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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2015年6月4日
【発行日】2017年3月16日
(54)【発明の名称】電動モータ
(51)【国際特許分類】
   H02K 5/22 20060101AFI20170224BHJP
【FI】
   H02K5/22
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】16
【出願番号】特願2015-531392(P2015-531392)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2014年11月25日
(11)【特許番号】特許第5927350号(P5927350)
(45)【特許公報発行日】2016年6月1日
(31)【優先権主張番号】特願2013-246819(P2013-246819)
(32)【優先日】2013年11月28日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】000242127
【氏名又は名称】北芝電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】特許業務法人創成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】國分 良二
【テーマコード(参考)】
5H605
【Fターム(参考)】
5H605AA08
5H605BB05
5H605CC02
5H605CC06
5H605EC05
5H605GG04
(57)【要約】
コネクタ部をエンドカバーに着脱自在に構成した場合にも、コネクタ部を確実に固定することができる電動モータを提供することを目的とする。
電動モータのエンドカバー2は、フレーム1の端部に接続される筒状の筒状部21と、筒状部21の一端を閉蓋する蓋部22と、コネクタが接続されるコネクタ部4と、コネクタ部4が着脱自在に取り付けられる挿入口23とを有する。挿入口23は、筒状部21を貫通すると共に蓋部22の一部を含むように貫通し、挿入口23に取り付けられたコネクタ部4が蓋部22に突き当たって固定される突き当り面233を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内側面に永久磁石が相対向して設けられた円筒形のフレームと、該フレームの一端を覆うエンドカバーと、該エンドカバーに設けられ少なくとも一対のブラシが取り付けられるホルダとを備えた電動モータであって、
前記エンドカバーは、前記フレームの端部に接続される筒状の筒状部と、該筒状部の一端を閉蓋する蓋部と、コネクタが接続されるコネクタ部と、該コネクタ部が着脱自在に取り付けられる挿入口とを有し、
前記挿入口は、前記筒状部を貫通すると共に前記蓋部の一部を含むように貫通し、該挿入口に取り付けられた前記コネクタ部が該蓋部に突き当たって固定される突き当り面を有することを特徴とする電動モータ。
【請求項2】
請求項1記載の電動モータにおいて、
前記コネクタ部は、外形が箱型のブロック体であって、前記挿入口に取り付けられた状態で端面が前記突き当り面から立ち上がった壁面を形成することを特徴とする電動モータ。
【請求項3】
請求項2記載の電動モータにおいて、
前記ブロック体は、前記コネクタと電気的に接続される電気素子を内蔵することを特徴とする電動モータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内側面に永久磁石が相対向して設けられた円筒形のフレームと、該フレームの一端を覆うエンドカバーと、該エンドカバーに設けられ少なくとも一対のブラシが取り付けられるホルダとを備えた電動モータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の電動モータとしては、円筒形のフレームに2つの永久磁石が相対向して設けられた2極モータと、4つの永久磁石が相対向して設けられた4極モータとがある。2極モータと4極モータとを比較した場合、4極モータは、2極モータに比して、振動および騒音が発生し易いことが知られている。
【0003】
振動および騒音の防止のためには、下記特許文献1に示すように、ブラシホルダーを弾性部材を介して、エンドカバーに取り付けた電動モータが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平6−44362号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、特許文献1に示す電動モータにおいては、(ブラシホルダーに加えて)エンドカバーにコネクタ部を取り付け可能とし、エンドカバーをサブアセンブリーとして構成しているが、コネクタ部をエンドカバーに取り付けた場合には、コネクタ部を十分に固定するためにフレーム本体に当接させて支持させる必要がある。
【0006】
しかし、コネクタ部をフレーム本体に当接させて支持させた場合には、モータの振動がフレーム本体を介してコネクタ部に伝わってしまうという不都合を生じる。
【0007】
特に、コネクタ部をエンドカバーに着脱自在に構成した場合には、モータの振動によりコネクタ部ががたついてしまう。
【0008】
以上の事情に鑑みて、コネクタ部をエンドカバーに着脱自在に構成した場合にも、コネクタ部を確実に固定することができる電動モータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1発明の電動モータは、内側面に永久磁石が相対向して設けられた円筒形のフレームと、該フレームの一端を覆うエンドカバーと、該エンドカバーに設けられ少なくとも一対のブラシが取り付けられるホルダとを備えた電動モータであって、
前記エンドカバーは、前記フレームの端部に接続される筒状の筒状部と、該筒状部の一端を閉蓋する蓋部と、コネクタが接続されるコネクタ部と、該コネクタ部が着脱自在に取り付けられる挿入口とを有し、
前記挿入口は、前記筒状部を貫通すると共に前記蓋部の一部を含むように貫通し、該挿入口に取り付けられた前記コネクタ部が該蓋部に突き当たって固定される突き当り面を有することを特徴とする。
【0010】
第1発明の電動モータによれば、コネクタ部が着脱自在に取り付けられる挿入口が貫通孔となっているため、挿入口がコネクタ部を取り囲むように保持して周方向から固定することができる。
【0011】
さらに、挿入口がエンドカバーの筒状部のみならず、蓋部の一部を含むように形成されることから、挿入口に取り付けられたコネクタ部が蓋部に突き当たって固定される突き当り面を形成することができる。そのため、挿入口に取り付けられたコネクタ部を挿入方向において固定することができる。
【0012】
このように、第1発明の電動モータによれば、コネクタ部をエンドカバーに着脱自在に構成した場合にもコネクタ部を確実に固定することができる。
【0013】
第2発明の電動モータは、第1発明の電動モータにおいて、
前記コネクタ部は、外形が箱型のブロック体であって、前記挿入口に取り付けられた状態で端面が前記突き当り面から立ち上がった壁面を形成することを特徴とする。
【0014】
第2発明の電動モータにおいて、まず、単に、筒状部に挿入口を形成した場合には、その挿入口に底部(突き当り面に相当する部材)が必要となる。さらに、底部を設けた場合には、コネクタ部の端面は底部で塞がれてしまい、接続電極等を配置することは困難となる。
【0015】
ここで、第2発明の電動モータによれば、コネクタ部を外形が箱型のブロック体として、挿入口に取り付けられたコネクタ部を突き当り面に突き当てて固定することで、コネクタ部の端面を蓋部から立ち上がった壁面とすることができ、かかる壁面に接続電極等を配置することも可能となる。
【0016】
このように、第2発明の電動モータによれば、コネクタ部をエンドカバーに着脱自在に構成した場合にも、コネクタ部をより確実に固定しつつ、電気的な接続の自由度を確保することができる。
【0017】
第3発明の電動モータは、第2発明において、
前記ブロック体は、前記コネクタと電気的に接続される電気素子を内蔵することを特徴とする。
【0018】
第3発明の電動モータによれば、コネクタ部を外形が箱型のブロック体とすることで、ブロック体に種々の電気素子を内蔵させることができる。例えば、ブロック体にコンデンサとヒューズとのいずれか一方または両方を内蔵させることができる。
【0019】
このように、第3発明の電動モータによれば、コネクタ部をエンドカバーに着脱自在に構成した場合にも、コネクタ部を確実に固定しつつ、コネクタ部に種々の電気素子を内蔵させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本実施形態の電動モータの構成を示す分解図。
図2図1の電動モータを組み立てた状態を示す説明図。
図3図2の電動モータの内部構造を示す説明図。
図4】他の実施形態の電動モータの構成を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1および図2を参照して、本実施形態の電動モータの構成について説明する。
【0022】
本実施形態の電動モータは、フレーム1と、エンドカバー2と、エンドカバー2に取り付けられるホルダ3と、エンドカバー2に取り付けられるコネクタ部4とを備える。
【0023】
フレーム1は、円筒形状の金属製の部材であって、内側面に4つの永久磁石10が相対向して設けられている。すなわち、本実施形態のモータは、4つの永久磁石10を有する4極モータである。
【0024】
フレーム1は、一端側に、エンドカバー2を固定するための複数のエンドカバー嵌合溝11を備える。エンドカバー嵌合溝11は、例えば、隣接する溝11,11で一対を成すように形成されている。
【0025】
フレーム1の他端側は、前側の軸受けをなす金属製のブラケット12により閉蓋されており、ブラケット12には、複数の貫通孔からなる通風孔13が形成されている。
【0026】
エンドカバー2は、フレーム1の一端側に接続される筒状の筒状部21と、筒状部21の一端を閉蓋する蓋部22と、コネクタ部4が着脱自在に取り付けられる挿入口23とを備える。
【0027】
筒状部21には、フレーム1に嵌合する嵌合部211と、ホルダ3が嵌合するホルダ溝212とが形成されている。
【0028】
嵌合部211は、フレーム1のエンドカバー嵌合溝11に嵌合する突出部であって、隣接位置に形成され対をなす溝11,11に嵌合するように、隣接して嵌合部211,211が形成されている。
【0029】
ホルダ溝212は、後述するホルダ3の脚部の長さに応じて、複数種類(本実施形態では2種類)の第1ホルダ溝212aおよび第2ホルダ溝212bとなっている。
【0030】
第1ホルダ溝212aは、ホルダ3の長脚部31aに対応して形成された溝部であり、第2ホルダ溝212bは、ホルダ3の短脚部31bに対応して形成された溝部であり、周方向外方が壁面213により塞がれている。
【0031】
そして壁面213の周上の隣接位置には、切欠き部214が形成されており、切欠き部214は、モータ内部との通気孔として機能し、モータの内部温度の上昇を抑制するように機能する。
【0032】
一方、蓋部22は、後ろ側の軸受けとしての貫通孔220が形成されている。
【0033】
挿入口23は、後述するコネクタ部4が挿入される貫通孔であって、筒状部21の第1ホルダ溝212a,212aの間で、第2ホルダ溝212b,212bに対向する位置に矩形に貫通するように形成されている。
【0034】
挿入口23は、蓋部22側を除く3側面に側壁231a,231b,231cが形成されており、対向する側面231a,231cには、コネクタ部4の挿入方向に沿って凸条232a,232cが形成されている。また、側壁231bには、コネクタ部4の挿入方向に沿って凸条232bが形成されている。
【0035】
挿入口23の蓋部22側には側壁が形成されず、代わりに、蓋部22の一部が抉られて、挿入口の一部となっている。そして、挿入口23の蓋部22側には、コネクタ部4が挿入口23に取り付けられた際に蓋部22に突き当たって固定される突き当り面233が形成されている。
【0036】
ホルダ3は、少なくとも一対のブラシが取り付けられる合成樹脂製のホルダであって、中空円形の環状枠30と、環状枠30から放射状に4方向(90度間隔)に伸びた脚部31とを備える。
【0037】
環状枠30には、傾斜した筒状の部材であって、一対のブラシ(図示省略)を内蔵して支持する一対のブラシカバー部33が設けられている。
【0038】
なお、ブラシは、図示しない付勢手段(例えば、コイルバネ)により周方向内方に付勢されると共に、ブラシカバー部33の切欠きから導出されるピグテル線を介して、後述するコネクタ部に電気的に接続される。
【0039】
脚部31は、脚の長さの異なる長脚部31aと短脚部31bとで構成され、長脚部31aは、エンドカバー2の第1ホルダ溝212aに嵌合し、短脚部31bは、第2ホルダ溝212bに嵌合する。
【0040】
ここで、長脚部31aと短脚部31bとの先端部には、それぞれ防振ゴム32a,32bが取り付けられている。
【0041】
なお、本実施形態では、ホルダ3の脚部31が、放射状に4方向(90度間隔)に伸びる場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、放射状に3方向(120度間隔)に伸びるように構成してもよい。
【0042】
コネクタ部4は、挿入口23に挿入される箱型のブロック体であって、図示しないコネクタが接続されるコネクタ挿入口40と、コネクタ挿入口40を形成するコネクタ側壁41a,41b,41c,41dおよび底壁41eと、電極43とを備える。
【0043】
コネクタ側壁41aおよび41cには、挿入口23の凸条232a,232cが嵌合する凹溝42a,42cが形成されている。また、コネクタ側壁41bには、挿入口23の凸条232bが嵌合する凹溝42bが形成されている。
【0044】
底壁41eは、その一部が、コネクタ部4が挿入口23に取り付けられた際に突き当り面233に突き当たって固定されると共に、残りの部分は、蓋部22の突き当り面233から立ち上がった壁面となっている。そのため、かかる壁面に接続電極等を配置することも可能となる。
【0045】
ここで、単に、筒状部21に挿入口23を筒状に形成することも考えられるが、この場合には、その挿入口23に別途底部(突き当り面に相当する部材)が必要となる。さらに、底部を設けた場合には、コネクタ部の端面は底部で塞がれてしまい、接続電極等を配置することは困難となる。
【0046】
これに対して、本実施形態の電動モータによれば、挿入口23をエンドカバー2の筒状部21のみならず、蓋部22の一部を含むように形成することで、挿入口23に取り付けられたコネクタ部4が蓋部22の突き当り面233に突き当たって挿入方向の動きが規制されると共に、電気的な接続の自由度を確保することが可能となっている。
【0047】
電極43は、底壁41eを貫いて設けられており、一端側がコネクタ部4に接続されたコネクタと電気的に接続されると共に、他端側が、図示しないブラシのピグテル線に電気的に接続される。
【0048】
電極43は、一端側と他端側の間を単に電気的に接続してもよいが、これらの間に電気素子を介在させてもよい。例えば、本実施形態では、電気素子として、ノイズ除去用のコンデンサ44を介在させている。
【0049】
このとき、コンデンサ44などの電気素子は、コネクタ部4が箱型のブロック体であるため、当該ブロック体に種々の電気素子(例えば、電流ヒューズ)を内蔵させることができる。
【0050】
なお、電気素子は、コネクタ部4に内蔵させることができるほか、例えば、図2に示すように、電流ヒューズ221をエンドカバー2の蓋部22の外面に取り付けることもできる。
【0051】
次に、図3を参照して、本実施形態の電動モータにおけるエンドカバーアセンブリの組み立て方法について説明する。
【0052】
まず、図3(a)に示すように、エンドカバー2に対して、コネクタ部4を取り付ける。
【0053】
具体的には、コネクタ部4の凹溝42a,42b,42cを挿入口23の凸条232a,232b,232cに合わせて、コネクタ部4を挿入口23内に押し込む。このとき、コネクタ部4の側壁41a,41b,41cが挿入口の側壁231a,231b,231cと当接して、コネクタ部4が周方向から固定されると共に、凹溝42a,42b,42cと凸条232a,232b,232cとが嵌合して固定される。
【0054】
そして、挿入口23に押し込まれたコネクタ部4は、底壁41eの一部が蓋部22の突き当り面233に突き当たる。これによりコネクタ部4の挿入方向における固定がなされる。
【0055】
このとき、底壁41eの残りの部分は、蓋部22の突き当り面233から立ち上がった壁面となっており、かかる壁面に取り付けられた電極43を介してブラシ等へのピグテル線の配線がなされる。
【0056】
なお、本実施形態においては、1種類のコネクタ部4のみを示しているが、外形(コネクタ部4の側壁41a,41b,41c,41d,41eおよび凹溝42a,42b,42c)を同じにすれば、異なるコネクタ形状に対応した複数種類のコネクタ部4を挿入口23に着脱自在に取り付けて用いることができる。
【0057】
次に、図3(b)に示すように、エンドカバー2にコネクタ部4が取り付けられた状態に対して、ホルダ3を取り付ける。
【0058】
具体的には、ホルダ3の長脚部31aをエンドカバー2の第1ホルダ溝212aに嵌合させると共に、短脚部31bを第2ホルダ溝212bに嵌合させる。
【0059】
このとき、長脚部31aと短脚部31bとの先端部には、それぞれ防振ゴム32a,32bが取り付けられているため、防振ゴム32a,32bにより4極モータにおける振動および騒音の低減を図ることができる。
【0060】
ここで、長脚部31a,31aは、これらを挟む角が、短脚部31b,31bに比して広角となっており、その間に挿入口23を設けるスペースを十分に確保することができる。
【0061】
一方で、長脚部31a,31a側には、その間に挿入口23が配置されるため、通気スペースを確保することが困難となるところ、短脚部31b,31bは、これらを挟む角を長脚部31a,31aと比して狭くすることで、その両側および中央部に切欠き部214を形成して通気スペースとすることができる。
【0062】
より、具体的には、中央部の切欠き部214と、ブラシカバー部33が配置される両側の位置では、切欠き部214とブラシカバー部33との間の通気間隙215とが、モータ内部と連通する通気孔として機能し、モータ内部の温度上昇を抑制することができる。
【0063】
以上が本実施形態の電動モータにおけるエンドカバーアセンブリの組み立て方法であり、上述のように、本実施形態の電動モータによれば、コネクタ部4をエンドカバー2に着脱自在に構成した場合にもコネクタ部4を確実に固定することができる。
【0064】
なお、本実施形態では、エンドカバー2の蓋部22に形成される突き当り面233が平面である場合について説明したが、突き当り面233はこれに限定されるものではない。
【0065】
例えば、図4に示すように、突き当り面233を矩形に形成してもよい。特に、突き当り面233を矩形にした場合には、コネクタ部4との接触面積を大きくすることができ、より固定性を高めることができる。
【0066】
また、本実施形態において、電動モータは4極モータを例に説明したが、これに限定されるものではなく、フレーム1に2つの永久磁石が相対向して設けられた2極モータであってもよい。
【0067】
さらに、本実施形態において、ホルダ3が、一対のブラシを内蔵して支持する一対のブラシカバー部33を備える場合について説明したが、これに限定されるものではなく、一対のブラシを2組備える4ブラシを支持するように、一対のブラシカバー部33を2組備える構成であってもよい。
【符号の説明】
【0068】
1…フレーム、2…エンドカバー、3…ホルダ、4…コネクタ部、10…永久磁石、21…筒状部、22…蓋部、23…挿入口、233…突き当り面、41e…底壁(壁面)、43…電極、44…コンデンサ(電気素子)。
図1
図2
図3
図4

【手続補正書】
【提出日】2016年2月5日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内側面に永久磁石が相対向して設けられた円筒形のフレームと、該フレームの一端を覆うエンドカバーと、該エンドカバーに設けられ少なくとも一対のブラシが取り付けられるホルダとを備えた電動モータであって、
前記エンドカバーは、前記フレームの端部に接続される筒状の筒状部と、該筒状部の一端を閉蓋する蓋部と、コネクタが接続されるコネクタ部と、該コネクタ部が着脱自在に取り付けられる挿入口とを有し、
前記挿入口は、前記筒状部を貫通すると共に前記蓋部の一部を含むように貫通し、該挿入口に取り付けられた前記コネクタ部が該蓋部に突き当たって固定される突き当り面を有し、
前記コネクタ部は、外形が箱型のブロック体であって、前記挿入口に取り付けられた状態で端面が前記突き当り面から立ち上がった壁面を形成し、前記コネクタと電気的に接続される電極が該壁面から該突き当り面を跨いで前記蓋部内面上に展開していることを特徴とする電動モータ。
【請求項2】
請求項1記載の電動モータにおいて、
前記ブロック体は、前記コネクタと電気的に接続される電気素子を内蔵することを特徴とする電動モータ。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
第1発明の電動モータは、内側面に永久磁石が相対向して設けられた円筒形のフレームと、該フレームの一端を覆うエンドカバーと、該エンドカバーに設けられ少なくとも一対のブラシが取り付けられるホルダとを備えた電動モータであって、
前記エンドカバーは、前記フレームの端部に接続される筒状の筒状部と、該筒状部の一端を閉蓋する蓋部と、コネクタが接続されるコネクタ部と、該コネクタ部が着脱自在に取り付けられる挿入口とを有し、
前記挿入口は、前記筒状部を貫通すると共に前記蓋部の一部を含むように貫通し、該挿入口に取り付けられた前記コネクタ部が該蓋部に突き当たって固定される突き当り面を有し、
前記コネクタ部は、外形が箱型のブロック体であって、前記挿入口に取り付けられた状態で端面が前記突き当り面から立ち上がった壁面を形成し、前記コネクタと電気的に接続される電極が該壁面から該突き当り面を跨いで前記蓋部内面上に展開していることを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
また、発明の電動モータにおいて、まず、単に、筒状部に挿入口を形成した場合には、その挿入口に底部(突き当り面に相当する部材)が必要となる。さらに、底部を設けた場合には、コネクタ部の端面は底部で塞がれてしまい、接続電極等を配置することは困難となる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
ここで、第発明の電動モータによれば、コネクタ部を外形が箱型のブロック体として、挿入口に取り付けられたコネクタ部を突き当り面に突き当てて固定することで、コネクタ部の端面を蓋部から立ち上がった壁面とすることができ、かかる壁面に接続電極等を配置することも可能となる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
このように、第発明の電動モータによれば、コネクタ部をエンドカバーに着脱自在に構成した場合にも、コネクタ部をより確実に固定しつつ、電気的な接続の自由度を確保することができる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
発明の電動モータは、第発明において、
前記ブロック体は、前記コネクタと電気的に接続される電気素子を内蔵することを特徴とする。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】
発明の電動モータによれば、コネクタ部を外形が箱型のブロック体とすることで、ブロック体に種々の電気素子を内蔵させることができる。例えば、ブロック体にコンデンサとヒューズとのいずれか一方または両方を内蔵させることができる。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0019】
このように、第発明の電動モータによれば、コネクタ部をエンドカバーに着脱自在に構成した場合にも、コネクタ部を確実に固定しつつ、コネクタ部に種々の電気素子を内蔵させることができる。
【国際調査報告】