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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2016年12月8日
【発行日】2017年12月28日
(54)【発明の名称】熱交換器及び冷凍サイクル装置
(51)【国際特許分類】
   F28F 1/32 20060101AFI20171201BHJP
   F28D 1/04 20060101ALI20171201BHJP
【FI】
   F28F1/32 Y
   F28D1/04 Z
   F28F1/32 P
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】27
【出願番号】特願2017-521351(P2017-521351)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2015年5月29日
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】特許業務法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 伸
(72)【発明者】
【氏名】石橋 晃
(72)【発明者】
【氏名】李 相武
(72)【発明者】
【氏名】上山 智嗣
(72)【発明者】
【氏名】丹田 翼
【テーマコード(参考)】
3L103
【Fターム(参考)】
3L103AA22
3L103DD08
3L103DD32
3L103DD58
(57)【要約】
熱交換器において、除霜運転時に発生する水の排出機能を向上させることを目的とする。
板状フィン(2)と、板状フィンと交差する第1の扁平管(3)と、第1の扁平管の扁平管下面部(3c)と互いに向かい合い、第1の扁平管と間隔を置いて配置され、板状フィンと交差する第2の扁平管(30)とを備え、第1の扁平管の扁平管風上側側面部(3b)及び第2の扁平管の扁平管風上側側面部(3b)は、板状フィンの周縁部よりも内側に位置し、板状フィンは、第1の扁平管と第2の扁平管との間の位置に切り起こし片(23)を有し、切り起こし片は、第1の扁平管の扁平管風上側側面部と第2の扁平管の扁平管風上側側面部をつなぐ第1の仮想面(32)と第1の扁平管の扁平管下面部の中心と第2の扁平管の扁平管上面部(3a)の中心をつなぐ第2の仮想面(34)との間に位置するものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
送風ファンからの風が供給される熱交換器であって、
板状フィンと、
前記送風ファンから供給される風の方向に沿って延びる第1の扁平面部と前記第1の扁平面部の風上側端部に設けられた第1の風上端部と前記第1の扁平面部の風下側端部に設けられた第1の風下端部とを有し、前記板状フィンと交差する第1の扁平管と、
前記第1の扁平管の前記第1の扁平面部と互いに向かい合い、前記風の方向に沿って延びる第2の扁平面部と前記第2の扁平面部の風上側端部に設けられた第2の風上端部と前記第2の扁平面部の風下側端部に設けられた第2の風下端部とを有し、前記第1の扁平管と間隔を置いて配置され、前記板状フィンと交差する第2の扁平管と
を備え、
前記第1の風上端部及び前記第2の風上端部は、前記板状フィンの周縁部よりも内側に位置し、
前記板状フィンは、前記第1の扁平管と前記第2の扁平管との間の位置に切り起こし片を有し、
前記切り起こし片は、前記第1の風上端部と前記第2の風上端部をつなぐ第1の仮想面と前記第1の扁平面部の中心と前記第2の扁平面部の中心をつなぐ第2の仮想面との間に位置する熱交換器。
【請求項2】
前記切り起こし片はスリットである請求項1に記載の熱交換器。
【請求項3】
前記板状フィンと間隔を置いて配置された板状フィンを備え、
複数の前記板状フィンは、互いに面が向かい合うように配置され、
前記複数の板状フィンの間の最短ピッチ幅FPに対する前記スリットの切り起こし幅Shの比率Sh/FPは、1/5≦Sh/FP≦1/2である請求項2に記載の熱交換器。
【請求項4】
前記第1の扁平管が前記第2の扁平管よりも上方に配置され、
前記第1の仮想面から前記スリットまでの距離Saは、前記第1の風上端部の最も風上側の端から前記第1の扁平面までの距離をR1、前記第1の扁平管の断面長手方向の幅をDAとすると、(DA/2)>Sa≧R1である請求項2又は3に記載の熱交換器。
【請求項5】
前記第1の扁平管は前記第2の扁平管よりも上方に配置され、
前記第1の扁平面部から前記スリットまでの距離Sbは、1mm≦Sb≦3mmである請求項2〜4のいずれか1項に記載の熱交換器。
【請求項6】
前記第1の扁平管は前記第2の扁平管よりも上側に配置され、
前記スリットから前記第2の扁平面部までの距離Scは、前記第1の扁平管の中心と前記第2の扁平管の中心間の距離をDP、前記第2の扁平管の断面短手方向の幅をDBとすると、1.5mm≦Sc≦(DP−DB)/2である請求項2〜5のいずれか1項に記載の熱交換器。
【請求項7】
前記切り起こし片はルーバーである請求項1に記載の熱交換器。
【請求項8】
前記ルーバーは2本以上配置され、前記ルーバーの位置は、前記第1の扁平管の断面長手方向において、隣り合った位置となる請求項7に記載の熱交換器。
【請求項9】
請求項1〜8に記載の熱交換器を備える冷凍サイクル装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、扁平形状の伝熱管を用いた熱交換器及び冷凍サイクル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の扁平形状の伝熱管(以降、「扁平管」と称する。)を用いたフィンアンドチューブ型熱交換器としては、板状フィンの切欠部の扁平管挿入口側を空気の主流方向における風上側とし、切欠部の間に切り起こし部(ルーバー)を複数形成したものがある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1のフィンアンドチューブ型熱交換器に配置されたルーバーは、上下方向の長さ、横方向の幅、横方向の間隔等がそれぞれ異なるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−163321号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の熱交換器は、例えば外気温度が氷点下となる環境で蒸発器として動作する場合、着霜が扁平管挿入口側に生じやすくなる。霜は除霜運転によって融解されて水滴となるが、融解後の水滴が扁平管挿入口側の扁平管上部に滞留し、適切に排出されないという問題があった。
【0005】
本発明は、上述の問題を解決するためになされたものであり、除霜運転時において発生する水の排出機能を向上させた熱交換器及び冷凍サイクル装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る熱交換器は、送風ファンからの風が供給されるものであって、板状フィンと、前記送風ファンから供給される風の方向に沿って延びる第1の扁平面部と前記第1の扁平面部の風上側端部に設けられた第1の風上端部と前記第1の扁平面部の風下側端部に設けられた第1の風下端部とを有し、前記板状フィンと交差する第1の扁平管と、前記第1の扁平管の前記第1の扁平面部と互いに向かい合い、前記風の方向に沿って延びる第2の扁平面部と前記第2の扁平面部の風上側端部に設けられた第2の風上端部と前記第2の扁平面部の風下側端部に設けられた第2の風下端部とを有し、前記第1の扁平管と間隔を置いて配置され、前記板状フィンと交差する第2の扁平管とを備え、前記第1の風上端部及び前記第2の風上端部は、前記板状フィンの周縁部よりも内側に位置し、前記板状フィンは、前記第1の扁平管と前記第2の扁平管との間の位置に切り起こし片を有し、前記切り起こし片は、前記第1の風上端部と前記第2の風上端部をつなぐ第1の仮想面と前記第1の扁平面部の中心と前記第2の扁平面部の中心をつなぐ第2の仮想面との間に位置するものである。
【0007】
また、本発明に係る冷凍サイクル装置は、上述の熱交換器を備えるものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、着霜により生じた大部分の水滴を重力作用により排水することができる。また、扁平管に付着した水滴を、切り起こし片と板状フィンとの間の空間で生じる毛管作用と、重力作用とにより排出することができる。したがって、本発明によれば、除霜運転時において発生する水の排出機能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施の形態1に係る熱交換器1の一部を扁平管3、30、300の末端側から見た概略的な平面図である。
図2】本発明の実施の形態1に係る熱交換器1の一部を風上側(図1の右側)から見た概略的な側面図である。
図3】本発明の実施の形態1に係る板状フィン2の一部を概略的に示す平面図である。
図4】本発明の実施の形態1に係る板状フィン2の一部を概略的に示す平面図である。
図5】本発明の実施の形態1に係る扁平管3、30、300を末端側から見た概略的な平面図である。
図6】本発明の実施の形態1に係る冷凍サイクル装置100の一例を概略的に示す冷媒回路図である。
図7】本発明の実施の形態1に係る熱交換器1による水の排出機能を概略的に示す側面図である。
図8】本発明の実施の形態1に係る熱交換器1による水の排出機能を概略的に示す平面図である。
図9】本発明の実施の形態1に係る熱交換器1による水の排出機能を概略的に示す平面図である。
図10】本発明の実施の形態1に係る熱交換器1による水の排出機能を概略的に示す平面図である。
図11】本発明の実施の形態1に係る熱交換器1の一部の寸法を示す概略的な平面図又は側面図である。
図12】本発明の実施の形態2に係る熱交換器1の一部を概略的に示す平面図である。
図13】本発明の実施の形態3に係る熱交換器1の一部を概略的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1.
本発明の実施の形態1に係る熱交換器1の全体構造について図1及び図2を用いて説明する。図1及び図2を含む以下の図面では各構成部材の寸法の関係及び形状が、実際のものとは異なる場合がある。また、以下の図面では、同一の又は類似する部材又は部分には、同一の符号を付すか、又は符号を付すことを省略している。
【0011】
図1は、本実施の形態1に係る熱交換器1の一部を扁平管3、30、300の末端側から見た概略的な平面図である。図1では、3つの扁平管3、30、300と1つの板状フィン2が図示されている。図1では、後述する図6の送風ファン70から供給される風の風向を、ブロック矢印で示している。
【0012】
また、図1では熱交換器1の構成の説明のために、想像線として2本の二点鎖線L1、L2を付している。二点鎖線L1は、隣り合って向かい合う扁平管(例えば扁平管3、30)の扁平管風上側側面部3bをつなぐ直線である。二点鎖線L2は、向かい合う扁平管の扁平面部の中心同士をつなぐ(例えば、扁平管3の扁平管下面部3cの中心と扁平管30の扁平管上面部3aの中心をつなぐ)直線である。
【0013】
また、本実施の形態1では熱交換器1の構成の説明のために、二点鎖線L1上に、紙面に対し垂直に延在する第1の仮想面32を規定し、二点鎖線L2上に、紙面に対し垂直に延在する第2の仮想面34を規定する。すなわち、第1の仮想面32は、隣り合って向かい合う扁平管(例えば、扁平管3、30)の扁平管風上側側面部3bをつなぐ熱交換器1の構成に含まれない仮想面として規定される。また、第2の仮想面34は、向かい合う扁平管の扁平面部の中心同士をつなぐ(例えば、扁平管3の扁平管下面部3cの中心と扁平管30の扁平管上面部3aの中心をつなぐ)熱交換器1の構成に含まれない仮想面として規定される。
【0014】
図2は、本実施の形態1に係る熱交換器1の一部を風上側(図1の右側)から見た概略的な側面図である。図2では、一定の間隔を置いて配置された3つの板状フィン2が図示されている。なお、図2では、2つの扁平管3、30が斜線で図示されている。
【0015】
図1及び図2に示すように、本実施の形態1に係る熱交換器1はフィンアンドチューブ型熱交換器であり、送風ファン70(図6参照)からの風が供給されるものである。熱交換器1は、複数の板状フィン2と、扁平面部が互いに向かい合い、相互に間隔を置いて配置され、板状フィンの交差する複数の扁平管(図1では、扁平管3、30、300)とを備えている。扁平管3、30、300の扁平管風上側側面部3bは、板状フィン2の周縁部より内側に位置している。板状フィン2は、隣接する扁平管の間の位置(例えば、扁平管3と扁平管30との間の位置)に切り起こし片23を有している。また、板状フィン2は、扁平管3、30、300を配置するための複数の切欠部21を有している。
【0016】
切り起こし片23は、複数の切欠部21の間に位置する板状フィン2の平面部を風向と直交する方向に切り起こしたスリット形状のものである。切り起こし片23は、第1の仮想面32と第2の仮想面34との間、すなわち、扁平管3、30、300の中心より風上側に位置している。
【0017】
切り起こし片23は、スリット上端部23aと、スリット下端部23bと、スリット風上側端部23cと、スリット風下側端部23dと、スリット平坦面部23eと、スリット上面部23fと、スリット下面部23gとを有する。スリット風上側端部23c及びスリット風下側端部23dは、鉛直方向に延在する長さの等しい直線形状の切込みである。スリット風上側端部23cの上端及びスリット風下側端部23dの上端を結ぶ線分は、水平方向に延在するスリット上端部23aを規定する。スリット風上側端部23cの下端及びスリット風下側端部23dの下端を結ぶ線分は、水平方向に延在するスリット下端部23bを規定する。スリット平坦面部23eは、複数の板状フィン2の間の空間に位置し、風上側から見て鉛直方向に延在する。スリット上面部23fは、スリット上端部23aとスリット平坦面部23eの上辺との間を風上側から見て斜め下方に延在する。スリット下面部23gは、スリット下端部23bとスリット平坦面部23eの下辺との間を風上側から見て斜め上方に延在する。
【0018】
隣り合った板状フィン2の間の空間は、外気との間で熱交換を行うための風路4となる。切欠部21の風上側端部21aより風上側の風路4、すなわち、図1の二点鎖線L1の右側の風路4は、鉛直方向に延在し、熱交換器1に付着した水滴を重力作用により排出することが可能な排水路5となる。
【0019】
次に、本実施の形態1に係る熱交換器1の板状フィン2の構造について、図3及び図4を用いて説明する。
【0020】
図3及び図4は、本実施の形態1に係る板状フィン2の一部を概略的に示す平面図である。上述したように、板状フィン2は、複数の切欠部21と、複数の切り起こし片23とを有している。
【0021】
切欠部21は、図3及び図4に示すように、扁平管3、30、300を配置するための風下側端部21bと、扁平管3、30、300を嵌合させるための風上側端部21aとを有している。また、切欠部21は、風上側端部21aと風下側端部21bの上縁部との間に、風下側端部21bから挿入された扁平管3、30、300を誘導する上端部21cを有している。更に、切欠部21は、風上側端部21aと風下側端部21bの下縁部との間に、風下側端部21bから挿入された扁平管3、30、300を誘導する下端部21dを有している。上端部21c及び下端部21dは、上端部21c及び下端部21d側を底辺とした複数の三角形の切込部21eを有している。
【0022】
図3及び図4では、切欠部21の風上側端部21aは右半円形状となっている。切欠部21の風下側端部21bの上縁部及び下縁部は、扁平管3、30、300の挿入が容易となるように円弧形状となっている。切欠部21の上端部21cは、風上側端部21aの上端と風下側端部21bの上縁部の右下端部との間を水平方向に延在する直線形状となっている。切欠部21の下端部21dは、風上側端部21aの下端と風下側端部21bの下縁部の右上端部との間を水平方向に延在する直線形状となっている。しかしながら、切欠部21の風上側端部21a、風下側端部21b、上端部21c、及び下端部21dの形状は、扁平管3、30、300が挿入可能であり、固定できる形状であればこれに限定されない。例えば、切欠部21の風上側端部21aは半楕円形状であってもよいし、風下側端部21bは他のテーパ形状であってもよい。
【0023】
なお、本実施の形態1に係る板状フィン2は、スリット形状の切り起こし片23に代えて、ルーバー形状の切り起こし片23を有していてもよい。図4の板状フィン2は、複数の切欠部21の間の平面部に、3つのルーバー形状の切り起こし片23を有している。図4では、ルーバー形状の切り起こし片23は、ルーバー上端部23h、ルーバー左端部23i、ルーバー下端部23j、及びルーバー右端部23kを有する。ルーバー左端部23iは、鉛直方向に延在する直線形状の切込みである。ルーバー上端部23hは、ルーバー左端部23iの上端から右方向(風上側)に水平方向に延在する直線形状の切込みである。ルーバー下端部23jは、ルーバー左端部23iの下端から右方向(風上側)に水平方向に延在する直線形状の切込みであり、ルーバー上端部23hと長さが等しくなる。ルーバー上端部23hの右端とルーバー下端部23jの右端を結ぶ線分は、ルーバー右端部23kを規定する。ルーバー形状の切り起こし片23は、ルーバー右端部23kを軸として複数の切欠部21の間の平面部から斜方に捩るように切り起こされたものである。
【0024】
板状フィン2は、切欠部21の風上側端部21a、上端部21c、及び下端部21dから垂直に切り起こされたフィンカラー25を備える。フィンカラー25は、扁平管3、30、300を板状フィン2に固定するために用いられるものである。
【0025】
次に、本実施の形態1に係る熱交換器1の扁平管3、30、300の構造について、図5を用いて説明する。
【0026】
図5は、本実施の形態1に係る扁平管3、30、300を末端側から見た概略的な平面図である。扁平管3、30、300は、楕円形状又は長円形状等の扁平形状の末端面(断面)を有する冷媒配管である。扁平管3、30、300は直線形状の冷媒配管であっても、U字形状の冷媒配管であってもよい。
【0027】
図5に示す扁平管3、30、300は直線形状の冷媒配管であり、長円形状の末端面(断面)を有している。扁平管3、30、300は、扁平形状の扁平管上面部3aと、右半円形状の扁平管風上側側面部3bと、扁平形状の扁平管下面部3cと、左半円形状の扁平管風下側側面部3dとを有している。扁平管上面部3a及び扁平管下面部3cは、送風ファン70から供給される風の方向に沿って延びる扁平管3、30、300の扁平面部である。扁平管風上側側面部3bは、扁平管上面部3a及び扁平管下面部3cの風上側端部に設けられた扁平管3、30、300の風上端部である。扁平管風下側側面部3dは、扁平管上面部3a及び扁平管下面部3cの扁平面部の風下側端部に設けられた扁平管3、30、300の風下端部である。
【0028】
扁平管3、30、300は、図5の符号(a)に示すように、冷媒との接触面積を増やし、熱交換効率を良くするために複数の矩形形状の冷媒流路3eを内部に有する構成にできる。また、図5の符号(b)の扁平管3、30、300のように、同心状の1つの冷媒流路3eを内部に有する構成としてもよい。
【0029】
次に、本実施の形態1に係る上述の熱交換器1を備える冷凍サイクル装置100について説明する。
【0030】
図6は、本実施の形態1に係る冷凍サイクル装置100の一例を概略的に示す冷媒回路図である。図6の矢印は、冷凍サイクル装置100における冷媒の流れを示している。
【0031】
本実施の形態1の冷凍サイクル装置100は、圧縮機40と、負荷側熱交換器50と、減圧装置60と、本実施の形態1の熱交換器1(熱源側熱交換器)とを冷媒配管を介して接続した冷凍サイクルを備えている。本実施の形態1の冷凍サイクル装置100は、冷凍サイクルに冷媒を循環させて、熱交換器1に低温低圧の冷媒を供給する暖房運転を行うように構成されている。
【0032】
圧縮機40は、吸入した低圧冷媒を圧縮し、高圧冷媒として吐出する流体機械である。負荷側熱交換器50は、暖房運転時に放熱器(凝縮器)として機能する熱交換器である。減圧装置60は、高圧冷媒を減圧して低圧冷媒とする装置である。減圧装置としては、例えば開度を調節可能なリニア電子膨張弁等が用いられる。本実施の形態1の熱交換器1は、冷凍サイクル装置100に暖房運転時に蒸発器として機能している。
【0033】
また、本実施の形態1の冷凍サイクル装置100は、本実施の形態1の熱交換器1に外気を供給する送風ファン70を備えている。送風ファン70は、熱交換器1に対向して設置される。送風ファン70としては例えばプロペラファンが用いられ、熱交換器1の風路4を通過する空気流がプロペラファンの回転によって生成される。
【0034】
次に、冷凍サイクル装置100の暖房運転時における、本実施の形態1に係る熱交換器1の排水動作について説明する。
【0035】
圧縮機40から吐出された高温高圧の気相冷媒は、負荷側熱交換器50に流入する。負荷側熱交換器50では、例えば、負荷側熱交換器50の内部を流通する冷媒と、外気(室内空気)との間で熱交換が行われ、冷媒の凝縮熱が送風された外気に放熱され負荷側熱交換器50に流入した高温高圧の気相冷媒は、二相冷媒を経て高圧の液相冷媒となる。高圧の液相冷媒は減圧装置60に流入し、減圧されて低圧の二相冷媒となり、熱交換器1に流入する。熱交換器1では、熱交換器1の内部を流通する冷媒と、送風ファン70により送風される外気(室外空気)との間で熱交換が行われ、冷媒の蒸発熱が送風された外気から吸熱される。これによって、熱交換器1に流入した低圧の二相冷媒は、低圧の気相冷媒又は乾き度の高い低圧の二相冷媒となる。低圧の気相冷媒又は乾き度の高い低圧の二相冷媒は、圧縮機40に吸入される。圧縮機40に吸入された低圧の気相冷媒は圧縮されて、高温高圧の気相冷媒となる。冷凍サイクル装置100の暖房運転時においては、以上のサイクルが繰り返される。
【0036】
冷凍サイクル装置100の暖房運転時においては、熱交換器1では、送風ファン70から供給され、熱交換器1の風路4を通過する空気等の熱交換流体と、扁平管3、30、300の内部を流動する水又は冷媒等の被熱交換流体との間で熱交換が行われる際に、空気中の水分が凝縮し、熱交換器1の表面に水滴が生ずる。
【0037】
例えば、熱交換器1が冷凍サイクル装置100(例えば、空気調和装置)の室外機(図示せず)に収容され、空気調和装置の暖房運転によって蒸発器として機能する場合、空気中の水分が熱交換器1に着霜することがある。そのため、暖房運転が可能な空気調和装置等では、外気が一定温度(例えば、0℃)以下となったときに霜を除去するための除霜運転が行われる。
【0038】
ここで、「除霜運転」とは、蒸発器として機能する熱交換器1に霜が付着するのを防ぐために圧縮機40から熱交換器1にホットガス(高温高圧のガス冷媒)を供給する運転のことである。熱交換器1に付着した霜及び氷は、除霜運転時に熱交換器1に供給されるホットガスによって融解される。
【0039】
圧縮機の吐出口と熱交換器1との間は、除霜運転時に圧縮機40から熱交換器1にホットガスを直接的に供給できるよう、バイパス冷媒配管(図示せず)で接続する構成にできる。また、圧縮機40から熱交換器1にホットガスを供給できるように、圧縮機40の吐出口を冷媒流路切替装置(例えば、四方弁等)を介して熱交換器1に接続する構成としてもよい。
【0040】
なお、除霜運転は、暖房運転の継続時間が所定値(例えば、30分)に達した場合に行われるようにしてもよいし、外気が一定温度(例えば、マイナス6℃)以下の場合に、暖房運転を行う前に行われるようにしてもよい。
【0041】
本実施の形態1に係る熱交換器1では、扁平管3、30、300は板状フィン2の風下側に配置されている。すなわち、熱交換器1の排水路5は、送風ファン70から供給される空気の主流方向における風上側に位置している。したがって、着霜の大部分は熱交換器1の風上側、すなわち熱交換器1の排水路5に生じることとなる。除霜運転により熱交換器1の排水路5に付着した霜及び氷は融解されて水滴となり、水滴は重力作用により排水路5を介して熱交換器1から排出される。
【0042】
本実施の形態1に係る熱交換器1では、切り起こし片23が、第1の仮想面32と第2の仮想面34と間に位置している。除霜運転により扁平管下面部3cに生じた水滴は、切り起こし片23と板状フィン2との間の空間で生じる毛管作用と、重力作用とにより下方へ排出され、扁平管上面部3aに落下する。このとき、切り起こし片23が、排水路5側の扁平管風上側側面部3bの近くに位置するため、落下した水滴は扁平管上面部3aに滞留することなく、扁平管風上側側面部3bを介して扁平管下面部3cに移動する。扁平管下面部3cに生じた水滴は、切り起こし片23と板状フィン2との間の空間で生じる毛管作用と、重力作用とにより下方へ排出される。以上の繰り返しによって、本実施の形態1に係る熱交換器1では、除霜運転により扁平管3、30、300に生じた水滴が排出される。
【0043】
以上に説明したように、本実施の形態1に係る熱交換器1は、送風ファン70からの風が供給されるものであって、板状フィン2と、送風ファン70から供給される風の方向に沿って延びる扁平管下面部3c(第1の扁平面部の一例)と扁平管下面部3cの風上側端部に設けられた扁平管風上側側面部3b(第1の風上端部)と扁平管下面部3cの風下側端部に設けられた扁平管風下側側面部3d(第1の風下端部)とを有し、板状フィン2と交差する扁平管3(第1の扁平管の一例)と、扁平管3の扁平管下面部3cと互いに向かい合い、風の方向に沿って延びる扁平管上面部3a(第2の扁平面部の一例)と扁平管上面部3aの風上側端部に設けられた扁平管風上側側面部3b(第2の風上端部)と扁平管上面部3aの風下側端部に設けられた扁平管風下側側面部3d(第2の風下端部)とを有し、扁平管3と間隔を置いて配置され、板状フィン2と交差する扁平管30(第2の扁平管の一例)とを備え、扁平管3の扁平管風上側側面部3b及び扁平管30の扁平管風上側側面部3bは、板状フィン2の周縁部よりも内側に位置し、板状フィン2は、扁平管3と扁平管30との間の位置に切り起こし片23を有し、切り起こし片23は、扁平管3の扁平管風上側側面部3bと扁平管30の扁平管風上側側面部3bをつなぐ第1の仮想面32と扁平管3の扁平管下面部3cの中心と扁平管30の扁平管上面部3aの中心をつなぐ第2の仮想面34との間に位置するものである。また、本実施の形態1に係る冷凍サイクル装置100は、上述の熱交換器1を備えるものである。
【0044】
熱交換器1の板状フィン2に切り起こし片23を有することによる、本実施の形態1に係る熱交換器1及び冷凍サイクル装置100の効果を図7及び図8を用いて説明する。
【0045】
図7は、本実施の形態1に係る熱交換器1による水の排出機能を概略的に示す側面図である。図7では、表面張力等による垂直抗力を白色のブロック矢印、重力を黒色のブロック矢印、毛管作用による力をハッチングを付したブロック矢印で示している。図7は、切り起こし片23を有しない熱交換器1(符号(a))と、スリット形状の切り起こし片23を有する本実施の形態1の熱交換器1(符号(b))とを比較したものである。
【0046】
図7の符号(a)に示すように、熱交換器1が切り起こし片23を有しない場合、扁平管下面部3cに生じた水滴は、表面張力等の垂直抗力と重力との力のつり合いにより扁平管下面部3cに滞留する(符号(1))。扁平管風上側側面部3bを介して扁平管下面部3cに移動する水滴の量が増えると水滴は下方へ膨らんでいくが、重力が表面張力等の垂直抗力よりも大きくなるまで、水滴は扁平管下面部3cに滞留したまま維持される(符号(2)〜(3))。更に扁平管下面部3cに移動する水滴の量が増え、重力が、表面張力等の垂直抗力よりも大きくなると、水滴は扁平管下面部3cを離脱し下方へ排出される(符号(4))。したがって、図7の符号(a)の熱交換器1では、水滴の排出速度が律速となる。
【0047】
これに対し、図7の符号(b)のスリット形状の切り起こし片23を有する熱交換器1では、扁平管下面部3cに生じた水滴が少量の場合、水滴は、表面張力等の垂直抗力と重力との力のつり合いにより扁平管下面部3cに滞留する(符号(1))。扁平管風上側側面部3bを介して扁平管下面部3cに移動する水滴の量が増えると水滴は下方へ膨らんでいき、水滴はスリット上面部23fと接触する(符号(2))。この時、板状フィン2とスリット上面部23fとの間の空間に毛管作用による力が発生する。毛管作用による力と重力との合力が表面張力等の垂直抗力よりも大きい場合、水滴は扁平管下面部3cを離脱し、スリット平坦面部23eと板状フィン2との間の空間を介して下方へ排出される(符号(3))。したがって、図7の符号(b)の熱交換器1では、毛管作用による力と重力との合力によって、扁平管下面部3cに滞留する水滴を排出できるため、水滴の排出速度が上昇する。
【0048】
図8は、本実施の形態1に係る熱交換器1による水の排出機能を概略的に示す平面図である。図8では、重力を黒色のブロック矢印、水滴の流れ方向を線状の黒色矢印で示している。図8は、切り起こし片23を有しない熱交換器1(符号(a))と、スリット形状の切り起こし片23を有する本実施の形態1の熱交換器1(符号(b))とを比較したものである。
【0049】
図8の符号(a)に示すように、熱交換器1が切り起こし片23を有しない場合、霜及び氷は熱交換器1の風上側に付着する(符号(1))。除霜運転により排水路5に付着した水滴の大部分は重力作用により排水路5を介して熱交換器1から排出される(符号(2))。一方、除霜運転により扁平管下面部3cに生じた水滴は、水滴の重力が表面張力等の垂直抗力よりも大きい場合に、重力作用によって扁平管上面部3aに落下する(符号(2))。扁平管上面部3aに落下した水滴は、扁平管風上側側面部3bを介して扁平管下面部3cに移動する(符号(3))。一方、扁平管下面部3cに生じた水滴の重力が表面張力等の垂直抗力よりも小さい場合は、水滴は扁平管下面部3cに滞留したまま維持される(符号(4))。したがって、図8の符号(a)の熱交換器1では、水滴の排出速度が時間経過とともに律速となり、扁平管下面部3cの排水路5側(風上側)に水滴の滞留が生じることとなる(符号(4)の滞留A)。
【0050】
これに対し、図8の符号(b)に示す本実施の形態1の熱交換器1のように、熱交換器1がスリット形状の切り起こし片23を有する場合、霜及び氷は熱交換器1の風上側に付着する(符号(1))。除霜運転により排水路5に付着した水滴の大部分は、重力作用により排水路5を介して熱交換器1から排出される(符号(2))。また、除霜運転により扁平管下面部3cに生じた水滴は、毛管作用と重力作用とによって、切り起こし片23を介して扁平管上面部3aに排出される(符号(2))。扁平管上面部3aに排出された水滴は、扁平管風上側側面部3bを介して扁平管下面部3cに移動する(符号(3))。したがって、図8の符号(b)の熱交換器1では、水滴の排出速度を上昇させ、扁平管下面部3cに生じる水滴の滞留量を減ずることができる(符号(4))。
【0051】
以上のことから、本実施の形態1によれば、熱交換器1の板状フィン2に切り起こし片23を有することにより、水滴の排出速度を上昇させ、扁平管下面部3cに生じる水滴の滞留量を減ずることが可能な熱交換器1及び冷凍サイクル装置100を提供できる。
【0052】
次に、扁平管3、30、300を板状フィン2の風下側に配置することによる、本実施の形態1に係る熱交換器1及び冷凍サイクル装置100の効果を図9を用いて説明する。
【0053】
上述したように、扁平管3、30、300を板状フィン2の風下側に配置する場合、扁平管3の扁平管風上側側面部3b及び扁平管30の扁平管風上側側面部3bが、板状フィン2の周縁部よりも内側に位置し、熱交換器1の排水路5は、空気の主流方向における風上側に位置することとなる。逆に、扁平管3、30、300が板状フィン2の風上側に配置される場合、熱交換器1の排水路5は、空気の主流方向における風下側に位置することとなる。
【0054】
図9は、本実施の形態1に係る熱交換器1による水の排出機能を概略的に示す平面図である。図9では、重力を黒色のブロック矢印、毛管作用による力を白色のブロック矢印、水滴の流れ方向を黒色矢印で示している。図9は、排水路5が風下側に位置する熱交換器1(符号(a))と、排水路5が風上側に位置する本実施の形態1の熱交換器1(符号(b))とを比較したものである。図9の符号(a)及び符号(b)の熱交換器1におけるスリット形状の切り起こし片23は、ともに切欠部21の風上側端部21a側かつ複数の切欠部21の間に配置されている。すなわち、図9は、排水路5の近くに切り起こし片23を有する熱交換器1における、風向による排出機能の違いを概略的に示す平面図である。
【0055】
図9の符号(a)に示すように、熱交換器1の排水路5が風下側に位置する場合、霜及び氷は、熱交換器1の風上側に集中的に付着する(符号(1))。また、霜及び氷は、切り起こし片23にも付着する(符号(1))。除霜運転により扁平管下面部3cに生じた水滴は、重力作用によって扁平管上面部3aに落下する(符号(2))。また、扁平管下面部3cに生じた水滴の一部は、毛管作用と重力作用とによって、風下側の切り起こし片23を介して扁平管上面部3aに排出される(符号(2))。扁平管上面部3aに溜まった水滴の大部分は、扁平管風上側側面部3bを介して扁平管下面部3cに移動する(符号(3))。しかしながら、扁平管上面部3aの風上側に溜まった水滴の一部は、扁平管風上側側面部3bから遠くに位置するため、扁平管上面部3aの風上側に滞留することとなる(符号(4))。一方、扁平管下面部3cに生じた水滴のうち、風上側に生じたものは毛管作用による力を受けない。したがって、風上側に生じた水滴の重力が表面張力等の垂直抗力よりも小さい場合は、水滴は扁平管下面部3cに滞留したまま維持される(符号(4))。したがって、図9の符号(a)の熱交換器1では、水滴の排出速度が時間経過とともに律速となり、扁平管上面部の風上側と、扁平管下面部3cの風上側とに水滴の滞留が生じることとなる(符号(4)の滞留B及び滞留C)。
【0056】
これに対し、図9の符号(b)に示す本実施の形態1の熱交換器1のように、排水路5が風上側に位置する場合、霜及び氷は熱交換器1の風上側に付着する(符号(1))。除霜運転により排水路5に付着した水滴の大部分は、重力作用により排水路5を介して熱交換器1から排出される(符号(2))。また、除霜運転により扁平管下面部3cに生じた水滴は、毛管作用と重力作用とによって、切り起こし片23を介して扁平管上面部3aに排出される(符号(2))。扁平管上面部3aに排出された水滴は、扁平管風上側側面部3bを介して扁平管下面部3cに移動する(符号(3))。したがって、図9の符号(b)の熱交換器1では、水滴の排出速度を上昇させ、扁平管上面部3a及び扁平管下面部3cに生じる水滴の滞留量を減ずることができる(符号(4))。
【0057】
以上のことから、本実施の形態1によれば、扁平管3、30、300を板状フィン2の風下側に配置することにより、水滴の排出速度を上昇させ、扁平管下面部3cに生じる水滴の滞留量を減ずることが可能な熱交換器1及び冷凍サイクル装置100を提供できる。
【0058】
次に、切り起こし片23が切欠部21の風上側端部21a側に位置する、すなわち、切り起こし片23が第1の仮想面32と第2の仮想面34との間に位置することによる、本実施の形態1に係る熱交換器1の効果を図10を用いて説明する。
【0059】
図10は、本実施の形態1に係る熱交換器1による水の排出機能を概略的に示す平面図である。図10では、重力を黒色のブロック矢印、毛管作用による力を白色のブロック矢印、水滴の流れ方向を黒色矢印で示している。図10は、切り起こし片23が第2の仮想面34より風下側に位置する熱交換器1(符号(a))と、第1の仮想面32と第2の仮想面34との間に位置する本実施の形態1の熱交換器1(符号(b))とを比較したものである。
【0060】
図10の符号(a)に示すように、熱交換器1の切り起こし片23が第2の仮想面34より風下側に位置する場合、霜及び氷は、排水路5を含む熱交換器1の風上側に集中的に付着する(符号(1))。また、霜及び氷は、切り起こし片23にも付着する(符号(1))。除霜運転により排水路5に付着した水滴の大部分は重力作用により排水路5を介して熱交換器1から排出される(符号(2))。一方、除霜運転により扁平管下面部3cに生じた水滴は、水滴の重力が表面張力等の垂直抗力よりも大きい場合に、重力作用によって扁平管上面部3aに落下する(符号(2))。また、扁平管下面部3cに生じた水滴の一部は、毛管作用と重力作用とによって、風下側の切り起こし片23を介して扁平管上面部3aに排出される(符号(2))。扁平管上面部3aに溜まった水滴の大部分は、扁平管風上側側面部3bを介して扁平管下面部3cに移動する(符号(3))。しかしながら、扁平管上面部3aの風下側に溜まった水滴の一部は、扁平管風上側側面部3bから遠くに位置するため、扁平管上面部3aの風下側に滞留することとなる(符号(4))。一方、扁平管下面部3cに生じた水滴のうち、風上側に生じたものは毛管作用による力を受けない。したがって、風上側に生じた水滴の重力が表面張力等の垂直抗力よりも小さい場合は、水滴は扁平管下面部3cに滞留したまま維持される(符号(4))。したがって、図10の符号(a)の熱交換器1では、水滴の排出速度が時間経過とともに律速となり、扁平管下面部3cの風上側と、扁平管上面部3aの風下側とに水滴の滞留が生じることとなる(符号(4)の滞留A及び滞留B)。
【0061】
これに対し、図10の符号(b)に示す本実施の形態1の熱交換器1のように、切り起こし片23が切欠部21の風上側端部21a側に位置する場合、霜及び氷は熱交換器1の風上側に付着する(符号(1))。除霜運転により排水路5に付着した水滴の大部分は、重力作用により排水路5を介して熱交換器1から排出される(符号(2))。また、除霜運転により扁平管下面部3cに生じた水滴は、毛管作用と重力作用とによって、切り起こし片23を介して扁平管上面部3aに排出される(符号(2))。扁平管上面部3aに排出された水滴は、扁平管風上側側面部3bを介して扁平管下面部3cに移動する(符号(3))。したがって、図10の符号(b)の熱交換器1では、水滴の排出速度を上昇させ、扁平管上面部3a及び扁平管下面部3cに生じる水滴の滞留量を減ずることができる(符号(4))。
【0062】
以上のことから、本実施の形態1によれば、切り起こし片23が第1の仮想面32と第2の仮想面34との間に位置することにより、水滴の排出速度を上昇させ、扁平管上面部3a及び扁平管下面部3cに生じる水滴の滞留量を減ずることが可能な熱交換器1及び冷凍サイクル装置100を提供できる。
【0063】
上述したとおり、本実施の形態1の熱交換器1においては、排水路5に付着した水滴の大部分は、除霜運転により霜が融解し始めた直後に重力作用により排水路5を介して熱交換器1から排出される。本実施の形態1によれば、除霜運転時に必要となる熱量を低減し、除霜時間を低減することができるため、エネルギー消費量を削減できる熱交換器1を提供できる。
【0064】
また、本実施の形態1の熱交換器1においては、表面張力により扁平管上面部3a及び扁平管下面部3cに生じる水滴を円滑に下方へ排出することができるため、除霜時間を更に低減することができる。
【0065】
除霜運転直後は熱交換器1の着霜量が多くなるため、排水路5を介して大部分の水滴が重力作用により下方に排出される。一方、排水路5を介して排出されなかった水滴は、表面張力の影響を受けて、扁平管上面部3aから扁平管風上側側面部3bを介して扁平管下面部3cに移動する。扁平管下面部3cは扁平形状であるため、表面張力等の垂直抗力に反して水滴が落下するのに必要な重力が大きくなる。そのため、切り起こし片23を有しない場合、扁平管下面部3cには水滴が滞留しやすく、除霜運転時の排水が律速となる原因となる。
【0066】
例えば、空気調和装置において除霜運転が終了して暖房運転が開始した後に、熱交換器1に水滴が滞留していた場合、熱交換器1で水滴が再度氷結することとなる。水滴の氷結によって扁平管3、30、300が損傷する場合があるため、水滴の氷結によって熱交換器1の信頼性が低下する。また、熱交換器1に付着した氷によって熱交換器1の風路4が閉塞される場合がある。熱交換器1の風路4が閉塞された場合、熱交換器1の通風抵抗が増加するとともに着霜耐力が低下する。したがって、水滴の氷結によって熱交換器1における除霜時間が増加した場合、平均暖房能力が低下するとともに、エネルギー消費量の削減を達成できなくなる。
【0067】
しかしながら、本実施の形態1の熱交換器1においては、切り起こし片23が切欠部21の風上側端部21a側かつ複数の切欠部21の間に配置されている。切り起こし片23は、板状フィン2との間の空間に毛管作用による力を発生させる。除霜運転により扁平管下面部3cに生じた水滴は、毛管作用と重力作用とによって、切り起こし片23を介して扁平管上面部3aに排出される。したがって、本実施の形態1によれば、水滴の排出速度を上昇させ、扁平管上面部3a及び扁平管下面部3cに生じる水滴の滞留量を減ずることができる。また、本実施の形態1によれば、平均暖房能力が低下しないため、エネルギー消費量の削減を達成できる。更に、本実施の形態1によれば、凍結により扁平管3、30、300が損傷し、冷媒が漏洩することがないため、熱交換器1の安全性が確保できる。
【0068】
また、本実施の形態1の熱交換器1においては、切り起こし片23はスリットとして構成できる。スリットは、複数の切欠部21の間に位置する板状フィン2の平面部を風向と直交する方向に切り起こすことにより設けることができるため、簡易に毛管作用によって扁平管3、30、300に生じた水滴を排出することができる構成を熱交換器1に設けることができる。
【0069】
また、本実施の形態1の熱交換器1においては、切り起こし片23はルーバーとして構成できる。切り起こし片23がルーバーである場合でも、毛管作用によって扁平管3、30、300に生じた水滴を排出することができる。
【0070】
また、本実施の形態1の熱交換器1においては、ルーバーは2本以上配置され、ルーバーの位置は、扁平管3の断面長手方向において、隣り合った位置となるように構成できる。ルーバーは、斜方に捩るように切り起こされているため、板状フィン2との間の空間で生じる毛管作用が小さくなる場合がある。しかしながら、ルーバーを水平方向に隣り合った位置に複数(例えば、2つ)配置することにより、ルーバー間の狭い空間で毛管作用が生じるため、扁平管3、30、300に生じた水滴を効率良く排出することができる。
【0071】
次に、本実施の形態1に係る熱交換器1の製造方法を説明する。
【0072】
扁平管3、30、300を配置可能な切欠部21を有する板状フィン2は、予め設定された形状の金型で金属板材をプレスすることで製造される。板状フィン2を製造するための金属板材は熱伝導性の高い材料であれば良く、例えばアルミニウム製、アルミニウム合金製、又は銅製とすることができる。板状フィン2を製造するための金属板材は、扁平管3、30、300と同一の金属材料としてもよいし、異なる金属材料としてもよい。
【0073】
スリット状の切り起こし片23は、切欠部21の間に位置する板状フィン2の平面部に形成される。最初に、板状フィン2の平面部において、切欠部21の風上側端部21a側に、切欠部21の上端部21c(又は下端部21d)と直交する方向にスリット風上側端部23c及びスリット風下側端部23dを規定する直線形状の切込みを2つ形成する。切込みの上端同士を結ぶ水平方向の線分はスリット上端部23aを規定し、切込みの下端同士を結ぶ水平方向の線分はスリット下端部23bを規定する。次いで、切込みの間の平面部を押し出して塑性変形し、板状フィン2と平行なスリット平坦面部23eと、スリット上面部23fと、スリット下面部23gとを形成する。スリット平坦面部23eは、板状フィン2と平行となるように形成される。スリット上面部23fは、スリット上端部23aとスリット平坦面部23eの上辺との間を風上側から見て斜め下方に延在するように形成される。スリット下面部23gは、スリット下端部23bとスリット平坦面部23eの下辺との間を斜め上方に延在するように形成される。
【0074】
フィンカラー25は、扁平管3、30、300を板状フィン2に固定するために形成される。フィンカラー25は、板状フィン2の切欠部21の周縁部を垂直方向に切り起こして成形される。
【0075】
ここで、スリット状の切り起こし片23を形成する位置について図11を用いて更に説明する。図11は、本実施の形態1に係る熱交換器1の一部の寸法を示す概略的な平面図又は側面図である。
【0076】
図11の符号(a)の平面図は、図1の熱交換器1の一部を示すものである。図11の符号(a)に示すように、扁平管3の扁平管風上側側面部3bと扁平管30の扁平管風上側側面部3bをつなぐ第1の仮想面32からまでの最短距離をSaと定義する。また、スリット上端部23aと扁平管下面部3cとの間の最短距離をSb、スリット下端部23bと扁平管上面部3aとの間の最短距離をScと定義する。更に、熱交換器1に配置された扁平管3の中心と扁平管30の中心との間の最短距離をDPと定義する。
【0077】
図11の符号(b)の側面図は、図2の熱交換器の一部を示すものである。図11の符号(b)に示すように、スリット平坦面部23eの板状フィン2の平面部からの切り起こし幅(以降、「スリットの切り起こし幅」と称する。)をShと定義する。また、複数の板状フィン2間の最短ピッチ幅をFPと定義する。
【0078】
図11の符号(c)の平面図は、図5の符号(a)の扁平管3、30と同一のものである。図11の符号(c)に示すように、扁平管3(又は扁平管30)の断面長手方向の幅をDAと定義する。また、扁平管3(又は扁平管30)の断面短手方向の幅をDBと定義する。更に、扁平管3(又は扁平管30)の扁平管風上側側面部3bの最も風上側の端から扁平管3(又は扁平管30)の扁平管上面部3a(又は、扁平管下面部3c)までの水平方向最短距離をR1と定義している。
【0079】
切り起こし片23のスリットの切り起こし幅Shについて説明する。スリットの切り起こし幅Shが大きくなるに従い、板状フィン2とスリット平坦面部23eとの間に規定される空間の間隔が小さくなり、毛管作用による力が大きくなる。よって、スリットの切り起こし幅Shが大きくなるに従い、排水性能が向上する。一方、スリットの切り起こし幅Shが大きくなるに従い、スリット下面部23gへの荷重が大きくなり、切り起こし片23の切断(例えば、スリット平坦面部23eの切断)の可能性が高くなる。よって、スリットの切り起こし幅Shが大きくなるに従い、熱交換器1の伝熱性能が低下する可能性があり、熱交換器1に対する信頼性が低下する。したがって、スリットの切り起こし幅Shが、複数の板状フィン2間の最短ピッチ幅FPに対し、1/5≦(Sh/FP)≦1/2の範囲となるように切り起こし片23は形成される。
【0080】
次に、スリット風上側端部23cと扁平管風上側側面部3bとの間の距離Sa(最短距離)について説明する。本実施の形態1においては、切り起こし片23が複数の切欠部21の間の板状フィン2の平面部に形成されるため、スリット風上側端部23cの位置は、扁平管3(又は扁平管30)の扁平管風上側側面部3bの最も風上側の端よりも風下側となる。よって、切り起こし片23によって排水路5の座屈耐力が低下する可能性は少ないが、排水路5の近くに切り起こし片23を形成することによって、切り起こし片23に応力が集中する可能性がある。また、扁平管下面部3cの下にスリット風上側端部23cが位置するように切り起こし片23を形成することにより、扁平管下面部3cにある水滴を毛管作用により効果的に排水することができる。したがって、スリット風上側端部23cと扁平管風上側側面部3bとの間の距離Saが、(DA/2)>Sa≧R1の範囲となるように切り起こし片23は形成される。
【0081】
次に、スリット上端部23aと扁平管下面部3cとの間の距離Sb(最短距離)について説明する。本実施の形態1においては、扁平管下面部3cにある水滴を毛管作用により効果的に排水するために切り起こし片23が形成される。距離Sbを小さくした場合、毛管作用により排出できる水滴の大きさ(すなわち、水滴の重量)が小さくなるため、扁平管下面部3cに生じる水滴を効果的に排水することができる。一方、距離Sbが小さくなるにつれて、スリット上端部23aと切欠部21との間に距離が小さくなるため、スリット部の耐力が低下し、板状フィン2に扁平管3を挿入する際に板状フィン2が座屈する可能性がある。また、フィンカラー25を加工する場合には、切欠部21の周縁にフィンカラー25を固定するための板状フィン2の平面部が必要となる場合がある。したがって、スリット上端部23aと扁平管下面部3cとの間の距離Sbが、1≦Sb(mm)≦3となるように切り起こし片23は形成される。
【0082】
次に、スリット下端部23bと扁平管上面部3aとの間の距離Sc(最短距離)について説明する。距離Scを小さくすることによって、切り起こし片23は、例えば、扁平管上面部3aの扁平管風上側側面部3bの近くに水滴を確実に誘導することができるため、排水の信頼性を向上させることができる。一方、距離Scを小さくした場合、スリット下端部23bと切欠部21との間の距離が小さくなるため、スリット部の耐力が低下し、板状フィン2に扁平管3を挿入する際に板状フィン2が座屈する可能性がある。また、距離Scを小さくした場合、切り起こし片23の毛管作用により、鉛直方向上向きに扁平管上面部3aに生じた水滴を吸い上げられ、効果的な排水ができない可能性がある。更に、切り起こし片23を流れる水滴は、上向きの表面張力によって切り起こし片23に滞留することはほとんどない。したがって、スリット下端部23bと扁平管上面部3aとの間の距離Scが、1.5≦Sc(mm)≦(DP−DB)/2となるように切り起こし片23は形成される。
【0083】
以上のように形成された板状フィン2の複数の切欠部21に扁平管3を挿入し、板状フィン2に成形されたフィンカラー25と扁平管3とを炉中ろう付け又は接着剤により密着させる。更に、各々の扁平管3の両端は分配管又はヘッダ管(図示せず)とろう付けし、熱交換器1の冷媒流路に冷媒が流れるように接続される。
【0084】
以上に述べたように、本実施の形態1によれば、板状フィン2に切り起こし片23を形成するという簡単な工程で、除霜運転時において発生する水の排出機能を向上させた熱交換器1を製造できる。したがって、本実施の形態1によれば、熱交換器1の小型化、軽量化を図ることができる。
【0085】
また、本実施の形態1では、板状フィン2と間隔を置いて配置された板状フィン2を備え、複数の板状フィン2は、互いに面が向かい合うように配置され、複数の板状フィン2の間の最短ピッチ幅FPに対するスリットの切り起こし幅Shの比率Sh/FPは、1/5≦Sh/FP≦1/2にできる。この構成によれば、熱交換器1における排水性能の向上と、熱交換器1に対する信頼性とのバランスを図ることが可能な熱交換器1を提供できる。
【0086】
また、本実施の形態1では、扁平管3(第1の扁平管の一例)が扁平管30(第2の扁平管)よりも上方に配置され、第1の仮想面32からスリットまでの距離Saは、扁平管3の扁平管風上側側面部3b(第1の風上端部の一例)の最も風上側の端から扁平管3の扁平管下面部3c(第1の扁平面部の一例)までの距離をR1、扁平管3(第1の扁平管の一例)の断面長手方向の幅をDAとすると、(DA/2)>Sa≧R1にできる。この構成によれば、排水路5の座屈耐力と熱交換器1における排水性能の向上とのバランスを図ることが可能な熱交換器1を提供できる。
【0087】
また、本実施の形態1では、扁平管3(第1の扁平管の一例)が扁平管30(第2の扁平管)よりも上方に配置され、扁平管3の扁平管下面部3c(第1の扁平面部の一例)からスリットまでの距離Sbは、1mm≦Sb≦3mmにできる。この構成によれば、板状フィン2の座屈耐力と熱交換器1における排水性能の向上とのバランスを図ることが可能な熱交換器1を提供できる。
【0088】
また、本実施の形態1では、扁平管3(第1の扁平管の一例)が扁平管30(第2の扁平管)よりも上方に配置され、スリットから扁平管30の扁平管上面部3a(第2の扁平面部の一例)までの距離Scは、扁平管3(第1の扁平管の一例)の中心と扁平管30(第2の扁平管の一例)の中心間の距離をDP、扁平管30(第2の扁平管の一例)の断面短手方向の幅をDBとすると、1.5mm≦Sc≦(DP−DB)/2にできる。この構成によれば、板状フィン2の座屈耐力と熱交換器1における排水性能の向上とのバランスを図ることが可能な熱交換器1を提供できる。
【0089】
実施の形態2.
本発明の実施の形態2に係る熱交換器1について図12を用いて説明する。図12は、本実施の形態2に係る熱交換器1の一部を概略的に示す平面図である。
【0090】
本実施の形態2における切り起こし片24は、スリット形状の切り起こし片である。切り起こし片24は、スリット上端部24aと、スリット下端部24bと、スリット風上側端部24cと、スリット風下側端部24dと、スリット平坦面部24eと、スリット上面部24fと、スリット下面部24gとを有する。スリット風上側端部24c及びスリット風下側端部24dは、互いに平行な長さの等しい直線形状の切込みである。本実施の形態2では、スリット風上側端部24cの上端は、スリット風上側端部24cの下端よりも風下側に位置している。よって、スリット風下側端部24dの上端は、スリット風下側端部24dの下端よりも風下側に位置している。スリット風上側端部24cの上端及びスリット風下側端部24dの上端を結ぶ線分は、水平方向に延在するスリット上端部24aを規定する。スリット風上側端部24cの下端及びスリット風下側端部24dの下端を結ぶ線分は、水平方向に延在するスリット下端部24bを規定する。スリット平坦面部24eは、複数の板状フィン2の間の空間に位置し、風上側から見て鉛直方向に延在する。スリット上面部24fは、スリット上端部24aとスリット平坦面部24eの上辺との間を風上側から見て斜め下方に延在する。スリット下面部24gは、スリット下端部24bとスリット平坦面部24eの下辺との間を風上側から見て斜め上方に延在する。
【0091】
また、スリット状の切り起こし片24は、切欠部21の間に位置する板状フィン2の平面部に形成される。最初に、板状フィン2の平面部において、切欠部21の風上側端部21a側に、スリット風上側端部24c及びスリット風下側端部24dを規定する平行な直線形状の切込みを2つ形成する。本実施の形態2では、スリット風上側端部24cの上端が、スリット風上側端部24cの下端よりも風下側に位置するように切り込みが形成される。よって、スリット風下側端部24dの上端は、スリット風下側端部24dの下端よりも風下側に位置するように切り込みが形成される。ここで、切込みの上端同士を結ぶ水平方向の線分はスリット上端部24aを規定し、切込みの下端同士を結ぶ水平方向の線分はスリット下端部24bを規定する。次いで、切込みの間の平面部を押し出して塑性変形し、板状フィン2と平行なスリット平坦面部24eと、スリット上面部24fと、スリット下面部24gとを形成する。スリット平坦面部24eは、板状フィン2と平行となるように形成される。スリット上面部24fは、スリット上端部24aとスリット平坦面部24eの上辺との間を風上側から見て斜め下方に延在するように形成される。スリット下面部24gは、スリット下端部24bとスリット平坦面部24eの下辺との間を斜め上方に延在するように形成される。
【0092】
本実施の形態2によれば、切り起こし片24を板状フィン2に配置することによって、スリット風上側端部24cの下端は、扁平管風上側側面部3bの近くに位置するように構成できる。また、スリット風上側端部24cの上端は、スリット風上側端部24cの下端よりも風下側に位置するように構成できる。すなわち、スリット下端部24bを扁平管風上側側面部3bの近くに配置し、スリット上端部24aをスリット下端部24bよりも風下側に配置することができる。したがって、本実施の形態2によれば、スリット下端部24bを介して扁平管上面部3aに排出された水滴を、扁平管風上側側面部3bを介して扁平管下面部3cに円滑に移動させることができる。また、スリット上端部24aをスリット下端部24bよりも風下側に配置することによって、扁平管下面部3cに生じた水滴を切り起こし片24の毛管作用によって排出可能な範囲を大きくすることができる。
【0093】
実施の形態3.
本発明の実施の形態3に係る熱交換器1について図13を用いて説明する。図13は、本実施の形態3に係る熱交換器1の一部を概略的に示す平面図である。
【0094】
本実施の形態3の熱交換器1は、上述の実施の形態1の切り起こし片23の風下側に上述の実施の形態2の切り起こし片24を配置したものである。本実施の形態3によれば、扁平管下面部3cに生じた水滴は、切り起こし片23、24の毛管作用によって扁平管上面部3aに排出できる。更に、切り起こし片24から排出される水滴は、扁平管上面部3aの扁平管風上側側面部3bの近くに排出される。したがって、本実施の形態3によれば、扁平管上面部3aに排出された水滴を、扁平管風上側側面部3bを介して扁平管下面部3cに円滑に移動させることができる。
【0095】
その他の実施の形態.
上述の実施の形態に限らず種々の変形が可能である。例えば、切り起こし片23、24は水平方向に並列に複数個配置する構成としてもよい。また、切り起こし片を配置していない複数の切欠部21の間の板状フィン2の平面部に凹凸形状のスクラッチ又はワッフルを配置する構成としてもよい。
【0096】
また、扁平管3、30、300の冷媒流路3eの内壁面には、扁平管3、30、300と冷媒との接触面積を増やし、熱交換効率を良くするために溝を形成してもよい。
【0097】
また、本発明は、空気調和装置のみならず、ショーケース、冷凍機、冷蔵庫等の熱交換性能を向上させることが必要な他のヒートポンプ装置の熱交換器にも適用できる。
【符号の説明】
【0098】
1 熱交換器、2 板状フィン、3、30、300 扁平管、3a 扁平管上面部、3b 扁平管風上側側面部、3c 扁平管下面部、3d 扁平管風下側側面部、3e 冷媒流路、4 風路、5 排水路、21 切欠部、21a 風上側端部、21b 風下側端部、21c 上端部、21d 下端部、21e 切込部、23、24 切り起こし片、23a、24a スリット上端部、23b、24b スリット下端部、23c、24c スリット風上側端部、23d、24d スリット風下側端部、23e、24e スリット平坦面部、23f、24f スリット上面部、23g、24g スリット下面部、23h ルーバー上端部、23i ルーバー左端部、23j ルーバー下端部、23k ルーバー右端部、25 フィンカラー、32 第1の仮想面、34 第2の仮想面、40 圧縮機、50 負荷側熱交換器、60 減圧装置、70 送風ファン、100 冷凍サイクル装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13

【手続補正書】
【提出日】2017年8月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明に係る熱交換器は、送風ファンからの風が供給される熱交換器であって、板状フィンと、前記送風ファンから供給される風の方向に沿って延びる第1の扁平面部と前記第1の扁平面部の風上側端部に設けられた第1の風上端部と前記第1の扁平面部の風下側端部に設けられた第1の風下端部とを有し、前記板状フィンと交差する第1の扁平管と、前記第1の扁平管の前記第1の扁平面部と互いに向かい合い、前記風の方向に沿って延びる第2の扁平面部と前記第2の扁平面部の風上側端部に設けられた第2の風上端部と前記第2の扁平面部の風下側端部に設けられた第2の風下端部とを有し、前記第1の扁平管と間隔を置いて配置され、前記板状フィンと交差する第2の扁平管とを備え、前記第1の風上端部及び前記第2の風上端部は、前記板状フィンの周縁部よりも内側に位置し、前記板状フィンは、前記第1の扁平管と前記第2の扁平管との間の位置に切り起こし片を有し、前記切り起こし片は、前記第1の風上端部と前記第2の風上端部をつなぐ第1の仮想面と前記第1の扁平面部の中心と前記第2の扁平面部の中心をつなぐ第2の仮想面との間のみに位置するものである。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
送風ファンからの風が供給される熱交換器であって、
板状フィンと、
前記送風ファンから供給される風の方向に沿って延びる第1の扁平面部と前記第1の扁平面部の風上側端部に設けられた第1の風上端部と前記第1の扁平面部の風下側端部に設けられた第1の風下端部とを有し、前記板状フィンと交差する第1の扁平管と、
前記第1の扁平管の前記第1の扁平面部と互いに向かい合い、前記風の方向に沿って延びる第2の扁平面部と前記第2の扁平面部の風上側端部に設けられた第2の風上端部と前記第2の扁平面部の風下側端部に設けられた第2の風下端部とを有し、前記第1の扁平管と間隔を置いて配置され、前記板状フィンと交差する第2の扁平管と
を備え、
前記第1の風上端部及び前記第2の風上端部は、前記板状フィンの周縁部よりも内側に位置し、
前記板状フィンは、前記第1の扁平管と前記第2の扁平管との間の位置に切り起こし片を有し、
前記切り起こし片は、前記第1の風上端部と前記第2の風上端部をつなぐ第1の仮想面と前記第1の扁平面部の中心と前記第2の扁平面部の中心をつなぐ第2の仮想面との間のみに位置する熱交換器。
【請求項2】
前記切り起こし片はスリットである請求項1に記載の熱交換器。
【請求項3】
前記板状フィンと間隔を置いて配置された板状フィンを備え、
複数の前記板状フィンは、互いに面が向かい合うように配置され、
前記複数の板状フィンの間の最短ピッチ幅FPに対する前記スリットの切り起こし幅Shの比率Sh/FPは、1/5≦Sh/FP≦1/2である請求項2に記載の熱交換器。
【請求項4】
前記第1の扁平管が前記第2の扁平管よりも上方に配置され、
前記第1の仮想面から前記スリットまでの距離Saは、前記第1の風上端部の最も風上側の端から前記第1の扁平面までの距離をR1、前記第1の扁平管の断面長手方向の幅をDAとすると、(DA/2)>Sa≧R1である請求項2又は3に記載の熱交換器。
【請求項5】
前記第1の扁平管は前記第2の扁平管よりも上方に配置され、
前記第1の扁平面部から前記スリットまでの距離Sbは、1mm≦Sb≦3mmである請求項2〜4のいずれか1項に記載の熱交換器。
【請求項6】
前記第1の扁平管は前記第2の扁平管よりも上側に配置され、
前記スリットから前記第2の扁平面部までの距離Scは、前記第1の扁平管の中心と前記第2の扁平管の中心間の距離をDP、前記第2の扁平管の断面短手方向の幅をDBとするとSc≦(DP−DB)/2である請求項2〜5のいずれか1項に記載の熱交換器。
【請求項7】
前記切り起こし片はルーバーである請求項1に記載の熱交換器。
【請求項8】
前記ルーバーは2本以上配置され、前記ルーバーの位置は、前記第1の扁平管の断面長手方向において、隣り合った位置となる請求項7に記載の熱交換器。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の熱交換器を備える冷凍サイクル装置。
【国際調査報告】