特表-16121072IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2016年8月4日
【発行日】2017年12月21日
(54)【発明の名称】飛行ロボット装置
(51)【国際特許分類】
   B64C 39/02 20060101AFI20171124BHJP
   B64C 13/16 20060101ALI20171124BHJP
   B64F 3/02 20060101ALI20171124BHJP
   B65H 75/48 20060101ALI20171124BHJP
   H02J 9/06 20060101ALI20171124BHJP
   H02J 7/34 20060101ALI20171124BHJP
【FI】
   B64C39/02
   B64C13/16 Z
   B64F3/02
   B65H75/48 Z
   H02J9/06 110
   H02J7/34 G
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】31
【出願番号】特願2016-571613(P2016-571613)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2015年1月29日
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】515100042
【氏名又は名称】株式会社自律制御システム研究所
(71)【出願人】
【識別番号】591117413
【氏名又は名称】株式会社菊池製作所
(71)【出願人】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095706
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 克文
(72)【発明者】
【氏名】野波 健蔵
(72)【発明者】
【氏名】藤井 知
(72)【発明者】
【氏名】サマラサンガ ワサンタ
(72)【発明者】
【氏名】ヴォイタラ ティトゥス
(72)【発明者】
【氏名】荒井 英臣
(72)【発明者】
【氏名】楠見 泰之
【テーマコード(参考)】
3F068
5G015
5G503
【Fターム(参考)】
3F068AA12
3F068BA00
3F068DA05
3F068EA02
3F068FA06
3F068HA03
3F068HA08
5G015FA16
5G015GB06
5G015HA02
5G015HA03
5G015JA34
5G015JA53
5G015JA55
5G015JA56
5G015KA12
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503DA05
5G503GA01
5G503GA12
5G503GB03
(57)【要約】
飛行ロボットが安定して連続飛行可能であると共に、空中から農薬散布、空撮等の作業が可能であり、急激な負荷変動や給電ケーブルの断線によっても飛行ロボットが墜落する恐れがない飛行ロボット装置を提供する。
飛行ロボット装置1は、飛行ロボット10と、飛行ロボット10に送電ケーブル30を介して電力を供給する地上側電源装置50とを備える。ロボット側制御装置20は、地上側電源装置50からケーブル30を介して供給される高電圧Vを低電圧VLに変換してモータ14に供給し、作用するケーブル30の荷重に応じてモータ14の出力を制御する。地上側電源装置50は、飛行ロボット10と地上側電源装置50の距離に応じてVを制御する。モータ14の駆動電流の低下または消失に基づき、必要に応じて、飛行ロボット10上の補助バッテリー66a〜66cからバッテリー電圧VBをモータ14に供給する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飛行ロボットと、
前記飛行ロボットに可撓性送電ケーブルを介して電力を供給する地上側電源装置とを備え、
前記飛行ロボットは、
推進手段と、
前記推進手段を駆動する電動モータと、
前記飛行ロボットに作用する前記送電ケーブルの荷重に応じて前記電動モータの出力を制御する第1制御部と、
前記地上側電源装置から前記送電ケーブルを介して供給される高電圧を低電圧に変換して前記電動モータに供給する高圧/低圧変換部と、
前記高圧/低圧変換部で生成された前記低電圧を前記電動モータに供給するメイン電源装置と、
必要に応じて前記電動モータに補助電圧を供給するサブ電源装置と、
前記補助電圧を供給する補助バッテリーとを備えており、
前記地上側電源装置は、
前記送電ケーブルを介して前記高電圧を前記高圧/低圧変換部に送電する高圧送電部と、
前記飛行ロボットと前記地上側電源装置の間の距離に応じて、前記高圧送電部が送電する前記高電圧の値を制御する第2制御部とを備えており、
前記サブ電源装置は、前記メイン電源装置の出力が低下または消失すると、前記補助バッテリーから前記補助電圧を前記電動モータに供給する
ことを特徴とする飛行ロボット装置。
【請求項2】
前記地上側電源装置の前記高圧送電部が送電する前記高電圧が、直流電圧とされている請求項1に記載の飛行ロボット装置。
【請求項3】
前記飛行ロボットの前記高圧/低圧変換部が出力可変のDC−DCコンバータとされている請求項1または2に記載の飛行ロボット装置。
【請求項4】
前記地上側電源装置の前記高圧送電部がAC−DCコンバータとされ、前記飛行ロボットの前記高圧/低圧変換部がDC−DCコンバータとされている請求項1または2に記載の飛行ロボット装置。
【請求項5】
前記メイン電源装置の負荷容量の低下が検出されると、前記サブ電源装置が、前記メイン電源装置から供給される前記低電圧に加えて、前記補助バッテリーから前記補助電圧を前記電動モータに供給するように構成されている請求項1〜4のいずれかに記載の飛行ロボット装置。
【請求項6】
前記メイン電源装置からの出力の喪失が検出されると、前記サブ電源装置の動作が停止されると共に、前記補助バッテリーから前記補助電圧を前記電動モータに直接供給するように構成されている請求項1〜5のいずれかに記載の飛行ロボット装置。
【請求項7】
前記地上側電源装置から前記送電ケーブルを介して供給される前記高電圧を用いて、前記補助バッテリーを充電することで、放電による前記補助電圧の低下を防止する充電用電源装置をさらに備えている請求項1〜6のいずれかに記載の飛行ロボット装置。
【請求項8】
地上側で前記送電ケーブルの余剰分を巻き取るケーブル巻取機をさらに備えており、
前記ケーブル巻取機による前記送電ケーブルの送り出し及び巻き取りが、前記飛行ロボットと前記地上側電源装置の間の距離に応じて自動的に調整されるように構成されている請求項1〜7のいずれかに記載の飛行ロボット装置。
【請求項9】
前記飛行ロボットが、飛行中の前記飛行ロボットの位置を検出する位置検出センサと、前記位置検出センサの出力信号を無線で前記地上側電源装置に送信する送受信部とを備えており、
前記地上側電源装置の前記第2制御部は、前記高圧送電部が送電する前記高電圧の値の制御を、前記出力信号を受信して行うように構成されている請求項1〜8のいずれかに記載の飛行ロボット装置。
【請求項10】
前記飛行ロボットに接続された通信ケーブルをさらに備えており、前記通信ケーブルは前記送電ケーブルに一体化または付属されている請求項1〜9のいずれかに記載の飛行ロボット装置。
【請求項11】
前記ケーブル巻取機が、前記送電ケーブルの送り出し及び巻き取りを行うケーブル巻取用モータを備えており、
前記ケーブル巻取用モータによる前記送電ケーブルの送り出し及び巻き取りは、前記飛行ロボットと前記地上側電源装置の間の距離に応じて、前記第2制御部によって制御される請求項8に記載の飛行ロボット装置。
【請求項12】
前記ケーブル巻取機が、前記送電ケーブルをその巻き取り方向に付勢する付勢部材を備えており、
前記送電ケーブルの送り出しは、前記付勢部材の巻き取り力に抗して前記送電ケーブルを引き出すことによって行われ、前記送電ケーブルの巻き取りは、前記付勢部材の巻き取り力によって行われるように構成されている請求項8に記載の飛行ロボット装置。
【請求項13】
前記飛行ロボットの前記第1制御部と前記地上側電源装置の前記第2制御部の少なくとも一方で、PID制御方式が使用されている請求項1〜12のいずれかに記載の飛行ロボット装置。
【請求項14】
地上側に設置された、前記ケーブルの絡みつきを防止する絡みつき防止部材をさらに備えている請求項1〜13のいずれかに記載の飛行ロボット装置。
【請求項15】
前記飛行ロボットが、電動ヘリコプタの構成を持っている請求項1〜14のいずれかに記載の飛行ロボット装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飛行ロボット装置に関し、さらに言えば、外部から有線で給電しながら連続飛行することができると共に、空中から農薬散布、空撮、放射線計測等の種々の作業を無人で行うことができ、しかも、突風や給電線の断線があっても墜落する恐れがない、産業用の飛行ロボット装置に関する。
【背景技術】
【0002】
空中で所定の作業を行うための飛行ロボットとしては、従来、電動ヘリコプタや電動飛行機のような形態が知られているが、これらはいずれも、電動モータと、それを駆動するバッテリー(例えばリチウムイオン・バッテリー)とを搭載していて、そのバッテリーの容量範囲内で自律飛行しながら作業をするように構成されている。このため、飛行時間は15〜30分程度の短時間に限られるのが一般的である。
【0003】
そのうえに、作業に応じて飛行ロボットのペイロード(積載物の重量)が増加すると、さらに飛行に必要な電力消費量が増加するため、飛行時間がいっそう制約されることになる。例えば、ペイロードが15kg以上になると、飛行時間が5分以下になってしまい、事実上、作業に使用できなくなる。他方、同じペイロードを搭載しながら飛行時間を延ばそうとすると、飛行ロボットに搭載するバッテリーの重量が増加するため、その増加した重量分だけ実質的なペイロードが減少してしまう。そこで、この種飛行ロボットによる空中での無人作業を実用化するためには、何らかの方策によって、このような難点(トレードオフ)を解消することが必要である。
【0004】
本発明に関連する従来技術としては、例えば、特許文献1(特表平11−509758号公報)に開示された、室内等の閉塞領域内で遠隔操作により飛行可能な玩具飛行機が開示されている。この玩具飛行機は、模型飛行機と、当該模型飛行機に可撓性ケーブルを介して接続された遠隔制御装置とを備えている。前記模型飛行機上の電気モータへの電力供給は、前記遠隔制御装置に内蔵された電源(バッテリー)から前記ケーブルを介して
行われる。前記ケーブルは、前記模型飛行機の下部においてその重心近傍に接続されている。前記模型飛行機の浮遊重量は1.5g/dm2以下と非常に小さく、産業用途ではなく、玩具であるからであり、また、前記電源が前記遠隔制御装置に内蔵されており、前記模型飛行機に搭載されていないからである。さらに、前記模型飛行機は固定昇降舵を有していて、その上昇及び下降は前記電気モータへ供給される電気エネルギーを変化させることによって行われる。前記模型飛行機の方向舵の駆動(すなわち高度の調整)は、インダクションコイルに印加される直流(DC)電圧を変化させることによって駆動される(要約、請求項1〜4と発明の詳細な説明の対応箇所、図1〜4を参照)。
【0005】
本発明に関連する他の従来技術としては、特許文献2(特開平2−299998号公報)に開示された遠隔操縦式ヘリコプタの操縦機構がある。この遠隔操縦式ヘリコプタの操縦機構は、発信器からの信号を機体に装備された受信器に受けて遠隔操縦される遠隔操縦式ヘリコプタの操縦機構であって、ヘリコプタの機体に取り付けられたテンションロープを巻き取るリールAと、前記発信器と前記受信器を結ぶ信号伝達ケーブルを巻き取るリールBとを備え、これら両リールA、BをリールBの送り出し量及び巻き取り量がリールAのそれよりも常に大きくなるように相連動せしめるとともに、前記信号伝達ケーブルは前記テンションロープにガイドされてその送り出し及び巻き取りがなされるように構成されている。この操縦機構によれば、ヘリコプタのペイロードの低下を最小限に抑えて有線コントロールを可能とし、当該ヘリコプタの操縦操作の容易化及び現実化を図ることができる(特許請求の範囲と発明の詳細な説明の対応箇所、第1図〜第3図を参照)。
【0006】
本発明に関連するさらに他の従来技術としては、特許文献3(特開2009−178592号公報)に開示された浮遊体がある。この浮遊体は、胴部と、前記胴部の両側に取り付けられた一対の主翼と、前記一対の主翼の間に設けられ、それら主翼の羽ばたく方向に延在する巻き取り軸と、前記一対の主翼と一端がそれぞれ接続され、他端が前記巻き取り軸にそれぞれ接続された一対の糸と、前記胴部に取り付けられ、前記糸を巻き取る軸を回転させる主翼動力装置とを備えている。この浮遊体は、自励的な羽ばたき運動をするものであり、部屋の中や屋外にて浮遊させる玩具であり、空中に浮かび泳ぐ物体を意味しており、ヘリコプタや飛行機は含まない。また、この浮遊体は、重力に逆らって歩行速度(3m/秒)以下の低速度で飛び、全体の重量に対する翼面荷重が3ニュートン/平方メートル以下とされている。前記主翼動力装置は、好ましくは、直流モータと、当該直流モータに交流を供給する交流電源とを備える。この場合、直流モータが動作する周波数の低い交流信号を前記直流モータに供給することにより、主翼をなめらかに羽ばたかせることが可能となる。(要約、請求項1、8、段落0001、0006〜0007、0012〜0014、0049〜0050、0067〜0071、図1〜5、図21〜22、図33を参照)。
【0007】
本発明に関連するさらに他の従来技術としては、特許文献4(特開2004−256020号公報)に開示された小型無人ヘリコプタの自律制御装置がある。この自律制御装置は、小型無人ヘリコプタの現在位置、姿勢角、対地高度、及び機首絶対方位を検知するセンサと、地上局から設定される位置または速度の目標値とセンサで検知される小型無人ヘリコプタの現在位置及び姿勢角とからヘリコプタ機体の5つの舵を動かす夫々のサーボモータを駆動させるための最適な制御指令値を演算する主演算部と、センサからのデータの収集や、主演算部が出力する数値としての演算結果からサーボモータが受け付けることのできるパルス信号への変換を行う副演算部とを備えている。この自律制御装置によれば、設定する位置や速度の目標値に向けてホビー用のラジコンヘリコプタほどの大きさ及び重量の小型無人ヘリコプタを自律制御させることができる(要約、請求項1、段落005〜0061、図1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特表平11−509758号公報
【特許文献2】特開平2−299998号公報
【特許文献3】特開2009−178592号公報
【特許文献4】特開2004−256020号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述した従来の飛行ロボットが持つ難点、すなわち、ペイロード(積載物の重量)を増加させようとすると、電力消費量が増加して飛行時間がいっそう制約され、逆に、飛行時間を延ばそうとすると、搭載するバッテリーの重量が増加してペイロードがさらに減少する、という難点は、上述した特許文献1の「玩具飛行機」のように、飛行ロボット上の電動モータへの電力供給を、地上側の電源(バッテリー)から可撓性ケーブルを介して行うと、解消することが可能である。しかし、この場合、送電出力が100Wにも満たず、産業用途としては不十分である。また、ケーブルの全長が数m〜数十mとかなり長くなるから、このような長尺のケーブルを介して飛行ロボット上の電動モータに電力供給する構成にすると、別の問題が生じる。
【0010】
第一の問題は、長尺のケーブルを介して数KW以上の電力供給をすることによって電圧降下が生じるため、電動モータへの印加電圧が地上側の電源電圧(供給電圧)よりもかなり低下してしまうことである。しかも、その電圧降下量は、ケーブルの長さの変動に伴って変化する。このように不安定な電圧を電動モータに印加すると、飛行ロボットの飛行状況に大きな影響を与える恐れがある。
【0011】
第二の問題は、ケーブルによる負荷(荷重)の変動に伴って電動モータの出力を調整する必要があることである。飛行中には、ケーブルの一部が飛行ロボットから垂れ下がる形になるため、ケーブルの重量の一部(ケーブル重量による負荷)が飛行ロボットに作用する。しかも、その負荷は、飛行ロボットの高度や水平位置の変化に伴って変動する。さらに、強風や突風などに起因してケーブルに引っ張り力が作用すると、その負荷が一時的に増加する。このため、ケーブル重量による負荷の変動に伴って電動モータの出力をリアルタイムに調整する必要がある。
【0012】
第三の問題は、飛行ロボットから垂れ下がったケーブルが長くなると、飛行ロボットの高度または水平位置の急激な変化や突風などによって、ケーブルが絡みついてしまい、その後の飛行ロボットの飛行に支障が生じる恐れがあることである。したがって、このようなケーブルの絡みつきについても対策が必要になる。
【0013】
第四の問題は、飛行中に飛行ロボットが突風を受けたり、給電ケーブルが断線したりすると、飛行ロボットが墜落する恐れがあることである。飛行ロボットの推進手段(例えばロータ)を駆動する電動モータの多くは、DCブラシレスモータであるため、電動モータの駆動電源としてDC−DCコンバータが使用されることが多い。DC−DCコンバータは、小型化するためにスイッチング方式を使った電源回路になっており、負特性を持っている。このため、急激な負荷変動に対応できず、出力がいきなりゼロになってしまうことがある。例えば、飛行中に突風を受けて電動モータへの出力を急激に増加する必要が生じた場合、DC−DCコンバータがその負荷変動に対応できず、いきなり出力電圧がゼロになってしまうことがあるのである。そうなると飛行ロボットは墜落してしまうから、何らかの対策が必要である。
【0014】
また、飛行ロボットへ給電するケーブルが何らかの原因で断線した場合も、やはり飛行ロボットが墜落してしまうから、これについても何らかの対策が必要である。
【0015】
しかし、上述した特許文献1には、ケーブルを介して模型飛行機上の電動モータに電力供給する構成が開示されているだけであり、上述した第一〜第四の問題は認識されていないし、それらに対する対処法についてもなんら開示・示唆されていない。
【0016】
上述した特許文献2の「遠隔操縦式ヘリコプタの操縦機構」には、ケーブルの絡みつきという上記第三の問題を回避する方策の一案が開示されている。しかし、この操縦機構では、テンションロープでヘリコプタの飛行範囲を制限しながら、発信器と受信器を結ぶ信号伝達ケーブルで制御信号を伝達するようにしているため、リールA及びリールBが必要になると共に、リールAによるテンションロープの送り出しと巻き取りに応じて、リールBによる信号伝達ケーブルの送り出し及び巻き取りを制御する必要があるため、ケーブル絡みつき防止機構の構成及び制御が複雑になってしまう、という難点がある。なお、特許文献2では、上記第一、第二及び第四の問題については認識されていないし、それらに対する対処法についてもなんら開示・示唆されていない。
【0017】
上述した特許文献3の「浮遊体」には、直流モータと、当該直流モータに交流を供給する交流電源とを備えた主翼動力装置が使用した例が含まれており、これは、直流モータが動作する周波数の低い交流信号を前記直流モータに供給することによって、主翼をなめらかに羽ばたかせるようにするものである。主翼の羽ばたきが必要なのは、この浮遊体が、一対の主翼に自励的な羽ばたき運動をさせることによって、部屋の中や屋外にて浮遊させる玩具であるからである。したがって、上述した第一〜第四の問題を回避する方策には使えないことが明らかである。なお、特許文献3では、そもそも、上述した第一〜第四の問題は認識されていない。
【0018】
上記特許文献4の小型無人ヘリコプタの制御装置は、小型無人ヘリコプタの自律制御を実現しているが、それに止まり、上述した第一〜第四の問題は認識されていないし、それらに対する対処法についてもなんら開示・示唆されていない。
【0019】
本発明は、以上述べたような事情を考慮してなされたものであり、その主たる目的は、飛行ロボットに搭載されるバッテリーの容量に起因して飛行時間やペイロードが制限されることなく、安定して飛行ロボットを連続飛行させることができると共に、飛行ロボットに空中から農薬散布、空撮、放射線計測等の種々の作業を行わせることができる、産業用の飛行ロボット装置を提供することにある。
【0020】
本発明の他の目的は、突風等を受けて飛行ロボットに急激な負荷変動が生じたり、給電ケーブルが断線したりしても、飛行ロボットが墜落する恐れがない、産業用の飛行ロボット装置を提供することにある。
【0021】
本発明のさらに他の目的は、飛行ロボットと地上側電源装置を接続するケーブルに起因する電圧降下や飛行ロボットの荷重変動を、簡単な構成で抑制することができる、産業用の飛行ロボット装置を提供することにある。
【0022】
本発明のさらに他の目的は、飛行ロボットの高度または水平位置の急激な変化や風などによって、飛行ロボットと地上側電源装置を接続するケーブルが絡みついてしまい、飛行ロボットの飛行に支障が生じる恐れを、簡単な構成で解消することができる、産業用の飛行ロボット装置を提供することにある。
【0023】
ここに明記しない本発明のさらに他の目的は、以下の説明及び添付図面から明らかである。
【課題を解決するための手段】
【0024】
(1) 本発明の飛行ロボット装置は、
飛行ロボットと、
前記飛行ロボットに可撓性送電ケーブルを介して電力を供給する地上側電源装置とを備え、
前記飛行ロボットは、
推進手段と、
前記推進手段を駆動する電動モータと、
前記飛行ロボットに作用する前記送電ケーブルの荷重に応じて前記電動モータの出力を制御する第1制御部と、
前記地上側電源装置から前記送電ケーブルを介して供給される高電圧を低電圧に変換して前記電動モータに供給する高圧/低圧変換部と、
前記高圧/低圧変換部で生成された前記低電圧を前記電動モータに供給するメイン電源装置と、
必要に応じて前記電動モータに補助電圧を供給するサブ電源装置と、
前記補助電圧を供給する補助バッテリーとを備えており、
前記地上側電源装置は、
前記送電ケーブルを介して前記高電圧を前記高圧/低圧変換部に送電する高圧送電部と、
前記飛行ロボットと前記地上側電源装置の間の距離に応じて、前記高圧送電部が送電する前記高電圧の値を制御する第2制御部とを備えており、
前記サブ電源装置は、前記メイン電源装置の出力が低下または消失すると、前記補助バッテリーから前記補助電圧を前記電動モータに供給する
ことを特徴とするものである。
【0025】
本発明の飛行ロボット装置では、上述したように、前記地上側電源装置から前記飛行ロボットに前記可撓性送電ケーブルを介して前記高電圧が供給される。また、前記地上側電源装置の前記第2制御部によって、前記飛行ロボットと前記地上側電源装置の間の距離に応じて、前記高圧送電部による前記高電圧の値が制御される。さらに、前記飛行ロボットの前記第1制御部により、前記飛行ロボットに作用する前記送電ケーブルの荷重に応じて前記電動モータの出力が制御される。このため、飛行中に前記飛行ロボットが受ける、前記送電ケーブルに起因する電圧降下や前記送電ケーブルの重量や絡みつきによる影響が、確実に抑制される。よって、前記飛行ロボットに搭載されるバッテリーの容量に起因して飛行時間やペイロードが制限されることなく、安定して前記飛行ロボットを連続飛行させることができると共に、前記飛行ロボットに空中から農薬散布、空撮、放射線計測等の種々の作業を行わせることができる。
【0026】
また、前記第1制御部により、前記飛行ロボットに作用する前記送電ケーブルの荷重に応じて前記電動モータの出力が制御され、それと同時に、前記第2制御部により、前記飛行ロボットと前記地上側電源装置の間の距離に応じて、前記高圧送電部が送電する前記高電圧の値が制御される。このため、前記飛行ロボットと前記地上側電源装置を接続する前記送電ケーブルに起因する電圧降下や前記飛行ロボットの荷重変動を、簡単な構成で抑制することができる。
【0027】
さらに、前記高圧/低圧変換部で生成された前記低電圧を前記電動モータに供給する前記メイン電源装置に加えて、前記補助バッテリーから前記補助電圧を前記モータに供給する前記サブ電源装置が設けられており、何らかの原因で前記メイン電源装置の出力が低下または消失すると、前記サブ電源装置が前記補助電圧を前記電動モータに供給する。このため、突風等を受けて前記飛行ロボットに急激な負荷変動が生じたり、前記給電ケーブルが断線したりしても、前記飛行ロボットが墜落する恐れがない。
【0028】
以上述べたように、本発明によれば、産業用としてただちに実用に供することができる飛行ロボット装置を実現することが可能となる。
【0029】
(2) 本発明の飛行ロボット装置の好ましい例では、前記地上側電源装置の前記高圧送電部が送電する前記高電圧が、直流電圧とされる。この例では、前記送電ケーブルを介して前記高電圧が送電される際に生じる電圧降下が、交流電圧とした場合よりも抑制されるという利点がある。また、交流電圧の電圧変換回路より直流電圧の電圧回路の方が小さくできる利点もある。
【0030】
(3) 本発明の飛行ロボット装置の他の好ましい例では、前記飛行ロボットの前記高圧/低圧変換部が出力可変のDC−DCコンバータとされる。この例では、DC−DCコンバータの出力が可変であるため、前記飛行ロボット上の回路構成が簡単になるという利点が得られる。
【0031】
(4) 本発明の飛行ロボット装置のさらに他の好ましい例では、前記地上側電源装置の前記高圧送電部がAC−DCコンバータとされ、前記飛行ロボットの前記高圧/低圧変換部がDC−DCコンバータとされる。この例では、前記地上側電源装置の前記高圧送電部が送電する前記高電圧を、商用電源を用いて生成することができるという利点が得られる。
【0032】
(5) 本発明の飛行ロボット装置のさらに他の好ましい例では、前記メイン電源装置の負荷容量の低下が検出されると、前記サブ電源装置が、前記メイン電源装置から供給される前記低電圧に加えて、前記補助バッテリーから前記補助電圧を前記電動モータに供給するように構成される。この例では、前記メイン電源装置の負荷容量の低下による前記飛行ロボットの飛行への影響を最小限にすることができるという利点が得られる。
【0033】
(6) 本発明の飛行ロボット装置のさらに他の好ましい例では、前記メイン電源装置からの出力の喪失が検出されると、前記サブ電源装置の動作が停止されると共に、前記補助バッテリーから前記補助電圧を前記電動モータに直接供給するように構成される。この例では、前記送電ケーブルの断線等によって前記メイン電源装置の出力が喪失しても、前記飛行ロボットが墜落することなく飛行を継続できるという利点が得られる。
【0034】
(7) 本発明の飛行ロボット装置のさらに他の好ましい例では、前記地上側電源装置から前記送電ケーブルを介して供給される前記高電圧を用いて、前記補助バッテリーを充電することで、放電による前記補助電圧の低下を防止する充電用電源装置をさらに備える。この例では、前記補助バッテリーが時間と共に自然放電して、所望の前記補助電圧供給できないという事態を防止することができるという利点が得られる。
【0035】
(8) 本発明の飛行ロボット装置のさらに他の好ましい例では、地上側で前記送電ケーブルの余剰分を巻き取るケーブル巻取機をさらに備え、前記ケーブル巻取機による前記送電ケーブルの送り出し及び巻き取りが、前記飛行ロボットと前記地上側電源装置の間の距離に応じて自動的に調整されるように構成される。この例では、前記飛行ロボットの高度または水平位置の急激な変化や風などによって、前記飛行ロボットと前記地上側電源装置を接続する前記送電ケーブルが絡みついてしまい、前記飛行ロボットの飛行に支障が生じる恐れを、簡単な構成で解消することができる。
【0036】
(9) 本発明の飛行ロボット装置のさらに他の好ましい例では、前記飛行ロボットが、飛行中の前記飛行ロボットの位置を検出する位置検出センサと、前記位置検出センサの出力信号を無線で前記地上側電源装置に送信する送受信部とを備えており、前記地上側電源装置の前記第2制御部は、前記高圧送電部が送電する前記高電圧の値の制御を、前記出力信号を受信して行うように構成される。この例では、飛行中の前記飛行ロボットの位置を簡単かつ確実に検出することができると共に、その検出結果に基づいて前記第2制御部を的確に制御することができるという利点がある。
【0037】
(10) 本発明の飛行ロボット装置のさらに他の好ましい例では、前記飛行ロボットに接続された通信ケーブル(制御信号の送受信やデータ通信に使用され、例えば光ファイバから構成される)をさらに備えており、前記通信ケーブルは前記送電ケーブルに一体化(内蔵または付加)または付属される。この例では、前記通信ケーブルの設置による悪影響を排除しながら、飛行中の前記飛行ロボットとの通信が確実に行うことができるという利点がある。
【0038】
(11) 本発明の飛行ロボット装置のさらに他の好ましい例では、前記ケーブル巻取機が、前記送電ケーブルの送り出し及び巻き取りを行うケーブル巻取用モータを備えており、前記ケーブル巻取用モータによる前記送電ケーブルの送り出し及び巻き取りは、前記飛行ロボットと前記地上側電源装置の間の距離に応じて、前記第2制御部によって制御される。この例では、前記ケーブル巻取機の構造が少し複雑になるが、前記飛行ロボットと前記地上側電源装置の間の距離に応じた前記送電ケーブルの送り出し及び巻き取りの制御が、より正確に行われるという利点がある。
【0039】
(12) 本発明の飛行ロボット装置のさらに他の好ましい例では、前記ケーブル巻取機が、前記送電ケーブルをその巻き取り方向に付勢する付勢部材(例えばバネ)を備えており、前記送電ケーブルの送り出しは、前記付勢部材の巻き取り力に抗して前記送電ケーブルを引き出すことによって行われ、前記送電ケーブルの巻き取りは、前記付勢部材の巻き取り力によって行われるように構成される。この例では、前記飛行ロボットと前記地上側電源装置の間の距離に応じた前記送電ケーブルの送り出し及び巻き取りの制御が、簡単な構成で実現されるという利点がある。
【0040】
(13) 本発明の飛行ロボット装置のさらに他の好ましい例では、前記飛行ロボットの前記第1制御部と前記地上側電源装置の前記第2制御部の少なくとも一方で、PID制御方式が使用される。この例では、前記第1制御部または前記第2制御部の実現が容易であるという利点がある。しかし、PID制御方式以外の方式を用いてもよいことは言うまでもない。
【0041】
(14) 本発明の飛行ロボット装置のさらに他の好ましい例では、地上側に設置された、前記ケーブルの絡みつきを防止する絡みつき防止部材をさらに備える。この例では、簡単な構成で前記ケーブルの絡みつき防止をいっそう容易に行えるという利点がある。
【0042】
(15) 本発明の飛行ロボット装置のさらに他の好ましい例では、前記飛行ロボットが、電動ヘリコプタの構成を持つ。この例では、本発明の利点を最大限に活かせるという利点がある。
【発明の効果】
【0043】
本発明の飛行ロボット装置によれば、(a)飛行ロボットに搭載されるバッテリーの容量に起因して飛行時間やペイロードが制限されることなく、安定して飛行ロボットを連続飛行させることができると共に、飛行ロボットに空中から農薬散布、空撮、放射線計測等の種々の作業を行わせることができる、(b)突風等を受けて飛行ロボットに急激な負荷変動が生じたり、給電ケーブルが断線したりしても、飛行ロボットが墜落する恐れがない、(c)飛行ロボットと地上側電源装置を接続するケーブルに起因する電圧降下や飛行ロボットの荷重変動を、簡単な構成で抑制することができる、(d)産業用としてただちに実用に供することができる、という効果が得られる。
【0044】
また、地上側で送電ケーブルの余剰分を巻き取るケーブル巻取機をさらに備え、ケーブル巻取機による送電ケーブルの送り出し及び巻き取りが、飛行ロボットと地上側電源装置の間の距離に応じて自動的に調整されるようにした場合は、上記(a)〜(d)の効果に加えて、(e)飛行ロボットの高度または水平位置の急激な変化や風などによって、飛行ロボットと地上側電源装置を接続するケーブルが絡みついてしまい、飛行ロボットの飛行に支障が生じる恐れを、簡単な構成で解消することができる、という効果がさらに得られる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
図1】本発明の第1実施形態に係る飛行ロボット装置の全体構成を示す概念図である。
図2図1の飛行ロボット装置に使用されている飛行ロボットの全体構成を示す斜視図である。
図3図1の飛行ロボット装置に使用されているロボット側制御装置と地上側電源装置の内部構成を示す機能ブロック図である。
図4図1の飛行ロボット装置に使用されているロボット側制御装置の飛行中の動作を示すフローチャートである。
図5図1の飛行ロボット装置に使用されている地上側電源装置の飛行中の動作を示すフローチャートである。
図6】(a)は図1の飛行ロボット装置に使用されているケーブル巻取機の詳細構成を示す正面図、(b)はその側面図である。
図7】本発明の第2実施形態に係る飛行ロボット装置に使用されているロボット側制御装置と地上側電源装置の内部構成を示す機能ブロック図である。
図8】(a)は図7の飛行ロボット装置に使用されているケーブル巻取機の詳細構成を示す正面図、(b)はその側面図である。
図9】本発明の第1及び第2実施形態に係る飛行ロボット装置に使用されている補助電源装置の構成を示す概念図である。
図10】本発明の第1及び第2実施形態に係る飛行ロボット装置に使用されているバッテリー電圧低下防止回路を示す概念図である。
図11】本発明の第1及び第2実施形態に係る飛行ロボット装置に使用されている補助電源装置の動作を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について説明する。
【0047】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係る飛行ロボット装置1の全体構成を図1に示す。同図より明らかなように、飛行ロボット装置1は、飛行ロボット10と、飛行ロボット10に可撓性の送電ケーブル30を介して電力を供給する地上側電源装置50と、飛行ロボット10の高度や位置の変化に応じて送電ケーブル30の引き出し及び巻き取りを行うケーブル巻取機40と、飛行中に送電ケーブル30が絡みついて飛行ロボット10の飛行に支障が生じるのを防止するための絡みつき防止部材45とを備えている。地上側電源装置50とケーブル巻取機40と絡みつき防止部材45は、地上に設けられている。飛行ロボット10は、送電ケーブル30を介して地上側電源装置50から供給される電力により自律飛行可能である。
【0048】
飛行ロボット10は、図2に詳細に示すように、電動モータ14で個別に駆動される6個のロータ13を持つ電動マルチロータ型ヘリコプタの構成を持っている。より詳細に言うと、飛行ロボット10は、略円筒形の本体11と、本体11の略円筒形の外周部に等間隔で配設されると共に、その外周部から放射状に延在する6本のアーム12と、それらアーム12の先端部にそれぞれ回転可能に設置された計6個のロータ13と、それらロータ13を個別に回転駆動する計6個の電動モータ14とを備えている。全ロータ13は、対応する電動モータ14の回転軸にそれぞれ直接固定されており、対応する電動モータ14の回転によって回転駆動せしめられるようになっている。全ロータ13は、同一面内に配置されている。ここでは、ロータ13が、飛行ロボット10の推進手段として機能する。
【0049】
本明細書では、6個のアーム12を区別するときは、図2に示すように、符合12a、12b、12c、12d、12e及び12fを使用する。同様に、6個のロータ13を区別するときは、符合13a、13b、13c、13d、13e及び13fを使用し、6個の電動モータ14を区別するときは、符合14a、14b、14c、14d、14e及び14fを使用する。
【0050】
農薬散布、空撮、放射線計測等の種々の作業に必要な機材(作業用機材)は、適切な部材を使用して飛行ロボット10の本体11に搭載される。作業用機材は、飛行ロボット10を飛行させることによって所望の位置及び高度まで送られ、その場所でホバリングしながら、あるいは、所望の高度で飛行しながら、所望の作業を行うことになる。
【0051】
飛行ロボット10の飛行に必要な電力、換言すれば、全ロータ13を駆動する6個の電動モータ14を回転させるのに必要な電力は、飛行ロボット10に搭載されたバッテリーからではなく、地上側電源装置50から送電ケーブル30を介して連続的に供給される。このため、飛行ロボット10へのバッテリーの搭載を省略することができる。ただし、突風等による飛行ロボット10の負荷の急増や、地上側電源装置50の故障、送電ケーブル30の切断、飛行ロボット10上の機器の故障等による電力供給の急減または消失といった非常事態に備えて、本体11には補助バッテリー(後述する)が搭載されている。飛行ロボット10の思わぬ墜落事故を防止するためである。
【0052】
飛行ロボット10の本体11の内部には、図3に示すような内部構成を持つロボット側制御装置20が搭載されている。ロボット側制御装置20には、送電ケーブル30の先端が機械的及び電気的に接続されている。ケーブル30の基端は、地上側電源装置50に機械的及び電気的に接続されている。ケーブル30の基端側の部分は、地上側電源装置50の近傍で、地上側電源装置50の近傍に設けられたケーブル巻取機40のドラム42(図6参照)に複数回巻き付けられてから、地上側電源装置50に接続されている。また、ケーブル30の基端は、ケーブル巻取機40の少し手前において、絡みつき防止部材45のケーブル挿入リング45aに挿入・係合されていて、その後方でドラム42に巻き付けられている。ドラム42からのケーブル30の引き出し長さは、飛行ロボット10との距離に応じて、ケーブル巻取用モータ41によってドラム42を回転駆動することによって調整される。
【0053】
本体11の内部には、飛行ロボット10の自律飛行を制御するロボット側自律制御装置(図示せず)が搭載されている。ロボット側自律制御装置としては、例えば、上述した特許文献4に開示されているものを使用することができる。
【0054】
具体的に言えば、ロボット側自律制御装置は、(イ)飛行ロボット10の現在位置及び姿勢角を検知するセンサと、(ロ)飛行ロボット10の6個の電動モータ14をそれぞれ駆動する6個のモータドライバと、(ハ)前記センサから得られる飛行ロボット10の現在の飛行状態と、地上側自律制御装置(後述)から設定される目標値とから、所定の自律制御アルゴリズムを用いて個々の電動モータ14が最適な回転数となるように制御指令値を独立に演算するCPUと、(ニ)地上側自律制御装置との通信を行う無線モデムと、(ホ)手動操縦送信機からの手動操縦信号を受信する手動操縦受信機とを備えて構成される。前記CPUは、上記のような演算を行う主演算部の他に、前記センサから得られるセンサ情報を地上側自律制御装置で監視したり、地上側自律制御装置で設定される目標値を入力したりするために、前記無線モデムとの間で信号を入出力制御させる副演算部も備えている。前記センサとしては、飛行ロボット10の位置を検知するGPSセンサや、飛行ロボット10の姿勢を3軸で検知する3軸姿勢センサ、飛行ロボット10の高度を計測する対地高度計、そして、飛行ロボット10の方位を計測する磁気方位計が用いられる。しかし、ロボット側自律制御装置の構成及び機能は、これに限定されるものではない。
【0055】
ロボット側自律制御装置は、パワー、ヨー、ロール、ピッチという4つの操縦指令値を地上側自律制御装置から受け取り、それに基づいて6個のモータドライバを個別に制御することで、6個の電動モータ14a、14b、14c、14d、14e及び14fの回転数を制御する。これによって、次のようにして、飛行ロボット10の飛行状態を任意に制御することができる。
【0056】
すなわち、各々のモータドライバにより、電動モータ14a、14c及び14eは時計回りに回転せしめられ、残りの電動モータ14b、14d及び14fは反時計回りに回転せしめられる。パワーについては、6個の電動モータ14a、14b、14c、14d、14e及び14fの回転数を同時に増加すれば、飛行ロボット10は自身に垂直な方向に上昇し、同時に減少すれば自身に垂直な方向に下降する。電動モータ14bと14cの回転数と電動モータ14eと14fの回転数に差を付けると、ロール角が変わる。回転方向を同じにして、電動モータ14a、14b及び14fの回転数と電動モータ14c、14d及び14eの回転数に差を付けると、ピッチ角が変わる。電動モータ14a、14c及び14eの回転数と、電動モータ14b、14d及び14fの回転数に差を付けると、ヨー角が変わる。このようにして、6個の電動モータ14a、14b、14c、14d、14e及び14fの回転数を制御するだけで、任意の飛行状態を得ることができる。
【0057】
地上側には、ロボット側自律制御装置と対になる地上側自律制御装置(図示せず)が用意されている。地上側自律制御装置は、飛行ロボット10の自律制御の状態の監視や目標値の入力等を行うものであり、ロボット側自律制御装置の無線モデムとの通信を行う無線モデムと、ロボット側自律制御装置の手動操縦受信機に手動操縦信号を送信する手動操縦送信機とを備えている。何らかのトラブルにより、ロボット側自律制御装置が故障して自律制御ができなくなった場合には、自動的に手動操縦モードに切り替えられ、その後は手動操縦送信機で操縦できるようになっている。このため、飛行ロボット10の墜落を未然に防ぐことができる。ただし、地上側自律制御装置の構成及び機能も、これに限定されるものではない。
【0058】
次に、ケーブル巻取機40について説明する。
【0059】
ケーブル巻取機40は、地上側電源装置50に隣接して地上側に設けられており、送電ケーブル30の余剰分を巻き取ってケーブル30の絡みつきを防止する機能と、ケーブル30の不足分を送り出して、ケーブル30の引っ張り力によって飛行ロボット10に無用な荷重が作用するのを防止する機能を持つ。ケーブル巻取機40によるケーブル30の送り出し・巻き取り動作は、地上側電源装置50によって制御されるようになっている。
【0060】
ケーブル巻取機40は、図6に示すような構成を有しておりケーブル巻取用モータ41と、ケーブル30が巻き付けられるドラム42と、ケーブル巻取用モータ41を支持するスタンド43と、スタンド43を用いてケーブル巻取用モータ41及びドラム42が設置されるベース44とを備えている。ドラム42は、ケーブル巻取用モータ41の回転軸41aに固定されており、モータ41の回転に伴って回転する。ケーブル30は、モータ41の正回転により回転数に応じてドラム42に巻き取られ、モータ41の逆回転により回転数に応じてドラム42から送り出される。
【0061】
ケーブル巻取機40には、ケーブル30の絡みつきを防止するための絡みつき防止部材45が設けられている。絡みつき防止部材45は、L字形に屈曲形成された剛性材(例えば金属製または合成樹脂製の棒材)からなり、その基端部がケーブル巻取機40のベース44に固定されている。絡みつき防止部材45の先端部には、ケーブル挿入リング45aが形成されている。ケーブル挿入リング45aは、ドラム42より高い位置にあり、ケーブル30をスライド可能な状態で保持するようになっている。これは、ケーブル30が常に、ほぼ同じ状態でドラム42に巻き取られ、あるいはドラム42から引き出されるようにして、ケーブル30の巻取・引出作業に支障が生じないようにするためである。したがって、他の方策によってケーブル30の巻取・引出作業に支障が生じないようになっているのであれば、絡みつき防止部材45は省略することが可能である。
【0062】
ケーブル30の基端側の部分は、絡みつき防止部材45の先端部のケーブル挿入リング45aを通過してから、少し弛みを持たせた状態で、ドラム42に複数回巻き付けられている。ケーブル30の基端は、地上側電源装置50まで延在されていて、地上側電源装置50に機械的及び電気的に接続されている。ケーブル30のドラム42に巻き付けられた部分より先端側の部分は、飛行ロボット10に向かって延在しており、その先端は飛行ロボット10に機械的及び電気的に接続されている。ドラム42からのケーブル30の引き出し長さは、飛行ロボット10の飛行中は、ケーブル巻取用モータ41によってドラム42を回転駆動することにより、飛行ロボット10との距離に応じて調整される。ケーブル巻取用モータ41の回転は、後述する地上側電源装置50によって制御される。
【0063】
次に、地上側電源装置50について説明する。
【0064】
地上側電源装置50は、直流(DC)の高電圧Vを生成し、送電ケーブル30を介して飛行ロボット10に送電する機能を持つ。また、飛行ロボット10と地上側電源装置50の間の距離(すなわち電圧降下)に応じて、送電するDC高電圧Vの値を調整すると共に、ケーブル30の送り出し量及び巻き取り量を調整する機能をも持っている。
【0065】
地上側電源装置50は、図3に示すような構成を有しており、出力制御部51、制御演算部52、送受信部53、発電部54、高圧送電部55、そしてアンテナ56を備えている。
【0066】
送受信部53は、ロボット側制御装置20の送受信部25から無線送信されてくる位置・高度信号を、アンテナ56を介して受信する。こうして受信した位置・高度信号は、制御演算部52に送られる。
【0067】
制御演算部52は、位置・高度信号に基づいて、PID制御方式に従って所定の演算を行い、飛行ロボット10の現在位置及び現在高度における送電ケーブル30の必要長さを算出する。そして、ケーブル30の現在長さとの比較から、ケーブル30の長さの不足分または過剰分を算出する。こうして算出されたケーブル30の長さの不足・過剰分情報は、制御信号によって出力制御部51に送られる。なお、本発明は、PID制御方式に限定されず、他の制御方式も使用可能であることは言うまでもない。
【0068】
PID制御方式とは、
操作量=P部分(比例項)+I部分(積分項)+D部分(微分項)
として、操作量を決定する方式である。ここでは、
P部分(比例項)=飛行ロボットの重量変化速度(kg/s)?飛行ロボットの上昇・下降時間(s)?送電ケーブル単位重量(kg/m)?出力係数Kp
I部分(積分項)=飛行ロボットの重量変化速度(kg/s)の積分値?出力係数Ki
D部分(微分項)=飛行ロボットの重量変化速度(kg/s)の微分値?出力係数Kd
とする。
【0069】
出力制御部51は、制御演算部52から送られてくる制御信号によって、送電ケーブル30の長さの不足・過剰分情報を受け取り、それに基づいて、ケーブル巻取用電動モータ41を駆動し、ドラム42を前方(ケーブル30を引き出す方向)または後方(ケーブル30を巻き取る方向)に回転させる。こうすることで、飛行ロボット10の現在位置及び直前高度におけるケーブル30の長さに対する現在位置及び現在高度におけるケーブル30の長さの不足分または余剰分を調整する。
【0070】
発電部54は、出力制御部51から送られてくるケーブル30の長さの不足・過剰分情報に基づいて、発電するAC高電圧Vの値を増加または減少させる。そして、こうして調整したDC高電圧Vを高圧送電部55に供給する。こうすることで、ケーブル30の長さの不足分または余剰分に起因する電圧降下の増減に対処する。
【0071】
発電部54としては、ここでは、構成を簡単にするために、交流(AC)100Vの商用電圧を生成する商用電源が使用されている。しかし、商用電源が使えない場所もあることを考慮して、AC100V(あるいはそれ以外の電圧)を発生する公知の発電機を使用してもよい。
【0072】
高圧送電部55は、発電部54から供給される元電圧(例えばAC100?200V)を昇圧すると共にDCに変換して、DC高電圧V(例えば250〜1000V)を生成する。そして、こうして生成したDC高電圧Vを、送電ケーブル30を介してロボット側制御装置20に送電する。
【0073】
高圧送電部55は、ここでは、AC−DCコンバータとされている。このため、高圧送電部55が送電するDC高電圧Vを商用電源から生成することができる。現在では、AC−DCコンバータには、商用電源電圧(AC100?200V)から直接、300Vを越えるDC電圧(例えば380V)を生成することができるものがあるから、これを使用するのが好ましい。
【0074】
地上側電源装置50では、商用電源電圧(AC100?200V)から高圧送電部55で生成したDC高電圧V(例えば250〜1000V)を、送電ケーブル30を介してロボット側制御装置20に送電するので、AC電圧を送電するのに比べて、送電ロスを大幅に抑制することができる。特に、DC高電圧Vを300Vを越える値にすることで、送電ロスを最小限にすることが可能である。近年、サーバー用の高電圧給電としてDC380Vが標準になってきているので、サーバー用高電圧給電に使用する公知の電源装置をそのまま、高圧送電部55として使用することも可能である。
【0075】
飛行ロボット10の移動によって送電ケーブル30の長さが変化すると、それに比例してケーブル30による電圧降下の値が変動するので、ケーブル30を通ってロボット側制御装置20の高圧/低圧変換部21に到達したときの電圧値(高圧/低圧変換部21の入力電圧値)も、ケーブル30の長さに応じて変動する。そこで、これを解消するために、地上側電源装置50において送電する電圧の値を調整してから送電するようにしたものである。これにより、ケーブル30の長さが変動しても、高圧/低圧変換部21に到達したときの電圧値は一定に保持される。
【0076】
次に、飛行ロボット10に搭載されているロボット側制御装置20について説明する。
【0077】
ロボット側制御装置20は、飛行ロボット10へ供給されたDC高電圧Vによって動作するもので、飛行ロボット10に作用する送電ケーブル30の荷重に応じて6個の電動モータ14の出力を個別に制御して、ケーブル30の荷重が飛行に与える影響を抑制(解消)する機能を持つ。
【0078】
ロボット側制御装置20は、図3に示すような構成を有しており、高圧/低圧変換部21、出力制御部22、制御演算部23、位置検出部24、送受信部25、そしてアンテナ26を備えている。
【0079】
高圧/低圧変換部21は、送電ケーブル30を介して地上側電源装置50に機械的・電気的に接続されており、地上側電源装置50から供給されるDC高電圧V(高圧/低圧変換部21の入力電圧で、例えばDC250〜300V)をDC低電圧V(例えばDC40〜70V)に変換する。こうして生成されたDC低電圧Vは、出力制御部22、制御演算部23、位置検出部24、送受信部25及びアンテナ26に供給され、これらの回路の駆動電圧として使用される。高圧/低圧変換部21自体も、こうして生成されたDC低電圧Vを駆動電圧として動作する。同様に、ロボット側自律制御装置も、DC低電圧Vの供給を受けてそれを駆動電圧として動作する。したがって、飛行ロボット10へのバッテリーの搭載がなくても、飛行ロボット10は連続飛行が可能である。
【0080】
高圧/低圧変換部21としては、出力が可変電圧制御であるDC−DCコンバータから構成するのが好ましい。この場合、ロータ駆動用モータ14がDCモータであるため、DC−DCコンバータから出力されるDC低電圧Vを直接、ロータ駆動用モータ14に供給することが可能となり、飛行ロボット10上の回路構成が簡単になるという利点がある。
【0081】
位置検出部24は、飛行ロボット10に搭載された位置・高度センサ(図示せず)から構成され、飛行ロボット10の現在位置及び現在高度を検出する。この位置・高度センサとしては、例えば、自律飛行のために飛行ロボット10に搭載されている、飛行ロボット10の位置を検知するGPSセンサと飛行ロボット10の高度を計測する対地高度計が使用可能である。位置検出部24によって生成された位置・高度信号は、送受信部25と制御演算部23に出力される。
【0082】
送受信部25は、位置検出部24から送られてくる位置・高度信号を、アンテナ26を介して地上側電源装置50に向けて無線送信する。この位置・高度信号は、地上側電源装置50において、ケーブル巻取機40のケーブル巻取用モータ41の制御に使用されると共に、飛行ロボット10の現在位置及び現在高度に対応する送電ケーブル30の長さに応じて、地上側電源装置50から送電されるDC高電圧Vの値を増加または減少させるのにも使用される。
【0083】
制御演算部23は、地上側電源装置50の制御演算部52と同じPID制御方式に従って、位置検出部24から送られてくる位置・高度信号を受けて所定の演算を行い、飛行ロボット10の現在位置及び現在高度に対応する送電ケーブル30の長さを算出し、それにケーブル30の単位重量を積算してケーブル30の重量を算出する。また、単位時間当たりのケーブル30の重量の変化量(変化率)も算出する。こうして算出されたモータ制御信号は、出力制御部22に送られる。
【0084】
出力制御部22は、制御演算部23から送られてくる制御信号に基づいて、補正が必要なロータ駆動用電動モータ14の駆動力を増加または減少させる。こうすることで、飛行ロボット10の現在位置及び現在高度における送電ケーブル30の重量による影響を補正し、ケーブル30が接続されていない場合と同様に、上昇及び下降と前後及び左右への飛行が可能となる。例えば、定位置でホバリングしながら作業を行う場合、飛行ロボット10の上昇や風による引っ張り力の印加に起因して、ケーブル30によって引っ張られ、所定位置からずれてしまうことがある。しかし、本実施形態では、ロボット側制御装置20が直ちにこれを検知して補正が必要なモータ14の駆動力を調整するので、飛行ロボット10は定位置を保持することが可能である。
【0085】
出力制御部22は、例えば、パルス幅変調(Pulse Width Modulation、PWM)や可変電圧制御を使用するのが好ましい。これは、ロータ駆動用電動モータ14はDCモータだからである。ここでは、PWM制御回路が使用されている。しかし、本発明はこれらに限定されるわけではない。
【0086】
ペイロードが20kgで、計6個の電動モータ14が必要とする最大ピーク電力が6kWと仮定すると、DC高電圧Vを300Vに設定し、電線規格AWG16の電線をケーブル30として用い、送電距離すなわち送電ケーブル30の全長を50mとすると、ケーブル30を流れるDC電流(高圧/低圧変換部21の出力電流)は20Aとなるから、送電による電圧降下は10Vで済むことになる。つまり、ロボット側制御装置20の高圧/低圧変換部21が受け取るDC高電圧Vの値(受電端での電圧値)は、290Vに保たれるのである。送電による電圧降下がもう少し多くても許容できる場合は、電線規格AWG16の電線よりも細い電線をケーブル30として用いることができるので、ケーブル30のコストと単位重量をいっそう減らせる利点がある。
【0087】
また、送電ケーブル30を介する送電による電圧降下を補償するように、高圧/低圧変換部21の出力電圧を制御すれば、すなわち、高圧/低圧変換部21の出力電流(ケーブル30を流れるDC電流)とケーブル30の単位長さ当たりの電気抵抗値の積で表される電圧降下値を算出して、常時、高圧/低圧変換部21の入力電圧(DC高電圧V)に加算するようにすれば、送電による電圧降下は補償され、電圧降下による影響をなくすことができる。こうして、入力電圧(DC高電圧V)を常時、ほぼ一定に維持することが可能となる。
【0088】
次に、図9図11を参照しながら、飛行ロボット10に搭載されている補助電源装置について説明する。この補助電源装置は、突風等を受けて飛行ロボット10に急激な負荷変動(過負荷)が生じたり、送電ケーブル30が断線したりしても、飛行ロボット10が墜落する恐れがないようにするために搭載されている。
【0089】
図9に示すように、6個のロータ駆動用電動モータ14のそれぞれは、メインDC−DCコンバータ(メイン電源装置)61と、電流測定センサ62と、PWM制御回路63と、サブDC−DCコンバータ(サブ電源装置)64と、第1、第2及び第3補助バッテリー66a、66b、66cと、充電用DC−DCコンバータ(充電用電源装置)67とを備えている。
【0090】
メインDC−DCコンバータ61は、送電ケーブル30を介して高圧DC電圧Vの供給を受けて、所定の低圧DC電圧Vを生成し、PWM制御回路63に供給する。メインDC−DCコンバータ61は、ロボット側制御装置20の高圧/低圧変換部21として機能する。
【0091】
電流測定センサ62は、メインDC−DCコンバータ61からPWM制御回路63に流れる電流(モータ駆動電流)を測定し、測定した電流値をサブDC−DCコンバータ64に送る。
【0092】
PWM制御回路63は、メインDC−DCコンバータ61から供給される低圧DC電圧Vに基づき、制御信号に応じて電動モータ14の駆動力(回転)を制御する。
【0093】
サブDC−DCコンバータ64は、第1〜第3補助バッテリー66a、66b、66cに並列接続されており、これらの補助バッテリー66a、66b、66cから供給されるバッテリー電圧VBに基づいて所定の補助電圧VAを生成し、PWM制御回路63のバイアスポイントに供給する。
【0094】
充電用DC−DCコンバータ67は、送電ケーブル30を介して高圧DC電圧Vの供給を受けて、第1〜第3補助バッテリー66a、66b、66cを常時充電し、バッテリー電圧VBを所定の値に維持する。これは、自然放電によって、第1〜第3補助バッテリー66a、66b、66cから出力されるバッテリー電圧VBが低下するのを防止するためである。
【0095】
制御装置用メインDC−DCコンバータ68は、送電ケーブル30を介して高圧DC電圧Vの供給を受けて、所定の低圧DC電圧を生成し、ダイオード69を介して制御装置72に供給する。制御装置72はこの低圧DC電圧によって駆動される。
【0096】
制御装置用サブDC−DCコンバータ70は、第1〜第3補助バッテリー66a、66b、66cに並列接続されており、これらの補助バッテリー66a、66b、66cから供給されるバッテリー電圧VBに基づいて所定の低圧DC電圧を生成し、ダイオード71を介して制御装置72のバイアスポイントに供給する。制御装置用メインDC−DCコンバータ68が供給する低圧DC電圧の低下または消失に対応するためである。
【0097】
制御装置72は、6個のロータ駆動用電動モータ14のそれぞれについて設けられたメインDC−DCコンバータ61、電流測定センサ62、PWM制御回路63、サブDC−DCコンバータ64の動作と、後述するMOSFET83、84やバイパススイッチ64a、64b、64cの動作を制御する。ここでは、6組のメインDC−DCコンバータ61、電流測定センサ62、PWM制御回路63、サブDC−DCコンバータ64のセットをモータ駆動ユニット65を構成している。制御装置72は、地上側に設けられている制御用PC(パーソナルコンピュータ)90から有線または無線で送られる制御信号によって動作する。
【0098】
図10は、自然放電による第1補助バッテリー66aから出力されるバッテリー電圧VBの低下を防止する回路(バッテリー電圧低下防止回路)を示す。第2及び第3補助バッテリー66b、66cについても、同様の回路構成であるから、ここでは第1補助バッテリー66aについてのみ説明する。
【0099】
充電用DC−DCコンバータ67は、ダイオード86aとヒューズ87を介して、第1補助バッテリー66aのセル群66aaの正極に接続され、充電用FET83と電流検出用抵抗85を介してセル群66aaの負極に接続されている。サブDC−DCコンバータ64は、ヒューズ87を介して、第1補助バッテリー66aのセル群66aaの正極に接続され、放電用FET84と電流検出用抵抗85を介してセル群66aaの負極に接続されている。電力用MOSFET83、84のスイッチング動作(ON・OFF)は、バッテリー制御マイコン(マイクロコンピュータ)81からの制御信号に基づき、フロントエンドIC(集積回路)82によって行われる。バッテリー制御マイコン81とフロントエンドIC82は、制御装置72の内部に設けられている。
【0100】
第1補助バッテリー66aの充電時には、バッテリー制御マイコン81によって充電用FET83がONとされ、放電用FET84がOFFとされる。このため、充電用DC−DCコンバータ67は、送電ケーブル30を介して送られる高圧DC電圧Vに基づいて所定のDC電圧を生成し、ダイオード86aとヒューズ87と充電用FET83を介して、セル群66aaに供給する。セル群66aaはこうして常に充電されるので、自然放電があっても、第1補助バッテリー66aから出力されるバッテリー電圧VBは所定の値に維持される。
【0101】
第1補助バッテリー66aの放電時には、バッテリー制御マイコン81によって充電用FET83がOFFとされ、放電用FET84がONとされる。このため、第1補助バッテリー66a(セル群66aa)から出力されるバッテリー電圧VBは、ヒューズ87と放電用FET84を介して、サブDC−DCコンバータ64に供給される。サブDC−DCコンバータ64は、こうして供給されるバッテリー電圧VBに基づいて所定の補助電圧VAを生成し、PWM制御回路63のバイアスポイントに供給する。こうして出力される補助電圧VAは、制御装置用サブDC−DCコンバータ70にも供給される。
【0102】
図11は、第1〜第3補助バッテリー66a、66b、66cから、バッテリー電圧VBを各サブDC−DCコンバータ64に供給する動作を示す概念図である。図11では、メインDC−DCコンバータ61と電流測定センサ62とサブDC−DCコンバータ64を3組だけ記載しているが、これは図示を簡略化するために省略したためである。残りの3組も同じ回路構成であることは言うまでもない。
【0103】
メインDC−DCコンバータ61と電流測定センサ62とサブDC−DCコンバータ64は、実際には6組設けられているが、それらはいずれも同じ回路構成と同じ動作を持つから、ここでは1組の回路構成と動作についてのみ説明する。
【0104】
サブDC−DCコンバータ64の入力端子と出力端子の間には、バイパススイッチ64aが設けられている。これは、必要に応じて、サブDC−DCコンバータ64をバイパスして、第1〜第3補助バッテリー66a、66b、66cの出力電圧であるバッテリー電圧VBを直接、負荷すなわちPWM制御回路63とモータ14に供給するためである。バイパススイッチ64aは、制御装置72によって制御される。
【0105】
制御装置72は、各々の電流測定センサ62によってモータ駆動電流(PWM制御回路63に供給される電流)を常時監視しており、そのモータ駆動電流がメインDC−DCコンバータ61の負荷容量の限界付近の所定値(90〜95%)に達すると、サブDC−DCコンバータ64を動作させ、第1〜第3補助バッテリー66a、66b、66cからバッテリー電圧VBを負荷(PWM制御回路63とモータ14)に供給する。その結果、メインDC−DCコンバータ61から負荷に供給される低圧DC電圧Vにバッテリー電圧VBが加算されるので、突風等によってモータ14の負荷が急激に増加した場合にも、対応が可能となる。つまり、モータ14の負荷が突発的に急増した場合でも、バッテリー電圧VBが加算的に供給されているので、メインDC−DCコンバータ61の出力がいきなりゼロになって墜落するといった事態を確実に防止できるのである。
【0106】
また、送電ケーブル30の断線、メインDC−DCコンバータ61の故障等によって、メインDC−DCコンバータ61の出力が突然にゼロになった場合、つまり、メインDC−DCコンバータ61の動作が突然に停止してしまった場合は、制御装置72は、すべてのバイパススイッチ64aをONにすると同時に、すべてのサブDC−DCコンバータ64の動作を停止させる。これにより、第1〜第3補助バッテリー66a、66b、66cから出力されるバッテリー電圧VBが直接、負荷すなわちPWM制御回路63とモータ14に供給されるようになる。サブDC−DCコンバータ64の経由を停止して、バッテリー電圧VBを直接、PWM制御回路63とモータ14に供給するのは、バッテリー電圧VBをより効率的に利用するためである。その結果、PWM制御回路63とモータ14への電力供給が中断されなくなり、飛行ロボット10は墜落することなく飛行を継続することが可能である。このためには、バッテリー電圧VBの値、メインDC−DCコンバータ61から供給される低圧DC電圧Vの値に等しくしておくのが好ましい。
【0107】
次に、以上の構成を持つ、本発明の第1実施形態に係る飛行ロボット装置1の動作を説明する。
【0108】
飛行ロボット装置1(作業に必要な作業用機材は搭載済み)を地上から離陸させる場合は、まず、地上側電源装置50から飛行ロボット10に所定のDC高電圧Vの送電を開始する。次に、手動操縦装置(図示せず)から所望の位置及び所望の高さを指定して、所望の作業をしたい空中の箇所を特定してから、そのデータを飛行ロボット10の自律制御装置に送信する。そして、飛行ロボット10を自律飛行モードに設定してからロータ駆動用モータ14を駆動し、飛行ロボット10を離陸させる。すると、飛行ロボット10は自立飛行して所定箇所まで飛行し、その位置でホバリングする。その後、ホバリングを継続しながら、所望の作業を開始させる。
【0109】
離陸してから所定箇所まで飛行する間、飛行ロボット10の飛行に応じて、ケーブル巻取機4から送電ケーブル30が徐々に送り出され、また、ケーブル30の送り出し量に応じて、地上側電源装置50から送電されるDC高電圧Vの値が増加せしめられる。作業中に飛行ロボット30の位置や高度が変動しても、その変動は位置検出部24によって直ちに検出され、必要なロータ駆動用モータ14の駆動力が調整されると共に、ケーブル30の長さも調整される。所望の作業が終了すると、手動操縦装置を再び操作し、離陸時とは逆の行程をたどって飛行ロボット10を出発した場所に着陸させる。こうして、飛行ロボット10を使用した高所作業が終了する。
【0110】
飛行ロボット装置10では、飛行ロボット10のホバリング中には、ロボット側制御装置20は図4に示すように動作をする。すなわち、ある位置でホバリングしていた機体すなわち飛行ロボット装置10が次にホバリングすべき所定位置に向かって上昇または下降すると(ステップS1)、制御演算部23はそれを感知して直ちに、PDI制御方式に従ってロータ駆動用モータ14の出力を演算する(ステップS2)。そして、その出力に応じて、飛行ロボット10のロータ駆動用モータ14の回転数を増加または減少させる(ステップS3)。その後、位置センサの出力を参照しながら(ステップS5)、指定した高さに到達したか否かを判断する(ステップS4)。未だ指定した高さに到達していない場合は、ステップS2に戻り、ステップS2〜S4を繰り返す。指定した高さに到達した場合は、ロータ駆動用モータ14の回転数を維持して、図4の処理を終了する(ステップS6)。
【0111】
その間に、地上側電源装置50は、図5に示すように動作をする。すなわち、機体すなわち飛行ロボット装置10が次にホバリングすべき所定位置から上昇または下降すると(ステップS11)、制御演算部52はそれを感知して直ちに、PDI制御方式に従ってロータ駆動用モータ14の出力を演算する(ステップS12)。ここまでは、図4のステップS1〜S2と同じである。そして、その出力に応じて、ケーブル巻取機40のケーブル巻取用モータ41の回転角度(位相)を増加または減少させる(ステップS13)。その後、位置センサの出力を参照しながら(ステップS15)、指定した高さに到達したか否かを判断する(ステップS14)。未だ指定した高さに到達していない場合は、ステップS12に戻り、ステップS12〜S14を繰り返す。指定した高さに到達した場合は、ケーブル巻取用モータ41の回転角度(位相)を維持して、図5の処理を終了する(ステップS16)。
【0112】
以上述べたように、本発明の第1実施形態に係る飛行ロボット装置1では、地上側電源装置50から飛行ロボット10に可撓性送電ケーブル30を介してDC高電圧Vが供給される。また、地上側電源装置50の制御演算部52(第2制御部)によって、飛行ロボット10と地上側電源装置50の間の距離に応じて、高圧送電部55によるDC高電圧Vの値とケーブル巻取機40によるケーブル30の送り出し量及び巻き取り量が制御される。さらに、飛行ロボット10の制御演算部52(第1制御部)により、飛行ロボット10に作用するケーブル30の荷重に応じて電動モータ14の出力が制御される。このため、飛行中に飛行ロボット10が受ける、ケーブル30に起因する電圧降下やケーブル30の重量や絡みつきによる影響が、確実に抑制される。よって、飛行ロボット10に搭載されるバッテリーの容量に起因して飛行時間やペイロードが制限されることなく、安定して飛行ロボット10を連続飛行させることができると共に、飛行ロボット10に空中から農薬散布、空撮、放射線計測等の種々の作業を行わせることができる。
【0113】
また、飛行ロボット10の制御演算部52(第1制御部)により、飛行ロボット10に作用する送電ケーブル30の荷重に応じて電動モータ14の出力が制御され、それと同時に、地上側電源装置50の制御演算部52(第2制御部)により、飛行ロボット10と地上側電源装置50の間の距離に応じて、高圧送電部55が送電するDC高電圧Vの値とケーブル巻取機40によるケーブル30の送り出し量及び巻き取り量が制御される。このため、飛行ロボット10と地上側電源装置50を接続するケーブル30に起因する電圧降下や飛行ロボット10の荷重変動を、簡単な構成で抑制することができる。
【0114】
さらに、高圧/低圧変換部21で生成されたDC低電圧Vを電動モータ14に供給するメインDC−DCコンバータ(メイン電源装置)61に加えて、第1〜第3補助バッテリー66、66b、66cから補助電圧VAをモータ14に供給するサブDC−DCコンバータ(サブ電源装置)64が設けられており、何らかの原因でメインDC−DCコンバータ61の出力が低下または消失すると、サブDC−DCコンバータ64が補助電圧VAを電動モータ14に供給する。このため、突風等を受けて飛行ロボット10に急激な負荷変動が生じたり、送電ケーブル30が断線したりしても、飛行ロボット10が墜落する恐れがない。
【0115】
さらに、地上側電源装置50の制御演算部52(第2制御部)により、飛行ロボット10と地上側電源装置50の間の距離に応じて、ケーブル巻取機40による送電ケーブル30の送り出し量及び巻き取り量が制御されるので、飛行ロボット10の高度または水平位置の急激な変化や風などによって、飛行ロボット10と地上側電源装置50を接続するケーブル30が絡みついてしまい、飛行ロボット10の飛行に支障が生じる恐れを、簡単な構成で解消することができる。
【0116】
さらに言えば、本第1実施形態に係る飛行ロボット装置1に使用されている要素技術は、いずれも、個々に見れば既知であるから、飛行ロボット装置1を早期に実用化することが可能である。そうすると、送電ケーブル30を介して飛行ロボット10に電力を連続供給することで、例えば、ペイロードを20kg以上増加させながら、1時間あるいはそれ以上の長時間に及ぶ連続飛行を実現することができるため、ハイビジョンカメラや超音波診断装置を飛行ロボット10に搭載して、トンネルや橋梁の点検、松等の高木への農薬散布をする、といった必要性の高い作業を早期に実践することが可能になる。
【0117】
以上述べたように、本発明によれば、産業用としてただちに実用に供することができる飛行ロボット装置1を実現することが可能となる。
【0118】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態に係る飛行ロボット装置1aは、図7に示すようなロボット側制御装置20及び地上側電源装置50aと、図8に示すようなケーブル巻取機40aとを備えている。
【0119】
ケーブル巻取機40aは、図8に示すように、上述した第1実施形態の飛行ロボット装置1に使用されているケーブル巻取機40から、ケーブル巻取用モータ41を省略し、代わりに巻取バネ46を設けた構成を持っている。巻取バネ46は、一端がドラム42に接続され、他端がスタンド43に固定されていて、ドラム42を常に送電ケーブル30を巻き取る方向に付勢している。このため、送電ケーブル30の送り出しは、巻取バネ46の巻き取り力に抗して送電ケーブル30を引き出すことによって行われ、送電ケーブル30の巻き取りは、巻取バネ46の巻き取り力によって行われる。それ以外の構成と機能はケーブル巻取機40と同じである。
【0120】
地上側電源装置50aは、図7に示すように、上述した第1実施形態の飛行ロボット装置1に使用されている地上側電源装置50の出力制御部51から、送電ケーブル30の送り出し及び巻き取りのためのケーブル巻取用モータ41の制御機能を除いたものに相当する。それ以外の構成と機能は、地上側電源装置50と同じである。
【0121】
本第2実施形態では、飛行ロボット10と地上側電源装置50aの間に、通信用ケーブルとしての光ファイバ31が架け渡されている。光ファイバ31は、飛行ロボット10(ロボット側制御装置20)と地上側電源装置50aの間で制御信号の送受信やデータ通信を行うために使用される。光ファイバ31は、送電ケーブル30に一体化(内蔵または付加)されているので、飛行ロボット10の飛行にはなんら支障は生じない。
【0122】
本第2実施形態の飛行ロボット装置1aは、以上述べた点以外は、上述した第1実施形態に係る飛行ロボット装置1と同じ構成と機能を持つから、同一要素には同一符合を付してその説明を省略する。
【0123】
本発明の第2実施形態に係る飛行ロボット装置1aでは、上述した第1実施形態に係る飛行ロボット装置1と同じ効果が得られることは明らかである。また、飛行ロボット10と地上側電源装置50aの間の距離に応じた電ケーブル30(と光ファイバ31)の送り出し及び巻き取りの制御が、上述した第1実施形態に係る飛行ロボット装置1の場合よりも簡単な構成で実現される、という効果もある。
【0124】
なお、上述した第1及び第2実施形態では、飛行ロボットに3個の補助バッテリーが設置されているが、本発明はこれには限定されず、補助バッテリーの数は必要に応じて任意の数に設定できることは言うまでもない。
【0125】
(変形例)
上述した第1及び第2実施形態は、本発明を具体化した例を示すものである。したがって、本発明はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を外れることなく種々の変形が可能であることは言うまでもない。
【0126】
例えば、上述した実施形態では、本発明を電動マルチロータ型ヘリコプタに適用した例を示しているが、本発明はこれに限定されない。ヘリコプタ以外の任意の用途、例えば電動飛行機にも適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0127】
本発明は、飛行ロボットへの継続的な電力供給が必要な分野、より具体的には、作業に応じて、飛行ロボットの飛行時間を確保しながら同時にペイロードを増加することが必要な分野に適用可能である。
【符号の説明】
【0128】
1、1a 飛行ロボット装置
10 飛行ロボット
11 本体
12 アーム
13 ロータ
14、14a、14b、14c、14d、14e、14f ロータ駆動用電動モータ
20 ロボット側制御装置
21 低圧変換部
22 出力制御部
23 制御演算部
24 位置検出部
25 送受信部
26 アンテナ
30 送電ケーブル
31 光ファイバ
40、40a ケーブル巻取機
41 ケーブル巻取用モータ
41a 回転軸
42 ドラム
43 スタンド
44 ベース
45 防止部材
45a ケーブル挿入リング
46 巻取バネ
50 地上側電源装置
51、51a 出力制御部
52 制御演算部
53 送受信部
54 発電部
55 高圧送電部
56 アンテナ
61 メインDC−DCコンバータ(メイン電源装置)
62 電流測定センサ
63 PWM制御回路
64 サブDC−DCコンバータ(サブ電源装置)
64a バイパススイッチ
65 モータ駆動ユニット
66a、66b、66c 第1、第2、第3補助バッテリー
66aa、66Bb、66Cc セル
67 充電用DC−DCコンバータ(充電用電源装置)
68 制御装置用メインDC−DCコンバータ
69、71 ダイオード
70 制御装置用サブDC−DCコンバータ
72 制御装置
81 バッテリー制御マイコン
82 フロントエンドIC
83 充電用FET
84 放電用FET
85 電流検出用抵抗
86a、86B、86C ダイオード
87 ヒューズ
90 制御用PC
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【国際調査報告】