特表-17150000IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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再表2017-150000コポリマー、これを利用する抗血栓コーティング剤及び医療用具
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2017年9月8日
【発行日】2018年12月20日
(54)【発明の名称】コポリマー、これを利用する抗血栓コーティング剤及び医療用具
(51)【国際特許分類】
   C08F 216/18 20060101AFI20181122BHJP
   A61L 33/06 20060101ALI20181122BHJP
   A61L 31/04 20060101ALI20181122BHJP
   A61L 31/06 20060101ALI20181122BHJP
   A61L 31/10 20060101ALI20181122BHJP
   A61L 31/14 20060101ALI20181122BHJP
   A61L 29/08 20060101ALI20181122BHJP
   A61L 29/06 20060101ALI20181122BHJP
   A61L 29/04 20060101ALI20181122BHJP
【FI】
   C08F216/18
   A61L33/06 200
   A61L33/06 300
   A61L31/04 110
   A61L31/06
   A61L31/10
   A61L31/14
   A61L29/08 100
   A61L29/06
   A61L29/04 100
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】18
【出願番号】特願2018-502584(P2018-502584)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2017年1月24日
(31)【優先権主張番号】特願2016-37277(P2016-37277)
(32)【優先日】2016年2月29日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】000157603
【氏名又は名称】丸善石油化学株式会社
【住所又は居所】東京都中央区入船二丁目1番1号
(71)【出願人】
【識別番号】304036754
【氏名又は名称】国立大学法人山形大学
【住所又は居所】山形県山形市小白川町1丁目4−12
(74)【代理人】
【識別番号】110000590
【氏名又は名称】特許業務法人 小野国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 賢
【住所又は居所】山形県米沢市城南4丁目3番16号 国立大学法人山形大学内
(72)【発明者】
【氏名】吉田 憲弘
【住所又は居所】千葉県市原市五井南海岸3番地 丸善石油化学株式会社 研究所内
【テーマコード(参考)】
4C081
4J100
【Fターム(参考)】
4C081AC08
4C081AC16
4C081BA02
4C081CA022
4C081CA182
4C081DC03
4J100AE02P
4J100AE09Q
4J100BA08Q
4J100BC02Q
4J100CA04
4J100DA01
4J100DA04
4J100FA03
4J100FA19
4J100JA51
(57)【要約】
優れた製膜性及び耐水溶性を有し、種々の基材に容易にコーティングすることができるとともに、優れた抗血栓性を有する生体適合性の材料を見出し、これを利用する抗血栓性コーティング剤及び抗血栓被膜、並びに当該抗血栓被膜を備えた医療用具を提供することを課題とする。当該課題を解決した手段は、少なくとも1種の、下記式(1)
【化1】

(式中、nは2〜10の整数を示し、Rはメチル基又はエチル基を示す)
で表される繰り返し単位(A)と、少なくとも1種の、下記式(2)
【化2】

(式中、Rは脂肪族炭化水素基を示す)
で表される繰り返し単位(B)を含有するコポリマー並びに当該コポリマーと有機溶媒を含む抗血栓性コーティング剤、当該コポリマーで形成される抗血栓性被膜及び当該被膜を備えた医療用具である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種の、下記式(1)
【化1】
(式中、Rはメチル基又はエチル基を示し、nは2〜10の整数を示す)
で表される繰り返し単位(A)と、少なくとも1種の、下記式(2)
【化2】
(式中、Rは脂肪族炭化水素基を示す)
で表される繰り返し単位(B)を含有するコポリマー。
【請求項2】
前記繰り返し単位(A)と繰り返し単位(B)の組成比(モル比)が90/10〜1/99である請求項1記載のコポリマー。
【請求項3】
繰り返し単位(B)における基Rが、炭素数2〜10の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基又はアルケニル基、又は、炭素数5〜15の単環状若しくは多環状のアルキル基又はアルケニル基である請求項1又は2記載のコポリマー。
【請求項4】
繰り返し単位(B)における基Rが、炭素数2〜10の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基又はアルケニル基である請求項1又は2記載のコポリマー。
【請求項5】
請求項1ないし4の何れかの項記載のコポリマーを含有する生体適合性材料。
【請求項6】
請求項1ないし4の何れかの項記載のコポリマーと、有機溶媒とを含む抗血栓コーティング剤。
【請求項7】
前記有機溶媒が、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、エーテル、アルコール、ケトン及びエステルからなる群から選択される1種又は2種以上である請求項6記載の抗血栓コーティング剤。
【請求項8】
前記コポリマーが、0.05〜10質量部であり、前記有機溶媒が99.95〜90質量部である請求項6又は7記載の抗血栓コーティング剤。
【請求項9】
請求項1ないし4の何れかの項に記載のコポリマーから形成された抗血栓被膜。
【請求項10】
請求項1ないし4の何れかの項に記載のコポリマーから形成された抗血栓被膜を備えた医療用具。
【請求項11】
血液と接触する部位の一部又は全部が、前記抗血栓被膜で被覆された請求項10記載の医療用具。
【請求項12】
体内埋め込み型の人工器官若しくは治療器具、体外循環型の人工臓器類、カテーテル類、人工血管、血管バイパスチューブ、人工弁、血液フィルター、血漿分離用装置、輸血用具又は血液の体外循環回路である請求項10又は11記載の医療用具。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コポリマー及びこれを利用する抗血栓コーティング剤に関し、更に詳細には、優れた抗血栓性を与えることのできるコポリマー並びに当該コポリマーを含有する抗血栓コーティング剤、当該コポリマーで形成された抗血栓被膜及び当該被膜を備えた医療用具に関する。
【背景技術】
【0002】
カテーテル、ガイドワイヤー、ステント、人工血管、血管バイパスチューブ、人工弁、血液フィルター、血漿分離用装置、人工臓器、人工肺装置、透析装置、輸血用具、血液回路、血液バッグ等、血液と接触して用いられる医療用具においては、血液の凝固を防ぐ抗血栓性を有することが必要不可欠である。このため、これらの医療用具に用いられる基材表面に、優れた抗血栓性を与える抗血栓コーティング剤の開発が望まれている。
【0003】
既知の抗血栓性を有する生体適合性材料として、例えば、ポリ(2−メトキシエチルアクリレート)(PMEA)が挙げられる(特許文献1参照)。このPMEAは、高分子鎖との相互作用により高分子鎖に弱く束縛された水と考えられる、いわゆる中間水(−100℃からの昇温過程で水の低温結晶形成に由来する発熱ピークが−40℃付近に安定して観測される状態の水)を有することにより、抗血栓性等の生体適合性を示すことが知られている。
【0004】
しかし、PMEA自体は親水性ポリマーであるため、使用時に剥離や溶出が懸念される。このため、特許文献1では、2−メトキシエチルアクリレートよりも疎水性であるアルキル(メタ)アクリレートを、中間水が十分に存在する範囲(実施例では9〜17モル%)で共重合させている。
【0005】
また、PMEAの製膜性を改良する技術として、PMEAにポリメタクリル酸メチル(PMMA)を混合したポリマーブレンドによる薄膜が報告されている(特許文献2参照)。特許文献2によれば、該ポリマーブレンド薄膜は、PMEAを所定の割合にすることにより、純粋なPMEAより優れた抗血栓性を示している。
【0006】
しかしながら、従来の共重合やポリマーブレンド等によりPMMA等の疎水性成分を導入し、親水性や製膜性を改善する方法は、疎水性成分の量が多くなると生体適合性が阻害されるため、その量を増やすことができず、改善効果が限られていた。
【0007】
また、疎水成分が導入されることによりタンパク質や細胞、他の生体成分等が付着しやすく、抗ファウリング性(タンパク質吸着抑制および細胞粘着抑制)が求められる用途においては使用ができなかった。
【0008】
一方、PMEAと同様に側鎖にオキシエチレン鎖構造を有し、中間水を有する生体適合性材料として、ポリ(2−メトキシエチルビニルエーテル)(PMOVE)が知られており、PMEAより優れた抗血栓性を示すことが報告されている(特許文献3参照)。
【0009】
しかしながら、特許文献3において抗血栓性が具体的に示されているのはPMOVEのみであり、ビニルエーテルポリマーの側鎖を構成するオキシエチレン鎖を伸長させたポリマーや、疎水性コモノマーとのコポリマーにおける抗血栓性については示されているとはいえない。さらに、これらのビニルエーテルポリマーにおける抗ファウリング性については何ら検討されていなかった。
【0010】
また、PMOVEは高粘性な油状物であり、加えて、生体温度において水溶性であるため、そのままでは抗血栓コーティング剤として使用することは困難である。このため、特許文献3では、基材に塗布したPMOVEにガンマ線を照射し、架橋させて不溶化しているが、このような膜形成方法は、一般的なものとはいえず、またコーティング対象となる基材の材質や形状・形態が制限されてしまうという問題がある。
【0011】
PMOVEを含む薄膜を形成する別の方法として、2−メトキシエチルビニルエーテル(MOVE)と、トリシクロデカンビニルエーテル(TCDVE)などの脂環骨格を有するビニルエーテルとを共重合させる方法が提案されている(特許文献4参照)。しかしながら、特許文献4の実施例において、薄膜の形成例が示されているのはPMOVE及びポリ(2−エトキシエチルビニルエーテル)(PEOVE)といった、側鎖オキシエチレン鎖の短いポリマーのみであり、さらに、当該共重合体の生体適合性や抗血栓性、抗ファウリング性については何ら評価されていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2004−161954号
【特許文献2】特開2013−121430号
【特許文献3】特開2014−47347号
【特許文献4】特許第4528601号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、優れた製膜性及び耐水溶性を有し、種々の基材に容易にコーティングすることができるとともに、優れた抗血栓性を有する生体適合性の材料を見出し、これを利用する抗血栓性コーティング剤及び抗血栓被膜、並びに当該抗血栓被膜を備えた医療用具を提供することをその課題とするものである。更に本発明は、抗ファウリング性にも優れた生体適合性材料及びこれを用いた医療用具を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
一般に、疎水性基を有する疎水性のコモノマーを共重合した場合は、生体成分との疎水性相互作用を高め、生体内組織や血液中のタンパク質との接触において血小板の粘着やタンパク質の吸着変性や活性化を引き起こすことが考えられる。このため、疎水性ビニルエーテルを含むポリマーが生体適合性材料として検討された例はなく、MOVEなどオキシエチレン鎖構造を有するビニルエーテルとの共重合体についても、生体適合性材料として検討されることはなかった。
【0015】
しかしながら、本発明者等は、オキシエチレン鎖構造を含むビニルエーテルと疎水性ビニルエーテルとの共重合体について詳細に検討したところ、オキシエチレン鎖の繰り返し数が2以上のビニルエーテルと脂肪族ビニルエーテルとの共重合体が、優れた製膜性や耐水溶性を有し、かつ驚くべきことに、優れた抗血栓性及び抗ファウリング性を示すことを見出し、本発明を完成させた。
【0016】
即ち、本発明は以下の内容のものである。
(1)少なくとも1種の、下記式(1)
【化1】
(式中、Rはメチル基又はエチル基を示し、nは2〜10の整数を示す)
で表される繰り返し単位(A)と、少なくとも1種の、下記式(2)
【化2】
(式中、Rは脂肪族炭化水素基を示す)
で表される繰り返し単位(B)を含有するコポリマー。
【0017】
(2)前記繰り返し単位(A)と繰り返し単位(B)の組成比(モル比)が90/10〜1/99である(1)記載のコポリマー。
【0018】
(3)繰り返し単位(B)における基Rが炭素数2〜10の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基又はアルケニル基、又は、炭素数5〜15の単環状又は多環状のアルキル基又はアルケニル基である(1)又は(2)記載のコポリマー。
【0019】
(4)繰り返し単位(B)における基Rが、炭素数2〜10の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基又はアルケニル基である(1)又は(2)記載のコポリマー。
【0020】
(5)上記(1)又は(2)の何れかに記載のコポリマーを含有する生体適合性材料。
【0021】
(6)上記(1)ないし(4)の何れかに記載のコポリマーと、有機溶媒とを含む抗血栓コーティング剤。
【0022】
(7)前記有機溶媒が、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、エーテル、アルコール、ケトン及びエステルからなる群から選択される1種又は2種以上である(6)記載の抗血栓コーティング剤。
【0023】
(8)前記コポリマーが、0.05〜10質量部であり、有機溶媒が99.95〜90質量部である(6)又は(7)記載の抗血栓コーティング剤。
【0024】
(9)前記(1)ないし(4)の何れかに記載のコポリマーから形成された抗血栓被膜。
【0025】
(10)前記(1)ないし(4)の何れかに記載のコポリマーから形成された抗血栓被膜を備えた医療用具。
【0026】
(11)血液と接触する部位の一部又は全部が、前記抗血栓被膜で被覆された(10)記載の医療用具。
【0027】
(12)体内埋め込み型の人工器官若しくは治療器具、体外循環型の人工臓器類、カテーテル類、人工血管、血管バイパスチューブ、人工弁、血液フィルター、血漿分離用装置又は輸血用具若しくは血液の体外循環回路の何れかである(10)又は(11)記載の医療用具。
【発明の効果】
【0028】
本発明のコポリマーは、種々の基材に容易にコーティングすることができ、優れた製膜性、耐水溶性を有するとともに、抗血栓性の被膜を形成することができるものであり、生体適合性材料として好適に使用することができる。
【0029】
従って、このコポリマーは、抗血栓コーティング剤の成分として有用なものであり、また、このコポリマーから形成された抗血栓被膜は、優れた抗血栓性を示し、長時間にわたる血液接触においても血液の凝固を大きく抑制することができるので、医療用具用の被膜として極めて有利なものである。
【0030】
また、本発明のコポリマーで形成された被膜は、細胞などの生体成分の付着をも防ぐことができ、抗ファウリング性材料として種々の医療用具に対して、好適に用いることができる。
【発明を実施するための形態】
【0031】
<コポリマー>
本発明のコポリマーは、少なくとも1種の前記式(1)で表される繰り返し単位(A)と、少なくとも1種の前記式(2)で表される繰り返し単位(B)とを含むものであり、これにより、抗血栓性や抗ファウリング性などの優れた生体適合性を示すものである。
【0032】
前記式(1)の繰り返し単位(A)を与えるモノマーとしては、下記式(3)
【化3】
で表される親水性ビニルエーテルが挙げられる。ここで、Rはメチル基又はエチル基であり、オキシエチレン鎖の繰り返し数nは2〜10の整数であり、好ましくは2〜6の整数であり、より好ましくは2〜4の整数であり、特に好ましくは2又は3である。
【0033】
式(3)で表される親水性ビニルエーテルとしては、具体的には、2−(2−メトキシエトキシ)エチルビニルエーテル(別名:ジエチレングリコールモノメチルモノビニルエーテル)、2−(2−エトキシエトキシ)エチルビニルエーテル(別名:ジエチレングリコールモノエチルモノビニルエーテル;以下、「EOEOVE」と記載する)、2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]エチルビニルエーテル(別名:トリエチレングリコールモノメチルモノビニルエーテル;以下、「TEGVE」と記載する)、2−[2−(2−エトキシエトキシ)エトキシ]エチルビニルエーテル(別名:トリエチレングリコールモノエチルモノビニルエーテル)が挙げられる。これらの中でも、製膜性及び耐水溶性の点でEOEOVE、TEGVEが好ましく、抗血栓性がより優れることからEOEOVEが特に好ましい。
【0034】
また、繰り返し単位(B)を与えるモノマーとしては、下記式(4)
【化4】
で表される疎水性ビニルエーテルが挙げられる。ここで、Rは脂肪族炭化水素基であり、具体的には、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基又はアルケニル基、又は、単環状若しくは多環状のアルキル基又はアルケニル基である。
【0035】
上記の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基又はアルケニル基は、炭素数2〜10であることが好ましく、炭素数2〜8であることがより好ましく、炭素数2〜6であることが更に好ましい。
【0036】
直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基又はアルケニル基の具体例としては、例えば、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、1−ペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、1−(2−メチル)−ブチル基、2−(2−メチル)−ブチル基、1−(3−メチル)−ブチル基、2−(3−メチル)−ブチル基、(2、2−ジメチル)−プロピル基、1−ヘキシル基、2−ヘキシル基、3−ヘキシル基、1−ヘプチル基、2−ヘプチル基、3−ヘプチル基、4−ヘプチル基、1−オクチル基、1−(2−エチル)−ヘキシル基等の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基;ビニル基、1−プロペニル基、アリル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、イソプロペニル基、イソブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基等の直鎖状又は分岐鎖状のアルケニル基が挙げられる。
【0037】
また、単環状若しくは多環状のアルキル基又はアルケニル基は、炭素数3〜25であることが好ましく、炭素数4〜20であることがより好ましく、炭素数5〜15であることが更に好ましい。
【0038】
単環状若しくは多環状のアルキル基又はアルケニル基の具体例としては、例えば、シクロペンチル基、シクロペンチルメチル基、メチルシクロペンチル基、ジメチルシクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロへキシルメチル基、メチルシクロへキシル基、ジメチルシクロへキシル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、シクロウンデシル基、シクロドデシル基、シクロトリデシル基、シクロテトラデシル基、シクロペンタデシル基、シクロオクタデシル基、シクロイコシル基等の単環状のアルキル基又はアルケニル基;ビシクロへキシル基、デカヒドロナフチル基、ノルボルニル基、メチルノルボルニル基、イソボロニル基、アダマンチル基、トリシクロデカニル基、トリシクロデセニル基、テトラシクロドデシル基等の多環状のアルキル基又はアルケニル等が挙げられる。
【0039】
これらの脂肪族炭化水素基のなかでも、製膜性、耐水溶性及び抗血栓性の点からn−ブチル基、トリシクロデカニル基が好ましく、抗血栓性により優れることからn−ブチル基が特に好ましい。
【0040】
本発明のコポリマーは、前記した親水性ビニルエーテル(3)と、疎水性ビニルエーテル(4)を常法に従って重合させることにより調製することができる。この重合法としては、所望の組成比及び分子量のコポリマーを再現性良く得るために、特にリビングカチオン重合が好ましい。リビングカチオン重合法において、コポリマーの分子量はモノマーと重合開始剤とのモル比によってほぼ一義的に決まるため、モノマーと重合開始剤の使用量を変えることにより、コポリマーの分子量を広い範囲にわたって任意に制御可能である。
【0041】
リビングカチオン重合において使用される重合開始剤は、カチオン重合をリビング的に進行させるものであれば特に制限されないが、例えばビニルエーテル類のリビングカチオン重合開始剤としてはHI/I系開始剤(例えば、特開昭60−228509号公報)、ルイス酸触媒(有機アルミニウム化合物等)と塩基等の添加剤(エーテル、エステル等)を組み合わせた重合開始剤(例えば、特許第3096494号明細書、特公平7−2805号公報、特開昭62−257910号公報、特開平1−108202号公報及び特開平1−108203号公報)等が好適に用いられる。
【0042】
重合開始剤の使用量は、原料モノマーの総量に対して0.001〜20モル%が好ましく、より好ましくは0.01〜10モル%、特に1モル%以下が好ましい。
【0043】
また、リビングカチオン重合反応は適当な有機溶媒の存在下で行うことが好ましいが、非存在下で行ってもよい。使用することのできる有機溶媒としては、例えばベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;プロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、イソオクタン、デカン、ヘキサデカン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒;塩化メチレン、塩化エチレン、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素系溶媒;ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、エチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル系溶媒が挙げられる。これらの有機溶媒は必要に応じて単独又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、これらの有機溶媒の中でも芳香族炭化水素系溶媒及び脂肪族炭化水素系溶媒等の炭化水素系溶媒が好ましく、特にトルエン又はシクロヘキサンが好ましい。
【0044】
この重合反応における重合温度は、使用する重合開始剤、モノマー、溶媒の種類等により異なるが、通常−80〜150℃であり、好ましくは−50〜100℃、特に好ましくは−20〜80℃である。また、重合時間は使用する重合開始剤、モノマー、溶媒、反応温度等により異なるが、通常10分〜100時間程度である。重合反応はバッチ式、連続式のいずれの方法でも好適に行うことができる。重合反応後、必要により、未反応のモノマーを除去するため、公知の方法により精製処理を行ってもよい。
【0045】
本発明のコポリマーにおける繰り返し単位(A)と、繰り返し単位(B)の組成比(モル比)は、製膜性及び抗血栓性が損なわれない範囲で任意に選定することができるが、驚くべきことに、本発明のコポリマーにおいては、親水性ユニットとなる繰り返し単位(A)の割合がより少ないコポリマーにおいて、高い抗血栓性が示される。したがって、繰り返し単位(A)と、繰り返し単位(B)の組成比(モル比)は、90/10〜1/99の範囲が好ましく、70/30〜3/97の範囲がより好ましく、50/50〜5/95の範囲が特に好ましい。
【0046】
また、本発明におけるコポリマーの分子量は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により標準ポリスチレン検量線から求めた重量平均分子量(Mw)として、概ね1,000〜1,000,000であり、好ましくは2,000〜500,000であり、より好ましくは3,000〜300,000である。
【0047】
更に、本発明のコポリマーの重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、1.0〜5.0が好ましく、1.0〜3.0がより好ましく、1.0〜1.5が特に好ましい。Mw及びMw/Mnがこの範囲であると、得られるコポリマーは優れたコーティング性能及び優れた抗血栓性を示す。
【0048】
更にまた、本発明のコポリマーは、前記したように親水性ビニルエーテルと、前記疎水性ビニルエーテルとを共重合することにより得られるが、モノマー単位の配列様式に特に限定はなく、ランダム共重合及びブロック共重合体のいずれであってもよい。ブロック共重合体としては、例えば、ジブロック型(A−B)、トリブロック型(A−B−A又はB−A−B)、多分岐型スター([B−A]、[A−B]又はA;n、mは分岐数)等の各ブロック重合体が挙げられる。親水性単位を均一に分散させる観点から、ランダム共重合体が好ましい。
【0049】
<抗血栓コーティング剤>
以上のようにして得られる本発明のコポリマーは、抗血栓性および抗ファウリング性などの優れた生体適合性を示すため、生体適合性材料として好適に用いることができ、例えば、これを有効成分とする抗血栓コーティング剤とすることができる。この抗血栓コーティング剤は、前記コポリマーに適当な溶媒を配合することで調製することができる。
【0050】
この抗血栓コーティング剤での溶媒の種類や濃度は、コポリマーの組成や分子量、コーティング対象となる基材の種類や表面性状等に応じて適宜選択することができる。
【0051】
抗血栓コーティング剤における溶媒としては、例えば、リビングカチオン重合における重合溶媒として挙げた有機溶媒を使用することができる。また、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチルアミルケトン等のケトン系溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸アミル、乳酸エチル等のエステル系溶媒等も好適に使用することができる。これらの有機溶媒の中でも芳香族炭化水素系溶媒及び脂肪族炭化水素系溶媒等の炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒及びこれらの混合溶媒が好ましく、特にトルエン、シクロヘキサン、THF及びこれらの混合溶媒が好ましい。これらの有機溶媒は必要に応じて単独又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0052】
また、抗血栓コーティング剤での溶媒の濃度は、前記コポリマー0.05〜10質量部に対し、溶媒99.95〜90質量部が好ましい。
【0053】
上記した抗血栓コーティング剤は、種々の基材、特に血液と接する可能性のある基材上に、前記コポリマーを含む抗血栓被膜を形成するために用いられる。
【0054】
抗血栓コーティング剤を使用する抗血栓被膜の形成方法は、特に限定されることなく、当該基材の材質、形状及び形態に応じて、例えば、塗布法、スプレー法、ディップ法、スピンコート法等、公知の方法から適宜選定される。例えば、前記コポリマーと有機溶媒を含む抗血栓コーティング剤に基材を浸漬した後、風乾又は加熱乾燥させるなどの簡単な操作により、抗血栓被膜を形成することができる。
【0055】
本発明の抗血栓コーティング剤は、上記したようなシンプルな構成であるため、前記抗血栓被膜が形成される基材の材質や形状・形態は特に制限されることなく、例えば、フィルム、シート、板、繊維、不織布、多孔質体、チューブ、中空糸や繊維、粒子、粉末等、任意の形状・形態の基材に対し用いることができる。
【0056】
また、基材の材質も、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン、ナイロン、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、ハロゲン化ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリ(メタ)アクリレート、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体等の合成樹脂及びこれらのブレンドポリマー;木綿、麻等の天然高分子;金属、セラミクス、ガラス等の無機材料、及びそれらの複合材料等が挙げられ、これらを用いることができる。
【0057】
本発明の抗血栓コーティング剤より、抗血栓被膜を形成されるものの好ましい例としては、医療用具を挙げることができる。医療器具には、血液と接するものも多く、その場合、血小板の接着、凝集による血液の凝固を防ぐ必要があるため、抗血栓被膜を備えることが要求される。従って、医療用具では、血液と接触する部位の少なくとも一部、好ましくは全部が、前記抗血栓被膜で被覆されていることが好ましい。
【0058】
このように抗血栓コーティング剤で処理された本発明の医療用具は、前記抗血栓被膜を備えるため、特に血液と直接接触して使用される用途に好適に用いることができる。具体的には、体内埋め込み型の人工器官や治療器具、体外循環型の人工臓器類、カテーテル類(血管造影用カテーテル、ガイドワイヤー、PTCA用カテーテル等の循環器用カテーテル、胃管カテーテル、胃腸カテーテル、食道チューブ等の消化器用カテーテル、チューブ、尿道カテーテル、尿管カテーテル等の泌尿器科用カテーテル等)、人工血管、血管バイパスチューブ、人工弁、血液フィルター、血漿分離用装置、輸血用具、血液の体外循環回路、血液バッグ、止血剤、生体組織の粘着材等、様々な用途にいて好適に用いることができる。また、医療用具の血液と接触する部位の一部または全部に抗血栓被膜を形成させることにより、血栓生成の防止方法とすることができる。
【実施例】
【0059】
以下の実施例、合成例により、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例等によって何ら限定されるものではない。なお、実施例において、コポリマーの組成比はH NMRの分析結果から、重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)はGPCの分子量分析結果(ポリスチレン換算)からそれぞれ求めた。分析装置及び測定条件等は以下の通りである。
【0060】
(NMR)
・装 置:ブルカー製 AVANCE400
・溶 媒:重アセトン
・測定温度:30℃
【0061】
(GPC)
・装 置:東ソー株式会社製、「HLC−8320GPC」
・検出器:RI検出器
・移動相:テトラヒドロフラン
・流 量:1mL/分
・カラム:昭和電工株式会社製「Shodex LF−804」×3本
・カラム温度:40℃
【0062】
合 成 例 1
N−ブチルビニルエーテル/ジエチレングリコールモノエチルモノビニルエーテルランダム共重合体(NBVE−ran−EOEOVE)の合成:
乾燥窒素雰囲気下、300℃以上で10分間加熱脱水した三方活栓付きの300mL三ッ口フラスコに、溶媒としてトルエン181mL、添加塩基として酢酸エチル76.4mL、親水性ビニルエーテルとしてジエチレングリコールモノエチルモノビニルエーテル(EOEOVE)4.0mL、疎水性ビニルエーテルとしてN−ブチルビニルエーテル(NBVE)28.2mL、開始種としてイソブチルビニルエーテルの酢酸付加体4mM(0.45mL)を加え、よく撹拌した。
【0063】
次いで、0℃に保持し、ルイス酸触媒としてEt1.5AlCl1.5 8mM(8.8mL)を添加して重合を開始し、90分反応を行った。
【0064】
重合は少量のナトリウムメトキシド(1M)を含むメタノールで停止した。停止した溶液にイオン交換樹脂〔商品名:アンバーリストMSPS2−1・DRY、オルガノ(株)製〕を5質量%添加し、室温で1時間撹拌した。次いでこの溶液をセライト及び孔径1μmのフィルターに通液させ、エバポレーターで減圧濃縮し、目的のランダム共重合体(コポリマーC)を得た。得られたコポリマーCの組成比、重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)を後記表1に示す。
【0065】
また、得られたコポリマーCの1質量%水溶液を調製し、25℃における水への溶解性を目視で確認した。その結果、当該水溶液は水相とポリマー相に相分離し、疎水性ユニットの導入による水への不溶化が確認された。
【0066】
合 成 例 2〜14
合成例1を基準に、親水性ビニルエーテルとしてEOEOVE又はTEGVEを、疎水性ビニルエーテルとしてNBVE又はトリシクロデカニルビニルエーテル(TCDVE)をそれぞれ用い、開始種量及び組成比を変更して合成を行うことで、表1記載のコポリマーA、B、D〜Nを得た。得られたコポリマーについて、合成例1と同様の操作により水への溶解性を評価した。各コポリマーの組成比、分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)及び水への溶解性の評価結果を後記表1に示す。
【0067】
合 成 例 15〜17
合成例1を基準に、EOEOVE、NBVE、TCDVEをそれぞれ単独で重合させることにより、表1記載のホモポリマーO、P、Qを得た。得られたホモポリマーについて、合成例1と同様の操作により水への溶解性を評価した。各ホモポリマーの分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)及び水への溶解性の評価結果を後記表1に示す。
【0068】
【表1】
(水への溶解性)
・不溶:水相とポリマー相とに相分離する
・可溶:均一に溶解する
【0069】
実 施 例 1〜14 及び 比較例1〜3
血液適合性試験:
血液適合性を調べるために、上記合成例に係るコポリマーA〜Nで表面被覆したポリエチレンテレフタレート(PET)板(実施例1〜14)、及び、比較例として、ホモポリマーO〜Qで表面被覆したPET板(比較例1〜3)について、血小板の粘着テストを行った。
【0070】
実施例及び比較例に係るポリマーによるPET板の表面被覆は、上記合成例で得られたポリマーの0.2wt/vol%トルエン溶液をPET板表面に塗布し、溶媒を蒸発乾固することにより行った。
【0071】
各ポリマーで被覆したPET表面及び被覆を行わないPET板(ブランク)に、クエン酸ナトリウムで抗凝固した人新鮮多血小板血漿0.2mLをピペットで滴下し、37℃で60分間静置した。続いて、リン酸緩衝溶液でリンスし、グルタルアルデヒドで固定した後、サンプル表面を走査型電子顕微鏡で観察し、1×104μmの面積に接着した血小板数をカウントした。なお、ポリマーO(EOEOVEのホモポリマー)では被覆層の剥離が確認されたが、そのまま評価を行った。
【0072】
血液適合性試験の結果を表2に示す。コポリマーA〜Nで表面を被覆したPET板は、各比較例及びブランクとなるPET板と比較して血小板粘着数が少ないことが示された。
【0073】
【表2】
【0074】
実 施 例15〜18
がん細胞の接着性試験:
実施例1〜3と同様にコポリマーA、B、Cで被覆したPET板を作製し、各コポリマーで被覆したPET表面及び被覆を行わないPET板(ブランク)に、がん細胞懸濁液(血清を10%添加した培地で10,000個/mLに調整)1.0mLをピペットで滴下し、37℃で60分間静置した。がん細胞として、ヒト線維肉腫細胞株HT−1080を使用した。続いて、生理緩衝食塩水を用いてリンスし、サンプル表面に接着した細胞の数をカウントした。カウントを容易にするために、ホルムアルデヒドで細胞を固定化後、4’,6−ジアミノ−2−フェニルインドール(DAPI)で細胞核を染色し、共焦点レーザー顕微鏡(オリンパスFV−1000)を用いて細胞核の数をカウントし、細胞の数とした。
【0075】
細胞接着性試験の結果を表3に示す。コポリマーA、B、Cは疎水性ユニットが90モル%含まれているにもかかわらず、細胞の接着が極めて少ないことが示された。
【0076】
【表3】
【産業上の利用可能性】
【0077】
以上説明したように、本発明のコポリマーで形成された被膜は、製膜性および耐水溶性に優れ、血小板の粘着を防ぐことができ、これに引き続き起こる血栓の生成も防止することができる。このため、本発明のコポリマーは、ISO10993に適合するような生体適合性材料として有用である。
【0078】
また、本発明のコポリマーを含む本発明の抗血栓コーティング剤を用いて形成される抗血栓被膜は優れた抗血栓性を有し、特に血液と接する医療用具にこの抗血栓被膜を形成させることで、血栓の生成を防ぐことが可能となる。
【0079】
更に、本発明のコポリマーで形成された被膜は、細胞などの生体成分の付着をも防ぐことができ、抗ファウリング性材料として種々の医療用具に対して、好適に用いることができる。
【0080】
従って本発明は、医療分野及び医療用具製造の分野において、極めて有用である。
【国際調査報告】