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再表2017-138370固体撮像素子およびその製造方法、並びに電子機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2017年8月17日
【発行日】2018年11月29日
(54)【発明の名称】固体撮像素子およびその製造方法、並びに電子機器
(51)【国際特許分類】
   H01L 27/146 20060101AFI20181102BHJP
   G02B 5/20 20060101ALI20181102BHJP
   G02B 5/22 20060101ALI20181102BHJP
   H04N 9/07 20060101ALI20181102BHJP
【FI】
   H01L27/146 D
   G02B5/20 101
   G02B5/22
   H04N9/07 D
   H04N9/07 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】28
【出願番号】特願2017-566576(P2017-566576)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2017年1月27日
(31)【優先権主張番号】特願2016-22327(P2016-22327)
(32)【優先日】2016年2月9日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121131
【弁理士】
【氏名又は名称】西川 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082131
【弁理士】
【氏名又は名称】稲本 義雄
(72)【発明者】
【氏名】東谷 阿美
(72)【発明者】
【氏名】大場 宣幸
(72)【発明者】
【氏名】狭山 征博
【テーマコード(参考)】
2H148
4M118
5C065
【Fターム(参考)】
2H148BD02
2H148BD05
2H148BD21
2H148BF02
2H148BG11
2H148BH01
2H148CA04
2H148CA05
2H148CA14
2H148CA19
2H148CA23
4M118AA02
4M118AB01
4M118BA14
4M118CA04
4M118CA20
4M118CA25
4M118CA34
4M118DD04
4M118FA06
4M118GA02
4M118GB03
4M118GB07
4M118GB11
4M118GC07
4M118GC08
4M118GC09
4M118GC14
4M118GC20
4M118GD04
5C065AA01
5C065BB48
5C065CC01
5C065DD17
5C065EE05
5C065EE06
5C065EE11
(57)【要約】
本技術は、低感度画素と高感度画素で分光特性を変えることなく受光感度差をつけることにより、ダイナミックレンジの拡大を実現することができるようにする固体撮像素子およびその製造方法、並びに電子機器に関する。
固体撮像素子は、受光感度の異なる高感度画素と低感度画素の2種類の画素を配列した画素アレイ部を備える。低感度画素は、可視光領域の光の透過率を所定の割合で低下させるグレイフィルタを、カラーフィルタの上側または下側に備える。本技術は、例えば、固体撮像素子等に適用できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
受光感度の異なる高感度画素と低感度画素の2種類の画素を配列した画素アレイ部を備え、
前記低感度画素は、可視光領域の光の透過率を所定の割合で低下させるグレイフィルタを、カラーフィルタの上側または下側に備える
固体撮像素子。
【請求項2】
前記カラーフィルタは、R,G,B、またはCのカラーフィルタの少なくとも一つである
請求項1に記載の固体撮像素子。
【請求項3】
前記Cのカラーフィルタの400nm乃至700nmの波長における平均透過率は、90%以上である
請求項2に記載の固体撮像素子。
【請求項4】
前記Cのカラーフィルタは、オンチップレンズと同じ材料で形成されている
請求項2に記載の固体撮像素子。
【請求項5】
2次元配置された前記低感度画素の前記カラーフィルタの配列は、2次元配置された前記高感度画素の前記カラーフィルタの配列と同じである
請求項1に記載の固体撮像素子。
【請求項6】
前記高感度画素と低感度画素とでは、さらに、画素サイズが異なる
請求項1に記載の固体撮像素子。
【請求項7】
前記高感度画素と低感度画素とでは、さらに、画素間遮光膜による開口領域が異なる
請求項1に記載の固体撮像素子。
【請求項8】
前記高感度画素と低感度画素とでは、さらに、フォトダイオードが形成された深さ位置が異なる
請求項1に記載の固体撮像素子。
【請求項9】
前記低感度画素の受光感度は、前記高感度画素の受光感度の50%以下である
請求項1に記載の固体撮像素子。
【請求項10】
前記グレイフィルタは、有機樹脂に遮光性材料を分散させた材料で構成される
請求項1に記載の固体撮像素子。
【請求項11】
前記遮光性材料は、有機顔料、無機顔料、または、カーボンブラックのいずれかである
請求項10に記載の固体撮像素子。
【請求項12】
前記グレイフィルタは、400nm乃至700nmの波長における平均透過率が10%乃至90%の範囲内であり、400nm乃至700nmの各波長の透過率が、550nmの波長の透過率の−15%乃至+15%の範囲内である
請求項1に記載の固体撮像素子。
【請求項13】
前記グレイフィルタの膜厚は、100nm乃至1000nmの範囲内である
請求項1に記載の固体撮像素子。
【請求項14】
前記グレイフィルタと前記カラーフィルタとの間には、所定の膜が挿入されている
請求項1に記載の固体撮像素子。
【請求項15】
前記グレイフィルタは複数種類の膜を積層して構成されている
請求項1に記載の固体撮像素子。
【請求項16】
前記複数種類の膜の1つは、有機樹脂に遮光性材料を分散させた材料で構成された膜である
請求項15に記載の固体撮像素子。
【請求項17】
受光感度の異なる高感度画素と低感度画素の2種類の画素を配列した画素アレイ部を備える固体撮像素子の前記低感度画素に対し、可視光領域の光の透過率を所定の割合で低下させるグレイフィルタを、カラーフィルタの上側または下側に形成する
固体撮像素子の製造方法。
【請求項18】
受光感度の異なる高感度画素と低感度画素の2種類の画素を配列した画素アレイ部を備え、
前記低感度画素は、可視光領域の光の透過率を所定の割合で低下させるグレイフィルタを、カラーフィルタの上側または下側に備える固体撮像素子
を備える電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、固体撮像素子およびその製造方法、並びに電子機器に関し、特に、低感度画素と高感度画素で分光特性を変えることなく受光感度差をつけることにより、ダイナミックレンジの拡大を実現することができるようにする固体撮像素子およびその製造方法、並びに電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
車載カメラや監視カメラなどの固体撮像素子においては、例えばトンネル走行等のあらゆるシーンに対応するため、ダイナミックレンジの拡大が求められている。
【0003】
各画素の画素サイズを同一に形成した固体撮像素子では、広いダイナミックレンジを確保することが難しい為、画素アレイ内で画素サイズの異なる2種類の画素を混在させ、感度差を付ける手法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
さらにダイナミックレンジを広げる手法として、画素サイズの異なる高感度画素と低感度画素のうち、低感度画素に対して、可視光領域を透過させるクリア画素と、クリア画素に対して透過率を一定割合だけ落としたグレイ画素を設ける手法がある(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−268356号公報
【特許文献2】特開2007−281875号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献2に開示の手法では、低感度画素から高感度画素への光路混色が悪化し、また、クリア画素とグレイ画素では色情報が無い為、色再現性が低下する。
【0007】
本技術は、このような状況に鑑みてなされたものであり、低感度画素と高感度画素で分光特性を変えることなく受光感度差をつけることにより、ダイナミックレンジの拡大を実現することができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本技術の第1の側面の固体撮像素子は、受光感度の異なる高感度画素と低感度画素の2種類の画素を配列した画素アレイ部を備え、前記低感度画素は、可視光領域の光の透過率を所定の割合で低下させるグレイフィルタを、カラーフィルタの上側または下側に備える。
【0009】
本技術の第2の側面の固体撮像素子の製造方法は、受光感度の異なる高感度画素と低感度画素の2種類の画素を配列した画素アレイ部を備える固体撮像素子の前記低感度画素に対し、可視光領域の光の透過率を所定の割合で低下させるグレイフィルタを、カラーフィルタの上側または下側に形成する。
【0010】
本技術の第3の側面の電子機器は、受光感度の異なる高感度画素と低感度画素の2種類の画素を配列した画素アレイ部を備え、前記低感度画素は、可視光領域の光の透過率を所定の割合で低下させるグレイフィルタを、カラーフィルタの上側または下側に備える固体撮像素子を備える。
【0011】
本技術の第1乃至第3の側面においては、受光感度の異なる高感度画素と低感度画素の2種類の画素を配列した画素アレイ部が設けられ、前記低感度画素では、可視光領域の光の透過率を所定の割合で低下させるグレイフィルタが、カラーフィルタの上側または下側に設けられる。
【0012】
固体撮像素子及び電子機器は、独立した装置であっても良いし、他の装置に組み込まれるモジュールであっても良い。
【発明の効果】
【0013】
本技術の第1乃至第3の側面によれば、低感度画素と高感度画素で分光特性を変えることなく受光感度差をつけることにより、ダイナミックレンジの拡大を実現することができる。
【0014】
なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本技術を適用した固体撮像素子の概略構成を示す図である。
図2】高感度画素と低感度画素の配列を示す図である。
図3】第1の実施の形態におけるカラーフィルタの配列を示す図である。
図4】第1の実施の形態の画素構造を説明する断面図である。
図5】カーボンブラックを分散させたグレイフィルタの透過率を示す図である。
図6】無機顔料を分散させたグレイフィルタの透過率を示す図である。
図7】第1の実施の形態の高感度画素と低感度画素の製造方法を説明する図である。
図8】第1の実施の形態における第1の変形例を示す断面図である。
図9】第1の実施の形態における第2の変形例を示す断面図である。
図10】第1の実施の形態における第3の変形例を示す断面図である。
図11】積層構造によるグレイフィルタの透過率を示す図である。
図12】第2の実施の形態におけるカラーフィルタの配列を示す図である。
図13】第3の実施の形態におけるカラーフィルタの配列を示す図である。
図14】第3の実施の形態の第1の画素構造を説明する断面図である。
図15】第3の実施の形態の第2の画素構造を説明する断面図である。
図16】第3の実施の形態の第3の画素構造を説明する断面図である。
図17】第4の実施の形態におけるカラーフィルタの配列を示す図である。
図18】第4の実施の形態の第1の画素構造を説明する断面図である。
図19】第4の実施の形態の第2の画素構造を説明する断面図である。
図20】第4の実施の形態の第3の画素構造を説明する断面図である。
図21】本技術を適用した電子機器としての撮像装置の構成例を示すブロック図である。
図22図1の固体撮像素子の使用例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本技術を実施するための形態(以下、実施の形態という)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.固体撮像素子の概略構成例
2.第1の実施の形態(RGB配列とグレイフィルタを備える画素構造)
3.第2の実施の形態(RGBC配列とグレイフィルタを備える画素構造)
4.第3の実施の形態(RC配列とグレイフィルタを備える画素構造)
5.第4の実施の形態(C配列とグレイフィルタを備える画素構造)
6.電子機器への適用例
【0017】
<1.固体撮像素子の概略構成例>
図1は、本技術を適用した固体撮像素子の概略構成を示している。
【0018】
図1の固体撮像素子1は、半導体として例えばシリコン(Si)を用いた半導体基板12に、画素2が2次元配置された画素アレイ部3と、その周辺の周辺回路部とを有して構成される。周辺回路部には、垂直駆動回路4、カラム信号処理回路5、水平駆動回路6、出力回路7、制御回路8などが含まれる。
【0019】
画素2は、光電変換素子としてのフォトダイオードと、複数の画素トランジスタを有して成る。複数の画素トランジスタは、例えば、転送トランジスタ、選択トランジスタ、リセットトランジスタ、及び、増幅トランジスタの4つのMOSトランジスタで構成される。
【0020】
また、画素2は、共有画素構造とすることもできる。この共有画素構造は、複数のフォトダイオードと、複数の転送トランジスタと、共有される1つのフローティングディフージョン(浮遊拡散領域)と、共有される1つずつの他の画素トランジスタとから構成される。すなわち、共有画素構造では、複数の単位画素を構成するフォトダイオード及び転送トランジスタが、他の1つずつの画素トランジスタを共有して構成される。
【0021】
制御回路8は、入力クロックと、動作モードなどを指令するデータを受け取り、また固体撮像素子1の内部情報などのデータを出力する。すなわち、制御回路8は、垂直同期信号、水平同期信号及びマスタクロックに基づいて、垂直駆動回路4、カラム信号処理回路5及び水平駆動回路6などの動作の基準となるクロック信号や制御信号を生成する。そして、制御回路8は、生成したクロック信号や制御信号を、垂直駆動回路4、カラム信号処理回路5及び水平駆動回路6等に出力する。
【0022】
垂直駆動回路4は、例えばシフトレジスタによって構成され、所定の画素駆動配線10を選択し、選択された画素駆動配線10に画素2を駆動するためのパルスを供給し、行単位で画素2を駆動する。すなわち、垂直駆動回路4は、画素アレイ部3の各画素2を行単位で順次垂直方向に選択走査し、各画素2の光電変換部において受光量に応じて生成された信号電荷に基づく画素信号を、垂直信号線9を通してカラム信号処理回路5に供給させる。
【0023】
カラム信号処理回路5は、画素2の列ごとに配置されており、1行分の画素2から出力される信号を画素列ごとにノイズ除去などの信号処理を行う。例えば、カラム信号処理回路5は、画素固有の固定パターンノイズを除去するためのCDS(Correlated Double Sampling:相関2重サンプリング)およびAD変換等の信号処理を行う。
【0024】
水平駆動回路6は、例えばシフトレジスタによって構成され、水平走査パルスを順次出力することによって、カラム信号処理回路5の各々を順番に選択し、カラム信号処理回路5の各々から画素信号を水平信号線11に出力させる。
【0025】
出力回路7は、カラム信号処理回路5の各々から水平信号線11を通して順次に供給される信号に対し、信号処理を行って出力する。出力回路7は、例えば、バファリングだけする場合もあるし、黒レベル調整、列ばらつき補正、各種デジタル信号処理などが行われる場合もある。入出力端子13は、外部と信号のやりとりをする。
【0026】
以上のように構成される固体撮像素子1は、CDS処理とAD変換処理を行うカラム信号処理回路5が画素列ごとに配置されたカラムAD方式と呼ばれるCMOSイメージセンサである。
【0027】
固体撮像素子1の画素アレイ部3には、高感度画素と低感度画素の受光感度の異なる2種類の画素2が2次元配置されている。
【0028】
<2.第1の実施の形態>
高感度画素と低感度画素の第1の実施の形態について説明する。
【0029】
<高感度画素と低感度画素の配列例>
図2は、画素アレイ部3における高感度画素2Hと低感度画素2Lの配列を示す図である。
【0030】
高感度画素2Hは、正方形の四隅を面取りしたような八角形の平面形状を有し、画素アレイ部3の水平方向及び垂直方向に配列されている。
【0031】
低感度画素2Lは、2次元配置された高感度画素2Hの四隅の隙間の領域に、高感度画素2Hよりも小さい平面サイズ(画素サイズ)で形成されている。低感度画素2Lは、略四角形の高感度画素2Hに対して45度回転させた菱形形状で、画素アレイ部3の水平方向及び垂直方向に配列されている。
【0032】
低感度画素2Lは、画素の平面サイズ(画素サイズ)が、高感度画素2Hよりも小さく形成されている他、可視光領域において透過率を所定の割合で低下させるグレイフィルタを有することで、受光感度が高感度画素2Hより低くなるように構成されている。
【0033】
<カラーフィルタ配列例>
図3は、画素アレイ部3の各画素2に形成されたカラーフィルタの配列を示す図である。
【0034】
画素アレイ部3では、高感度画素2Hにおいて、R(RED)のカラーフィルタ21R、G(GREEN)のカラーフィルタ21G、及び、B(BLUE)のカラーフィルタ21Bが、いわゆるベイヤ配列で配列されている。ここで、Rのカラーフィルタ21Rは、赤の波長領域の光を透過させるフィルタであり、Gのカラーフィルタ21Gは、緑の波長領域の光を透過させるフィルタであり、Bのカラーフィルタ21Bは、青の波長領域の光を透過させるフィルタである。なお以下においてR、G、Bの違いを区別する必要がない場合には、単にカラーフィルタ21と称する。
【0035】
また、低感度画素2Lにおいても、Rのカラーフィルタ21R、Gのカラーフィルタ21G、及び、Bのカラーフィルタ21Bが、いわゆるベイヤ配列で配列されている。
【0036】
従って、2次元配置された低感度画素2Lのカラーフィルタ21の配列は、2次元配置された高感度画素2Hのカラーフィルタ21の配列と同じである。換言すれば、図3において、所定の高感度画素2Hに注目したとき、注目した高感度画素2Hと、その左斜め上に位置する低感度画素2Lのカラーフィルタ21の色が同色となっている。
【0037】
図3において、低感度画素2Lに付された濃度は、可視光領域において透過率を所定の割合で低下させるグレイフィルタ22(図4)が配置されていることを表す。すなわち、グレイフィルタ22は、画素アレイ部3において2次元配置された高感度画素2Hと低感度画素2Lのうち、低感度画素2Lにのみ形成されている。
【0038】
<高感度画素と低感度画素の断面図>
図4は、高感度画素と低感度画素の画素構造を説明する断面図である。
【0039】
図4の断面図は、高感度画素2Hと低感度画素2Lのうち、例えば図3において破線で示される、Rのカラーフィルタ21Rを有する高感度画素2Hと低感度画素2Lの断面図である。
【0040】
高感度画素2Hと低感度画素2Lにおいては、半導体基板12の、例えば、P型(第1導電型)の半導体領域41に、N型(第2導電型)の半導体領域42を画素ごとに形成することにより、フォトダイオードPDが、画素単位に形成されている。半導体基板12の表裏両面に臨むP型の半導体領域41は、暗電流抑制のための正孔電荷蓄積領域を兼ねている。
【0041】
図4において半導体基板12の下側となる表面側には、フォトダイオードPDに蓄積された電荷の読み出し等を行う複数の画素トランジスタと、複数の配線層と層間絶縁膜などが形成されているが、それらの図示が省略されている。
【0042】
図4において半導体基板12の上側となる裏面側の画素境界には、画素間遮光膜43が形成されている。画素間遮光膜43は、光を遮光する材料であればよいが、遮光性が強く、かつ微細加工、例えばエッチングで精度よく加工できる材料が望ましい。画素間遮光膜43は、例えば、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、ニッケル(Ni)などの金属膜で形成することができる。
【0043】
なお、半導体基板12の裏面側の表層全体には、例えば、ハフニウム酸化(HfO2)膜とシリコン酸化膜の2層の膜からなる反射防止膜が形成されてもよい。
【0044】
画素間遮光膜43上面、及び、画素間遮光膜43で開口された半導体基板12上面には、Rのカラーフィルタ21Rが形成されている。Rのカラーフィルタ21Rは、例えば顔料や染料などの色素を含んだ感光性樹脂を回転塗布することによって形成される。
【0045】
低感度画素2Lでは、Rのカラーフィルタ21Rの上側にグレイフィルタ22が形成され、その上にオンチップレンズ44が形成されている。一方、高感度画素2Hでは、Rのカラーフィルタ21Rの上側に、直接、オンチップレンズ44が形成されている。
【0046】
このように、固体撮像素子1の画素アレイ部3には、高感度画素2Hと低感度画素2Lが2次元配置されており、低感度画素2Lは、高感度画素2Hよりも画素サイズが小さく形成されるとともに、高感度画素2Hには形成されていないグレイフィルタ22が形成されている。
【0047】
グレイフィルタ22は、可視光領域において光の透過率を所定の割合で低下させるカラーフィルタである。グレイフィルタ22は、例えば、アクリル樹脂、フッ素系アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリイミド樹脂などの有機樹脂に、有機顔料、無機顔料、カーボンブラック等の遮光性材料を分散させた材料で構成される。また、グレイフィルタ22は、Si基を導入したハイブリッド樹脂、あるいはSiNやSiO2などの無機材料に、有機顔料、無機顔料、または、カーボンブラックのいずれかの遮光性材料を分散させた材料で構成してもよい。
【0048】
図5は、有機樹脂(例えば、アクリル樹脂)にカーボンブラックを分散させることで形成したグレイフィルタ22の400nm乃至700nmの各波長における透過率を示すグラフである。
【0049】
図6は、有機樹脂(例えば、アクリル樹脂)に無機顔料(例えば、酸化チタン)を分散させることで形成したグレイフィルタ22の400nm乃至700nmの各波長における透過率を示すグラフである。
【0050】
有機樹脂に有機顔料を分散させてグレイフィルタ22を形成した例では、図5に示されるように、400nm乃至700nmの各波長における透過率が、約50%となっている。
【0051】
有機樹脂に無機顔料を分散させてグレイフィルタ22を形成した例では、図6に示されるように、400nm乃至700nmの各波長における透過率が、約40乃至60%となっている。
【0052】
グレイフィルタ22は、400nm乃至700nmの波長における平均透過率が10%乃至90%の範囲内であり、400nm乃至700nmの各波長の透過率が、550nmの波長の透過率の−15%乃至+15%の範囲内であるように形成されていればよい。また、低感度画素2Lの受光感度は、高感度画素2Hの受光感度の50%前後、望ましくは50%以下とすることが好ましい。
【0053】
グレイフィルタ22の膜厚は、例えば、100nm乃至1000nmの範囲内で形成される。
【0054】
以上の構成を有する固体撮像素子1は、画素トランジスタが形成される半導体基板12の表面側と反対側の裏面側から光が入射される裏面照射型のMOS型固体撮像素子である。
【0055】
低感度画素2Lは、高感度画素2Hに対して画素サイズ(平面サイズ)を小さくし、かつ、可視光領域において光の透過率を所定の割合で低下させるグレイフィルタ22をさらに追加しただけの構成であるので、R、G、及びBのカラーフィルタ21による透過率の波長依存性を変えることなく、透過率をコントロールすることができる。したがって、低感度画素2Lと高感度画素2Hで分光特性を変えることなく受光感度差をつけることにより、ダイナミックレンジを拡大させた画素信号を生成することができる。
【0056】
また、グレイフィルタ22の膜厚や、遮光性材料の含有量を調整することで、高感度画素2Hと低感度画素2Lとの受光感度差を容易に大きくすることができ、ダイナミックレンジの拡大が容易である。
【0057】
<第1の実施の形態の製造方法>
図7を参照して、図4に示した固体撮像素子1の高感度画素2Hと低感度画素2Lの製造方法について説明する。
【0058】
初めに、図7のAに示されるように、半導体基板12に対して、画素ごとに、フォトダイオードPDが形成された後、半導体基板12の裏面側の画素境界に、画素間遮光膜43が形成される。なお、半導体基板12の下側となる表面側には、図示が省略された複数の画素トランジスタや、複数の配線層、層間絶縁膜などが既に形成されている。
【0059】
次に、図7のBに示されるように、画素間遮光膜43上面、及び、画素間遮光膜43で開口された半導体基板12上面に、カラーレジストを回転塗布し、フォトリソグラフィでパターン加工することにより、Rのカラーフィルタ21Rが所定の膜厚で形成される。図7の例では、Rのカラーフィルタ21Rのみが示されているが、図3を参照して説明したように、画素アレイ部3全体では、高感度画素2Hと低感度画素2Lのそれぞれにおいて、Rのカラーフィルタ21R、Gのカラーフィルタ21G、及び、Bのカラーフィルタ21Bが、いわゆるベイヤ配列となるように形成される。
【0060】
次に、図7のCに示されるように、低感度画素2Lのカラーフィルタ21(図7では、Rのカラーフィルタ21R)の上側に、グレイフィルタ22が形成される。グレイフィルタ22は、フォトリソグラフィまたはドライエッチングにて形成可能である。
【0061】
最後に、図7のDに示されるように、オンチップレンズ44が、高感度画素2Hと低感度画素2Lのそれぞれにおいて同じ高さとなるように形成される。オンチップレンズ44は、例えば、感光性の樹脂材料をフォトリソグラフィでパターン加工した後に、リフロー処理でレンズ形状に変形させることで形成することができる。
【0062】
以上の工程により固体撮像素子1が完成する。低感度画素2Lの構造は、高感度画素2Hに対してグレイフィルタ22の1層が追加されただけであるので、製造方法も容易である。
【0063】
<第1の実施の形態の変形例>
次に、上述した第1の実施の形態の変形例について説明する。なお、後述する各変形例において、上述した第1の実施の形態と対応する部分については同一の符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
【0064】
<第1の変形例>
図8は、第1の実施の形態における第1の変形例を示す高感度画素と低感度画素の画素構造を説明する断面図である。
【0065】
図8に示される第1の変形例では、図4に示した第1の実施の形態の構成に加えて、半導体基板12とカラーフィルタ21との間に、平坦化膜61が新たに挿入されている。平坦化膜61は、例えば、樹脂などの有機材料を回転塗布することによって形成される。また、平坦化膜61は、例えばSiO2等の無機膜を成膜して、CMP(Chemical Mechanical Polishing)により平坦化することで形成されてもよい。
【0066】
<第2の変形例>
図9は、第1の実施の形態における第2の変形例を示す高感度画素と低感度画素の画素構造を説明する断面図である。
【0067】
図9に示される第2の変形例では、図8に示した第1の変形例と同様に、半導体基板12とカラーフィルタ21との間に、平坦化膜61が新たに挿入されている。
【0068】
また、第2の変形例では、グレイフィルタ22が、低感度画素2Lのカラーフィルタ21(図9ではRのカラーフィルタ21R)の上側ではなく、カラーフィルタ21の下側に形成されており、高感度画素2Hでは平坦化膜61となっている層の一部が、カラーフィルタ21となっている。
【0069】
このように、低感度画素2Lに形成されるグレイフィルタ22は、カラーフィルタ21の上側に形成してもよいし、カラーフィルタ21の下側に形成してもよい。また、カラーフィルタ21とグレイフィルタ22との間には、平坦化膜61などの所定の膜が挿入されていてもよい。
【0070】
<第3の変形例>
図10は、第1の実施の形態における第3の変形例を示す高感度画素と低感度画素の画素構造を説明する断面図である。
【0071】
図4に示した第1の実施の形態では、グレイフィルタ22が1層で構成されていた。これに対し、図10に示される第3の変形例では、グレイフィルタ73が、第1の膜71と第2の膜72を積層した2層構造で構成されている。
【0072】
図11は、第1の膜71と第2の膜72を積層して構成されたグレイフィルタ73の400nm乃至700nmの各波長における透過率を示すグラフである。
【0073】
第1の膜71は、例えば、図4で示した第1の実施の形態のグレイフィルタ22と同じ材料で構成され、その透過率は、図11において破線で示されている。第1の膜71の分光特性は、上述した図6の分光特性と同じである。
【0074】
第2の膜72は、例えば、Rのカラーフィルタ21Rと同じ材料で構成され、その透過率は、図11において一点鎖線で示されている。
【0075】
第1の膜71と第2の膜72を積層して構成されたグレイフィルタ73の各波長における透過率は、第1の膜71の透過率と第2の膜72の透過率を合成した値となり、図11において実線で示されている。
【0076】
このように、低感度画素2Lのカラーフィルタ21の上側または下側に配置されるグレイフィルタ73は、複数種類の膜を積層して構成することができる。複数種類の膜を積層して構成することで、グレイフィルタ73の分光特性を、長波長と短波長の分光差を少なくした分光特性とすることができる。上述した例は、2種類の膜を積層した例であるが、3種類以上の膜を積層した構成でもよい。
【0077】
<3.第2の実施の形態>
次に、高感度画素と低感度画素の第2の実施の形態について説明する。なお、第2の実施の形態では、上述した第1の実施の形態と異なる部分について説明し、共通する部分についての説明は適宜省略する。
【0078】
第2の実施の形態では、カラーフィルタ21の配列が、上述した第1の実施の形態と異なる。
【0079】
<カラーフィルタ配列例>
図12は、第2の実施の形態におけるカラーフィルタの配列を示す図である。
【0080】
第2の実施の形態では、Rのカラーフィルタ21R、Gのカラーフィルタ21G、及び、Bのカラーフィルタ21Bに加えて、C(CLEAR)のカラーフィルタ21Cを含めた4種類のカラーフィルタ21が所定の規則で配列されている。Cのカラーフィルタ21Cは、可視光領域の全領域の光を透過させるフィルタである。例えば、Cのカラーフィルタ21Cは、400nm乃至700nmの波長における平均透過率が90%以上のフィルタである。
【0081】
第2の実施の形態においても、2次元配置された低感度画素2Lのカラーフィルタ21の配列と、2次元配置された高感度画素2Hのカラーフィルタ21の配列は同じである。換言すれば、図12において、所定の高感度画素2Hに注目したとき、注目した高感度画素2Hと、その左斜め上に位置する低感度画素2Lのカラーフィルタ21の色が同色となっている。
【0082】
また、低感度画素2Lには、第1の実施の形態と同様に、入射光の透過率を所定の割合で低下させるグレイフィルタ22が配置されている。
【0083】
<4.第3の実施の形態>
次に、高感度画素と低感度画素の第3の実施の形態について説明する。なお、第3の実施の形態においても、上述した第1及び第2の実施の形態と異なる部分について説明し、共通する部分についての説明は適宜省略する。
【0084】
第3の実施の形態では、カラーフィルタ21の配列が、上述した第1の実施の形態と異なる。
【0085】
<カラーフィルタ配列例>
図13は、第3の実施の形態におけるカラーフィルタの配列を示す図である。
【0086】
第3の実施の形態では、Rのカラーフィルタ21RとCのカラーフィルタ21Cの2種類のカラーフィルタ21が所定の規則で配列されている。
【0087】
2次元配置された低感度画素2Lのカラーフィルタ21の配列と、2次元配置された高感度画素2Hのカラーフィルタ21の配列は同じである。換言すれば、図13において、所定の高感度画素2Hに注目したとき、注目した高感度画素2Hと、その左斜め上に位置する低感度画素2Lのカラーフィルタ21の色が同色となっている。
【0088】
また、低感度画素2Lには、第1の実施の形態と同様に、入射光の透過率を所定の割合で低下させるグレイフィルタ22が配置されている。
【0089】
<高感度画素と低感度画素の断面図>
<第1の画素構造>
図14は、第3の実施の形態における高感度画素と低感度画素の第1の画素構造を説明する断面図である。
【0090】
図14の断面図は、高感度画素2Hと低感度画素2Lのうち、例えば図13において破線で示される、Rのカラーフィルタ21Rを有する高感度画素2Hと、Cのカラーフィルタ21Cを有する低感度画素2Lの断面図である。
【0091】
図14に示される高感度画素2Hの画素構造は、図8を参照して説明した第1の実施の形態における第1の変形例の高感度画素2Hの画素構造と同様である。
【0092】
一方、図14に示される低感度画素2Lの画素構造は、図8を参照して説明した第1の実施の形態における第1の変形例の低感度画素2LのRのカラーフィルタ21Rを、Cのカラーフィルタ21Cに置き換えた構造となっている。
【0093】
<第2の画素構造>
図15は、第3の実施の形態における高感度画素と低感度画素の第2の画素構造を説明する断面図である。
【0094】
図15に示される高感度画素2Hの画素構造は、図9を参照して説明した第1の実施の形態における第2の変形例の高感度画素2Hの画素構造と同様である。
【0095】
一方、図15に示される低感度画素2Lの画素構造は、図9を参照して説明した第1の実施の形態における第2の変形例の低感度画素2LのRのカラーフィルタ21Rを、Cのカラーフィルタ21Cに置き換えた構造となっている。
【0096】
また、図示は省略するが、第1の実施の形態において説明した、平坦化膜61を有さない図4の画素構造や図10の画素構造のRのカラーフィルタ21Rを、Cのカラーフィルタ21Cに置き換えた構造も、第2の実施の形態の画素構造として採用可能である。
【0097】
<第3の画素構造>
図16は、第3の実施の形態における高感度画素と低感度画素の第3の画素構造を説明する断面図である。
【0098】
図16に示される高感度画素2Hの画素構造は、図15に示した第3の実施の形態の第2の画素構造の高感度画素2Hの画素構造と同様である。
【0099】
一方、図16に示される低感度画素2Lの画素構造は、図15に示した第3の実施の形態の第2の画素構造の低感度画素2LのCのカラーフィルタ21Cを、オンチップレンズ44と同一材料で形成した構造となっている。オンチップレンズ44の材料には、例えば、シリコン窒化膜(SiN)、または、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン−アクリル共重合系樹脂、若しくはシロキサン系樹脂等の樹脂系材料を用いることができる。
【0100】
このように、低感度画素2Lにおいて、Cのカラーフィルタ21Cと、オンチップレンズ44が、他の層を挟まずに隣接している場合には、Cのカラーフィルタ21Cを、オンチップレンズ44の材料で形成することができる。
【0101】
<5.第4の実施の形態>
次に、高感度画素と低感度画素の第4の実施の形態について説明する。なお、第4の実施の形態においても、上述した第1乃至第3の実施の形態と異なる部分について説明し、共通する部分についての説明は適宜省略する。
【0102】
第4の実施の形態では、カラーフィルタ21の配列が、上述した第1乃至第3の実施の形態と異なる。
【0103】
<カラーフィルタ配列例>
図17は、第4の実施の形態におけるカラーフィルタの配列を示す図である。
【0104】
第4の実施の形態では、カラーフィルタ21としては、Cのカラーフィルタ21Cのみが配列されている。
【0105】
また、低感度画素2Lには、第1の実施の形態と同様に、入射光の透過率を所定の割合で低下させるグレイフィルタ22が配置されている。
【0106】
<高感度画素と低感度画素の断面図>
<第1の画素構造>
図18は、第4の実施の形態における高感度画素と低感度画素の第1の画素構造を説明する断面図である。
【0107】
図18の断面図は、例えば図17において破線で示される、高感度画素2Hと低感度画素2Lの断面図に相当する。
【0108】
カラーフィルタ21がCのカラーフィルタ21Cのみで構成される場合、図18に示されるように、高感度画素2HのCのカラーフィルタ21Cは、オンチップレンズ44と同一材料により一体で形成することができる。なお勿論、オンチップレンズ44と異なる材料でCのカラーフィルタ21Cを形成してもよい。
【0109】
一方、低感度画素2Lでは、半導体基板12の裏面側上面にグレイフィルタ22が形成され、グレイフィルタ22の上側にオンチップレンズ44が形成されている。換言すれば、低感度画素2Lでは、高感度画素2HのCのカラーフィルタ21Cに相当する層に、グレイフィルタ22が所定の膜厚で形成され、そのグレイフィルタ22の上側にオンチップレンズ44が形成されている。
【0110】
<第2の画素構造>
図19は、第4の実施の形態における高感度画素と低感度画素の第2の画素構造を説明する断面図である。
【0111】
第4の実施の形態の第2の画素構造における高感度画素2Hと低感度画素2Lの画素構造は、図9に示した第1の実施の形態の第2の変形例のカラーフィルタ21(図9ではRのカラーフィルタ21R)を、オンチップレンズ44に置き換えた構造を有している。
【0112】
<第3の画素構造>
図20は、第4の実施の形態における高感度画素と低感度画素の第3の画素構造を説明する断面図である。
【0113】
第4の実施の形態の第3の画素構造における高感度画素2Hと低感度画素2Lの画素構造では、図8の第1の実施の形態の第1の変形例と同様に、画素間遮光膜43上面と、画素間遮光膜43で開口された半導体基板12上面に、平坦化膜61が形成されている。
【0114】
また、低感度画素2Lでは、平坦化膜61の上にグレイフィルタ22が形成され、その上にオンチップレンズ44が形成されている。一方、高感度画素2Hでは、平坦化膜61の上に、直接、オンチップレンズ44が形成されている。
【0115】
画素アレイ部3の全画素が可視光領域全域の光を受光する場合、換言すれば、固体撮像素子1がモノクロ画像を生成する撮像素子である場合には、上述した第1乃至第3の画素構造のように構成することができる。
【0116】
<まとめ>
以上のように、固体撮像素子1は、受光感度の異なる高感度画素2Hと低感度画素2Lの2種類の画素2を有する画素アレイ部3を備え、低感度画素2Lは、可視光領域の光の透過率を所定の割合で低下させるグレイフィルタ22を、カラーフィルタ21の上側または下側に有する。
【0117】
低感度画素2Lの深さ方向の構造は、高感度画素2Hと比較して、グレイフィルタ22の層が追加されただけであり、カラーフィルタ21の配列は、高感度画素2Hと低感度画素2Lで同じであるため、カラーフィルタ21による透過率の波長依存性を変えることなく、透過率をコントロールすることができる。したがって、低感度画素2Lと高感度画素2Hで分光特性を変えることなく受光感度差をつけることにより、ダイナミックレンジを拡大させた画素信号を生成することができる。
【0118】
上述した例では、カラーフィルタ21の配列として、例えば、図3のR,G,及びBからなるベイヤ配列、図12のR,G,B,及びCからなる配列、図13のR及びCからなる配列の3種類の例を挙げて説明したが、本技術は、これ以外のカラーフィルタ21の配列にも適用することができる。例えば、Ye(黄色)やCy(シアン)等の補色のカラーフィルタ21を含む構成などにも適用することができる。
【0119】
また、上述した第4の実施の形態のように、カラーフィルタ21を有さないモノクロ画像を生成する固体撮像素子1にも適用することができる。この場合、オンチップレンズ44の一部の層がCのカラーフィルタ21Cに対応すると捉えることもできるし、カラーフィルタ21が省略されていると捉えることもできる。
【0120】
低感度画素2Lと高感度画素2Hは、グレイフィルタ22に関する構成以外では、画素サイズが異なり、それによりフォトダイオードPDの平面領域(受光面積)が異なる構成としたが、グレイフィルタ22以外の構造は、低感度画素2Lと高感度画素2Hで同じ構造としてもよい。換言すれば、上述した各画素構造において、低感度画素2Lと高感度画素2Hとで、画素サイズが同じであってもよい。また、低感度画素2Lと高感度画素2Hの平面領域の画素形状も、図2に示した八角形と四角形に限られない。
【0121】
あるいはまた、グレイフィルタ22の構成の他に、画素サイズ以外の構造の違いによって低感度画素2Lと高感度画素2Hの受光感度に差を付けてもよい。例えば、画素間遮光膜43による開口領域を低感度画素2Lと高感度画素2Hで変えることで受光感度に差を付けたり、半導体基板12に形成されるフォトダイオードPDの深さ位置を低感度画素2Lと高感度画素2Hとで変えることで受光感度に差を付けた構成としてもよい。また、画素サイズ、画素間遮光膜43による開口領域、及び、フォトダイオードPDの深さ位置のいずれか2つ以上が、低感度画素2Lと高感度画素2Hとで異なっていてもよい。
【0122】
固体撮像素子1は、裏面照射型のMOS型固体撮像素子であるとして説明したが、画素トランジスタが形成される半導体基板12の表面側から光が入射される表面照射型とすることもできる。
【0123】
<6.電子機器への適用例>
本技術は、固体撮像素子への適用に限られるものではない。即ち、本技術は、デジタルスチルカメラやビデオカメラ等の撮像装置や、撮像機能を有する携帯端末装置や、画像読取部に固体撮像素子を用いる複写機など、画像取込部(光電変換部)に固体撮像素子を用いる電子機器全般に対して適用可能である。固体撮像素子は、ワンチップとして形成された形態であってもよいし、撮像部と信号処理部または光学系とがまとめてパッケージングされた撮像機能を有するモジュール状の形態であってもよい。
【0124】
図21は、本技術を適用した電子機器としての、撮像装置の構成例を示すブロック図である。
【0125】
図21の撮像装置100は、レンズ群などからなる光学部101、図1の固体撮像素子1の構成が採用される固体撮像素子(撮像デバイス)102、およびカメラ信号処理回路であるDSP(Digital Signal Processor)回路103を備える。また、撮像装置100は、フレームメモリ104、表示部105、記録部106、操作部107、および電源部108も備える。DSP回路103、フレームメモリ104、表示部105、記録部106、操作部107および電源部108は、バスライン109を介して相互に接続されている。
【0126】
光学部101は、被写体からの入射光(像光)を取り込んで固体撮像素子102の撮像面上に結像する。固体撮像素子102は、光学部101によって撮像面上に結像された入射光の光量を画素単位で電気信号に変換して画素信号として出力する。この固体撮像素子102として、図1の固体撮像素子1、即ち、受光感度の異なる高感度画素2Hと低感度画素2Lの2種類の画素2を有する画素アレイ部3を備え、低感度画素2Lは、可視光領域の光の透過率を所定の割合で低下させるグレイフィルタ22を有する固体撮像素子を用いることができる。
【0127】
表示部105は、例えば、液晶パネルや有機EL(Electro Luminescence)パネル等のパネル型表示装置からなり、固体撮像素子102で撮像された動画または静止画を表示する。記録部106は、固体撮像素子102で撮像された動画または静止画を、ハードディスクや半導体メモリ等の記録媒体に記録する。
【0128】
操作部107は、ユーザによる操作の下に、撮像装置100が持つ様々な機能について操作指令を発する。電源部108は、DSP回路103、フレームメモリ104、表示部105、記録部106および操作部107の動作電源となる各種の電源を、これら供給対象に対して適宜供給する。
【0129】
上述したように、固体撮像素子102として、上述した各実施の形態を適用した固体撮像素子1を用いることで、低感度画素2Lと高感度画素2Hで分光特性を変えることなく受光感度差をつけることにより、ダイナミックレンジの拡大を実現することができる。従って、ビデオカメラやデジタルスチルカメラ、さらには携帯電話機等のモバイル機器向けカメラモジュールなどの撮像装置100においても、撮像画像の高画質化を図ることができる。
【0130】
<イメージセンサの使用例>
図22は、上述の固体撮像素子1を用いたイメージセンサの使用例を示す図である。
【0131】
上述の固体撮像素子1を用いたイメージセンサは、例えば、以下のように、可視光や、赤外光、紫外光、X線等の光をセンシングする様々なケースに使用することができる。
【0132】
・ディジタルカメラや、カメラ機能付きの携帯機器等の、鑑賞の用に供される画像を撮影する装置
・自動停止等の安全運転や、運転者の状態の認識等のために、自動車の前方や後方、周囲、車内等を撮影する車載用センサ、走行車両や道路を監視する監視カメラ、車両間等の測距を行う測距センサ等の、交通の用に供される装置
・ユーザのジェスチャを撮影して、そのジェスチャに従った機器操作を行うために、TVや、冷蔵庫、エアーコンディショナ等の家電に供される装置
・内視鏡や、赤外光の受光による血管撮影を行う装置等の、医療やヘルスケアの用に供される装置
・防犯用途の監視カメラや、人物認証用途のカメラ等の、セキュリティの用に供される装置
・肌を撮影する肌測定器や、頭皮を撮影するマイクロスコープ等の、美容の用に供される装置
・スポーツ用途等向けのアクションカメラやウェアラブルカメラ等の、スポーツの用に供される装置
・畑や作物の状態を監視するためのカメラ等の、農業の用に供される装置
【0133】
上述した例では、第1導電型をP型、第2導電型をN型として、電子を信号電荷とした固体撮像素子について説明したが、本技術は正孔を信号電荷とする固体撮像素子にも適用することができる。すなわち、第1導電型をN型とし、第2導電型をP型として、前述の各半導体領域を逆の導電型の半導体領域で構成することができる。
【0134】
また、本技術は、可視光の入射光量の分布を検知して画像として撮像する固体撮像素子への適用に限らず、赤外線やX線、あるいは粒子等の入射量の分布を画像として撮像する固体撮像素子や、広義の意味として、圧力や静電容量など、他の物理量の分布を検知して画像として撮像する指紋検出センサ等の固体撮像素子(物理量分布検知装置)全般に対して適用可能である。
【0135】
また、本技術は、固体撮像素子に限らず、他の半導体集積回路を有する半導体装置全般に対して適用可能である。
【0136】
本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0137】
例えば、上述した複数の実施の形態の全てまたは一部を組み合わせた形態を採用することができる。
【0138】
なお、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、本明細書に記載されたもの以外の効果があってもよい。
【0139】
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)
受光感度の異なる高感度画素と低感度画素の2種類の画素を配列した画素アレイ部を備え、
前記低感度画素は、可視光領域の光の透過率を所定の割合で低下させるグレイフィルタを、カラーフィルタの上側または下側に備える
固体撮像素子。
(2)
前記カラーフィルタは、R,G,B、またはCのカラーフィルタの少なくとも一つである
前記(1)に記載の固体撮像素子。
(3)
前記Cのカラーフィルタの400nm乃至700nmの波長における平均透過率は、90%以上である
前記(2)に記載の固体撮像素子。
(4)
前記Cのカラーフィルタは、オンチップレンズと同じ材料で形成されている
前記(2)または(3)に記載の固体撮像素子。
(5)
2次元配置された前記低感度画素の前記カラーフィルタの配列は、2次元配置された前記高感度画素の前記カラーフィルタの配列と同じである
前記(1)乃至(4)のいずれかに記載の固体撮像素子。
(6)
前記高感度画素と低感度画素とでは、さらに、画素サイズが異なる
前記(1)乃至(5)のいずれかに記載の固体撮像素子。
(7)
前記高感度画素と低感度画素とでは、さらに、画素間遮光膜による開口領域が異なる
前記(1)乃至(6)のいずれかに記載の固体撮像素子。
(8)
前記高感度画素と低感度画素とでは、さらに、フォトダイオードが形成された深さ位置が異なる
前記(1)乃至(7)のいずれかに記載の固体撮像素子。
(9)
前記低感度画素の受光感度は、前記高感度画素の受光感度の50%以下である
前記(1)乃至(8)のいずれかに記載の固体撮像素子。
(10)
前記グレイフィルタは、有機樹脂に遮光性材料を分散させた材料で構成される
前記(1)乃至(9)のいずれかに記載の固体撮像素子。
(11)
前記遮光性材料は、有機顔料、無機顔料、または、カーボンブラックのいずれかである
前記(10)に記載の固体撮像素子。
(12)
前記グレイフィルタは、400nm乃至700nmの波長における平均透過率が10%乃至90%の範囲内であり、400nm乃至700nmの各波長の透過率が、550nmの波長の透過率の−15%乃至+15%の範囲内である
前記(1)乃至(11)のいずれかに記載の固体撮像素子。
(13)
前記グレイフィルタの膜厚は、100nm乃至1000nmの範囲内である
前記(1)乃至(12)のいずれかに記載の固体撮像素子。
(14)
前記グレイフィルタと前記カラーフィルタとの間には、所定の膜が挿入されている
前記(1)乃至(13)のいずれかに記載の固体撮像素子。
(15)
前記グレイフィルタは複数種類の膜を積層して構成されている
前記(1)乃至(14)のいずれかに記載の固体撮像素子。
(16)
前記複数種類の膜の1つは、有機樹脂に遮光性材料を分散させた材料で構成された膜である
前記(15)に記載の固体撮像素子。
(17)
受光感度の異なる高感度画素と低感度画素の2種類の画素を配列した画素アレイ部を備える固体撮像素子の前記低感度画素に対し、可視光領域の光の透過率を所定の割合で低下させるグレイフィルタを、カラーフィルタの上側または下側に形成する
固体撮像素子の製造方法。
(18)
受光感度の異なる高感度画素と低感度画素の2種類の画素を配列した画素アレイ部を備え、
前記低感度画素は、可視光領域の光の透過率を所定の割合で低下させるグレイフィルタを、カラーフィルタの上側または下側に備える固体撮像素子
を備える電子機器。
【符号の説明】
【0140】
1 固体撮像素子, 2 画素, 2H 高感度画素, 2L 低感度画素, 3 画素アレイ部, 21 カラーフィルタ, 22 グレイフィルタ, PD フォトダイオード, 43 画素間遮光膜, 44 オンチップレンズ, 61 平坦化膜, 71 第1の膜, 72 第2の膜, 73 グレイフィルタ, 100 撮像装置, 102 固体撮像素子
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【国際調査報告】