(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2015年4月16日
【発行日】2017年3月9日
(54)【発明の名称】クリーム状化粧料、及び、その製造方法
(51)【国際特許分類】
A61K 8/19 20060101AFI20170217BHJP
A61K 8/49 20060101ALI20170217BHJP
A61Q 19/08 20060101ALI20170217BHJP
【FI】
A61K8/19
A61K8/49
A61Q19/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】12
【出願番号】特願2015-541656(P2015-541656)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2014年10月10日
(31)【優先権主張番号】特願2013-212724(P2013-212724)
(32)【優先日】2013年10月10日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】513256251
【氏名又は名称】岡部 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100115200
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 修之
(72)【発明者】
【氏名】岡部 淳
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AB191
4C083AB192
4C083AC851
4C083AC852
4C083CC01
4C083CC05
4C083EE12
4C083FF04
4C083FF05
(57)【要約】
【課題】金の配合量を必要最小限に抑制しつつ、金を皮膚の奥深くまで浸透させることのできるクリーム状化粧料、及び、その製造方法を提供する。
【解決手段】本発明のクリーム状化粧料は、コラックス状のクリームと、粒子径がナノ単位若しくはオングストローム単位まで超微粒子化された金粒子と、を備え、前記金粒子が、前記コラックス状のクリームの中に分散していることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コラックス状のクリームと、
粒子径がナノ単位若しくはオングストローム単位まで超微粒子化された金粒子と、
を備え、
前記金粒子が、前記コラックス状のクリームの中に分散していることを特徴とするクリーム状化粧料。
【請求項2】
前記コラックス状のクリームが、
クロルジアゼポキシド塩酸塩を含有してなることを特徴とする請求項1に記載のクリーム状化粧料。
【請求項3】
前記金粒子の粒子径が、
5[nm]〜10[nm]の範囲内にあることを特徴とする請求項1又は2に記載のクリーム状化粧料。
【請求項4】
金を準備する工程、及び、コラックス状のクリームを準備する工程より選択した一方の工程と、選択されていない他方の工程と、
前記金を前記コラックス状のクリームに練り込む工程と、
を順に行うことを特徴とするクリーム状化粧料の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クリーム状の化粧料、及び、その製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、アンチエイジング(老化防止)や美容への意識の高まりにともなって、アンチエイジング効果や美容効果を謳った化粧料が種々開発されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような中、近年、人体にとって無害な金を用いたアンチエイジングが注目を浴びつつある。これは、金のメカニズム(免疫反応作用、金コロイド作用、及び、イオン交換作用)を利用してアンチエイジングを図ろうとするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−208950号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、金は高価な材料ゆえ、期待する作用を得ようとして、金の配合量を多くすると、化粧料が非常に高価となってしまうという問題がある。かといって、金の配合量を少なくすると、金を皮膚の奥深くまで浸透させることができず、十分な作用が得られないという問題がある。
【0006】
そこで本発明の目的は、金の配合量を必要最小限に抑制しつつ、金を皮膚の奥深くまで浸透させることのできるクリーム状化粧料、及び、その製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明のクリーム状化粧料は、コラックス状のクリームと、粒子径がナノ単位若しくはオングストローム単位まで超微粒子化された金粒子と、を備え、前記金粒子が、前記コラックス状のクリームの中に分散していることを特徴とする。「コラックス」とは、クロルジアゼポキシド塩酸塩の慣用名である。「コラックス状のクリーム」とは、油感のないクリームであって、且つ、半液体状の物質よりも固体状の物質に近いクリームをいう。
【0008】
(2)上記(1)のクリーム状化粧料においては、前記コラックス状のクリームが、クロルジアゼポキシド塩酸塩を含有してなることが好ましい。
【0009】
(3)上記(1)又は(2)のクリーム状化粧料においては、前記金粒子の粒子径が、5[nm]〜10[nm]の範囲内にあることが好ましい。
【0010】
(4)本発明のクリーム状化粧料の製造方法は、金を準備する工程、及び、コラックス状のクリームを準備する工程より選択した一方の工程と、選択されていない他方の工程と、前記金を前記コラックス状のクリームに練り込む工程と、を順に行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明のクリーム状化粧料によれば、ナノ単位若しくはオングストローム単位まで超微粒子化された金粒子が、コラックス状のクリームの中に分散されているので、金を皮膚の奥深くまで簡単に浸透させることができる。それ故、金のメカニズム(免疫反応作用、金コロイド作用、イオン交換作用)を十分に得ることができる。更に、金の粒子径を超微粒子化することで、金粒子をコラックス状のクリームの中に均一に分散させることが可能となるので、金の配合量を必要最小限に抑制することができる。それ故、従来よりも低廉な化粧料を提供できる。
【0012】
本発明のクリーム状化粧料の製造方法によれば、金をコラックス状のクリームに練り込む工程が含まれるので、ナノレベル若しくはオングストロームレベルまで超微粒子化された金を含有したクリーム状化粧料を容易に製造できる。その結果、金の配合量を必要最小限に抑制しつつ、金を皮膚の奥深くまで簡単に浸透させることができるという効果を有したクリーム状化粧料を容易に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本実施形態に係るクリーム状化粧料の製造方法の一例を示したフローチャートである。
【
図2】本実施形態に係るクリーム状化粧料の使用方法の一例を示した説明図である。
【
図3】本実施形態に係るクリーム状化粧料の使用方法の一例を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明のクリーム状化粧料、及び、その製造方法の一実施形態について説明する。
【0015】
なお、本明細書中における化粧料は、皮膚化粧料および頭髪化粧料を含み、具体的には、化粧水、乳液、クリーム、パック、シャンプー、リンス、洗顔料、ボディソープ、整髪料、ヘアトニック等を含むものである。
【0016】
本発明のクリーム状化粧料は、コラックス状のクリームと、金粒子とを含有するものである。以下、クリーム状化粧料の各成分について詳細に説明する。
【0017】
[コラックス状のクリーム]
「コラックス」とは、クロルジアゼポキシド塩酸塩の慣用名である。「コラックス状のクリーム」とは、油感のないクリームであって、且つ、半液体状の物質よりも固体状の物質に近いクリームをいう。半液体状のクリームの一例としては、ニベア花王株式会社製のニベアクリーム(商品名)を挙げることが好ましい。固体状のクリームの一例としては、ロート製薬株式会社のメンソレータム(商品名)や、株式会社龍角散のタイガーバーム(商品名)を挙げることが好ましい。コラックス状のクリームの市販品としては、整肌成分や保湿成分が配合されたメナード製のコラックスアイ(商品名)を挙げることができる。
【0018】
[金粒子]
金粒子とは、ナノ単位若しくはオングストローム単位まで超微粒子化された金の粒子である。金粒子の粒子径は、5[nm]〜10[nm]の範囲内にあることが好ましい。一例としての金粒子の粒子径は、6.3[nm]であった。
【0019】
本発明では、このような金粒子をコラックス状のクリームの中に分散させることにより、金のメカニズム(免疫反応作用、金コロイド作用、及び、イオン交換作用)を利用して、アンチエイジング効果や美容効果を発揮させることができる。以下では、各作用について詳細に説明する。
【0020】
<免疫反応作用>
金は、酸やアルカリに安定した元素のため、アレルギー反応を引き起こすことはほとんどない。しかし、(1)肌の内部に侵入した金は、肌にとっては自己以外の異物である。そのため、血液中に存在し、且つ、あらゆる病原菌や異物等を捕食してくれる免疫細胞・マイクロファージ(Macrophage)を運ぶために、(2)毛細血管が金の周りに伸びてきて、異物を取り除こうとマイクロファージが戦いを繰り返す。そして、マイクロファージの活動で放出された物質が刺激となって、(3)線維芽細胞が自己増殖され、(4)修復の主な材料であるコラーゲン(Collagen)が生み出される。(5)そして、そのコラーゲンに支えられて毛細血管やリンパ(lymph)が発達し、そこへ流れ込む新鮮な血液が、線維芽細胞に栄養や酸素を供給し、更に、コラーゲンの産出を促進するという自己増殖のサイクルが構成される。
【0021】
<金コロイド作用>
金が体内に侵入するとコロイド状になった純金の作用で、あらゆるウイルス等を捕食してくれる免疫細胞・マイクロファージ等の白血球が活性化される。そのため、(1)金が体内の中に存在する限り、金の作用がマイクロファージを常に活性化させる。(2)その結果、免疫細胞である元気なマイクロファージは体内の不要な物質を絶えず捕食する。(3)これにより、体内の古い物質は排除され、新しい物質に生まれ変わり、細胞の新陳代謝が活性化される。
【0022】
<イオン交換作用>
真皮を構成するコラーゲンやエラスチン(Elastin)は、加齢や紫外線を浴びることによって発生する活性酸素の影響で、次第に酸化が進み、硬く収縮し、弛緩していく。その結果、肌の弾力性は失われ、シワが出来やすくなり、タルミが出て来る。また、人間は酸化することによってエネルギーを作り出すため、酸化を止めることは出来ない。これら老化を予防するには、細胞そのものを作り変えて、常に細胞に栄養を与え、規則正しい新陳代謝を繰り返すことが必要となる。しかし、免疫力や酵素合成が低下すると、せっかく体内に取り込んだ栄養を分解することができなくなる。なぜなら、細胞は最も小さく分解された栄養分しか吸収することができないからである。この点、肌の内部に金を侵入させると、(1)金から発生するイオンによってその周辺の活動電位が高まり、(2)今まで自分の力では分解できなかった物質が酵素合成等を手助けするイオン交換によって分解され、(3)栄養素は細胞内へ吸収され、(4)必要のないものは毛細血管を通って排泄される。
【0023】
[本実施形態に係るクリーム状化粧料の製造方法について]
次に、クリーム状化粧料の製造方法の一例について、
図1を用いて説明する。
【0024】
まず、金を準備する。ここでの金は、箔状態にした純金箔を用いることが好ましい(工程1)。
【0025】
次に、コラックス状のクリームを準備する(工程2)。
【0026】
最後に、金をコラックス状のクリームに練り込む(工程3)。これにより、クリーム状化粧料の製造が完了する。なお、本製造方法では、金を準備した後に、コラックス状のクリームを準備したが、この方法に限定されるものではなく、コラックス状のクリームを準備した後に、金を準備してもよい。
【0027】
[本実施形態に係るクリーム状化粧料の使用方法について]
本実施形態に係るクリーム状化粧料の使用方法の一例について、
図2及び
図3を用いて説明する。ここでは、本実施形態に係るクリーム状化粧料を用いたフェイスマッサージについて説明する。このフェイスマッサージは、モデルの目を閉じた状態で行われる(
図2及び
図3参照)。
【0028】
まず、パール粒程度のクリーム状化粧料を手に取り、手のひらの窪みにクリーム状化粧料を集めて、指で少し温めた後、下から上へと縦方向(
図2(a)に示す矢印A)に指をスライドさせて、クリーム状化粧料をモデルの眉間に塗り込んでいく。
【0029】
次に、横方向(
図2(b)に示す矢印B)に指をスライドさせて、クリーム状化粧料をモデルの額に塗り込んでいく。
【0030】
次に、弧を描く方向(
図3(a)に示す矢印C)に指をスライドさせて、クリーム状化粧料をモデルの右頬及び左頬に塗り込んでいく。
【0031】
最後に、鼻側面から左右の目の下に向かう方向(
図3(b)に示す矢印D)に指をスライドさせて、クリーム状化粧料をモデルの左右の目の下に塗り込む。目元はデリケートなので1回程度の塗り込みが好ましく、擦り過ぎないことがより好ましい。
【0032】
上記構成のクリーム状化粧料によれば、ナノ単位若しくはオングストローム単位まで超微粒子化された金粒子が、コラックス状のクリームの中に分散されているので、金を皮膚の奥深くまで簡単に浸透させることができる。それ故、金のメカニズム(免疫反応作用、金コロイド作用、イオン交換作用)を十分に得ることができる。更に、金の粒子径を超微粒子化することで、金粒子をコラックス状のクリームの中に均一に分散させることが可能となるので、金の配合量を必要最小限に抑制することができる。それ故、従来よりも低廉な化粧料を提供できる。
【0033】
上記構成のクリーム状化粧料の製造方法によれば、金をコラックス状のクリームに練り込む工程が含まれるので、ナノレベル若しくはオングストロームレベルまで超微粒子化された金を含有したクリーム状化粧料を容易に製造できる。その結果、金の配合量を必要最小限に抑制しつつ、金を皮膚の奥深くまで簡単に浸透させることができるという効果を有したクリーム状化粧料を容易に製造できる。
【0034】
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明のクリーム状化粧料は、皮膚化粧料および頭髪化粧料を含み、具体的には、化粧水、乳液、クリーム、パック、シャンプー、リンス、洗顔料、ボディソープ、整髪料、ヘアトニック等において好適に利用することができる。
【国際調査報告】