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再表2016-103907圧力センサおよび圧力センサモジュール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2016年6月30日
【発行日】2017年12月7日
(54)【発明の名称】圧力センサおよび圧力センサモジュール
(51)【国際特許分類】
   G01L 9/00 20060101AFI20171110BHJP
   G01L 19/14 20060101ALI20171110BHJP
【FI】
   G01L9/00 303M
   G01L19/14
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】20
【出願番号】特願2016-565997(P2016-565997)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2015年10月29日
(31)【優先権主張番号】特願2014-260405(P2014-260405)
(32)【優先日】2014年12月24日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】000005186
【氏名又は名称】株式会社フジクラ
【住所又は居所】東京都江東区木場1丁目5番1号
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100126882
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 光永
(74)【代理人】
【識別番号】100160093
【弁理士】
【氏名又は名称】小室 敏雄
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】冨田 道和
【住所又は居所】千葉県佐倉市六崎1440番地 株式会社フジクラ 佐倉事業所内
【テーマコード(参考)】
2F055
【Fターム(参考)】
2F055AA40
2F055BB20
2F055CC02
2F055DD05
2F055EE13
2F055FF38
2F055FF43
2F055GG12
(57)【要約】
圧力センサは、収容部を有する基体と、収容部に配された圧力センサ素子と、圧力センサ素子と電気的に接続し、基体の下面に沿って設けられた端子部を有し、基体の外部に露出したリード部と、を備えており、端子部は、基体と対向する第1面とは反対の面である第2面に設けられた凹溝部を有し、凹溝部は、第2面において、端子部の先端を含む第1の領域と、第1の領域の隣に位置し、端子部の先端から離れている第2の領域とを区画する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容部を有する基体と、
前記収容部に配された圧力センサ素子と、
前記圧力センサ素子と電気的に接続し、前記基体の下面に沿って設けられた端子部を有し、前記基体の外部に露出したリード部と、
を備えており、
前記端子部は、前記基体と対向する第1面とは反対の面である第2面に設けられた凹溝部を有し、前記凹溝部は、前記第2面において、前記端子部の先端を含む第1の領域と、前記第1の領域の隣に位置し、前記端子部の前記先端から離れている第2の領域とを区画する、圧力センサ。
【請求項2】
前記基体は前記下面に凹部を有し、前記凹部が前記リード部の前記端子部を収容する、請求項1に記載の圧力センサ。
【請求項3】
前記凹溝部が、断続的に形成されている、請求項1又は2に記載の圧力センサ。
【請求項4】
前記凹溝部の深さが、前記リード部の厚さの1/20以上、1/2以下である、請求項1〜3の何れか一項に記載の圧力センサ。
【請求項5】
前記凹溝部の断面形状が、円弧形状である、請求項1〜4の何れか一項に記載の圧力センサ。
【請求項6】
請求項1〜5の何れか一項に記載の圧力センサと、
半田実装用のパッドを有する回路基板と、を備え、
前記端子部の前記第1の領域と前記回路基板の前記パッドとが半田接合されている、圧力センサモジュール。
【請求項7】
前記端子部の前記第1の領域と直交する方向から見る平面視において、前記第1の領域側の前記凹溝部のエッジが、前記回路基板の前記パッドの周縁に対し±500μmの範囲に位置している、請求項6に記載の圧力センサモジュール。
【請求項8】
前記圧力センサが格納される格納部を有し、前記格納部の底面に前記回路基板と前記圧力センサの前記端子部とを接続するための端子接続孔が設けられた筐体と、
前記圧力センサの上方から前記格納部を覆う蓋体と、を備え、
前記圧力センサと前記蓋体との間にはシール体が設けられており、
前記筐体の底面で前記圧力センサの前記下面を支持するとともに、前記シール体を前記蓋体と前記圧力センサの上面との間に挟み込む、
請求項6又は7に記載の圧力センサモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧力センサおよび圧力センサモジュールに関する。
本願は、2014年12月24日に、日本に出願された特願2014−260405号に基づき優先権を主張し、これらの内容をここに援用する。
【背景技術】
【0002】
携帯用の機器などには、MEMS(Micro Electro-Mechanical Systems)技術を利用した半導体圧力センサ(以下、単に圧力センサという)が用いられている。この種の圧力センサとしては、例えば、圧力センサ素子と、圧力センサ素子からの信号を受ける制御素子と、圧力センサ素子と制御素子とに電気的に接続されたリードフレームと、制御素子をモールドする基体を備えた例がある。近年、携帯電話などの携帯用機器には防水機能が求められており、携帯用機器に圧力センサを組み込む場合に、圧力センサを組み込んだ箇所から携帯用機器の筐体内に水が浸入することを防ぐ構造が必要とされている。
水の浸入を防ぐ構造としては、筐体と、筐体に内蔵された圧力センサと、圧力センサを上方から覆うカバーとを備えており、圧力センサの一面とカバーとの間に配置された防水パッキンを圧縮することで、防水構造を実現する構造が知られている(例えば、特許文献1)。
また、特許文献1のような防水機能を備えた携帯用機器に組み込まれる圧力センサとしては、リード部を基体の側方から突出させてU字状に折り曲げ、側面および底面に沿う様に配置させた圧力センサが知られている(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】日本国特開2008−180898号公報
【特許文献2】日本国特開平10−200361号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1においては、防水パッキンを圧縮する際に、圧力センサは、防水パッキンが設けられる側と反対側の下面で筐体により支持される。また、圧力センサは、基体の下面側のリード部においてプリント基板と半田接合される。
従来、圧力センサの下面側のリード部とプリント基板とを半田接合する際に、基体の下面側のリード部で半田が過剰に濡れ広がることがある。そして過剰に濡れ広がった半田によって、筐体が圧力センサ下面を安定的に支持することができないことがある。さらに、半田が圧力センサ側部のリード部にまで濡れ広がった場合には、側部のリードと筐体とが接触し、圧力センサの電気特性が不安定になる。
【0005】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであって、半田の濡れ広がりを制御して、半田の濡れ広がりに起因する不具合を抑制した圧力センサを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様は、圧力センサであって、収容部を有する基体と、前記収容部に配された圧力センサ素子と、前記圧力センサ素子と電気的に接続し、前記基体の下面に沿って設けられた端子部を有し、前記基体の外部に露出したリード部と、を備えており、前記端子部は、前記基体と対向する第1面とは反対の面である第2面に設けられた凹溝部を有し、前記凹溝部は、前記第2面において、前記端子部の先端を含む第1の領域と、前記第1の領域の隣に位置し、前記端子部の前記先端から離れている第2の領域とを区画する。
【0007】
上記第1態様によれば、端子部の第1の領域を半田接合する場合に、凹溝部のエッジによって溶融した半田の濡れ広がりが抑制され、半田が第2の領域に広がることがない。したがって、安定した半田による接合が可能となり、半田の濡れ広がりに起因する不具合を抑制できる。
また、この圧力センサを筐体に収容し、基体の上面側にパッキンを配置して防水構造を実現する場合には、基体の底面側において第2の領域に重なる部位を支持することで、支持が不安定となることがない。これにより、パッキンを均一に圧縮して確実な防水構造を実現できる。
【0008】
本発明の第2態様は、上記第1態様の圧力センサにおいて、前記基体は前記下面に凹部を有し、前記凹部が前記リード部の前記端子部を収容しても良い。
【0009】
上記第2態様によれば、圧力センサを筐体に収容した場合には、基体の下面にリード部が収容される凹部が設けられていることで、リード部に負荷を加えることなく、基体の下面で圧力センサを支持できる。また、リード部の端子部には、凹溝部によって、端子部の第2の領域への半田の濡れ広がりが抑制されているため、第2の領域に重なる部分を支持することで、安定した支持が可能となる。
【0010】
本発明の第3態様は、上記第1又は第2態様の圧力センサにおいて、前記凹溝部が、断続的に形成されていても良い。
【0011】
上記第3態様によれば、断続的に形成された凹溝部は、凹溝部同士の間の凹溝部が形成されていない隙間においても、凹溝部で生じる表面張力により半田の濡れ広がりを抑制できる。また、凹溝部が、断続的に形成されていることで、端子部の強度を高めることができる。
【0012】
本発明の第4態様は、上記第1〜第3態様のいずれかの圧力センサにおいて、前記凹溝部の深さが、前記リード部の厚さの1/20以上、1/2以下であっても良い。
【0013】
上記第4態様によれば、凹溝部の深さを、リード部の厚さの1/20以上、1/2以下とすることで、半田の濡れ広がりを抑制できるとともに端子部の強度を確保し、リード部の破損を抑制できる。
【0014】
本発明の第5態様は、上記第1〜第4態様のいずれかの圧力センサにおいて、前記凹溝部の断面形状が、円弧形状であっても良い。
【0015】
上記第5態様によれば、凹溝部の断面形状を円弧形状とすることで、凹溝部が形成された端子部において応力集中を抑制し、凹溝部に起因する端子部の強度低下を抑制できる。加えて、円弧形状の凹溝部は、エッチングにより容易に形成可能であり、製造コストを削減することができる。
【0016】
本発明の第6態様は、圧力センサモジュールであって、上記第1〜第5態様の圧力センサと、半田実装用のパッドを有する回路基板と、を備え、前記端子部の前記第1の領域と前記回路基板の前記パッドとが半田接合されていても良い。
上記第6態様によれば、安定した半田接合により、半田の濡れ広がりに起因する不具合を抑制した圧力センサモジュールを提供できる。
【0017】
本発明の第7態様は、上記第6態様の圧力センサモジュールにおいて、前記端子部の前記第1の領域と直交する方向から見る平面視において、前記第1の領域側の前記凹溝部のエッジが、前記回路基板の前記パッドの周縁に対し±500μmの範囲に位置していても良い。
【0018】
上記第7態様によれば、回路基板のパッドと、第1の領域のずれを±500μm以下としたことで、半田接合する領域同士のずれが少なく、半田が確実に接合された圧力センサモジュールを提供できる。
【0019】
本発明の第8態様は、上記第6又は第7態様の圧力センサモジュールにおいて、前記圧力センサが格納される格納部を有し、前記格納部の底面に前記回路基板と前記圧力センサの前記端子部とを接続するための端子接続孔が設けられた筐体と、前記圧力センサの上方から前記格納部を覆う蓋体と、を備え、前記圧力センサと前記蓋体との間にはシール体が設けられており、前記筐体の底面で前記圧力センサの前記下面を支持するとともに、前記シール体を前記蓋体と前記圧力センサの前記上面との間に挟み込んでいても良い。
【0020】
上記第8態様によれば、防水構造を実現した圧力センサモジュールを提供できる。
【発明の効果】
【0021】
上記本発明に係る態様によれば、端子部の第1の領域を半田接合する場合に、凹溝部のエッジによって溶融した半田の濡れ広がりを抑制し、半田が第2の領域に広がることがない。したがって、安定した半田による接合が可能となり、半田の濡れ広がりに起因する不具合を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1A】第1実施形態の圧力センサの模式図である。
図1B図1の圧力センサを下方から見た下面図である。
図2A】第1実施形態の圧力センサの製造方法の一例を説明する工程図であり、リードフレーム基板に制御素子を実装した状態を示す図である。
図2B】基体を成形した状態を示す図である。
図2C】リードフレーム基体を曲げ成形した状態を示す図である。
図2D】圧力センサ素子20を搭載した状態を示す図である。
図3】第1実施形態の圧力センサを組み込んだ圧力センサモジュールの断面模式図である。
図4図3に示す圧力センサモジュールに組み込まれる圧力センサの下面図である。
図5A図3に示す圧力センサモジュールにおける圧力センサの端子部と回路基板のパッドとを接合する半田の状態を示す模式図である。
図5B図3に示す圧力センサモジュールにおける圧力センサの端子部と回路基板のパッドとを接合する半田の状態を示す模式図である。
図6】第1実施形態の圧力センサに採用可能な凹溝部を示す模式図である。
図7】第1実施形態の圧力センサに採用可能な凹溝部を示す模式図である。
図8】第2実施形態の圧力センサの下面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して、実施形態について説明する。
なお、以下の説明で用いる図面は、便宜上一部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。また、一部分を省略して図示している場合がある。
各図には必要に応じてX−Y−Z座標系を示した。以下の説明において、必要に応じてこの座標系に基づいて各方向の説明を行う。
【0024】
第1実施形態
図1Aは、第1実施形態の圧力センサ1の断面図である。また、図1Bは、圧力センサ1の下面図である。本実施形態の圧力センサ1の説明において、「上」とは+Z方向を意味し、「下」とは−Z方向を意味する。下面図とは、圧力センサ1を下方から見た平面図である。
【0025】
図1A図1Bに示すように、本実施形態の圧力センサ1は、圧力センサ素子20と、圧力センサ素子20と電気的に接続されるリードフレーム40と、圧力センサ素子20およびリードフレーム40を支持する樹脂製の基体10と、を有する。また、圧力センサ1は、制御素子30を有する。
【0026】
基体10は、リードフレーム40、制御素子30、並びにボンディングワイヤ51を基体10の樹脂に埋設させ一体化している。これにより、リードフレーム40と、制御素子30、ボンディングワイヤ51を埋設するとともに、これらを外気や水分から遮断し保護できる。また、基体10は、圧力センサ素子20が搭載される搭載部17を含み、搭載部17において、圧力センサ素子20を支持する。
基体10の材料は、例えば、エポキシ、PPS(ポリフェニレンサルファイド樹脂)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)等のエンジニアリングプラスチックなどの樹脂である。
基体10の構成樹脂のヤング率は、例えば1GPa〜50GPa(好ましくは10GPa〜30GPa)である。
【0027】
基体10は、リードフレーム40の下面41(リードフレーム40に対して−Z側)に形成される本体部16と、本体部16から、+Z方向に環状に突出する環状壁部12と、を有する。本体部16と環状壁部12とは一体である。
基体10の本体部16、および環状壁部12は、平面視円形であるがこれに限らず、矩形その他の多角形など、任意の形状とすることができる。
【0028】
環状壁部12は円筒状に形成され、円筒状の内部空間には、圧力センサ素子20が収容される収容部19が構成される。収容部19には、圧力センサ素子20を保護する保護剤60が満たされている。
収容部19の底面の一部には、基体10の一部として延出する搭載部17が形成されている。搭載部17は、上面42に形成され、圧力センサ素子20を搭載する搭載面17aが設けられている。
収容部19の底面であって、搭載部17が形成されない部分は、リードフレーム40の一部(ランド部44)が露出している。圧力センサ素子20は、ボンディングワイヤ50によって、露出したリードフレーム40と電気的に接続される。
【0029】
搭載部17は、基体10と別体の部材としても良い。その場合には、搭載部17を構成する材料として、基体10を構成する樹脂材料より軟らかい材料を選択することが好ましい。これにより、外力、吸湿、熱膨張等に起因して基体10が変形した際に圧力センサ素子20に加えられる応力を軽減し、圧力センサ1の測定精度を高めることができる。また、前述の搭載部17は、厚く形成するほどこの種の応力の影響を軽減でき、より測定精度を高める事ができる。
【0030】
基体10は、周囲を構成する面として上面10dと、下面10aと、上面10dおよび下面10aの間に位置する側面10cと、を備える。下面10aは本体部16の下側の面であり、上面10dは環状壁部12の上側の端面である。また、側面10cは、本体部16および環状壁部12の外周に形成される面である。
【0031】
側面10cは、平面視で略円形状を有する。また、側面10cには、2つの平坦面10eが設けられている。平坦面10eは、側面10cの一部であって、基体10の本体部16側に設けられている。2つの平坦面10eは、円形である側面10cの互いに反対側に位置し、互いに平行である。
【0032】
下面10aは、基体10の本体部16に位置する面である。下面10aの外形は、側面10cおよび側面10cに含まれる平坦面10eの平面視形状に由来して、2か所の直線により切り欠かかれた円形である。
【0033】
下面10aには、2つの凹部10bが設けられている。凹部10bは、側面10cの平坦面10eから連続して形成されている。凹部10bには、リードフレーム40のリード部45の一部である端子部45cが収容されている。1つの凹部10bには、それぞれ一対の端子部45cが収容されている。凹部10bは、リード部45の端子部45cの厚さより深く形成されている。
基体10の下面10aに端子部45cが収容される凹部10bが設けられていることで、端子部45cに負荷を加えることなく、基体10の下面10aで圧力センサ1を支持できる。
【0034】
リードフレーム40は、導電体であり、厚さが0.1mm〜3mmの板状体である。中でも、携帯機器に組み込まれるような小型で薄型な電子部品では、厚さが0.1mm〜0.3mmである薄型のリードフレーム40が用いられる。例えば、0.15mmのリードフレームを用いることができる。リードフレーム40は、屈曲されて基体10の外部に露出する部分を除き、主にX−Y平面と平行に配置されている。
リードフレーム40の下面41には、制御素子30が設置されている。また、リードフレーム40の下面41とは、反対側の上面42側には、基体10の一部である搭載部17を介し圧力センサ素子20が配置されている。
【0035】
リードフレーム40は、熱伝導性に優れた材料を有することが好ましい。これにより、圧力センサ素子20および制御素子30の過熱又は過冷却を防ぐことができる。したがって圧力センサ素子20および制御素子30の動作を安定化させるうえで有利である。
このような材料として、銅(Cu)、鉄(Fe)等の金属が好ましい。
【0036】
リードフレーム40は制御素子30が実装される実装部46と、圧力センサ素子20および制御素子30に電気接続するランド部44と、基体10に埋設された位置から基体10の外部に露出するとともに、側面10cと下面10aに沿って形成されたリード部45と、を有する。なお、本実施形態において、リードフレーム40は、4つのリード部45を有するが、リード部45の数はこれに限定されない。
【0037】
実装部46の下面41には、制御素子30が実装される。実装部46の下面41と制御素子30との間には、応力緩和層(図示略)を設けることが好ましい。これにより、外力、吸湿、熱膨張等に起因して制御素子30に加えられる応力を軽減できる。
【0038】
ランド部44は、下面41において、制御素子30とボンディングワイヤ51により電気的に接続される。また、ランド部44は、上面42において、圧力センサ素子20とボンディングワイヤ50により電気的に接続される。
ランド部44は、制御素子30と圧力センサ素子20の間の信号のやり取りを行う中継端子として設けられている。
【0039】
リード部45は、基体10の側面10cの一部である平坦面10eから外部に露出して延びている。リード部45は、先端側から順に、基体10の下面10aに沿って配置された端子部45cと、基体10の側面10cに沿って配置された中継部45aと、基体10の内部に埋設されるボンディング部45bと、を有している。
【0040】
リード部45は、ボンディング部45bにおいて、ボンディングワイヤ51を介し制御素子30と電気的に接続される。また、リード部45は、端子部45cにおいて、後段において説明する回路基板130のパッド131(図3参照)と半田接合される。これにより、圧力センサ1は、回路基板130と電気的に接続され信号の入出力が行われる。各リード部45は、圧力センサ1と外部との信号および電源のやり取りに用いられる端子であり、例えば、電源端子、接地端子、信号入力端子、信号出力端子等に対応して設けられる。
【0041】
リード部45は、ボンディング部45bの先端から基体10の外部に露出するとともに下方に折れ曲がって形成されている。これにより、基体10の側面10cの一部である平坦面10eに沿って延びる中継部45aが設けられている。
端子部45cは、中継部45aの下端から内側に折れ曲がって形成されている。端子部45cは、基体10の下面10aに設けられた凹部10bに収容されている。
なお、図1Aにおいて、中継部45aおよび端子部45cは、基体10に密着して図示されているが、基体10とは接触せずに基体10から浮き上がっていても良い。後段において説明する製造方法に示すように、基体10を成形した後にリード部45の曲げ成形を行う場合には、中継部45aおよび端子部45cは、スプリングバックにより、基体10から浮き上がった状態となる。
【0042】
端子部45cには、基体10と対向する面と反対の面に、半田8(図3参照)の濡れ広がりを抑制する凹溝部5が設けられている。凹溝部5は、端子部45cを先端側に位置する第1の領域6と、中継部45a側であり先端側から離れて位置する第2の領域7とに区画する。
端子部45cの第1の領域6は、回路基板130のパッド131(図3参照)と半田接合される。凹溝部5は、第1の領域6に接合される半田8が第2の領域7に濡れ広がることを抑制する。
【0043】
また、凹溝部5の断面形状は、円弧形状である。凹溝部5の断面形状を円弧形状とすることで、凹溝部5が形成された端子部45cにおいて、応力集中を抑制し、凹溝部5に起因する端子部45c強度低下を抑制できる。加えて、円弧形状の凹溝部5は、リードフレーム40のハーフエッチングにより容易に形成可能である。
【0044】
凹溝部5の深さは、リード部45の厚さの1/20以上、2/3以下が好ましい。これにより、溶融した半田の表面張力により硬化前の半田の濡れ広がりを確実に抑制できる。また、凹溝部5の深さは、リード部45の厚さの1/20以上、1/2以下であれば更に良い。これにより、半田の濡れ広がりを確実に抑制できるとともに、リード部45の強度を十分に確保することができる。
例えば、リード部45の厚さが0.15mmである場合では、凹溝部5の深さを0.0075mm以上、0.1mm以下とすれば、半田の濡れ広がりを確実に抑制できる。また、0.0075mm(7.5μm)以上、0.075mm以下であれば更に良い。これにより、半田の濡れ広がりを確実に抑制できるとともに、リード部45に強度を十分に確保することができる。
凹溝部5の幅は、100μm程度にできる。より具体的には、50μm以上200μm以下が好ましい。このような構成とすることにより、リード部45の強度を確保すると共に、ハーフエッチングにより凹溝部5を容易に形成できる。
【0045】
圧力センサ素子20は、例えば、シリコン等の半導体基板の一面に、ダイアフラム部と、基準圧力室としての密閉空間と、圧力によるダイアフラム部の歪抵抗の変化を測定するための複数の歪ゲージとを有する。各歪ゲージは、ボンディングワイヤ50を介し異なるランド部44にそれぞれ電気的に接続されている。
【0046】
圧力センサ素子20は、ダイアフラム部が圧力を受けて撓むと、各歪ゲージにダイアフラム部の歪み量に応じた応力が発生する。この応力に応じて歪ゲージの抵抗値が変化し、抵抗値変化に応じたセンサ信号が出力される。
圧力センサ素子20は、MEMS(Micro Electro-Mechanical Systems)技術を利用した圧力センサ素子である。
【0047】
圧力センサ素子20は、基体10の収容部19内に収容され搭載部17上に固定される。圧力センサ素子20は、搭載部17に、ダイボンド21を介して接着することができる。ダイボンド21としては、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、銀ペーストのうち何れか一種が使用できる。
圧力センサ素子20は、リードフレーム40の上面42側(リードフレーム40に対して+Z側)に設けられている。また、圧力センサ素子20は、平面視において、一部領域又は全部領域がリードフレーム40から外れた位置に配置されていても良い。
圧力センサ素子20は、搭載部17と対向する面と反対の面に接続されたボンディングワイヤ50を介して、リードフレーム40のランド部44に接続されている。
【0048】
図1Aに示すように、保護剤60は、収容部19内に充填されて圧力センサ素子20を覆い、圧力センサ素子20を外気や水分から遮断し保護する。
保護剤60としては、例えば、シリコーン樹脂やフッ素系の樹脂が使用できる。保護剤60は液状やゲル状とすることができる。保護剤60は高い粘性を持つことが好ましい。
保護剤60としては、例えば、硬さ1未満(タイプA硬さ、JIS K 6253に準拠)の柔らかいゲル剤を用いることが望ましい。これによって、測定対象から加えられる圧力を圧力センサ素子20に伝達できるため、圧力センサ素子20による圧力検出の精度を低下させることはない。また、基体10の変形の影響が保護剤60を通して圧力センサ素子20に伝わることも抑制できる。
保護剤60によって、水や外気の浸入を防ぎ、圧力センサ素子20への悪影響を防ぐことができる。
【0049】
上記した保護剤60は、その表面である被圧面60aが下方側に窪むような凹面状に形成されている。圧力センサ1は、保護剤60の被圧面60aに接触する測定媒体(水、又は空気等)の圧力を測定する。
【0050】
保護剤60は、光透過性が低く、可視光や紫外線を遮断することが好ましい。これにより、圧力センサ素子20の劣化を防ぐことができる。保護剤60に顔料等を含有させて光透過性を低くしても良い。
【0051】
制御素子30は、例えば集積回路(integrated circuit、IC)である。制御素子30は、平面視で矩形状を有する。制御素子30は、リードフレーム40の下面41であって、実装部46に配置される。制御素子30は、平面視において少なくとも一部が圧力センサ素子20に重なる位置に設けられる。このように制御素子30と圧力センサ素子20とが平面視で重なるように配置されることで、圧力センサ1を小型化することができる。
【0052】
制御素子30の回路は、リードフレーム40と向する面と反対の面に接続されたボンディングワイヤ51を介して、リードフレーム40のランド部44およびリード部45に接続されている。
制御素子30は、圧力センサ素子20からのセンサ信号が入力されると、センサ信号を処理して圧力検出信号として出力する。圧力センサ素子20からのセンサ信号は、ボンディングワイヤ50、ランド部44、ボンディングワイヤ51を介して、制御素子30に入力される。
【0053】
制御素子30は、外部温度を測定する温度センサと、温度センサからの信号をA/D変換して温度信号として出力するA/D変換器と、温度信号が入力される演算処理部とを有する。演算処理部では、温度信号に基づいて、圧力センサ素子20からのセンサ信号に補正処理を行うことができる。温度センサとしては、抵抗式(ブリッジ抵抗式)、ダイオード式、熱電対式、赤外線式等を採用できる。温度センサを内蔵することで、制御素子30は、系内の温度に応じて圧力検出信号を補正することができる。このため、精度の高い圧力測定が可能となる。
【0054】
次に、圧力センサ1を製造する方法の一例を、図2A図2Dを参照しつつ説明する。
(制御素子の実装)
まず、図2Aに示すように、リードフレーム基板40Aを用意する。リードフレーム基板40Aは、リード部45Aが屈曲されていないこと以外はリードフレーム40と同じ構成である。
リードフレーム基板40Aのリード部45Aは全長にわたってX軸方向に沿って直線的に形成されている。リードフレーム基板40Aの外形は、エッチングにより形成されている。また、リードフレーム基板40Aの外形は、プレス加工によりせん断加工により成形しても良い。リードフレーム基板40Aのリード部45Aの上面(+Z側の面)には、予め凹溝部5が設けられている。凹溝部5は、エッチング(ハーフエッチング)により形成することができる。これにより、凹溝部5と第1の領域6との境界に鋭利なエッジ5a(図5Aおよび図5B参照)を形成し、表面張力による半田の濡れ広がり抑制の効果を高めることができる。また、凹溝部5は、フォトリソグラフィにより形成しても良く、また、機械加工により形成しても良い。
【0055】
次いで、リードフレーム基板40Aの実装部46の下面41に制御素子30を設置する。さらに、制御素子30とリード部45Aとをボンディングワイヤ51によって互いに接続する。
【0056】
次いで、図2Bに示すように、制御素子30、ボンディングワイヤ51、並びにリードフレーム基板40Aの一部(特に実装部46とリード部45Aのボンディング部45b)を覆うように基体10を形成する。基体10は、制御素子30、ボンディングワイヤ51、並びにリードフレーム基板40Aの一部を一体とするインサート成形により形成する。基体10は、実装部46に制御素子30を実装した状態のリードフレーム基板40Aを金型の間に挟み込んで、金型間の空間に樹脂材料を儒運転して成形する。リードフレーム基板40Aは、リード部45Aの中継部45aおよび端子部45cに相当する部分が基体10から露出した状態で、基体10に埋設される。
【0057】
次いで、図2Cに示すように、基体10の側面10cから突出するリード部45Aを、側面10cおよび下面10aに沿うように、2か所で屈曲させる曲げ成形を行う。曲げ成形によって、基体10から突出し露出するリード部45Aの根元側に中継部45aを形成する。中継部45aは、基体10の側面10cの一部である平坦面10eに沿って配置させる。また、曲げ成形によってリード部45Aの先端側に端子部45cを形成する。端子部45cは、基体10の下面10aに設けられた凹部10bに収容される。
【0058】
リード部45Aの曲げ成形により、曲げた所から金属微粒子が発生することがある。制御素子30は、基体10に覆われているため、金属微粒子が制御素子30に付着することはなく、金属微粒子に起因して、制御素子30の不具合は抑制される。
【0059】
次いで、図2Dに示すように、基体10の搭載部17に圧力センサ素子20を搭載する。圧力センサ素子20は、ダイボンド21を介して搭載部17に接着する。さらに、圧力センサ素子20とリードフレーム40とをボンディングワイヤ50によって互いに接続する。
【0060】
次いで、図1Aに示すように、基体10の収容部19に保護剤60を充てんし、圧力センサ素子20を覆う。
以上の工程を経て、図1Aに示す圧力センサ1を得る。
【0061】
図3は、圧力センサモジュール100の断面模式図である。上述の圧力センサ1の使用例の一例として、圧力センサ1が組み込まれた圧力センサモジュール100について、図3を基に説明を行う。
【0062】
圧力センサモジュール100に組み込むに際して、圧力センサ1には、基体10の上面に一体的に設けられたシール体80が設けられている。
圧力センサモジュール100は、シール体80が設けられた圧力センサ1と、圧力センサ1が格納される格納部115を備えた筐体110と、圧力センサ1の上方から格納部115を覆う蓋体120と、圧力センサ1の端子部45cと接続される回路基板130と、を有する。
圧力センサモジュール100は、圧力センサ1の保護剤60の表面に形成された被圧面60aに測定媒体(水、又は空気等)を導入しつつ、筐体内部110cに水が浸入させない構造とされている。
【0063】
図3に示すように、シール体80は、基体10の上面10dに接着剤85を介して接着固定されたパッキンである。シール体80は、基体10の上面10dに重ねられ基体10と固着する重ね部82と、重ね部82と一体的に形成され重ね部82の外側に配置される鍔部81とを有する。
シール体80の材料は、アクリレート系の樹脂、シリコーン樹脂、ゴム等を採用することができる。シール体80は、弾性を有し、挟圧されることで止水部材(シール部材)として機能する。
シール体80のヤング率は、止水部材として機能させるために基体10の構成樹脂のヤング率の1/10以下とすることが好ましい。例えばシール体80のヤング率は、10MPa程度が好ましい。
【0064】
接着剤85は、特に限定されるものではないが、例えばシール体80を構成する材料(例えばアクリレート系の樹脂)と同じ材料を未硬化の状態で塗布し、硬化させて用いることができる。シール体80と基体10との重ね部82における固着は、接着剤85を介して行うものに限らず、基体10に一体成形することで、固着させたものであっても良い。
シール体80は、基体10に一体的に固着させることで、シール体80と基体10との間を止水できる。なお、ここで「一体的」とは、シール体80と基体10とが互いに隙間なく固着した状態であることを意味する。
【0065】
図3に示すように、筐体110は、圧力センサ1が組み込まれる圧力センサモジュール100の外形をなし、筐体内部110cを防水、保護する為に設けられている。筐体110の材料は、ステンレス合金、アルミニウム合金、樹脂などである。
筐体110は、外形を形成する複数の面の一つとして蓋体120を固定する取付面110aを有している。取付面110aには、図示略のネジ穴が設けられ図示略の固定ボルトによって蓋体120を筐体110に固定する。また、取付面110aには、圧力センサ1を格納するための格納部115が設けられている。
【0066】
格納部115の開口周縁には、シール体80の鍔部81が収容される段差部117が形成されている。段差部117は、鍔部81の外径より若干大きく形成されている。段差部117において、蓋体120に対向する側には対向面117aが設けられている。対向面117aはシール体80の鍔部81を挟圧する為に平坦に形成されている。
【0067】
格納部115は、基体10の側面10cの形状と平面視で若干大きく形成され、基体10を上方からスムーズに挿入し収容できる。格納部115の底面115aは、基体10の下面10aを支持するために十分な面積が確保されている。
格納部115の底面115aには、筐体内部110cまで貫通する端子接続孔118が設けられている。端子接続孔118は、基体10の下面10aから露出するリード部45を筐体内部110cに開放させるために設けられている。端子接続孔118には、圧力センサ1の端子部45cと半田接合される回路基板130が設けられている。
【0068】
半田8の種類は、特に限定されず、例えば、Sn、Sn−Pb系合金半田、Sn−Ag系合金、Sn−Bi系合金、Sn−Cu系合金、Sn−In系合金等の鉛フリー半田、共晶半田、低温半田等が挙げられ、これらの半田を1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。
【0069】
図4は、圧力センサモジュール100に組み付けられた圧力センサ1の下面図である。図4において、格納部115の底面115aに設けられた端子接続孔118を二点鎖線で示す。
図4に示すように、端子接続孔118は、平面視で圧力センサ1の端子部45cの第1の領域6を囲むように形成されている。第1の領域6は、回路基板130と半田接合される領域である。したがって、端子接続孔118は、半田接合される第1の領域6を開放する。また、格納部115の底面115aは、平面視で端子部45cの第2の領域7と重なり、第1の領域6と重ならない。即ち、底面115aは、基体10の下面10aにおいて、半田8が形成される領域を支持しない。
【0070】
図3に示すように、蓋体120は、筐体110の取付面110aに対向して配置される平板である。蓋体120は、圧力センサ1の上方から格納部115を覆うように筐体110の取付面110aにボルト固定(図示略)されている。蓋体120には、圧力センサ1に測定媒体(水、又は空気等)を導入するための圧力導入孔121が設けられている。また、蓋体120は、筐体110に対向する平坦な下面120aを有している。下面120aは、筐体110の取付面110aと当接する。
蓋体120は、例えばステンレス合金、アルミニウム合金、樹脂などから形成されている。
【0071】
回路基板130は、PCB(Printed Circuit Board)、FPC(Flexible Printed Circuit)などのプリント配線基板である。回路基板130は、表面に半田実装用のパッド131を有する。圧力センサ1の下面10aにパッド131を対向させて配置されている。
図4において、回路基板130のパッド131の位置関係を二点鎖線で示す。
図4に示すように、平面視で(即ち、端子部45cの第1の領域6と直交する方向から見て)、パッド131は、圧力センサ1の端子部45cの第1の領域6と重なるように配置される。また、端子部45cの第1の領域6側の凹溝部5のエッジ5aとパッド131の周縁とは、距離Hのズレを許容する。距離Hは、500μm以下であることが好ましい。パッド131と、第1の領域6とのずれが±500μm以下であることで、半田8を介し接合される領域同士のズレを少なくし、半田8によりこれらを確実に接合できる。
【0072】
図5Aおよび図5Bは、圧力センサ1の端子部45cと回路基板130のパッド131とを接合する半田8の状態を示す模式図である。半田8の量が比較的少ない場合は、図5Aに示すように、半田8は、パッド131側から端子部45cに向かって(又は、端子部45cからパッド131に向かって)、広がるように形成される。一方で、半田8の量が比較的多い場合には、図5Bに示すように、半田8は、外側に膨出した形状となる。何れの場合であっても、凹溝部5のエッジ5aにおいて、半田8が第1の領域6から、第2の領域7に濡れ広がることが抑制される。
図5Bに示す場合よりさらに半田量が多い場合には、凹溝部5の第1の領域6のエッジ5aにおける表面張力を決壊して、溶融した半田8が凹溝部5に半田が流れ込む。この場合は、凹溝部5の第2の領域7のエッジ5bにおいて、さらに表面張力で半田の濡れ広がりが抑制される。したがって、凹溝部5が形成されることで、半田8の量が多い場合であっても、第2の領域7への半田の濡れ広がりを抑制できる。
【0073】
本実施形態の圧力センサ1は、断面形状が円弧形状である凹溝部5を有する。しかしながら、凹溝部の断面形状は、これに限るものではない。図6図7に本実施形態に採用可能な凹溝部5A、5Bを示す。
図6に示す凹溝部5Aは、断面形状がV字状のV字溝である。また、図7の凹溝部5Bは、矩形状の溝である。凹溝部5A、5Bを採用した場合であっても、本実施形態の凹溝部5と同様に、半田の濡れ広がり抑制の効果を得ることができる。
【0074】
本実施形態の圧力センサ1によれば、端子部45cの第1の領域6を半田接合する場合に、凹溝部5のエッジ5aによって溶融状態の半田8の濡れ広がりを抑制し、半田8が第2の領域7に広がることがない。したがって、安定した半田8による接合が可能となる。
【0075】
また、凹溝部5が設けられていることで、端子部45cの第2の領域7から連続して上方に延びる中継部45aに半田8が濡れ広がることがない。圧力センサ1の外形が、濡れ広がった半田8の厚さだけ大きくなる虞がなく、外形寸法を設計通りに設定できる。これにより、筐体110の格納部115に圧力センサ1をスムーズに収容できる。また、筐体110の格納部115の内壁面と、中継部45aとの接触を抑制でき、電気的な不安定さを招くことがない。
【0076】
本実施形態の圧力センサモジュール100は、筐体110の格納部115の底面115aで圧力センサ1を支持する。底面115aは、平面視で端子部45cの第2の領域7と重なる部分を支持する。第2の領域7は、半田8の濡れ広がりがないため、半田8による厚みの増加がない。したがって、第2の領域7は、基体10の下面10aに設けられた凹部10bから下面10aより下方に飛び出すことがない。これによって、格納部115の底面115aにおける、圧力センサ1の支持を安定的に行うことができる。さらに、基体10の上面10d側に設けられたシール体80の重ね部82の圧縮を均一に行うことができる。
【0077】
また、本実施形態の圧力センサモジュール100は、圧力センサ1が筐体110の格納部115に格納され、上方から蓋体120に覆われシール体80が圧縮されることで、筐体内部110cに水が浸入しない防水構造を実現する。
【0078】
シール体80の鍔部81は、段差部117の対向面117aと、蓋体120の下面120aとの間で挟み込まれて圧縮される。また、圧力センサ1のシール体80は、基体10と一体的に形成されており、基体10の上面10dとシール体80の重ね部82との間は、止水されている。
したがって、圧力センサモジュール100によれば、蓋体120の圧力導入孔121から浸入する水分、並びに蓋体120の下面120aと筐体110との間から浸入する水分が、筐体内部110cに浸入することを防止できる。
【0079】
また、シール体80の重ね部82および基体10は、格納部115の底面115aと、蓋体120の下面120aとの間で挟み込まれて圧縮される。圧力センサモジュール100は、鍔部81の圧縮により防水が確保されているため、重ね部82は、必ずしも防水に必要な程度に圧縮されている必要はない。重ね部82の圧縮率を高めすぎると、基体10が変形し、圧力センサ素子20の測定に影響を与える虞がある。したがって、重ね部82の圧縮は、格納部115の内部での圧力センサ1の位置ずれを抑制しる程度の適度な圧縮とすることが好ましい。これにより、格納部115の内部での圧力センサ1の位置ずれを抑制しつつ、基体10の変形を抑えた信頼性の高い圧力センサモジュール100を提供できる。
【0080】
第2実施形態
次に第2実施形態について説明する。
図8は、第2実施形態の圧力センサ2の下面図であり、第1実施形態の図1Bに対応する図である。
第2実施形態の圧力センサ2は、基体210の下面210aに設けられた凹部210bの形状が異なる。また、第2実施形態の圧力センサ2は、端子部45cに設けられた凹溝部205の構成が異なる。
なお、上述の第1実施形態と同一態様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0081】
第2実施形態の圧力センサ2は、凹溝部205が、各リード部45に対応して設けられている。4つのリード部45は、基体210の下面210aにおいて、それぞれ異なる凹溝部205に収容されている。これにより、互いに隣接するリード部45同士が、接触することがない。したがって、リード部45同士の短絡をより確実に防ぐことができる。
【0082】
また、第2実施形態の圧力センサ2は、凹溝部205が、端子部45cを第1の領域6と第2の領域7とに区画する区画線Lに沿って断続的に形成されている。
凹溝部205は、複数の短溝部205bを有している。短溝部205bは、区画線Lに沿って、並んでいる。隣り合う短溝部205b同士の間には、溝間部205aが位置している。溝間部205aは、第1の領域6および第2の領域7に連続する平坦な面である。
【0083】
区画線Lに沿って並ぶ短溝部205bは、それぞれ表面張力によって、半田8が第2の領域7に濡れ広がることを抑制する。また、短溝部205b同士の間の溝間部205aは平坦であるが、短溝部205bで生じる表面張力によって、溶融した半田8は、溝間部205aから第2の領域7に濡れ広がることが抑制される。
隣り合う短溝部205b同士の距離(即ち、溝間部205aの区画線Lに沿った長さ)は、短溝部205bの長さに対して、1/3以下とすることが好ましい。この範囲であれば、溝間部205aからの濡れ広がりを短溝部205bで生じる表面張力によって十分に抑制できる。
【0084】
第2実施形態の圧力センサ2によれば、断続的に凹溝部205を形成し、隣り合う短溝部205b同士の間に溝間部205aを形成することで、端子部45cの強度を高めることができる。
【0085】
以上に、本発明の様々な実施形態を説明したが、各実施形態における各構成およびそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。また、本発明は実施形態によって限定されることはない。
【0086】
例えば、各実施形態として、半田が端子部の第1の領域に接合される例を説明したが、端子部が第2の領域において回路基板と半田接合され、凹溝部5が第1の領域6への半田の濡れ広がりを抑制する構成としても良い。
【0087】
また、各実施形態において、凹溝部は、端子部の延在方向と直交するように直線状に延びている例を説明した。しかしながら、凹溝部は必ずしも直線的に延びていなくても良い。例えば、凹溝部は、端子接続孔118の形状に沿って延びていても良い。
【符号の説明】
【0088】
1、2…圧力センサ、5、5A、5B、205…凹溝部、5a、5b…エッジ、6…第1の領域、7…第2の領域、8…半田、10、210…基体、10a、210a…下面、10b、210b…凹部、10c…側面、10d…上面、10e…平坦面、19…収容部、20…圧力センサ素子、30…制御素子、40…リードフレーム、40A…リードフレーム基板、45、45A…リード部、45a…中継部、45b…ボンディング部、45c…端子部、50、51…ボンディングワイヤ、60…保護剤、80…シール体、81…鍔部、82…重ね部、100…圧力センサモジュール、110…筐体、115…格納部、115a…底面、117…段差部、118…端子接続孔、120…蓋体、121…圧力導入孔、130…回路基板、131…パッド、205a…溝間部、H…距離
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
【国際調査報告】