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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2017年9月28日
【発行日】2018年12月13日
(54)【発明の名称】車載装置および車両
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/28 20060101AFI20181116BHJP
   G08G 1/0968 20060101ALI20181116BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20181116BHJP
   G01S 19/23 20100101ALI20181116BHJP
   G01S 19/52 20100101ALI20181116BHJP
   G01S 19/53 20100101ALI20181116BHJP
【FI】
   G01C21/28
   G08G1/0968 B
   G08G1/09 F
   G08G1/09 H
   G01S19/23
   G01S19/52
   G01S19/53
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】22
【出願番号】特願2018-507089(P2018-507089)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2017年1月30日
(31)【優先権主張番号】特願2016-58929(P2016-58929)
(32)【優先日】2016年3月23日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】000001487
【氏名又は名称】クラリオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002365
【氏名又は名称】特許業務法人サンネクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】河内 尚
(72)【発明者】
【氏名】安藤 英里子
(72)【発明者】
【氏名】萱島 信
【テーマコード(参考)】
2F129
5H181
5J062
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129BB03
2F129BB09
2F129BB22
2F129BB27
2F129BB28
2F129BB29
2F129BB33
2F129CC24
2F129EE02
2F129EE78
2F129FF02
2F129FF13
2F129FF20
2F129FF21
2F129FF57
2F129HH12
2F129HH31
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB15
5H181FF04
5H181FF05
5H181FF07
5H181FF22
5H181FF33
5H181MB01
5J062AA12
5J062BB01
5J062CC07
5J062FF01
5J062FF04
(57)【要約】
車載装置は、比較情報を取得する取得部と、自車両に搭載された測位装置が出力する自車両の位置情報と、位置情報とは異なる比較情報と、に基づき測位装置の異常を検出する検出部と、を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
比較情報を取得する取得部と、
自車両に搭載された測位装置が出力する前記自車両の位置情報と、前記位置情報とは異なる前記比較情報と、に基づき前記測位装置の異常を検出する検出部と、
を備える車載装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車載装置において、
前記取得部は、前記自車両の車両情報を前記比較情報として取得する車載装置。
【請求項3】
請求項2に記載の車載装置において、
前記取得部は、前記自車両の進行方向および速度の少なくとも一方に関する前記車両情報を前記比較情報として取得する車載装置。
【請求項4】
請求項3に記載の車載装置において、
前記検出部は、前記車両情報に基づく前記自車両の進行方向および速度と、複数の前記位置情報に基づく前記自車両の進行方向および速度とを比較することにより、前記測位装置の異常を検出する車載装置。
【請求項5】
請求項3に記載の車載装置において、
前記検出部は、前記車両情報に基づき推定された前記自車両の現在位置と、前記位置情報が示す位置とを比較することにより、前記測位装置の異常を検出する車載装置。
【請求項6】
請求項1に記載の車載装置において、
前記取得部は、前記測位装置から取得される前記位置情報とは異なる他の位置情報を、前記比較情報として前記自車両の外部から取得する車載装置。
【請求項7】
請求項6に記載の車載装置において、
前記取得部は、前記自車両から所定範囲内に位置する他車両の位置を表す前記他の位置情報を取得する車載装置。
【請求項8】
請求項6に記載の車載装置において、
前記取得部は、所定地点に固定された路側器の位置を表す前記他の位置情報を、前記路側器と前記自車両との距離が所定距離以下であるときに取得する車載装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の車載装置において、
前記測位装置から取得された前記位置情報を前記自車両の外部に送信する送信部を更に備え、
前記送信部は、前記検出部により前記測位装置の異常が検出された場合、前記位置情報の送信を中止する車載装置。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項に記載の車載装置において、
前記検出部により前記測位装置の異常が検出された場合、異常が検出されたことを前記自車両の外部に報知する報知部を更に備える車載装置。
【請求項11】
請求項9または10に記載の車載装置を備える車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載装置および車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の方位測定手段、速度測定手段を用いて、それぞれの測定手段の誤差を補正し、ナビゲーションの精度を向上する技術が知られている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】日本国特開平7−301541号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術は、測位装置に異常が生じていることを想定していなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の態様によると、車載装置は、比較情報を取得する取得部と、自車両に搭載された測位装置が出力する前記自車両の位置情報と、前記位置情報とは異なる前記比較情報と、に基づき前記測位装置の異常を検出する検出部と、を備える。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、測位装置に生じた異常を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】車両制御ネットワークシステムの構成図
図2】車両および車載装置のハードウェア構成を例示するブロック図
図3】路側器のハードウェア構成を例示するブロック図
図4】車載装置の機能構成を例示するブロック図
図5】車両情報パケットの構成を例示する説明図
図6】GPS情報パケットの構成を例示する説明図
図7】車両ECU情報パケットの構成を例示する説明図
図8】GPS情報DBの構成を例示する説明図
図9】車両ECU情報DBの構成を例示する説明図
図10】路側器情報パケットの構成を例示する説明図
図11】受信情報DBの構成を例示する説明図
図12】異常処理部が実行する異常検出処理のフローチャート
図13】異常処理部が実行する異なる処理手順の異常検出処理のフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態に係る車載装置を有する車両制御ネットワークシステム1の構成図である。車両制御ネットワークシステム1は、複数の車両2、複数の路側器3、ネットワーク4、およびセンタサーバ5を含む。
【0009】
複数の車両2は、それぞれ、車載装置20を搭載する。路側器3は、車両2が走行する道路の路側に設置される。路側器3は、所定地点に固定して設置される。複数の路側器3とセンタサーバ5は、ネットワーク4によって相互に接続される。センタサーバ5は、複数の路側器3とデータ通信を行う。
【0010】
以下の説明では、複数の車両2のうち1つを自車両2aと称し、それ以外の車両2を他車両2bと称する。車載装置20の動作は、自車両2aを中心として説明する。
【0011】
図2は、車両2および車載装置20のハードウェア構成を例示するブロック図である。車両2は、アンテナ部107、表示装置108、角速度センサ109、GPSセンサ110、ナビゲーションシステム111、および複数の車両ECU112を備える。
【0012】
車載装置20には、アンテナ部107、表示装置108、角速度センサ109、GPSセンサ110、ナビゲーションシステム111、および複数の車両ECU112が接続される。
【0013】
アンテナ部107は、車載装置20に接続される。車載装置20は、アンテナ部107を介した無線通信によって、路側器3や他の車両2に搭載された車載装置20とデータ通信を行う。
【0014】
表示装置108は、例えば液晶モニタ等であり、運転者に対して種々の情報を表示する。角速度センサ109は、車両2の角速度を測定する。GPSセンサ110は、衛星から信号を受信して車両2の位置を測位する測位装置である。ナビゲーションシステム111は、地図情報を保持し、運転者に経路案内機能を提供する。複数の車両ECU112は、それぞれ、車両2のアクセル、ブレーキ等を制御する。
【0015】
車載装置20は、記憶装置101、CPU102、メモリ部103、および無線送受信部106を備える。記憶装置101は、例えばHDDやフラッシュメモリ等の補助記憶装置である。CPU102は、例えば記憶装置101などに記憶された所定の制御プログラムを読み込んで実行することにより、車載装置20を制御する。
【0016】
メモリ部103は、CPU102が制御プログラムを実行する際に利用する主記憶装置である。無線送受信部106は、アンテナ部107を介して無線信号を送受信することにより、路側器3や他の車両2に搭載された車載装置20とデータ通信を行う。
【0017】
CPU102は、車外情報処理部1100、車内情報処理部1200、および異常処理部1300を機能的に備える。すなわち、車外情報処理部1100、車内情報処理部1200、および異常処理部1300は、CPU102が実行する制御プログラムによってソフトウェア的に実現される。車外情報処理部1100、車内情報処理部1200、および異常処理部1300については後に詳述する。
【0018】
なお、車外情報処理部1100、車内情報処理部1200、および異常処理部1300を、例えば同等の電子回路などによって構成することも可能である。
【0019】
図3は、路側器3のハードウェア構成を例示するブロック図である。路側器3は、路側器制御部205、無線送受信部206、およびアンテナ部207を備える。
【0020】
無線送受信部206は、アンテナ部207を介して無線信号を送受信することにより、車両2に搭載された車載装置20とデータ通信を行う。路側器制御部205は、路側器3を制御する。路側器制御部205は、ネットワーク4に接続されている。路側器制御部205は、ネットワーク4を介してセンタサーバ5とデータ通信を行う。路側器制御部205は、センタサーバ5から送信された情報を車両2に送信したり、車両2から受信した情報をセンタサーバ5に送信したりする。また、路側器制御部205は、センタサーバ5から送信された情報以外の情報(例えば、路側器3が有する不図示の記憶媒体に格納されている情報)を車両2に送信する。
【0021】
図4は、車載装置20の機能構成を例示するブロック図である。記憶装置101は、GPS情報DB1304、受信情報DB1305、および車両ECU情報DB1306を有する。これらの各データベースの構成については後に詳述する。
【0022】
車外情報処理部1100は、自車両2aの外部との情報の送受信を行う。例えば、車外情報処理部1100は、後述する車両情報パケットA600を他車両2bおよび路側器3に送信する。車外情報処理部1100は、他車両2bから後述する車両情報パケットA600を受信する。車外情報処理部1100は、路側器3から後述する路側器情報パケットA1100を受信する。車外情報処理部1100は、外部から受信した車両情報パケットA600および路側器情報パケットA1100を、受信情報DB1305に格納する。
【0023】
車内情報処理部1200は、角速度センサ109、GPSセンサ110、ナビゲーションシステム111、および車両ECU112から出力される情報を受信する。例えば、GPSセンサ110は後述するGPS情報パケットA700を車内情報処理部1200に出力する。また、車両ECU112は後述するECU情報パケットA800を車内情報処理部1200に出力する。ここでECUとは、Electronic Control Unitを示し、情報を処理する機能をもつ。
【0024】
ナビゲーションシステム111は、地図情報1400を有する。ナビゲーションシステム111は、地図情報1400を車内情報処理部1200に出力する。車内情報処理部1200は、受信したGPS情報パケットA700を、GPS情報DB1304に格納する。車内情報処理部1200は、受信したECU情報パケットA800を、車両ECU情報DB1306に格納する。
【0025】
異常処理部1300は、比較情報取得部1301、異常検出部1302、および異常報知部1303を有する。比較情報取得部1301は、車両ECU情報DB1306および受信情報DB1305から、後述する比較情報を取得する。
【0026】
異常検出部1302は、GPS情報DB1304に格納されている自車両2aの位置情報と、比較情報取得部1301により取得された比較情報とに基づき、GPSセンサ110の異常を検出する。異常報知部1303は、異常検出部1302によりGPSセンサ110の異常が検出された場合、異常が検出されたことを運転者および自車両2aの外部に報知する。
【0027】
図5は、車両情報パケットA600の構成を例示する説明図である。車両情報パケットA600は、車両IDA601、緯度1情報A602、緯度2情報A603、経度1情報A604、経度2情報A605、測位時刻A606、車両進行方向A607、および車両走行速度A608を含む。
【0028】
車両IDA601は、車両2ごとに重複しないように付された番号である。緯度1情報A602は、車両2の現在位置を表す緯度値である。緯度2情報A603は、緯度1情報A602の値が北緯(N)か南緯(S)かを表す情報である。
【0029】
経度1情報A604は、車両2の現在位置を表す経度値である。経度2情報A605は、経度1情報A604の値が東経(E)か西経(W)かを表す情報である。測位時刻A606は、緯度1情報A602、緯度2情報A603、経度1情報A604、および経度2情報A605の値が測位により取得された時間(時刻)を表す情報である。
【0030】
車両進行方向A607は、測位時刻A606における車両2の進行方向を表す情報である。車両進行方向A607は、例えば所定方向(例えば磁北方向)を0度とする、0〜360度の角度で表現される。車両走行速度A608は、測位時刻A606における車両2の走行速度を表す情報である。車両走行速度A608は、例えばキロメートル毎時の数値で表現される。
【0031】
車外情報処理部1100は、車両ECU情報DB1306およびGPS情報DB1304から、特定時刻における測位結果および車両情報(速度、進行方向など)を取得して、車両情報パケットA600を作成する。車外情報処理部1100は、作成した車両情報パケットA600を、自車両2aの近傍(例えば自車両2aを中心として半径数十メートル範囲内)に位置する他車両2bや路側器3に送信する。
【0032】
図6は、GPS情報パケットA700の構成を例示する説明図である。GPS情報パケットA700は、緯度1情報A701、緯度2情報A702、経度1情報A703、経度2情報A704、および測位時刻A705を含む。
【0033】
緯度1情報A701は、車両2の現在位置を表す緯度値である。緯度2情報A702は、緯度1情報A701の値が北緯(N)か南緯(S)かを表す情報である。経度1情報A703は、車両2の現在位置を表す経度値である。経度2情報A704は、経度1情報A703の値が東経(E)か西経(W)かを表す情報である。
【0034】
測位時刻A705は、緯度1情報A701、緯度2情報A702、経度1情報A703、および経度2情報A704の値が測位により取得された時間(時刻)を表す情報である。
【0035】
GPSセンサ110は、衛星から信号を受信して車両2の位置を測位する。GPSセンサ110は、測位結果をGPS情報パケットA700の形で車内情報処理部1200に送信する。車内情報処理部1200は、受信したGPS情報パケットA700に含まれる各情報を、後述するGPS情報DB1304に格納する。
【0036】
図7は、車両ECU情報パケットA800の構成を例示する説明図である。車両ECU情報パケットA800は、車両進行方向A801、車両走行速度A802、および測定時刻A803を含む。
【0037】
車両進行方向A801は、測定時刻A803における車両2の進行方向を表す情報である。車両進行方向A801は、例えば所定方向(例えば磁北方向)を0度とする、0〜360度の角度で表現される。車両走行速度A802は、測定時刻A803における車両2の走行速度を表す情報である。車両走行速度A802は、例えばキロメートル毎時の数値で表現される。測定時刻A803は、車両進行方向A801および車両走行速度A802の値が車両ECU112により取得された時間(時刻)を表す情報である。
【0038】
車両ECU112は、車両2の制御情報に基づき車両ECU情報パケットA800を作成する。車両ECU112は、作成した車両ECU情報パケットA800を車内情報処理部1200に送信する。車内情報処理部1200は、受信した車両ECU情報パケットA800に含まれる各情報を、後述する車両ECU情報DB1306に格納する。
【0039】
例えば、車両ECU112は、三軸加速度センサを有している。車両ECU112は、三軸加速度センサにより検出された車両2の現在の加速度と、三軸加速度センサにより過去に検出された車両2の過去の加速度履歴との積分に基づき、車両進行方向A801を推定する。また加速度履歴の移動平均などを用いて現在の車両進行方向A801を推定しても良い。別の例として、車両ECU112は、GPSセンサ110とは別のGPSセンサを有している。車両ECU112は、このGPSセンサにより検出された車両2の現在位置と、このGPSセンサにより過去に検出された車両2の過去の位置との差分に基づき、車両進行方向A801を特定する。
【0040】
なお、車両ECU情報パケットA800に含まれる情報は、図7に例示した情報そのものではなく、図7に例示した情報を生成可能な情報であってもよい。例えばアクセル開度やブレーキ圧、操舵角などの情報であってもよい。この場合において、車内情報処理部1200は、車両ECU情報パケットA800に含まれる情報に種々の演算を施すことで、図7に例示した車両進行方向A801や車両走行速度A802を生成する。
【0041】
図8は、GPS情報DB1304の構成を例示する説明図である。GPS情報DB1304は、複数のGPS情報A9001〜A900nを記憶する。GPS情報A9001〜A900nの各々は、緯度1情報A901、緯度2情報A902、経度1情報A903、経度2情報A904、および測位時刻A905を含む。
【0042】
緯度1情報A901、緯度2情報A902、経度1情報A903、経度2情報A904、および測位時刻A905の内容は、それぞれ、図6で説明した緯度1情報A701、緯度2情報A702、経度1情報A703、経度2情報A704、および測位時刻A705と同一であるので、説明を省略する。
【0043】
車内情報処理部1200は、GPS情報パケットA700を受信する度に、そのGPS情報パケットA700に含まれる各情報を、GPS情報DB1304に追記する。すなわちGPS情報DB1304には、GPS情報パケットA700に含まれる各情報が、時系列順に格納される。
【0044】
図9は、車両ECU情報DB1306の構成を例示する説明図である。車両ECU情報DB1306は、複数のECU情報A10001〜A1000nを記憶する。ECU情報A10001〜A1000nの各々は、車両進行方向A1001、車両走行速度A1002、および測定時刻A1003を含む。
【0045】
車両進行方向A1001、車両走行速度A1002、および測定時刻A1003の内容は、それぞれ、図7で説明した車両進行方向A801、車両走行速度A802、および測定時刻A803と同一であるので、説明を省略する。
【0046】
車内情報処理部1200は、車両ECU情報パケットA800を受信する度に、その車両ECU情報パケットA800に含まれる各情報を、車両ECU情報DB1306に追記する。すなわち車両ECU情報DB1306には、車両ECU情報パケットA800に含まれる各情報が、時系列順に格納される。
【0047】
図10は、路側器情報パケットA1100の構成を例示する説明図である。路側器情報パケットA1100は、路側器IDA1101、緯度1情報A1102、緯度2情報A1103、経度1情報A1104、経度2情報A1105、送信時刻A1106、およびアプリケーション情報A1107を含む。
【0048】
路側器IDA1101は、路側器3ごとに重複しないように付された番号である。緯度1情報A1102は、路側器3が設置された位置を表す緯度値である。緯度2情報A1103は、緯度1情報A1102の値が北緯(N)か南緯(S)かを表す情報である。
【0049】
経度1情報A1104は、路側器3が設置された位置を表す経度値である。経度2情報A1105は、経度1情報A1104の値が東経(E)か西経(W)かを表す情報である。送信時刻A1106は、この路側器情報パケットA1100が送信された時間(時刻)を表す情報である。
【0050】
アプリケーション情報A1107は、この路側器情報パケットA1100によって車両2に提供されるその他の情報である。アプリケーション情報A1107は、例えば、付近で交通事故が発生していることを運転者に報知するための情報である。
【0051】
路側器3は、車両2が路側器3の近傍(例えば路側器3を中心とする半径数十メートル範囲内)に位置したとき、路側器情報パケットA1100を作成する。例えば、路側器3は、車両2から受信した車両情報パケットA600に含まれる車両2の位置情報と、路側器3が設置されている位置とを比較して、車両2が路側器3の近傍に位置していた場合に、路側器情報パケットA1100を作成する。
【0052】
路側器3は、センタサーバ5から受信した情報をアプリケーション情報A1107として含む路側器情報パケットA1100を作成する。路側器3は、作成した路側器情報パケットA1100を近傍に位置する車両2に送信する。車内情報処理部1200は、受信した路側器情報パケットA1100に含まれる各情報を、後述する受信情報DB1305に格納する。
【0053】
図11は、受信情報DB1305の構成を例示する説明図である。受信情報DB1305は、複数の受信情報A12001〜A1200nを記憶する。受信情報A12001〜A1200nの各々は、IDA1201、緯度1情報A1202、緯度2情報A1203、経度1情報A1204、経度2情報A1205、および受信時刻A1206を含む。
【0054】
IDA1201、緯度1情報A1202、緯度2情報A1203、経度1情報A1204、および経度2情報A1205は、それぞれ、図5で説明した車両IDA601、緯度1情報A602、緯度2情報A603、経度1情報A604、および経度2情報A605、または、図10で説明した路側器IDA1101、緯度1情報A1102、緯度2情報A1103、経度1情報A1104、および経度2情報A1105と同一であるので、説明を省略する。
【0055】
車外情報処理部1100は、車両情報パケットA600または路側器情報パケットA1100を受信する度に、受信したパケットに含まれる各情報を、受信情報DB1305に追記する。すなわち受信情報DB1305には、車両情報パケットA600または路側器情報パケットA1100に含まれる各情報が、時系列順に格納される。受信時刻A1206は、車両情報パケットA600または路側器情報パケットA1100を受信した時間(時刻)を表す情報である。
【0056】
なお、受信時刻A1206の代わりに、車両情報パケットA600または路側器情報パケットA1100が送信された時間(時刻)を表す情報を、受信情報DB1305に格納してもよい。このようにする場合、路側器情報パケットA1100については、路側器情報パケットA1100に含まれる送信時刻A1106をそのまま用いればよい。また、車両情報パケットA600については、車両情報パケットA600を送信した時刻を示す情報を車両情報パケットA600に追加する必要がある。
【0057】
図12は、異常処理部1300が実行する異常検出処理のフローチャートである。ステップS10において、比較情報取得部1301が、受信情報DB1305から第1比較情報を取得する。ここで取得される第1比較情報は、受信情報DB1305内の、直近の(最新の)受信情報A1200nである。すなわち第1比較情報は、自車両2aに最後に接近した他車両2bまたは路側器3の位置を示す情報である。
【0058】
ステップS20において、異常検出部1302が、第1比較情報と位置情報とを比較する。ここで第1比較情報と比較される位置情報は、GPS情報DB1304内の、直近の(最新の)GPS情報A900nである。
【0059】
ステップS30において、異常検出部1302が、ステップS20で比較した第1比較情報と位置情報との差(すなわち2つの位置間の距離)が、所定のしきい値以下であるか否かを判定する。換言すると、異常検出部1302は、第1比較情報により示される位置と、位置情報により示される位置とが、GPSの精度等の誤差を考慮した上で一定距離よりも離れていないかを判定する。
【0060】
前述の通り、第1比較情報は、自車両2aに最後に接近した他車両2bまたは路側器3の位置を示す情報である。換言すると、第1比較情報は、自車両2aが最後に受信した他車両2bの車両情報パケットA600または路側器情報パケットA1100により示される、他車両2bまたは路側器3の位置を示す情報である。従って、ステップS20で比較した第1比較情報と位置情報との差(すなわち2つの位置間の距離)は、異常が生じていない限り、自車両2aと他車両2bまたは路側器3との通信可能距離とGPSの精度等の誤差を足し合わせた距離を大きく上回らない。ステップS30で用いられるしきい値は、この通信可能距離や、GPSの精度等を考慮して決定される。例えばGPSセンサ110が単独測位を行うのであれば、しきい値は通信可能距離250メートルに誤差50メートルを加えて、300メートル程度に設定する。また、GPSセンサ110がD−GPS等により補正する測位を行うのであれば、しきい値は通信可能距離250メートルに誤差10メートルを加えて、260メートル程度に設定する。GPSセンサ110が準天頂衛星を用いた高精度な測位を行うのであれば、しきい値は通信可能距離250メートルに誤差30センチメートルを加えて、250.3メートル程度に設定する。通信可能距離が上述したしきい値を下回る場合には、上述したしきい値の代わりに、通信可能距離をやや上回る程度のしきい値を設定する。なお、GPSセンサ110が測位に用いている衛星の数や種類に応じて、しきい値を動的に変更してもよい。
【0061】
ステップS30において、第1比較情報と位置情報との差が所定のしきい値以下であった場合、異常検出部1302は処理をステップS70に進める。ステップS70において、車外情報処理部1100は、周囲の他車両2bや路側器3に対し、自車両2aの位置を示す車両情報パケットA600を送信する。
【0062】
他方、ステップS30において、第1比較情報と位置情報との差が所定のしきい値を上回る場合、異常検出部1302は処理をステップS40に進める。ステップS40において、比較情報取得部1301が、車両ECU情報DB1306から第2比較情報を取得する。ここで取得される第2比較情報は、車両ECU情報DB1306内の複数のECU情報A10001〜A1000nのうち、直近M件の(最新のM件の)ECU情報を含む。ここでMは、1以上の整数である。すなわち第2比較情報は、自車両2aの進行方向および車速の履歴を示す情報である。例えば、GPSセンサ110の測位が1秒程度の間隔で行われるものとし、位置情報の比較を500メートル程度の間隔で行いたいとする。車両2の平均時速が60キロメートル毎時であると仮定すると、500メートルを走行する時間は30秒となるので、Mは(30秒/1秒)=30程度の値に設定すればよい。
【0063】
ステップS50において、異常検出部1302が、第2比較情報と位置情報の履歴とを比較する。ここで第2比較情報と比較される位置情報の履歴は、GPS情報DB1304内の複数のGPS情報A9001〜A900nのうち、直近N件の(最新のN件の)GPS情報である。
【0064】
異常検出部1302は、GPS情報DB1304内のこれらの情報から、自車両2aの過去の進行方向および車速を推定する。過去の進行方向は、例えば2点を結ぶ直線を考えることで推定することができる。過去の車速は、例えば2点間の距離を測位時刻の差で割ることで推定することができる。なお、過去の進行方向および車速の推定方法はこれとは異なっていてもよい。
【0065】
異常検出部1302は、このようにして推定された過去の進行方向および車速を、第2比較情報に含まれる自車両2aの進行方向および車速の履歴と比較する。比較する方法には例えば、進行方向と車速の履歴を移動平均などを用いて比較する方法などを用いる。なお、進行方向と車速のうち、いずれか一方のみを比較するようにしてもよい。
【0066】
ステップS60において、異常検出部1302は、ステップS50で比較した第2比較情報と位置情報の履歴との差が所定のしきい値以下であるか否かを判定する。この差が所定のしきい値以下であった場合、異常検出部1302は処理をステップS70に進める。ステップS70において、車外情報処理部1100は、周囲の他車両2bや路側器3に対し、自車両2aの位置を示す車両情報パケットA600を送信する。
【0067】
他方、ステップS60において、第2比較情報と位置情報の履歴との差が所定のしきい値を上回る場合、異常検出部1302は処理をステップS80に進める。ステップS80において、異常検出部1302が、車外情報処理部1100による車両情報パケットA600の送信を禁止する。車両情報パケットA600の送信を禁止された車外情報処理部1100は、車両情報パケットA600の送信を中止する。ステップS90において、異常報知部1303が、表示装置108に所定のメッセージを表示することで、運転者に異常の発生を報知する。
【0068】
図13は、異常処理部1300が実行する異常検出処理のフローチャートである。図12では、第1比較情報と位置情報の履歴を比較後に、第2比較情報と位置情報の履歴を比較していたが、図13は第2比較情報と位置情報の履歴を比較後に、第1比較情報と位置情報の履歴の比較を実施する場合のフローチャートを示している。
ステップS210において、比較情報取得部1301が、車両ECU情報DB1306から第2比較情報を取得する。ここで取得される第2比較情報は、車両ECU情報DB1306内の複数のECU情報A10001〜A1000nのうち、直近M件の(最新のM件の)ECU情報を含む。
【0069】
ステップS220において、異常検出部1302が、第2比較情報と位置情報の履歴とを比較する。ここで第2比較情報と比較される位置情報の履歴は、GPS情報DB1304内の複数のGPS情報A9001〜A900nのうち、直近N件の(最新のN件の)GPS情報である。
【0070】
異常検出部1302は、GPS情報DB1304内のこれらの情報から、自車両2aの過去の進行方向および車速を推定する。過去の進行方向は、例えば2点を結ぶ直線を考えることで推定することができる。過去の車速は、例えば2点間の距離を測位時刻の差で割ることで推定することができる。なお、過去の進行方向および車速の推定方法はこれとは異なっていてもよい。
【0071】
異常検出部1302は、このようにして推定された過去の進行方向および車速を、第2比較情報に含まれる自車両2aの進行方向および車速の履歴と比較する。
【0072】
ステップS230において、異常検出部1302は、ステップS220で比較した第2比較情報と位置情報の履歴との差が所定のしきい値以下であるか否かを判定する。この差が所定のしきい値以下であった場合、異常検出部1302は処理をステップS270に進める。ステップS270において、車外情報処理部1100は、周囲の他車両2bや路側器3に対し、自車両2aの位置を示す車両情報パケットA600を送信する。
【0073】
ステップS230において、第2比較情報と位置情報との差が所定のしきい値を上回る場合、異常検出部1302は処理をステップS240に進む。ステップS240において、比較情報取得部1301が、受信情報DB1305から第1比較情報を取得する。ここで取得される第1比較情報は、受信情報DB1305内の、直近の(最新の)受信情報A1200nである。すなわち第1比較情報は、自車両2aに最後に接近した他車両2bまたは路側器3の位置を示す情報である。
【0074】
ステップS250において、異常検出部1302が、第1比較情報と位置情報とを比較する。ここで第1比較情報と比較される位置情報は、GPS情報DB1304内の、直近の(最新の)GPS情報A900nである。
【0075】
ステップS260において、異常検出部1302が、ステップS240で比較した第1比較情報と位置情報との差(すなわち2つの位置間の距離)が、所定のしきい値以下であるか否かを判定する。換言すると、異常検出部1302は、第1比較情報により示される位置と、位置情報により示される位置とが、GPSの精度等の誤差を考慮した上で一定距離よりも離れていないかを判定する。
【0076】
他方、ステップS260において、第1比較情報と位置情報の履歴との差が所定のしきい値を上回る場合、異常検出部1302は処理をステップS280に進める。ステップS280において、異常検出部1302が、車外情報処理部1100による車両情報パケットA600の送信を禁止する。車両情報パケットA600の送信を禁止された車外情報処理部1100は、車両情報パケットA600の送信を中止する。ステップS290において、異常報知部1303が、表示装置108に所定のメッセージを表示することで、運転者に異常の発生を報知する。
【0077】
GPSセンサ110は、衛星から信号を受信することで、車両2の位置を示す情報(緯度1情報A901、緯度2情報A902、経度1情報A903、経度2情報A904)と、測位が行われた時刻を示す情報(測位時刻A905)とを検出する。GPSセンサ110に異常が生じている場合、前者の位置情報と、後者の時刻情報と、の少なくとも一方が誤った情報になる。前者の位置情報が正常でない場合であっても、後者の時刻情報が正常でない場合であっても、異常検出部1302がGPS情報DB1304に基づき推定した過去の進行方向および車速は、実際のものとは大きく異なるものになる。つまり、位置情報だけが異常な内容となった場合であっても、時刻情報だけが異常な内容となった場合であっても、異常検出部1302はGPSセンサ110に生じた異常を検出することができる。
【0078】
なお、測位時刻A905に生じた異常を、位置情報とは別の方法で検出するようにしてもよい。例えば、他の情報源から正しい時刻を取得しておき、ステップS20において、その履歴と測位時刻A905の履歴とを比較して、ステップS30において一定以上の乖離が生じている場合に、GPSセンサ110に異常が生じていると判断してもよい。ここで言う他の情報源としては、GPSセンサ110とは別に設けた他のGPSセンサ、水晶発振子等を用いたタイマーモジュール、電波時計を内蔵したタイマーモジュール、等を利用することができる。
【0079】
上述した第1の実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)比較情報取得部1301は、第1比較情報および第2比較情報を取得する。異常検出部1302は、自車両2aに搭載されたGPSセンサ110が出力する自車両2aの位置情報と、自車両2aの位置情報とは異なる第1比較情報および第2比較情報と、に基づきGPSセンサ110の異常を検出する。このようにしたので、GPSセンサ110に生じた異常を検出することができる。
【0080】
(2)比較情報取得部1301は、自車両2aの車両ECU112から出力される車両情報を第2比較情報として取得する。このようにしたので、GPSセンサ110の出力が車両ECU112の出力と矛盾していた場合にGPSセンサ110の異常を検出することができる。
【0081】
(3)比較情報取得部1301は、自車両2aの進行方向および速度に関する車両情報を取得する。このようにしたので、GPSセンサ110の出力が自車両2aの進行方向および速度と矛盾していた場合にGPSセンサ110の異常を検出することができる。
【0082】
(4)異常検出部1302は、車両情報に基づく自車両2aの速度および進行方向と、複数の位置情報に基づく自車両2aの速度および進行方向とを比較することにより、GPSセンサ110の異常を検出する。このようにしたので、GPSセンサ110の出力が自車両2aの進行方向および速度と矛盾していた場合にGPSセンサ110の異常を検出することができる。
【0083】
(5)比較情報取得部1301は、GPSセンサ110から取得される位置情報とは異なる他の位置情報を、第1比較情報として自車両2aの外部から取得する。このようにしたので、GPSセンサ110の出力が他車両2bのGPSセンサ110の出力と矛盾していた場合、および、GPSセンサ110の出力が路側器3の出力と矛盾していた場合に、GPSセンサ110の異常を検出することができる。
【0084】
(6)比較情報取得部1301は、自車両2aから所定範囲内に位置する他車両2bの位置を表す他の位置情報を第1比較情報として取得する。このようにしたので、GPSセンサ110の出力と他車両2bのGPSセンサ110の出力との差が他車両2bとの通信可能距離から大きく離れていた場合にGPSセンサ110の異常を検出することができる。
【0085】
(7)比較情報取得部1301は、所定地点に固定された路側器3の位置を表す他の位置情報を、路側器3と自車両2aとの距離が所定距離以下であるときに第1比較情報として取得する。このようにしたので、GPSセンサ110の出力と路側器3の出力との差が路側器3との通信可能距離から大きく離れていた場合にGPSセンサ110の異常を検出することができる。
【0086】
(8)車外情報処理部1100は、GPSセンサ110から取得された位置情報を含む車両情報パケットA600を自車両2aの外部に送信する。車外情報処理部1100は、異常検出部1302によりGPSセンサ110の異常が検出された場合、位置情報を含む車両情報パケットA600の送信を中止する。このようにしたので、不正な情報が含まれる車両情報パケットA600が他車両2bに悪影響を及ぼすことを防止できる。
【0087】
次のような変形も本発明の範囲内であり、変形例の一つ、もしくは複数を上述の実施形態と組み合わせることも可能である。
【0088】
(変形例1)
異常報知部1303が、GPSセンサ110の異常を運転者だけでなく自車両2aの外部に報知するようにしてもよい。例えば、異常が検出された場合に、異常報知部1303が、自車両2aのGPSセンサ110に異常が生じたことを示すパケットを、他車両2bや路側器3に送信するようにしてもよい。
【0089】
(変形例2)
異常検出部1302が、第1比較情報と第2比較情報のいずれか一方のみを用いてGPSセンサ110の異常を検出するようにしてもよい。例えば図12の処理において、ステップS10〜S30を省略し、処理がステップS40から開始されるようにすれば、第2比較情報のみを用いてGPSセンサ110の異常を検出することができる。また、図12の処理において、ステップS40〜S60を省略し、ステップ30で否定判定が為された場合には処理がステップS80に進むようにすれば、第1比較情報のみを用いてGPSセンサ110の異常を検出することができる。
【0090】
(変形例3)
上述した実施の形態では、GPS情報DB1304の内容から自車両2aの速度および進行方向を推定し、推定結果と第2比較情報とを比較することでGPSセンサ110の異常を検出していた。これとは逆に、第2比較情報から自車両2aの位置を推定し、推定結果とGPS情報DB1304の内容とを比較することでGPSセンサ110の異常を検出するようにしてもよい。例えば、所定の起点を示す位置情報に、自車両2aが起点から走行した距離を加算することで、自車両2aの位置を推定することができる。自車両2aの走行距離は、例えば自車両2aの車輪の回転数に基づく車速パルス等から取得することができる。走行距離を加算する際に、自車両2aの操舵角度や角速度等から自車両2aの移動方向を求め、その移動方向を考慮して走行距離を加算してもよい。
【0091】
(変形例4)
車両2が路側器3の近傍に位置しているか否かを、路側器3が上述の方法とは異なる方法で判定してもよい。例えば、路側器3が、車両情報パケットA600を受信したときに路側器情報パケットA1100を作成するようにしてもよい。この変形例では、路側器3と車両2との間で無線通信が可能な距離は高々200メートル程度なので、無線通信が行える(車両情報パケットA600を受信できる)ことが、すなわち車両2が路側器3の近傍に位置することを示している。これ以外にも、例えばカメラ等のセンサを用いて、車両2が路側器3の近傍に位置することを検知したときに、路側器情報パケットA1100が作成されるようにしてもよい。また、図10に示したアプリケーション情報A1107に、路側器3とセンタサーバ5との通信を中継する基地局の位置を示す位置情報を格納しておき、この位置情報と車両2の位置とを比較して、車両2が路側器3の近傍に位置しているか否かを判定してもよい。
【0092】
本発明の特徴を損なわない限り、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の形態についても、本発明の範囲内に含まれる。
【0093】
次の優先権基礎出願の開示内容は引用文としてここに組み込まれる。
日本国特許出願2016年第58929号(2016年3月23日出願)
【符号の説明】
【0094】
1…車両制御ネットワークシステム、2…車両、3…路側器、110…GPSセンサ、1100…車外情報処理部、1200…車内情報処理部、1300…異常処理部、1301…比較情報取得部、1302…異常検出部、1303…異常報知部、1304…GPS情報DB、1305…受信情報DB、1306…車両ECU情報DB
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【国際調査報告】