特表-17068636IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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再表2017-68636一体型電動パワーステアリング装置、及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2017年4月27日
【発行日】2017年12月28日
(54)【発明の名称】一体型電動パワーステアリング装置、及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   B62D 5/04 20060101AFI20171201BHJP
   H02K 11/33 20160101ALI20171201BHJP
   H02K 11/21 20160101ALI20171201BHJP
【FI】
   B62D5/04
   H02K11/33
   H02K11/21
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】29
【出願番号】特願2017-546302(P2017-546302)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2015年10月20日
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100073759
【弁理士】
【氏名又は名称】大岩 増雄
(74)【代理人】
【識別番号】100088199
【弁理士】
【氏名又は名称】竹中 岑生
(74)【代理人】
【識別番号】100094916
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 啓吾
(74)【代理人】
【識別番号】100127672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 憲治
(72)【発明者】
【氏名】瓜本 賢太郎
(72)【発明者】
【氏名】浅尾 淑人
(72)【発明者】
【氏名】森 昭彦
【テーマコード(参考)】
3D333
5H611
【Fターム(参考)】
3D333CB02
3D333CB12
3D333CC06
3D333CC38
3D333CC44
3D333CC45
3D333CC46
3D333CC47
3D333CD04
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3D333CD16
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3D333CD53
3D333CD55
3D333CD58
3D333CE03
3D333CE04
3D333CE06
5H611AA01
5H611BB08
5H611PP07
5H611QQ03
5H611TT01
5H611TT05
5H611TT06
5H611UA04
(57)【要約】
電動モータを制御するための制御ユニットは、少なくとも電動モータに電流を供給する複数のスイッチング素子からなるインバータ回路と、このインバータ回路に指令信号を出力するCPUを配線基板に備え、配線基板をコネクタと一体化したハウジングに組み付けたインバーターモジュールとして電動モータと一体に固定するようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の運転者による操舵トルクに対応したアシストトルクを発生する電動モータと、前記電動モータを制御する制御ユニットとを備え、前記電動モータと前記制御ユニットとが一体に固定されてなる一体型電動パワーステアリング装置であって、
前記制御ユニットは、
前記電動モータに電流を供給する複数のスイッチング素子からなるインバータ回路と、
前記インバータ回路に指令信号を出力するCPUと、
少なくとも前記インバータ回路と前記CPUとを搭載した配線基板と、
前記配線基板を収納するハウジングと、
前記ハウジングに設けられ、前記制御ユニットの外部に設けられた電源装置と前記車両の運転状態を検出するセンサとを、前記制御ユニットに接続するコネクタと、
を備えたモジュールとして構成され、
前記モジュールとして構成された前記制御ユニットは、前記電動モータの軸方向に前記電動モータに一体に固定されている、
ことを特徴とする一体型電動パワーステアリング装置。
【請求項2】
前記配線基板は、
前記電動モータのロータの回転位置を検出する回転センサと、前記スイッチング素子と、前記インバータ回路に接続されるコンデンサと、フィルタコイルと、を含む前記制御ユニットを構成する全ての電子部品が実装配置されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の一体型電動パワーステアリング装置。
【請求項3】
前記配線基板は、前記軸方向に対して表面が垂直となるように前記ハウジングに収納され、
前記ハウジングは、前記電動モータの巻線端子に接続される配線部材を備え、
前記配線部材は、前記ハウジングの内部で前記軸方向に延在するように配置され、
前記配線部材と前記配線基板の配線パターンとは、一括してはんだ付けされている、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の一体型電動パワーステアリング装置。
【請求項4】
前記電動モータの巻線端子は、前記ハウジングの外部まで延在され、前記ハウジングの外側で前記配線部材に接続されている、
ことを特徴とする請求項3に記載の一体型電動パワーステアリング装置。
【請求項5】
前記巻線端子は、前記配線部材に溶接により接続されている、
ことを特徴とする請求項4に記載の一体型電動パワーステアリング装置。
【請求項6】
前記巻線端子は、前記配線部材にプレスフィットにより接続されている、
ことを特徴とする請求項4に記載の一体型電動パワーステアリング装置。
【請求項7】
前記配線基板は、前記軸方向に対して表面が垂直となるように前記ハウジングに収納され、
前記電動モータの巻線端子と前記配線基板との間に配置された導電性バネ部材を備え、
前記導電性バネ部材は、一端が前記巻線端子に当接して前記巻線端子に電気的に接続され、他端が前記配線基板に当接して前記配線基板に電気的に接続されている、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の一体型電動パワーステアリング装置。
【請求項8】
前記巻線端子は、前記軸方向に対して垂直方向に延びる平面部を有し、
前記配線基板は、前記電動モータ側の表面に凹部を備え、
前記導電性バネ部材の一端は、前記巻線端子の前記平面部に当接し、
前記導電性バネ部材の多端は、前記配線基板の前記凹部に挿入されて前記配線基板に当接している、
ことを特徴とする請求項7に記載の一体型電動パワーステアリング装置。
【請求項9】
前記モジュールとして構成された制御ユニットは、前記電動モータのモータケースの軸方向の端部に接着剤により固定されている、
ことを特徴とする請求項1から8のうちの何れか一項に記載の一体型電動パワーステアリング装置。
【請求項10】
前記モータケースは、前記軸方向の端部に凹部を備え、
前記ハウジングは、前記モータケースの前記軸方向の端部に対向する軸方向の端部に前記凹部に嵌合する凸部を備え、
前記モータケースの凹部と前記ハウジングの凸部は、前記接着剤により固着されている、
ことを特徴とする請求項9に記載の一体型電動パワーステアリング装置。
【請求項11】
車両の運転者による操舵トルクに対応したアシストトルクを発生する電動モータと、前記電動モータを制御する制御ユニットとを備え、
前記制御ユニットは、前記電動モータに電流を供給する複数のスイッチング素子からなるインバータ回路と、前記インバータ回路に指令信号を出力するCPUと、少なくとも前記インバータ回路と前記CPUとを搭載した配線基板と、前記配線基板を収納するハウジングと、前記ハウジングに設けられ、前記制御ユニットの外部に設けられた電源装置と前記車両の運転状態を検出するセンサとを、前記制御ユニットに接続するコネクタとを備えたモジュールとして構成され、
前記配線基板は、前記電動モータの軸方向に対して表面が垂直となるように前記ハウジングに収納され、
前記ハウジングは、前記電動モータの巻線端子に接続される配線部材を備え、
前記配線部材は、前記ハウジングの内部で前記軸方向に延在するように配置され、
前記モジュールとして構成された前記制御ユニットは、前記電動モータの軸方向に前記電動モータに一体に固定される、
ように構成された一体型電動パワーステアリング装置の製造方法であって、
前記制御ユニットと前記電動モータは、夫々個別に組み立てられ、
前記個別に組み立てられた制御ユニットと前記電動モータとを前記軸方向に一体に固定する、
ことを特徴とする一体型電動パワーステアリング装置の製造方法。
【請求項12】
前記配線基板は、前記配線部材が延在前記軸方向に延在しているハウジングの内部に、前記電動モータ側から組み付けられる、
ことを特徴とする請求項11に記載の一体型電動パワーステアリング装置の製造方法。
【請求項13】
前記電動モータの巻線端子は、前記制御ユニットの前記ハウジングを前記電動モータ側に押圧することで前記配線部材にプレスフィットされることを特徴とする請求項11又は12に記載の一体型電動パワーステアリング装置の製造方法。
【請求項14】
前記電動モータと前記制御ユニットとを一体に組付けた後に、前記電動モータの巻線端子と前記配線部材とを前記ハウジングの外側で溶接により接続する、
ことを特徴とする請求項12に記載の一体型電動パワーステアリング装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両用の電動パワーステアリング装置、特に電動モータと制御ユニットを一体化した一体型電動パワーステアリング装置、及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電動モータと制御ユニットを一体化した従来の一体型電動パワーステアリング装置は、特許文献1、特許文献2に示されるように、多数のセンサや電源に接続される複数のコネクタを備えており、とりわけ、その制御ユニットには、電動モータに電力を供給するためのインバータ回路や、CPU(Central Processing Unit)を主体とする制御回路、及びこれらを接続する配線類等の多くの回路や部品等が設けられている。そのため電動モータと制御ユニットを一体化した構造の一体型電動パワーステアリング装置では、制御ユニットの更なる小型化、軽量化、低コスト化を図る必要があり、これ等の点で更なる改善の余地があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開WO2014/054098A1号公報
【特許文献2】特許第5316469号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1、及び特許文献2に開示された従来の一体型電動パワーステアリング装置に於いては、電動モータの出力軸の反出力側に対応して制御ユニットが装着されている。この制御ユニットの外壁面にはコネクタが配置され、制御ユニットの内部には、制御基板、インバータ回路を構成するスイッチング素子を有するパワーモジュール、このパワーモジュールを冷却するためのヒートシンク、電動モータのロータ回転位置を検出する回転センサ等が軸方向に積層されて配置されていた。更に、制御ユニットの内部には、コネクタが搭載されたモールド樹脂、制御基板、これ等の各部位を電気的、機械的に接続する部材等も多数配置されていた。
【0005】
従って、従来の電動パワーステアリング装置は、大型で重量が大きくなり、更に制御ユニットに内蔵された部材の各部位を電気的、機械的に組み付けるための多くの工程を必要とする課題があった。
【0006】
この発明は、従来の電動パワーステアリング装置に於ける前述のような課題を解決するためになされたもので、小型、軽量で、しかも組み付けの作業性を向上させることができる一体型電動パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明による一体型電動パワーステアリング装置は、
車両の運転者による操舵トルクに対応したアシストトルクを発生する電動モータと、前記電動モータを制御する制御ユニットとを備え、前記電動モータと前記制御ユニットとが一体に固定されてなる一体型電動パワーステアリング装置であって、
前記制御ユニットは、
前記電動モータに電流を供給する複数のスイッチング素子からなるインバータ回路と、
前記インバータ回路に指令信号を出力するCPUと、
少なくとも前記インバータ回路と前記CPUとを搭載した配線基板と、
前記配線基板を収納するハウジングと、
前記ハウジングに設けられ、前記制御ユニットの外部に設けられた電源装置と前記車両の運転状態を検出するセンサとを、前記制御ユニットに接続するコネクタと、
を備えたモジュールとして構成され、
前記モジュールとして構成された前記制御ユニットは、前記電動モータの軸方向に前記電動モータに一体に固定されている、
ことを特徴とする。
【0008】
又、この発明による一体型電動パワーステアリング装置の製造方法は、
車両の運転者による操舵トルクに対応したアシストトルクを発生する電動モータと、前記電動モータを制御する制御ユニットとを備え、
前記制御ユニットは、前記電動モータに電流を供給する複数のスイッチング素子からなるインバータ回路と、前記インバータ回路に指令信号を出力するCPUと、少なくとも前記インバータ回路と前記CPUとを搭載した配線基板と、前記配線基板を収納するハウジングと、前記ハウジングに設けられ、前記制御ユニットの外部に設けられた電源装置と前記車両の運転状態を検出するセンサとを、前記制御ユニットに接続するコネクタとを備えたモジュールとして構成され、
前記配線基板は、前記軸方向に対して表面が垂直となるように前記ハウジングに収納され、
前記ハウジングは、前記電動モータの巻線端子に接続される配線部材を備え、
前記配線部材は、前記ハウジングの内部で前記軸方向に延在するように配置され、
前記モジュールとして構成された前記制御ユニットは、前記電動モータの軸方向に前記電動モータに一体に固定される、
ように構成された一体型電動パワーステアリング装置の製造方法であって、
前記制御ユニットと前記電動モータは、夫々個別に組み立てられ、
前記個別に組み立てられた制御ユニットと前記電動モータとを前記軸方向に一体に固定する、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
この発明による一体型電動パワーステアリング装置によれば、小型、軽量で、しかも組み付けの作業性を向上させることができる一体型電動パワーステアリング装置を得ることができる。
【0010】
又、この発明による一体型電動パワーステアリング装置の製造方法によれば、小型、軽量で、しかも組み付けの作業性を向上させることができる一体型電動パワーステアリング装置を容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】この発明の実施の形態1による一体型電動パワーステアリング装置の回路構成図である。
図2】この発明の実施の形態1による一体型電動パワーステアリング装置の断面図である。
図3A】この発明の実施の形態1による一体型電動パワーステアリング装置に於ける、スイッチング素子の平面図である。
図3B】この発明の実施の形態1による一体型電動パワーステアリング装置に於ける、スイッチング素子の断面図である。
図4A】この発明の実施の形態1による一体型電動パワーステアリング装置に於ける、スイッチング素子等の実装後の配線基板の側面図である。
図4B】この発明の実施の形態1による一体型電動パワーステアリング装置に於ける、スイッチング素子等の実装後の配線基板の平面図である。
図5】この発明の実施の形態2による一体型電動パワーステアリング装置の断面図である。
図6】この発明の実施の形態4による一体型電動パワーステアリング装置の断面図である。
図7】この発明の実施の形態4による一体型電動パワーステアリング装置に於ける、スイッチング素子等の実装後の配線基板の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1を図に基づいて説明する。図1は、この発明の実施の形態1による一体型電動パワーステアリング装置の回路構成図であって、電動モータ2と制御ユニット1を主体とする回路構成を示している。電動モータ2は、この実施の形態1では、互いに独立した第1の電機子巻線201と第2の電機子巻線202を有するステータと、永久磁石により構成された界磁磁極を有するロータと、を備えたブラシレス電動モータにより構成されている。第1の電機子巻線201は、第1のU相巻線U1と第1のV相巻線V1と第1のW相巻線W1をY結線した三相巻線により構成されている。第2の電機子巻線202は、第2のU相巻線U2と第2のV相巻線V2と第2のW相巻線W3をY結線した三相巻線により構成されている。
【0013】
尚、電動モータ2は、ブラシ付きの電動モータであっても良く、更に、第1の電機子巻線201及び第2の電機子巻線202は、夫々三相以上の多相巻線であってもよい。
【0014】
電動モータ2のロータの回転位置を検出する回転センサ部9は、二重系に構成され、第1の回転センサ9bと、第2の回転センサ9cと、第1の回転センサ9bと第2の回転センサ9cに共通の回転センサロータ9a(図2参照)とを備えている。後述するように、回転センサロータ9aは、電動モータ2の出力軸の反出力側に固定されている。第1の回転センサ9bと第2の回転センサ9cは、回転センサロータ9aに対して軸方向に所定の間隙を介して対向して配置されている。制御ユニット1の外部には、車両に搭載されたバッテリ6と、イグニッションスイッチ7と、車速センサやハンドルの操舵トルクを検出するトルクセンサ等の各種センサ類8が設置されている。
【0015】
制御ユニット1は、電動モータ2の第1の電機子巻線201に電力を供給する第1のインバータ回路3aと、電動モータ2の第2の電機子巻線202に電力を供給する第2のインバータ回路3bと、CPU10と、駆動回路11と、入力回路12と、電源回路13とを備えている。
【0016】
第1のインバータ回路3aは、U相上アームとU相下アームからなるU相アームと、V相上アームとV相下アームからなるV相アームと、W相上アームとW相下アームからなるW相アームとを有する三相ブリッジ回路により構成されている。U相上アームは、U相上アームスイッチング素子31Uを備え、U相下アームは、U相下アームスイッチング素子32Uを備えている。
【0017】
同様に、V相上アームはV相上アームスイッチング素子を備え、V相下アームはV相下アームスイッチング素子を備え、W相上アームはW相上アームスイッチング素子を備え、W相下アームはW相下アームスイッチング素子を備えている。尚、U相アームのスイッチング素子以外のスイッチング素子の符号は、図面の複雑化を避けるために省略しているが、以下の説明ではこれ等の6個のスイッチング素子をまとめてスイッチング素子300と称することもある。これ等の各スイッチング素子300は、例えば、寄生ダイオードを有するMOSFETにより構成されている。
【0018】
第1のインバータ回路3aは、更に、U相アームとV相アームとW相アームに対して夫々並列接続されたノイズ抑制用の第1のコンデンサ30aと第2のコンデンサ30bを備えている。又、U相下アームスイッチング素子32U、V相下アームスイッチング素子、W相下アームスイッチング素子には、第1の各相巻線U1、V1、W1に流れる電流を検出するための第1のU相シャント抵抗33U、第1のV相シャント抵抗、第1のW相シャント抵抗が夫々接続されている。尚、U相アームのシャント抵抗以外のシャント抵抗の符号は、図面の複雑化を避けるために省略しているが、これ等のシャント抵抗をまとめて符号33で示すこともある。
【0019】
第1のインバータ回路3aのU相上アームとU相下アームとの接続点から導出されたU相出力端子は、U相の第1の電動モータ用スイッチング素子34Uを介して第1のU相巻線U1の巻線端子に接続されている。同様に、V相上アームとV相下アームとの接続点から導出されたV相出力端子は、V相の第1の電動モータ用スイッチング素子34Vを介して第1のV相巻線V1の巻線端子に接続されている。更に、W相上アームとW相下アームとの接続点から導出されたW相出力端子は、W相の第1の電動モータ用スイッチング素子34Wを介して第1のW相巻線W1の巻線端子に接続されている。各相の第1の電動モータ用スイッチング素子34U、34V、34Wは、例えば寄生ダイオードを有するFETにより構成されており、第1の電機子巻線201と第1のインバータ回路3aとの間を開閉する電動モータリレーの機能を有している。尚、以下の説明ではこれ等の電動モータ用スイッチング素子をまとめて符号34で示すこともある。
【0020】
第2のインバータ回路3bは、U相上アームとU相下アームからなるU相アームと、V相上アームとV相下アームからなるV相アームと、W相上アームとW相下アームからなるW相アームとを有する三相ブリッジ回路により構成されている。U相上アームは、U相上アームスイッチング素子を備え、U相下アームは、U相下アームスイッチング素子を備えている。同様に、V相上アームはV相上アームスイッチング素子を備え、V相下アームはV相下アームスイッチング素子を備え、W相上アームはW相上アームスイッチング素子を備え、W相下アームはW相下アームスイッチング素子を備えている。これ等の各スイッチング素子は、例えば、寄生ダイオードを有するMOSFETにより構成されている。尚、各相アームのスイッチング素子の符号は、図面の複雑化を避けるために省略しているが、以下の説明ではこれ等の6個のスイッチング素子をまとめてスイッチング素子300と称することもある。
【0021】
第2のインバータ回路3bは、更に、U相アームとV相アームとW相アームに対して夫々並列接続されたノイズ抑制用の第3のコンデンサ30cと第4のコンデンサ30dを備え、又、前述の第1のインバータ回路3aと同様に、U相下アームスイッチング素子、V相下アームスイッチング素子、W相下アームスイッチング素子には、第2の各相巻線U2、V2、W2に流れる電流を検出するための第2のU相シャント抵抗、第2のV相シャント抵抗、第2のW相シャント抵抗が夫々接続されている。尚、各相アームのシャント抵抗の符号は、図面の複雑化を避けるために省略しているが、これ等のシャント抵抗をまとめて符号33で示すこともある。
【0022】
第2のインバータ回路3bのU相上アームとU相下アームとの接続点から導出されたU相出力端子は、U相の第2の電動モータ用スイッチング素子を介して第2のU相巻線U2の巻線端子に接続されている。同様に、V相上アームとV相下アームとの接続点から導出されたV相出力端子は、V相の第2の電動モータ用スイッチング素子を介して第2のV相巻線V2の巻線端子に接続されている。更に、W相上アームとW相下アームとの接続点から導出されたW相出力端子は、W相の第2の電動モータ用スイッチング素子を介して第2のW相巻線W2の巻線端子に接続されている。各相の第2の電動モータ用スイッチング素子は、例えば寄生ダイオードを有するFETにより構成されており、第2の電機子巻線202と第2のインバータ回路3bとの間を開閉する電動モータリレーの機能を有している。尚、各相の第2の電動モータ用スイッチング素子の符号は、図面の複雑化を避けるために省略しているが、以下の説明ではこれ等の電動モータ用スイッチング素子をまとめて符号34で示すこともある。
【0023】
第1のインバータ回路3aの正極側入力端子は、フィルタコンデンサ17aとフィルタコイル17bからなるフィルタ回路17と、電源リレーの機能を有する第1の電源用スイッチング素子5aを介して、バッテリ6の正極側端子+Bに接続されている。同様に、第2のインバータ回路3bの正極側入力端子は、前述のフィルタ回路17と、電源リレーの機能を有する第2の電源用スイッチング素子5bを介して、バッテリ6の正極側端子+Bに接続されている。第1の電源用スイッチング素子5aと第2の電源用スイッチング素子5bは、寄生ダイオードを備えたFETを2個直列に接続して構成され、一方のFETに於ける寄生ダイオードは電流供給方向に対して順方向に接続され、他方のFETに於ける寄生ダイオードは電流供給方向に対して逆方向に接続されている。
【0024】
第1のインバータ回路3aと第2のインバータ回路3bは、互いに独立して制御される必要があるので、第1のインバータ回路3aを駆動する第1の駆動回路11aと、第2のインバータ回路3bを駆動する第2の駆動回路11bが設けられている。CPU10は、第1のCPU(以下、CPU1と称する)と、第2のCPU(以下、CPU2と称する)とを備えており、CPU1は第1の駆動回路11aに制御指令を与え、CPU2は第2の駆動回路11bに制御指令を与える。CPU1とCPU2は、相互に連携して動作を行なう。前述の第1の回転センサ9bの出力は、入力回路12を介してCPU1に入力され、第2の回転センサ9Cの出力は、入力回路12を介してCPU2に入力される。
【0025】
尚、CPU10は、第1の駆動回路11aと第2の駆動回路11bに夫々制御指令を与える単一のCPUで構成されていても良い。
【0026】
以上のように構成されたこの発明の実施の形態1による一体型電動パワーステアリング装置に於いて、イグニッションスイッチ7がドライバーによりオンにされると、電源回路13はバッテリ6から電力が供給されて所定の直流定電圧を発生し、制御ユニット1に於けるCPU10、入力回路12、駆動回路11等に直流定電圧を供給する。又、第1のインバータ回路3aと第2のインバータ回路3bは、フィルタ回路17を介して、バッテリ6から直流電圧が供給される。
【0027】
車速センサやトルクセンサ等の各種センサ類8からの情報、及びは、入力回路12を介してCPU10に入力される。CPU10に於けるCPU1とCPU2は、入力されたこれらの情報に基づき、電動モータ2へ電力を供給するための制御量を演算する。CPU1の演算結果に基づく第1の制御指令は、第1の駆動回路11aに与えられ、CPU2の演算結果に基づく第2の制御指令は、第2の駆動回路11bに与えられる。
【0028】
第1の駆動回路11aは、CPU1からの第1の制御指令に基づいて、第1のインバータ回路3aに於けるU相上アームスイッチング素子31UやU相下アームスイッチング素子32U等の各相の上アームスイッチング素子と各相の下アームスイッチング素子をPWM駆動する。同様に、第2の駆動回路11bは、CPU2からの第2の制御指令に基づいて、第2のインバータ回路3bに於ける各相の上アームスイッチング素子と各相の下アームスイッチング素子をPWM駆動する。
【0029】
第1のインバータ回路3aは、U相開閉用スイッチング素子34UとV相開閉用スイッチング素子34VとW相開閉用スイッチング素子34Wを介して、電動モータ2の第1の電機子巻線201に電力を供給し、第2のインバータ回路3bは、U相開閉用スイッチング素子とV相開閉用スイッチング素子とW相開閉用スイッチング素子を介して、電動モータ2の第2の電機子巻線202に電力を供給する。電動モータ2のロータは、第1の電機子巻線201と第2の電機子巻線202が発生する回転磁界を受けて所定の回転トルクを発生し、運転者の操舵をアシストする。
【0030】
第1のインバータ回路3aと第2のインバータ回路3bの各部の電圧値又は電流値や、及び第1の回転センサ9bと第2の回転センサ9cからの電動モータ2のロータの回転角の情報は、入力回路12を介してCPU1、CPU2に伝達される。伝達されたこれ等の情報に基づいて、CPU1は第1のインバータ回路3aをフィードバック制御し、CPU2は第2のインバータ回路3bをフィードバック制御する。
【0031】
第1のインバータ回路3aに故障が発生した場合、或いは第1の電機子巻線201に故障が発生した場合には、第1の電源用スイッチング素子5a及び/又は電動モータ用スイッチング素子34U、34V、34Wを、CPU1からの指令により強制的にオフとして、バッテリ6から第1のインバータ回路3a及び/又は第1の電機子巻線201を遮断することができる。
【0032】
同様に、第2のインバータ回路3bに故障が発生した場合、或いは第2の電機子巻緯線202に故障が発生した場合には、第2の電源用スイッチング素子5b及び/又は電動モータ用スイッチング素子を、CPU2からの指令により強制的にオフとして、バッテリ6から第2のインバータ回路3b及び/又は第2の電機子巻線202を遮断することができる。
【0033】
更に、もしバッテリ6を逆極性に接続した場合であっても、第1の電源用スイッチング素子5a及び第2の電源用スイッチング素子5bの寄生ダイオードにより、第1のインバータ回路3a及び第2のインバータ回路3bの電流が流れるラインを遮断して、第1のインバータ回路3a及び第2のインバータ回路3bを保護することができ。
【0034】
第1のインバータ回路3aに於ける、U相上アームスイッチング素子31UとU相下アームスイッチング素子32U等の各相のスイッチング素子はCPU1の指令に基づきPWM駆動されるが、そのPWM駆動により発生するノイズは、第1のコンデンサ30aと第2のコンデンサ30bにより抑制される。同様に、第2のインバータ回路3bの各相のスイッチング素子はCPU2の指令に基づきPWM駆動されるが、そのPWM駆動により発生するノイズは、第3のコンデンサ30cと第4のコンデンサ30eにより抑制される。
【0035】
第1のインバータ回路3aに於ける、U相上アームスイッチング素子31UとU相下アームスイッチング素子32Uとの接続点等の各相の上アームスイッチング素子と下アームスイッチング素子との接続点の電圧及び/又は電流、及びU相シャント抵抗33U等の各相のシャント抵抗の電圧及び/又は電流、及び第1の電機子巻線201の第1のU相巻線U1と第1のV相巻線V1と第1のW相巻線W1の巻線端子間の電圧及び/又は電流は、CPU1に伝達され、制御指令値(目標値)と実際の電流、電圧値の差異を把握し、いわゆるフィードバック制御、及び故障判定が行なわれる。第1の回転センサ9bにより検出された電動モータ2のロータの回転角の情報は、CPU1に伝達されて電動モータの回転位置及び/又は回転速度が算出され、第1のインバータ回路3aのフィードバック制御等に用いられる。
【0036】
第2のインバータ回路3bに於ける、各相の上アームスイッチング素子と下アームスイッチング素子との接続点の電圧及び/又は電流、及び各相のシャント抵抗の電圧及び/又は電流、第2の電機子巻線202の第2のU相巻線U2と第2のV相巻線V2と第2のW相巻線W2の巻線端子間の電圧及び/又は電流は、CPU2に伝達され、制御指令値(目標値)と実際の電流、電圧値の差異を把握し、いわゆるフィードバック制御、及び故障判定が行なわれる。第2の回転センサ9cにより検出された電動モータ2のロータの回転角の情報は、CPU2に伝達されて電動モータの回転位置及び/又は回転速度が算出され、第2のインバータ回路3bのフィードバック制御等に用いられる。
【0037】
図2は、この発明の実施の形態1による一体型電動パワーステアリング装置の断面図であって、前述の回路構成を有する制御ユニット1と電動モータ2とが一体化された一体型電動パワーステアリング装置の縦断面を示している。図2に於いて、図に於ける下部に電動モータ2が配置され、図に於ける上部に制御ユニット1が配置されている。電動モータ2と制御ユニット1は、電動モータ2の出力軸21の軸線上に同軸に配置されて一体化されている。
【0038】
円筒形に形成された金属製の電動モータケース25は、一体型電動パワーステアリング装置を車両の機構部等に取り付けるための取り付けフランジ部25aと、減速機(図示せず)と機械的に接続するための接続部25bとを一体に形成した端壁部250を備えている。電動モータケース25は、放熱性、及び外形の形状を考慮すると例えばアルミニウムにより形成されるのがよい。電動モータ2のステータ22とロータ23は、電動モータケース25の内部に収納されている。電動モータ2の出力軸21の軸方向の出力側端部は、端壁部250の径方向の中央部に設けられた端壁部貫通穴251に装着された第1の軸受26bにより回動自在に支持され、端壁部貫通穴251を貫通して減速機側へ突出している。
【0039】
電動モータ2の本体は、出力軸21と、この出力軸21の外周面に配置された永久磁石からなる複数対の界磁磁極を備えたロータ23と、内周面がロータ23の外周面に間隙を介して対向するステータ22とを備えている。ステータ22には、夫々三相Y結線された第1の電機子巻線201と三相の第2の電機子巻線202が装着されている。環状に形成された接続リング27は、接続導体を樹脂によりモールディングして構成され、第1の電機子巻線201と第2の電機子巻線202の軸方向の端部の直近に配置されている。
【0040】
第1の電機子巻線201の3本の各相巻線の巻線端子28au、28av、28awと、第2の電機子巻線202の3本の各相巻線の巻線端子28bu、28bv、28bw(図4A図4B参照)は、夫々接続リング27の接続導体に電気的に接続され、接続リング27の軸方向の端面から制御ユニット1の方向に向けて導出されている。尚、図2では図の複雑化を避けるため、前述の第1の電機子巻線201の3本の各相巻線の巻線端子28au、28av、28awのみを示しており、第2の電機子巻線202の3本の各相巻線の巻線端子28bu、28bv、28bwの図示を省略している。
【0041】
フレーム29は、電動モータケース25の軸方向の反減速機側の端部に内接した状態で取り付けられている。このフレーム29も金属製であり、径方向の中央部に形成されたフレーム貫通穴291に第2の軸受26aが装着されている。電動モータ2の出力軸21の反出力側の端部は、この第2の軸受26aにより回動自在に支持されている。電動モータ2の出力軸21の反出力側の端部には、前述の回転センサ回転子9aが固定されている。フレーム29は、巻線端子を貫通させるための6個の貫通穴を備えており、前述の第1の電機子巻線201の3本の巻線端子28au、28av、28awと、第2の電機子巻線202の3本の各相巻線の巻線端子28bu、28bv、28bwは、それらの貫通穴を貫通して後述の配線基板4の方向に延びる。
【0042】
フレーム29は、電動モータ2と制御ユニット1を隔てる仕切り壁としての機能と、第2の軸受26aを保持する機能等の複数の機能を備えている。更に、制御ユニット1の放熱のためのヒートシンクの機能も備えている。このように、フレーム29は多くの機能を備えているので、部品点数を削減することができる。
【0043】
以上述べたように、電動モータ2は、出力軸21、ロータ23、ステータ22、第1の電機子巻線201、第2の電機子巻線202、接続リング27、フレーム29、第1の軸受26b、及び第2の軸受26aを、電動モータケース25に内蔵させた構造である。従って、電動モータ2は、制御ユニット1とは個別に組立てることができる。電動モータ2と制御ユニット1は、夫々個別に組立てられた後に互いに一体化される。
【0044】
次に制御ユニット1について説明する。以下述べるように、制御ユニットは、電動モータに電流を供給する複数のスイッチング素子からなるインバータ回路と、インバータ回路に指令信号を出力するCPUと、少なくともインバータ回路とCPUとを搭載した配線基板と、配線基板を収納するハウジングと、ハウジングに設けられ、制御ユニットの外部に設けられた電源装置と前記車両の運転状態を検出するセンサとを、制御ユニットに接続するコネクタとを備えたモジュールとして構成される。制御ユニット1は、前述の図1に示す制御ユニット1の回路を構成する各電子部品を搭載した配線基板4を備えている。制御基板4は、前述のフレーム29とハウジング16により包囲された空間内に配置されている。樹脂等により皿状に形成されたハウジング16は、その軸方向の開口部の端面に形成された環状の突起部が、電動モータケース25の内周面に形成された凹部とフレーム29の外周面に形成された凹部とにより形成された凹溝に接着剤36を介して嵌合されることにより、電動モータケース25の軸方向の端面に固定されている。
【0045】
図1に示す制御ユニット1の回路を構成するCPU1、CPU2からなるCPU10と、第1の駆動回路11aと、第2の駆動回路11bと、入力回路12と、電源回路13と、第1の電源用スイッチング素子5aと、第2の電源用スイッチング素子5bと、第1のインバータ回路3aと、第2のインバータ回路3b等は、配線基板4の両面に分散配置されている。
【0046】
フレーム29に於ける制御ユニット1側の軸方向端面29aは、制御ユニット1に於ける第1の電源用スイッチング素子5a、第2の電源用スイッチング素子5b、第1のインバータ回路3a及び第2のインバータ回路3bの各スイッチング素子31U、32U、34U、34V、34W等の発熱部品の放熱のための放熱面を成しており、これ等の発熱部品は、フレーム29の軸方向端面29aに接触して放熱する。なお、これ等の発熱部品とフレーム29の軸方向端面29aとの間に、絶縁用及び伝熱用のシートを配置し、発熱部品の発生した熱をそのシートを介してフレーム29の軸方向端面29aに放熱する構成としても良い。
【0047】
電源用コネクタ38及びセンサ用コネクタ15は、ハウジング16の軸方向の外側端面にハウジング16と一体に形成されている。電源用コネクタ38は、バッテリ6の正極(+B)及びグランドに接続される大電流の電源用に用いられ、センサ用コネクタ15は、各種センサ8の出力端子に接続される各種センサ用に用いられる。尚、電源用のコネクタ38、及びセンサ用コネクタ15の他に、別のコネクタが設けられていてもよい。
【0048】
電源用コネクタ38は、2本のコネクタピンを内蔵しており、一方のコネクタピンの一端は、制御ユニット1の外部でバッテリ6の正極側端子(+B)に接続され、他方のコネクタピンの一端は制御ユニット1の外部で車両のグランド部位に接続される。センサ用コネクタ15は複数のコネクタピンを内蔵しており、それらのコネクタピンの一端は、制御ユニット1の外部で各種センサ8の出力端子に接続される。
【0049】
電源系ライン38aは、ハウジング16を形成する樹脂の内部に破線で示すように埋設された2本の電源系ラインからなる。その一方の電源系ラインの一端は、電源用コネクタ38の一方のコネクタピンを介してバッテリ6の正極側端子(+B)に接続され、他端はハウジング16の内部に露出している。他方の電源用外線導体の一端は電源用コネクタ38の他方のコネクタピンを介して車両のグランド電位にある部位に接続され、他端は配線基板4の貫通穴を貫通している。
【0050】
信号系ライン15aは、ハウジング16を貫通してハウジング16の内表面に配置された多数の信号系ラインからなる。その夫々の信号系ライン15aの一端は、センサ用コネクタ15の多数のコネクタピンを介して各種センサ8の出力端子に接続され、他端は配線基板4の貫通穴を貫通している。
【0051】
フィルタコイル17bと、フィルタコンデンサ17aと、第1のインバータ回路3aの第1のコンデンサ30aと第2のコンデンサ30b、及び第2のインバータ回路3bの第3のコンデンサ30cと第4のコンデンサ30dは、夫々配線基板4のフレーム29側の表面である第1の表面に実装され、夫々の少なくとも一部分がフレーム2に設けられた凹部に収納されている。
【0052】
次に、配線基板4と、その配線基板4に実装される電子部品等の配置、及び各電子部品等の配線について説明する。ここで、先ず、発熱部品であるスイッチング素子、即ち、御ユニット1に於ける第1の電源用スイッチング素子5a、第2の電源用スイッチング素子5b、第1のインバータ回路3a及び第2のインバータ回路3bの各スイッチング素子31U、32U、34U、34V、34W等のスイッチング素子の構造について、以下に説明する。
【0053】
図3Aは、この発明の実施の形態1による一体型電動パワーステアリング装置に於ける、スイッチング素子の平面図、図3Bは、この発明の実施の形態1による一体型電動パワーステアリング装置に於ける、スイッチング素子の断面図であって、前述の各スイッチング素子のうち、U相上アームスイッチング素子31Uを例にして示しているが、他のスイッチング素子も同様の構成となっている。図3A、及び図3Bに於いて、U相上アームスイッチング素子31U(以下、単に、スイッチング素子と称する)は、例えばMOSFETで構成されており、配線基板4のフレーム29側の表面である第1の表面に形成された電源系パターン(当接パッドとも称されることもある)14dに搭載されている。
【0054】
スイッチング素子31UのFETチップ31cは、例えば銅製のプレート31dに搭載され、FETのドレインとソースとゲートの3個の電気端子のうちのドレインは、銅製のプレート31dに直接電気的に接続されている。その結果、銅製のプレート31dはFETチップ31cのドレインをなしている。一方、ソース31sとゲート31gは、FETチップ31cから配線基板4側に突出するように構成されている。ソース31sの配線基板4側の表面と、ゲート31gの配線基板4側の表面と、銅製のプレート31dのFETチップ31c側の表面は、ほぼ同一平面をなすように構成されている。
【0055】
図3Bに示すように、ゲート31g、ソース31sの配線基板4側の表面は、配線基板4の電源系パターン14dと電気的に接続され、ドレイン31dも同様にその配線基板4側の表面31dpがハンダ付け等により電源系パターン14dに電気的に接続されている。配線基板4は多層基板であり、フレーム29側の表面である第1の表面に電源系パターン14dが形成されている。又、配線基板4の内部には、内層となる3本の配線パターン4bが形成され、更に、反フレーム29側の表面となる第2の表面には外層となる配線パターン4eが形成されている。FETチップ31cのゲート31gは、配線基板4の貫通穴に形成されたピア4cと例えばハンダ付けにより電気的に接続され、ピア4cに電気的に接続された外層の配線パターン4eを介して図1の駆動回路11に電気的に接続される。
【0056】
次に、配線基板4の構造、その配線基板4に於けるスイッチング素子等の電子部品の配置について説明する。図4Aは、この発明の実施の形態1による一体型電動パワーステアリング装置に於ける、スイッチング素子等の実装後の配線基板の側面図、図4Bは、この発明の実施の形態1による一体型電動パワーステアリング装置に於ける、スイッチング素子等の実装後の配線基板の平面図である。図4A及び図4Bに示す配線基板4には、1枚の配線基板4に、各電子部品等を電気的接続及び配線を行なうための複数の電源系パターンとグランド系パターン及び配線パターンが貼り廻られている。
【0057】
多数の部位の接続を効率よく行うために、先ず、配線基板4は、前述したように多層基板で構成され、フレーム29側となる第1の表面には他の層と比較して厚さの大きい銅箔で形成された電源系パターン14dと、グランド系パターン14eが貼り付けられている。電源系パターン14dは、円板状に形成された配線基板4の第1の表面に配置され、図4Bに鎖線で示すように配線基板4の外周縁にほぼ沿って配置されている。グランド系パターン14eは、配線基板4の第1の表面に配置され、図4Bに破線で示すように電源系パターン14dの内側に配置されている。
【0058】
電源系ライン端子14bは、図2に示す電源用コネクタ38のコネクタピン及び電源系ライン38aを介してバッテリ6の正極側端子(+B)に接続される。電源系パターン14dは、電源系ライン端子14bに電気的に接続され、バッテリ6の正極側端子(+B)の電圧が印加される。電源系ライン端子14cは、図2に示す電源用コネクタ38のコネクタピン及び電源系ライン38aを介してバッテリ6の負極側端子即ち車両のグランド電位にある部位に接続される。グランド系パターン14eは、電源系ライン端子14cに電気的に接続され、グランド電位に維持される。
【0059】
電源系ライン端子14b、14cは、図2の電源用コネクタ38のコネクタピンから延出した電源系ライン38aを介して、図4Bに示すように配線基板4の外周縁の近辺にまとめて配置されている。電源系ライン端子14b、14cは、電流容量を考慮して夫々2端子ずつ設けられている。一方、信号系ライン端子15b、15cは、センサ用コネクタ15のコネクタピンから伸びる信号系ライン15aに接続されており、電源系ライン端子14b、14cから離れて配線基板4の外周縁の近傍の2カ所に分けて配置されている。信号系ライン端子15bは入力回路12を介してCPU1に接続され、信号系ライン端子15cは入力回路12を介してCPU2に接続される。
【0060】
バッテリ6の正極側端子の電圧+Bが印可される電源系パターン14dは、図1の回路構成に示される通り、フィルタ回路17のフィルタコイル17bとフィルタコンデンサ17aに先ず配線により電気的に接続されている。次に、電源系パターン14dは、フィルタコイル17bとフィルタコンデンサ17aの両側に隣接して夫々配置された第1の電源用スイッチング素子5aと第2の電源用スイッチング素子5bに接続されている。第1の電源用スイッチング素子5aと第2の電源用スイッチング素子5bは、図3A及び図3Bに示すFETからなるスイッチング素子を、図1及び図4Bに示されるように2個直列に接続して構成されている。
【0061】
第1の電機子巻線201の巻線端子28au、28av、28awと、第2の電機子巻線202の巻線端子28bu、28bv、28bwとは、図4Bに示すように、配線基板4の中心部を挟んで対向する位置で夫々配線基板4の外周縁の近傍を貫通している。これらの巻線端子28au、28av、28aw、及び28bu、28bv、28bwは、夫々溶接用配線35tに溶接により接続されている。巻線端子28au、28av、28awに溶接により接続された3本の溶接用配線35tは、対応する巻線端子の近傍で配線基板4の第1の表面から第2の表面に貫通している。同様に、巻線端子28bu、28bv、28bwに溶接により接続された3本の溶接用配線35tは、対応する巻線端子の近傍で配線基板4の第1の表面から第2の表面に貫通している。
【0062】
第1の回転センサ9bと第2の回転センサ9cは、配線基板4の中央部に配置され、図2に示しているように、電動モータ2の出力軸21の軸方向端部に固定された回転センサ回転子9aに対して、軸方向に所定の間隙を介して対向するように配置される。第1の回転センサ9b及び第2の回転センサ9cの出力にノイズが混入すると、回転角を正確に検出できず、不正確な回転角情報がCPU10に入力されると電動モータ2のロータ23を正確に回転させることができなくなる。従って、回転センサ部9の出力にはノイズが混入しないように配慮する必要がある。
【0063】
回転センサ部9の出力に最も大きな影響を及ぼす可能性のあるノイズのノイズ源は、大電流をオン、オフする第1の電源用スイッチング素子5a、第2の電源用スイッチング素子5b、第1のインバータ回路3a及び第2のインバータ回路3bの各スイッチング素子31U、32U、34U、34V、34W等のスイッチング素子と、これ等のスイッチング素子に接続されている第1の電機子巻線201の巻線端子28au、28av、28aw、及び第2の電機子巻線202の巻線端子28bu、28bv、28bwである。
【0064】
回転センサ部9をノイズから遮断する対策としては、回転センサ回転子9aと第1の回転センサ9bと第2の回転センサ9cを金属壁で覆ってしまう構造とすることが考えられる。そこで、グランド電位に維持されるグランド系パターン14eを、回転センサ部9を取り囲むように配線基板4のフレーム側の表面である第1の表面に配置し、厚さの大きい銅箔で形成されたグランド系パターン14eに回転センサ部9を包囲する金属壁としての機能を持たせるようにしている。第1の回転センサ9bと第2の回転センサ9cは、グランド系パターン14eとほぼ同一平面となるように配置されている。グランド系パターン14eは、電源系ライン端子14b、14cが貫通する2カ所の端子孔から延びて、配線基板4の中央部に沿って貼り廻られており、その配線長は最短となるように構成され、且つ幅の大きいパターンに形成されている。
【0065】
第1のインバータ回路3aに於ける第1のコンデンサ30aと第2のコンデンサ30bは、図4Bの下方側で電源系パターン14dとグランド系パターン14eに跨って配置され、電源系パターン14dとグランド系パターン14eに電気的接続されている。第2のインバータ回路3bに於ける第3のコンデンサ30cと第4のコンデンサ30dは、図4Bの上方側で電源系パターン14dとグランド系パターン14eに跨って配置され、電源系パターン14dとグランド系パターン14eに電気的接続されている。
【0066】
第1のインバータ回路3aに於ける第1のU相シャント抵抗33U等のシャント抵抗33、及び第2のインバータ回路3bに於ける各シャント抵抗33は、夫々配線基板4の第1の表面の中央部の近くに配置され、これ等のシャント抵抗33の一方の端子がグランド系パターン14eに電気的に接続されている。
【0067】
第1のインバータ回路3aに於ける6個のスイッチング素子300、及び第2のインバータ回路3bの6個のスイッチング素子300は、配線基板4の第1の表面に図4Bに示すように配置されている。又、第1のインバータ回路3aに於ける3個の電動モータ用スイッチング素子34、及び第2のインバータ回路3bの3個の電動モータ用スイッチング素子34は、配線基板4の第1の表面に図4Bに示すように配置されている。このように、第1のインバータ回路3a及び第2のインバータ回路3bの夫々3相のスイッチング素子群が集中して配置されている。又、これ等のスイッチング素子は、電源系パターン14dとグランド系パターン14eの間に、各相のスイッチング素子が同様な向きに配置されているので、夫々の電気的接続は最短距離で行なうことができる。
【0068】
又、電動モータ2の6本の巻線端子28au、28av、28aw、及び28bu、28bv、28bwは、図2に示すように配線基板4とハウジング16を貫通して、溶接用配線35tと溶接されている。溶接用配線35tは、ハウジング16の天板を通って図2及び図4Aに示すように図の下方向に延出され、その先端部は配線基板4の孔を貫通している。電動モータ2の6本の巻線端子28au、28av、28aw、及び28bu、28bv、28bwと6本の溶接用配線35tは、図2に示すようにハウジング16の外側で溶接により接続されることにより、ハウジング16の内部の接続用スペースを低減させ、有効にハウジング16の内部空間を利用することができる。
【0069】
電源系ライン端子14b、14c、信号系ライン端子15b、15c、及び溶接用配線35tは、夫々ハウジング16の内壁面から配線基板4側にほぼ垂直に突出し、配線基板4の貫通穴を貫通して配線基板4の第2の表面に突出し、各電子部品等にハンダ付けされる。このように、電源系ライン端子14b、14c、信号系ライン端子15b、15c、及び溶接用配線35tは、ハウジング16に設けられた電源用コネクタ38、及びセンサ用コネクタ15側から電動モータ2側へ配線基板4を貫通するように配置されているため、これ等の配線を配線基板4の片側、つまり電動モータ2側の表面である第1の表面からのハンダ付けが可能となり、組立工数を削減することができる。
【0070】
溶接用配線35tは、第1の電機子巻線201と第2の電機子巻線202に対応して配線基板4の2か所で電源系パターン14dとグランド系パターン14eとの間に配置されている。第1の電機子巻線201に対応する溶接用配線35tは、第1のインバータ回路3aの各スイッチング素子300と電動モータ用スイッチング素子34に対して配線基板4の径方向の外側に配置されている。同様に、第2の電機子巻線202に対応する溶接用配線35tは、第2のインバータ回路3bの各スイッチング素子300と電動モータ用スイッチング素子34に対して配線基板4の径方向の外側に配置されている。
【0071】
溶接用配線35tを前述のように配置することにより、溶接用配線35tと電源系パターン14d、及びグランド系パターン14eとの距離を最短化することができる。更に、溶接用配線35tを、第1の電機子巻線201の巻線端子28au、28av、28awと、第2の電機子巻線202の巻線端子28bu、28bv、28bwとに対応して集中的に配置することができる。更に、回転センサ部9へのノイズ抑制のため、第1の電機子巻線201の巻線端子28au、28av、28awと、第2の電機子巻線202の巻線端子28bu、28bv、28bwは、回転センサ部9を中心として略点対称になるように配置されると共に、第1の電機子巻線201に対応する溶接用配線35tと第2の電機子巻線202に対応する溶接用配線35tは、回転センサ部9を中心として略点対称になるように配置されている。
【0072】
第1のコンデンサ30aと第2のコンデンサ30bは、第1のインバータ回路3aの近傍に配置され、第3のコンデンサ30cと第4のコンデンサ30dは、第2のインバータ回路3bの近傍に配置され、且つ、夫々電源系パターン14dとグランド系パターン14eとの間に配置されている。従って、各コンデンサと電源系パターン14d及びグランド系パターン14dとの接続を最短距離で行うことができる。
【0073】
又、各スイッチング素子300、及び各電源用スイッチング素子5a、5b、及び各電動モータ用スイッチング素子34は、図3A及び図3Bに示したように、銅製のプレート31dがFETチップ31cのドレインをなしており、夫々のスイッチング素子のドレインが配線基板4の第1の表面から同一の高さでフレーム29側に突出している。これ等の全てのスイッチング素子300、5a、5b、34の銅製のプレート31dからなるドレインは、フレーム29の表面に当接しており、ヒートシンクとしての機能を有するフレーム29により直接冷却される。
【0074】
配線基板4の第2の表面(図4Aの上側の表面)には、CPU1とCPU2とからなるCPU10、及び第1の駆動回路11aと第2の駆動回路11b等が搭載されている。このようにCPU10等の周辺の比較的小電流のための配線と、スイッチング素子300等の種変の比較的大電流のための配線とを、配線基板4の第2の表面と第1の表面とに分離することにより、発熱や、ノイズ等を考慮した配置とすることができる。
【0075】
前述したように、各スイッチング素子を集中して配置しているので、各スイッチング素子の放熱性を確保することができると同時に、配線基板4の表面の領域に空領域を設けることができ、その空領域に各コンデンサ30a、30b、30c、30d、及びフィルタコイル17b等の比較的大型部品を分散配置することができる。CPU1とCPU2とからなるCPU10、及び第1の駆動回路11aと第2の駆動回路11b等の小電流の電子部品は、配線基板4の内層と配線基板4の第2の表面とを利用して、信号系ライン端子15b、15c等に接続されている。
【0076】
尚、前記電動モータと前記制御ユニットとを一体に組付けた後に、前記電動モータの巻線端子と前記配線部材とを前記ハウジングの外側で溶接により接続される。
【0077】
以上述べたように、配線基板4の第1の表面に、比較的大電流が流れる電源系パターン14dと、グランド系パターン14eとを配置すると共に、グランド系パターン14eを電源系パターン14dの内側に環状に配置し、これ等のパターンの間に各スイッチング素子を集中して配置すると共に、第1の表面に対して表裏の関係を成す配線基板4の第2の表面に、CPU10等の比較的小電流が流れる電子部品を配置するようにしているので、1枚配線基板4で多数の部品を効率よく配置し、効率よく電気的に接続することができる。
【0078】
又、比較的大電流が流れる電源系パターン14dと、グランド系パターン14eとを配線基板4の一方の外側の表面である第1の表面に配置したので、配線基板4の内層にこれ等のパターンを形成する場合に比べて、電源系パターン14dとグランド系パターン14eパターン自体の発熱による熱の放熱性を向上させることができる。更に、各スイッチング素子の表面としてのドレインの表面を配線基板4の表面から同一の高さとしたので、各スイッチング素子の表面を、ヒートシンクの機能を有するフレーム29の表面に容易に当接させることができる。
【0079】
更に、各スイッチング素子を集中配置するようにしたので、各部品間の間隔が近くなり、その間の配線パターンも短くなり、配線パターンによる損失を低減することができる効果もある。この効果により、配線基板の温度上昇が低減できるため、発熱が問題となるスイッチング素子の温度も低減することができ、パワーステアリング装置の稼働時間を延ばすことができる。
【0080】
実施の形態2.
次に、この発明の実施の形態2による一体型電動パワーステアリング装置について説明する。図5は、この発明の実施の形態2による一体型電動パワーステアリング装置の断面図である。前述の実施の形態1では、電動モータの第1の電機子巻線と第2の電機子巻線の各巻線端子が溶接により溶接用配線に接続されていたが、実施の形態2では、電動モータの第1の電機子巻線と第2の電機子巻線の各巻線端子は、プレスフィットによりプレスフィット用配線37pに接続されており、この点で実施の形態1の一体型電動パワーステアリング装置とは異なる。
【0081】
即ち、図5に於いて、プレスフィット用配線35pは、ハウジング16の内部に配置され、夫々個別に組み立てられた電動モータ2と制御ユニット1とを最終工程で一体に組み付ける際に、電動モータ2の第1の電機子巻線201の巻線端子28au、28av、28aw、及び第2の電機子巻線202の巻線端子28bu、28bv、28bw(図示せず)を、プレスフィット用配線35pにプレスフィットにより電気的及び機械的に接続するものである。その他の構成は、前述の実施の形態1による一体型電動パワーステアリング装置と同様である。
【0082】
前述のように、プレスフィット用配線35pはnハウジング16の内部に配置されているので、余分な配線部品が不要となり、装置の小型化を図ることができる。又、巻線端子28au、28av、28aw、28bu、28bv、28bwと、プレスフィット用配線35pとのプレスフィット時には、大きな荷重でプレスフィット用配線35pに巻線端子28au、28av、28aw、28bu、28bv、28bwを圧入する必要があるが、その荷重をハウジング16の外側、例えばハウジング16の外側の端面16aに組立設備を当接することで受けることができ、前述のプレスフィット作業を容易に行うことができる。
【0083】
実施の形態3.
次に、この発明の実施の形態3による一体型電動パワーステアリング装置について説明する。前述の実施の形態2では、プレスフィット用配線を設け、電動モータの第1の電機子巻線と第2の電機子巻線の各巻線端子をプレスフィットによりプレスフィット用配線に接続していたが、実施の形態3では、プレスフィット用配線を設けずに、電動モータの第1の電機子巻線と第2の電機子巻線の各巻線端子をスルーホールを介して配線基板に接続するようにしたものである。
【0084】
即ち、この発明の実施の形態3による一体型電動パワーステアリング装置は図示していないが、配線基板4、電動モータ2の巻線端子28au、28av、28aw、28bu、28bv、28bwを挿入するためのスルーホールを備える。そして、電動モータ2の巻線端子28au、28av、28aw、28bu、28bv、28bwは、その先端部に、配線基板4のスルーホールの穴形状に沿った突起、若しくは凸部、又は幅広部を備える。このように構成した巻線端子28au、28av、28aw、28bu、28bv、28bwの先端部を、配線基板の対応するスルーホールに嵌合させてスルーホールの内壁に当接させ、各巻線端子と配線基板の所定の部位を電気的に接続させる。その他の構成は、実施の形態1による一体型電動パワーステアリング装置と同様である。
【0085】
この実施の形態3による一体型電動パワーステアリング装置によれば、溶接用配線や、プレスフィット用配線を設ける必要がなく、又、溶接やプレスフィット作業を行なうことなく容易に巻線端子を配線基板に接続することができる。
【0086】
実施の形態4.
次に、この発明の実施の形態4による一体型電動パワーステアリング装置について説明する。図6は、この発明の実施の形態4による一体型電動パワーステアリング装置の断面図、図7は、この発明の実施の形態4による一体型電動パワーステアリング装置に於ける、スイッチング素子等の実装後の配線基板の平面図である。前述の実施の形態1では、電動モータの第1の電機子巻線と第2の電機子巻線の各巻線端子が溶接により溶接用配線に接続されていたが、実施の形態4では、電動モータの第1の電機子巻線と第2の電機子巻線の各巻線端子は導電性バネ部材により配線基板に接続されており、この点で実施の形態1と異なる。
【0087】
図6及び図7に於いて、第1の電機子巻線201の巻線端子28au、28av、28aw、及び第2の電機子巻線202の巻線端子28bu、28bv、28bw(図示せず)は、リング状に形成され、その平面部が軸方向に対して垂直方向に延びるように接続リング27に配置されている。尚、各巻線端子は、相毎に分離されて相互に絶縁されている。
【0088】
6本の導電性バネ部材36は、第1の電機子巻線201の巻線端子28au、28av、28aw、及び第2の電機子巻線202の巻線端子28bu、28bv、28bwに夫々対応して設けられており、その一端は対応する各巻線端子の平面部に当接して電気的に接続され、他端は夫々フレーム29を貫通して配線基板4の配線パターンに電気的に接続されている。
【0089】
6本の導電性バネ部材36は、樹脂により形成されたパイプ状の絶縁ガイド部材37の内部に挿入され、金属製のフレーム29に対して絶縁されている。絶縁ガイド部材37は、導電性バネ部材とフレーム29との間の絶縁を保つのみならず、導電性バネ部材36の位置決め、及びバネ圧縮時の倒れ防止の機能を有している。
【0090】
第1の電機子巻線201の巻線端子28au、28av、28awに接続された導電性バネ部材36は、夫々配線基板4の第1の表面に於いて図7の下方に形成された3個の円形凹部16fa−u、16fa−v、16fa−wに挿入され、配線基板4の配線パターンに直接接触されている。又、第2の電機子巻線202の巻線端子28bu、28bv、28bwに接続された導電性バネ部材36は、夫々配線基板4の第1の表面に於ける図7の上方に形成された3個の円形凹部16fb−u、16fb−v、16fb−wに挿入され、配線基板4の配線パターンに直接接触されて電気的に接続されている。
【0091】
実施の形態4による一体型電動パワーステアリング装置によれば、前述の実施の形態1に於ける溶接用配線や、実施の形態2に於けるプレスフィット用配線が不要となり、溶接用配線やプレスフィット配線を、一旦、配線基板4を貫通させてハウジング16の背面まで引き延ばす必要がないため、各巻線端子を最短距離で配線基板4の配線パターンに接続させることが出来る。
【0092】
導電性バネ部材36は、バネとしての弾力性を備えており、その圧縮による反力を伴うため、ハウジング16の内壁部の一部分に電動モータ2側へ突出するハウジング突起部16bを形成し、このハウジング突起部16bの先端部を配線基板4の第2の表面に当接させて導電性バネ部材36の圧縮に伴う反力による配線基板4の変形を防止するように構成している。
【0093】
又、ハウジング16は、フレーム29の軸方向の端面に反電動モータ2側に突出するフレーム突起部29aにネジ等により固定されており、導電性バネ部材36の圧縮に伴う反力を失うことなく安定した接触圧を導電性バネ部材36の一端と巻線端子との間、及び導電性バネ部材36と配線基板4の配線パターンとの間に与え、それ等の間の導電性を確保するように構成されている。
【0094】
また、図7に示すように円形凹部16fa−u、16fa−v、16fa−w、及び16fb−u、16fb−v、16fb−wを形成し、6本の導電性バネ部材36の他端をこれ等の円形凹部に挿入して配線基板の配線パターンに電気的に接続するようにしているので、配線基板4は導電性バネ部材36を貫通させる必要がなく、配線基板4の実装面積を極力減少させず、且つハンダ付けも不要のため、導電性バネ部材36を接触させている第12の表面の円形凹部に対応する配線基板4の第2の表面の領域に、電子部品等を実装ことが可能であり、配線基板4の第2の表面の実装面積を多く確保することが可能となる。
【0095】
この第4の実施の形態による一体型電動パワーステアリング装置によれば、電動モータ2と制御ユニット1を夫々個別に組立てた後に、電動モータ2のフレーム29に絶縁ガイド部材37を組付けた貫通穴に導電性バネ6本を落とし込み、制御ユニット1と電動モータ2でこれ等を挟み込むことで、巻線端子と導電性バネ部材36との間の電気的接続と、導電性バネ部材36と配線基板4の配線パターンとの間の電気的接続を確保することがでる。従って、導電性バネ部材36をその周辺の他の部材にネジやTig溶接等により固定する必要がなく、電動パワーステアリング装置の内部の部品点数を減少させ、溶接のための治具を侵入させるための領域や、ネジ締めの箇所を削減することができ、小型化を図ることができる。
【0096】
尚、この発明は、その発明の範囲内に於いて、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0097】
この発明は、電動パワーステアリングの分野、ひいては自動車産業の分野に利用することが出来る。
【符号の説明】
【0098】
1 制御ユニット、2 電動モータ、21 出力軸、201 第1の電機子巻線、U1 第1のU相巻線、V1 第1のV相巻線、W1 第1のW相巻線、201 第1の電機子巻線、202 第2の電機子巻線、U2 第2のU相巻線、V2 第2のV相巻線、W2 第2のW相巻線、6 バッテリ、7 イグニッションスイッチ、8 各種センサ類、9 回転センサ部、9a 回転センサ回転子、9b 第1の回転センサ、9c 第2の回転センサ、3a 第1のインバータ回路、3b 第2のインバータ回路、5a 第1の電源用スイッチング素子、5b 第2の電源用スイッチング素子、10 CPU、CPU1 第1のCPU、CPU2 第2のCPU、11a 第1の駆動回路、11b 第2の駆動回路、12 入力回路、13 電源回路、17 フィルタ回路、17b フィルタコイル、17a フィルタコンデンサ、31U U相上アームスイッチング素子、32U U相下アームスイッチング素子、300 スイッチング素子、33 シャント抵抗、33U 第1のU相シャント抵抗、34 電動モータ用スイッチング素子、34U U相の第1の電動モータ用スイッチング素子、34V V相の第1の電動モータ用スイッチング素子、34W W相の第1の電動モータ用スイッチング素子、30a 第1のコンデンサ、30b 第2のコンデンサ、34c 第3のコンデンサ、30d 第4のコンデンサ、25a 取り付けフランジ部、22 ステータ、23 ロータ、25 電動モータケース、250 端壁部、251 端壁部貫通穴、26b 第1の軸受、26a 第2の軸受、27 接続リング、29 フレーム、29a フレームの軸方向端面、291 フレーム貫通穴、16 ハウジング、36 接着剤、38 電源用コネクタ、15 センサ用コネクタ、38a 電源系ライン、15a 信号系ライン、14b、14c 電源系ライン端子、14d 電源系パターン、14e グランド系パターン、15b、15c 信号系ライン端子、31d プレート、31c FETチップ、31s ソース、31g ゲート、4b、4e 配線パターン、4c ピア、28、28au、28av、28aw、28bu、28bv、28bw 巻線端子、35t 溶接用配線、35p プレスフィット用配線、36 導電性バネ部材、16fa−u,16fa−v、16fa−w、16fb−u、16fb−v、16fb−w 円形凹部、37 絶縁ガイド部材
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6
図7

【手続補正書】
【提出日】2017年9月6日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の運転者による操舵トルクに対応したアシストトルクを発生する電動モータと、前記電動モータを制御する制御ユニットとを備え、前記電動モータと前記制御ユニットとが一体に固定されてなる一体型電動パワーステアリング装置であって、
前記制御ユニットは、
前記電動モータに電流を供給する複数のスイッチング素子からなるインバータ回路と、
前記インバータ回路に指令信号を出力するCPUと、
少なくとも前記インバータ回路と前記CPUとを搭載した配線基板と、
前記配線基板を収納するハウジングと、
前記ハウジングに設けられ、前記制御ユニットの外部に設けられた電源装置と前記車両の運転状態を検出するセンサとを、前記制御ユニットに接続するコネクタと、
を備えたモジュールとして構成され、
前記モジュールとして構成された前記制御ユニットは、前記電動モータの軸方向に前記電動モータに一体に固定されている、
ことを特徴とする一体型電動パワーステアリング装置。
【請求項2】
前記配線基板は、
前記電動モータのロータの回転位置を検出する回転センサと、前記スイッチング素子と、前記インバータ回路に接続されるコンデンサと、フィルタコイルと、を含む前記制御ユニットを構成する全ての電子部品が実装配置されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の一体型電動パワーステアリング装置。
【請求項3】
前記配線基板は、前記軸方向に対して表面が垂直となるように前記ハウジングに収納され、
前記ハウジングは、前記電動モータの巻線端子に接続される配線部材を備え、
前記配線部材は、前記ハウジングの内部で前記軸方向に延在するように配置され、
前記配線部材と前記配線基板の配線パターンとは、一括してはんだ付けされている、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の一体型電動パワーステアリング装置。
【請求項4】
前記電動モータの巻線端子は、前記ハウジングの外部まで延在され、前記ハウジングの外側で前記配線部材に接続されている、
ことを特徴とする請求項3に記載の一体型電動パワーステアリング装置。
【請求項5】
前記巻線端子は、前記配線部材に溶接により接続されている、
ことを特徴とする請求項4に記載の一体型電動パワーステアリング装置。
【請求項6】
前記巻線端子は、前記配線部材にプレスフィットにより接続されている、
ことを特徴とする請求項4に記載の一体型電動パワーステアリング装置。
【請求項7】
前記配線基板は、前記軸方向に対して表面が垂直となるように前記ハウジングに収納され、
前記電動モータの巻線端子と前記配線基板との間に配置された導電性バネ部材を備え、
前記導電性バネ部材は、一端が前記巻線端子に当接して前記巻線端子に電気的に接続され、他端が前記配線基板に当接して前記配線基板に電気的に接続されている、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の一体型電動パワーステアリング装置。
【請求項8】
前記巻線端子は、前記軸方向に対して垂直方向に延びる平面部を有し、
前記配線基板は、前記電動モータ側の表面に凹部を備え、
前記導電性バネ部材の一端は、前記巻線端子の前記平面部に当接し、
前記導電性バネ部材の端は、前記配線基板の前記凹部に挿入されて前記配線基板に当接している、
ことを特徴とする請求項7に記載の一体型電動パワーステアリング装置。
【請求項9】
前記モジュールとして構成された制御ユニットは、前記電動モータのモータケースの軸方向の端部に接着剤により固定されている、
ことを特徴とする請求項1から8のうちの何れか一項に記載の一体型電動パワーステアリング装置。
【請求項10】
前記モータケースは、前記軸方向の端部に凹部を備え、
前記ハウジングは、前記モータケースの前記軸方向の端部に対向する軸方向の端部に前記凹部に嵌合する凸部を備え、
前記モータケースの凹部と前記ハウジングの凸部は、前記接着剤により固着されている、
ことを特徴とする請求項9に記載の一体型電動パワーステアリング装置。
【請求項11】
車両の運転者による操舵トルクに対応したアシストトルクを発生する電動モータと、前記電動モータを制御する制御ユニットとを備え、
前記制御ユニットは、前記電動モータに電流を供給する複数のスイッチング素子からなるインバータ回路と、前記インバータ回路に指令信号を出力するCPUと、少なくとも前記インバータ回路と前記CPUとを搭載した配線基板と、前記配線基板を収納するハウジングと、前記ハウジングに設けられ、前記制御ユニットの外部に設けられた電源装置と前記車両の運転状態を検出するセンサとを、前記制御ユニットに接続するコネクタとを備えたモジュールとして構成され、
前記配線基板は、前記電動モータの軸方向に対して表面が垂直となるように前記ハウジングに収納され、
前記ハウジングは、前記電動モータの巻線端子に接続される配線部材を備え、
前記配線部材は、前記ハウジングの内部で前記軸方向に延在するように配置され、
前記モジュールとして構成された前記制御ユニットは、前記電動モータの軸方向に前記電動モータに一体に固定される、
ように構成された一体型電動パワーステアリング装置の製造方法であって、
前記制御ユニットと前記電動モータは、夫々個別に組み立てられ、
前記個別に組み立てられた制御ユニットと前記電動モータとを前記軸方向に一体に固定する、
ことを特徴とする一体型電動パワーステアリング装置の製造方法。
【請求項12】
前記配線基板は、前記配線部材が延在前記軸方向に延在しているハウジングの内部に、前記電動モータ側から組み付けられる、
ことを特徴とする請求項11に記載の一体型電動パワーステアリング装置の製造方法。
【請求項13】
前記電動モータの巻線端子は、前記制御ユニットの前記ハウジングを前記電動モータ側に押圧することで前記配線部材にプレスフィットされることを特徴とする請求項11又は12に記載の一体型電動パワーステアリング装置の製造方法。
【請求項14】
前記電動モータと前記制御ユニットとを一体に組付けた後に、前記電動モータの巻線端子と前記配線部材とを前記ハウジングの外側で溶接により接続する、
ことを特徴とする請求項12に記載の一体型電動パワーステアリング装置の製造方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0052
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0052】
次に、配線基板4と、その配線基板4に実装される電子部品等の配置、及び各電子部品等の配線について説明する。ここで、先ず、発熱部品であるスイッチング素子、即ち、御ユニット1に於ける第1の電源用スイッチング素子5a、第2の電源用スイッチング素子5b、第1のインバータ回路3a及び第2のインバータ回路3bの各スイッチング素子31U、32U、34U、34V、34W等のスイッチング素子の構造について、以下に説明する。


【国際調査報告】