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再表2017-179478太陽光発電用電力変換装置及び太陽光発電システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2017年10月19日
【発行日】2018年12月27日
(54)【発明の名称】太陽光発電用電力変換装置及び太陽光発電システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 3/38 20060101AFI20181130BHJP
   G05F 1/67 20060101ALI20181130BHJP
   H02M 7/493 20070101ALI20181130BHJP
   H02M 7/48 20070101ALI20181130BHJP
【FI】
   H02J3/38 150
   G05F1/67 A
   H02M7/493
   H02M7/48 R
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】15
【出願番号】特願2018-511975(P2018-511975)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2017年4月6日
(31)【優先権主張番号】特願2016-80722(P2016-80722)
(32)【優先日】2016年4月14日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】菊池 輝
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 智道
【テーマコード(参考)】
5G066
5H420
5H770
【Fターム(参考)】
5G066HA15
5G066HB06
5H420BB03
5H420BB17
5H420CC03
5H420DD04
5H420EA48
5H420EB09
5H420EB39
5H420FF03
5H420FF04
5H420FF24
5H420FF25
5H420KK10
5H770BA11
5H770CA05
5H770DA03
5H770DA22
5H770DA30
5H770EA01
5H770HA02W
5H770HA02Y
5H770HA03W
5H770HA03Y
(57)【要約】
本発明は、電力抑制指令に従って、太陽光発電用電力変換装置が適切に出力抑制することができる制御装置を提供する。本発明による太陽光発電システムは、複数の太陽光パネルと、太陽光パネルが出力する直流電力を交流電力に変換して系統に出力する複数の太陽光発電用電力変換装置と、系統への出力を上昇させる場合に、太陽光パネルのパネル電圧を変動させると電力変換装置の出力が減少傾向にある第1の電力変換装置がある場合、太陽光パネルのパネル電圧を変動させると電力変換装置の出力が上昇傾向にある第1の電力変換装置とは異なる第2の電力変換装置の出力を上昇させ、または、系統への出力を下降させる場合に、太陽光パネルのパネル電圧を変動させると、電力変換装置の出力が上昇傾向にある第3の電力変換装置がある場合、太陽光パネルのパネル電圧を変動させると電力変換装置の出力が減少傾向にある第3の電力変換装置とは異なる第4の電力変換装置の出力を減少させる制御部を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の太陽光パネルと、
前記太陽光パネルが出力する直流電力を交流電力に変換して系統に出力する複数の太陽光発電用電力変換装置と、
前記系統への出力を上昇させる場合に、前記太陽光パネルのパネル電圧を変動させると前記電力変換装置の出力が減少傾向にある第1の電力変換装置がある場合には、前記太陽光パネルのパネル電圧を変動させると電力変換装置の出力が上昇傾向にある前記第1の電力変換装置とは異なる第2の電力変換装置の出力を上昇させ、
または、
前記系統への出力を下降させる場合に、前記太陽光パネルのパネル電圧を変動させると、前記電力変換装置の出力が上昇傾向にある第3の電力変換装置がある場合には、前記太陽光パネルのパネル電圧を変動させると電力変換装置の出力が減少傾向にある前記第3の電力変換装置とは異なる第4の電力変換装置の出力を減少させる制御部と、
を有することを特徴とする太陽光発電システム。
【請求項2】
請求項1に記載の太陽光発電システムにおいて、
前記制御部は、前記複数の太陽光パネルのパネル状態を判定するパネル状態判定部を備え、前記判定の結果に基づいて、前記第2の電力変換装置または前記第4の電力変換装置を決定することを特徴とする太陽光発電システム。
【請求項3】
請求項2に記載の太陽光発電システムにおいて、
前記パネル状態判定部は、前記電力変換装置の出力電力または前記太陽光パネルのパネル電圧、及び前記太陽光パネルの出力電圧の変化に基づいて前記太陽光パネルの状態を判定することを特徴とする太陽光発電システム。
【請求項4】
太陽光パネルが出力する直流電力を交流電力に変換して系統に出力する複数の太陽光発電用電力変換装置は、
前記系統への出力を上昇させる場合に、前記太陽光パネルのパネル電圧を変動させると前記電力変換装置の出力が減少傾向にある第1の電力変換装置がある場合には、前記太陽光パネルのパネル電圧を変動させると電力変換装置の出力が上昇傾向にある前記第1の電力変換装置とは異なる第2の電力変換装置の出力を上昇させ、
または、
前記系統への出力を下降させる場合に、前記太陽光パネルのパネル電圧を変動させると、前記電力変換装置の出力が上昇傾向にある第3の電力変換装置がある場合には、前記太陽光パネルのパネル電圧を変動させると電力変換装置の出力が減少傾向にある前記第3の電力変換装置とは異なる第4の電力変換装置の出力を減少させる制御部を有することを特徴とする太陽光発電用電力変換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は太陽光発電用電力変換装置及び太陽光発電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
太陽光発電用電力変換装置は、太陽光パネルで発電された直流電力を交流電力へ変換して電力系統に電力を供給する電力変換装置である。
【0003】
太陽光発電用電力変換装置の一例としてチョッパとインバータから構成されるものがある。これは、太陽光パネルが出力する直流電力をチョッパで昇圧し、チョッパの出力する直流電力をインバータが商用周波数の交流電力に変換して、電力系統へ送電するというものである。また、他の一例として、インバータから構成されるものがある。これは、太陽光パネルが出力する直流電力をインバータが商用周波数の交流電力に変換して、電力系統へ送電するというものである。
【0004】
このような太陽光発電用電力変換装置においては、一般的に、太陽光パネルの出力電力が最大となるように最大電力追従(MPPT: Maximum Power Point Tracking)制御を行う。最大電力追従制御とは、周囲環境によって変化する太陽光パネルの出力特性に追従して、太陽光パネルの出力電力が最大となるように太陽光パネルのパネル電圧を調整する制御である。このような最大電力追従制御はチョッパあるいはインバータが太陽光パネルのパネル電圧を調整することで行う。
【0005】
一方で、電力は需要と供給のバランスを常に図る必要がある。電力の需要に対して供給が多すぎる場合には、停電が発生するなど電力の安定供給に支障をきたすおそれがある。このような状況を避けるために、太陽光発電用電力変換装置においては、電力会社からの出力指令に従って太陽光パネルの出力を制御することが求められる。特許文献1には、出力電力抑制が求められた場合、出力電力抑制指令に従って、最大電力追従制御を停止し、出力電力を抑制する太陽光発電用電力変換装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2013−183578
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、出力電力抑制指令に従って、最大電力追従制御を停止し、出力電力を抑制する場合、太陽光パネルの出力特性によっては出力電力抑制を達成できない場合がある。例えば、雲などの影響で太陽光パネルに影が掛かると、太陽光パネルの出力特性が大きく変化する場合がある。具体的には、一点の最大値を有するような凸形状の出力特性を取らず、複数の凸形状を有する出力特性を有する太陽光発電用電力変換装置において、特許文献1のように、最大電力追従制御を停止し、出力電力を減少させる制御を行うと、出力電力抑制指令が出されているにも関わらず、出力が上昇傾向に転じる状況が生じてしまう。
【0008】
本発明は、出力電力抑制指令に従って、太陽光発電用電力変換装置が適切に出力抑制することができる制御装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、例えば、複数の太陽光パネルと、太陽光パネルが出力する直流電力を交流電力に変換して系統に出力する複数の太陽光発電用電力変換装置と、系統への出力を上昇させる場合に、太陽光パネルのパネル電圧を変動させると電力変換装置の出力が減少傾向にある第1の電力変換装置がある場合には、太陽光パネルのパネル電圧を変動させると電力変換装置の出力が上昇傾向にある第1の電力変換装置とは異なる第2の電力変換装置の出力を上昇させ、または、系統への出力を下降させる場合に、太陽光パネルのパネル電圧を変動させると、電力変換装置の出力が上昇傾向にある第3の電力変換装置がある場合には、太陽光パネルのパネル電圧を変動させると電力変換装置の出力が減少傾向にある第3の電力変換装置とは異なる第4の電力変換装置の出力を減少させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、出力電力抑制指令に従って、太陽光発電用電力変換装置が適切に出力抑制することができる制御装置等を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】太陽光発電システムの第一の実施例の構成を示す。
図2】制御部8の構成を示す。
図3】インバータ制御部9aの構成を示す。なお、インバータ制御部9b〜9nの構成も同様である。
図4】出力配分制御部10の構成を示す。
図5】太陽光パネル1a〜1nがそれぞれ最大電力追従制御を行っている時に、外部から出力上限指令を受けて、それぞれ出力を抑制する時の動作例を示す。
図6図5に示した動作例を時間波形として示したものである。
図7】太陽光パネル1a〜1nがそれぞれ最大電力追従制御を行っている時に、外部から出力上限指令を受けて、それぞれ出力を抑制する時の別の動作例を示す。
図8図7に示した動作例を時間波形として示したものである。
図9】太陽光パネル1a〜1nがそれぞれ最大電力追従制御を行っている時に、外部から出力上限指令を受けて、それぞれ出力を抑制する時の別の動作例を示す。
図10】図に示した動作例を時間波形として示したものである。
図11】太陽光発電システムの第二の実施例の構成を示す。
図12】太陽光パネル1a〜1nがそれぞれ最大電力追従制御を行っている時に、外部から出力上限指令を受けて、それぞれの出力を上昇させる場合の動作例を示す。
図13図12に示した動作例を時間波形として示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る太陽光発電用電力変換装置及びその実施例について図面を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0013】
図1は、太陽光発電システムの第一の実施例の構成を示す。
【0014】
本実施例の太陽光発電システムは、太陽光パネル1a〜1n、インバータ2a〜2nおよび制御部8を有している。太陽光パネル1a〜1nは、それぞれインバータ2a〜2nの直流部と接続し、インバータ2a〜2nの交流部は三相の電力系統3と接続されている。インバータ2a〜2nは、太陽光パネル1a〜1nから供給される直流電力を交流電力に変換して電力系統3に供給する。電圧検出器4a〜4nは、太陽光パネル1a〜1nの出力側に設けられており、それぞれ太陽光パネル1a〜1nの出力電圧を検出する。なお、太陽光パネル1a〜1nの出力電圧は、それぞれインバータ2a〜2nの直流電圧と同じであるので、電圧検出器4a〜4nはインバータ2a〜2nの直流電圧を検出するということもできる。電流検出器5a〜5nは、太陽光パネル1a〜1nの出力側に設けられており、それぞれ太陽光パネル1a〜1nの出力電流を検出する。なお、太陽光パネル1a〜1nの出力電流は、それぞれインバータ2a〜2nの直流部への入力電流と同じであり、インバータ2a〜2nの直流部への入力電流を検出するということもできる。電圧検出器6a〜6nは、インバータ2a〜2nの出力側に設けられており、インバータ2a〜2nがそれぞれ連系する系統の系統電圧を検出する。電流検出器7a〜7nは、インバータ2a〜2nがそれぞれ連系する系統に出力する出力電流を検出する。電圧検出器4a〜4n、電流検出器5a〜5n、電圧検出器6a〜6n、電流検出器7a〜7nの検出する電圧検出値や電流検出値は制御部8に入力される。また、制御部8には、太陽光発電用電力変換装置の出力を抑制するための信号である出力上限指令が外部から入力される。制御部8は、入力された電圧検出値や電流検出値や出力上限指令に基づいて所定の演算を行い、インバータ2a〜2nを駆動するためのゲートパルス信号を出力する。
【0015】
図2は、制御部8の構成を示す。
【0016】
インバータ制御部9a〜9nは、それぞれ太陽光パネル1a〜1nの出力電圧及び出力電流、系統電圧、インバータ2a〜2nの出力電流を入力として、インバータ2a〜2nを駆動するためのゲートパルス信号を出力する。また、インバータ2a〜2nがそれぞれ電力系統3に出力する電力を演算して出力する。出力配分制御部10は、インバータ制御部9a〜9nがそれぞれ出力するインバータ2a〜2nの出力電力、パネル1a〜1nの出力電圧、外部から入力される出力上限指令を入力する。太陽光発電システムが出力抑制運転を行う場合、出力配分制御部10は、インバータ制御部9a〜9nに出力抑制運転を行う場合のパネル1a〜1nのそれぞれに対する電圧指令を出力する。以下、それぞれの指令を出力抑制運転用パネル1a電圧指令、出力抑制運転用パネル1b電圧指令、・・・、出力抑制運転用パネル1n電圧指令と呼称する。一方、太陽光発電システムが出力抑制運転を行わない場合、出力配分制御部10は、出力抑制運転用パネル電圧指令の代わりにインバータ制御部9a〜9nにそれぞれ出力抑制運転を行わないことを伝える信号を出力する。
【0017】
図3は、インバータ制御部9aの構成を示す。なお、インバータ制御部9b〜9nの構成も同様である。
【0018】
インバータ制御部9aは、MPPT制御部11、出力制御部12、直流電圧制御部13、電流制御部14、PWM制御部15および出力演算部16からなる。MPPT制御部11は、太陽光パネル1aの出力電圧及び出力電流を入力として、太陽光パネル1aの出力電力が最大になるように最大電力追従制御を行う。すなわち、最大電力追従運転を行う場合のパネル1aに対する電圧指令を出力する。以下、この指令を最大電力追従運転用パネル1a電圧指令と呼称する。出力制御部12は、MPPT制御部11の出力する最大電力追従運転用パネル1a電圧指令と出力抑制運転用パネル1a電圧指令を入力し、パネル1aの電圧指令を出力する。太陽光発電システムが出力抑制運転を行う場合は、出力制御部12はパネル1aの電圧指令として出力抑制運転用パネル1a電圧指令を出力する。一方、出力抑制運転を行わない場合は、パネル1aの電圧指令として最大電力追従運転用パネル1a電圧指令を出力する。直流電圧制御部13は、出力制御部12の出力するパネル1a電圧指令と太陽光パネル1aの出力電圧を入力として、インバータ2aの出力する電流の指令を作成する。電流制御部14は、直流電圧制御部13の出力する電流指令と、電力系統3の系統電圧と、インバータ2aから電力系統3へ流れるインバータ2a出力電流を入力として、電流指令と出力電流が一致するように電流制御を行い、インバータ2aの出力電圧の指令を出力する。PWM制御部15は、電流制御部14が出力する電圧指令を入力として、PWM(Pulse Width Modulation)制御を行い、インバータ2aを駆動するためのゲートパルス信号を出力する。出力演算部16は、電力系統3の系統電圧とインバータ2aから電力系統3へ流れるインバータ2a出力電流を入力として、インバータ2aが電力系統3へ出力する電力を演算して出力する。
【0019】
図4は、出力配分制御部10の構成を示す。
【0020】
出力配分制御部10は、パネル状態判定部17a〜17nおよび出力抑制運転用パネル電圧指令演算部18を有する。パネル状態判定部17a〜17nは、インバータ2a〜2nの出力電力、パネル1a〜1nの出力電圧を入力として、パネル1a〜1nのそれぞれのパネル状態を判定し、その結果を出力する。ここでパネル状態とは、そのパネルが出力を低減できるか否かの状態をいう。出力抑制運転用パネル電圧指令演算部18は、パネル状態判定部17a〜17nの出力するパネル1a〜1nのパネル状態及び外部からの出力上限指令を入力として、どのパネルを大きく減少させるか決め、各パネルのパネル電圧指令を求め、出力抑制運転用パネル1a電圧指令、出力抑制運転用パネル1b電圧指令、・・・、出力抑制運転用パネル1n電圧指令を出力する。なお、どのパネルを大きく減少させるかについては、1つのパネルに限らず、複数のパネルであってもよい。
【0021】
図5は、太陽光パネル1a〜1nがそれぞれ最大電力追従制御を行っている時に、外部から出力上限指令を受けて、それぞれ出力を抑制する時の動作例を示す。ここでは、パネル1a、パネル1bおよびパネル1nにおける、パネル電圧に対するパネル出力の関係を記載している。
【0022】
最大電力追従制御を行っている時は、夫々のパネルにおいて、動作点は出力が最大になる点Sa、Sb、・・・、Snにある。外部から上限値をPとする出力上限指令を受けると、それぞれの動作点は出力配分制御部10が出力する出力抑制運転用パネル1a電圧指令、出力抑制運転用パネル1b電圧指令、・・・、出力抑制運転用パネル1n電圧指令に従って動作する。すなわち、パネル1aに関しては、動作点は点Saから点P1aの方向へ、パネル1bに関しては、動作点は点Sbから点P1bの方向へ、パネル1nに関しては、動作点は点Snから点P1nの方向へ移動することでそれぞれのパネルの出力を抑制する。この時、出力配分制御部10は、パネル状態判定部17a〜17nにおいて判定したパネル状態に基づいて、各パネルが出力を抑制できるか否かを判定する。例えば、図5において、パネル1aの出力特性は、複数の凸形状を有しているので、パネル1aは動作点が点Saから点P1aに近づくにつれてパネル1aの出力が下がりにくくなることから、パネル1aが出力を抑制できない状態にあることが分かる。一方、パネル1bは、動作点が点Sbから点P1bに近づいてもパネル1bの出力が下がりにくくなることはないので、パネル1bが出力を抑制できる状態にあることが分かる。同様にパネル1nは、動作点が点Snから点P1nに近づいてもパネル1nの出力が下がりにくくなることはないので、パネル1nも出力を抑制できる状態にあることが分かる。この場合、出力を抑制できないパネル1aの代わりに他の出力を抑制できるパネルが余分に出力を抑制すれば、全体の合計出力は抑制することができる。そこで、出力抑制運転用パネル電圧指令演算部18は、パネル状態判定部17a〜17nが判定したパネル1a〜1nのパネル状態を用いて、出力を抑制できないパネル1aの代わりに例えばパネル1bの出力を余分に低減する電圧指令を出力する。すなわち、パネル1aの動作点が点P1aから点P2aに移動する時は、パネル1bの動作点は点P1bから点P2bに移動させる。なお、パネル1nの動作点は点P1nから点P2nに移動させる。その後、パネル1aの動作点が点P2aから点Gaに移動する時は、パネル1bの動作点は点P2bから点Gbに移動させる。なお、パネル1nの動作点は点P2nから点Gnに移動させる。このようにすることで、全体の合計出力を抑制することが可能になる。
【0023】
図6は、図5に示した動作例を時間波形として示したものである。
【0024】
図6に示すように、時刻0〜T1まではパネル1a〜1nは単調に出力が低減するが、時刻T1〜T2ではパネル1aの出力が上昇するので、その代わりにパネル1bが出力を低減することで、パネル1a〜1nの合計出力を低減させる。時刻T2〜T3ではパネル1aの出力が下降するので、その代わりにパネル1bの出力を上昇させて必要以上にパネル1bの出力が低減するのを防止している。時刻T3ではそれぞれのパネルの出力目標値に到達している。
【0025】
図7は、太陽光パネル1a〜1nがそれぞれ最大電力追従制御を行っている時に、外部から出力上限指令を受けて、それぞれ出力を抑制する時の別の動作例を示す。
【0026】
図5と異なるのは、点P1aで出力を抑制できないパネル1aの代わりに、例えばパネル1b及びパネル1nのような複数のパネルが出力を余分に低減することで、全体の合計出力を抑制している点である。このように、複数のパネルが余分に出力を低減することで、全体の合計出力を抑制しても良い。図8は、図6と同様、図7に示した動作例を時間波形として示したものである。
【0027】
図9は、太陽光パネル1a〜1nがそれぞれ最大電力追従制御を行っている時に、外部から出力上限指令を受けて、それぞれ出力を抑制する時の別の動作例を示す。
【0028】
図5と異なるのは例えば点P1a、点P1bで出力を抑制できないパネル1a、パネル1bのように複数のパネルで出力を抑制できない状態があることである。このように、複数のパネルで出力を抑制できない状態であっても、その他のパネルが余分に出力を低減することで、全体の合計出力を抑制しても良い。図10は、図6と同様、図9に示した動作例を時間波形として示したものである。
【0029】
なお、各パネル出力の動作は図5図10に示した例に限らず、各パネルの合計出力が出力上限指令に従って抑制されるのであれば各パネルの動作点は自由に選んで良く、抑制後の各パネル出力を揃える必要もない。
【0030】
以上のように、太陽光発電用電力変換装置の出力を抑制する場合に、一時的に出力が上昇するパネルがある場合はその他のパネルが余分に出力を低減することで、パネルの合計出力を抑制し、太陽光発電用電力変換装置の出力を抑制することができる。
【実施例2】
【0031】
本実施例は、実施例1における太陽光発電システムにおいて、チョッパを更に設けた場合の構成を示す。
【0032】
図11は、太陽光発電システムの第二の実施例の構成を示す。
【0033】
太陽光パネル1a〜1nは、それぞれチョッパ19a〜19nの入力部に接続され、チョッパ19a〜19nの出力部はそれぞれインバータ2a〜2nの直流部と接続され、インバータ2a〜2nの交流部はそれぞれ三相の電力系統3と接続される。チョッパ19a〜19nは、それぞれ太陽光パネル1a〜1nの発電する直流電力を昇圧し、インバータ2a〜2nの直流部に直流電力を供給する。インバータ2a〜2nは、それぞれチョッパ19a〜19nから供給される直流電力を交流電力に変換して電力系統3に供給する。電圧検出器4a〜4nは、それぞれ太陽光パネル1a〜1nの出力電圧を検出する。なお、太陽光パネル1a〜1nの出力電圧はそれぞれチョッパ19a〜19nの入力電圧と同じなので、電圧検出器4a〜4nはそれぞれチョッパ19a〜19nの入力電圧を検出できる。電流検出器5a〜5nはそれぞれ太陽光パネル1a〜1nの出力電流を検出する。なお、太陽光パネル1a〜1nの出力電流は、それぞれチョッパ19a〜19nの入力電流と同じであるため、電流検出器5a〜5nはそれぞれチョッパ19a〜19nの入力電流を検出できる。電圧検出器20a〜20nは、それぞれインバータ2a〜2nの直流電圧を検出する。電圧検出器6a〜6nは、インバータ2a〜2nがそれぞれ連系する系統の系統電圧を検出する。電流検出器7a〜7nは、インバータ2a〜2nがそれぞれ連系する系統に出力する出力電流を検出する。電圧検出器4a〜4n、電流検出器5a〜5n、電圧検出器6a〜6n、電流検出器7a〜7n、電圧検出器20a〜20nの検出する電圧検出値や電流検出値は制御回路21に入力される。また、制御部21には太陽光発電用電力変換装置の出力を抑制するための信号である出力上限指令が外部から入力される。制御回路21は入力された電圧検出値や電流検出値や出力上限指令に基づいて所定の演算を行い、インバータ2a〜2n、チョッパ19a〜19nを駆動するためのゲートパルス信号を出力する。
【0034】
このような構成でも同様に、太陽光発電用電力変換装置の出力を抑制する場合に、一時的に出力が上昇するパネルがある場合はその他のパネルが余分に出力を低減することで、パネルの合計出力を抑制し、太陽光発電用電力変換装置の出力を抑制することができる。
【実施例3】
【0035】
図12は、太陽光パネル1a〜1nが外部から出力上限指令を受けて出力抑制を行っている時に、出力上限指令がPからP’に上昇してそれぞれの出力を上昇させる場合の動作例を示す。図5および図7と同様、パネル1a、パネル1bおよびパネル1nにおける、パネル電圧に対するパネル出力の関係を記載している。
【0036】
外部から出力上昇指令を受けると、それぞれの動作点は出力配分制御部10が出力する出力抑制運転用パネル1a電圧指令、出力抑制運転用パネル1b電圧指令、・・・、出力抑制運転用パネル1n電圧指令に従って動作する。すなわち、パネル1aに関しては、動作点は点Gaから点P1aの方向へ、パネル1bに関しては、動作点は点Gbから点P1bの方向へ、パネル1nに関しては、動作点は点Gnから点P1nの方向へ移動することでそれぞれのパネルの出力を上昇させる。この時、出力配分制御部10は、パネル状態判定部17a〜17nにおいて判定したパネル状態に基づいて、各パネルが出力を上昇させることができるか否かを判定する。出力抑制運転用パネル電圧指令演算部18は、パネル状態判定部17a〜17nが判定したパネル1a〜1nのパネル状態を用いて、出力が上昇できないパネル1aの代わりに例えばパネル1bの出力を余分に上昇させる電圧指令を出力する。すなわち、パネル1aの動作点が点P1aから点P2aに移動する時は、パネル状態出力が減少傾向にあるため、パネル1bの動作点は点P1bから点P2bに移動させる。なお、パネル1nの動作点は点P1nから点P2nに移動させる。このようにすることで、全体の合計出力を上昇させることが可能になる。
【0037】
図13は、図12に示した動作例を時間波形として示したものである。
【0038】
図13に示すように、時刻0〜T1まではパネル1a〜1nは単調に出力が上昇するが、時刻T1〜T2ではパネル1aの出力が減少するので、その代わりにパネル1bが出力を上昇させることで、パネル1a〜1nの合計出力を単調に増加させる。時刻T2〜T3ではいずれのパネルも上昇傾向にあるため、合計出力を増加傾向で推移させることが出来る。時刻T3ではそれぞれのパネルの出力目標値に到達している。
【0039】
以上のように、本実施例によれば、複数のパネルのパネル出力の増減傾向が異なる場合であっても、系統に対する出力上昇指令を満たすように、各パネルの出力を制御することが可能である。
【符号の説明】
【0040】
1a〜1n:太陽光パネル,2a〜2n:インバータ,3:電力系統,4a〜4n:電圧検出器,5a〜5n:電流検出器,6a〜6n:電圧検出器,7a〜7n:電流検出器,8:制御回路,9a〜9n:インバータ制御部,10:出力配分制御部,11:MPPT制御部,12:出力制御部,13:直流電圧制御部,14:電流制御部,15:PWM制御部,16:出力演算部,17a〜17n:パネル状態判定部,18:出力抑制運転用パネル電圧指令演算部,19a〜19n:チョッパ,20a〜20n:電圧検出器
図1
図2
図3
図4
図5
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図8
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図11
図12
図13
【国際調査報告】