特表-13168284IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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再表2013-168284アナログ変換装置およびプログラマブルコントローラシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2013年11月14日
【発行日】2015年12月24日
(54)【発明の名称】アナログ変換装置およびプログラマブルコントローラシステム
(51)【国際特許分類】
   G05B 19/05 20060101AFI20151201BHJP
   H03M 1/10 20060101ALI20151201BHJP
【FI】
   G05B19/05 L
   H03M1/10 A
   H03M1/10 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】14
【出願番号】特願2012-543365(P2012-543365)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2012年5月11日
(11)【特許番号】特許第5178964号(P5178964)
(45)【特許公報発行日】2013年4月10日
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,ZA
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】久保田 善幸
【テーマコード(参考)】
5H220
5J022
【Fターム(参考)】
5H220BB15
5H220CC07
5H220CX05
5H220EE09
5H220FF09
5H220JJ12
5H220JJ17
5H220JJ26
5J022AA01
5J022AB01
5J022AC04
5J022AC05
5J022CD02
(57)【要約】
アナログ変換装置(30)は、オフセット・ゲイン値を格納する不揮発性メモリ(32)からなるオフセット・ゲイン値格納部(321)と、オフセット・ゲイン値格納部(321)中のオフセット・ゲイン値を補間演算用として用いてアナログ−デジタル間変換を行う演算部(31)と、過去に使用したオフセット・ゲイン値格納部(321)中のオフセット・ゲイン値を前オフセット・ゲイン値として格納する不揮発性メモリ(32)からなる前オフセット・ゲイン値格納部(322)と、を備え、演算部(31)は、オフセット・ゲイン値格納部(321)へのオフセット・ゲイン値の設定と、前オフセット・ゲイン値格納部(322)への前オフセット・ゲイン値の格納と、を制御するオフセット・ゲイン値設定部(311)を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プログラマブルコントローラを構成し、オフセット・ゲイン値を用いてアナログ−デジタル間変換を行うアナログ変換装置において、
前記オフセット・ゲイン値を格納する不揮発性メモリからなるオフセット・ゲイン値格納手段と、
前記オフセット・ゲイン値格納手段中のオフセット・ゲイン値を補間演算用として用いてアナログ−デジタル間変換を行う演算手段と、
過去に使用した前記オフセット・ゲイン値格納手段中の前記オフセット・ゲイン値を前オフセット・ゲイン値として格納する不揮発性メモリからなる前オフセット・ゲイン値格納手段と、
を備え、
前記演算手段は、前記オフセット・ゲイン値格納手段への前記オフセット・ゲイン値の設定と、前記前オフセット・ゲイン値格納手段への前記前オフセット・ゲイン値の格納と、を制御するオフセット・ゲイン値設定手段を有することを特徴とするアナログ変換装置。
【請求項2】
前記オフセット・ゲイン値設定手段は、新たなオフセット・ゲイン値の前記オフセット・ゲイン値格納手段への設定要求を受けると、前記オフセット・ゲイン値格納手段に格納されている現在の前記オフセット・ゲイン値を前記前オフセット・ゲイン値格納手段に格納した後に、前記新たなオフセット・ゲイン値を前記オフセット・ゲイン値格納手段に格納することを特徴とする請求項1に記載のアナログ変換装置。
【請求項3】
前記オフセット・ゲイン値設定手段は、過去に使用した前記オフセット・ゲイン値の復元要求を受けると、前記前オフセット・ゲイン値格納手段中の前記復元要求で指定される前記前オフセット・ゲイン値を取得し、前記オフセット・ゲイン値格納手段に格納されている前記オフセット・ゲイン値を前記前オフセット・ゲイン値格納手段に格納した後に、取得した前記前オフセット・ゲイン値を新たな前記オフセット・ゲイン値として前記オフセット・ゲイン値格納手段に格納することを特徴とする請求項1または2に記載のアナログ変換装置。
【請求項4】
前記前オフセット・ゲイン値格納手段は、前記前オフセット・ゲイン値として、過去に使用した複数世代分のオフセット・ゲイン値を格納することを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載のアナログ変換装置。
【請求項5】
前記前オフセット・ゲイン値格納手段は、過去に使用した世代ごとに前記前オフセット・ゲイン値を格納する世代管理領域を有し、
前記オフセット・ゲイン値設定手段は、前記設定要求または前記復元要求を受けると、前記前オフセット・ゲイン値格納手段中の1世代前から最も古い世代の1つ前の世代までの前記世代管理領域の前記前オフセット・ゲイン値を、2世代前から最も古い世代までの前記世代管理領域にそれぞれコピーし、前記オフセット・ゲイン値格納手段中の前記オフセット・ゲイン値を前記前オフセット・ゲイン値格納手段中の1世代前の前記世代管理領域にコピーし、前記オフセット・ゲイン値格納手段に前記新たなオフセット・ゲイン値または前記過去の前オフセット・ゲイン値を格納することを特徴とする請求項4に記載のアナログ変換装置。
【請求項6】
アナログ−デジタル間変換の際に用いるオフセット・ゲイン値を格納する不揮発性メモリからなるオフセット・ゲイン値格納手段、前記オフセット・ゲイン値格納手段中のオフセット・ゲイン値を補間演算用として用いてアナログ−デジタル間変換を行う演算手段、および過去に使用した前記オフセット・ゲイン値格納手段中の前記オフセット・ゲイン値を前オフセット・ゲイン値として格納する不揮発性メモリからなる前オフセット・ゲイン値格納手段を備えるアナログ変換装置と、前記アナログ変換装置を含む他のユニットの動作を制御するCPUユニットと、を有するプログラマブルコントローラと、
前記CPUユニットのユーザプログラムの設定を行う周辺装置と、
が通信回線を介して接続されるプログラマブルコントローラシステムであって、
前記周辺装置は、前記アナログ変換装置の前記オフセット・ゲイン値格納手段中の前記オフセット・ゲイン値を変更する要求を前記CPUユニット経由で前記アナログ変換装置に発行するオフセット・ゲイン値設定変更手段を備え、
前記アナログ変換装置の前記演算手段は、前記要求を受信すると、前記要求に従って前記オフセット・ゲイン値格納手段への前記オフセット・ゲイン値の設定と、前記前オフセット・ゲイン値格納手段への前記前オフセット・ゲイン値の格納と、を制御するオフセット・ゲイン値設定手段を有することを特徴とするプログラマブルコントローラシステム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、アナログ変換装置およびプログラマブルコントローラシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
プログラマブルコントローラ(Programmable Logic Controller;以下、PLCという)にアナログデータ値を入力する場合には、アナログデータ値をデジタル値に変換するアナログ入力ユニット(A/D変換装置)が用いられ、PLCからアナログデータ値を出力する場合には、デジタル値を出力するアナログデータ値に変換するアナログ出力ユニット(D/A変換装置)が用いられる。
【0003】
一般的に、アナログデータ値をデジタル値に変換する際、またデジタル値をアナログデータ値に変換する際には、オフセット・ゲイン値が用いられる。オフセット値は変換するアナログデータ値の最小値に相当する値であり、ゲイン値は変換するアナログデータ値の最大値に相当する値である。A/D変換装置およびD/A変換装置(以下、まとめてアナログ変換装置という)においては、オフセット値およびゲイン値の2値を用いて直線補間を行うことによって、アナログ変換を実現している。
【0004】
PLCに装着されるアナログ変換装置においては、オフセット・ゲイン値は製造時、ユニット内の不揮発性メモリに書き込まれる。これらのオフセット・ゲイン値は、たとえば0V、10V、0mA、4mA、20mAといったアナログデータを正確に取り扱えるように校正した値が書き込まれる。また、これらのオフセット・ゲイン値はそれぞれのユニット(アナログ変換装置)に搭載される部品のばらつきによって、それぞれ異なった値を取り得る。
【0005】
さらに、PLCに装着されるアナログ変換装置においては、製造時に不揮発性メモリに登録されたオフセット・ゲイン値に加え、ユーザが任意のオフセット・ゲイン値を登録することも可能である。これによって、ユーザはユニットが用意している定型的なアナログレンジだけでなく、接続される機器に合わせた任意のアナログレンジを使用することが可能となる。
【0006】
ここで、ユーザが登録するオフセット・ゲイン値に関し、複数の登録領域を用意し、複数種類のオフセット・ゲイン値を登録可能とすることで、これらを選択して使用可能とする技術が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。これによって、複数のオフセット・ゲイン値をあらかじめ不揮発性メモリに登録しておき、それらを用途に合わせて選択して、使い分けることが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平7−78007号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、ある特定のオフセット・ゲイン値について、調整をし直した場合、以前使用していたオフセット・ゲイン値は書き換えられてしまう。その結果、以前使用していたオフセット・ゲイン値を再度使用するには、再び調整を行う必要があった。そのため、PLCが制御対象とするシステムの定期調整などによって、意図しないオフセット・ゲイン値に誤って書き換えられてしまい、システムが意図しない動作を行うようになってしまった場合に、システムを復旧するためには、再度適切なオフセット・ゲイン値となるように、調整を行わなければならないという問題点があった。
【0009】
この発明は上記に鑑みてなされたもので、特定のオフセット・ゲイン値において、再調整を行って設定値を書き換えた後、それまで使用していた設定値を復元することができるアナログ変換装置およびPLCシステムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、この発明にかかるアナログ変換装置は、プログラマブルコントローラを構成し、オフセット・ゲイン値を用いてアナログ−デジタル間変換を行うアナログ変換装置において、前記オフセット・ゲイン値を格納する不揮発性メモリからなるオフセット・ゲイン値格納手段と、前記オフセット・ゲイン値格納手段中のオフセット・ゲイン値を補間演算用として用いてアナログ−デジタル間変換を行う演算手段と、過去に使用した前記オフセット・ゲイン値格納手段中の前記オフセット・ゲイン値を前オフセット・ゲイン値として格納する不揮発性メモリからなる前オフセット・ゲイン値格納手段と、を備え、前記演算手段は、前記オフセット・ゲイン値格納手段への前記オフセット・ゲイン値の設定と、前記前オフセット・ゲイン値格納手段への前記前オフセット・ゲイン値の格納と、を制御するオフセット・ゲイン値設定手段を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、前オフセット・ゲイン値格納手段に過去のオフセット・ゲイン値を格納し、オフセット・ゲイン値設定手段で前オフセット・ゲイン値格納手段から以前使用したオフセット・ゲイン値を自由に呼び出して最新のオフセット・ゲイン値として再設定するようにしたので、プログラマブルコントローラシステムが制御対象とするシステムの調整作業において、意図しないオフセット・ゲイン値を誤って登録してしまい、システムが意図しない動作を行うようになった場合でも、オフセット・ゲイン値を再調整することなく、容易に過去の正常な状態に復旧することができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、実施の形態によるアナログ変換装置を含むPLCシステムの概略構成を模式的に示すブロック図である。
図2図2は、実施の形態による不揮発性メモリの構成を模式的に示す図である。
図3図3は、オフセット・ゲイン値の設定処理手順の一例を示すフローチャートである。
図4図4は、不揮発性メモリでのオフセット・ゲイン値の設定処理の様子を模式的に示す図である。
図5図5は、オフセット・ゲイン値の復元処理手順の一例を示すフローチャートである。
図6図6は、不揮発性メモリでのオフセット・ゲイン値の復元処理の様子を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかるアナログ変換装置およびプログラマブルコントローラシステムの好適な実施の形態を詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0014】
図1は、実施の形態によるアナログ変換装置を含むPLCシステムの概略構成を模式的に示すブロック図である。なお、本図では、実施の形態によるオフセット・ゲイン値の変更設定に関する処理部のみを示し、その他の産業機器などの制御対象を制御する処理部については図示を省略している。
【0015】
PLCシステム10は、CPU(Central Processing Unit)ユニット20とアナログユニット(アナログ変換装置)30とがユニット間バス40を介して接続され、また、PLCシステム10を構成するユニット(ここではCPUユニット20)に、通信回線60を介してパーソナルコンピュータなどの周辺装置50が接続される構成を有している。なお、図1では、PLCシステム10には、CPUユニット20とアナログユニット30とが設けられる場合を示しているが、これらのほかに、目的に合わせ、サーボアンプなどを制御して多軸の位置制御を実行するモーションコントローラユニットや、CPUユニット20から指令された温度に到達するように加熱・冷却するための温度制御信号を出力する温度コントローラユニットなどを設けることも可能である。また、この実施の形態では、CPUユニット20とアナログユニット30以外のユニットについては言及しない。
【0016】
CPUユニット20は、PLCシステム10が備える種々のユニットを動作させて産業用機器などの制御対象を制御するプログラムであるユーザプログラムの実行と、ユーザプログラムが使用する値などの入力値の取得と、実行結果の出力と、を所定の周期で繰り返す。このCPUユニット20は、ユーザプログラムを実行するユーザプログラム実行部21と、周辺装置50と接続するためのインタフェースである周辺装置I/F22と、ユニット間バス40を介して、アナログユニット30などの他のユニットと通信を行うための通信インタフェースであるバスI/F23と、を備える。これらのユーザプログラム実行部21、周辺装置I/F22およびバスI/F23間は、それぞれ内部バス24で接続されている。
【0017】
アナログユニット30は、PLCが制御対象とする産業機器などとの間で電流値や電圧値などのアナログ信号の入出力を行う。このアナログユニット30は、アナログユニット30全体の制御を実行する演算部31と、アナログ−デジタル間変換処理で使用されるオフセット・ゲイン値を格納する不揮発性メモリ32と、ユニット間バス40を介してCPUユニット20と通信を行うための通信インタフェースであるバスI/F33と、を有し、これらの演算部31、不揮発性メモリ32およびバスI/F33間は、それぞれ内部バス34で接続されている。
【0018】
演算部31は、制御対象から取得するアナログ値をデジタル値に変換し、またCPUユニット20から取得したデジタル値をアナログ値に変換するアナログ−デジタル間変換処理を行なう機能を有する。また、この演算部31は、オフセット・ゲイン値を不揮発性メモリ32に書込むとともに、ユニット起動時に不揮発性メモリ32のオフセット・ゲイン値格納部321から最新のオフセット・ゲイン値の読出しを行うオフセット・ゲイン値設定部311を備えている。
【0019】
不揮発性メモリ32は、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)などによって構成され、アナログ変換時、入出力するデータを直線補間するために使用するデータとして、オフセット値、およびゲイン値を格納する領域であるオフセット・ゲイン値格納部321と、過去に使用したオフセット・ゲイン値を時系列に格納する領域である前オフセット・ゲイン値格納部322と、を有する。なお、本実施の形態では不揮発性メモリ32がオフセット・ゲイン値格納部321と前オフセット・ゲイン値格納部322の双方を有することとしたが、前オフセット・ゲイン値格納部322は別の不揮発性メモリが有するようにしてもよい。例えば、不揮発性メモリ32とは別に不揮発性メモリを別途具備し、この不揮発性メモリが前オフセット・ゲイン値格納部322を有するようにしてもよい。また、アナログユニット30外の外部メモリが前オフセット・ゲイン値格納部322を有するようにし、アナログユニット30が前外部メモリとの通信I/Fを有するようにしてもよい。
【0020】
周辺装置50は、ユーザプログラムの設定や状態を表示することが可能なパーソナルコンピュータなどによって構成される。この実施の形態に関する機能として、アナログユニット30の不揮発性メモリ32に格納されているオフセット・ゲイン値の変更設定を行うオフセット・ゲイン値設定変更部51を備える。
【0021】
ここで、アナログユニット30が備える不揮発性メモリ32について、さらに詳細に説明する。PLCが制御対象とする産業機器の入出力特性に合致するようにユーザが調整を行った際、不揮発性メモリ32のオフセット・ゲイン値格納部321には、その調整結果であるオフセット値およびゲイン値がオフセット・ゲイン値設定部311によって書込まれる。なお、いつ調整したオフセット・ゲイン値かを特定できるよう、不揮発性メモリ32に書き込む際の日時情報を合わせて不揮発性メモリ32に格納するようにしてもよい。背景技術で説明したように、従来では複数種類のオフセット・ゲイン値を不揮発性メモリ32に格納することができる一方で、ユーザが該オフセット・ゲイン値の再調整を行い、誤った調整を行ってしまい、不揮発性メモリ32内の内容を書き換えてしまうと、元の状態に復元することが困難であった。そこで、この実施の形態では、不揮発性メモリ32に、アナログ−デジタル間変換処理に使用するオフセット・ゲイン値である最新のオフセット・ゲイン値を格納するオフセット・ゲイン値格納部321と、調整前にアナログ−デジタル間変換処理に使用していたオフセット・ゲイン値を格納する前オフセット・ゲイン値格納部322を設けるようにしている。つまり、前オフセット・ゲイン値格納部322には、オフセット・ゲイン値の再調整を行う際に、オフセット・ゲイン値格納部321の内容を書き換える前のオフセット・ゲイン値格納部321の内容が退避されるようにしている。
【0022】
図2は、実施の形態による不揮発性メモリの構成を模式的に示す図である。オフセット・ゲイン値格納部321は最新のオフセット・ゲイン値401を1セット格納しており、前オフセット・ゲイン値格納部322は、過去のオフセット・ゲイン値402をNセット(Nは自然数)分格納している。なお、格納可能な過去のオフセット・ゲイン値402のセット数Nは任意である。また、オフセット・ゲイン値格納部321および前オフセット・ゲイン値格納部322は、前述したオフセット・ゲイン値をアナログユニット30が具備しているチャンネル数分格納できる領域を有しているが、ここでは1チャンネル分のみ格納される場合を図示している。
【0023】
図2に示される例では、前オフセット・ゲイン値格納部322に、世代管理領域であるオフセット・ゲイン値格納領域が世代ごとに設けられている。すなわち、1世代前のオフセット・ゲイン値格納領域、2世代前のオフセット・ゲイン値格納領域、3世代前のオフセット・ゲイン値格納領域、・・・(N−1)世代前のオフセット・ゲイン値格納領域、N世代前のオフセット・ゲイン値格納領域が設けられている。図2が示すように前オフセット・ゲイン値格納部322には過去のオフセット・ゲイン値を複数個格納可能であるが、本実施の形態では、各オフセット・ゲイン値を「世代」と呼び、区別している。すなわち、オフセット・ゲイン値格納部321に格納されている最新のオフセット・ゲイン値の前にアナログ−デジタル間変換処理に使用していたオフセット・ゲイン値を1世代前、さらにその前にアナログ−デジタル間変換処理に使用していたオフセット・ゲイン値を2世代前と呼ぶ。後述するように、オフセット・ゲイン値格納部321に新たにオフセット・ゲイン値401が設定されると、それまで前オフセット・ゲイン値格納部322の1世代前〜(N−1)世代前のオフセット・ゲイン値格納領域に格納されていたオフセット・ゲイン値402は、それぞれ2世代前〜N世代前のオフセット・ゲイン値格納領域に格納され、オフセット・ゲイン値格納部321に格納されていたオフセット・ゲイン値401は、前オフセット・ゲイン値格納部322の1世代前のオフセット・ゲイン値格納領域に格納される。
【0024】
つぎに、このような構成のPLCシステム10でのオフセット・ゲイン値の設定処理と復元処理について順に説明する。
【0025】
<オフセット・ゲイン値の設定処理>
図3は、オフセット・ゲイン値の設定処理手順の一例を示すフローチャートであり、図4は、不揮発性メモリ32でのオフセット・ゲイン値の設定処理の様子を模式的に示す図である。
【0026】
まず、アナログユニット30の演算部31のオフセット・ゲイン値設定部311は、オフセット・ゲイン値の設定要求があるか否かを判定する(ステップS10)。オフセット・ゲイン値の設定要求は、アナログユニット30の外部からユーザによって発行される要求であり、たとえばCPUユニット20のユーザプログラム実行部21で実行されるユーザプログラムから発行される要求や、CPUユニット20に接続された周辺装置50上で動作するオフセット・ゲイン値設定変更部51からユーザ操作によって発行される要求などがある。オフセット・ゲイン値の設定要求を受け付けていない場合(ステップS10でNoの場合)には、オフセット・ゲイン値の設定要求があるまで待ち状態となる。
【0027】
一方、オフセット・ゲイン値の設定要求を受け付けている場合(ステップS10でYesの場合)には、オフセット・ゲイン値設定部311は、不揮発性メモリ32の前オフセット・ゲイン値格納部322において、1世代前からN−1世代前までのオフセット・ゲイン値402を、2世代前〜N世代前のオフセット・ゲイン値を格納する領域にコピーする(図3図4のステップS11)。これによって、1世代前からN−1世代前までのオフセット・ゲイン値402の格納領域が、1世代分古い方向にずれることになる。
【0028】
さらに、オフセット・ゲイン値設定部311は、これまで最新オフセット・ゲイン値としてアナログ変換の際に補間演算用のデータとして使用していたオフセット・ゲイン値401aをオフセット・ゲイン値格納部321から前オフセット・ゲイン値格納部322の1世代前のオフセット・ゲイン値の格納領域にコピーする(図3図4のステップS12)。
【0029】
その後、再調整の結果である新オフセット・ゲイン値401bを最新オフセット・ゲイン値として、オフセット・ゲイン値格納部321に格納する(図3図4のステップS13)。そして、ステップS10へと処理が戻る。以上によって、オフセット・ゲイン値設定処理が終了する。
【0030】
<オフセット・ゲイン値の復元処理>
図5は、オフセット・ゲイン値の復元処理手順の一例を示すフローチャートであり、図6は、不揮発性メモリでのオフセット・ゲイン値の復元処理の様子を模式的に示す図である。
【0031】
まず、アナログユニット30の演算部31のオフセット・ゲイン値設定部311は、オフセット・ゲイン値の復元要求があるか否かを判定する(ステップS20)。オフセット・ゲイン値の復元要求は、アナログユニット30の外部からユーザによって発行される要求であり、たとえばCPUユニット20のユーザプログラム実行部21で実行されるユーザプログラムから発行される要求や、CPUユニット20に接続された周辺装置50上で動作するオフセット・ゲイン値設定変更部51からユーザ操作によって発行される要求などがある。このオフセット・ゲイン値の復元要求には、ユーザによって指定される前オフセット・ゲイン値格納部322中の復元するオフセット・ゲイン値402の格納領域(復元対象)が含まれている。ここでは、M世代前(Mは、N以下の自然数)のオフセット・ゲイン値402が指定されるものとする。オフセット・ゲイン値の復元要求を受け付けていない場合(ステップS20でNoの場合)には、オフセット・ゲイン値の復元要求があるまで待ち状態となる。
【0032】
一方、オフセット・ゲイン値の復元要求を受け付けている場合(ステップS20でYesの場合)には、オフセット・ゲイン値設定部311は、オフセット・ゲイン値の復元要求によって指定された復元対象のオフセット・ゲイン値である、M世代前のオフセット・ゲイン値402を別領域に退避する(ステップS21)。この別領域とは、一時的にデータを退避しておくためのものであり、揮発性のものでも、不揮発性のものでもよい。つまり、別領域は不揮発性メモリ32のオフセット・ゲイン値格納部321と前オフセット・ゲイン値格納部322以外の領域に設けてもよいし、図示しないRAMに設けてもよい。
【0033】
ついで、オフセット・ゲイン値設定部311は前オフセット・ゲイン値格納部322において、1世代前からN−1世代前までのオフセット・ゲイン値402を、2世代前〜N世代前のオフセット・ゲイン値402を格納する領域にコピーする(図5図6のステップS22)。これによって、1世代前からN−1世代前までのオフセット・ゲイン値402の格納領域が、1世代分古い方向にずれることになる。
【0034】
さらに、オフセット・ゲイン値設定部311は、これまで最新オフセット・ゲイン値としてアナログ変換の際に補間演算用のデータとして使用していたオフセット・ゲイン値401cをオフセット・ゲイン値格納部321から前オフセット・ゲイン値格納部322の1世代前のオフセット・ゲイン値402の格納領域にコピーする(図5図6のステップS23)。
【0035】
その後、オフセット・ゲイン値設定部311は、ユーザによって復元するよう指定されたデータであり、ステップS21にて別領域に退避したオフセット・ゲイン値を最新オフセット・ゲイン値401dとして、オフセット・ゲイン値格納部321に格納する(図5図6のステップS24)。そして、ステップS20へと処理が戻る。以上によって、オフセット・ゲイン値復元処理が終了する。
【0036】
この実施の形態では、PLCシステム10を構成するアナログユニット30の不揮発性メモリ32に、現在使用中のオフセット・ゲイン値を格納するオフセット・ゲイン値格納部321と、所定の数の世代前までの前オフセット・ゲイン値を格納する前オフセット・ゲイン値格納部322と、を備え、過去に使用したオフセット・ゲイン値を前オフセット・ゲイン値格納部322から読み出して、オフセット・ゲイン値格納部321に復元するようにした。これによって、オフセット・ゲイン値の再調整を行い、オフセット・ゲイン値格納部321の値を書き換えた後に、その値が不適切なものであったことが判明した場合に、再度調整を行うことなく、元のオフセット・ゲイン値をオフセット・ゲイン値格納部321に設定することができるという効果を有する。
【産業上の利用可能性】
【0037】
以上のように、この発明にかかるアナログ変換装置およびPLCシステムは、PLCに装着されるアナログユニットに適している。
【符号の説明】
【0038】
10 PLCシステム
20 CPUユニット
21 ユーザプログラム実行部
22 周辺装置I/F
23,33 バスI/F
24,34 内部バス
30 アナログユニット(アナログ変換装置)
31 演算部
32 不揮発性メモリ
40 ユニット間バス
50 周辺装置
51 オフセット・ゲイン値設定変更部
60 通信回線
311 オフセット・ゲイン値設定部
321 オフセット・ゲイン値格納部
322 前オフセット・ゲイン値格納部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】