特表-17094807IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 再表WO2017094807-積層チューブ 図000005
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2017年6月8日
【発行日】2018年10月18日
(54)【発明の名称】積層チューブ
(51)【国際特許分類】
   B32B 1/08 20060101AFI20180921BHJP
   B32B 25/08 20060101ALI20180921BHJP
   B32B 25/20 20060101ALI20180921BHJP
   B32B 27/30 20060101ALI20180921BHJP
   F16L 11/04 20060101ALI20180921BHJP
【FI】
   B32B1/08 B
   B32B25/08
   B32B25/20
   B32B27/30 B
   F16L11/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】12
【出願番号】特願2017-554162(P2017-554162)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2016年11月30日
(31)【優先権主張番号】特願2015-233018(P2015-233018)
(32)【優先日】2015年11月30日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA
(71)【出願人】
【識別番号】000145530
【氏名又は名称】株式会社潤工社
(72)【発明者】
【氏名】山田 晋哉
【テーマコード(参考)】
3H111
4F100
【Fターム(参考)】
3H111AA02
3H111BA12
3H111BA15
3H111CB04
3H111DA20
3H111DA26
3H111DB01
4F100AK17A
4F100AK17B
4F100AK52C
4F100AL09A
4F100AL09B
4F100AL09C
4F100AN02C
4F100BA03
4F100BA07
4F100BA10A
4F100BA10C
4F100DA11
4F100DJ00A
4F100JK06
4F100YY00B
(57)【要約】
高い可撓性を有し、有機溶剤が送液されても長い寿命を有するチューブを提供する。
チューブが、フッ素系エラストマーが含浸された多孔質フッ素樹脂からなる内層と、上記フッ素系エラストマーからなる中間層と、シリコーンゴムからなる外層を備え、内層と外層の層間剥離強度が0.48N/mm以上である。とくに、前記中間層の厚さが5μm以上のとき、高い耐久性を有し、長寿命である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フッ素系エラストマーが含浸された多孔質フッ素樹脂からなる内層と、
上記フッ素系エラストマーからなる中間層と、
シリコーンゴムからなる外層を備え、
内層と外層の層間剥離強度が0.48N/mm以上である積層チューブ。
【請求項2】
前記フッ素系エラストマーからなる中間層の厚さが、5μm以上である請求項1に記載の積層チューブ。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高い可撓性、特に径方向のつぶれに対する高い復元性、高い層間剥離強度及び長い寿命を有する積層チューブに関する。
【背景技術】
【0002】
チューブポンプ用チューブは、高い柔軟性と応力解放後の高い形状復元性を有していなければならない。チューブポンプ用チューブの代表的材質はシリコーンゴムである。シリコーンゴムは、優れた形状復元性と高い耐熱性を有しているが、高い機械的強度と、有機溶剤に対する十分な耐性を有していない。従って、ベンゼン、トルエン、アセトン等の有機溶剤が、シリコーンゴム製チューブポンプ用チューブ中を送液されると、繰り返しのつぶれによって当該チューブが破壊され、その寿命は非常に短い。チューブポンプ用チューブの別の代表的材質はオレフィン系エラストマーである。オレフィン系エラストマーは優れた形状復元性と、高い機械的強度を有しているが、十分な耐熱性と、有機溶剤に対する耐性を有していない。有機溶剤が、オレフィン系エラストマー製チューブポンプ用チューブ中を送液されると、当該チューブは有機溶剤で膨潤し、繰り返しのつぶれによって当該チューブが短期間で破壊される。
一方、チューブポンプ用チューブとは別に、架橋構造のシリコーンゴムが微細多孔質構造を有するポリテトラフルオロエチレンからなる基体チューブの微細空孔内に充填された、シリコーンゴムの機械的強度を補った可撓性チューブが検討された(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−270301号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
先述の特許文献1のチューブは高い形状復元性を有しているが、当該チューブの有機溶剤に対する耐久性と形状復元性は十分ではない。そこで、有機溶剤が送液されても長い寿命を有するチューブが望まれていたが、このようなチューブは実現されていなかった。
本発明が解決しようとする課題は、高い形状復元性を有し、有機溶剤が送液されても長い寿命を有するチューブの提供である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、多孔質フッ素樹脂からなる特定の内層とエラストマーとからなる外層が特定の中間層を介して積層されている積層チューブが、上記特性を有することを見出し本発明を完成させるに至った。
【0006】
本発明は、フッ素系エラストマーが含浸された多孔質フッ素樹脂からなる内層と、上記フッ素系エラストマーからなる中間層と、エラストマーからなる外層を備え、内層と外層の層間剥離強度が0.48N/mm以上である積層チューブである。
【0007】
本発明は、さらに、前記フッ素系エラストマーからなる中間層の厚さが、5μm以上である積層チューブである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の積層チューブは、有機溶剤が送液されても、高い形状復元性を長期間有する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の積層チューブの断面の模式図
図2】内層、中間層及び外層の積層状態を示す顕微鏡写真
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、本発明の積層チューブの断面を模式的に示す。本発明の積層チューブは、内層1と外層3が中間層2を介して積層される構造をしている。内層1は、フッ素系エラストマーが含浸された多孔質フッ素樹脂からなる。高い耐有機溶剤性を有するフッ素系エラストマーが、高い耐有機溶剤性と高い柔軟性を有する多孔質フッ素樹脂に含浸されており、内層1は、有機溶剤の外層3への浸透を防止する。更に、多孔質フッ素樹脂のフィブリル構造は、内層1のエラストマーの機械的強度の向上に寄与し、耐久性を向上させている。
【0011】
中間層2は、内層1を構成するフッ素系エラストマーと同種のフッ素系エラストマーからなる。中間層2は、有機溶剤の外層3への浸透を防止すると共に、内層1と外層3を接着している。
【0012】
外層3は、エラストマーからなる。内層1は、これ単体では形状復元性が低く、ポンプチューブのような用途には適さない。外層3には柔軟で形状復元性に富むものが適しており、外層3は、内層1及び中間層2を保護し、本発明の積層チューブに形状復元性を付与し、本発明の積層チューブのチューブポンプ用途として有効な機能を発現させる。
【0013】
内層1と外層3の剥離強度は0.48N/mm以上である。内層1のフッ素樹脂やフッ素系エラストマーと外層3のエラストマーとはそのままでは接着されない。内層1と外層3の十分に高い剥離強度は、本発明の積層チューブがチューブポンプ用チューブとして使用される時、繰り返しの径方向のつぶれに対してチューブの強度と形状復元性の維持に貢献し、チューブの寿命の長期化に寄与する。とくに本発明の内層1のフッ素樹脂やフッ素系エラストマーと外層3のエラストマーの組み合わせの積層チューブでは、チューブの剥離強度が0.48N/mm以上であることで、外層がローラポンプから受けるチューブ長手方向の歪による剥離が抑えられることにより、チューブの繰り返しの径方向のつぶれによるチューブの破壊を抑えることが可能になる。
【0014】
本発明の積層チューブの製造方法は、特定の製造方法に限定されない。当該製造方法の具体例は以下のとおりである。まず、フッ素系エラストマーの前駆体である液状フッ素系エラストマー組成物を、多孔質フッ素樹脂チューブに含浸させて内層1とする。液状フッ素系エラストマー組成物を含浸させると同時に、または含浸させた後に、中間層となる液状フッ素系エラストマー組成物層を、多孔質フッ素樹脂チューブの表面に形成する。中間層を形成した後、一定時間静置する。中間層を形成したチューブを静置中に、中間層の液状フッ素系エラストマー組成物は一次架橋される。このときの一次架橋は、中間層の表面の硬度が適当な範囲になるまでで反応を止めることが重要である。中間層のフッ素系エラストマー表面の硬度は、外層に使用するエラストマーの架橋前の硬度より低くするが、低くしすぎた場合、形状を維持しにくくなりチューブの成形精度に問題が生じる。その後、外層となるエラストマー層を、押出成形により、一次架橋された中間層のフッ素系エラストマーの外側に形成する。得られたチューブは加熱され、中間層のフッ素系エラストマーと外層のエラストマーが同時に二次架橋されて、本発明の積層チューブが得られる。中間層の液状フッ素系エラストマー組成物は、多孔質フッ素樹脂チューブの細孔に入り込んだ状態で架橋される。内層の液状フッ素系エラストマー組成物と中間層のフッ素系エラストマーは同種のため、内層の外表面の細孔内の液状フッ素系エラストマー組成物と中間層のフッ素系エラストマーは一体化する。このため、一体化したフッ素系エラストマーのアンカー効果により、内層と中間層の界面は強固に接着している。通常、フッ素系の樹脂やエラストマーと、他材質のエラストマーは、そのままでは接着せず、表面処理、プライマー処理、電子線照射等の処理をして接着されるが、本発明の積層チューブでは、そのような処理が必要とされない。内層フッ素系エラストマーと外層エラストマーは、チューブの積層構造を形成した状態で同時に架橋されるため、中間層のフッ素系エラストマーと外層のエラストマーの界面間も、架橋反応により化学的に結合されていると推察される。しかし、同時に架橋されるだけでは接着強度は十分ではなく、中間層と外層が積層される前に、中間層のフッ素系エラストマーの硬度が、架橋前の外層エラストマーの硬度より、少しだけ低くされていることが重要である。つまり、内層と中間層を形成した後のフッ素系エラストマー表面の一次架橋反応が適度な範囲で止められておくことで、外層エラストマーが被覆される時に、外層のエラストマーの微細な凹凸に中間層のフッ素系エラストマーが入り込み、両者が接触する面積が大きくなり、両者間の反応が十分に進行され得る。従って、多層チューブの内層多孔質フッ素樹脂チューブと外層エラストマーは、中間層のフッ素系エラストマーを介して強固に接着されている。通常、フッ素樹脂と他材質のエラストマーは、これらの表面処理、プライマー処理等の前処理により接着されるが、本発明の積層チューブが備える内層を構成する多孔質フッ素樹脂と外層を構成するエラストマーは、前処理されずに中間層を構成するフッ素系エラストマーを介して接着され得る。
【0015】
多孔質フッ素樹脂チューブを構成するフッ素樹脂は、特定のフッ素樹脂に限定されない。当該フッ素樹脂の具体例は、四フッ化エチレン樹脂(PTFE)、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合樹脂(FEP)、四フッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂(PFA)、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂(EPE)、エチレン−四フッ化エチレン共重合樹脂(ETFE)、三フッ化塩化エチレン樹脂(PCTFE)、エチレン−三フッ化塩化エチレン共重合樹脂(ECTFE)、フッ化ビニリデン樹脂(PVdF)、フッ化ビニル樹脂(PVF)である。多孔質フッ素樹脂チューブは、当該フッ素樹脂が、延伸法、塩類抽出法、溶剤抽出法、エマルジョン法、放射線照射法、焼結法等の方法により多孔質構造に形成されて得られる。
【0016】
液状フッ素系エラストマー組成物は、硬化反応により架橋されてフッ素系エラストマーが形成されるフッ素系エラストマー前駆体と硬化触媒を含む液状の組成物である。液状フッ素系エラストマー組成物は市販されているものを用いることができる。液状フッ素系エラストマー組成物の市販品の具体例は、信越化学工業(株)製SIFEL2618である。
【0017】
液状フッ素系エラストマー組成物は、硬化反応により架橋されてフッ素系エラストマーが形成されるフッ素系エラストマー前駆体と硬化触媒を含む液状の組成物であり、その硬度は、ShoreA 25〜70のものが好ましい。液状フッ素系エラストマー組成物は市販されているものを用いることができる。液状フッ素系エラストマー組成物の市販品の具体例は、信越化学工業(株)製SIFEL2618である。
中間層の肉厚は、5μm以上とすることが好ましい。積層チューブに加えられる応力に対して、積層チューブの内層と外層とは物性が異なる材料を用いているため、変形量が異なる。積層チューブの内層と外層の変形量が異なると層間の剥離が発生しやすい。ここに、架橋後も柔軟な中間層を配置し、その厚さを5μm以上とすることで、チューブの径方向のつぶれに対して、内層と外層の変形の差を緩和して層間が剥離することを抑えることができる。
【0018】
外層エラストマーは、特定のエラストマーに特定されないが、柔軟性、形状復元性に富むものが適している。例えば、シリコーンゴム、オレフィン系エラストマー等が挙げられる。なかでもシリコーンゴムは、耐熱性があり、低摩擦で形状復元性が高いことから、とくに好ましい。シリコーンゴムの具体例は、加熱硬化型ミラブルゴムから形成されるシリコーンゴム、加熱硬化型液状ゴムから形成されるシリコーンゴムであり、その硬度は、ShoreA 40〜70のものが好ましい。シリコーンゴムは市販されているものを使用可能である。シリコーンゴムの市販品の具体例は、信越化学工業(株)製KE561である。
【実施例】
【0019】
以下、実施例により本発明が詳細に説明されるが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
実施例1
液状フッ素系エラストマー組成物(信越化学工業(株)製SIFEL2618)が、外径4.4mm、内径3.2mmの多孔質ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)チューブに含浸されると共に、50μm程度の厚みの当該エラストマーの層が当該チューブの表面に形成された。当該エラストマーの層が適度な硬度になった後、厚さ1.0mmのシリコーンゴム(信越化学工業(株)製KE561-U)の層が、押出成形機((株)三葉製作所製)により当該エラストマー層の外側に形成された。得られたチューブは150℃に加熱され、フッ素系エラストマーとシリコーンゴムの加硫が行われ、積層チューブが得られた。図2は、当該チューブの断面の一部の顕微鏡写真である。内層を構成するePTFEと外層を構成するシリコーンゴムが、中間層のフッ素系エラストマー(SIFEL)を介して接着されている。
【0020】
比較例1
液状フッ素系エラストマーの中間層が形成されない以外、実施例1と同様の操作が行われ、積層チューブが得られた。
実施例1及び比較例1で得られた積層チューブの物性が測定され、結果が表1に示されている。
【0021】
各種物性と測定方法は下記のとおりである。
(1)内層と外層の層間剥離強度
層間剥離強度は、自動引張試験機が用いられ、T形剥離試験により行った。
50mmの長さに切り出された積層チューブが縦に2分割され、2分割された片方のチューブの片端の15mmが手で剥離された。その後、剥離された層の両末端が引っ張り試験機のチャックに固定され、1m/minの速度で引張試験が行われ、剥離されるときの応力が測定された。サンプルn数は5で、1サンプルあたり2回の測定が行われた。測定された応力は、測定されたサンプル幅の長さで除されて、単位長さ当たりの応力が算出された。
【0022】
(2)ポンプチューブ寿命
ポンプ本体としてMASTERflex L/S、ポンプヘッドとしてeasy-load model 77201-60、流体としてアセトンが使用された。長さ300mmに切断された積層チューブがポンプヘッドに接続され、ポンプが600rpmの回転数で稼働された。30秒間に送り出されるアセトンの量が計量され、送り出し量が半減するか、もしくは積層チューブが破壊されるまでの時間が、ポンプチューブ寿命とされた。
【0023】
【表1】
【0024】
実施例1の積層チューブの内層と外層の剥離強度は高く、0.7N/mmであった。アセトンが送液された場合でも、当該積層チューブのポンプチューブ寿命は350時間であり、十分な耐久性が確認された。中間層が設けられていない比較例1の積層チューブの内層と外層の剥離強度は低く、アセトンが送液されると、当該積層チューブは1時間でポンプチューブとして機能しなくなった。従来のオレフィン系エラストマー製チューブがポンプチューブとして使用された時のポンプチューブ寿命は90時間であり、実施例1の積層チューブのポンプチューブ寿命よりかなり短かった。
【0025】
実施例2
液状フッ素系エラストマーの中間層の厚みを5μm程度にした以外は、実施例1と同様の操作が行われ、積層チューブが得られた。
実施例3
液状フッ素系エラストマーの中間層の厚みを10μm程度にした以外は、実施例1と同様の操作が行われ、積層チューブが得られた。
比較例2
液状フッ素系エラストマーの中間層の厚みを1μm程度にした以外は、実施例1と同様の操作が行われ、積層チューブが得られた。
実施例1〜3及び比較例2で得られた積層チューブの物性が測定され、結果が表2に示されている。
【0026】
【表2】
【0027】
実施例1〜3の積層チューブは、中間層が5μm以上で十分な厚さを有しているため、アセトンが送液された場合でも、当該積層チューブのポンプチューブ寿命は300時間以上であり、十分な耐久性が確認された。比較例2のチューブは、中間層の厚さが5μm以下であり十分な厚さを有していないため、積層チューブの内層と外層の剥離を抑えることはできず、アセトンが送液されると、当該積層チューブは50時間でポンプチューブとして機能しなくなった。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明の積層チューブは、ポンプチューブとして好適に使用される。
【符号の説明】
【0029】
1・・・内層、2・・・中間層、3・・・外層

図1
図2
【国際調査報告】