特表-16143399IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ オムロン株式会社の特許一覧
再表2016-143399バッテリ、システム、バッテリ管理方法、バッテリ管理プログラムおよび記録媒体
<>
  • 再表WO2016143399-バッテリ、システム、バッテリ管理方法、バッテリ管理プログラムおよび記録媒体 図000003
  • 再表WO2016143399-バッテリ、システム、バッテリ管理方法、バッテリ管理プログラムおよび記録媒体 図000004
  • 再表WO2016143399-バッテリ、システム、バッテリ管理方法、バッテリ管理プログラムおよび記録媒体 図000005
  • 再表WO2016143399-バッテリ、システム、バッテリ管理方法、バッテリ管理プログラムおよび記録媒体 図000006
  • 再表WO2016143399-バッテリ、システム、バッテリ管理方法、バッテリ管理プログラムおよび記録媒体 図000007
  • 再表WO2016143399-バッテリ、システム、バッテリ管理方法、バッテリ管理プログラムおよび記録媒体 図000008
  • 再表WO2016143399-バッテリ、システム、バッテリ管理方法、バッテリ管理プログラムおよび記録媒体 図000009
  • 再表WO2016143399-バッテリ、システム、バッテリ管理方法、バッテリ管理プログラムおよび記録媒体 図000010
  • 再表WO2016143399-バッテリ、システム、バッテリ管理方法、バッテリ管理プログラムおよび記録媒体 図000011
  • 再表WO2016143399-バッテリ、システム、バッテリ管理方法、バッテリ管理プログラムおよび記録媒体 図000012
  • 再表WO2016143399-バッテリ、システム、バッテリ管理方法、バッテリ管理プログラムおよび記録媒体 図000013
  • 再表WO2016143399-バッテリ、システム、バッテリ管理方法、バッテリ管理プログラムおよび記録媒体 図000014
  • 再表WO2016143399-バッテリ、システム、バッテリ管理方法、バッテリ管理プログラムおよび記録媒体 図000015
  • 再表WO2016143399-バッテリ、システム、バッテリ管理方法、バッテリ管理プログラムおよび記録媒体 図000016
  • 再表WO2016143399-バッテリ、システム、バッテリ管理方法、バッテリ管理プログラムおよび記録媒体 図000017
  • 再表WO2016143399-バッテリ、システム、バッテリ管理方法、バッテリ管理プログラムおよび記録媒体 図000018
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2016年9月15日
【発行日】2017年12月14日
(54)【発明の名称】バッテリ、システム、バッテリ管理方法、バッテリ管理プログラムおよび記録媒体
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/48 20060101AFI20171117BHJP
   H01M 10/42 20060101ALI20171117BHJP
【FI】
   H01M10/48 301
   H01M10/42 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】27
【出願番号】特願2017-504898(P2017-504898)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2016年1月26日
(31)【優先権主張番号】特願2015-49613(P2015-49613)
(32)【優先日】2015年3月12日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129012
【弁理士】
【氏名又は名称】元山 雅史
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】高塚 皓正
(72)【発明者】
【氏名】笠井 一希
(72)【発明者】
【氏名】吉川 泰司
【テーマコード(参考)】
5H030
【Fターム(参考)】
5H030AS08
5H030FF22
5H030FF27
5H030FF31
5H030FF41
5H030FF42
5H030FF43
5H030FF44
5H030FF52
(57)【要約】
複数のバッテリ(10)を貸し出し可能なシステムにおいて、単体で持ち運びされるバッテリ(10)であって、物理負荷情報取得部(11c)を備える。物理負荷情報取得部(11c)は、バッテリ(10)に対する物理負荷情報を取得する。物理負荷情報取得部(11c)は、バッテリ(10)の加速度情報を検出する加速度センサ(50)、バッテリ(10)の振動情報を取得する振動センサ(51)、バッテリ(10)の歪み情報を検出する歪みセンサ(52)、バッテリに対する衝撃情報を取得する衝撃センサ(53)、およびバッテリに対する圧力情報を取得する圧力センサ(54)の少なくとも1つを有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のバッテリを貸し出し可能なシステムにおいて、単体で持ち運びされるバッテリであって、
前記バッテリに対する物理負荷情報を取得する物理負荷情報取得部を備えた、バッテリ。
【請求項2】
前記物理負荷情報取得部は、
前記バッテリの加速度情報を検出する加速度センサ、前記バッテリの振動情報を取得する振動センサ、前記バッテリの歪み情報を検出する歪みセンサ、前記バッテリに対する衝撃情報を取得する衝撃センサ、前記バッテリに対する圧力情報を取得する圧力センサ、前記バッテリの傾き情報を取得する傾きセンサ、前記バッテリの位置情報を取得する位置センサ、および前記バッテリの速度情報を検出する速度センサの少なくとも1つを有する、
請求項1に記載のバッテリ。
【請求項3】
前記物理負荷情報取得部によって取得された前記物理負荷情報を記憶する記憶部を更に備えた、請求項1に記載のバッテリ。
【請求項4】
前記物理負荷情報取得部によって取得された前記物理負荷情報を、該物理負荷情報を分析する情報処理装置へ送信する通信部を更に備えた、
請求項1に記載のバッテリ。
【請求項5】
前記情報処理装置は、クラウドコンピューティングにおける仮想サーバである、
請求項4に記載のバッテリ。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載のバッテリと、
情報処理装置とを備えたシステムであって、
前記情報処理装置は、
前記バッテリの物理負荷情報取得部からの情報を取得する出力情報取得部と、
前記出力情報取得部からの情報を用いて、前記バッテリに対する物理負荷を分析する物理負荷情報分析部と、を有する、
システム。
【請求項7】
前記物理負荷情報分析部は、
前記出力情報取得部が取得した情報を用いて、前記バッテリの損傷度を算出する損傷算出部を有する、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記物理負荷情報分析部は、
前記損傷算出部によって算出された前記損傷度に基づいて、前記バッテリの使用の可否を判定する使用可否判定部を更に有する、
請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記物理負荷情報分析部は、
前記出力情報取得部が取得した情報を用いて、前記バッテリの使用状態を判定する使用状態判定部を有する、請求項6に記載のシステム。
【請求項10】
単体で持ち運ばれるバッテリを複数貸し出し可能な場合において前記バッテリを管理するバッテリ管理方法であって、
前記バッテリに対する物理負荷情報を取得する物理負荷情報取得ステップと、
前記物理負荷情報取得ステップにおいて取得された前記物理負荷情報を用いて、前記バッテリに対する物理負荷を分析する物理負荷情報分析ステップと、を備えた、
バッテリ管理方法。
【請求項11】
前記物理負荷情報分析ステップは、
前記物理負荷情報を用いて、前記バッテリの損傷度を算出する損傷算出ステップと、
前記損傷算出ステップによって算出された前記損傷度に基づいて、前記バッテリの使用の可否を判定する使用可否判定ステップと、を有する、
請求項10に記載のバッテリ管理方法。
【請求項12】
前記物理負荷情報分析ステップは、
前記物理負荷情報取得ステップにおいて取得された前記物理負荷情報を用いて、前記バッテリの使用状態を判定する使用状態判定ステップを有する、
請求項10に記載のバッテリ管理方法。
【請求項13】
単体で持ち運ばれるバッテリを複数貸し出し可能な場合において前記バッテリを管理するバッテリ管理プログラムであって、
前記バッテリに対する物理負荷情報を取得する物理負荷情報取得ステップと、
前記物理負荷情報を用いて、前記バッテリに対する物理負荷を分析する物理負荷情報分析ステップと、を備えた、バッテリ管理方法をコンピュータに実行させるバッテリ管理プログラム。
【請求項14】
請求項13に記載のバッテリ管理プログラムを記録した記録媒体であって、コンピュータにより処理可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリ、システム、バッテリ管理方法、バッテリ管理プログラムおよび記録媒体に関し、例えば、単体で持ち運びされるバッテリに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、バッテリ(いわゆる二次電池)は、電気自動車の電力供給源として使用されている。バッテリの例として、特許文献1および2に記載されているバッテリーパックが挙げられる。
近年では、電気自動車のユーザに複数のバッテリを貸し出すシステムが登場してきている。前記システムは、システムの利用者にバッテリを貸し出し、利用者から使用済のバッテリが返却されたとき、返却されたバッテリと、充電済みの他のバッテリとを交換(スワップ)する。そのため、前記システムは、バッテリスワップシステムと呼ばれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−193738号公報(2013年9月30日公開)
【特許文献2】特開2013−223423号公報(2013年10月28日公開)
【発明の概要】
【0004】
前記バッテリスワップシステムでは、電気自動車から取り外されたバッテリの単体が、システムの利用者によって持ち運びされる。このとき、利用者は、例えば、バッテリを誤って落下させることによって、バッテリの内部を損傷させる可能性がある。損傷度の大きいバッテリには、不具合が発生する可能性があるので、そのようなバッテリの貸し出しは停止されることが望ましい。しかしながら、バッテリが返却された後には、そのバッテリが落下した事実を知ることは困難である。従って、バッテリが貸し出されている間に、バッテリが損傷を受けたかどうかも分からない場合があり、適切に管理できないという問題がある。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、単体で持ち運びされるバッテリを適切に管理することにある。
【0005】
(課題を解決するための手段)
上記の課題を解決するために、第1の発明に係るバッテリは、複数のバッテリを貸し出し可能なシステムにおいて、単体で持ち運びされるバッテリであって、物理負荷情報取得部を備えている。物理負荷情報取得部は、バッテリに対する物理負荷情報を取得する。
【0006】
本バッテリの構成によれば、物理負荷情報取得部によって、持ち運ばれるバッテリに加えられる物理負荷を取得できる。
これにより、バッテリが貸し出されている間に、バッテリにどのような物理負荷が加えられたかが分かるため、損傷度や使用状態を判断でき、適切にバッテリを管理することが出来る。
【0007】
第2の発明に係るバッテリは、第1の発明に係るバッテリであって、物理負荷情報取得部は、バッテリの加速度情報を検出する加速度センサ、バッテリの振動情報を取得する振動センサ、バッテリの歪み情報を検出する歪みセンサ、バッテリに対する衝撃情報を取得する衝撃センサ、バッテリに対する圧力情報を取得する圧力センサ。バッテリの傾き情報を取得する傾きセンサ、バッテリの位置情報を取得する位置センサ、およびバッテリの速度情報を検出する速度センサの少なくとも1つを有する。
【0008】
例えば、物理負荷情報取得部が加速度センサを有する場合には、バッテリの加速度情報が取得される。そのため、取得された加速度情報に基づいて、バッテリにどのような加速度が印加されたのかが分かるので、バッテリの損傷度や使用状態を判定することができる。加速度センサによれば、例えば、どの方向から落下したか等の情報を検出することができる。
【0009】
また、物理負荷情報取得部が振動センサを有する場合には、バッテリにどのような振動が負荷されたかが分かるため、バッテリの損傷度や使用状態を判定することが出来る。
また、物理負荷情報取得部が歪みセンサを有する場合には、バッテリにどのような衝撃や振動が負荷されたかが分かるため、バッテリの損傷度や使用状態を判定することが出来る。歪みセンサとしては例えば歪みゲージを用いることができる。バッテリの複数の面に歪みゲージを配置することによって、例えば、どの面に衝撃が加わったか、どの面から落下したか等の情報を取得できる。また、ケース内にセルを囲むセル格納ケースを備えている構成のバッテリの場合、セル格納ケースおよびケースの双方に歪みセンサを設けることにより、衝撃が内側まで届いたか否かを判別でき、より詳細に損傷度を判断することができる。
【0010】
また、物理負荷情報取得部が衝撃センサを有する場合には、バッテリに負荷された衝撃情報が取得される。そのため、取得された衝撃情報に基づいて、バッテリの損傷度や使用状態を判定することができる。
また、物理負荷情報取得部が圧力センサを有する場合には、バッテリにどのような圧力が負荷されたかが分かるため、バッテリの損傷度や使用状態を判定することが出来る。バッテリの複数の面に圧力センサを配置することによって、例えば、どの面に衝撃が加わったか、どの面から落下したか等の情報を取得することができる。
【0011】
また、物理負荷情報取得部が傾きセンサを有する場合には、貸し出し中におけるバッテリの傾きを検出でき、バッテリの配置姿勢に関する情報を取得することができる。
また、物理負荷情報取得部が位置センサを有する場合には、バッテリの位置情報を取得することができる。この位置情報から速度情報、加速度情報を推測することができる。
また、物理負荷情報取得部が速度センサを有する場合には、バッテリの移動速度などを取得することが出来る。この移動速度から、加速度情報を推測することができる。
【0012】
第3の発明に係るバッテリは、第1の発明に係るバッテリであって、物理負荷情報取得部によって取得された物理負荷情報を記憶する記憶部を更に備えている。
これにより、バッテリが貸し出されている間にバッテリに加えられた物理負荷情報を記録することができる。このため、バッテリをバッテリ管理装置に返却した際に、バッテリに記憶されている物理負荷情報を用いてバッテリの損傷度や使用状態を判定することが出来る。
【0013】
第4の発明に係るバッテリは、第1の発明に係るバッテリであって、物理負荷情報取得部によって取得された物理負荷情報を、物理負荷情報を分析する情報処理装置へ送信する通信部を更に備えている。
このように通信部を備えていることにより、バッテリが貸し出されている間にバッテリに加えられた物理負荷情報をリアルタイムで情報処理装置へ送信することができ、バッテリの損傷度や使用状態を判定できる。
【0014】
第5の発明に係るバッテリは、第4の発明に係るバッテリであって、情報処理装置は、クラウドコンピューティングにおける仮想サーバである。
このように情報処理装置がクラウドコンピューティング上の仮想サーバとして設けられており、通信部はクラウドコンピューティングシステムに送信してもよい。使用者は、クラウドコンピューティングシステムにアクセスすることにより、分析結果を得ることができる。
【0015】
第6の発明に係るシステムは、第1から5のいずれかの発明に係るバッテリと、情報処理装置とを備える。情報処理装置は、出力情報取得部と、物理負荷情報分析部とを有する。出力情報取得部は、バッテリの物理情報取得部からの情報を取得する。物理負荷情報分析部は、出力情報取得部からの情報を用いて、バッテリに対する物理負荷を分析する。
この構成によれば、バッテリが貸し出されている間に、バッテリにどのような物理負荷が加えられたかが分かるため、損傷度や使用状態を判断でき、バッテリスワップシステムにおいて、適切にバッテリを管理することが出来る。
【0016】
第7の発明に係るシステムは、第6の発明に係るシステムであって、物理負荷情報分析部は、出力情報取得部が取得した情報を用いて、バッテリの損傷度を算出する損傷算出部を更に有する。
これにより、バッテリの損傷度を算出することが出来、損傷度に基づいて、バッテリに対して点検、修理、破棄などの判断を行うことが出来る。
【0017】
第8の発明に係るシステムは、第7の発明に係るシステムであって、物理負荷情報分析部は、損傷算出部によって算出された損傷度に基づいて、バッテリの使用の可否を判定する使用可否判定部を更に有する。
これにより、損傷度に基づいてバッテリの使用の判断を自動で行うことができる。
【0018】
第9の発明に係るシステムは、第6の発明に係るシステムであって、物理負荷情報分析部は、出力情報取得部が取得した情報を用いて、バッテリの使用状態を判定する使用状態判定部を有する。
これにより、バッテリを貸し出している間のバッテリの使用状態を分析することが出来。すなわち、貸出人のバッテリの取り扱いが乱暴であるといったことを判定することができ、該当する貸出人に注意喚起を行うことが可能となる。
【0019】
第10の発明に係るバッテリ管理方法は、単体で持ち運ばれるバッテリを複数貸し出し可能な場合においてバッテリを管理するバッテリ管理方法であって、物理負荷情報取得ステップと、物理負荷情報分析ステップと、を備える。物理負荷情報取得ステップは、バッテリに対する物理負荷情報を取得する。物理負荷情報分析ステップは、物理負荷情報取得ステップにおいて取得された物理負荷情報を用いて、バッテリに対する物理負荷を分析する。
これによって、バッテリが貸し出されている間に、バッテリにどのような物理負荷が加えられたかが分かるため、損傷度や使用状態を判断でき、バッテリスワップシステムにおいて、適切にバッテリを管理することが出来る。
【0020】
第11の発明に係るバッテリ管理方法は、第10の発明に係るバッテリ管理方法であって、物理負荷情報分析ステップは、損傷算出ステップと、使用可否判定ステップと、を有する。損傷算出ステップは、物理負荷情報を用いて、バッテリの損傷度を算出する。使用可否判定ステップは、損傷算出ステップによって算出された損傷度に基づいて、バッテリの使用の可否を判定する。
これにより、バッテリの損傷度を算出することが出来、損傷度に基づいて、バッテリに対して点検、修理、破棄などの判断を行うことが出来る。
また、損傷度に基づいてバッテリの使用の判断を自動で行うことができる。
【0021】
第12の発明に係るバッテリ管理方法は、第10の発明に係るバッテリ管理方法であって、物理負荷情報分析ステップは、物理負荷情報取得ステップにおいて取得した物理負荷情報を用いて、バッテリの使用状態を判定する使用状態判定ステップを有する。
これにより、バッテリを貸し出している間のバッテリの使用状態を分析することが出来。すなわち、貸出人のバッテリの取り扱いが乱暴であるといったことを判定することができ、該当する貸出人に注意喚起を行うことが可能となる。
【0022】
第13の発明に係るバッテリ管理プログラムは、単体で持ち運ばれるバッテリを複数貸し出し可能な場合において前記バッテリを管理するバッテリ管理プログラムであって、物理負荷情報取得ステップと、物理負荷情報分析ステップと、を備えている。物理負荷情報取得ステップは、バッテリに対する物理負荷情報を取得する。物理負荷情報分析ステップは、物理負荷情報を用いて、バッテリに対する物理負荷を分析する。
これによって、バッテリが貸し出されている間に、バッテリにどのような物理負荷が加えられたかが分かるため、損傷度や使用状態を判断でき、バッテリスワップシステムにおいて、適切にバッテリを管理することが出来る。
なお、プログラムの一利用形態は、インターネット等の伝送媒体、光・電波・音波等の伝送媒体中を伝送し、コンピュータにより読みとられ、コンピュータと協働して動作する態様であってもよい。また、プログラムは、クラウドコンピューティングシステムのサーバに設けられていてもよい。
【0023】
第14の発明に係る記録媒体は、第13の発明に係るバッテリ管理プログラムを記録した記録媒体であって、コンピュータにより処理可能である。
このように、プログラムの一利用形態として、ROM等の記録媒体に記録された態様としてもよい。
(発明の効果)
本発明によれば、単体で持ち運びされるバッテリを適切に管理することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】一実施形態(実施の形態1)に係るバッテリスワップシステムの構成を示すブロック図である。
図2A】一実施形態に係るバッテリスワップシステムが備えたバッテリのケース内におけるセンサの配置例を示す図である。
図2B】一実施形態に係るバッテリスワップシステムが備えたバッテリのケース内におけるセンサの配置例を示す図である。
図2C】一実施形態に係るバッテリスワップシステムが備えたバッテリのケース内におけるセンサの配置例を示す図である。
図2D】一実施形態に係るバッテリスワップシステムが備えたバッテリのケース内におけるセンサの配置例を示す図である。
図3】(a)(b)は、一実施形態に係るバッテリスワップシステムが備えたバッテリの損傷要因の例を示す。
図4】(a)(b)は、一実施形態に係るバッテリスワップシステムが備えたバッテリの損傷要因の他の例を示す。
図5】(a)(b)は、一実施形態に係るバッテリスワップシステムが備えたバッテリの損傷要因のさらに他の例を示す。
図6】一実施形態(実施の形態1)に係るバッテリスワップシステムが備えた制御部によって実行される使用可否判定処理の流れを示すフローチャートである。
図7】一実施形態に係るバッテリスワップシステムが備えた温度負荷損傷算出部によるセル内温度の推定結果の一例を示す図である。
図8】一実施形態に係るバッテリスワップシステムが備えた物理負荷情報取得部によって取得される検出値の一例を示す図である。
図9】一実施形態に係るバッテリスワップシステムが備えたバッテリの加速度と損傷度との関係を示す実験データをプロットしたグラフである。
図10】一実施形態(実施の形態2)に係るバッテリスワップシステムの構成を示すブロック図である。
図11】一実施形態(実施の形態2)に係るバッテリスワップシステムが備えた制御部によって実行される使用状態判定処理の流れを示すフローチャートである。
図12】本実施の形態の変形例におけるバッテリスワッピングシステムの構成を示すブロック図である。
図13】本実施の形態の変形例におけるバッテリスワッピングシステムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
(実施の形態1)
(バッテリスワップシステム1)
図1は、本実施の形態1に係るバッテリスワップシステム1(以下では、システム1と略称する)の構成を示すブロック図である。図1に示すように、システム1は、バッテリ10およびバッテリ管理装置20を含んでいる。図1には、1つのバッテリ10のみが示されているが、システム1は、実際には複数のバッテリ10を含んでいる。
【0026】
システム1は、システム1の利用者に対して、複数のバッテリ10を貸し出す。複数のバッテリ10は、システム1の利用者に貸し出された後、電気自動車等の車両に搭載されて、車両への電力供給源として使用される。その後、バッテリ10は、システム1のステーションに返却される。返却されたバッテリ10は、ステーションで充電された後、システム1の利用者に再び貸し出される。
【0027】
なお、図示しないが、システム1は、各種センサ(例えば、電流センサ、電力センサ、電圧センサ、温度センサ)を用いて、セル12(蓄電部)の情報を取得する蓄電部情報取得部をさらに備えていてもよい。また、各種センサ(例えば、電流センサ、電力センサ、電圧センサ)を用いて、電力使用負荷に関する情報を取得する使用負荷情報取得部をさらに備えていてもよい。
【0028】
(バッテリ10)
図1に示すように、バッテリ10は、損傷要因情報取得部11、セル12、情報出力部13、情報蓄積部14、記憶部15、セル格納ケース18およびCPU16を備えている。バッテリ10の各部(詳細には、損傷要因情報取得部11の外部環境情報取得部11bを除く)は、ケース17(図2参照)に収容されている。
【0029】
図2Aは、バッテリ10の構成を示す図であり、後述する各種センサの配置例を示す図である。図2Aに示すように、複数のセル12がケース17内に互いに近接して配置されている。これらのセル12は、ケース17の内側に配置されているセル格納ケース18によって囲まれている。CPU16は、ケース17の内側であってセル格納ケース18の外側に配置されている。また、セル12は、9個配置されており、縦横に3個ずつ直線上に並んで配置されている。CPU16は、電子基板16aに配置されており、電子基板16aは、電子基板格納ケース19によって囲まれている。
なお、セル格納ケース18および電子基板格納ケース19は、格納している部品に対する保護および防水の機能を有する。
【0030】
(損傷要因情報取得部11)
損傷要因情報取得部11は、バッテリ10の損傷要因に関する情報である損傷要因情報を取得する。損傷要因には、物理負荷、電子負荷、および熱負荷の他、湿気などが含まれる。損傷要因の例を後述する。損傷要因情報取得部11が取得した損傷要因情報は、情報蓄積部14に出力される。
【0031】
図1に示すように、損傷要因情報取得部11は、内部環境情報取得部11a、外部環境情報取得部11b、および物理負荷情報取得部11cを含んでいる。
図2A図2Dに、バッテリ10のケース17内における損傷要因情報取得部11(内部環境情報取得部11a、外部環境情報取得部11b、物理負荷情報取得部11c)の配置例を示す。
【0032】
(内部環境情報取得部11a)
内部環境情報取得部11aは、損傷要因情報として、バッテリ10のケース17内における環境である内部環境の情報を取得する。
図1および図2Aに示すように、内部環境情報取得部11aは、ケース内温度センサ30、セル外温度センサ31、水没センサ32、および電磁波センサ33を備えている。ケース内温度センサ30はケース17内の温度を検出し、セル外温度センサ31はセル12外の温度を検出し、水没センサ32はバッテリ10が水没したか否かを示す情報を検出する。内部環境情報取得部11aが取得する内部環境情報には、ケース内温度センサ30、セル外温度センサ31、水没センサ32、および電磁波センサ33による各検出値(検出結果)が含まれる。
【0033】
なお、内部環境情報取得部11aは、上述した複数の種類のセンサの全てを含んでいなくてもよく、いずれか一つの種類のセンサを備えていればよい。
図2Aに示すように、内部環境情報取得部11aが備えたケース内温度センサ30は、矩形を有するケース17の内側の四隅に配置されており、セル外温度センサ31は、各セル12の近傍にそれぞれ配置されている。また、セル外温度センサ31は、複数のセル12を囲むセル格納ケース18の内側に複数個配置されている。
【0034】
水没センサ32としては、例えば、水が付着した際の抵抗値の変化を読み取る水分検知センサを用いることが出来る。また、水没センサ32として、水没検知シールの色を画像センサによって検出することにより、水没を検出してもよい。水没センサ32は、セル格納ケース18の内側にセル12とともに配置されている。なお、水没センサ32は、図2Aに示すように、ケース17の内側であってセル格納ケース18の外側に配置されていてもよい。更に水没センサ32は、電子基板格納ケース19の内側に配置されていてもよい。これにより、どの位置まで水が浸入したかを判断できる。
【0035】
電磁波センサ33は、電磁波を検出し、例えばバッテリ10に電磁波を発生する機器が近づけられたことを検出することが出来る。電磁波センサ33は、図2Aに示すように、ケース17の内側であってCPU16の近傍に配置されていてもよい。電磁波センサ33をCPU16の近傍に配置することにより、CPU16に与える影響を検出することができる。
【0036】
また、図1に示すように、内部環境情報取得部11aは、湿度センサ34、画像センサ35、ガスセンサ36、音波センサ37、磁気センサ38および、電波センサ39のうち、少なくともいずれか1つを備えていてもよい。図2Bは、これらのセンサの配置の一例を示す図である。
湿度センサ34は、図2Bに示すように、セル格納ケース18の内側またはセル格納ケース18の外側であってケース17の内側に配置されていてもよい。湿度センサ34は、ケース17の内部の湿度を検出する。湿度センサ34は、セル格納ケース18の内側に収納されていてもよい。湿度センサ34により、水濡れの検出も可能である。
【0037】
画像センサ35は、例えば、図2Bに示すように、ケース17の内側面に配置してもよい。画像センサ35により、例えば埃などの異物の侵入などを検知することができる。
ガスセンサ36は、例えば図2Bに示すように、ケース17の内側であって、セル格納ケース18の内側または外側に配置されていてもよい。ガスセンサ36によって、ケース17の内部へのガスの侵入を検知でき、貸し出し中にバッテリ10が配置されていた環境を検出できる。音波センサ37は、図2Bに示すようにケース17の内側に配置されていてもよい。磁気センサ38および電波センサ39は、図2Bに示すように、ケース17の内側であってCPU16の近傍に配置されていてもよい。磁気センサ38および電波センサ39をCPU16の近傍に配置することにより、CPU16に与える影響を検出することができる。
【0038】
なお、内部環境情報取得部11aが、上記複数種類のセンサを備えている場合には、内部環境情報取得部11aが取得する内部環境情報には、湿度センサ34、画像センサ35、ガスセンサ36、音波センサ37、磁気センサ38および、電波センサ39による各検出値(検出結果)が含まれる。
なお、後述する物理負荷情報取得部11cの振動センサ51は、内部環境情報取得部11aが有していてもよい。
また、図1図2Aおよび図2Bで説明した各々のセンサの位置および数は限定されるものではない。
【0039】
(外部環境情報取得部11b)
外部環境情報取得部11bは、損傷要因情報として、バッテリ10のケース17外における環境である外部環境の情報を取得する。
図1に示すように、外部環境情報取得部11bは、ケース外温度センサ40および日照センサ41を備えている。外部環境情報には、ケース外温度センサ40および日照センサ41による各検出値が含まれる。
なお、外部環境情報取得部11bは、上述した2つの種類のセンサの双方を含んでいなくてもよく、いずれか一方のみを含んでいてもよい。
【0040】
図2Aに示すように、外部環境情報取得部11bのケース外温度センサ40および日照センサ41は、矩形を有するケース17の外側の四隅に配置されている。ケース外温度センサ40により、ケース17の外側の温度を測定できる。詳しくは、後述するが、ケース内温度センサ30およびセル外温度センサ31による検出値に基づいてセル12の温度を精度良く検出できる。
【0041】
日照センサ41は、バッテリ10に対して日が当たっている時間などを検出し、例えば、使用者によってバッテリ10が日向に放置されていたことなどを検出できる。
なお、外部環境情報取得部11bは、照度センサ42、画像センサ43、ガスセンサ44、音波センサ45、磁気センサ46、電波センサ47、水没センサ48、および湿度センサ49のうちの少なくともいずれか1つを備えていてもよい。
【0042】
照度センサ42は、図2Cに示すように、例えばケース17の外側面に配置されており、バッテリ10に照射された光の明るさを検出できる。画像センサ43は、図2Cに示すように、例えばケース17の外側面に配置されており、バッテリ10の配置されている環境を画像として検出できる。画像センサ43によれば、例えば埃などの異物が浮遊している環境下に載置されていたこと等を検知することができる。ガスセンサ44は、図2Cに示すように、例えばケース17の外側面に配置されており、貸し出し中にバッテリ10が配置されていた環境を検出できる。音波センサ45は、図2Cに示すように、例えばケース17の外側面に配置されており、音波を検出できる。磁気センサ46および電波センサ47は、ケース17の外側面であって、CPU16の近傍に配置されていてもよい。磁気センサ46および電波センサ47をCPU16の近傍に配置することにより、CPU16に与える影響を検出することができる。
【0043】
水没センサ48は、ケース17の外側に設けられており、上述した水没センサ32と同様に、水分検知センサを用いて水没を検出してもよいし、水没検知シールの色を画像センサによって検出することにより、水没を検出してもよい。水没センサ48によれば、ケース17が水に濡れたことを検出することが出来る。
湿度センサ49は、ケース17の外側に設けられており、バッテリ10の外部の湿度を検出する。
【0044】
なお、図2Cでは、照度センサ42、画像センサ43、ガスセンサ44、音波センサ45、磁気センサ46、電波センサ47、水没センサ48、および湿度センサ49は、各々一つずつしか配置されていないが、図2Aのケース外温度センサ40および湿度センサ49のようにケース17の周囲に複数個配置されているほうが好ましい。例えば、日照センサ42の場合、どの面から日が当たっていても検出できるように全ての面に設けられているほうが好ましい。
【0045】
(物理負荷情報取得部11c)
物理負荷情報取得部11cは、損傷要因情報として、バッテリ10に印加された物理負荷の情報である物理負荷情報を取得する。
図1及び図2Aに示すように、物理負荷情報取得部11cは、加速度センサ50、振動センサ51、歪みセンサ52、および衝撃センサ53を備えている。物理負荷情報には、加速度センサ50、振動センサ51、歪みセンサ52、および衝撃センサ53による各検出値が含まれる。加速度センサ50、振動センサ51、および衝撃センサ53は、互いに異なる加速度情報(加速度、振動、衝撃)を取得する。しかしながら、物理負荷情報取得部11cは、バッテリ10の加速度情報を取得する少なくとも一つのセンサを備えていればよい。
【0046】
なお、物理負荷情報取得部11cは、上述した複数の種類のセンサの全てを含んでいなくてもよく、いずれか一つの種類のセンサを備えていればよい。
図2Aでは、物理負荷情報取得部11cの加速度センサ50が、バッテリ10のケース17内の一隅に配置されている。加速度センサ50は、バッテリ10の内側または外側(ケース17の外側面等)のどこに配置されてもよい。
【0047】
物理負荷情報取得部11cが加速度センサ50を有する場合には、バッテリ10の加速度情報が取得される。そのため、取得された加速度情報に基づいて、バッテリ10にどのような加速度が印加されたのかが分かるので、バッテリの損傷度や使用状態を判定することができる。また、加速度センサ50によれば、例えば、バッテリ10がどの方向から落下したか等の情報を検出することができる。
【0048】
振動センサ51は、図2Aに示すように、ケース17内に配置されているが、加速度センサ50と同様に、バッテリ10の内側または外側(ケース17の外側面等)のどこに配置されてもよい。振動センサ51は、バッテリ10にどのような振動(振動情報)が負荷されたかを検出するため、バッテリ10の損傷度や使用状態を判定することが出来る。
【0049】
歪みセンサ52は、図2Aに示すように、例えばケース17の内壁に設けられており、ケース17に加えられた物理負荷によるケース17の歪み情報を検出する。歪みセンサ52は、バッテリ10にどのような衝撃等が負荷されたかを検出するため、バッテリ10の損傷度や使用状態を判定することが出来る。歪みセンサ52としては例えば歪みゲージを用いることができる。また、歪みセンサ52は、ケース17の各面の全てに配置されていてもよく、これにより、どの面に負荷が加えられたか等の情報(例えば、どの面に衝撃が加わったか、どの面から落下したか等の情報)を検出することが出来る。なお、歪みセンサ52は、ケース17の内面または外面のどちらに設けられていてもよい。また、セル12を囲むセル格納ケース18およびケース17の双方に歪みセンサ52を設けることにより、衝撃が内側まで届いたか否かを判別でき、より詳細に損傷度を判断することができる。さらに、バッテリ10内の電子基板を格納する電子基板格納ケース19に歪みセンサ52を設けた場合には、電子基板16aに衝撃が届いたのかを判定することができる。
【0050】
衝撃センサ53は、図2Aに示すように、ケース17内に配置されているが、加速度センサ50と同様に、バッテリ10の内側または外側(ケース17の外側面等)のどこに配置されてもよい。衝撃センサ53は、バッテリ10に負荷された衝撃(衝撃情報)を検出するため、バッテリ10の損傷度や使用状態を判定することが出来る。
なお、物理負荷情報取得部11cは、圧力センサ54、傾きセンサ55、位置センサ56および速度センサ57のうち少なくとも一つを備えていてもよい。
【0051】
図2Dは、圧力センサ54、傾きセンサ55、位置センサ56および速度センサ57の配置例を示す図である。
図2Dに示すように、圧力センサ54は、ケース17の外側に配置されており、バッテリ10に負荷された圧力を検出できる。このようにバッテリにどのような圧力(圧力情報)が負荷されたかが分かるため、バッテリ10の損傷度や使用状態を判定することが出来る。図2Dでは一箇所にのみ圧力センサ54が配置されているが、バッテリ10の複数の面に圧力センサ54を配置することによって、例えば、どの面に衝撃が加わったか、どの面から落下したか等の情報を取得することができる。
【0052】
また、圧力センサ54の一例として気圧センサが用いられてもよい。図2Dに示すように気圧センサ541をケース17のセル格納ケース18内に設けることにより、密閉容器であるケース17が破損した場合に、微小な破損を検知することができる。
図2Dに示すように、傾きセンサ55は、ケース17の内側に配置されており、貸し出し中におけるバッテリ10の傾き(傾き情報)を検出する。これによって、貸し立ち中におけるバッテリ10の配置姿勢に関する情報を取得することができる。
【0053】
位置センサ56は、図2Dでは、ケース17の内側に配置されており、バッテリ10の高さ方向の位置(位置情報)を検出する。このように高さ方向の位置を検出することにより、速度、加速度を算出することが出来る。
速度センサ57は、図2Dに示すように、ケース17の内側に配置されており、バッテリ10の速度(速度情報)を検出する。バッテリ10の移動速度から加速度情報を算出することが出来る。
【0054】
(損傷要因の例)
図3の(a)(b)〜図5の(a)(b)を用いて、バッテリ10の損傷要因の例を説明する。
図3の(a)(b)は、バッテリ10の内部環境を変化させることによってバッテリ10を損傷させる損傷要因の例を示す。図3の(a)において、バッテリ10に加わる電磁波(電子負荷)が損傷要因であり、図3の(b)において、バッテリ10の内部に浸入した水分(水濡れ)が損傷要因である。図3の(a)に示すように、バッテリ10に電磁波が照射された場合、バッテリ10のCPU16が誤動作し、バッテリ10の内部が損傷する可能性がある。また、図3の(b)に示すように、バッテリ10が水没した場合、バッテリ10の内部に水分が浸透することによって、バッテリ10の内部では結露が生じ易くなる。結露によって発生した水滴は、バッテリ10のCPU16を誤動作させるので、バッテリ10が損傷する要因になる。
【0055】
図4の(a)(b)は、バッテリ10の外部環境を変化させることによってバッテリ10を損傷させる損傷要因の例を示す。図4の(a)において、屋外等に放置されたバッテリ10に対して照射される直射日光(熱負荷)が損傷要因である。バッテリ10に直射日光が照射された場合、バッテリ10の温度が上昇する。また、図4の(b)において、バッテリ10に加わる高熱(熱負荷)が損傷要因である。バッテリ10が高熱にさらされた場合、バッテリ10の温度は上昇する。バッテリ10が高温である状態が長期間にわたって持続した場合、バッテリ10が損傷する可能性がある。
【0056】
図5の(a)(b)は、損傷要因としての物理負荷の例を示す。図5の(a)(b)において、バッテリ10に加わる衝撃(物理負荷)が損傷要因である。図5の(a)に示すように、システム1の利用者が、バッテリ10を落下させた場合、バッテリ10と地面とが衝突することによって、バッテリ10には強い衝撃が加わる。また、図5の(b)に示すように、バッテリ10を搭載した車両と、他の車両とが衝突した場合にも、バッテリ10には、間接的に強い衝撃(物理負荷)が加わる。このように大きな衝撃がバッテリ10に加わった場合、バッテリ10の内部(主に、構造部、およびそれを支持する支持材など)が剥離または破損する可能性がある。
【0057】
(セル12、CPU16)
セル12は、二次電池のセルである。図2A図2Dに示すように、バッテリ10は、複数のセル12を備えている。各セル12は、バッテリ10の外部から供給される電力によって蓄電され、蓄電された電力を放電することができる。セル12の充電と放電との切り換えは、CPU16によって制御される。
【0058】
(情報出力部13、情報蓄積部14)
情報蓄積部14は、損傷要因情報取得部11から入力された損傷要因情報を、記憶部15に記憶する。また、情報蓄積部14は、記憶部15に蓄積された損傷要因情報を、情報出力部13に出力する。情報出力部13は、情報蓄積部14から入力された損傷要因情報を、出力情報として、バッテリ管理装置20の出力情報取得部211へ出力する。
【0059】
(記憶部15)
記憶部15には、情報蓄積部14によって、損傷要因情報が記憶される。損傷要因情報には、内部環境情報取得部11aが取得した内部環境情報、外部環境情報取得部11bが取得した外部環境情報、および、物理負荷情報取得部11cが取得した物理負荷情報が含まれる。
【0060】
(バッテリ管理装置20)
図1に示すように、バッテリ管理装置20は、制御部21(情報処理装置)および表示部22を備えている。制御部21は、出力情報取得部211、損傷算出部212、および使用可否判定部213を備えている。制御部21の各部は、バッテリ10から出力される出力情報(すなわち損傷要因情報)を用いて、バッテリ10の損傷度を算出し、バッテリ10の使用を継続することができるか否かを判定する使用可否判定処理を実行する。そして、制御部21は、使用可否判定処理における判定結果を、表示部22に表示する。一変形例では、制御部21は、使用可否判定処理における判定結果を、表示以外の手段でユーザに提示してもよい。なお、使用可否判定処理の詳細については後述する。また、損傷算出部212および使用可否判定部213は、物理負荷情報分析部の一例に対応する。
【0061】
(出力情報取得部211)
出力情報取得部211は、バッテリ10の情報出力部13から、出力情報を取得する。出力情報取得部211が取得する出力情報は、バッテリ10の損傷要因情報取得部11が取得した損傷要因情報であり、内部環境情報、外部環境情報、および物理負荷情報が含まれる。出力情報取得部211は、取得した出力情報を、損傷算出部212に出力する。
【0062】
(損傷算出部212)
損傷算出部212は、出力情報取得部211から入力された出力情報を用いて、以下で説明する4種類の損傷度(物理負荷損傷度、温度負荷損傷度、電子負荷損傷度、水濡れ損傷度)を算出する。そして、算出した損傷度に関する情報を、使用可否判定部213に出力する。図1に示すように、損傷算出部212は、水濡れ損傷算出部212a、電子負荷損傷算出部212b、温度負荷損傷算出部212c、および物理負荷損傷算出部212dを含んでいる。なお、一変形例において、損傷算出部212は、バッテリ10の使用状態を示す度数であれば、損傷度以外の度数を算出してもよい。
【0063】
(水濡れ損傷算出部212a)
水濡れ損傷算出部212aは、水濡れ(図3の(b)参照)によるバッテリ10の損傷度である水濡れ損傷度を算出する。そのために、水濡れ損傷算出部212aは、出力情報から、内部環境情報を抽出する。前述したように、内部環境情報には、ケース内温度センサ30、セル外温度センサ31、水没センサ32、および電磁波センサ33による各検出値が含まれる。水濡れ損傷算出部212aは、水没センサ32による検出値を用いて、バッテリ10の水濡れ損傷度を算出する。あるいは、内部環境情報取得部11aが湿度センサ34を備えている場合、水濡れ損傷算出部212aは、湿度センサ34の検出値を用いて、バッテリ10の水濡れ損傷度を算出することもできる。
【0064】
例えば、水濡れ損傷度は、バッテリ10のCPU16の誤動作の頻度に対応していてもよい。この場合、水没センサ32の検出値と、バッテリ10のCPU16の誤動作の頻度との相関関係(数式モデル)が、実験によって予め学習される。そして、水濡れ損傷算出部212aは、学習された相関関係に基づいて、水没センサ32の検出値から、水濡れ損傷度(=水濡れによる誤動作の頻度)を算出する。
【0065】
(電子負荷損傷算出部212b)
電子負荷損傷算出部212bは、電子負荷(図3の(a)参照)によるバッテリ10の損傷度である電子負荷損傷度を算出する。電子負荷には、バッテリ10に照射される電波、磁気、および電磁波が含まれる。電子負荷損傷算出部212bは、出力情報から、内部環境情報を抽出する。電子負荷損傷算出部212bは、内部環境情報取得部11aの電磁波センサ33による検出値を用いて、電子負荷損傷度を算出する。あるいは、内部環境情報取得部11aが磁気センサ38および電波センサ39を備えている場合、電子負荷損傷算出部212bは、磁気センサ38の検出値、電波センサ39の検出値、またはその組合せを用いて、バッテリ10の電子負荷損傷度を算出することもできる。
【0066】
例えば、電子負荷損傷度が、バッテリ10のCPU16の誤動作の頻度に対応している場合、電磁波センサ33の検出値と、バッテリ10のCPU16の誤動作の発生頻度との相関関係が、実験によって予め学習される。そして、電子負荷損傷算出部212bは、学習された相関関係に基づいて、電磁波センサ33の検出値から、電子負荷損傷度(=電子負荷による誤動作の頻度)を算出する。
【0067】
(温度負荷損傷算出部212c)
温度負荷損傷算出部212cは、セル12の内部の温度(セル内温度)を用いて、温度負荷(図4の(a)(b)参照)によるバッテリ10の損傷度(温度負荷損傷度)を算出する。
例えば、温度負荷損傷度が、バッテリ10のCPU16の誤動作の頻度に対応している場合、セル内温度と、バッテリ10のCPU16の誤動作の発生頻度との相関関係が、実験によって予め学習される。そして、温度負荷損傷算出部212cは、学習された相関関係に基づいて、セル内温度から、温度負荷損傷度(=温度負荷による誤動作の頻度)を算出する。
【0068】
ここで、損傷要因情報取得部11は、セル12内に温度センサを備えていない(図2A参照)ので、セル内温度を取得することができない。そこで、温度負荷損傷算出部212cは、出力情報から、外部環境情報および内部環境情報を抽出する。そして、温度負荷損傷算出部212cは、セル12の周辺温度(すなわち、内部環境情報取得部11aのケース内温度センサ30およびセル外温度センサ31の各検出値、および、外部環境情報取得部11bのケース外温度センサ40の検出値)から、セル内温度を推定する。なお、具体的なセル内温度の推定方法の詳細については、後で説明する。
【0069】
(物理負荷損傷算出部212d)
物理負荷損傷算出部212dは、物理負荷(図5の(a)(b)参照)によるバッテリ10(主に、構造部)の損傷度(物理負荷損傷度)を算出する。そのために、物理負荷損傷算出部212dは、出力情報から、物理負荷情報を抽出する。物理負荷損傷算出部212dは、物理負荷情報取得部11cの加速度センサ50、振動センサ51、歪みセンサ52、および衝撃センサ53による検出値を用いて、物理負荷損傷度を算出する。
【0070】
例えば、物理負荷損傷度は、バッテリ10の構造部および支持材の剥離・破損の量に対応していてもよい。この場合、加速度センサ50、振動センサ51、歪みセンサ52、および衝撃センサ53による各検出値と、バッテリ10の構造部および支持材の剥離・破損の量との相関関係が、実験によって予め学習される。そして、物理負荷損傷算出部212dは、学習された相関関係に基づいて、加速度センサ50、振動センサ51、歪みセンサ52、および衝撃センサ53の各検出値から、物理負荷損傷度(=物理負荷による剥離・破損の量)を算出する。
【0071】
(使用可否判定部213)
使用可否判定部213は、損傷算出部212の各部によって算出された4種類の損傷度(水濡れ損傷度、電子負荷損傷度、温度負荷損傷度、物理負荷損傷度)が、それぞれ、閾値を超えるか否かを判定する。そして、少なくとも1種類の損傷度が閾値を超える場合、使用可否判定部213は、バッテリ10の使用を継続することはできないと判定する。一方、4種類の損傷度が全て閾値以下である場合、使用可否判定部213は、バッテリ10の使用を継続することができると判定する。なお、閾値は、損傷度の種類ごとに異なっていてもよい。
【0072】
上記閾値は、損傷度と、損傷要因(電子負荷、水濡れ、電子負荷、物理負荷)との相関関係を示す実験データを用いて決定されてよい。なお、具体的な閾値の決定方法の詳細については、後で説明する。
(使用可否判定処理)
図6を用いて、制御部21によって実行される使用可否判定処理の流れを説明する。図6は、使用可否判定処理の流れを示すフローチャートである。ただし、図6に示すS10およびS20は、制御部21による使用可否判定処理の前段階として、バッテリ10において実行される。
【0073】
図6に示すように、使用可否判定処理では、損傷要因情報取得部11が、損傷要因情報を取得し、情報蓄積部14が、損傷要因情報を記憶部15に記憶する(S10)。
次に、情報出力部13が、損傷要因情報を、出力情報として出力する(S20)。出力情報取得部211は、情報出力部13から出力された出力情報、すなわち損傷要因情報を取得する(S30、物理負荷情報取得ステップ)。
【0074】
損傷算出部212の各部は、出力情報取得部211から取得した出力情報(損傷要因情報)を用いて、バッテリ10の損傷度を算出する(S40、物理負荷情報分析ステップ、損傷算出ステップ)。使用可否判定部213は、損傷算出部212によって算出されたバッテリ10の損傷度が、閾値以下であるか否かを判定する(S50、物理負荷情報分析ステップ、使用可否判定ステップ)。より詳細には、使用可否判定部213は、損傷算出部212によって算出された4種類の損傷度の各々について、閾値以下であるか否かを判定する。
【0075】
バッテリ10の損傷度(4種類の損傷度のうち少なくとも一つ)が閾値以下ではない場合(S50でNO)、使用可否判定部213は、「バッテリ10の使用を継続することはできない」旨を、表示部22に表示する(S60)。一方、バッテリ10の損傷度が閾値以下である場合(S50でYES)、使用可否判定部213は、「バッテリ10の使用を継続することができる」旨を、表示部22に表示する(S70)。以上で、使用可否判定処理は終了する。
【0076】
(セル内温度の推定方法)
図7を用いて、温度負荷損傷算出部212cが、ケース外温度、ケース内温度、およびセル外温度を用いて、セル12の内部の温度(セル内温度)をどのようにして算出するのかを説明する。図7は、温度負荷損傷算出部212cによるセル内温度の推定結果の一例を示す図である。ここでは、2つの場合、すなわち、ケース外温度がケース内温度およびセル外温度よりも高い場合と、ケース外温度がケース内温度およびセル外温度よりも低い場合とを考える。なお、2つの場合において、セル外温度は同じであるとする。また、ケース外温度は、ケース外温度センサ40によって検出され、ケース内温度は、ケース内温度センサ30によって検出され、セル外温度は、セル外温度センサ31によって検出される。
【0077】
ケース外温度は外気温に対応するので、ケース外温度がケース内温度およびセル外温度よりも高い場合、外気温はセル内温度よりも高いと考えられる。また、セル内温度は、セル外温度よりも、外気温の影響を受け難いと考えられる。従って、ケース外温度がケース内温度およびセル外温度よりも高い場合(図7では、外気温が高い場合)、セル内温度は、セル外温度よりも低いと考えられる。そこで、温度負荷損傷算出部212cは、図7に示すように、ケース外温度、ケース内温度、およびセル外温度を通る曲線を延長することによって、セル外温度よりも低いセル内温度を推定する。
【0078】
一方、ケース外温度がケース内温度およびセル外温度よりも低い場合、セル12の内部での発熱があることによって、セル内温度が外気温よりも高くなっていると考えられる。また、セル12の内部での発熱がある場合、セル内温度は、セル外温度よりも高いと考えられる。従って、セル外温度がケース内温度およびケース外温度よりも低い場合(図7では、外気温が低い場合)、セル内温度は、セル外温度よりも高いと考えられる。そこで、温度負荷損傷算出部212cは、図7に示すように、ケース外温度、ケース内温度、およびセル外温度を通る曲線を延長することによって、セル外温度よりも高いセル内温度を推定する。
【0079】
(閾値の決定方法)
図8および図9を用いて、使用可否判定部213が判定を行うために使用する閾値が、どのようにして決定されるのかを説明する。ここでは、損傷要因が、物理負荷(加速度、振動、歪み、衝撃)である場合について考える。実験的に閾値を決定するために、バッテリ10に物理負荷が与えられるとともに、物理負荷情報取得部11cの加速度センサ50、振動センサ51、歪みセンサ52、および衝撃センサ53から、それぞれ検出値が取得される。
【0080】
図8は、物理負荷情報取得部11cによって取得される検出値の一例を示す図である。図8に示すように、物理負荷情報取得部11cは、バッテリ10の加速度、振動、歪み、および衝撃の各検出値を取得する。物理負荷を与えられている期間中における検出値の最大値が、バッテリ10の損傷要因であると特定される。その後、バッテリ10の損傷度が判定される。これにより、バッテリ10の損傷要因(加速度の検出値)と損傷度との関係を示す一組の実験データが得られる。また、損傷度を判定されたバッテリ10は、使用を継続することができないような損傷があるか否かをさらに判定される。
【0081】
図9は、バッテリ10の損傷要因(加速度の検出値)と損傷度との関係を示す実験データをプロットしたグラフである。図9に示す実験データには、使用を継続することができないような損傷があるバッテリ10の実験データ(図8では、「使用不可」の実験データ)と、そのような損傷がないバッテリ10の実験データ(図8では、「使用可能」の実験データ)とが含まれている。図9に示すように、加速度の閾値は、「使用不可」の実験データと「使用可能」の実験データとを区分するような値に決定される。損傷度の閾値は、加速度と損傷度との相関関係を用いて、加速度の閾値に対応する値に決定される。
【0082】
(実施の形態2)
以下に、本発明にかかる実施の形態2におけるバッテリスワップシステム1001(以下システム1001と述べる)について説明する。
本実施の形態2のシステム1001は、図10に示すように、実施の形態1のシステム1と比較して使用状態判定部214(物理負荷情報分析部)を備えている点が異なっている。そのため、本相違点を中心に説明する。尚、実施の形態1と同様の構成については同一の符号を付している。
【0083】
図10に示すバッテリスワップシステム1001におけるバッテリ管理装置1020の制御部1021は、出力情報取得部211、損傷算出部212、および使用可否判定部213に加えて使用状態判定部214を更に有する。
バッテリ管理装置1020は、出力情報取得部211によって取得した物理負荷情報、外部環境情報、および内部環境情報に基づいて、バッテリ10の使用状態を判定する。
【0084】
図11は、本実施の形態2における使用状態判定処理(バッテリ管理方法)のフロー図である。図11に示すフロー図は、S10〜S30までは、実施の形態1の図6と同様である。
S30において取得した出力情報を用いて、S40(使用状態判定ステップ、物理負荷情報分析ステップ)において、使用状態判定部214は、貸し出し中のバッテリ10の使用状態を判定する。ここで、使用状態の判定とは、例えば、使用者が正しい使用をしているか否か、若しくは、使用者の使用は正しいが環境起因による損傷要因が負荷されているか、若しくは、使用者の使用によって損傷要因が負荷されたか等について判定する。具体的には、使用者が日向にバッテリ10を置いたことによって損傷要因が負荷されたことや、気温が想定していない温度まで上昇したことによってバッテリ10に損傷要因が負荷されたということについて判定することが出来る。また、使用状態判定部214は、損傷算出部212によって算出された使用状態を示す度数にも基づいて、使用状態の判定をしてもよい。
【0085】
次に、S50において、表示部22によって、判定された使用状態が表示される。なお、表示に限らなくても良く、バッテリ管理装置1020が通信部を有し、判定した使用状態を使用者の携帯情報端末(スマートフォン、タブレット等)に通知してもよい。例えば、使用状態判定部214が、使用者によって損傷が発生したと判定した場合には、使用者の携帯情報端末に警告などを通知してもよい。
【0086】
(使用状態の判定例1)
図2Aに示すように、バッテリ10のケース17の外側に日照センサ41が配置され、ケース17の内側にケース内温度センサ30が配置されている構成を例に挙げて説明する。
使用状態判定部214は、日照センサ41からの検出値とケース内温度センサ30からの検出値に基づいて、温度情報の原因の切り分けを行う。具体的には、使用状態判定部214は、ケース内温度センサ30の値が上昇した場合、日照センサ41の検出値に基づいて、ケース17内の温度上昇が「バッテリ10が日向に置かれたことが原因」なのか、「気温上昇が原因」なのかを切り分けることが出来る。
【0087】
使用状態判定部214は、温度上昇が「日向に置かれたことが原因」である場合には、表示部22に警告の表示を行う。また、バッテリ管理装置1020が通信部を備えており、バッテリ10の使用者の携帯情報端末(スマートホン、タブレット等)に警告を通知してもよい。
一方、使用状態判定部214は、温度情報が「気温上昇が原因」である場合には、使用者側の対策では限界があるため、使用者に表示または通知を行わない。
【0088】
なお、使用状態判定部214は、損傷算出部212によって算出された使用状態を示す度数にも基づいて、使用状態の判定をするとは、例えば、日照時間を度数に変換して損傷度を算出し、日照時間による損傷度が所定時間以上の場合、使用者による原因と判定することができる。
また、ケース17の内部の温度センサとして、ケース内温度センサ30だけでなく、セル外温度センサ31が更に設けられていてもよい。すなわち、ケース17の外部と内部で異種のセンサが設けられており、ケース17の内部において複数の同種のセンサが設けられていてもよい。
【0089】
(使用状態の判定例2)
図2Aに示すように、電子基板格納ケース19とセル格納ケース18にそれぞれ水没センサ32が配置されている構成を例に挙げて説明する。
使用状態判定部214は、バッテリ10内のどの領域が水没したのかを判定し、浸水範囲の見極めを行うことが出来る。例えば、電子基板格納ケース19が浸水し、セル格納ケース18に浸水していない場合には、電子基板16aの交換が行われるが、セル12部分は確認して再使用できる可能性が高い。一方、セル格納ケース18に浸水している場合には、セル12部分を取り替える必要が生じる。
【0090】
このように、使用状態判定部214によって、修理交換の際に役立つ水没の状態判定を行うことができる。なお、セル格納ケース18の外側であってケース17の内側にも水没センサ32が配置されていてもよい。
また、複数の水没センサ32を取り付けた場合には、ケース17内への浸水、電子基板格納ケース19内への浸水およびセル格納ケース18内への浸水としてそれぞれに損傷度の値を設定し、損傷度が算出されてもよい。
【0091】
〔ソフトウェアによる実現例〕
バッテリ管理装置20、1020の制御ブロック(特に出力情報取得部211、損傷算出部212、使用可否判定部213、および使用状態判定部214)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0092】
後者の場合、バッテリ管理装置20、1020の制御ブロックは、各機能を実現するソフトウェアであるプログラム(バッテリ管理プログラム)の命令を実行するCPU、前記プログラムおよび各種データがコンピュータ(またはCPU)で読み取り可能に記録されたROM(Read Only Memory)または記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、前記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを備えている。そして、コンピュータ(またはCPU)が前記プログラムを前記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。前記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、前記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して前記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明は、前記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0093】
[他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0094】
(A)
上記実施の形態のシステム1、1001では、物理負荷情報取得部11cに加えて外部環境情報取得部11bと内部環境情報取得部11aが設けられているが、外部環境情報取得部11bと内部環境情報取得部11aが設けられていなくてもよい。
図12は、外部環境情報取得部11bと内部環境情報取得部11aが設けられていないバッテリスワップシステム2001(以下システム2001という)を示す図である。図12に示すシステム2001は、バッテリ2010とバッテリ管理装置2020を備えている。バッテリ2010は、図1に示すバッテリ10と比較して、内部環境情報取得部11aおよび外部環境情報取得部11bが設けられておらず、損傷要因情報取得部として物理負荷情報取得部11cのみが設けられている。また、バッテリ管理装置2020の制御部2021は、図1に示すバッテリ管理装置20の制御部21と比較して、水漏れ損傷算出部212a、電子負荷損傷算出部212b、および温度負荷損傷算出部212cが設けられておらず、損傷算出部として物理負荷損傷算出部212dのみが設けられている。
すなわち、システム2001では、バッテリ2010に加えられる物理負荷が物理負荷情報取得部11cによって取得されて記憶部15に記憶される。そして、バッテリ管理装置2020は、記憶されている物理負荷を取得して物理負荷損傷算出部212dにおいて損傷度を算出して使用可否の判定を行う。
【0095】
(B)
上記実施の形態のシステム1、1001では、損傷要因情報取得部11によって取得された物理負荷情報、外部環境情報、および内部環境情報は、情報蓄積部14を介して記憶部15に記憶されているが、これに限られるものではない。例えば、図13に示すバッテリスワップシステム3001のバッテリ3010では、損傷要因情報取得部11によって取得された物理負荷情報、外部環境情報、および内部環境情報は、通信部3017によってリアルタイムでバッテリ管理装置20へと送信される。バッテリ管理装置20における出力情報取得部211は、通信部3017と無線通信可能な構成となっている。バッテリ管理装置20は、順次送信されている損傷要因情報について損傷度を算出する。なお、リアルタイムでなくてもよく、バッテリ5010に通信部5017とともに記憶部15も設けられており、所定時間分を記憶部15に記憶してから送信するような構成であってもよい。
【0096】
また、図13に示すバッテリスワップシステム3001において、バッテリ管理装置20の制御部21(情報処理装置)は、クラウドコンピューティングシステム上の仮想サーバであってもよい。この場合、通信部3017からクラウドコンピューティングシステムに物理負荷情報、外部環境情報、および内部環境情報が送信される。そして、仮想サーバにおいて情報の分析が行われ、使用者は、クラウドコンピューティングシステムにアクセスすることにより、分析結果を得ることができる。
【0097】
(C)
上記実施の形態2のシステム1001では、使用状態判定部214、損傷算出部212および使用可否判定部213を備えているが、損傷算出部212および使用可否判定部213が設けられていなくてもよい。この場合、使用状態の判定のみが行われる。
(D)
上記実施の形態では特に述べていないが、バッテリ管理装置20、1020、2020は、バッテリ10の貸し出しを行うステーション、複数のステーションを統括するシステム等に設けられていても良い。また、バッテリ管理装置20、1020、2020の表示部22は、使用者のスマートホン、タブレット等の画面を利用してもよい。
【0098】
(E)
上記実施の形態1、2における図2A図2Dで説明した各種センサの配置は、一例であり、各種センサの配置、数は適宜変更しても良い。
(F)
上記実施の形態では、複数のセルを格納するセル格納ケース18と、電子基板16aを格納する電子基板格納ケース19が設けられているが、どちらか一方または双方が設けられていなくてもよい。
【0099】
(G)
上記実施の形態1のバッテリ管理装置20は、出力情報取得部211と、損傷算出部212と、使用可否判定部213とを備えているが、使用可否判定部213が設けられておらず、バッテリ損傷度算出装置として機能してもよい。
(H)
上記実施の形態では、システム1、1001、2001、3001において貸し出される複数のバッテリ10、2010、3010が搭載される電力消費体の一例として電気自動車等の車両が例示されている。具体的には、車両としては、上記電気自動車(EV)、電動自動二輪車、電動一輪車、電動自動車、電動アシスト自転車、PHV(Plug-in Hybrid Vehicle)等のモビリティが挙げられる。
【0100】
また、バッテリが搭載される電力消費体としては、モビリティに限らず、交換可能なバッテリによって駆動される他の電気製品であってもよい。
電気製品としては、例えば、バッテリからの電力によって機能する冷蔵庫、洗濯機、掃除機、炊飯器、湯沸しポット等の家電製品も含まれる。
さらに、バッテリが搭載される電力消費体として、電動工具を用いてもよい。
【0101】
この場合には、貸し出し可能な複数のバッテリの充電を行うバッテリステーション等において、電動工具に使用されるバッテリを充電すればよい。
【産業上の利用可能性】
【0102】
本発明は、バッテリに利用することができる。
【符号の説明】
【0103】
10 バッテリ
11c 物理負荷情報取得部
21 制御部(情報処理装置)
50 加速度センサ
51 振動センサ
52 歪みセンサ
53 衝撃センサ
54 圧力センサ
211 出力情報取得部
212 損傷算出部(物理負荷情報分析部)
213 使用可否判定部(物理負荷情報分析部)
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【国際調査報告】