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再表2013-168511相対時刻表示装置、および相対時刻表示プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2013年11月14日
【発行日】2016年1月7日
(54)【発明の名称】相対時刻表示装置、および相対時刻表示プログラム
(51)【国際特許分類】
   G04G 9/00 20060101AFI20151204BHJP
   G04G 99/00 20100101ALI20151204BHJP
【FI】
   G04G9/00 304Z
   G04G1/00 314Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】19
【出願番号】特願2014-514413(P2014-514413)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2013年4月11日
(31)【優先権主張番号】特願2012-105842(P2012-105842)
(32)【優先日】2012年5月7日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC
(71)【出願人】
【識別番号】512117203
【氏名又は名称】株式会社コンベックスコーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100168952
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 壮一郎
(72)【発明者】
【氏名】窪田 治生
【テーマコード(参考)】
2F002
【Fターム(参考)】
2F002AA00
2F002BA09
2F002EA01
2F002EB06
2F002EB11
2F002ED00
2F002GA06
(57)【要約】
【課題】実時間と相対的な関係にある相対時間を設定して表示すること。
【解決手段】相対時刻表示装置100は、実時間とは異なった実時間と相対的な関係にある時間(以下、「相対時間」と呼ぶ)の設定を受け付ける相対時間設定受付手段と、相対時間設定受付手段で受け付けた相対時間に基づいて、計時を行う相対時間計時手段と、相対時間計時手段による計時に基づいて、相対時間における現在の時刻(以下、「相対時刻」と呼ぶ)を特定する相対時刻特定手段と、相対時刻特定手段で特定した相対時刻に応じた画像または映像を表示装置に表示する表示制御手段とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
実時間とは異なった実時間と相対的な関係にある時間(以下、「相対時間」と呼ぶ)の設定を受け付ける相対時間設定受付手段と、
前記相対時間設定受付手段で受け付けた前記相対時間に基づいて、計時を行う相対時間計時手段と、
前記相対時間計時手段による計時に基づいて、相対時間における現在の時刻(以下、「相対時刻」と呼ぶ)を特定する相対時刻特定手段と、
前記相対時刻特定手段で特定した前記相対時刻に応じた画像または映像を表示装置に表示する表示制御手段とを備えることを特徴とする相対時刻表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の相対時刻表示装置において、
前記表示装置に時計を模した時計画像を表示する時計画像表示手段をさらに備え、
前記相対時間設定受付手段は、前記時計画像表示手段によって表示された前記時計画像上で、前記実時間と前記相対時間との対応関係の指定を受け付けることにより、前記相対時間の設定を受け付けることを特徴とする相対時刻表示装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の相対時刻表示装置において、
前記表示制御手段は、前記表示装置に表示した画像の色及び明るさの少なくとも一方を前記相対時刻に応じて変化させることを特徴とする相対時刻表示装置。
【請求項4】
請求項3に記載の相対時刻表示装置において、
前記表示制御手段は、前記表示装置に空の画像または映像を表示し、前記空の色及び明るさの少なくとも一方を前記相対時刻に応じて変化させることを特徴とする相対時刻表示装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の相対時刻表示装置において、
前記表示制御手段は、前記画像または前記映像に重畳して前記相対時刻を表示することを特徴とする相対時刻表示装置。
【請求項6】
実時間とは異なった実時間と相対的な関係にある時間(以下、「相対時間」と呼ぶ)の設定を受け付ける相対時間設定受付手順と、
前記相対時間設定受付手順で受け付けた前記相対時間に基づいて、計時を行う相対時間計時手順と、
前記相対時間計時手順による計時に基づいて、相対時間における現在の時刻(以下、「相対時刻」と呼ぶ)を特定する相対時刻特定手順と、
前記相対時刻特定手順で特定した前記相対時刻に応じた画像または映像を表示装置に表示する表示制御手順とをコンピュータに実行させるための相対時刻表示プログラム。
【請求項7】
請求項6に記載の相対時刻表示プログラムにおいて、
前記表示装置に時計を模した時計画像を表示する時計画像表示手順をさらに備え、
前記相対時間設定受付手順は、前記時計画像表示手順で表示した前記時計画像上で、前記実時間と前記相対時間との対応関係の指定を受け付けることにより、前記相対時間の設定を受け付けることを特徴とする相対時刻表示プログラム。
【請求項8】
請求項6または7に記載の相対時刻表示プログラムにおいて、
前記表示制御手順は、前記表示装置に表示した画像の色及び明るさの少なくとも一方を前記相対時刻に応じて変化させることを特徴とする相対時刻表示プログラム。
【請求項9】
請求項8に記載の相対時刻表示プログラムにおいて、
前記表示制御手順は、前記表示装置に空の画像または映像を表示し、前記空の色及び明るさの少なくとも一方を前記相対時刻に応じて変化させることを特徴とする相対時刻表示プログラム。
【請求項10】
請求項6〜9のいずれか一項に記載の相対時刻表示プログラムにおいて、
前記表示制御手順は、前記画像または前記映像に重畳して前記相対時刻を表示することを特徴とする相対時刻表示プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、相対時刻表示装置、および相対時刻表示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
次のようなサマータイム時刻制御システムが知られている。このサマータイム時刻制御システムは、サマータイム期間中は、エレベータの内部時計の時刻設定をサマータイムに対応させる(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−111484号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のサマータイム時刻制御システムでは、エレベータの内部時計の時刻設定をサマータイムに対応させるのみで、ユーザーの時間感覚に合わせて任意に時間を設定することはできなかった。また、ユーザーの時間感覚に合わせた時間設定を想定していないため、ユーザーの時間設定に合わせた画面表示を行うことについても、何ら検討されていなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による相対時刻表示装置は、実時間とは異なった実時間と相対的な関係にある時間(以下、「相対時間」と呼ぶ)の設定を受け付ける相対時間設定受付手段と、相対時間設定受付手段で受け付けた相対時間に基づいて、計時を行う相対時間計時手段と、相対時間計時手段による計時に基づいて、相対時間における現在の時刻(以下、「相対時刻」と呼ぶ)を特定する相対時刻特定手段と、相対時刻特定手段で特定した相対時刻に応じた画像または映像を表示装置に表示する表示制御手段とを備える。
相対時刻表示装置は、表示装置に時計を模した時計画像を表示する時計画像表示手段をさらに備え、相対時間設定受付手段は、時計画像表示手段によって表示された時計画像上で、実時間と前記相対時間との対応関係の指定を受け付けることにより、相対時間の設定を受け付けるようにしてもよい。
表示制御手段は、表示装置に表示した画像の色及び明るさの少なくとも一方を相対時刻に応じて変化させるようにしてもよい。
表示制御手段は、表示装置に空の画像または映像を表示し、空の色及び明るさの少なくとも一方を前記相対時刻に応じて変化させるようにしてもよい。
表示制御手段は、画像または映像に重畳して相対時刻を表示するようにしてもよい。
本発明による相対時刻表示プログラムは、実時間とは異なった実時間と相対的な関係にある時間(以下、「相対時間」と呼ぶ)の設定を受け付ける相対時間設定受付手順と、相対時間設定受付手順で受け付けた相対時間に基づいて、計時を行う相対時間計時手順と、相対時間計時手順による計時に基づいて、相対時間における現在の時刻(以下、「相対時刻」と呼ぶ)を特定する相対時刻特定手順と、相対時刻特定手順で特定した相対時刻に応じた画像または映像を表示装置に表示する表示制御手順とをコンピュータに実行させる。
相対時刻表示プログラムは、表示装置に時計を模した時計画像を表示する時計画像表示手順をさらに備え、相対時間設定受付手順は、時計画像表示手順で表示した時計画像上で、実時間と相対時間との対応関係の指定を受け付けることにより、相対時間の設定を受け付けるようにしてもよい。
表示制御手順は、表示装置に表示した画像の色及び明るさの少なくとも一方を相対時刻に応じて変化させるようにしてもよい。
表示制御手順は、表示装置に空の画像または映像を表示し、空の色及び明るさの少なくとも一方を相対時刻に応じて変化させるようにしてもよい。
表示制御手順は、画像または映像に重畳して相対時刻を表示するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、ユーザーは、自身の時間感覚に合わせて任意に相対時間を設定することができる。また、相対時刻に応じた画像または映像を表示することにより、ユーザーにイメージを用いて相対時間を意識させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】相対時刻表示装置100の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
図2】相対時間設定用時計の一例を示す第一の図である。
図3】相対時間設定用時計を用いた相対時間の設定例を示す第一の図である。
図4】相対時間設定用時計を用いた相対時間の設定例を示す第二の図である。
図5】相対時間設定用時計を用いた相対時間の設定例を示す第三の図である。
図6】相対時刻表示装置100で実行される処理の流れを示すフローチャート図である。
図7】相対時間設定用時計の一例を示す第二の図である。
図8】相対時間設定用時計の一例を示す第三の図である。
図9】相対時間設定用時計の一例を示す第四の図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、本実施の形態における相対時刻表示装置100の一実施の形態の構成を示すブロック図である。相対時刻表示装置100としては、例えば、パソコン、スマートフォン、携帯電話、タブレット、PDAなどの種々の情報端末が用いられ、これらの情報端末に相対時刻表示プログラムをインストールすることにより、本実施の形態における相対時刻表示装置100として動作する。図1は、相対時刻表示装置100としてスマートフォンを用いた場合のブロック図を示している。
【0009】
相対時刻表示装置100は、タッチパネル101と、通信モジュール102と、制御装置103と、メモリスロット104と、マイク105と、スピーカー106とを備えている。
【0010】
タッチパネル101は、液晶パネル等の表示装置とタッチパッドのような位置入力装置を組み合わせた電子部品であり、画面上の表示を押すことで機器を操作することができる入力装置である。例えば、相対時刻表示装置100の使用者は、液晶パネル上に表示されたボタンやメニュー等の表示項目を指やタッチペンを用いてタッチまたはスライドさせることにより、相対時刻表示装置100を操作することができる。タッチパネル101は、使用者によるタッチやスライドといった操作を検出して、その検出信号を制御装置103へ出力する。
【0011】
通信モジュール102は、無線LANのアクセスポイントを介してインターネットに接続するためのモジュールや携帯電話通信網を介してインターネットに接続するためのモジュールが用いられる。相対時刻表示装置100は、この無線モジュール102によりインターネットや携帯電話通信網等に接続して通信を行う。
【0012】
制御装置103は、CPU、メモリ、およびその他の周辺回路によって構成され、相対時刻表示装置100の全体を制御する。なお、制御装置103を構成するメモリは、例えばSDRAM等の揮発性のメモリやフラッシュメモリ等の不揮発性のメモリを含む。揮発性のメモリは、CPUがプログラム実行時にプログラムを展開するためのワークメモリや、データを一時的に記録するためのバッファメモリとして使用される。また、不揮発性のメモリには、相対時刻表示装置100を動作させるためのファームウェアや種々のアプリケーションを動作させるためのソフトウェアのプログラムデータが記録される。本実施の形態では、例えば、相対時刻表示プログラムは、スマートフォンで実行可能な相対時刻表示アプリとして提供される。そして、ダウンロード等によって入手された相対時刻表示アプリのプログラムデータが不揮発性のメモリに記録されることにより、相対時刻表示装置100に相対時刻表示アプリがインストールされる。
【0013】
メモリスロット104は、メモリカード等の外部メモリを挿入するためのスロットである。使用者は、このメモリスロット104にメモリカードを挿入して、相対時刻表示装置100の記憶容量を増加させることができる。例えば、相対時刻表示装置100がカメラ機能を備えている場合には、撮影によって得られた画像データをメモリカードに記録することにより、画像データが制御装置103を構成するフラッシュメモリの容量を圧迫することを防ぐことができる。また、相対時刻表示プログラムデータをメモリスロット104に挿入されたメモリカード内に記録できるようにしてもよい。
【0014】
マイク105は、使用者による発話音声を入力するための集音装置である。また、スピーカー106は、音声を出力するための出力装置である。
【0015】
本実施の形態における相対時刻表示装置100は、時刻を計時する時計機能を備える。具体的には、制御装置103が備えるメモリに時計機能を実現するためのプログラムがインストールされている。この時計機能により、実時間、すなわち日本であれば日本標準時が計時される。
【0016】
本実施の形態における相対時刻表示装置100では、さらに、実時間とは異なった実時間と相対的な関係にある時間を設定することが可能であり、使用者は、自身が感じる時間感覚で1日の時間を設定することができる。具体的には、使用者は、実時間の24時間に対して、自身の時間感覚に合った相対的な時間(以下、「相対時間」と呼ぶ)を任意に設定することができるものとする。
【0017】
例えば、使用者は、タッチパネル101を操作して、タッチパネル101上に図2に示すような時計を模した画像を表示させる。ここでは、図2に示すように画像として表示された時計を相対時間設定用時計と呼ぶ。使用者は、この相対時間設定用時計を操作して、実時間の24時間に対して、自身の時間感覚に合った相対時間を任意に設定することができる。以下、図2に示す相対時間設定用時計を用いた相対時間の設定方法について説明する。
【0018】
相対時間設定用時計は、図2に示すように、実時間を1周24時間で表す実時間表示盤2aと、実時間表示盤2a上で実時間における現在時刻(以下、「実時刻」と呼ぶ)を表す実時刻表示用針2bと、相対時間を1周24時間で表す相対時間表示盤2cと、使用者が相対時間の設定に用いる相対時間設定用針2d〜2fとで構成される。そして、相対時間設定用針2dは相対時間の12時を指定するための針、相対時間設定用針2eは相対時間の3時を指定するための針、相対時間設定用針2fは相対時間の18時を指定するための針となっている。
【0019】
使用者は、タッチパネル101上で相対時間設定用針2d〜2fのいずれかにタッチして、相対時間表示盤2cの円周方向にスライドさせることにより、相対時間設定用針2d〜2fを相対時間表示盤2c上で円周方向に移動させて、相対時間設定用針2d〜2fが指す時間を変更することができる。これにより、使用者は、実時間表示盤2aに表示されている実時間に対して相対時間を設定することができる。すなわち、使用者は、相対時間設定用針2d〜2fを相対時間表示盤2c上で円周方向に移動させることにより、実時間表示盤2aにより表されている実時間と相対時間表示盤2cにより表されている相対時間との対応関係を相対時間設定用針2d〜2fを用いて指定することができる。以下、相対時間設定用針2d〜2fを用いた相対時間の設定例について説明する。
【0020】
実時間と自身の時間感覚が一致している使用者は、図2に示すように、相対時間設定用針2dを実時間表示盤2aの12時を指すように配置し、相対時間設定用針2eを実時間表示盤2aの3時を指すように配置し、相対時間設定用針2fを実時間表示盤2aの18時を指すように配置すればよい。
【0021】
一方で、実時間と自身の時間感覚が一致していない使用者は、自身の時間感覚に合わせて次のように相対時間を設定することができる。ここでは、例えば、自身の時間感覚が実時間より3時間遅い使用者が相対時間を設定する例について説明する。この使用者にとっては、実時間の12時が相対時間の15時、実時間の18時が相対時間の21時、実時間の3時が相対時間の6時となる。従って、使用者は、図3に示すように、相対時間設定用針2dを実時間表示盤2aの15時を指すように配置し、相対時間設定用針2eを実時間表示盤2aの6時を指すように配置し、相対時間設定用針2fを実時間表示盤2aの21時を指すように配置する。これにより、使用者は、実時間より3時間遅い時間間隔に合わせて、相対時間を設定することが可能となる。なお、このように全ての相対時間設定用針を同じ時間分移動させる場合は、使用者は、相対時間表示盤2c上の任意の点にタッチして、そのまま指を円周方向にスライドさせることにより、相対時間設定用針2d〜2fを一度に移動させることができる。これによって、使用者は、相対時間設定用針2d〜2fが指す時間をまとめて変更することができる。
【0022】
また、例えば、実時間と比較して昼間の時間帯を長く感じる時間感覚を有している使用者は、該当する時間帯が実時間より長くなるように相対時間を設定することもできる。例えば、12時から18時の間は実時間では6時間であるが、この間を8時間に感じる時間感覚を有している使用者が相対時間を設定する例について説明する。この使用者にとっては、実時間の12時が相対時間の12時、実時間の18時が相対時間の20時、実時間の3時が相対時間の3時となる。従って、使用者は、図4に示すように、相対時間設定用針2dを実時間表示盤2aの12時を指すように配置し、相対時間設定用針2eを実時間表示盤2aの3時を指すように配置し、相対時間設定用針2fを実時間表示盤2aの20時を指すように配置する。これにより、使用者は、実時間の12時から18時の間を8時間と感じる時間感覚に合わせて、相対時間を設定することが可能となる。
【0023】
また、図5に、昼夜が逆転した時間感覚を有している使用者による相対時間の設定例を示す。この使用者は、図5に示すように、相対時間設定用針2dを実時間表示盤2aの0時を指すように配置し、相対時間設定用針2eを実時間表示盤2aの15時を指すように配置し、相対時間設定用針2fを実時間表示盤2aの6時を指すように配置する。これにより、使用者は、昼夜が逆転した時間感覚に合わせて、相対時間を設定することができる。制御装置103は、相対時間設定用時計上での使用者による相対時間の設定内容を特定し、該相対時間の設定内容を特定するための相対時間設定情報をフラッシュメモリに記録する。
【0024】
このように、本実施の形態における相対時刻表示装置100では、使用者は、自身の時間感覚で1日の相対時間を設定することができる。このため、使用者は、本実施の形態における相対時刻表示装置100を、例えば以下のような目的で利用することができる。
【0025】
(1)使用者の体内時計の調整
使用者は、不規則な生活により体内時計が実時間と合わなくなってしまった場合に、まず自身の時間感覚に合わせて相対時間を設定して生活を送る。その後、一定期間ごとに相対時間の設定を実時間に近づけていき、最終的に実時間と相対時間を一致させることができれば、使用者の体内時計を実時間に合わせることができる。例えば、使用者は、遅番や夜勤などの勤務明け時に、自身の体内時計を実時間に合わせるように調整することができる。
【0026】
(2)海外旅行時の時差ぼけの解消
使用者は、海外旅行時に現地時間を実時間とし、時差ぼけに伴って狂いが生じている自身の時間感覚に合わせて相対時間を設定する。その後、一定期間ごとに相対時間の設定を現地の実時間に近づけていき、最終的に実時間と相対時間を一致させることができれば、使用者の時差ぼけを徐々に解消することができる。
【0027】
(3)使用者の私生活リズムと実時間とのギャップを調整
使用者が自身の使用者の私生活リズムと実時間にギャップを感じている場合には、まず自身の私生活リズムに合わせて相対時間を設定して生活を送る。その後、一定期間ごとに相対時間の設定を実時間に近づけていき、最終的に実時間と相対時間を一致させることができれば、使用者の私生活リズムを実時間に合わせて調整することができる。
【0028】
(4)1日を楽しく過ごすための時間遊び
使用者は、一日の時間配分を楽しい時間が長く、つまらない時間や退屈な時間が短く感じられるように相対時間を設定することもできる。例えば、好きな人と一緒にいる時間は、実時間に対して相対時間が長くなるように設定し、つまらない時間や退屈な時間は、実時間に対して相対時間が短くなるように設定すればよい。これにより、同じ4時間であったとしても、好きな人と一緒にいる時間を6時間と感じたり、つまらない時間や退屈な時間を2時間と感じるようにするなどして、1日を楽しく過ごすための時間遊びをすることが可能となる。
【0029】
制御装置103は、使用者によって相対時間が設定された後は、設定された相対時間に基づいて計時を行い、使用者からの相対時間の表示指示に基づいて、タッチパネル101上に相対時間に基づく現在の時刻(以下、「相対時刻」と呼ぶ)の表示を行う。
【0030】
本実施の形態では、制御装置103は、タッチパネル101上に相対時刻を示す空の画像を表示することにより、使用者に相対時刻を通知する。本実施の形態では、この空の画像を用いて相対時刻を表した時計を空時計と呼ぶ。具体的には、制御装置103は、相対時刻が実時間の朝に対応する時刻である場合には、朝焼けを示した画像を表示し、相対時刻が実時間の日中に対応する時刻である場合には、晴天を示した画像を表示する。また、制御装置103は、相対時刻が実時間の夕方に対応する時刻である場合には、夕焼けを示した画像を表示し、相対時刻が実時間の夜間に対応する時刻である場合には、星空を示した画像を表示する。また、制御装置103は、空の画像に重畳して、相対時刻を数字や文字で表示するようにしてもよい。
【0031】
図6は、本実施の形態における相対時刻表示装置100で実行される処理の流れを示すフローチャートである。図6に示す処理は、使用者によって相対時刻表示アプリが実行されると起動するプログラムとして、制御装置103によって実行される。なお、使用者は、タッチパネル101上に配置されたアイコンの中から相対時刻表示アプリのアイコンを選択してタッチすることにより相対時間表示アプリを起動させることができるものとする。
【0032】
ステップS10において、制御装置103は、フラッシュメモリから相対時間設定情報を読み込む。なお、未だ使用者によって相対時刻が設定されていない場合には、フラッシュメモリには相対時間設定情報が記録されていないため、ここでの読み込みは行われない。その後、ステップS20へ進む。
【0033】
ステップS20では、制御装置103は、使用者によって空時計の表示が指示されたか否かを判断する。ステップS20で否定判断した場合には、後述するステップS40へ進む。これに対して、ステップS20で肯定判断した場合には、ステップS30へ進む。
【0034】
ステップS30では、制御装置103は、ステップS10で読み込んだ相対時間情報に基づいて、相対時間の設定内容を特定する。そして、制御装置103は、特定した相対時間の設定内容に基づいて現在の相対時刻を特定し、上述したように、特定した現在の相対時刻に応じた空時計を表示する。その後、ステップS40へ進む。
【0035】
ステップS40では、制御装置103は、使用者によって相対時間の設定が指示されたか否かを判断する。例えば、相対時刻表示アプリの画面上には、相対時間の設定のために上述した相対時間設定用時計を表示させるためのボタンが配置されており、制御装置103は、使用者による該ボタンの操作を監視することにより、相対時間の設定指示を検出する。ステップS40で否定判断した場合には、後述するステップS80へ進む。これに対して、ステップS40で肯定判断した場合には、ステップS50へ進む。
【0036】
ステップS50では、制御装置103は、タッチパネル101上に図2に示した相対時間設定用時計を表示して、ステップS60へ進む。
【0037】
ステップS60では、制御装置103は、タッチパネル101からの出力信号に基づいて、使用者によって、相対時間設定用時計上で相対時間設定用針2d〜2fが移動されることにより、相対時間が設定され、その操作が終了したか否かを判断する。ステップS60で否定判断した場合には、後述するステップS80へ進む。これに対して、ステップS60で肯定判断した場合には、ステップS70へ進む。
【0038】
ステップS70では、制御装置103は、相対時間設定用時計上での使用者による相対時間の設定内容を特定し、該相対時間の設定内容を特定するための相対時間設定情報をフラッシュメモリに記録する。その後、ステップS80へ進む。
【0039】
ステップS80では、制御装置103は、使用者によって相対時刻表示アプリの終了が指示されたか否かを判断する。例えば、使用者は、相対時刻表示アプリが定める所定の終了指示操作を行うことにより、相対時刻表示アプリの終了を指示することができるものとする。ステップS80で否定判断した場合には、ステップS20へ戻る。これに対して、ステップS80で肯定判断した場合には、処理を終了する。
【0040】
以上説明した本実施の形態によれば、以下のような作用効果を得ることができる。
(1)制御装置103は、実時間とは異なった実時間と相対的な関係にある相対時間の設定を受け付け、受け付けた相対時間に基づいて計時を行って、相対時間における現在の時刻に応じた空時計を表示するようにした。これによって、使用者は、自身の時間感覚に合わせて任意に相対時間を設定することができる。また、相対時刻に応じた空時計を表示することにより、使用者に空のイメージを用いて相対時間を意識させることが可能となる。さらに、使用者は、上述したように、使用者の体内時計の調整、海外旅行時の時差ぼけの解消、使用者の私生活リズムと実時間とのギャップを調整、または1日を楽しく過ごすための時間遊びを相対時刻表示装置100を利用して行うことができる。
【0041】
(2)制御装置103は、タッチパネル101上に図2に示した相対時間設定用時計を表示し、該相対時間設定用時計上で使用者による実時間と相対時間との対応関係の指定を受け付けることにより、相対時間の設定を受け付けるようにした。これによって、使用者は、実時間と相対時間との対応関係を視覚的に確認しながら、簡易な操作により相対時間を設定することができる。
【0042】
(3)制御装置103は、空時計を表示するに際しては、相対時刻が実時間の朝に対応する時刻である場合には、朝焼けを示した画像を表示し、相対時刻が実時間の日中に対応する時刻である場合には、晴天を示した画像を表示するようにした。また、相対時刻が実時間の夕方に対応する時刻である場合には、夕焼けを示した画像を表示し、相対時刻が実時間の夜間に対応する時刻である場合には、星空を示した画像を表示するようにした。これによって、使用者は、空時計を見ることによって、現在の相対時間を感覚的に把握することができる。
【0043】
(4)制御装置103は、空時計を表示するに際しては、空の画像に重畳して、相対時刻を数字や文字で表示できるようにした。これによって、使用者は、現在の相対時刻を把握することができる。
【0044】
―変形例―
なお、上述した実施の形態の相対時刻表示装置100は、以下のように変形することもできる。
【0045】
(1)上述した実施の形態では、制御装置103は、タッチパネル101上に空時計を表示することにより、使用者に相対時刻を通知する例について説明した。しかしながら、その他の方法により相対時刻を通知してもよい。例えば、相対時刻に応じて画像の色や明るさを変化させるようにしてもよい。例えば、制御装置103は、相対時刻が実時間の朝や日中に対応する時刻である場合には、明るい色の画像を表示したり画像の明るさを上げるようにすればよい。一方、相対時刻が実時間の夕方や夜間に対応する時刻である場合には、暗い色の画像を表示したり画像の明るさを下げるようにすればよい。
【0046】
(2)上述した実施の形態では、使用者は、図2に示した相対時間設定用時計上で、実時間の24時間に対して、自身の時間感覚に合った相対時間を任意に設定する例について説明した。しかしながら、相対時間設定用時計は図2に示す例に限定されない。例えば、図7に示すように、実時間の日中に相当する時間帯には背景に太陽のマーク7aを表示し、実時間の夜間に相当する時間帯には背景に月のマーク7bを表示するようにしてもよい。
【0047】
(3)上述した実施の形態では、相対時間設定用時計において、相対時間設定用針2dは相対時間の12時を指定するための針、相対時間設定用針2eは相対時間の3時を指定するための針、相対時間設定用針2fは相対時間の18時を指定するための針である例について説明した。しかしながら、相対時間設定用針は図2に示す例に限定されない。例えば、図8に示すように、6時間間隔で4本の相対時間設定用針を配置するようにしてもよいし、図9に示すように1時間間隔で24本の相対時間設定用針を配置するようにしてもよい。また、それ以外の時間間隔で複数本の相対時間設定用針を配置してもよい。なお、相対時間設定用針の本数を多くするほど細かい相対時間の設定が可能になる。
【0048】
(4)上述した実施の形態では、制御装置103は、タッチパネル101上に相対時刻を示す空の画像を表示することにより、使用者に相対時刻を通知する例について説明した。しかしながら、制御装置103は、タッチパネル101上に相対時刻を示す空の映像を表示することにより、使用者に相対時刻を通知するようにしてもよい。
【0049】
(5)上述した実施の形態では、制御装置103は、空時計を表示するに際しては、相対時刻が実時間の朝に対応する時刻である場合には、朝焼けを示した画像を表示し、相対時刻が実時間の日中に対応する時刻である場合には、晴天を示した画像を表示する例について説明した。また、相対時刻が実時間の夕方に対応する時刻である場合には、夕焼けを示した画像を表示し、相対時刻が実時間の夜間に対応する時刻である場合には、星空を示した画像を表示する例について説明した。しかしながら、空時計の表示方法はこれに限定されない。例えば、制御装置103は、空時計を表示するに際しては、相対時刻が実時間の朝に対応する時刻である場合には、朝日を模した画像を表示し、相対時刻が実時間の日中に対応する時刻である場合には、空高く昇った太陽を模した画像を表示し、相対時刻が実時間の夕方に対応する時刻である場合には、夕日を模した画像を表示し、相対時刻が実時間の夜間に対応する時刻である場合には、月を模した画像を表示するようにしてもよい。また、月を表示する際には、その日の月齢に基づいて月の満ち欠けを表現するようにしてもよい。また、その時刻の空の色に合うように、空の画像の色を変化させるようにしてもよい。
【0050】
さらに、制御装置103は、空時計を表示するに際しては、空の画像内に渡り鳥、流れ星、UFO、ツバメなどの画像をランダムに表示させるようにしてもよい。また、制御装置103は、相対時刻表示装置100の現在位置を特定し、その地域の日の出時刻及び日の入り時刻を特定して、日の出時刻及び日の入り時刻に合わせて空時計として表示する画像や空の画像の色を変更するようにしてもよい。なお、相対時刻表示装置100の現在位置は、使用者による設定またはGPSによる測位によって特定すればよい。また、その地域の天気予報情報を取得して、現在の天候に合った空の画像を用いるようにしてもよい。
【0051】
また、相対時刻表示装置100に方位センサーを搭載して、相対時刻表示装置100が向いている方角の空に合った画像を表示するようにしてもよい。例えば、星空の画像を表示する際には、向いている方角に見えている星が描かれた画像を表示するようにすれば、使用者は、仮想的な星座鑑賞を楽しむことができる。
【0052】
(6)上述した実施の形態では、制御装置103は、空時計を表示するに際しては、空の画像に重畳して、相対時刻を数字や文字で表示できる例について説明した。しかしながら、使用者は、空時計を表示するに際して、空の画像に相対時刻を重畳して表示するか、表示しないかを任意に選択できるようにし、制御装置103は、使用者による選択に基づいて相対時刻の表示、非表示を切り替えるようにしてもよい。また、相対時刻とともに実時刻を表示できるようにしてもよい。
【0053】
(7)上述した実施の形態では、空時計をタッチパネル101上に出力して表示する例について説明した。しかしながら、相対時刻表示装置100に、外部の表示装置、例えばテレビやモニターと接続するためのインターフェースを搭載し、該インターフェースを介して接続した外部の表示装置に空時計を出力して表示するようにしてもよい。また、空時計を外部の表示装置に表示する場合には、複数の表示装置に同時に接続可能とし、360度に配置したモニターにそれぞれの角度の空時計をパノラマ表示するようにしてもよい。
【0054】
(8)上述した実施の形態の相対時刻表示装置100に、相対時刻表示装置100をスリープ状態に移行させるスリープ機能や、タッチパネル101の明るさを調整する明るさ調整機能等の省エネ機能をさらに搭載するようにしてもよい。
【0055】
(9)上述した実施の形態の相対時刻表示装置100は、生体リズムを整える効果があるとされる光療法に用いることもできる。
【0056】
(10)上述した実施の形態の相対時刻表示装置100は、通話機能を備えたスマートフォンを想定しているため、マイク105とスピーカー106とを備えるが、相対時刻表示装置100として通話機能を備えない情報端末を用いる場合には、マイク105とスピーカー106は搭載されない。また、通信機能を備える必要がない端末を用いる場合には、通信モジュール102も不要となる。さらに、制御装置103が備えるフラッシュメモリを内部メモリとして用い、外部メモリを用いる必要がない場合には、メモリスロット104も不要となる。
【0057】
(11)上述した実施の形態では、相対時刻表示プログラムは、スマートフォンで実行可能な相対時刻表示アプリとして提供されており、ダウンロード等によって入手された相対時刻表示アプリのプログラムデータが不揮発性のメモリに記録されることにより、相対時刻表示装置100に相対時刻表示アプリがインストールされる例について説明した。このように、相対時刻表示プログラムは、インターネット、パソコン通信などの通信回線、あるいは専用通信回線などの搬送波を利用してコンピュータ読み込み可能なコンピュータプログラム製品として供給されてもよい。あるいは、CD−ROMやDVD−ROM等の記録媒体に記録されて提供されるコンピュータ読み込み可能なコンピュータプログラム製品として供給されるようにしてもよい。
【0058】
なお、本発明の特徴的な機能を損なわない限り、本発明は、上述した実施の形態における構成に何ら限定されない。また、上述の実施の形態と複数の変形例を組み合わせた構成としてもよい。
【0059】
次の優先権基礎出願の開示内容は引用文としてここに組み込まれる。
日本国特許出願2012年第105842号(2012年5月7日出願)
【符号の説明】
【0060】
100 相対時刻表示装置、101 タッチパネル、102 通信モジュール、103 制御装置、104 メモリスロット、105 マイク、106 スピーカー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】