(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2015年11月5日
【発行日】2017年4月20日
(54)【発明の名称】ティーチングユニット及びティーチング方法
(51)【国際特許分類】
G05D 1/02 20060101AFI20170331BHJP
B66C 13/48 20060101ALI20170331BHJP
B65G 1/04 20060101ALI20170331BHJP
【FI】
G05D1/02 Q
B66C13/48 H
B65G1/04 535
【審査請求】有
【予備審査請求】有
【全頁数】15
【出願番号】特願2016-515900(P2016-515900)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2015年3月18日
(31)【優先権主張番号】特願2014-94582(P2014-94582)
(32)【優先日】2014年5月1日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】000006297
【氏名又は名称】村田機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140442
【弁理士】
【氏名又は名称】柴山 健一
(72)【発明者】
【氏名】小林 誠
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 純一
【テーマコード(参考)】
3F022
3F204
5H301
【Fターム(参考)】
3F022AA08
3F022JJ08
3F022NN12
3F022PP06
3F022QQ11
3F204AA02
3F204BA05
3F204CA01
3F204DB05
3F204DC06
3F204GA01
5H301AA02
5H301BB05
5H301CC03
5H301CC06
5H301CC09
5H301CC10
5H301EE02
5H301EE12
5H301GG08
(57)【要約】
移載部の基準面に対する傾きによらず、移載部の基準位置に対する天井走行車の位置を正確に求めることができるティーチングユニットを提供する。
ティーチングユニットは、天井走行車(10)、及び天井走行車(10)によって被搬送物の移載が行われるロードポート(3)のうちの一方に搭載される。ティーチングユニットは、天井走行車(10)及びロードポート(3)のうちの他方から離間した状態で、ロードポート(3)の基準位置に対する天井走行車(10)の位置を検出する距離センサ(23X1,23Y1,23Y2)と、天井走行車(10)及びロードポート(3)のうちの他方から離間した状態で、ロードポート(3)の基準面に対する距離センサ(23X1,23Y1,23Y2)の傾きを検出する距離センサ(23Z1,23Z2,23Z3)と、を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井走行車、及び前記天井走行車によって被搬送物の移載が行われる移載部のうちの一方に搭載されるティーチングユニットであって、
前記天井走行車及び前記移載部のうちの他方から離間した状態で、前記移載部の基準位置に対する前記天井走行車の位置を検出する位置検出部と、
前記天井走行車及び前記移載部のうちの前記他方から離間した状態で、前記移載部の基準面に対する前記天井走行車の傾きを検出する傾き検出部と、を備えるティーチングユニット。
【請求項2】
前記天井走行車及び前記移載部のうちの前記一方が前記天井走行車であり、前記天井走行車及び前記移載部のうちの前記他方が前記移載部である場合には、
前記位置検出部は、前記移載部の上方において、前記基準位置に対する前記位置を検出し、
前記傾き検出部は、前記移載部の上方において、前記基準面に対する前記傾きを検出する、請求項1記載のティーチングユニット。
【請求項3】
前記位置検出部は、前記基準位置と所定の位置関係を有するターゲットとの距離を測定する距離センサを含む、請求項1又は2記載のティーチングユニット。
【請求項4】
前記位置検出部は、前記位置として、前記天井走行車の走行方向に平行な第一方向における前記天井走行車の第一位置、及び前記基準面に平行且つ前記走行方向に垂直な第二方向における前記天井走行車の第二位置を検出すると共に、前記基準面に平行な面内での回転方向における前記天井走行車の回転角度を検出する、請求項1〜3のいずれか一項記載のティーチングユニット。
【請求項5】
前記位置検出部は、前記第一方向、前記第二方向及び前記回転方向のそれぞれの座標成分に測定値を変換し、変換した前記測定値のそれぞれに基づいて、前記第一位置、前記第二位置及び前記回転角度を検出する、請求項4記載のティーチングユニット。
【請求項6】
天井走行車、及び前記天井走行車によって被搬送物の移載が行われる移載部のうちの一方に搭載されるティーチングユニットによって実施されるティーチング方法であって、
前記天井走行車及び前記移載部のうちの他方から離間した状態で、前記移載部の基準位置に対する前記天井走行車の位置を検出する位置検出工程と、
前記天井走行車及び前記移載部のうちの前記他方から離間した状態で、前記移載部の基準面に対する前記天井走行車の傾きを検出する傾き検出工程と、を備えるティーチング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば天井走行車等に搭載されるティーチングユニット、及びそのようなティーチングユニットによって実施されるティーチング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のティーチングユニットとして、天井走行車によって被搬送物の移載が行われる移載部(例えば、ロードポート等)の上方から、移載部の所定部(例えば、位置決めピン等)を含む画像を取得し、当該画像に基づいて、移載部の基準位置に対する天井走行車の位置を検出するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4122521号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したようなティーチングユニットでは、移載部の基準面に対して撮像装置が傾いた状態で移載部の上方から画像が取得されると、移載部の基準位置に対する天井走行車の位置の検出結果が不正確になるおそれがある。
【0005】
そこで、本発明は、移載部の基準面に対する傾きによらず、移載部の基準位置に対する天井走行車の位置を正確に求めることができるティーチングユニット及びティーチング方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面のティーチングユニットは、天井走行車、及び天井走行車によって被搬送物の移載が行われる移載部のうちの一方に搭載されるティーチングユニットであって、天井走行車及び移載部のうちの他方から離間した状態で、移載部の基準位置に対する天井走行車の位置を検出する位置検出部と、天井走行車及び移載部のうちの他方から離間した状態で、移載部の基準面に対する天井走行車の傾きを検出する傾き検出部と、を備える。天井走行車及び移載部のうちの一方が天井走行車であり、天井走行車及び移載部のうちの他方が移載部である場合には、位置検出部は、移載部の上方において、基準位置に対する位置を検出し、傾き検出部は、移載部の上方において、基準面に対する傾きを検出してもよい。
【0007】
このティーチングユニットでは、移載部の基準面に対する天井走行車の傾きが傾き検出部によって検出されるため、移載部の基準面に対して天井走行車が傾いていたとしても、検出された天井走行車の傾きに基づいて、移載部の基準位置に対する天井走行車の位置を正確に求めることができる。
【0008】
本発明の一側面のティーチングユニットでは、位置検出部は、基準位置と所定の位置関係を有するターゲットとの距離を測定する距離センサを含んでもよい。この構成によれば、移載部の基準位置に対する天井走行車の位置を簡単な構成で検出することができる。
【0009】
本発明の一側面のティーチングユニットでは、位置検出部は、位置として、天井走行車の走行方向に平行な第一方向における天井走行車の第一位置、及び基準面に平行且つ走行方向に垂直な第二方向における天井走行車の第二位置を検出すると共に、基準面に平行な面内での回転方向における天井走行車の回転角度を検出してもよい。この構成によれば、基準面に平行な面内における天井走行車の位置及び回転角度を正確に求めることができる。
【0010】
本発明の一側面のティーチングユニットでは、位置検出部は、第一方向、第二方向及び回転方向のそれぞれの座標成分に測定値を変換し、変換した測定値のそれぞれに基づいて、第一位置、第二位置及び回転角度を検出してもよい。この構成によれば、移載部の上方においてティーチングユニットが揺れていたとしても、基準面に平行な面内における天井走行車の位置及び回転角度を正確に求めることができる。
【0011】
本発明の一側面のティーチング方法は、天井走行車、及び天井走行車によって被搬送物の移載が行われる移載部のうちの一方に搭載されるティーチングユニットによって実施されるティーチング方法であって、天井走行車及び移載部のうちの他方から離間した状態で、移載部の基準位置に対する天井走行車の位置を検出する位置検出工程と、天井走行車及び移載部のうちの他方から離間した状態で、移載部の基準面に対する天井走行車の傾きを検出する傾き検出工程と、を備える。
【0012】
このティーチング方法によれば、上記ティーチングユニットと同様の理由により、移載部の基準面に対する傾きによらず、移載部の基準位置に対する天井走行車の位置を正確に求めることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、移載部の基準面に対する傾きによらず、移載部の基準位置に対する天井走行車の位置を正確に求めることができるティーチングユニット及びティーチング方法を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の一実施形態のティーチングユニットが搭載された天井走行車を含む天井搬送システムをY軸方向から見た図である。
【
図2】
図1のティーチングユニットとターゲットユニットとの位置関係を示す斜視図である。
【
図3】
図2のティーチングユニット及びターゲットユニットをZ軸方向から見た図である。
【
図4】
図2のティーチングユニット及びターゲットユニットをY軸方向から見た図である。
【
図5】
図2のティーチングユニット及びターゲットユニットをX軸方向から見た図である。
【
図6】実施例における保持部のX座標、Y座標、角度θの時間変化を示すグラフである。
【
図7】比較例における保持部のX座標、Y座標、角度θの時間変化を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0016】
図1に示されるように、天井搬送システム1は、走行レール2と、ロードポート(移載部)3と、天井走行車10と、を備えている。走行レール2は、例えば、半導体デバイスが製造されるクリーンルーム内の天井付近に敷設されている。ロードポート3は、例えば、半導体ウェハに各種処理を施す処理装置に設けられている。天井走行車10は、走行レール2に沿って走行し、例えば、複数枚の半導体ウェハが収容されたカセット(いわゆるFOUP(Front Opening Unified Pod))を被搬送物として搬送すると共に、ロードポート3において被搬送物の移載を行う。以下、天井走行車10の走行方向に平行な方向をX軸方向とし、水平面に平行且つ天井走行車10の走行方向に垂直な方向をY軸方向とし、鉛直方向に平行な方向をZ軸方向とする。
【0017】
天井走行車10は、走行部11と、横送り部12と、回動部13と、昇降部14と、保持部15と、を備えている。走行部11は、走行レール2に沿って敷設された高周波電流線から無接触で電力の供給を受けることで、走行レール2に沿って走行する。横送り部12は、回動部13、昇降部14及び保持部15をY軸方向に沿って移動させる。回動部13は、昇降部14及び保持部15を水平面内において回動させる。昇降部14は、下端部に保持部15が取り付けられた複数本のベルト14aを繰り出し又は巻き取ることで、ロードポート3に対して保持部15を昇降させる。保持部15は、カセットのフランジ部を把持することで、被搬送物を保持する。
【0018】
以上のように構成された天井搬送システム1においては、天井搬送システム1の構築時にティーチング(ティーチング方法)を実施する必要がある。ティーチングとは、天井走行車10がロードポート3において被搬送物の移載を行うために走行部11が走行レール2の所定位置に停止して保持部15が所定距離下降させられた状態で、保持部15の位置が目標位置からどれだけずれるかを知得し、天井搬送システム1の稼働時に目標位置からのずれがなくなるように、天井走行車10に実施すべき動作を記憶させることである。
【0019】
天井搬送システム1においては、ティーチングの実施時に、天井走行車10にティーチングユニット20が搭載され、ロードポート3にターゲットユニット30が搭載される。そして、走行部11が走行レール2の所定位置に停止して保持部15が所定距離下降させられ、ティーチングユニット20がロードポート3の上方においてターゲットユニット30から離間した状態で、ティーチングが実施される。
【0020】
ティーチングユニット20は、本体部21と、制御部22と、を備えている。本体部21は、下方に開口する箱状に形成されている。天井走行車10の保持部15は、本体部21のフランジ部21aを把持することで、ティーチングユニット20を保持している。制御部22は、本体部21内に収容されており、電気的な各種処理を行う。
【0021】
図2に示されるように、ティーチングユニット20は、複数の距離センサ23X
1,23Y
1,23Y
2,23Z
1,23Z
2,23Z
3を更に備えている。各距離センサ23X
1,23Y
1,23Y
2,23Z
1,23Z
2,23Z
3は、レーザ式の距離センサであり、本体部21内に取り付けられている。距離センサ23X
1は、X軸方向に沿って本体部21の内方に向かってレーザ光を出射することで、対象物との距離を測定する。距離センサ23Y
1,23Y
2は、Y軸方向に沿って本体部21の内方に向かってレーザ光を出射することで、対象物との距離を測定する。距離センサ23Z
1,23Z
2,23Z
3は、Z軸方向に沿って下方に向かってレーザ光を出射することで、対象物との距離を測定する。なお、
図2では、本体部21及び制御部22の図示が省略されている。
【0022】
ターゲットユニット30は、ベースプレート31と、複数のターゲットプレート(ターゲット)32,33,34と、を備えている。ベースプレート31は、ロードポート3に位置決めされた状態でロードポート3に取り付けられている。ベースプレート31において距離センサ23Z
1,23Z
2,23Z
3と対向する表面31aは、Z軸方向に垂直な面であり、ロードポート3の基準面(例えば、被搬送物が載置されるロードポート3の載置面)に平行となっている。
【0023】
各ターゲットプレート32,33,34は、ベースプレート31の所定位置に固定されている。ターゲットプレート32において距離センサ23X
1と対向する表面32aは、X軸方向に垂直な面であり、ロードポート3の基準位置(ロードポート3の載置面の中心位置)と所定の位置関係を有している。ターゲットプレート33において距離センサ23Y
1と対向する表面33a、及びターゲットプレート34において距離センサ23Y
2と対向する表面34aは、Y軸方向に垂直な面であり、ロードポート3の基準位置と所定の位置関係を有している。
【0024】
以上により、ティーチングユニット20の制御部22は、距離センサ23X
1による測定距離X
1、距離センサ23Y
1による測定距離Y
1、距離センサ23Y
2による測定距離Y
2、距離センサ23Z
1による測定距離Z
1、距離センサ23Z
2による測定距離Z
2及び距離センサ23Z
3による測定距離Z
3を取得することができる。そして、制御部22は、取得した複数の測定距離X
1,Y
1,Y
2,Z
1,Z
2,Z
3に基づいて、ロードポート3の基準位置を原点とした場合の保持部15の実位置(X座標,Y座標,Z座標)、並びに、角度θ、角度αx及び角度αyを算出することができる。
【0025】
ここで、角度θは、
図3に示されるように、ターゲットユニット30に対してティーチングユニット20がZ軸回りに回転している回転角度(すなわち、ロードポート3に対して保持部15がZ軸回りに回転している回転角度)である。距離センサ23Y
1と距離センサ23Y
2との距離をL
1とすると、角度θは、θ=tan
−1[(Y
1−Y
2)/L
1]と表される。なお、
図3では、距離センサ23X
1,23Z
1,23Z
2,23Z
3等の図示が省略されている。
【0026】
また、角度αxは、
図4に示されるように、ターゲットユニット30のベースプレート31の表面31aに対してティーチングユニット20がY軸回りに傾いている傾斜角度(すなわち、ロードポート3の基準面に対して保持部15がY軸回りに傾いている傾斜角度)である。距離センサ23Z
1と距離センサ23Z
3との距離をL
2とすると、角度αxは、αx=tan
−1[(Z
3−Z
1)/L
2]と表される。なお、
図4では、距離センサ23X
1,23Y
1,23Y
2及びターゲットプレート32,33,34等の図示が省略されている。
【0027】
また、角度αyは、
図5に示されるように、ターゲットユニット30のベースプレート31の表面31aに対してティーチングユニット20がX軸回りに傾いている傾斜角度(すなわち、ロードポート3の基準面に対して保持部15がX軸回りに傾いている傾斜角度)である。距離センサ23Z
1による測定距離Z
1と距離センサ23Z
3による測定距離Z
3との平均値(すなわち、(Z
1+Z
3)/2)をZ
13とし、距離センサ23Z
1と距離センサ23Z
3とを結ぶ直線と距離センサ23Z
2との距離をL
3とすると、角度αyは、αy=tan
−1[(Z
2−Z
13)/L
3]と表される。なお、
図5では、距離センサ23X
1,23Y
1,23Y
2及びターゲットプレート32,33,34等の図示が省略されている。
【0028】
更に、天井搬送システム1では、制御部22によって次のような処理が行われる。すなわち、制御部22は、X軸方向、Y軸方向及びZ軸回りの回転方向のそれぞれの座標成分に測定値を変換し、変換した測定値のそれぞれに基づいて、保持部15のX座標及びY座標並びにZ軸回りの保持部15の角度θを検出する。これにより、ロードポート3の上方においてティーチングユニット20が揺れていたとしても、
図6に示されるように、X座標、Y座標、角度θの時間的変化が規則的になるため、例えば、それぞれの振幅の中心値を求めることで、保持部15のX座標、Y座標、角度θを正確に求めることができる。制御部22が、X軸方向、Y軸方向及びZ軸回りの回転方向のそれぞれの座標成分に測定値を変換しないと、互いに周期が異なることから、
図7に示されるように、測定距離X
1,Y
1,Y
2の時間的変化が不規則になり、保持部15のX座標、Y座標、角度θを正確に求めることが困難になる。
【0029】
以上、説明したように、ティーチングユニット20では、距離センサ23X
1,23Y
1,23Y
2及び制御部22が、ロードポート3の上方においてロードポート3から離間した状態で、ロードポート3の基準位置に対する天井走行車10の位置(本実施形態では、ロードポート3の基準位置を原点とした場合の保持部15の実位置)を検出する位置検出部(すなわち、位置検出工程を実施する位置検出部)として機能する。更に、距離センサ23Z
1,23Z
2,23Z
3及び制御部22が、ロードポート3の上方においてロードポート3から離間した状態で、ロードポート3の基準面に対する距離センサ23X
1,23Y
1,23Y
2の傾き(換言すれば、天井走行車10の傾き(本実施形態では、ロードポート3の基準面に対する保持部15の傾き))を検出する傾き検出部(すなわち、傾き検出工程を実施する傾き検出部)として機能する。このように、ティーチングユニット20では、ロードポート3の基準面に対する距離センサ23X
1,23Y
1,23Y
2の傾きが距離センサ23Z
1,23Z
2,23Z
3によって検出されるため、ロードポート3の基準面に対して距離センサ23X
1,23Y
1,23Y
2が傾いていたとしても、検出された距離センサ23X
1,23Y
1,23Y
2の傾きに基づいて、ロードポート3の基準位置に対する保持部15の実位置を正確に求めることができる。このように、ティーチングユニット20(及びティーチングユニット20によって実施されるティーチング方法)によれば、ロードポート3の基準面に対する傾きによらず、ロードポート3の基準位置に対する保持部15の実位置を正確に求めることができる。
【0030】
また、ティーチングユニット20では、上述した位置検出部として距離センサ23X
1,23Y
1,23Y
2を用いることで、ロードポート3の基準位置に対する保持部15の実位置を簡単な構成で検出することができる。
【0031】
また、ティーチングユニット20では、上述した位置検出部が、保持部15の実位置として、保持部15のX座標(第一方向における保持部15の第一位置)及び保持部15のY座標(第二方向における保持部15の第二位置)を検出すると共に、Z軸回りの回転方向における保持部15の角度θ(保持部15の回転角度)を検出する。これにより、保持部15のX座標、Y座標、角度θを正確に求めることができる。
【0032】
また、ティーチングユニット20では、制御部22が、X軸方向、Y軸方向及びZ軸回りの回転方向のそれぞれの座標成分に測定値を変換し、変換した測定値のそれぞれに基づいて、保持部15のX座標及びY座標並びにZ軸回りの保持部15の角度θを検出する。これにより、ロードポート3の上方においてティーチングユニット20が揺れていたとしても、保持部15のX座標、Y座標、角度θを正確に求めることができる。
【0033】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態のティーチングユニット20は、ティーチングの実施時に天井走行車10に保持されたが、本発明のティーチングユニットは、天井走行車に組み込まれていてもよい。また、上記実施形態では、位置検出部として、距離センサ23X
1,23Y
1,23Y
2が用いられたが、移載部の上方から、移載部の所定部を含む画像を取得する撮像装置が用いられてもよい。
【0034】
また、本発明のティーチングユニットは、天井走行車及び移載部のうちの一方に搭載可能である。その場合、ターゲットは、天井走行車及び移載部のうちの他方に搭載される。一例として、ティーチングユニット20がロードポート3に搭載される場合、ターゲットユニット30は、天井走行車10に搭載される。そして、距離センサ23X
1,23Y
1,23Y
2は、天井走行車10から離間した状態で、ロードポート3の基準位置に対する天井走行車10の位置を検出し(すなわち、位置検出工程を実施し)、距離センサ23Z
1,23Z
2,23Z
3は、天井走行車10から離間した状態で、ロードポート3の基準面に対する距離センサ23X
1,23Y
1,23Y
2の傾きを検出する(すなわち、傾き検出工程を実施する)。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明によれば、移載部の基準面に対する傾きによらず、移載部の基準位置に対する天井走行車の位置を正確に求めることができるティーチングユニット及びティーチング方法を提供することが可能になる。
【符号の説明】
【0036】
3…ロードポート(移載部)、10…天井走行車、20…ティーチングユニット、22…制御部、23X
1,23Y
1,23Y
2,23Z
1,23Z
2,23Z
3…距離センサ。
【手続補正書】
【提出日】2016年1月18日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井走行車、及び前記天井走行車によって被搬送物の移載が行われる移載部のうちの一方に搭載されるティーチングユニットであって、
前記天井走行車及び前記移載部のうちの他方から離間した状態で、前記移載部の基準位置に対する前記天井走行車の位置を検出する位置検出部と、
前記天井走行車及び前記移載部のうちの前記他方から離間した状態で、前記移載部の基準面に対する前記天井走行車の傾きを検出する傾き検出部と、を備え、
前記位置検出部は、前記天井走行車の走行方向に平行な第一方向、前記基準面に平行且つ前記走行方向に垂直な第二方向、及び前記基準面に平行な面内での回転方向のそれぞれの座標成分に測定値を変換し、変換した前記測定値のそれぞれの時間的変化の振幅の中心値を求めることで、前記位置として、前記第一方向における前記天井走行車の第一位置、及び前記第二方向における前記天井走行車の第二位置を検出すると共に、前記回転方向における前記天井走行車の回転角度を検出するティーチングユニット。
【請求項2】
前記天井走行車及び前記移載部のうちの前記一方が前記天井走行車であり、前記天井走行車及び前記移載部のうちの前記他方が前記移載部である場合には、
前記位置検出部は、前記移載部の上方において、前記基準位置に対する前記位置を検出し、
前記傾き検出部は、前記移載部の上方において、前記基準面に対する前記傾きを検出する、請求項1記載のティーチングユニット。
【請求項3】
前記位置検出部は、前記基準位置と所定の位置関係を有するターゲットとの距離を測定する距離センサを含む、請求項1又は2記載のティーチングユニット。
【請求項4】
(削除)
【請求項5】
(削除)
【請求項6】
天井走行車、及び前記天井走行車によって被搬送物の移載が行われる移載部のうちの一方に搭載されるティーチングユニットによって実施されるティーチング方法であって、
前記天井走行車及び前記移載部のうちの他方から離間した状態で、前記移載部の基準位置に対する前記天井走行車の位置を検出する位置検出工程と、
前記天井走行車及び前記移載部のうちの前記他方から離間した状態で、前記移載部の基準面に対する前記天井走行車の傾きを検出する傾き検出工程と、を備え、
前記位置検出工程では、前記天井走行車の走行方向に平行な第一方向、前記基準面に平行且つ前記走行方向に垂直な第二方向、及び前記基準面に平行な面内での回転方向のそれぞれの座標成分に測定値を変換し、変換した前記測定値のそれぞれの時間的変化の振幅の中心値を求めることで、前記位置として、前記第一方向における前記天井走行車の第一位置、及び前記第二方向における前記天井走行車の第二位置を検出すると共に、前記回転方向における前記天井走行車の回転角度を検出するティーチング方法。
【国際調査報告】