特表-16133000IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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再表2016-133000冷凍機油及び冷凍機用作動流体組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2016年8月25日
【発行日】2017年12月21日
(54)【発明の名称】冷凍機油及び冷凍機用作動流体組成物
(51)【国際特許分類】
   C10M 105/38 20060101AFI20171124BHJP
   C10M 129/18 20060101ALI20171124BHJP
   C09K 5/04 20060101ALI20171124BHJP
   C10N 30/00 20060101ALN20171124BHJP
   C10N 40/30 20060101ALN20171124BHJP
【FI】
   C10M105/38
   C10M129/18
   C09K5/04 E
   C10N30:00 Z
   C10N40:30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】14
【出願番号】特願2017-500638(P2017-500638)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2016年2月10日
(31)【優先権主張番号】特願2015-32161(P2015-32161)
(32)【優先日】2015年2月20日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2015-217634(P2015-217634)
(32)【優先日】2015年11月5日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】000004444
【氏名又は名称】JXTGエネルギー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義憲
(74)【代理人】
【識別番号】100169454
【弁理士】
【氏名又は名称】平野 裕之
(74)【代理人】
【識別番号】100185591
【弁理士】
【氏名又は名称】中塚 岳
(72)【発明者】
【氏名】水谷 祐也
(72)【発明者】
【氏名】大城戸 武
(72)【発明者】
【氏名】尾形 英俊
【テーマコード(参考)】
4H104
【Fターム(参考)】
4H104BB09C
4H104BB34A
4H104LA20
4H104PA20
(57)【要約】
本発明は、ジペンタエリスリトールと2−メチルブタン酸及びn−ペンタン酸とのエステルを含有する基油と、脂環式エポキシ化合物と、を含有し、ジフルオロメタン冷媒と共に用いられる、冷凍機油を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジペンタエリスリトールと2−メチルブタン酸及びn−ペンタン酸とのエステルを含有する基油と、
脂環式エポキシ化合物と、
を含有し、ジフルオロメタン冷媒と共に用いられる、冷凍機油。
【請求項2】
前記基油に占める前記エステルの割合が30質量%以上である、請求項1に記載の冷凍機油。
【請求項3】
前記脂環式エポキシ化合物の含有量が、前記冷凍機油全量基準で0.01〜5.0質量%である、請求項1又は2に記載の冷凍機油。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の冷凍機油と、ジフルオロメタン冷媒と、を含有する冷凍機用作動流体組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷凍機油及び冷凍機用作動流体組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
冷蔵庫、カーエアコン、ルームエアコン、自動販売機などの冷凍機は、冷媒を冷凍サイクル内に循環させるためのコンプレッサを備える。そして、コンプレッサには、摺動部材を潤滑するための冷凍機油が充填される。冷凍機油は、冷凍サイクル内で冷媒と共存しながら使用されるため、冷凍機油に対しては、冷媒存在下での潤滑性、熱・化学的安定性、電気絶縁性や、冷媒との相溶性といった様々な特性が要求される。そして、このような冷凍機油の特性は共存する冷媒の種類によって予想し得ない挙動を示すため、冷凍機油の開発は冷媒ごとに行う必要がある。
【0003】
例えば、ジフルオロメタン冷媒存在下での耐摩耗性を向上させる冷凍機油として、特許文献1には、所定の特性を有するポリオールエステル油、ポリビニルエーテル油等が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2012/086518号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、電気絶縁性に優れる冷凍機油及び冷凍機用作動流体組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、まず、冷凍機油の電気絶縁性の影響因子について検討した。その結果、熱・化学的安定性の向上の観点から通常使用される酸捕捉剤が電気絶縁性に影響し得ること、更には基油及び酸捕捉剤の種類によって電気絶縁性が変化し得ることを見出した。
【0007】
そして、本発明者らは、上記の知見に基づき更に検討を重ねた結果、特定の基油と特定の酸捕捉剤とを組み合わせることによって、高い電気絶縁性を有する冷凍機油が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、ジペンタエリスリトールと2−メチルブタン酸及びn−ペンタン酸とのエステルを含有する基油と、脂環式エポキシ化合物と、を含有し、ジフルオロメタン冷媒と共に用いられる、冷凍機油を提供する。
【0009】
基油に占めるエステルの割合は、30質量%以上であることが好ましい。
【0010】
エポキシ化合物の含有量は、冷凍機油全量基準で0.01〜5.0質量%であることが好ましい。
【0011】
本発明はまた、上記の冷凍機油と、ジフルオロメタン冷媒と、を含有する冷凍機用作動流体組成物を提供する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、電気絶縁性に優れる冷凍機油及び冷凍機用作動流体組成物を提供することできる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0014】
冷凍機油は、ジペンタエリスリトールと2−メチルブタン酸及びn−ペンタン酸とのエステルを含有する基油と、脂環式エポキシ化合物と、を含有する。
【0015】
基油は、ジペンタエリスリトールと2−メチルブタン酸及びn−ペンタン酸とのエステルを含有する。当該エステルは、例えば、ジペンタエリスリトールと、2−メチルブタン酸及びn−ペンタン酸の混合酸とを反応させることにより得られる。当該エステルを構成する脂肪酸における2−メチルブタン酸とn−ペンタン酸とのモル比(2−メチルブタン酸:n−ペンタン酸)は、電気絶縁性に更に優れる観点から、好ましくは9:1〜1:9、より好ましくは8:2〜2:8、更に好ましくは7:3〜3:7である。
【0016】
基油は、ジペンタエリスリトールと2−メチルブタン酸及びn−ペンタン酸とのエステルに加えて、その他の基油を更に含有していてもよい。その他の基油としては、例えば、鉱油、オレフィン重合体、ナフタレン化合物、アルキルベンゼン等の炭化水素系油、上記エステル以外のエステル、ポリグリコール、ポリビニルエーテル、ケトン、ポリフェニルエーテル、シリコーン、ポリシロキサン、パーフルオロエーテルなどの含酸素合成油が挙げられる。含酸素合成油は、好ましくは上記エステル以外のエステル、ポリグリコール、ポリビニルエーテルであり、より好ましくは上記エステル以外のエステルである。
【0017】
上記エステル以外のエステルは、好ましくは多価アルコールと脂肪酸とのエステルである。当該エステルを構成する多価アルコールは、例えば2〜6個の水酸基を有する多価アルコールであり、好ましくは、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ジ−(トリメチロールプロパン)、トリ−(トリメチロールプロパン)、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールなどのヒンダードアルコールである。多価アルコールは、冷媒との相溶性及び加水分解安定性に特に優れることから、より好ましくはペンタエリスリトールである。
【0018】
上記エステルを構成する脂肪酸は、好ましくは飽和脂肪酸である。脂肪酸の炭素数は、好ましくは4〜20、より好ましくは4〜18、更に好ましくは4〜9、特に好ましくは5〜9である。炭素数4〜20の脂肪酸としては、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、トリデカン酸、テトラデカン酸、ペンタデカン酸、ヘキサデカン酸、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸、ノナデカン酸、イコサン酸等が挙げられる。これらの炭素数4〜20の脂肪酸は、直鎖状であっても分岐状であってもよく、好ましくは分岐状である。炭素数4〜20の分岐脂肪酸は、好ましくはα位及び/又はβ位に分岐を有する脂肪酸であり、より好ましくは、2−メチルプロパン酸、2−メチルブタン酸、2−メチルペンタン酸、2−メチルヘキサン酸、2−エチルペンタン酸、2−メチルヘプタン酸、2−エチルヘキサン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸、又は2−エチルヘキサデカン酸であり、更に好ましくは2−エチルヘキサン酸、又は3,5,5−トリメチルヘキサン酸である。
【0019】
基油に占めるジペンタエリスリトールと2−メチルブタン酸及びn−ペンタン酸とのエステルの割合は、電気絶縁性に更に優れる観点から、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは30質量%以上、特に好ましくは40質量%以上、最も好ましくは50質量%以上であり、また、100質量%以下であってよい。基油に占めるジペンタエリスリトールと2−メチルブタン酸及びn−ペンタン酸とのエステルの割合は、ジペンタエリスリトール1分子に2−メチルブタン酸及びn−ペンタン酸の両方が結合したエステルと、ジペンタエリスリトール1分子に2−メチルブタン酸及びn−ペンタン酸の一方が結合したエステルとの合計量の基油全量に対する割合を意味する。
【0020】
基油の含有量は、冷凍機油全量基準で、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは90質量%以上であってよい。
【0021】
基油の40℃における動粘度は、好ましくは3mm/s以上、より好ましくは4mm/s以上、更に好ましくは5mm/s以上であってよく、また、好ましくは1000mm/s以下、より好ましくは500mm/s以下、更に好ましくは400mm/s以下であってよい。基油の100℃における動粘度は、好ましくは1mm/s以上、より好ましくは2mm/s以上であってよく、また、好ましくは100mm/s以下、より好ましくは50mm/s以下であってよい。本発明における動粘度は、JIS K2283:2000に準拠して測定された動粘度を意味する。
【0022】
冷凍機油は、脂環式エポキシ化合物を含有する。脂環式エポキシ化合物は、下記式(1)で表される、エポキシ基を構成する炭素原子が直接脂環式環を構成している部分構造を有する化合物である。脂環式エポキシ化合物は、当該部分構造を1つ有していてもよく、2つ以上有していてもよい。
【化1】
【0023】
脂環式エポキシ化合物としては、1,2−エポキシシクロヘキサン、1,2−エポキシシクロペンタン、3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、エキソ−2,3−エポキシノルボルナン、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、2−(7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプト−3−イル)−スピロ(1,3−ジオキサン−5,3’−[7]オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン、4−(1’−メチルエポキシエチル)−1,2−エポキシ−2−メチルシクロヘキサン、4−エポキシエチル−1,2−エポキシシクロヘキサンが挙げられる。これらの中でも、下記式(2)で表される部分構造(エポキシシクロヘキサン構造)を有する脂環式エポキシ化合物が好ましい。
【化2】
【0024】
脂環式エポキシ化合物の含有量は、安定性に優れる観点から、冷凍機油全量基準で、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上である。脂環式エポキシ化合物の含有量は、潤滑性に優れる観点から、冷凍機油全量基準で、好ましくは10.0質量%以下、より好ましくは7.0質量%以下、更に好ましくは5.0質量%以下である。脂環式エポキシ化合物の含有量は、安定性及び潤滑性の両立の観点から、冷凍機油全量基準で、好ましくは、0.01〜10.0質量%、0.01〜7.0質量%、0.01〜5.0質量%、0.05〜10.0質量%、0.05〜7.0質量%、0.05〜5.0質量%、0.1〜10.0質量%、0.1〜7.0質量%、又は0.1〜5.0質量%である。
【0025】
冷凍機油は、脂環式エポキシ化合物に加えて、その他の添加剤を更に含有していてもよい。その他の添加剤としては、例えば、2,6−ジ−tert.−ブチル−p−クレゾール、ビスフェノールA等のフェノール系酸化防止剤、フェニル−α−ナフチルアミン、N,N−ジ(2−ナフチル)−p−フェニレンジアミン等のアミン系酸化防止剤、塩素化パラフィン、リン化合物、硫黄化合物等の極圧剤、脂肪酸等の油性剤、シリコーン系等の消泡剤、ベンゾトリアゾール等の金属不活性化剤、摩耗防止剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤、清浄分散剤などが挙げられる。これらの添加剤の含有量は、冷凍機油全量基準で、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下であってよい。
【0026】
冷凍機油の40℃における動粘度は、潤滑性に優れる観点から、好ましくは3mm/s以上、より好ましくは4mm/s以上、更に好ましくは5mm/s以上である。冷凍機油の40℃における動粘度は、油戻り性に優れる観点から、好ましくは1000mm/s以下、より好ましくは500mm/s以下、更に好ましくは400mm/s以下である。冷凍機油の冷凍機油の40℃における動粘度は、潤滑性及び油戻り性の両立の観点から、好ましくは、3〜1000mm/s、3〜500mm/s、3〜400mm/s、4〜1000mm/s、4〜500mm/s、4〜400mm/s、5〜1000mm/s、5〜500mm/s、又は5〜400mm/sである。
【0027】
冷凍機油の100℃における動粘度は、潤滑性に優れる観点から、好ましくは1mm/s以上、より好ましくは2mm/s以上である。冷凍機油の100℃における動粘度は、油戻り性に優れる観点から、好ましくは100mm/s以下、より好ましくは50mm/s以下である。冷凍機油の100℃における動粘度は、潤滑性及び油戻り性の両立の観点から、好ましくは、1〜100mm/s、1〜50mm/s、2〜100mm/s、又は2〜50mm/sである。
【0028】
冷凍機油の体積抵抗率は、好ましくは0.1TΩ・cm以上、より好ましくは1.0TΩ・cm以上、更に好ましくは10.0TΩ・cm以上である。特に密閉型の冷凍機に冷凍機油を用いる場合には、冷凍機油の電気絶縁性は高いことが好ましい。ここでいう体積抵抗率は、JIS C2101:1999に準拠して測定された25℃での体積抵抗率を意味する。
【0029】
冷凍機油の水分含有量は、冷凍機油全量基準で、好ましくは300ppm以下、より好ましくは200ppm以下、更に好ましくは100ppm以下である。特に密閉型の冷凍機に冷凍機油を用いる場合には、冷凍機油の熱・化学的安定性や電気絶縁性に更に優れる観点から、水分含有量が少ないことが好ましい。
【0030】
冷凍機油の酸価は、好ましくは0.1mgKOH/g以下、より好ましくは0.05mgKOH/g以下である。冷凍機油の水酸基価は、好ましくは5.0mgKOH/g以下、より好ましくは2.0mgKOH/g以下である。冷凍機油の酸価及び水酸基価が上記の条件を満たすと、冷凍機又は配管に用いられている金属への腐食をより防止できる。本発明における酸価は、JIS K2501:2003に準拠して測定された酸価を意味する。本発明における水酸基価は、JIS K0070−1992に準拠して測定されて水酸基価を意味する。
【0031】
冷凍機油の灰分は、冷凍機油の熱・化学的安定性を高め、スラッジ等の発生を抑制する観点から、好ましくは100ppm以下、より好ましくは50ppm以下である。本発明における灰分は、JIS K2272:1998に準拠して測定された灰分を意味する。
【0032】
冷凍機油の流動点は、好ましくは−10℃以下、より好ましくは−20℃以下、更に好ましくは−30℃以下であってよい。本発明における流動点は、JIS K2269:1987に準拠して測定された流動点を意味する。
【0033】
本実施形態に係る冷凍機油は、ジフルオロメタン冷媒(HFC−32)と共に用いられる。本実施形態に係る冷凍機用作動流体組成物は、上述の冷凍機油と、ジフルオロメタン冷媒とを含有する。
【0034】
すなわち、ジペンタエリスリトールと2−メチルブタン酸及びn−ペンタン酸とのエステル、並びに、脂環式エポキシ化合物を含有する組成物は、ジフルオロメタン冷媒と共に用いられる冷凍機油の構成成分、又は、冷凍機油とジフルオロメタン冷媒とを含有する冷凍機用作動流体組成物の構成成分として好適に用いられる。また、ジペンタエリスリトールと2−メチルブタン酸及びn−ペンタン酸とのエステル、並びに、脂環式エポキシ化合物を含有する組成物は、ジフルオロメタン冷媒と共に用いられる冷凍機油の製造、又は、冷凍機油とジフルオロメタン冷媒とを含有する冷凍機用作動流体組成物の製造に好適に用いられる。
【0035】
冷媒は、ジフルオロメタンのみからなっていてもよく、ジフルオロメタンに加えてその他の冷媒を含有していてもよい。その他の冷媒としては、ジフルオロメタン以外の飽和フッ化炭化水素冷媒、不飽和フッ化炭化水素冷媒、パーフルオロエーテル類等の含フッ素エーテル系冷媒、ビス(トリフルオロメチル)サルファイド冷媒、3フッ化ヨウ化メタン冷媒、ジメチルエーテル、二酸化炭素、アンモニア及び炭化水素等の自然系冷媒が例示される。
【0036】
ジフルオロメタン以外の飽和フッ化炭化水素冷媒としては、ペンタフルオロエタン(HFC−125)、1,1,2,2−テトラフルオロエタン(HFC−134)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)、1,1−ジフルオロエタン(HFC−152a)、フルオロエタン(HFC−161)、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン(HFC−227ea)、1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン(HFC−236ea)、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(HFC−236fa)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245fa)、及び1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン(HFC−365mfc)が挙げられる。これらの中でも、冷媒雰囲気下における冷凍機油の安定性及びGWP低減の観点から、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)が好ましい。
【0037】
不飽和フッ化炭化水素冷媒としては、1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(HFO−1225ye)、1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234ze)、2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234yf)、1,2,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234ye)、及び3,3,3−トリフルオロプロペン(HFO−1243zf)が挙げられる。これらの中でも、冷媒雰囲気下における冷凍機油の安定性及びGWP低減の観点から、1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234ze)及び2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234yf)が好ましく、2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234yf)がより好ましい。
【0038】
ジフルオロメタンの含有量は、冷媒全量基準で、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは20質量%以上であってよい。
【0039】
冷凍機用作動流体組成物における冷凍機油の含有量は、冷媒100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上であってよく、また、好ましくは500質量部以下、より好ましくは400質量部以下であってよい。
【0040】
冷凍機用作動流体組成物の体積抵抗率は、高いことが望ましく、例えば冷凍機用作動流体組成物における冷凍機油とジフルオロメタン冷媒との体積比が8:2の場合、好ましくは0.01TΩ・cm以上、より好ましくは0.1TΩ・cm以上、更に好ましくは1.0TΩ・cm以上である。ここでいう体積抵抗率は、ジフルオロメタン冷媒雰囲気下(冷凍機油とジフルオロメタンとの体積比が8:2)において、JIS C2101:1999に準拠して測定された25℃での体積抵抗率を意味する。
【0041】
冷凍機油及び冷凍機用作動流体組成物は、往復動式や回転式の密閉型圧縮機を有するエアコン、冷蔵庫、又は開放型若しくは密閉型のカーエアコンに好ましく用いられる。冷凍機油及び冷凍機用作動流体組成物は、除湿機、給湯器、冷凍庫、冷凍冷蔵倉庫、自動販売機、ショーケース、化学プラント等の冷却装置等に好ましく用いられる。冷凍機油及び冷凍機用作動流体組成物は、遠心式の圧縮機を有する冷凍機にも好ましく用いられる。
【実施例】
【0042】
以下、実施例に基づいて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0043】
表1に示す多価アルコールと脂肪酸とのエステル(基油)、及び以下に示す添加剤を用いて、表2〜4に示す組成を有する冷凍機油を調製した。なお、表2〜4中、基油の組成は基油全量基準での質量%、冷凍機油の組成は冷凍機油全量基準での質量%によりそれぞれ示されている。
【0044】
【表1】
【0045】
(添加剤)
B1:3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート
B2:ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート
B3:2−エチルヘキシルグリシジルエーテル
【0046】
各冷凍機油について、以下のとおり電気絶縁性(体積抵抗率)を評価した。結果を表2〜4に示す。
【0047】
(電気絶縁性(体積抵抗率))
JIS C2101:1999に準拠して、ジフルオロメタン冷媒雰囲気下(冷凍機油とジフルオロメタンとの体積比は8:2)での体積抵抗率を測定した。測定された体積抵抗率が、1.0TΩ・cm以上の場合をA、0.1TΩ・cm以上1.0TΩ・cm未満の場合をB、0.1TΩ・cm未満の場合をCとして、結果を表2〜4に示す。
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】
【表4】
【国際調査報告】