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再表2017-150565ガス漏れ位置推定装置、ガス漏れ位置推定方法及びガス漏れ位置推定プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2017年9月8日
【発行日】2018年12月27日
(54)【発明の名称】ガス漏れ位置推定装置、ガス漏れ位置推定方法及びガス漏れ位置推定プログラム
(51)【国際特許分類】
   G01M 3/02 20060101AFI20181130BHJP
【FI】
   G01M3/02 M
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】32
【出願番号】特願2018-503348(P2018-503348)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2017年2月28日
(31)【優先権主張番号】特願2016-41171(P2016-41171)
(32)【優先日】2016年3月3日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067828
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 悦司
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100111453
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻井 智
(72)【発明者】
【氏名】張 笑辰
(72)【発明者】
【氏名】浅野 基広
(72)【発明者】
【氏名】山本 敏嗣
【テーマコード(参考)】
2G067
【Fターム(参考)】
2G067AA01
2G067AA21
2G067BB02
2G067BB17
2G067CC04
2G067DD27
2G067EE08
(57)【要約】
ガス漏れ位置推定装置は、特定部と、第1の決定部と、を備える。前記特定部は、監視領域を撮影した画像の中において、ガスが漂っている領域を示すガス領域像を特定する。前記第1の決定部は、前記ガスが漏れている位置と推定されるガス漏れ推定位置を示す画素を、前記ガス領域像の輪郭を構成する複数の画素の中から決定する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視領域を撮影した画像の中において、ガスが漂っている領域を示すガス領域像を特定する特定部と、
前記ガスが漏れている位置と推定されるガス漏れ推定位置を示す画素を、前記ガス領域像の輪郭を構成する複数の画素の中から決定する第1の決定部と、を備えるガス漏れ位置推定装置。
【請求項2】
前記第1の決定部は、前記ガス領域像の特徴点を示す画素を前記ガス領域像の輪郭を構成する複数の画素の中から決定し、前記特徴点の中から前記ガス漏れ推定位置を示す画素を決定する請求項1に記載のガス漏れ位置推定装置。
【請求項3】
前記ガス領域像を構成する複数の画素のそれぞれの位置の関係を示す回帰線を算出する第1の算出部をさらに備え、
前記第1の決定部は、前記回帰線と前記輪郭とが交差する二点に位置する第1の画素及び第2の画素の少なくとも一方の画素を、前記特徴点を示す画素として決定する請求項2に記載のガス漏れ位置推定装置。
【請求項4】
前記ガス領域像と接する四辺を有しており、前記ガス領域像を囲む長方形である外接長方形を設定する設定部をさらに備え、
前記第1の決定部は、前記外接長方形の二つの短辺と前記ガス領域像とが接する二点に位置する第1の画素及び第2の画素の少なくとも一方の画素を、前記特徴点を示す画素として決定する請求項2に記載のガス漏れ位置推定装置。
【請求項5】
前記設定部は、前記外接長方形のうち、最小の面積を有する前記外接長方形を、前記外接長方形として設定する請求項4に記載のガス漏れ位置推定装置。
【請求項6】
時系列に並ぶ複数の前記画像のそれぞれから、各画像が撮影された時点で前記ガスが漂っている領域を示す瞬時ガス領域像を抽出する第1の抽出部と、
複数の前記画像のそれぞれから抽出された複数の前記瞬時ガス領域像において、同じ位置の画素の画素値を加算する処理をして、複数の前記瞬時ガス領域像を累積した像である累積ガス領域像を生成する生成部と、をさらに備え、
前記特定部は、二値化処理後の前記累積ガス領域像を、前記ガス領域像として特定する請求項3〜5のいずれか一項に記載のガス漏れ位置推定装置。
【請求項7】
時系列に並ぶ複数の前記画像のそれぞれから、各画像が撮影された時点で前記ガスが漂っている領域を示す瞬時ガス領域像を抽出する第1の抽出部と、
複数の前記画像のそれぞれから抽出された複数の前記瞬時ガス領域像において、同じ位置の画素の画素値を加算する処理をして、複数の前記瞬時ガス領域像を累積した像である累積ガス領域像を含む累積画像を生成する生成部と、
前記累積画像を構成する複数の画素から、所定のしきい値を基にして、画素を抽出する抽出処理をする第2の抽出部と、
前記しきい値で抽出された画素で構成される像の重心を算出する算出処理をする第1の算出部と、をさらに備え、
前記第2の抽出部は、異なる値の二以上の前記しきい値のそれぞれを基にして、前記抽出処理をし、
前記第1の算出部は、異なる値の二以上の前記しきい値のそれぞれに対応する前記像に対して、前記算出処理をすることにより、二以上の前記重心を算出し、
前記ガス漏れ位置推定装置は、二以上の前記重心のそれぞれの位置の関係を示す回帰線を算出する第2の算出部を、さらに備え、
前記特定部は、二値化処理後の前記累積ガス領域像を、前記ガス領域像として特定し、
前記第1の決定部は、前記回帰線と前記輪郭とが交差する二点に位置する第1の画素及び第2の画素の少なくとも一方の画素を、前記特徴点を示す画素として決定する請求項2に記載のガス漏れ位置推定装置。
【請求項8】
前記ガス領域像を構成する複数の画素の中で、画素値が一番大きい画素、又は、前記ガス領域像の重心を示す画素を注目画素として設定し、前記第1の画素と前記注目画素との距離が、前記第2の画素と前記注目画素との距離より短いとき、前記第1の画素を、前記ガス漏れ推定位置を示す画素と決定し、前記第2の画素と前記注目画素との距離が、前記第1の画素と前記注目画素との距離より短いとき、前記第2の画素を、前記ガス漏れ推定位置を示す画素と決定する第2の決定部をさらに備える請求項3〜7のいずれか一項に記載のガス漏れ位置推定装置。
【請求項9】
前記ガスの密度が空気の密度より低いとき、前記第1の画素又は前記第2の画素のうち、位置が低い方の画素を、前記ガス漏れ推定位置を示す画素と決定し、前記ガスの密度が前記空気の密度より高いとき、前記第1の画素又は前記第2の画素のうち、位置が高い方の画素を、前記ガス漏れ推定位置を示す画素と決定する第2の決定部をさらに備える請求項3〜7のいずれか一項に記載のガス漏れ位置推定装置。
【請求項10】
前記ガス領域像を構成する複数の画素の中で、画素値が一番大きい画素、又は、前記ガス領域像の重心を示す画素を注目画素として設定し、
前記第1の画素と前記第2の画素とを結ぶ線と交差して、前記輪郭上に位置する両端を有し、前記第1の画素と前記注目画素との間に位置する第1の線分が、前記第1の画素と前記第2の画素とを結ぶ線と交差して、前記輪郭上に位置する両端を有し、前記第2の画素と前記注目画素との間に位置する第2の線分より短いとき、前記第1の画素を、前記ガス漏れ推定位置を示す画素と決定し、前記第2の線分が前記第1の線分より短いとき、前記第2の画素を、前記ガス漏れ推定位置を示す画素と決定する第2の決定部をさらに備える請求項3〜7のいずれか一項に記載のガス漏れ位置推定装置。
【請求項11】
前記ガス領域像を構成する複数の画素の中で、画素値が一番大きい画素、又は、前記ガス領域像の重心を示す画素を注目画素として設定し、
前記第1の画素と前記第2の画素とを結ぶ線と交差して、前記注目画素を通る分割線によって、前記ガス領域像を前記第1の画素を含む第1の分割像と前記第2の画素を含む第2の分割像とに二分割し、
前記第1の分割像の面積が前記第2の分割像の面積より小さいとき、前記第1の画素を、前記ガス漏れ推定位置を示す画素と決定し、前記第2の分割像の面積が前記第1の分割像の面積より小さいとき、前記第2の画素を、前記ガス漏れ推定位置を示す画素と決定する第2の決定部をさらに備える請求項3〜7のいずれか一項に記載のガス漏れ位置推定装置。
【請求項12】
前記ガス領域像を構成する複数の画素の中で、画素値が一番大きい画素、又は、前記ガス領域像の重心を示す画素を注目画素として設定し、
前記第1の画素と前記第2の画素とを結ぶ線と交差して、前記注目画素を通る分割線によって、前記ガス領域像を前記第1の画素を含む第1の分割像と前記第2の画素を含む第2の分割像とに二分割し、
前記第1の分割像の輪郭が前記第2の分割像の輪郭より小さいとき、前記第1の画素を、前記ガス漏れ推定位置を示す画素と決定し、前記第2の分割像の輪郭が前記第1の分割像の輪郭より小さいとき、前記第2の画素を、前記ガス漏れ推定位置を示す画素と決定する第2の決定部をさらに備える請求項3〜7のいずれか一項に記載のガス漏れ位置推定装置。
【請求項13】
前記第2の決定部は、時系列に並ぶ複数の前記ガス領域像のそれぞれについて、前記ガス漏れ推定位置を示す画素を決定し、決定した複数の前記ガス漏れ推定位置を示す画素を、複数の第1のガス漏れ推定位置を示す画素として設定し、
複数の前記第1のガス漏れ推定位置を示す画素のそれぞれの座標値を母集団として設定し、
前記母集団の平均値又は中央値となる座標値を示す画素を、第2のガス漏れ推定位置を示す画素と決定する請求項8〜12のいずれか一項に記載のガス漏れ位置推定装置。
【請求項14】
前記第1の決定部は、時系列に並ぶ複数の前記ガス領域像のそれぞれについて、前記第1の画素及び前記第2の画素を決定し、
前記第2の決定部は、前記第1の決定部によって決定された複数の前記第1の画素及び複数の前記第2の画素の中から、前記特徴点が集中している範囲内にある画素のそれぞれの座標値を母集団として設定し、前記母集団の平均値又は中央値となる座標値を示す画素を、前記ガス漏れ推定位置を示す画素と決定する請求項8〜12のいずれか一項に記載のガス漏れ位置推定装置。
【請求項15】
前記ガス漏れ推定位置が示されている、前記監視領域の前記画像を表示部に表示させる表示制御部をさらに備える請求項1〜14のいずれか一項に記載のガス漏れ位置推定装置。
【請求項16】
監視領域を撮影した画像の中において、ガスが漂っている領域を示すガス領域像を特定する第1のステップと、
前記ガスが漏れている位置と推定されるガス漏れ推定位置を示す画素を、前記ガス領域像の輪郭を構成する複数の画素の中から決定する第2のステップと、を備えるガス漏れ位置推定方法。
【請求項17】
監視領域を撮影した画像の中において、ガスが漂っている領域を示すガス領域像を特定する第1のステップと、
前記ガスが漏れている位置と推定されるガス漏れ推定位置を示す画素を、前記ガス領域像の輪郭を構成する複数の画素の中から決定する第2のステップと、をコンピューターに実行させるガス漏れ位置推定プログラム。
【請求項18】
監視領域を撮影した画像の中において、ガスが漂っている領域を示すガス領域像を特定し、前記ガスが漏れている位置と推定されるガス漏れ推定位置を示す画素を、前記ガス領域像の輪郭を構成する複数の画素の中から決定する演算制御部と、
前記ガス漏れ推定位置を示されている、前記監視領域の前記画像を表示する表示部と、を備えるガス漏れ位置推定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視対象から漏れたガスを遠隔から検知する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ガス漏れが発生したとき、漏れたガスが漂っている箇所では、わずかな温度変化が生じる。この原理を利用してガスを検知する技術として、赤外線カメラを利用した遠隔からのガス検知が知られている。
【0003】
赤外画像を利用したガス検知として、例えば、特許文献1は、検査対象領域を撮影する赤外線カメラと、赤外線カメラにより撮影された赤外線画像を処理する画像処理部と、を有し、画像処理部は、時系列に並べられた複数の赤外線画像からガス漏れによる動的なゆらぎを抽出するゆらぎ抽出部を有するガス漏れ検出装置を開示している。
【0004】
プラント等において、ガス漏れが検知されたとき、作業員は、ガス漏れ位置に行き、ガス漏れを修復する必要がある。赤外画像を利用したガス検知では、漏れたガスが漂っている領域を示すガス領域像を含む画像が、表示部に表示される。作業員は、ガス領域像を手掛かりにして、ガス漏れ位置を探す。ガス領域像は面であり、ガス漏れ位置は点なので、ガス領域像からガス漏れ位置を特定することは容易でなく、時間を要する。特に、ガス領域像の面積が広い場合、ガス領域像からガス漏れ位置を特定することは困難である。従って、ガス領域像からガス漏れ位置を推定できる技術が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012−58093号公報
【発明の概要】
【0006】
本発明は、ガス領域像を基にして、ガス漏れ位置を推定できるガス漏れ位置推定装置、ガス漏れ位置推定方法及びガス漏れ位置推定プログラムを提供することを目的とする。
【0007】
上記目的を達成する本発明の第1の局面に係るガス漏れ位置推定装置は、特定部と、第1の決定部と、を備える。前記特定部は、監視領域を撮影した画像の中において、ガスが漂っている領域を示すガス領域像を特定する。前記第1の決定部は、前記ガスが漏れている位置と推定されるガス漏れ推定位置を示す画素を、前記ガス領域像の輪郭を構成する複数の画素の中から決定する。
【0008】
上記並びにその他の本発明の目的、特徴及び利点は、以下の詳細な記載と添付図面から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態に係るガス漏れ位置推定装置が適用されるガス漏れ位置推定システムのブロック図である。
図2】本実施形態に係るガス漏れ位置推定装置のプロセッサーが実行するプログラムの動作を説明するフローチャートである。
図3】赤外線カメラで撮影された動画を示す動画データを基にして、累積画像が生成されるまでに実行される画像処理で生成される画像図である。
図4】累積ガス領域像及び特徴点を示す画素の関係を示す画像図である。
図5】累積ガス領域像、特徴点を示す画素、及び、注目画素の関係を示す画像図である。
図6】二値化累積画像を示す画像図である。
図7】変形例1において、累積ガス領域像及び外接長方形の関係を示す画像図である。
図8】変形例1において、累積ガス領域像及び最小の面積を有する外接長方形の関係を示す画像図である。
図9】しきい値Aで抽出された画素で構成される像の輪郭を含む累積画像の画像図である。
図10】しきい値Bで抽出された画素で構成される像の輪郭を含む累積画像の画像図である。
図11】しきい値Cで抽出された画素で構成される像の輪郭を含む累積画像の画像図である。
図12】変形例2において、累積ガス領域像及び特徴点を示す画素の関係を示す画像図である。
図13】変形例3において、累積ガス領域像及び特徴点を示す画素の関係を示す画像図である。
図14】変形例4において、累積ガス領域像及び特徴点を示す画素の関係を示す画像図である。
図15】変形例5において、累積ガス領域像及び特徴点を示す画素の関係を示す画像図である。
図16】変形例6において、累積ガス領域像及び特徴点を示す画素の関係を示す画像図である。
図17】変形例7の動作を説明するフローチャートである。
図18】変形例7において、二値化画像と累積画像との関係を示す画像図である。
図19図18に示す1番目〜300番目のフレームを用いて生成された累積画像を示す画像図である。
図20】ガス漏れ推定位置を示す複数の画素の位置関係を説明する説明図である。
図21】変形例8の動作を説明するフローチャートである。
図22】変形例8において、二値化画像と累積画像との関係を示す画像図である。
図23】変形例8において、特徴点を示す画素の位置関係を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳細に説明する。各図において、同一符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その構成について、既に説明している内容については、その説明を省略する。
【0011】
図1は、本実施形態に係るガス漏れ位置推定装置3が適用されるガス漏れ位置推定システム1のブロック図である。ガス漏れ位置推定システム1は、赤外線カメラ2及びガス漏れ位置推定装置3を備える。
【0012】
赤外線カメラ2は、ガス漏れの監視対象W(例えば、ガス輸送管どうしが接続されている箇所)、及び、背景の赤外画像の動画を撮影し、動画を示す動画データD1を生成する。動画データD1は、赤外画像の画像データの一例である。動画に限らず、赤外線カメラ2によって、ガス漏れの監視対象W及び背景の赤外画像を複数の時刻で撮影してもよい。ガス漏れの監視対象Wは、ガス漏れの監視領域と言い換えることができる。よって、前記動画を構成するフレーム、及び、前記複数の時刻で撮影された赤外画像は、監視領域を示す画像と言うことができる。赤外線カメラ2は、光学系4、フィルター5、二次元イメージセンサー6及び信号処理部7を備える。
【0013】
光学系4は、被写体(監視対象W及び背景)の赤外画像を二次元イメージセンサー6上で結像させる。フィルター5は、光学系4と二次元イメージセンサー6との間に配置され、光学系4を通過した光のうち、特定波長の赤外線のみを通過させる。赤外の波長帯のうち、フィルター5を通過させる波長帯は、検知するガスの種類に依存する。例えばメタンの場合、3.2〜3.4μmの波長帯を通過させるフィルター5が用いられる。二次元イメージセンサー6は、例えば、冷却型インジウムアンチモン(InSb)イメージセンサーであり、フィルター5を通過した赤外線を受光する。信号処理部7は、二次元イメージセンサー6から出力されたアナログ信号を、デジタル信号に変換し、公知の画像処理をする。このデジタル信号が、動画データD1となる。赤外線カメラ2により生成された動画データD1は、インターフェース回路を介してガス漏れ位置推定装置3へ入力される。
【0014】
ガス漏れ位置推定装置3は、パーソナルコンピューター、スマートフォン、タブレット端末等であり、機能ブロックとして、演算制御部8、表示制御部9、表示部10及び入力部11を備える。演算制御部8及び表示制御部9は、プロセッサーにより実現される。詳しくは、ガス漏れ位置推定装置3は、プロセッサーとしてのCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、および、HDD(Hard Disk Drive)を有し、ROMおよびHDDに格納されたプログラムを、RAMを使ってプロセッサーが実行することにより、演算制御部8及び表示制御部9は実現される。表示部10は、例えば、液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネセンスディスプレイなど、各種ディスプレイにより実現される。入力部11は、キーボードやタッチパネル等により実現される。
【0015】
演算制御部8は、ガス漏れ位置推定装置3の動作に関する各種の演算及び制御をする。演算には、ガス漏れ推定位置を求めるための画像処理、及び、この処理の前提となるガス漏れを検知するための画像処理が含まれる。
【0016】
表示制御部9は、所定の画像を表示部10に表示させる。所定の画像とは、例えば、動画データD1で示される動画や、ガス漏れ推定位置が示された、監視対象W(言い換えれば、監視領域)の赤外画像である。
【0017】
入力部11は、ガス漏れ位置推定装置3の操作に必要な各種入力がされる。
【0018】
本実施形態に係るガス漏れ位置推定装置3の動作を説明する。ガス漏れ位置推定装置3の動作には、ガス領域像を抽出する処理が含まれる。ガス領域像とは、監視対象Wの赤外画像に含まれ、監視対象Wから漏れたガスが漂っている領域を示す像である。演算制御部8は、ガス領域像を抽出できたとき、ガス漏れが発生していると判定する。
【0019】
ガス領域像を抽出するための画像処理として、温度閾値法、動体検出法がある。温度閾値法は、監視対象Wの場所の気温よりも、漏れているガスの温度が高い場合又は低い場合に適用することができる。温度閾値法は、画素の画素値で示される温度と気温とを用いて所定の演算をし、その画素に対応する箇所にガスが存在するか否かを判定する。温度閾値法は、フレーム(赤外画像)を構成する全ての画素について、その判定をし、ガスが存在する箇所に対応する画素の集まりを、ガス領域像とする。
【0020】
動体検出法は、フレームに含まれる動体領域を示す像を検出し、この像をガス領域像とする。すなわち、動体検出法は、注目するフレームと基準となるフレームとにおいて、同じ位置にある画素の画素値の差分が、所定の閾値より大きい画素を、動体領域を示す像を構成する画素とする。これらの画素の集まり(つまり、動体領域を示す像)が、ガス領域像となる。基準となるフレームは、注目するフレームの直前のフレーム、注目するフレームより所定数前のフレーム、過去に撮影された、ガスが漏れていない状態の監視対象Wの赤外画像である。
【0021】
図2は、ガス漏れ位置推定装置3のプロセッサーが実行するプログラムの動作を説明するフローチャートである。図1及び図2を参照して、操作者が、入力部11を操作して、ガス検知を開始する命令を入力したとき、ガス漏れ位置推定装置3は、赤外線カメラ2から送られてきた動画データD1を受信する。演算制御部8は、動画データD1を、連続する複数のフレームとして選択する(ステップS1)。ここでは、300枚のフレームを例にして説明する。
【0022】
図3は、赤外線カメラ2で撮影された動画を示す動画データD1を基にして、累積画像Im3が生成されるまでに実行される画像処理で生成される画像図である。300枚(1番目〜300番目のフレーム)の赤外画像Im1が、ステップS1で選択された300枚のフレームである。300枚のフレームとは、動画データD1で示される動画のフレームレートが、例えば、30fpsとするとき、10秒間の動画である。
【0023】
300枚の赤外画像Im1のそれぞれには、瞬時ガス領域像P1が含まれる。瞬時ガス領域像P1は、フレームが撮影された時刻で、そのフレームに映る監視対象Wから漏れたガスが漂っている領域を示すガス領域像である。例えば、1番目のフレームの瞬時ガス領域像P1とは、1番目のフレームが撮影された時刻で、監視対象Wから漏れたガスが漂っている領域を示すガス領域像であり、150番目のフレームの瞬時ガス領域像P1とは、150番目のフレームが撮影された時刻で、監視対象Wから漏れたガスが漂っている領域を示すガス領域像であり、300番目のフレームの瞬時ガス領域像P1とは、300番目のフレームが撮影された時刻で、監視対象Wから漏れたガスが漂っている領域を示すガス領域像である。
【0024】
瞬時ガス領域像P1は、演算制御部8によって抽出される。すなわち、演算制御部8は、第1の抽出部として機能し、動画データD1を構成するフレーム(時系列に並ぶ複数の画像)のそれぞれから、各フレームが撮影された時点でガスが漂っている領域を示す瞬時ガス領域像P1を抽出する処理をする。
【0025】
演算制御部8は、瞬時ガス領域像P1を含む300枚の赤外画像Im1のそれぞれに対して、瞬時ガス領域像P1を構成する画素を「1」、これ以外の画素を「0」とする二値化処理をして、300枚の二値化画像Im2を生成する(ステップS2)。「1」で示される画素の集まりが、二値化処理後の瞬時ガス領域像P2となる。
【0026】
演算制御部8は、300枚の二値化画像Im2を累積する処理をして、累積画像Im3を生成する(ステップS3)。詳しく説明すると、300枚の二値化画像Im2において、同じ位置の画素の画素値を加算する処理をする。二値化画像Im2を構成する画素の画素値は、二値、すなわち、1又は0なので、累積画像Im3を構成する画素の画素値となりうる最大の値は、300となる。
【0027】
累積画像Im3には、累積ガス領域像P3が含まれる。累積ガス領域像P3は、累積画像Im3の生成によって、生成されたガス領域像であり、300枚の瞬時ガス領域像P2において、同じ位置の画素の画素値を加算する処理をして、300枚の瞬時ガス領域像P2を累積した像である。このように、演算制御部8は、累積ガス領域像P3を生成する生成部として機能する。すなわち、生成部は、複数の画像(300枚のフレーム)のそれぞれから抽出された複数の瞬時ガス領域像P2において、同じ位置の画素の画素値を加算する処理をして、複数の瞬時ガス領域像P2を累積した像である累積ガス領域像P3を生成する。
【0028】
演算制御部8は、300枚の二値化画像Im2を生成せずに、300枚の赤外画像Im1を累積する処理をして、累積画像(不図示)を生成してもよい。赤外画像Im1を構成する画素の画素値は、二値でなく、多値なので、この累積画像を構成する画素の画素値となりうる最大の値は、300より大きくなる。
【0029】
図4は、累積ガス領域像P3及び特徴点を示す画素の関係を示す画像図である。図4に示す累積画像Im3は、図3に示す累積画像Im3の累積ガス領域像P3及びその周辺を拡大した画像である。演算制御部8は、特定部として機能する。図4を参照して、演算制御部8は、累積画像Im3を二値化処理して、図6に示す二値化累積画像Im4を生成し、二値化累積画像Im4に含まれる二値化処理後の累積ガス領域像P4を特定する(ステップS4)。二値化のしきい値は、例えば、累積画像Im3の生成に用いられたフレーム数の20%である。フレーム数が300の場合、しきい値は、60となる。演算制御部8は、累積画像Im3を構成する全画素のそれぞれの画素値を、しきい値と比較し、しきい値より大きい画素値を「1」、しきい値以下の画素値を「0」とする。これにより、二値化累積画像Im4が生成される。「1」を示す画素の集まりが、二値化処理後の累積ガス領域像P4となる。このように、演算制御部8(特定部)は、フレーム(監視領域を撮影した画像)の中において、二値化処理後の累積ガス領域像P4(ガス領域像)を特定する。
【0030】
以降、図4を用いて説明するが、累積画像Im3は、二値化累積画像Im4を意味し、累積ガス領域像P3は、二値化処理後の累積ガス領域像P4を意味する。図5図7図16図18図19図22を用いた説明においても、累積画像Im3は、二値化累積画像Im4を意味し、累積ガス領域像P3は、二値化処理後の累積ガス領域像P4を意味する。
【0031】
演算制御部8は、累積画像Im3に含まれる累積ガス領域像P3を、ガス領域像として、累積ガス領域像P3を特定している。しかしながら、演算制御部8は、累積画像Im3を生成せずに、瞬時ガス領域像P1が抽出された一枚の赤外画像Im1を選択して、この赤外画像Im1を二値化処理して生成された、瞬時ガス領域像P1が二値化された像を、ガス領域像として特定する態様でもよい。
【0032】
演算制御部8は、累積ガス領域像P3の特徴点を示す画素を決定する(ステップS5)。これを、図4を用いて詳しく説明する。累積ガス領域像P3は、複数の画素で構成されている。演算制御部8は、第1の算出部として機能し、累積ガス領域像P3を構成する複数の画素(全画素)のそれぞれの位置の関係を示す回帰直線L1を算出する。回帰直線L1は、最小二乗法を用いて算出される。すなわち、累積ガス領域像P3を構成する画素の数がNとし、N個の画素のそれぞれの位置の座標値(xi,yi)とする(i=1,・・・,N)。演算制御部8は、座標値(xi,yi)を、一次関数y=ax+bに代入し、傾きa及び切片bを算出する。算出された傾きa及び切片bを有する一次関数が、回帰直線L1(回帰線の一例)となる。回帰直線L1の替わりに、二次以上の高次の回帰曲線(回帰線の他の例)でもよい。
【0033】
演算制御部8は、回帰直線L1を累積ガス領域像P3に重ねる処理をし、回帰直線L1を構成する画素において、累積ガス領域像P3を構成する画素から累積ガス領域像P3を構成しない画素に切り替わる画素(つまり、累積ガス領域像P3の輪郭30と回帰直線L1とが交差する二点)を求める。二点の一方を示す画素が第1の画素31、二点の他方を示す画素が第2の画素32となる。第1の画素31及び第2の画素32のそれぞれが、特徴点を示す画素となる。なお、第1の画素31又は第2の画素32の一方を特徴点としてもよい。
【0034】
以上説明したように、演算制御部8は、第1の決定部として機能する。すなわち、演算制御部8(第1の決定部)は、累積ガス領域像P3(ガス領域像)の特徴点を示す画素を、累積ガス領域像P3の輪郭30を構成する複数の画素の中から決定し、特徴点の中からガス漏れ推定位置を示す画素を決定する。実施形態では、特徴点を示す画素の中からガス漏れ推定位置を示す画素を決定しているが、特徴点を示す画素に限定されない。すなわち、演算制御部8(第1の決定部)は、ガス漏れ推定位置を示す画素を、累積ガス領域像P3(ガス領域像)の輪郭30を構成する複数の画素の中から決定してもよい。
【0035】
演算制御部8は、ガス漏れ推定位置を示す画素を決定する(ステップS6)。詳しく説明すると、演算制御部8は、注目画素33を求める。累積ガス領域像P3(ガス領域像)に対応する領域に、漏れたガスが漂っている。この領域の中で、ガスの濃度が高い箇所があり、この箇所に対応する画素が、注目画素33となる。注目画素33は、例えば、累積ガス領域像P3を構成する複数の画素(全画素)の中で、画素値が一番大きい画素、又は、累積ガス領域像P3の重心を示す画素である。ガスの濃度厚み積とは、ガスの濃度を、ガスが漂っている空間の奥行き方向に沿って積分した値である。画素値が一番大きいとは、ガスの出現頻度が一番多いことを意味する。重心は、公知の方法で求めることができる。
【0036】
演算制御部8は、第2の決定部として機能し、第1の画素31又は第2の画素32の一方を、ガス漏れ推定位置を示す画素として決定する。図5は、累積ガス領域像P3、特徴点を示す画素(第1の画素31、第2の画素32)、及び、注目画素33の関係を示す画像図である。演算制御部8は、第1の画素31と注目画素33との距離d1が、第2の画素32と注目画素33との距離d2より短いとき、第1の画素31を、ガス漏れ推定位置を示す画素と決定し、第2の画素32と注目画素33との距離d2が、第1の画素31と注目画素33との距離d1より短いとき、第2の画素32を、ガス漏れ推定位置を示す画素と決定する。
【0037】
監視対象Wから漏れたガスが漂っている領域のうち、注目画素33に対応する箇所は、ガスの濃度が高いので、演算制御部8は、第1の画素31又は第2の画素32のうち、注目画素33に近い方の画素を、ガス漏れ推定位置を示す画素とするのである。図5では、距離d2が距離d1より短いので、第2の画素32がガス漏れ推定位置とされる。
【0038】
表示制御部9は、ステップS6で決定されたガス漏れ推定位置を示す画素を、ガス漏れ推定位置として可視化し、ガス漏れ推定位置が示された、監視対象Wの赤外画像(不図示)を表示部10に表示させる。
【0039】
本実施形態の主な効果を説明する。ガス領域像は、監視対象W(図1)から漏れたガスが漂っている領域を示す像なので、ガス領域像にガス漏れ位置が含まれることになる。本発明者は、監視対象Wから漏れているガスは、風等によってゆらいでいるので、ガス漏れ位置が、ガス領域像の輪郭又はその近傍に存在する可能性が高いことを見出した。このことから、本発明者は、ガス領域像の輪郭上のいずれかの箇所を、ガス漏れ推定位置とすることが妥当であると考えた。
【0040】
そこで、図5を参照して、本実施形態に係るガス漏れ位置推定装置3は、累積ガス領域像P3をガス領域像とし、ガス漏れ推定位置を示す画素の決定に用いる、累積ガス領域像P3の特徴点を示す画素(第1の画素31、第2の画素32)を、累積ガス領域像P3の輪郭30を構成する複数の画素の中から決定する。よって、本実施形態に係るガス漏れ位置推定装置3によれば、累積ガス領域像P3(ガス領域像)を用いてガス漏れ位置を推定することができる。
【0041】
また、図4を参照して、回帰直線L1は、累積ガス領域像P3(ガス領域像)を構成する複数の画素のそれぞれの位置を直線近似している。本実施形態に係るガス漏れ位置推定装置3は、回帰直線L1と累積ガス領域像P3の輪郭30とが交差する二点を示す画素(第1の画素31、第2の画素32)を、累積ガス領域像P3の特徴点を示す画素とすることにより、累積ガス領域像P3の輪郭30を構成する複数の画素の中から特徴点となる画素の数を絞り込む。
【0042】
本実施形態の変形例を説明する。変形例1は、図2に示すステップS5の処理が、本実施形態と異なる。本実施形態では、図4に示す回帰直線L1を用いて、特徴点を示す画素(第1の画素31、第2の画素32)を求めているが、変形例1では、累積ガス領域像P3と外接する長方形(外接長方形)を利用して、特徴点を示す画素を求める。
【0043】
図7は、変形例1において、累積ガス領域像P3及び外接長方形Rの関係を示す画像図であり、図4と対応する。外接長方形Rは、累積ガス領域像P3(ガス領域像)と接する四辺を有し、累積ガス領域像P3を囲む長方形である。別の言い方をすれば、外接長方形Rは、累積ガス領域像P3の輪郭30と接する四辺を有し、輪郭30を囲む長方形である。累積ガス領域像P3と外接長方形Rの四辺とは、接点40,41,42,43で接している。
【0044】
演算制御部8は、設定部として機能し、外接長方形Rを設定する。演算制御部8は、第1の決定部として機能する。すなわち、演算制御部8(第1の決定部)は、外接長方形Rの二つの短辺と累積ガス領域像P3とが接する二点(接点40,42)に位置する第1の画素31及び第2の画素32を、特徴点を示す画素として決定する。なお、第1の画素31又は第2の画素32の一方を特徴点としてもよい。
【0045】
外接長方形Rは、累積ガス領域像P3(ガス領域像)を近似した長方形である。監視対象Wから漏れたガスは、風向きが一定の間、全方向に均等に広がるのでなく、一方向に沿って広がる傾向を有する。このため、ガス漏れ位置は、外接長方形Rの二つの短辺のうち、一方の短辺側に存在する可能性が高い。変形例1は、外接長方形Rの二つの短辺と累積ガス領域像P3とが接する二点を示す画素(第1の画素31、第2の画素32)を、累積ガス領域像P3の特徴点を示す画素とすることにより、累積ガス領域像P3の輪郭30を構成する複数の画素の中から、累積ガス領域像P3の特徴点となる画素の数を絞り込む。
【0046】
外接長方形Rは、複数存在する。外接長方形Rのうち、累積ガス領域像P3(ガス領域像)に最も近似した外接長方形Rが、外接長方形Rとして設定されることが好ましいと考えられる。最小の面積を有する外接長方形Rは、累積ガス領域像P3(ガス領域像)に最も近似した外接長方形である。演算制御部8は、最小の面積を有する外接長方形Rを、外接長方形Rとして設定する。
【0047】
図8は、変形例1において、累積ガス領域像P3及び最小の面積を有する外接長方形Rの関係を示す画像図であり、図4と対応する。演算制御部8は、累積ガス領域P3を囲む基準長方形(不図示)を設定する。演算制御部8は、基準長方形の長辺及び短辺の長さを調節して、外接長方形Rを求め、その面積を算出する。演算制御部8は、基準長方形をその中心点(不図示)を中心にして、少しずつ回転(例えば、1度ずつ回転)させて、同じ処理(外接長方形Rを求め、その面積を算出する処理)をする。演算制御部8は、基準長方形を180度回転させるまで、その処理を繰り返す。演算制御部8は、求めた外接長方形Rのうち、最小の面積を有する外接長方形Rを、外接長方形Rとして設定する。
【0048】
変形例2を説明する。変形例2は、図2に示すステップS5の処理が、本実施形態と異なる。本実施形態は、図4に示すように、累積ガス領域像P3を構成する複数の画素のそれぞれの位置の関係を示す回帰直線L1を用いて、特徴点を示す画素(第1の画素31、第2の画素32)を求めている。これに対して、変形例2は、二以上の重心のそれぞれの位置の関係を示す回帰直線L2(図12)を用いて、特徴点を示す画素(第1の画素31、第2の画素32)を求める。
【0049】
演算制御部8は、第2の抽出部として機能する。演算制御部8(第2の抽出部)は、図3に示す累積画像Im3を構成する複数の画素(全画素)から、所定のしきい値を基にして、画素を抽出する抽出処理をする。演算制御部8は、異なる値の二以上のしきい値のそれぞれを基にして、抽出処理をする。ここでは、しきい値A、しきい値B、しきい値Cの三つとする(しきい値A>しきい値B>しきい値C)。しきい値は、例えば、累積画像Im3の生成に用いられたフレーム数の70%、40%、10%である。フレーム数が300の場合、しきい値Aは210、しきい値Bは120、しきい値Cは30となる。図9は、しきい値Aで抽出された画素で構成される像の輪郭50を含む累積画像Im3の画像図である。図10は、しきい値Bで抽出された画素で構成される像の輪郭52を含む累積画像Im3の画像図である。図11は、しきい値Cで抽出された画素で構成される像の輪郭54を含む累積画像Im3の画像図である。
【0050】
演算制御部8は、第1の算出部として機能する。演算制御部8(第1の算出部)は、しきい値で抽出された画素で構成される像の重心を算出する算出処理をする。演算制御部8(第1の算出部)は、異なる値の二以上のしきい値のそれぞれに対応する像に対して、算出処理をすることにより、二以上の重心を算出する。具体的に説明すると、図9を参照して、演算制御部8は、累積画像Im3を構成する複数の画素(全画素)のうち、しきい値Aより大きい画素を抽出する。演算制御部8は、抽出された画素で構成される像の重心51を求める。
【0051】
図10を参照して、演算制御部8は、累積画像Im3を構成する複数の画素(全画素)のうち、しきい値Bより大きい画素を抽出する。演算制御部8は、抽出された画素で構成される像の重心53を求める。
【0052】
図11を参照して、演算制御部8は、累積画像Im3を構成する複数の画素(全画素)のうち、しきい値Cより大きい画素を抽出する。演算制御部8は、抽出された画素で構成される像の重心55を求める。
【0053】
演算制御部8は、重心51,53,55を利用して、特徴点を示す画素を決定する。詳しく説明すると、図12は、変形例2において、累積ガス領域像P3及び特徴点を示す画素(第1の画素31、第2の画素32)の関係を示す画像図である。演算制御部8は、第2の算出部として機能し、三つの重心51,53,55のそれぞれの位置の関係を示す回帰直線L2を算出する。回帰直線L2は、最小二乗法を用いて算出される。すなわち、演算制御部8は、三つの重心51,53,55のそれぞれの座標値(xi,yi)を、一次関数y=ax+bに代入し、傾きa及び切片bを算出する。算出された傾きa及び切片bを有する一次関数が、回帰直線L2となる。
【0054】
演算制御部8は、第1の決定部として機能する。演算制御部8(第1の決定部)は、回帰直線L2を累積ガス領域像P3に重ねる処理をし、累積ガス領域像P3の輪郭30と回帰直線L2とが交差する二点を求める。二点の一方を示す画素が第1の画素31、二点の他方を示す画素が第2の画素32となる。第1の画素31及び第2の画素32のそれぞれが、特徴点を示す画素となる。
【0055】
演算制御部8は、本実施形態に係る演算制御部8と同様にして、ガス漏れ推定位置を決定する(図2のステップS6)。この決定に用いられる注目画素33(図5)は、重心51を示す画素を用いてもよい。重心51を示す画素、重心53を示す画素、重心55を示す画素の中で、画素値が最も大きいのは、重心51を示す画素である。注目画素33は、ガスの出現頻度が高い箇所に対応する画素なので、重心51を示す画素が、注目画素33となるのである。
【0056】
変形例2は、回帰直線L2と累積ガス領域像P3(ガス領域像)の輪郭30とが交差する二点を示す画素(第1の画素31、第2の画素32)を、累積ガス領域像P3の特徴点を示す画素とすることにより、累積ガス領域像P3の輪郭30を構成する複数の画素の中から、累積ガス領域像P3の特徴点となる画素の数を絞り込む。図4で説明したように、累積ガス領域像P3を基にして算出された回帰直線L1(すなわち、累積ガス領域像P3(ガス領域像)を構成する複数の画素のそれぞれの位置の関係を示す回帰直線L1)があるが、変形例2では、累積画像Im3を基にして回帰直線L2を算出する。
【0057】
変形例3を説明する。変形例3は、ステップS6の処理が、本実施形態と異なる。本実施形態では、図5に示すように、第1の画素31又は第2の画素32のうち、注目画素33に近い方の画素を、ガス漏れ推定位置を示す画素と決定する。これに対して、変形例3では、ガスの密度を基にして、第1の画素31又は第2の画素32のうち、一方の画素をガス漏れ推定位置を示す画素と決定する。
【0058】
図13は、変形例3において、累積ガス領域像P3及び特徴点を示す画素(第1の画素31、第2の画素32)の関係を示す画像図であり、図5と対応する。第1の画素31又は第2の画素32が、ガス漏れ推定位置を示す画素となる。ガスの密度が空気の密度より低いとき(例えば、メタンガス)、監視対象W(図1)から漏れたガスは、下から上を向かう。これに対して、ガスの密度が空気の密度より高いとき(例えば、フロンガス)、監視対象W(図1)から漏れたガスは、上から下に向かう。
【0059】
演算制御部8は、第2の決定部として機能する。演算制御部8(第2の決定部)は、ガスの密度が空気の密度より低いとき、第1の画素31又は第2の画素32のうち、位置が低い方の画素を、ガス漏れ推定位置を示す画素と決定し、ガスの密度が空気の密度より高いとき、第1の画素31又は第2の画素32のうち、位置が高い方の画素を、ガス漏れ推定位置を示す画素と決定する。
【0060】
図13において、第1の画素31の位置が、第2の画素32の位置より高い。演算制御部8は、ガスの密度が空気の密度より低いとき、第2の画素32を、ガス漏れ推定位置を示す画素と決定し、ガスの密度が空気の密度より高いとき、第1の画素31を、ガス漏れ推定位置を示す画素と決定する。
【0061】
変形例4〜変形例6を説明する。これらの変形例は、図2に示すステップS6の処理が、本実施形態と異なる。漏れたガスは、広がるように漂う。これを基にして、変形例4〜変形例6は、第1の画素31又は第2の画素32のうち、一方の画素をガス漏れ推定位置を示す画素と決定する。
【0062】
変形例4は、漏れたガスの広がりについて、二つの線分で判断する。図14は、変形例4において、累積ガス領域像P3及び特徴点を示す画素(第1の画素31、第2の画素32)の関係を示す画像図であり、図5と対応する。
【0063】
第1の線分L3は、第1の画素31と第2の画素32とを結ぶ線(不図示)と交差して、輪郭30上に位置する両端を有する二つの線分の一方である。第1の線分L3は、第1の画素31と注目画素33との間に位置する。第2の線分L4は、上記線(不図示)と交差して、輪郭30上に位置する両端を有する二つの線分の他方である。第2の線分L4は、第2の画素32と注目画素33との間に位置する。第1の線分L3と第2の線分L4とは、平行である。第1の線分L3及び第2の線分L4は、注目画素33の近傍を通る。例えば、第1の線分L3及び第2の線分L4は、注目画素33から2画素離れた位置を通る。
【0064】
累積ガス領域像P3(ガス領域像)は、x方向に比べてy方向が短い。第1の線分L3及び第2の線分L4の方向は、y方向である。なお、第1の線分L3及び第2の線分L4の方向が、外接長方形R(図7図8)の短辺の方向でもよい。
【0065】
監視対象W(図1)から漏れたガスは、広がるように漂う。演算制御部8は、第2の決定部として機能する。演算制御部8(第2の決定部)は、第1の線分L3が第2の線分L4より短いとき、第1の線分L3側から第2の線分L4側に向かってガスが広がっていると見なし、第1の線分L3側に位置する第1の画素31を、ガス漏れ推定位置を示す画素と決定し、第2の線分L4が第1の線分L3より短いとき、第2の線分L4側から第1の線分L3側に向かってガスが広がっていると見なし、第2の線分L4側に位置する第2の画素32を、ガス漏れ推定位置を示す画素と決定する。図14では、第2の線分L4が、第1の線分L3より短いので、第2の画素32がガス漏れ推定位置を示す画素とされる。
【0066】
変形例5は、漏れたガスの広がりについて、二つの分割像の面積で判断する。図15は、変形例5において、累積ガス領域像P3及び特徴点を示す画素(第1の画素31、第2の画素32)の関係を示す画像図であり、図5と対応する。
【0067】
分割線L5は、第1の画素31と第2の画素32とを結ぶ線(不図示)と交差して、注目画素33を通る。累積ガス領域像P3(ガス領域像)は、x方向に比べてy方向が短い。分割線L5の方向は、y方向である。なお、分割線L5の方向が、外接長方形R(図7図8)の短辺の方向でもよい。第1の分割像P5は、分割線L5によって、累積ガス領域像P3(ガス領域像)を二分割して形成された二つの分割像の一方であり、第1の画素31を含む。第2の分割像P6は、分割線L5によって、累積ガス領域像P3(ガス領域像)を二分割して形成された二つの分割像の他方であり、第2の画素32を含む。
【0068】
監視対象W(図1)から漏れたガスは、広がるように漂う。演算制御部8は、第2の決定部として機能する。演算制御部8(第2の決定部)は、第1の分割像P5の面積が第2の分割像P6の面積より小さいとき、第1の分割像P5側から第2の分割像P6側に向かってガスが広がっていると見なし、第1の分割像P5に含まれる第1の画素31を、ガス漏れ推定位置を示す画素と決定し、第2の分割像P6の面積が第1の分割像P5の面積より小さいとき、第2の分割像P6側から第1の分割像P5側に向かってガスが広がっていると見なし、第2の分割像P6に含まれる第2の画素32を、ガス漏れ推定位置を示す画素と決定する。図15では、第2の分割像P6の面積が第1の分割像P5の面積より小さいので、第2の画素32がガス漏れ推定位置を示す画素とされる。
【0069】
変形例6は、監視対象W(図1)から漏れたガスの広がりについて、二つの分割像の輪郭の長さで判断する。図16は、変形例6において、累積ガス領域像P3及び特徴点を示す画素(第1の画素31、第2の画素32)の関係を示す画像図であり、図5と対応する。図16図15と相違する点は、累積ガス領域像P3の輪郭30が図示されておらず、第1の分割像P5の輪郭60及び第2の分割像P6の輪郭61が図示されていることである。累積ガス領域像P3の輪郭30(図15)は、第1の分割像P5の輪郭60と第2の分割像P6の輪郭61と重なるからである。
【0070】
監視対象W(図1)から漏れたガスは、広がるように漂う。演算制御部8は、第2の決定部として機能する。演算制御部8(第2の決定部)は、第1の分割像P5の輪郭60が第2の分割像P6の輪郭61より小さいとき、第1の分割像P5側から第2の分割像P6側に向かってガスが広がっていると見なし、第1の分割像P5の輪郭60に含まれる第1の画素31を、ガス漏れ推定位置を示す画素と決定し、第2の分割像P6の輪郭61が第1の分割像P5の輪郭60より小さいとき、第2の分割像P6側から第1の分割像P5側に向かってガスが広がっていると見なし、第2の分割像P6の輪郭61に含まれる第2の画素32を、ガス漏れ推定位置を示す画素と決定する。図16では、第2の分割像P6の輪郭61が第1の分割像P5の輪郭60より小さいので、第2の画素32がガス漏れ推定位置を示す画素とされる。
【0071】
変形例7を説明する。図5を参照して、本実施形態及び変形例1〜変形例6では、ガス漏れ推定位置を示す画素が、累積ガス領域像P3(ガス領域像)の輪郭30を構成する複数の画素の中にあることを前提とし、輪郭30を構成する複数の画素のうち、特徴点を示す画素(第1の画素31、第2の画素32)を決定し、第1の画素31又は第2の画素32を、ガス漏れ推定位置を示す画素と決定する。
【0072】
累積ガス領域像P3は、累積画像Im3に含まれる。図3に示すように、累積画像Im3は、時系列に並ぶ複数のフレーム、すなわち、所定期間のフレーム群を用いて生成される。所定期間中に、風向きが変わると、ガス漏れ推定位置を示す画素が、累積ガス領域像P3(ガス領域像)の輪郭30を構成する複数の画素の中に含まれない可能性がある。この結果、ガス漏れ推定位置がガス漏れ位置と離れてしまうことが発生する。
【0073】
そこで、変形例7は、風向きの変化を考慮して、ガス漏れ推定位置を示す画素を決定する。変形例7の動作について、図17及び図18を用いて説明する。図17は、変形例7の動作を説明するフローチャートである。図18は、変形例7において、二値化画像Im2と累積画像Im3との関係を示す画像図である。
【0074】
ステップS1は、図2に示すステップS1と同じであり、説明を省略する。本実施形態及び変形例1〜6の場合、ステップS1において、演算制御部8は、300枚のフレームを選択したが、変形例7の場合、演算制御部8は、300枚のフレームを3つに等分割し、まず、1番目から100番目のフレームを選択する(ステップS1)。これについて、図18を用いて詳しく説明する。
【0075】
本実施形態及び変形例1〜6は、所定期間を10秒間として、10秒間のフレーム群を用いて、累積画像Im3を生成した。変形例7は、その所定期間を複数に分割し、複数の分割期間のそれぞれにおいて、分割期間のフレーム群を用いて、累積画像Im3を生成する。フレームレートが30fpsのとき、10秒間のフレーム群は、300枚のフレームによって構成される。10秒間が、例えば、三つに等分割される場合、300枚のフレームは、1番目〜100番目のフレーム(100枚のフレーム)、101番目〜200番目のフレーム(100枚のフレーム)、201番目〜300番目のフレーム(100枚のフレーム)に分けられる。
【0076】
演算制御部8は、ステップS1で選択した1番目〜100番目のフレームを用いて、ステップS2〜ステップS6を実行して、ガス漏れ推定位置を示す画素70を決定する。ステップS2〜ステップS6は、図2に示すステップS2〜ステップS6と同じであり、説明を省略する。ガス漏れ推定位置を示す画素70は、第1の画素31又は第2の画素(不図示)から選択されるが、ここでは、第1の画素31が選択されたとする。
【0077】
演算制御部8は、ステップS1で選択された複数のフレームが最後か否かを判断する(ステップS7)。最後の複数のフレームとは、201番目〜300番目のフレームである。ステップS1では、1番目〜100番目のフレームが選択されている。演算制御部8は、ステップS1で選択された複数のフレームが最後でないと判断し(ステップS7でNo)、演算制御部8は、ステップS1に戻り、101番目〜200番目のフレームを選択する。
【0078】
演算制御部8は、ステップS1で選択した101番目〜200番目のフレームを用いて、ステップS2〜ステップS6を実行して、ガス漏れ推定位置を示す画素71を決定する。ガス漏れ推定位置を示す画素71は、第1の画素31又は第2の画素(不図示)から選択されるが、ここでは、第1の画素31が選択されたとする。
【0079】
演算制御部8は、ステップS1で選択された複数のフレームが最後か否かを判断する(ステップS7)。ステップS1では、101番目〜200番目のフレームが選択されている。演算制御部8は、ステップS1で選択された複数のフレームが最後でないと判断し(ステップS7でNo)、演算制御部8は、ステップS1に戻り、201番目〜300番目のフレームを選択する。
【0080】
演算制御部8は、ステップS1で選択した201番目〜300番目のフレームを用いて、ステップS2〜ステップS6を実行して、ガス漏れ推定位置を示す画素72を決定する。ガス漏れ推定位置を示す画素72は、第1の画素(不図示)又は第2の画素32から選択されるが、ここでは、第2の画素32が選択されたとする。
【0081】
10秒間において、風向きが変化しているので、1番目〜100番目のフレームを用いて生成された累積画像Im3、101番目〜200番目のフレームを用いて生成された累積画像Im3、及び、201番目〜300番目のフレームを用いて生成された累積画像Im3において、累積ガス領域像P3の形状及び位置が互いに異なる。
【0082】
演算制御部8は、ステップS1で選択された複数のフレームが最後と判断し(ステップS7でYes)、ステップS8を実行する。これについて、詳しく説明する。図19は、図18に示す1番目〜300番目のフレームを用いて生成された累積画像Im3を示す画像図である。図19には、この累積画像Im3を用いて決定されたガス漏れ推定位置を示す画素73が示されている。図20は、ガス漏れ推定位置を示す画素70,71,72,73の位置関係を説明する説明図である。ガス漏れ推定位置を示す画素70,71,72は、互い近くにある。これらの画素の決定に用いられた累積画像Im3は、比較的少ない数(100)のフレームを用いて生成、すなわち、比較的短い期間(約3.3秒)のフレーム群を用いて生成されるので、風向きの変化の影響が小さいからである。
【0083】
これに対して、ガス漏れ推定位置を示す画素73は、ガス漏れ推定位置を示す画素70,71,72と離れている。この画素の決定に用いられた累積画像Im3は、比較的多い数(300)のフレームを用いて生成、すなわち、比較的長い期間(10秒)のフレーム群を用いて生成されるので、風向きの変化の影響が大きいからである。
【0084】
従って、画素73で示されるガス漏れ推定位置は、ガス漏れ位置と離れており、画素70,71,72で示されるガス漏れ推定位置は、ガス漏れ位置に近いと考えるのが妥当である。そこで、変形例7は、ガス漏れ推定位置を示す画素70,71,72を基にして、風向きの変化が考慮されたガス漏れ推定位置を示す画素74を決定する(ステップS8)。
【0085】
詳しく説明すると、演算制御部8は、第2の決定部として機能する。演算制御部8(第2の決定部)は、図18に示す三つの累積ガス領域像P3(時系列に並ぶ複数のガス領域像)のそれぞれについて、ガス漏れ推定位置を示す画素(画素70、画素71、画素72)を決定する(ステップS6)。演算制御部8は、ステップS6で決定した複数のガス漏れ推定位置を示す画素(画素70、画素71、画素72)を、複数の第1のガス漏れ推定位置を示す画素として設定し、複数の第1のガス漏れ推定位置を示す画素のそれぞれの座標値を母集団として設定し、母集団の平均値又は中央値となる座標値を示す画素を、第2のガス漏れ推定位置を示す画素と決定する。第2のガス漏れ推定位置を示す画素が、風向きの変化が考慮されたガス漏れ推定位置を示す画素74となる。
【0086】
以上説明したように、第2のガス漏れ推定位置を示す画素74は、複数の第1のガス漏れ推定位置70,71,72を示す画素を基にして決定される。複数の第1のガス漏れ推定位置を示す画素70,71,72は、時系列に並ぶ複数の累積ガス領域像P3(ガス領域像)のそれぞれから求めたガス漏れ推定位置を示す画素である。このため、第2のガス漏れ推定位置は、風向きの変化の影響が少ないガス漏れ推定位置となる。すなわち、第2のガス漏れ推定位置は、風向きが変化しても、ガス漏れ位置から離れていないガス漏れ推定位置となる。従って、変形例7によれば、風向きが変化しても、ガス漏れ推定位置の精度が低下することを防止できる。
【0087】
母集団の平均値となる座標値、母集団の中央値となる座標値について具体的に説明する。第1のガス漏れ推定位置を示す画素70の座標値を(x1,y1)とし、第1のガス漏れ推定位置を示す画素71の座標値を(x2,y2)とし、第1のガス漏れ推定位置を示す画素72の座標値を(x3,y3)とし、x2<x3<x1とし、y1<y2<y3とする。母集団の平均値となる座標値は、((x1+x2+x3)÷3,(y1+y2+y3)÷3)である。母集団の中央値となる座標値は、(x3,y2)である。
【0088】
変形例8を説明する。変形例7は、図17に示すように、ステップS6で決定した複数のガス漏れ推定位置を示す画素を基にして、風向きの変化が考慮されたガス漏れ推定位置を示す画素を決定する(ステップS8)。これに対して、変形例8は、ステップS5で決定した複数の特徴点を示す画素を基にして、風向きの変化が考慮されたガス漏れ推定位置を示す画素を決定する(ステップS8)。
【0089】
変形例8の動作について、図21及び図22を用いて説明する。図21は、変形例8の動作を説明するフローチャートである。図22は、変形例8において、二値化画像Im2と累積画像Im3との関係を示す画像図である。
【0090】
ステップS1は、図2に示すステップS1と同じであり、説明を省略する。演算制御部8は、変形例7と同様に、1番目〜100番目のフレームを選択する(ステップS1)。
【0091】
演算制御部8は、ステップS1で選択した1番目〜100番目のフレームを用いて、ステップS2〜ステップS5を実行して、特徴点を示す画素(第1の画素31a、第2の画素32a)を決定する。ステップS2〜ステップS5は、図2に示すステップS2〜ステップS5と同じであり、説明を省略する。
【0092】
演算制御部8は、ステップS1で選択された複数のフレームが最後か否かを判断する(ステップS7)。最後の複数のフレームとは、201番目〜300番目のフレームである。ステップS1では、1番目〜100番目のフレームが選択されている。演算制御部8は、ステップS1で選択された複数のフレームが最後でないと判断し(ステップS7でNo)、演算制御部8は、ステップS1に戻り、101番目〜200番目のフレームを選択する。
【0093】
演算制御部8は、ステップS1で選択した101番目〜200番目のフレームを用いて、ステップS2〜ステップS5を実行して、特徴点を示す画素(第1の画素31b、第2の画素32b)を決定する。
【0094】
演算制御部8は、ステップS1で選択された複数のフレームが最後か否かを判断する(ステップS7)。ステップS1では、101番目〜200番目のフレームが選択されている。演算制御部8は、ステップS1で選択された複数のフレームが最後でないと判断し(ステップS7でNo)、演算制御部8は、ステップS1に戻り、201番目〜300番目のフレームを選択する。
【0095】
演算制御部8は、ステップS1で選択した201番目〜300番目のフレームを用いて、ステップS2〜ステップS5を実行して、特徴点を示す画素(第1の画素31c、第2の画素32c)を決定する。
【0096】
演算制御部8は、ステップS1で選択された複数のフレームが最後と判断し(ステップS7でYes)、ステップS8を実行する。これについて、詳しく説明する。図23は、特徴点を示す画素の位置関係を説明する説明図である。六つの特徴点を示す画素(第1の画素31a、第2の画素32a、第1の画素31b、第2の画素32b、第1の画素31c、第2の画素32c)において、第1の画素31a、第1の画素31b、第2の画素32cは、互いに近くにある。第2の画素32a、第2の画素32b、第1の画素31cは、孤立した位置にある。従って、六つの特徴点を示す画素を基にして、風向きの変化が考慮されたガス漏れ推定位置を示す画素が決定されるよりも、互いに近くに位置する第1の画素31a、第1の画素31b及び第2の画素32cを基にして、風向きの変化が考慮されたガス漏れ推定位置を示す画素が決定される方が、ガス漏れ推定位置の精度が高くなると考えられる。
【0097】
そこで、変形例8は、互いに近くに位置する第1の画素31a、第1の画素31b及び第2の画素32cを、特徴点が集中している範囲内にある画素として、これらの画素を基にして、風向きの変化が考慮されたガス漏れ推定位置を示す画素74を決定する(ステップS8)。演算制御部8は、第2の決定部として機能する。演算制御部8(第2の決定部)は、ステップS5で決定した複数の特徴点を示す画素(第1の画素31a、第2の画素32a、第1の画素31b、第2の画素32b、第1の画素31c、第2の画素32c)の中から、予め定められた範囲75内にある画素(第1の画素31a、第1の画素31b、第2の画素32c)を特定する。演算制御部8は、特定した画素のそれぞれの座標値を母集団として設定し、母集団の平均値又は中央値となる座標値を示す画素を、ガス漏れ推定位置を示す画素と決定する。この画素が、風向きの変化が考慮されたガス漏れ推定位置を示す画素74となる。従って、変形例8によれば、風向きが変化しても、ガス漏れ推定位置の精度が低下することを防止できる。
【0098】
変形例7及び変形例8では、300フレームを3分割する例で説明したが、2分割でもよいし、300分割を上限にして、3分割よりも細かく分割してもよい。300分割の場合、変形例7は、1フレーム毎にガス漏れ推定位置を示す画素を決定し、変形例8は、1フレーム毎に特徴点を示す画素を決定することになる。
【0099】
変形例の組み合わせも可能である。例えば、図12に示す変形例2によって、特徴点を示す画素(第1の画素31、第2の画素32)が決定され、図13に示す変形例3によって、ガス漏れ推定位置を示す画素が決定される組み合わせである。
【0100】
(実施形態の纏め)
実施形態の第1の局面に係るガス漏れ位置推定装置は、監視領域を撮影した画像の中において、ガスが漂っている領域を示すガス領域像を特定する特定部と、前記ガスが漏れている位置と推定されるガス漏れ推定位置を示す画素を、前記ガス領域像の輪郭を構成する複数の画素の中から決定する第1の決定部と、を備える。
【0101】
ガス領域像は、ガスが漂っている領域を示す像なので、ガス領域像にガス漏れ位置が含まれることになる。本発明者は、監視領域(監視対象と言い換えることもできる)から漏れているガスは、風等によってゆらいでいるので、ガス漏れ位置が、ガス領域像の輪郭又はその近傍に存在する可能性が高いことを見出した。このことから、本発明者は、ガス領域像の輪郭上のいずれかの箇所を、ガス漏れ推定位置とすることが妥当であると考えた。そこで、実施形態の第1の局面に係るガス漏れ位置推定装置は、ガス漏れ推定位置を示す画素を、ガス領域像の輪郭を構成する複数の画素の中から決定する。よって、実施形態の第1の局面に係るガス漏れ位置推定装置によれば、ガス領域像を用いてガス漏れ位置を推定することができる。
【0102】
上記構成において、前記第1の決定部は、前記ガス領域像の特徴点を示す画素を前記ガス領域像の輪郭を構成する複数の画素の中から決定し、前記特徴点の中から前記ガス漏れ推定位置を示す画素を決定する。
【0103】
本発明者は、ガス領域像の輪郭を構成する複数の画素のうち、ガス領域像の特徴点を示す画素は、特徴点以外を示す画素よりも、ガス漏れ推定位置を示す画素の可能性が高いと考える。そこで、この構成では、特徴点の中からガス漏れ推定位置を示す画素を決定する。
【0104】
上記構成において、前記ガス領域像を構成する複数の画素のそれぞれの位置の関係を示す回帰線を算出する第1の算出部をさらに備え、前記第1の決定部は、前記回帰線と前記輪郭とが交差する二点に位置する第1の画素及び第2の画素の少なくとも一方の画素を、前記特徴点を示す画素として決定する。
【0105】
回帰線は、ガス領域像を構成する複数の画素のそれぞれの位置を近似する線である。この構成は、回帰線とガス領域像の輪郭とが交差する二点を示す画素(第1の画素、第2の画素)の少なくとも一方の画素を、ガス領域像の特徴点を示す画素とすることにより、ガス領域像の輪郭を構成する複数の画素の中から、ガス領域像の特徴点となる画素の数を絞り込む。
【0106】
上記構成において、前記ガス領域像と接する四辺を有しており、前記ガス領域像を囲む長方形である外接長方形を設定する設定部をさらに備え、前記第1の決定部は、前記外接長方形の二つの短辺と前記ガス領域像とが接する二点に位置する第1の画素及び第2の画素の少なくとも一方の画素を、前記特徴点を示す画素として決定する。
【0107】
外接長方形は、ガス領域像を近似した長方形である。監視領域(監視対象)から漏れたガスは、風向きが一定の間、全方向に均等に広がるのでなく、一方向に沿って広がる傾向を有する。このため、ガス漏れ位置は、外接長方形の二つの短辺のうち、一方の短辺側に存在する可能性が高い。この構成は、外接長方形の二つの短辺とガス領域像とが接する二点を示す画素(第1の画素、第2の画素)の少なくとも一方の画素を、ガス領域像の特徴点を示す画素とすることにより、ガス領域像の輪郭を構成する複数の画素の中から、ガス領域像の特徴点となる画素の数を絞り込む。
【0108】
上記構成において、前記設定部は、前記外接長方形のうち、最小の面積を有する前記外接長方形を、前記外接長方形として設定する。
【0109】
外接長方形のうち、ガス領域像に最も近似した外接長方形が、外接長方形として設定されることが好ましいと考えられる。最小の面積を有する外接長方形は、ガス領域像に最も近似した外接長方形である。この構成は、最小の面積を有する外接長方形を、外接長方形として設定する。
【0110】
上記構成において、時系列に並ぶ複数の前記画像のそれぞれから、各画像が撮影された時点で前記ガスが漂っている領域を示す瞬時ガス領域像を抽出する第1の抽出部と、複数の前記画像のそれぞれから抽出された複数の前記瞬時ガス領域像において、同じ位置の画素の画素値を加算する処理をして、複数の前記瞬時ガス領域像を累積した像である累積ガス領域像を生成する生成部と、をさらに備え、前記特定部は、二値化処理後の前記累積ガス領域像を、前記ガス領域像として、特定する。
【0111】
この構成は、ガス領域像の一種である累積ガス領域像を用いて、輪郭を特定する。画素値は、二値でもよいし、多値でもよい。
【0112】
上記構成において、時系列に並ぶ複数の前記画像のそれぞれから、各画像が撮影された時点で前記ガスが漂っている領域を示す瞬時ガス領域像を抽出する第1の抽出部と、複数の前記画像のそれぞれから抽出された複数の前記瞬時ガス領域像において、同じ位置の画素の画素値を加算する処理をして、複数の前記瞬時ガス領域像を累積した像である累積ガス領域像を含む累積画像を生成する生成部と、前記累積画像を構成する複数の画素から、所定のしきい値を基にして、画素を抽出する抽出処理をする第2の抽出部と、前記しきい値で抽出された画素で構成される像の重心を算出する算出処理をする第1の算出部と、をさらに備え、前記第2の抽出部は、異なる値の二以上の前記しきい値のそれぞれを基にして、前記抽出処理をし、前記第1の算出部は、異なる値の二以上の前記しきい値のそれぞれに対応する前記像に対して、前記算出処理をすることにより、二以上の前記重心を算出し、前記ガス漏れ位置推定装置は、二以上の前記重心のそれぞれの位置の関係を示す回帰線を算出する第2の算出部を、さらに備え、前記特定部は、二値化処理後の前記累積ガス領域像を、前記ガス領域像として特定し、前記第1の決定部は、前記回帰線と前記輪郭とが交差する二点に位置する第1の画素及び第2の画素の少なくとも一方の画素を、前記特徴点を示す画素として決定する。
【0113】
この構成は、回帰線とガス領域像の輪郭とが交差する二点を示す画素(第1の画素、第2の画素)の少なくとも一方の画素を、ガス領域像の特徴点を示す画素とすることにより、ガス領域像の輪郭を構成する複数の画素の中から、ガス領域像の特徴点となる画素の数を絞り込む。上述したように、ガス領域像を基にして算出された回帰線(すなわち、ガス領域像を構成する複数の画素のそれぞれの位置の関係を示す回帰線)があるが、この構成では、累積画像を基にして回帰線を算出する。
【0114】
上記構成において、前記ガス領域像を構成する複数の画素の中で、画素値が一番大きい画素、又は、前記ガス領域像の重心を示す画素を注目画素として設定し、前記第1の画素と前記注目画素との距離が、前記第2の画素と前記注目画素との距離より短いとき、前記第1の画素を、前記ガス漏れ推定位置を示す画素と決定し、前記第2の画素と前記注目画素との距離が、前記第1の画素と前記注目画素との距離より短いとき、前記第2の画素を、前記ガス漏れ推定位置を示す画素と決定する第2の決定部をさらに備える。
【0115】
注目画素は、ガス領域像を構成する複数の画素の中で、画素値が一番大きい画素、又は、ガス領域像の重心を示す画素である。従って、監視対象から漏れたガスが漂っている領域のうち、注目画素に対応する箇所は、ガスの濃度が高い。この構成は、第1の画素又は第2の画素のうち、注目画素に近い方の画素を、ガス漏れ推定位置を示す画素とする。
【0116】
上記構成において、前記ガスの密度が空気の密度より低いとき、前記第1の画素又は前記第2の画素のうち、位置が低い方の画素を、前記ガス漏れ推定位置を示す画素と決定し、前記ガスの密度が前記空気の密度より高いとき、前記第1の画素又は前記第2の画素のうち、位置が高い方の画素を、前記ガス漏れ推定位置を示す画素と決定する第2の決定部をさらに備える。
【0117】
ガスの密度が空気の密度より低いとき(例えば、メタンガス)、監視対象から漏れたガスは、下から上を向かう。ガスの密度が空気の密度より高いとき(例えば、フロンガス)、監視対象から漏れたガスは、上から下に向かう。この構成は、ガスのこのような特性を基にして、ガス漏れ推定位置を示す画素を決定する。
【0118】
上記構成において、前記ガス領域像を構成する複数の画素の中で、画素値が一番大きい画素、又は、前記ガス領域像の重心を示す画素を注目画素として設定し、前記第1の画素と前記第2の画素とを結ぶ線と交差して、前記輪郭上に位置する両端を有し、前記第1の画素と前記注目画素との間に位置する第1の線分が、前記第1の画素と前記第2の画素とを結ぶ線と交差して、前記輪郭上に位置する両端を有し、前記第2の画素と前記注目画素との間に位置する第2の線分より短いとき、前記第1の画素を、前記ガス漏れ推定位置を示す画素と決定し、前記第2の線分が前記第1の線分より短いとき、前記第2の画素を、前記ガス漏れ推定位置を示す画素と決定する第2の決定部をさらに備える。
【0119】
監視対象から漏れたガスは、広がるように漂う。この構成は、第1の線分が第2の線分より短いとき、第1の線分側から第2の線分側に向かってガスが広がっていると見なし、第1の線分側にある第1の画素を、ガス漏れ推定位置を示す画素と決定し、第2の線分が第1の線分より短いとき、第2の線分側から第1の線分側に向かってガスが広がっていると見なし、第2の線分側にある第2の画素を、ガス漏れ推定位置を示す画素と決定する。
【0120】
上記構成において、前記ガス領域像を構成する複数の画素の中で、画素値が一番大きい画素、又は、前記ガス領域像の重心を示す画素を注目画素として設定し、前記第1の画素と前記第2の画素とを結ぶ線と交差して、前記注目画素を通る分割線によって、前記ガス領域像を前記第1の画素を含む第1の分割像と前記第2の画素を含む第2の分割像とに二分割し、前記第1の分割像の面積が前記第2の分割像の面積より小さいとき、前記第1の画素を、前記ガス漏れ推定位置を示す画素と決定し、前記第2の分割像の面積が前記第1の分割像の面積より小さいとき、前記第2の画素を、前記ガス漏れ推定位置を示す画素と決定する第2の決定部をさらに備える。
【0121】
監視対象から漏れたガスは、広がるように漂う。この構成は、第1の分割像の面積が第2の分割像の面積より小さいとき、第1の分割像側から第2の分割像側に向かってガスが広がっていると見なし、第1の分割像に含まれる第1の画素を、ガス漏れ推定位置を示す画素と決定し、第2の分割像の面積が第1の分割像の面積より小さいとき、第2の分割像側から第1の分割像側に向かってガスが広がっていると見なし、第2の分割像に含まれる第2の画素を、ガス漏れ推定位置を示す画素と決定する。
【0122】
上記構成において、前記ガス領域像を構成する複数の画素の中で、画素値が一番大きい画素、又は、前記ガス領域像の重心を示す画素を注目画素として設定し、前記第1の画素と前記第2の画素とを結ぶ線と交差して、前記注目画素を通る分割線によって、前記ガス領域像を前記第1の画素を含む第1の分割像と前記第2の画素を含む第2の分割像とに二分割し、前記第1の分割像の輪郭が前記第2の分割像の輪郭より小さいとき、前記第1の画素を、前記ガス漏れ推定位置を示す画素と決定し、前記第2の分割像の輪郭が前記第1の分割像の輪郭より小さいとき、前記第2の画素を、前記ガス漏れ推定位置を示す画素と決定する第2の決定部をさらに備える。
【0123】
監視対象から漏れたガスは、広がるように漂う。この構成は、第1の分割像の輪郭が第2の分割像の輪郭より小さいとき、第1の分割像側から第2の分割像側に向かってガスが広がっていると見なし、第1の分割像の輪郭に含まれる第1の画素を、ガス漏れ推定位置を示す画素と決定し、第2の分割像の輪郭が第1の分割像の輪郭より小さいとき、第2の分割像側から第1の分割像側に向かってガスが広がっていると見なし、第2の分割像の輪郭に含まれる第2の画素を、ガス漏れ推定位置を示す画素と決定する。
【0124】
上記構成において、前記第2の決定部は、時系列に並ぶ複数の前記ガス領域像のそれぞれについて、前記ガス漏れ推定位置を示す画素を決定し、決定した複数の前記ガス漏れ推定位置を示す画素を、複数の第1のガス漏れ推定位置を示す画素として設定し、複数の前記第1のガス漏れ推定位置を示す画素のそれぞれの座標値を母集団として設定し、前記母集団の平均値又は中央値となる座標値を示す画素を、第2のガス漏れ推定位置を示す画素と決定する。
【0125】
第2のガス漏れ推定位置を示す画素は、複数の第1のガス漏れ推定位置を示す画素を基にして決定される。複数の第1のガス漏れ推定位置を示す画素は、時系列に並ぶ複数のガス領域像のそれぞれから求めたガス漏れ推定位置を示す画素である。このため、第2のガス漏れ推定位置は、風向きの変化の影響が少ないガス漏れ推定位置となる。すなわち、第2のガス漏れ推定位置は、風向きが変化しても、ガス漏れ位置から離れていないガス漏れ推定位置となる。従って、この構成によれば、風向きが変化しても、ガス漏れ推定位置の精度が低下することを防止できる。
【0126】
上記構成において、前記第1の決定部は、時系列に並ぶ複数の前記ガス領域像のそれぞれについて、前記第1の画素及び前記第2の画素を決定し、前記第2の決定部は、前記第1の決定部によって決定された複数の前記第1の画素及び複数の前記第2の画素の中から、前記特徴点が集中している範囲内にある画素のそれぞれの座標値を母集団として設定し、前記母集団の平均値又は中央値となる座標値を示す画素を、前記ガス漏れ推定位置を示す画素と決定する。
【0127】
この構成では、時系列に並ぶ複数のガス領域像のそれぞれから求めた特徴点を示す画素(第1の画素、第2の画素)を基にして、ガス漏れ推定位置を示す画素を決定する。このため、ガス漏れ推定位置は、風向きが変化しても、ガス漏れ位置から離れていないガス漏れ推定位置となる。従って、この構成によれば、風向きが変化しても、ガス漏れ推定位置の精度が低下することを防止できる。
【0128】
前記ガス漏れ推定位置が示されている、前記監視領域の前記画像を表示部に表示させる表示制御部をさらに備える。
【0129】
この構成によれば、ガス漏れ推定位置と監視領域との位置関係が分かる。
【0130】
実施形態の第2の局面に係るガス漏れ位置推定方法は、監視領域を撮影した画像の中において、ガスが漂っている領域を示すガス領域像を特定する第1のステップと、前記ガスが漏れている位置と推定されるガス漏れ推定位置を示す画素を、前記ガス領域像の輪郭を構成する複数の画素の中から決定する第2のステップと、を備える。
【0131】
実施形態の第2の局面に係るガス漏れ位置推定方法によれば、実施形態の第1の局面に係るガス漏れ位置推定装置と同様の作用効果を有する。
【0132】
実施形態の第3の局面に係るガス漏れ位置推定プログラムは、監視領域を撮影した画像の中において、ガスが漂っている領域を示すガス領域像を特定する第1のステップと、前記ガスが漏れている位置と推定されるガス漏れ推定位置を示す画素を、前記ガス領域像の輪郭を構成する複数の画素の中から決定する第2のステップと、をコンピューターに実行させる。
【0133】
実施形態の第3の局面に係るガス漏れ位置推定プログラムによれば、実施形態の第1の局面に係るガス漏れ位置推定装置と同様の作用効果を有する。
【0134】
実施形態の第4の局面に係るガス漏れ位置推定装置は、監視領域を撮影した画像の中において、ガスが漂っている領域を示すガス領域像を特定し、前記ガスが漏れている位置と推定されるガス漏れ推定位置を示す画素を、前記ガス領域像の輪郭を構成する複数の画素の中から決定する演算制御部と、前記ガス漏れ推定位置を示されている、前記監視領域の前記画像を表示する表示部と、を備える。
【0135】
実施形態の第4の局面に係るガス漏れ位置推定装置によれば、実施形態の第1の局面に係るガス漏れ位置推定装置と同様の作用効果を有する。これに加えて、実施形態の第4の局面に係るガス漏れ位置推定装置によれば、ガス漏れ推定位置と監視領域との位置関係が分かる。
【0136】
この出願は、2016年3月3日に出願された日本国特許出願特願2016−41171を基礎とするものであり、その内容は、本願に含まれるものである。
【0137】
本発明を表現するために、上述において図面を参照しながら実施形態を通して本発明を適切且つ十分に説明したが、当業者であれば上述の実施形態を変更および/または改良することは容易に為し得ることであると認識すべきである。したがって、当業者が実施する変更形態または改良形態が、請求の範囲に記載された請求項の権利範囲を離脱するレベルのものでない限り、当該変更形態または当該改良形態は、当該請求項の権利範囲に包括されると解釈される。
【産業上の利用可能性】
【0138】
本発明によれば、ガス漏れ位置推定装置、ガス漏れ位置推定方法及びガス漏れ位置推定プログラムを提供することができる。
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【国際調査報告】