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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2016年9月29日
【発行日】2017年12月28日
(54)【発明の名称】ガスバリアーフィルム
(51)【国際特許分類】
   B32B 9/00 20060101AFI20171201BHJP
   C23C 16/42 20060101ALI20171201BHJP
【FI】
   B32B9/00 A
   C23C16/42
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】38
【出願番号】特願2017-508175(P2017-508175)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2016年3月8日
(31)【優先権主張番号】特願2015-57052(P2015-57052)
(32)【優先日】2015年3月20日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】特許業務法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】門馬 千明
(72)【発明者】
【氏名】廣瀬 達也
(72)【発明者】
【氏名】田地 和喜
(72)【発明者】
【氏名】有田 浩了
【テーマコード(参考)】
4F100
4K030
【Fターム(参考)】
4F100AA16B
4F100AA20B
4F100AK42A
4F100AR00C
4F100AT00A
4F100BA02
4F100BA03
4F100BA07
4F100BA10A
4F100BA10B
4F100CC02
4F100EH46
4F100EH66
4F100EJ08
4F100EJ54
4F100GB41
4F100JD02B
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4F100JN01C
4F100YY00B
4K030AA09
4K030AA14
4K030BA29
4K030BA35
4K030CA07
4K030CA12
4K030DA02
4K030FA03
4K030GA14
4K030HA04
4K030JA06
(57)【要約】
本発明の課題は、高温高湿環境下での光学特性の安定性に優れ、面内におけるガスバリアー性のバラツキが低減された高品位のガスバリアーフィルムを提供することである。
本発明のガスバリアーフィルムは、基材上に、酸炭化ケイ素(SiOC)を主組成とするガスバリアー層を有し、前記ガスバリアー層の飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS)により検出される相対総イオン強度を1.00としたとき、前記ガスバリアー層の層厚方向の全領域における相対Si−OHイオン強度が、0.01〜0.06の範囲内であることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材上に、酸炭化ケイ素(SiOC)を主組成とするガスバリアー層を有するガスバリアーフィルムであって、
前記ガスバリアー層の飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS)により検出される相対総イオン強度を1.00としたとき、前記ガスバリアー層の層厚方向の全領域における相対Si−OHイオン強度が、0.01〜0.06の範囲内であることを特徴とするガスバリアーフィルム。
【請求項2】
前記ガスバリアー層の前記基材面側から表面側に向かって、層厚が50nmの領域における前記相対Si−OHイオン強度が、0.01〜0.06の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載のガスバリアーフィルム。
【請求項3】
前記ガスバリアー層の層厚方向における前記相対Si−OHイオン強度の最大値と最小値との差ΔISが、0〜0.025の範囲内であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のガスバリアーフィルム。
【請求項4】
前記ガスバリアー層の層厚方向の全領域における相対Si−OHイオン強度が、0.01〜0.03の範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のガスバリアーフィルム。
【請求項5】
前記基材と前記ガスバリアー層との間に、クリアハードコート層を有することを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のガスバリアーフィルム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスバリアーフィルムに関する。具体的には、本発明は、高温高湿環境下での光学特性の安定性及び面内バラツキ耐性が改良されたガスバリアーフィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プラスチック基板やフィルムの表面に、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ケイ素等の金属酸化物の薄膜を含む複数のガスバリアー層を積層して作製したガスバリアーフィルムは、水蒸気や酸素等の各種ガスの遮断を必要とする物品の包装材料、例えば、食品や工業用品及び医薬品等の変質を防止するための包装用途に広く用いられている。
【0003】
包装用途以外にも、ガスバリアーフィルムは、フレキシブル性を有する電子デバイス、例えば、太陽電池素子、有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子、液晶表示素子等のフレキシブル電子デバイスへの展開が要望され、様々な分野での検討がなされている。しかし、これらフレキシブル電子デバイスにおいては、ガラス基材レベルの非常に高度のガスバリアー性が要求されるため、現状では十分な性能を有するガスバリアーフィルムはいまだ得られていない。
【0004】
この様なガスバリアーフィルムでガスバリアー層を形成する方法としては、ヘキサメチルジジロキサン(以下、HMDSOと略記する。)に代表される有機ケイ素化合物を用いて、減圧下、酸素プラズマで酸化しながら基板上にガスバリアー層を成膜する化学気相成長法(CVD法:Chemical Vapor Deposition)や、半導体レーザーを用いて金属Siを蒸発させ酸素の存在下で基板上に堆積させてガスバリアー層を形成する物理気相成長法(PVD法:Physical Vapor Deposition、例えば、真空蒸着法やスパッタ法)といった気相成長法が知られている。
【0005】
特許文献1には、プラズマCVD装置を用い、ケイ素、酸素及び炭素を含有するガスバリアー性積層体フィルムが開示されている。特許文献1に記載されている方法では、ガスバリアー層の層厚方向におけるケイ素原子、酸素原子及び炭素原子の合計量に対するケイ素原子の量の比率(ケイ素の原子比)、酸素原子の量の比率(酸素の原子比)及び炭素原子の量の比率(炭素の原子比)との関係を特定の条件に規定している方法であり、ガスバリアー性及び屈曲耐性が向上したガスバリアー性積層体フィルムが得られるとされている。
【0006】
また、特許文献2には、プラスチック基材表面に、酸素や窒素ガスを含む反応ガスを用いたプラズマ処理を施し、基材表面に酸素原子やOH基等の極性基を導入したプラズマ処理面を形成した後、無機酸化物によるガスバリアー層を形成する方法が開示されている。特許文献2に記載されている方法によれば、基材とガスバリアー層の密着性を高め、透明性、バリアー性及び耐透湿性に優れたガスバリアーフィルムを得ることができるとされている。
【0007】
しかしながら、特許文献1及び特許文献2で開示されている方法で製造したガスバリアーフィルムについて、詳細にその特性を検討した結果、高温高湿環境下での長期間にわたる保存、あるいは、含水率の高い基材を使用した場合、ガスバリアーフィルムの光学特性の変動幅の増大、あるいは、ガスバリアーフィルム面内におけるガスバリアー性のバラつきが増大することが判明した。
【0008】
上記問題に対し、本発明者がガスバリアーフィルムの特性について詳細に検討を進める中で、例えば、ケイ素原子、酸素原子及び炭素原子を含有するガスバリアー層においては、層中で形成されるケイ素−炭素結合が、高温高湿環境下で保存されたり、あるいは、基材が含む水分等の侵入により切断されやすく、その結果、ガスバリアーフィルムの光学特性に変動が生じたり、あるいは、面内におけるガスバリアー性のバラツキが増大しやすくなり、電子デバイス用のガスバリアーフィルムとして適用した際に、局所的な欠陥、例えば、ダークスポット故障等が発生しやすいことが判明した。
【0009】
従って、高温高湿環境下で保存した際の光学特性の変化が小さく、かつ面内における性能バラつきの小さいガスバリアーフィルムの開発が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2011−73430号公報
【特許文献2】特開2008−62651号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は上記問題及び状況に鑑みてなされ、その解決課題は、高温高湿環境下での光学特性の安定性に優れ、面内におけるガスバリアー性のバラツキが低減された高品位のガスバリアーフィルムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者は、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討する過程において、基材上に、酸炭化ケイ素(SiOC)を主組成とするガスバリアー層を有するガスバリアーフィルムにおいて、ガスバリアー層の層厚方向の全領域におけるTOF−SIMSにより検出されるSi−OHイオン強度を特定の範囲内に制御したガスバリアーフィルムにより、高温高湿環境下で保存された際にも光学特性の安定性に優れ、かつ面内におけるガスバリアー性のバラツキが低減されたガスバリアーフィルムを得ることができることを見出し、本発明に至った。
【0013】
すなわち、本発明に係る課題は、以下の手段によって解決される。
【0014】
1.基材上に、酸炭化ケイ素(SiOC)を主組成とするガスバリアー層を有するガスバリアーフィルムであって、
前記ガスバリアー層の飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS)により検出される相対総イオン強度を1.00としたとき、前記ガスバリアー層の層厚方向の全領域における相対Si−OHイオン強度が、0.01〜0.06の範囲内であることを特徴とするガスバリアーフィルム。
【0015】
2.前記ガスバリアー層の前記基材面側から表面側に向かって、層厚が50nmの領域における前記相対Si−OHイオン強度が、0.01〜0.06の範囲内であることを特徴とする第1項に記載のガスバリアーフィルム。
【0016】
3.前記ガスバリアー層の層厚方向における前記相対Si−OHイオン強度の最大値と最小値との差ΔISが、0〜0.025の範囲内であることを特徴とする第1項又は第2項に記載のガスバリアーフィルム。
【0017】
4.前記ガスバリアー層の層厚方向の全領域における相対Si−OHイオン強度が、0.01〜0.03の範囲内であることを特徴とする第1項から第3項までのいずれか一項に記載のガスバリアーフィルム。
【0018】
5.前記基材と前記ガスバリアー層との間に、クリアハードコート層を有することを特徴とする第1項から第4項までのいずれか一項に記載のガスバリアーフィルム。
【発明の効果】
【0019】
本発明の上記手段により、高温高湿環境下での光学特性の安定性に優れ、面内におけるガスバリアー性のバラツキが低減された高品位のガスバリアーフィルムを提供できる。
【0020】
本発明の効果の発現機構又は作用機構は、現時点では明確になっていないが、以下のように推察している。
【0021】
本発明のガスバリアーフィルムを構成するガスバリアー層は、少なくともケイ素原子、酸素原子及び炭素原子より構成し、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS)により検出される相対総イオン強度を1.00としたとき、前記ガスバリアー層の層厚方向の全領域における相対Si−OHイオン強度が、0.01〜0.06の範囲内であることを特徴とする。さらには、ガスバリアー層の基材面側から表面側に向かって、層厚が50nmの領域における相対Si−OHイオン強度が、0.01〜0.06の範囲内であることが、本発明における好ましい態様である。
【0022】
本発明は、ガスバリアー層の層厚方向におけるSi−OH量(シラノール量)、とりわけ、基材面側近傍におけるSi−OH量(シラノール量)を、特定の範囲内に制御することにより、高温高湿環境下での光学特性の変化や面内におけるガスバリアー性のバラツキを抑制することができることを見出したものである。
【0023】
ガスバリアー層内における相対Si−OHイオン強度が、特定の範囲内である0.06以下であれば、高温高湿環境下において、Si−OH基の脱離が抑制され、Si−C結合の切断に伴う、Si−O結合の生成を防止することができ、その結果、ガスバリアー層の光学特性の変化を抑制することができる。
【0024】
一方、ガスバリアー層内における相対Si−OHイオン強度を、特定の範囲内である0.01以上に設計すると、ガスバリアー層内における水分等の透過ポイントが、過度に限定されることがなくなる。これは、ケイ素原子、酸素原子及び炭素原子より構成される酸炭化ケイ素膜は、極性を有するため水分等は透過しにくい膜であり、Si−OHの存在箇所に水分の透過ポイントが集中しやすい特性にあるが、面内におけるSi−OHが過度に少なくなく、所定の範囲内で存在させることにより、水分の透過箇所が局在化することを防止でき、その結果、面内におけるガスバリアー性のバラツキを抑制することできると、推測している。
【0025】
本発明で規定するガスバリアー層内における相対Si−OHイオン強度を特定の範囲内に規定するためには、特に、ガスバリアー層形成時の水分量を制御することが重要なポイントであり、例えば、ガスバリアー層形成前に、基材に対し脱ガス処理を施して、基材に水分量を低減する処置を施し、ガスバリアー層を積層した際に水分の拡散を防止する方法、あるいは、ガスバリアー形成方法として、磁場を印加したローラー間に放電空間を有する放電プラズマ化学気相成長装置を用い、例えば、クライオコイルを適用する方法、あるいは成膜ローラーに冷却処理を施す方法等により、放電プラズマ化学気相成長装置内の水分量を制御する方法等により、本願で規定する相対Si−OHイオン強度条件に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1A】本発明のガスバリアーフィルムの基本構成の一例を示す概略断面図
図1B】本発明のガスバリアーフィルムの基本構成の他の一例を示す概略断面図
図2】ガスバリアー層におけるSi−OHイオン強度の一例を示すグラフ
図3】磁場を印加した一対のローラーを具備した放電プラズマ化学気相成長装置を用いたガスバリアーフィルムの製造方法の一例を示す概略図
図4】本発明に適用可能な加熱手段を具備した基材の脱ガス室の一例を示す概略図
図5】本発明に適用可能な加熱手段を具備した基材の脱ガス室の他の一例を示す概略図
図6】放電プラズマ化学気相成長装置内に脱ガス手段を設けた一例を示す概略図
図7】放電プラズマ化学気相成長装置内に他の脱ガス手段を設けた一例を示す概略図
図8】基材の脱ガス手段と放電プラズマ化学気相成長装置を、ロールtoロール方式で並列配置した構成の一例を示す概略図
図9】放電プラズマ化学気相成長装置の両側に基材の脱ガス手段を配置し、往復搬送による成膜方法の一例を示す概略図
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明のガスバリアーフィルムは、基材上に、酸炭化ケイ素(SiOC)を主組成とするガスバリアー層を有するガスバリアーフィルムであって、前記ガスバリアー層の飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS)により検出される相対総イオン強度を1.00としたとき、前記ガスバリアー層の層厚方向の全領域における相対Si−OHイオン強度が、0.01〜0.06の範囲内であることを特徴とする。この特徴は、各請求項に係る発明に共通する又は対応する技術的特徴である。
【0028】
本発明の実施態様としては、本発明の効果発現の観点から、ガスバリアー層の前記基材面側から表面側に向かって、層厚が50nmの領域における前記相対Si−OHイオン強度が、0.01〜0.06の範囲内であることが、特に、基材側から拡散する水分による影響をより防止することができ、本発明の上記効果をより発現させることができる観点から好ましい。
【0029】
また、ガスバリアー層の層厚方向における前記相対Si−OHイオン強度の最大値と最小値との差ΔISが、0〜0.025の範囲内であることが、面内におけるガスバリアー性のバラツキ幅をより縮小することができる観点から好ましい。
【0030】
また、ガスバリアー層の層厚方向の全領域における相対Si−OHイオン強度が、0.01〜0.03の範囲内であることが、本発明の目的効果をより発現させることができる点で好ましい。
【0031】
また、基材とガスバリアー層との間に、クリアハードコート層を設けることが、基材からガスバリアー層への水分等の影響を緩和するとともに、基材とガスバリアー層との密着性の向上、及び基材上での異物等によるガスバリアー層の平滑性の低下やショートパス発生によるガスバリアー性の低下を防止することができる。
【0032】
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本願において、数値範囲を表す「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用している。
【0033】
なお、本発明でいう「ガスバリアー性」とは、JIS K 7129−1992に準拠した方法で測定された水蒸気透過度(略称:WVTR、温度:60±0.5℃、相対湿度(RH):90±2%)が1×10−1g/(m・24h)以下であり、JIS K 7126−1987に準拠した方法で測定された酸素透過度が1×10−1ml/(m・24h・atm)以下であることを意味する。
【0034】
《ガスバリアーフィルム》
[ガスバリアーフィルムの基本構成]
本発明のガスバリアーフィルムは、基材の少なくとも一方の面に、酸炭化ケイ素(SiOC)を主組成とし、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS)により検出される相対総イオン強度を1.00としたとき、前記ガスバリアー層の層厚方向の全領域における相対Si−OHイオン強度が、0.01〜0.06の範囲内であるガスバリアー層を有することを特徴とし、さらに好ましくは、基材とガスバリアー層との間に、クリアハードコート層を有する構成である。
【0035】
本発明でいう酸炭化ケイ素(SiOC)を主組成するとは、ガスバリアー層を構成する総原子のうち、ケイ素原子、酸素原子及び炭素原子の占める総比率が80at%以上であることをいい、好ましくは90at%以上であり、更に好ましくは95at%以上である。
【0036】
以下、本発明のガスバリアーフィルムの基本的な構成について、図を交えて説明する。なお、図の説明で、各構成要素のあとの括弧内に記載の数字は、各図に記載した構成要素の符号を表す。
【0037】
図1A及び図1Bは、本発明のガスバリアーフィルムの基本構成の一例を示す概略断面図である。
【0038】
図1Aに示すガスバリアーフィルム(1)は、基材(2)、例えば、透明樹脂基材上に、炭素原子、ケイ素原子及び酸素原子を含有し、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS)により検出される相対総イオン強度を1.00としたとき、前記ガスバリアー層の層厚方向の全領域における相対Si−OHイオン強度が、0.01〜0.06の範囲内であるガスバリアー層(4)を形成した構成である。
【0039】
図1Bでは、基材(2)とガスバリアー層(4)との間に、例えば、紫外線硬化型樹脂等で構成され、ガスバリアー層の平滑性や密着性を向上させるためのクリアハードコート層(3、以下、CHC層と略記する場合がある。)を設けた構成である。
【0040】
[Si−OHイオン強度プロファイル]
本発明に係るガスバリアー層(3)は、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS)により検出される相対総イオン強度を1.00としたとき、前記ガスバリアー層の層厚方向の全領域における相対Si−OHイオン強度が、0.01〜0.06の範囲内であることを特徴とする。
【0041】
更には、前述のとおり、ガスバリアー層の前記基材面側から表面側に向かって、層厚が50nmの領域における前記相対Si−OHイオン強度が、0.01〜0.06の範囲内であること、ガスバリアー層の層厚方向における前記相対Si−OHイオン強度の最大値と最小値との差ΔISが、0〜0.025の範囲内であること、ガスバリアー層の層厚方向の全領域における相対Si−OHイオン強度が、0.01〜0.03の範囲内であることがさらに好ましい態様である。
【0042】
(TOF−SIMSによるSi−OHイオン強度曲線の作成)
TOF−SIMSにより得られるSi−OHイオン強度曲線は、例えば、図2で示すように、縦軸に、相対総イオン強度を1.00としたときの相対Si−OHイオン強度を表示し、横軸には、TOF−SIMSにおけるスパッタ時間(秒)として作成することができる。このように横軸をスパッタ時間とするSi−OHイオン強度曲線においては、スパッタ時間は、層厚方向における当該ガスバリアー層の層厚方向におけるガスバリアー層表面からの距離におおむね相関することから、「ガスバリアー層の層厚方向におけるガスバリアー層の表面からの距離」として、TOF−SIMS測定の際に採用したスパッタ時間との関係から算出されるガスバリアー層の表面からの距離として採用することができる。
【0043】
なお、本発明に係るガスバリアー層において、飛行時間型二次イオン質量分析法により検出される総イオン強度とは、m/zが0.5〜2000までの範囲内における総カウント数をいう。m/sとは、質量mを電荷sで割った値である。
【0044】
図2は、本発明に係るガスバリアー層におけるSi−OHイオン強度曲線の一例を示すグラフである。
【0045】
図2に示すガスバリアー層の構成は、図1Bで例示した、基材(2)上に、クリアハードコート層(3)と、最表面側にガスバリアー層(4)が積層された構成であり、横軸にスパッタ時間、縦軸に相対総イオン強度を1.00としたときの相対Si−OHイオン強度を表示し、ガスバリアー層の最表面(S部)からTOF−SIMSによるイオン質量分析法を行い、Si−OHイオン量(シラノール量)を、ガスバリアー層(4)の層厚範囲で、最下面であるクリアハードコート層(CHC層、3)との界面部(I部)まで行う。
【0046】
なお、本発明においては、測定精度を高める観点から、特に、ガスバリアー層(4)の層厚に対し、外部からのノイズが生じやすい表面から深さ方向で層厚の10%の領域(エリアDと称す)における測定値は除いて評価を行う。
【0047】
図2に示す相対Si−OHイオン強度曲線においては、相対Si−OHイオン強度が、0.01〜0.03の範囲内にあり、最大値(Max)−最小値(Min)との差ΔISが0〜0.025の範囲内であり、更にはCHC層側界面(I部)から表面(S部)方向に向かって、層厚が50nmの領域(図2におけるエリア1)における相対Si−OHイオン強度が、0.01〜0.06の範囲内であることを特徴とする。
【0048】
(TOF−SIMSによる測定方法)
次いで、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS)について説明する。
【0049】
飛行時間型二次イオン質量分析法は、TOF−SIMS(トフシムス:Time−of−Flight Secondary Ion Mass Spectrometry)と一般的に呼ばれる。原理としては、高真空中で試料にパルス状のイオンを照射し、スパッタリング現象により表面からはぎ取られたイオンを質量(原子量、分子量)で分けて検出する。そして、質量とその検出量のパターン(質量スペクトル)からガスバリアー層中に存在する化学種(原子、分子)を推定する方法である。
【0050】
TOF−SIMSで用いる装置としては、例えば、フィジカルエレクトロニクス(Physical Electronics)社製 TFS−2100を使用し、温度23℃、湿度55%RH下で測定することができる。
【0051】
より詳細には、下記2つの段階を経て、分析を行うものである。
【0052】
(1)二次イオン放出:ガスバリアー層表面にパルス状にイオン(一次イオン)を照射し、イオン衝撃を受けたガスバリアー層表面から、スパッタリング現象により様々な粒子が放出される。
【0053】
特に、TOF−SIMSでは、一次イオンの電流密度を低く抑え(staticモード)、できるだけガスバリアー層表面を破壊せずスパッタを行う。
【0054】
(2)質量分離、検出:スパッタリングにより放出された粒子中に存在するイオン(二次イオン)を取り出し、その質量で分けて検出することにより、ガスバリアー層表面〜内部の組成分析を行う方法が、二次イオン質量分析法である。
【0055】
TOF−SIMSでは、質量分離に飛行時間型の分析装置を採用している。電場で飛行管に引き込まれたイオンは、軽いものが早く、重いものは遅く飛行管内を飛行し、検出器に到達する。
【0056】
この飛行時間を質量に換算し、質量分離を行う。飛行時間型を用いることで、高感度、高質量分解能、高質量物質の検出が可能である。
【0057】
これにより、表面に存在する化学種の二次元分布が分かるだけでなく、イオンビームで表面を削り測定、を繰り返すことによって、深さ方向(層厚方向)における元素組成分析が可能となる。また、検出した化学種の相対的な存在量も求めることができる。
【0058】
続いて、本発明に係る相対Si−OHイオン強度の求め方について、説明する。
【0059】
〈相対総イオン強度及び相対Si−OHイオン強度の求め方〉
本発明においては、飛行時間型二次イオン質量分析法を用いることで、本発明で規定する相対総イオン強度及び相対Si−OHイオン強度を求めることができる。
【0060】
本発明に係るSi−OHイオン強度あるいは総イオン強度は、ガスバリアー層の層厚方向において、二次元的にランダムに2箇所測定し、そこで検出された各強度の平均値として求めている。本発明でいうイオン強度とは、ガスバリアー層中でそれらが分析上、イオン化されて検出されることを意味する。
【0061】
更に、本発明に係る相対Si−OHイオン強度は、相対総イオン強度を1.0に規格化したときの、相対Si−OHイオン強度の値として得られたものである。
【0062】
相対総イオン強度は、m/zが0.5〜2000までの範囲内における総カウント数を総イオン強度と定義し、これを1.0に規格化したものである。
【0063】
前述したように、TOF−SIMSでは、イオン(Ar、Xe)照射によるスパッタリングを併用することにより、表面から層厚方向への分析が可能となる。
【0064】
ガスバリアー層の深さ方向における測定は、汚れや異物の付着の無い状態の最表面を基点として、ガスバリアー層と隣接する基材、あるいはクリアハードコート層が露出するまで、一定間隔にスパッタリング、測定を繰り返すことで行う。
【0065】
測定間隔は、スパッタリング時間で30秒〜3分間隔で行うが、可能な限り短い間隔であることが好ましいため、30秒〜1分間隔で行うことが好ましい。
【0066】
具体的な飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS)の条件の一例を以下に示す。
【0067】
温度23℃、湿度55%RH下で、飛行時間型二次イオン質量分析(TOF−SIMS)によるガスバリアー層のSi−OHイオン強度を、下記の方法に従って行う。
【0068】
〈測定装置〉
アルバック・ファイ社製 二次イオン質量分析装置(TOF−SIMS) PHI TRIFT V
〈測定条件〉
一次イオン:Bi++
一次イオン加速電圧:30kV
一次イオン電流:0.8nA
ラスター領域:75μm角
スパッタイオン:Ar
スパッタイオン加速電圧:5kV
スパッタイオン電流:10nA
スパッタイオンエリア:500μm角
質量走査範囲:m/z=0.5〜2000
測定シーケンス:測定2フレーム
スパッタ時間:10秒
帯電中和時間:5秒
なお、相対Si−OHイオン強度を本発明で規定する条件に制御する具体的な方法について、後述するガスバリアー層の形成方法の中で説明する。
【0069】
《ガスバリアーフィルムの構成要素》
次いで、本発明のガスバリアーフィルムを構成するガスバリアー層及び基材と、更にクリアハードコート層の構成要素及び形成方法の詳細について説明する。
【0070】
[ガスバリアー層]
本発明に係るガスバリアー層の形成方法としては、本発明で規定する相対Si−OHイオン強度を、本発明で規定する範囲内に制御することができる方法であれば、特に制限はないが、緻密に元素分布が制御させたガスバリアー層を形成することができる観点からは、有機ケイ素化合物を含む原料ガスと酸素ガスとを用いて、磁場を印加したローラー間に放電空間を有する放電プラズマ化学気相成長装置を用いて、本発明で規定するガスバリアー層の層厚方向の全領域における相対Si−OHイオン強度が、0.01〜0.06の範囲内とすることにより、高温高湿環境下での光学特性の安定性に優れ、面内でのガスバリアー性のバラツキが低減された高品位のガスバリアーフィルムを得ることができる。
【0071】
すなわち、本発明に係るガスバリアー層は、磁場を印加したローラー間放電プラズマ処理装置を用い、樹脂基材を一対の成膜ローラーに巻き回し、一対の成膜ローラー間に成膜ガスを供給しながらプラズマ放電して薄膜を形成するプラズマ化学気相成長装置により形成することが好ましい。また、このように一対の成膜ローラー間に磁場を印加しながら放電する際には、一対の成膜ローラー間の極性を交互に反転させることが好ましい。
【0072】
次に、本発明に係るガスバリアー層の具体的な形成方法について説明する。
【0073】
〔ローラー間放電プラズマ処理装置〕
本発明のガスバリアーフィルムは、磁場を印加したローラー間放電プラズマ処理装置を用い、基材表面上(必要に応じ、クリアハードコート層を設ける場合がある)に、ガスバリアー層を形成させることにより製造する方法が好ましい。
【0074】
本発明に係る磁場を印加したローラー間に成膜ガスを供給しながらガスバリアー層を形成する放電プラズマ化学気相成長法(以下、プラズマCVD法、あるいはローラーCVD法ともいう。)においては、プラズマを発生させる際に、複数の成膜ローラー間に磁場を印加しながら、形成した放電空間にプラズマ放電を発生させることが好ましく、本発明では一対の成膜ローラーを用い、その一対の成膜ローラーのそれぞれに基材、例えば樹脂基材を巻き回して、当該一対の成膜ローラー間に、磁場を印加した状態で放電してプラズマを発生させることが好ましい。このようにして、一対の成膜ローラーを用い、その一対の成膜ローラー上に基材を巻き回して、かかる一対の成膜ローラー間にプラズマ放電することにより、基材と成膜ローラーとの間の距離が変化することによって、酸素原子比率が濃度勾配を有し、かつ層内で連続的に変化するようなガスバリアー層を形成することが可能となる。
【0075】
また、成膜時に一方の成膜ローラー上に存在する基材の表面部分を成膜しつつ、もう一方の成膜ローラー上に存在する樹脂基材の表面部分も同時に成膜することが可能となって効率よく薄膜を製造できるばかりか、成膜レートを倍にでき、なおかつ、同じ構造の膜を成膜できるので、効率よくガスバリアー層を形成することが可能となる。
【0076】
また、本発明のガスバリアーフィルムは、生産性の観点から、ロールtoロール方式で、基材の表面上にガスバリアー層を形成させることが好ましい。
【0077】
また、このようなプラズマ化学気相成長法によりガスバリアーフィルムを製造する際に用いることが可能な装置とは、少なくとも一対の磁場を印加する装置を具備した成膜ローラーと、プラズマ電源とを備え、かつ一対の成膜ローラー間において放電することが可能な構成となっている装置である。
【0078】
例えば、図3に示す放電プラズマ化学気相成長装置を用いて、プラズマ化学気相成長法を利用しながらロールtoロール方式で、ガスバリアーフィルムを製造することができる。
【0079】
図3は、本発明のガスバリアーフィルムの製造において好適に利用することができる磁場を印加したローラー間放電プラズマCVD装置の一例を示す模式図である。
【0080】
図3に示す磁場を印加したローラー間放電プラズマCVD装置(31、以下、プラズマCVD装置ともいう。)は、主には、送り出しローラー(32)と、搬送ローラー(33、34、35及び36)と、成膜ローラー(39及び40)と、成膜ガス供給管(41)と、プラズマ発生用電源(42)と、成膜ローラー(39及び40)の内部に設置された磁場発生装置(43及び44)と、巻取りローラー(45)とを備えている。また、このようなプラズマCVD製造装置(31)においては、少なくとも成膜ローラー(39及び40)と、成膜ガス供給管(41)と、プラズマ発生用電源(42)と、磁場発生装置(43及び44)とが、真空のチャンバー(C)内に配置されている。更に、このようなプラズマCVD製造装置(31)において、チャンバー(C)は、真空ポンプ(17)に接続されており、この真空ポンプ(17)によりチャンバー(C)内の圧力を適宜調整することが可能となっている。
【0081】
このようなプラズマCVD製造装置においては、一対の成膜ローラー(成膜ローラー39と成膜ローラー40)を一対の対向電極として機能させることが可能となるように、各成膜ローラーがそれぞれプラズマ発生用電源(42)に接続されている。一対の成膜ローラー(成膜ローラー39と成膜ローラー40)に、プラズマ発生用電源(42)より電力を供給することにより、成膜ローラー(39)と成膜ローラー(40)との間の空間に放電することが可能となり、これにより成膜ローラー(39)と成膜ローラー(40)との間の空間にプラズマを発生させ、放電空間を形成することができる。なお、このように、成膜ローラー(39)と成膜ローラー(40)を電極として利用することになるため、電極として利用可能な材質や設計を適宜変更すればよい。また、このようなプラズマCVD製造装置(31)においては、一対の成膜ローラー(39及び40)は、図3で示すようにその中心軸が同一平面上においてほぼ平行となるようにして配置することが好ましい。このように、一対の成膜ローラー(39及び40)を配置することにより、成膜レートを倍にすることができる。
【0082】
また、成膜ローラー(39)と成膜ローラー(40)の内部には、それぞれ成膜ローラーが回転しても回転しないようにして固定された磁場発生装置(43及び44)が設けられていることが特徴である。
【0083】
さらに、成膜ローラー(39)及び成膜ローラー(40)は、適宜公知のローラーを用いることもできる。成膜ローラー(39及び40)としては、効率よくガスバリアー層を形成することができる観点から、直径が同一のものを使うことが好ましい。また、成膜ローラー(39及び40)の直径としては、放電条件、チャンバー(C)のスペース等の観点から、直径が100〜1000mmφの範囲、特に100〜700mmφの範囲が好ましい。直径が100mmφ以上であれば、プラズマ放電空間が小さくなることがないため生産性の劣化もなく、短時間でプラズマ放電の全熱量がフィルムにかかることを回避でき、残留応力が大きくなりにくく好ましい。一方、直径が1000mmφ以下であれば、プラズマ放電空間の均一性等も含めて装置設計上、実用性を確保することができるため好ましい。
【0084】
また、このようなプラズマCVD製造装置(31)に用いる送り出しローラー(32)及び搬送ローラー(33、34、35及び36)としては、公知のローラーを適宜選択して用いることができる。また、巻取りローラー(45)としても、ガスバリアー層を形成した基材(2+3+4)を安定して巻き取ることが可能なものであればよく、特に制限されず、適宜公知のローラーを用いることができる。
【0085】
成膜ガス供給管(41)としては、原料ガス及び酸素ガスを所定の速度で供給又は排出することが可能なものを適宜用いることができる。さらに、プラズマ発生用電源(42)としては、従来公知のプラズマ発生装置用の電源を用いることができる。このようなプラズマ発生用電源(42)は、これに接続された成膜ローラー(39)と成膜ローラー(40)に電力を供給して、これらを放電のための対向電極として利用することを可能とする。このようなプラズマ発生用電源(42)としては、より効率よくプラズマCVD法を実施することが可能となることから、一対の成膜ローラーの極性を交互に反転させることが可能なもの(交流電源など)を利用することが好ましい。また、このようなプラズマ発生用電源(42)としては、より効率よくプラズマCVD法を実施することが可能となることから、印加電力を100W〜10kWの範囲とすることができ、かつ交流の周波数を50Hz〜500kHzの範囲とすることが可能なものであることがより好ましい。また、磁場発生装置(43及び44)としては、適宜公知の磁場発生装置を用いることができる。
【0086】
図3に示すようなプラズマCVD装置(31)を用いて、例えば、原料ガスの種類、プラズマ発生装置の電極ドラムの電力、磁場発生装置の強度、チャンバー(C)内の圧力、成膜ローラーの直径、並びに、樹脂基材の搬送速度を適宜調整することにより、本発明に係るガスバリアー性フィルムを製造することができる。すなわち、図3に示すプラズマCVD装置を用いて、成膜ガス(原料ガス等)をチャンバー(C)内に供給しつつ、一対の成膜ローラー(成膜ローラー39及び40)間に、磁場を発生させながらプラズマ放電を行うことにより、成膜ガス(原料ガス等)がプラズマによって分解され、成膜ローラー(39)上の基材(2、又は2+3)の表面上並びに成膜ローラー(40)上の基材(2、又は2+3)の表面上に、本発明に係るガスバリアー層(4)がプラズマCVD法により形成される。なお、このような成膜に際しては、基材(2、又は2+3)が送り出しローラー(32)や成膜ローラー(39)等により、それぞれ搬送されることにより、ロールツーロール方式の連続的な成膜プロセスにより,基材(2、又は2+3)の表面上に前記ガスバリアー層(4)が形成される。
【0087】
本発明に係るガスバリアー層の形成方法としては、例えば、図3に記載のプラズマCVD装置を用い、所望のガス組成と搬送条件で基材近傍領域でのガスバリアー層を形成する。更に、必要応じて、図3に記載の搬送方向Aと搬送方向Bで、同条件で搬送方向を反転させて、複数回処理する方法をとることができる。
【0088】
本発明に係るガスバリアー層の層厚としては、5〜800nmの範囲内であることが好ましく、10〜600nmの範囲内であることより好ましく、50〜600nmの範囲内であることが更に好ましく、100〜400nmの範囲内が特に好ましい。
【0089】
〈原料ガス〉
本発明に係るガスバリアー層の形成に用いる成膜ガスを構成する原料ガスとしては、少なくともケイ素を含有する有機ケイ素化合物を用いる。
【0090】
本発明に適用可能な有機ケイ素化合物としては、例えば、ヘキサメチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、ビニルトリメチルシラン、メチルトリメチルシラン、ヘキサメチルジシラン、メチルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、ジエチルシラン、プロピルシラン、フェニルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、オクタメチルシクロテトラシロキサン等が挙げられる。これらの有機ケイ素化合物の中でも、成膜での取り扱い性及び得られるガスバリアー層のガスバリアー性等の観点から、ヘキサメチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンが好ましい。また、これらの有機ケイ素化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0091】
また、前記成膜ガスは、原料ガスの他に反応ガスとして、酸素ガスを含有することを特徴とする。酸素ガスは、前記原料ガスと反応して酸化物等の無機化合物となるガスである。
【0092】
前記成膜ガスとしては、前記原料ガスをチャンバー(C)内に供給するために、必要に応じて、キャリアガスを用いてもよい。さらに、前記成膜ガスとしては、プラズマ放電を発生させるために、必要に応じて、放電用ガスを用いてもよい。このようなキャリアガス及び放電用ガスとしては、適宜公知のものを使用することができ、例えば、ヘリウム、アルゴン、ネオン、キセノン等の希ガスや水素ガスを用いることができる。
【0093】
このような成膜ガスが、ケイ素を含有する有機ケイ素化合物を含む原料ガスと酸素ガスを含有する場合、原料ガスと酸素ガスの比率を適宜調整することが好ましい。
【0094】
以下代表例として、原料ガスとしてのヘキサメチルジシロキサン(有機ケイ素化合物、略称:HMDSO、化学式:(CHSiO)と、反応ガスとして酸素(O)を適用した系について説明する。
【0095】
原料ガスであるヘキサメチルジシロキサン(HMDSO、(CHSiO)と、反応ガスである酸素(O)により構成される成膜ガスを、プラズマCVD法により反応させて、ケイ素−酸素系の薄膜を形成する場合、その成膜ガスにより下記反応式(1)で示す反応が生じ、二酸化ケイ素SiOを主成分とするガスバリアー層が形成される。
【0096】
反応式(1)
(CHSiO+12O→6CO+9HO+2SiO
上記反応式(1)で示すように、ヘキサメチルジシロキサン1モルを完全に酸化するのに要する酸素量は12モルである。そのため、成膜の初期段階では、成膜ガス中に、ヘキサメチルジシロキサン1モルに対し、酸素を12モル以上含有させて完全に反応させることにより、酸素原子比率が高く、均一な組成の二酸化ケイ素膜を形成することができるが、本発明では、成膜中期〜後期で原料のガス流量比を理論比である完全反応の原料比(1モル:12モル)以下の流量に制御して、非完全反応を遂行させ、SiOCに比率を高める。
【0097】
なお、実際のプラズマCVD装置のチャンバー(C)内の反応では、原料のヘキサメチルジシロキサンと反応ガスである酸素は、ガス供給部から成膜領域へ供給されて成膜されるので、反応ガス中の酸素のモル量(流量)が原料のヘキサメチルジシロキサンのモル量(流量)の12倍のモル量(流量)であったとしても、現実には完全に反応を進行させることはできず、酸素の含有量を化学量論比に比して大過剰に供給して初めて反応が完結すると考えられる。例えば、CVD法により完全酸化させて酸化ケイ素を得るために、酸素のモル量(流量)を原料のヘキサメチルジシロキサンのモル量(流量)の20倍以上程度とする場合もある。そのため、原料のヘキサメチルジシロキサンのモル量(流量)に対する酸素のモル量(流量)は、化学量論比である12倍量以下(より好ましくは、10倍以下)の量であることが好ましい。このような比でヘキサメチルジシロキサン及び酸素を含有させることにより、完全に酸化されなかったヘキサメチルジシロキサン中の炭素原子や水素原子がガスバリアー層中に取り込まれ、所望の原子プロファイルを有するガスバリアー層を形成することが可能となって、得られるガスバリアー性フィルムに優れたバリアー性及び屈曲耐性を発揮させることが可能となる。なお、成膜ガス中のヘキサメチルジシロキサンのモル量(流量)に対する酸素のモル量(流量)が少なすぎると、酸化されなかった炭素原子や水素原子がガスバリアー層中に過剰に取り込まれることになる。
【0098】
〈真空度〉
チャンバー(C)内の圧力(真空度)は、原料ガスの種類等に応じて適宜調整することができるが、0.5Pa〜100Paの範囲内で設定することが好ましい。
【0099】
〈ローラー成膜〉
図3に示すようなプラズマCVD装置(31)を用いたプラズマCVD法においては、成膜ローラー(39及び40)間で放電するために、プラズマ発生用電源(42)に接続された電極ドラム(図3においては、成膜ローラー(39及び40)内に設置されている。不図示)に印加する電力は、原料ガスの種類やチャンバー(C)内の圧力等に応じて適宜調整することができるものであり、一概にいえるものでないが、0.1〜10kWの範囲内とすることが好ましい。このような範囲の印加電力であれば、パーティクル(不正粒子)の発生も見られず、成膜時に発生する熱量も制御範囲内であるため、成膜時の基材表面温度の上昇による、基材の熱変形、熱による性能劣化や成膜時の皺の発生も防止することができる。また、熱で基材が溶けて、裸の成膜ローラー間に大電流の放電が発生することによる成膜ローラーに対する損傷等を防止することができる。
【0100】
基材の搬送速度(ライン速度)は、酸素原子比率を本願で規定する条件を得る手段の一つとして、原料ガスの種類やチャンバー内の圧力等に応じて適宜調整することができるが、0.25〜100m/minの範囲内とすることが好ましく、0.5〜40m/minの範囲内とすることがより好ましい。ライン速度が前記範囲内であれば、樹脂基材の熱に起因する皺も発生し難く、形成されるガスバリアー層の厚さも十分に制御可能となる。
【0101】
〔相対Si−OHイオン強度の制御方法〕
次いで、本発明に係るガスバリアー層における相対Si−OHイオン強度の具体的な制御方法について説明する。
【0102】
本発明に係るガスバリアー層において、相対Si−OHイオン強度を0.01〜0.06の範囲内に制御することが特徴であるが、当該条件を達成するための具体的な方法としては、ガスバリアー層を形成する際の成膜雰囲気の水分量を制御する方法が有効である。
【0103】
ガスバリアー形成時の水分量を制御するための具体的な方法としては、大きく分けて2つの方法が挙げられる。
【0104】
第1の方法は、ガスバリー層形成時に、基材からの水分の発生を極力抑制する方法であり、例えば、ガスバリアー層の形成前に、基材に対し熱処理を施し、基材が含有している水分を除去する方法、あるいは、ガスバリー層形成時に、成膜ローラーを冷却することにより、搬送する基材を冷却して基材からガスバリアー層への水分の拡散を防止する方法である。
【0105】
第2の方法は、成膜環境で発生する水分を装置内で補足して、成膜環境内の水分量を低下させる方法であり、例えば、クライオコイルを設置して、基材搬送室、あるいはプラズマCVD装置内の水分量(湿度)を低下させる方法である。
【0106】
以下、本発明に適用可能な制御方法の一例について、図を交えて説明する。
【0107】
(基材の前処理方法1:脱ガス処理1)
図4は、本発明に適用可能な加熱手段を具備した基材の脱ガス工程1(51)の一例を示す概略図であり、プラズマCVD装置でガスバリアー層を形成する前に、予め基材(2+3)に対し、熱処理による脱水処理を施す方法である。このように、脱水処理を施した基材を使用することにより、形成するガスバリアー層中における相対Si−OHイオン強度を0.01〜0.06の範囲内に制御することができる。
【0108】
図4においては、ロール状に積層したクリアハードコート層を有する基材(2+3)を送り出しローラー(32A)から脱ガス工程1(51)に送り出し、真空条件下で、複数のサポートローラー(52)と、温度制御部(54)により温度制御されている複数の加熱ローラー(53)で形成されている搬送ラインを通過させ、当該加熱ローラー(53)により基材(2+3)を所定の温度に加熱することで、基材が含有している水分を取り除く方法であり、脱水処理後は、巻き取りローラー(32B)によりロール状に積層され、例えば、図3で示すような放電プラズマ化学気相成長装置を用いてガスバリアー層(4)を形成する。
【0109】
従来の方法では、図3で示すように、水分を含む基材(2+3)が積層されたままの状態で、プラズマCVD装置(31)によりガスバリアー層(4)を形成するため、成膜が高い水分環境下で行われるため、相対Si−OHイオン強度として0.06以下に制御することが困難であった。
【0110】
図4で記載の脱ガス工程1(51)における加熱条件としては、ガスバリアー層の相対Si−OHイオン強度を0.01〜0.06の範囲内にコントロールできる条件であれば特に制限はないが、加熱温度の上限は適用する基材のガラス転移温度等により決定され、下限は、相対Si−OHイオン強度として0.06以下とすることができる温度条件を選択することが好ましく、おおむね、基材の表面温度として30〜100℃程度となるように設定することが好ましい。また、搬送ライン長を適宜変更してもよい。
【0111】
(基材の前処理方法:脱ガス処理2)
図5は、本発明に適用可能な加熱手段を具備した基材の脱ガス工程の第2例目(脱ガス工程2)を示す概略図であり、ガスバリアー層を形成する前に、予め基材に対し、熱処理による脱水処理を施す方法である。このように、脱水処理を施した基材を使用することにより、形成するガスバリアー層中における相対Si−OHイオン強度を0.01〜0.06の範囲内に制御することができる。
【0112】
図5においては、ロール状に積層したクリアハードコート層を有する基材(2+3)を送り出しローラー(32A)から脱ガス工程2(61)に送り出し、真空条件下で、複数のサポートローラー(52)と、加熱手段(63)に接続されている複数の放射プレート(62)で形成されている搬送ラインを通過させ、放射プレート(62)を含む加熱手段(63)により基材(2+3)を所定の温度で加熱することにより、基材が含有している水分を取り除く方法であり、脱水処理後は、巻き取りローラー(32B)によりロール状に積層され、例えば、図3で示すような放電プラズマ化学気相成長装置を用いてガスバリアー層を形成する。
【0113】
放射プレート(62)を含む加熱手段(63)としては、電気式、ガス式、熱媒式等を用いることができる。中でも応答性の点から電気式加熱手段が好ましく、例えば、パイプヒーター、プレートヒーター、セラミックヒーター等が好ましく用いられる。
【0114】
加熱手段(63)は、真空に維持された脱ガス工程2(61)内の基材(2+3)表面からのガスの放出を促進する目的で用いられる。加熱の程度は基材(2+3)の耐熱性によっても異なるが、基材(2+3)のガラス転移温度前後で用いられることが好ましい。例えば、基材がポリエステルテレフタレート(PET)を主成分とする場合は、基材(2+3)の表面温度が30〜100℃程度となるように設定することが好ましい。
【0115】
更に、脱ガス室内に、室内環境の除湿手段として、例えば、コンプレッサーを用い、不燃性かつ安全な混合冷媒ガスの圧縮/膨張を繰り返す冷却サイクルにて氷点下まで冷却を行う方法や、脱ガス室内の水分子(HO)を超低温のクライオコイル(冷却用コイル)に吸着排気させることで、脱ガス工程内の水分量(湿度)を低減することにより、基材への水分の影響を低減することができる。
【0116】
(放電プラズマ化学気相成長装置内における成膜環境の制御方法1)
図6は、放電プラズマ化学気相成長装置内における成膜環境(湿度)の制御手段を設けた第1例目を示す概略図である。
【0117】
図6に示す制御方法では、図3で示した放電プラズマ化学気相成長装置(31)を構成する一対の成膜ローラー(成膜ローラー39と成膜ローラー40)の上流側と、下流側に、それぞれクライオコイル(73A及び73B)を配置した例を示してある。
【0118】
冷却手段(72A及び72B)を介して、クライオコイル(73A及び73B)を冷却させ、水分を除くことにより、放電プラズマ化学気相成長装置(31)内の成膜環境を低湿化する方法である。
【0119】
クライオコイル(73A及び73B)の表面温度の設定値は、−160〜−10℃の範囲内が好ましい。クライオコイルの表面温度の下限値を−160℃以上とすることで、チャンバー(C)内の窒素ガス等の不活性ガスの不要な補足を避けることができる。また、クライオコイル(73)の表面温度の上限値を−10℃とすることでチャンバー(C)内の水分を良好に補足することができる。
【0120】
また、放電プラズマ化学気相成長装置(31)に、クライオコイル(73)を設置する場合には、更には、チャンバー(C)内全体を冷却する方法を併せて適用してもよい。
【0121】
クライオコイル(73A及び73B)を放電プラズマ化学気相成長装置(31)内に設置することにより、放電プラズマ化学気相成長装置における成膜環境を制御することができ、本発明の目的効果を達成する一つの手段として用いることができる。
【0122】
(放電プラズマ化学気相成長装置内における成膜環境の制御方法2)
図7は、放電プラズマ化学気相成長装置内に成膜環境(湿度)の制御手段を設けた第2例目を示す概略図である。
【0123】
図7に示す制御方法では、図3で示した放電プラズマ化学気相成長装置(31)を構成する一対の成膜ローラー(成膜ローラー39と成膜ローラー40)内に、冷却手段(82)により、配管(81)を経由して、冷媒を送液して、成膜ローラーを冷却することにより、成膜環境を低湿化する方法である。
【0124】
(複数の成膜環境の制御手段の組み合わせ)
本発明に係るガスバリー層の形成方法では、それぞれ、基材の脱ガス処理方法と放電プラズマ化学気相成長装置内における環境制御方法(低湿化方法)を独立して用いてもよいが、更に脱ガス効率を高める観点から、先に説明した図4に示すような加熱ローラー(53)を具備した基材の脱ガス工程1(51)、図5で示す複数の放射プレート(62)を具備した脱ガス工程2(61)と、先に説明した図6で示したような放電プラズマ化学気相成長装置の成膜ローラー近傍にクライオコイル(73A及び73B)を配置する方法、図7で示したような放電プラズマ化学気相成長装置の成膜ローラーを冷却して脱ガス処理を行う方法を組み合わせて、脱ガス処理を行ってもよい。
【0125】
また、本発明においては、図8及び図9で示すように、基材の脱ガス処理方法と放電プラズマ化学気相成長装置によるガスバリアー層の形成を、ロールtoロール方式で、基材を連続搬送しながらオンラインで行うこともできる。
【0126】
図8は、放電プラズマ化学気相成長装置の上流側に、図5で説明した加熱手段(63)に接続されている複数の放射プレート(62)を具備した脱ガス工程2(61)を配置し、基材の脱ガス処理と放電プラズマ化学気相成長装置によるガスバリアー層の形成を、ロールtoロール方式で、連続的に行う方法である。
【0127】
また、図9は、成膜ローラー(39及び40)近傍に図6に示すクライオコイル(73A及び73B)を配置する放電プラズマ化学気相成長装置(31)を有するチャンバー(C)と、当該チャンバー(C)の上流側及び下流側に、それぞれ図5で説明した加熱手段(63A及び63B)に接続されている複数の放射プレート(62A及び62B)を具備した脱ガス工程2(61A及び61B)を配置し、基材の脱ガス処理と放電プラズマ化学気相成長装置によるガスバリアー層の形成を、それぞれ双方向(方向A及び方向B)に基材を往復搬送させながら、連続的にガスバリアー層を形成する方法である。
【0128】
[基材]
本発明のガスバリアーフィルムに適用可能な基材としては、フレキシブル性を備えたプラスチックフィルムを用いることが好ましい。用いることができるプラスチックフィルムは、ガスバリアー層を保持できるフィルムであれば材質、厚さ等に特に制限はなく、使用目的等に応じて適宜選択することができる。
【0129】
プラスチックフィルムとしては、具体的には、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、メタクリル酸−マレイン酸共重合体、ポリスチレン樹脂、透明フッ素樹脂、ポリイミド、フッ素化ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、セルロースアシレート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリカーボネート樹脂、脂環式ポリオレフィン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリスルホン樹脂、シクロオレフィルンコポリマー、フルオレン環変性ポリカーボネート樹脂、脂環変性ポリカーボネート樹脂、フルオレン環変性ポリエステル樹脂、アクリロイル化合物などの熱可塑性樹脂から形成されるフィルムが挙げられる。
【0130】
本発明のガスバリアーフィルムを有機エレクトロルミネッセンス素子等の電子デバイスの基板として使用する場合は、基材としては耐熱性を有する材料から構成され、電子部品用途、ディスプレイ用積層フィルム用途としての必要条件を満たしていることが好ましい。上記用途に、本発明のガスバリアーフィルムを適用する場合、ガスバリアーフィルムは、その電子デバイスの製造過程で、150℃以上の高温環境に曝されることがある。この場合、ガスバリアーフィルムにおける基材の線膨張係数が15〜100ppm/Kの範囲内であることが、熱耐性に強く、またフレキシブル性がよいものとなる。また、ガラス転移温度Tgが100〜300℃の範囲内の樹脂基材であることが好ましい。基材の線膨張係数やTgは、添加剤などによって調整することもできる。
【0131】
基材として用いることができる熱可塑性樹脂のより好ましい具体例としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(略称:PET、Tg:70℃)、ポリエチレンナフタレート(略称:PEN、Tg:120℃)、ポリカーボネート(略称:PC、Tg:140℃)、脂環式ポリオレフィン(例えば、日本ゼオン株式会社製、ゼオノア(登録商標)1600、Tg:160℃)、ポリアリレート(略称:PAr、Tg:210℃)、ポリエーテルスルホン(略称:PES、Tg:220℃)、ポリスルホン(略称:PSF、Tg:190℃)、シクロオレフィンコポリマー(略称:COC、特開2001−150584号公報に記載の化合物、Tg:162℃)、ポリイミド(例えば、三菱ガス化学株式会社製、ネオプリム(登録商標)、Tg:260℃)、フルオレン環変性ポリカーボネート(略称:BCF−PC、特開2000−227603号公報に記載の化合物、Tg:225℃)、脂環変性ポリカーボネート(略称:IP−PC、特開2000−227603号公報に記載の化合物、Tg:205℃)、アクリロイル化合物(特開2002−80616号公報に記載の化合物、Tg:300℃以上)等が挙げられる。特に、透明性を求める場合には、脂環式ポレオレフィン等を使用するのが好ましい。
【0132】
ガスバリアーフィルムは、有機EL素子等の電子デバイス用の基板として用いられることから、プラスチックフィルムとしては透明であることが好ましい。本発明でいう透明とは、光線透過率が80%以上、好ましくは85%以上、更に好ましくは90%以上であることをいう。
【0133】
光線透過率は、JIS K 7105:1981に記載された方法に準拠し、積分球式光線透過率測定装置を用いて全光線透過率及び散乱光量を測定し、全光線透過率から拡散透過率を引いて算出することができる。
【0134】
また、上記に挙げた樹脂等を用いた基材は、未延伸フィルムでもよく、延伸フィルムでもよい。
【0135】
基材は、従来公知の一般的な方法により製造することが可能である。例えば、材料となる樹脂を加熱溶融した後、押出し機により、環状ダイやTダイより押し出して急冷することにより、実質的に無定形で配向していない未延伸の基材を製造することができる。また、未延伸の基材を一軸延伸、テンター式逐次二軸延伸、テンター式同時二軸延伸、チューブラー式同時二軸延伸等の公知の方法により、基材の流れ(縦軸)方向、又は基材の流れ方向と直角(横軸)方向に延伸することにより延伸基材を製造することができる。この場合の延伸倍率は、基材の原料となる樹脂に合わせて適宜選択することできるが、縦軸方向及び横軸方向にそれぞれ2〜10倍の範囲内が好ましい。
【0136】
基材の両面、少なくともガスバリアー層を設ける基材面側には、接着性向上のための公知の種々の処理、例えば、コロナ放電処理、火炎処理、酸化処理、プラズマ処理、平滑層の積層等を、単独、あるいは必要に応じて組み合わせて行うことができる。
【0137】
その他のプラスチックフィルムを製造する際の塗布液(ドープ)等の調製方法、塗布条件、乾燥方法等の詳細につては、特開2013−148849号公報の段落(0138)〜(0156)に記載されている内容を適用することができる。
【0138】
[クリアハードコート層]
本発明のガスバリアーフィルム(1)においては、図1Bで示すように、基材(2)とガスバリアー層(4)との間に、クリアハードコート層(3)を設けることが好ましい態様である。
【0139】
クリアハードコート層としては、熱硬化型樹脂、活性エネルギー線硬化型樹脂硬化型樹脂等の硬化性樹脂を用いることができる。中でも、成形が容易なことから、活性エネルギー線硬化型樹脂が好ましい。
【0140】
熱硬化型樹脂としては、特に制限はなく、例えば、エポキシ樹脂、シアネートエステル樹脂、フェノール樹脂、ビスマレイミド−トリアジン樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、ビニルベンジル樹脂等の種々の熱硬化性樹脂が挙げられる。
【0141】
エポキシ樹脂としては、平均して1分子あたり2個以上のエポキシ基を有するものであればよく、具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、リン含有エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、芳香族グリシジルアミン型エポキシ樹脂(具体的には、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジル−p−アミノフェノール、ジグリシジルトルイジン、ジグリシジルアニリン等)、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン構造を有するエポキシ樹脂、ビスフェノールのジグリシジルエーテル化物、ナフタレンジオールのジグリシジルエーテル化物、フェノール類のグリシジルエーテル化物、アルコール類のジグリシジルエーテル化物、これらエポキシ樹脂のアルキル置換体、ハロゲン化物又は水素添加物等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0142】
活性エネルギー線硬化型樹脂は、紫外線、電子線等の活性エネルギー線の照射により架橋反応等を経て硬化する樹脂である。
【0143】
活性エネルギー線硬化型樹脂としては、紫外線硬化型樹脂、電子線硬化型樹脂等が代表的なものとして挙げられ、中でも紫外線硬化型樹脂が好ましい。
【0144】
紫外線硬化型樹脂としては、例えば、紫外線硬化型ウレタンアクリレート系樹脂、紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂、紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂、紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂、紫外線硬化型エポキシ樹脂等を挙げることができる。
【0145】
紫外線硬化型アクリルウレタン系樹脂は、一般にポリエステルポリオールにイソシアネートモノマー又はプレポリマーを反応させて得られた生成物に、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート等のヒドロキシ基を有するアクリレート系のモノマーを反応させることによって、容易に得ることができる。例えば、特開昭59−151110号公報に記載の樹脂を用いることができる。
【0146】
紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂としては、一般にポリエステルポリオールに2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシアクリレート系のモノマーを反応させると容易に形成される樹脂を挙げることができる。例えば、特開昭59−151112号公報に記載の樹脂を用いることができる。
【0147】
紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂の具体例としては、エポキシアクリレートをオリゴマーとし、これに反応性希釈剤、光反応開始剤を添加し、反応させて生成する樹脂を挙げることができ、特開平1−105738号公報に記載の樹脂を用いることができる。
【0148】
紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂としては、例えば多官能アクリレート樹脂等が挙げられる。ここで、多官能アクリレート樹脂とは、分子中に2個以上のアクリロイルオキシ基又はメタクロイルオキシ基を有する化合物である。
【0149】
多官能アクリレート樹脂のモノマーとしては、例えば、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタグリセロールトリアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、グリセリントリアクリレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリス(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、テトラメチロールメタントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート、ペンタグリセロールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、グリセリントリメタクリレート、ジペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート等が挙げられる。これらの化合物は、それぞれ単独又は2種以上を混合して用いられる。また、上記モノマーの2量体、3量体等のオリゴマーであってもよい。
【0150】
使用可能な紫外線硬化型樹脂の市販品としては、例えば、アデカオプトマーKR・BYシリーズ:KR−400、KR−410、KR−550、KR−566、KR−567、BY−320B(以上、旭電化社製)、コーエイハードA−101−KK、A−101−WS、C−302、C−401−N、C−501、M−101、M−102、T−102、D−102、NS−101、FT−102Q8、MAG−1−P20、AG−106、M−101−C(以上、広栄化学社製)、セイカビームPHC2210(S)、PHC X−9(K−3)、PHC2213、DP−10、DP−20、DP−30、P1000、P1100、P1200、P1300、P1400、P1500、P1600、SCR900(以上、大日精化工業社製)、KRM7033、KRM7039、KRM7130、KRM7131、UVECRYL29201、UVECRYL29202(以上、ダイセル・ユーシービー社製)、RC−5015、RC−5016、RC−5020、RC−5031、RC−5100、RC−5102、RC−5120、RC−5122、RC−5152、RC−5171、RC−5180、RC−5181(以上、DIC社製)、オーレックスNo.340クリヤ(以上、中国塗料社製)、サンラッドH−601、RC−750、RC−700、RC−600、RC−500、RC−611、RC−612(以上、三洋化成工業社製)、SP−1509、SP−1507(以上、昭和高分子社製)、RCC−15C(グレース・ジャパン社製)、アロニックスM−6100、M−8030、M−8060(以上、東亞合成社製)、紫光UV−1700B(日本合成化学社製)等が挙げられる。
【0151】
紫外線硬化型樹脂は、硬化を促進するために、光重合開始剤とともに用いられることが好ましい。
【0152】
本発明に適用する光重合開始剤としては、光照射によりカチオン重合を開始させるカチオン重合開始剤であるルイス酸を放出するオニウム塩の複塩の一群が特に好ましい。
【0153】
この様なオニウム塩としては、特に、芳香族オニウム塩をカチオン重合開始剤として使用するのが特に有効であり、例えば、特開昭50−151996号公報、同50−158680号公報等に記載の芳香族ハロニウム塩、特開昭50−151997号公報、同52−30899号公報、同59−55420号公報、同55−125105号公報等に記載のVIA族芳香族オニウム塩、特開昭56−8428号公報、同56−149402号公報、同57−192429号公報等に記載のオキソスルホニウム塩、特公昭49−17040号公報等に記載の芳香族ジアゾニウム塩、米国特許第4139655号明細書等に記載のチオピリリウム塩等が好ましい。また、アルミニウム錯体、光分解性ケイ素化合物系重合開始剤等を挙げることができる。また、上記カチオン重合開始剤と共に、ベンゾフェノン、ベンゾインイソプロピルエーテル、チオキサントン等の光増感剤を併用することができる。
【0154】
光重合開始剤の使用量は、紫外線硬化型樹脂に対して2〜30質量%の範囲内であることが好ましい。
【0155】
本発明においては、上記紫外線硬化型樹脂の他に、無機材料と有機成分を組み合わせた紫外線硬化型の有機・無機ハイブリッド材料(有機修飾微粒子)を用いることもできる。
【0156】
有機修飾微粒子は、特に、重合性不飽和基を有する有機化合物で表面修飾されたシリカ微粒子を用いることが好ましい。
【0157】
上記重合性不飽和基を有する有機化合物で表面修飾されたシリカ微粒子は、例えば、通常、平均粒径0.5〜500nm程度、好ましくは平均粒径1〜100nmのシリカ微粒子表面のシラノール基に、該シラノール基と反応し得る官能基である(メタ)アクリロイル基を有する重合性不飽和基含有有機化合物を反応させることにより、得ることができる。
【0158】
このような化合物としては、例えば、アクリル酸、アクリル酸クロリド、アクリル酸2−イソシアナートエチル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸2,3−イミノプロピル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランなど及びこれらのアクリル酸誘導体に対応するメタクリル酸誘導体を用いることができる。これらのアクリル酸誘導体やメタクリル酸誘導体は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0159】
このような有機修飾微粒子としては、例えば、JSR社製のオプスター(登録商標)Z7540、Z7521、Z7527(鉛筆硬度4H)、Z7541(鉛筆硬度:3H)、KZ6445A(鉛筆硬度:4H)、KZ6412(鉛筆硬度:3H)等を好適に用いることができる。
【0160】
本発明に係るクリアハードコート層の形成において、上記説明した樹脂成分と共に無機微粒子を共存させることにより、各樹脂組成物の硬度を高めることができ、所望の硬度に調整することができる。
【0161】
本発明に適用可能な無機微粒子としては、例えば、SiO、Al、TiO、ZrO、ZnO、SnO、In、BaO、SrO、CaO、MgO、VO、V、CrO、MoO、MoO、MnO、Mn、WO、LiMn、CdSnO4、CdIn、ZnSnO、ZnSnO、ZnIn、CdSnO、CdIn、ZnSnO、ZnSnO、ZnIn等が挙げられる。
【0162】
クリアハードコート層(3)は、樹脂基材(2)との密着性を向上させるため、樹脂基材(2)表面に真空紫外線を照射するか、コロナ放電によって表面処理した後、クリアハードコート層(3)の塗布液を塗布して硬化させることにより、形成することができる。
【0163】
塗布方法としては、グラビアコーター、ディップコーター、リバースコーター、ワイヤーバーコーター、ダイコーター、スライドホッパーコーター等を用いた湿式塗布法、インクジェット法等のウェットプロセスを用いることができる。
【0164】
クリアハードコート層の塗布液は、ウェット膜厚として0.1〜40.0μmの範囲内で塗布することが適当であり、好ましくは0.5〜30.0μmの範囲内である。また、乾燥後の層厚としては、0.1〜30.0μmの範囲内が好ましく、より好ましくは1〜10μmの範囲内である。
【0165】
紫外線硬化型樹脂の硬化時に用いる光源としては、紫外線を発生する光源であれば制限なく使用できる。例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ等を用いることができる。照射条件はそれぞれのランプによって異なるが、活性エネルギー線の照射量は、好ましくは5〜100mJ/cmの範囲内であり、特に好ましくは20〜80mJ/cmの範囲内である。
【0166】
[その他の構成要素]
本発明のガスバリアーフィルムにおいては、上記説明したガスバリアー層やクリアハードコート層の他に、最表面にオーバーコート層、基材の裏面側にブリードアウト防止層等を適宜形成することができる。
【0167】
《ガスバリアーフィルムの適用分野》
本発明のガスバリアーフィルムの用途としては、電子デバイスや光学部材への応用が挙げられる。
【0168】
本発明のガスバリアーフィルムは、空気中の化学成分(例えば、酸素、水、窒素酸化物、硫黄酸化物、オゾン等。)により、性能劣化等の影響を受け易い電子デバイスに好ましく用いることができる。
【0169】
当該電子デバイスとしては、例えば、有機EL素子、液晶表示素子(LCD)、薄膜トランジスター(TFT)、タッチパネル、電子ペーパー、太陽電池(PV)等を挙げることができる。本発明の効果がより効率的に得られるという観点から、有機EL素子または太陽電池に好ましく用いられ、有機EL素子に適用することが、特に好ましい。
【0170】
ガスバリアーフィルムを用いた有機EL素子の例としては、特開2007−30387号公報等に詳しく記載されている。本発明に係るガスバリアーフィルムのその他の適用例としては、例えば、特表平10−512104号公報等に記載の薄膜トランジスター、特開平5−127822号公報、特開2002−48913号公報等に記載のタッチパネル、特開2000−98326号公報等に記載の電子ペーパー等が挙げられる。
【0171】
本発明に係るガスバリアーフィルムは、光学部材としても用いることができる。光学部材の例としては、円偏光板等が挙げられる。
【実施例】
【0172】
以下、実施例をあげて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」又は「%」の表示が用いられるが、特に断りが無い限り「質量部」又は「質量%」を表す。なお、以下の説明で、各構成要素の後に括弧で表示している数字は、関連する図に表示している各構成部材の番号を示してある。
【0173】
《ガスバリアーフィルムの作製》
[ガスバリアーフィルム1の作製]
下記の方法に従って、比較例であるガスバリアーフィルム1を作製した。
【0174】
〔樹脂基材の準備〕
樹脂基材(2)として、熱可塑性樹脂支持体で、両面に易接着加工が施された、厚さ100μmのロール状のポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡株式会社製、コスモシャインA4300、以下、PETと略記する。)を用い、この樹脂基材を温度25℃、相対湿度55%の環境下で96時間保管して調湿した。
【0175】
〔クリアハードコート層の形成〕
上記樹脂基材(2)の一方の面側に、JSR株式会社製のUV硬化型有機/無機ハイブリッドハードコート材であるOPSTAR Z7501を、塗布及び乾燥後の膜厚が4μmとなる条件で、エクストルージョン型コーターを用いて塗布し、80℃で3分間の乾燥を行った後、大気雰囲気下で高圧水銀ランプを使用して、1.0J/cmの硬化条件で硬化して、クリアハードコート層(3)を形成した。
【0176】
〔ガスバリアー層の形成〕
次いで、図3で示す磁場を印加するプラズマCVD製造装置(31)を具備したチャンバー(C)を用い、第1ステップ(第1S)と第2(第2S)により、上記作製した樹脂基材(2)のクリアハードコート層(3)上に、層厚が121nmのガスバリアー層(4)を形成して、ガスバリアーフィルム1を作製した。
【0177】
はじめに、第1ステップ(第1S)として、図3に示すプラズマCVD製造装置を用い、チャンバー(C)に、上記作製したクリアハードコート層を形成した基材(2+3)を、繰り出しローラー(32)に装着した。次いで、繰り出しローラー(32)から繰り出した基材(2+3)を、ガスバリアー層を形成するプラズマCVD製造装置(31)の搬送ローラー(33)、成膜ローラー(39)、搬送ローラー(34)、搬送ローラー(35)、成膜ローラー(40)、搬送ローラー(36)の順に引き回して、下記に記載の第1ステップ(第1S)の成膜条件で成膜した後、巻取りローラー(45)に巻き付けた。次いで、搬送方向を方向Aから方向Bに逆転させ、紙面の右から左(方向B)に基材(2+3)を搬送して、同様の条件で成膜して、繰り出しローラー(32)に巻き付けた。更に、搬送方向を方向Bから方向Aに再度逆転させ、紙面の左から右(方向A)に基材(2+3)を搬送して、同様の条件で成膜して、巻き取ローラー(11B)に巻き付けた。
【0178】
次いで、同じプラズマCVD製造装置を使用し、第2ステップ(第2S)として、成膜条件を下記の条件に変更して、同じく、3回のパス回数により、最終層厚が121nmのガスバリアー層を有するガスバリアーフィルム1を作製した。
【0179】
上記作製に用いたプラズマCVD製造装置は、一対の直径が180mmの成膜ローラー(39及び40)の間に、磁場発生装置(43及び44)を用いて磁場を印加すると共に、それぞれの成膜ローラー(39及び40)にプラズマ発生用電源(42)より電力を供給し、成膜ローラー間でプラズマを発生させて放電空間を形成し、この放電空間に、原料ガスとしてのヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)と反応ガスとしての酸素ガスから構成される成膜ガスを、成膜ガス供給管(41)より供給して、下記に示す成膜条件(プラズマCVD条件)にて、プラズマCVD法による薄膜形成を行い、基材(2+3)の一方の面上に、ガスリアー層(4)を形成した。
【0180】
(ガスバリアー層の成膜条件)
〈第1ステップ〉
原料ガス:ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO) 供給量:200sccm(Standard Cubic Centimeter per Minute、0℃、1気圧基準、ml/min)
反応ガス:酸素ガス(O) 供給量:650sccm(0℃、1気圧基準)
チャンバー(C)内の真空度:1.5Pa
プラズマ発生用電源からの印加電力:3.0kW
プラズマ発生用電源の周波数:84kHz
樹脂基材ユニットの搬送速度:15m/min
パス回数:3回
上記のようして第1ステップで成膜したガスバリアー層(4)の層厚は、61.0nmであった。
【0181】
〈第2ステップ〉
原料ガス:ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO) 供給量:200sccm(Standard Cubic Centimeter per Minute、0℃、1気圧基準、mL/min)
反応ガス:酸素ガス(O) 供給量:1700sccm(0℃、1気圧基準)
チャンバー(C)内の真空度:1.5Pa
プラズマ発生用電源からの印加電力:3.0kW
プラズマ発生用電源の周波数:84kHz
樹脂基材ユニットの搬送速度:15m/min
パス回数:3回
上記のようして第2ステップで成膜したガスバリアー層(4)の層厚は、60nmであった。
【0182】
[ガスバリアーフィルム2の作製]
上記ガスバリアーフィルム1の作製において、図3に記載のプラズマCVD製造装置に代えて、図7に記載の冷却手段(82)により、プラズマCVD製造装置(31)の一対の成膜ローラー(成膜ローラー39と成膜ローラー40)を10℃に冷却して、ガスバリアー層を形成した以外は同様にして、ガスバリアーフィルム2を作製した。
【0183】
[ガスバリアーフィルム3の作製]
上記ガスバリアーフィルム1の作製において、図3に記載のプラズマCVD製造装置に代えて、図6に記載の、プラズマCVD製造装置(31)を構成する一対の成膜ローラー(成膜ローラー39と成膜ローラー40)の上流側と下流側に、それぞれ−120℃に冷却したクライオコイル(73A及び73B)を配置して、ガスバリアー層を形成した以外は同様にして、ガスバリアーフィルム3を作製した。
【0184】
[ガスバリアーフィルム4の作製]
(基材の脱ガス処理1)
ガスバリアーフィルム1の作製に用いた樹脂基材である厚さ100μmのロール状のポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡株式会社製、コスモシャインA4300、PETと略記する。)上にクリアハードコート層を形成した基材(2+3)について、ガスバリアー層(4)の成膜前に、図4に記載の脱ガス工程(51)により、下記の方法で脱ガス処理1を施した。
【0185】
〈脱ガス処理1〉
図4に記載の脱ガス工程(51)により、上記長尺の基材(2+3)を搬送し、脱ガス(脱水)処理を行った。
【0186】
脱ガス工程(51)のライン長を30mとし、3本配置した加熱ローラー(53)の温度を温度制御部(54)により30℃に制御して、搬送速度15m/minで搬送して、1回の脱ガス処理を行った。
【0187】
(ガスバリアー層の形成)
上記脱ガス処理1を施したロール状の基材(2+3)を、直ちに図3に記載の送り出しローラー(32)としてセットし、前記ガスバリアーフィルム1のガスバリアー層の形成方法と同様にしてガスバリアー層を形成し、ガスバリアーフィルム4を作製した。
【0188】
[ガスバリアーフィルム5の作製]
上記ガスバリアーフィルム4の作製において、基材の脱ガス処理として、脱ガス処理1に代えて、下記の脱ガス処理2を施した以外は同様にして、ガスバリアーフィルム5を作製した。
【0189】
(基材の脱ガス処理2)
ガスバリアーフィルム1の作製に用いた樹脂基材である厚さ100μmのロール状のポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡株式会社製、コスモシャインA4300、PETと略記する。)上にクリアハードコート層を形成した基材(2+3)について、ガスバリアー層の成膜前に、下記の方法に従って、図5に記載の脱ガス工程(61)により、脱ガス処理2を施した。
【0190】
〈脱ガス処理2〉
図5に記載の脱ガス工程(61)により、前記長尺の基材(2+3)を搬送し、脱ガス(脱水)処理を行った。
【0191】
脱ガス工程(61)のライン長を30mとし、加熱手段(63)に接続されている5枚の放射プレート(62)より、基材の表面温度が30℃となる条件で熱風を吹き付けながら、搬送速度15m/minで搬送して、1回の脱ガス処理を行った。
【0192】
[ガスバリアーフィルム6の作製]
使用する基材をガスバリアーフィルム4の作製で用いた脱ガス処理1(図4、加熱ローラー(53)を45℃に加熱)を施した後、ガスバリアーフィルム2の作製と同様にして、図7に記載の冷却手段(82)により、プラズマCVD製造装置の一対の成膜ローラー(成膜ローラー39と成膜ローラー40)を10℃に冷却してガスバリアー層を形成した以外は同様にして、ガスバリアーフィルム6を作製した。
【0193】
[ガスバリアーフィルム7の作製]
上記ガスバリアーフィルム6の作製において、基材の脱ガス処理1(図4)に代えて、ガスバリアーフィルム5の作製で用いた脱ガス処理2(図5)に変更した以外は同様にして、ガスバリアーフィルム7を作製した。
【0194】
[ガスバリアーフィルム8の作製]
使用する基材をガスバリアーフィルム4の作製で用いた脱ガス処理1(加熱ローラー(53)を45℃に加熱)を施した後、ガスバリアーフィルム3の作製と同様にして、図6に記載の一対の成膜ローラー(成膜ローラー39と成膜ローラー40)の上流側と下流側に、それぞれ−120℃に冷却したクライオコイル(73A及び73B)を配置したプラズマCVD製造装置を用いてガスバリアー層を形成した以外は同様にして、ガスバリアーフィルム8を作製した。
【0195】
[ガスバリアーフィルム9の作製]
上記ガスバリアーフィルム8の作製において、脱ガス処理1(図4)に代えて、ガスバリアーフィルム5の作製で用いた脱ガス処理2(図5)に変更した以外は同様にして、ガスバリアーフィルム9を作製した。
【0196】
[ガスバリアーフィルム10の作製]
上記ガスバリアーフィルム8の作製において、脱ガス処理2における脱ガス工程のパス回数を1回から3回に変更した以外は同様にして、ガスバリアーフィルム10を作製した。
【0197】
[ガスバリアーフィルム11の作製]
ガスバリアーフィルム1の作製に用いた樹脂基材である厚さ100μmのロール状のポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡株式会社製、コスモシャインA4300、PETと略記する。)上にクリアハードコート層を形成した基材(2+3)について、下記の真空蒸着法により、SiOから構成されるガスバリアー層を形成して、ガスバリアーフィルム11を作製した。
【0198】
(ガスバリアー層の形成:真空蒸着法)
真空蒸着装置として、シンクロン社製のBMC−800T蒸着装置(イオンプレーディング法)を用い、モリブデン製抵抗加熱ボートにSiOを装填し、真空槽を4×10−4Paまで減圧した後、Arガスを導入して真空槽を2×10−3Paに設定した。次いで、300WでRFプラズマを焚きながら、抵抗加熱ボートに通電加熱し、抵抗加熱ボートの通電加熱条件を調整して、層厚120nmのSiOから構成されるガスバリアー層を形成した。
【0199】
【表1】
【0200】
《ガスバリアーフィルムの特性値測定及び性能評価》
〔ガスバリアー層のSi−OHイオン強度の測定〕
温度23℃、湿度55%RH下で、飛行時間型二次イオン質量分析(TOF−SIMS)によるガスバリアー層のSi−OHイオン強度を、下記の方法に従って行った。
【0201】
〈測定装置〉
アルバック・ファイ社製 二次イオン質量分析装置(TOF−SIMS) PHI TRIFT V
〈測定条件〉
一次イオン:Bi++
一次イオン加速電圧:30kV
一次イオン電流:0.8nA
ラスター領域:75μm角
スパッタイオン:Ar
スパッタイオン加速電圧:5kV
スパッタイオン電流:10nA
スパッタイオンエリア:500μm角
質量走査範囲:m/z=0.5〜2000
測定シーケンス:測定2フレーム
スパッタ時間:10秒
帯電中和時間:5秒
上記測定においては、各種イオン強度により算出したm/zが0.5〜2000までの範囲内における総カウント数を総イオン強度と定義し、これを1.0に規格化して、Si−OHイオン強度を求めた。
【0202】
各ガスバリアーフィルムの最表面に形成されているガスバリアー層に対し、高真空中でパルス状のイオンを照射し、スパッタリング現象により表面からはぎ取られたイオンを質量(原子量、分子量)で分けて検出し、横軸がスパッタ時間(層厚)、縦軸が、総イオン量を1.0とした時の相対Si−OHイオン量からなる分布曲線を作成した。なお、上記測定においては、ガスバリアー層表面から層厚で10%の領域(エリアD)は、外界からのノイズを受けやすい領域であり、本発明では測定対象から除外した。
【0203】
次いで、得られた分布曲線より、層厚全域における相対Si−OHイオン量範囲、クリアハード層界面から層厚50nmの領域における相対Si−OHイオン量範囲、及び相対Si−OHイオン量の最大値と最小値との差ΔISを求めた。
【0204】
表1には、Si−OHイオン量範囲を、以下のようにランク分けして記載した。
【0205】
◎:相対Si−OHイオン量が、0.01以上、0.03未満である
○:相対Si−OHイオン量が、0.03以上、0.06未満である
×:相対Si−OHイオン量が、0.01未満である
××:相対Si−OHイオン量が、0.06以上である
〔高温高湿環境下での光学特性の安定性〕
上記作製した各ガスバリアーフィルムについて、作製直後に、コニカミノルタ社製の高精度分光測色計CM−3700Aを用い、JIS Z 8722に準拠した透過法に従って、Lab色空間におけるb値を測定した。
【0206】
次いで、ガスバリアーフィルムを、60℃、90%RHの環境下で48時間保存した後、上記と同様の方法で、高温高湿処理後のb値を測定した。
【0207】
上記測定したb値に対するb値の変化率の絶対値(|b値/b値|)を求め、下記の基準に従って、光学特性の安定性を評価した。
【0208】
3:b値の変化率の絶対値が、2.0未満である
2:b値の変化率の絶対値が、2.0以上、3.0未満である
1:b値の変化率の絶対値が、3.0以上である
〔水蒸気透過性の評価〕
上記作製した各ガスバリアーフィルムについて、MOCON社製の超高感度水蒸気透過度測定装置AQUATRANを用いて、25℃における水蒸気透過率(WVTR、g/(m・day))を測定し、下記の基準に従って、水蒸気透過性の評価を行った。
【0209】
4:WVTRが、5×10−3g/(m・day)未満である
3:WVTRが、5×10−3g/(m・day)以上、1×10−2g/(m・day)未満である
2:WVTRが、1×10−2g/(m・day)以上、4×10−2g/(m・day)未満である
1:WVTRが、4×10−2g/(m・day)以上である
〔面内におけるWVTRの耐バラつき性の評価〕
上記作製した各ガスバリアーフィルムについて、以下の水蒸気透過度評価方法によって、面内における水蒸気透過度の標準偏差(σ)を測定した。
【0210】
各ガスバリアーフィルムについては、成膜先頭及び後尾の位置から、基材幅手方向に100mm間隔及び50mm×50mmの面積で各4か所、計8か所の試料を採取した。
【0211】
25mm×25mmのガラス上に、蒸着装置にて12mm×12mmの面積でカルシウム(Ca:腐食性金属)を、蒸着装置:日本電子(株)製真空蒸着装置JEE−400を用いて蒸着し、次いで、接着剤(スリーボンド製1655)を貼合した25mm×25mmにカットしたガスバリアーフィルム1〜11で封止を行い、ガスバリアーフィルムの水蒸気透過度評価セルの作製を行った。なお接着剤を貼合したガスバリアーフィルムは接着剤の水分及びガスバリアーフィルム表面の吸着水を除去するため1昼夜グローブボックス(GB)内に放置した。
【0212】
作製した評価セルは、ガラス面側の法線方向より光を入射し、反対面側よりエリア型のCCDカメラにて撮影を行った。その後、評価セルを85℃・85%RHの恒温恒湿槽(Yamato Humidic ChamberIG47M)にて100hr放置し、同様にCCDカメラにて撮影を行った。
【0213】
得られた画像から中心の10mm×10mmを切り抜き、切り抜いた画像全体の輝度値を取得し、事前に準備した輝度値とカルシウム膜厚の検量線より、カルシウム膜厚を算出した。得られたカルシウム膜厚から恒温恒湿槽に入れた前後で膜厚の変化量を算出し、そのデータよりセル全体の水蒸気透過度(WVTR)の算出を行った。
【0214】
また、切り抜いた10mm×10mmの画像を1mmの大きさになるように100分割し、それぞれ分割した箇所の輝度値を取得し、カルシウム膜厚及び水蒸気透過度(WVTR)の算出を行った。得られた100個の水蒸気透過度(WVTR)の値を対数に変換した値から標準偏差(σ)を算出した。
【0215】
以上により求めた標準偏差(σ)を、下記の基準に従って、評価を行った。
【0216】
4:標準偏差(σ)が、0.15未満である
3:標準偏差(σ)が、0.15以上、0.30未満である
2:標準偏差(σ)が、0.30以上、0.40未満である
1:標準偏差(σ)が、0.40以上である
以上により得られた結果を、表2に示す。
【0217】
【表2】
【0218】
表2に記載の結果より明らかなように、本発明で規定する相対Si−OHイオン強度が、0.01〜0.06の範囲内であるガスバリアー層を有する本発明のガスバリアーフィルムは、比較例に対し、高温高湿環境下で保存した後の光学特性の安定性に優れ、水蒸気透過率(WVTR)が低く、かつガスバリアーフィルム面内における水蒸気透過性能のバラつきが小さいことが分かる。
【産業上の利用可能性】
【0219】
本発明によれば、高温高湿環境下での光学特性の安定性に優れ、面内におけるガスバリアー性のバラツキが低減された高品位のガスバリアーフィルムを提供することができ、当該ガスバリアーフィルムは、空気中の化学成分(例えば、酸素、水、窒素酸化物、硫黄酸化物、オゾン等。)により、性能劣化等の影響を受け易い、例えば、有機EL素子、液晶表示素子(LCD)、薄膜トランジスター、タッチパネル、電子ペーパー、太陽電池(PV)等の電子デバイスに適用することができる。
【符号の説明】
【0220】
1 ガスバリアーフィルム
2 基材
3 クリアハードコート層
4 ガスバリアー層
17 真空ポンプ
18 排気口
31 ローラー間放電プラズマCVD装置(プラズマCVD装置)
32、32A 繰り出しローラー
33、34、35、36 搬送ローラー
39、40 成膜ローラー
41 成膜ガス供給管
42 プラズマ発生用電源
43、44 磁場発生装置
45、32B 巻取りローラー
51 脱ガス工程1
52、52A、52B サポートローラー
53 加熱ローラー
54 温度制御部
61、61A、61B 脱ガス工程2
62、62A、62B 放射プレート
63、63A、63B 加熱手段
72A、72B 冷却手段
73A、73B クライオコイル
81 配管
82 冷却手段
C チャンバー
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】