再表2017-221727IP Force 特許公報全文掲載

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2017年12月28日
【発行日】2018年11月8日
(54)【発明の名称】蓄熱シート
(51)【国際特許分類】
   C08J 5/18 20060101AFI20181012BHJP
   C08L 27/06 20060101ALI20181012BHJP
   C09K 5/06 20060101ALI20181012BHJP
   C08L 63/00 20060101ALI20181012BHJP
   C08L 67/00 20060101ALI20181012BHJP
   C08K 9/10 20060101ALI20181012BHJP
   F28D 20/02 20060101ALI20181012BHJP
   F28D 20/00 20060101ALI20181012BHJP
【FI】
   C08J5/18CEV
   C08L27/06
   C09K5/06 L
   C08L63/00 A
   C08L67/00
   C08K9/10
   F28D20/02 Z
   F28D20/00 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】20
【出願番号】特願2018-523852(P2018-523852)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2017年6月8日
(11)【特許番号】特許第6395021号(P6395021)
(45)【特許公報発行日】2018年9月26日
(31)【優先権主張番号】特願2016-123544(P2016-123544)
(32)【優先日】2016年6月22日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】000002886
【氏名又は名称】DIC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100177471
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 眞治
(74)【代理人】
【識別番号】100163290
【弁理士】
【氏名又は名称】岩本 明洋
(74)【代理人】
【識別番号】100149445
【弁理士】
【氏名又は名称】大野 孝幸
(74)【代理人】
【識別番号】100159293
【弁理士】
【氏名又は名称】根岸 真
(72)【発明者】
【氏名】小関 祐子
(72)【発明者】
【氏名】藤崎 健一
【テーマコード(参考)】
4F071
4J002
【Fターム(参考)】
4F071AA24
4F071AA33A
4F071AA42
4F071AA44
4F071AC02
4F071AD02
4F071AE04
4F071AE22
4F071AF15Y
4F071AF21Y
4F071AF43
4F071BB02
4F071BC01
4F071BC12
4J002AE033
4J002BD031
4J002BG003
4J002CC183
4J002EA017
4J002EH086
4J002EH136
4J002FB283
4J002FB287
4J002FD022
4J002FD026
4J002FD207
(57)【要約】
[課題]良好な蓄熱性を有しつつ、加工時や搬送時にも割れが生じにくい蓄熱シートを提供する。
[解決手段]本発明の蓄熱シートは、樹脂マトリクス中に蓄熱材が分散した蓄熱シートであるため切断加工等が容易な柔軟性を有すると共に、引張強さを0.1MPa以上かつ引張破断時の伸び率を10%以上であることから、脆すぎず、一定の伸びを生じることで、加工時や搬送時に割れを好適に抑制でき、厚膜の柔軟な蓄熱シートとした際にも加工や搬送が容易であり、省エネルギー化の求められる各種用途に有用に適用できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂マトリクス中に蓄熱材が分散した蓄熱シートであって、
JIS K6251に準じて測定される引張強さが0.1MPa以上であり、引張破断時の伸び率が10%以上であることを特徴とする蓄熱シート。
【請求項2】
蓄熱材の含有量が10〜80質量%である請求項1に記載の蓄熱シート。
【請求項3】
厚みが1mm以上である請求項1又は2に記載の蓄熱シート。
【請求項4】
前記蓄熱材が樹脂外殻中に潜熱蓄熱材料を内包するマイクロカプセルである請求項1〜3のいずれかに記載の蓄熱シート。
【請求項5】
前記樹脂マトリクスが熱可塑性樹脂を含有する請求項1〜4のいずれかに記載の蓄熱シート。
【請求項6】
可塑剤を含有する請求項1〜5のいずれかに記載の蓄熱シート。
【請求項7】
前記可塑剤が、蓄熱材100質量部に対する可塑剤の吸収量が30質量部以上、150質量部以下の可塑剤である請求項6に記載の蓄熱シート。
【請求項8】
前記可塑剤がエポキシ系可塑剤である請求項6又は7に記載の蓄熱シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種使用態様に応じた適温保持、省エネルギー化が可能な蓄熱シート
【背景技術】
【0002】
近年、住宅やオフィス等の居住空間において省エネルギー化の要請が高まっており、住宅等に使用される建築材料にも省エネルギー化に貢献する材料が求められている。一般的には、床、天井、壁面等に断熱材を用いて冷暖房の効率化が図られているが、さらなる省エネルギー化のために各種材料の検討がなされている。また、自動車や航空機等の閉空間や、冷蔵車等の冷蔵庫内においても同様に省エネルギー化の要請が高い。
【0003】
このような材料としては、例えば、石膏ボードに潜熱蓄熱材をカプセル化したものを混ぜ合わせた材料が開示されている(特許文献1参照)。また、柔軟性のある材料を使用した材料として、熱可塑性樹脂中に蓄熱材を含有する蓄熱性熱可塑性樹脂シート(特許文献2参照)等が開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2003−284939号公報
【特許文献2】特開2009−51016号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
の石膏ボード中に潜熱蓄熱材を混合した材料は、壁面等に使用することで、壁面等の熱容量を増加させて省エネルギー化を図るものである。しかし、当該材料は柔軟性や取扱い性に乏しく、使用態様に制限があるものであった。また、任意の厚みへの調整や切断加工が困難であり、取扱い性にも乏しいものであった。
【0006】
の熱可塑性樹脂を使用したシートは、熱可塑性樹脂を使用することで柔軟性を有するものであるが、高い蓄熱性を付与するためには蓄熱材を多く充填させる必要があり、シートがもろくなりやすく、加工時や搬送時に割れが生じる場合があった。特に、居住空間等において有用な蓄熱性能を実現するためには蓄熱シートの厚膜化が求められるが、厚みを厚くすると、加工性や取扱い性の低下が、より顕著に生じる問題があった。
【0007】
本願発明が解決しようとする課題は、良好な蓄熱性を有しつつ、加工時や搬送時にも割れが生じにくい蓄熱シートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、 樹脂マトリクス中に蓄熱材が分散した蓄熱シートであって、JIS K6251に準じて測定される引張強さが0.1MPa以上であり、引張破断時の伸び率が10%以上である蓄熱シートにより課題を解決するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の蓄熱シートは、樹脂マトリクス中に蓄熱材が分散した蓄熱シートであるため切断加工等が容易な柔軟性を有すると共に、引張強さを0.1MPa以上かつ引張破断時の伸び率を10%以上であることから、脆すぎず、一定の伸びを生じることで、加工時や搬送時に割れを好適に抑制できる。
【0010】
このような本発明の蓄熱シートは、厚膜の柔軟な蓄熱シートとした際にも加工や搬送が容易であることから、住宅等の居住空間の壁材や壁紙、自動車、電車、航空機、農業ハウス等の室内、さらには、冷蔵車や冷蔵設備の冷蔵庫内、航空機の庫内等の閉空間、パソコンのCPUや蓄電池などの熱を発生する電気部品に適用する材料等、省エネルギー化の求められる各種用途に有用に適用できる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の蓄熱シートは、樹脂マトリクス中に蓄熱材が分散した蓄熱シートであり、JIS K6251に準じて測定される引張強さが0.1MPa以上であり、引張破断時の伸び率が10%以上の蓄熱シートである。
【0012】
[樹脂マトリクス]
樹脂マトリクスに使用する樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂等の各種樹脂を使用できる。なかでも、塗膜形成が容易であることから熱可塑性樹脂を好ましく使用できる。塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、オレフィン系樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合、スチレン・ブタジエン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリブタジエン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、1,2−ポリブタジエン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリイミド系樹脂等を例示できる。なかでも、低温下での成形性や蓄熱材の分散性を得やすいことから塩化ビニル系樹脂を使用することが好ましい。
【0013】
塩化ビニル系樹脂を使用する場合には、塩化ビニル樹脂粒子を使用したビニルゾル塗工液を用いて、ゾルキャスト膜を形成することで、低温下での蓄熱シートの形成が可能となるため好ましい。ビニルゾル塗工液は、塩化ビニル樹脂粒子及び可塑剤を含有する樹脂組成物中に蓄熱材が分散、懸濁されたペースト状の塗工液である。
【0014】
塩化ビニル樹脂粒子の平均粒子径は、0.01〜10μmであることが好ましく、0.1〜5μmであることが好ましい。塗工液中では、当該粒子が直接分散した状態でも、当該粒子を一次粒子として、球状の二次粒子に凝集した状態で分散した状態であってもよい。また、粒子径の異なる粒子が混合されて、粒度分布のピークが二以上あるものであってもよい。粒子径はレーザー法等により測定できる。
【0015】
ビニルゾル塗工液に使用する塩化ビニル樹脂粒子の形状は、好適な流動性を得やすく、熟成粘度変化が小さいことから、略球形形状であることが好ましい。塩化ビニル樹脂粒子は、乳化重合、懸濁重合により製造されたものが、球形形状を得やすく、また、粒度分布を制御しやすいため好ましい。
【0016】
使用する塩化ビニル樹脂の重合度としては、500〜4000であることが好ましく、600〜2000であることがより好ましい。
【0017】
本発明に使用する塩化ビニル樹脂粒子は、市販されている塩化ビニル樹脂粒子を適宜使用でき、例えば、新第一塩ビ株式会社製ZEST PQ83,PWLT,PQ92,P24Z等や、株式会社カネカ製PSL−675,685等が挙げられる。
【0018】
蓄熱シートを形成する樹脂として熱可塑性樹脂を使用する場合には、当該熱可塑性樹脂の含有量は、10〜80質量%であることが好ましく、20〜70質量%であることがより好ましく、30〜60質量%であることがさらに好ましい。当該範囲とすることで、シート中の樹脂マトリクスを好適に形成でき、引張強さや引張破断時の伸び率を本発明の範囲に調整しやすくなり、柔軟性と強靭性とを有するシートを形成しやすくなる。
【0019】
[可塑剤]
本発明の蓄熱シートに使用する樹脂として熱可塑性樹脂を使用する場合には、良好な塗工性や成膜性を確保しやすいことから、可塑剤を併用することが好ましい。当該可塑剤としては、エポキシ系可塑剤、メタクリレート系可塑剤、ポリエステル系可塑剤、ポリエーテルエステル系可塑剤、脂肪族ジエステル系可塑剤、トリメリット酸系可塑剤、アジピン酸系可塑剤、安息香酸系可塑剤、フタル酸系可塑剤等を適宜使用できる。また、2種類以上の可塑剤を適宜混合して使用しても良い。住宅等の建築材料用途や自動車用途等へ使用する場合には、人体への悪影響が懸念されるフタル酸系可塑剤以外の非フタル酸系可塑剤を使用することが好ましい。
【0020】
これら可塑剤としては、各種市販されている可塑剤を適宜使用でき、例えば、エポキシ系可塑剤としては、DIC社製 モノサイザーW−150;新日本理化社製 サンソサイザー E−PS、E−PO、E−4030、E−6000、E−2000H、E−9000H;ADEKA社製 アデカサイザー O−130P、O−180A、D−32、D−55、花王社製 カポックス S−6等、ポリエステル系可塑剤としては、DIC社製 ポリサイザーW−2050、W−2310、W−230H;ADEKA社製 アデカサイザー PN−7160、PN−160、PN−9302、PN−150、PN−170、PN−230、PN−7230、PN−1010、三菱化学社製 D620、D621、D623、D643、D645、D620N;花王社製 HA−5等、トリメリット酸系可塑剤としては、DIC社製 モノサイザーW−705、ADEKA社製 アデカサイザーC−9N、三菱化学社製 TOTM、TOTM−NB等、安息香酸系可塑剤としては、DIC社製 モノサイザーPB−3A、三菱化学社製 JP120等を例示できる。
【0021】
本発明においては、蓄熱材や可塑剤の染み出しを抑制しやすいことから、のなかでも特に低温でゲル化できる可塑剤を好ましく使用できる。当該可塑剤としては、ゲル化終了温度が150℃以下であることが好ましく、140℃以下であることがより好ましく、130℃以下であることがさらに好ましく、120℃以下であることがさらに好ましく、110℃以下であることが特に好ましい。ゲル化終了温度は、ゲル化膜の光透過性が一定となる温度をゲル化終了温度とできる。当該低温成形性の良好な可塑剤としては、エポキシ系可塑剤、ポリエステル系可塑剤、安息香酸系可塑剤を例示できる。これら低温成形性の良好な可塑剤は、好適な蓄熱性と共に、樹脂マトリクスの強靭性を特に得やすいため好ましい。また、耐熱性と低温成形性の観点からは、エポキシ系可塑剤及びポリエステル系可塑剤を特に好ましく使用できる。
【0022】
ゲル化終点温度は具体的には、ペースト用塩化ビニル樹脂(重合度1700)と可塑剤と熱安定剤(Ca−Zn系)を質量比100/80/1.5で混合した組成物をガラスプレートとプレパラート間に挟み込み、5℃/minの昇温速度で昇温し、光透過性の変化を顕微観察用ホットステージ(Metter 800)を用いて観察し、光透過性が一定となる温度をゲル化終点温度とする。
【0023】
本発明に使用する可塑剤は、25℃における粘度が1500mPa・s以下であることが好ましく、1000mPa・s以下であることがより好ましく、500mPa・s以下であることがさらに好ましく、300mPa・s以下であることが特に好ましい。当該範囲とすることで、ビニルゾル塗工液の粘度を低く抑えることができるため、蓄熱材の充填率が高めることができる。なお、可塑剤粘度測定の条件は後述実施例における条件にて測定できる。
【0024】
本発明に使用する可塑剤は、その重量平均分子量が200〜3000であることが好ましく、300〜1000であることがより好ましい。当該範囲とすることで、可塑剤自身が染み出しにくく、且つビニルゾル塗工液の粘度を低く抑えることができるため、蓄熱材の充填率を高めることができる。なお、重量平均分子量(Mw)は、ゲル浸透クロマトグラフィー(以下、「GPC」と略記する。)測定に基づきポリスチレン換算した値である。なお、GPC測定は以下の条件にて測定できる。
【0025】
<重量平均分子量の測定条件>
測定装置:東ソー株式会社製ガードカラム「HLC−8330」
カラム:東ソー株式会社製「TSK SuperH−H」
+東ソー株式会社製「TSK gel SuperHZM−M」
+東ソー株式会社製「TSK gel SuperHZM−M」
+東ソー株式会社製「TSK gel SuperHZ−2000」
+東ソー株式会社製「TSK gel SuperHZ−2000」
検出器:RI(示差屈折計)
データ処理:東ソー株式会社製「GPC−8020モデルIIバージョン4.10」
カラム温度:40℃
展開溶媒:テトラヒドロフラン(THF)
流速:0.35mL/分
試料:樹脂固形分換算で1.0質量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(100μl)
標準試料:前記「GPC−8020モデルIIバージョン4.10」の測定マニュアルに準拠して、分子量が既知の下記の単分散ポリスチレンを用いた。
【0026】
<標準試料:単分散ポリスチレン>
東ソー株式会社製「A−300」
東ソー株式会社製「A−500」
東ソー株式会社製「A−1000」
東ソー株式会社製「A−2500」
東ソー株式会社製「A−5000」
東ソー株式会社製「F−1」
東ソー株式会社製「F−2」
東ソー株式会社製「F−4」
東ソー株式会社製「F−10」
東ソー株式会社製「F−20」
東ソー株式会社製「F−40」
東ソー株式会社製「F−80」
東ソー株式会社製「F−128」
東ソー株式会社製「F−288」
【0027】
また、本発明に使用する蓄熱材が、樹脂外殻中に蓄熱材料を含有するマイクロカプセル状の蓄熱材である場合には、これら可塑剤の中でも、使用する蓄熱材とのHSP距離が6以上の可塑剤を使用することが好ましい。当該可塑剤を使用することで、高温下での蓄熱シートからの脱離成分の脱離を抑制でき、高温下でも体積収縮が生じにくい好適な耐熱性を実現しやすくなる。蓄熱材を含有しない、一般的な熱可塑性樹脂と可塑剤とを含有する樹脂組成物からなる成形品においては、高温下でも大きな体積収縮は生じにくい。しかし、蓄熱材を含有する蓄熱シートにおいては、高温下で大きく体積収縮を生じる場合がある。本発明においては、蓄熱材と可塑剤とのHSP距離を範囲とすることで、高温下で多量の脱離成分を生じる要因となる可塑剤の蓄熱材への取り込みを抑制し、高温下での体積収縮を抑制しやすくなり、好適な耐熱性を実現しやすくなる。当該HSP距離は好適な耐熱性を得やすいことから、7以上であることが好ましく、8以上であることがより好ましい。また、一般的に可塑剤として使用されるものであれば特に上限は制限されないが、好適な相溶性や成形性を得やすいことから40以下であることが好ましく、30以下であることがより好ましく、25以下であることが更に好ましい。
【0028】
HSP距離とは、ハンセン溶解度パラメータ(HSP)を用いた物質間の溶解性を表す指標である。ハンセン溶解度パラメータは、溶解性を多次元(典型的には三次元)のベクトルで表すものであり、当該ベクトルは、分散項、極性項、水素結合項で表すことができる。そして、当該ベクトルの類似度を、ハンセン溶解度パラメータの距離(HSP距離)として表すものである。
【0029】
ハンセン溶解度パラメータは、各種文献において参考となる数値が提示されており、例えば、Hansen Solubility Parameters:A User’s Handbook(Charles Hansen等、2007、第2版)等が挙げられる。また、市販のソフトウェア、例えば、Hansen Solubility Parameter in Practice (HSPiP)を用いて、物質の化学構造に基づいてハンセン溶解度パラメータを算出することもできる。算出は、溶媒温度を25℃として行う。
【0030】
可塑剤と蓄熱材の好ましい組み合わせとしては、例えば、アクリル系の外殻を有する蓄熱材を使用する場合には、エポキシ系可塑剤、ポリエステル系可塑剤、トリメリット酸系可塑剤等を好ましく使用できる。また、メラミン系の外殻を有する蓄熱材を使用する場合には、エポキシ系可塑剤、ポリエステル系可塑剤、トリメリット酸系可塑剤、安息香酸系可塑剤等を好ましく使用できる。特にエポキシ系可塑剤は、耐熱性等の各種特性を好適に得やすいため好ましい。
【0031】
また、本発明においては、成形体の樹脂マトリクスを好適に構成しやすいことから、使用する熱可塑性樹脂と可塑剤とのHSP距離が15以下であることが好ましく、12以下であることがより好ましい。また下限は特に制限されないが1以上であることが好ましく、2以上であることがより好ましく、3以上であることがさらに好ましい。
【0032】
また、樹脂外殻中に蓄熱材料を含有するマイクロカプセル状の蓄熱材を使用する場合には、使用する蓄熱材に対して可塑剤を混合した際のJIS K5101−13−1に準じて測定される蓄熱材100質量部に対する可塑剤の吸収量が150質量部以下の可塑剤を好ましく使用できる。当該可塑剤を使用することで、高温下での蓄熱シートからの脱離成分の脱離を抑制でき、高温下でも体積収縮が生じにくい好適な耐熱性を実現できる。当該吸収量は好適な耐熱性を得やすいことから、140質量部以下であることが好ましく、135質量部以下であることがより好ましく、130質量部以下であることがさらに好ましい。また、好適な相溶性や成形性を得やすく、好適な引張強さや伸びを得やすいことから、30質量部以上であることが好ましく、50質量部以上であることがより好ましい。
【0033】
可塑剤の吸収量は、JIS K5101−13−1の吸油量の測定方法に準じて測定される。具体的には、予想される吸収量に応じて1〜20gを秤量した蓄熱材を試料としてガラス板上に設置し、可塑剤をビュレットから一回に4〜5滴ずつ徐々に加える。その都度、鋼製のパレットナイフで試料に練り込む。これを繰り返し、可塑剤及び試料の塊ができるまで滴下を続ける。以後、1滴ずつ滴下し完全に混練するようにして繰り返し、ペーストが滑らかな硬さになったところを終点とし、当該吸収量を可塑剤の吸収量とする。なお、ペーストは割れたりぼろぼろになったりせず広げることができ、かつ、測定板に軽く付着する程度のものとする。
【0034】
蓄熱シート中の可塑剤の含有量は、5〜75質量%であることが好ましく、10〜70質量%であることがより好ましく、20〜60質量%であることがさらに好ましく、20〜40質量%であることが特に好ましい。当該範囲とすることで、引張強さや引張破断時の伸び率を本発明の範囲に調整しやすくなると共に、良好な塗工適性や成形性を得やすくなる。また、熱可塑性樹脂に対する可塑剤の含有比率は、熱可塑性樹脂100質量部に対して可塑剤が30〜150質量部であることが好ましく、30〜120質量部であることがより好ましく、40〜100質量部であることがさらに好ましい。
【0035】
[蓄熱材]
蓄熱材としては、蓄熱性を有するものであれば特に制限されず、潜熱型の蓄熱性材料、顕熱型の蓄熱性材料、化学反応にともなう吸熱や発熱を利用した化学反応型の蓄熱性材料を使用できる。なかでも、潜熱型の蓄熱性材料は、小さい体積で多くのエネルギーを確保しやすく、吸放熱温度を調整しやすいため好ましい。
【0036】
潜熱型の蓄熱性材料(潜熱蓄熱材)としては、相変化による溶融時の染み出し等の問題や、混入時の分散性を考慮して、有機材料等からなる外殻中にパラフィンなどの潜熱蓄熱材料を内包した、カプセル化された蓄熱粒子が好ましい。本発明においてこのような外殻を有する蓄熱粒子を使用する場合には、当該蓄熱粒子の外殻に使用する材料のHSPに基づき、HSP距離を算出する。本発明の蓄熱シートは、有機材料からなる外殻中にパラフィン等の潜熱蓄熱材料を含有する蓄熱材を使用した場合にも可塑剤による外殻の脆化が生じにくく、蓄熱材の破損が生じにくい。
【0037】
このような蓄熱粒子としては、例えば、メラミン樹脂からなる外殻を用いたものとして、三菱製紙社製サーモメモリーFP−16,FP−25,FP−27,FP−31,FP−39、三木理研工業社製リケンレジンPMCD−15SP,25SP,32SP等が例示できる。また、シリカからなる外殻を用いたものとして、三木理研工業社製リケンレジンLA−15,LA−25,LA−32等、ポリメチルメタクリレート樹脂からなる外殻を用いたものとして、BASF社製MicronalDS5001X,5040X等が例示できる。
【0038】
蓄熱粒子の粒径は、特に限定されないが、10〜1000μm程度であることが好ましく、50〜500μmであることがより好ましい。蓄熱粒子の粒子径は、その一次粒子の粒子径が範囲であることも好ましいが、一次粒子径が1〜50μm、好ましくは2〜10μmの粒子が凝集して二次粒子を形成し、当該二次粒子の粒径が範囲となった蓄熱粒子であることも好ましい。このような蓄熱粒子は、圧力やシェアにより破損しやすいが、本発明の構成によれば、当該蓄熱粒子の破損を好適に抑制でき、蓄熱材料の染み出しや漏れが生じにくくなる。特に、外殻が有機材料から形成される場合には温度による破損のおそれも生じるが、本発明の蓄熱シートは、このような潜熱蓄熱材を使用した場合にも蓄熱材料の染み出しや漏れを好適に抑制しやすい。なお、蓄熱シート中に使用する全蓄熱粒子の粒子径が範囲でなくともよく、蓄熱シート中の蓄熱粒子の80質量%以上が範囲の蓄熱粒子であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、95質量%以上であることが特に好ましい。
【0039】
潜熱蓄熱材は、特定の温度の融点において相変化する。すなわち、室温が融点を超えた場合は、固体から液体へ相変化し、室温が融点より下がった場合は、液体から固体へ相変化する。潜熱蓄熱材の融点は、その使用態様に応じて調整すればよく、−20℃〜120℃程度の温度範囲にて固/液相転移を示すものを適宜使用できる。例えば、住宅等の居住空間や、自動車、電車、航空機、農業ハウス等の室内等の適温を維持し、省エネルギー化を図る場合には、この融点を日常生活に適した温度、具体的には10〜35℃、好ましくは15〜30℃に設計した潜熱蓄熱材を混入する事により、適温維持性能を発揮する事ができる。より詳細に冬季又は夏季の適温維持性能を調整する場合には、冬場の暖房効果を持続させる事を目的とすれば18〜28℃程度を融点とした潜熱蓄熱材を混入することが好ましく、より好ましくは18〜23℃程度である。もしくは、夏場の温度上昇を抑制させる事を目的とすれば20〜30℃程度を融点とした潜熱蓄熱材を混入する事が好ましく、より好ましくは25〜30℃程度である。両方の効果を発現するには融点設計の異なる2種類以上の潜熱蓄熱材を混入すればよい。また、冷蔵設備等の庫内の省エネルギー化を図る場合には、−10℃〜5℃程度の融点の潜熱蓄熱材を使用すればよい。
【0040】
蓄熱シート中の蓄熱材の含有量は10〜80質量%であることが好ましく、20〜70質量%であることがより好ましく、30〜60質量%であることがさらに好ましい。当該範囲とすることで、引張強さや引張破断時の伸び率を本発明の範囲に調整しやすくなると共に、良好な蓄熱効果や成形性が得られやすくなる。
【0041】
[蓄熱シート]
本発明の蓄熱シートは、引張強さを0.1MPa以上とすることで、柔軟性を有しながらも強靭な蓄熱シートとすることができ、加工時や搬送時等にも割れが生じにく、好適な加工性や取扱い性、搬送適正、曲げ適性等を得やすくなる。引張強さは0.3MPa以上であることがより好ましく、0.6MPa以上であることが更に好ましく、1MPa以上であることが特に好ましい。引張強さの上限は特に制限されるものではないが、15MPa以下程度であることが好ましく、10MPa以下であることがより好ましく、5MPa以下であることが特に好ましい。
【0042】
また、本発明の蓄熱シートは、引張破断時の伸び率を10%以上とすることで、シートの脆化を抑制でき、加工時や搬送時等に曲げや歪みが生じた場合にも、割れや欠けが生じにくい。引張破断時の伸び率は15%以上であることがより好ましく、20%以上であることが更に好ましく、25%以上であることが特に好ましい。伸び率の上限は1000%以下であることが好ましく、500%以下であることがより好ましく、300%以下であることが更に好ましい。伸び率を当該範囲とすることで、強靭でありながら好適な柔軟性を実現でき、良好な加工性や取扱い性、搬送適正、曲げ適性等を得やすくなる。
【0043】
引張強さ、引張破断時の伸び率は、JIS K6251に準じて測定される。具体的には、蓄熱シートをダンベル状2号形に切り出し、初期の標線間距離を20mmとして2本の標線をつけた試験片を作成する。この試験片を引張り試験機に取り付け、速度200mm/minで引張って破断させる。この時、破断までの最大の力(N)、及び破断時の標線間距離(mm)を測定し、以下の式により引張り強さと引張り破断時の伸び率を算出する。
【0044】
引張強さTS(MPa)は以下の式により算出する。
TS=Fm/Wt
Fm:最大の力(N)
W:平行部分の幅(mm)
t:平行部分の厚さ(mm)
【0045】
引張り破断時の伸び率Eb(%)は以下の式により算出する。
Eb=(Lb−L0)/L0×100
Lb:破断時の標線間距離(mm)
L0:初期の標線間距離(mm)
【0046】
蓄熱シートの厚みは、使用態様に応じて適宜調整すればよい。例えば、閉空間の壁面等へ適用する場合には、好適な蓄熱効果を得やすいことから100μm以上が好ましく、500μm以上がより好ましく、1mm以上がさらに好ましく、3mm以上が特に好ましい。厚みの上限は特に制限されるものではないが、シート状の有機系蓄熱層を形成した後に、無機系基材に貼り合わせる場合等、有機系蓄熱層を単独で取扱う場合には、好適な柔軟性や取扱い性を得やすいことから20mm以下で成形することが好ましく、10mm以下がより好ましく、6mm以下がさらに好ましい。本発明の蓄熱シートは、例えば500μm以上、さらには1mm以上のような厚みが厚いシートとした際にも、加工時や搬送時に割れや欠けが生じにくく、優れた加工性や取扱い性を実現できる。
【0047】
[製造方法]
本発明の蓄熱シートは、樹脂と蓄熱材とを含有する樹脂組成物からなる塗工液を塗布、あるいは任意の形状の型枠へ投入した後、加熱や乾燥させることで得ることができる。好ましい製造例としては、樹脂と蓄熱材とを含有する樹脂組成物からなる塗工液を調整し、支持体上に当該塗工液を塗布して塗工膜を形成した後、塗工膜温度が150℃以下となる温度で加熱して蓄熱シートを形成する方法である。
【0048】
使用する支持体は、蓄熱シートを剥離して流通、使用等する場合には、得られる蓄熱シートを剥離可能で、加熱工程の温度での耐熱性を有するものを適宜使用できる。また、蓄熱シートを他の機能層や基材と積層して使用する場合には、当該他の機能層や基材を支持体としてもよい。
【0049】
蓄熱シートを剥離する場合の支持体としては、例えば、各種の工程フィルムとして使用される樹脂フィルムを好ましく使用できる。当該樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム、ポリブチレンテレフタレート樹脂フィルム等のポリエステル樹脂フィルムなどが挙げられる。樹脂フィルムの厚みは特に制限されないが、25〜100μm程度のものが取扱いや入手が容易である。
【0050】
支持体として使用する樹脂フィルムは、表面が剥離処理されているものを好ましく使用できる。剥離処理に用いられる剥離処理剤としては、例えば、アルキッド系樹脂、ウレタン系樹脂、オレフィン系樹脂、シリコーン系樹脂などが挙げられる。
【0051】
ビニルゾル塗工液を塗布するキャスト成膜の方法としては、ロールナイフコーター、リバースロールコーターなどの塗工機を使用できる。なかでも、支持体上にビニルゾル塗工液を送り出し、ドクターナイフ、コンマコーター等により、一定の厚みの塗工膜を形成する方法を好ましく使用できる。
【0052】
また、得られた塗工膜は加熱や乾燥によるゲル化や硬化によりシートを形成できる。加熱温度は、塗工膜温度が150℃以下となる温度が好ましく、140℃以下となる温度がより好ましく、130℃以下となる温度がさらに好ましく、120℃以下となる温度がさらに好ましい。塗工膜温度を当該温度とすることにより、蓄熱材の熱による破壊を好適に抑制できる。加熱時間は、ゲル化速度等に応じて適宜調整すればよいが、10秒〜10分程度で調整すればよい。また、当該加熱と共に、適宜風乾等の乾燥を併用してもよい。
【0053】
塗工液に溶媒を使用する場合には、加熱工程において溶媒の除去を同時に行ってもよいが、加熱の前に、予備乾燥を行うことも好ましい。
【0054】
にて形成された蓄熱シートは、蓄熱シートを支持体から剥離する工程により、蓄熱シートとして使用できる。当該剥離は、適宜好適な手法で剥離すればよい。また、各種加工や積層を行うにあたり、支持体上に積層した状態が好ましい場合には、支持体上に積層した状態で流通することもできる。
【0055】
蓄熱シートを形成する塗工液は、使用する樹脂成分及び蓄熱材に応じて適宜混合して調整すればよい。例えば、熱可塑性樹脂として塩化ビニル樹脂を使用する場合には、塩化ビニル樹脂粒子を使用したビニルゾル塗工液を用いて、ゾルキャストにより蓄熱層を形成する方法が好ましい。当該製造方法とすることで、ミキサー等による混練や押出成形等を経ることなく成形が可能となり、蓄熱材の破壊が生じにくく、得られる蓄熱シートからの蓄熱材の染み出し等が生じにくい。また、当該方法によれば、低温下での成形が容易となることから、熱による蓄熱材の破壊を抑制しやすいため当該方法が特に好ましく使用できる。
【0056】
塩化ビニル樹脂を使用して、ビニルゾル塗工液とする場合には、塩化ビニル樹脂の含有量が、塗工液に含まれる固形分(溶媒以外の成分)中の10〜80質量%であることが好ましく、20〜70質量%であることがより好ましく、30〜60質量%であることがさらに好ましい。また、可塑剤の含有量は、樹脂組成物中に含まれる熱可塑性樹脂100質量部に対して、30〜150質量部であることが好ましく、30〜120質量部であることがより好ましく、40〜100質量部であることがさらに好ましい。さらに、当該塗工液中に混合する蓄熱材の含有量は、塗工液に含まれる固形分中の10〜80質量%であることが好ましく、20〜70質量%であることがより好ましく、30〜60質量%であることがさらに好ましい。
【0057】
ビニルゾル塗工液中には、適宜溶媒を使用することもできる。当該溶媒としては、塩化ビニル樹脂のゾルキャスト法にて使用される溶媒を適宜使用でき、なかでも、ジイソブチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、酢酸ブチルなどのエステル類、グリコールエーテル類等を好ましく例示できる。これら溶媒は、常温で樹脂をわずかに膨潤して分散を助長しやすく、また、加熱工程で溶融ゲル化を促進しやすいため好ましい。これらの溶媒は単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
【0058】
また、溶媒と共に希釈溶媒を使用してもよい。希釈溶媒としては、樹脂を溶解せず、分散溶媒の膨潤性を抑制する溶媒を好ましく使用できる。このような希釈溶媒としては、例えば、パラフィン系炭化水素、ナフテン系炭化水素、芳香族炭化水素、テルペン系炭化水素などを使用できる。
【0059】
ビニルゾル塗工液には、塩化ビニル樹脂の脱塩化水素反応を主とする分解劣化、着色を抑制するために熱安定剤を使用することも好ましい。熱安定剤としては、例えば、カルシウム/亜鉛系安定剤、オクチル錫系安定剤、バリウム/亜鉛系安定剤等を使用できる。熱安定剤の含有量は、塩化ビニル樹脂100質量部に対して、0.5〜10質量部が好ましい。
【0060】
ビニルゾル塗工液には、以外の成分として、減粘剤、分散剤、消泡剤等の添加剤を、必要に応じて適宜含有してもよい。これら添加剤の含有量は、各々、塩化ビニル樹脂100質量部に対して、0.5〜10質量部が好ましい。
【0061】
ビニルゾル塗工液の塗工時の粘度は、所望のシートの厚みや、塗工条件等により適宜調整すればよいが、良好な塗工適正を得やすいことから、1000mPa・s以上が好ましく、3000mPa・s以上がより好ましく、5000mPa・s以上がさらに好ましい。また、当該粘度の上限は70000mPa・s以下が好ましく、50000mPa・s以下がより好ましく、30000mPa・s以下がさらに好ましく、25000mPa・s以下が特に好ましい。なお、塗工液粘度はB型粘度計にて測定できる。
【0062】
塩化ビニル樹脂粒子及び蓄熱材を含有するビニルゾル塗工液のゾルキャスト膜からなる蓄熱シートは、製造時に蓄熱材にシェアや圧力がかからないため蓄熱材の破壊が生じにくいことから、樹脂系の材料を使用しながらも蓄熱材の染み出しが生じにくい。また、当該蓄熱材による蓄熱性を有すると共に、良好な柔軟性を実現できる。さらに、容易に他の層との積層や加工も可能であることから各種用途や態様での使用が可能である。
【0063】
[蓄熱積層体]
本発明の蓄熱シートは、各種の機能層と積層することで蓄熱積層体とすることも好ましい。例えば、不燃紙や不燃基材等の不燃層と積層することで難燃性を付与することができ、居住空間への適用に特に好適である。また、例えば、熱拡散層や断熱層と積層することで、蓄熱性をより効果的に発現することもできる。また、居住空間の内壁等へ適用するために、化粧層や装飾層を設けることもできる。
【0064】
不燃層としては、各種の不燃基材を使用でき、当該不燃基材と積層することで準不燃性や不燃性を付与することもできる。当該不燃基材としては、石膏ボード、ケイ酸カルシウム板、フレキ板、セメント板、および、これらの繊維補強版等の無機系基材を例示できる。
【0065】
また、不燃層としては、不燃紙を使用することもでき、本発明の蓄熱シートの片面又は両面に不燃紙を積層した構成を例示できる。片面に不燃紙を積層した構成としては、本発明の蓄熱シートを不燃紙に貼り合せた構成であってもよいが、不燃紙上に直接本発明の蓄熱シートを形成するビニルゾル塗工液を塗布、ゲル化した構成とすると形成が容易であるため好ましい。また、両面に不燃紙を有する構成としては、本発明の蓄熱シートの両面に不燃紙を貼り合せた構成であってもよいが、不燃紙上にビニルゾル塗工液を塗布、ゲル化した不燃紙積層蓄熱シートの蓄熱シート面同士を貼り合せることで容易に形成できる。また、これら片面や両面に不燃紙を積層した構成等に、さらにの不燃基材を積層した構成も好ましく使用できる。
【0066】
当該不燃紙としては、不燃性を有するものであれば特に限定しないが、例えば、紙に難燃剤を塗布、含浸、内添しているものを使用できる。難燃剤としては、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の金属水酸化物、リン酸塩、ホウ酸塩、ステファミン酸塩等の塩基性化合物、ガラス繊維等が例示できる。
【0067】
熱拡散層を積層した構成として室内等の閉空間に適用した場合には、熱拡散層で室内の熱を均一化する効果を持たせるとともに、室内(住宅等の居住空間や、自動車、電車、航空機等の室内、冷蔵車の冷蔵庫内、航空機の庫内等の閉空間等)からの熱を分散して熱抵抗が少なく蓄熱層へ伝える事ができる。蓄熱層では蓄熱粒子により室内の熱吸収及び室内への熱放出がなされ、室内の温度環境下を適温に制御できる。
【0068】
熱拡散層としては、熱伝導率が5〜400W/m・Kの高い熱伝導率を有する層を好ましく使用できる。高い熱伝導率により、局所に集中した熱を拡散して蓄熱層へ伝えて熱効率を向上し、かつ室温を均一化できる。
【0069】
熱拡散層の材料としては、例えば、アルミニウム、銅、鉄、グラファイトなどが挙げられる。本発明では、特にアルミニウムを好適に用いることができる。アルミニウムが好適な理由として、放射熱の反射による断熱効果も発現することが挙げられる。特に、放射熱による暖房器具では、断熱効果により暖房効率を向上する事ができる。放射熱を主とした暖房器具としては、例えば、電気式床暖房、温水式床暖房、赤外線ヒーターなどが挙げられる。また、防災の視点からも難燃性能を向上させる事ができる。
【0070】
熱拡散層の形態としては、材料のシートからなる層や、材料の蒸着層等の適宜な形態を使用できる。材料としてアルミニウムを使用する場合には、たとえば、アルミ箔、アルミ蒸着層などの湾曲性があるものを好ましく使用できる。
【0071】
熱拡散層の層厚は、特に限定されないが、3〜500μm程度とすることで、好適な熱拡散性や取扱い性を確保しやすくなるため好ましい。
【0072】
また、蓄熱層に断熱層を積層した構成とした場合には、蓄熱層の熱吸収及び熱放出が室内側と効果的になされ、室内の適温維持効果を特に好適に発揮することができる。また、室内の熱の流出を防ぐ、もしくは、外気からの熱の影響の軽減にも有効である。本発明の蓄熱積層体は、これら複合作用により、室内の温度変化を抑制し、室内を適温に保つ事ができる。また、エアコンや冷蔵設備等の空調機器を使用した場合に、その消費エネルギーを低減することもできる。これにより、好適に室内の省エネルギー化に貢献できる。
【0073】
断熱層としては、熱伝導率が0.1W/m・K未満の層を好ましく使用できる。当該断熱層は、蓄熱層から外気への熱の流出を防ぎ、かつ、外気の温度影響を低減させる効果を発揮するものである。断熱層は、熱伝導率が0.1W/m・K未満の層を形成できるものであれば特に限定されず、例えば、発泡樹脂シート、断熱材料を含有する樹脂シート等の断熱シートや、押出し法ポリスチレン、ビーズ法ポリスチレン、ポリエチレンフォーム、ウレタンフォーム、フェノールフォーム等の断熱ボード等を適宜使用できる。なかでも、断熱シートは施工性を確保しやすいため好ましく、断熱材料を含有した樹脂シートである事が熱伝導率を低減できるためより好ましい。また、発泡シートは入手が容易であり、安価であるため好ましい。
【0074】
断熱層はシート状とすることで施工性を確保しやすくなるが、なかでも、円筒形マンドレル屈曲試験機(JIS K 5600)による測定値が、マンドレル直径で2〜32mmであることが好ましい。
【0075】
断熱層に使用する断熱材料は、蓄熱積層体の断熱性を高めるものであり、例えば、多孔質シリカ、多孔質アクリル、中空ガラスビーズ、真空ビーズ、中空ファイバーなどが挙げられる。この断熱材料5は、公知のものを用いればよい。本発明では、特に、多孔質アクリルを好適として用いる事ができる。断熱材料の粒径は、限定される事はないが、1〜300μm程度である事が好ましい。
【0076】
断熱層として断熱材料を含有する樹脂シートを使用する場合には、断熱材料を、ベースとなる樹脂材料に混入してシート成形を行う。樹脂材料としては、前述と同様に、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリフェニレンサルファイド、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、又はアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂などが挙げられる。ポリエステルとしては、A−PET、PET−G等を使用できる。なかでも、火災時の低燃焼性の面から、自己消化性である塩化ビニル樹脂を好適に用いる事ができる。
【0077】
シートの成形方法としては、例えば、塩化ビニル樹脂と可塑剤と断熱材料を、押出し成形、カレンダー成形などの成形機を用いてシートの成形を行う。
【0078】
断熱層中の断熱材料の含有量は、断熱層中の20質量%以上であることが好ましく、20〜80質量%であることがより好ましく、30〜80質量%であることが更に好ましく、40〜80質量%であることが特に好ましい。断熱材の含有量を当該範囲とすることで、好適に断熱効果を発揮でき、また、断熱層を形成しやすくなる。
【0079】
断熱層中には、必要に応じて、可塑剤、難燃材等の添加剤を配合してもよい。
【0080】
断熱層の層厚は、特に限定されないが、厚みが増す程室内の保温性が上がる。シートとしての湾曲性や施工性を保有する為には、50〜3000μm程度である事が好ましい。
【0081】
本発明の蓄熱シートは、主に建築物の内壁、天井、床などにおける内装材用途として好適に用いられるが、窓のサッシ枠の被服材や、車両等の内装材としても適用可能である。また、建築物の壁、床、天井に限らず、自動車、電車、飛行機などの室内に使用する事も可能である。また、冷蔵設備の低温保持材料や、パソコンのCPUや蓄電池など熱を発生する電気部品の低温維持材料としても使用することも可能である。また、面状発熱体等のヒーターを併用して、蓄熱による省エネルギー効果を発現しても良い。
【実施例】
【0082】
(実施例1)
重合度900のポリ塩化ビニル樹脂粒子(新第一塩ビ社製 ZEST PQ92)100質量部、エポキシ系可塑剤(DIC社製 モノサイザーW−150:粘度85mPa・s、ゲル化終点温度121℃)60質量部、熱安定剤(昭和ワニス社製 グレックML−538)3質量部、その他添加剤として減粘剤(BYK社製 減粘剤VISCOBYK−5125)6質量部及び分散剤(BYK社製 Disperplast−1150)3質量部と、パラフィンをポリメチルメタクリレート(PMMA)樹脂からなる外殻を用いてマイクロカプセル化した潜熱蓄熱材(BASF社製 Micronal DS5001X:粒子径100〜300μm、融点26℃)60質量部を配合し、プラスチゾル塗工液を作成した。使用した可塑剤と潜熱蓄熱材とのHSP距離の計算値は8.88、可塑剤と塩化ビニル樹脂とのHSP距離の計算値は4.6、配合して均質に混合した直後の塗工液の粘度は7000mPa・sであった。また、潜熱蓄熱材100質量部に対する可塑剤の吸収量は129質量部であった。これをPETフィルム上にアプリケーター塗工機にて塗布した後、150℃のドライヤー温度で8分間加熱してゲル化させ、PETフィルムを剥離して、厚さ3mmの蓄熱シートを形成した。
【0083】
(実施例2)
実施例1にて使用したエポキシ系可塑剤に代えて、ポリエステル系可塑剤(DIC社製 ポリサイザーW−230H:粘度220mPa・s、ゲル化終点温度136℃)を使用した以外は実施例1と同様にして蓄熱シートを形成した。なお、使用した可塑剤と潜熱蓄熱材とのHSP距離の計算値は11.04、可塑剤と塩化ビニル樹脂とのHSP距離の計算値は6.4、使用した潜熱蓄熱材100質量部に対する可塑剤の吸収量は117質量部、塗工液の粘度は8500mPa・sであった。
【0084】
(実施例3)
実施例1にて使用したエポキシ系可塑剤に代えて、安息香酸系可塑剤(DIC社製 モノサイザーPB−10:粘度80mPa・s、ゲル化終点温度100℃以下)を使用した以外は実施例1と同様にして蓄熱シートを形成した。なお、使用した可塑剤と潜熱蓄熱材とのHSP距離の計算値は4.33、使用した潜熱蓄熱材100質量部に対する可塑剤の吸収量は172質量部、塗工液の粘度は8500mPa・sであった。
【0085】
(実施例4)
実施例1にて使用した潜熱蓄熱材60質量部に代えて、パラフィンをメラミン樹脂からなる外殻を用いてマイクロカプセル化した潜熱蓄熱材(三菱製紙社製 サーモメモリー FP−25:平均粒子径50μm、融点25℃)を80質量部使用した以外は実施例1と同様にして、蓄熱シートを形成した。なお、使用した可塑剤と潜熱蓄熱材とのHSP距離の計算値は22.30、使用した潜熱蓄熱材100質量部に対する可塑剤の吸収量は81質量部、塗工液の粘度は8000mPa・sであった。
【0086】
(実施例5)
実施例4にて使用したエポキシ系可塑剤に代えて、ポリエステル系可塑剤(DIC社製 ポリサイザーW−230H:粘度220mPa・s、ゲル化終点温度136℃)を使用した以外は実施例4と同様にして蓄熱シートを形成した。なお、使用した可塑剤と潜熱蓄熱材とのHSP距離の計算値は23.20、使用した潜熱蓄熱材100質量部に対する可塑剤の吸収量は72質量部、塗工液の粘度は12000mPa・sであった。
【0087】
(実施例6)
実施例4にて使用したエポキシ系可塑剤に代えて、安息香酸系可塑剤(DIC社製 モノサイザーPB−10:粘度80mPa・s、ゲル化終点温度100℃以下)を使用した以外は実施例4と同様にして蓄熱シートを形成した。なお、使用した可塑剤と潜熱蓄熱材とのHSP距離の計算値は17.10、可塑剤と塩化ビニル樹脂とのHSP距離の計算値は1.4、使用した潜熱蓄熱材100質量部に対する可塑剤の吸収量は96質量部、塗工液の粘度は8500mPa・sであった。
【0088】
(比較例1)
実施例1にて使用したエポキシ系可塑剤に代えて、トリメリット酸系可塑剤(DIC社製 モノサイザーW−705:粘度220mPa・s、ゲル化終点温度143℃)を使用した以外は実施例1と同様にして蓄熱シートを形成した。なお、使用した可塑剤と潜熱蓄熱材とのHSP距離の計算値は9.07、可塑剤と塩化ビニル樹脂とのHSP距離の計算値は4.1、潜熱蓄熱材100質量部に対する可塑剤の吸収量は137質量部、塗工液の粘度は8500mPa・sであった。
【0089】
実施例及び比較例にて使用した塗工液の評価方法及び得られた蓄熱シートの評価方法は下記のとおりである。
【0090】
<可塑剤粘度の測定条件>
測定装置:B型粘度計(東京計器株式会社製「DVM−B型」)
測定条件:温度25℃、No.2ロータ、30rpm
【0091】
<塗工液粘度の測定条件>
測定装置:B型粘度計(トキメック株式会社製「BM型」)
測定条件:温度25℃、No.4ロータ、12rpm
【0092】
<可塑剤吸収量>
蓄熱材への可塑剤の吸収量を、JIS K5101−13−1に準じて以下の方法にて測定した。蓄熱材1gを秤量した試料をガラス板上に設置し、可塑剤をビュレットから一回に4〜5滴ずつ徐々に加え、鋼製のパレットナイフで試料に練り込んだ。これを繰り返し、可塑剤及び試料の塊ができるまで滴下を続けた。以後、1滴ずつ滴下して完全に混練するようにして繰り返し、ペーストが滑らかな硬さになったところを終点とし、当該吸収量を可塑剤の吸収量とした。
【0093】
<引張強さ、引張破断時の伸び率>
実施例及び比較例にて作成したシートをダンベル状2号形に切り出し、初期の標線間距離を20mmとして2本の標線をつけた試験片を作成した。この試験片を引張り試験機に取り付け、速度200mm/minで引張って破断させ、破断までの最大の力(N)、及び破断時の標線間距離(mm)を測定し、以下の式により引張り強さと引張り破断時の伸び率を算出した。
【0094】
引張強さTS(MPa)は以下の式により算出した。
TS=Fm/Wt
Fm:最大の力(N)
W:平行部分の幅(mm)
t:平行部分の厚さ(mm)
【0095】
引張り破断時の伸び率Eb(%)は以下の式により算出した。
Eb=(Lb−L0)/L0×100
Lb:破断時の標線間距離(mm)
L0:初期の標線間距離(mm)
【0096】
<蓄熱性評価>
実施例及び比較例にて作成したシートを幅50mm×長さ50mmのサイズにした試験体を2枚重ねに積層し、熱伝対をシート中央に挟んで設置した。環境試験機内で外気温を35℃で2時間保持した後、50分間で5℃まで下降させ、さらに1時間5℃を保持した。この際、シート内の温度が28℃〜20℃の温度を保持した時間を測定し、外気温の28℃〜20℃保持時間(800秒)からどのくらい適温維持時間が延びたかを計算して、適温維持性を評価した。評価基準は以下のとおりである。
◎:保持時間が+200秒以上
○:保持時間が+50秒以上200秒未満
×:保持時間が+50秒未満
【0097】
<染み出し評価>
実施例及び比較例にて作成したシートを幅50mm×長さ50mmのサイズにし、同サイズの油取り紙を挟んで積層した試験体を、荷重50g/cm2、40℃50%RH環境下で15時間圧着し、シートから染み出した蓄熱材成分について、油取り紙への染みで目視評価した。評価基準は以下の通りである。
○:染みなし
△:部分的に染みあり
×:全面に染みあり
【0098】
<切断加工性>
実施例及び比較例にて作成したシートを幅50mm×長さ50mmのサイズにカッターナイフで切断加工し、切断面を観察した。
○:切断面の近傍に割れが生じず、切断面の面荒れや角部の欠けが生じない。
×:切断面近傍に割れが生じる、又は切断面の面荒れや角部の欠けが生じる。
【0099】
<搬送適正>
幅30cm×長さ30cmのサイズに切断したシートの一辺の両端を、当該辺が直線状になるように持ち上げ、30秒保持した際のシート外観を下記基準にて評価した。
○:30秒保持後もシートの割れが生じない。
×:シートに割れが生じる。
【0100】
【表1】
【0101】
表から明らかなとおり、実施例1〜6の本発明の蓄熱シートは、好適な蓄熱性を実現できると共に、切断時や搬送時に割れや欠けが生じない優れた切断加工性や搬送適正を有するものであった。特に実施例1、3、4、6の蓄熱シートは、180°曲げ試験によってもひび割れが生じない高い強靭性を有するものであった。また、また、実施例1〜2、4〜6の蓄熱シートは、80℃環境下に1週間静置した際の質量変化が10%未満の高い耐熱性を有するものであった。一方、比較例1の蓄熱シートは、引張試験直後に破断する伸びの生じないものであり、切断加工性や搬送適正に劣るものであった。

【手続補正書】
【提出日】2018年5月21日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂マトリクス中に蓄熱材が分散した蓄熱シートであって、
前記樹脂マトリクスが塩化ビニル系樹脂と可塑剤とを含有し、前記可塑剤がエポキシ系可塑剤及びポリエステル系可塑剤の少なくとも一種であり、
JIS K6251に準じて測定される引張強さが0.1MPa以上であり、引張破断時の伸び率が10%以上であることを特徴とする蓄熱シート。
【請求項2】
蓄熱材の含有量が10〜80質量%である請求項1に記載の蓄熱シート。
【請求項3】
厚みが1mm以上である請求項1又は2に記載の蓄熱シート。
【請求項4】
前記蓄熱材が樹脂外殻中に潜熱蓄熱材料を内包するマイクロカプセルである請求項1〜3のいずれかに記載の蓄熱シート。
【請求項5】
前記蓄熱材の樹脂外殻が、アクリル系樹脂又はメラミン系樹脂である請求項4に記載の蓄熱シート。
【請求項6】
引張破断時の伸び率が114.6%以下である請求項1〜5のいずれかに記載の蓄熱シート。
【請求項7】
引張強さが2.06MPa以下である請求項1〜6のいずれかに記載の蓄熱シート。
【請求項8】
前記可塑剤が、蓄熱材100質量部に対する可塑剤の吸収量が30質量部以上、150質量部以下の可塑剤である請求項7に記載の蓄熱シート。
【請求項9】
ゾルキャスト膜からなる請求項1〜8の何れかに記載の蓄熱シート。
【請求項10】
前記ゾルキャスト膜が塩化ビニル樹脂粒子、可塑剤及び蓄熱材を含有するビニルゾル塗工液のゾルキャスト膜である請求項9に記載の蓄熱シート。
【国際調査報告】

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