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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2016年10月27日
【発行日】2017年12月21日
(54)【発明の名称】運用管理システム及び運用管理方法
(51)【国際特許分類】
   G05B 23/02 20060101AFI20171124BHJP
【FI】
   G05B23/02 302Y
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】27
【出願番号】特願2017-513844(P2017-513844)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2015年4月20日
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002365
【氏名又は名称】特許業務法人サンネクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野尻 徹
(72)【発明者】
【氏名】緒方 祐次
【テーマコード(参考)】
3C223
【Fターム(参考)】
3C223AA21
3C223BA03
3C223BB09
3C223CC02
3C223CC03
3C223DD03
3C223EB01
3C223FF13
3C223FF22
3C223FF26
3C223FF45
3C223FF46
3C223GG03
(57)【要約】
【課題】異常予兆の検知処理の一部を各拠点で行うことによりデータ転送量の低減及び中央拠点での計算資源の増大を抑制する。
【解決手段】対象拠点の制御部は、装置の設計仕様で定められた所定条件に基づいて、稼働データから装置の異常を検知して異常検知アラートを発生させ、予兆検知予備アラートルールに基づいて、前記稼働データから異常の予兆を検知して予兆検知予備アラートを発生させ、前記中央拠点の制御部は、前記複数の対象拠点から収集した前記装置の稼働データをもとに異常の予兆を検知するための予兆検知に向けた前記装置のモデルを構築し、前記構築した装置のモデルに基づいて、前記予兆検知予備アラートルールを生成し、前記構築した装置のモデル及び前記対象拠点の対象装置の前記稼働データを活用して異常の予兆を分析する予兆分析を実行し、前記対象拠点の対象装置の前記稼働データをもとに異常の原因を分析する異常原因分析を実行する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央拠点において複数の対象拠点に設置される装置の稼働状況を監視し運用管理を支援する運用管理システムであって、
前記複数の対象拠点は、
前記装置の稼働状況を監視するための稼働データを採取する稼働センサと、
前記稼働センサで採取された稼働データを記憶する記憶部と、
前記稼働データの採取項目及び採取頻度を決定して、前記稼働データを前記中央拠点に転送する制御部と、
を備え、
前記中央拠点は、
前記稼働データを記憶する記憶部と、
前記稼働データをもとに前記複数の対象拠点に設置される装置の稼働状態を判断する制御部と、
を備え、
前記対象拠点の制御部は、
前記装置の設計仕様で定められた所定条件に基づいて、前記稼働データから装置の異常を検知して異常検知アラートを発生させ、
前記中央拠点で指定される異常の予兆を予備的に検知するための予兆検知予備アラートルールに基づいて、前記稼働データから異常の予兆を検知して予兆検知予備アラートを発生させ、
前記中央拠点の制御部は、
前記複数の対象拠点から収集した前記装置の稼働データをもとに異常の予兆を検知するための予兆検知に向けた前記装置のモデルを構築し、
前記構築した装置のモデルに基づいて、前記予兆検知予備アラートルールを生成し、
前記構築した装置のモデル及び前記対象拠点の対象装置の前記稼働データを活用して異常の予兆を分析する予兆分析を実行し、
前記対象拠点の対象装置の前記稼働データをもとに異常の原因を分析する異常原因分析を実行する
ことを特徴とする、運用管理システム。
【請求項2】
前記対象拠点の制御部は、
前記稼働データを、
前記予兆検知に向けたモデル構築のための学習用センサデータとし、
前記予兆分析のための予兆分析用センサデータとし、
前記異常原因分析のための異常原因分析用センサデータとして、
前記記憶部に記憶し、前記中央拠点からの要求に応じて転送する
ことを特徴とする、請求項1に記載の運用管理システム。
【請求項3】
前記対象拠点の制御部は、
前記学習用センサデータと前記予兆分析用センサデータとを同一の採取項目で採取し、前記学習用センサデータの記録頻度を前記予兆分析用センサデータの記録頻度より下げて前記記憶部に記憶し、
前記装置の通常稼働時は前記学習用センサデータを前記中央拠点に転送し、
前記予兆検知予備アラートを発生させた場合に前記予兆分析用センサデータを前記中央拠点に転送する
ことを特徴とする、請求項2に記載の運用管理システム。
【請求項4】
前記対象拠点の制御部は、
前記異常原因分析用センサデータとして、前記学習用センサデータの採取項目に前記装置の異常原因の特定に有効な採取項目を追加して前記記憶部に記憶し、
前記異常検知アラートを発生させた場合に前記異常原因分析用センサデータを前記中央拠点に転送する
ことを特徴とする、請求項3に記載の運用管理システム。
【請求項5】
前記対象拠点の制御部は、
前記異常原因分析用センサデータとして、
前記装置の異常原因を分析するために周波数を分析する振動センサのデータを採取する
ことを特徴とする、請求項4に記載の運用管理システム。
【請求項6】
前記中央拠点の制御部は、
前記構築した装置のモデルに基づいて、所定の特徴量を算出するための特徴量演算式及び、該特徴量の所定の閾値を含む前記予兆検知予備アラートルールを生成し、
前記対象拠点の制御部は、
前記予兆検知予備アラートルールに含まれる前記特徴量演算式により前記予兆分析用センサデータの特徴量を算出し、該特徴量が前記閾値を超えた場合に前記予兆検知予備アラートを発生させる
ことを特徴とする、請求項5に記載の運用管理システム。
【請求項7】
前記対象拠点の制御部及び前記中央拠点の制御部は、
前記異常検知アラート、前記異常原因分析センサデータ、前記予兆検知予備アラート、前記予兆分析用センサデータ、前記予兆検知予備アラートルール、前記学習用センサデータの順でデータ転送させる
ことを特徴とする、請求項6に記載の運用管理システム。
【請求項8】
前記対象拠点の制御部は、
前記稼働データに前記対象拠点における温度、湿度、気圧を含む外的環境データを加えて前記学習用センサデータとする、
ことを特徴とする、請求項7に記載の運用管理システム。
【請求項9】
前記中央拠点の制御部は、
前記対象拠点の制御部が前記学習用センサデータに加えた前記対象拠点における温度、湿度、気圧を含む外的環境データを活用し、
広域に分散して多様な気候の地域に多数配置された対象拠点に設置された設計仕様が同一の全ての装置に関して、一つのモデルを構築する
ことを特徴とする、請求項8に記載の運用管理システム。
【請求項10】
前記対象拠点に設置される装置は、暖房、換気及び空調などの空気調和器(HVAC:heating ventilating air conditioning)である
ことを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載の運用管理システム。
【請求項11】
中央拠点において複数の対象拠点に設置される装置の稼働状況を監視し運用管理を支援する運用管理システムにおける運用管理方法であって、
前記対象拠点の制御部が、前記装置の稼働状況を監視するための稼働データの採取項目及び採取頻度を決定して、前記稼働データを前記中央拠点に転送するステップと、
前記中央拠点の制御部が、前記複数の対象拠点から収集した前記装置の稼働データをもとに異常の予兆を検知するための予兆検知に向けた前記装置のモデルを構築するステップと、
前記中央拠点の制御部が、前記構築した装置のモデルに基づいて、異常の予兆を予備的に検知するための予兆検知予備アラートルールを生成するステップと、
前記対象拠点の制御部が、前記中央拠点で指定される前記予兆検知予備アラートルールに基づいて、前記稼働データから異常の予兆を検知して予兆検知予備アラートを発生させるステップと、
前記中央拠点の制御部が、前記予兆検知予備アラートが発生された場合に、前記構築した装置のモデル及び前記対象拠点の対象装置の前記稼働データを活用して異常の予兆を分析する予兆分析を実行するステップと、
前記対象拠点の制御部が、前記装置の設計仕様で定められた所定条件に基づいて、前記稼働データから装置の異常を検知して異常検知アラートを発生させるステップと、
前記中央拠点の制御部が、前記異常検知アラートが発生された場合、または、予兆分析の結果、異常予兆ありと判断された場合に、前記対象拠点の対象装置の前記稼働データをもとに異常の原因を分析する異常原因分析を実行するステップと、
を含むことを特徴とする、運用管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運用管理システム及び運用管理方法に関し、大規模広域多拠点に設置される装置の運用を管理する運用管理システム及び運用管理方法に適用して好適なるものである。
【背景技術】
【0002】
近年、大規模に分散された多数の拠点に設置された装置から、稼働データ等のセンサ情報を中央監視拠点に集約して、ビックデータを利活用することが行われている。例えば、中央監視拠点では、集約されたデータをもとに多数の拠点に設置された装置の異常状態や故障状態などの予兆を事前に検知することが行われている。
【0003】
例えば、特許文献1では、設備管理装置において、設備の各種構成要素毎の要素モデルの集合を設備モデルとして、中央監視装置で各種設備の設備モデルを定期的に吸い上げ、設備モデルから類似する要素モデルを抽出して類似要素モデルグループとして記憶する。そして、ある事象の発生により構成要素が指定されると、中央監視装置は、指定された要素モデルが含まれる類似要素モデルグループを検出して、障害などの予兆を検知することが行われている。
【0004】
また、特許文献2では、空調熱負荷予測システムにおいて、過去の環境要素データやシミュレートデータによる暫定予測モデルとの比較結果と、対象建築物の特殊性とを加味した予測モデルを生成し、高精度な空調熱負荷予測値を予測することが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第01/069338号
【特許文献2】特開平8−35796号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1及び特許文献2では、上記した予兆検知処理や予測処理を中央拠点で一元的に実施していたため、拠点数の増加に伴って、多数の稼働データの送受信によってトラフィックが過度に増大し、拠点数の増加によるスケーラビリティを保証することができないという問題があった。
【0007】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、多数の対象拠点の稼働データを中央拠点で集約して異常予兆を検知するに際して、検知処理の一部を各拠点で行うことによりデータ転送量の低減及び中央拠点での計算資源の増大を抑制する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる課題を解決するために本発明においては、中央拠点において複数の対象拠点に設置される装置の稼働状況を監視し運用管理を支援する運用管理システムであって、前記複数の対象拠点は、前記装置の稼働状況を監視するための稼働データを採取する稼働センサと、前記稼働センサで採取された稼働データを記憶する記憶部と、前記稼働データの採取項目及び採取頻度を決定して、前記稼働データを前記中央拠点に転送する制御部と、を備え、前記中央拠点は、前記稼働データを記憶する記憶部と、前記稼働データをもとに前記複数の対象拠点に設置される装置の稼働状態を判断する制御部と、を備え、前記対象拠点の制御部は、前記装置の設計仕様で定められた所定条件に基づいて、前記稼働データから装置の異常を検知して異常検知アラートを発生させ、前記中央拠点で指定される異常の予兆を予備的に検知するための予兆検知予備アラートルールに基づいて、前記稼働データから異常の予兆を検知して予兆検知予備アラートを発生させ、前記中央拠点の制御部は、前記複数の対象拠点から収集した前記装置の稼働データをもとに異常の予兆を検知するための予兆検知に向けた前記装置のモデルを構築し、前記構築した装置のモデルに基づいて、前記予兆検知予備アラートルールを生成し、前記構築した装置のモデル及び前記対象拠点の対象装置の前記稼働データを活用して異常の予兆を分析する予兆分析を実行し、前記対象拠点の対象装置の前記稼働データをもとに異常の原因を分析する異常原因分析を実行することを特徴とする、運用管理システムが提供される。
【0009】
また、かかる課題を解決するために本発明においては、中央拠点において複数の対象拠点に設置される装置の稼働状況を監視し運用管理を支援する運用管理システムにおける運用管理方法であって、前記対象拠点の制御部が、前記装置の稼働状況を監視するための稼働データの採取項目及び採取頻度を決定して、前記稼働データを前記中央拠点に転送するステップと、前記中央拠点の制御部が、前記複数の対象拠点から収集した前記装置の稼働データをもとに異常の予兆を検知するための予兆検知に向けた前記装置のモデルを構築するステップと、前記中央拠点の制御部が、前記構築した装置のモデルに基づいて、異常の予兆を予備的に検知するための予兆検知予備アラートルールを生成するステップと、前記対象拠点の制御部が、前記中央拠点で指定される前記予兆検知予備アラートルールに基づいて、前記稼働データから異常の予兆を検知して予兆検知予備アラートを発生させるステップと、前記中央拠点の制御部が、前記予兆検知予備アラートが発生された場合に、前記構築した装置のモデル及び前記対象拠点の対象装置の前記稼働データを活用して異常の予兆を分析する予兆分析を実行するステップと、前記対象拠点の制御部が、前記装置の設計仕様で定められた所定条件に基づいて、前記稼働データから装置の異常を検知して異常検知アラートを発生させるステップと、前記中央拠点の制御部が、前記異常検知アラートが発生された場合、または、予兆詳細分析の結果、異常予兆がありと判断された場合に、前記対象拠点の対象装置の前記稼働データをもとに異常の原因を分析する異常原因分析を実行するステップと、を含むことを特徴とする、運用管理方法が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、多数の対象拠点の稼働データを中央拠点で集約して異常予兆を検知するに際して、検知処理の一部を各拠点で行うことにより、装置の異常検知における対象拠点の増大やデータ容量増大などにより要求されるスケーラビリティを確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態に係る運用管理システムで実施されるデータ分析処理と各処理の状態遷移を示す概念図である。
図2】同実施形態にかかる運用管理システムの構成を示すブロック図である。
図3】同実施形態にかかる運用管理システムの構成を示すブロック図である。
図4】同実施形態にかかる学習用センサデータの一例を示す図表である。
図5】同実施形態にかかる予兆分析用センサデータの一例を示す図表である。
図6】同実施形態にかかる異常分析用センサデータの一例を示す図表である。
図7】同実施形態にかかる正常状態における運用管理処理を説明する説明図である。
図8】同実施形態にかかる異常検知状態における運用管理処理を説明する説明図である。
図9】同実施形態にかかる予兆検知予備アラートが発生した場合の運用管理処理を説明する説明図である。
図10】同実施形態にかかる予兆検知予備アラートが発生した場合の運用管理処理を説明する説明図である。
図11】同実施形態にかかる異常予兆なしと判断された場合の運用管理処理を説明する説明図である。
図12】同実施形態にかかる異常予兆ありと判断された場合の運用管理処理を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
【0013】
(1)本実施の形態の概要
まず、図1を参照して、本実施の形態の概要について説明する。図1は、本実施の形態にかかる運用管理システムで実施されるデータ分析処理と、各処理の状態遷移を示す概念図である。本実施の形態では、大規模に分散した多数の対象拠点の稼働データが中央拠点に集約され、稼働データ(ビックデータ)を利活用して異常(故障)予兆検知処理が行われる。
【0014】
図1に示すように、各拠点から中央拠点に送付される稼働データは、予兆検知に向けたモデル構築のための「学習用センサデータ」と、異常予兆があるかを判断する予兆詳細分析のための「予兆分析用センサデータ」と、異常原因を分析するための「異常分析用センサデータ」が挙げられる。
【0015】
モデル構築予兆分析10のために利用される学習用センサデータは、通常時に各拠点から中央拠点に送信されるデータであり、後述する予兆分析用センサデータよりも記録頻度の低い(例えば30分に1回)センサデータである。
【0016】
モデル構築予兆分析10において、中央拠点において、中央拠点に集約された学習用センサデータにより、装置の異常の予兆を予備的に判断するための特徴量や閾値などを含むモデルが構築される(STEP10)。そして、モデル構築予兆分析10において、中央拠点で学習用センサデータを活用して異常予兆検知の可能性があるかを分析し、可能性ありの場合予兆検知予備判断(STEP11)とする。また、モデル構築予兆分析10において、予兆検知に向けた各装置のモデルに基づいて設定された予兆検知予備アラートルールをもとに、各拠点で予兆検知予備アラートが上げられる(STEP12)。また、各装置の設計仕様で定められた条件に基づいて、各拠点で異常検知アラートが上げられる(STEP13)。
【0017】
異常予兆があるかを判断する予兆詳細分析20のための予兆分析用センサデータは、STEP12で予兆検知予備アラートが発生した場合、及び、STEP11で予兆検知予備判断により異常予兆検知の可能性があると判断された場合に各拠点から中央拠点に送信されるデータであり、上記した学習用センサデータと同一のデータ項目であるが、学習用センサデータより記録頻度が高い(例えば30秒に1回)センサデータである。
【0018】
予兆詳細分析20では、中央拠点で予兆分析用センサデータを蓄積して(STEP20)、異常予兆があるかを分析して、異常予兆なしか(STEP21)、異常予兆ありか(STEP22)を判断する。また、各拠点で異常を検知した場合には、異常検知アラートを出す(STEP23)。なお、STEP23の異常検知アラートを上げる処理は、上記したSTEP13の処理と同一の処理である。
【0019】
異常原因を分析する異常原因分析30のための異常分析用センサデータは、STEP23で異常検知アラートが発生した場合、または、STEP13で異常検知アラートが発生した場合に各拠点から中央拠点に送信されるデータであり、上記した予兆分析用センサデータに異常の原因を特定するために有効なデータ項目が追加されたデータである。
【0020】
異常原因分析30では、異常分析用センサデータを蓄積して(STEP31)、装置の異常の原因を特定する(STEP32)。
【0021】
本実施の形態では、上記した分析処理の一部を各拠点で実行し、分析に必要な各データをそれぞれ好適なタイミングで送信する。具体的には、上記したSTEP12の処理を各拠点で実施する。すなわち、各拠点において、拠点内の各装置の稼働データを監視して、予兆検知予備アラートを発生させるための予兆検知予備アラートルールをもとに、予兆検知予備アラートを発生させる。なお、予兆検知予備アラートルールは、中央拠点で設定されて、中央拠点から各拠点に送信される。
【0022】
中央拠点は、通常は記録頻度の低い学習用センサデータを各拠点から収集して、予兆検知予備判断のための特徴量や閾値を含む予兆検知予備アラートルールを生成したり、予兆検知予備判断のための特徴量や閾値を改善したりする。そして、中央拠点は、予兆検知予備判断により予兆検知の可能性ありと判断した場合、または、各拠点のいずれかで予兆検知予備アラートが発生された場合に、予兆詳細分析をするために、各拠点から学習用センサデータより記録頻度の高い予兆分析用センサデータを収集する。また、中央拠点は、各拠点の各装置の設計仕様で定められた条件に基づく異常検知アラートが発生した場合には、予兆分析用センサデータに異常の原因を特定するために有効なデータ項目が追加された異常分析用データを収集する。
【0023】
上記した、学習用センサデータ、予兆分析用センサデータ、異常分析用センサデータの3種類のデータの容量は、異常分析用データの容量が一番大きく、次いで予兆分析用センサデータ、学習用センサデータの順となる。したがって、各拠点から中央拠点に送信されるデータは、通常は一番容量の小さい学習用センサデータが送信され、予兆検知予備判断または予兆検知予備アラートがあった場合に予兆分析用センサデータが送信され、異常予兆ありと判断された場合または異常検知アラートが上がった場合に異常分析用センサデータが送信される。
【0024】
このように、検知処理の一部を各拠点で行って、各拠点で実施される予兆検知結果に基づいて学習用センサデータより容量の大きい予兆分析用センサデータや異常分析用センサデータを送信することにより、ネットワーク等の通信トラフィックを低減させて、対象拠点の増大やデータ容量の増大などにより要求されるスケーラビリティを確保した多数拠点の異常を監視する運用管理システムを構築することができる。
【0025】
(2)運用管理システムの構成
次に、図2及び図3を参照して、運用管理システムの構成について説明する。図2に示すように運用管理システムは、中央拠点200と、対象拠点100A、100B、100C及び100Dとがネットワーク300を介して接続されている。図2では、対象拠点100A、100B、100C及び100Dの4つの対象拠点が示されているが、実際には、中央拠点200と多数の対象拠点とが接続されている。なお、以下の説明では対象拠点100A、100B、100C及び100Dを総称して対象拠点100として説明する。
【0026】
(2−1)各装置のハードウェア構成
図2に示すように、対象拠点100は、制御部101、温度センサ(図中T)102、湿度センサ(図中H)103、気圧センサ(図中P)104、BMS(Building Management System)105、稼働センサ106及び複数の機器(図中機器A、機器B)107などを備える。
【0027】
対象拠点100の制御部101は、CPUおよびメモリ等の情報処理資源を備えている。CPUは、演算処理装置として機能し、メモリに記憶されているプログラムや演算パラメータ等にしたがって、対象拠点100の動作を制御する。
【0028】
温度センサ(図中T)102は、温度を計測するセンサである。湿度センサ(図中H)103は、湿度を計測するセンサである。気圧センサ(図中P)104は、気圧を計測するセンサである。
【0029】
BMS(Building Management System)105は、拠点100の各機器107の自動化や各種機能の監視制御を行う。BMS105は、各機器を監視して、各装置の設計仕様で定められた条件をもとに、異常検知アラートをデータ転送制御に通知する。稼働センサ106は、機器107の稼働状態を検知するセンサである。複数の機器(図中機器A、機器B)107は、暖房、換気及び空調などの空気調和器(HVAC:heating ventilating air conditioning)である。
【0030】
また、制御部101は、ネットワークに接続するための通信デバイス等で構成された通信インタフェースを備えている。通信装置は、IP−VPN、広域イーサーネット、専用線や、3G、4Gなどのモバイル通信などに対応するものが挙げられる。この通信装置は、中央拠点200との間で、ネットワークを介して各種データを送受信する。
【0031】
また、拠点100は、キーボード、スイッチやポインティングデバイス、マイクロフォン等の情報入力装置と、モニタディスプレイやスピーカ等の情報出力装置とを備えている。
【0032】
中央拠点200は、CPUおよびメモリ等の情報処理資源を備えている。CPUは、演算処理装置として機能し、メモリに記憶されているプログラムや演算パラメータ等にしたがって、中央拠点200の動作を制御する。
【0033】
また、中央拠点200は、ネットワークに接続するための通信デバイス等で構成された通信インタフェースを備えている。通信装置は、IP−VPN、広域イーサーネット、専用線や、3G、4Gなどのモバイル通信などに対応するものが挙げられる。この通信装置は、拠点100との間で、ネットワークを介して各種データを送受信する。
【0034】
また、中央拠点200は、キーボード、スイッチやポインティングデバイス、マイクロフォン等の情報入力装置と、モニタディスプレイやスピーカ等の情報出力装置とを備えている。
【0035】
さらに、中央拠点200は、データ格納用のストレージ装置を備えていてもよい。ストレージ装置は、記憶媒体、記憶媒体にデータを記録する記録装置、記憶媒体からデータを読み出す読出し装置および記憶媒体に記録されたデータを削除する削除装置などを含む。ストレージ装置は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)で構成され、ハードディスクを駆動し、CPUが実行するプログラムや各種データを格納する。
【0036】
(2−2)各装置のソフトウェア構成
次に、各装置のソフトウェア構成について説明する。図2に示すように、制御部101が実行するプログラムとして、ポリシベース制御110、データ転送制御120、アラートルール監視130及びセンサデータ採取制御140などが挙げられる。
【0037】
ポリシベース制御110は、各種ポリシに基づいて、データ転送制御120、アラートルール監視130及びセンサデータ採取制御140に各種指令を出す。データ転送制御120は、各種データの転送を制御する。アラートルール監視130は、アラートルールをもとに採取されたセンサデータを監視して監視結果をデータ転送制御120に提供する。センサデータ採取制御140は、稼働センサや温度、湿度または気圧センサのデータを採取してアラートルール監視130に提供する。
【0038】
(2−3)各種データ
次に、図3図6を参照して、運用管理システムで取り扱われる各種データの生成及び各種データの内容について説明する。
【0039】
上記したように、対象拠点100のセンサデータ採取制御140は、各種機器の稼働センサ106や、温度センサ102、湿度センサ103、気圧センサ104などで検知されたデータを採取する。
【0040】
例えば、対象拠点100に設置された機器A107がターボ冷凍機であった場合に、センサデータ採取制御140は、機器の運転状態、警報状態、消費電力などを冷凍機器制御盤センサから採取したり、冷温水入口温度、冷却水出口温度、冷却水入口温度、冷却水出口温度を温度センサで採取したり、加熱度を蒸発コイル内の加熱度センサで採取したり、過冷却度を凝縮コイル内の過冷却度センサから採取したりする。また、コンプレッサの消費電力を電流センサで採取したり、コンプレッサの躯体温度を温度センサで採取したり、コンプレッサの差圧を差圧センサで採取したり、屋外温度を温度センサで採取したり、屋外湿度を湿度センサで採取したり、屋外気圧を圧力センサで採取したりする。
【0041】
センサデータ採取制御140は、上記採取したセンサデータを予兆分析用センサデータ142として蓄積する。そして、センサデータ採取制御140は、所定期間の予兆分析用センサデータ142から、採取頻度を落とした学習用センサデータ141を生成する。
【0042】
センサデータ採取制御140は、学習用センサデータ141をデータ転送制御120に提供する。また、センサデータ採取制御140は、予兆分析用センサデータ142をアラートルール監視130に提供する。
【0043】
アラートルール監視130は、中央拠点200から提供される予兆検知予備アラートルールに指定された特徴量演算式を利用して、特徴量演算132で予兆分析用センサデータの特徴量を算出させ、予兆検知予備アラートルールに指定された閾値を利用して閾値監視131で算出した特徴量が閾値を超えていないかを監視させる。予兆検知予備アラートルールに指定される特徴量演算式は、単純な四則演算の組み合わせなどである。対象拠点100では、単純な四則演算により特徴量を演算し、該特徴量が閾値を超えているか否かにより予兆検知を実行する。このように、対象拠点100に複雑な演算を実行させるなどの処理負荷をかけずに、予備的に予兆検知を実行させることが可能となる。
【0044】
そして、アラートルール監視130は、特徴量が閾値を超えたと判断した場合に、予兆検知予備アラートをデータ転送制御120に通知する。予兆検知予備アラートを通知されたデータ転送制御120は、センサデータ採取制御140に予兆分析用センサデータ142を提供させる。
【0045】
学習用センサデータ141は、中央拠点200に集約され、予兆検知に向けたモデル構築のためのセンサデータであって、図4に示すように、項番欄1410、監視項目欄1411、概要欄1412及び採取頻度欄1413から構成される。
【0046】
項番欄1410には、データの項番が格納される。監視項目欄1411には、機器の監視項目の情報が格納される。概要欄1412には、監視項目の概要が格納される。採取頻度欄1413には、監視項目の採取頻度が格納される。
【0047】
図4では、例えば、学習用センサデータ141の項番「1」は、監視項目が機器の「運転状態」であり、「動作中」か「停止中」かが監視され、採取頻度が30分に1回であることがわかる。また、学習用センサデータ141の項番「2」は、監視項目が機器の「警報状態」であり、異常が「有」か「無」かが監視され、採取頻度が30分に1回であることがわかる。
【0048】
予兆分析用センサデータ142は、各拠点で予兆検知予備アラートが発生した場合に中央拠点200に集約され、異常予兆の詳細を分析するためのデータであって、図5に示すように、項番欄1420、監視項目欄1421、概要欄1422及び採取頻度欄1423から構成される。
【0049】
項番欄1420には、データの項番が格納される。監視項目欄1421には、機器の監視項目の情報が格納される。概要欄1422には、監視項目の概要が格納される。採取頻度欄1423には、監視項目の採取頻度が格納される。
【0050】
図5では、例えば、予兆分析用センサデータ142の項番「1」は、監視項目が機器の「運転状態」であり、「動作中」か「停止中」かが監視され、採取頻度が30秒に1回であることがわかる。また、学習用センサデータ141の項番「2」は、監視項目が機器の「警報状態」であり、異常が「有」か「無」かが監視され、採取頻度が30秒に1回であることがわかる。
【0051】
このように、学習用センサデータ141と予兆分析用センサデータ142とは、監視対象の項目が同じであるが、学習用センサデータ141より予兆分析用センサデータ142のほうが採取頻度の高いデータである。
【0052】
例えば、各センサから採取するデータのサイズが3バイト(3B)である場合に、あるセンサの学習用センサデータのデータ量は、120B/時間(3B×20×2回/時間)となり、予兆分析用センサデータのデータ量は、7200B/h(3B×20×60×2回/時間)となる。したがって、本実施の形態では、通常状態で送信する学習用センサデータのデータ量を、予兆分析用センサデータ142よりも少ないデータ量として、ネットワークのトラフィックを低減させることができることとなる。
【0053】
センサデータ採取制御140からデータ転送制御120に異常検知アラートが通知された場合には、データ転送制御120は、センサデータ採取制御140に異常分析用センサデータ143を採取させて提供させる。また、データ転送制御120が中央拠点200から異常分析用センサデータ143の送付を要求された場合には、センサデータ採取制御140に異常分析用センサデータ143を採取させて提供させる。
【0054】
異常分析用センサデータ143は、異常検知アラートが発生した場合に機器の異常の原因を特定するためのデータであって、図6に示すように、項番欄1430、監視項目欄1431、概要欄1432、採取頻度欄1433及び採取時間1434から構成される。
【0055】
項番欄1430には、データの項番が格納される。監視項目欄1431には、機器の監視項目の情報が格納される。概要欄1432には、監視項目の概要が格納される。採取頻度欄1433には、監視項目の採取頻度が格納される。採取時間1434には、監視項目の採取時間が格納される。
【0056】
図6では、例えば、異常分析用センサデータ143の項番「1」は、監視項目が機器の「運転状態」であり、「動作中」か「停止中」かが監視され、採取頻度が30秒に1回であり、採取時間が10分であることがわかる。また、例えば、異常分析用センサデータ143の項番「13」は、監視項目が機器の「コンプレッサ1の振動」であり、「コンプレッサ1のシャフトの振動の加速度値」が監視され、採取頻度が1m秒に1回であり、採取時間が10分であることがわかる。これは、例えば、コンプレッサのモータが3600rpm(60Hz)で回転し、回転軸関連に異常がある場合には、60Hzの整数倍(n)の振動が発生する。このような異常が発生している振動を周波数解析するためには、採取頻度を(60×n×2×N)Hzとする必要がある。ここで、Nは周波数分解能に関する整数であり、通常10より小さい整数である。項番13では、例えば、n=4、N=2とした場合の採取頻度を示す。
【0057】
例えば、各センサから採取するデータのサイズが3バイト(3B)である場合に、あるセンサの異常分析用センサデータのデータ量は、36MB/10分(3B×18×2回×10+3B×2×1000×60×10)となる。このように、異常分析用センサデータは、異常が発生した時間を含む特定の時間のデータであって、予兆分析用センサデータに異常の原因を特定するために有効なデータ項目が追加されたデータであることがわかる。
【0058】
図3に戻り、データ転送制御120は、提供された各種データ及びアラートに対して転送優先順位付け121にデータ転送の優先順位を付けさせる。そして、データ転送制御120は、転送優先順位付け121による優先順位にしたがって、各種データ及びアラートを転送優先制御122により転送させる。また、中央拠点200のデータ転送制御230においても、各種データやアラートに対して転送優先順位付け231にデータ転送の優先順位を付けさせて、該優先順位にしたがって、転送優先制御232により転送させる。
【0059】
対象拠点100のデータ転送制御120及び中央拠点200のデータ転送制御230は、各種データ及びアラートを送受信するに際して、共通の転送優先順位にしたがって、データを転送する。例えば、優先度の高い順に、異常検知アラート、予兆検知予備アラート、ポリシ情報、予兆分析用センサデータ、学習用センサデータの順とする。これにより、機器の異常に関連する情報を優先的に転送することができる。
【0060】
(3)運用管理処理
次に、図7図12を参照して、本実施の形態にかかる運用管理システムにおける運用管理処理について説明する。図7は、機器が正常に稼働している正常状態における運用管理処理を示し、図8は、機器の異常を検知した異常検知状態における運用管理処理を示す。また、図9は及び図10は、対象拠点100において予兆検知予備アラートが発生した場合の運用管理処理を示す。また、図11及び図12は、中央拠点200において予兆検知の可能性ありと判断(予兆検知予備判断)された場合の運用管理処理を示す。
【0061】
(3−1)正常状態における運用管理処理
図7は、機器が正常に稼働している図7に示すように、拠点100のBMS105は、各機器107の稼働センサ106からセンサデータを採取して、各機器107の設計仕様で定められた条件に基づいて、各機器107の異常検知の監視を実施する(S100)。
【0062】
そして、対象拠点100のセンサデータ採取制御140は、BMS105からセンサデータを採取して、予兆分析用センサデータ142として蓄積する(S101)。続いて、センサデータ採取制御140は、一定期間の予兆分析用センサデータ142から採取頻度を落とした学習用センサデータ141を生成し(S102)、データ転送制御120が学習用センサデータ141を中央拠点200に送信する(S103)。
【0063】
中央拠点200のモデル構築(学習)250は、対象拠点100から送信された学習用センサデータ141の分析及び学習により各機器のモデルを構築して、当該モデルをもとに予兆検知予備アラートルール生成260が異常の予兆を予備的に検知するための特徴量演算式及び閾値を含む予兆検知予備アラートルールを生成する(S104)。
【0064】
そして、中央拠点200のデータ転送制御230は、ステップS104で生成した予兆検知予備アラートルールを含むポリシを該当拠点100に送信する(S105)。
【0065】
そして、センサデータ採取制御140は、一定期間の予兆分析用センサデータ142から採取頻度を落とした学習用センサデータ141を生成し(S106)、データ転送制御120が学習用センサデータ141を中央拠点200に送信する(S107)。
【0066】
そして、ステップS105で中央拠点200から予兆検知予備アラートルールを送信された拠点100のアラートルール監視130は、予兆検知予備アラートルールに指定された特徴量演算式及び閾値をもとに、センサデータ採取制御140から受け取った予兆分析用センサデータ142に対する監視を開始する(S108)。
【0067】
そして、中央拠点200のモデル構築(学習)250は、ステップS104で分析及び学習した学習用センサデータに、ステップS107で送信された学習用センサデータ141を加えて分析及び学習して、より高精度の機器のモデルを構築して、当該モデルをもとに予兆検知予備アラートルール生成260が予兆検知予備アラートルールを更新する(S109)。
【0068】
そして、中央拠点200のデータ転送制御230は、ステップS109で更新された予兆検知予備アラートルールを含むポリシを該当拠点100に送信する(S110)。
【0069】
さらに、センサデータ採取制御140は、一定期間の予兆分析用センサデータ142から採取頻度を落とした学習用センサデータ141を生成し(S111)、データ転送制御120が学習用センサデータ141を中央拠点200に送信する(S112)。
【0070】
そして、ステップS110で中央拠点200から更新された予兆検知予備アラートルールを送信された拠点100のアラートルール監視130は、更新された予兆検知予備アラートルールに指定された特徴量演算式及び閾値をもとに、センサデータ採取制御140から受け取った予兆分析用センサデータ142に対する監視を開始する(S113)。
【0071】
通常時、以降、ステップS109〜ステップS113を繰り返す。
【0072】
(3−2)異常検知状態における運用管理処理
図8は、機器の異常を検知した異常検知状態における運用管理処理を説明する説明図である。図8でも図7と同様に、拠点100のBMS105は、各機器107の稼働センサ106からセンサデータを採取して、各機器107の設計仕様で定められた条件に基づいて、各機器107の異常検知の監視を実施する(S200)。
【0073】
そして、上記した通常状態の繰り返し処理と同様に、ステップS201〜ステップS206が実施される。すなわち、対象拠点100のセンサデータ採取制御140は、BMS105からセンサデータを採取して、予兆分析用センサデータ142として蓄積する(S201)。続いて、センサデータ採取制御140は、一定期間の予兆分析用センサデータ142から採取頻度を落とした学習用センサデータ141を生成し(S202)、データ転送制御120が学習用センサデータ141を中央拠点200に送信する(S203)。
【0074】
そして、中央拠点200のモデル構築(学習)250は、先に分析及び学習した学習用センサデータに、ステップS203で送信された学習用センサデータ141を加えて分析及び学習して、より高精度の機器のモデルを構築して、当該モデルをもとに予兆検知予備アラートルール生成260が予兆検知予備アラートルールを更新する(S204)。
【0075】
そして、中央拠点200のデータ転送制御230は、ステップS109で更新された予兆検知予備アラートルールを含むポリシを該当拠点100に送信する(S205)。
【0076】
そして、ステップS205で中央拠点200から更新された予兆検知予備アラートルールを送信された拠点100のアラートルール監視130は、更新された予兆検知予備アラートルールに指定された特徴量演算式及び閾値をもとに、センサデータ採取制御140から受け取った予兆分析用センサデータ142に対する監視を開始する(S206)。
【0077】
そして、BMS105が装置の異常を検知すると、対象拠点100のデータ転送制御120が異常検知アラートを中央拠点200に送信する(S207)。
【0078】
ステップS207で異常検知アラートを受け取った中央拠点200のポリシ生成240は、異常検知状態に移行して、異常分析用センサデータ143を要求するポリシを生成する(S208)。そして、データ転送制御230がステップS208で生成したポリシを該当拠点100に送信する(S209)。
【0079】
ステップS207で中央拠点200に異常検知アラートが送信された後、中央拠点200から予兆検知予備アラートルールが送信されない場合には、対象拠点100は、異常検知アラートが発生する前に中央拠点200から送信された予兆検知予備アラートルールをもとに予兆分析用センサデータ142を監視する(S217)。また、ステップS217において、中央拠点200から他の拠点のデータ等を利用して生成された予兆検知予備アラートルールが送信された場合には、当該予兆検知予備アラートルールをもとに予兆分析用センサデータ142を監視してもよい。
【0080】
対象拠点100のセンサデータ採取制御140が異常分析用センサデータ143を採取して(S210)、データ転送制御120が異常分析用センサデータ143を中央拠点200に送信する(S211)。
【0081】
中央拠点200の異常原因分析210は、ステップS211で送信された異常分析用センサデータ143を分析して、異常の原因を特定する(S212)。そして、対象拠点の保守員に対して異常対策を通知する(S213)。
【0082】
対象拠点の保守員から異常対策完了の連絡を受け取ると(S214)、異常検知状態から復旧して、中央拠点200のポリシ生成240は、異常検知状態復旧を通知するポリシを生成して(S215)、データ転送制御230が生成したポリシを該当拠点100に送信する(S216)。
【0083】
ステップS216で拠点100がポリシを受信すると、異常検知状態が復旧されて、通常状態に戻り以降ステップS201〜ステップS206が繰り返される。
【0084】
(3−3)予兆検知予備アラート発生時の運用管理処理
図9及び図10は、予兆検知予備アラートが発生した場合の運用管理処理を説明する説明図であり、図9は予兆分析用センサデータを分析した結果、異常予兆なしと判断された場合を示し、図10は予兆分析用センサデータを分析した結果、異常予兆ありと判断された場合を示す。
【0085】
図9に示すように、拠点100のBMS105は、各機器107の稼働センサ106からセンサデータを採取して、各機器107の設計仕様で定められた条件に基づいて、各機器107の異常検知の監視を実施する(S300)。
【0086】
そして、上記した通常状態の繰り返し処理と同様に、ステップS301〜ステップS306が実施される。すなわち、対象拠点100のセンサデータ採取制御140は、BMS105からセンサデータを採取して、予兆分析用センサデータ142として蓄積する(S301)。続いて、センサデータ採取制御140は、一定期間の予兆分析用センサデータ142から採取頻度を落とした学習用センサデータ141を生成し(S302)、データ転送制御120が学習用センサデータ141を中央拠点200に送信する(S303)。
【0087】
そして、中央拠点200のモデル構築(学習)250は、先に分析及び学習した学習用センサデータに、ステップS303で送信された学習用センサデータ141を加えて分析及び学習して、より高精度の機器のモデルを構築して、当該モデルをもとに予兆検知予備アラートルール生成260が予兆検知予備アラートルールを更新する(S304)。
【0088】
そして、中央拠点200のデータ転送制御230は、ステップS304で更新された予兆検知予備アラートルールを含むポリシを該当拠点100に送信する(S305)。
【0089】
そして、ステップS305で中央拠点200から更新された予兆検知予備アラートルールを送信された拠点100のアラートルール監視130は、更新された予兆検知予備アラートルールに指定された特徴量演算式及び閾値をもとに、センサデータ採取制御140から受け取った予兆分析用センサデータ142に対する監視を開始する(S306)。
【0090】
そして、対象拠点100のアラートルール監視130が、予兆分析用センサデータ142を、予兆検知予備アラートルールの特徴量演算式及び閾値をもとに監視した結果、予兆検知の可能性ありと判断すると、データ転送制御120が中央拠点200に予兆検知予備アラートを送信する(S307)。
【0091】
ステップS307で予兆検知予備アラートを受け取った中央拠点200のポリシ生成240は、予兆検知予備状態に移行して、予兆分析用センサデータ142を要求するポリシを生成する(S308)。そして、データ転送制御230がステップS308で生成したポリシを該当拠点100に送信する(S309)。
【0092】
ステップS307で中央拠点200に予兆検知予備アラートが送信された後、中央拠点200から予兆検知予備アラートルールが送信されない場合には、対象拠点100は、異常検知アラートが発生する前に中央拠点200から送信された予兆検知予備アラートルールをもとに予兆分析用センサデータ142を監視する(S315)。また、ステップS315において、中央拠点200から他の拠点のデータ等を利用して生成された予兆検知予備アラートルールが送信された場合には、当該予兆検知予備アラートルールをもとに予兆分析用センサデータ142を監視してもよい。
【0093】
対象拠点100のセンサデータ採取制御140が予め定められた期間の予兆分析用センサデータを採取して(S310)、データ転送制御120が予兆分析用センサデータ142を中央拠点200に送信する(S311)。
【0094】
中央拠点200の予兆詳細分析220は、ステップS311で送信された予兆分析用センサデータ142を分析して、異常予兆があるか否かを判断する(S312)。予兆詳細分析220により異常予兆なしと判断されると、予兆検知予備状態から復旧し、ポリシ生成240は、予兆検知予備状態復旧を通知するポリシを生成して(S313)、データ転送制御230が生成したポリシを該当拠点100に送信する(S314)。
【0095】
ステップS314で拠点100がポリシを受信すると、予兆検知予備状態が復旧されて、通常状態に戻り以降ステップS301〜ステップS306が繰り返される。
【0096】
図10に示すように、拠点100のBMS105は、各機器107の稼働センサ106からセンサデータを採取して、各機器107の設計仕様で定められた条件に基づいて、各機器107の異常検知の監視を実施する(S400)。
【0097】
そして、上記した通常状態の繰り返し処理と同様に、ステップS401〜ステップS406が実施される。すなわち、対象拠点100のセンサデータ採取制御140は、BMS105からセンサデータを採取して、予兆分析用センサデータ142として蓄積する(S401)。続いて、センサデータ採取制御140は、一定期間の予兆分析用センサデータ142から採取頻度を落とした学習用センサデータ141を生成し(S402)、データ転送制御120が学習用センサデータ141を中央拠点200に送信する(S403)。
【0098】
そして、中央拠点200のモデル構築(学習)250は、先に分析及び学習した学習用センサデータに、ステップS403で送信された学習用センサデータ141を加えて分析及び学習して、より高精度の機器のモデルを構築して、当該モデルをもとに予兆検知予備アラートルール生成260が予兆検知予備アラートルールを更新する(S404)。
【0099】
そして、中央拠点200のデータ転送制御230は、ステップS404で更新された予兆検知予備アラートルールを含むポリシを該当拠点100に送信する(S405)。
【0100】
そして、ステップS405で中央拠点200から更新された予兆検知予備アラートルールを送信された拠点100のアラートルール監視130は、更新された予兆検知予備アラートルールに指定された特徴量演算式及び閾値をもとに、センサデータ採取制御140から受け取った予兆分析用センサデータ142に対する監視を開始する(S406)。
【0101】
そして、対象拠点100のアラートルール監視130が、予兆分析用センサデータ142を、予兆検知予備アラートルールの特徴量演算式及び閾値をもとに監視した結果、予兆検知の可能性ありと判断すると、データ転送制御120が中央拠点200に予兆検知予備アラートを送信する(S407)。
【0102】
ステップS407で予兆検知予備アラートを受け取った中央拠点200のポリシ生成240は、予兆検知予備状態に移行して、予兆分析用センサデータ142を要求するポリシを生成する(S408)。そして、データ転送制御230がステップS408で生成したポリシを該当拠点100に送信する(S409)。
【0103】
ステップS407で中央拠点200に予兆検知予備アラートが送信された後、中央拠点200から予兆検知予備アラートルールが送信されない場合には、対象拠点100は、異常検知アラートが発生する前に中央拠点200から送信された予兆検知予備アラートルールをもとに予兆分析用センサデータ142を監視する(S422)。また、ステップS422において、中央拠点200から他の拠点のデータ等を利用して生成された予兆検知予備アラートルールが送信された場合には、当該予兆検知予備アラートルールをもとに予兆分析用センサデータ142を監視してもよい。
【0104】
対象拠点100のセンサデータ採取制御140が予め定められた期間の予兆分析用センサデータを採取して(S410)、データ転送制御120が予兆分析用センサデータ142を中央拠点200に送信する(S411)。
【0105】
中央拠点200の予兆詳細分析220は、ステップS411で送信された予兆分析用センサデータ142を分析して、異常予兆があるか否かを判断する(S412)。予兆詳細分析220により異常予兆ありと判断されると、異常予兆状態に移行し、ポリシ生成240は、異常分析用センサデータ143を要求するポリシを生成する(S413)。そして、データ転送制御230がステップS413で生成したポリシを該当拠点100に送信する(S414)。
【0106】
対象拠点100のセンサデータ採取制御140が異常分析用センサデータ143を採取して(S415)、データ転送制御120が異常分析用センサデータ143を中央拠点200に送信する(S416)。
【0107】
中央拠点200の異常原因分析210は、ステップS416で送信された異常分析用センサデータ143を分析して、異常の原因を特定する(S417)。そして、対象拠点の保守員に対して異常予兆対策を通知する(S418)。
【0108】
対象拠点の保守員から異常予兆対策完了の連絡を受け取ると(S419)、異常予兆状態から復旧して、中央拠点200のポリシ生成240は、異常予兆状態復旧を通知するポリシを生成して(S420)、データ転送制御230が生成したポリシを該当拠点100に送信する(S421)。
【0109】
ステップS421で拠点100がポリシを受信すると、異常予兆状態が復旧されて、通常状態に戻り、以降ステップS401〜ステップS406が繰り返される。
【0110】
(3−4)予兆検知予備判断時の運用管理処理
図11及び図12は、中央拠点200において予兆検知の可能性ありと判断(予兆検知予備判断)された場合の運用管理処理を説明する説明図であり、図11は予兆分析用センサデータを分析した結果、異常予兆なしと判断された場合を示し、図12は予兆分析用センサデータを分析した結果、異常予兆ありと判断された場合を示す。
【0111】
図11に示すように、拠点100のBMS105は、各機器107の稼働センサ106からセンサデータを採取して、各機器107の設計仕様で定められた条件に基づいて、各機器107の異常検知の監視を実施する(S500)。
【0112】
そして、上記した通常状態の繰り返し処理と同様に、ステップS501〜ステップS506が実施される。すなわち、対象拠点100のセンサデータ採取制御140は、BMS105からセンサデータを採取して、予兆分析用センサデータ142として蓄積する(S501)。続いて、センサデータ採取制御140は、一定期間の予兆分析用センサデータ142から採取頻度を落とした学習用センサデータ141を生成し(S502)、データ転送制御120が学習用センサデータ141を中央拠点200に送信する(S503)。
【0113】
そして、中央拠点200のモデル構築(学習)250は、先に分析及び学習した学習用センサデータ141に、ステップS503で送信された学習用センサデータ141を加えて分析及び学習して、より高精度の機器のモデルを構築して、当該モデルをもとに予兆検知予備アラートルール生成260が予兆検知予備アラートルールを更新する(S504)。
【0114】
そして、中央拠点200のデータ転送制御230は、ステップS504で更新された予兆検知予備アラートルールを含むポリシを該当拠点100に送信する(S505)。
【0115】
そして、ステップS505で中央拠点200から更新された予兆検知予備アラートルールを送信された拠点100のアラートルール監視130は、更新された予兆検知予備アラートルールに指定された特徴量演算式及び閾値をもとに、センサデータ採取制御140から受け取った予兆分析用センサデータ142に対する監視を開始する(S506)。
【0116】
そして、中央拠点200の予兆詳細分析220が学習用センサデータ141を分析した結果、異常の予兆検知の可能性ありと判断した場合には(S507)、予兆検知予備状態に移行して、ポリシ生成240は、予兆分析用センサデータ142を要求するポリシを生成する(S508)。そして、データ転送制御230がステップS508で生成したポリシを該当拠点100に送信する(S509)。
【0117】
ステップS507で異常の予兆検知の可能性ありと判断された後、中央拠点200から予兆検知予備アラートルールが送信されない場合には、対象拠点100は、異常検知アラートが発生する前に中央拠点200から送信された予兆検知予備アラートルールをもとに予兆分析用センサデータ142を監視する(S515)。また、ステップS515において、中央拠点200から他の拠点のデータ等を利用して生成された予兆検知予備アラートルールが送信された場合には、当該予兆検知予備アラートルールをもとに予兆分析用センサデータ142を監視してもよい。
【0118】
対象拠点100のセンサデータ採取制御140が予め定められた期間の予兆分析用センサデータを採取して(S510)、データ転送制御120が予兆分析用センサデータ142を中央拠点200に送信する(S511)。
【0119】
中央拠点200の予兆詳細分析220は、ステップS511で送信された予兆分析用センサデータ142を分析して、異常予兆があるか否かを判断する(S512)。予兆詳細分析220により異常予兆なしと判断されると、予兆検知予備状態から復旧し、ポリシ生成240は、予兆検知予備状態復旧を通知するポリシを生成して(S513)、データ転送制御230が生成したポリシを該当拠点100に送信する(S514)。
【0120】
ステップS514で拠点100がポリシを受信すると、予兆検知予備状態が復旧されて、通常状態に戻り以降ステップS501〜ステップS506が繰り返される。
【0121】
図12に示すように、拠点100のBMS105は、各機器107の稼働センサ106からセンサデータを採取して、各機器107の設計仕様で定められた条件に基づいて、各機器107の異常検知の監視を実施する(S600)。
【0122】
そして、上記した通常状態の繰り返し処理と同様に、ステップS601〜ステップS606が実施される。すなわち、対象拠点100のセンサデータ採取制御140は、BMS105からセンサデータを採取して、予兆分析用センサデータ142として蓄積する(S601)。続いて、センサデータ採取制御140は、一定期間の予兆分析用センサデータ142から採取頻度を落とした学習用センサデータ141を生成し(S602)、データ転送制御120が学習用センサデータ141を中央拠点200に送信する(S603)。
【0123】
そして、中央拠点200のモデル構築(学習)250は、先に分析及び学習した学習用センサデータ141に、ステップS603で送信された学習用センサデータ141を加えて分析及び学習して、より高精度の機器のモデルを構築して、当該モデルをもとに予兆検知予備アラートルール生成260が予兆検知予備アラートルールを更新する(S604)。
【0124】
そして、中央拠点200のデータ転送制御230は、ステップS604で更新された予兆検知予備アラートルールを含むポリシを該当拠点100に送信する(S605)。
【0125】
そして、ステップS110で中央拠点200から更新された予兆検知予備アラートルールを送信された拠点100のアラートルール監視130は、更新された予兆検知予備アラートルールに指定された特徴量演算式及び閾値をもとに、センサデータ採取制御140から受け取った予兆分析用センサデータ142に対する監視を開始する(S606)。
【0126】
そして、中央拠点200の予兆詳細分析220が学習用センサデータ141を分析した結果、異常の予兆検知の可能性ありと判断した場合には(S607)、予兆検知予備状態に移行して、ポリシ生成240は、予兆分析用センサデータ142を要求するポリシを生成する(S608)。そして、データ転送制御230がステップS608で生成したポリシを該当拠点100に送信する(S609)。
【0127】
ステップS607で異常の予兆検知の可能性ありと判断された後、中央拠点200から予兆検知予備アラートルールが送信されない場合には、対象拠点100は、異常検知アラートが発生する前に中央拠点200から送信された予兆検知予備アラートルールをもとに予兆分析用センサデータ142を監視する(S622)。また、ステップS622において、中央拠点200から他の拠点のデータ等を利用して生成された予兆検知予備アラートルールが送信された場合には、当該予兆検知予備アラートルールをもとに予兆分析用センサデータ142を監視してもよい。
【0128】
対象拠点100のセンサデータ採取制御140が予め定められた期間の予兆分析用センサデータを採取して(S610)、データ転送制御120が予兆分析用センサデータ142を中央拠点200に送信する(S611)。
【0129】
中央拠点200の予兆詳細分析220は、ステップS611で送信された予兆分析用センサデータ142を分析して、異常予兆があるか否かを判断する(S612)。予兆詳細分析220により異常予兆ありと判断されると、異常予兆状態に移行し、ポリシ生成240は、異常分析用センサデータ143を要求するポリシを生成する(S613)。そして、データ転送制御230がステップS613で生成したポリシを該当拠点100に送信する(S614)。
【0130】
対象拠点100のセンサデータ採取制御140が異常分析用センサデータ143を採取して(S615)、データ転送制御120が異常分析用センサデータ143を中央拠点200に送信する(S616)。
【0131】
中央拠点200の異常原因分析210は、ステップS616で送信された異常分析用センサデータ143を分析して、異常の原因を分析する(S617)。そして、対象拠点の保守員に対して異常予兆対策を通知する(S618)。
【0132】
対象拠点の保守員から異常予兆対策完了の連絡を受け取ると(S619)、異常予兆状態から復旧して、中央拠点200のポリシ生成240は、異常予兆状態復旧を通知するポリシを生成して(S620)、データ転送制御230が生成したポリシを該当拠点100に送信する(S621)。
【0133】
ステップS621で拠点100がポリシを受信すると、異常予兆状態が復旧されて、通常状態に戻り、以降ステップS601〜ステップS606が繰り返される。
【0134】
(4)本実施の形態の効果
上記実施の形態によれば、対象拠点100の制御部101は、機器107の設計仕様で定められた所定条件に基づいて、稼働データから装置の異常を検知して異常検知アラートを発生させ、中央拠点200で指定される異常の予兆を予備的に検知するための予兆検知予備アラートルールに基づいて、前記稼働データから異常の予兆を検知して予兆検知予備アラートを発生させ、中央拠点200の制御部は、複数の対象拠点100から収集した機器107の稼働データをもとに異常の予兆を検知するための予兆検知に向けた前記装置のモデルを構築し、構築した装置のモデルに基づいて、予兆検知予備アラートルールを生成し、構築した装置のモデル及び前記対象拠点100の対象機器107の前記稼働データを活用して異常の予兆を分析する予兆分析を実行し、対象拠点100の対象機器107の前記稼働データをもとに異常の原因を分析する異常原因分析を実行する。
【0135】
これにより、多数の対象拠点の稼働データを中央拠点で集約して異常予兆を検知するに際して、検知処理の一部である、稼働データから異常の予兆を検知する予兆検知予備判断を各拠点で行って、予兆検知予備アラートを発生させることにより、データ転送量の低減及び中央拠点での計算資源の増大を抑制することができる。
【符号の説明】
【0136】
100 対象拠点
101 制御部
102 温度センサ
103 湿度センサ
104 気圧センサ
106 稼働センサ
107 機器
110 ポリシベース制御
120 データ転送制御
122 転送優先制御
130 アラートルール監視
131 閾値監視
132 特徴量演算
140 センサデータ採取制御
200 中央拠点
210 異常原因分析
220 予兆詳細分析
230 データ転送制御
232 転送優先制御
240 ポリシ生成
260 予兆検知予備アラートルール生成
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【国際調査報告】