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再表2017-149949電極体の製造方法、及び非水電解質二次電池の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2017年9月8日
【発行日】2018年12月27日
(54)【発明の名称】電極体の製造方法、及び非水電解質二次電池の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/26 20060101AFI20181130BHJP
【FI】
   H01M2/26 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】17
【出願番号】特願2018-502557(P2018-502557)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2017年1月13日
(31)【優先権主張番号】特願2016-36678(P2016-36678)
(32)【優先日】2016年2月29日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】美濃 辰治
【テーマコード(参考)】
5H043
【Fターム(参考)】
5H043AA04
5H043AA19
5H043BA11
5H043CA08
5H043CA12
5H043EA07
5H043EA22
5H043EA32
5H043EA39
5H043EA60
5H043HA17E
5H043HA40E
5H043JA15E
5H043JA21E
5H043KA22E
5H043KA35E
5H043LA02E
5H043LA21E
(57)【要約】
電極体の製造方法は、電極集電体の表面が露出した露出部と電極リードを超音波溶接する工程を備える。超音波溶接は、電極集電体の露出部と電極リードを重ね合せ、超音波ホーンを樹脂シートを介して露出部又は電極リードに押し当てた状態で行う。樹脂シートは、シート基材と、当該基材の片面に形成された接着層とを有し、露出部又は電極リードの超音波ホーンが接触する部分に貼着されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極集電体の表面が露出した露出部と電極リードを超音波溶接する工程を備えた電極体の製造方法であって、
前記超音波溶接は、前記露出部と前記電極リードを重ね合せ、超音波ホーンを樹脂シートを介して前記露出部又は前記電極リードに押し当てた状態で行い、
前記樹脂シートは、シート基材と、当該基材の片面に形成された接着層とを有し、前記露出部又は前記電極リードの前記超音波ホーンが接触する部分に貼着されている、電極体の製造方法。
【請求項2】
前記電極集電体の前記露出部である電極タブを積層してタブ積層部を形成し、
当該タブ積層部と前記電極リードを超音波溶接する、請求項1に記載の電極体の製造方法。
【請求項3】
前記樹脂シートは、15μm〜300μmの厚みを有する、請求項1又は2に記載の電極体の製造方法。
【請求項4】
電極集電体の表面が露出した露出部に電極リードを超音波溶接する電極体の製造工程を備えた非水電解質二次電池の製造方法であって、
前記超音波溶接は、前記露出部と前記電極リードを重ね合せ、超音波ホーンを樹脂シートを介して前記露出部又は前記電極リードに押し当てた状態で行い、
前記樹脂シートは、シート基材と、当該基材の片面に形成された接着層とを有し、前記露出部又は前記電極リードの前記超音波ホーンが接触する部分に貼着されている、非水電解質二次電池の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電極体の製造方法、及び非水電解質二次電池の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
非水電解質二次電池等に用いられる電極体の製造工程は、例えば電極集電体の表面が露出した電極タブと電極リードを超音波溶接する工程を備える。特許文献1には、電極体の軸方向一端側に突出した正極タブ及び負極タブに、正極リード及び負極リードをそれぞれ超音波溶接することが開示されている。かかる超音波溶接は、一般的に電極タブと電極リードを重ね合せ、超音波ホーンを電極タブ又は電極リードに押し当てた状態で行われる。
【0003】
また、特許文献2には、電極タブと電極リードを超音波溶接した後、溶接部を粘着テープで被覆することによって、溶接部の外側表面で生じる金属粉が脱落して電極群に侵入することを抑制できる、と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−226625号公報
【特許文献2】特開2014−49311号公報
【発明の概要】
【0005】
ところで、電極タブと電極リードを超音波溶接する際には、特許文献2にも開示されているように、超音波ホーンが接触する部分で金属が削れて金属粉が生じる場合がある。そして、当該金属粉が電極群に侵入すると、電池の内部短絡の原因となるおそれがある。なお、特許文献2の技術では、当該金属粉の電極群への侵入を十分に抑制することは困難である。
【0006】
本開示の一態様である電極体の製造方法は、電極集電体の表面が露出した露出部と電極リードを超音波溶接する工程を備えた電極体の製造方法であって、超音波溶接は、露出部と電極リードを重ね合せ、超音波ホーンを樹脂シートを介して露出部又は電極リードに押し当てた状態で行う。樹脂シートは、シート基材と、当該基材の片面に形成された接着層とを有し、露出部又は電極リードの超音波ホーンが接触する部分に貼着されている。
【0007】
本開示の一態様である非水電解質二次電池の製造方法は、電極集電体の表面が露出した露出部に電極リードを超音波溶接する電極体の製造工程を備えた非水電解質二次電池の製造方法であって、超音波溶接は、露出部と電極リードを重ね合せ、超音波ホーンを樹脂シートを介して露出部又は電極リードに押し当てた状態で行う。樹脂シートは、シート基材と、当該基材の片面に形成された接着層とを有し、露出部又は電極リードの超音波ホーンが接触する部分に貼着されている。
【0008】
本開示の一態様である電極体の製造方法によれば、電極集電体の露出部と電極リードの超音波溶接により発生し得る金属粉が電極群に侵入することを高度に抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態の一例である非水電解質二次電池の外観を示す斜視図である。
図2図2は、実施形態の一例である電極体を示す斜視図である。
図3図3は、実施形態の一例である電極リード溶接前の電極体(電極群)を示す斜視図である。
図4図4は、実施形態の一例である超音波溶接工程を示す図である。
図5図5は、実施形態の一例である超音波溶接工程を示す図である。
図6図6は、実施形態の他の一例である超音波溶接工程を示す図である。
図7図7は、実施形態の他の一例である超音波溶接工程を示す図である。
図8図8は、比較例である超音波溶接工程を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の一態様である電極体の製造方法では、超音波ホーンと電極集電体の露出部(電極タブ)又は電極リードとの間に樹脂シートを介在させた状態で超音波溶接を行う。超音波ホーンの表面には、加圧力を高めるために凹凸が形成されている。上記金属粉は、溶接対象である金属に凹凸のある超音波ホーンの表面を押し当て超音波振動させたときに発生する。本開示の一態様である電極体の製造方法の場合、超音波ホーンが電極集電体の露出部又は電極リードに直接触れないため、集電体又はリードの表面が削れて金属粉が生じることを抑制できる。そして、金属粉が生じたとしても、樹脂シートの接着層が当該金属粉をトラップするため、金属粉の電極群への侵入が高度に抑制される。
【0011】
非水電解質二次電池において、上記金属粉が電極群に侵入すると、金属粉が正極電位の影響で溶解して負極表面で析出し、電池性能の劣化、内部短絡の発生を引き起こす場合がある。このため、金属粉の電極群への侵入を抑制できる本開示に係る電極体の製造方法は、非水電解質二次電池用の電極体の製造方法として特に好適である。金属粉が発生しないように超音波の出力を小さくする、或いは超音波処理の時間を短くすることも考えられるが、この場合は溶接強度が弱くなり、接合不良を引き起こす可能性があるため好ましくない。
【0012】
以下、図面を参照しながら、本開示の実施形態の一例について詳細に説明する。実施形態において参照する図面は模式的に記載されたものであるから、具体的な寸法比率等は以下の説明を参酌して判断されるべきである。
【0013】
以下で例示する非水電解質二次電池10は、ラミネートフィルムから構成された外装体を備えるラミネート電池である。非水電解質二次電池10は、実施形態の一例であって、本開示に係る非水電解質二次電池は、例えば角形電池、円筒形電池など、他の形態の電池であってもよい。また、本開示に係る電極体は、非水電解質二次電池10の電極体14に限定されず、他の電池を構成する電極体、又はキャパシタを構成する電極体であってもよい。電極体の構造は、正極と負極をセパレータを介して巻回した巻回構造に限定されず、複数の正極と複数の負極をセパレータを介して交互に積層した積層構造であってもよい。
【0014】
図1は、実施形態の一例である非水電解質二次電池10の外観を示す斜視図である。図1に例示するように、非水電解質二次電池10は、2枚のラミネートフィルム11a,11bから構成された外装体11を備える。非水電解質二次電池10は、発電要素として、電極群17と、非水電解質とを備える。発電要素は、ラミネートフィルム11a,11bの間に形成された収容部12の内部空間に収容されている。非水電解質としては、例えば非水溶媒と、非水溶媒に溶解したリチウム塩等の電解質塩を含む非水電解質が用いられる。非水電解質は、液状に限定されず、ゲル状ポリマー等を用いた固体電解質であってもよい。
【0015】
外装体11の形状は、特に限定されず、例えば図1に示すように平面視略矩形形状とすることができる。外装体11にはラミネートフィルム11a,11b同士を接合して封止部13が形成され、これにより発電要素が収容された内部空間が密閉される。封止部13は、外装体11の端縁に沿って略同じ幅で枠状に形成されている。封止部13に囲まれた平面視略矩形状の部分が収容部12である。収容部12は、ラミネートフィルム11a,11bの少なくとも一方に発電要素を収容可能な窪みを形成して設けることができる。本実施形態では、当該窪みがラミネートフィルム11aのみに形成されている。
【0016】
電極体14(図2参照)を構成する一対の電極リード(正極リード15及び負極リード16)は、収容部12の内部空間から外部に引き出される。各電極リードは、外装体11の同じ端辺から互いに略平行となるように引き出されている。好適な正極リード15の構成材料は、アルミニウムを主成分とする金属である。好適な負極リード16の構成材料は、銅又はニッケルを主成分とする金属である。各電極リードの厚みは、例えば0.1mm〜1mm程度であり、好ましくは0.3mm〜0.7mm程度である。
【0017】
図2は、実施形態の一例である電極体14を示す斜視図である。図3は、電極体14を構成する電極群17(電極リード溶接前の電極体14)を示す斜視図である。電極群17とは、電極体14のうち電極リード以外の部分を意味する。図2及び図3に例示するように、電極体14は、正極20、負極30、及びセパレータ40によって構成される電極群17と、正極20に接続された正極リード15と、負極30に接続された負極リード16とを備える。
【0018】
詳しくは後述するが、電極体14は、電極集電体の表面が露出した露出部と電極リードを超音波溶接する工程を経て製造される。当該超音波溶接は、集電体の露出部と電極リードを重ね合せ、超音波ホーン60を樹脂シート50を介して露出部又は電極リードに押し当てた状態で行う。樹脂シート50は、集電体の露出部又は電極リードの超音波ホーン60が接触する部分に貼着される。図2に示す例では、集電体の露出部である正極タブ積層部24及び負極タブ積層部34の表面に樹脂シート50が貼着されている。
【0019】
電極群17は、正極20と負極30がセパレータ40を介して巻回された巻回構造を有する。以下、電極群17において、巻回構造の中心軸方向及びこれに平行な方向を「軸方向」という。電極群17は、円筒を一方向に押しつぶした扁平形状であり、「軸方向」に垂直で電極体14の扁平面に沿った方向を「幅方向」といい、「軸方向」及び「幅方向」に垂直で扁平面に垂直な方向を「厚み方向又は積層方向」という。本実施形態では、巻回体の内側から、セパレータ40、負極30、セパレータ40、及び正極20を順に積層して電極群17が形成されている。但し、電極群17は負極30より正極20を内側にして巻回された構造であってもよい。
【0020】
正極20は、正極集電体21と、当該集電体上に形成された正極活物質層22とを有する。正極活物質層22は、正極集電体21の両面に形成されている。また、正極20は、極板の一端が突出した複数の正極タブ23を有する。正極タブ23は、正極集電体21の一部が電極群17の軸方向一方側に突出して形成されている。
【0021】
正極集電体21は、長尺状のシート形状を有する。正極集電体21には、導電性を有する薄膜シート、例えばアルミニウム等の正極20の電位範囲で安定な金属の箔、アルミニウムを主成分とする合金の箔、金属層を有するフィルムなどを用いることができる。正極集電体21の厚みは、集電性、機械的強度等の観点から、5μm〜40μm程度が好ましく、10μm〜20μm程度がより好ましい。
【0022】
正極活物質層22は、正極活物質の他に、導電材及び結着材を含むことが好ましい。正極活物質としては、Co、Mn、Ni等の遷移金属元素を含有するリチウム含有遷移金属酸化物が例示できる。リチウム含有遷移金属酸化物は、例えばLixCoO2、LixNiO2、LixMnO2、LixCoyNi1-y2、LixCoy1-yz、LixNi1-yyz、LixMn24、LixMn2-yy4、LiMPO4、Li2MPO4F(Mは少なくとも1種の金属元素)である。
【0023】
正極タブ23は、上述の通り、電極群17の軸方向一方側に突出した凸部であって、正極活物質層22を有さず正極集電体21のみから構成されている。正極タブ23は、正極集電体21の表面が露出した露出部である。本実施形態では、台形形状の正極タブ23が巻回体1周につき1個の割合で設けられている。但し、正極タブ23の形状や個数はこれに限定されない。
【0024】
負極30は、負極集電体31と、当該集電体上に形成された負極活物質層32とを有する。負極活物質層32は、負極集電体31の両面に形成されている。また、負極30は、極板の一端が突出した複数の負極タブ33を有する。負極タブ33は、正極タブ23と同様に、負極集電体31の一部が電極群17の軸方向一方側に突出して形成されている。
【0025】
負極集電体31は、長尺状のシート形状を有する。負極集電体31には、導電性を有する薄膜シート、例えば銅、ニッケル等の負極30の電位範囲で安定な金属の箔、銅又はニッケルを主成分とする合金の箔、金属層を有するフィルムなどを用いることができる。負極集電体31の厚みは、正極集電体21と同様に、5μm〜40μm程度が好ましく、10μm〜20μm程度がより好ましい。
【0026】
負極活物質層32は、例えばリチウムイオンを吸蔵・脱離可能な負極活物質の他に、結着材を含むことが好ましい。負極活物質としては、天然黒鉛、人造黒鉛、リチウム、珪素、炭素、錫、ゲルマニウム、鉛、インジウム、ガリウム、チタン酸リチウム、及びこれらの合金並びに混合物が例示できる。
【0027】
負極タブ33は、上述の通り、電極群17の軸方向一方側に突出した凸部であって、負極活物質層32を有さず負極集電体31のみから構成されている。負極タブ33は、負極集電体31の表面が露出した露出部である。本実施形態では、正極タブ23と同じ方向に負極タブ33が突出しており、台形形状の負極タブ33が巻回体1周につき1個の割合で設けられている。
【0028】
電極群17は、正極タブ23と負極タブ33が交互に並ぶように、セパレータ40を介して正極20と負極30を重ね合せて巻回することで形成される。このとき、複数の正極タブ23が互いに重なるように、且つ複数の負極タブ33が互いに重なるように、正極20及び負極30を巻回する。電極群17の幅方向一端部には、複数の正極タブ23が積層されて正極タブ積層部24が形成される。電極群17の幅方向他端部には、複数の負極タブ33が積層されて負極タブ積層部34が形成される。
【0029】
正極タブ積層部24は、電極群17の厚み方向に圧縮され、正極リード15が溶接されている。正極タブ積層部24と正極リード15の溶接部には、樹脂シート50が貼着されている。負極タブ積層部34も、電極群17の厚み方向に圧縮され、負極リード16が溶接されている。負極タブ積層部34と負極リード16の溶接部には、樹脂シート50が貼着されている。図2に示す例では、各タブ積層部の電極リードが溶接された側と反対の表面に、それぞれ樹脂シート50が貼着されている。
【0030】
セパレータ40には、イオン透過性及び絶縁性を有する多孔性シートが用いられる。多孔性シートの具体例としては、微多孔薄膜、織布、不織布などが挙げられる。セパレータ40の材質としては、セルロース、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン樹脂が好適である。
【0031】
以下、図4及び図5を適宜参照しながら、非水電解質二次電池10を構成する電極体14の製造方法について詳説する。図4は、超音波溶接装置の超音波ホーン60とアンビル62の間に正極リード15、正極タブ積層部24、及び樹脂シート50をセットした様子を示す図である。図5は、超音波ホーン60を樹脂シート50を介して正極タブ積層部24に押し付け、正極タブ積層部24と正極リード15を超音波溶接する様子を示す図である。
【0032】
電極体14の製造工程では、まず正極20、負極30、及びセパレータ40を準備し、巻回構造の電極群17を作製する。正極20等は、いずれも長尺状の帯状体であって、従来公知の方法で製造することができる。電極群17は、例えば正極20、負極30、及び2枚のセパレータ40を重ね合せ、円筒状に巻回して形成される。このとき、正極20と負極30は、正極タブ23と負極タブ33が帯状体の長手方向に交互に並ぶように位置合わせされる。
【0033】
電極群17は、各正極タブ23同士が互いに重なり、且つ各負極タブ33同士が互いに重なるように、また扁平形状を呈するように、上記各構成部材の積層体を巻回して作製される。そして、電極体14の幅方向端部に正極タブ積層部24及び負極タブ積層部34がそれぞれ形成される。各タブ積層部は、例えば各電極タブが数十個重なって形成される。正極タブ23及び負極タブ33は、各活物質層が形成されていない露出部であるため、その厚みは各集電体の厚みと同じである。例えば、正極タブ23の厚みが15μmで積層数が60である場合、圧縮された正極タブ積層部24の厚みは0.9mmとなる。
【0034】
次に、正極タブ積層部24及び負極タブ積層部34に、正極リード15及び負極リード16をそれぞれ接合する。具体的には、各タブ積層部の厚み方向(電極タブの積層方向)一端側の表面に、即ち各タブ積層部の最も外側に位置する電極タブの表面に各電極リードがそれぞれ接合される。正極リード15及び負極リード16は、各タブ積層部の同じ側の面に接合されることが好適である。
【0035】
正極タブ積層部24と正極リード15との接合は、超音波振動によって金属同士を溶接する超音波溶接により行われる。負極タブ積層部34と負極リード16との接合も、正極タブ積層部24と正極リード15との接合と同様の方法で行うことができる。以下では、正極側を例に挙げて超音波溶接工程について説明する。各タブ積層部と各リードとの接合は、同時に行われてもよいし、別々に行われてもよい。
【0036】
図4及び図5に例示するように、超音波溶接装置は、溶接対象である正極タブ積層部24及び正極リード15に超音波振動を与える超音波ホーン60と、溶接対象が載せられるアンビル62とを備える。グリップ力及び加圧力を高めるため、超音波ホーン60の表面には凹凸61が形成されている。超音波溶接装置では、例えば発振器から電気信号が振動子に出力され、振動子の振動エネルギーが共鳴体である超音波ホーン60を介して溶接対象に伝達される。
【0037】
図4及び図5で示す例では、アンビル62上に正極リード15と正極タブ積層部24をこの順に重ねて載置し、正極タブ積層部24の正極リード15と反対側の面に超音波ホーン60を押し付けている。即ち、正極タブ積層部24が超音波ホーン60側に位置するように、超音波ホーン60とアンビル62との間に正極リード15及び正極タブ積層部24を配置する。このとき、正極タブ積層部24と超音波ホーン60との間に、両者の接触を防止するための樹脂シート50を配置する。
【0038】
樹脂シート50は、シート基材51と、当該基材の片面に形成された接着層52とを有する。樹脂シート50は、集電体の表面が露出した露出部である正極タブ積層部24の表面であって、少なくとも超音波ホーン60が接触する部分に貼着されている。本実施形態では、超音波ホーン60が接触する範囲よりも広範囲に樹脂シート50が貼着されている。これにより、超音波ホーン60が目的とする位置からずれて正極タブ積層部24を圧縮した場合でも、超音波ホーン60と正極タブ積層部24の間に樹脂シート50を介在させることができる。
【0039】
樹脂シート50は、接着層52を介して正極タブ積層部24の最も外側に位置する正極タブ23の表面に貼着される。樹脂シート50は、超音波溶接工程で発生し得る金属粉が電極群17に浸入することを防止する機能を有する。樹脂シート50は、超音波溶接時に超音波ホーン60と正極タブ積層部24の間に介在していればよく、超音波溶接工程の終了後に剥離されてもよい。但し、生産性等の観点から、樹脂シート50は剥離されないことが好ましい。
【0040】
シート基材51及び接着層52は、耐電解液性が良好な樹脂から構成されることが好ましい。また、シート基材51は超音波ホーン60が押し付けられたときに引っ張られるため、シート基材51には、このときに破断しない程度の引っ張り強度があれば好ましい。接着層52は、例えばシート基材51の一方の面に接着剤を塗工して形成される。接着層52は、樹脂シート50を溶接箇所に接着することに加え、超音波溶接工程で金属粉が発生した場合に当該金属粉をトラップする機能を有する。このため、接着層52はシート基材51の一方の面の略全域に形成されていることが好適である。
【0041】
樹脂シート50は、例えば15μm〜300μmの厚みを有する。樹脂シート50の厚みは、好ましくは25μm〜150μm、より好ましくは25μm〜50μmである。樹脂シート50の厚みが当該範囲内であれば、正極リード15と正極タブ積層部24の溶接を阻害することなく、金属粉の発生を抑制することが容易である。樹脂シート50の引っ張り強度は、好ましくは50N/19mm〜300N/19mm、より好ましくは100N/19mm〜250N/19mmである。更に樹脂シート50の伸び率は50%以上あることがより好ましい。
【0042】
シート基材51を構成する樹脂としては、耐電解液性を有するものであれば特に限定されず、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアミド、ポリイミド、及びこれらの混合物などが例示できる。中でも、ポリオレフィン又はポリイミドが特に好ましい。シート基材51は、単層構造、積層構造のいずれであってもよい。接着層52を構成する樹脂(接着剤)としては、耐電解液性を有するものであれば特に限定されないが、好ましくは常温で粘着性を有する感圧型接着剤である。なお、樹脂シート50には市販の粘着テープを使用することも可能である。
【0043】
本超音波溶接工程では、正極タブ積層部24と超音波ホーン60との間に樹脂シート50を配置した状態で超音波溶接を行う。即ち、超音波ホーン60を樹脂シート50を介して正極タブ積層部24の表面に押し当てた状態で超音波溶接を行う。本超音波溶接工程では、超音波ホーン60により正極タブ積層部24が厚み方向に圧縮されて正極リード15に押し付けられる。そして、超音波ホーン60の超音波振動によって正極タブ積層部24と正極リード15が溶接される。このとき、正極タブ積層部24を構成する正極タブ23同士も互いに溶接される。
【0044】
ここで、図8に例示する従来の超音波溶接工程と比較しながら、樹脂シート50を用いた上述の超音波溶接工程について説明する。図8に示す例では、超音波ホーン60が正極タブ積層部24を構成する正極タブ23に直接触れた状態で、正極タブ積層部24と正極リード15が超音波溶接されて電極体100が製造される。超音波ホーン60の正極タブ積層部24に接触する表面には凹凸61が形成されているため、超音波ホーン60を正極タブ積層部24に押し付けると正極タブ積層部24には凹凸61に対応する凹凸25が形成される。溶接対象を圧縮した状態で超音波ホーン60を振動させると、溶接対象の金属間に摩擦熱が発生して当該金属同士が溶接されるが、このとき、従来の方法では金属(正極タブ23)が削れて金属粉101が発生する。特に、超音波ホーン60の凹凸61の凸部の先端が接触する部分、即ち正極タブ積層部24の凹凸25の凹部の底に位置する部分で金属が削れ易いと考えられる。
【0045】
これに対し、図5に例示するように、超音波ホーン60と正極タブ積層部24の間に樹脂シート50を介在させた状態で、正極タブ積層部24と正極リード15を超音波溶接することにより、金属粉の発生を抑制することができる。樹脂シート50は、上述のように、正極タブ積層部24を構成する正極タブ23の表面であって、超音波ホーン60が接触する部分に貼着される。樹脂シート50を用いた場合も、正極タブ積層部24には超音波ホーン60の凹凸61に対応する凹凸25が形成されるが、超音波ホーン60が正極タブ23に直接触れないため、正極タブ23の削れを防止できる。正極タブ23の一部が削れて金属粉が発生したとしても、当該金属粉は樹脂シート50の接着層52に取り込まれるため、当該金属粉が電極群17に浸入することが防止される。
【0046】
以上のように、接着層52を有する樹脂シートを用いた超音波溶接方法によれば、超音波溶接により発生し得る金属粉が電極群17に侵入することを高度に抑制できる。なお、超音波ホーン60側に正極リード15を配置する場合は、正極リード15の超音波ホーン60が接触する部分に樹脂シート50を貼着すればよい。樹脂シート50は、正極タブ23又は正極リード15のアンビル62と接触する部分に貼着されてもよい。
【0047】
正極リード15及び負極リード16が超音波溶接された電極群17は、電解質と共にラミネートフィルム11aの収容部12に収容される。そして、ラミネートフィルム11bをラミネートフィルム11aに重ね合せ、各リードを各フィルムの間に挟んだ状態で収容部12の周囲をヒートシールして封止部13を形成する。これにより、収容部12の内部空間が密閉され、各リードの一部が収容部12から引き出された非水電解質二次電池10が得られる。
【0048】
図6及び図7は、正極集電体21Aの表面が露出した露出部と正極リード15Aを超音波溶接する様子を示す図である。図6及び図7に示す例では、1層の正極集電体21Aと正極リード15Aが溶接される。このような場合としては、例えば円筒状に巻回された構造を有する電極群の集電体に、電極リードを溶接する場合が挙げられる。正極リード15Aは、例えば帯状に形成された正極集電体21Aの長手方向中央部に溶接される。
【0049】
図6に示す例では、アンビル62上に正極リード15Aと正極集電体21Aをこの順に重ねて配置し、樹脂シート50を介して正極集電体21Aに超音波ホーン60を押し付けた状態で超音波溶接を行う。この場合は、正極集電体21Aの超音波ホーン60が接触する部分に樹脂シート50が貼着される。樹脂シート50は、例えば正極リード15Aよりも幅が大きく、リードの端に対応する位置からはみ出した状態で正極集電体21Aに貼着される。
【0050】
図7に示す例では、アンビル62上に正極集電体21Aと正極リード15Aをこの順に重ねて配置し、樹脂シート50を介して正極リード15Aに超音波ホーン60を押し付けた状態で超音波溶接を行う。この場合は、少なくとも正極リード15Aの超音波ホーン60が接触する部分、即ち超音波ホーン60と対向する面に樹脂シート50が貼着される。樹脂シート50は、例えば正極リード15Aの側面をさらに覆い、正極集電体21Aのうちリードの周囲に位置する部分に亘って貼着される。図6及び図7に例示するいずれの場合も、金属粉の発生が抑制され、また金属粉が発生したとしても樹脂シート50の接着層52によってトラップすることができる。
【0051】
表1に、超音波処理の出力及び処理時間と、接合状態及び金属粉の発生の有無との関係を示す。超音波溶接装置としては、日本エマソン社製の超音波金属接合機40MA(発振器2000Xea)を用いた。試験用タブは、厚み15μmのアルミ箔を30枚積層したものとした。試験用リードには、厚み500μmのアルミ板(サイズ:50mm×30mm)を用いた。本試験の超音波溶接は、試験用タブの積層体を試験用リード上に重ね合わせ、超音波ホーンを試験用タブに押し当てた状態で行った。表1のAは、試験用タブの超音波ホーンが接触する部分に、接着層を有するポリイミド製シート(日東電工製、No.360A)を貼着した状態で試験を行った結果を示す。表1のXは、樹脂シートを貼着せずに試験を行った結果である。試験用タブと試験用リードの接合強度は、引っ張り強度(今田製作所製SV−55Cにより測定)により評価した。目標引っ張り強度は130N以上とした。金属粉の有無は目視により確認した。
【0052】
【表1】
【0053】
表1に示すように、超音波出力が低く処理時間が短い場合(出力70%、処理時間0.15秒以下)は、金属粉は発生しないものの、目標とする接合強度が得られなかった。超音波出力が高い場合(80%以上)であっても処理時間が短い場合(0.125秒以下)、及び超音波出力が70%で処理時間が0.175秒、0.2秒である場合は、目標とする接合強度が得られず、且つ金属粉が発生した。
【0054】
超音波出力を80%以上とし、且つ処理時間を0.15秒以上とした場合に、目標とする接合強度が得られた。この条件下において、試験用タブの超音波ホーンが接触する部分にポリイミド製の樹脂シートを貼着した場合には、金属粉は確認できなかった。樹脂シートには、基材の厚みが約25μm(全体の厚みが約50μm)のものと、基材の厚みが約50μm(全体の厚みが約80μm)のものを用いたが、いずれの場合も、目標とする接合強度が得られ、且つ金属粉は確認されなかった。一方、同じ条件下において、樹脂シートを用いない場合には、目標とする接合強度は得られるものの、金属粉の発生が確認された。接合強度は、樹脂シートの有無によって変化しなかった。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、電極体の製造方法、及び非水電解質二次電池の製造方法に利用できる。
【符号の説明】
【0056】
10 非水電解質二次電池
11 外装体
11a,11b ラミネートフィルム
12 収容部
13 封止部
14 電極体
15 正極リード
16 負極リード
17 電極群
20 正極
21 正極集電体
22 正極活物質層
23 正極タブ
24 正極タブ積層部
25 凹凸
30 負極
31 負極集電体
32 負極活物質層
33 負極タブ
34 負極タブ積層部
40 セパレータ
50 樹脂シート
51 シート基材
52 接着層
60 超音波ホーン
61 凹凸
62 アンビル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】