特表-13164948IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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再表2013-164948固体撮像装置及びその製造方法、電子機器
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2013年11月7日
【発行日】2015年12月24日
(54)【発明の名称】固体撮像装置及びその製造方法、電子機器
(51)【国際特許分類】
   H01L 27/14 20060101AFI20151201BHJP
   H01L 27/146 20060101ALI20151201BHJP
   H04N 5/369 20110101ALI20151201BHJP
【FI】
   H01L27/14 D
   H01L27/14 E
   H01L27/14 A
   H04N5/335 690
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】21
【出願番号】特願2014-513354(P2014-513354)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2013年4月17日
(31)【優先権主張番号】特願2012-104521(P2012-104521)
(32)【優先日】2012年5月1日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001357
【氏名又は名称】特許業務法人つばさ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮波 勇樹
【テーマコード(参考)】
4M118
5C024
【Fターム(参考)】
4M118AA01
4M118AA08
4M118AB01
4M118BA14
4M118CA02
4M118CA14
4M118CA15
4M118CA22
4M118CB13
4M118CB14
4M118CB20
4M118DD04
4M118FA38
4M118GA02
4M118GC07
4M118GD03
5C024AX01
5C024CX41
5C024CY47
5C024EX52
5C024GX05
5C024GX14
5C024GX24
5C024GY31
(57)【要約】
固体撮像装置は、有機光電変換層と、有機光電変換層の上方を覆って形成されたパッシベーション層と、パッシベーション層上、及び、段差上のパッシベーション層に生じたスリット内に形成され、パッシベーション層よりも屈折率が小さい絶縁膜とを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機光電変換層と、
前記有機光電変換層の上方を覆って形成されたパッシベーション層と、
前記パッシベーション層上、及び、段差上の前記パッシベーション層に生じたスリット内に形成され、前記パッシベーション層よりも屈折率が小さい絶縁膜とを含む
固体撮像装置。
【請求項2】
前記有機光電変換層を含んで成る有機光電変換部と、半導体基体内に形成された光電変換部とが、上下に積層されている、請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項3】
前記絶縁膜は、原子層蒸着法(ALD法)により形成された膜である、請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項4】
前記有機光電変換層に接続された上部電極が、前記有機光電変換層よりも外側に延長して形成されており、延長して形成された部分の前記上部電極上にある、前記パッシベーション層及び前記絶縁膜に形成されたコンタクト開口部と、前記コンタクト開口部内を含んで形成され、前記上部電極に接続された配線層をさらに含む、請求項1に記載の固体撮像装置。
【請求項5】
有機光電変換層を有する固体撮像装置を製造する方法であって、
前記有機光電変換層を形成する工程と、
前記有機光電変換層の上方を覆って、パッシベーション層を形成する工程と、
前記パッシベーション層上、及び、段差上の前記パッシベーション層に生じたスリット内に、前記パッシベーション層よりも屈折率が小さい絶縁膜を形成する工程とを有する
固体撮像装置の製造方法。
【請求項6】
前記絶縁膜を、原子層蒸着法(ALD法)を用いて形成する、請求項5に記載の固体撮像装置の製造方法。
【請求項7】
光学系と、
有機光電変換層と、前記有機光電変換層の上方を覆って形成されたパッシベーション層と、前記パッシベーション層上、及び、段差上の前記パッシベーション層に生じたスリット内に形成され、前記パッシベーション層よりも屈折率が小さい絶縁膜とを含む固体撮像装置と、
前記固体撮像装置の出力信号を処理する信号処理回路を備えた
電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、固体撮像装置及びその製造方法、並びに、固体撮像装置を備えた電子機器に係わる。
【背景技術】
【0002】
近年、CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサでは、画素サイズの縮小に伴い、単位画素に入射するフォトン数の減少のために感度が低下し、S/Nの低下が生じてくる。また、現在広く用いられている、赤、緑及び青の画素を平面上に並べた画素配列の場合、赤画素では、緑と青の光がカラーフィルタを透過せず光電変換に用いられないために、感度の面で損失している。また、画素間の補間処理を行い、色信号を作ることに伴う、偽色という問題が生じる。
【0003】
それらの問題を解決する方法として、光電変換層を縦方向に3層積層し、1画素で3色の光電変換信号を得るイメージセンサが知られている。そのような1画素で3色の光電変換層を積層する構造としては、例えば、緑色光を検出する光電変換部をシリコン基板の上方に設け、シリコン基板内に積層した2つのPDで青色光と赤色光を検出する構成が提案されている(特許文献1を参照)。
【0004】
また、光電変換膜1層をシリコン基板上方に設け、シリコン基板内で2色の光電変換部を有する構造において、回路形成面が受光面とは反対側に形成された裏面照射型構造とした場合も提案されている。
【0005】
そして、特に、裏面照射型構造において、シリコン基板の上方に、有機光電変換層から成る有機光電変換部を形成した構成が提案されている(特許文献2を参照)。この構成によれば、無機光電変換部と有機光電変換部の間に回路、配線等が形成されないので、同一画素内の無機光電変換部と有機光電変換部の距離を近づけることが可能になる。これにより、各色のF値依存を抑制することができ、各色間の感度の変動を抑制することができる。
【0006】
基板の上方に有機光電変換部を設けた場合には、有機光電変換部によって段差が形成される。このため、有機光電変換部上にオンチップレンズを形成するためには、段差を平坦化する必要がある。
【0007】
上述の特許文献2には、有機光電変換部を構成する、有機光電変換層と上部電極との積層膜をパターニングして、ドライエッチングで加工した後に、平坦化膜を埋め込み、その上部にオンチップレンズを形成するフローが記載されている。
【0008】
また、段差を低減する平坦化方法に関しては、塗布膜によるNSGの形成と全面エッチバックを行う方法(例えば、特許文献3を参照)が提案されている。さらに、1層目のパッシベーション膜をエッチバックして段差を低減させて、2層目のパッシベーション膜を積み増す手法(例えば、特許文献4を参照)も提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2003−332551号公報
【特許文献2】特開2011−29337号公報
【特許文献3】特開平7−130732号公報
【特許文献4】特開2001−345319号公報
【発明の概要】
【0010】
有機光電変換層は、水分等による経時劣化が起こり易い。そのため、有機光電変換層を保護する、即ち、有機光電変換層に対するパッシベーション性を十分確保することが求められる。
【0011】
また、オンチップレンズを形成するためには、有機光電変換部により生じた、大きい段差を平坦化するために、平坦化層を厚く形成することが望ましい。このため、厚い平坦化層やパッシベーション層によって光が減衰し、集光効果が低下することになる。特許文献3や特許文献4に開示された、段差低減方法は、工程数が大幅に増大する。また、段差が残るため、段差低減の効果が小さい場合には、複数回繰り返すこととなる。
【0012】
したがって、有機光電変換部の光電変換層に対するパッシベーション性の向上と、良好な集光特性を両立させることができる固体撮像装置及びその製造方法、並びにそのような固体撮像装置を備えた電子機器を提供することが望ましい。
【0013】
本技術の一実施の形態の固体撮像装置は、有機光電変換層と、有機光電変換層の上方を覆って形成されたパッシベーション層とを含む。さらに、パッシベーション層上、及び、段差上のパッシベーション層に生じたスリット内に形成され、パッシベーション層よりも屈折率が小さい絶縁膜を含む。
【0014】
本技術の一実施の形態の固体撮像装置の製造方法は、有機光電変換層を有する固体撮像装置を製造する。そして、有機光電変換層を形成する工程と、有機光電変換層の上方を覆って、パッシベーション層を形成する工程とを有する。さらに、パッシベーション層上、及び、段差上のパッシベーション層に生じたスリット内に、パッシベーション層よりも屈折率が小さい絶縁膜を形成する工程を有する。
【0015】
本技術の一実施の形態の電子機器は、光学系と、上記本技術の一実施の形態の固体撮像装置と、その固体撮像装置の出力信号を処理する信号処理回路を備えたものである。
【0016】
本技術の一実施の形態の固体撮像装置では、有機光電変換層の上方を覆うパッシベーション層の上、及び、段差上のパッシベーション層に生じたスリット内に、パッシベーション層よりも屈折率が小さい絶縁膜が形成されている。これにより、段差上のパッシベーション層に生じたスリットを通じた、外部から有機光電変換層への水分等の浸入を抑制することが可能になる。また、段差上のパッシベーション層に形成されるスリットは斜めに形成されるものであり、スリット内の絶縁膜がパッシベーション層よりも屈折率が小さい。このため、入射した光をスリット内の絶縁膜とパッシベーション層との界面で反射させて、パッシベーション層に集めることができる。
【0017】
本技術の一実施の形態の固体撮像装置の製造方法では、パッシベーション層の上、及び、段差上のパッシベーション層に生じたスリット内に、パッシベーション層よりも屈折率が小さい絶縁膜を形成することにより、スリットを絶縁膜でふさぐことができる。これにより、製造中や製造後の製品における、段差上のパッシベーション層に生じたスリットを通じた、外部からの水分等の浸入を、抑制することが可能になる。また、段差上のパッシベーション層のスリットは斜めに形成されるものであり、このスリット内にパッシベーション層よりも屈折率が小さい絶縁膜を形成する。このため、入射した光をスリット内の絶縁膜とパッシベーション層との界面で反射させて、パッシベーション層に集めることができる構造を作製することができる。
【0018】
本技術の一実施の形態の電子機器では、本技術の一実施の形態の固体撮像装置を含むので、固体撮像装置において、外部から有機光電変換層への水分等の浸入を抑制することが可能になると共に、入射した光をパッシベーション層に集めることができる。
【0019】
本技術の一実施の形態の固体撮像装置、固体撮像装置の製造方法および電子機器によれば、パッシベーション層に生じたスリット内に形成された絶縁膜によって、外部から有機光電変換層への水分等の浸入を抑制することが可能になるので、有機光電変換層に対するパッシベーション性を向上することができる。従って、固体撮像装置及び固体撮像装置を備えた電子機器の信頼性を向上することができる。
【0020】
また、その絶縁膜によって、入射した光をパッシベーション層に集めることができるので、集光特性を向上して、良好な集光特性を実現することができる。従って、本技術により、有機光電変換層に対するパッシベーション性の向上と、良好な集光特性を両立させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】第1の実施の形態の固体撮像装置の概略構成図(要部の断面図)である。
図2A図1の固体撮像装置の製造方法を示す製造工程図である。
図2B図2Aに続く工程を示す製造工程図である。
図2C図2Bに続く工程を示す製造工程図である。
図2D図2Cに続く工程を示す製造工程図である。
図2E図2Dに続く工程を示す製造工程図である。
図2F図2Eに続く工程を示す製造工程図である。
図2G図2Fに続く工程を示す製造工程図である。
図2H図2Gに続く工程を示す製造工程図である。
図2I図2Hに続く工程を示す製造工程図である。
図2J図2Iに続く工程を示す製造工程図である。
図2K図2Jに続く工程を示す製造工程図である。
図2L図2Kに続く工程を示す製造工程図である。
図2M図2Lに続く工程を示す製造工程図である。
図2N図2Mに続く工程を示す製造工程図である。
図2O図2Nに続く工程を示す製造工程図である。
図2P図2Oに続く工程を示す製造工程図である。
図3図2Oの状態の平面レイアウトを示す図である。
図4】第1の実施の形態の変形例の固体撮像装置の概略構成図(要部の断面図)である。
図5】第2の実施の形態の電子機器の概略構成図(ブロック図)である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本技術を実施するための最良の形態(以下、実施の形態とする)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態(固体撮像装置)
2.第1の実施の形態の変形例
3.第2の実施の形態(電子機器)
【0023】
<1.第1の実施の形態(固体撮像装置)>
第1の実施の形態の固体撮像装置の概略構成図(要部の断面図)を、図1に示す。本実施の形態は、CMOS型固体撮像装置(CMOSイメージセンサ)に、本技術を適用したものである。
【0024】
図1は、固体撮像装置の1つの画素の断面図を示している。本実施の形態の固体撮像装置は、図1に示すように、半導体基体1内に、深さ方向に積層した、2つの光電変換部PD1及びPD2が形成されている。光電変換部PD1,PD2は、それぞれ、例えば半導体基体1の内部に形成されたフォトダイオードである。半導体基体1の図中上面が光入射面となっており、図中下面が回路形成面となっている。半導体基体1の回路形成面側においては、図示しないが、各画素に、増幅トランジスタ等の画素トランジスタが形成され、周辺回路部となる領域に、ロジック回路等の周辺回路が形成されている。
【0025】
半導体基体1は、シリコン等の半導体材料から成る。半導体基体1としては、半導体基板、半導体基板及びその上の半導体エピタキシャル層、絶縁層上の半導体層、等を使用することができる。また、シリコン基板上に酸化シリコン膜を介してシリコン層が形成されたSOI基板の、シリコン層を半導体基体1に使用することも可能である。
【0026】
2つの光電変換部PD1,PD2のうち、下層側の第1の光電変換部PD1では、波長の長い赤Rの光を光電変換する。上層側の第2の光電変換部PD2では、波長の短い青Bの光を光電変換する。これにより、縦方向分光イメージセンサが構成される。第2の光電変換部PD2は、第1の光電変換部PD1と積層された部分と、回路形成面の回路と接続するために、図中下方に延びて形成された部分(プラグ部)とを有している。この第2の光電変換部PD2に対しては、転送ゲート2を介して、左側の半導体基体1内にフローティングディフュージョンFDが設けられている。第1の光電変換部PD1に対しては、それぞれ図示しない部分に、転送ゲートとフローティングディフュージョンが設けられている。
【0027】
半導体基体1内の、光電変換部PD1,PD2の右側には、詳細を後述する有機光電変換部で緑Gの光から光電変換した電荷を蓄積するための、電荷蓄積部5が形成されている。さらに、電荷蓄積部5の上に、オーバーフローバリア4と、N+のコンタクト部3が形成されている。電荷蓄積部5はN型の半導体領域で形成され、オーバーフローバリア4は低濃度のP型の半導体領域で形成されている。電荷蓄積部5に対しては、転送ゲート2を介して、右側にフローティングディフュージョンFDが設けられている。
【0028】
半導体基体1内の、さらに右側には、有機光電変換部と回路形成面の回路とを接続するための、P+のコンタクト部6及びP型のプラグ領域7が形成されている。さらに、これらコンタクト部6及びプラグ領域7の周囲には、半導体基体1とコンタクト部6及びプラグ領域7とを絶縁するための絶縁膜8が形成されている。この絶縁膜8には、例えば、シリコン酸化膜やシリコン窒化膜等を用いることができる。
【0029】
半導体基体1の回路形成面の下側には、図示しないが、層間絶縁層を介して上下に積層して形成された、複数層の配線層から成る、配線部(多層配線部)が形成されている。また、図示しないが、配線部(多層配線部)の下には、支持基板が設けられている。
【0030】
半導体基体1の光入射面(上面)の上には、絶縁層11が形成されている。この絶縁層11は、半導体基体1との界面準位を低減させ、半導体基体1と絶縁層11との界面からの暗電流の発生を抑制するために、界面準位が小さい材料から成ることが望ましい。このような絶縁層11としては、例えば、ALD(原子層堆積)法で成膜したハフニウム酸化(HfO)膜と、プラズマCVD法で成膜したSiO膜との積層構造膜を用いることができる。ただし、必ずしもその構造、成膜手法に限定されない。
【0031】
また、絶縁層11内に形成されたコンタクト孔の内部と、絶縁層11の上に、導体層12が形成されている。この導体層12は、コンタクト孔の内部の導電プラグと、絶縁層11上の配線層とから構成されている。半導体基体1内の上面付近に形成された、N+のコンタクト部3や、P+のコンタクト部6は、それぞれ個別に、導体層12の導電プラグの部分と接続されている。また、導体層12の配線層の部分は、導電プラグの部分から横方向に延びて形成されていることにより、半導体基体1の導体層12の下の部分を遮光することができる。即ち、図1に示すように、第2の光電変換部PD2のプラグ部、コンタクト部3、オーバーフローバリア4、電荷蓄積部5、コンタクト部6、プラグ領域7を、導体層12によって遮光することができる。導体層12の材料には、遮光性の良好な導体材料を使用する。また、導体層12は、半導体基体1と電気的に接続される。導体層12の材料としては、例えば、TiとTiNの積層膜から成るバリアメタルと、W(タングステン)から成る構造を用いることができる。なお、この構造や材料に限定されるものではなく、その他の材料を導体層12に使用することも可能である。
【0032】
この導体層12上を覆って、絶縁層13が形成されている。この絶縁層13は、下層の絶縁層11のように界面準位が小さい材料を使用しなくても良く、一般的な絶縁材料を使用することができる。絶縁層13には、コンタクト部3,6にそれぞれ接続された導体層12の上に、コンタクト孔が形成されており、このコンタクト孔内を埋めて、導電プラグ層14が形成されている。
【0033】
絶縁層13の上には、それぞれ導電プラグ層14に接続して、有機光電変換部の下部電極21と、配線層15が形成されている。下部電極21は、N+のコンタクト部3に接続された導体層12上の、導電プラグ層14に接続されている。配線層15は、P+のコンタクト部6に接続された導体層12上の、導電プラグ層14に接続されている。下部電極21には、半導体基体1内の光電変換部PD1,PD2に光を入射させるため、透明導電材料を用いる。配線層15には、下部電極21と同じ材料を用いても、下部電極21と異なる材料を用いても、どちらも可能である。配線層15に下部電極21と同じ材料を使用した場合には、同じ層からパターニングして、配線層15及び下部電極21を同時に形成することが可能になる。絶縁層13上の、下部電極21及び配線層以外の部分には、平坦化のための絶縁層16が形成されている。
【0034】
下部電極21の上に接続して、有機光電変換材料から成る有機光電変換層22が形成されている。この有機光電変換層22は、下部電極21よりも左側に延長して形成されている。さらに、有機光電変換層22の上に接続して、上部電極23が形成されている。この上部電極23は、有機光電変換層22よりも右側(外側)に延長して形成されている。図示しないが、有機光電変換層22の左側にも同様に延長して形成されている。上部電極23には、有機光電変換層22に光を入射させるため、透明導電材料を用いる。
【0035】
そして、下部電極21と有機光電変換層22と上部電極23によって、有機光電変換部が構成され、この有機光電変換部では、緑Gの光を検出する。有機光電変換層22は、緑Gの光を吸収して光電変換を行うと共に、青Bと赤Rの光を透過するカラーフィルタの機能を有する。そして、有機光電変換層22を含んで成る有機光電変換部と、半導体基体11内に形成された光電変換部PD1,PD2とが、上下に積層されていることにより、3色R,G,Bの光を1つの画素で受光検出することができる。
【0036】
下部電極21及び上部電極23の透明導電材料としては、例えば、インジウム錫酸化物(ITO)、ドーパントを添加したSnO、ZnOにAlをドーパントとして添加したアルミニウム亜鉛酸化物(例えばAZO)を用いることができる。また、ZnOにGaをドーパントとして添加したガリウム亜鉛酸化物(例えばGZO)、ZnOにInをドーパントとして添加したインジウム亜鉛酸化物(例えばIZO)を用いることができる。さらにまた、CuI,InSbO,ZnMgO,CuInO,MgIn,CdO,ZnSnO等を用いることができる。
【0037】
有機光電変換層22の、緑Gの光で光電変換する有機光電変換材料としては、例えば、ローダミン系色素、メラシアニン色素、キナクリドン等を含む有機光電変換材料を使用することができる。
【0038】
また、有機光電変換層22は、図示しないが、例えば特開2007−81137号公報に記載されているように、下部電極上に、下引き膜と、電子ブロッキング膜と、光電変換膜と、正孔ブロッキング膜と、正孔ブロッキング兼バッファ膜と、仕事関数調整膜のように積層された構成になっている場合も含むこととする。
【0039】
また、有機光電変換層22は、有機p型半導体及び有機n型半導体の少なくとも一方を含んでいることが好ましい。有機p型半導体及び有機n型半導体として、それぞれキナクリドン誘導体、ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、テトラセン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、及びフルオランテン誘導体のいずれかを特に好ましく用いることができる。また、フェニレンビニレン、フルオレン、カルバゾール、インドール、ピレン、ピロール、ピコリン、チオフェン、アセチレン、ジアセチレン等の重合体やその誘導体が用いられる。さらに、金属錯体色素、シアニン系色素、メロシアニン系色素、フェニルキサンテン系色素、トリフェニルメタン系色素、ロダシアニン系色素、キサンテン系色素、大環状アザアヌレン系色素、アズレン系色素、ナフトキノン、アントラキノン系色素、アントラセン、ピレン等の縮合多環芳香族及び芳香環ないし複素環化合物が縮合した鎖状化合物、または、スクアリリウム基及びクロコニツクメチン基を結合鎖として持つキノリン、ベンゾチアゾール、ベンゾオキサゾール等の二つの含窒素複素環、または、スクアリリウム基及びクロコニツクメチン基により結合したシアニン系類似の色素等を好ましく用いることができる。また、上記金属錯体色素では、ジチオール金属錯体系色素、金属フタロシアニン色素、金属ポルフィリン色素、またはルテニウム錯体色素が好ましく、ルテニウム錯体色素が特に好ましいが、上記に限定するものではない。
【0040】
有機光電変換部の上部電極23の上には、有機光電変換層22の上方を覆って、有機光電変換層22を保護するためのパッシベーション層24が形成されている。本実施の形態においては、特に、上部電極23の表面の段差によって形成された、パッシベーション層24のスリットを埋めて、かつ、パッシベーション層24上に、ALD(Atomic Layer Deposition;原子層堆積)法により形成されたALD絶縁膜25が形成されている。
【0041】
このALD絶縁膜25は、パッシベーション層24のパッシベーション性を補う作用を有する。また、このALD絶縁膜25は、パッシベーション層24よりも屈折率が小さい構成とする。これにより、パッシベーション層24のスリット内に形成された、図中斜め方向に延びるALD絶縁膜25によって、入射光を反射させて、内側のパッシベーション層24に集めることができるので、集光性を向上させることができる。
【0042】
ALD絶縁膜25の材料としては、例えば、AlやSiON等を使用することができる。なお、パッシベーション層24よりも屈折率が小さい膜であれば、これらの材料に限定されるものではない。
【0043】
また、有機光電変換層22よりも右側(外側)に延長された部分の上部電極23上の、パッシベーション層24及びALD絶縁膜25に、コンタクト孔が形成されている。そして、このコンタクト孔内を埋めて、かつ右側に延びて、配線層26が形成されている。この配線層26は、配線層15上に接続して形成されている。これにより、配線層26、配線層15、コンタクト部6、導電プラグ領域7の各部を介して、有機光電変換部の上部電極23と半導体基体1の下面側の回路素子とが、電気的に接続される。配線層26の材料としては、例えば、W,Ti,TiN,Al等が挙げられるが、これらの材料に限定されない。
【0044】
配線層26用のコンタクト孔は、有機光電変換層22上には形成されていないので、このコンタクト孔によっては、パッシベーション層24及びALD絶縁膜25による、有機光電変換層22に対するパッシベーション性が低下しない。
【0045】
本実施の形態の固体撮像装置は、例えば、以下に説明するようにして、製造することができる。
【0046】
まず、図2Aに示すように、半導体基体1内の半導体領域や絶縁膜を形成する。即ち、2つの光電変換部PD1,PD2、フローティングディフュージョンFD、コンタクト部3、オーバーフローバリア4、電荷蓄積層5、コンタクト部6、プラグ層7、絶縁膜8を形成する。そして、半導体基体1に対して、転送ゲート2や、図示しない、画素トランジスタや周辺回路部のロジック回路等の回路素子を形成する。さらに、図示しないが、層間絶縁膜を介して複数層の配線を配置した配線部(多層配線層)を形成する。その後、配線部(多層配線層)に支持基板を貼り付ける。なお、SOI基板のシリコン層を半導体基体1に使用した場合には、支持基板を貼り付けた後に、SOI基板のシリコン基板及びSiO2膜を除去する。
【0047】
次に、図2Bに示すように、半導体基体1上に、絶縁層11を形成する。この絶縁層11としては、好ましくは、前述したように、半導体基体1と絶縁層11との界面からの暗電流の発生を抑制するために、界面準位が小さい材料を使用する。例えば、ALD法で成膜したハフニウム酸化膜とプラズマCVD法で成膜したSiO膜との積層膜により、絶縁層11を形成する。
【0048】
次に、絶縁層11にコンタクト孔を開口した後に、コンタクト孔内も埋めて、絶縁層11上に、導体層を形成する。さらに、この導体層に対して、遮光したい箇所を残すように加工を行い、図2Cに示すように、導電プラグ及び配線層とから構成された、導体層12を形成する。この導体層12には、例えば、前述した、TiとTiNの積層膜から成るバリアメタルと、W(タングステン)から成る構造を用いることができる。
【0049】
次に、図2Dに示すように、導体層12上を覆って、絶縁層11の上に、例えばプラズマCVD法によって、SiO膜等の絶縁層13を形成した後に、例えば、CMP(化学的機械的研磨)法を用いて、絶縁層13の表面を平坦化する。
【0050】
次に、絶縁層13に、導体層12に達するコンタクト孔を形成する。続いて、図2Eに示すように、コンタクト孔内を埋めて、導電プラグ層14を形成する。導電プラグ層14は、例えばTiNとWの積層膜を成膜した後に、CMP法を用いて絶縁膜13上の余剰のW及びTiNを除去することによって形成する。
【0051】
次に、図2Fに示すように、絶縁層13及び導電プラグ層14の上に、有機光電変換部の下部電極21と、配線層15を、それぞれ形成する。下部電極21は、例えば、スパッタ法を用いてITOを成膜した後に、フォトリソグラフィー技術を用いてパターニングを行い、ドライエッチングもしくはウエットエッチングを用いて加工する。なお、下部電極21の材料はITOに限定されず、前述した各種の透明導電材料を使用することができる。
【0052】
配線層15を下部電極21と同じ材料とする場合には、パターニングにより、配線層15及び下部電極21を同時に形成することができる。配線層15を下部電極21とは異なる導電材料とする場合には、下部電極21を形成する前か後に、配線層15を形成する。
【0053】
次に、図2Gに示すように、下部電極18上に、例えばプラズマCVD法によりSiO膜を形成することにより、絶縁層16を形成する。続いて、例えばCMP法を用いて平坦化処理を行うことにより、図2Hに示すように、絶縁層16から下部電極21及び配線層15を露出させる。この際に、絶縁膜16の方が下部電極21よりも薄くなるように、絶縁層16を後退させる。
【0054】
次に、図2Iに示すように、有機光電変換層22を、メタルマスクを用いて、所望のパターンに形成する。例えば、有機光電変換層22にキナクリドン誘導体を用いる場合には、真空蒸着により有機光電変換層22を形成することができる。有機光電変換層22は、後から加工する上部電極23のパターンよりも内側として、上部電極23の加工時に露出させないようにする。また、有機光電変換層22を形成するには、必ずしもメタルマスクを用いて成膜する必要は無く、プリント技術等を用いて、所望のパターンを形成しても構わない。
【0055】
次に、図2Jに示すように、有機光電変換層22上に、全面的に上部電極23を形成する。この上部電極23には、ITO等の前述した各種材料を使用することができる。有機光電変換層22は、水分、酸素、水素等の影響によって、特性が大きく変動することが知られている。そのため、上部電極23は、有機光電変換層22と真空一貫で成膜されることが望ましい。
【0056】
その後、例えば、CVD法により、SiN、SiO、SiON等の材料を用いて、パッシベーション層24を形成する。この際に、図2Kに示すように、下地の段差に起因して、パッシベーション層24にスリットができる。
【0057】
その後、ALD(Atomic Layer Deposition)法により、図2Lに示すように、パッシベーション能力の高いALD絶縁膜25を形成する。ALD絶縁膜25には、パッシベーション層24より屈折率が小さい材料を使用する。このとき、ALD法は段差被覆性の高い成膜手法であるため、図2Lに示すように、パッシベーション層24の段差部のスリットをALD絶縁膜25で埋めることができる。ここで、ALD絶縁膜25の材料としては、前述したAlやSiON等を使用することができる。
【0058】
次に、図2Mに示すように、ALD絶縁膜25の上に、ALD絶縁膜25及びパッシベーション層24をパターニングするためのレジスト31を形成する。次に、図2Nに示すように、レジスト31をマスクとして用いて、ALD絶縁膜25、パッシベーション層24、上部電極23を、順次ドライエッチングにより加工することにより、これらの層25,24,23をパターニングする。続いて、アッシング、有機洗浄等の後処理を行い、堆積物、残渣物を除去する。これらパターニングの工程や後処理の工程においては、有機光電変換層22が露出していないので、有機光電変換層22がダメージを受けにくい。また、パッシベーション層24及びALD絶縁膜25により上部電極23を覆っているので、上部電極23のITO等が有するピンホールに起因して、後処理薬液が浸入して、下層の有機光電変換層22が消失する課題を抑制することが可能になる。
【0059】
その後、図2Oに示すように、有機光電変換層22よりも右側に延長した部分の上部電極23の上のパッシベーション層24及びALD絶縁膜25に、上部電極23と接続するためのコンタクト開口部32を形成する。このとき、コンタクト開口部32の下に有機光電変換層22があると、加工後洗浄によって、上部電極23のピンホールを通して薬液が浸液して、下層の有機光電変換層22が消失する問題を生じる。本実施の形態では、図2Oに示すように、コンタクト開口部32の下には有機光電変換層22が形成されていないため、有機光電変換層22が消失する問題を回避することができる。
【0060】
図3に、図2Oの状態の平面レイアウトを示す。図3に示すように、パッシベーション層24及びALD絶縁膜25が開口され、下部電極23が露出する、コンタクト開口部32は、有機光電変換層22から離れて形成されている。
【0061】
その後、コンタクト開口部32内をも埋めて、表面に金属層を形成し、この金属層をパターニングすることにより、図2Pに示すように、上部電極23及び配線層15にそれぞれ接続された、配線層26を形成する。その後、図示しないが、配線層26等を保護するパッシベーション層、平坦化膜、オンチップレンズ等を、順次形成する。このようにして、図1に示した、本実施の形態の固体撮像装置を製造することができる。
【0062】
上述の本実施の形態の固体撮像装置の構成によれば、有機光電変換層22の上を覆うパッシベーション層24の上と、段差上のパッシベーション層24に生じたスリット内に、パッシベーション層24よりも屈折率が小さいALD絶縁膜25が形成されている。これにより、スリットを通じた、外部から有機光電変換層22への水分等の浸入を抑制することができるので、有機光電変換層22に対するパッシベーション性を向上することができる。従って、固体撮像装置の信頼性を向上することができる。
【0063】
また、斜めに形成されたスリット内に、パッシベーション層24よりも屈折率の小さいALD絶縁膜25が形成されている。これにより、入射した光を、スリット内のALD絶縁膜25とパッシベーション層25との界面で反射させて、中央のパッシベーション層24に集めることができるので、集光特性を向上して、良好な集光特性を実現することができる。
【0064】
従って、本実施の形態により、有機光電変換層22に対するパッシベーション性の向上と、良好な集光特性を両立させることができる。
【0065】
また、本実施の形態によれば、特に、ALD法により形成したALD絶縁膜25で、パッシベーション層24に生じたスリットを埋めている。ALD法は、段差被覆性の高い成膜方法であるため、スリットのように細くて狭い空間も埋めることができるため、容易にスリットを埋めることができる。
【0066】
上述の実施の形態では、色の組み合わせとして、有機光電変換部を緑G、第1の光電変換部PD1を赤R、第2の光電変換部PD2を青Bとしていたが、本技術では、その他の色の組み合わせも可能である。例えば、有機光電変換部を赤R或いは青Bとして、半導体基体内の2つの光電変換部を、その他の対向する色に設定することが可能である。赤Rの光で光電変換する有機光電変換材料としては、フタロシアニン系色素を含む有機光電変換材料を使用することが可能である。青Bの光で光電変換する有機光電変換材料としては、クマリン系色素、メラシアニン系色素等を含む有機光電変換材料を使用することができる。
【0067】
また、本技術においては、有機光電変換部を2層として、半導体基体内の光電変換部を1層とすることも可能である。なお、半導体基体には光電変換部を設けないで、半導体基体上に3層の有機光電変換部を積層することも可能であるが、半導体基体内に1層以上の光電変換部を設けることにより、必要となる体積を小さくことができる。
【0068】
上述の実施の形態では、パッシベーション層24を単層構造とした場合を説明したが、パッシベーション層24を2層以上の積層構造とすることも可能である。
【0069】
上述の実施の形態では、半導体基体の光入射面と回路形成面を異なる面としており、所謂裏面照射型構造となっていた。本技術は、半導体基体の光入射面と回路形成面を同じ面とした、表面照射型構造にも適用することができる。
【0070】
本技術のパッシベーション層とALD絶縁膜による構成は、固体撮像装置に限らず、一般的な半導体装置やその他の装置において、パッシベーションを必要とする有機層によって段差が形成される場合にも適用することが可能である。
【0071】
<2.第1の実施の形態の変形例>
次に、第1の実施の形態に対する変形例を説明する。第1の実施の形態の変形例の固体撮像装置の概略構成図(要部の断面図)を、図4に示す。この変形例では、図4に示すように、有機光電変換部の上部電極23を、パッシベーション層24及びALD絶縁膜25よりも右側に延長して形成している。そして、この延長した部分の上部電極23に、配線層26が接続されている。これにより、延長した部分の上部電極23は、パッシベーション層24及びALD絶縁膜25に覆われていないため、パッシベーション層24及びALD絶縁膜25にコンタクト開口部を形成しなくても、上部電極23と配線層26を接続することができる。
【0072】
パッシベーション層24は、上部電極23より厚いため、図1の構成の場合、配線層26をパッシベーション層24による大きい段差上に形成する必要がある。そのため、配線層26に段切れを生じないように、かつ、コンタクト開口部を配線層26で埋めることができるように、配線層26の材料や形成方法を選定することが望ましい。一方、この変形例の構成では、上部電極23による小さい段差上に配線層26を形成するので、配線層26の形成が容易であり、配線層26の材料や形成条件の制約が少なくなる。なお、図1の構成と比較して、配線層26との接続部が右に移動するため、その分、画素サイズは大きくなる。また、この変形例の構成では、パッシベーション層24及びALD絶縁膜25にコンタクト開口部を形成しないため、図1の構成と比較して、さらに、有機光電変換層22に対するパッシベーション性を向上することができる。
【0073】
この変形例の構成を製造する場合には、図2Mに示したレジスト31をマスクとして用いて、ALD絶縁膜25及びパッシベーション層24を順次ドライエッチングにより加工する。その後、レジスト31を除去して、上部電極23のパターニング用のレジストを形成して、上部電極23をドライエッチングにより加工する。
【0074】
本技術に係る固体撮像装置は、例えば、デジタルカメラやビデオカメラ等のカメラシステムや、撮像機能を有する携帯電話、撮像機能を備えた他の機器等の、各種電子機器に適用することができる。
【0075】
<3.第2の実施の形態(電子機器)>
第2の実施の形態の電子機器の概略構成図(ブロック図)を、図5に示す。本実施の形態は、本技術を、静止画像又は動画の撮影が可能なカメラを有する電子機器に適用した場合である。
【0076】
図5に示すように、この電子機器121は、固体撮像装置122、光学系123、シャッタ装置124、駆動回路125、信号処理回路126を有する。
【0077】
光学系123は、光学レンズ等により構成され、被写体からの像光(入射光)を固体撮像装置122の画素部に結像させる。これにより、固体撮像装置122内に、一定期間信号電荷が蓄積される。光学系123は、複数個の光学レンズから構成された光学レンズ系としても良い。固体撮像装置122としては、前述した実施の形態やその変形例の固体撮像装置等、本技術に係る固体撮像装置を使用する。シャッタ装置124は、固体撮像装置122への光照射期間及び遮光期間を制御する。駆動回路125は、固体撮像装置122の転送動作及びシャッタ装置124のシャッタ動作を制御する駆動信号を供給する。駆動回路125から供給される駆動信号(タイミング信号)により、固体撮像装置122の信号転送を行う。信号処理回路126は、各種の信号処理を行う。信号処理が行われた映像信号は、メモリ等の記憶媒体に記憶され、或いは、モニタに出力される。
【0078】
上述の本実施の形態の電子機器121の構成によれば、固体撮像装置122として、前述した実施の形態やその変形例の固体撮像装置等、本技術に係る固体撮像装置を使用する。これにより、固体撮像装置122において、有機光電変換層に対するパッシベーション性を向上して固体撮像装置122及び電子機器121の信頼性を向上し、かつ、集光特性を向上することができる。
【0079】
本技術において、電子機器の構成は、図5に示した構成に限定されるものではなく、本技術に係る固体撮像装置を使用する構成であれば、図5に示した以外の構成とすることも可能である。
【0080】
なお、本開示は以下のような構成も取ることができる。
(1)有機光電変換層と、前記有機光電変換層の上方を覆って形成されたパッシベーション層と、前記パッシベーション層上、及び、段差上の前記パッシベーション層に生じたスリット内に形成され、前記パッシベーション層よりも屈折率が小さい絶縁膜とを含む固体撮像装置。
(2)前記有機光電変換層を含んで成る有機光電変換部と、半導体基体内に形成された光電変換部とが、上下に積層されている、前記(1)に記載の固体撮像装置。
(3)前記絶縁膜は、原子層蒸着法(ALD法)により形成された膜である、前記(1)又は(2)に記載の固体撮像装置。
(4)前記有機光電変換層に接続された上部電極が、前記有機光電変換部よりも外側に延長して形成されており、延長して形成された部分の前記上部電極上の前記パッシベーション層及び前記絶縁膜に形成されたコンタクト開口部と、前記コンタクト開口部内に形成され、前記上部電極に接続された配線層をさらに含む、前記(1)から(3)のいずれかに記載の固体撮像装置。
(5)有機光電変換層を有する固体撮像装置を製造する方法であって、前記有機光電変換層を形成する工程と、前記有機光電変換層の上方を覆って、パッシベーション層を形成する工程と、前記パッシベーション層上、及び、段差上の前記パッシベーション層に生じたスリット内に、前記パッシベーション層よりも屈折率が小さい絶縁膜を形成する工程とを有する固体撮像装置の製造方法。
(6)前記絶縁膜を、原子層蒸着法(ALD法)を用いて形成する、前記(5)に記載の固体撮像装置の製造方法。
(7)光学系と、前記(1)から(4)のいずれかに記載の固体撮像装置と、前記固体撮像装置の出力信号を処理する信号処理回路を備えた電子機器。
【0081】
本技術は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲でその他様々な構成が取り得る。
【0082】
本出願は、日本国特許庁において2012年5月1日に出願された日本特許出願番号第2012−104521号を基礎として優先権を主張するものであり、この出願のすべての内容を参照によって本出願に援用する。
【0083】
当業者であれば、設計上の要件や他の要因に応じて、種々の修正、コンビネーション、サブコンビネーション、および変更を想到し得るが、それらは添付の請求の範囲やその均等物の範囲に含まれるものであることが理解される。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図2G
図2H
図2I
図2J
図2K
図2L
図2M
図2N
図2O
図2P
図3
図4
図5
【国際調査報告】