特表-17154118IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2017年9月14日
【発行日】2018年12月20日
(54)【発明の名称】制御装置冷却構造
(51)【国際特許分類】
   B60K 11/06 20060101AFI20181122BHJP
   B62J 99/00 20090101ALI20181122BHJP
   B62M 9/08 20060101ALI20181122BHJP
【FI】
   B60K11/06
   B62J99/00 L
   B62M9/08 A
【審査請求】有
【予備審査請求】有
【全頁数】24
【出願番号】特願2018-503901(P2018-503901)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2016年3月8日
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092772
【弁理士】
【氏名又は名称】阪本 清孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119688
【弁理士】
【氏名又は名称】田邉 壽二
(72)【発明者】
【氏名】増田 剛太
【テーマコード(参考)】
3D038
【Fターム(参考)】
3D038AA09
3D038AA10
3D038AB01
3D038AC11
3D038AC23
(57)【要約】
本発明は、冷却ファンを適用しつつ配置スペースの効率利用および低コストを両立する制御装置冷却構造を提供する。
自動二輪車(1)を駆動するパワーユニット(P)の発熱部である無段変速機(M)を冷却するための冷却ファン(46)を有する制御装置冷却構造において、冷却ファン(46)によって発生する冷却風の流路(F)上に、パワーユニット(P)を制御する制御装置(43)を冷却するための冷却手段としての放熱板(47)を設ける。放熱板(47)が、冷却風の流路(F)上で無段変速機(M)の上流側に配置する。冷却風の流路(F)が、外気を取り込む吸気口(44)から冷却ファン(46)を介して無段変速機(M)に至るように形成されており、放熱板(47)を吸気口(44)と冷却ファン(46)との間に配置する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両(1)を駆動する駆動装置(P)の発熱部(M)を冷却するための冷却ファン(46)を有する制御装置冷却構造において、
前記冷却ファン(46)によって発生する冷却風の流路(F)上に、前記駆動装置(P)を制御する制御装置(43)を冷却するための冷却手段(47,47a)が設けられていることを特徴とする制御装置冷却構造。
【請求項2】
前記冷却手段(47,47a)が、前記冷却風の流路(F)上で、前記発熱部(M)の上流側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の制御装置冷却構造。
【請求項3】
前記冷却風の流路(F)が、外気を取り込む吸気口(44)から前記冷却ファン(46)を介して前記発熱部(M)に至るように形成されており、
前記冷却手段(47,47a)は、前記吸気口(44)と前記冷却ファン(46)との間に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の制御装置冷却構造。
【請求項4】
前記発熱部(M)が無段変速装置であり、
前記冷却ファン(46)は、前記無段変速装置(M)を収納する伝動ケース(26)の内側に配置されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の制御装置冷却構造。
【請求項5】
外気を取り込む吸気口(44)が、前記駆動装置(P)に取り付けられる箱状のケース(40)に設けられており、
前記制御装置(43)および前記冷却手段(47,47a)が、前記ケース(40)に収納されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の制御装置冷却構造。
【請求項6】
前記ケース(40)に、前記制御装置(43)を収納する収納凹部(42a)が形成されていることを特徴とする請求項5に記載の制御装置冷却構造。
【請求項7】
前記冷却手段(47,47a)が、前記制御装置(43)の一面に接する金属部品であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の制御装置冷却構造。
【請求項8】
前記制御装置(43)に連結される電子機器(S1,S2,S3)が車幅方向中央に配設されており、
前記制御装置(43)が車幅方向の左右いずれかにオフセットして配設されており、
前記制御装置(43)と前記電子機器(S1,S2,S3)とを接続するワイヤハーネス(34)が、前記制御装置(43)の車幅方向内側から突出することを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の制御装置冷却構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置冷却構造に係り、特に、車両に設けられる制御装置を冷却する制御装置冷却構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、エンジンの燃料噴射装置や点火装置等、車両に搭載される種々の装置を制御する制御装置が知られている。
【0003】
特許文献1には、各種センサやスイッチの出力信号に基づいて変速アクチュエータやACGスタータモータを駆動する制御装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−266110号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に記載されたような制御装置が発熱する場合には、制御装置の温度上昇を抑えるための冷却構造が必要となるが、冷却風を積極的に発生させる冷却ファンを新設するには配置スペースおよびコストの増加が課題となる。
【0006】
本発明の目的は、上記従来技術の課題を解決し、冷却ファンを適用しつつ配置スペースの効率利用および低コストを両立する制御装置冷却構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明は、車両(1)を駆動する駆動装置(P)の発熱部(M)を冷却するための冷却ファン(46)を有する制御装置冷却構造において、前記冷却ファン(46)によって発生する冷却風の流路(F)上に、前記駆動装置(P)を制御する制御装置(43)を冷却するための冷却手段(47,47a)が設けられている点に第1の特徴がある。
【0008】
また、前記冷却手段(47,47a)が、前記冷却風の流路(F)上で、前記発熱部(M)の上流側に配置されている点に第2の特徴がある。
【0009】
また、前記冷却風の流路(F)が、外気を取り込む吸気口(44)から前記冷却ファン(46)を介して前記発熱部(M)に至るように形成されており、前記冷却手段(47,47a)は、前記吸気口(44)と前記冷却ファン(46)との間に配置されている点に第3の特徴がある。
【0010】
また、前記発熱部(M)が無段変速装置であり、前記冷却ファン(46)は、前記無段変速装置(M)を収納する伝動ケース(26)の内側に配置されている点に第4の特徴がある。
【0011】
また、外気を取り込む吸気口(44)が、前記駆動装置(P)に取り付けられる箱状のケース(40)に設けられており、前記制御装置(43)および前記冷却手段(47,47a)が、前記ケース(40)に収納されている点に第5の特徴がある。
【0012】
また、前記ケース(40)に、前記制御装置(43)を収納する収納凹部(42a)が形成されている点に第6の特徴がある。
【0013】
また、前記冷却手段(47,47a)が、前記制御装置(43)の一面に接する金属部品である点に第7の特徴がある。
【0014】
さらに、前記制御装置(43)に連結される電子機器(S1,S2,S3)が車幅方向中央に配設されており、前記制御装置(43)が車幅方向の左右いずれかにオフセットして配設されており、前記制御装置(43)と前記電子機器(S1,S2,S3)とを接続するワイヤハーネス(34)が、前記制御装置(43)の車幅方向内側から突出する点に第8の特徴がある。
【発明の効果】
【0015】
第1の特徴によれば、前記冷却ファン(46)によって発生する冷却風の流路(F)上に、前記駆動装置(P)を制御する制御装置(43)を冷却するための冷却手段(47,47a)が設けられているので、車両の発熱部を冷却するための冷却ファンを利用して制御装置を冷却することが可能となる。これにより、新たな冷却ファンを設けることなく制御装置を冷却でき、配置スペースの増大やコスト上昇を防ぐことが可能となる。
【0016】
第2の特徴によれば、前記冷却手段(47,47a)が、前記冷却風の流路(F)上で、前記発熱部(M)の上流側に配置されているので、発熱部の冷却に用いられる前の温度の低い冷却風によって制御装置を冷却することができる。
【0017】
第3の特徴によれば、前記冷却風の流路(F)が、外気を取り込む吸気口(44)から前記冷却ファン(46)を介して前記発熱部(M)に至るように形成されており、前記冷却手段(47,47a)は、前記吸気口(44)と前記冷却ファン(46)との間に配置されているので、冷却ファンの上流側でレイアウトの自由度が高い位置に冷却手段を配置して、制御装置を効果的に冷却することができる。
【0018】
第4の特徴によれば、前記発熱部(M)が無段変速装置であり、前記冷却ファン(46)は、前記無段変速装置(M)を収納する伝動ケース(26)の内側に配置されているので、発熱部としての無段変速装置を冷却するための冷却ファンによって制御装置を冷却することができる。
【0019】
第5の特徴によれば、外気を取り込む吸気口(44)が、前記駆動装置(P)に取り付けられる箱状のケース(40)に設けられており、前記制御装置(43)および前記冷却手段(47,47a)が、前記ケース(40)に収納されているので、制御装置および冷却手段を効率よく配置できると共に、制御装置冷却構造の適用が容易となる。
【0020】
第6の特徴によれば、前記ケース(40)に、前記制御装置(43)を収納する収納凹部(42a)が形成されているので、ケース内に形成される冷却風の流路が制御装置によって妨げられることを防ぎ、制御装置を効率よく冷却することができる。
【0021】
第7の特徴によれば、前記冷却手段(47,47a)が、前記制御装置(43)の一面に接する金属部品であるので、冷却手段により制御装置の放熱性を高めることが可能となる。
【0022】
第8の特徴によれば、前記制御装置(43)に連結される電子機器(S1,S2,S3)が車幅方向中央に配設されており、前記制御装置(43)が車幅方向の左右いずれかにオフセットして配設されており、前記制御装置(43)と前記電子機器(S1,S2,S3)とを接続するワイヤハーネス(34)が、前記制御装置(43)の車幅方向内側から突出するので、制御装置と電子機器とを接続するハーネスを短くして、コストを低減すると共に組み付け作業を容易にし、さらにノイズの影響を受けにくくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の一実施形態に係る制御装置冷却構造を適用した自動二輪車の左側面図である。
図2】パワーユニットの拡大図である。
図3】冷却ケースの外側カバーを取り外した状態のパワーユニットの拡大図である。
図4図2の4−4線断面図である。
図5】パワーユニットの平面図である。
図6図2の6−6線断面図である。
図7】冷却手段の変形例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る制御装置冷却構造を適用した自動二輪車1の左側面図である。自動二輪車1は、運転者が両足を乗せる低床フロアを有するスクータ型の鞍乗型車両である。車体フレーム9は、ヘッドパイプ7の後面に接続されて下方に延びるダウンフレーム10と、ダウンフレーム10の下端から後方に延びる左右一対の床下フレーム11と、床下フレーム11の後部から立ち上がって後方上方に延びる左右一対のリヤフレーム13とを含む。
【0025】
ヘッドパイプ7にはステアリングステム3が回動自在に軸支されており、ステアリングステム3の上端には操向ハンドル2が固定されている。ステアリングステム3の下端には、前輪WFを回転自在に軸支する左右一対のフロントフォーク8が固定されている。操向ハンドル2の左右に設けられるブレーキレバーには、それぞれ、前側ブレーキワイヤ17および後側ブレーキワイヤ18が接続されている。
【0026】
床下フレーム11の後端でリヤフレーム13の立ち上がり部には、エンジンと無段変速機とを一体的に構成したユニットスイング式のパワーユニットPが揺動自在に軸支されている。パワーユニットPの後端部には後輪WRが回転自在に軸支されており、パワーユニットPの上部にはエアクリーナボックス16が固定されている。パワーユニットPの後部は、リヤクッション15によってリヤフレーム13に吊り下げられている。
【0027】
シート14の下部で左右のリヤフレーム13の間には、収納ボックス12が配設されている。ステアリングステム3の上部はメータ装置を保持するハンドルカバー4で覆われており、ヘッドパイプ7の前後は、車体前面のフロントカウル5および運転者の足に対向するフロアパネル6で覆われている。ダウンフレーム10から床下フレーム11にかけての位置には電装品保持部材30が配設されている。
【0028】
車両の駆動装置としてのパワーユニットPの車幅方向左側には、パワーユニットPを制御する制御装置43を収納する冷却ケース40が取り付けられている。本実施形態に係る制御装置冷却構造は、この冷却ケース40を含んで構成される。
【0029】
図2は、パワーユニットPの拡大図である。また、図3は冷却ケース40の外側カバー41を取り外した状態のパワーユニットPの拡大図である。エンジン20の後方にVベルト式の無段変速機を一体に構成したパワーユニットPは、クランクケース37の下部に設けられる左右一対の支持部24によって車体フレーム9に揺動自在に軸支されると共に、減速機ケース28の上部に設けられるリヤクッション支持部39によってリヤフレーム13に吊り下げられている。
【0030】
エンジン20は、車体前方に指向してクランクケース27に固定されるシリンダ23に、シリンダヘッド22およびシリンダヘッドカバー21を取り付けて構成されている。シリンダヘッド22の上部には吸気管31が接続されており、吸気管31とエアクリーナボックス16の導出管32との間には、スロットルバルブを内蔵するスロットルボディ30が配設されている。エアクリーナボックス16の上部には、外気の導入口29が設けられている。
【0031】
エンジン20のクランクシャフト25を軸支するクランクケース37の車幅方向左側には、Vベルト式の無段変速機を収納する伝動ケース26が設けられている。伝動ケース26の車幅方向左側は、薄板状の伝動ケースカバー26aで構成されている。
【0032】
薄型の箱状をなす制御装置43を収納する冷却ケース40は、伝動ケース26の車幅方向左側前端に固定されている。冷却ケース40の上部は、エアクリーナボックス16の前端を覆う位置まで上方に延出している。
【0033】
本実施形態に係る制御装置冷却構造は、クランクシャフト25に固定される冷却ファン46が回転することで、冷却ケース40の内部に冷却風の流路(流れ)Fを作り、この流路Fによって冷却ケース40に収納された制御装置43を冷却する構成とされる。
【0034】
エンジン20の回転に伴って冷却ファン46が回転すると、冷却ケース40の外側ケース41に形成されたスリット状の吸気口44から外気が吸気され、伝動ケース26の前端に設けられた開口45から伝動ケース26の内部に導入される。伝動ケース26に導入された冷却風は、無段変速機を冷却した後に、伝動ケース26aの後方下部に形成される排出口27から排出される。
【0035】
図4は、図2の4−4線断面図である。クランクシャフト25を軸支するクランクケース37は、左側クランクケース37Lおよび右側クランクケース37Rからなる。クランクシャフト25のクランクウェブ52を連結するクランクピン53には、コンロッド60が回転自在に軸支されている。クランクシャフト25の右端部には、発電機61が設けられている。発電機61は、発電機カバー64に固定されるステータ63の外周を、クランクシャフト25に固定されたロータ62が同期回転することで発電を行う。
【0036】
クランクシャフト25の左端部には、無段変速機Mの駆動側プーリD1が設けられている。駆動側プーリD1は、クランクシャフト25に固定される固定プーリ半体50と、軸方向に摺動可能な可動プーリ半体51とからなる。可動プーリ半体51は、クランクシャフト25の回転数に応じて偏芯おもり65が移動することにより軸方向に摺動し、Vベルト72の巻き掛け径を変更する。
【0037】
伝動ケース26の後部には、無段変速機Mの従動側プーリD2が設けられている。従動側プーリD2は、伝達軸73に固定される固定プーリ半体70と、駆動側プーリD1の巻き掛け径に応じて軸方向に摺動する可動プーリ半体71とからなる。従動側プーリD2の左側には、従動側プーリD2が所定回転数に達することで駆動力を伝達軸73に伝える遠心クラッチCが設けられている。伝達軸73に伝達された駆動力は、中間軸74を介して後輪WRに固定される出力軸75に伝達される。
【0038】
制御装置冷却構造を構成する冷却ファン46は、駆動側プーリD1の固定プーリ半体70に設けられている。この冷却ファン46は、冷却風の流路Fを作り、回転に伴って摩擦熱を発する無段変速機Mを冷却するために元々設けられているものである。本実施形態では、伝動ケース26の前部に設けられた開口45に冷却ケース40を接続することで、冷却風の流路Fを上流側に延長して制御装置43の冷却スペースを確保している。これにより、制御装置43を冷却するために冷却ファンを新設することなく、部品点数やコストの増加を抑えながら制御装置43を冷却することを可能としている。
【0039】
図5は、パワーユニットPの平面図である。また、図6図2の6−6線断面図である。パワーユニットPの車幅方向の中心は、左側クランクケース37Lおよび右側クランクケース37Rの分割線や後輪WRの中心と略同一とされる。伝動ケース26の上部に配設されるエアクリーナボックス16は、後輪WRの上方まで張り出した右側半体16aと外気の導入口29を有する左側半体16bとからなる。
【0040】
エアクリーナボックス16の導出管32は、右側半体16aの右側寄りに接続されている。スロットルボディ30は、シリンダヘッド22の中心からやや外側に傾斜して配設されており、これに合わせて導出管32も車幅方向外側を凸にして湾曲している。
【0041】
クランクケース37の車体上方には、電装品のワイヤハーネス33が配索されている。ワイヤハーネス33は、変速比センサ用配線36、制御装置用配線34、車速センサ用配線35、スロットルボディ用配線55等を導出管32の下方で束ねて構成されている。スロットルボディ用配線55は、電子機器としてのインジェクタS1、吸気圧センサS2およびスロットル開度センサS3に接続される配線で構成されている。
【0042】
冷却ケース40は、外側カバー41と内側カバー42とからなり、制御装置43は内側カバー42に形成された収納凹部42aに収められている。制御装置用配線34の端部に設けられるコネクタ36は、内側カバー42の車幅方向右側端面に設けられる端子に接続される。このコネクタ接続により、制御装置43と各種配線とが互いに接続されることとなる。また、電子機器としてのインジェクタS1、吸気圧センサS2およびスロットル開度センサS3が車幅方向中央に配設されているのに対し、制御装置43が車幅方向左側(外側)にオフセットして配設され、かつ制御装置用配線43が制御装置43の車幅方向右側(外側)から延出するように構成されている。これにより、制御装置43と電子機器とを接続するためのワイヤハーネスの長さを短縮することができ、スペース効率を高めると共にコスト低減を図ることができる。
【0043】
図6を参照して、制御装置43は、冷却ケース40の内側カバー42に形成された収納凹部42aに収められ、冷却ケース40の内側に突出しないように構成されている。また、制御装置43の露出面側には、冷却手段としての金属製の放熱板47が取り付けられる。これにより、冷却風のスムーズな流路Fを妨げることなく冷却効果を高めることを可能としている。
【0044】
冷却手段の態様は種々の変形が可能であり、例えば、図7に示す変形例のように、制御装置43の露出面側に金属製の放熱フィン47aを設けることができる。また、制御装置43の露出面側そのものを合成樹脂ではなく金属で形成して冷却手段としたり、内側ケース42を金属で形成することで内側ケース42全体を冷却手段としてもよい。さらに、冷却手段と制御装置とを離間して配置したり、両者間をヒートパイプで接続する構成とすることもできる。
【0045】
上記したように、本発明に係る制御装置冷却構造によれば、車両の発熱部を冷却するための冷却ファンを利用して制御装置を冷却することが可能となる。これにより、新たな冷却ファンを設けることなく制御装置を冷却でき、配置スペースの増大やコスト上昇を防ぐことが可能となる。
【0046】
なお、冷却ケースの形状や構造、冷却手段の形状や態様、制御装置の形状、無段変速機の構造、伝動ケースの形状等は、上記実施形態に限られず、種々の変更が可能である。例えば、冷却ファンによって冷却する発熱部は、Vベルト式の無段変速機に限られず、シリンダやクランクケース、スロットルボディ、ラジエータ等のエンジンに係る発熱部分とすることができる。すなわち、これらを冷却するために設けられる冷却ファンを利用して制御装置を冷却してもよい。本発明に係る制御装置冷却構造は、自動二輪車に限られず、鞍乗型の三/四輪車等の各種車両に適用することが可能である。
【符号の説明】
【0047】
1…自動二輪車(車両)、16…エアクリーナボックス、26…伝動ケース、40…冷却ケース、42a…収納凹部、43…制御装置、44…吸気口、45…開口、46…冷却ファン、47…放熱板(冷却手段)、47a…ヒートシンク(冷却手段)、72…Vベルト、F…冷却風の流路、M…無段変速機(発熱部)、D1…駆動側プーリ、D2…従動側プーリ、P…パワーユニット(駆動装置)、S1…インジェクタ(電子機器)、S2…吸気圧センサ(電子機器)、S3…スロットル開度センサ(電子機器)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7

【手続補正書】
【提出日】2017年10月5日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両(1)を駆動する駆動装置(P)の発熱部(M)を冷却するための冷却ファン(46)を有する制御装置冷却構造において、
前記冷却ファン(46)によって発生する冷却風の流路(F)上に、前記駆動装置(P)を制御する制御装置(43)を冷却するための冷却手段(47,47a)が設けられており、
前記制御装置(43)に連結される電子機器(S1,S2,S3)が車幅方向中央に配設されており、
前記制御装置(43)が車幅方向の左右いずれかにオフセットして配設されており、
前記制御装置(43)と前記電子機器(S1,S2,S3)とを接続するワイヤハーネス(34)が、前記制御装置(43)から、車幅方向内側に向けて配索されることを特徴とする制御装置冷却構造。
【請求項2】
ワイヤハーネス(34)が、前記制御装置(43)から、車幅方向内側に向けて延出することを特徴とする請求項1に記載の制御装置冷却構造。
【請求項3】
前記冷却手段(47,47a)が、前記冷却風の流路(F)上で、前記発熱部(M)の上流側に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の制御装置冷却構造。
【請求項4】
前記冷却風の流路(F)が、外気を取り込む吸気口(44)から前記冷却ファン(46)を介して前記発熱部(M)に至るように形成されており、
前記冷却手段(47,47a)は、前記吸気口(44)と前記冷却ファン(46)との間に配置されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の制御装置冷却構造。
【請求項5】
前記発熱部(M)が無段変速装置であり、
前記冷却ファン(46)は、前記無段変速装置(M)を収納する伝動ケース(26)の内側に配置されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の制御装置冷却構造。
【請求項6】
外気を取り込む吸気口(44)が、前記駆動装置(P)に取り付けられる箱状のケース(40)に設けられており、
前記制御装置(43)および前記冷却手段(47,47a)が、前記ケース(40)に収納されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の制御装置冷却構造。
【請求項7】
前記ケース(40)に、前記制御装置(43)を収納する収納凹部(42a)が形成されていることを特徴とする請求項6に記載の制御装置冷却構造。
【請求項8】
前記冷却手段(47,47a)が、前記制御装置(43)の一面に接する金属部品であることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の制御装置冷却構造。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0004】
[0022]
第8の特徴によれば、前記制御装置(43)に連結される電子機器(S1,S2,S3)が車幅方向中央に配設されており、前記制御装置(43)が車幅方向の左右いずれかにオフセットして配設されており、前記制御装置(43)と前記電子機器(S1,S2,S3)とを接続するワイヤハーネス(34)が、前記制御装置(43)の車幅方向内側から突出するので、制御装置と電子機器とを接続するハーネスを短くして、コストを低減すると共に組み付け作業を容易にし、さらにノイズの影響を受けにくくすることができる。
図面の簡単な説明
[0023]
図1]本発明の一実施形態に係る制御装置冷却構造を適用した自動二輪車の左側面図である
図2]パワーユニットの拡大図である。
図3]冷却ケースの外側カバーを取り外した状態のパワーユニットの拡大図である。
図4図2の4−4線断面図である。
図5]パワーユニットの平面図である。
図6図2の6−6線断面図である。
図7]冷却手段の変形例を示す断面図である。
図8]第1変形例に係るパワーユニットの平面図である。
図9]第2変形例に係るパワーユニットの平面図である。
発明を実施するための形態
[0024]
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る制御装置冷却構造を適用した自動二輪車1の左側面図である。自動二輪車1は、運転者が両足を乗せる低床フロアを有するスクータ型の鞍乗型車両である。車体フレーム9は、ヘッドパイプ7の後面に接続されて下方に延びるダウンフレーム10と、ダウンフレーム10の下端から後方に延びる左右一対の床下フレーム11と、床下フレーム11の後部から立ち上がって後方上方に延びる左右一対のリヤフレーム13とを含む。
[0025]
ヘッドパイプ7にはステアリングステム3が回動自在に軸支されており、
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
る左側半体16bとからなる。
[0040]
エアクリーナボックス16の導出管32は、右側半体16aの右側寄りに接続されている。スロットルボディ30は、シリンダヘッド22の中心からやや外側に傾斜して配設されており、これに合わせて導出管32も車幅方向外側を凸にして湾曲している。
[0041]
クランクケース37の車体上方には、電装品のワイヤハーネス33が配索されている。ワイヤハーネス33は、変速比センサ用配線38、制御装置用配線34、車速センサ用配線35、スロットルボディ用配線55等を導出管32の下方で束ねて構成されている。スロットルボディ用配線55は、電子機器としてのインジェクタS1、吸気圧センサS2およびスロットル開度センサS3に接続される配線で構成されている。
[0042]
冷却ケース40は、外側カバー41と内側カバー42とからなり、制御装置43は内側カバー42に形成された収納凹部42aに収められている。制御装置用配線34の端部に設けられるコネクタ36は、内側カバー42の車幅方向右側端面に設けられる端子に接続される。このコネクタ接続により、制御装置43と各種配線とが互いに接続されることとなる。また、電子機器としてのインジェクタS1、吸気圧センサS2およびスロットル開度センサS3が車幅方向中央に配設されているのに対し、制御装置43が車幅方向左側(外側)にオフセットして配設され、かつ制御装置用配線34が制御装置43の車幅方向右側(内側)から延出するように構成されている。これにより、制御装置43と電子機器とを接続するためのワイヤハーネスの長さを短縮することができ、スペース効率を高めると共にコスト低減を図ることができる。
[0043]
図6を参照して、制御装置43は、冷却ケース40の内側カバー42に形成された収納凹部42aに収められ、冷却ケース40の内側に突出しないように構成されている。また、制御装置43の露出面側には、冷却手段としての金属製の放熱板47が取り付けられる。これにより、冷却風のスムーズな流路Fを妨げることなく冷却効果を高めることを可能としている。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
[0044]
冷却手段の態様は種々の変形が可能であり、例えば、図7に示す変形例のように、制御装置43の露出面側に金属製の放熱フィン47aを設けることができる。また、制御装置43の露出面側そのものを合成樹脂ではなく金属で形成して冷却手段としたり、内側ケース42を金属で形成することで内側ケース42全体を冷却手段としてもよい。さらに、冷却手段と制御装置とを離間して配置したり、両者間をヒートパイプで接続する構成とすることもできる。
[0045]
上記したように、本発明に係る制御装置冷却構造によれば、車両の発熱部を冷却するための冷却ファンを利用して制御装置を冷却することが可能となる。これにより、新たな冷却ファンを設けることなく制御装置を冷却でき、配置スペースの増大やコスト上昇を防ぐことが可能となる。
図8は第1変形例に係るパワーユニットPの平面図であり、図9は第2変形例に係るパワーユニットPの平面図である。制御装置用配線34は、制御装置43から車幅方向内側に向けて配索される。これは、図5に示すように、制御装置43の車幅方向内側から突出する構成のほか、図8,9に示すように、制御装置用配線34が制御装置43から車幅方向内側に向けて延出する構成を含む。
[0046]
なお、冷却ケースの形状や構造、冷却手段の形状や態様、制御装置の形状、無段変速機の構造、伝動ケースの形状等は、上記実施形態に限られず、種々の変更が可能である。例えば、冷却ファンによって冷却する発熱部は、Vベルト式の無段変速機に限られず、シリンダやクランクケース、スロットルボディ、ラジエータ等のエンジンに係る発熱部分とすることができる。すなわち、これらを冷却するために設けられる冷却ファンを利用して制御装置を冷却してもよい。本発明に係る制御装置冷却構造は、自動二輪車に限られず、鞍乗型の三/四輪車等の各種車両に適用することが可能である。
符号の説明
[0047]
1…自動二輪車(車両)、16…エアクリーナボックス、26…伝動ケース、40…冷却ケース、42a…収納凹部、43…制御装置、44…吸気口、45…開口、46…冷却ファン、47…放熱板(冷却手段)、47a…ヒートシンク(冷却手段)、72…Vベルト、F…冷却風の流路、M…無段変速機(発熱部)、D1…駆動側プーリ、D2…従動側プーリ、P…パワーユニット(駆動装置)、S1…インジェクタ(電子機器)、S2…吸気圧センサ(電子機器)、S3…スロットル開度センサ(電子機器)
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正の内容】
図5
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図8
【補正方法】変更
【補正の内容】
図8
【手続補正7】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図9
【補正方法】変更
【補正の内容】
図9

【手続補正書】
【提出日】2018年8月23日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0027】
シート14の下部で左右のリヤフレーム13の間には、収納ボックス12が配設されている。ステアリングステム3の上部はメータ装置を保持するハンドルカバー4で覆われており、ヘッドパイプ7の前後は、車体前面のフロントカウル5および運転者の足に対向するフロアパネル6で覆われている。ダウンフレーム10から床下フレーム11にかけての位置には電装品保持部材80が配設されている。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0030】
エンジン20は、車体前方に指向してクランクケース30に固定されるシリンダ23に、シリンダヘッド22およびシリンダヘッドカバー21を取り付けて構成されている。シリンダヘッド22の上部には吸気管31が接続されており、吸気管31とエアクリーナボックス16の導出管32との間には、スロットルバルブを内蔵するスロットルボディ30が配設されている。エアクリーナボックス16の上部には、外気の導入口29が設けられている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0034】
エンジン20の回転に伴って冷却ファン46が回転すると、冷却ケース40の外側カバー41に形成されたスリット状の吸気口44から外気が吸気され、伝動ケース26の前端に設けられた開口45から伝動ケース26の内部に導入される。伝動ケース26に導入された冷却風は、無段変速機を冷却した後に、伝動ケース26の後方下部に形成される排出口27から排出される。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0038】
制御装置冷却構造を構成する冷却ファン46は、駆動側プーリD1の固定プーリ半体50に設けられている。この冷却ファン46は、冷却風の流路Fを作り、回転に伴って摩擦熱を発する無段変速機Mを冷却するために元々設けられているものである。本実施形態では、伝動ケース26の前部に設けられた開口45に冷却ケース40を接続することで、冷却風の流路Fを上流側に延長して制御装置43の冷却スペースを確保している。これにより、制御装置43を冷却するために冷却ファンを新設することなく、部品点数やコストの増加を抑えながら制御装置43を冷却することを可能としている。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0044
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0044】
冷却手段の態様は種々の変形が可能であり、例えば、図7に示す変形例のように、制御装置43の露出面側に金属製の放熱フィン47aを設けることができる。また、制御装置43の露出面側そのものを合成樹脂ではなく金属で形成して冷却手段としたり、内側カバー42を金属で形成することで内側カバー42全体を冷却手段としてもよい。さらに、冷却手段と制御装置とを離間して配置したり、両者間をヒートパイプで接続する構成とすることもできる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正の内容】
図1
【国際調査報告】