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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2013年11月7日
【発行日】2015年12月24日
(54)【発明の名称】直流遮断器
(51)【国際特許分類】
   H01H 33/59 20060101AFI20151201BHJP
【FI】
   H01H33/59 D
   H01H33/59 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】18
【出願番号】特願2012-542292(P2012-542292)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2012年5月1日
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,ZA
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】田畠 和順
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 弘基
(72)【発明者】
【氏名】菊池 邦夫
(72)【発明者】
【氏名】亀井 健次
(72)【発明者】
【氏名】堀之内 雄作
(72)【発明者】
【氏名】平塚 正樹
(72)【発明者】
【氏名】常世田 翔
(72)【発明者】
【氏名】武田 敏信
【テーマコード(参考)】
5G028
【Fターム(参考)】
5G028AA08
5G028AA22
5G028FB01
5G028FB05
5G028FC01
5G028FC02
(57)【要約】
小型化、低コスト化が可能な直流遮断器を得ること。直流線路1に挿入され、定常時において直流電流の流路となる遮断部2と、遮断部2の開極後に、直流電流を転流する転流回路4と、を備え、転流回路4は、コンデンサ5とリアクトル6とからなる直列共振回路20と、定常時においてコンデンサ5を直流線路1の直流電位で充電するための充電回路22である充電用抵抗8と、遮断部2の開極後に、遮断部2と直列共振回路20とを並列に接続し、直列共振回路20により生じる共振性電流を直流電流に重畳させると共に、遮断部2の電流遮断後に、直列共振回路20を介して直流線路1に流れる微小電流を裁断する転流スイッチ部21と、を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流線路に流れる直流電流に共振性電流を重畳して電流零点を形成し、該電流零点で前記直流電流を遮断する直流遮断器であって、
前記直流線路に挿入され、定常時において前記直流電流の流路となる遮断部と、
前記遮断部の開極後に、前記直流電流を転流する転流回路と、
を備え、
前記転流回路は、
コンデンサとリアクトルとからなる直列共振回路と、
定常時において前記コンデンサを前記直流線路の直流電位で充電するための充電回路と、
前記遮断部の開極後に、前記遮断部と前記直列共振回路とを並列に接続し、前記直列共振回路により生じる前記共振性電流を前記直流電流に重畳させると共に、前記遮断部の電流遮断後に、前記直列共振回路を介して前記直流線路に流れる微小電流を裁断する転流スイッチ部と、
を備えることを特徴とする直流遮断器。
【請求項2】
前記転流スイッチ部は、
前記遮断部の開極後に、前記遮断部と前記直列共振回路とを並列に接続する放電ギャップと、
前記遮断部の電流遮断後に、前記直列共振回路を介して前記直流線路に流れる微小電流を裁断する断路部と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の直流遮断器。
【請求項3】
前記転流スイッチ部は、前記断路部と前記放電ギャップとが直列接続され構成されたことを特徴とする請求項2に記載の直流遮断器。
【請求項4】
前記転流スイッチ部は、前記断路部が前記遮断部に直列に接続され、前記放電ギャップが前記遮断部および前記断路部の接続点と前記直列共振回路との間に接続され構成されたことを特徴とする請求項2に記載の直流遮断器。
【請求項5】
前記転流スイッチ部は、前記遮断部の開極後に、前記遮断部と前記直列共振回路とを並列に接続する機能と、前記遮断部の電流遮断後に、前記直列共振回路を介して前記直流線路に流れる微小電流を裁断する機能とを兼ね備えた第1の開閉部からなることを特徴とする請求項1に記載の直流遮断器。
【請求項6】
前記転流スイッチ部は、
前記遮断部の開極後に、前記遮断部と前記直列共振回路とを並列に接続する第2の開閉部と、
前記遮断部の電流遮断後に、前記直列共振回路を介して前記直流線路に流れる微小電流を裁断する断路部と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の直流遮断器。
【請求項7】
前記転流スイッチ部は、前記断路部と前記第2の開閉部とが直列接続され構成されたことを特徴とする請求項6に記載の直流遮断器。
【請求項8】
前記転流スイッチ部は、前記断路部が前記遮断部に直列に接続され、前記第2の開閉部が前記遮断部および前記断路部の接続点と前記直列共振回路との間に接続され構成されたことを特徴とする請求項6に記載の直流遮断器。
【請求項9】
前記充電回路は、充電用抵抗であることを特徴とする請求項1に記載の直流遮断器。
【請求項10】
前記充電回路は、充電用抵抗および充電用開閉部からなる直列回路であることを特徴とする請求項1に記載の直流遮断器。
【請求項11】
前記充電回路は、充電用開閉部であることを特徴とする請求項1に記載の直流遮断器。
【請求項12】
前記充電回路は、充電用ダイオードであることを特徴とする請求項1に記載の直流遮断器。
【請求項13】
複数の前記遮断部が直列に接続され、前記遮断部にそれぞれ分圧抵抗が並列に接続され構成されたことを特徴とする請求項1に記載の直流遮断器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直流電流を遮断する直流遮断器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、直流電流を遮断する直流遮断器においては、コンデンサとリアクトルからなる転流回路から共振性電流を重畳することで電流零点を形成し、その電流零点で直流電流の遮断を行っている。このような直流遮断器としては、例えば、上述した転流回路のコンデンサを充電しておく交流電源および整流器からなる充電回路を具備し、その充電回路により予め充電されたコンデンサの電荷を放電し、共振性電流を直流電流に重畳して電流零点を形成する技術が開示されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4660131号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術では、転流回路のコンデンサを充電するために別途上述した充電回路が必要であるため、直流遮断器が大型化、高コスト化する、という問題があった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、小型化、低コスト化が可能な直流遮断器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明にかかる直流遮断器は、直流線路に流れる直流電流に共振性電流を重畳して電流零点を形成し、該電流零点で前記直流電流を遮断する直流遮断器であって、前記直流線路に挿入され、定常時において前記直流電流の流路となる遮断部と、前記遮断部の開極後に、前記直流電流を転流する転流回路と、を備え、前記転流回路は、コンデンサとリアクトルとからなる直列共振回路と、定常時において前記コンデンサを前記直流線路の直流電位で充電するための充電回路と、前記遮断部の開極後に、前記遮断部と前記直列共振回路とを並列に接続し、前記直列共振回路により生じる前記共振性電流を前記直流電流に重畳させると共に、前記遮断部の電流遮断後に、前記直列共振回路を介して前記直流線路に流れる微小電流を裁断する転流スイッチ部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、直流遮断器の小型化、低コスト化が実現可能となる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施の形態1にかかる直流遮断器の一構成例を示す図である。
図2図2は、実施の形態1にかかる直流遮断器の直流電流遮断時の動作を示す図である。
図3図3は、実施の形態2にかかる直流遮断器の一構成例を示す図である。
図4図4は、実施の形態3にかかる直流遮断器の一構成例を示す図である。
図5図5は、実施の形態4にかかる直流遮断器の一構成例を示す図である。
図6図6は、実施の形態5にかかる直流遮断器の一構成例を示す図である。
図7図7は、実施の形態6にかかる直流遮断器の一構成例を示す図である。
図8図8は、実施の形態7にかかる直流遮断器の一構成例を示す図である。
図9図9は、実施の形態8にかかる直流遮断器の一構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照し、本発明の実施の形態にかかる直流遮断器について説明する。なお、以下に示す実施の形態により本発明が限定されるものではない。
【0010】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1にかかる直流遮断器の一構成例を示す図である。図1に示すように、実施の形態1にかかる直流遮断器は、直流線路1に挿入され、定常時において直流電流の流路となる遮断部2と、遮断部2の開極後に直流電流を転流する転流回路4とを備えている。
【0011】
転流回路4は、コンデンサ5およびリアクトル6からなる直列共振回路20と、遮断部2の開極後に遮断部2と直列共振回路20とを並列接続する断路部3および放電ギャップ7からなる直列回路として構成される転流スイッチ部21と、定常時においてコンデンサ5を直流線路1の直流電位で充電するための充電回路22である充電用抵抗8とを備えている。
【0012】
本実施の形態では、放電ギャップ7は、共振性電流を直流線路1に流れる直流電流に重畳する共振性電流投入責務を有し、断路部3は、遮断部2の電流遮断後に転流回路4を介して直流線路1に流れる微小電流を裁断する微小電流裁断責務を有している。
【0013】
つぎに、実施の形態1にかかる直流遮断器の直流電流遮断時の動作について、図1および図2を参照して説明する。図2は、実施の形態1にかかる直流遮断器の直流電流遮断時の動作を示す図である。図2に示す例では、定常時には、図1に実線矢印で示したように、直流遮断器の左端側から右端側に向けて電流(1pu)が流れる例を示している。なお、本実施の形態では、定常時において、コンデンサ5は、充電用抵抗8を介して直流線路1の直流電位で充電されている。また、定常時において、遮断部2および断路部3は閉制御され、放電ギャップ7は開制御されている。
【0014】
図2に示すように、時刻t1(=0.1s)において直流線路1に事故(ここでは、例えば図1に示す直流遮断器の右端側の地絡事故)が発生すると、遮断部2には、事故点までの回路条件や接地抵抗の値によって決まる定常時電流(1pu)の数倍の事故電流が流れ、図示しない制御回路からの開極指令に基づき、遮断部2が開極動作を開始する。ここで、遮断部2が開極するまでの開極時間を0.1sとした場合、時刻t2(=0.2s)に遮断部2が機械的に開極する。
【0015】
このとき、図示しない制御回路から放電ギャップ7への閉制御指令が出力され、放電ギャップ7が閉制御されると、直流線路1の直流電位によって充電されたコンデンサ5の電荷が放電し、図1に破線矢印で示したように、コンデンサ5、遮断部2、断路部3、放電ギャップ7、リアクトル6のループで共振性電流が流れる。この共振性電流が直流線路1に流れている事故電流に重畳し、図2に示すように、時刻t3において電流零点が形成された時点で、遮断部2のアークが消弧され、電流が遮断される。なお、電流遮断後の遮断部2の極間に発生する過電圧については、例えば、遮断部2に並列にサージアブソーバを接続して吸収するようにすればよい。
【0016】
その後、つまり、遮断部2の電流遮断後においても、転流回路4を介して直流線路1に微小電流が流れ続けるため、この微小電流を除去するため、図示しない制御回路から断路指令を出力して断路部3を開制御する。以上の動作により、事故電流の遮断が完了する。
【0017】
以上説明したように、実施の形態1の直流遮断器によれば、直列共振回路のコンデンサを直流線路の直流電位で充電するための充電回路である充電用抵抗を備え、定常時において、この充電用抵抗を介してコンデンサを直流線路の直流電位で充電し、直流電流遮断時において、コンデンサの電荷を放電させて共振性電流を直流線路に流れている事故電流に重畳して形成された電流零点で電流遮断を行うようにしたので、コンデンサを充電するために別途交流電源や整流器を含む充電回路を設ける必要がなく、直流遮断器の小型化、低コスト化が実現可能となる。
【0018】
なお、上述した実施の形態1では、遮断部の開極時刻に放電ギャップを閉制御する例について説明したが、遮断部の開極後に直列共振回路による共振性電流が事故電流に重畳して電流零点を形成可能な範囲で、放電ギャップを閉制御する時刻を遮断部の開極時刻に前後した時刻としてもよいことは言うまでもない。
【0019】
また、上述した実施の形態1では、電流遮断後の遮断部の両端に発生する過電圧をサージアブソーバにより吸収する例について説明したが、遮断部の耐電圧やその他回路条件によっては、サージアブソーバを具備しない構成であってもよい。
【0020】
実施の形態2.
図3は、実施の形態2にかかる直流遮断器の一構成例を示す図である。なお、実施の形態2にかかる直流遮断器の各構成部は、実施の形態1にかかる直流遮断器の各構成部と同一であるので、ここでは説明を省略する。
【0021】
本実施の形態では、図3に示すように、実施の形態1において説明した断路部3が遮断部2と直列に接続され、直流線路1に挿入されている。このように構成した場合でも、実施の形態1と同様の動作により、事故電流の遮断が可能であり、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0022】
以上説明したように、実施の形態2の直流遮断器によれば、断路部を遮断部と直列に接続して直流線路に挿入した構成であっても、実施の形態1と同様に、コンデンサを充電するために別途交流電源や整流器を含む充電回路を設ける必要がなく、直流遮断器の小型化、低コスト化が実現可能となる。
【0023】
実施の形態3.
図4は、実施の形態3にかかる直流遮断器の一構成例を示す図である。なお、実施の形態1と同一または同等の構成部には同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0024】
本実施の形態では、図4に示すように、実施の形態1において説明した転流スイッチ部21を、開閉部(第1の開閉部)9のみを用いて構成している。
【0025】
本実施の形態にかかる直流遮断器の直流電流遮断時の動作について説明する。本実施の形態では、定常時において、開閉部9を開制御しておき、直流電流遮断時において、遮断部2の開極時刻、あるいは、遮断部2の開極後に直列共振回路20による共振性電流が事故電流に重畳して電流零点を形成可能な範囲で遮断部2の開極時刻に前後した時刻に、開閉部9を閉制御する。
【0026】
その後、つまり、遮断部2の電流遮断後において転流回路4を介して流れ続ける微小電流を除去するため、開閉部9を開制御する。以上の動作により、事故電流の遮断が完了する。
【0027】
つまり、本実施の形態では、開閉部9が実施の形態1において説明した放電ギャップ7における共振性電流投入責務と断路部3における微小電流裁断責務とを兼ね備えたものとしている。
【0028】
以上説明したように、実施の形態3の直流遮断器によれば、転流スイッチ部として、開閉部を放電ギャップにおける共振性電流投入責務と断路部における微小電流裁断責務とを兼ね備えたものとして構成した場合であっても、実施の形態1と同様に、コンデンサを充電するために別途交流電源や整流器を含む充電回路を設ける必要がなく、直流遮断器の小型化、低コスト化が実現可能となる。
【0029】
実施の形態4.
図5は、実施の形態4にかかる直流遮断器の一構成例を示す図である。なお、実施の形態2と同一または同等の構成部には同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0030】
本実施の形態では、図5に示すように、実施の形態2において説明した放電ギャップ7に代えて、共振性電流投入責務のみを有する開閉部(第2の開閉部)9aを備えた構成としている。
【0031】
本実施の形態では、開閉部9aは、共振性電流を直流線路1に流れる直流電流に重畳する共振性電流投入責務を有し、断路部3は、遮断部2の電流遮断後に転流回路4を介して直流線路1に流れる微小電流を裁断する微小電流裁断責務を有している。
【0032】
実施の形態2において、放電ギャップ7として気中放電ギャップを用いた場合、低コストで構成できる反面、共振性電流投入時の音が大きくなる。本実施の形態では、放電ギャップ7に代えて、共振性電流投入責務のみを有する開閉部9aを用いることにより、上述した共振性電流投入時の騒音の低減と低コスト化とを両立することが可能となる。
【0033】
以上説明したように、実施の形態4の直流遮断器によれば、実施の形態2において説明した放電ギャップに代えて、共振性電流投入責務のみを有する開閉部を備えた構成とすることにより、上述した実施の形態1乃至3の効果に加え、共振性電流投入時の騒音の低減と低コスト化とを両立することが可能となる。
【0034】
実施の形態5.
図6は、実施の形態5にかかる直流遮断器の一構成例を示す図である。なお、実施の形態2と同一または同等の構成部には同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0035】
本実施の形態では、図6に示すように、コンデンサ5の充電回路22として、充電用抵抗8と直列に充電用開閉部10を接続した構成としている。
【0036】
本実施の形態にかかる直流遮断器の直流電流遮断時の動作について説明する。本実施の形態では、定常時において、充電用開閉部10を閉制御してコンデンサ5を充電しておき、事故発生時において、充電用開閉部10を開制御する。
【0037】
このように制御することにより、事故発生時点から放電ギャップ7を閉制御するまでの間に、コンデンサ5の電荷が充電用抵抗8を介して放電するのを防止することができる。
【0038】
例えば、定常時においてコンデンサ5の充電を短時間で行う必要がある場合、つまり、高速遮断責務を有する場合には、コンデンサ5と充電用抵抗8とによる充電時定数を小さくする必要がある。このような場合、充電用開閉部10を有していない構成では、事故発生時において充電用抵抗8を介してコンデンサ5の電荷が放電し、事故電流に重畳する共振性電流の波高値が小さくなり、電流零点を形成できない虞がある。
【0039】
本実施の形態では、事故発生時において、充電用開閉部10を開制御することにより、事故発生時点から放電ギャップ7を閉制御するまでの間のコンデンサ5の放電を防止することができるので、コンデンサ5と充電用抵抗8とによる充電時定数を小さくする必要がある場合でも、確実に電流零点を形成することができる。
【0040】
なお、図6に示す例では、図3に示す実施の形態2の構成に対して、充電用抵抗8と直列に充電用開閉部10を接続して構成した例について説明したが、実施の形態1、あるいは実施の形態3乃至4の各構成に対して適用することも可能である。
【0041】
以上説明したように、実施の形態5の直流遮断器によれば、充電用抵抗と直列に充電用開閉部を接続した構成としたので、上述した実施の形態1乃至4の効果に加え、定常時において、充電用開閉部を閉制御してコンデンサを充電しておき、事故発生時において、充電用開閉部を開制御することにより、コンデンサと充電用抵抗とによる充電時定数を小さくする必要がある場合でも、確実に電流零点を形成して直流電流遮断を実施することができる。
【0042】
実施の形態6.
図7は、実施の形態6にかかる直流遮断器の一構成例を示す図である。なお、実施の形態2と同一または同等の構成部には同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0043】
本実施の形態では、図7に示すように、コンデンサ5の充電回路22として、実施の形態2における充電用抵抗8に代えて、充電用開閉部10を接続した構成、つまり、実施の形態5における充電用抵抗8の抵抗値を略零とした構成としている。
【0044】
このように構成することにより、コンデンサ5の充電時定数は、実施の形態5よりもさらに短縮される。したがって、実施の形態5よりも定常時においてコンデンサ5の充電を短時間で行う必要がある場合、つまり、実施の形態5よりも高速遮断責務を有する場合に適している。
【0045】
なお、図7に示す例では、図3に示す実施の形態2の構成に対して、充電用抵抗8に代えて、充電用開閉部10を接続した例について説明したが、実施の形態5と同様に、実施の形態1、あるいは実施の形態3乃至4の各構成に対して適用することも可能である。
【0046】
以上説明したように、実施の形態6の直流遮断器によれば、充電用抵抗に代えて、充電用開閉部を接続した構成としたので、上述した実施の形態5よりも高速遮断責務を有する場合でも、確実に電流零点を形成して直流電流遮断を実施することができる。
【0047】
実施の形態7.
図8は、実施の形態7にかかる直流遮断器の一構成例を示す図である。なお、実施の形態2と同一または同等の構成部には同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0048】
本実施の形態では、図8に示すように、コンデンサ5の充電回路22として、実施の形態2における充電用抵抗8に代えて、充電用ダイオード11を接続した構成としている。
【0049】
このように構成することにより、定常時には、充電用ダイオード11を介してコンデンサ5を充電し、事故発生時には、コンデンサ5の電荷の放電を防止することができる。
【0050】
実施の形態5乃至6の構成では、事故発生時において充電用開閉部10を開制御する必要があるが、本実施の形態では、このような制御が不要となる。したがって、実施の形態5乃至6において説明したように、定常時においてコンデンサ5の充電を短時間で行う必要がある場合、つまり、高速遮断責務を有する場合でも、事故発生時においてコンデンサ5の放電を防止するための制御を必要とすることなく、確実に電流零点を形成して直流電流遮断を実施することができる。
【0051】
なお、図8に示す例では、図3に示す実施の形態2の構成に対して、充電用抵抗8に代えて、充電用開閉部10を接続した例について説明したが、実施の形態5乃至6と同様に、実施の形態1、あるいは実施の形態3乃至4の各構成に対して適用することも可能である。
【0052】
以上説明したように、実施の形態7の直流遮断器によれば、充電用抵抗に代えて、充電用ダイオードを接続した構成としたので、定常時においてコンデンサの充電を短時間で行う必要がある場合、つまり、高速遮断責務を有する場合でも、事故発生時においてコンデンサの放電を防止するための制御を必要とすることなく、確実に電流零点を形成して直流電流遮断を実施することができる。
【0053】
実施の形態8.
図9は、実施の形態8にかかる直流遮断器の一構成例を示す図である。なお、実施の形態2と同一または同等の構成部には同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0054】
本実施の形態では、図9に示すように、実施の形態2における遮断部2を複数直列に接続し、各遮断部2にそれぞれ分圧抵抗12を並列に接続した構成としている。
【0055】
このように構成することにより、遮断部2の電流遮断後に直流遮断器の両端に発生する過電圧が各分圧抵抗12により分圧され、各遮断部2の極間電圧を下げることができる。つまり、各遮断部2の一台あたりの電圧責務を軽減することが可能となる。
【0056】
なお、図9に示す例では、図3に示す実施の形態2における遮断部2を複数直列に接続した例について説明したが、実施の形態1、あるいは実施の形態3乃至7の各構成に対して適用することも可能である。
【0057】
以上説明したように、実施の形態8の直流遮断器によれば、遮断部を複数直列に接続し、各遮断部にそれぞれ分圧抵抗を並列に接続した構成としたので、遮断部の電流遮断後に直流遮断器の両端に発生する過電圧を複数の各遮断器で分担することができ、各遮断部の一台あたりの電圧責務を軽減することが可能となる。
【0058】
なお、以上の実施の形態に示した構成は、本発明の構成の一例であり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、一部を省略する等、変更して構成することも可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0059】
1 直流線路
2 遮断部
3 断路部
4 転流回路
5 コンデンサ
6 リアクトル
7 放電ギャップ
8 充電用抵抗
9 開閉部(第1の開閉部)
9a 開閉部(第2の開閉部)
10 充電用開閉部
11 充電用ダイオード
12 分圧抵抗
20 直列共振回路
21 転流スイッチ部
22 充電回路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9

【手続補正書】
【提出日】2012年12月21日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流線路に流れる直流電流に共振性電流を重畳して電流零点を形成し、該電流零点で前記直流電流を遮断する直流遮断器であって、
前記直流線路に挿入され、定常時において前記直流電流の流路となる遮断部と、
前記遮断部の開極後に、前記直流電流を転流する転流回路と、
を備え、
前記転流回路は、
コンデンサとリアクトルとからなる直列共振回路と、
定常時において前記コンデンサを前記直流線路の直流電位で充電するための充電回路と、
前記遮断部の開極後に、前記遮断部と前記直列共振回路とを並列に接続し、前記直列共振回路により生じる前記共振性電流を前記直流電流に重畳させると共に、前記遮断部の電流遮断後に、前記直列共振回路を介して前記直流線路に流れる微小電流を裁断する転流スイッチ部と、
を備え
前記転流スイッチ部は、
前記遮断部の開極後に、前記遮断部と前記直列共振回路とを並列に接続する放電ギャップと、
前記遮断部の電流遮断後に、前記直列共振回路を介して前記直流線路に流れる微小電流を裁断する断路部と、
を備え、
前記断路部と前記放電ギャップとが直列接続され構成された
ことを特徴とする直流遮断器。
【請求項2】
直流線路に流れる直流電流に共振性電流を重畳して電流零点を形成し、該電流零点で前記直流電流を遮断する直流遮断器であって、
前記直流線路に挿入され、定常時において前記直流電流の流路となる遮断部と、
前記遮断部の開極後に、前記直流電流を転流する転流回路と、
を備え、
前記転流回路は、
コンデンサとリアクトルとからなる直列共振回路と、
定常時において前記コンデンサを前記直流線路の直流電位で充電するための充電回路と、
前記遮断部の開極後に、前記遮断部と前記直列共振回路とを並列に接続し、前記直列共振回路により生じる前記共振性電流を前記直流電流に重畳させると共に、前記遮断部の電流遮断後に、前記直列共振回路を介して前記直流線路に流れる微小電流を裁断する転流スイッチ部と、
を備え、
前記転流スイッチ部は、
前記遮断部の開極後に、前記遮断部と前記直列共振回路とを並列に接続する放電ギャップと、
前記遮断部の電流遮断後に、前記直列共振回路を介して前記直流線路に流れる微小電流を裁断する断路部と、
を備え
前記断路部が前記遮断部に直列に接続され、前記放電ギャップが前記遮断部および前記断路部の接続点と前記直列共振回路との間に接続され構成された
ことを特徴とする直流遮断器。
【請求項3】
直流線路に流れる直流電流に共振性電流を重畳して電流零点を形成し、該電流零点で前記直流電流を遮断する直流遮断器であって、
前記直流線路に挿入され、定常時において前記直流電流の流路となる遮断部と、
前記遮断部の開極後に、前記直流電流を転流する転流回路と、
を備え、
前記転流回路は、
コンデンサとリアクトルとからなる直列共振回路と、
定常時において前記コンデンサを前記直流線路の直流電位で充電するための充電回路と、
前記遮断部の開極後に、前記遮断部と前記直列共振回路とを並列に接続し、前記直列共振回路により生じる前記共振性電流を前記直流電流に重畳させると共に、前記遮断部の電流遮断後に、前記直列共振回路を介して前記直流線路に流れる微小電流を裁断する転流スイッチ部と、
を備え、
前記転流スイッチ部は、前記遮断部の開極後に、前記遮断部と前記直列共振回路とを並列に接続する機能と、前記遮断部の電流遮断後に、前記直列共振回路を介して前記直流線路に流れる微小電流を裁断する機能とを兼ね備えた第1の開閉部からなることを特徴とする直流遮断器。
【請求項4】
直流線路に流れる直流電流に共振性電流を重畳して電流零点を形成し、該電流零点で前記直流電流を遮断する直流遮断器であって、
前記直流線路に挿入され、定常時において前記直流電流の流路となる遮断部と、
前記遮断部の開極後に、前記直流電流を転流する転流回路と、
を備え、
前記転流回路は、
コンデンサとリアクトルとからなる直列共振回路と、
定常時において前記コンデンサを前記直流線路の直流電位で充電するための充電回路と、
前記遮断部の開極後に、前記遮断部と前記直列共振回路とを並列に接続し、前記直列共振回路により生じる前記共振性電流を前記直流電流に重畳させると共に、前記遮断部の電流遮断後に、前記直列共振回路を介して前記直流線路に流れる微小電流を裁断する転流スイッチ部と、
を備え、
前記転流スイッチ部は、
前記遮断部の開極後に、前記遮断部と前記直列共振回路とを並列に接続する第2の開閉部と、
前記遮断部の電流遮断後に、前記直列共振回路を介して前記直流線路に流れる微小電流を裁断する断路部と、
を備えることを特徴とする直流遮断器。
【請求項5】
前記転流スイッチ部は、前記断路部と前記第2の開閉部とが直列接続され構成されたことを特徴とする請求項に記載の直流遮断器。
【請求項6】
前記転流スイッチ部は、前記断路部が前記遮断部に直列に接続され、前記第2の開閉部が前記遮断部および前記断路部の接続点と前記直列共振回路との間に接続され構成されたことを特徴とする請求項に記載の直流遮断器。
【請求項7】
前記充電回路は、充電用抵抗であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の直流遮断器。
【請求項8】
前記充電回路は、充電用抵抗および充電用開閉部からなる直列回路であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の直流遮断器。
【請求項9】
前記充電回路は、充電用開閉部であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の直流遮断器。
【請求項10】
前記充電回路は、充電用ダイオードであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の直流遮断器。
【請求項11】
複数の前記遮断部が直列に接続され、前記遮断部にそれぞれ分圧抵抗が並列に接続され構成されたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の直流遮断器。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明にかかる直流遮断器は、直流線路に流れる直流電流に共振性電流を重畳して電流零点を形成し、該電流零点で前記直流電流を遮断する直流遮断器であって、前記直流線路に挿入され、定常時において前記直流電流の流路となる遮断部と、前記遮断部の開極後に、前記直流電流を転流する転流回路と、を備え、前記転流回路は、コンデンサとリアクトルとからなる直列共振回路と、定常時において前記コンデンサを前記直流線路の直流電位で充電するための充電回路と、前記遮断部の開極後に、前記遮断部と前記直列共振回路とを並列に接続し、前記直列共振回路により生じる前記共振性電流を前記直流電流に重畳させると共に、前記遮断部の電流遮断後に、前記直列共振回路を介して前記直流線路に流れる微小電流を裁断する転流スイッチ部と、を備え、前記転流スイッチ部は、前記遮断部の開極後に、前記遮断部と前記直列共振回路とを並列に接続する放電ギャップと、前記遮断部の電流遮断後に、前記直列共振回路を介して前記直流線路に流れる微小電流を裁断する断路部と、を備え、前記断路部と前記放電ギャップとが直列接続され構成されたことを特徴とする。
【国際調査報告】