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再表2017-119034撮影システム、撮影方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2017年7月13日
【発行日】2018年11月22日
(54)【発明の名称】撮影システム、撮影方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/232 20060101AFI20181026BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20181026BHJP
   G03B 17/00 20060101ALI20181026BHJP
   G03B 15/00 20060101ALI20181026BHJP
【FI】
   H04N5/232 030
   H04N5/232 933
   H04N5/232 960
   H04N5/232 990
   H04N5/232 160
   H04N7/18 F
   G03B17/00 Q
   G03B17/00 B
   G03B15/00 P
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】26
【出願番号】特願2017-559950(P2017-559950)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2016年12月21日
(31)【優先権主張番号】特願2016-985(P2016-985)
(32)【優先日】2016年1月6日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104215
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100196575
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 満
(74)【代理人】
【識別番号】100168181
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 哲平
(74)【代理人】
【識別番号】100117330
【弁理士】
【氏名又は名称】折居 章
(74)【代理人】
【識別番号】100160989
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 正好
(74)【代理人】
【識別番号】100168745
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 彩子
(74)【代理人】
【識別番号】100176131
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 慎太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100197398
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 絢子
(74)【代理人】
【識別番号】100197619
【弁理士】
【氏名又は名称】白鹿 智久
(72)【発明者】
【氏名】安達 浩明
(72)【発明者】
【氏名】天城 秀啓
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 拓也
【テーマコード(参考)】
2H020
5C054
5C122
【Fターム(参考)】
2H020ME03
5C054CF06
5C054CG08
5C054CH09
5C054DA09
5C054EA01
5C054EA05
5C054FD07
5C054FE02
5C054FE17
5C054FE22
5C054HA16
5C122DA03
5C122DA21
5C122EA42
5C122EA63
5C122EA66
5C122EA67
5C122FA01
5C122FA13
5C122FA18
5C122FE05
5C122FK23
5C122FK28
5C122FK38
5C122FK40
5C122FK42
5C122GC53
5C122GD06
5C122HB05
5C122HB09
(57)【要約】
この撮影システムは、コース上を移動する被写体を異なる向きから撮影可能な複数のカメラと、コース上を移動する被写体の連続撮影を時間的に分担する複数のカメラの切り替え順のユーザによる設定を受け付け、設定された切り替え順に従って複数のカメラの出力映像を切り替えるコントローラーとを具備する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コース上を移動する被写体を異なる向きから撮影可能な複数のカメラと、
前記コース上を移動する前記被写体の連続撮影を時間的に分担する前記複数のカメラの切り替え順の前記ユーザによる設定を受け付け、前記設定された切り替え順に従って前記複数のカメラの出力映像を切り替えるコントローラーと
を具備する撮影システム。
【請求項2】
請求項1に記載の撮影システムであって、
前記コントローラーは、
前記複数のカメラの出力映像を表示可能な表示部を有し、
前記表示部に表示された前記出力映像を見ながら、個々の前記カメラのパン角、チルト角、およびズーム倍率の少なくともいずれか1つを設定するための命令をユーザより受け付けるための第1のGUIを前記表示部に表示させるように構成された
撮影システム。
【請求項3】
請求項2に記載の撮影システムであって、
前記コントローラーは、
前記第1のGUIを用いて設定された情報と、設定対象の前記カメラの識別情報と、前記設定対象のカメラの出力映像にアクセスするためのアクセス情報で構成される情報セットと、この情報セットを識別するプリセット識別情報とを互いに紐付けてシナリオ生成用プリセット情報として、複数の前記シナリオ生成用プリセット情報をデータベースに保存するように構成された
撮影システム。
【請求項4】
請求項3に記載の撮影システムであって、
前記コントローラーは、前記複数のカメラの出力映像を時間的に切り替えて1つの時間軸の映像を得るためのシナリオを、前記データベースに保存された前記複数のシナリオ生成用プリセット情報を用いて前記ユーザが生成することを支援する第2のGUIを前記表示部に表示させるように構成された
撮影システム。
【請求項5】
請求項4に記載の撮影システムであって、
前記シナリオは、時系列を構成する1以上のシーンで構成され、個々の前記シーンに、少なくとも前記プリセット識別情報が割り当てられて構成される
撮影システム。
【請求項6】
請求項5に記載の撮影システムであって、
前記シナリオは、個々の前記シーンの間の切り替わりのトリガーに関する情報を含む
撮影システム。
【請求項7】
請求項6に記載の撮影システムであって、
前記コントローラーは、
前記カメラの撮影範囲を変更しながら撮影するために必要な設定情報である、タイミング情報と、パン角、チルト角およびズーム倍率の少なくともいずれか1つのユーザからの入力を受け付ける第3のGUIを前記表示部に表示させるように構成される
撮影システム。
【請求項8】
請求項7に記載の撮影システムであって、
前記コントローラーは、
前記コース上の複数の地点の位置情報と、前記各カメラの位置情報とをもとに、最適な一の前記カメラを判定するように構成された
撮影システム。
【請求項9】
コース上を移動する被写体を異なる向きから撮影可能な複数のカメラを準備し、
コントローラーが、前記コース上を移動する前記被写体の連続撮影を時間的に分担する前記複数のカメラの切り替え順の前記ユーザによる設定を受け付け、前記設定された切り替え順に従って前記複数のカメラの出力映像を切り替える
撮影方法。
【請求項10】
コース上を移動する被写体を異なる向きから撮影可能な複数のカメラが配置されたなか、
前記コース上を移動する被写体の連続撮影を時間的に分担する前記複数のカメラの切り替え順の前記ユーザによる設定を受け付け、前記設定された切り替え順に従って前記複数のカメラの出力映像を切り替えるように前記スイッチャーを制御するコントローラーとしてコンピュータを機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、競技場等のコース上を移動する被写体を異なる位置に配置された複数のカメラで撮影し、各カメラの出力映像を切り替えて1本の時間的に連続する映像を生成する撮影システム、撮影方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数のカメラで被写体を撮影し、各カメラの出力映像を切り替えてモニター画面に表示させる撮影システムが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−158860号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような撮影システムでは、例えば、多数の撮影スタッフが必要であったり、その他にも様々な点で改善化が望まれている。
【0005】
以上のような事情に鑑み、本技術の目的は、コースに沿って移動する被写体を複数のカメラで撮影し、各カメラの出力映像を切り替えて1本の時間的に連続する映像を生成するシステムの機能的な向上、操作性の向上を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本技術に係る一形態の撮影システムは、
コース上を移動する被写体を異なる向きから撮影可能な複数のカメラと、
前記コース上を移動する前記被写体の連続撮影を時間的に分担する前記複数のカメラの切り替え順の前記ユーザによる設定を受け付け、前記設定された切り替え順に従って前記複数のカメラの出力映像を切り替えるコントローラーと
を具備する。
【0007】
前記コントローラーは、
前記複数のカメラの出力映像を表示可能な表示部を有し、
前記表示部に表示された前記出力映像を見ながら、個々の前記カメラのパン角、チルト角、およびズーム倍率の少なくともいずれか1つを設定するための命令をユーザより受け付けるための第1のGUIを前記表示部に表示させるように構成されてもよい。
【0008】
前記コントローラーは、
前記第1のGUIを用いて設定された情報と、設定対象の前記カメラの識別情報と、前記設定対象のカメラの出力映像にアクセスするためのアクセス情報で構成される情報セットと、この情報セットを識別するプリセット識別情報とを互いに紐付けてシナリオ作成用プリセット情報として、複数の前記シナリオ作成用プリセット情報をデータベースに保存するように構成されたものであってよい。
【0009】
前記コントローラーは、前記複数のカメラの出力映像を時間的に切り替えて1つの時間軸の映像を得るためのシナリオを、前記データベースに保存された前記複数のシナリオ作成用プリセット情報を選択的に用いて前記ユーザが生成することを支援する第2のGUIを前記表示部に表示させるように構成されたものであってよい。
【0010】
前記シナリオは、時系列を構成する1以上のシーンで構成され、個々の前記シーンに、少なくとも前記プリセット識別情報が割り当てられて構成されてよい。
【0011】
また、前記シナリオは、個々の前記シーンの間の切り替わりのトリガーに関する情報を含むものであってよい。
【0012】
前記コントローラーは、
前記カメラの撮影範囲を変更しながら撮影するために必要な設定情報である、タイミング情報と、パン角、チルト角およびズーム倍率の少なくともいずれか1つのユーザからの入力を受け付ける第3のGUIを前記表示部に表示させるように構成されてもよい。
【0013】
前記コントローラーは、前記コース上の複数の地点の位置情報と、前記各カメラの位置情報とをもとに、最適な一の前記カメラを判定するように構成されてもよい。
【0014】
本技術に係る一形態の撮影方法は、
コース上を移動する被写体を異なる向きから撮影可能な複数のカメラを準備し、
コントローラーが、前記コース上を移動する前記被写体の連続撮影を時間的に分担する前記複数のカメラの切り替え順の前記ユーザによる設定を受け付け、前記設定された切り替え順に従って前記複数のカメラの出力映像を切り替える。
【0015】
本技術に係る一形態のプログラムは、
コース上を移動する被写体を異なる向きから撮影可能な複数のカメラが配置されたなか、
前記コース上を移動する被写体の連続撮影を時間的に分担する前記複数のカメラの切り替え順の前記ユーザによる設定を受け付け、前記設定された切り替え順に従って前記複数のカメラの出力映像を切り替えるように前記スイッチャーを制御するコントローラーとしてコンピュータを機能させるプログラムである。
【発明の効果】
【0016】
以上のように、本技術によれば、コースに沿って移動する被写体を複数のカメラで撮影し、各カメラの出力映像を切り替えて1本の時間的に連続する映像を生成するシステムの機能的な向上、操作性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本技術に係る第1の実施形態の撮影システムの全体的なハードウェア構成を示すブロック図である。
図2図1の撮影システム1における映像制御系の構成を示すブロック図である。
図3】競技場2内への各カメラ10の配置例を示す図である。
図4】カメラ設定用のGUI画面を示す図である。
図5】第1の実施形態の撮影制御システムにおけるカメラ制御用のGUIの一例を示す図である。
図6】第1の実施形態の撮影制御システムにおけるカメラプリセットパネルの一例を示す図である。
図7】シナリオ編集画面を示す図である。
図8】シナリオ作成用プリセット情報の検索・ソート結果画面の例を示す図である。
図9】旋回撮影のためのプリセット編集画面の例を示す図である。
図10】旋回撮影のためのプリセット編集画面の他の例を示す図である。
図11】コース上の複数の地点の位置情報と各カメラ10の位置情報をもとに最適なカメラ10を判定する動作を説明するための図である。
図12図11の3つの地点P0、P1、P2から見た5台のカメラ10の角度位置を算出した結果を示す図である。
図13】最適と判定されたカメラの撮影範囲の設定を示す図である。
図14】競技の撮影中にコントローラー16の表示部に表示される撮影状況監視画面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本技術に係る実施の形態を説明する。
<第1の実施形態>
本実施形態は、例えば陸上競技場など、被写体が移動するコースなどが設定された競技場内に、コース上を移動する競技者などの被写体を異なる位置から撮影可能な複数のカメラを設置し、各カメラを時間的に切り替えて1つの時間軸の映像、例えば、被写体である競技者がコース上を移動する様などの映像を得る撮像システムである。本明細書では、この撮影システムにおいて、特に、複数のカメラをどのような順に、かつどのようなタイミングで切り替えるかといったカメラワークのためのシナリオを生成する機能にフォーカスをあてて説明することとする。
【0019】
[撮影システムのハードウェア構成]
図1は、撮影システムの全体的なハードウェア構成を示すブロック図である。
同図に示すように、この撮影システム1は、複数のカメラ10(10−1、10−2、・・・、10−n)、スイッチャー12機器制御部14、コントローラー16、データベース18、録画機器20、大型映像機器22およびサムネイル取得装置24などで構成される。
【0020】
複数のカメラ10(10−1、10−2、・・・、10−n)は、各々、遠隔でのパン制御、チルト制御、ズーム制御が可能なPTZカメラである。
【0021】
スイッチャー12は、複数のカメラ10(10−1、10−2、・・・、10−n)の出力映像を機器制御部14からの制御命令をもとに切り替える機器である。スイッチャー12によって切り替えられた出力映像は、例えば、録画機器20、大型映像機器22などに供給されたり、機器制御部14を通じてコントローラー16に供給されたりする。
【0022】
機器制御部14は、例えば、パーソナルコンピュータなどの情報処理装置などで構成される。機器制御部14は、ユーザからの指令を受け付けるコントローラー16とLAN(Local Area Network)、無線LANなどの伝送路26を介して接続される。機器制御部14は、コントローラー16より与えられた命令に従って、カメラ10(10−1、10−2、・・・、10−n)、スイッチャー12、録画機器20、大型映像機器22、サムネイル取得装置24などの制御を行う。
【0023】
コントローラー16は、例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット、スマートホンなどの情報処理装置などで構成される。コントローラー16は、ユーザからの各種の入力を受け付ける入力部、ユーザに各種のGUI(Graphical User Interface)を提供する表示部を有する。本実施形態では、表示部としての液晶表示パネルの上に入力部としてのタッチセンサパネルを貼り付けたものが採用される。もちろん、モニターとマウスのように、表示部と入力部は各々別体として構成されたものであってもよい。
【0024】
機器制御部14およびコントローラー16は、ともに情報処理装置として基本的なハードウェア要素であるCPU(Central Processing Unit)、メインメモリ、その他の回路を有する。
【0025】
録画機器20は、各カメラ10(10−1、10−2、・・・、10−n)の出力映像からスイッチャー12によって切り替えられて得られた1つの時間軸の映像を録画するための機器である。録画機器20に録画された映像は、機器制御部14による制御のもと再生され、再生映像は大型映像機器22およびコントローラー16の表示部を通して視ることが可能である。
【0026】
大型映像機器22は、競技場内に設置され、例えば、各カメラ10(10−1、10−2、・・・、10−n)の出力映像からスイッチャー12によって切り替えられて得られた1つの時間軸のリアルタイム映像や、録画機器20から再生された映像、その他の放送映像などを表示するための機器である。
【0027】
サムネイル取得装置24は、スイッチャー12によって切り替えられたカメラ10(10−1、10−2、・・・、10−n)の出力映像を取り込んで縮小することによってサムネイル画像を生成し、機器制御部14に供給する。機器制御部14は、サムネイル取得装置24より転送されたサムネイル画像をストレージデバイスなどで構成されるデータベース18に保存することが可能である。また、機器制御部14は、コントローラー16からの要求によりそのサムネイル画像をコントローラー16に応答する。サムネイル取得装置24は、例えば、パーソナルコンピュータなどの情報処理装置などで構成される。
【0028】
機器制御部14、カメラ10(10−1、10−2、・・・、10−n)、スイッチャー12、録画機器20、大型映像機器22およびサムネイル取得装置24は、例えば、LAN、シリアルケーブルなどの伝送路28を通じて互いに接続される。
【0029】
図2は、図1の撮影システム1における映像制御系の構成を示すブロック図である。
同図に示すように、機器制御部14は、コントローラー16から与えられる指令のもと、複数のカメラ10(10−1、10−2、・・・、10−n)、スイッチャー12、録画機器20、大型映像機器22およびサムネイル取得装置24に各種の制御情報を供給する。複数のカメラ10(10−1、10−2、・・・、10−n)は、機器制御部14からの制御情報をもとにパン、チルト、ズームの動作を行う。
【0030】
スイッチャー12は、機器制御部14からの制御情報によりカメラ10(10−1、10−2、・・・、10−n)の出力映像を選択し、機器制御部14により指定される機器(録画機器20、大型映像機器22、サムネイル取得装置24、機器制御部14)に供給するように切り替え動作をする。あるいは、スイッチャー12は、機器制御部14からの制御情報により録画機器20の再生出力を選択し、大型映像機器22に供給するように切り替え動作をすることも可能である。
【0031】
録画機器20は、機器制御部14からの制御情報をもとにスイッチャー12より供給されるカメラ10(10−1、10−2、・・・、10−n)の出力映像を記録媒体に記録する。大型映像機器22は、機器制御部14からの制御情報をもとにスイッチャー12より供給される映像データを表示する。
【0032】
サムネイル取得装置24は、機器制御部14からの画像要求のための制御情報をもとに、各カメラ10(10−1、10−2、・・・、10−n)の出力映像をスイッチャー12を通じて取り込み、各々縮小してサムネイル画像を生成し、機器制御部14に応答する。
【0033】
[撮影システム1の動作]
この撮影システム1では、撮影のための準備として、
1.競技場内への各カメラの設置
2.各カメラの設定(シナリオ作成用プリセット情報の生成)
3.シナリオの作成
が順に行われる。
以下、各々の動作について説明する。
【0034】
[1.競技場内への各カメラの配置]
まず、ユーザにより複数のカメラ10が競技場内に設置される。
図3は競技場2内への各カメラ10の配置例を示す図である。
競技場2内には、陸上競技のためのトラック3および直線コース4などが設けられる。ここで、トラック3および直線コース4などを"コース"と総称する。
【0035】
複数のカメラ10は、上記のコースを移動する被写体である競技者5を、異なる向きから撮影可能な位置に設置される。
【0036】
コントローラー16には、各カメラ10の位置情報を含む、競技場2全体の立体的な空間情報が保存される。この競技場2全体の立体的な空間情報は精度の高いものであることが望ましいが、本技術は必ずしも高精度の空間情報を必須とするものではない。空間情報の具体的な作成方法は、本技術の主題でないため、ここでは詳細な説明を省く。以降、コントローラー16には、撮影システム1に接続されている各カメラ10の位置情報を含む、競技場全体の立体的な空間情報が得られていることを前提に説明を行うこととする。
【0037】
[2.各カメラの設定(シナリオ作成用プリセット情報の生成)]
まず、各カメラ10の撮影範囲を決めるため、各カメラ10の向きやズーム倍率などの設定が行われる。カメラ10の向きはパン角とチルト角により設定される。個々のカメラ10の向きとズーム倍率の設定をユーザが容易に行うことが可能なように、コントローラー16は、カメラ設定用のGUIをユーザからの要求に対してコントローラー16の表示部に表示させることができる。
【0038】
図4はカメラ設定用のGUI画面を示す図である。
カメラ設定用のGUI画面(第1のGUI)には、カメラ配置表示エリア34、カメラ選択ボタン31、パン/チルト操作ボタン32およびズームスライダ33などが設けられる。
【0039】
カメラ配置表示エリア34にはコースを含めた競技場の空間のイメージ35が表示される。競技場の空間のイメージ35の上には、コントローラー16と機器制御部14を通じて接続された各カメラ10の位置を示すカメラマークM1、M2、・・・、M5が配置される。
【0040】
カメラ選択ボタン31は、コントローラー16と接続されたカメラ10の中で設定対象であるカメラ10のユーザによる選択を受け付けるボタンである。このためカメラ選択ボタン31は、接続されているカメラ10の数分のボタン群で構成される。カメラ選択ボタン31のボタン群の中で、設定対象のカメラ10に対応するボタンがユーザによりタッチされると、コントローラー16はそのタッチされたボタンに対応するカメラ10を判定する。コントローラー16は、設定対象のカメラ10が判定されたことをユーザに応答するため、そのボタンの色などの表示形態を変更するとともに、カメラ配置表示エリア34に表示された競技場の空間のイメージ35上の対応するカメラマークM1、M2、・・・、M5の色、サイズなどの表示形態を変更する。図4の例では、カメラ選択ボタン31において"1"のボタンがユーザによりタッチされたことで、その"1"のボタンに紐付けられたカメラ10に対応するカメラマークM1の表示形態が変化している。
【0041】
パン/チルト操作ボタン32は、設定対象のカメラ10のパン角およびチルト角を操作するためのボタンである。パン/チルト操作ボタン32は、上下左右の4つの分割領域32U、32D、32L、32Rと中央領域32Cを有する。パン/チルト操作ボタン32において左分割領域32Lのタップ操作と中央領域32Cから左分割領域32Lにかけてのドラッグ操作にカメラ10を左回りに旋回させる操作が割り当てられる。同様に、右分割領域32Rのタップ操作と中央領域32Cから右分割領域32Rにかけてのドラッグ操作にカメラ10を右回りに旋回させる操作が割り当てられる。また、上分割領域32Uのタップ操作と中央領域32Cから上分割領域32Uにかけてのドラッグ操作にカメラ10を上向きにチルトさせる操作が割り当てられる。同様に、下分割領域32Dのタップ操作と中央領域32Cから下分割領域32Dにかけてのドラッグ操作にカメラ10を下向きにチルトさせる操作が割り当てられる。さらに、タップの繰返し速度、ドラッグの繰返し速度が、旋回およびチルトの各速度に対応付けられる。
【0042】
コントローラー16は、パン/チルト操作ボタン32のタップ操作およびドラッグ操作を検出して、検出された操作に対応するカメラ10のパン角およびチルト角を制御するための命令を生成し、伝送路26を通じて機器制御部14に供給する。機器制御部14は、コントローラー16からの命令を受けて、対応するカメラ10のパン角およびチルト角を制御するための制御情報を当該カメラ10に出力する。これにより、カメラ10のパン角およびチルト角が変更される。
【0043】
ズームスライダ33は、設定対象のカメラ10のズーム倍率を操作するための手段である。カメラ10のズーム倍率を上げるためには、ズームスライダ33のレバー33aをドラッグ操作などにより上にスライドさせる。逆にカメラ10のズーム倍率を下げるためには、ズームスライダ33のレバー33aをドラッグ操作などにより下にスライドさせる。レバー33aの上下の可動域はズーム倍率のレンジに対応している。
【0044】
コントローラー16は、ズームスライダ33のレバー33aの操作を検出すると、設定対象であるカメラ10のズーム倍率を制御するための命令を生成し、伝送路26を通じて機器制御部14に供給する。機器制御部14は、コントローラー16からの命令を受けて、対応するカメラ10のズーム倍率を制御するための制御情報を伝送路28を通じてカメラ10に出力する。これにより、カメラ10のズーム倍率が更新される。
【0045】
上記の設定対象のカメラ10のパン角、チルト角およびズーム倍率を設定する操作は、そのカメラ10の出力映像を例えば大型映像機器22の画面などにリアルタイムで表示させることによって、ユーザは実際の出力映像を見ながら行うことができる。あるいは、コントローラー16の表示部に出力映像を表示させながら設定操作を行ってもよい。
【0046】
さらに、このカメラ設定用のGUIには、カメラ配置表示エリア34内の任意の位置をユーザが直接タッチすると、カメラ10をそのタッチした位置に自動的に旋回させる機能が組み込まれている。この際、チルト角も計算して自動的に変更してもよい。さらに、カメラ10のパン角およびチルト角の更新に伴って、カメラ画角内の被写体の大きさが変化しないようにズーム倍率を自動的に更新してもよい。
【0047】
設定対象であるカメラ10のパン角、チルト角およびズーム倍率が決まれば、続いてユーザはこれらの設定情報をシステムに登録するための命令をコントローラー16に入力する。コントローラー16は、この命令を受けると、決定されたパン角、チルト角およびズーム倍率の各値を含む、シナリオ作成用プリセット情報をデータベース18に登録するように機器制御部14に伝送路26を通じて指示する。機器制御部14は、この指示に従ってシナリオ作成用プリセット情報をデータベース18に登録する。
【0048】
シナリオ作成用プリセット情報は、プリセットID、カメラID、タイトル、パン角、チルト角、ズーム倍率、サムネイル画像のファイル名などで構成される。
【0049】
プリセットIDは、シナリオ作成用プリセット情報を識別するための情報であり、例えば、シナリオ作成用プリセット情報が登録される都度、自動的に連番で生成される。
カメラIDは、カメラ10を識別する情報である。
【0050】
タイトルは、シナリオ作成用プリセット情報が登録される際にユーザにより作成される。例えば、競技場2内の直線コース4のスタート地点を撮影範囲とするシナリオ作成用プリセット情報のタイトルには、"100mスタート"など、ユーザが容易に撮影範囲を知ることができるようなタイトルがユーザによって入力される。
【0051】
パン角、チルト角およびズーム倍率の各値は、カメラ設定用のGUIを用いてユーザによって決定された値である。これらの値は、コントローラー16から機器制御部14にシナリオ作成用プリセット情報をデータベース18に登録する指示と同時にコントローラー16から機器制御部14に与えられる。
【0052】
サムネイル画像のファイル名は、設定対象のカメラ10の出力映像からサムネイル取得装置24によって生成されたサムネイル画像のファイル名である。サムネイル画像のファイル名は、サムネイル取得装置24によってサムネイル画像が生成された際に、該当するカメラID、日時などの情報を用いてサムネイル取得装置24によって生成される。より具体的には、機器制御部14はコントローラー16より、シナリオ作成用プリセット情報をデータベース18に登録する指示を受けると、スイッチャー12を通じて該当するカメラ10の出力映像をサムネイル取得装置24に取り込ませる。サムネイル取得装置24は、取り込んだ映像を縮小してサムネイル画像のファイルを生成し、機器制御部14に伝送路28を通じて送る。機器制御部14は、サムネイル取得装置24より送られたサムネイル画像のファイルをデータベース18に保存する。このようにして機器制御部14が、サムネイル画像のファイル名を得ることができる。なお、サムネイル画像を特定する情報はファイルパスでもよい。
【0053】
以上のようなカメラ設定が競技場2内に設置された全てのカメラ10について同様に繰り返される。また、一台のカメラ10に対して、パン角、チルト角およびズーム倍率の少なくともいずれか1つが異なる複数のシナリオ作成用プリセット情報が登録されることも可能である。図5に、競技場2内に設置された全てのカメラ10のシナリオ作成用プリセット情報の登録例を示す。
【0054】
ところで、シナリオ作成用プリセット情報に含まれるタイトルは、ユーザが容易に撮影範囲を知ることができるようにユーザ自身によって入力されることが望ましい。
【0055】
図6は、タイトル編集画面の例を示す図である。
このプリセット編集画面には、シナリオ作成用プリセット情報の取得ボタン41が設けられている。取得ボタン41がユーザによりタッチされると、コントローラー16は、タイトルが未設定のシナリオ作成用プリセット情報の内容42およびサムネイル画像43をデータベース18から読み出し、プリセット編集画面に表示する。プリセット編集画面にはタイトルの入力エリア44が設けられる。ユーザは、コントローラー16の入力部を使って、タイトルの入力エリア44にタイトルの文字列を入力することができる。この後、プリセット編集画面に設けられた保存ボタン45がユーザによりタッチされると、コントローラー16は、タイトルの入力エリア44に入力されたタイトルを表示中のシナリオ作成用プリセット情報に属するタイトルとしてデータベース18に保存する。
【0056】
このような構成を有するシナリオ作成用プリセット情報をデータベース18に保存することによって、以降、この中の任意のシナリオ作成用プリセット情報をもとに、該当するカメラ10のパン角、チルト角、ズーム倍率を再現することができる。
【0057】
[3.シナリオの作成]
以上によりシナリオの作成に必要な各カメラのシナリオ作成用プリセット情報がデータベース18に用意される。したがって、以後、コントローラー16は、データベース18に保存されたシナリオ作成用プリセット情報を用いて、ユーザの意図するシナリオの作成を支援する処理を行うことができる。
【0058】
次に、シナリオの作成について説明する。
図7は、シナリオ編集画面(第2のGUI)を示す図である。
シナリオ編集画面には、シーン追加ボタン51と、シーン削除ボタン52と、情報設定エリア53と、シナリオ名入力エリア54が設けられる。情報設定エリア53は、シーンナンバー表示エリア53a、カメラ選択エリア53b、プリセット選択エリア53c、トリガー選択エリア53dを有する。
【0059】
シーン追加ボタン51がユーザによりタッチされると、コントローラー16は、そのシーンに対する情報設定エリア53をシナリオ編集画面に表示させる。最初のシーンの設定である場合には、情報設定エリア53におけるシーンナンバー表示エリア53aには先頭のシーン(シーン1)であることを意味する"1"のナンバーが表示される。このシーン1に対して、ユーザは情報設定エリア53でカメラ10を選択することができる。すなわち、カメラ選択エリア53bにタッチするとカメラ選択用のプルダウンメニューが現れる。ユーザがこのプルダウンメニューから目的のカメラのカメラIDをタッチすることによって、そのカメラIDがシーン1に対して設定される。図7の例は、シーン1に対して"CAM1"のカメラIDが設定されたことを示している。なお、異なる複数のシーンに対して同じカメラIDがいくつ設定されてもよい。
【0060】
続いて、ユーザは情報設定エリア53におけるプリセット選択エリア53cをタッチする。プリセット選択エリア53cがユーザによりタッチされるとプリセット選択用のプルダウンメニューが現れる。ユーザがこのプルダウンメニューから目的のプリセットIDをタッチすることによって、そのプリセットIDがシーン1に対して設定される。図7の例は、シーン1に対してPre001"のプリセットIDが設定されたことを示している。なお、異なる複数のシーンに対して同じプリセットIDがいくつ設定されてもよい。
【0061】
また、図5に示したように、1つのカメラ10に複数のシナリオ作成用プリセット情報が紐付けられている場合、ユーザは主にタイトルから所望とするシナリオ作成用プリセット情報を決めることができる。しかし、タイトルだけでは所望とするシナリオ作成用プリセット情報を決めにくい場合もある。例えば、複数のシナリオ作成用プリセット情報に対してたまたま同じタイトルや似たタイトルが付けられている場合などには、ユーザが判断に戸惑う。
【0062】
シナリオ作成用プリセット情報の検索・ソート機能は、このような場合に有益である。
コントローラー16は、ユーザより指定されたカメラIDを含むシナリオ作成用プリセット情報をデータベース18から検索し、プリセットIDなどの値でソートした結果を、例えばコントローラー16の表示部に表示させる。
【0063】
図8は、シナリオ作成用プリセット情報の検索・ソート結果画面の例を示す図である。
この検索・ソート結果画面には検索条件であるカメラ選択エリア61が設けられる。このカメラ選択エリア61がユーザによりタッチされるとカメラ選択用のプルダウンメニューが現れる。ユーザはこのプルダウンメニューから目的のカメラIDをタッチすることによって、そのカメラIDが検索条件として設定される。
【0064】
この後、ユーザにより検索・ソート結果画面に設けられた検索開始ボタン62がタッチされると、コントローラー16は、検索条件として設定されたカメラIDを含むシナリオ作成用プリセット情報をデータベース18から読み出す。コントローラー16は、読み出されたシナリオ作成用プリセット情報に含まれるサムネイル画像のファイル名をもとにサムネイル画像を取得し、このサムネイル画像にタイトルを付加して検索・ソート結果画面の検索結果エリア63に表示させる。1つのカメラIDに対して複数のシナリオ作成用プリセット情報が検索された場合には、コントローラー16は、例えば、これら複数の検索結果を、例えばプリセットIDなどの値によりソートして表示させる。
【0065】
なお、検索結果エリア63には、サムネイル画像とタイトルの他、パン角、チルト角、ズーム倍率なども合せて表示させてもよい。
また、複数の検索結果は、タイトルの文字順にソートして表示されてもよい。
【0066】
また、この検索・ソート結果画面の検索結果エリア63に、サムネイル画像に代えて、カメラ10により実際に撮影されたリアルタイムの映像を表示させてもよい。
例えば、検索・ソート結果画面の検索結果エリア63に表示されたいずれかのサムネイル画像がユーザによりタッチされると、コントローラー16は、そのタッチされたサムネイル画像を含むシナリオ作成用プリセット情報からパン角、チルト角、ズーム倍率の値を抽出し、機器制御部14を通じてカメラ10に制御情報を供給するとともに、スイッチャー12にそのカメラ10の出力映像を選択させて機器制御部14を通じてコントローラー16に供給するように制御する。
【0067】
これにより、カメラ10の出力映像がスイッチャー12、機器制御部14を通じてコントローラー16に伝送される。コントローラー16は、伝送されてきた映像をサムネイル画像のサイズに縮小し、検索・ソート結果画面の検索結果エリア63にサムネイル画像に代えてカメラ10により実際に撮影されたリアルタイム映像を表示させる。
【0068】
このように、ユーザは、シナリオ作成用プリセット情報に含まれるサムネイル画像あるいはカメラ10により撮影されたリアルタイム映像を検索・ソート結果画面で確認することができる。これによりシナリオ作成の際に、所望とするシナリオ作成用プリセット情報を容易に選択することができる。
【0069】
図7のシナリオ編集画面の説明に戻る。
カメラID、プリセットIDの選択に続いて、ユーザはトリガーの選択を行う。トリガーとは、シナリオ作成用プリセット情報に基づく撮影を開始する契機のことである。トリガーの種類には、例えば、競技のスタートを指示するピストル音、経過時間、テイクなどがある。テイクはユーザからマニュアルで与えられる切り替え指示である。
【0070】
シナリオ編集画面の情報設定エリア53におけるトリガー選択エリア53dがユーザによりタッチされると、トリガー選択用のプルダウンメニューが現れる。このプルダウンメニューでユーザが所望のトリガーをタッチすることによってトリガーが設定される。
【0071】
なお、トリガーとして経過時間が選択された場合には、その経過時間の値をユーザに選択させるためのプルダウンメニューが現れ、ユーザはこのプルダウンメニューで、所望の経過時間の値を選択することができる。
【0072】
以上、シーン1に対してカメラID、プリセットID、トリガーが設定され、シーン1に対する情報設定が完了する。
【0073】
シーン1に対するカメラID、プリセットID、トリガーの設定が完了した後、続いて、ユーザにより次の(下の)シーン追加ボタン51がタッチされると、コントローラー16はシーン2に対する情報設定エリア53を追加し、このシーン2に対する情報設定エリア53において同様にカメラID、プリセットID、トリガーの設定が行われる。ここで、シーンをいくつ追加するかはユーザが自由に決めることができる。図7では合計6つのシーンが追加された場合を示している。
【0074】
この後、ユーザは、シナリオ編集画面に設けられたシナリオ名入力エリア54に任意のシナリオ名を入力することができる。シナリオ名は、ユーザがシナリオの目的などが分かるようなものとされる。例えば、"100m徒競争"、"200徒競争"といった競技種目名などがシナリオ名として用いられる。
【0075】
最後に、保存ボタン55がユーザによりタッチされることで、コントローラー16は、各シーンに対して設定されたカメラID、プリセットID、トリガーの値を、シナリオ名入力エリア54に入力されたシナリオ名と紐付けてデータベース18に保存する。以上のようにして1つのシナリオが得られる。
【0076】
(旋回撮影のためのプリセット編集画面)
次に、コース上で移動する競技者を追跡するようにカメラ10のパン角、チルト角、ズーム倍率の少なくともいずれかを変化させながら撮影するためのシナリオ作成用プリセット情報の作成について説明する。
【0077】
ここでは、例えば、既にデータベース18に保存されたシナリオ作成用プリセット情報を旋回撮影に対応するものに編集し直す場合を想定する。
【0078】
図9は、旋回撮影のためのプリセット編集画面を示す図である。
この旋回撮影のためのプリセット編集画面(第3のGUI)には、横軸を時間軸、縦軸を値とする二次元空間で、カメラ10の撮影範囲を移動しながら撮影するために必要な、タイミング情報、パン角、チルト角、ズーム倍率の各値を個別に設定することのできる編集エリア71が設けられる。
【0079】
例えば、図9の例では、カメラ10の切り替り時(0経過時)、5秒経過時、10秒経過時の3つのタイミングでのパン角、チルト角、ズーム倍率の各値の設定例を示している。
ここで、図3に示したように、直線コース4に沿って競技者5が走行する向きを0度、0度の向きから左周りに180度の範囲を0度から+180度の範囲、0度の向きから右周りに180度の範囲を0度から-180度の範囲とする。
【0080】
図9の編集エリア71のパン角の値は、カメラ10のパン角を示す。0秒経過時のカメラ10のパン角は+60度とされ、5秒時刻のカメラ10のパン角は+90度とされている。これは0秒経過時から5秒経過時までの5秒間でカメラ10のパン角は+60度から+90度に旋回するように設定がされたことを意味する。さらに、10秒経過時のカメラ10のパン角は+30度とされ、すなわち、これは5秒経過時から10秒経過時までの5秒間でカメラ10のパン角は+90度から+30度に旋回するように設定されたことを意味する。
【0081】
また、図9の例では、0秒経過時のカメラ10のチルト角は-10度とされ、5秒経過時のカメラ10のチルト角は-15度とされている。これは0秒経過時から5秒経過時までの5秒間でカメラ10のチルト角は-10度から-15度に変化するように設定がされたことを意味する。さらに、10秒経過時のカメラ10のチルト角は-20度とされ、すなわち、これは5秒経過時から10秒経過時までの5秒間でカメラ10のチルト角は-15度から-20度に変化するように設定されたことを意味する。
【0082】
同様に、ズーム倍率について、図9の例では、0秒経過時で20倍、5秒経過時で15倍、10秒経過時で10倍となるように設定された場合を示している。
【0083】
編集エリア71において、経過時間毎のパン角、チルト角、ズーム倍率の各設定値は、例えば、編集エリア71内の各操作子71aを目的の値の高さ位置にドラッグさせること、あるいは数値を図示しない入力エリアに直接入力することなどによって設定される。
【0084】
0秒経過時、5秒経過時、10秒経過時など、設定値が設定される時間位置は、編集エリア71においてユーザが任意の時間位置を、編集エリア71へのタッチ操作や数値入力エリアへの入力によって指定してもよい。編集エリア71において設定された値は、プリセット選択エリア73にユーザによって選択されたプリセットIDによって特定されるシナリオ作成用プリセット情報に反映される。これにより、コース上で移動する競技者を追跡するようにカメラ10のパン角、チルト角、ズーム倍率の少なくともいずれかを変化させながら撮影するためのシナリオに用いられるシナリオ作成用プリセット情報を作成することができる。
【0085】
また、図9に示す旋回撮影のためのプリセット編集画面において、編集エリア71におけるパン角、チルト角、ズーム倍率の各設定値は絶対値により表示されることとしたが、図10に示すように、相対値により表示されてもよい。あるいは、絶対値表示と相対値表示とを、旋回撮影のためのプリセット編集画面に設けられた表示切替ボタン72を用いてユーザが適宜選択できるようにしてもよい。
【0086】
ここでは、2つの経過時間の間でのカメラ10のパン速度、チルト速度、ズーム倍率の変化速度は一定としたが、次第に加速あるいは減速するような設定ができるようにしてもよい。
【0087】
(シナリオの自動生成について)
ここまで、ユーザが本実施形態の撮影システム1による支援のもと、主にマニュアルでシナリオを生成する場合について説明したが、コントローラー16が自動的にシナリオの少なくとも一部を作成するようにしてもよい。
【0088】
具体例として、コース上に予め決められた複数の地点の位置情報と各カメラ10の位置情報をもとに、最適なカメラ10の出力映像をコントローラー16が判定する方法がある。
【0089】
図11は、コース上の複数の地点の位置情報と各カメラ10の位置情報をもとに最適なカメラ10を判定する動作を説明するための図である。
例えば、被写体が直線コース4のスタート地点P0から移動を開始し、所定の通過地点P1を通過してゴール地点P2を目指す競技を撮影対象とする場合を想定する。
直線コース4のコースの周囲には5台のカメラ10(CAM1、CAM2、CAM3、CAM4、CAM5)が配置される。直線コース4に沿って競技者が走行する向きを0度、0度の向きから左周りに180度の範囲を0度から+180度の範囲、0度の向きから右周りに180度の範囲を0度から-180度の範囲とする。
【0090】
この具体例ではコントローラー16において予め、上記3つの地点P0、P1、P2から見たカメラ10の角度位置をもとに最適なカメラ10の出力映像を判定するための基準が設けられる。例えば、地点P0、P1、P2から見たカメラ10の位置の角度をαとして、30°>α>-90を満足し、かつαが最小の値となる一のカメラ10を最適なカメラとして判定する、といった選択基準が与えられる。
なお、この最適なカメラの選択基準はユーザによって決められたり、変更されたりしてよい。
【0091】
図12は、上記3つの地点P0、P1、P2から見た5台のカメラ10(CAM1、CAM2、CAM3、CAM4、CAM5)の角度位置を算出した結果をまとめた図である。コントローラー16は、上記の最適なカメラ選択基準をもとにスタート地点P0、通過地点P1、ゴール地点P2の各地点に対する最適なカメラ10を判定する。
【0092】
この結果、スタート地点P0から通過地点P1の直前までの範囲に対する最適なカメラ10はCAM2であることが判定され、通過地点P1からゴール地点P2の直前までの範囲に対する最適なカメラ10はCAM3であることが判定される。そしてゴール地点P2ではCAM4カメラ10が最適と判定される。
【0093】
このように、予めカメラ選択基準を用意しておくことで、コントローラー16は、コース上の各々の地点に対して最適な位置関係にあるカメラ10を自動的に判定することができる。最適なカメラ10が判定された後、図13に示すように、各々のカメラ10の撮影範囲を対象とした、カメラ10の向き、初期の画角R、旋回角rなどを決定することができる。
【0094】
また、旋回速度については、被写体のコース上の速度情報が既知であれば、カメラ10の画角内の中心に常に被写体がくる最適な値をコントローラー16において求めることが可能である。被写体の速度情報は、競技種目別、競技者レベル別、年齢・性別別に管理されることが望ましい。ユーザは、採用する被写体の速度情報を適宜切り替えてコントローラー16に設定すればよい。
【0095】
さらに、コースのスタート地点から数メートルまでの競技者の移動速度を測定し、この測定結果をシナリオのカメラ10の旋回速度に反映させてもよい。これにより、カメラの画角から被写体が外れる確率を下げることができる。競技者の移動速度の測定は、測定用に割り当てられたカメラの出力映像をもとに行うことが可能である。
【0096】
作成されたシナリオはデータベース18に保存される。
ユーザは、データベース18に保存されたシナリオの一覧をコントローラー16の表示部を通して閲覧し、一覧の中から撮影に用いるシナリオを選択することができる。
【0097】
コントローラー16は、ユーザにより選択されたシナリオの情報をデータベース18から読み込み、このシナリオに従って複数のカメラ10による撮影を行うように機器制御部14を通じて、複数のカメラ10およびスイッチャー12に制御情報を出力する。これにより、シナリオに従った複数のカメラ10による競技の様子の撮影が行われ、スイッチャー12を通じて選択された映像が録画機器20に出力され、録画機器20に録画されるとともに、スイッチャー12を通じて選択された映像が大型映像機器22に出力されて表示される。
【0098】
図14は、競技の撮影中にコントローラー16の表示部に表示される撮影状況監視画面の例を示す図である。
この撮影状況監視画面で、ユーザは各カメラ10による出力映像を監視し、また、シナリオで決められたカメラ10の切り替えの実行タイミングを指示したりすることができる。
【0099】
すなわち、競技の撮影中、サムネイル取得装置24は、スイッチャー12を通じて各カメラ10より一定時間間隔で出力映像を取り込み、縮小して、各カメラ10毎の出力映像のサムネイル画像を生成する。サムネイル取得装置24は、生成した各カメラ10のサムネイル画像を機器制御部14を通じてコントローラー16に転送する。
【0100】
コントローラー16は、サムネイル取得装置24より転送されてきた各カメラ10のサムネイル画像を撮影状況監視画面に設定された各シーンの表示領域81−85に挿入する。このようにしてコントローラー16の表示部に各シーンのサムネイル画像がリアルタイムで表示される。
【0101】
さらに、撮影状況監視画面では、シナリオにおける現在のシーンに対応する表示領域81−85が一目で分かるようになっている。例えば、現在のシーンに対応する表示領域81を特定の色の枠86で囲むなどによって、他のシーンに対応する表示領域82−85と視覚的に差別化される。
【0102】
ところで、シナリオによっては、シーンの切り替えのトリガーを"テイク(take)"としたものがある。これは、ユーザからの指示でシーンを切り替えることを意味する。シーンの切り替えのためのトリガーとして"テイク(take)"が定義されているシーンの1つ前のシーンの撮影中は、コントローラー16は、撮影状況監視画面に"テイク"の指示をコントローラー16が受け付けるためのテイクボタン87を表示する。コントローラー16は、このテイクボタン87がユーザによりタッチされたことを検出すると、シナリオに従って次のシーンの撮影に切り替えるようにスイッチャー12に指示する。
【0103】
"テイク"の指示などにより次のシーンの撮影に進むと、現在のシーンに対応する表示領域81を示す枠86が次のシーンに対応する表示領域に移動し、ユーザはシーンの切り替わりを確認することができる。
【0104】
また、撮影状況監視画面には、ユーザが撮影に用いるシナリオを選択するためのシナリオ選択ボタン88が設けられている。
【0105】
(本実施形態の撮影システム1の効果等)
一般的に、競技場のような広い空間に複数のカメラを配置し、各々のカメラの設定や切り替えを通して目的の映像を撮影するためには多数の撮影スタッフが必要である。これに対し、本実施形態の撮影システム1では、競技場内に配置された複数のカメラ10をどのような順に、どのような向きで、かつどのようなタイミングで切り替えるかといったシナリオを予め作成しておき、このシナリオに従って、コントローラー16が各カメラ10を制御するので、必要な撮影スタッフ数を最小限に抑えることができる。
【0106】
また、本実施形態の撮影システム1では、コース上の複数の地点各々に対して撮影に最適なカメラ10をコントローラー16が自動的に判定するので、シナリオ上の最適なカメラを選定するユーザの負担を大きく軽減できる。また、本実施形態の撮影システム1では、カメラ10の撮影範囲を動かしながら撮影するためシナリオもGUIを使ってユーザが容易に作成することができる。
【0107】
<変形例1>
なお、上記の実施形態では、陸上競技場2のコースを移動する被写体を複数のカメラ10で撮影する撮影システム1において利用されるカメララークのためのシナリオの作成について説明したが、本発明は、陸上競技場2以外のコース、例えば、街中コース、森林コースなど、被写体が移動する動線が決まっているコース上の被写体を撮影する撮影システムに対しても応用可能である。
【0108】
また、上記の実施形態では、コースの周りに設置した複数のカメラ10の位置情報をシステムに登録することとしたが、システムに予め用意されたカメラ配置のテンプレートに合せて、ユーザが各カメラ10を配置するようにしてもよい。この場合、競技場内に設置されたカメラ10のGPS情報等の情報を用いて、システム側のカメラの位置情報に補正を加えることによって、競技場内の各カメラ10の位置情報とシステム側のカメラの位置情報との整合性を確保するようにしてもよい。
【0109】
<変形例2>
競技種目毎のシナリオの実行スケジュールを設定しておくことで、この実行スケジュールをもとに、競技種目の開始予定時刻になると、その競技種目のシナリオの撮影状況監視画面が自動的にコントローラー16の表示部に表示されるようにしてもよい。この場合、1つの競技種目の撮影中に、別の競技種目が開始される場合には、表示部の撮影状況監視画面を分割し、各々の分割画面に各々の競技種目の撮影状況監視画面が同時に表示されてもよい。
【0110】
なお、本技術は以下のような構成もとることができる。
(1)コース上を移動する被写体を異なる向きから撮影可能な複数のカメラと、
前記コース上を移動する前記被写体の連続撮影を時間的に分担する前記複数のカメラの切り替え順の前記ユーザによる設定を受け付け、前記設定された切り替え順に従って前記複数のカメラの出力映像を切り替えるコントローラーと
を具備する撮影システム。
【0111】
(2)上記(1)に記載の撮影システムであって、
前記コントローラーは、
前記複数のカメラの出力映像を表示可能な表示部を有し、
前記表示部に表示された前記出力映像を見ながら、個々の前記カメラのパン角、チルト角、およびズーム倍率の少なくともいずれか1つを設定するための命令をユーザより受け付けるための第1のGUIを前記表示部に表示させるように構成された
撮影システム。
【0112】
(3)上記(2)に記載の撮影システムであって、
前記コントローラーは、
前記第1のGUIを用いて設定された情報と、設定対象の前記カメラの識別情報と、前記設定対象のカメラの出力映像にアクセスするためのアクセス情報で構成される情報セットと、この情報セットを識別するプリセット識別情報とを互いに紐付けてシナリオ作成用プリセット情報として、複数の前記シナリオ作成用プリセット情報をデータベースに保存するように構成された
撮影システム。
【0113】
(4)上記(3)に記載の撮影システムであって、
前記コントローラーは、前記複数のカメラの出力映像を時間的に切り替えて1つの時間軸の映像を得るためのシナリオを、前記データベースに保存された前記複数のシナリオ作成用プリセット情報を用いて前記ユーザが生成することを支援する第2のGUIを前記表示部に表示させるように構成された
撮影システム。
【0114】
(5)上記(4)に記載の撮影システムであって、
前記シナリオは、時系列を構成する1以上のシーンで構成され、個々の前記シーンに、少なくとも前記プリセット識別情報が割り当てられて構成される
撮影システム。
【0115】
(6)上記(5)に記載の撮影システムであって、
前記シナリオは、個々の前記シーンの間の切り替わりのトリガーに関する情報を含む
撮影システム。
【0116】
(7)上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の撮影システムであって、
前記コントローラーは、
前記カメラの撮影範囲を変更しながら撮影するために必要な設定情報である、タイミング情報と、パン角、チルト角およびズーム倍率の少なくともいずれか1つのユーザからの入力を受け付ける第3のGUIを前記表示部に表示させるように構成される
撮影システム。
【0117】
(8)上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の撮影システムであって、
前記コントローラーは、前記コース上の複数の地点の位置情報と、前記各カメラの位置情報とをもとに、最適な一の前記カメラを判定するように構成される
撮影システム。
【符号の説明】
【0118】
1…撮影システム
2…競技場
3…トラック
4…直線コース
10…カメラ
12…スイッチャー
14…機器制御部
16…コントローラー
18…データベース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【国際調査報告】