特表-16148214IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ JXTGエネルギー株式会社の特許一覧
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2016年9月22日
【発行日】2017年12月28日
(54)【発明の名称】オリゴマーの製造方法および触媒
(51)【国際特許分類】
   C08F 210/02 20060101AFI20171201BHJP
   C08F 4/6592 20060101ALI20171201BHJP
   C08F 4/70 20060101ALI20171201BHJP
【FI】
   C08F210/02
   C08F4/6592
   C08F4/70
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】49
【出願番号】特願2017-506597(P2017-506597)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2016年3月16日
(31)【優先権主張番号】特願2015-53821(P2015-53821)
(32)【優先日】2015年3月17日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2015-114688(P2015-114688)
(32)【優先日】2015年6月5日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】000004444
【氏名又は名称】JXTGエネルギー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義憲
(74)【代理人】
【識別番号】100169454
【弁理士】
【氏名又は名称】平野 裕之
(72)【発明者】
【氏名】相田 冬樹
(72)【発明者】
【氏名】田川 一生
【テーマコード(参考)】
4J100
4J128
【Fターム(参考)】
4J100AA02P
4J100AA03Q
4J100CA01
4J100CA04
4J100DA01
4J100DA02
4J100DA04
4J100EA01
4J100FA10
4J100FA19
4J128AA02
4J128AB00
4J128AC28
4J128AC46
4J128AD06
4J128AD13
4J128BA00A
4J128BA04B
4J128BB00A
4J128BB02B
4J128BC09B
4J128BC12B
4J128BC15B
4J128BC25B
4J128CB77C
4J128EA01
4J128EB02
4J128EB04
4J128EC01
4J128EC02
4J128FA02
4J128GA01
4J128GA02
4J128GA06
(57)【要約】
(A)一般式(1)で表される化合物、(B)一般式(2)で表される化合物、(C)メチルアルミノキサンおよび/またはホウ素化合物並びに(D)有機亜鉛化合物および/またはメチルアルミノキサン以外の有機アルミニウム化合物を含む触媒の存在下、エチレンおよびα−オレフィンを含む重合性モノマーを共オリゴマー化させる工程を備える、オリゴマーの製造方法および触媒、ならびに、一般式(3)で表されるジイミン化合物である配位子と第8族元素等の金属との錯体を含有する触媒の存在下、オレフィンを含む重合性モノマーをオリゴマー化させる工程を備える、オリゴマーの製造方法および触媒。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)下記一般式(1)で表されるrac−エチリデンインデニルジルコニウム化合物、
(B)下記一般式(2)で表される鉄化合物、
(C)メチルアルミノキサンおよび/またはホウ素化合物、ならびに、
(D)有機亜鉛化合物および/またはメチルアルミノキサン以外の有機アルミニウム化合物、
を含む触媒の存在下、エチレンおよびα−オレフィンを含む重合性モノマーを共オリゴマー化させる工程を備える、オリゴマーの製造方法。
【化1】
[式(1)中、Xはハロゲン原子、水素原子または炭素数1〜6のヒドロカルビル基を示す。]
【化2】
[式(2)中、Rは炭素数1〜6のヒドロカルビル基または炭素数6〜12の芳香族基を示し、同一分子中の複数のRは同一でも異なっていてもよく、R’は酸素原子および/または窒素原子を有する炭素数0〜6の遊離基を示し、同一分子中の複数のR’は同一でも異なっていてもよく、Yは塩素原子または臭素原子を示す。]
【請求項2】
前記共オリゴマーの数平均分子量(Mn)が200〜5000である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記共オリゴマーにおけるエチレン/α−オレフィンのモル比が0.1〜10.0の範囲内である、請求項1または2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記有機アルミニウム化合物が、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリフェニルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムジクロライドおよびエチルアルミニウムセスキクロライドからなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項5】
前記有機亜鉛化合物が、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛およびジフェニル亜鉛からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項6】
前記ホウ素化合物が、トリスペンタフルオロフェニルボラン、リチウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート、ナトリウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート、トリチルテトラキスペンタフルオロフェニルボレート、リチウムテトラキス(3,5−トリフルオロメチルフェニル)ボレート、ナトリウムテトラキス(3,5−トリフルオロメチルフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(3,5−トリフルオロメチルフェニル)ボレートおよびトリチルテトラキス(3,5−トリフルオロメチルフェニル)ボレートからなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項7】
(A)下記一般式(1)で表されるrac−エチリデンインデニルジルコニウム化合物、
(B)下記一般式(2)で表される鉄化合物、
(C)メチルアルミノキサンおよび/またはホウ素化合物、ならびに、
(D)有機亜鉛化合物および/またはメチルアルミノキサン以外の有機アルミニウム化合物、
を含む触媒。
【化3】
[式(1)中、Xはハロゲン原子、水素原子または炭素数1〜6のヒドロカルビル基を示す。]
【化4】
[式(2)中、Rは炭素数1〜6のヒドロカルビル基または炭素数6〜12の芳香族基を示し、同一分子中の複数のRは同一でも異なっていてもよく、R’は酸素原子および/または窒素原子を有する炭素数0〜6の遊離基を示し、同一分子中の複数のR’は同一でも異なっていてもよく、Yは塩素原子または臭素原子を示す。]
【請求項8】
下記一般式(3)で表されるジイミン化合物である配位子と、第8族元素、第9族元素および第10族元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属との錯体を含有する触媒の存在下、オレフィンを含む重合性モノマーをオリゴマー化させる工程を備える、オリゴマーの製造方法。
【化5】
[式(3)中、ArおよびArは同一でも異なっていてもよく、それぞれ下記一般式(4)で表される基を示し、ArおよびArは同一でも異なっていてもよく、それぞれ下記一般式(5)で表される基を示す。
【化6】
(式(4)中、RおよびRは同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子または炭素数1〜5のヒドロカルビル基を示し、RとRの炭素数の合計は1以上5以下であり、R、RおよびRは同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子または電子供与性基を示す。)
【化7】
(式(5)中、R〜R10は同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子または電子供与性基を示す。)]
【請求項9】
前記触媒が有機アルミニウム化合物をさらに含有する、請求項8に記載の製造方法。
【請求項10】
下記一般式(3)で表されるジイミン化合物である配位子と、第8族元素、第9族元素および第10族元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属との錯体を含有する触媒。
【化8】
[式(3)中、ArおよびArは同一でも異なっていてもよく、それぞれ下記一般式(4)で表される基を示し、ArおよびArは同一でも異なっていてもよく、それぞれ下記一般式(5)で表される基を示す。
【化9】
(式(4)中、RおよびRは同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子または炭素数1〜5のヒドロカルビル基を示し、RとRの炭素数の合計は1以上5以下であり、R、RおよびRは同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子または電子供与性基を示す。)
【化10】
(式(5)中、R〜R10は同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子または電子供与性基を示す。)]
【請求項11】
下記一般式(2)で表される鉄化合物と、下記一般式(7)で表される化合物とを含有する触媒の存在下、オレフィンを含む重合性モノマーをオリゴマー化させる工程を備える、オリゴマーの製造方法。
【化11】
[式(2)中、Rは炭素数1〜6のヒドロカルビル基または炭素数6〜12の芳香族基を示し、同一分子中の複数のRは同一でも異なっていてもよく、R’は酸素原子および/または窒素原子を有する炭素数0〜6の遊離基を示し、同一分子中の複数のR’は同一でも異なっていてもよく、Yは塩素原子または臭素原子を示す。]
【化12】
[式(7)中、R’’は炭素数1〜6のヒドロカルビル基または炭素数6〜12の芳香族基を示し、同一分子中の複数のR’’は同一でも異なっていてもよく、R’’’は酸素原子および/または窒素原子を有する炭素数0〜6の遊離基を示し、同一分子中の複数のR’’’は同一でも異なっていてもよい。]
【請求項12】
下記一般式(2)で表される鉄化合物と、下記一般式(7)で表される化合物とを含有する触媒。
【化13】
[式(2)中、Rは炭素数1〜6のヒドロカルビル基または炭素数6〜12の芳香族基を示し、同一分子中の複数のRは同一でも異なっていてもよく、R’は酸素原子および/または窒素原子を有する炭素数0〜6の遊離基を示し、同一分子中の複数のR’は同一でも異なっていてもよく、Yは塩素原子または臭素原子を示す。]
【化14】
[式(7)中、R’’は炭素数1〜6のヒドロカルビル基または炭素数6〜12の芳香族基を示し、同一分子中の複数のR’’は同一でも異なっていてもよく、R’’’は酸素原子および/または窒素原子を有する炭素数0〜6の遊離基を示し、同一分子中の複数のR’’’は同一でも異なっていてもよい。]
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オリゴマーの製造方法および触媒に関し、詳しくは、オレフィンを含む重合性モノマーからオリゴマーを製造する方法および触媒に関する。
【背景技術】
【0002】
エチレンおよびα−オレフィンの共重合に用いられる触媒としては、メタロセン化合物とメチルアルミノキサンとからなる触媒、パラジウム系触媒、鉄錯体、コバルト錯体等が知られている(非特許文献1〜3、特許文献1〜3)。
【0003】
また、鉄錯体は、エチレン重合の触媒としても知られている(非特許文献4〜6)。
【0004】
また、ブロックコポリマーを製造するための触媒として、ジエチル亜鉛、メタロセン化合物、パラジウム系触媒とジアルキル亜鉛とからなる触媒が知られている(非特許文献7、特許文献4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2000−516295号公報
【特許文献2】特開2002−302510号公報
【特許文献3】中国特許出願公開第102432415号明細書
【特許文献4】特表2007−529616号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】「Macromol.Chem.Phys.」,197巻,1996年,p.3907
【非特許文献2】「J.Am.Chem.Soc.」,117巻,1995年,p.6414
【非特許文献3】「J.Am.Chem.Soc.」,120巻,1998年,p.7143
【非特許文献4】「J.Mol.Cat.A:Chemical」,179巻,2002年,p.155
【非特許文献5】「Appl.Cat.A:General」,403巻,2011年,p.25
【非特許文献6】「Organometallics」,28巻,2009年,p.3225
【非特許文献7】「Science」,312巻,2006年,p.714
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、オレフィンを含む重合性モノマーのオリゴマー化において、得られるオリゴマーを効率よく所望の分子量まで向上させることができるとともに、ポリマー化の進行を十分に抑制することができるオリゴマーの製造方法および触媒を提供することを目的とする。
【0008】
また、一つの側面において、本発明は、エチレンおよびα−オレフィンを含む重合性モノマーの共重合において、優れた共重合性をもって共オリゴマーを得ることが可能な、オリゴマーの製造方法および触媒を提供することを目的とする。
【0009】
また、別の側面において、本発明は、オレフィンを含む重合性モノマーから、分子量分布の狭いオリゴマーを効率よく製造することが可能な、オリゴマーの製造方法および触媒を提供することを目的とする。
【0010】
さらに、別の側面において、本発明は、オレフィンを含む重合性モノマーのオリゴマー化において、触媒効率を向上させることができ、かつ重合活性を長時間維持することができるオリゴマーの製造方法および触媒を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
すなわち、本発明は、(A)下記一般式(1)で表されるrac−エチリデンインデニルジルコニウム化合物、(B)下記一般式(2)で表される鉄化合物、(C)メチルアルミノキサンおよび/またはホウ素化合物、ならびに、(D)有機亜鉛化合物および/またはメチルアルミノキサン以外の有機アルミニウム化合物、を含む触媒の存在下、エチレンおよびα−オレフィンを含む重合性モノマーを共オリゴマー化させる工程を備える、オリゴマーの製造方法(以下、便宜的に「第1の製造方法」という。)を提供する。
【0012】
【化1】
[式(1)中、Xはハロゲン原子、水素原子または炭素数1〜6のヒドロカルビル基を示す。]
【0013】
【化2】
[式(2)中、Rは炭素数1〜6のヒドロカルビル基または炭素数6〜12の芳香族基を示し、同一分子中の複数のRは同一でも異なっていてもよく、R’は酸素原子および/または窒素原子を有する炭素数0〜6の遊離基を示し、同一分子中の複数のR’は同一でも異なっていてもよく、Yは塩素原子または臭素原子を示す。]
【0014】
第1の製造方法によれば、オレフィンを含む重合性モノマーのオリゴマー化において、得られるオリゴマーを効率よく所望の分子量まで向上させることができるとともに、ポリマー化の進行を十分に抑制することができる。さらに、共重合性に優れたエチレン・α−オレフィン共オリゴマーを得ることができる。
【0015】
第1の製造方法においては、得られる共オリゴマーの数平均分子量(Mn)を200〜5000とすることができる。
【0016】
第1の製造方法においては、得られる共オリゴマーにおけるエチレン/α−オレフィンのモル比を0.1〜10.0の範囲内とすることができる。
【0017】
有機アルミニウム化合物は、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリフェニルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムジクロライドおよびエチルアルミニウムセスキクロライドからなる群より選ばれる少なくとも1種とすることができる。
【0018】
有機亜鉛化合物は、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛およびジフェニル亜鉛からなる群より選ばれる少なくとも1種とすることができる。
【0019】
ホウ素化合物は、トリスペンタフルオロフェニルボラン、リチウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート、ナトリウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート、トリチルテトラキスペンタフルオロフェニルボレート、リチウムテトラキス(3,5−トリフルオロメチルフェニル)ボレート、ナトリウムテトラキス(3,5−トリフルオロメチルフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(3,5−トリフルオロメチルフェニル)ボレートおよびトリチルテトラキス(3,5−トリフルオロメチルフェニル)ボレートからなる群より選ばれる少なくとも1種とすることができる。
【0020】
また、本発明は、(A)下記一般式(1)で表されるrac−エチリデンインデニルジルコニウム化合物、(B)下記一般式(2)で表される鉄化合物、(C)メチルアルミノキサンおよび/またはホウ素化合物、ならびに、(D)有機亜鉛化合物および/またはメチルアルミノキサン以外の有機アルミニウム化合物、を含む触媒(以下、便宜的に「第1の触媒」という。)を提供する。
【0021】
【化3】
[式(1)中、Xはハロゲン原子、水素原子または炭素数1〜6のヒドロカルビル基を示す。]
【0022】
【化4】
[式(2)中、Rは炭素数1〜6のヒドロカルビル基または炭素数6〜12の芳香族基を示し、同一分子中の複数のRは同一でも異なっていてもよく、R’は酸素原子および/または窒素原子を有する炭素数0〜6の遊離基を示し、同一分子中の複数のR’は同一でも異なっていてもよく、Yは塩素原子または臭素原子を示す。]
【0023】
別の側面において、本発明は、下記一般式(3)で表されるジイミン化合物である配位子と第8族元素、第9族元素および第10族元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属との錯体を含有する触媒の存在下、オレフィンを含む重合性モノマーをオリゴマー化させる工程を備える、オリゴマーの製造方法(以下、便宜的に「第2の製造方法」という。)を提供する。
【0024】
【化5】
[式(3)中、ArおよびArは同一でも異なっていてもよく、それぞれ下記一般式(4)で表される基を示し、ArおよびArは同一でも異なっていてもよく、それぞれ下記一般式(5)で表される基を示す。
【化6】
(式(4)中、RおよびRは同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子または炭素数1〜5のヒドロカルビル基を示し、RとRの炭素数の合計は1以上5以下であり、R、RおよびRは同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子または電子供与性基を示す。)
【化7】
(式(5)中、R〜R10は同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子または電子供与性基を示す。)]
【0025】
第2の製造方法によれば、オレフィンを含む重合性モノマーのオリゴマー化において、得られるオリゴマーを効率よく所望の分子量まで向上させることができるとともに、ポリマー化の進行を十分に抑制することができる。さらに、オレフィンを含む重合性モノマーから、分子量分布の狭いオリゴマーを効率よく製造することができる。
【0026】
上記触媒は、有機アルミニウム化合物をさらに含有することができる。
【0027】
また、本発明は、上記一般式(3)で表されるジイミン化合物である配位子と第8族元素、第9族元素および第10族元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属との錯体を含有する触媒(以下、便宜的に「第2の触媒」という。)を提供する。
【0028】
別の側面において、本発明は、下記一般式(2)で表される鉄化合物と、下記一般式(7)で表される化合物とを含有する触媒の存在下、オレフィンを含む重合性モノマーをオリゴマー化させる工程を備える、オリゴマーの製造方法(以下、便宜的に「第3の製造方法」という。)を提供する。
【化8】
[式(2)中、Rは炭素数1〜6のヒドロカルビル基または炭素数6〜12の芳香族基を示し、同一分子中の複数のRは同一でも異なっていてもよく、R’は酸素原子および/または窒素原子を有する炭素数0〜6の遊離基を示し、同一分子中の複数のR’は同一でも異なっていてもよく、Yは塩素原子または臭素原子を示す。]
【化9】
[式(7)中、R’’は炭素数1〜6のヒドロカルビル基または炭素数6〜12の芳香族基を示し、同一分子中の複数のR’’は同一でも異なっていてもよく、R’’’は酸素原子および/または窒素原子を有する炭素数0〜6の遊離基を示し、同一分子中の複数のR’’’は同一でも異なっていてもよい。]
【0029】
第3の製造方法によれば、オレフィンを含む重合性モノマーのオリゴマー化において、触媒効率を向上させることができ、かつ重合活性を長時間維持することができる。
【0030】
また、本発明は、上記一般式(2)で表される鉄化合物と、上記一般式(7)で表される化合物とを含有する触媒(以下、便宜的に「第3の触媒」という。)を提供する。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、オレフィンを含む重合性モノマーのオリゴマー化において、得られるオリゴマーを効率よく所望の分子量まで向上させることができるとともに、ポリマー化の進行を十分に抑制することができるオリゴマーの製造方法および触媒を提供することができる。
【0032】
また、本発明によれば、エチレンおよびα−オレフィンを含む重合性モノマーの共重合において、優れた共重合性をもって共オリゴマーを得ることが可能な、オリゴマーの製造方法および触媒を提供することができる。
【0033】
また、本発明によれば、オレフィンを含む重合性モノマーから、分子量分布の狭いオリゴマーを効率よく製造することが可能な、オリゴマーの製造方法および触媒を提供することができる。
【0034】
また、本発明によれば、オレフィンを含む重合性モノマーのオリゴマー化において、触媒効率を向上させることができ、かつ重合活性を長時間維持することができるオリゴマーの製造方法および触媒を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0036】
[触媒(第1の触媒)]
本実施形態に係る、エチレンおよびα−オレフィンを含む重合性モノマーの共オリゴマー化のための第1の触媒は、(A)rac−エチリデンインデニルジルコニウム化合物、(B)鉄化合物、(C)メチルアルミノキサンおよび/またはホウ素化合物、ならびに、(D)有機亜鉛化合物および/またはメチルアルミノキサン以外の有機アルミニウム化合物、を含む。
【0037】
以下、各成分について説明する。
【0038】
<(A)rac−エチリデンインデニルジルコニウム化合物>
本実施形態において、(A)rac−エチリデンインデニルジルコニウム化合物は、下記一般式(1)で表される。
【0039】
【化10】
式(1)中、Xはハロゲン原子、水素原子または炭素数1〜6のヒドロカルビル基を示す。このような化合物として具体的には、rac−エチリデンインデニルジルコニウムジクロライド、rac−エチリデンインデニルジルコニウムジブロマイド、rac−エチリデンインデニルジルコニウムジハイドライド、rac−エチリデンインデニルジルコニウムハイドライドクロライド、rac−エチリデンインデニルジルコニウムジメチル等が挙げられる。これらの中でも、入手の容易性の観点からrac−エチリデンインデニルジルコニウムジクロライドが好ましい。これらrac−エチリデンインデニルジルコニウム化合物は1種を単独で、または2種以上を併用して用いることができる。
【0040】
<(B)鉄化合物>
本実施形態において、(B)鉄化合物は、下記一般式(2)で表される。
【0041】
【化11】
式(2)中、Rは炭素数1〜6のヒドロカルビル基または炭素数6〜12の芳香族基を示し、同一分子中の複数のRは同一でも異なっていてもよい。Rの具体例としては、メチル基、フェニル基等が挙げられる。R’は酸素原子および/または窒素原子を有する炭素数0〜6の遊離基を示し、同一分子中の複数のR’は同一でも異なっていてもよい。R’の具体例としては、水素原子、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、ニトロ基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、3級ブチル基、ヘキシル基、フェニル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。Yは塩素原子または臭素原子を示す。このような化合物として具体的には、下記式(2a)〜(2h)で表される各化合物が挙げられる。これら鉄化合物は1種を単独で、または2種以上を併用して用いることができる。
【0042】
【化12】
【0043】
【化13】
【0044】
【化14】
【0045】
【化15】
【0046】
【化16】
【0047】
【化17】
【0048】
【化18】
【0049】
【化19】
【0050】
<(C)メチルアルミノキサン、ホウ素化合物>
本実施形態に係る第1の触媒は、(C)メチルアルミノキサンおよび/またはホウ素化合物を含む。
【0051】
メチルアルミノキサンは、溶媒で希釈された市販品を使用することができるほか、溶媒中でトリメチルアルミニウムを部分加水分解したものも使用できる。当該メチルアルミノキサンに未反応のトリメチルアルミニウムが残存している場合には、当該未反応のトリメチルアルミニウムを下記で詳述する(D)成分として用いてもよいし、トリメチルアルミニウムおよび溶媒を減圧下で留去した乾燥メチルアルミノキサンとして用いてもよい。また、トリメチルアルミニウムの部分加水分解の際に、トリイソブチルアルミニウムのようなトリメチルアルミニウム以外のトリアルキルアルミニウムを共存させ、共部分加水分解した修飾メチルアルミノキサンも使用することができる。この場合も同様に、残存するトリアルキルアルミニウムが存在する場合には、当該未反応のトリアルキルアルミニウムを下記で詳述する(D)成分として用いてもよいし、トリアルキルアルミニウムおよび溶媒を留去した乾燥修飾メチルアルミノキサンとして使用してもよい。
【0052】
ホウ素化合物としては、例えば、トリスペンタフルオロフェニルボラン等のアリールホウ素化合物が挙げられる。また、ホウ素化合物は、アニオン種を有するホウ素化合物を用いることができる。例えば、テトラキスペンタフルオロフェニルボレート、テトラキス(3,5−トリフルオロメチルフェニル)ボレート等のアリールボレートなどが挙げられる。アリールボレートの具体例としては、リチウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート、ナトリウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート、トリチルテトラキスペンタフルオロフェニルボレート、リチウムテトラキス(3,5−トリフルオロメチルフェニル)ボレート、ナトリウムテトラキス(3,5−トリフルオロメチルフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(3,5−トリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリチルテトラキス(3,5−トリフルオロメチルフェニル)ボレート等が挙げられる。これらの中でも、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート、トリチルテトラキスペンタフルオロフェニルボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(3,5−トリフルオロメチルフェニル)ボレートまたはトリチルテトラキス(3,5−トリフルオロメチルフェニル)ボレートが好ましい。これらホウ素化合物は1種を単独で、または2種以上を併用して用いることができる。
【0053】
<(D)有機亜鉛化合物、有機アルミニウム化合物>
本実施形態に係る第1の触媒は、(D)有機亜鉛化合物および/またはメチルアルミノキサン以外の有機アルミニウム化合物を含む。
【0054】
有機亜鉛化合物の具体例としては、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛等のアルキル亜鉛、ジフェニル亜鉛等のアリール亜鉛などが挙げられる。また、有機亜鉛化合物は、塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛等のハロゲン化亜鉛と、アルキルリチウム、アリールグリニア、アルキルグリニア、下記の有機アルミニウム化合物等とを作用させて、反応系内で有機亜鉛化合物を形成させてもよい。これら有機亜鉛化合物は1種を単独で、または2種以上を併用して用いることができる。
【0055】
有機アルミニウム化合物の具体例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリフェニルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライド等が挙げられる。これら有機アルミニウム化合物は1種を単独で、または2種以上を併用して用いることができる。
【0056】
第1の触媒における上記(A)および(B)の含有割合は、モル比で(A):(B)=1:5〜5:1であることが好ましい。(A)および(B)の含有割合が上記の範囲内であれば、エチレンおよびα−オレフィンの、それぞれの単独重合の進行をより顕著に抑制することができ、より効率的に共オリゴマーを製造することができる。
【0057】
また、(A)および(B)の含有量のモル数の合計をYとしたときの、当該Yおよび(C)の含有割合は、(C)としてメチルアルミノキサンのみを使用する場合、モル比でY:(C−Al)=1:10〜1:1000であることが好ましく、1:20〜1:500であることがより好ましい。(A)および(B)の合計量と、(C−Al)との含有割合が上記範囲内であれば、より十分な重合活性を発現しつつ、コストアップの要因を抑制することができる。なお、(C−Al)は、メチルアルミノキサンにおけるアルミニウム原子のモル数を表す。
【0058】
一方、(C)としてホウ素化合物のみを使用する場合、モル比でY:(C−B)=0.1:1〜10:1であることが好ましく、0.5:1〜2:1であることがより好ましい。(A)および(B)の合計量と、(C−B)との含有割合が上記範囲内であれば、より十分な重合活性を発現しつつ、コストアップの要因を抑制することができる。なお、(C−B)は、ホウ素化合物のモル数を表す。(C)としてホウ素化合物のみを使用する場合には、特に(A)および(B)についてアルキル錯体を用いたり、アルキル錯体へと変換したりする操作を加えることが好ましい。アルキル錯体へと変換する方法とは、例えば、メチル錯体への変換で例示すると、トリメチルアルミニウム等の有機アルミニウム化合物、ジメチル亜鉛等の有機亜鉛化合物、メチルリチウム等の有機リチウム化合物、メチルマグネシウムクロライド等のグリニア化合物などと、(A)または(B)とを接触させることで、(A)または(B)のメチル錯体へと変換することが挙げられる。なお、ここで挙げた有機アルミニウム化合物および有機亜鉛化合物は、上記(D)に記載のものが使用できる。
【0059】
(C)としてメチルアルミノキサンとホウ素化合物とを併用して使用する場合、モル比でY:(C−Al)=1:1〜1:100であり、かつY:(C−B)=1:1〜1:10であることが好ましく、Y:(C−Al)=1:1〜1:50であり、かつY:(C−B)=1:1〜1:2であることがより好ましい。(A)および(B)の合計量と、(C−Al)との含有割合並びに(A)および(B)の合計量と、(C−B)との含有割合が上記範囲内であれば、より十分な重合活性を発現しつつ、コストアップの要因を抑制することができる。さらに、上述した(A)および(B)のアルキル錯体への変換も同時に行うことができる。
【0060】
また、上記Yおよび(D)の含有割合は、モル比でY:(D)=1:1〜1:1000であることが好ましく、1:10〜1:800であることがより好ましい。(A)および(B)の合計量と、(D)との含有割合が上記範囲内であれば、錯体(A)および(B)による連鎖移動重合の効果が顕著に表れ、エチレンおよびα−オレフィンの、それぞれの重合の進行をより顕著に抑制することができ、より効率的に適切な共重合性と分子量を有する共オリゴマーを製造することができる。なお、上記(D)の含有割合は、(D)として有機アルミニウム化合物を用いる場合、有機アルミニウム化合物におけるアルミニウム原子のモル数を表す。
【0061】
[オリゴマーの製造方法(第1の製造方法)]
本実施形態における第1の製造方法においては、上記の第1の触媒の存在下、エチレンおよびα−オレフィンを含む重合性モノマーを共オリゴマー化させる工程を備える。
【0062】
ここで、本実施形態で用いるα−オレフィンは、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセンのほか、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィンの2位以外にメチル基等の分岐をもつものなどが挙げられる。これらのα−オレフィンの中でも、反応性の観点からプロピレンを使用することが好ましい。
【0063】
触媒に接触させるエチレンおよびα−オレフィンの供給割合は、特に制限されるものではないが、モル比で、エチレン:α−オレフィン=1000:1〜1:1000であることが好ましく、100:1〜1:100であることがより好ましい。エチレンおよびα−オレフィンの反応性には違いがあるため、Fineman−Ross法等を用いて反応性比を算出し、希望する生成物中の組成比から供給するエチレンおよびα−オレフィンの供給割合を適宜決定することができる。
【0064】
本実施形態で用いる重合性モノマーは、エチレンおよびα−オレフィンからなるものであってもよく、あるいは、エチレンおよびα−オレフィン以外のモノマーをさらに含有してもよい。また、重合性モノマーを、上記触媒が充填された反応装置に導入する方法としては、エチレンおよびα−オレフィンを含む重合性モノマー混合物を導入する方法、エチレン、α−オレフィン等のモノマー成分を連続的に導入する方法などが挙げられる。
【0065】
本実施形態における第1のオリゴマーの製造方法において、反応溶媒は、重合反応を良好に行う観点から、無極性溶媒であることが好ましい。無極性溶媒としては、例えば、ノルマルヘキサン、イソヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。
【0066】
本実施形態における反応温度は、特に限定されないが、例えば、0〜100℃の範囲であることが好ましく、10〜90℃の範囲であることがより好ましく、20〜80℃の範囲であることさらに好ましい。反応温度が0℃以上であれば、冷却に多大なエネルギーを要することなく効率的に反応を行うことができ、100℃以下であれば、(B)鉄化合物の活性低下を抑制することができる。また、反応圧力についても特に限定されないが、例えば、100kPa〜5MPaであることが好ましい。反応時間についても特に限定されないが、例えば、1分〜24時間の範囲であることが好ましい。
【0067】
本実施形態における上記の製造方法によって得られる共オリゴマーは、共重合性に優れるばかりでなく、さらに無色透明であるため、例えば潤滑油組成物の成分として好適に使用することができる。
【0068】
ここで、「共重合性に優れる」とは、重合体中におけるエチレン/α−オレフィンのモル比が、例えば0.1〜10.0の範囲内であることをいい、好ましくは0.5〜9.0の範囲内であることをいう。なお、重合体中におけるエチレン/α−オレフィンのモル比の測定方法としては、例えば、600MHzのNMR装置を使用して13C−NMRを測定し、α−オレフィン由来のピークおよびエチレン由来のピークの積分比から重合体中のエチレンとα−オレフィンとのモル比を求める方法等が挙げられる。例えば、エチレンとプロピレンとの共重合の場合、メチル分岐に由来するピーク面積と全ピーク面積とから、共オリゴマー中のモル比を算出することができる。なお13C−NMR分析によって、エチレン連鎖やプロピレン連鎖の割合を決定できるが、そのようなホモ重合に由来するピークからランダム共重合性を判断することができ、ランダム共重合性の高いオリゴマーは無色透明である。
【0069】
また、本実施形態における上記の製造方法によって得られる共オリゴマーとは、数平均分子量(Mn)が、例えば200〜5000の範囲内であり、好ましくは300〜4000の範囲内である。また、分散度は、重量平均分子量(Mw)とMnとの比であり、Mw/Mnとして表されるが、好ましくは1.0〜5.0の範囲内であり、より好ましくは1.1〜3.0の範囲内である。なお、共オリゴマーの数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)は、例えば、GPC装置を用い、標準ポリスチレンから作成した検量線に基づき、ポリスチレン換算量として求めることができる。
【0070】
[触媒(第2の触媒)]
本実施形態における第2の触媒は、下記一般式(3)で表されるジイミン化合物である配位子と、第8属元素、第9族元素および第10族元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属との錯体を含有する。
【0071】
【化20】
式(3)中、ArおよびArは同一でも異なっていてもよく、それぞれ下記一般式(4)で表される基を示し、ArおよびArは同一でも異なっていてもよく、それぞれ下記一般式(5)で表される基を示す。
【化21】
(式(4)中、RおよびRは同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子または炭素数1〜5のヒドロカルビル基を示し、RとRの炭素数の合計は1以上5以下であり、R、RおよびRは同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子または電子供与性基を示す。)
【化22】
(式(5)中、R〜R10は同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子または電子供与性基を示す。)
【0072】
なお、同一分子中のArおよびArは同一でも異なっていてもよいが、配位子の合成を単純化する観点から、同一であることが好ましい。
同様に、同一分子中のArおよびArは同一でも異なっていてもよいが、配位子の合成を単純化する観点から、同一であることが好ましい。
【0073】
およびRで示される炭素数1〜5のヒドロカルビル基としては、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数2〜5のアルケニル基等が挙げられる。ヒドロカルビル基は、直鎖状、分岐鎖状または環状のいずれであってもよい。さらに、ヒドロカルビル基は、直鎖状または分岐鎖状のヒドロカルビル基と環状ヒドロカルビル基とが結合した一価の基であってもよい。
【0074】
炭素数1〜5のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基等の炭素数1〜5の直鎖アルキル基;iso−プロピル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、分岐鎖状ペンチル基(全ての構造異性体を含む)等の炭素数1〜5の分岐鎖アルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基等の炭素数1〜5の環状アルキル基などが挙げられる。
【0075】
炭素数2〜5のアルケニル基としては、エテニル基(ビニル基)、n−プロペニル基、n−ブテニル基、n−ペンテニル基等の炭素数2〜5の直鎖アルケニル基;iso−プロペニル基、iso−ブテニル基、sec−ブテニル基、tert−ブテニル基、分岐鎖ペンテニル基(全ての構造異性体を含む)等の炭素数2〜5の分岐鎖アルケニル基;シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基等の炭素数2〜5の環状アルケニル基などが挙げられる。
【0076】
第2の触媒の触媒活性ならびに触媒反応により得られるオリゴマーの分子量の制御の観点から、RおよびRの合計の炭素数は、1以上5以下であり、1以上4以下であることが好ましく、1以上3以下であることがより好ましく、1以上2以下であることがさらに好ましく、1であることが最も好ましい。なお、RおよびRの炭素数の合計が0である場合(すなわちRおよびRがともに水素原子である場合)、触媒の活性が不十分となる。一方、RおよびRの炭素数の合計が6以上である場合、ベンゼン環上の置換基による立体障害の影響により、分子のコンホメーション変化が起こりにくくなる。その結果、脱離反応が抑制され、触媒活性が低くなるとともに、分子量の大きいポリマーが生成しやすくなる。
【0077】
また、ベンゼン環上の置換基による立体障害の影響を抑制する観点から、RまたはRのうちいずれか一方が水素原子であり、他方が炭素数1〜5のヒドロカルビル基であることが好ましい。
【0078】
式(4)中、R、RおよびRはそれぞれ独立して水素原子または電子供与性基を示す。電子供与性基としては、特に制限はなく、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、またはこれらの2以上を組み合わせた一価の基等が挙げられる。アルキル基およびアルコキシ基は直鎖状、分岐鎖状または環状のいずれであってもよい。また、アリール基およびアリールオキシ基はアルキル基等の置換基を有していてもよい。
【0079】
、RおよびRとしては、具体的には、メチル基、エチル基、直鎖状または分岐鎖状のプロピル基、直鎖状または分岐鎖状のブチル基、直鎖状または分岐鎖状のペンチル基、直鎖状または分岐鎖状のヘキシル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ヒドロキシ基、メトキシ基、エトキシ基、直鎖状または分岐鎖状のプロポキシ基、直鎖状または分岐鎖状のブトキシ基、直鎖状または分岐鎖状のペンチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、直鎖状または分岐鎖状のヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、フェノキシ基、トリルオキシ基、キシリルオキシ基等が挙げられる。これらの中でも、水素原子、メチル基およびメトキシ基が好ましい。
【0080】
式(5)中、R〜R10はそれぞれ独立して水素原子または電子供与性基を示す。電子供与性基としては、上述したとおりのものが挙げられる。式(5)として示される置換基としては、具体的には、フェニル基、オルトトリル基、メタトリル基、パラトリル基、2,3−ジメチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2,5−ジメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、3,4−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、オルトメトキシフェニル基、メタメトキシフェニル基、パラメトキシフェニル基、オルトエトキシフェニル基、メタエトキシフェニル基、パラエトキシフェニル基、オルトイソプロポキシフェニル基、メタイソプロポキシフェニル基、パライソプロポキシフェニル基、オルトフェノキシフェニル基、メタフェノキシフェニル基、パラフェノキシフェニル基等が挙げられる。
【0081】
一般式(3)で表されるジイミン化合物の好ましい態様として、下記式(3−1)〜(3−6)で表される各ジイミン化合物が挙げられる。これらは1種を単独で、または2種以上を併用して用いることができる。
【0082】
【化23】
【0083】
【化24】
【0084】
【化25】
【0085】
【化26】
【0086】
【化27】
【0087】
【化28】
【0088】
一般式(3)で表されるジイミン化合物は、例えば、ベンゾイルピリジンおよびアニリン化合物を、酸の存在下、脱水縮合することで合成することができる。
【0089】
一般式(3)で表されるジイミン化合物の製造方法の好ましい態様は、2,6−ジベンゾイルピリジン、アニリン化合物、および酸を溶媒に溶解し、溶媒加熱還流下で脱水縮合させる第1工程と、
第1工程後の反応混合物について分離・精製処理を行い、一般式(3)で表されるジイミン化合物を得る工程と、を備える。
【0090】
第1工程で用いられる酸としては、例えば有機アルミニウム化合物を用いることができる。有機アルミニウム化合物としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライド、メチルアルミノキサン等が挙げられる。
【0091】
第1工程で用いられる酸としては、上記有機アルミニウム化合物のほかに、プロトン酸を用いることもできる。プロトン酸は、プロトンを供与する酸触媒として用いられる。用いるプロトン酸は、特に制限されないが、好ましくは有機酸である。このようなプロトン酸としては、例えば、酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルフォン酸、トリフルオロメタンスルフォン酸、パラトルエンスルフォン酸等が挙げられる。これらのプロトン酸を使用する場合、水の副成を抑制する観点から、ディーンスタークウォーターセパレーター等で水を除去することが好ましい。また、モレキュラーシーブス等の吸着剤の存在下で反応を行うことも可能である。プロトン酸の添加量は特に制限されず、触媒量であればよい。
【0092】
また、第1工程で用いられる溶媒としては、例えば、炭化水素系溶媒、アルコール系溶媒等が挙げられる。炭化水素系溶媒としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等が挙げられる。アルコール系溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等が挙げられる。
【0093】
第1工程における反応条件は、原料化合物、酸および溶媒の種類ならびに量に応じて、適宜選択することができる。
【0094】
また、第2工程における分離・精製処理としては、特に制限されず、例えば、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、再結晶法等が挙げられる。特に、酸として上述した有機アルミニウム化合物を使用する場合は、反応溶液を塩基性水溶液と混合し、アルミニウムを分解・除去したのち、精製することが好ましい。
【0095】
本実施形態に係る第2の触媒は、錯体の中心金属として、第8族元素、第9族元素および第10族元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属を含有する。ここで、「第8族元素」、「第9族元素」および「第10族元素」とは、IUPAC形式の長周期表(新周期表)に基づく名称である。これらの元素は短周期表(旧周期表)に基づき「第VIII族元素」と総称されることもある。すなわち、第8族元素、第9族元素および第10族元素(第VIII族元素)とは、鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウムおよび白金からなる群より選ばれる少なくとも1種である。
【0096】
これらの元素の中でも、高い重合活性および入手性の観点から、鉄が好ましい。
【0097】
本実施形態に係る第2の触媒の製造方法において、一般式(3)で表されるジイミン化合物と、第8族元素、第9族元素および第10族元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属との混合方法は、特に制限されず、例えば、
(i)ジイミン化合物を溶解させた溶液に第8族元素、第9族元素および第10族元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属の塩(以下、単に「塩」ということもある)を添加、混合する方法、
(ii)ジイミン化合物を溶解させた溶液および塩を溶解させた溶液を混合する方法、
(iii)ジイミン化合物と塩とを、溶媒を用いずに物理的に混合する方法、
などが挙げられる。
【0098】
また、一般式(3)で表されるジイミン化合物と、第8族元素、第9族元素および第10族元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属との混合物から錯体を取り出す方法としては、特に制限されず、例えば、
(a)混合物に溶媒を使用した場合には溶媒を留去し、固形物をろ別する方法、
(b)混合物から生じた沈殿をろ別する方法、
(c)混合物に貧溶媒を加えて沈殿を精製させ、ろ別する方法、
(d)無溶媒混合物をそのまま取り出す方法、
などが挙げられる。その後さらに、一般式(3)で表されるジイミン化合物を溶解可能な溶媒による洗浄処理、金属を溶解可能な溶剤による洗浄処理、適当な溶媒を用いた再結晶処理等を施してもよい。
【0099】
上記の方法のうち、溶媒を用いてジイミン化合物および塩を溶解させ混合する方法(すなわち(i)、(ii)の方法)は、系内で錯体を形成させてそのまま触媒として使用することが可能であり、生成した錯体を精製する等の操作が不要となるため、工業的に好ましい。すなわち、(i)、(ii)での混合物をそのまま触媒として使用することも可能である。また、一般式(3)で表されるジイミン化合物の溶液(またはスラリー)、第8族元素、第9族元素および第10族元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属の溶液(またはスラリー)を別々にリアクターに加えることで、触媒とすることも可能である。
【0100】
第8族元素、第9族元素および第10族元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属の塩としては、例えば、塩化鉄(II)、塩化鉄(III)、臭化鉄(II)、臭化鉄(III)、アセチルアセトン鉄(II)、アセチルアセトン鉄(III)、酢酸鉄(II)、酢酸鉄(III)、塩化コバルト(II)、塩化コバルト(III)、臭化コバルト(II)、臭化コバルト(III)、アセチルアセトンコバルト(II)、アセチルアセトンコバルト(III)、酢酸コバルト(II)、酢酸コバルト(III)、2−エチルヘキサン酸ニッケル、塩化パラジウム、アセチルアセトンパラジウム、酢酸パラジウム等が挙げられる。これらの塩に溶媒、水等の配位子を有するものを用いてもよい。これらの中でも、鉄(II)の塩が好ましく、塩化鉄(II)がより好ましい。
【0101】
また、一般式(3)で表されるジイミン化合物と金属とを接触させる溶媒としては、特に制限されず、無極性溶媒および極性溶媒のいずれも使用できる。無極性溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の炭化水素系溶媒などが挙げられる。極性溶媒としては、アルコール溶媒等の極性プロトン性溶媒、テトラヒドロフラン等の極性非プロトン性溶媒などが挙げられる。アルコール溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等が挙げられる。特に混合物をそのまま触媒として使用する場合には、オレフィン重合に実質的に影響がない炭化水素系溶媒を使用することが好ましい。
【0102】
本実施形態に係る第2の触媒において、一般式(3)で表されるジイミン化合物、ならびに第8族元素、第9族元素および第10族元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属の含有割合は、特に制限されず、未反応のジイミン化合物および/または金属が含まれていてもよい。ジイミン化合物/金属の比は、モル比で、好ましくは0.2/1〜5/1、より好ましくは0.3/1〜3/1、さらに好ましくは0.5/1〜2/1である。ジイミン化合物/金属の比が0.2/1以上であれば、配位子が配位していない金属によるオレフィン重合反応を抑制することができるため、目的とするオレフィン重合反応をより選択的に進行させることができる。ジイミン化合物/金属の比が5/1以下であれば、過剰な配位子による配位等が抑制されるため、オレフィン重合反応の活性をさらに高めることができる。
【0103】
原料として用いるジイミン化合物における二つのイミン部位は、いずれもE体であることが好ましいが、いずれもE体であるジイミン化合物が含まれていれば、Z体を含むジイミン化合物を含んでいてもよい。Z体を含むジイミン化合物は、金属と錯体を形成しにくいことから、系内で錯体を形成させた後、溶媒洗浄等の精製工程で容易に除去することが可能である。
【0104】
本実施形態に係る第2の触媒は、有機アルミニウム化合物をさらに含有することができる。有機アルミニウム化合物は、オレフィン重合反応において、上記錯体の触媒活性をさらに向上させる助触媒としての機能を有する。
【0105】
有機アルミニウム化合物の具体例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライド、メチルアルミノキサン等が挙げられる。これら有機アルミニウム化合物は1種を単独で、または2種以上を併用して用いることができる。
【0106】
メチルアルミノキサンは、溶媒で希釈された市販品を使用することができるほか、溶媒中でトリメチルアルミニウムを部分加水分解したものも使用できる。また、トリメチルアルミニウムの部分加水分解の際に、トリイソブチルアルミニウムのようなトリメチルアルミニウム以外のトリアルキルアルミニウムを共存させ、共部分加水分解した修飾メチルアルミノキサンも使用することができる。さらに、上記部分加水分解の際に、未反応のトリアルキルアルミニウムが残存している場合には、当該未反応のトリアルキルアルミニウムを、減圧下で留去するなどして除去してもよい。また、メチルアルミノキサンをフェノールやその誘導体等の活性プロトン化合物で変性させた変性メチルアルミノキサンを用いてもよい。
【0107】
第2の触媒における有機アルミニウム化合物の含有割合は、特に制限されない。有機アルミニウム化合物中のアルミニウム/錯体中の金属の比は、モル比で、1/1〜5000/1であることが好ましい。有機アルミニウム化合物中のアルミニウム/錯体中の金属の比が1/1以上であれば、オレフィン重合反応がより効率的に進行し、当該比が5000/1以下であれば、製造コストを抑えることができる。
【0108】
本実施形態に係る第2の触媒は、有機アルミニウム化合物に代えて、あるいは有機アルミニウム化合物とともに、有機亜鉛化合物、有機マグネシウム化合物等をさらに含有してもよい。有機亜鉛化合物としては、ジエチル亜鉛、ジフェニル亜鉛等が挙げられる。有機マグネシウム化合物としては、塩化メチルマグネシウム、臭化メチルマグネシウム、ヨウ化メチルマグネシウム、塩化エチルマグネシウム、臭化エチルマグネシウム、ヨウ化エチルマグネシウム、塩化(イソ)プロピルマグネシウム、臭化(イソ)プロピルマグネシウム、ヨウ化(イソ)プロピルマグネシウム、塩化フェニルマグネシウム、臭化フェニルマグネシウム、ヨウ化フェニルマグネシウム等が挙げられる。これらは1種を単独で、または2種以上を併用して用いることができる。
【0109】
[オリゴマーの製造方法(第2の製造方法)]
本実施形態における第2の製造方法は、一般式(3)で表されるジイミン化合物である配位子と、第8族元素、第9族元素および第10族元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属と、の錯体を含有する触媒の存在下、オレフィンを含む重合性モノマーをオリゴマー化させる工程を備える。なお、本実施形態における触媒は、上述した第2の触媒と同様であり、ここでは重複する説明を省略する。
【0110】
オレフィンとしては、エチレン、α−オレフィン等が挙げられる。α−オレフィンには、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセンのほか、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィンの2位以外にメチル基等の分岐をもつものも包含される。
【0111】
本実施形態に係る第2の製造方法により得られるオリゴマーは、上記のオレフィンのうちの1種の単独重合体であってもよく、2種以上の共重合体であってもよい。反応性の観点から、本実施形態に係るオリゴマーは、エチレンもしくはプロピレンの単独重合体、またはエチレンおよびプロピレンの共重合体であることが好ましく、エチレンの単独重合体であることがより好ましい。さらに、オリゴマーは、オレフィン以外のモノマーに由来する構造単位をさらに含有してもよい。
【0112】
本実施形態に係る第2の製造方法の一態様として、触媒が充填された反応装置に、重合性モノマーを導入する方法が挙げられる。重合性モノマーの反応装置への導入方法は特に制限されず、重合性モノマーが2種以上のオレフィンを含有するモノマー混合物である場合には、モノマー混合物を反応装置に導入してもよく、あるいは、各重合性モノマーを別個に導入してもよい。
【0113】
また、オリゴマー化の際に、溶媒を用いてもよい。溶媒としては、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、デカリン等の脂肪族炭化水素系溶媒;テトラリン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒が挙げられる。これらの溶媒に触媒を溶解して、溶液重合、スラリー重合等を行うことができる。また、オレフィンを含む重合性モノマーを溶媒としてバルク重合することも可能である。
【0114】
オリゴマー化の反応温度は、特に制限されないが、例えば、−20〜100℃の範囲であることが好ましく、−10〜90℃の範囲であることがより好ましく、0〜80℃の範囲であることがさらに好ましい。反応温度が−20℃以上であれば、生成したオリゴマーの析出を抑制することができ、100℃以下であれば、触媒の分解を抑制することができる。また、反応圧力についても特に限定されないが、例えば、100kPa〜5MPaであることが好ましい。反応時間についても特に限定されないが、例えば、1分〜24時間の範囲であることが好ましい。
【0115】
本実施形態において、「オリゴマー」とは、数平均分子量(Mn)が10000以下の重合体を意味する。上記の第2の製造方法によって得られるオリゴマーの数平均分子量は、その用途に応じて適宜調整することができる。例えば、オリゴマーをワックス、潤滑油等として使用する場合、オリゴマーのMnは、好ましくは300〜8000、より好ましくは400〜7000である。また、分子量分布の度合を示す、Mw/Mnは2.0を下回るものが好ましい。
【0116】
オリゴマーのMnおよびMwは、例えば、GPC装置を用い、標準ポリスチレンから作成した検量線に基づき、ポリスチレン換算量として求めることができる。
【0117】
本実施形態に係る第2の製造方法によれば、分子量分布の狭いオリゴマーを効率よく得ることができる。したがって、本実施形態に係る製造方法は、オレフィンオリゴマーワックス、ポリα−オレフィン(PAO)等の潤滑油用基材の製造方法として有用である。
【0118】
[触媒(第3の触媒)]
本実施形態に係る第3の触媒は、下記一般式(2)で表される鉄化合物(以下、単に鉄化合物ということもある)と、下記一般式(7)で表される化合物(以下、リガンドということもある)とを含有する。
【0119】
【化29】
式(2)中、Rは炭素数1〜6のヒドロカルビル基または炭素数6〜12の芳香族基を示し、同一分子中の複数のRは同一でも異なっていてもよく、R’は酸素原子および/または窒素原子を有する炭素数0〜6の遊離基を示し、同一分子中の複数のR’は同一でも異なっていてもよく、Yは塩素原子または臭素原子を示す。
【化30】
式(7)中、R’’は炭素数1〜6のヒドロカルビル基または炭素数6〜12の芳香族基を示し、同一分子中の複数のR’’は同一でも異なっていてもよく、R’’’は酸素原子および/または窒素原子を有する炭素数0〜6の遊離基を示し、同一分子中の複数のR’’’は同一でも異なっていてもよい。
【0120】
一般式(2)において、同一分子中のRおよびR’は同一でも異なっていてもよいが、一般式(2)で表される鉄化合物の合成を単純化する観点から、同一であることが好ましい。
【0121】
Rで示される炭素数1〜6のヒドロカルビル基としては、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基等が挙げられる。ヒドロカルビル基は、直鎖状、分岐鎖状または環状のいずれであってもよい。さらに、ヒドロカルビル基は、直鎖状または分岐鎖状のヒドロカルビル基と環状ヒドロカルビル基とが結合した一価の基であってもよい。
【0122】
炭素数1〜6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等の炭素数1〜6の直鎖アルキル基;iso−プロピル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、分岐鎖状ペンチル基(全ての構造異性体を含む)、分岐鎖状ヘキシル基(全ての構造異性体を含む)等の炭素数1〜6の分岐鎖アルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素数1〜6の環状アルキル基などが挙げられる。
【0123】
炭素数2〜6のアルケニル基としては、エテニル基(ビニル基)、n−プロペニル基、n−ブテニル基、n−ペンテニル基、n−ヘキセニル基等の炭素数2〜6の直鎖アルケニル基;iso−プロペニル基、iso−ブテニル基、sec−ブテニル基、tert−ブテニル基、分岐鎖ペンテニル基(全ての構造異性体を含む)、分岐鎖ヘキセニル基(全ての構造異性体を含む)等の炭素数2〜6の分岐鎖アルケニル基;シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロペンタジエニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘキサジエニル基等の炭素数2〜6の環状アルケニル基などが挙げられる。
【0124】
Rで示される炭素数6〜12の芳香族基としては、フェニル基、トルイル基、キシリル基、ナフチル基等が挙げられる。
【0125】
R’で示される酸素原子および/または窒素原子を有する炭素数0〜6の遊離基としては、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、ニトロ基等が挙げられる。
【0126】
このような鉄化合物として具体的には、下記式(2a)〜(2h)で表される各鉄化合物が挙げられる。これら鉄化合物は1種を単独で、または2種以上を併用して用いることができる。
【0127】
【化31】
【0128】
【化32】
【0129】
【化33】
【0130】
【化34】
【0131】
【化35】
【0132】
【化36】
【0133】
【化37】
【0134】
【化38】
【0135】
一般式(7)において、同一分子中のR’’およびR’’’は同一でも異なっていてもよいが、一般式(7)で表される化合物の合成を単純化する観点から、同一であることが好ましい。
【0136】
炭素数1〜6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等の炭素数1〜6の直鎖アルキル基;iso−プロピル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、分岐鎖状ペンチル基(全ての構造異性体を含む)、分岐鎖状ヘキシル基(全ての構造異性体を含む)等の炭素数1〜6の分岐鎖アルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素数1〜6の環状アルキル基などが挙げられる。
【0137】
炭素数2〜6のアルケニル基としては、エテニル基(ビニル基)、n−プロペニル基、n−ブテニル基、n−ペンテニル基、n−ヘキセニル基等の炭素数2〜6の直鎖アルケニル基;iso−プロペニル基、iso−ブテニル基、sec−ブテニル基、tert−ブテニル基、分岐鎖ペンテニル基(全ての構造異性体を含む)、分岐鎖ヘキセニル基(全ての構造異性体を含む)等の炭素数2〜6の分岐鎖アルケニル基;シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロペンタジエニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘキサジエニル基等の炭素数2〜6の環状アルケニル基などが挙げられる。
【0138】
Rで示される炭素数6〜12の芳香族基としては、フェニル基、トルイル基、キシリル基、ナフチル基等が挙げられる。
【0139】
R’で示される酸素原子および/または窒素原子を有する炭素数0〜6の遊離基としては、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、ニトロ基等が挙げられる。
【0140】
このようなリガンドとして具体的には、下記式(7a)〜(7d)で表される各リガンドが挙げられる。これらリガンドは1種を単独で、または2種以上を併用して用いることができる。
【0141】
【化39】
【0142】
【化40】
【0143】
【化41】
【0144】
【化42】
【0145】
また、本実施形態に係る触媒に含まれる上記一般式(2)で表される鉄化合物および上記一般式(7)で表される化合物において、一般式(2)のRと一般式(7)のR’’、および一般式(2)のR’と一般式(7)のR’’’とは、それぞれ同一でも異なっていてもよいが、一般式(2)で表される鉄化合物と同様の性能を維持させる観点から、同一であることが好ましい。
【0146】
一般式(2)で表される鉄化合物において、配位子を構成するジイミン化合物(以下、単にジイミン化合物ということもある)は、例えば、ベンゾイルピリジンおよびアニリン化合物を、酸の存在下、脱水縮合することで合成することができる。
【0147】
上記ジイミン化合物の製造方法の好ましい態様は、2,6−ベンゾイルピリジン、アニリン化合物、および酸を溶媒に溶解し、溶媒加熱還流下で脱水縮合させる第1工程と、
第1工程後の反応混合物について分離・精製処理を行い、ジイミン化合物を得る工程と、を備える。
【0148】
第1工程で用いられる酸としては、例えば有機アルミニウム化合物を用いることができる。有機アルミニウム化合物としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライド、メチルアルミノキサン等が挙げられる。
【0149】
第1工程で用いられる酸としては、上記有機アルミニウム化合物のほかに、プロトン酸を用いることもできる。プロトン酸は、プロトンを供与する酸触媒として用いられる。用いるプロトン酸は、特に制限されないが、好ましくは有機酸である。このようなプロトン酸としては、例えば、酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルフォン酸、トリフルオロメタンスルフォン酸、パラトルエンスルフォン酸等が挙げられる。これらのプロトン酸を使用する場合、水の副成を抑制する観点から、ディーンスタークウォーターセパレーター等で水を除去することが好ましい。また、モレキュラーシーブス等の吸着剤の存在下で反応を行うことも可能である。プロトン酸の添加量は特に制限されず、触媒量であればよい。
【0150】
また、第1工程で用いられる溶媒としては、例えば、炭化水素系溶媒、アルコール系溶媒等が挙げられる。炭化水素系溶媒としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等が挙げられる。アルコール系溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等が挙げられる。
【0151】
第1工程における反応条件は、原料化合物、酸および溶媒の種類ならびに量に応じて、適宜選択することができる。
【0152】
また、第2工程における分離・精製処理としては、特に制限されず、例えば、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、再結晶法等が挙げられる。特に、酸として上述した有機アルミニウム化合物を使用する場合は、反応溶液を塩基性水溶液と混合し、アルミニウムを分解・除去したのち、精製することが好ましい。
【0153】
本実施形態に係る鉄化合物は、中心金属として鉄を含有する。上記ジイミン化合物と、鉄との混合方法は、特に制限されず、例えば、
(i)ジイミン化合物を溶解させた溶液に鉄の塩(以下、単に「塩」ということもある)を添加、混合する方法、
(ii)ジイミン化合物を溶解させた溶液および塩を溶解させた溶液を混合する方法、
(iii)ジイミン化合物と塩とを、溶媒を用いずに物理的に混合する方法、
などが挙げられる。
【0154】
また、ジイミン化合物と鉄との混合物から錯体を取り出す方法としては、特に制限されず、例えば、
(a)混合物に溶媒を使用した場合には溶媒を留去し、固形物をろ別する方法、
(b)混合物から生じた沈殿をろ別する方法、
(c)混合物に貧溶媒を加えて沈殿を精製させ、ろ別する方法、
(d)無溶媒混合物をそのまま取り出す方法、
などが挙げられる。この後さらに、ジイミン化合物を溶解可能な溶媒による洗浄処理、金属を溶解可能な溶剤による洗浄処理、適当な溶媒を用いた再結晶処理等を施してもよい。
【0155】
鉄の塩としては、例えば、塩化鉄(II)、塩化鉄(III)、臭化鉄(II)、臭化鉄(III)、アセチルアセトン鉄(II)、アセチルアセトン鉄(III)、酢酸鉄(II)、酢酸鉄(III)、等が挙げられる。これらの塩に溶媒、水等の配位子を有するものを用いてもよい。これらの中でも、鉄(II)の塩が好ましく、塩化鉄(II)がより好ましい。
【0156】
また、ジイミン化合物と鉄とを接触させる溶媒としては、特に制限されず、無極性溶媒および極性溶媒のいずれも使用できる。無極性溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の炭化水素系溶媒などが挙げられる。極性溶媒としては、アルコール溶媒等の極性プロトン性溶媒、テトラヒドロフラン等の極性非プロトン性溶媒などが挙げられる。アルコール溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等が挙げられる。特に混合物をそのまま触媒として使用する場合には、オレフィン重合に実質的に影響がない炭化水素系溶媒を使用することが好ましい。
【0157】
また、ジイミン化合物と鉄とを接触させる際の両者の混合比は、特に制限されない。ジイミン化合物/鉄の比は、モル比で、好ましくは0.2/1〜5/1、より好ましくは0.3/1〜3/1、さらに好ましくは0.5/1〜2/1、特に好ましくは1:1である。
【0158】
ジイミン化合物における二つのイミン部位は、いずれもE体であることが好ましいが、いずれもE体であるジイミン化合物が含まれていれば、Z体を含むジイミン化合物を含んでいてもよい。Z体を含むジイミン化合物は、金属と錯体を形成しにくいことから、系内で錯体を形成させた後、溶媒洗浄等の精製工程で容易に除去することが可能である。
【0159】
本実施形態に係る第3の触媒において、鉄化合物とリガンドとの含有割合は、特に制限されない。リガンド/鉄化合物の比は、モル比で、好ましくは1/100〜100/1、より好ましくは1/20〜50/1、さらに好ましくは1/10〜10/1、特に好ましくは1/5〜5/1、非常に好ましくは1/3〜3/1である。リガンド/鉄化合物の比が1/100以上であれば、リガンドの添加効果を十分に発揮させることができ、100/1以下であれば、リガンドの添加効果を発揮しつつコストを抑えることができる。
【0160】
本実施形態に係る第3の触媒は、有機アルミニウム化合物およびホウ素化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の活性化剤をさらに含有することができる。上記活性化剤は、オレフィン重合反応において、上記錯体の触媒活性をさらに向上させる助触媒としての機能を有する。
【0161】
有機アルミニウム化合物の具体例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライド、メチルアルミノキサン等が挙げられる。これら有機アルミニウム化合物は1種を単独で、または2種以上を併用して用いることができる。
【0162】
メチルアルミノキサンは、溶媒で希釈された市販品を使用することができるほか、溶媒中でトリメチルアルミニウムを部分加水分解したものも使用できる。また、トリメチルアルミニウムの部分加水分解の際に、トリイソブチルアルミニウムのようなトリメチルアルミニウム以外のトリアルキルアルミニウムを共存させ、共部分加水分解した修飾メチルアルミノキサンも使用することができる。さらに、上記部分加水分解の際に、未反応のトリアルキルアルミニウムが残存している場合には、当該未反応のトリアルキルアルミニウムを、減圧下で留去するなどして除去してもよい。また、メチルアルミノキサンをフェノールやその誘導体等の活性プロトン化合物で変性させた変性メチルアルミノキサンを用いてもよい。
【0163】
ホウ素化合物としては、例えば、トリスペンタフルオロフェニルボラン等のアリールホウ素化合物が挙げられる。また、ホウ素化合物は、アニオン種を有するホウ素化合物を用いることができる。例えば、テトラキスペンタフルオロフェニルボレート、テトラキス(3,5−トリフルオロメチルフェニル)ボレート等のアリールボレートなどが挙げられる。アリールボレートの具体例としては、リチウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート、ナトリウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート、トリチルテトラキスペンタフルオロフェニルボレート、リチウムテトラキス(3,5−トリフルオロメチルフェニル)ボレート、ナトリウムテトラキス(3,5−トリフルオロメチルフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(3,5−トリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリチルテトラキス(3,5−トリフルオロメチルフェニル)ボレート等が挙げられる。これらの中でも、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート、トリチルテトラキスペンタフルオロフェニルボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(3,5−トリフルオロメチルフェニル)ボレートまたはトリチルテトラキス(3,5−トリフルオロメチルフェニル)ボレートが好ましい。これらホウ素化合物は1種を単独で、または2種以上を併用して用いることができる。
【0164】
活性化剤として有機アルミニウム化合物のみを使用する場合、一般式(2)で表される鉄化合物のモル数をG、有機アルミニウム化合物のアルミニウム原子のモル数をHとしたときの、当該GおよびHの含有割合は、モル比でG:H=1:10〜1:1000であることが好ましく、1:20〜1:500であることがより好ましい。上記範囲内であれば、より十分な重合活性を発現しつつ、コストアップの要因を抑制することができる。
【0165】
一方、活性化剤としてホウ素化合物のみを使用する場合、ホウ素化合物のモル数をJとしたときのGおよびJの含有割合は、モル比でG:J=0.1:1〜10:1であることが好ましく、0.5:1〜2:1であることがより好ましい。上記範囲内であれば、より十分な重合活性を発現しつつ、コストアップの要因を抑制することができる。なお、活性化剤としてホウ素化合物のみを使用する場合には、特に一般式(2)で表される鉄化合物についてアルキル錯体へと変換する操作を加えることが好ましい。アルキル錯体へと変換する方法とは、例えば、メチル錯体への変換で例示すると、トリメチルアルミニウム等の有機アルミニウム化合物、ジメチル亜鉛等の有機亜鉛化合物、メチルリチウム等の有機リチウム化合物、メチルマグネシウムクロライド等のグリニア化合物などと、一般式(2)で表される鉄化合物とを接触させることで、鉄化合物をメチル錯体へと変換することが挙げられる。なお、ここで挙げた有機アルミニウム化合物および有機亜鉛化合物は、上記第1の触媒における(D)に記載のものを使用できる。
【0166】
活性化剤として有機アルミニウム化合物とホウ素化合物とを併用して使用する場合、モル比でG:H=1:1〜1:100であり、かつG:J=1:1〜1:10であることが好ましく、G:H=1:1〜1:50であり、かつG:J=1:1〜1:2であることがより好ましい。上記範囲内であれば、より十分な重合活性を発現しつつ、コストアップの要因を抑制することができる。さらに、上述した一般式(2)で表される鉄化合物のアルキル錯体への変換も同時に行うことができる。
【0167】
本実施形態における第3の触媒において、上記活性化剤を含有する場合の当該触媒の製造方法は、特に制限されず、上述した鉄化合物、リガンド、および活性化剤を任意の順序で接触させて得ることができる。例えば、鉄化合物およびリガンドを含む溶液に活性化剤を含む溶液を添加、混合する方法、ならびに、鉄化合物および活性化剤を含む溶液にリガンドを含む溶液を添加、混合する方法等が挙げられる。
【0168】
以上、本実施形態における第3の触媒について説明したが、当該触媒は上述した態様に限られない。例えば、本実施形態に係る第3の触媒は、上記鉄化合物に代えて、または上記鉄化合物とともに、鉄以外の金属を含む錯体を用いてもよい。鉄以外の金属としては、例えばコバルト等が挙げられる。コバルトを含む錯体としては、例えば下記一般式(8)で表されるコバルト化合物が挙げられる。
【化43】
式(8)中、Rは炭素数1〜6のヒドロカルビル基または炭素数6〜12の芳香族基を示し、同一分子中の複数のRは同一でも異なっていてもよく、R’は酸素原子および/または窒素原子を有する炭素数0〜6の遊離基を示し、同一分子中の複数のR’は同一でも異なっていてもよく、Yは塩素原子または臭素原子を示す。
【0169】
[オリゴマーの製造方法(第3の製造方法)]
本実施形態における第3の製造方法は、一般式(2)で表される鉄化合物と、一般式(7)で表される化合物とを含有する触媒の存在下、オレフィンを含む重合性モノマーをオリゴマー化させる工程を備える。なお、本実施形態における触媒は、上述した第3の触媒と同様であり、ここでは重複する説明を省略する。
【0170】
オレフィンとしては、エチレン、α−オレフィン等が挙げられる。α−オレフィンには、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセンのほか、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィンの2位以外にメチル基等の分岐をもつものも包含される。
【0171】
本実施形態に係る第3の製造方法により得られるオリゴマーは、上記のオレフィンのうちの1種の単独重合体であってもよく、2種以上の共重合体であってもよい。本実施形態に係るオリゴマーは、エチレンもしくはプロピレンの単独重合体、またはエチレンおよびプロピレンの共重合体であってもよく、エチレンの単独重合体であってもよい。さらに、オリゴマーは、オレフィン以外のモノマーに由来する構造単位をさらに含有してもよい。
【0172】
本実施形態に係る第3の製造方法の一態様として、触媒が充填された反応装置に、重合性モノマーを導入する方法が挙げられる。重合性モノマーの反応装置への導入方法は特に制限されず、重合性モノマーが2種以上のオレフィンを含有するモノマー混合物である場合には、モノマー混合物を反応装置に導入してもよく、あるいは、各重合性モノマーを別個に導入してもよい。
【0173】
また、オリゴマー化の際に、溶媒を用いてもよい。溶媒としては、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、デカリン等の脂肪族炭化水素系溶媒;テトラリン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒が挙げられる。これらの溶媒に触媒を溶解して、溶液重合、スラリー重合等を行うことができる。また、オレフィンを含む重合性モノマーを溶媒としてバルク重合することも可能である。
【0174】
オリゴマー化の反応温度は、特に制限されないが、例えば、−20〜100℃の範囲であることが好ましく、−10〜90℃の範囲であることがより好ましく、0〜80℃の範囲であることがさらに好ましい。反応温度が−20℃以上であれば、生成したオリゴマーの析出を抑制することができ、100℃以下であれば、触媒の分解を抑制することができる。また、反応圧力についても特に限定されないが、例えば、100kPa〜5MPaであることが好ましい。反応時間についても特に限定されないが、例えば、1分〜24時間の範囲であることが好ましい。
【0175】
本実施形態において、「オリゴマー」とは、数平均分子量(Mn)が10000以下の重合体を意味する。上記の第3の製造方法によって得られるオリゴマーの数平均分子量は、その用途に応じて適宜調整することができる。例えば、オリゴマーをワックス、潤滑油等として使用する場合、オリゴマーのMnは、好ましくは300〜8000、より好ましくは350〜7000、さらに好ましくは400〜6000、特に好ましくは450〜5000である。また、分子量分布の度合を示す、Mw/Mnは3.0を下回るものが好ましい。
【0176】
オリゴマーのMnおよびMwは、例えば、GPC装置を用い、標準ポリスチレンから作成した検量線に基づき、ポリスチレン換算量として求めることができる。
【0177】
本実施形態に係る第3の製造方法によれば、オレフィンを含む重合性モノマーのオリゴマー化において、触媒効率を向上させることができ、かつ重合活性を長時間維持することができる。
【実施例】
【0178】
以下、実施例にて本発明を例証するが、以下の実施例は本発明を限定することを意図するものではない。
【0179】
<第1の触媒の製造および共オリゴマーの製造>
[材料の準備]
rac−エチリデンビスインデニルジルコニウムクロライドは、和光純薬から購入したものをそのまま用いた。鉄化合物は、後述する合成例に示した方法で、合成を行った。その際用いた試薬類は購入品をそのまま用いた。トリイソブチルアルミニウムは日本アルキルアルミ製のものを乾燥トルエンで希釈して使用した。ジエチル亜鉛は東京化成製のトルエン溶液をそのまま使用した。メチルアルミノキサンは東ソーファインケム製、TMAO−341をそのまま用いた。トリチルテトラキスペンタフルオロフェニルボレートは東京化成製のものをそのまま用いた。
【0180】
エチレンおよびプロピレンは住友精化製の高純度液化エチレン、液化プロピレンを使用し、モレキュラーシーブ4Aを通して乾燥して使用した。
【0181】
溶媒のトルエンはアルドリッチ製の脱水トルエンをそのまま使用した。
【0182】
[重合体中のエチレンとプロピレンとのモル比の測定]
600MHzのNMR装置(アジレント製、DD2)を使用し、緩和時間を10秒とする定量モードで13C−NMRを測定し、19〜22PPMのピークをプロピレン由来のメチル分岐とした。全炭素は10〜50PPMに現れたピークとし、それらの積分比からオリゴマー中のエチレンとプロピレンとのモル比を求めた。なお、溶媒はCDClである。
【0183】
[数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)の測定]
GPC装置(東ソー製、HLC−8220GPC)を用い、カラムはTSKgel Super Multipore HZ−Mを2本連結し、展開溶媒にテトラヒドロフランを用い、流量を1ml/min、カラムオーブンの温度を40℃に設定して、測定を行った。分子量の換算は、標準ポリスチレンから作成した検量線に基づいて行い、ポリスチレン換算分子量を求めた。
【0184】
[触媒効率の算出]
得られたオリゴマーの重量を、仕込んだ触媒のモル数の合計で割ることにより、触媒効率を算出した。
【0185】
[ジイミン体(I)の合成]
2−メチル−4−ニトロアニリン(1.048g、6.9mmol)(東京化成製)と2,6−ジアセチルピリジン(0.5618g、3.5mmol)(東京化成製)、触媒量のパラトルエンスルフォン酸を乾燥キシレン(60ml)に分散し、ディーンスタークウォーターセパセーターを利用して、水を除去しながら24時間加熱還流しながら撹拌した。加熱開始後に、分散液はすぐに溶解して、均一な溶液になった。
【0186】
反応液を放冷し、析出した固体をろ別した。得られたトルエン溶液は飽和重層水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。ろ過により硫酸マグネシウムを分離して、トルエンを減圧除去し、個体を析出させた。得られた固体をエタノールで洗浄し、収率30%で下記ジイミン体(I)を得た。
【0187】
H−NMR(600MHz,CDCl):2.2(s,6H),2.3(s,6H),6.8(m,2H),8.0(m,1H),8.1(m,4H),8.4(m,2H)
【0188】
【化44】
【0189】
[鉄錯体(I)の合成]
FeCl・4HO(38mg、0.19mmol)(関東化学製)を脱水テトラヒドロフラン(6ml)(アルドリッチ製)に溶解し、先に合成したジイミン体(I)(83mg、0.19mmol)のテトラヒドロフラン溶液(5ml)を加えた。黄色のジイミン体を加えることで、瞬時に暗緑色のテトラヒドロフラン溶液となった。さらに、室温にて2時間撹拌した。反応液から溶媒を蒸発乾固させ、析出した固体を脱水エタノールでろ液に色がなくなるまで洗浄を続けた。さらに洗浄した固体を脱水ジエチルエーテルで洗浄し、溶媒を除去して鉄錯体を得た。得られた鉄錯体は、ESI−MASSにて557.0316(計算値:557.0321)が得られたことから、下記鉄錯体(I)の構造を示唆している。
【0190】
【化45】
【0191】
[ジイミン体(II)の合成]
2−メチル−4−メトキシアニリン(2.0893g、15.3mmol)(東京化成製)と2,6−ジアセチルピリジン(1.2429g、7.6mmol)(東京化成製)、モレキュラーシーブ4A(5.0g)、触媒量のパラトルエンスルフォン酸を乾燥トルエン(60ml)に分散し、ディーンスタークウォーターセパセーターを利用して、水を除去しながら24時間加熱還流しながら撹拌した。
【0192】
反応液からモレキュラーシーブをろ過で除き、トルエンでモレキュラーシーブを洗浄した。洗浄液とろ過した反応液を混合して濃縮乾固し、粗固体(2.8241g)を得た。ここで得られた粗固体(2g)を量りとり、無水エタノール(30ml)で洗浄した。エタノール不溶固体をろ別して、その不溶固体をさらにエタノールで洗浄した。残存固体を十分に乾燥して下記ジイミン体(II)を収率50%で得た。
【0193】
H−NMR(600MHz,CDCl):2.1(s,6H),2.4(s,6H),3.8(s,6H),6.6(m,2H),6.7(m,2H),6.8(m,2H),7.9(m,1H),8.4(m,2H)
【0194】
13C−NMR(600MHz,CDCl):16、18,56,116,119,122,125,129,137,138,143,156,167
【0195】
【化46】
【0196】
[鉄錯体(II)の合成]
FeCl・4HO(0.2401g、1.2mmol)(関東化学製)を脱水テトラヒドロフラン(30ml)(アルドリッチ製)に溶解し、先に合成したジイミン体(II)(0.4843g、1.2mmol)のテトラヒドロフラン溶液(10ml)を加えた。黄色のジイミン体を加えることで、瞬時に暗緑色のテトラヒドロフラン溶液となった。さらに、室温にて2時間撹拌した。反応液から溶媒を蒸発乾固させ、析出した固体を脱水エタノールでろ液に色がなくなるまで洗浄を続けた。さらに洗浄した固体を脱水ジエチルエーテルで洗浄し、溶媒を除去して鉄錯体を得た。得られた鉄錯体は、FD−MASSにて527.0820(計算値:527.0831)が得られたことから、下記鉄錯体(II)の構造を示唆している。
【0197】
【化47】
【0198】
<実施例1>
電磁誘導撹拌機付きの660mlのオートクレーブをあらかじめ減圧下、110℃で十分に乾燥した。ここに窒素気流下で、乾燥トルエン(30ml)、トリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液(1M溶液、Alとして1.4mmol)およびジエチル亜鉛トルエン溶液(2.7mmol)を導入した。
【0199】
窒素気流下で、50mlナスフラスコに、rac−エチリデンビスインデニルジルコニウムジクロライド(12μmol)と鉄錯体(I)(25μmol)を導入し、乾燥トルエン(20ml)を加えた。このトルエン溶液にメチルアルミノキサン(Alとして0.27mmol)を加えて、さらにトリチルテトラキスペンタフルオロフェニルボレート(37μmol)を加えた。得られた溶液を、ウォーターバスにて60℃に温度調整された先のオートクレーブに導入し、第1の触媒を作製した。
【0200】
あらかじめ十分に乾燥した2Lオートクレーブに、プロピレン(0.6MPa)を張り込み、さらにエチレン(0.3MPa)を加えて、十分に撹拌しながら、上記触媒が導入された先の660mlオートクレーブに、0.19MPaに調整した調圧弁を介して、連続的に導入し、60℃で1時間重合を行った。
【0201】
1時間後にプロピレンおよびエチレンの原料ガスの連続供給を止め、脱圧して窒素で未反応ガスをパージした。重合反応液を100mlの分液漏斗に移し、3N−HCl水溶液、飽和食塩水で洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。吸引ろ過装置で硫酸マグネシウムをろ別し、得られたトルエン溶液からトルエンを減圧下で留去することで、透明な液体を得た。
【0202】
触媒効率は200kgオリゴマー/mol金属であり、数平均分子量Mnは1500、重量平均分子量Mwは3600であった。Mw/Mnは2.4であった。またオリゴマー中のエチレンとプロピレンとのモル比E/Pは1.1であった。
【0203】
<実施例2>
電磁誘導撹拌機付きの660mlのオートクレーブをあらかじめ減圧下、110℃で十分に乾燥した。ここに窒素気流下で、乾燥トルエン(30ml)、メチルアルミノキサンのヘキサン溶液(Alとして2.7mmol)およびジエチル亜鉛トルエン溶液(2.7mmol)を導入した。
【0204】
窒素気流下で、50mlナスフラスコに、rac−エチリデンビスインデニルジルコニウムジクロライド(12μmol)と鉄錯体(II)(25μmol)を導入し、乾燥トルエン(20ml)を加えた。このトルエン溶液にメチルアルミノキサン(Alとして2.7mmol)を加えた。得られた溶液を、ウォーターバスにて60℃に温度調整された先のオートクレーブに導入し、第1の触媒を作製した。
【0205】
あらかじめ十分に乾燥した2Lオートクレーブに、プロピレン(0.6MPa)を張り込み、さらにエチレン(0.3MPa)を加えて、十分に撹拌しながら、触媒組成物が導入された先の660mlオートクレーブに、0.19MPaに調整した調圧弁を介して、連続的に導入し、60℃で1時間重合を行った。
【0206】
1時間後にプロピレンおよびエチレンの原料ガスの連続供給を止め、脱圧して窒素で未反応ガスをパージした。重合反応液を100mlの分液漏斗に移し、3N−HCl水溶液、飽和食塩水で洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。吸引ろ過装置で硫酸マグネシウムをろ別し、得られたトルエン溶液からトルエンを減圧下で留去することで、透明な液体を得た。
【0207】
触媒効率は238kgオリゴマー/mol金属であり、数平均分子量Mnは1600、重量平均分子量Mwは3700であった。Mw/Mnは2.3であった。またオリゴマー中のエチレンとプロピレンとのモル比E/Pは1.0であった。
【0208】
<比較例1>
電磁誘導撹拌機付きの660mlのオートクレーブをあらかじめ減圧下、110℃で十分に乾燥した。ここに窒素気流下で、乾燥トルエン(30ml)およびトリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液(1M溶液、Alとして1.4mmol)を導入した。
【0209】
窒素気流下で、50mlナスフラスコに、rac−エチリデンビスインデニルジルコニウムジクロライド(14μmol)を導入し、乾燥トルエン(20ml)を加えた。このトルエン溶液にメチルアルミノキサン(Alとして1.4mmol)を加えた。得られた溶液を、ウォーターバスにて60℃に温度調整された先のオートクレーブに導入し、触媒組成物を作製した。
【0210】
あらかじめ十分に乾燥した2Lオートクレーブに、プロピレン(0.6MPa)を張り込み、さらにエチレン(0.30MPa)を加えて、十分に撹拌しながら、触媒組成物が導入された先の660mlオートクレーブに、0.19MPaに調整した調圧弁を介して、連続的に導入し、60℃で1時間重合を行った。
【0211】
1時間後にプロピレンおよびエチレンの原料ガスの連続供給を止め、脱圧して窒素で未反応ガスをパージした。重合反応液を100mlの分液漏斗に移し、3N−HCl水溶液、飽和食塩水で洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。吸引ろ過装置で硫酸マグネシウムをろ別し、得られたトルエン溶液からトルエンを減圧下で留去することで、透明な液体を得た。
【0212】
触媒効率は500kgオリゴマー/mol金属であり、数平均分子量Mnは5200、重量平均分子量Mwは16000であった。Mw/Mnは3.1であった。またオリゴマー中のエチレンとプロピレンとのモル比E/Pは0.7であった。
【0213】
<比較例2>
電磁誘導撹拌機付きの660mlのオートクレーブをあらかじめ減圧下、110℃で十分に乾燥した。ここに窒素気流下で、乾燥トルエン(30ml)およびメチルアルミノキサンのヘキサン溶液(Alとして0.11mmol)を導入した。
【0214】
窒素気流下で、50mlナスフラスコに、鉄錯体(II)(0.57μmol)を導入し、乾燥トルエン(20ml)を加えた。このトルエン溶液にメチルアルミノキサン(Alとして0.17mmol)を加えた。得られた溶液を、ウォーターバスにて60℃に温度調整された先のオートクレーブに導入し、触媒組成物を作製した。
【0215】
あらかじめ十分に乾燥した2Lオートクレーブに、プロピレン(0.6MPa)を張り込み、さらにエチレン(0.3MPa)を加えて、十分に撹拌しながら、触媒組成物が導入された先の660mlオートクレーブに、0.19MPaに調整した調圧弁を介して、連続的に導入し、60℃で1時間重合を行った。
【0216】
1時間後にプロピレンおよびエチレンの原料ガスの連続供給を止め、脱圧して窒素で未反応ガスをパージした。重合反応液にトルエン500mlを加え、当該トルエン溶液を1000mlの分液漏斗に移し、3N−HCl水溶液、飽和食塩水で洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。吸引ろ過装置で硫酸マグネシウムをろ別し、得られたトルエン溶液からトルエンを減圧下で留去することで、白濁した半固体を得た。
【0217】
触媒効率は5218kgオリゴマー/mol金属であり、数平均分子量Mnは270、重量平均分子量Mwは570であった。Mw/Mnは2.1であった。またオリゴマー中のエチレンとプロピレンとのモル比E/Pは10.6であった。
【0218】
<第2の触媒の製造およびオリゴマーの製造>
[材料の準備]
2,6−ジシアノピリジンはアルドリッチ製のものをそのまま用いた。4−ブロモアニソール、フェニルマグネシウムブロミドのTHF溶液、トリメチルアルミニウムトルエン溶液、2−メチル−4−メトキシアニリン、2,4−ジメチルアニリン、オルトトルイジンおよび2,6−ジアセチルピリジンは東京化成製のものをそのまま用いた。メチルアルミノキサンは東ソーファインケム製、TMAO−341をそのまま用いた。エチレンは住友精化製の高純度液化エチレンを使用し、モレキュラーシーブ4Aを通して乾燥して使用した。溶媒のトルエンは和光純薬製の脱水トルエンをそのまま使用した。
【0219】
[数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)の測定]
高温GPC装置(ポリマーラボラトリーズ社製、商品名:PL−20)にカラム(PL gel 10μm MIXED−B LS)2本を連結し、示差屈折率検出器とした。試料5mgに1−クロロナフタレン溶媒5mlを加え、220℃で約30分間加熱撹拌した。このように溶解した試料を流速1ml/分、カラムオーブンの温度を210℃に設定して、測定を行った。分子量の換算は、標準ポリスチレンから作成した検量線に基づいて行い、ポリスチレン換算分子量を求めた。
【0220】
[触媒効率の算出]
得られたオリゴマーの重量を、仕込んだ触媒のモル数で割ることにより、触媒効率を算出した。
【0221】
[2,6−ジベンゾイルピリジンの合成]
2,6−ジベンゾイルピリジンは、Journal of Molecular Catalysis A:Chemical 2002,179,155に記載の方法に従って合成した。具体的には、200mlナスフラスコに窒素雰囲気下で、フェニルマグネシウムブロミドのTHF溶液(40mmol)を導入した。これを氷冷し、ここに2,6−ジシアノピリジン(40mmol)のエーテル溶液(40ml)を1時間かけて滴下し、さらに20時間撹拌した。TLCにて原料消失を確認後、1M硫酸を加えて塩を溶解させ、エバポレータ―で溶媒を除去した。内容物を分液漏斗に移し、トルエンで抽出し、トルエン層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。無水硫酸マグネシウムをろ別後、ろ液を減圧濃縮してからカラムクロマトにて精製し、収率42%で2,6−ジベンゾイルピリジンを得た。
【0222】
[2,6−ピリジンジイル−ビス(4−メトキシフェニルメタノン)の合成]
フェニルマグネシウムブロミドの代わりに、窒素雰囲気下で、THF溶液(40ml)に4−ブロモアニソール(4mmol)および金属マグネシウム(45mmol)を導入して得られたグリニアを用いたこと以外は、製造例1と同様の操作を行い、2,6−ピリジンジイル−ビス(4−メトキシフェニルメタノン)を収率50%で得た。
【0223】
[ジイミン化合物(3−1)の合成]
100mlナスフラスコに窒素雰囲気下で、2−メチル−4−メトキシアニリン(1.276g、9.3mmol、FM=137)を導入し乾燥トルエン20mlに溶解した。ここにトリメチルアルミニウムのトルエン溶液(1.8M、5.2ml、9.3mmol)をゆっくりと加え、トルエン加熱還流下で2時間反応を行った。この反応液を室温まで放冷した後、製造例1で得られた2,6−ジベンゾイルピリジン(1.439g、4.7mmol、FM=287)を加え、再び加熱して6時間還流させた。
【0224】
反応終了後、反応液を室温まで冷却して、5%−NaOH水溶液を加えて、アルミニウムを完全に分解した。この二層に分かれた溶液を分液漏斗にてNaOH層を分離し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。洗浄されたトルエン溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、無機物をろ別して、エバポレータ―で濃縮した。得られた反応生成物はシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=10/1)で精製し、目的のジイミン化合物(3−1)を収率64%で得た。なお、GCにて純度を確認し、併せてGC−MSにてMS525のピークを確認した。
【0225】
[ジイミン化合物(3−2)の合成]
2−メチル−4−メトキシアニリンの代わりに2,4−ジメチルアニリン(FM=121)を使用すること以外は上記ジイミン化合物(3−1)の合成と同様の操作を行い、目的のジイミン化合物(3−2)を得た。GC−MSにてMS493のピークを確認した。
【0226】
[ジイミン化合物(3−3)の合成]
2−メチル4−メトキシアニリンの代わりにオルトトルイジン(FM=107)を使用すること以外は上記ジイミン化合物(3−1)の合成と同様の操作を行い、目的のジイミン化合物(3−3)を得た。GC−MSにてMS465のピークを確認した。
【0227】
[ジイミン化合物(3−4)の合成]
2,6−ジベンゾイルピリジンの代わりに製造例2で得られた2,6−ピリジンジイル−ビス(4−メトキシフェニルメタノン)(FM=347)を使用すること以外は上記ジイミン化合物(3−1)の合成と同様の操作を行い、目的のジイミン化合物(3−4)を得た。GC−MSにてMS585のピークを確認した。
【0228】
[ジイミン化合物(3−5)の合成]
2−メチル−4−メトキシアニリンの代わりに2,4−ジメチルアニリン(FM=121)を使用すること以外は上記ジイミン化合物(3−4)の合成と同様の操作を行い、目的のジイミン化合物(3−5)を得た。GC−MSにてMS553のピークを確認した。
【0229】
[ジイミン化合物(3−6)の合成]
2−メチル−4−メトキシアニリンの代わりにオルトトルイジン(FM−107)を使用すること以外は上記ジイミン化合物(3−4)の合成と同様の操作を行い、目的のジイミン化合物(3−6)を得た。GC−MSにてMS525のピークを確認した。
【0230】
[ジイミン化合物(6)の合成]
2,6−ジベンゾイルピリジンの代わりに2,6−ジアセチルピリジンを使用すること以外は上記ジイミン化合物(3−1)の合成と同様の操作を行い、ジイミン化合物(6)を得た。GC−MSにてMS401のピークを確認した。ジイミン化合物(6)の化学構造を下記に示す。
【0231】
【化48】
【0232】
<実施例3>
ジイミン化合物(3−1)(1mmol)を、50mlナスフラスコ中で窒素雰囲気下、無水テトラヒドロフラン10mlに溶解した。別の100mlナスフラスコ中で窒素雰囲気下、塩化第一鉄・4水和物(1mmol)を無水テトラヒドロフラン10mlに溶解した。この溶液に、先のジイミン化合物の溶液を加え、室温で12時間撹拌した。反応終了後、溶媒を蒸発乾固させ、得られた固体をエタノールおよびジエチルエーテルで洗浄した。洗浄された固体を十分に乾燥させ、該当する鉄錯体を40%の収率で得た。
【0233】
電磁誘導撹拌機付きの660mlのオードクレーブをあらかじめ減圧下、110℃で充分に乾燥した。次に、窒素気流下で、乾燥トルエン(80ml)をオートクレーブに導入し、温度を25℃に調整した。
【0234】
50mlナスフラスコ中で窒素気流下、上記で得られた鉄錯体(0.61μmol)を乾燥トルエン20mlに溶解し、溶液(A)とした。別の50mlナスフラスコで、鉄に対して500当量分のメチルアルミノキサンヘキサン溶液(Al 3.64M)を導入し、減圧下でヘキサン溶媒と遊離トリメチルアルミニウムを留去した。この乾燥したメチルアルミノキサンに溶液(A)を加え、5分間撹拌して触媒を含む溶液(B)を得た。溶液(B)を、乾燥トルエンが導入されたオートクレーブに加え、25℃で0.19MPaのエチレンを連続的に導入した。15分後にエチレンの導入を止め、未反応のエチレンを除去し、窒素でオートクレーブ内のエチレンをパージし、ごく少量のエタノールを加えた。オートクレーブを開放し、内容物を200mlナスフラスコに移して、溶媒を減圧留去することで、半固形物のオリゴマーを得た。触媒効率は5331kg Olig/Fe molであった。また、得られたオリゴマーのMnは480、Mwは920であり、Mw/Mnは1.9であった。
【0235】
<実施例4>
ジイミン化合物(3−1)の代わりにジイミン化合物(3−4)を使用したこと、および、溶液(A)の調製工程において、鉄錯体(1.5μmol)を用いたこと以外は、実施例3と同様の操作を行った。触媒効率は5626kg Olig/Fe molであった。また、得られたオリゴマーのMnは440、Mwは650であり、Mw/Mn=1.5であった。
【0236】
<比較例3>
ジイミン化合物(3−1)の代わりに、ジイミン化合物(6)を使用したこと以外は、実施例3と同様の操作を行った。触媒効率は2546kg Olig/Fe molであった。また、得られたオリゴマーのMnは590、Mwは1200であり、Mw/Mn=2.0であった。
【0237】
<第3の触媒の製造およびオリゴマーの製造>
[材料の準備]
鉄化合物は、後述する合成例に示した方法で、合成を行った。その際用いた試薬類は購入品をそのまま用いた。メチルアルミノキサンは、東ソーファインケム製、TMAO−341をそのまま用いた。エチレンは、住友精化製の高純度液化エチレンを使用し、モレキュラーシーブ4Aを通して乾燥して使用した。
【0238】
[数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)の測定]
高温GPC装置(ポリマーラボラトリーズ社製、商品名:PL−220)にカラム(PL gel 10μm MIXED−B LS)2本を連結し、示差屈折率検出器とした。試料5mgにオルトジクロロベンゼン溶媒5mlを加え、140℃で約90分間加熱撹拌した。このように溶解した試料を流速1ml/分、カラムオーブンの温度を140℃に設定して、測定を行った。分子量の換算は、標準ポリスチレンから作成した検量線に基づいて行い、ポリスチレン換算分子量を求めた。
【0239】
[触媒効率の算出]
得られたオリゴマーの重量を、仕込んだ触媒のモル数の合計で割ることにより、触媒効率を算出した。
【0240】
[ジイミン体(II)の合成]
2−メチル−4−メトキシアニリン(2.0893g、15.3mmol)(東京化成製)と2,6−ジアセチルピリジン(1.2429g、7.6mmol)(東京化成製)、モレキュラーシーブ4A(5.0g)、触媒量のパラトルエンスルフォン酸を乾燥トルエン(60ml)に分散し、ディーンスタークウォーターセパセーターを利用して、水を除去しながら24時間加熱還流しながら撹拌した。
【0241】
反応液からモレキュラーシーブをろ過で除き、トルエンでモレキュラーシーブを洗浄した。洗浄液とろ過した反応液を混合して濃縮乾固し、粗固体(2.8241g)を得た。ここで得られた粗固体(2g)を量りとり、無水エタノール(30ml)で洗浄した。エタノール不溶固体をろ別して、その不溶固体をさらにエタノールで洗浄した。残存固体を十分に乾燥して下記ジイミン体(II)を収率50%で得た。
【0242】
H−NMR(600MHz,CDCl):2.1(s,6H),2.4(s,6H),3.8(s,6H),6.6(m,2H),6.7(m,2H),6.8(m,2H),7.9(m,1H),8.4(m,2H)
【0243】
13C−NMR(600MHz,CDCl):16、18,56,116,119,122,125,129,137,138,143,156,167
【0244】
【化49】
【0245】
[鉄錯体(II)の合成]
FeCl・4HO(0.2401g、1.2mmol)(関東化学製)を脱水テトラヒドロフラン(30ml)(アルドリッチ製)に溶解し、先に合成したジイミン体(II)(0.4843g、1.2mmol)のテトラヒドロフラン溶液(10ml)を加えた。黄色のジイミン体を加えることで、瞬時に暗緑色のテトラヒドロフラン溶液となった。さらに、室温にて2時間撹拌した。反応液から溶媒を蒸発乾固させ、析出した固体を脱水エタノールでろ液に色がなくなるまで洗浄を続けた。さらに洗浄した固体を脱水ジエチルエーテルで洗浄し、溶媒を除去して鉄錯体を得た。得られた鉄錯体は、FD−MASSにて527.0820(計算値:527.0831)が得られたことから、下記鉄錯体(II)の構造を示唆している。
【0246】
【化50】
【0247】
<実施例5>
50mlナスフラスコ中で窒素気流下、上記で得られた鉄錯体IIおよびジイミン体IIを乾燥トルエンにてそれぞれ1mMとなるように調製した。別の50mlナスフラスコに乾燥トルエン20mlを導入し、先に調製した鉄錯体II溶液(1μmol)、およびジイミン体II溶液(0.5μmol)を加えた。この溶液に、鉄に対して500当量分のメチルアルミノキサンのヘキサン溶液(3.64M)を加え、触媒を作製した。
【0248】
あらかじめ十分に乾燥したオートクレーブに乾燥トルエン80mlを導入し、上記触媒を加えた。25℃で0.19MPaのエチレンを、マスフローメーターを介してオートクレーブに連続的に導入し、重合反応を開始した。重合開始後1時間を経ても、エチレンの消費は止まらず、3時間後も活性を維持していた。3時間後にエチレンの供給を止め、未反応のエチレンを除去し、窒素でオートクレーブ内のエチレンをパージし、ごく少量のエタノールを加えた。オートクレーブを開放し、内容物を200mlナスフラスコに移して、溶媒を減圧留去することで、反固形物のオリゴマーを得た。触媒効率は19810kg Olig/Fe molであった。また、得られたオリゴマーのMnは450、Mwは1100であり、Mw/Mnは2.4であった。
【0249】
<実施例6>
50mlナスフラスコ中で窒素気流下、上記で得られた鉄錯体IIおよびジイミン体IIを乾燥トルエンにてそれぞれ1mMとなるように調製した。別の50mlナスフラスコに乾燥トルエン20mlを導入し、先に調製した鉄錯体II溶液(1μmol)を加えた。この溶液に、鉄に対して500当量分のメチルアルミノキサンのヘキサン溶液(3.64M)を加えた。溶液が薄い緑から黄色に変化したことを確認し、ジイミン体II溶液(0.5μm)を加え、触媒を作製した。
【0250】
あらかじめ十分に乾燥したオートクレーブに乾燥トルエン80mlを導入し、上記触媒を加えた。25℃で0.19MPaのエチレンを、マスフローメーターを介してオートクレーブに連続的に導入し、重合反応を開始した。重合開始後1時間を経ても、エチレンの消費は止まらず、3時間後も活性を維持していた。3時間後にエチレンの供給を止め、未反応のエチレンを除去し、窒素でオートクレーブ内のエチレンをパージし、ごく少量のエタノールを加えた。オートクレーブを開放し、内容物を200mlナスフラスコに移して、溶媒を減圧留去することで、反固形物のオリゴマーを得た。触媒効率は30025kg Olig/Fe molであった。また、得られたオリゴマーのMnは570、Mwは1500であり、Mw/Mnは2.6であった。
【0251】
<比較例4>
50mlナスフラスコ中で窒素気流下、上記で得られた鉄錯体IIを乾燥トルエンにてそれぞれ1mMとなるように調製した。別の50mlナスフラスコに乾燥トルエン20mlを導入し、先に調製した鉄錯体II溶液(1μmol)を加えた。この溶液に、鉄に対して500当量分のメチルアルミノキサンのヘキサン溶液(3.64M)を加え、触媒を作製した。溶液が薄い緑から黄色に変化したことを確認した。
【0252】
あらかじめ十分に乾燥したオートクレーブに乾燥トルエン80mlを導入し、上記触媒を加えた。25℃で0.19MPaのエチレンを、マスフローメーターを介してオートクレーブに連続的に導入し、重合反応を開始した。重合開始後1時間を経過した時点で、エチレンの消費が停止した。未反応のエチレンを除去し、窒素でオートクレーブ内のエチレンをパージし、ごく少量のエタノールを加えた。オートクレーブを開放し、内容物を200mlナスフラスコに移して、溶媒を減圧留去することで、反固形物のオリゴマーを得た。触媒効率は7900kg Olig/Fe molであった。また、得られたオリゴマーのMnは440、Mwは650であり、Mw/Mnは1.5であった。
【国際調査報告】