特表-16163432IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2016年10月13日
【発行日】2017年12月28日
(54)【発明の名称】ユーザ端末、通信方法及びプロセッサ
(51)【国際特許分類】
   H04W 28/10 20090101AFI20171201BHJP
   H04W 16/32 20090101ALI20171201BHJP
   H04W 72/04 20090101ALI20171201BHJP
   H04W 28/04 20090101ALI20171201BHJP
【FI】
   H04W28/10
   H04W16/32
   H04W72/04 111
   H04W28/04
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】33
【出願番号】特願2017-511040(P2017-511040)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2016年4月6日
(31)【優先権主張番号】62/145,700
(32)【優先日】2015年4月10日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001106
【氏名又は名称】キュリーズ特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】長坂 優志
(72)【発明者】
【氏名】岩渕 顕徳
(72)【発明者】
【氏名】藤代 真人
(72)【発明者】
【氏名】三井 勝裕
(72)【発明者】
【氏名】チャン ヘンリー
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA13
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE24
5K067GG01
5K067HH28
(57)【要約】
一つの実施形態に係るユーザ端末は、第1の無線通信装置及び第2の無線通信装置との二重接続通信を行う。前記ユーザ端末は、前記マスタ基地局に対して送信を行う第1の送信経路と前記セカンダリ基地局に対して送信を行う第2の送信経路とを介して、スプリットベアラに属するデータを前記第1の無線通信装置に伝達する処理を行う制御部を備える。前記制御部は、前記第1の送信経路と前記第2の送信経路との間のデータ送信比率を、前記第1の無線通信装置からの指示に依存することなく自律的に決定する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の無線通信装置及び第2の無線通信装置との二重接続通信を行うユーザ端末であって、
前記第1の無線通信装置に対して送信を行う第1の送信経路と前記第2の無線通信装置に対して送信を行う第2の送信経路とを介して、スプリットベアラに属するデータを前記第1の無線通信装置に伝達する処理を行う制御部を備え、
前記制御部は、前記第1の送信経路と前記第2の送信経路との間のデータ送信比率を、前記第1の無線通信装置からの指示に依存することなく自律的に決定することを特徴とするユーザ端末。
【請求項2】
前記制御部は、前記第1の無線通信装置に対して送信が完了していないデータのバッファ量と前記第2の無線通信装置に対して送信が完了していないデータのバッファ量とに基づいて、前記データ送信比率を決定することを特徴とする請求項1に記載のユーザ端末。
【請求項3】
前記制御部は、前記第1の無線通信装置と自ユーザ端末との間の無線品質パラメータと、前記第2の無線通信装置と自ユーザ端末との間の無線品質パラメータと、に基づいて、前記データ送信比率を決定することを特徴とする請求項1に記載のユーザ端末。
【請求項4】
前記制御部は、前記第1の無線通信装置から自ユーザ端末に対するリソース割り当ての状況と、前記第2の無線通信装置から自ユーザ端末に対するリソース割り当ての状況とに基づいて、前記データ送信比率を決定することを特徴とする請求項1に記載のユーザ端末。
【請求項5】
前記制御部は、前記第1の無線通信装置と自ユーザ端末との間の上りリンクビットレートの上限値と、前記第2の無線通信装置と自ユーザ端末との間の上りリンクビットレートの上限値と、に基づいて、前記データ送信比率を決定することを特徴とする請求項1に記載のユーザ端末。
【請求項6】
第1の無線通信装置及び第2の無線通信装置との二重接続通信を行うユーザ端末であって、
前記第1の無線通信装置に対して送信を行う第1の送信経路と前記第2の無線通信装置に対して送信を行う第2の送信経路とを介して、スプリットベアラに属するデータを前記第1の無線通信装置に伝達する処理を行う制御部を備え、
前記第1の送信経路と前記第2の送信経路との間のデータ送信比率を決定するための方式として、複数の方式が規定されており、
前記制御部は、前記複数の方式の中から選択された方式を使用して、前記データ送信比率を決定することを特徴とするユーザ端末。
【請求項7】
前記制御部は、前記第1の無線通信装置が選択した方式を示す設定情報を前記第1の無線通信装置から受信する処理を行い、前記第1の無線通信装置が選択した方式を使用して前記データ送信比率を決定することを特徴とする請求項6に記載のユーザ端末。
【請求項8】
前記複数の方式は、
前記第1の無線通信装置から前記データ送信比率が設定される方式と、
前記ユーザ端末が自律的に前記データ送信比率を決定する方式と、を含むことを特徴とする請求項6に記載のユーザ端末。
【請求項9】
前記複数の方式は、
RRC層のシグナリングにより、前記第1の無線通信装置から前記データ送信比率が静的に設定される方式と、
前記RRC層よりも下位層のシグナリングにより、前記第1の無線通信装置から前記データ送信比率が動的又は準静的に設定される方式と、を含むことを特徴とする請求項6に記載のユーザ端末。
【請求項10】
第2の無線通信装置と共に、ユーザ端末との二重接続通信を行う第1の無線通信装置であって、
前記ユーザ端末から前記第1の無線通信装置に対して送信を行う第1の送信経路と前記ユーザ端末から前記第2の無線通信装置に対して送信を行う第2の送信経路とを介して、スプリットベアラに属するデータを受信する処理を行う制御部を備え、
前記第1の送信経路と前記第2の送信経路との間のデータ送信比率を決定するための方式として、複数の方式が規定されており、
前記制御部は、前記複数の方式の中から1つの方式を選択して、選択した方式を示す設定情報を前記ユーザ端末に送信する処理を行うことを特徴とする無線通信装置。
【請求項11】
前記複数の方式は、
前記第1の無線通信装置から前記データ送信比率が設定される方式と、
前記ユーザ端末が自律的に前記データ送信比率を決定する方式と、を含むことを特徴とする請求項10に記載の無線通信装置。
【請求項12】
前記複数の方式は、
RRC層のシグナリングにより、前記第1の無線通信装置から前記データ送信比率が静的に設定される方式と、
前記RRC層よりも下位層のシグナリングにより、前記第1の無線通信装置から前記データ送信比率が動的又は準静的に設定される方式と、を含むことを特徴とする請求項10に記載の無線通信装置。
【請求項13】
前記制御部は、前記スプリットベアラに対応付けられたQCI(QoS Class Identifier)情報に基づいて、前記複数の方式の中から1つの方式を選択することを特徴とする請求項10に記載の無線通信装置。
【請求項14】
前記制御部は、前記第1の無線通信装置と前記第2の無線通信装置との間の伝搬遅延に基づいて、前記複数の方式の中から1つの方式を選択することを特徴とする請求項10に記載の無線通信装置。
【請求項15】
第1の無線通信装置及び第2の無線通信装置との二重接続通信を行うユーザ端末であって、
前記第1の無線通信装置に対して送信を行う第1の送信経路と前記第2の無線通信装置に対して送信を行う第2の送信経路とを介して、スプリットベアラに属するデータを前記第1の無線通信装置に伝達する処理を行う制御部を備え、
前記第2の無線通信装置との無線リンク障害が検知された場合において、前記制御部は、前記第2の送信経路に割り振られた送信未完了データを前記第1の送信経路に割り振り直すことを特徴とするユーザ端末。
【請求項16】
前記制御部は、前記第2の無線通信装置との無線リンク障害が検知されてから一定時間が経過した後において、前記第2の送信経路に割り振られた前記送信未完了データを前記第1の送信経路に割り振り直すことを特徴とする請求項15に記載のユーザ端末。
【請求項17】
前記制御部は、
前記第1の送信経路と前記第2の送信経路との間のデータ割り振りを行うPDCPエンティティと、
前記PDCPエンティティにより前記第1の送信経路に割り振られたデータを前記第1の無線通信装置に送信する第1のエンティティと、
前記PDCPエンティティにより前記第2の送信経路に割り振られたデータを前記第2の無線通信装置に送信する第2のエンティティと、を含み、
前記送信未完了データは、前記第2のエンティティから前記PDCPエンティティに対して送信完了が通知されていないデータであることを特徴とする請求項15に記載のユーザ端末。
【請求項18】
前記第2の無線通信装置との無線リンク障害が検知された場合において、前記第2のエンティティは、前記送信未完了データを破棄することを特徴とする請求項17に記載のユーザ端末。
【請求項19】
前記第2の無線通信装置との無線リンク障害が検知された後、前記第2の無線通信装置が復旧した場合において、前記PDCPエンティティは、前記第1の無線通信装置において未受信のデータを示すPDCP状態報告を前記第1の無線通信装置から取得することを特徴とする請求項17に記載のユーザ端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信システムにおけるユーザ端末及び無線通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
移動通信システムの標準化プロジェクトである3GPP(3rd Generation Partnership Project)において、二重接続(Dual Connectivity)通信が仕様化されている(例えば、非特許文献1参照)。二重接続通信は、RRC(Radio Resource Control)コネクティッドモードのユーザ端末にマスタセルグループ(MCG)及びセカンダリセルグループ(SCG)が設定される通信モードである。MCGは、マスタ基地局により管理されるサービングセル群である。SCGは、セカンダリ基地局により管理されるサービングセル群である。
【0003】
また、二重接続通信におけるユーザデータの転送方式について、MCGベアラ、SCGベアラ、スプリットベアラの計3つのタイプのベアラが規定されている。MCGベアラは、対応する無線プロトコルがマスタ基地局にのみ存在し、マスタ基地局のリソースのみを使用するベアラである。SCGベアラは、対応する無線プロトコルがセカンダリ基地局にのみ存在し、セカンダリ基地局のリソースのみを使用するベアラである。スプリットベアラは、対応する無線プロトコルがマスタ基地局及びセカンダリ基地局の両方に存在し、マスタ基地局及びセカンダリ基地局の両方のリソースを使用するベアラである。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】3GPP技術仕様書 「TS 36.300 V12.5.0」 2015年3月
【発明の概要】
【0005】
一つの実施形態に係るユーザ端末は、第1の無線通信装置及び第2の無線通信装置との二重接続通信を行う。前記ユーザ端末は、前記第1の無線通信装置に対して送信を行う第1の送信経路と前記セカンダリ基地局に対して送信を行う第2の送信経路とを介して、スプリットベアラに属するデータを前記第1の無線通信装置に伝達する処理を行う制御部を備える。前記制御部は、前記第1の送信経路と前記第2の送信経路との間のデータ送信比率を、前記第1の無線通信装置からの指示に依存することなく自律的に決定する。
【0006】
一つの実施形態に係るユーザ端末は、第1の無線通信装置及び第2の無線通信装置との二重接続通信を行う。前記ユーザ端末は、前記第1の無線通信装置に対して送信を行う第1の送信経路と前記第2の無線通信装置に対して送信を行う第2の送信経路とを介して、スプリットベアラに属するデータを前記第1の無線通信装置に伝達する処理を行う制御部を備える。前記第1の送信経路と前記第2の送信経路との間のデータ送信比率を決定するための方式として、複数の方式が規定されている。前記制御部は、前記複数の方式の中から選択された方式を使用して、前記データ送信比率を決定する。
【0007】
一つの実施形態に係る無線通信装置は、第2の無線通信装置と共に、ユーザ端末との二重接続通信を行う第1の無線通信装置である。前記第1の無線通信装置は、前記ユーザ端末から前記第1の無線通信装置に対して送信を行う第1の送信経路と前記ユーザ端末から前記第2の無線通信装置に対して送信を行う第2の送信経路とを介して、スプリットベアラに属するデータを受信する処理を行う制御部を備える。前記第1の送信経路と前記第2の送信経路との間のデータ送信比率を決定するための方式として、複数の方式が規定されている。前記制御部は、前記複数の方式の中から1つの方式を選択して、選択した方式を示す設定情報を前記ユーザ端末に送信する処理を行う。
【0008】
一つの実施形態に係るユーザ端末は、第1の無線通信装置及び第2の無線通信装置との二重接続通信を行う。前記ユーザ端末は、前記第1の無線通信装置に対して送信を行う第1の送信経路と前記第2の無線通信装置に対して送信を行う第2の送信経路とを介して、スプリットベアラに属するデータを前記第1の無線通信装置に伝達する処理を行う制御部を備える。前記第2の無線通信装置との無線リンク障害が検知された場合において、前記制御部は、前記第2の送信経路に割り振られた送信未完了データを前記第1の送信経路に割り振り直す。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態に係る移動通信システムの構成を示す図である。
図2】LTEシステムにおける無線インターフェイスのプロトコルスタック図である。
図3】実施形態に係るUE100(ユーザ端末)のブロック図である。
図4】実施形態に係るeNB200(基地局)のブロック図である。
図5】実施形態に係る上りリンクにおける二重接続通信を示す図である。
図6】第1実施形態に係るUE100(ユーザ端末)の動作を示すフロー図である。
図7】第2実施形態に係る動作シーケンスを示すシーケンス図である。
図8】第3実施形態に係る動作シーケンスを示すシーケンス図である。
図9】付記に係る再ルーティングメカニズムオプションを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[実施形態の概要]
3GPPリリース12においては、上りリンクにおけるスプリットベアラは実質的に機能していない。具体的には、上りリンクにおけるスプリットベアラについては、ユーザ端末からマスタ基地局に対して送信を行う第1の送信経路(MCGパス)とユーザ端末からセカンダリ基地局に対して送信を行う第2の送信経路(SCGパス)との何れか一方の上りリンクパスのみがRRCメッセージにより静的に設定される。すなわち、第1の送信経路及び第2の送信経路の両方を同時に使用することができない仕様になっている。
【0011】
しかしながら、3GPPリリース12よりも後のリリースにおいて、上りリンクにおけるスプリットベアラを高度化する試みがなされ得る。このため、第1の送信経路及び第2の送信経路の両方を同時に使用することが可能となり得る。
【0012】
以下の実施形態において、上りリンクにおけるスプリットベアラを高度化可能とするユーザ端末及び無線通信装置を開示する。
【0013】
第1実施形態に係るユーザ端末は、第1の無線通信装置及び第2の無線通信装置との二重接続通信を行う。前記ユーザ端末は、前記第1の無線通信装置に対して送信を行う第1の送信経路と前記第2の無線通信装置に対して送信を行う第2の送信経路とを介して、スプリットベアラに属するデータを前記第1の無線通信装置に伝達する処理を行う制御部を備える。前記制御部は、前記第1の送信経路と前記第2の送信経路との間のデータ送信比率を、前記第1の無線通信装置からの指示に依存することなく自律的に決定する。
【0014】
第2実施形態に係るユーザ端末は、第1の無線通信装置及び第2の無線通信装置との二重接続通信を行う。前記ユーザ端末は、前記第1の無線通信装置に対して送信を行う第1の送信経路と前記第2の無線通信装置に対して送信を行う第2の送信経路とを介して、スプリットベアラに属するデータを前記第1の無線通信装置に伝達する処理を行う制御部を備える。前記第1の送信経路と前記第2の送信経路との間のデータ送信比率を決定するための方式として、複数の方式が規定されている。前記制御部は、前記複数の方式の中から選択された方式を使用して、前記データ送信比率を決定する。
【0015】
第2実施形態に係る無線通信装置は、第2の無線通信装置と共に、ユーザ端末との二重接続通信を行う第1の無線通信装置である。前記第1の無線通信装置は、前記ユーザ端末から前記第1の無線通信装置に対して送信を行う第1の送信経路と前記ユーザ端末から前記第2の無線通信装置に対して送信を行う第2の送信経路とを介して、スプリットベアラに属するデータを受信する処理を行う制御部を備える。前記第1の送信経路と前記第2の送信経路との間のデータ送信比率を決定するための方式として、複数の方式が規定されている。前記制御部は、前記複数の方式の中から1つの方式を選択して、選択した方式を示す設定情報を前記ユーザ端末に送信する処理を行う。
【0016】
第3実施形態に係るユーザ端末は、第1の無線通信装置及び第2の無線通信装置との二重接続通信を行う。前記ユーザ端末は、前記第1の無線通信装置に対して送信を行う第1の送信経路と前記第2の無線通信装置に対して送信を行う第2の送信経路とを介して、スプリットベアラに属するデータを前記第1の無線通信装置に伝達する処理を行う制御部を備える。前記第2の無線通信装置との無線リンク障害が検知された場合において、前記制御部は、前記第2の送信経路に割り振られた送信未完了データを前記第1の送信経路に割り振り直す。
【0017】
[移動通信システム]
以下において、第1実施形態乃至第3実施形態に係る移動通信システムであるLTEシステムについて説明する。
【0018】
(システム構成)
図1は、実施形態に係る移動通信システムであるLTEシステムの構成を示す図である。
【0019】
図1に示すように、LTE(Long Term Evolution)システムは、UE(User Equipment)100、E−UTRAN(Evolved−UMTS Terrestrial Radio Access Network)10、及びEPC(Evolved Packet Core)20を備える。
【0020】
UE100は、ユーザ端末に相当する。UE100は、移動型の通信装置であり、セル(サービングセル)との無線通信を行う。UE100の構成については後述する。
【0021】
E−UTRAN10は、無線アクセスネットワークに相当する。E−UTRAN10は、eNB200(evolved Node−B)を含む。eNB200は、基地局に相当する。eNB200は、X2インターフェイスを介して相互に接続される。eNB200の構成については後述する。
【0022】
eNB200は、1又は複数のセルを管理しており、自セルとの接続を確立したUE100との無線通信を行う。eNB200は、無線リソース管理(RRM)機能、ユーザデータ(以下、単に「データ」という)のルーティング機能、モビリティ制御・スケジューリングのための測定制御機能等を有する。「セル」は、無線通信エリアの最小単位を示す用語として使用される他に、UE100との無線通信を行う機能を示す用語としても使用される。
【0023】
EPC20は、コアネットワークに相当する。EPC20は、MME(Mobility Management Entity)/S−GW(Serving−Gateway)300を含む。MMEは、UE100に対する各種モビリティ制御等を行う。S−GWは、データの転送制御を行う。MME/S−GW300は、S1インターフェイスを介してeNB200と接続される。E−UTRAN10及びEPC20は、ネットワークを構成する。
【0024】
(無線プロトコルの構成)
図2は、LTEシステムにおける無線インターフェイスのプロトコルスタック図である。
【0025】
図2に示すように、無線インターフェイスプロトコルは、OSI参照モデルの第1層乃至第3層に区分されており、第1層は物理(PHY)層である。第2層は、MAC(Medium Access Control)層、RLC(Radio Link Control)層、及びPDCP(Packet Data Convergence Protocol)層を含む。第3層は、RRC(Radio Resource Control)層を含む。
【0026】
物理層は、符号化・復号、変調・復調、アンテナマッピング・デマッピング、及びリソースマッピング・デマッピングを行う。UE100の物理層とeNB200の物理層との間では、物理チャネルを介してデータ及び制御信号が伝送される。
【0027】
MAC層は、データの優先制御、ハイブリッドARQ(HARQ)による再送処理、及びランダムアクセス手順等を行う。UE100のMAC層とeNB200のMAC層との間では、トランスポートチャネルを介してデータ及び制御信号が伝送される。eNB200のMAC層は、上下リンクのトランスポートフォーマット(トランスポートブロックサイズ、変調・符号化方式(MCS))及びUE100への割当リソースブロックを決定するスケジューラを含む。
【0028】
RLC層は、MAC層及び物理層の機能を利用してデータを受信側のRLC層に伝送する。UE100のRLC層とeNB200のRLC層との間では、論理チャネルを介してデータ及び制御信号が伝送される。
【0029】
PDCP層は、ヘッダ圧縮・伸張、及び暗号化・復号化を行う。
【0030】
RRC層は、制御信号を取り扱う制御プレーンでのみ定義される。UE100のRRC層とeNB200のRRC層との間では、各種設定のためのメッセージ(RRCメッセージ)が伝送される。RRC層は、無線ベアラの確立、再確立及び解放に応じて、論理チャネル、トランスポートチャネル、及び物理チャネルを制御する。UE100のRRCとeNB200のRRCとの間に接続(RRC接続)がある場合、UE100はRRCコネクティッドモード(コネクティッドモード)であり、そうでない場合、UE100はRRCアイドルモード(アイドルモード)である。
【0031】
RRC層の上位に位置するNAS(Non−Access Stratum)層は、セッション管理及びモビリティ管理等を行う。
【0032】
(ユーザ端末の構成)
図3は、実施形態に係るUE100(ユーザ端末)のブロック図である。図3に示すように、UE100は、受信部110、送信部120、及び制御部130を備える。
【0033】
受信部110は、制御部130の制御下で各種の受信を行う。受信部110は、アンテナ及び受信機を含む。受信機は、アンテナが受信する無線信号をベースバンド信号(受信信号)に変換して制御部130に出力する。
【0034】
送信部120は、制御部130の制御下で各種の送信を行う。送信部120は、アンテナ及び送信機を含む。送信機は、制御部130が出力するベースバンド信号(送信信号)を無線信号に変換してアンテナから送信する。
【0035】
制御部130は、UE100における各種の制御を行う。制御部130は、プロセッサ及びメモリを含む。メモリは、プロセッサにより実行されるプログラム、及びプロセッサによる処理に使用される情報を記憶する。プロセッサは、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号等を行うベースバンドプロセッサと、メモリに記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行うCPU(Central Processing Unit)と、を含む。プロセッサは、音声・映像信号の符号化・復号を行うコーデックを含んでもよい。プロセッサは、上述した各種の通信プロトコル及び後述する各種の処理を実行する。
【0036】
(基地局の構成)
図4は、実施形態に係るeNB200(基地局)のブロック図である。図4に示すように、eNB200は、送信部210、受信部220、制御部230、及びバックホール通信部240を備える。
【0037】
送信部210は、制御部230の制御下で各種の送信を行う。送信部210は、アンテナ及び送信機を含む。送信機は、制御部230が出力するベースバンド信号(送信信号)を無線信号に変換してアンテナから送信する。
【0038】
受信部220は、制御部230の制御下で各種の受信を行う。受信部220は、アンテナ及び受信機を含む。受信機は、アンテナが受信する無線信号をベースバンド信号(受信信号)に変換して制御部230に出力する。
【0039】
制御部230は、eNB200における各種の制御を行う。制御部230は、プロセッサ及びメモリを含む。メモリは、プロセッサにより実行されるプログラム、及びプロセッサによる処理に使用される情報を記憶する。プロセッサは、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号等を行うベースバンドプロセッサと、メモリに記憶されるプログラムを実行して各種の処理を行うCPU(Central Processing Unit)と、を含む。プロセッサは、上述した各種の通信プロトコル及び後述する各種の処理を実行する。
【0040】
バックホール通信部240は、X2インターフェイスを介して隣接eNBと接続され、S1インターフェイスを介してMME/S−GW300と接続される。バックホール通信部240は、X2インターフェイス上で行う通信及びS1インターフェイス上で行う通信等に使用される。
【0041】
[実施形態に係る二重接続通信]
図5は、実施形態に係る上りリンクにおける二重接続通信を示す図である。なお、図5は、ユーザプレーンのプロトコルスタックを図示している。また、図5において、物理層のエンティティの図示を省略している。
【0042】
図5に示すように、二重接続通信は、RRCコネクティッドモードのUE100にマスタセルグループ(MCG)及びセカンダリセルグループ(SCG)が設定される通信モードである。MCGは、MeNB200M(マスタ基地局)により管理されるサービングセル群である。SCGは、SeNB200S(セカンダリ基地局)により管理されるサービングセル群である。UE100は、MeNB200M及びSeNB200Sに接続し、MeNB200Mのスケジューラ及びSeNB200Sのスケジューラのそれぞれからリソース割当を受ける。実施形態において、MeNB200M(マスタ基地局)は第1の無線通信装置に相当し、SeNB200S(セカンダリ基地局)は第2の無線通信装置に相当する。
【0043】
MeNB200Mは、UE100とのRRC接続を有し、RRCメッセージをUE100と送受信することができる。SeNB200Sは、UE100とのRRC接続を有さず、RRCメッセージをUE100と送受信することができない。例えば、MeNB200Mはマクロセル基地局であり、SeNB200Mは小セル基地局であってもよい。
【0044】
MeNB200M及びSeNB200Sは、X2インターフェイスを介して相互に接続される。MeNB200M及びSeNB200Sのそれぞれは、S1インターフェイス(S1−Uインターフェイス)を介してS−GWと接続される。MeNB200Mは、S1インターフェイス(S1−MMEインターフェイス)を介してMMEと接続される。
【0045】
二重接続通信において、MCGベアラ、SCGベアラ、スプリットベアラの計3つのタイプのベアラ(データベアラ)が規定されている。
【0046】
MCGベアラに属するデータは、UE100のPDCPエンティティ11、RLCエンティティ21、及びMACエンティティ31の順に処理されてMeNB200Mに送信される。MCGベアラに属するデータは、MeNB200MのMACエンティティ41、RLCエンティティ51、及びPDCPエンティティ61の順に処理されてS−GWに転送される。
【0047】
SCGベアラに属するデータは、UE100のPDCPエンティティ13、RLCエンティティ24、及びMACエンティティ32の順に処理されてSeNB200Sに送信される。SCGベアラに属するデータは、SeNB200SのMACエンティティ42、RLCエンティティ54、及びPDCPエンティティ63の順に処理されてS−GWに転送される。
【0048】
スプリットベアラに属するデータは、UE100のPDCPエンティティ12において、MeNB200M(MCG)向けのRLCエンティティ22及びSeNB200S(SCG)向けのRLCエンティティ23に振り分けられる。具体的には、PDCPエンティティ12は、PDCP SDU(Service Data Unit)をPDCP PDU(Protocol Data Unit)に変換し、PDCP PDUごとにRLCエンティティ22及びRLCエンティティ23の何れか一方に振り分ける(ルーティング)。換言すると、PDCPエンティティ12は、スプリットベアラに属するデータを、MeNB200Mに対して送信を行う第1の送信経路(以下、「MCGパス」という)、及びSeNB200Mに対して送信を行う第2の送信経路(以下、「SCGパス」という)に振り分ける。
【0049】
MCGパスに関して、RLCエンティティ22は、PDCPエンティティ12により振り分けられたPDCP PDUをRLC SDUとして受け取り、RLC SDUをRLC PDUに変換してMACエンティティ31に出力する。MACエンティティ31は、RLCエンティティ22から出力されるRLC PDUをMAC SDUとして受け取り、MAC SDUをMAC PDUに変換し、物理層エンティティ(不図示)を介してMeNB200Mに送信する。
【0050】
SCGパスに関して、RLCエンティティ23は、PDCPエンティティ12により振り分けられたPDCP PDUをRLC SDUとして受け取り、RLC SDUをRLC PDUに変換してMACエンティティ32に出力する。MACエンティティ32は、RLCエンティティ23から出力されるRLC PDUをMAC SDUとして受け取り、MAC SDUをMAC PDUに変換し、物理層エンティティ(不図示)を介してSeNB200Sに送信する。
【0051】
また、SCGパスに関して、SeNB200SのMACエンティティ42は、物理層エンティティ(不図示)を介してMAC PDUを受け取り、MAC PDUをMAC SDUに変換してRLCエンティティ53に出力する。RLCエンティティ53は、MACエンティティ42から出力されるMAC SDUをRLC PDUとして受け取り、RLC PDUをRLC SDUに変換して、X2インターフェイスを介してMeNB200MのPDCPエンティティ62に出力する。
【0052】
一方、MCGパスに関して、MeNB200MのMACエンティティ42は、物理層エンティティ(不図示)を介してMAC PDUを受け取り、MAC PDUをMAC SDUに変換してRLCエンティティ52に出力する。RLCエンティティ52は、MACエンティティ41から出力されるMAC SDUをRLC PDUとして受け取り、RLC PDUをRLC SDUに変換してPDCPエンティティ62に出力する。
【0053】
PDCPエンティティ62は、MeNB200MのRLCエンティティ52から出力されるRLC SDUをPDCP PDU(MCGパス)として受け取りつつ、SeNB200SのRLCエンティティ53から出力されるRLC SDUをPDCP PDU(SCGパス)として受け取る。PDCPエンティティ62は、PDCP PDU(MCGパス)及びPDCP PDU(SCGパス)の並べ替え処理(いわゆる、PDCPリオーダリング)を行いつつ、PDCP PDUをPDCP SDUに変換する。
【0054】
[第1実施形態]
以下において、第1実施形態について説明する。
【0055】
(第1実施形態に係る動作フロー)
図6は、第1実施形態に係るUE100(ユーザ端末)の動作を示すフロー図である。第1実施形態に係るUE100の制御部130は、MeNB200Mに対して送信を行うMCGパスとSeNB200Mに対して送信を行うSCGパスとを介して、スプリットベアラに属するデータをMeNB200Mに伝達する処理を行う。図5に示すフローは、繰り返し実行されてもよい。
【0056】
図6に示すように、ステップS101において、制御部130は、MCGパスとSCGパスとの間のデータ送信比率を、MeNB200Mからの指示に依存することなく自律的に決定する。上述したように、UE100のPDCPエンティティ12は、PDCP PDUをRLCエンティティ22(MCGパス)及びRLCエンティティ23(SCGパス)に振り分ける。制御部130は、MCGパス及びSCGパスを同時に使用する前提下において、どの程度の割合でPDCP PDUをRLCエンティティ22(MCGパス)及びRLCエンティティ23(SCGパス)に振り分けるかを自律的に決定する。当該決定は、PDCPエンティティ12が行ってもよいし、PDCPエンティティ12以外のエンティティ(例えばUE100のRRCエンティティ)が行ってもよい。
【0057】
制御部130は、以下の方法のうち少なくとも1つの方法により、データ送信比率を決定する。
【0058】
第1の方法において、制御部130は、MeNB200Mに対して送信が完了していないデータのバッファ量とSeNB200Mに対して送信が完了していないデータのバッファ量とに基づいて、データ送信比率を決定する。MeNB200Mに対して送信が完了していないデータのバッファ量とは、MCGパスにおけるデータのバッファ量である。MCGパスにおけるデータとは、MCGパスに振り分けられたPDCP PDU(RLC SDU)、RLC PDU(MAC SDU)、MAC PDUのうち少なくとも1つである。また、SeNB200Mに対して送信が完了していないデータのバッファ量とは、SCGパスにおけるデータのバッファ量である。SCGパスにおけるデータとは、SCGパスに振り分けられたPDCP PDU(RLC SDU)、RLC PDU(MAC SDU)、MAC PDUのうち少なくとも1つである。制御部130は、MCGパス及びSCGパスのうちバッファ量が少ない方のパスのデータ送信比率を高くしてもよい。制御部130は、MCGパス及びSCGパスのうちバッファ量が多い方のパスのデータ送信比率を低くしてもよい。
【0059】
第2の方法において、制御部130は、MeNB200Mと自UE100との間の無線品質パラメータと、SeNB200Mと自UE100との間の無線品質パラメータと、に基づいて、データ送信比率を決定する。無線品質パラメータとは、例えば下りリンクの参照信号の受信電力又は受信品質、エラーレート等である。但し、このような物理層の無線品質パラメータに限らず、レイヤ2の無線品質パラメータ(スループット等)を使用してもよい。制御部130は、MCGパス及びSCGパスのうち無線品質パラメータが良好な方のパスのデータ送信比率を高くしてもよい。制御部130は、MCGパス及びSCGパスのうち無線品質パラメータが劣悪な方のパスのデータ送信比率を低くしてもよい。
【0060】
第3の方法において、制御部130は、MeNB200Mから自UE100に対するリソース割り当ての状況と、SeNB200Mから自UE100に対するリソース割り当ての状況とに基づいて、データ送信比率を決定する。リソース割り当ての状況とは、主として上りリンク無線リソースの割当(UL grant)の状況である。制御部130は、MCGパス及びSCGパスのうちリソース割り当てが多い方のパスのデータ送信比率を高くしてもよい。制御部130は、MCGパス及びSCGパスのうちリソース割り当てが少ない方のパスのデータ送信比率を低くしてもよい。或いは、制御部130は、MCGパス及びSCGパスのうちリソース割り当てがある方のパスのデータ送信比率を高くし、リソース割り当てがない方のパスのデータ送信比率を低くしてもよい。
【0061】
第4の方法において、制御部130は、MeNB200Mと自UE100との間の上りリンクビットレートの上限値と、SeNB200Mと自UE100との間の上りリンクビットレートの上限値と、に基づいて、データ送信比率を決定する。上りリンクビットレートの上限値とは、例えばセルごとに設定される「Maximum Bit Rate」である。制御部130は、MCGパス及びSCGパスのうち上りリンクビットレートの上限値が大きい方のパスのデータ送信比率を高くしてもよい。制御部130は、MCGパス及びSCGパスのうち上りリンクビットレートの上限値が小さい方のパスのデータ送信比率を低くしてもよい。
【0062】
次に、ステップS102において、制御部130(PDCPエンティティ12)は、ステップS101により決定したデータ送信比率に従って、PDCP PDUをRLCエンティティ22(MCGパス)及びRLCエンティティ23(SCGパス)に振り分ける。
【0063】
(第1実施形態のまとめ)
第1実施形態において、UE100は、MCGパスとSCGパスとの間のデータ送信比率を、MeNB200Mからの指示に依存することなく自律的に決定する。これにより、UE100の状況に適応したデータ送信比率を動的に決定することができる。また、MeNB200MとUE100との間のシグナリングの増加を回避することができる。
【0064】
[第2実施形態]
以下において、第2実施形態について、第1実施形態との相違点を主として説明する。第2実施形態においては、MCGパスとSCGパスとの間のデータ送信比率を決定するための方式として、複数の方式が規定されている場合を想定する。
【0065】
(第2実施形態に係る動作シーケンス)
図7は、第2実施形態に係る動作シーケンスを示すシーケンス図である。
【0066】
図7に示すように、ステップS201において、MeNB200Mの制御部230は、MCGパスとSCGパスとの間のデータ送信比率を決定するための複数の方式(以下、「MCC・SGG比率決定方式」という)の中から1つの方式を選択する。
【0067】
複数のMCC・SGG比率決定方式は、MeNB200Mからデータ送信比率が設定される方式と、UE100が自律的にデータ送信比率を決定する方式と、を含む。MeNB200Mからデータ送信比率が設定される方式は、MeNB200M主導の方式である。UE100が自律的にデータ送信比率を決定する方式は、第1実施形態において説明した方式である。
【0068】
また、MeNB200M主導の方式は、RRC層のシグナリングにより、MeNB200Mからデータ送信比率が静的に設定される方式と、RRC層よりも下位層のシグナリングにより、MeNB200Mからデータ送信比率が動的又は準静的に設定される方式と、を含む。前者の場合、データ送信比率の固定値がRRC層のシグナリングによりUE100に設定される。後者の場合、UE100からの報告に応じてMeNB200Mがデータ送信比率を決定する。なお、RRC層よりも下位層のシグナリングとは、例えばPDCP層のシグナリングである。
【0069】
MeNB200Mの制御部230は、スプリットベアラに対応付けられたQCI(QoS Class Identifier)情報に基づいて、複数のMCC・SGG比率決定方式の中から1つの方式を選択してもよい。例えば、要求されるQoSが低い場合には、X2インターフェイスにおける遅延(伝搬遅延)を考慮する必要性が低いと判断して、UE100が自律的にデータ送信比率を決定する方式を選択する。これに対し、要求されるQoSが高い場合(特に、遅延が致命的になりうるデータ)については、X2インターフェイスにおける遅延(伝搬遅延)を考慮する必要性が高いと判断して、MeNB200M主導の方式(PDCP層のシグナリングによりデータ送信比率を動的又は準静的に設定する方式、又は、RRC層のシグナリングによりデータ送信比率を静的に設定する方式)を選択する。なお、MeNB200Mの制御部230は、X2インターフェイスの遅延時間を予め取得していてもよいし、定期的に測定してもよい。
【0070】
MeNB200Mの制御部230は、MeNB200MとSeNB200Mとの間のX2インターフェイスの遅延の状況に基づいて、複数のMCC・SGG比率決定方式の中から1つの方式を選択してもよい。X2インターフェイスの遅延が小さい場合には、動的にデータ送信比率を設定する必要がないとみなして、RRC層のシグナリングによりデータ送信比率を静的に設定する方式を選択する。これに対し、X2インターフェイスの遅延が大きい場合には、動的にデータ送信比率を設定する必要性が高いとみなして、PDCP層のシグナリングによりデータ送信比率を動的又は準静的に設定する方式、又は、UE100が自律的にデータ送信比率を決定する方式を選択する。
【0071】
ステップS202において、MeNB200Mの制御部230は、ステップS201により選択したMCC・SGG比率決定方式を示す設定情報をUE100に送信する。当該設定情報は、MCC・SGG比率決定方式の識別子だけでなく、対象とするベアラ(スプリットベアラ)の識別子を含んでもよい。また、当該設定情報は、個別RRCシグナリング(例えば、「RRC Connection Reconfiguration」メッセージ)により送信されてもよい。
【0072】
UE100の制御部130は、MeNB200Mが選択したMCC・SGG比率決定方式を示す設定情報をMeNB200Mから受信する処理を行い、MeNB200Mが選択したMCC・SGG比率決定方式を使用してデータ送信比率を決定する。MeNB200M主導の方式が選択された場合、UE100の制御部130は、MeNB200Mが決定したデータ送信比率を示す情報を受信する処理を行う(ステップS203)。これに対し、第1実施形態において説明したUE主導の方式が選択された場合、UE100の制御部130は、データ送信比率を自律的に決定する処理を行う。
【0073】
(第2実施形態のまとめ)
上述したように、第2実施形態によれば、複数のMCC・SGG比率決定方式の中から、状況に応じて最適な方式を使用することが可能になる。
【0074】
[第3実施形態]
以下において、第3実施形態について、第1実施形態及び第2実施形態との相違点を主として説明する。
【0075】
第3実施形態は、第1実施形態又は第2実施形態に係る二重接続通信を行う状況下において、UE100がSeNB200Sとの無線リンク障害(S−RLF)を検知した場合の動作に関する。
【0076】
(第3実施形態に係る動作シーケンス)
図8は、第3実施形態に係る動作シーケンスを示すシーケンス図である。
【0077】
図8に示すように、ステップS301において、UE100の制御部130は、SeNB200Mとの無線リンク障害(S−RLF)を検知する。例えば、SCGに含まれるプライマリ・セカンダリセル(PSCell)とのRLF(S−RLF)が検知される。その結果、SCGパスを介したデータ送信が不能となるが、MCGパスを介したデータ送信は継続される。UE100の制御部130は、S−RLFに関する報告をMeNB200Mに送信してもよい(ステップS302)。
【0078】
S−RLFの発生により、SCGパスに割り振られた送信未完了データがMeNB200Mに伝達されないため、MeNB200MにおけるPDCPリオーダリングが完了せずに、PDCPリオーダリング用のバッファがオーバーフローし得る。
【0079】
そこで、ステップS303において、UE100の制御部130は、SCGパスに割り振られた送信未完了データをMCGパスに割り振り直す(リルート処理)。その結果、SCGパスに割り振られた送信未完了データは、MCGパスを介してMeNB200Mに伝達される。
【0080】
上述したように、UE100の制御部130は、MCGパスとSCGパスとの間のデータ割り振りを行うPDCPエンティティ12と、PDCPエンティティ12によりMCGパスに割り振られたデータをMeNB200Mに送信するRLCエンティティ22(第1のRLCエンティティ)と、PDCPエンティティによりSCGパスに割り振られたデータをSeNB200Mに送信するRLCエンティティ23(第2のRLCエンティティ)と、を含む。SCGパスに割り振られた送信未完了データとは、RLCエンティティ23からPDCPエンティティ12に対して送信完了(Successful Delivery Indication)が通知されていないデータ(PDCP PDU)である。
【0081】
リルート処理において、PDCPエンティティ12は、「Successful Delivery Indication」が通知されていないPDCP SDUからPDCP PDUを改めて作成し、当該PDCP PDUをRLCエンティティ22(MCGパス)に割り振ってもよい。なお、PDCPエンティティ12は、「Successful Delivery Indication」が通知されるまでは、PDCP SDU(PDCP PDU)を破棄すること無く保持している。或いは、リルート処理において、PDCPエンティティ12又はRLCエンティティ23は、RLCエンティティ23が保持しているPDCP PDU(RLC SDU)をRLCエンティティ22に転送するように制御してもよい。
【0082】
ステップS304において、SCGパスに対応するRLCエンティティ23(第2のRLCエンティティ)は、保持しているRLC SDU(送信未完了データ)を破棄する。RLCエンティティ23がRLC SDU(送信未完了データ)を保持し続けていると、SeNB200S(SCG)が復旧した場合に、MeNB200Mに同じデータが二重で伝達されてしまう。ここで、PDCPはすでに二重送信破棄機能を備えているが、ウィンドウサイズをオーバーしたSN(Sequence Number)については適切な処理をできない虞がある。特に、S−RLFからSeNB200Sが復旧するまでにこのウィンドウサイズを超えたデータがMeNB200Mのバッファにストックされてしまう可能性は十分にある。また、既存仕様においてPDCP PDUを再送するための処理(PDCP Data Recovery)は、RRC再設定がされるまでは実行されないため、上記問題を解決できない。このため、RLCエンティティ23がRLC SDU(送信未完了データ)を破棄することにより、そのような2重化(Duplication)の問題を回避することができる。
【0083】
ステップS305において、MeNB200M及びSeNB200Sは、SCGに含まれるプライマリ・セカンダリセル(PSCell)を変更するためのSCG修正手順を行ってもよい。但し、SCG修正手順は必須ではなく、SCG修正手順を行わなくてもよい。これにより、SeNB200S(SCG)が復旧し、二重接続通信が再開される。
【0084】
ステップS306において、MeNB200Mの制御部230(PDCPエンティティ62)は、MeNB200Mにおいて未受信のデータ(PDCP PDU又はPDCP SDU)を示すPDCP状態報告をUE100に通知する。UE100の制御部130(PDCPエンティティ12)は、PDCP状態報告をMeNB200Mから取得する。これにより、UE100の制御部130(PDCPエンティティ12)は、MeNB200Mに伝達済みのPDCP PDU(又はPDCP SDU)を把握し、MeNB200Mに伝達済みのPDCP PDU(又はPDCP SDU)を送信しないように制御することができる。
【0085】
(第3実施形態のまとめ)
上述したように、UE100は、S−RLFを検知した場合において、SCGパスに割り振られた送信未完了データをMCGパスに割り振り直す。これにより、MeNB200MにおけるPDCPリオーダリング用のバッファがオーバーフローすることを防止することができる。
【0086】
[第3実施形態の変更例]
UE100の制御部130は、SeNB200Mとの無線リンク障害が検知されてから一定時間が経過した後において、SCGパスに割り振られた送信未完了データをMCGパスに割り振り直してもよい。すなわち、S−RLFを検知して直ぐにリルート処理を行うのではなく、所定のタイマ期間だけ待ってリルート処理を行う。これにより、当該タイマ期間内にSeNB200S(SCG)が復旧した際に、SCGパスに割り振られた送信未完了データをSCGパスによりSeNB200Sに送信することができる。当該タイマ期間は、MeNB200Mから事前に指定されてもよい。
【0087】
また、UE100の制御部130(RLCエンティティ23)は、SeNB200Mとの無線リンク障害が検知されてから一定時間が経過した後において、保持しているRLC SDU(送信未完了データ)を破棄してもよい。すなわち、S−RLFを検知して直ぐにRLC SDU(送信未完了データ)を破棄するのではなく、所定のタイマ期間だけ待って破棄する。これにより、当該タイマ期間内にSeNB200S(SCG)が復旧した際に、SCGパスに割り振られた送信未完了データをSCGパスによりSeNB200Sに送信することができる。当該タイマ期間は、MeNB200Mから事前に指定されてもよい。
【0088】
[その他の実施形態]
上述した第1実施形態乃至第3実施形態は、別個独立して実施してもよいし、2以上の実施形態を組み合わせて実施してもよい。
【0089】
上述した各実施形態において、移動通信システムとしてLTEシステムを例示し、WWAN通信としてLTE通信を例示した。しかしながら、本発明はLTEシステムに限定されない。LTEシステム以外の移動通信システムに本発明を適用してもよい。
【0090】
上述した各実施形態において、MeNB200M(マスタ基地局)が第1の無線通信装置に相当し、SeNB200S(セカンダリ基地局)が第2の無線通信装置に相当する一例を説明した。しかしながら、上述した各実施形態は、基地局及びWLANノードとの二重接続通信(LTE・WLANアグリゲーション通信)に応用してもよい。すなわち、上述した各実施形態において、MeNB200Mを基地局と読み替え、SeNB200MをWLANノードと読み替えてもよい。WLANノードは、WLANアクセスポイント(AP)を含む。WLANノードは、WLANアクセスコントローラ(AC)を含んでもよい。また、LTE・WLANアグリゲーション通信に応用する場合、WLANノードは基地局と一体型のタイプであってもよい。さらに、LTE・WLANアグリゲーション通信の場合、WLAN側にRLCは存在せず、RLCはWLANにおいてRLCに相当するエンティティに置き換えられる。RLCに相当するエンティティとは、例えばIEEE MAC(WLAN MAC)である。
【0091】
[付記]
(導入)
本付記において、上りリンクスプリットベアラのユーザプレーンの様態の詳細は検討され、いくつかの提言は提供される。
【0092】
(上りリンクスプリットベアラをサポートするMAC)
(スケジューリングリクエスト及びバッファ状態レポート)
Rel−12において既に合意されるように、UEにおけるMACエンティティは、セルグループ毎に設定される(すなわち、MCGに対する1つのMAC及びSCGに対する1つのMAC)。この構成は、各eNBにおける独立スケジューリングプロセスと、既存のメカニズムを再利用する可能性と、を許容する。更に、二重eNBにおける二重スケジューラからの利益を最大にするために、各MACの完全に独立した運用がサポートされるべきである。これはまた、必要なX2での2つのeNB間の協調を減らすことができる。上記の原則を満たすために、既存のメカニズムは、上りリンクスプリットベアラをサポートするように再利用されるべきである。
【0093】
提案1:既存のSR/BSRメカニズムは、ULスプリットベアラをサポートするように再利用されるべきである。
【0094】
(論理チャネル優先度付け)
2つのオプション、すなわち、共通バケツ及び個別バケツが提案された。2つの個別バケツの場合においてPBR値がどのように設定されるかが明確ではないので、共通バケツオプションは、スプリットベアラの要求QoSが満たされることを確保するのに有益であり得る。一方、個別バケツオプションは既存のメカニズムと一致するので、仕様への影響が大幅に低減され、かつ、MACの独立プロセスはサポートされ得る。
【0095】
Rel−12において、RAN2指定のスプリットベアラは、RLC AMだけのためにサポートされる。この制限は、RAN2が達成した以下の合意に由来する。
【0096】
スプリットモードにおいてRLC UMベアラをサポートしない。
【0097】
この合意は、GBRベアラがスプリットベアラにより構成されていないことを意味するので、UE複雑さを低減するために共通バケツオプションを使用する利点がない。
【0098】
個別バケツオプションを使うと、独立プロセスを容易にし、QoS制御は、より高い層、すなわち、PDCP及び/又はRRCにおいて対処され得る。
【0099】
提案2:個別バケツメカニズムは、ULスプリットベアラのために、各セルグループに対してサポートされるべきである。
【0100】
ネットワークの観点から対処されるべきもう1つの問題は、制限されるバッファサイズを有し得るMeNBのPDCP層での再順序付けプロセスの取り扱いである。こらは、上りリンクベアラに対するサポートの一部として考えるべきである。
【0101】
MeNBにおけるPDCP再順序付けプロセスでのバッファオーバフローを回避するために、スプリットベアラでの上りリンクパケット配送は、無線状態及びX2レイテンシに起因する、MeNBパスとSeNBパスとの間のレイテンシパフォーマンスの違いを考慮する必要がある。
【0102】
ベースラインとして、スプリットベアラのSCG部分の優先度付けは、スプリットベアラのMCG部分よりも優先されるべきである。しかし、これはeNB実装により対処され得る。
【0103】
提案3:PDCPバッファオーバフローを回避するために、スプリットベアラのMCG部分よりもSCG部分を優先することは必要とするが、これはeNB実装により対処され得る。
【0104】
(上りリンクスプリットベアラをサポートするためのPDCP)
(2つのルートのスケーリング)
送信のための利用可能なデータは検討され、かつ、オプション3は、MCG又はSCGへのデータルーティング機能における差異、すなわち、PDCP PDUがどのようにMCG又はSCGに向かって配送されるか、を許容するメカニズムとして記載される。この検討に基づいて、送信のためのデータが利用可能である場合において、2つのルートの間のスケーリングをどのように扱うかの決定がない。スケーリングのために以下の4つの選択肢は考慮され得る。
【0105】
選択肢1.RRC configurationは、パケット配送ルートのスケーリングの固定値、例えば、30%:70%を提供する。このオプションは、簡単であるが、両方のリンクの状態の変更、例えば、スループット及び/又はレイテンシ、に容易に適応できない。スケーリング値を変更するためにRRC Connection Reconfigurationが必要とする。
【0106】
選択肢2.MeNBのスケジューラは、両方のリンクの状態変更を考慮してスケーリングの動的/半静的値を提供する。このオプションはより複雑であり、増加したオーバヘッドを要求し得るが、多くのゲインが期待される。
【0107】
選択肢3.UE自身が比率を決める(UE実装)。UEは、MCG/SCGのためのバッファ状態の量、無線状態、各CGを介するスループット、及びULグラントの有無を考慮して比率を決定し得る。
【0108】
選択肢4.MeNBは、上記の複数の解決策から1つの解決策を選択する。MeNBは、例えば、X2遅延がどれくらいクリティカルかに基づいて、どの解決策を使用するのを決定し得る。
【0109】
提案4:スプリットベアラでのパケット配送のために、MCGパスとSCGパスとの間のスケーリングに対して、上記の選択肢のどれが採用されるべきかを検討すべきである。
【0110】
(2つのルートを考慮した破棄ルール)
現在の仕様によれば、以下の状況の下にPDCP破棄は発生する。
【0111】
(5.4PDCP破棄)
PDCP SDUに対してdiscardTimerが満了する場合、或いは、PDCP SDUの配送成功がPDCP状態レポートによって確認される場合、UEは、対応するPDCP PDUと一緒に該PDCP SDUを破棄しなければならない。対応するPDCP PDUが既に低い層に提出されたら、低い層に破棄を指示する。
【0112】
上記のメカニズムは、1つのデータパス、すなわち、二重接続におけるMCGベアラ又はSCGベアラ、を仮定する。
【0113】
考察1:既存のPDCP破棄メカニズムは、1つのデータパスがMCGベアラ又はSCGベアラのために再利用され得ることを仮定する。
【0114】
考察2:既存のPDCP破棄メカニズムは、スプリットベアラに対して再利用され得るか否かを明確にする必要がある。
【0115】
スプリットベアラに伴う1つの主な利点は、2つのパスを使用してパケットを配送する機会である。既存のメカニズムもスプリットベアラに有効であり得るが、パケットを効率的に送信し、かつ、PDCP SDU/PDUの不必要な破棄をなくすために、可能な強化が考慮されるべきである。例えば、SCGが小セル、すなわち、ピコセル又はフェムトセル、として展開することは一般的知られている。かつ、MCGとUEとの間のモビリティロバスト性は、SCGとUEとの間よりも頼もしい。UEがSCGのセル端部に向かって移動する時、SCGに向かって送信しようとするPDCP SDU/PDUが正常に配送されることが期待されない。代わりに、SDU/PDUの不必要な破棄を回避するために、PDCP SDU/PDUは、より良いモビリティロバスト性を持つMCGに対して再ルーティングされるべきである。これを達成するために、以下の3つのオプションが考慮され得る。
【0116】
1.破棄タイマが満了する際に再ルーティングを許容する新たなルールを導入する。例えば、タイマが満了する時、UEは他のセルグループに向かって関連するPDCP SDU/PDUを再送信しようとする。同じタイマがもう一回満了する時、UEはPDCP SDU/PDUを破棄する。
【0117】
2.各セルグループに対して二重破棄タイマを導入する。このオプションを使うと、UEは、PDCP SDU/PDUが、他のセルグループに対して再送信されるべきであるか(1つのタイマが満了する時)、破棄されるべきであるか(両方のタイマが満了する時)を決定し得る。
【0118】
3.再ルーティング及破棄のための二重破棄タイマを導入する。このオプションを使うと、UEは、まだ正常に配送されていないPDCP SDU/PDUを再送信しようとするべきであり、かつ、第1タイマが満了する場合に第2タイマを開始する。その後、第2タイマが満了したら、UEは、PDCP SDU/PDUを破棄する。
【0119】
この3つのオプションは図9に示される。
【0120】
オプション2及び3は、タイマ構成においてより多くの柔軟性を有する。オプション1が1つのタイマ値のみにより構成されることができ、同じタイマが2回使用される。例えば、SeNBが一般的に小セルとして想定しているので、SeNBに向かう無線リンクが、MeNBに向かう無線リンクよりも多くのキャパシティ、例えば、ユーザごとのスループットを有すると仮定し得る。この場合、 PDCP SDU/PDUを維持するための非必要な延長時間を回避するために、SeNBのための破棄タイマは、MeNBよりも短いタイマにより構成されるべきである。UEモビリティに起因して、SeNBとの無線状態がMeNBとの無線状態よりも悪い場合、同じ二重タイマ構成もうまく動作できる。従って、二重破棄タイマを使うと、オプション2又は3のどちらも、潜在的なゲインを実現するためにより適切である。
【0121】
提案5: スプリットベアラのために二重破棄タイマを導入すべきである。
【0122】
(2つのルートを考慮するSCG−RLFの場合)
Rel−12において、UEは、SCG−RLFの検出に応じて、全てのSCG DRBを停止し、スプリットDRBのためのSCG送信を停止しなければならい。しかし、スプリットDRBのためのMCG送信に対する制限がない。この挙動はRAN2の合意に対応している。
【0123】
3 S−RLFの際に、MeNBを介するスプリットベアラのデータ送信は維持される。
【0124】
Rel−12において、UEは、実際に、MeNBとSeNBとの何れかの1つのeNBに向かって上りリンクベアラを送る。UEがSeNBに上りリンクを送り、SCG−RLFがその後検出される場合において、UEは、MeNBに向かって全てのPDCPパケットの送信をリダイレクトし、SeNBに向かう全てのPDCPパケットの送信を停止すべきである。しかし、SeNBへの一部のパケットが停止されると同時にUEはMeNBに向かって一部のPDCPパケット送信を送信すると、PDCPが再確立されないので、MeNBでのバッファオーバフローを引き起こし得る。
【0125】
この問題を解決するために、UEは、RRC Reconfigurationなしで、MeNBに向かって、SeNBで待っているPDCP PDUを自律的に再ルーティングすべきである。すると、バッファオーバフローが回避され得る。SCG−RLFの検出は、このようなMeNBへの再ルーティングが必要とすることに対する良い指示である。PDCP再確立のための既存の手順は、このシナリオに再利用され得る。
【0126】
提案6:SCG−RLFは、全ての未応答のPDCPパケットがMeNBへ再ルーティングされるべきであることをUEに指示するのに使用されるべきである。
【0127】
SCG−RLFが検出された後、SCG変更手順を通じてSeNBが再開される可能性がある。この場合、パケットが既にMeNBによって受信されるが、UEは、SeNBを通じて同じパケットを送り得る。この重複を回避するために、UEにおけるSCG−RLCは、SCG−RLFに応じて自身のSDUを破棄すべきである。PDCP層における重複を防止するために、MeNBは、SeNB稼働の再開に応じてPDCP状態レポートをUEに提供すべきである。これで、UEは未応答のPDCPパケットのみをSeNBに送信する。
【0128】
提案7:SCG−RLFに応じてUEにおけるSCG−RLCは自身のSDUを破棄すべきである。
【0129】
提案8:PDCP層における重複を防止するために、MeNBは、SeNB稼働の再開に応じてPDCP状態レポートをUEに提供すべきである。
【0130】
(結論)
この付記において、UEとネットワークとの両方の観点から、MAC及びPDCP層による上りリンクスプリットベアラへのサポートが分析される。MAC層において、個別バケツオプションが提案される。
【0131】
PDCP層において、スケーリング問題を対処するためのオプションが提案される。更に、PDCPデータユニットを再ルーティングするための二重破棄タイマが採用されるべきであることが提案される。SCG−RLFの検出に応じてPDCPデータユニットを再ルーティングすることも検討される。
【0132】
[相互参照]
米国仮出願第62/145700号(2015年4月10日)の全内容が参照により本願明細書に組み込まれている。
【産業上の利用可能性】
【0133】
本発明は、通信分野において有用である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9

【手続補正書】
【提出日】2017年10月4日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の基地局及び第2の基地局との二重接続通信を行うユーザ端末であって、
前記第1の基地局に対して送信を行う第1の送信経路と前記第2の基地局に対して送信を行う第2の送信経路とを介して、スプリットベアラに属するデータを前記第1の基地局に伝達する処理を行う制御部を備え、
前記制御部は、前記データを前記第1の基地局に伝達する際に、前記第1の基地局からの指示に依存することなく自律的に、前記データを前記第1の送信経路及び前記第2の送信経路に振り分けることを特徴とするユーザ端末。
【請求項2】
前記制御部は、前記第1の送信経路と前記第2の送信経路との間のデータ送信比率を前記第1の基地局からの指示に依存することなく自律的に決定し、
前記制御部は、前記決定したデータ送信比率に従って前記データを前記第1の送信経路及び前記第2の送信経路に振り分けることを特徴とする請求項1に記載のユーザ端末。
【請求項3】
前記制御部は、前記第1の基地局に対して送信が完了していないデータのバッファ量と前記第2の基地局に対して送信が完了していないデータのバッファ量とに基づいて、前記データ送信比率を決定することを特徴とする請求項2に記載のユーザ端末。
【請求項4】
前記制御部は、前記第1の基地局と自ユーザ端末との間の無線品質パラメータと、前記第2の基地局と自ユーザ端末との間の無線品質パラメータと、に基づいて、前記データ送信比率を決定することを特徴とする請求項1に記載のユーザ端末。
【請求項5】
前記制御部は、前記第1の基地局から自ユーザ端末に対するリソース割り当ての状況と、前記第2の基地局から自ユーザ端末に対するリソース割り当ての状況とに基づいて、前記データを前記第1の送信経路及び前記第2の送信経路に振り分けることを特徴とする請求項1に記載のユーザ端末。
【請求項6】
前記制御部は、前記第1の基地局と自ユーザ端末との間の上りリンクビットレートの上限値と、前記第2の基地局と自ユーザ端末との間の上りリンクビットレートの上限値と、に基づいて、前記データ送信比率を決定することを特徴とする請求項2に記載のユーザ端末。
【請求項7】
第1の基地局及び第2の基地局との二重接続通信を行うユーザ端末に用いる通信方法であって、
前記第1の基地局に対して送信を行う第1の送信経路と前記第2の基地局に対して送信を行う第2の送信経路とを介して、スプリットベアラに属するデータを前記第1の基地局に伝達するステップと、
前記データを前記第1の基地局に伝達する際に、前記第1の基地局からの指示に依存することなく自律的に、前記データを前記第1の送信経路及び前記第2の送信経路に振り分けるステップと、を備えることを特徴とする通信方法。
【請求項8】
第1の基地局及び第2の基地局との二重接続通信を行うユーザ端末を制御するためのプロセッサであって、
前記第1の基地局に対して送信を行う第1の送信経路と前記第2の基地局に対して送信を行う第2の送信経路とを介して、スプリットベアラに属するデータを前記第1の基地局に伝達する処理と、
前記データを前記第1の基地局に伝達する際に、前記第1の基地局からの指示に依存することなく自律的に、前記データを前記第1の送信経路及び前記第2の送信経路に振り分ける処理と、を実行することを特徴とするプロセッサ。
【国際調査報告】