をろ取し、実施例化合物12を0.063g(49%)得た。
【0156】
(実施例13)
cis−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−4−(2−(4−メトキシフェノキシ)−2−メチルプロパナミド)シクロヘキサンカルボキサミド(以下、実施例化合物13)の合成:
室温下、参考例化合物8(0.080g、0.23mmol)、2−(4−メトキシフェノキシ)−2−メチルプロパン酸(0.054g、0.26mmol)及びDIPEA(0.098mL、0.56mmol)のDMF(1.0mL)溶液にHATU(0.11g、0.28mmol)を加えた。室温下で一晩撹拌した後、反応溶液に酢酸エチルを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水及び飽和食塩水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=50:50→酢酸エチルのみ)で精製した後、ヘキサン−酢酸エチルから再結晶し、実施例化合物13を0.080g(64%)得た。
【0157】
(実施例14)
cis−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−4−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロパナミド)シクロヘキサンカルボキサミド(以下、実施例化合物14)の合成:
氷冷下、実施例化合物11(0.59g、1.2mmol)のTHF(5.0mL)溶液にテトラヒドロホウ酸リチウム(0.080g、3.7mmol)を加えた。室温下で一晩撹拌した後、反応溶液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;酢酸エチルのみ→酢酸エチル:メタノール=90:10)で精製し、実施例化合物14を0.35g(64%)得た。
【0158】
(実施例15)
cis−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−4−(2,2−ジメチル−3−(メチルチオ)プロパナミド)シクロヘキサンカルボキサミド(以下、実施例化合物15)の合成:
室温下、参考例化合物8(0.30g、0.89mmol)、2,2−ジメチル−3−(メチルチオ)プロパン酸(0.14g、0.97mmol)及びDIPEA(0.37mL、2.1mmol)のDMF(1.0mL)溶液にHATU(0.40g、1.1mmol)を加えた。室温下で一晩撹拌した後、反応溶液に酢酸エチルを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水及び飽和食塩水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=50:50→酢酸エチルのみ)で精製した。得られた生成物をヘキサン中に懸濁させ、生じた固体をろ取し、実施例化合物15を0.31g(75%)得た。
【0159】
(実施例16)
cis−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−4−(2,2−ジメチル−3−(メチルスルフィニル)プロパナミド)シクロヘキサンカルボキサミド(以下、実施例化合物16)の合成:
氷冷下、実施例化合物15(0.10g、0.21mmol)のジクロロメタン(1.0mL)溶液に、3−クロロ過安息香酸(70%、0.055g、0.22mmol)を加えた。室温下で4時間撹拌した後、反応溶液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(富士シリシア化学社製アミンシリカゲルDM1020、溶離液;酢酸エチルのみ→酢酸エチル:メタノール=90:10)で精製し、実施例化合物16を0.097g(94%)得た。
【0160】
(実施例17)
cis−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−4−(2,2−ジメチル−3−(メチルスルホニル)プロパナミド)シクロヘキサンカルボキサミド(以下、実施例化合物17)の合成:
氷冷下、実施例化合物15(0.10g、0.21mmol)のジクロロメタン(1.0mL)溶液に、3−クロロ過安息香酸(70%、0.13g、0.51mmol)を加えた。室温下で4時間撹拌した後、反応溶液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(富士シリシア化学社製アミンシリカゲルDM1020、溶離液;酢酸エチルのみ→酢酸エチル:メタノール=90:10)で精製した。得られた生成物をヘキサン−酢酸エチルから再結晶し、実施例化合物17を0.091g(85%)得た。
【0161】
(実施例18)
cis−4−(3−シアノ−2,2−ジメチルプロパナミド)−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)シクロヘキサンカルボキサミド(以下、実施例化合物18)の合成:
室温下、参考例化合物8(0.10g、0.29mmol)、3−シアノ−2,2−ジメチルプロパン酸(0.056g、0.44mmol)及びDIPEA(0.15mL、0.88mmol)のDMF(1.0mL)溶液にHATU(0.17g、0.44mmol)を加えた。室温下で一晩撹拌した後、反応溶液に酢酸エチルを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水及び飽和食塩水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=50:50→酢酸エチルのみ)で精製した。得られた生成物をヘキサン中に懸濁させ、生じた固体をろ取し、実施例化合物18を0.077g(58%)得た。
【0162】
(実施例19)
cis−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−4−((R)−3−メチル−2−プロピオナミドブタナミド)シクロヘキサンカルボキサミドの合成:
〔ステップ1〕
(R)−3−メチル−2−プロピオナミドブタン酸メチル(以下、参考例化合物19)の合成:
氷冷下、D−バリンメチルエステル塩酸塩(1.0g、6.0mmol)及びピリジン(1.7mL、21mmol)のジクロロメタン(10mL)溶液に、プロピオニルクロリド(0.78mL、8.9mmol)を加えた。氷冷下で3時間撹拌した後、反応溶液に水及び1規定塩酸を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=70:30→20:80)で精製し、参考例化合物19を1.2g(定量的)得た。
【0163】
〔ステップ2〕
(R)−3−メチル−2−プロピオナミドブタン酸(以下、参考例化合物20)の合成:
室温下、参考例化合物19(1.0g、5.3mmol)のメタノール(10mL)溶液に、1規定水酸化ナトリウム水溶液(8.0mL、8.0mmol)を加えた。室温下で3時間撹拌した後、反応溶液に1規定塩酸を加えて中和し、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し、参考例化合物20を0.68g(73%)得た。
【0164】
〔ステップ3〕
cis−N−(4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)−4−((R)−3−メチル−2−プロピオナミドブタナミド)シクロヘキサンカルボキサミド(以下、実施例化合物19)の合成:
室温下、参考例化合物8(0.30g、0.88mmol)、参考例化合物20(0.15g、0.84mmol)及びDIPEA(0.37mL、2.1mmol)のDMF(15mL)溶液にHATU(0.41g、1.1mmol)を加えた。室温下で一晩撹拌した後、反応溶液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;クロロホルムのみ→クロロホルム:メタノール=90:10)で精製し、実施例化合物19を0.31g(75%)得た。
【0165】
(実施例20)
cis−N−(4−クロロ−2−メチルベンジル)−4−((S)−3−メチル−2−プロピオナミドブタナミド)シクロヘキサンカルボキサミドの合成:
〔ステップ1〕
cis−4−((S)−2−(tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−メチルブタナミド)シクロヘキサンカルボン酸メチル(以下、参考例化合物21)の合成:
室温下、cis−4−アミノシクロヘキサンカルボン酸メチル塩酸塩(2.0g、10mmol)、(S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)−3−メチルブタン酸(2.2g、10mmol)及びDIPEA(7.0mL、40mmol)のDMF(40mL)溶液にHATU(5.1g、13mmol)を加えた。室温下で一晩撹拌した後、反応溶液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=70:30→40:60)で精製し、参考例化合物21を4.0g(定量的)得た。
【0166】
〔ステップ2〕
cis−4−((S)−2−アミノ−3−メチルブタナミド)シクロヘキサンカルボン酸メチル(以下、参考例化合物22)の合成:
氷冷下、参考例化合物21(3.7g、10mmol)のジクロロメタン(100mL)溶液に、TFA(16mL、210mmol)を加えた。室温下で3時間撹拌した後、反応溶液を減圧濃縮した。得られた粗生成物をジクロロメタンに溶解させ、飽和炭酸ナトリウム水溶液で中和し、ジクロロメタンで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し、参考例化合物22を2.4g(89%)得た。
【0167】
〔ステップ3〕
cis−4−((S)−3−メチル−2−プロピオナミドブタナミド)シクロヘキサンカルボン酸メチル(以下、参考例化合物23)の合成:
氷冷下、参考例化合物22(2.3g、9.1mmol)及びTEA(2.8mL、20mmol)のジクロロメタン(30mL)溶液に、プロピオニルクロリド(0.87mL、10mmol)を加えた。氷冷下で3時間撹拌した後、反応溶液に、水を加え、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=60:40→30:70)で精製し、参考例化合物23を2.1g(75%)得た。
【0168】
〔ステップ4〕
cis−4−((S)−3−メチル−2−プロピオナミドブタナミド)シクロヘキサンカルボン酸(以下、参考例化合物24)の合成:
室温下、参考例化合物23(1.0g、3.2mmol)のメタノール(10mL)溶液に、1規定水酸化ナトリウム水溶液(4.8mL、4.8mmol)を加えた。室温下で3時間撹拌した後、反応溶液に1規定塩酸を加えて中和し、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し、参考例化合物24を1.0g(定量的)得た。
【0169】
〔ステップ5〕
cis−N−(4−クロロ−2−メチルベンジル)−4−((S)−3−メチル−2−プロピオナミドブタナミド)シクロヘキサンカルボキサミド(以下、実施例化合物20)の合成:
室温下、MiniBlock(登録商標)−XT(48−position;Mettler Toledo Bohdan社)反応管に、参考例化合物24(0.010g、0.034mmol)及びHATU(0.017g、0.044mmol)のDMF(0.50mL)溶液並びにDIPEA(0.015mL、0.084mmol)のDMF(0.10mL)溶液を加えた。室温下で5分間撹拌した後、反応溶液に、4−クロロ−2−メチルベンジルアミン(0.0052g、0.034mmol)のDMF(0.10mL)溶液を加えた。室温下で一晩撹拌した後、反応溶液に水を加え、窒素を吹き付けて濃縮した。得られた粗生成物をLC−MS逆相分取精製(LC−MS装置:Agilent System 1100、カラム:Zorbax(登録商標)Extend−C18 9.4mm×50mm 5.0μm、移動相:10mM炭酸水素アンモニウム水溶液−アセトニトリル)することで実施例化合物20を0.0022g(15%)得た。
【0170】
実施例化合物20について、以下に記載の分析方法を用いてLC保持時間及び[M+H]又は[M−H]を計測した。分析方法とは、LC−MS装置:Agilent System 1100、カラム:Zorbax(登録商標)Extend−C18 9.4mm×50mm 5.0μm、移動相:A=アセトニトリル B=10mM炭酸水素アンモニウム水溶液、グラジェント:A/B=5/95→80/20(6分間)、流速:4mL/分、で示される分析方法である。
【0171】
(比較例1)
(S)−N−(cis−4−((4−シアノ−2−(トリフルオロメトキシ)ベンジル)カルバモイル)シクロヘキシル)−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−カルボキサミド(以下、比較例化合物1)の合成:
氷冷下、参考例化合物8(0.10g、0.29mmol)及びトリホスゲン(30 mg、0.35 mmol)のジクロロメタン(3.0 mL)溶液にTEA(0.16 mL、1.2 mmol)を加えた。氷冷下で5分間撹拌した後、氷冷下、L−プロリノール(0.030g、0.29 mmol)を加えた。室温下で5時間撹拌した後、反応溶液にメタノールを加え、減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液;ヘキサン:酢酸エチル=80:20→酢酸エチルのみ)で精製し、比較例化合物1を0.12g(83%)得た。
【0172】
(比較例2)
cis−N−(5−クロロ−2−メチルベンジル)−4−((S)−3−メチル−2−プロピオナミドブタナミド)シクロヘキサンカルボキサミド(以下、比較例化合物2)の合成:
室温下、MiniBlock(登録商標)−XT(48−position;Mettler Toledo Bohdan社)反応管に、参考例化合物24(0.010g、0.034mmol)及びHATU(0.017g、0.044mmol)のDMF(0.50mL)溶液並びにDIPEA(0.015mL、0.084mmol)のDMF(0.10mL)溶液を加えた。室温下で5分間撹拌した後、反応溶液に、5−クロロ−2−メチルベンジルアミン(0.0052g、0.034mmol)のDMF(0.10mL)溶液を加えた。室温下で一晩撹拌した後、反応溶液に水を加え、窒素を吹き付けて濃縮した。得られた粗生成物をLC−MS逆相分取精製(LC−MS装置:Agilent System 1100、カラム:Zorbax(登録商標)Extend−C18 9.4mm×50mm 5.0μm、移動相:10mM炭酸水素アンモニウム水溶液−アセトニトリル)することで比較例化合物2を0.0039g(26%)得た。
【0173】
比較例化合物2について、以下に記載の分析方法を用いてLC保持時間及び[M+H]又は[M−H]を計測した。分析方法とは、LC−MS装置:Agilent System 1100、カラム:Zorbax(登録商標)Extend−C18 9.4mm×50mm 5.0μm、移動相:A=アセトニトリル B=10mM炭酸水素アンモニウム水溶液、グラジェント:A/B=5/95→80/20(6分間)、流速:4mL/分、で示される分析方法である。
【0174】
以上の実施例で挙げた本発明の化合物の物性データを表1−1〜表1−3、比較例化合物の物性データを表2−1〜表2−2、及び参考例で挙げた化合物の物性データを表3−1〜表3−3に示す。なお、表中のN.D.は「データなし」を表す。
【0175】
1H−NMRデータ中の溶媒名は、測定に使用した溶媒を示している。また、400 MHzNMRスペクトルは、JNM−AL400型核磁気共鳴装置(日本電子製)を用いて測定した。ケミカルシフトは、テトラメチルシランを基準としてδ(単位:ppm)で表し、シグナルはそれぞれs(一重線)、d(二重線)、t(三重線)、q(四重線)、m(多重線)、brs(幅広)、brd(幅広二重線)、brt(幅広三重線)、dd(二重二重線)、dt(二重三重線)、ddd(二重二重二重線)又はddt(二重二重三重線)で表した。溶媒は全て市販のものを用いた。ESI−MSスペクトルは、Agilent Technologies 1200 Series、G6130A(AgilentTechnology製)を用いて測定した。
【0176】
【表1-1】
【0177】
【表1-2】
【0178】
【表1-3】
【0179】
【表1-4】
【0180】
【表2-1】
【0181】
【表2-2】
【0182】
【表3-1】
【0183】
【表3-2】
【0184】
【表3-3】
【0185】
(実施例21)
In vitroにおけるsEH阻害活性の評価試験:
公知文献(Analytical Biochemistry、2005年、第343巻、p.66−75)記載の方法に基づき、ヒトsEHを用いて、シクロヘキサンジアミド誘導体(I)のsEH阻害活性を評価した。
【0186】
リコンビナント・ヒトsEH(最終濃度0.026μg/mL;Cayman社)を、被験化合物とともに、0.1mg/mL BSAを含む25mM Bis−Tris−HCl緩衝液(pH7.0)中にて室温で30分間インキュベートした。その後、蛍光基質としてシアノ(6−メトキシナフタレン−2−イル)メチル 2−(3−フェニルオキシラン−2−イル)アセタート(最終濃度6.25μmol/L;Cayman社)を加え、さらに室温で20分間インキュベートし、ZnSO(最終濃度0.2mol/L)を加え反応を停止させ、蛍光強度(Fusionα(パッカード社);Excitation:330nm、Emission:485nm)を測定した。
【0187】
sEH非添加かつ被験化合物非添加の蛍光強度を0%sEH酵素反応率とし、sEH添加かつ被験化合物非添加の蛍光強度を100%sEH酵素反応率として、得られた蛍光強度から、各被験化合物の各sEH酵素反応率を算出し、IC50を求めた。その結果を表4に示す。
【0188】
【表4】
【0189】
その結果、実施例化合物1〜20は、比較例化合物1及び2と比較して、ヒトsEHの酵素反応に対して非常に強い阻害活性を示した。
【0190】
したがって、シクロヘキサンジアミド誘導体(I)が、ヒトsEHの酵素反応に対して非常に強い阻害活性を示すことが明らかとなった。
【0191】
(実施例22)
ラット抗糸球体基底膜抗血清(抗GBM抗血清)投与腎炎モデルでの薬効評価試験:
ラット抗糸球体基底膜抗血清(抗GBM抗血清)投与腎炎モデル(Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America、2005年、第102巻、p.7736−7741;European journal of pharmacology、2002年、第449巻、p.167−176)に実施例化合物1又は2を投与し、シクロヘキサンジアミド誘導体(I)の慢性腎臓病に対する治療効果を評価した。
【0192】
ラット(Wistar−Kyoto系、雄性、8週齢;日本チャールス・リバー株式会社)の尾静脈内に、文献記載の方法(Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America、2005年、第102巻、p.7736−7741;European journal of pharmacology、2002年、第449巻、p.167−176)にて作成したウサギの抗糸球体基底膜抗血清(以下、抗GBM抗血清)を投与して、腎炎を誘発させた群を「腎炎誘発群」とした。一方で、抗GBM抗血清を投与しない群を、「正常群」とした。
【0193】
抗GBM抗血清投与の2週間後に、ラットの尾静脈又は頚静脈から採血し、血清クレアチニン(以下、sCre)を測定した。sCreは酵素法を用いて測定した。
【0194】
腎炎誘発群における抗GBM抗血清投与の2週間後のsCre値(平均値±標準誤差、n=18)は0.47±0.01mg/dLであった。正常群におけるsCre値(0.27±0.01mg/dL(平均値±標準誤差、n=3))に比べて、統計学的に有意に上昇していた(t検定、p<0.05)。すなわち、腎炎誘発群では、抗GBM抗血清投与の2週間後に腎不全の病態を呈していることが示された。
【0195】
腎不全の病態を呈した腎炎誘発群のラットに、抗GBM抗血清投与の2週間後から実験終了時まで、実施例化合物1又は2を0.5%Tween80含有0.5%メチルセルロース水溶液に懸濁して、3mg/kgの投与量で、1日1回経口投与した。実施例化合物1又は2を投与した群をそれぞれ、「実施例化合物1(3mg/kg)投与群」又は「実施例化合物2(3mg/kg)投与群」とした。また、比較対照として、腎炎誘発群のラットに、0.5%Tween80含有0.5%メチルセルロース水溶液を同様に投与した群を、「腎炎対照群」とした。なお、正常群にも0.5%Tween80含有0.5%メチルセルロース水溶液を同様に投与した。また、抗GBM抗血清投与の4週間後にも、上記と同じ方法で、sCreを測定した。
【0196】
抗GBM抗血清投与の2及び4週間後のsCre値の測定結果を、図1に示す。図の横軸は、抗GBM抗血清投与後の週数を示し、縦軸は各測定値(平均値±標準誤差、n=6)を示す。
【0197】
腎炎対照群における、抗GBM抗血清投与の2及び4週間後のsCre値は、抗GBM抗血清投与の2週間後から持続的に高値を示した。したがって、腎炎対照群は、慢性の腎炎及び腎不全の病態を呈していることが示された。
【0198】
また、抗GBM抗血清投与の4週間後の、実施例化合物1(3mg/kg)投与群及び実施例化合物2(3mg/kg)投与群におけるsCre値は、腎炎対照群におけるsCre値に比べて、それぞれ顕著に低値を示した(図1)。したがって、実施例化合物1及び2は、慢性の腎炎及び腎不全の病態に対して治療効果を有することが示された。
【0199】
この結果から、シクロヘキサンジアミド誘導体(I)が、慢性の腎炎及び腎不全の病態に対して治療効果を示すことが明らかとなった。
【0200】
(実施例23)
ラットモノクロタリン投与肺高血圧症モデルでの薬効評価試験:
ラットモノクロタリン投与肺高血圧症モデル(Journal of Pharmacological Sciences、2009年、第111巻、p.235−243)に、実施例化合物1又は2を投与し、シクロヘキサンジアミド誘導体(I)の肺高血圧症に対する治療効果を評価した。
【0201】
ラット(Wistar系、雄性、5週齢;日本エスエルシー株式会社)の背部皮下に、モノクロタリン(シグマ社)水溶液(60mg/kg)を投与して、肺高血圧症を誘発させた群を、「肺高血圧症誘発群」とした。一方で、注射用水を同様に投与した群を、「正常群」とした。
【0202】
肺高血圧症誘発群のラットに、モノクロタリン投与日から24日間、実施例化合物1(3及び10mg/kg)又は実施例化合物2(10mg/kg)を1日1回経口投与した。実施例化合物1及び2は、0.5%Tween80含有0.5%メチルセルロース水溶液に懸濁して用いた。実施例化合物1を、3又は10mg/kgの投与量で投与した群をそれぞれ、「実施例化合物1(3mg/kg)投与群」又は「実施例化合物1(10mg/kg)投与群」とした。また、実施例化合物2を10mg/kgの投与量で投与した群を、「実施例化合物2投与群」とした。一方で、比較対照として、肺高血圧症誘発群のラットに、0.5%Tween80含有0.5%メチルセルロース水溶液を同様に投与した群を、「肺高血圧症対照群」とした。正常群にも0.5%Tween80含有0.5%メチルセルロース水溶液を同様に投与した。なお、各群n=10とした。
【0203】
被験化合物最終投与の翌日に、右心室収縮期圧、全身収縮期血圧及び心拍数を測定した。右心室収縮期圧及び全身収縮期血圧は、血圧測定用アンプ(日本光電工業株式会社)を用いて測定し、心拍数は、瞬時心拍計ユニット(日本光電工業株式会社)を用いて測定した。また、同日に、右心室、左心室及び中隔の湿重量を測定し、右心室重量比(右心室重量/(中隔重量+左心室重量))を求めた。
【0204】
その結果を表5及び6に示す。
【0205】
肺高血圧症対照群の右心室収縮期圧(平均値±標準誤差、n=10)は123±5mmHgであり、正常群の右心室収縮期圧(31±2mmHg(平均値±標準誤差、n=10))と比較して、統計学的に有意に高値を示し(Aspin−Welchのt検定、p<0.05)、肺高血圧症の病態を呈していることが示された。また、実施例化合物1(3mg/kg)投与群及び実施例化合物2投与群の右心室収縮期圧は、肺高血圧症対照群の右心室収縮期圧と比較して、統計学的に有意に低値を示した(Dunnett’s検定、p<0.05)(表5)。したがって、実施例化合物1及び2が、肺高血圧症の病態に対して治療効果を有することが示された。
【0206】
【表5】
【0207】
肺高血圧症対照群の右心室重量比(平均値±標準誤差、n=10)は0.54±0.02であり、正常群の右心室重量比(0.27±0.01(平均値±標準誤差、n=10))と比較して、統計学的に有意に高値を示し(Aspin−Welchのt検定、p<0.05)、右心室肥大の病態を呈していることが示された。また、実施例化合物2投与群の右心室重量比は、肺高血圧症対照群の右心室重量比と比較して、統計学的に有意に低値を示した(Dunnett’s検定、p<0.05)(表6)。また、実施例化合物1(3mg/kg)投与群及び実施例化合物1(10mg/kg)投与群の右心室重量比は、肺高血圧症対照群の右心室重量比と比較して、低値を示した(表6)。したがって、実施例化合物1及び2が、右心室肥大の病態に対しても治療効果を有することが示された。
【0208】
【表6】
【0209】
一方、実施例化合物1(3mg/kg)投与群、実施例化合物1(10mg/kg)投与群及び実施例化合物2投与群の、心拍数及び全身収縮期血圧については、肺高血圧症対照群の心拍数及び全身収縮期血圧と比較して、いずれも有意な差は認められなかった(Dunnett’s検定、p<0.05)。
【0210】
この結果から、シクロヘキサンジアミド誘導体(I)が、肺高血圧症に対して治療効果を示すことが明らかとなった。
【産業上の利用可能性】
【0211】
本発明のシクロヘキサンジアミド誘導体は、強力なsEH阻害活性を示し、医薬の分野において慢性腎臓病及び肺高血圧症の治療剤又は予防剤として用いることができる。
図1
【国際調査報告】