(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2016年4月28日
【発行日】2017年4月27日
(54)【発明の名称】包装用ラップフィルム引出具
(51)【国際特許分類】
B65D 25/52 20060101AFI20170407BHJP
B65D 5/72 20060101ALI20170407BHJP
【FI】
B65D25/52 E
B65D5/72 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】16
【出願番号】特願2015-530199(P2015-530199)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2014年10月20日
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】513084517
【氏名又は名称】有限会社川越システム
(74)【代理人】
【識別番号】240000039
【弁護士】
【氏名又は名称】弁護士法人 衞藤法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川越 聡
(72)【発明者】
【氏名】川越 大輔
【テーマコード(参考)】
3E060
3E062
【Fターム(参考)】
3E060AA03
3E060BA13
3E060CE03
3E060CE07
3E060CE15
3E060CE30
3E060DA17
3E060EA14
3E062AA01
3E062AB13
3E062AC05
3E062BA20
3E062BB01
3E062BB02
3E062BB10
3E062LA13
3E062LA17
3E062LA25
3E062LA30
(57)【要約】
ラップフィルム(3)を収納箱(2)からスムーズに引き出すことができ、さらにラップフィルム(3)と適度に粘着して引き剥がしも容易なラップフィルム引出具(1)を提供するものである。
曲折可能な長板状に形成され、収納箱(2)内にロール状に巻かれて収納された包装用ラップフィルム(3)の引き出し側端縁に長板の密着片(1a)にラップフィルム(3)を密着させて引き出す引出具(1)であって、ラップフィルム(3)に密着される密着面に微粘着シリコン層を有する微粘着フィルム(5)を貼付してラップ密着面を設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
曲折可能な長板状に形成され、収納箱内にロール状に巻かれて収納された包装用ラップフィルムの引き出し側端縁にその一部を密着させて、所望する長さにラップを引き出す引出具であって、前記ラップフィルムとの密着面にシリコン粘着剤を塗布するか又はシリコン粘着フィルムを貼付したことを特徴とするラップフィルム引出具。
【請求項2】
ラップフィルムと密着面のヤング率が1900〜3500MPa(Kg/mm2)であることを特徴とする請求項1記載のラップフィルム引出具。
【請求項3】
ラップフィルム引出具を収納箱と切離可能で且つ一体的に形成したことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のラップフィルム引出具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は食品等の包装に用いられるラップフィルムに関し、とくにその引出しに際して使用するラップフィルム引出具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
食品等の包装に用いられる包装用ラップフィルムは、一般に、紙筒に巻回された長尺フィルムのロールとして紙箱内に収納される。そして使用に際しては、ラップフィルムをロールから連続的に繰り出し、紙箱に設けられた切断刃を用いて所望の長さに切断して使用する。
【0003】
しかしながら、ラップフィルムは被包装物に付着し易い性質を有し、この性質は、密封包装する上で好ましい特徴である反面、ラップフィルム同士が局部的に重なり皺や捩れなどを生じ、取扱いを困難にする欠点でもある。
【0004】
そこで、ラップフィルムの端縁に着脱可能な粘着剤のついた棒状の器具で、ラップフィルムの引出しを行うようにしたものや(特許文献1参照)。ラップフィルム収納箱に収納されたラップフィルムの引出し側の端縁に粘着させて、前記ラップフィルムを引き出すラップフィルム引出具であって、ラップフィルムに粘着可能な粘着板と、前記粘着板をその長手方向に沿って延びる長辺側の端縁が突出するように表面及び裏面の両側から挟持する本体部とからなるラップフィルム引出具が開示されている(特許文献2参照。)。また、ラップフィルムの幅と同等の長さで、やや強度のある細い短冊形の板または棒で、その両端の二箇所に、少量の粘着剤を付け、フィルムを収納箱から引き出す際、この板または棒にフィルムの先端部分を粘着させて引き出すもの(特許文献3参照)や食品包装用ラップフィルムと同じ巾の、長方形の薄い板の片面に粘着材を付け、前記板をラップフィルムが入った箱の前面とラップフィルム引き出し口の裏面との間に隙間を作り、箱の上蓋の上面に付いた蛇腹部を箱の前方向に押し拡げ、刃の付いた上蓋をずらして、前記隙間に前記板を差し込み密着させ、弛みなく張った状態で必要量引張り出し切断して食品を包装した後、前記板を前記引き出し口の裏の隙間に再び収納し、連続使用できるようにされたもの(特許文献4参照。)等種々の構成のものが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭63−105629号公報
【特許文献2】特許第3979537号公報
【特許文献3】実開平7−28840号公報
【特許文献4】特許第3146933号
【特許文献5】特開2000−73534号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のラップフィルム取出具を用いた場合には、以下のような問題が生じていた。ラップフィルム引出具は、ラップフィルムを引き出すためにある程度の粘着力を必要とするが、包装後にはラップフィルムから剥がす必要があるため、粘着力が強すぎてもよくない。しかし、粘着剤の物性の調整だけで適度な粘着力を得ることは甚だ困難である。すなわち、粘着剤自体の粘着力が強すぎるとラップフィルムが強く接着しすぎて剥離することが困難になる。また、粘着剤層には徐々に塵埃が付着し、ラップフィルムに対する粘着力が低下すると共に、不衛生になるという欠点がある。
【0007】
また、特許文献1に記載された発明のように、粘着剤を引出具本体の裏面に間隔を空けて付着させたものがあるが、これはラップフィルムを引き剥がすときのスムーズさに欠け、乱雑にフィルムが破れるおそれがある。さらに、特許文献2に記載された発明のように、粘着剤を本体部の裏面の両端のみに付着させたものがあるが、これではラップの中央部分が引出具に粘着せずに浮いた状態となり、ラップフィルムをスムーズに引き出すことができない。
【0008】
そこで、本発明者らは鋭意研究を行い、この粘着材としてミクロ吸着盤構造を有する粘着シールを用いることを知得した。この粘着シールは、粘着層の表面に微細なクレーター状の窪みが形成された粘着シールで、被接着物に対してその窪みが吸盤のように作用する。これは、例えば、発泡剤を含むアクリルエマルジョンを原料として、これを機械的に攪拌することによって連続気泡を生じせしめ、これを原料を布や紙等の基材に塗布し加熱乾燥することによって得られる(特許文献5参照。)。
本発明もまた上記従来技術の課題に鑑み、ラップフィルムを収納箱からスムーズに引き出すことができ、さらにラップフィルムと適度に密着して引き剥がしも容易なラップフィルム引出具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このため本発明のラップフィルム引出具は、曲折可能な長板状に形成され、収納箱内にロール状に巻かれて収納された包装用ラップフィルムの引き出し側端縁にその一部を密着させて、所望する長さにラップを引き出す引出具であって、前記ラップフィルムとの密着面にシリコン粘着剤を塗布するか又はシリコン粘着フィルムを貼付したことを第1の特徴とする。また、ラップフォルムとの密着面のヤング率が1900〜3500MPa(Kg/mm
2)であることを第2の特徴とする。さらに、ラップフィルム引出具を収納箱と切離可能で且つ一体的に形成したことを第3の特徴とする。
【0010】
粘着性の物理的な意味、ヤング率(弾性率)は、そのものに力を加えたときどれだけ変形するか(厳密にはどれだけ変形し難いか)を表す数値である。
代表的はヤング率として、鉄21000MPa(Kg/mm
2)、アルミ7000MPa(Kg/mm
2)、ポリエチレン76MPa(Kg/mm
2)、ゴム0.15MPa(Kg/mm
2)。粘着性があるものはこのヤング率が小さいもので、0.1Kg/mm
2(10の7乗dyn/cm
2)以下のヤング率でないと粘着性はない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明に係るラップフィルム引出具を示す斜視図である。
【
図2】本発明に係るラップフィルム収納箱と引出具の使用状態を示す斜視図である。
【
図3】本発明に係るラップフィルム引出具の使用状態を示す(a)は斜視図、(b)は(a)左側面図である。
【
図4】本発明に係るラップフィルム引出具の使用状態を示す斜視図である。
【
図5】本発明に係るラップフィルム引出具の使用状態を示す斜視図である。
【
図6】収納箱の折蓋内にラップフィルム引出具を収納した状態を示す斜視図である。
【
図7】収納箱とラップフィルム引出具を一体的に形成した例を示す斜視図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面に示す実施例に基づいて本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1及び
図2に示すように、本発明のラップフィルム収納箱2は、その折蓋2aの先端に切断刃4が取り付けられている。尚、この切断刃4の取り付け位置は、収納箱2からラップフィルム3が引き出され、切断可能な場所であればどこでもよく特に限定されるものではない。ただ、一般的にはラップフィルム3を切断する際、収納箱2の前板2bとこの前板2bと重なる折蓋2aとの間でラップフィルム3を挟んで、外側から折蓋2aを押さえながら切断する仕様が好適に採用されている。
【0013】
収納箱2と同質の紙材で作られたラップフィルム引出具1は、収納箱2の短手方向に対して曲折可能な長板状に形成されている。尚、ラップフィルム引出具1の材質は、紙材に限定されるものではなく、弾力性のある材質であればプラスチック等でも良く、ラップフィルム3との密着時に全体が撓ることにより密着し易くなる。
【0014】
そして、ラップフィルム引出具1のラップフィルム3との密着面にはシリコン粘着剤が塗布されたポリエステルフィルム製の微粘着フィルム5を貼付して形成している。本実施例では、REPOP(商品名:リンテック株式会社製)の品番RE503SとRE505Sを使用した。このREPOP(商品名)は、微粘着シリコン層を持つ50μmの白色発泡ポリエステルフィルム又は透明ポリエステルフィルムの表面基材に両面ポリラミ上質紙を剥離台紙として構成され市販されているものである。REPOP(商品名)の24時間後粘着力は、被粘着体がガラスの場合50mN/25mm、ポリカーボネート又はアクリルの場合40mN/25mm(試験条件は、剥離速度300mm/min、剥離角度180°ピールの変角度ピール測定で行った。)。
【0015】
REPOP(商品名)の粘着性を定量的に知得するために引張試験とせん断力の試験を行った。結果を表1及び表2に示す。尚、表中のMD及びCDは紙の漉き目の方向を示し、MDが漉き目に沿った方向(縦目)で、CDが目に直交する方向(横目)を示す。
(1)引張(測定項目:降伏点強度・伸度・破断点強度・破断点伸度・ヤング率)
(2)せん断力(引張速度50mm/minで試料単体のせん断力を測定した。)
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】
表1及び表2から分かるように、微粘着フィルム5の粘着力をそのヤング率により定量化すると、測定雰囲気による誤差も見込んで1900〜1500MPa(Kg/mm
2)の範囲が好適であることが分かる。この微粘着フィルム5は、塵埃や異物の付着により粘着力が低下しても、水で洗い流して乾燥させるだけで簡単に復元できるので清潔な状態で何度も使用できる。尚、微粘着フィルム5の貼付に代えて同様のヤング率となるように微粘着シリコンを直接塗布して形成するものでもよい。また、同様のヤング率となるようにミクロ吸盤加工を施すものでもよい。
【0019】
ラップフィルム3は、巻回ロールの形態で一般的に市販されている食品包装用ラップフィルムであり、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン等の主材質からなる。この種のラップフィルムは、被包装物に付着又は密着する性質を有し、食品等の被包装物を密封保存するのに適しており、一般家庭における食品又は台所用品の日常的包装や、商工業的な食品包装材料として広く普及している。
【0020】
図2に示すように、ラップフィルム引出具1には、その全長に渡って密着面となる(折り返し片)がプレス加工して折り畳み可能に形成され、折線1bが筋入れ加工され、折り返し片1aの表面に密着面が形成されている。この密着面には、微粘着フィルム5が貼付され、これにより、ラップフィルム3と微粘着フィルム5の表面同士が適度に粘着し、ラップフィルム3の取り出しに際しては良好な粘着性を有し、スムーズな引き出しを行うことができ、かつ、被包装物をラッピングした後のラップフィルム3を引出具1から容易に引き剥がすことができる。
【0021】
すなわち、密着面に微粘着シリコン層を有する微粘着フィルム5を貼付して設けたことにより、引出具1はラップフィルム3と密着し、引き出しに充分な粘着力は付与されるが、ラップフィルム3が強く接着し過ぎることがない。また、引出具1に塵埃が多量に付着し、ラップフィルム3の保持性が低下したり、不衛生になるという欠点も解消できる。さらに、ラッピングした後のラップフィルム3を引出具1から容易に引き剥がすことができる。また、引出具1は、とくに左右両端部も確実に粘着でき、引き出したラップをピンと張ることができる
【0022】
以下にラップフィルム引出具1を用いて、フィルム収納箱2に収納されたラップフィルム3を引き出して、料理等をラッピングする方法について説明する。
【0023】
最初に、
図3に示すように、ラップフィルム3の引き出し側の端縁に、ラップフィルム引出具1の一方面を貼着させる。次に、
図4及び
図5に示すように、ラップフィルム引出具1を引っ張って、ラップフィルム3を所望する長さだけ引き出し、料理皿等を覆った後、収納箱2に取付けられた切断刃4により切断する。最後に、ラップフィルム3を皿の形状に合わせて整えてラッピングが完了する。
【0024】
また、
図6に示すように、ラップフィルム引出具1は、使用後にロールの始端に再び粘着させ、そのまま収納箱2の折蓋2aに挟み込んでおけば、紛失を防止でき収納場所にも困らない。また、ラップの引き出し端がロール本体に巻き付くことを防止でき、次に使用する際にも引き出す手掛かりを施した状態となり清潔で便利である。尚、ラップフィルム引出具1は、収納箱2の中にラップフィルム3と共に予め単体で入れておくこともできる。また、
図7に示すように、ラップフィルム引出具1を収納箱2と切離代を介して取ミシン目7等により切離可能で且つ一体的に形成すると、製作コストも削減できる。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明によれば、フィルムとラップ密着面とは接着はするが、強く粘着するものではないので、引き剥がしも極めて容易にできる。また、ラップフィルム引出具のラップとの密着面を、微粘着シリコン層を形成することによって、ラップフィルムの取り出しに際しては良好に粘着し、ラップ端の両隅が垂れることなく全体にわたって確実に粘着保持することができる。その結果、引き出し幅が短くてもラップを確実に切断することができ、引き出したラップ全体を均等にピンと張ることができる。このためラッピングし易くなり、切断刃による切れ味も良好になる。また、ラップと引出具は強力に接着されているわけではなく、表面同士が密着しているだけなので、ラッピングした後のラップフィルムを引出具から容易に剥がすことができる。
【符号の説明】
【0026】
1 ラップフィルム引出具
1a 密着片(折り返し片)
1b 折線
2 収納箱
2a 折蓋
2b 前板
3 ラップフィルム
4 切断刃
5 微粘着フィルム(微粘着シリコン層)
6 切離代
7 ミシン目
【手続補正書】
【提出日】2016年5月25日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長板状に形成され、収納箱内にロール状に巻かれて収納された包装用ラップフィルムの引き出し側端縁にその一部を密着させて、所望する長さにラップを引き出す引出具であって、前記引出具は、収納箱の短手方向に対して実質的に弧状を呈する角度に谷折可能かつ引き出すべき包装用ラップフィルムの横幅と略同一長さに形成され、前記ラップフィルムとの前記引出具側の密着面に微粘着粘着剤を塗布するか又は微粘着フィルムを貼付すると共に、前記密着面の24時間後粘着力が、被粘着体がガラスの場合50mN/25mm、ポリカーボネート又はアクリルの場合40mN/25mm(試験条件は、剥離速度300mm/min、剥離角度180°ピールの変角度ピール測定)であることを特徴とするラップフィルム引出具。
【請求項2】
ラップフィルム引出具を収納箱と切離可能で且つ一体的に形成したことを特徴とする請求項1記載のラップフィルム引出具。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
このため本発明のラップフィルム引出具は、長板状に形成され、収納箱内にロール状に巻かれて収納された包装用ラップフィルムの引き出し側端縁にその一部を密着させて、所望する長さにラップを引き出す引出具であって、
前記引出具は、収納箱の短手方向に対して実質的に弧状を呈する角度に谷折可能
かつ引き出すべき包装用ラップフィルムの横幅と略同一長さに形成され、前記ラップフィルムとの
前記引出具側の密着面に
微粘着粘着剤を塗布するか又は
微粘着フィルムを貼付
すると共に、前記密着面の24時間後粘着力が、被粘着体がガラスの場合50mN/25mm、ポリカーボネート又はアクリルの場合40mN/25mm(試験条件は、剥離速度300mm/min、剥離角度180°のピール変角度ピール測定)であることを第1の特徴とする。また、ラップフィルム引出具を収納箱と切離可能で且つ一体的に形成したことを第2の特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
粘着性の物理的な意味、ヤング率(弾性率)は、そのものに力を加えたときどれだけ変形するか(厳密にはどれだけ変形し難いか)を表す数値である。代表的
なヤング率として、鉄2100
0MPa(
N/mm
2)、アルミ7000
0MPa(
N/mm
2)、ポリエチレン6MPa(
N/mm
2)、ゴム
1.5MPa(
N/mm
2)。粘着性があるものはこのヤング率が小さいもので、1
dyn(1×10−5/N/mm2)以下のヤング率でないと粘着性はない。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
そして、ラップフィルム引出具1のラップフィルム3との密着面にはシリコ
ーン粘着剤が塗布されたポリエステルフィルム製の微粘着フィルム5を貼付して形成されている。本実施例では、REPOP(商品名:リンテック株式会社製)の品番RE503Sとれ505Sを使用した。このREPOP(商品名)の24時間後粘着力は、被粘着体がガラスの場合50mN/25mm、ポリカーボネート又はアクリルの場合40mN/25mm(試験条件は、剥離速度300mm/min、剥離角度180°ピールの変角度ピール測定で行った。)。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】
この微粘着フィルム5は、塵埃や異物の付着により粘着力が低下しても、水で洗い流して乾燥させるだけで簡単に復元できるので、清潔な状態で何度も使用できる。尚、微粘着フィルム5の貼付に代えて同様のヤング率となるように微粘着シリコ
ーンを直接塗布して形成するものでもよい。また、同様のヤング率となるようにミクロ吸盤加工を施すものでもよい。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0021】
すなわち、密着面に微粘着シリコ
ーン層を有する微粘着フィルム5を貼付して設けたことにより、引出具1はラップフィルム3と密着し、引き出しに充分な粘着力は付与されるが、ラップフィルム3が強く接着し過ぎることがない。また、引出具1に塵埃が多量に付着し、ラップフィルム3の保持性が低下したり、不衛生になるという欠点も解消できる。さらにラッピングした後のラップフィルム3を引出具1から容易に引き剥がすことができる。また、引出具1は、
図3に示すように、ラップフィルム引出具1は、収納箱2の短手方向に対して実質的に弧状を呈する角度に谷折り可能かつ引き出すべき包装用ラップフィルムの横幅と略同一長さに形成されているので、手扱い性が向上し、とくに左右両端部も確実に粘着でき、引き出したラップをピンと張ることができる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0025】
本発明によれば、フィルムとラップ密着面とは接着はするが、強く粘着するものではないので、引き剥がしも極めて容易にできる。また、ラップフィルム引出具のラップとの密着面を、微粘着シリコ
ーン層を形成することによって、ラップフィルムの取り出しに際しては良好に粘着し、ラップ端の両隅が垂れることなく全体にわたって確実に粘着保持することができる。その結果、引き出し幅が短くでもラップを確実に切断することができ、引き出したラップ全体を均等にピンと張ることができる。このためラッピングし易くなり、切断刃による切れ味も良好になる。また、ラップと引出具は強力に接着されているわけではなく、表面同士が密着しているだけなので、ラッピングした後のラップフィルムを引出具から容易に剥がすことができる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0026】
1 ラップフィルム引出具
1a 密着片(折り返し片)
1b 折線
2 収納箱
2a 折蓋
2b 前板
3 ラップフィルム
4 切断刃
5 微粘着フィルム(微粘着シリコ
ーン層)
6 切離代
7 ミシン目
【国際調査報告】