(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2017年11月16日
【発行日】2019年3月7日
(54)【発明の名称】弾丸流出防止装置
(51)【国際特許分類】
F41B 11/55 20130101AFI20190208BHJP
F41B 11/50 20130101ALI20190208BHJP
【FI】
F41B11/55
F41B11/50
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】15
【出願番号】特願2018-516253(P2018-516253)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2016年5月10日
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】592153584
【氏名又は名称】株式会社東京マルイ
(74)【代理人】
【識別番号】110002011
【氏名又は名称】特許業務法人井澤国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100072039
【弁理士】
【氏名又は名称】井澤 洵
(74)【代理人】
【識別番号】100123722
【弁理士】
【氏名又は名称】井澤 幹
(74)【代理人】
【識別番号】100157738
【弁理士】
【氏名又は名称】茂木 康彦
(72)【発明者】
【氏名】岩澤 巌
(57)【要約】
要約
課題
本発明の課題は、マガジンから模擬銃に供給するための通路内に残った弾丸を流出しないようにする弾丸流失防止装置を提供することを目的とする。
解決手段
マガジンから模擬銃に弾丸を供給するための通路部と、その通路部の一端に配置され弾丸の流出を防止するための第1係合部と、そのマガジンを前記通路部から離したかまたは前記マガジン内に弾がなくなったかを検知する検知部が移動することにより、その検知部との係合を脱することによって、第1係合部を駆動させるための検知受け部と、を有するものである。これにより、検知受け部が、検知部との係合を脱すると、その検知受け部の動きに応じて、第1係合部が、その通路部内に突出することで通路部内に残された弾丸が、その一端からの流出を防止することができる弾丸流出防止装置である。
選択図
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マガジンから模擬銃内に弾丸を供給するための通路部と、前記通路部の一端に配置され前記弾丸と接することで前記模擬銃内に弾丸の流出を防止するための第1係合部と、前記マガジンを前記通路部から離したかまたは前記マガジン内に弾丸がなくなったかを検知する検知部が移動することにより、その検知部との係合を脱することによって、前記第1係合部を駆動させるための検知受け部と、を有し、
前記検知受け部が、前記マガジンを前記通路部から離間させたかまたは前記マガジン内に弾丸がなくなったことを検知する前記検知部との係合を脱すると、前記検知受け部の動きに応じて、前記第1係合部が、前記通路部の一端においてその通路部内に突出することで前記通路部内に残された弾丸の前記一端からの流出を防止することができる弾丸流出防止装置。
【請求項2】
前記検知受け部に前記通路部の他端において弾丸を模擬銃内に供給するための通路部内に突出する第2係合部を配置し、前記マガジン部を前記通路部から離したか、または前記マガジン内に弾丸がなくなったかを検知する検知部が移動することによりその検知部との係合を脱することによって、さらに前記第2係合部を駆動させ、前記通路部の他端において前記通路部内に突出してその通路部内に残された弾丸の前記他端からの流出を防止することができる請求項1記載の弾丸流出防止装置。
【請求項3】
前記第1係合部は、前記通路部に配置された掛止具と係合する長穴を有し、前記長穴に沿って移動する請求項1または2記載の弾丸流出防止装置。
【請求項4】
前記第1係合部は、前記長穴に沿った方向に付勢する弾性部材を有する請求項3記載の弾丸流出防止装置。
【請求項5】
前記請求項1から4いずれか1項記載の弾丸流出防止装置を具備する模擬銃。
【請求項6】
弾丸を前記模擬銃内に供給するためのマガジンとを有し、前記マガジンは、弾丸がなくなったことを検知する検知部とを有する請求項1から4いずれか1項記載の弾丸流出防止装置を具備する模擬銃。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マガジンから模擬銃内に至る通路部内に残された弾丸の流出を防ぎその通路部内にその弾丸を保持するための装置である。
【背景技術】
【0002】
模擬銃は、法規制上いわゆる弾丸、一例としてBB弾を発射できるようにするため、実銃とは全く異なる構成を採っている。そのため、その模擬銃の種別によってはマガジンを配置する位置と弾丸を模擬銃に充填するための位置が離れている。従って、それらの位置を連絡することで弾丸をその模擬銃に供給するための通路が必要となる。
【0003】
すなわち、BB弾を模擬銃に供給するためのマガジンと、そのBB弾を発射するためにこのBB弾を配置するための模擬銃の銃本体における嵌合口との間は、離れているために、それらをつないで、上記弾丸を供給するための通路を配置している。この弾丸を供給するための通路は、銃の種類によっても異なるが、たとえば、およそBB弾16発分の距離が必要となり、これが、いわゆる死弾となる。
【0004】
ここで死弾とは、はじめに弾丸が規定量充填されたマガジンを銃本体にセットした場合に、一定量の弾丸が模擬銃内に流入する。その後その流入した弾丸を一発ずつ順に発射し、マガジン内の弾丸が無くなった時点で、上述の供給するための通路内に残った弾丸をいう。すなわち、この弾丸は供給するための通路内に残っていたとしても、そのままでは模擬銃に弾丸を供給できず弾丸の発射ができなくなるというものである。
【0005】
その場合において、空のマガジンを取り外し、再び、弾丸が規定量充填されたマガジンを模擬銃の銃本体にセットすると、その模擬銃内に供給するための通路内に残った弾丸から順に発射されるというものである。言い換えれば、弾丸が充填された新たなマガジンが銃本体にセットされない限り上述の弾丸を供給するための通路内に残ったその弾丸は発射されず、そのまま模擬銃内に残されるのである。
【0006】
しかしながら、上述の供給するための通路内に残った弾丸は、その通路の外に流出する場合がある。従って、通路の外に弾丸が流出することを可及的に防止したいという要請がある。
【0007】
このようなものを解決するものとして、先行技術調査をしたが上記課題を解決することができるものが発見されなかった。なお、上記模擬銃に関するものとして特開2004−347221号公報が発見されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2004−347221号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は前記の点に鑑みなされたもので、その課題は、マガジンから模擬銃に供給するための通路内に残った弾丸を、その通路内からその通路の外に流出しない弾丸流失防止装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記の課題を解決するため、第1観点の弾丸流出防止装置は、マガジンから模擬銃内に弾丸を供給するための通路部と、通路部の一端に配置され、弾丸と接することで模擬銃内に弾丸の流出を防止するための第1係合部と、前記マガジンを前記通路部から離したかまたは前記マガジン内に弾丸がなくなったかを検知する検知部が移動することにより、その検知部との係合を脱することによって、第1係合部を駆動させるための検知受け部と、を有し、検知受け部が、マガジンを通路部から離間させたかまたはマガジン内に弾丸がなくなったことを検知する検知部との係合を脱すると、検知受け部の動きに応じて、第1係合部が、通路部の一端においてその通路部内に突出することで通路部内に残された弾丸の前記一端からの流出を防止することができるというものである。
【0011】
前記の課題を解決するため、第2観点の弾丸流出防止装置は、第1観点の弾丸流出防止装置において、検知受け部に通路部の他端において弾丸を模擬銃内に供給するための通路部内に突出する第2係合部を配置し、マガジン部を前記通路部から離したか、またはマガジン内に弾丸がなくなったかを検知する検知部が移動することによりその検知部との係合を脱することによって、さらに第2係合部を駆動させ、通路部の他端において通路部内に突出してその通路部内に残された弾丸の他端からの流出を防止することができる。
【0012】
前記の課題を解決するため、第3観点の弾丸流出防止装置は、第1観点または第2観点の弾丸流出防止装置において、第1係合部は、前記通路部に配置された掛止具と係合する長穴を有し、前記長穴に沿って移動するというものである。
【0013】
前記の課題を解決するため、第4観点の弾丸流出防止装置は、第1観点から第3観点の弾丸流出防止装置において第1係合部は、長穴に沿った方向に付勢する弾性部材を有するというものである。
【0014】
前記の課題を解決するため、第5観点の模擬銃は、第1観点から第4観点の弾丸流出防止装置を具備するというものである。
【0015】
前記の課題を解決するため、第6観点の模擬銃は、第1観点から第4観点の弾丸流出防止装置を具備し、かつ、弾丸をその模擬銃内に供給するためのマガジンとを有し、そのマガジンは、弾丸がなくなったことを検知する検知部とを有するというものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明は上記のように構成されかつ作用するものであるから、第1係合部が通路部の一端すなわち模擬銃本体内に流入するための一端を塞ぐことになり、上記弾丸流失防止装置の外部に弾丸を流出することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図2】Aは、弾丸流失防止装置において検知受け部が跳ね上げられていない状態の斜視図である。Bは弾丸流失防止装置において検知受け部が跳ね上げられた状態の斜視図である。
【
図3】Aは、マガジンに弾丸が配置された状態の分解斜視図である。Bは、マガジンが、空になった状態の分解斜視図である。
【
図4】Aは、弾丸流失防止装置と、弾丸を配置したマガジンとの組み合わせた状態の斜視図である。Bは、Aの裏面から見た分解斜視図である。
【
図5】Aは、弾丸流失防止装置と、弾丸が、空になった状態のマガジンとの組み合わせた状態の斜視図である。Bは、Aの裏面から見た分解斜視図である。
【
図6】模擬銃にマガジンを取り付けようとする断面図である。
【
図7】模擬銃にマガジンを取り付けた状態の断面図である。
【
図8】ピストンシリンダー機構を引いた状態の模擬銃の断面図である。
【
図9】コッキングが完了した状態の模擬銃の断面図である。
【
図10】トリガーを引いた状態の模擬銃の断面図である。
【
図11】マガジン内の弾丸をすべて発射した状態の模擬銃の断面図である。
【
図12】模擬銃からマガジンを取り外した状態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
好ましい実施例における弾丸流失防止装置10について説明する。弾丸流失防止装置10は、マガジン100から模擬銃200の銃本体に弾丸Bを供給するための通路部20と、その通路部20の一端21に配置され弾丸Bの流出を防止するための第1係合部30と、その通路部20の他端22に配置される検知受け部40と、を有する。
【0019】
通路部20は、後述するマガジン100から模擬銃200の銃本体に弾丸Bを供給するための通路となるものである。すなわち、この弾丸Bは、マガジン100から他端22を通じてほぼ水平に矢印F方向に移動しそこから上方へ屈曲し、一端21を通過して模擬銃200内に至るというものである。このように通路部20は、弾丸Bを通過させるためにその弾丸Bが通過するのに充分な空間を有している。ここで、矢印F方向とは、模擬銃200における銃口201の方向を意味し、矢印R方向とは同じくストック202の方向を意味する。
【0020】
また、通路部20は本実施例においては、弾丸Bが16発保持することができる容量を有している。なお、これは、弾丸流失防止装置10を搭載する模擬銃の種別によって異なるものでありこれらの数に限定されるものではない。
【0021】
第1係合部30は、全体としてほぼアルファベットのL字状を呈する。また、第1係合部30は、薄板のプレート状を呈する第1係合部本体31と、その第1係合部本体31と一体に構成された弾丸係合部32とを有するものである。なお、その弾丸係合部32は通路部20の一端21に配置されている。また、他端22は後述する検知受け部40と係合するための検知受け係合部33を有する。この検知受け係合部33は、他端部34に対して傾斜している。弾丸係合部32は文字通り、弾丸Bと係合して通路部20外への流出を防止するものであり、この点は後述する。
【0022】
また、第1係合部30は、第1長穴35aと、第2長穴35bとを有している。これらの長穴という意義は、矢印FおよびR方向に長いというものである。また、その第1長穴35aと、第2長穴35bは、それぞれ掛止具36、36によって、上述の通路部20に対して矢印FおよびR方向に移動可能に配置されている。このときばね37は、通路部20に対して矢印R方向にその第1係合部30を付勢している。従って、このバネ37によって矢印R方向に付勢されつつ上記の第1長穴35aと、第2長穴35bの長さによるストローク量に応じて矢印FおよびR方向にその第1係合部30は、移動可能に配置されている。また、掛止具36、36は、通路部20に対して固定されており、その掛止具36、36は、第1係合部30が、矢印FまたはR方向に移動する際に、上記第1長穴35aと、第2長穴35bがその掛止具36、36に対して係合して摺動する。なお、本実施例においては、上記第1長穴35aに比べ、第2長穴35bのほうを長く構成している。これは、矢印FおよびR方向のストローク量はもっぱら短いほうの上記第1長穴35aによって担い、第2長穴35bは、製造上の組み当て易さを考慮して、上記第1長穴35aよりも、矢印FおよびR方向に、長く構成したためである。なお、掛止具36、36は、頭部に鍔のついたねじが好ましい。また、そのねじを配置する場合に通路部20から突出するように中空筒状の部材を設け、その中空部分にねじを配置して、通路部20に設けた中空筒状の部材を上記第1長穴35aと、第2長穴35bと摺動するように配置してその第1係合部30を、矢印FまたR方向に摺動可能に配置することもできる。
【0023】
また、検知受け部40は、後述するマガジン100を前記通路部20から、離したか、または前記マガジン100内に弾丸Bがなくなったことを検知する検知部150が移動することにより、その検知部150との係合を脱することによって、上述の第1係合部30を駆動させるためのものである。また、検知受け部40の一部に第2係合部50が配置されている。これは、通路部20の他端22から弾丸Bの流出を防止するためのものである。この点については後述する。
【0024】
検知受け部40は、軸部41によってシーソーのように搖動するように配置されている。もっとも、この軸部41は、検知受け部40の重心に配置されていないので、後述する接触部42と押圧部43のうち、自重によって接触部42のほうに傾くように配置されている。従って、後述するようにマガジン100が模擬銃200の銃本体にセットされない場合は、接触部42が下降すると同時に、検知受け部40に配置された第2係合部50が下降し、その第2係合部50が弾丸Bと接触することで、その弾丸Bが通路部20の他端22から流出することを防止する。
【0025】
また、接触部42は、後述するマガジン100の検知部150すなわちこの検知部150における検知係合部153と係合するためのものである。また、接触部42がこの検知部150における検知係合部153によって上昇すると、軸部41によって、押圧部43が下がる。これにより、押圧部43は上述の第1係合部30における検知受け係合部33と接触する。これにより、ばね37の矢印R方向の付勢に反して、検知受け部40は第1係合部30を矢印F方向に移動すなわち駆動させることができる(
図2A、B参照)。これは、上述の通り、検知受け係合部33は、他端部34に対して傾斜しているので、押圧部43がその検知受け係合部33を押すと、その押した力の水平成分によって矢印F方向に、その第1係合部30を移動させるというものである。
【0026】
マガジン100について説明する。
図3A、Bにおいてマガジン100の説明をするために矢印F方向を図面左手にして説明する。マガジン100は、複数の弾丸Bを模擬銃200内に供給するためのものである。またマガジン100のケースであるマガジン本体101の内側に、複数の弾丸Bを保持するための渦巻状を呈する弾丸軌道110を有し、この弾丸軌道110内の一端部111に、ストッパー部120を固定して配置している。この、ストッパー部120に、コイルばね130が取り付けられ、この弾丸軌道110内にコイルばね130が配置され、このコイルばね130によって、弾丸押圧部140を、一端部111から開口部112の方向に付勢している。
【0027】
このような構成のマガジン100において、開口部112から、弾丸Bを上述のコイルばね130を圧縮するときの反発力に対抗して複数の弾丸Bを配置する。この複数の弾丸Bは、掛止ばね113によって上昇するように付勢された弾丸掛止部114が上昇している状態にあるために、マガジン100内に配置された弾丸Bが、上記弾丸掛止部114と接触することで、コイルばね130における押圧力に抗してマガジン100の外部にその弾丸Bが流出しないように構成されている。
【0028】
マガジン100内に複数の弾丸Bが配置されている状態において、図示しない使用者が、弾丸Bをすべて発射し、マガジン100内に弾丸Bが存在しなくなった状態において、圧縮されたコイルばね130が自然長に近づき、弾丸押圧部140が、開口部112付近に接近する。弾丸押圧部140が、開口部112付近に接近すると弾丸押圧部140における押圧部材141が、検知部150における検知掛止部151と接する。なお、この検知部150は、弾丸Bがマガジン100内に配置されているときは検知ばね152によって矢印R方向に付勢されているため、検知支点154によって回転し、同じく矢印R方向に押圧されている。このように、検知部150が矢印R方向に配置されているときは、マガジン100内に弾丸Bが配置されていることを検知することできるということである。
【0029】
しかしながら、上述の場合、すなわち弾丸押圧部140における押圧部材141が、検知部150における検知掛止部151と接する場合に、コイルばね130における押圧力が検知ばね152よりも、そのバネ定数が大となるように構成している。従って、弾丸Bがマガジン100内から無くなった場合に、検知部150が、弾丸押圧部140によって押され、矢印F方向に移動することになる。このように、検知部150が、矢印F方向に配置されているときは、マガジン100内に弾丸Bが無くなったことを検知することできるというものである。
【0030】
上述の構成の弾丸流失防止装置10と、マガジン100とを模擬銃200に組み入れた状態に配置し、その弾丸流失防止装置10と、マガジン100のみを抜き出して示した
図4A、Bにおいて説明する。これは模擬銃200に配置されている状態を理解容易にするために模擬銃200から上述の通り弾丸流失防止装置10と、マガジン100とを組み合わせ、それらを抜き出して説明するためのものである。
【0031】
上述のとおりマガジン100内に1以上の弾丸Bが配置されている場合は、検知部150は、上述のとおり、検知ばね152によって矢印R方向に付勢されているため、その検知ばね152は矢印R方向に位置している。この状態において、弾丸流失防止装置10がマガジン100と組み合わされているために、検知部150における検知係合部153は、検知受け部40における接触部42と係合する。そのために検知受け部40は、軸部41によってシーソーのように搖動するように配置されているために、その検知受け部40における接触部42は上方に跳ね上げられる。
【0032】
接触部42が上方に跳ね上げられると、その検知受け部40は、軸部41によって搖動可能に軸支されているために、その反対側に位置する押圧部43が下降する。押圧部43が下降すると、その押圧部43が、検知受け係合部33と接触する。これにより、ばね37の矢印R方向の付勢に反して、検知受け部40は第1係合部30を矢印F方向に移動させることができる。その結果、第1係合部30における模擬銃200に一番近い弾丸B1と、弾丸係合部32との係合が解かれ、すなわち係合から脱することにより、模擬銃200内に弾丸B1が流入する(
図4A、B参照)。
【0033】
一方で、マガジン100内に配置される弾丸Bがすべてなくなった場合、すなわちマガジン100内の弾丸Bを撃ちつくし、あとは通路部20内に複数の弾丸Bが配置されているのみとなった状態である。この場合において、弾丸押圧部140が、コイルばね130によって押され、開口部112付近に接近しているので、弾丸押圧部140が、開口部112付近に接近すると弾丸押圧部140における押圧部材141が、検知部150における検知掛止部151と接する。この検知部150は検知ばね152によって矢印R方向に付勢されているものの、この力に抗することができるように、コイルばね130における押圧力を検知ばね152よりバネを強く、すなわち、検知ばね152のバネ定数よりコイルばね130のバネ定数が大となるように構成しているために、検知部150が、弾丸押圧部140によって、矢印F方向に移動する。
【0034】
この弾丸押圧部140の矢印F方向の移動によって、検知部150における検知係合部153と、検知受け部40における接触部42との係合が脱することになる。これによって、第1係合部30におけるばね37の付勢力により、通路部20に対して矢印R方向にその第1係合部30が移動し、それと一体の弾丸係合部32が、矢印R方向に移動する。この移動によって弾丸係合部32が一端21において、通路部20内に突出し、その弾丸B2と係合することによってその弾丸B2の通路部20内から通路部20外への流出を防止することができる(
図5A、B参照)。
【0035】
また、それとともに、検知受け部40に配置された第2係合部50が、他端22において通路部20に下降し突出するので、通路部20の他端22から弾丸Bの流出を防止する。このように、第2係合部50を検知受け部40に配置すると、通路部20の一端21のみならず、他端22において、弾丸B3の流出を防止することもできる(
図5A、B参照)。
【0036】
ここで、弾丸流失防止装置10を配置した模擬銃200に、複数の弾丸Bを充填したマガジン100をセットした状態において弾丸Bを発射する1連の操作を説明する。マガジン100を模擬銃200の銃本体にセットしようとすると(
図6参照)、マガジン100における検知部150が矢印R方向に位置しているため、弾丸Bがマガジン100内に配置されていることを検知する。すなわち、上記のとおり検知受け部40と検知部150が係合し、その検知受け部40が跳ね上げられる。すなわち、その検知受け部40が上昇することによりそれに配置されている第2係合部50が上昇する。それにより、第2係合部50が通路部20内に突出する状態が解かれ、マガジン100から複数の弾丸Bが通路部20内に流入する(
図7参照)。
【0037】
このとき、第1係合部30の係合も解かれているために、すなわち第1係合部30が通路部20内に突出する状態が解かれているために、弾丸Bは一端21に達するものの、ノズル210にその侵入を阻まれ、その弾丸Bは、通路部20における一端21にとどまる(
図7参照)。
【0038】
その後、使用者はピストンシリンダー機構220を矢印R方向に引くとピストンスプリング230を圧縮しながらピストン221と第2シア283が係合する。それと同時に、ノズル210にその侵入を阻まれ、一端21にとどまっている弾丸Bが、チャンバー機構250内に侵入する(
図8参照)。
【0039】
その後、ピストンシリンダー機構220を元の位置に戻すと、弾丸Bが、嵌合口260内に押し出され、弾丸Bがその嵌合口260内にセットされる。これらの動作はいわゆるコッキングといわれる動作である(
図9参照)。
【0040】
その後トリガー270を引くと、アクチュエーター280が矢印F方向に押し出され、そのアクチュエーター280と第1シア281との接続がはずれ、そのアクチュエーター280が第1シア281の溝部281aに、移動し、その第1シア281が軸部282周りに反時計回りに回転する。そのために、その第1シア281に配置されている第2シア283が、若干下方に沈み込むことにより、その第2シア283と、ピストン221におけるピストン係合部221aとの係合が解除される。
【0041】
この解除によって、圧縮されたピストンスプリング230が開放され、ピストン221が矢印F方向に急速に移動し、その移動先に配置されている弾丸Bが発射される(
図10参照)。このように上記の一連の動作を繰り返し行い、複数の弾丸Bを撃ち続けるとマガジン100内に配置された弾丸Bがすべて、通路部20内に進入し、マガジン100内の弾丸Bは空となる(
図11参照)。
【0042】
このとき上述の通り、マガジン100における検知部150が、矢印F方向に移動し、検知受け部40との係合がはずれる。このとき、そのマガジン100内に配置される弾丸Bがすべて空となった状態である。すなわち、マガジン100内の弾丸Bは撃ちつくされ、あとは通路部20内に弾丸Bが配置されているのみとなったいわゆる死弾を有する状態である。
【0043】
上記の通り、第1係合部30におけるばね37に付勢力により、通路部20に対して矢印R方向にその第1係合部30が移動し、それと一体の弾丸係合部32が、矢印R方向に移動することによって弾丸B2の通路内20における一端21からの流出を防止することができる。
【0044】
また、それとともに、検知受け部40に配置された第2係合部50が、下降するので、通路部20の他端22から弾丸B3の流出を防止する。このように、第2係合部50を検知受け部40に配置すると、通路部20の一端21のみならず、他端22からの弾丸Bの流出を防止することができる。尚、第2係合部50は任意に設けることもできる。従って、検知受け部40に第2係合部50を設けない場合において、弾丸Bは、通路内20における一端21のみからの流出を防止することができる。
【0045】
また、模擬銃200の銃本体からマガジン100を外すと、すなわち前記マガジン100を前記通路部20から離すと、マガジン100における検知部150と、検知受け部40との係合が外れる(
図12参照)。従って、マガジン100内の弾丸Bが空となったときと同様に、第1係合部30におけるばね37の付勢力により、通路部20に対して矢印R方向にその第1係合部30が移動し、それと一体の弾丸係合部32が、矢印R方向に移動することによって弾丸B2の通路内20における一端21からの流出を防止することができる。また、それとともに、検知受け部40に配置された第2係合部50が、下降するので、通路部20の他端22から弾丸B3の流出を防止することができる。
【0046】
また、マガジン100内に、弾丸Bが残っていたとしても、そのマガジン100を、模擬銃200の銃本体からマガジン100を外した場合は、上記と同様に、弾丸B2の通路内20における一端21からの流出を防止することができる。また、それとともに、検知受け部40に配置された第2係合部50が、下降するので、通路部20の他端22から弾丸B3の流出を防止することができる。
【符号の説明】
【0047】
10 弾丸流失防止装置
20 通路部
21 一端
22 他端
30 第1係合部
31 第1係合部本体
32 弾丸係合部
33 検知受け係合部
35a 第1長穴
35b 第2長穴
36 掛止具
40 検知受け部
41 軸部
42 接触部
43 押圧部
50 第2係合部
100 マガジン
150 検知部
200 模擬銃
【国際調査報告】