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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2017年10月5日
【発行日】2018年12月13日
(54)【発明の名称】電動機ユニット
(51)【国際特許分類】
   B60K 6/405 20071001AFI20181116BHJP
   B60K 6/26 20071001ALI20181116BHJP
   B60K 6/44 20071001ALI20181116BHJP
   B60K 7/00 20060101ALI20181116BHJP
   H02P 5/46 20060101ALI20181116BHJP
【FI】
   B60K6/405ZHV
   B60K6/26
   B60K6/44
   B60K7/00
   H02P5/46 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】15
【出願番号】特願2018-508011(P2018-508011)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2017年3月27日
(31)【優先権主張番号】特願2016-65530(P2016-65530)
(32)【優先日】2016年3月29日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002505
【氏名又は名称】特許業務法人航栄特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山田 賢
(72)【発明者】
【氏名】矢▲崎▼ 学
(72)【発明者】
【氏名】林 信章
【テーマコード(参考)】
3D202
3D235
5H572
【Fターム(参考)】
3D202AA01
3D202EE00
3D202EE02
3D202EE21
3D202EE23
3D202FF02
3D202FF03
3D202FF15
3D235AA01
3D235BB18
3D235BB19
3D235CC32
3D235CC42
3D235DD02
3D235DD13
3D235GA07
3D235GA13
3D235GA68
3D235HH13
5H572AA02
5H572CC04
5H572DD02
5H572EE04
5H572LL32
5H572LL49
5H572MM18
5H572PP01
(57)【要約】
後輪駆動装置(1)は、第1電動機(102A)及び第2電動機(102B)を備え、第1電動機(102A)及び第2電動機(102B)はそれぞれ電動機本体と回転状態量検出装置とを有する。第1電動機(102A)のステータ(14A)の基準位置(MS1)と第1電動機(102A)のレゾルバステータ(93)の基準位置(RS1)との相対位置と、第2電動機(102B)のステータ(14B)の基準位置(MS2)と第2電動機(102B)のレゾルバステータ(93)の基準位置(RS2)との相対位置と、が第1電動機(102A)及び第2電動機(102B)の車両(3)の前進時又は後進時の回転方向一方を基準にして、同一である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の左車輪に接続される第1電動機と、
前記車両の右車輪に接続される第2電動機と、を備え、
該第1電動機及び該第2電動機は、
固定子と、該固定子に対して相対回転可能に配設される回転子と、を有する電動機本体と、
前記回転子又は前記回転子と連動して回転する回転体に設置される被検出子と、前記被検出子の回転状態を検出する検出器と、を有する回転状態量検出装置と、をそれぞれ有する、電動機ユニットであって、
前記第1電動機の前記固定子の基準位置と前記第1電動機の前記検出器の基準位置との相対位置と、
前記第2電動機の前記固定子の基準位置と前記第2電動機の前記検出器の基準位置との相対位置と、が前記第1電動機及び前記第2電動機の前記車両の前進時又は後進時の回転方向を基準にして、同一である、電動機ユニット。
【請求項2】
請求項1に記載の電動機ユニットであって、
前記回転方向において、前記第1電動機の前記固定子の基準位置と前記第2電動機の前記固定子の基準位置とが同一の位相にある、電動機ユニット。
【請求項3】
請求項2に記載の電動機ユニットであって、
前記第1電動機及び前記第2電動機は筺体に収容され、
前記第1電動機の前記電動機本体と前記第2電動機の前記電動機本体は、同一の部材から構成され、
前記第1電動機の前記回転状態量検出装置と前記第2電動機の前記回転状態量検出装置は、同一の部材から構成されている、電動機ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、それぞれが回転状態量検出装置を有する2つの電動機を備えた電動機ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
電動機には、電動機本体の正確な速度制御を行うため、電動機ステータに対する電動機ロータの回転位置を精密に検出する回転状態量検出装置としてのレゾルバが設けられることがある。レゾルバは、レゾルバロータとレゾルバステータとを備えており、レゾルバロータは電動機ロータと一体回転するように配置される。そのため、レゾルバからの出力信号を処理してレゾルバロータの回転位置を検出することで、電動機ロータの回転位置を検出することができる。そして、電動機制御装置は、レゾルバにて検出された電動機ロータの回転位置等に基づいて、直流電源から供給される直流電圧をインバータにより交流電圧に変換して電動機に供給することで、電動機を駆動制御する。具体的には、電動機制御装置は、電動機ロータの回転位置等に基づいて電動機に入力する電流の位相を決定し、この決定に従いインバータが備えるスイッチング素子のスイッチング制御を行う。
【0003】
このように、電動機に入力する電流の位相はレゾルバの検出値に基づき決定されるため、当該検出値が誤差を有していると、電動機に入力する電流の位相が、実際に電動機に入力されるべき電流の位相とは異なったものとなってしまう。そのため、電動機本体とレゾルバを組み付ける際には、電動機ステータの基準位置とレゾルバステータの基準位置との差異を取得して補正を行うゼロ点補正が行われている。
【0004】
例えば、特許文献1には、筐体内にそれぞれがレゾルバを有する2つの電動機を備えた車両駆動装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】日本国特許第5750501号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1では、ゼロ点補正に際し、左右の電動機で電動機ステータの基準位置とレゾルバステータの基準位置をどのように設定するのか記載されていない。したがって、それぞれの電動機でゼロ点補正を行うに際し、数値管理が煩雑となる虞があった。
【0007】
本発明は、それぞれが回転状態量検出装置を有する2つの電動機においてゼロ点補正を容易に行うことができる電動機ユニットを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は以下の態様を提供するものである。
第1態様は、
車両(例えば、後述の実施形態の車両3)の左車輪(例えば、後述の実施形態の左後輪LWr)に接続される第1電動機(例えば、後述の実施形態の第1電動機102A)と、
前記車両の右車輪(例えば、後述の実施形態の右後輪RWr)に接続される第2電動機(例えば、後述の実施形態の第2電動機102B)と、を備え、
該第1電動機及び該第2電動機は、
固定子(例えば、後述の実施形態のステータ14A、14B)と、該固定子に対して相対回転可能に配設される回転子(例えば、後述の実施形態のロータ15A、15B)と、を有する電動機本体(例えば、後述の実施形態の第1電動機本体2A、第2電動機本体2B)と、
前記回転子又は前記回転子と連動して回転する回転体(例えば、後述の実施形態の円筒軸16A、16B)に設置される被検出子(例えば、後述の実施形態のレゾルバロータ90)と、前記被検出子の回転状態を検出する検出器(例えば、後述の実施形態のレゾルバステータ93)と、を有する回転状態量検出装置(例えば、後述の実施形態のレゾルバ20A、20B)と、をそれぞれ有する、電動機ユニット(例えば、後述の実施形態の後輪駆動装置1)であって、
前記第1電動機の前記固定子の基準位置(例えば、後述の実施形態の基準位置MS1)と前記第1電動機の前記検出器の基準位置(例えば、後述の実施形態の基準位置RS1)との相対位置と、
前記第2電動機の前記固定子の基準位置(例えば、後述の実施形態の基準位置MS2)と前記第2電動機の前記検出器の基準位置(例えば、後述の実施形態の基準位置RS2)との相対位置と、が前記第1電動機及び前記第2電動機の前記車両の前進時又は後進時の回転方向を基準にして、同一である。
【0009】
また、第2態様は、第1態様の構成に加えて、
前記回転方向において、前記第1電動機の前記固定子の基準位置と前記第2電動機の前記固定子の基準位置とが同一の位相にある。
【0010】
また、第3態様は、第2態様の構成に加えて、
前記第1電動機及び前記第2電動機は筺体に収容され、
前記第1電動機の前記電動機本体と前記第2電動機の前記電動機本体は、同一の部材から構成され、
前記第1電動機の前記回転状態量検出装置と前記第2電動機の前記回転状態量検出装置は、同一の部材から構成されている。
【発明の効果】
【0011】
第1態様によれば、第1電動機の固定子の基準位置と第1電動機の検出器の基準位置との相対位置と、第2電動機の固定子の基準位置と第2電動機の検出器の基準位置との相対位置と、が第1電動機と第2電動機の車両の前進時又は後進時の回転方向を基準にして、同一であるので、ゼロ点補正する際の目安となる値が共通となり、数値管理が容易となる。
【0012】
第2態様によれば、車両の前進する際の第1電動機と第2電動機の回転方向を基準にして、第1電動機の固定子の基準位置と第2電動機の固定子の基準位置とが同一の位相にあるので、電動機の組付けが容易となる。
【0013】
第3態様によれば、部品を共有することで部品点数を削減することができ、製造コストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の電動機を搭載可能な一実施形態であるハイブリッド車両の概略構成を示すブロック図である。
図2】後輪駆動装置の縦断面図である。
図3図2に示す後輪駆動装置の上部部分の拡大断面図である。
図4A】右側の第2電動機を収容する右側方ケースの端部壁を右側方から見た側面図である。
図4B】左側の第1電動機を収容する左側方ケースの端部壁を左側方から見た側面図である。
図5A】右側方ケースを取り外して右側の第2電動機を右側方から見た側面図である。
図5B】左側方ケースを取り外して左側の第1電動機を左側方から見た側面図である。
図6】ゼロ点補正を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本実施形態の電動機ユニットを搭載可能な車両としてハイブリッド車両を例に説明する。
図1に示す車両3は、内燃機関4と電動機5が直列に接続された駆動装置6(以下、前輪駆動装置と呼ぶ。)を車両前部に有するハイブリッド車両であり、この前輪駆動装置6の動力がトランスミッション7を介して前輪Wfに伝達される一方で、この前輪駆動装置6と別に、車両後部のフロアパネル(不図示)よりも下方に設けられた駆動装置1(以下、後輪駆動装置と呼ぶ。)の動力が後輪Wr(RWr、LWr)に伝達されるようになっている。後輪駆動装置1は、第1及び第2電動機本体2A、2Bを備え、第1電動機本体2Aの動力が左後輪LWrに伝達され、第2電動機本体2Bの動力が右後輪RWrに伝達される。前輪駆動装置6の電動機5と後輪駆動装置1の第1及び第2電動機本体2A、2Bは、バッテリ9に接続され、バッテリ9からの電力供給と、バッテリ9へのエネルギー回生が可能となっている。
【0016】
図2は、後輪駆動装置1の全体の縦断面図を示すものであり、図3は、図2の上部部分拡大断面図である。後輪駆動装置1の筺体であるケース11は、車幅方向(以下、車両の左右方向とも称す)略中央部に配置される中央ケース11Mと、中央ケース11Mを挟むように中央ケース11Mの左右に配置される左側方ケース11A、及び右側方ケース11Bと、から構成され、全体が略円筒状に形成される。ケース11の内部には、後輪Wr用の車軸10A、10Bと、車軸駆動用の第1及び第2電動機本体2A、2Bと、この第1及び第2電動機本体2A、2Bの駆動回転を減速する第1及び第2遊星歯車式減速機12A、12Bとが、同一の回転軸線x上にそれぞれ並んで配置されている。この車軸10A、第1電動機本体2A及び第1遊星歯車式減速機12Aは左後輪LWrを駆動制御し、車軸10B、第2電動機本体2B及び第2遊星歯車式減速機12Bは右後輪RWrを駆動制御する。車軸10A、第1電動機本体2A及び第1遊星歯車式減速機12Aと、車軸10B、第2電動機本体2B及び第2遊星歯車式減速機12Bは、ケース11内で回転軸線xに直交し中央に位置する中間面Mに対し、車幅方向に左右対称に配置されている。
【0017】
左右側方ケース11A、11Bの中央ケース11M側には、それぞれ径方向内側に延びる隔壁18A、18Bが設けられ、左右側方ケース11A、11Bの端部壁17A、17Bと隔壁18A、18Bとの間には、それぞれ第1及び第2電動機本体2A、2Bが配置される。また、中央ケース11Mと隔壁18A、18Bとに囲まれた空間には、第1及び第2遊星歯車式減速機12A、12Bが配置されている。
【0018】
後輪駆動装置1には、ケース11の内部と外部を連通するブリーザ装置40が設けられ、内部の空気が過度に高温・高圧とならないように内部の空気をブリーザ室41を介して外部に逃がすように構成される。ブリーザ室41は、ケース11の鉛直方向上部に配置され、中央ケース11Mの外壁と、中央ケース11M内に左側方ケース11A側に略水平に延設された第1円筒壁43と、右側方ケース11B側に略水平に延設された第2円筒壁44と、第1及び第2円筒壁43、44の内側端部同士をつなぐ左右分割壁45と、第1円筒壁43の左側方ケース11A側先端部に当接するように取り付けられたバッフルプレート47Aと、第2円筒壁44の右側方ケース11B側先端部に当接するように取り付けられたバッフルプレート47Bと、により形成された空間により構成される。
【0019】
ブリーザ室41の下面を形成する第1及び第2円筒壁43、44と左右分割壁45は、第1円筒壁43が第2円筒壁44より径方向内側に位置し、左右分割壁45が、第2円筒壁44の内側端部から縮径しつつ屈曲しながら第1円筒壁43の内側端部まで延設され、さらに径方向内側に延設されて略水平に延設された第3円筒壁46に達する。第3円筒壁46は、第1円筒壁43と第2円筒壁44の両外側端部より内側に且つその略中央に位置している。
【0020】
中央ケース11Mには、バッフルプレート47A、47Bが、第1円筒壁43と中央ケース11Mの外壁との間の空間又は第2円筒壁44と中央ケース11Mの外壁との間の空間を第1遊星歯車式減速機12A又は第2遊星歯車式減速機12Bからそれぞれ区画するように固定されている。
【0021】
第1及び第2電動機本体2A、2Bは、ステータ14A、14Bがそれぞれ左右側方ケース11A、11Bに固定され、このステータ14A、14Bの内周側に環状のロータ15A、15Bがステータ14A、14Bに対して相対回転可能に配置されている。ロータ15A、15Bの内周部には車軸10A、10Bの外周を囲繞する円筒軸16A、16Bが結合され、この円筒軸16A、16Bが車軸10A、10Bと同軸上に相対回転可能となるように左右側方ケース11A、11Bの端部壁17A、17Bと隔壁18A、18Bに軸受19A、19Bを介して支持されている。
【0022】
円筒軸16A、16Bの一端側の外周であって端部壁17A、17Bには、円筒軸16A、16Bの内周部に相対回転可能に配置された車軸10A、10Bを囲繞する筒壁部81が延設されている。円筒軸16A、16Bの一端側には、被検出子としてのレゾルバロータ90が取り付けられており、端部壁17A、17Bには、レゾルバロータ90の回転状態を検出する検出器としてのレゾルバステータ93がレゾルバロータ90の外径側に対向するように取り付けられている。レゾルバロータ90とレゾルバステータ93とによりレゾルバ20A、20Bが構成され、レゾルバ20A、20Bは、ロータ15A、15Bの回転角、角速度、回転数等の回転状態量を第1及び第2電動機本体2A、2Bの制御コントローラ(図示せず)にフィードバックしている。また、円筒軸16A、16Bに設けられたレゾルバロータ90及び第1及び第2電動機本体2A、2Bのロータ15A、15Bと車軸10A、10Bとは後述するように第1及び第2遊星歯車式減速機12A、12Bを介して機械的に接続されるため、ロータ15A、15Bの回転状態量とギヤ比から車輪速を算出することもできるようになっている。なお、レゾルバ20Aは、第1電動機本体2Aとともに第1電動機102Aを構成し、レゾルバ20Bは、第2電動機本体2Bとともに第2電動機102Bを構成する。
【0023】
第1及び第2遊星歯車式減速機12A、12Bは、サンギヤ21A、21Bと、このサンギヤ21A、21Bに噛合される複数のプラネタリギヤ22A、22Bと、これらのプラネタリギヤ22A、22Bを支持するプラネタリキャリア23A、23Bと、プラネタリギヤ22A、22Bの外周側に噛合されるリングギヤ24A、24Bと、を備え、サンギヤ21A、21Bから第1及び第2電動機本体2A、2Bの駆動回転が入力され、減速された駆動回転がプラネタリキャリア23A、23Bを通して車軸10A、10Bに出力されるようになっている。
【0024】
サンギヤ21A、21Bは円筒軸16A、16Bに一体に形成されている。また、プラネタリギヤ22A、22Bは、サンギヤ21A、21Bに直接噛合される大径の第1ピニオン26A、26Bと、この第1ピニオン26A、26Bよりも小径の第2ピニオン27A、27Bを有する2連ピニオンであり、これらの第1ピニオン26A、26Bと第2ピニオン27A、27Bが同軸にかつ軸方向にオフセットした状態で一体に形成されている。このプラネタリギヤ22A、22Bはプラネタリキャリア23A、23Bに自転且つ公転可能に支持され、プラネタリキャリア23A、23Bは、軸方向内側端部が径方向内側に伸びて車軸10A、10Bにスプライン嵌合され一体回転可能に支持されるとともに、軸受33A、33Bを介して隔壁18A、18Bに支持されている。
【0025】
リングギヤ24A、24Bは、その内周面が小径の第2ピニオン27A、27Bに噛合されるギヤ部28A、28Bと、ギヤ部28A、28Bより小径でケース11の中間位置で互いに対向配置される小径部29A、29Bと、ギヤ部28A、28Bの軸方向内側端部と小径部29A、29Bの軸方向外側端部を径方向に連結する連結部30A、30Bとを備えて構成されている。
【0026】
ギヤ部28A、28Bは、中央ケース11Mの左右分割壁45の内径側端部に形成された第3円筒壁46を挟んで軸方向に対向している。小径部29A、29Bは、その外周面がそれぞれ後述する一方向クラッチ50のインナーレース51とスプライン嵌合し、リングギヤ24A、24Bは一方向クラッチ50のインナーレース51と一体回転するように互いに連結されて構成されている。
【0027】
第2遊星歯車式減速機12B側であって、ケース11を構成する中央ケース11Mの第2円筒壁44とリングギヤ24Bのギヤ部28Bとの間には、リングギヤ24Bに対する制動手段を構成する油圧ブレーキ60が第1ピニオン26Bと径方向でオーバーラップし、第2ピニオン27Bと軸方向でオーバーラップするように配置されている。油圧ブレーキ60は、第2円筒壁44の内周面にスプライン嵌合された複数の固定プレート35と、リングギヤ24Bのギヤ部28Bの外周面にスプライン嵌合された複数の回転プレート36が軸方向に交互に配置され、これらのプレート35、36が環状のピストン37によって締結及び解放操作されるようになっている。ピストン37は、中央ケース11Mの左右分割壁45と第3円筒壁46間に形成された環状のシリンダ室に進退自在に収容されており、さらに第3円筒壁46の外周面に設けられた受け座に支持される弾性部材39によって、常時、固定プレート35と回転プレート36とを解放する方向に付勢される。
【0028】
また、さらに詳細には、左右分割壁45とピストン37の間はオイルが直接導入される作動室とされ、作動室Sに導入されるオイルの圧力が弾性部材39の付勢力に勝ると、ピストン37が前進(右動)し、固定プレート35と回転プレート36とが相互に押し付けられて締結することとなる。また、弾性部材39の付勢力が作動室Sに導入されるオイルの圧力に勝ると、ピストン37が後進(左動)し、固定プレート35と回転プレート36とが離間して解放することとなる。なお、油圧ブレーキ60はオイルポンプ70(図1参照)に接続されている。
【0029】
この油圧ブレーキ60の場合、固定プレート35がケース11を構成する中央ケース11Mの左右分割壁45から伸びる第2円筒壁44に支持される一方で、回転プレート36がリングギヤ24Bのギヤ部28Bに支持されているため、両プレート35、36がピストン37によって押し付けられると、両プレート35、36間の摩擦締結によってリングギヤ24Bに制動力が作用し固定される。その状態からピストン37による締結が解放されると、リングギヤ24Bの自由な回転が許容される。なお、上述したように、リングギヤ24A、24Bは互いに連結されているため、油圧ブレーキ60が締結することによりリングギヤ24Aにも制動力が作用し固定され、油圧ブレーキ60が解放することによりリングギヤ24Aも自由な回転が許容される。
【0030】
また、軸方向で対向するリングギヤ24A、24Bの連結部30A、30B間にも空間部が確保され、その空間部内に、リングギヤ24A、24Bに対し一方向の動力のみを伝達し他方向の動力を遮断する一方向クラッチ50が配置されている。一方向クラッチ50は、インナーレース51とアウターレース52との間に多数のスプラグ53を介在させたものであって、そのインナーレース51がスプライン嵌合によりリングギヤ24A、24Bの小径部29A、29Bと一体回転するように構成されている。またアウターレース52は、第3円筒壁46により位置決めされるとともに、回り止めされている。
【0031】
一方向クラッチ50は、車両3が第1及び第2電動機本体2A、2Bの動力で前進する際に係合してリングギヤ24A、24Bの回転をロックするように構成されている。より具体的に説明すると、一方向クラッチ50は、第1及び第2電動機本体2A、2B側の順方向(車両3を前進させる際の回転方向)の回転動力が後輪Wr側に入力されるときに係合状態となるとともに第1及び第2電動機本体2A、2B側の逆方向の回転動力が後輪Wr側に入力されるときに非係合状態となり、後輪Wr側の順方向の回転動力が第1及び第2電動機本体2A、2B側に入力されるときに非係合状態となるとともに後輪Wr側の逆方向の回転動力が第1及び第2電動機本体2A、2B側に入力されるときに係合状態となる。
【0032】
このように本実施形態の後輪駆動装置1では、第1及び第2電動機本体2A、2Bと後輪Wrとの動力伝達経路上に一方向クラッチ50と油圧ブレーキ60とが並列に設けられている。なお、油圧ブレーキ60は、車両の走行状態や一方向クラッチ50の係合・非係合状態に応じて、オイルポンプ70から供給されるオイルの圧力により、解放状態、弱締結状態、締結状態に制御される。例えば、車両3が第1及び第2電動機本体2A、2Bの力行駆動により前進する時(低車速時、中車速時)は、一方向クラッチ50が締結するため動力伝達可能な状態となるが油圧ブレーキ60が弱締結状態に制御されることで、第1及び第2電動機本体2A、2B側からの順方向の回転動力の入力が一時的に低下して一方向クラッチ50が非係合状態となった場合にも、第1及び第2電動機本体2A、2B側と後輪Wr側とで動力伝達不能になることが抑制される。また、車両3が内燃機関4及び/又は電動機5の力行駆動により前進する時(高車速時)は、一方向クラッチ50が非係合となりさらに油圧ブレーキ60が解放状態に制御されることで、第1及び第2電動機本体2A、2Bの過回転が防止される。一方、車両3の後進時や回生時には、一方向クラッチ50が非係合となるため油圧ブレーキ60が締結状態に制御されることで、第1及び第2電動機本体2A、2B側からの逆方向の回転動力が後輪Wr側に出力され、又は後輪Wr側の順方向の回転動力が第1及び第2電動機本体2A、2B側に入力される。
【0033】
ここで、レゾルバ20A、20B(以下、レゾルバ20A、20Bを区別しない場合にはレゾルバ20と称する。第1及び第2電動機本体2A、2B,ステータ14A、14B,ロータ15A、15Bについても同様とする。)のゼロ点補正について図4A図6を参照しながら説明する。なお、ここでは、第1及び第2電動機本体2A、2Bが3相交流電動機であり、U相に基づいてゼロ点補正処理する場合について説明する。図4A図4B図5A及び図5Bにおいて、符号95は、第1及び第2電動機本体2A、2Bのコネクタであり、第1電動機本体2Aのコネクタ95は左側方ケース11Aの端部壁17Aに外側(左方)を向いて配置されるとともに、第2電動機本体2Bのコネクタ95は右側方ケース11Bの端部壁17Bに外側(右方)を向いて配置されている。
【0034】
ゼロ点補正は、ゼロ点補正用に所定電流を電動機本体2のステータ14に供給し、U相から得られる電動機本体2の誘起電圧を取得する。また、ステータ14に供給された電流によってロータ15が回転し、ロータ15の回転に連動してレゾルバロータ90が回転することで発生するレゾルバステータ93からの電気角信号を取得する。
【0035】
図6は、ゼロ点補正処理によって発生したU相電流、U相誘起電圧、レゾルバの電気角信号を示しており、ゼロ点補正は、U相電流の電気角とレゾルバ20の電気角の関係から補正量を求め、レゾルバの電気角を該補正量に基づいて補正することで行われる。具体的には、例えばU相誘起電圧が正から負に移行するとき(以下、立下りゼロクロス点と呼ぶ。)、即ちU相誘起電圧の位相が180°のときのレゾルバの電気角(α°)を検出し、360°から検出したレゾルバの電気角(α°)を差し引いた値を補正値(β°)として取得し、レゾルバの電気角に補正値を加算する。
【0036】
このゼロ点補正処理は、電動機本体2及びレゾルバ20及びケース11のそれぞれが寸法誤差、組立誤差を有するため左右の第1及び第2電動機102A、102Bでそれぞれ行われる。しかしながら、左右の第1及び第2電動機102A、102Bにおいて、全く関連性のない補正値を有していると数値管理が煩雑になる。そのため、補正値の目安となる補正参考値を共通とすることが数値管理の点で有益となる。
【0037】
本発明では、第1電動機102Aのステータ14Aの基準位置MS1と第1電動機102Aのレゾルバステータ93の基準位置RS1との相対位置と、第2電動機102Bのステータ14Bの基準位置MS2と第2電動機102Bのレゾルバステータ93の基準位置RS2との相対位置と、を第1電動機本体2Aと第2電動機本体2Bの回転方向一方(本実施形態では、車両3の前進時の回転方向)を基準にして、同一としている。
【0038】
具体的には、図5A及び図5Bに示すように、第1電動機102Aのステータ14Aの4つのU相コイルのうち1つのコイルの周方向中心と回転軸線xとを通るU相コイル中心線MC1をステータ14Aの基準位置MS1とし、レゾルバステータ93のコネクタ94の周方向中心と回転軸線xとを通るコネクタ中心線RC1をレゾルバステータ93の基準位置RS1とする。一方、第2電動機102Bのステータ14Bの4つのU相コイルのうち1つのコイルの周方向中心と回転軸線xとを通るU相コイル中心線MC2をステータ14Bの基準位置MS2とし、レゾルバステータ93のコネクタ94の周方向中心と回転軸線xとを通るコネクタ中心線RC2をレゾルバステータ93の基準位置RS2とする。このようにして、第1電動機102AにおけるU相コイル中心線MC1とコネクタ中心線RC1との相対位置と、第2電動機102BにおけるU相コイル中心線MC2とコネクタ中心線RC2との相対位置と、を図5A及び図5Bに矢印で示す車両3の前進する際の第1電動機本体2Aと第2電動機本体2Bの回転方向、即ち順方向を基準にして、同一としている。
【0039】
ここで、複数(本実施形態では4つ)のU相コイルのうちいずれのU相コイルを基準としてもよいが、第1電動機102Aのステータ14Aの基準位置RS1と第2電動機102Bのステータ14Bの基準位置RS2とを同一の位相とする、即ち、例えば回転軸線xを通る鉛直線Yを基準とすると、Yから順方向に同一の位相(本実施形態ではγ°)とすることが好ましい。これにより、第1及び第2電動機102A、102Bの組付けが容易となる。
【0040】
また、U相コイルに限らず、複数のV相コイル又はW相コイルのうちいずれか1つを基準としてもよい。レゾルバステータ93についても、コネクタ94に限らず、左右のレゾルバステータ93で同じ位置であれば任意の位置に基準位置を設定することができる。
【0041】
また、第1及び第2電動機本体2A、2Bは同一の部材から構成され、レゾルバ20A、20Bも同一の部材から構成されていることが好ましい。これにより、部品を共有することで部品点数を削減することができ、製造コストを低減できる。
【0042】
以上説明したように、本実施形態によれば、第1電動機102Aのステータ14Aの基準位置MS1と第1電動機102Aのレゾルバステータ93の基準位置RS1との相対位置と、第2電動機102Bのステータ14Bの基準位置MS2と第2電動機102Bのレゾルバステータ93の基準位置RS2との相対位置と、が車両3の前進する際の第1電動機本体2Aと第2電動機本体2Bの回転方向を基準にして、同一であるので、ゼロ点補正する際の目安となる値が共通となり、数値管理が容易となる。
【0043】
尚、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。
例えば、上記実施形態では、適用車両としてハイブリッド車両について説明したが、本発明はこれに限定されるものでなく、例えば、モータのみを駆動源とする電気自動車であってもよい。
また、上記実施形態では、2つの第1及び第2電動機本体2A、2Bと、第1及び第2遊星歯車式減速機12A、12Bと、これら第1及び第2電動機本体2A、2B及び第1及び第2遊星歯車式減速機12A、12Bを収容するケース11と、2つのレゾルバ20A、20Bと、を有する後輪駆動装置1を例示したが、本発明の電動機ユニットとしては、2つの電動機が電動機本体と、回転状態量検出装置とをそれぞれ有していればよい。
【0044】
なお、本出願は、2016年3月29日出願の日本特許出願(特願2016−065530)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
【符号の説明】
【0045】
1 後輪駆動装置(電動機ユニット)
2A 第1電動機本体(電動機本体)
2B 第2電動機本体(電動機本体)
3 車両
14A、14B ステータ(固定子)
15A、15B ロータ(回転子)
16A、16B 円筒軸(回転体)
20A、20B レゾルバ(回転状態量検出装置)
90 レゾルバロータ(被検出子)
93 レゾルバステータ(検出器)
MS1 基準位置(第1電動機の固定子の基準位置)
MS2 基準位置(第2電動機の固定子の基準位置)
RS1 基準位置(第1電動機の検出器の基準位置)
RS2 基準位置(第2電動機の検出器の基準位置)

図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
【国際調査報告】