特表-18105716IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2018年6月14日
【発行日】2019年8月8日
(54)【発明の名称】ポリマー、組成物及び成形品
(51)【国際特許分類】
   C08G 77/52 20060101AFI20190712BHJP
   C08L 27/12 20060101ALI20190712BHJP
   C08L 83/14 20060101ALI20190712BHJP
   C09K 3/10 20060101ALI20190712BHJP
【FI】
   C08G77/52
   C08L27/12
   C08L83/14
   C09K3/10 G
   C09K3/10 M
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】34
【出願番号】特願2018-555072(P2018-555072)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2017年12月8日
(31)【優先権主張番号】特願2016-239356(P2016-239356)
(32)【優先日】2016年12月9日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】899000057
【氏名又は名称】学校法人日本大学
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】特許業務法人 安富国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野口 剛
(72)【発明者】
【氏名】上谷 文宏
(72)【発明者】
【氏名】神原 將
(72)【発明者】
【氏名】根本 修克
【テーマコード(参考)】
4H017
4J002
4J246
【Fターム(参考)】
4H017AA04
4H017AB12
4H017AB15
4H017AC16
4H017AC19
4H017AD01
4H017AE05
4J002BD151
4J002CP192
4J002GJ02
4J246AA11
4J246AB01
4J246BA020
4J246BA02X
4J246BB02
4J246BB022
4J246BB02X
4J246BB200
4J246BB201
4J246BB20X
4J246BB220
4J246BB221
4J246BB22X
4J246BB360
4J246BB361
4J246BB36X
4J246CA24
4J246CA24X
4J246FA451
4J246FB081
4J246FB211
4J246GA01
4J246HA02
(57)【要約】
新規なポリマー、組成物及び成形品を提供する。下記一般式(1)(式中、X11及びX12は、同一又は異なり、水素原子、フッ素原子を有していてもよいアルキル基、又は、フェニル基を表す。Y11は、酸素原子又は硫黄原子を表す。Rf11は、水素原子、又は、フッ素原子を有していてもよいアルキル基を表す。aは、1〜4の整数を表す。)で表される構造単位を有するポリマーである。
[化1]
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1):
【化1】
(式中、X11及びX12は、同一又は異なり、水素原子、フッ素原子を有していてもよいアルキル基、又は、フェニル基を表す。Y11は、酸素原子又は硫黄原子を表す。Rf11は、水素原子、又は、フッ素原子を有していてもよいアルキル基を表す。aは、1〜4の整数を表す。)で表される構造単位を有するポリマー。
【請求項2】
一般式(1)において、ベンゼン環に結合する一方のSiに対し、他方のSiがパラ位に位置している請求項1記載のポリマー。
【請求項3】
数平均分子量が0.5×10〜1.0×10である請求項1又は2記載のポリマー。
【請求項4】
含フッ素ポリマー、及び、請求項1、2又は3記載のポリマーを含むことを特徴とする組成物。
【請求項5】
含フッ素ポリマーは、含フッ素エラストマーである請求項4記載の組成物。
【請求項6】
含フッ素エラストマーは、TFEを含むパーフルオロエラストマーである請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
TFEを含むパーフルオロエラストマーは、TFE/一般式(8)、(10)又は(11)で表されるフルオロモノマー共重合体及びTFE/一般式(8)、(10)又は(11)で表されるフルオロモノマー/架橋部位を与えるモノマー共重合体からなる群より選択される少なくとも1種である請求項6の組成物。
一般式(8):CF=CF−ORf81
(式中、Rf81は、炭素数1〜8のパーフルオロアルキル基を表す。)で表されるフルオロモノマー、
一般式(10):CF=CFOCFORf101
(式中、Rf101は炭素数1〜6の直鎖又は分岐状パーフルオロアルキル基、炭素数5〜6の環式パーフルオロアルキル基、1〜3個の酸素原子を含む炭素数2〜6の直鎖又は分岐状パーフルオロオキシアルキル基である)で表されるフルオロモノマー、及び、
一般式(11):CF=CFO(CFCF(Y111)O)(CF
(式中、Y111はフッ素原子又はトリフルオロメチル基を表す。mは1〜4の整数である。nは1〜4の整数である。)
【請求項8】
TFEを含むパーフルオロエラストマーにおけるTFEが全モノマーの45モル%以上である、請求項6又は7記載の組成物。
【請求項9】
含フッ素ポリマーは、シアノ基を有する請求項4、5、6、7又は8記載の組成物。
【請求項10】
含フッ素ポリマー100質量部に対して0.5〜100質量部の前記ポリマーを含む請求項4、5、6、7、8又は9記載の組成物。
【請求項11】
成形材料である請求項4、5、6、7、8、9又は10記載の組成物。
【請求項12】
請求項4、5、6、7、8、9、10又は11記載の組成物から得られる成形品。
【請求項13】
シール材である請求項12記載の成形品。
【請求項14】
半導体製造装置のシール材である請求項12又は13記載の成形品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリマー、組成物及び成形品に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造分野では、半導体の微細化・高集積化の要求が年々高まっており、半導体製造装置用のO−リングにも、プロセスエラーを引き起こす異物を含まぬよう要求が強まっている。特に、O−リングの構成原料の1つであるフィラー(主にシリカ)には、O−リングの劣化が進んだ際に、それ自体が異物となってプロセスエラーを引き起こす問題が生じてきている。このため、機械的特性の発現と、酸素系プラズマからのベースポリマーの保護の両方の役割を持つフィラーの代替材料が望まれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、新規なポリマー、組成物及び成形品を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、下記一般式(1):
【化1】
(式中、X11及びX12は、同一又は異なり、水素原子、フッ素原子を有していてもよいアルキル基、又は、フェニル基を表す。Y11は、酸素原子又は硫黄原子を表す。Rf11は、水素原子、又は、フッ素原子を有していてもよいアルキル基を表す。aは、1〜4の整数を表す。)で表される構造単位を有するポリマーである。
【0005】
上記ポリマーは、一般式(1)において、ベンゼン環に結合する一方のSiに対し、他方のSiがパラ位に位置していることが好ましい。
【0006】
上記ポリマーは、数平均分子量が0.5×10〜1.0×10であることが好ましい。
【0007】
本発明は、含フッ素ポリマー、及び、上記ポリマーを含むことを特徴とする組成物でもある。
【0008】
上記含フッ素ポリマーは、含フッ素エラストマーであることが好ましい。
【0009】
上記含フッ素エラストマーは、TFEを含むパーフルオロエラストマーであることが好ましい。
【0010】
上記TFEを含むパーフルオロエラストマーは、TFE/一般式(8)、(10)又は(11)で表されるフルオロモノマー共重合体及びTFE/一般式(8)、(10)又は(11)で表されるフルオロモノマー/架橋部位を与えるモノマー共重合体からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
一般式(8):CF=CF−ORf81
(式中、Rf81は、炭素数1〜8のパーフルオロアルキル基を表す。)で表されるフルオロモノマー、
一般式(10):CF=CFOCFORf101
(式中、Rf101は炭素数1〜6の直鎖又は分岐状パーフルオロアルキル基、炭素数5〜6の環式パーフルオロアルキル基、1〜3個の酸素原子を含む炭素数2〜6の直鎖又は分岐状パーフルオロオキシアルキル基である)で表されるフルオロモノマー、及び、
一般式(11):CF=CFO(CFCF(Y111)O)(CF
(式中、Y111はフッ素原子又はトリフルオロメチル基を表す。mは1〜4の整数である。nは1〜4の整数である。)
【0011】
TFEを含むパーフルオロエラストマーにおけるTFEが全モノマーの45モル%以上であることが好ましい。
【0012】
上記含フッ素ポリマーは、シアノ基を有することが好ましい。
【0013】
上記組成物は、含フッ素ポリマー100質量部に対して0.5〜100質量部の上記ポリマーを含むことが好ましい。
【0014】
上記組成物は、成形材料であることが好ましい。
【0015】
本発明は、上記組成物から得られる成形品でもある。
【0016】
上記成形品は、シール材であることが好ましい。
【0017】
上記成形品は、半導体製造装置のシール材であることも好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、新規なポリマー、組成物及び成形品を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を具体的に説明する。
【0020】
本発明は、下記一般式(1):
【化2】
(式中、X11及びX12は、同一又は異なり、水素原子、フッ素原子を有していてもよいアルキル基、又は、フェニル基を表す。Y11は、酸素原子又は硫黄原子を表す。Rf11は、水素原子、又は、フッ素原子を有していてもよいアルキル基を表す。aは、1〜4の整数を表す。)で表される構造単位を有する新規なポリマーである。
【0021】
本発明のポリマーは、Rf11で表される側鎖を有することにより、含フッ素ポリマーとの親和性が高い。また、Si−O結合を有することにより、耐酸素プラズマ性を有する。本発明のポリマーは、これらの構造をベンゼン環を通して連結させた構造を有するので、含フッ素ポリマー(ベースポリマー)に添加した場合に、当該含フッ素ポリマーとの親和性を損なうことなく機械的特性・耐酸素プラズマ性も発現することができる。
【0022】
一般式(1)において、X11及びX12は、同一又は異なり、水素原子、フッ素原子を有していてもよいアルキル基、又は、フェニル基を表す。X11とX12とは同一であっても互いに異なってもよく、2つのX11同士、2つのX12同士も、同一であっても互いに異なってもよい。上記フッ素原子を有していてもよいアルキル基としては、炭素数1〜8のアルキル基及びフルオロアルキル基が挙げられる。上記炭素数は、3以下であることが好ましい。上記フッ素原子を有していてもよいアルキル基としては、より具体的に、−CH、−CHCHCF等が挙げられる。X11及びX12は、水素原子、−CH、−CHCHCF又はフェニル基(−Ph)であることが好ましい。
【0023】
一般式(1)において、Y11は、酸素原子又は硫黄原子を表す。Y11が複数存在する場合、それらは同一であってもよく、互いに異なってもよい。Y11は、硫黄原子であることが好ましい。
【0024】
一般式(1)において、Rf11は、水素原子、又は、フッ素原子を有していてもよいアルキル基を表す。Rf11が複数存在する場合、それらは同一であってもよく、互いに異なってもよい。上記フッ素原子を有していてもよいアルキル基としては、炭素数1〜12のアルキル基及びフルオロアルキル基が挙げられる。上記炭素数は、4以上であることが好ましく、また、10以下であることが好ましい。上記フッ素原子を有していてもよいアルキル基としては、より具体的に、−CH、−(CFCF(nは、0以上の整数、好ましくは0〜7の整数を表す。)、−(CH(CFCF(nは、0以上の整数、好ましくは0〜7の整数を表す。)、−CH(CFCF(nは、0以上の整数、好ましくは0〜7の整数を表す。)、−CH(CFH(nは、0以上の整数、好ましくは0〜8の整数を表す。)、−CF(CF等が挙げられる。Rf11は、−(CFCF(nは、0以上の整数、好ましくは0〜7の整数を表す。)、又は、−(CH(CFCF(nは、0以上の整数、好ましくは0〜7の整数を表す。)であることが好ましく、−(CFCF、−(CFCF、−(CH(CFCF、又は、−(CH(CFCFであることがより好ましい。
【0025】
一般式(1)において、aは、1〜4の整数を表す。aは、1又は2であることが好ましい。
【0026】
一般式(1)において、ベンゼン環に結合する2つのSiの位置は任意であるが、一方のSiに対し、他方のSiがメタ位又はパラ位に位置することが好ましい。なかでも、パラ位に位置することがより好ましい。
【0027】
一般式(1)で表される構造単位としては、下記一般式(1−1)及び(1−2)のいずれかで表される構造単位が好ましい。
【化3】
(式中、X11、X12、Y11及びRf11は、上記定義と同じ。)
【化4】
(式中、X11、X12、Y11及びRf11は、上記定義と同じ。)
【0028】
本発明のポリマーは、数平均分子量が0.5×10〜1.0×10であることが好ましい。上記数平均分子量は、0.8×10以上がより好ましく、また、1.5×10以下がより好ましく、1.0×10以下が更に好ましい。
上記数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー分析により求めることができる。
【0029】
本発明のポリマーは、下記一般式(2):
【化5】
(式中、X11、X12、Y11、Rf11及びaは、上記定義と同じ。)で表される化合物(2)を縮合重合することにより、製造することができる。
【0030】
上記縮合重合は、触媒の存在下に行うことが好ましい。上記触媒としては、1,1,3,3−テトラメチルグアジニウム−2−エチルヘキサノエート、アミン類(例えば、トリエチルアミン、ピリジン、DMAP、DBU、プロトンスポンジ、DABCO、キヌクリジン、アニリン、トリブチルアミン、アンモニア)、有機溶媒に可溶な酸(例えば、硫酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸)等が挙げられる。
【0031】
上記縮合重合は、溶媒の存在下に行うことが好ましい。上記溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、クロロベンゼン、アニソール、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等が挙げられる。
【0032】
上記縮合重合は、20〜150℃の温度で行うことができる。
【0033】
上記縮合重合のその他の条件は、シラノール化合物の脱水縮合反応の公知の条件に基づき適宜設定することができる。
【0034】
本発明のポリマーは、再沈殿等により分離精製することができる。
【0035】
本発明のポリマーは、化合物(2)の単独重合体であってもよく、化合物(2)、及び、化合物(2)と縮合重合可能な他の化合物の共重合体であってもよい。上記他の化合物としては、ジシラノール化合物(化合物(2)は除く)、末端シラノール基を有するポリシロキサン化合物等が挙げられる。
【0036】
上記化合物(2)のうち、Rf11が−(CFCF(nは、0以上の整数を表す。)、又は、−(CH(CFCF(nは、0以上の整数を表す。)であり、かつY11が硫黄原子であるものは、新規化合物である。
【0037】
化合物(2)は、下記一般式(3):
【化6】
(式中、X11、X12、Y11、Rf11及びaは、上記定義と同じ。)で表される化合物(3)を酸化することにより、製造することができる。
【0038】
上記酸化反応は、触媒の存在下に行うことが好ましい。上記触媒としては、パラジウム/炭素、パラジウム/アルミナ、白金/炭素,白金/アルミナ、ルテニウム/炭素、ルテニウム/アルミナ、ロジウム/炭素、ロジウム/アルミナ等が挙げられる。
【0039】
上記酸化反応は、溶媒の存在下に行うことが好ましい。上記溶媒としてはテトラヒドロフラン(THF)、2−メチルテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、モノグライム、ジグライム、トリグライム、テトラグライム、1,4−ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル等が挙げられる。
【0040】
上記酸化反応は、−40〜150℃の温度で行うことができる。
【0041】
上記酸化反応のその他の条件は、ヒドロシラン化合物の酸化反応の公知の条件に基づき適宜設定することができる。
【0042】
化合物(2)は、カラムクロマトグラフィー、再結晶等により分離精製することができる。
【0043】
上記化合物(3)のうち、Rf11が−(CFCF(nは、0以上の整数を表す。)、又は、−(CH(CFCF(nは、0以上の整数を表す。)であり、かつY11が硫黄原子であるものは、新規化合物である。
【0044】
化合物(3)は、下記一般式(4):
【化7】
(式中、Y11、Rf11及びaは、上記定義と同じ。Z11は、同一又は異なり、ハロゲン原子を表す。)で表される化合物(4)と、金属マグネシウム又は金属亜鉛と、一般式(5):Z12SiX1112H(式中、Z12は、ハロゲン原子を表す。X11及びX12は、上記定義と同じ。)で表される化合物(5)とを反応させることにより、製造することができる。
【0045】
一般式(4)において、Z11は、同一又は異なり、ハロゲン原子を表す。Z11は、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子であることが好ましく、臭素原子であることがより好ましい。
【0046】
一般式(5)において、Z12は、ハロゲン原子を表す。Z12は、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子であることが好ましく、塩素原子であることがより好ましい。
【0047】
上記反応においては、金属マグネシウム又は金属亜鉛を使用する。中でも金属マグネシウムを使用することが好ましい。
【0048】
化合物(4)と金属マグネシウム又は金属亜鉛と化合物(5)との反応は、溶媒の存在下に行うことが好ましい。上記溶媒としては、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチルテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、モノグライム、ジグライム、トリグライム、テトラグライム、1,4−ジオキサン等が挙げられる。
【0049】
上記反応は、−20〜100℃の温度で行うことができる。
【0050】
上記反応のその他の条件は、有機金属試薬を発生させて用いる公知の反応条件に基づき適宜設定することができる。
【0051】
化合物(3)は、カラムクロマトグラフィー、再結晶等により分離精製することができる。
【0052】
上記化合物(4)のうち、Rf11が−(CFCF(nは、0以上の整数を表す。)、又は、−(CH(CFCF(nは、0以上の整数を表す。)であり、かつY11が硫黄原子であるものは、新規化合物である。
【0053】
化合物(4)は、具体的な構造に応じて、公知の反応を組み合わせて製造することができる。以下に、いくつかの例を示す。
【0054】
(Y11が硫黄原子、Rf11がフッ素原子を有していてもよいアルキル基、aが1である化合物)
下記一般式(A−1):
【化8】
(式中、Z11は、上記定義と同じ。)で表される化合物(A−1)と、二硫化炭素(CS)等とを反応させることにより、下記一般式(A−2):
【化9】
(式中、Z11は、上記定義と同じ。)で表される化合物(A−2)を得る工程(A−1)、及び、化合物(A−2)と、一般式(a):Z13−Rf11(式中、Z13は、ハロゲン原子を表す。Rf11は、フッ素原子を有していてもよいアルキル基を表す。)で表される化合物(a)とを塩基性条件下で反応させることにより、下記一般式(A−3):
【化10】
(式中、Z11は、上記定義と同じ。Rf11は、フッ素原子を有していてもよいアルキル基を表す。)で表される化合物(A−3)を得る工程(A−2)、を含む方法により製造することができる。
【0055】
一般式(a)において、Z13は、ハロゲン原子を表す。Z13は、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子であることが好ましく、ヨウ素原子であることがより好ましい。
【0056】
工程(A−1)の反応は、例えば、特開2000−7649号公報に記載される条件下で行うことができる。
【0057】
工程(A−2)の反応は、例えば、J. Mater. Chem. 6, 711−717(1996)に記載される条件下で行うことができる。
【0058】
(Y11が硫黄原子、Rf11がフッ素原子を有していてもよいアルキル基、aが2である化合物)
下記一般式(B−1):
【化11】
(式中、Z21は、同一又は異なり、ハロゲン原子を表す。)で表される化合物(B−1)と、i−PrSH((CHCHSH)と、金属ナトリウムとを反応させることにより、下記一般式(B−2):
【化12】
で表される化合物(B−2)を得る工程(B−1)、化合物(B−2)と、一般式(a):Z13−Rf11(式中、Z13は、ハロゲン原子を表す。Rf11は、フッ素原子を有していてもよいアルキル基を表す。)で表される化合物(a)とを塩基性条件下で反応させることにより、下記一般式(B−3):
【化13】
(式中、Rf11は、フッ素原子を有していてもよいアルキル基を表す。)で表される化合物(B−3)を得る工程(B−2)、及び、化合物(B−3)と、一般式(b):Z11(式中、Z11は、上記定義と同じ。)で表される化合物(b)とを反応させることにより、下記一般式(B−4):
【化14】
(式中、Z11は、上記定義と同じ。Rf11は、フッ素原子を有していてもよいアルキル基を表す。)で表される化合物(B−4)を得る工程(B−3)、を含む方法により製造することができる。
【0059】
一般式(B−1)において、Z21は、同一又は異なり、ハロゲン原子を表す。Z21は、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子であることが好ましく、臭素原子であることがより好ましい。
【0060】
工程(B−1)の反応は、例えば、Eur. J. Inorg. Chem. 35, 5328−5334(2009)に記載される条件下で行うことができる。
【0061】
工程(B−2)の反応は、例えば、J. Mater. Chem. 6, 711−717(1996)に記載される条件下で行うことができる。
【0062】
工程(B−3)の反応は、例えば、J. Phys. Chem. 117, 4442−4448(2013)に記載される条件下で行うことができる。
【0063】
上記化合物(B−3)のうち、Rf11が−(CFn+1CF(nは、0以上の整数を表す。)、又は、−(CH(CFCF(nは、0以上の整数を表す。)であるものは、新規化合物である。
【0064】
本発明は、含フッ素ポリマー、及び、上述した本発明のポリマーを含む組成物でもある。本発明の組成物は、含フッ素ポリマーと上記ポリマーとの親和性が高く、かつ機械的特性・耐酸素プラズマ性にも優れる。
【0065】
上記含フッ素ポリマーとしては、シール性、耐薬品性及び耐熱性が優れることから、含フッ素エラストマーが好ましい。
上記含フッ素エラストマーとしては、部分フッ素化エラストマーであってもよいし、パーフルオロエラストマーであってもよいが、耐薬品性、耐熱性が更に優れている点よりパーフルオロエラストマーを用いることが好ましい。
【0066】
部分フッ素化エラストマーとしては、ビニリデンフルオライド(VdF)系フッ素ゴム、テトラフルオロエチレン(TFE)/プロピレン(Pr)系フッ素ゴム、テトラフルオロエチレン(TFE)/プロピレン/ビニリデンフルオライド(VdF)系フッ素ゴム、エチレン/ヘキサフルオロプロピレン(HFP)系フッ素ゴム、エチレン/ヘキサフルオロプロピレン(HFP)/ビニリデンフルオライド(VdF)系フッ素ゴム、エチレン/ヘキサフルオロプロピレン(HFP)/テトラフルオロエチレン(TFE)系フッ素ゴム等が挙げられる。なかでも、ビニリデンフルオライド系フッ素ゴム及びテトラフルオロエチレン/プロピレン系フッ素ゴムからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
【0067】
上記ビニリデンフルオライド系フッ素ゴムは、ビニリデンフルオライド45〜85モル%と、ビニリデンフルオライドと共重合可能な少なくとも1種の他のモノマー55〜15モル%とからなる共重合体であることが好ましい。好ましくは、ビニリデンフルオライド50〜80モル%と、ビニリデンフルオライドと共重合可能な少なくとも1種の他のモノマー50〜20モル%とからなる共重合体である。
【0068】
本明細書において、フルオロポリマーを構成する各モノマーの含有量は、NMR、FT−IR、元素分析、蛍光X線分析をモノマーの種類によって適宜組み合わせることで算出できる。
【0069】
上記ビニリデンフルオライドと共重合可能な少なくとも1種の他のモノマーとしては、テトラフルオロエチレン〔TFE〕、へキサフルオロプロピレン〔HFP〕、フルオロアルキルビニルエーテル、クロロトリフルオロエチレン〔CTFE〕、トリフルオロエチレン、トリフルオロプロピレン、ペンタフルオロプロピレン、トリフルオロブテン、テトラフルオロイソブテン、ヘキサフルオロイソブテン、フッ化ビニル、一般式(6):CH=CFRf61(式中、Rf61は炭素数1〜12の直鎖又は分岐したフルオロアルキル基)で表されるフルオロモノマー、一般式(7):CH=CH−(CF−X(式中、XはH又はFであり、nは3〜10の整数である。)で表されるフルオロモノマー、架橋部位を与えるモノマー等のモノマー;エチレン、プロピレン、アルキルビニルエーテル等の非フッ素化モノマーが挙げられる。これらをそれぞれ単独で、又は、任意に組み合わせて用いることができる。これらのなかでも、TFE、HFP、フルオロアルキルビニルエーテル及びCTFEからなる群より選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。
フルオロアルキルビニルエーテルとしては、
一般式(8):CF=CF−ORf81
(式中、Rf81は、炭素数1〜8のパーフルオロアルキル基を表す。)で表されるフルオロモノマー、
一般式(10):CF=CFOCFORf101
(式中、Rf101は炭素数1〜6の直鎖又は分岐状パーフルオロアルキル基、炭素数5〜6の環式パーフルオロアルキル基、1〜3個の酸素原子を含む炭素数2〜6の直鎖又は分岐状パーフルオロオキシアルキル基である)で表されるフルオロモノマー、及び、
一般式(11):CF=CFO(CFCF(Y111)O)(CF
(式中、Y111はフッ素原子又はトリフルオロメチル基を表す。mは1〜4の整数である。nは1〜4の整数である。)で表されるフルオロモノマー
からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、
一般式(8)で表されるフルオロモノマーがより好ましい。
【0070】
ビニリデンフルオライド系フッ素ゴムの具体例としては、VdF/HFP系ゴム、VdF/HFP/TFE系ゴム、VdF/CTFE系ゴム、VdF/CTFE/TFE系ゴム、VdF/一般式(6)で表されるフルオロモノマー系ゴム、VdF/一般式(6)で表されるフルオロモノマー/TFE系ゴム、VdF/パーフルオロ(メチルビニルエーテル)〔PMVE〕系ゴム、VdF/PMVE/TFE系ゴム、VdF/PMVE/TFE/HFP系ゴム等が挙げられる。VdF/一般式(6)で表されるフルオロモノマー系ゴムとしては、VdF/CH=CFCF系ゴムが好ましく、VdF/一般式(6)で表されるフルオロモノマー/TFE系ゴムとしては、VdF/TFE/CH=CFCF系ゴムが好ましい。
【0071】
上記VdF/CH=CFCF系ゴムは、VdF40〜99.5モル%、及び、CH=CFCF0.5〜60モル%からなる共重合体であることが好ましく、VdF50〜85モル%、及び、CH=CFCF15〜50モル%からなる共重合体であることがより好ましい。
【0072】
上記テトラフルオロエチレン/プロピレン系フッ素ゴムは、テトラフルオロエチレン45〜70モル%、プロピレン55〜30モル%、及び、架橋部位を与えるフルオロモノマー0〜5モル%からなる共重合体であることが好ましい。
【0073】
上記含フッ素エラストマーは、パーフルオロエラストマーであってもよい。上記パーフルオロエラストマーとしては、TFEを含むパーフルオロエラストマー、例えばTFE/一般式(8)、(10)又は(11)で表されるフルオロモノマー共重合体及びTFE/一般式(8)、(10)又は(11)で表されるフルオロモノマー/架橋部位を与えるモノマー共重合体からなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。その組成は、TFEが全モノマーの45モル%以上であることが好ましい。上限は90モル%が好ましい。
また、その組成は、TFE/PMVE共重合体の場合、好ましくは、45〜90/10〜55(モル%)であり、より好ましくは、55〜80/20〜45であり、更に好ましくは、55〜70/30〜45である。
TFE/PMVE/架橋部位を与えるモノマー共重合体の場合、好ましくは、45〜89.9/10〜54.9/0.01〜4(モル%)であり、より好ましくは、55〜77.9/20〜49.9/0.1〜3.5であり、更に好ましくは、55〜69.8/30〜44.8/0.2〜3である。
TFE/炭素数が4〜12の一般式(8)、(10)又は(11)で表されるフルオロモノマー共重合体の場合、好ましくは、50〜90/10〜50(モル%)であり、より好ましくは、60〜88/12〜40であり、更に好ましくは、65〜85/15〜35である。
TFE/炭素数が4〜12の一般式(8)、(10)又は(11)で表されるフルオロモノマー/架橋部位を与えるモノマー共重合体の場合、好ましくは、50〜89.9/10〜49.9/0.01〜4(モル%)であり、より好ましくは、60〜87.9/12〜39.9/0.1〜3.5であり、更に好ましくは、65〜84.8/15〜34.8/0.2〜3である。
これらの組成の範囲を外れると、ゴム弾性体としての性質が失われ、樹脂に近い性質となる傾向がある。
なお、上記TFEを含むパーフルオロエラストマーにおいて、架橋部位を与えるモノマーはパーフルオロモノマーでなくてもよい。
【0074】
上記パーフルオロエラストマーとしては、TFE/一般式(11)で表されるフルオロモノマー/架橋部位を与えるフルオロモノマー共重合体、TFE/一般式(11)で表されるパーフルオロビニルエーテル共重合体、TFE/一般式(8)で表されるフルオロモノマー共重合体、及び、TFE/一般式(8)で表されるフルオロモノマー/架橋部位を与えるモノマー共重合体からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
【0075】
上記パーフルオロエラストマーとしては、国際公開第97/24381号、特公昭61−57324号公報、特公平4−81608号公報、特公平5−13961号公報等に記載されているパーフルオロエラストマーも挙げることができる。
【0076】
架橋部位を与えるモノマーとは、架橋剤により架橋を形成するための架橋部位をフルオロポリマーに与える架橋性基を有するモノマー(キュアサイトモノマー)である。
【0077】
架橋部位を与えるモノマーとしては、
一般式(12):CX=CX−R121CHR121
(式中、Xは、水素原子、フッ素原子又はCH、R121は、フルオロアルキレン基、パーフルオロアルキレン基、フルオロ(ポリ)オキシアルキレン基又はパーフルオロ(ポリ)オキシアルキレン基、R121は、水素原子又はCH、Xは、ヨウ素原子又は臭素原子である)で表されるフルオロモノマー、
一般式(13):CX=CX−R131
(式中、Xは、水素原子、フッ素原子又はCH、R131は、フルオロアルキレン基、パーフルオロアルキレン基、フルオロポリオキシアルキレン基又はパーフルオロポリオキシアルキレン基、Xは、ヨウ素原子又は臭素原子である)で表されるフルオロモノマー、
一般式(14):CF=CFO(CFCF(CF)O)(CF−X
(式中、mは0〜5の整数、nは1〜3の整数、Xは、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、ヨウ素原子、臭素原子、又は、−CHIである)で表されるフルオロモノマー、及び、
一般式(15):CH=CFCFO(CF(CF)CFO)(CF(CF))−X
(式中、mは0〜5の整数、nは1〜3の整数、Xは、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、ヨウ素原子、臭素原子、又は−CHOHである)で表されるフルオロモノマー、及び、
一般式(16):CR162163=CR164−Z−CR165=CR166167
(式中、R162、R163、R164、R165、R166及びR167、は、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である。Zは、直鎖又は分岐状で酸素原子を有していてもよい、炭素数1〜18のアルキレン基、炭素数3〜18のシクロアルキレン基、少なくとも部分的にフッ素化している炭素数1〜10のアルキレン基若しくはオキシアルキレン基、又は、
−(Q)−CFO−(CFCFO)(CFO)−CF−(Q)
(式中、Qはアルキレン基またはオキシアルキレン基である。pは0または1である。m/nが0.2〜5である。)で表され、分子量が500〜10000である(パー)フルオロポリオキシアルキレン基である。)で表されるモノマーからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
【0078】
は、フッ素原子であることが好ましい。Rf121及びRf131は炭素数が1〜5のパーフルオロアルキレン基であることが好ましい。R121は、水素原子であることが好ましい。Xは、シアノ基、アルコキシカルボニル基、ヨウ素原子、臭素原子、又は、−CHIであることが好ましい。Xは、シアノ基、アルコキシカルボニル基、ヨウ素原子、臭素原子、又は−CHOHであることが好ましい。
【0079】
架橋部位を与えるモノマーとしては、CF=CFOCFCF(CF)OCFCFCN、CF=CFOCFCF(CF)OCFCFCOOH、CF=CFOCFCF(CF)OCFCFCHI、CF=CFOCFCFCHI、CH=CFCFOCF(CF)CFOCF(CF)CN、CH=CFCFOCF(CF)CFOCF(CF)COOH、CH=CFCFOCF(CF)CFOCF(CF)CHOH、CH=CHCFCFI、CH=CH(CFCH=CH、CH=CH(CFCH=CH、及び、CF=CFO(CFCNからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、CF=CFOCFCF(CF)OCFCFCNがより好ましい。
【0080】
上記含フッ素ポリマーはシアノ基を有することが好ましい。含フッ素ポリマーがシアノ基を有することによって、上記本発明のポリマーが架橋剤として好適に作用し、更に、耐熱性に優れる成形品を得ることができる。
上記シアノ基は、上述した架橋部位を与えるモノマーによって含フッ素ポリマーに導入することができる。また、他の方法としては、国際公開第00/05959号に記載の方法によって導入することもできる。
上記シアノ基を有する含フッ素ポリマーは、架橋部位を与えるモノマーを全単量体単位に対して0.1〜5.0モル%含むことが好ましく、0.2〜2.0モル%含むことがより好ましい。この場合、架橋部位を与えるモノマーはシアノ基を有する単量体であることが好ましい。
【0081】
上記含フッ素エラストマーは、高温における圧縮永久歪特性に優れる点から、ガラス転移温度が−70℃以上であることが好ましく、−60℃以上であることがより好ましく、−50℃以上であることが更に好ましい。また、耐寒性が良好であるという点から、5℃以下であることが好ましく、0℃以下であることがより好ましく、−3℃以下であることが更に好ましい。
【0082】
上記ガラス転移温度は、示差走査熱量計を用い、試料10mgを10℃/minで昇温することによりDSC曲線を得て、DSC曲線の二次転移前後のベースラインの延長線と、DSC曲線の変曲点における接線との2つの交点の中点を示す温度として求めることができる。
【0083】
上記含フッ素エラストマーは、耐熱性が良好な点で、170℃におけるムーニー粘度ML(1+20)が30以上であることが好ましく、40以上であることがより好ましく、50以上であることが更に好ましい。また、加工性が良好な点で、150以下であることが好ましく、120以下であることがより好ましく、110以下であることが更に好ましい。
【0084】
上記含フッ素エラストマーは、耐熱性が良好な点で、140℃におけるムーニー粘度ML(1+20)が30以上であることが好ましく、40以上であることがより好ましく、50以上であることが更に好ましい。また、加工性が良好な点で、180以下であることが好ましく、150以下であることがより好ましく、110以下であることが更に好ましい。
【0085】
上記含フッ素エラストマーは、耐熱性が良好な点で、100℃におけるムーニー粘度ML(1+10)が10以上であることが好ましく、20以上であることがより好ましく、30以上であることが更に好ましい。また、加工性が良好な点で、120以下であることが好ましく、100以下であることがより好ましく、80以下であることが更に好ましい。
【0086】
上記ムーニー粘度は、ALPHA TECHNOLOGIES社製 ムーニー粘度計MV2000E型を用いて、170℃又は140℃、100℃において、JIS K6300に従い測定することができる。
【0087】
上述した部分フッ素化エラストマー及びパーフルオロエラストマーは、常法により製造することができるが、得られる重合体は分子量分布が狭く、分子量の制御が容易である点、末端にヨウ素原子又は臭素原子を導入することができる点から、連鎖移動剤としてヨウ素化合物又は臭素化合物を使用することもできる。ヨウ素化合物又は臭素化合物を使用して行う重合方法としては、例えば、実質的に無酸素状態で、ヨウ素化合物又は臭素化合物の存在下に、加圧しながら水媒体中で乳化重合を行う方法が挙げられる(ヨウ素移動重合法)。使用するヨウ素化合物又は臭素化合物の代表例としては、例えば、一般式:
13Br
(式中、x及びyはそれぞれ0〜2の整数であり、かつ1≦x+y≦2を満たすものであり、R13は炭素数1〜16の飽和若しくは不飽和のフルオロ炭化水素基又はクロロフルオロ炭化水素基、又は炭素数1〜3の炭化水素基であり、酸素原子を含んでいてもよい)で表される化合物が挙げられる。ヨウ素化合物又は臭素化合物を使用することによって、ヨウ素原子又は臭素原子が重合体に導入され、架橋点としても機能する場合がある。
【0088】
ヨウ素化合物及び臭素化合物としては、例えば1,3−ジヨードパーフルオロプロパン、2−ヨードパーフルオロプロパン、1,3−ジヨード−2−クロロパーフルオロプロパン、1,4−ジヨードパーフルオロブタン、1,5−ジヨード−2,4−ジクロロパーフルオロペンタン、1,6−ジヨードパーフルオロヘキサン、1,8−ジヨードパーフルオロオクタン、1,12−ジヨードパーフルオロドデカン、1,16−ジヨードパーフルオロヘキサデカン、ジヨードメタン、1,2−ジヨードエタン、1,3−ジヨード−n−プロパン、CFBr、BrCFCFBr、CFCFBrCFBr、CFClBr、BrCFCFClBr、CFBrClCFClBr、BrCFCFCFBr、BrCFCFBrOCF、1−ブロモ−2−ヨードパーフルオロエタン、1−ブロモ−3−ヨードパーフルオロプロパン、1−ブロモ−4−ヨードパーフルオロブタン、2−ブロモ−3−ヨードパーフルオロブタン、3−ブロモ−4−ヨードパーフルオロブテン−1、2−ブロモ−4−ヨードパーフルオロブテン−1、ベンゼンのモノヨードモノブロモ置換体、ジヨードモノブロモ置換体、並びに(2−ヨードエチル)及び(2−ブロモエチル)置換体等が挙げられ、これらの化合物は、単独で使用してもよく、相互に組み合わせて使用することもできる。
【0089】
これらのなかでも、重合反応性、架橋反応性、入手容易性等の点から、1,4−ジヨードパーフルオロブタン、1,6−ジヨードパーフルオロヘキサン、2−ヨードパーフルオロプロパンを用いるのが好ましい。
【0090】
上記組成物は、上記含フッ素ポリマー100質量部に対して0.5〜100質量部の上記本発明のポリマーを含むことが好ましい。より好ましくは5〜50質量部であり、更に好ましくは5〜25質量部である。本発明のポリマーが少なすぎると補強性、耐酸素プラズマ性に乏しく、本発明のポリマーが多すぎると硬くてシール性が低下するおそれがある。
【0091】
上記組成物は、更に一般的な架橋剤を含んでもよい。上記架橋剤としては、パーオキサイド架橋、ポリオール架橋、ポリアミン架橋、トリアジン架橋、オキサゾール架橋、イミダゾール架橋、及び、チアゾール架橋において用いる架橋剤が挙げられる。
【0092】
パーオキサイド架橋において用いる架橋剤は、熱や酸化還元系の存在下で容易にパーオキシラジカルを発生し得る有機過酸化物であればよく、具体的には、例えば1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、α,α−ビス(t−ブチルパーオキシ)−p−ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−ヘキシン−3、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン等を挙げることができる。一般に活性−O−O−の量、分解温度等を考慮して有機過酸化物の種類並びに使用量が選ばれる。
【0093】
また、この場合に用いることのできる架橋助剤としては、パーオキシラジカルとポリマーラジカルに対して反応活性を有する化合物であればよく、例えばCH=CH−、CH=CHCH−、CF=CF−等の官能基を有する多官能性化合物が挙げられる。具体的には、例えばトリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)、トリアクリルホルマール、トリアリルトリメリテート、N,N’−n−フェニレンビスマレイミド、ジプロパギルテレフタレート、ジアリルフタレート、テトラアリルテレフタレートアミド、トリアリルホスフェート、ビスマレイミド、フッ素化トリアリルイソシアヌレート(1,3,5−トリス(2,3,3−トリフルオロ−2−プロペニル)−1,3,5−トリアジン2,4,6−トリオン)、トリス(ジアリルアミン)−S−トリアジン、亜リン酸トリアリル、N,N−ジアリルアクリルアミド、1,6−ジビニルドデカフルオロヘキサン等が挙げられる。
【0094】
ポリオール架橋に用いる架橋剤としては、ビスフェノールA、ビスフェノールAF等の多価アルコール化合物が挙げられる。
【0095】
ポリアミン架橋に用いる架橋剤としては、ヘキサメチレンジアミンカルバメート、N,N’−ジシンナミリデン−1,6−ヘキサンジアミン、4,4’−ビス(アミノシクロヘキシル)メタンカルバメート等の多価アミン化合物が挙げられる。
【0096】
トリアジン架橋に用いる架橋剤としては、テトラフェニルスズ、トリフェニルスズ等の有機スズ化合物が挙げられる。
【0097】
オキサゾール架橋、イミダゾール架橋、チアゾール架橋に使用する架橋剤としては、例えば一般式(20):
【0098】
【化15】
【0099】
(式中、Rは−SO−、−O−、−CO−、炭素数1〜6のアルキレン基、炭素数1〜10のパーフルオロアルキレン基又は単結合手又は、
【0100】
【化16】
【0101】
で示される基であり、R及びRは一方が−NHであり他方が−NHR、−NH、−OH又は−SHであり、Rは水素原子、フッ素原子又は一価の有機基であり、好ましくはRが−NHでありRが−NHRである。炭素数1〜6のアルキレン基の好ましい具体例としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基等を挙げることができ、炭素数1〜10のパーフルオロアルキレン基としては、
【0102】
【化17】
【0103】
等が挙げられる。なお、これらの化合物は、特公平2−59177号公報、特開平8−120146号公報等で、ビスジアミノフェニル化合物の例示として知られているものである)で示されるビスジアミノフェニル系架橋剤、ビスアミノフェノール系架橋剤、ビスアミノチオフェノール系架橋剤、一般式(21):
【0104】
【化18】
【0105】
で示されるビスアミドラゾン系架橋剤、一般式(22):
【0106】
【化19】
【0107】
(式中、Rは炭素数1〜10のパーフルオロアルキレン基である)、
又は一般式(23):
【0108】
【化20】
【0109】
(式中、nは1〜10の整数である)で示されるビスアミドオキシム系架橋剤等が挙げられる。これらのビスアミノフェノール系架橋剤、ビスアミノチオフェノール系架橋剤又はビスジアミノフェニル系架橋剤等は従来シアノ基を架橋点とする架橋系に使用していたものであるが、カルボキシル基及びアルコキシカルボニル基とも反応し、オキサゾール環、チアゾール環、イミダゾール環を形成し、架橋物を与える。
【0110】
特に好ましい架橋剤としては、複数個の3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル基、又は3−アミノ−4−メルカプトフェニル基を有する化合物、若しくは一般式(24):
【0111】
【化21】
【0112】
(式中、R、R、R、は前記と同じである)で示される化合物が挙げられ、具体的には、例えば2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン(一般名:ビス(アミノフェノール)AF)、2,2−ビス(3−アミノ−4−メルカプトフェニル)ヘキサフルオロプロパン、テトラアミノベンゼン、ビス−3,4−ジアミノフェニルメタン、ビス−3,4−ジアミノフェニルエーテル、2,2−ビス(3,4−ジアミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[3−アミノ−4−(N−フェニルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[3−アミノ−4−(N−メチルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[3−アミノ−4−(N−エチルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[3−アミノ−4−(N−プロピルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[3−アミノ−4−(N−パーフルオロフェニルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[3−アミノ−4−(N−ベンジルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン等である。
【0113】
これらの中でも、架橋剤としては耐熱性、耐スチーム性、耐アミン性、良好な架橋性の点から、2,2−ビス[3−アミノ−4−(N−フェニルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパンが好ましい。
【0114】
上記一般的な架橋剤は、含フッ素ポリマー100質量部に対して、0.05〜10質量部であることが好ましく、0.5〜5質量部であることがより好ましい。
【0115】
上記組成物は、一般的な充填剤を含有してもよい。
【0116】
上記一般的な充填剤としては、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド等のイミド構造を有するイミド系フィラー;ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリオキシベンゾエート等のエンジニアリングプラスチック製の有機フィラー(化合物(1)は除く)、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化イットリウム等の金属酸化物フィラー、炭化ケイ素、炭化アルミニウム等の金属炭化物、窒化ケイ素、窒化アルミニウム等の金属窒化物フィラー、フッ化アルミニウム、フッ化カーボン等の無機フィラーが挙げられる。
【0117】
これらの中でも、各種プラズマの遮蔽効果の点から、酸化アルミニウム、酸化イットリウム、酸化ケイ素、ポリイミド、フッ化カーボンが好ましい。
【0118】
また、上記無機フィラー、有機フィラーを単独で、又は2種以上を組み合わせて配合してもよい。
【0119】
上記一般的な充填剤の配合量は、含フッ素ポリマー100質量部に対して、好ましくは0.5〜100質量部、より好ましくは5〜50質量部である。ただし、無機フィラーは、半導体製造用途においてプロセスエラーを引き起こす異物となり得ることから、少量であることが好ましい。上記組成物は、無機フィラーを含まないことがより好ましい。
【0120】
特に高純度かつ非汚染性が要求されない分野では、必要に応じて含フッ素ポリマー組成物に配合される通常の添加物、例えば充填剤、加工助剤、可塑剤、着色剤等を配合することができ、前記のものとは異なる常用の架橋剤や架橋助剤を1種又はそれ以上配合してもよい。
【0121】
上記組成物は、上記の各成分を、通常のポリマー用加工機械、例えば、オープンロール、バンバリーミキサー、ニーダー等を用いて混合することにより調製することができる。この他、密閉式混合機を用いる方法によっても調製することができる。上記組成物は、成形して成形品を得るための成形材料として好適に使用でき、また、架橋成形して成形品を得るための成形材料としても好適に使用できる。
【0122】
上記組成物を成形材料として予備成形体を得る方法は通常の方法でよく、金型にて加熱圧縮する方法、加熱された金型に圧入する方法、押出機で押出す方法等公知の方法で行なうことができる。ホースや電線等の押出製品の場合は押出後にスチーム等による加熱架橋を行なうことで、成形品を得ることができる。
【0123】
上記架橋条件としては、
【0124】
(標準架橋条件)
混練方法 :ロール練り
プレス架橋 :180℃で30分間
オーブン架橋:290℃で18時間
であり、特に断らない限りは、この条件で架橋する。
【0125】
本発明はまた、上記組成物から得られる成形品でもある。
本発明の成形品は、上述した本発明のポリマーを含むため、機械的特性に優れる。更に、耐酸素プラズマ性にも優れる。
そのため、本発明の成形品は、シール材として好適に使用できる。特に機械的特性・耐酸素プラズマ性が要求される半導体製造装置、特に半導体製造装置のシール材として好適に使用できる。上記シール材としては、O−リング、角−リング、ガスケット、パッキン、オイルシール、ベアリングシール、リップシール等が挙げられる。
そのほか、半導体製造装置に使用される各種のポリマー製品、例えばダイヤフラム、チューブ、ホース、各種ゴムロール、ベルト等としても使用できる。また、コーティング用材料、ライニング用材料としても使用できる。
【0126】
なお、本発明でいう半導体製造装置は、特に半導体を製造するための装置に限られるものではなく、広く、液晶パネルやプラズマパネルを製造するための装置等、高度なクリーン度が要求される半導体分野において用いられる製造装置全般を含むものであり、例えば次のようなものを挙げることができる。
【0127】
(1)エッチング装置
ドライエッチング装置
プラズマエッチング装置
反応性イオンエッチング装置
反応性イオンビームエッチング装置
スパッタエッチング装置
イオンビームエッチング装置
ウェットエッチング装置
アッシング装置
(2)洗浄装置
乾式エッチング洗浄装置
UV/O洗浄装置
イオンビーム洗浄装置
レーザービーム洗浄装置
プラズマ洗浄装置
ガスエッチング洗浄装置
抽出洗浄装置
ソックスレー抽出洗浄装置
高温高圧抽出洗浄装置
マイクロウェーブ抽出洗浄装置
超臨界抽出洗浄装置
(3)露光装置
ステッパー
コータ・デベロッパー
(4)研磨装置
CMP装置
(5)成膜装置
CVD装置
スパッタリング装置
(6)拡散・イオン注入装置
酸化拡散装置
イオン注入装置
【0128】
本発明の成形品は、例えば、CVD装置、プラズマエッチング装置、反応性イオンエッチング装置、アッシング装置又はエキシマレーザー露光機のシール材として優れた性能を発揮する。
【実施例】
【0129】
次に本発明を実施例を挙げて説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
【0130】
合成例1
不活性ガス雰囲気下、反応容器に水酸化ナトリウム0.312g、純水1.00mL、DMF2.50mLを加え撹拌した。3,5−Dibromobenzenethiol(1)1.39gと蒸留DMF7.10mLの混合溶液をゆっくりと滴下した。滴下終了後、室温下で1時間撹拌した。パーフルオロヘキシルヨージド1.68mLと蒸留DMF2.20mLの混合溶液を滴下し、室温下で16時間撹拌した。
反応終了後、ジエチルエーテルで抽出し、純水で洗浄を行った。無水硫酸マグネシウムで脱水を行った後にろ過し、減圧下で溶媒を留去した。各種精製操作により単離し、無色透明液体の3,5−Dibromo−1−perfluorohexylsulfanyl benzene(2a)を得た。収量は2.45g、収率は80.5%であった。
【0131】
3,5−Dibromo−1−perfluorohexylsulfanyl benzene(2a)の構造確認はH−NMR、19F−NMR、FT−IRで行った。
H−NMR(400MHz,TMS in CDCl):δ7.76(s,2H,phenyl protons),7.82(s,1H,phenyl proton)
19F−NMR(400MHz,Benzotrifluoride in CDCl):δ−81.7(t,J=2.50Hz,3F,−CF),−87.0(m,2F,−S−CF−),−120.0(m,2F,−CF−),−122.3(m,2F,−CF−),−123.7(m,2F,−CF−),−127.0(m,2F,−CF−)
FT−IR:2550cm−1の−SHによる吸収バンドが消失していることを確認した。
【0132】
合成例2
不活性ガス雰囲気下、反応容器にマグネシウム0.451g(18.8mmol)、クロロジメチルシラン1.81g、THF3.90mL、ヨウ素を1粒加え撹拌した。3,5−Dibromo−1−perfluorohexylsulfanyl benzene(2a)1.83gとTHF3.90mLの混合溶液を滴下し、80℃で12時間還流させた。
反応終了後、希塩酸水に注ぎ込み反応を停止させた。各種精製操作により単離し、無色透明液体の3,5−Dimethylsilyl−1−perfluorohexylsulfanyl benzene(3a)を得た。収量は0.779g、収率は45.8%であった。
【0133】
3,5−Dimethylsilyl−1−perfluorohexylsulfanyl benzene(3a)の構造確認はH−NMR、19F−NMR、FT−IRで行った。
H−NMR(400MHz,TMS in CDCl):δ0.38(m,12H,dimethyl silyl protons),4.45(m,2H,silyl protons),7.78(s,3H,phenyl protons)
19F−NMR(400MHz,Benzotrifluoride in CDCl):δ−81.7(t,J=2.50Hz,3F,−CF),−87.5(m,2F,−S−CF−),−120.2(m,2F,−CF−),−122.3(m,2F,−CF−),−123.7(m,2F,−CF−),−127.1(m,2F,−CF−)
FT−IR:1250cm−1と2140cm−1にジメチルシリル基に起因する吸収バンドを確認した。
【0134】
合成例3
反応容器にTHF1.10mL、HO0.0711mL、5%Pd/C0.0360gを加え撹拌した。3,5−Dimethylsilyl−1−perfluorohexylsulfanyl benzene(3a)0.359gとTHF1.10mLの混合溶液を滴下し、室温下で4時間撹拌した。
反応混合物に対して各種精製操作を行い、白色結晶の3,5−Dimethylhydroxysilyl−1−perfluorohexylsulfanyl benzene(M1a)を得た。収量は0.254g、収率は66.9%であった。
【0135】
3,5−Dimethylhydroxysilyl−1−perfluorohexylsulfanyl benzene(M1a)の構造確認はH−NMR、19F−NMR、FT−IRで行った。
H−NMR(400MHz,TMS in CDCl):δ0.43(s,12H,dimethyl silyl protons),2.21(s,2H,hydroxyl protons),7.85(s,2H,phenyl protons),7.93(s,1H,phenyl proton)
19F−NMR(400MHz,Benzotrifluoride in CDCl):δ−81.7(t,J=2.55Hz,3F,−CF),−87.4(m,2F,−S−CF−),−120.1(m,2F,−CF−),−122.3(m,2F,−CF−),−123.7(m,2F,−CF−),−127.1(m,2F,−CF−)
FT−IR:2140cm−1のジメチルシリル基に起因する吸収バンドの消失、及び、3300cm−1の水酸基の吸収バンドを確認した。
【0136】
合成例4
反応容器に3,5−Dimethylhydroxysilyl−1−perfluorohexylsulfanyl benzene(M1a)2.40g、ベンゼン8.30mLを加え撹拌した。1,1,3,3−テトラメチルグアニジニウム−2−エチルヘキサノエート(1,1,3,3−テトラメチルグアニジン:2−エチルヘキサン酸=1:1molでの混合物)をスパチュラ1杯加え100℃で24時間撹拌した。
反応溶液に対し各種精製操作を行い、淡黄色固体のPoly[5−(perfluorohexylsulfanyl)tetramethyl−1,3−silphenylenesiloxane](P1a)を得た。収量は1.34g、収率は55.8%であった。
【0137】
Poly[5−(perfluorohexylsulfanyl)tetramethyl−1,3−silphenylenesiloxane](P1a)の構造確認はH−NMR、19F−NMR、FT−IR、GPCで行った。
H−NMR(400MHz,TMS in CDCl):δ0.29(s,12H,dimethyl silyl protons),7.75(s,3H,phenyl protons)
19F−NMR(400MHz,Benzotrifluoride in CDCl):δ−82.1(t,J=2.55Hz,3F,−CF),−87.7(m,2F,−S−CF−),−120.4(m,2F,−CF−),−122.6(m,2F,−CF−),−124.0(m,2F,−CF−),−127.4(m,2F,−CF−)
FT−IR:3300cm−1の水酸基に起因する吸収バンドの消失、及び、1080cm−1のSi−O−Siの吸収バンドを確認した。
GPC:RI検出器ではポリマーが検出できなかったため、UV検出器を使用してGPCによる測定を行った。ポリマーの数平均分子量は、1.1×10であった。
【0138】
合成例5
反応容器に3,5−Dimethylhydroxysilyl−1−perfluorobutylethylsulfanyl benzene(M1b)2.36g、ベンゼン9.40mLを加え撹拌した。スパチュラ1杯の1,1,3,3−テトラメチルグアニジニウム−2−エチルヘキサノエート(1,1,3,3−テトラメチルグアニジン:2−エチルヘキサン酸=1:1molでの混合物)を加え、100℃で24時間撹拌した。
反応溶液に少量のクロロホルムを加え、メタノール中に注ぎ、再沈殿を3回行い、Poly(3,5−Dimethylhydroxysilyl−1−perfluorobutylethylsulfanyl benzene)(P1b)を赤褐色粘性液体として得た。収量は0.764g、収率は32.2%であった。
【0139】
Poly(3,5−Dimethylhydroxysilyl−1−perfluorobutylethylsulfanyl benzene)(P1b)の構造確認はH−NMR、19F−NMR、FT−IR、GPCで行った。
H−NMR(400MHz,TMS in CDCl):δ0.30(s,12H,dimethyl silyl protons),2.36(m,2H,ethyl protons),3.07(m,2H,ethyl protons),7.51(s,2H,phenyl protons),7.57(s,1H,phenyl proton)
19F−NMR(400MHz,Benzotrifluoride in CDCl):δ−82.2(t,J=2.90Hz,3F,−CF),−115.5(m,2F,−CF−),−125.4(m,2F,−CF−),−127.1(m,2F,−CH−CF−)
FT−IR:3300cm−1の水酸基に起因する吸収バンドの消失、及び、1080cm−1のSi−O−Siの吸収バンドを確認した。
GPC:ポリマーの数平均分子量は、8.9×10であった。
【0140】
合成例6
不活性ガス雰囲気下、反応容器にジメチルアセトアミド60.0mLと2−プロパンチオール10.2mLとナトリウム2.53gを入れ撹拌した。1,4−ブロモベンゼン4.80gを加え、100℃で16時間撹拌した。その後、ナトリウム4.37gを加え、100℃で20時間撹拌した。
反応終了後、純水250mLと塩酸25mLを加え反応停止を行った。反応混合物に対して各種精製操作を行い、淡黄色固体の1,4−Benzenedithiol(4)を得た。収量は1.58g、収率は55.5%であった。
【0141】
1,4−Benzenedithiol(4)の構造確認はH−NMR、13C−NMR、FT−IRで行った。
H−NMR(400MHz,TMS in CDCl):δ3.41(s,2H,thiol protons),7.16(s,4H,phenyl protons)
13C−NMR(100MHz,TMS in CDCl):δ128.1(phenyl carbon),130.5(phenyl carbon)
FT−IR:2550cm−1に−SHによる吸収バンドを確認した。
【0142】
合成例7
不活性ガス雰囲気下、反応容器に水酸化ナトリウム1.10g、純水2.00mL、DMF5.20mLを加え撹拌した。1,4−Benzenedithiol(4)1.57gとDMF16.0mLの混合溶液をゆっくりと滴下した。滴下終了後、室温下で1時間撹拌した。パーフルオロブチルエチルヨージド5.30mLとDMF4.30mLの混合溶液を滴下し、16時間撹拌した。
反応終了後、各種精製操作を行って目的物を単離し、1,4−Diperfluorobutylethylsulfanyl benzene(5b)を白色結晶として得た。収量は5.38g、収率は77.1%であった。
【0143】
1,4−Diperfluorobutylethylsulfanyl benzene(5b)の構造確認はH−NMR、19F−NMR、FT−IRで行った。
H−NMR(400MHz,TMS in CDCl):δ2.38(m,4H,ethyl protons),3.11(m,4H,ethyl protons),7.32(s,4H,phenyl protons)
19F−NMR(400MHz,Benzotrifluoride in CDCl):δ−82.0(t,J=6.15Hz,6F,−CF),−115.4(m,4F,−CH−CF−),−125.3(m,4F,−CF−),−127.0(m,4F,−CF−)
FT−IR:2550cm−1の−SHによる吸収バンドが消失していることを確認した。
【0144】
合成例8
不活性ガス雰囲気下、反応容器に1,4−Diperfluorobutylethylsulfanyl benzene(5b)3.79g、ジクロロメタン22.1mL、ヨウ素1粒を加え撹拌した。反応容器を遮光し、氷冷下で臭素6.49mLを滴下した。滴下終了後、室温で72時間撹拌した。
反応終了後、チオ硫酸ナトリウム水溶液に注ぎ込み反応を停止させた。反応混合物に対して各種精製操作を行って単離し、白色結晶の2,5−Dibromo−1,4−bis−perfluorobutylethylsulfanyl benzene(6b)を得た。収量は3.71g、収率は78.4%であった。
【0145】
2,5−Dibromo−1,4−bis−perfluorobutylethylsulfanyl benzene(6b)の構造確認はH−NMR、19F−NMRで行った。
H−NMR(400MHz,TMS in CDCl):δ2.45(m,4H,ethyl protons),3.15(m,4H,ethyl protons),7.46(s,2H,phenyl protons)
19F−NMR(400MHz,Benzotrifluoride in CDCl):δ−82.0(t,J=3.05Hz,6F,−CF),−115.2(m,4F,−CH−CF−),−125.2(m,4F,−CF−),−127.0(m,4F,−CF−)
【0146】
合成例9
不活性ガス雰囲気下、反応容器にマグネシウム0.355g、クロロジメチルシラン1.41g、THF3.30mL、ヨウ素1粒を加え撹拌した。2,5−Dibromo−1,4−bis−perfluorobutylethylsulfanyl benzene(6b)1.93gとTHF3.10mLの混合溶液を滴下し12時間還流させた。
反応終了後、希塩酸水に注ぎ込んだ。反応混合物に対して各種精製操作を行って単離し、白色固体の2,5−Dimethylsilyl−1,4−bis−perfluorobutylethylsulfanyl benzene(7b)を得た。収量は0.938g、収率は51.2%であった。
【0147】
2,5−Dimethylsilyl−1,4−bis−perfluorobutylethylsulfanyl benzene(7b)の構造確認はH−NMR、19F−NMR、FT−IRで行った。
H−NMR(400MHz,CDCl):δ0.41(s,12H,dimethyl silyl protons),2.39(m,4H,ethyl protons),3.12(m,4H,ethyl protons),4.54(m,2H,silyl protons),7.50(s,2H,phenyl protons)
19F−NMR(400MHz,Benzotrifluoride in CDCl):δ−82.0(t,J=3.10Hz,6F,−CF),−115.4(m,4F,−CH−CF−),−125.4(m,4F,−CF−),−127.1(m,4F,−CF−)
FT−IR:1250cm−1と2140cm−1にジメチルシリル基に起因する吸収バンドを確認した。
【0148】
合成例10
反応容器にTHF1.70mL、HO0.110mL、5%Pd/C0.100gを加え撹拌した。2,5−Dimethylsilyl−1,4−bis−perfluorobutylethylsulfanyl benzene(7b)0.767gとTHF1.70mLの混合溶液を滴下し、室温下で4時間撹拌した。
反応混合物に対して各種精製操作を行い、白色固体の2,5−Dimethylhydroxysilyl−1,4−bis−perfluorobutylethylsulfanyl benzene(M2b)を得た。収量は0.684g、収率は85.7%であった。
【0149】
2,5−Dimethylhydroxysilyl−1,4−bis−perfluorobutylethylsulfanyl benzene(M2b)の構造確認はH−NMR、19F−NMR、FT−IRで行った。
H−NMR(400MHz,CDCl):δ0.48(s,12H,dimethyl silyl protons),1.80(s,2H,hydroxyl protons),2.41(m,4H,ethyl protons),3.16(m,4H,ethyl protons),7.59(s,2H,phenyl protons)
19F−NMR(400MHz,Benzotrifluoride in CDCl):δ−82.0(t,J=3.10Hz,6F,−CF),−115.4(m,4F,−CH−CF−),−125.3(m,4F,−CF−),−127.0(m,4F,−CF−)
FT−IR:2140cm−1のジメチルシリル基(Si−(CHH)に起因する吸収バンドの消失、及び、3300cm−1の水酸基の吸収バンドを確認した。
【0150】
合成例11
反応容器に2,5−Dimethylhydroxysilyl−1,4−bis−perfluorobutylethylsulfanyl benzene(M2b)0.589g、ベンゼン2.50mLを加え撹拌した。1,1,3,3−テトラメチルグアニジニウム−2−エチルヘキサノエート(1,1,3,3−テトラメチルグアニジン:2−エチルヘキサン酸=1:1molでの混合物)をスパチュラ1杯加え24時間還流撹拌した。
反応溶液に対し各種精製操作を行い、白色固体のPoly[2,5−(perfluorobutylethylsulfanyl)tetramethyl−1,4−silphenylenesiloxane](P2b)を得た。収量は0.510g、収率は86.6%であった。
【0151】
Poly[2,5−(perfluorobutylethylsulfanyl)tetramethyl−1,4−silphenylenesiloxane](P2b)の構造確認はH−NMR、19F−NMR、FT−IR、GPCで行った。
H−NMR(400MHz,CDCl):δ0.46(s,12H,dimethyl silyl protons),2.28(m,4H,ethyl protons),3.02(m,4H,ethyl protons),7.66(s,2H,phenyl protons)
19F−NMR(400MHz,Benzotrifluoride in CDCl):δ−82.8(m,6F,−CF),−116.0(m,4F,−CF−),−125.9(m,4F,−CF−),−127.7(m,4F,−CH−CF−)
FT−IR:3300cm−1の水酸基に起因する吸収バンドの消失、及び、1080cm−1のSi−O−Siの吸収バンドを確認した。
GPC:ポリマーの数平均分子量は、2.1×10であった。
【0152】
合成例12
二口フラスコに蒸留THF 0.44mL、HO 0.284mL(1.580mmol)、5%Pd/C 0.0200gを加え撹拌した。2,5−Dimethlysilyl−1,4−bis−perfluorohexylethylsulfanyl benzene (7c)0.250g(0.263mmol)と蒸留THF 0.44mLの混合溶液を滴下し、室温下で4時間撹拌した。
セライトろ過で5%Pd/Cを取り除き、ろ液を減圧下で溶媒を留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:酢酸エチル:ヘキサン=1:5、Rf値=0.38)で単離した。へキサンで再結晶を行い、白色結晶(M2c)を得た。収量0.207g、収率は80%であった。
【0153】
2,5−Dimethlyhydroxysilyl−1,4−bis−perfluorohexylethylsulfanyl benzene (M2c)の構造確認はH−NMR、13C−NMR、19F−NMR、FT−IRで行った。
H−NMR(400MHz,CDCl):δ0.48 (s,12H,dimethyl silyl protons),2.41 (tt,J=8.45 Hz,26.1Hz,4H,ethyl protons),3.16 (m, 4H, ethyl protons),7.59(s,2H,phenyl protons)
13C−NMR(100MHz,CDCl):δ1.11 (dimethyl silyl carbons), 26.4 (ethyl carbons), 31.5 (ethyl carbons), 136.9 (phenyl carbons), 138.3 (phenyl carbons), 144.8 (phenyl carbons)
19F−NMR(376MHz,CDCl):δ−81.8 (tt, J= 1.1 Hz,10.1 Hz 6F,−CF),−115.2 (m, 4F, −CH−CF− ),−122.9 (s, 4F, −CF− ),−123.9 (s,4F,−CF−),−124.4 (d, J= 12.7 Hz, 4F, −CF−),−127.2 (m,4F,−CF−)
FT−IR:2140cm−1のジメチルシリル基(Si−(CHH)に起因する吸収バンドが消失し,3300cm−1に水酸基の吸収バンドを確認した。
【0154】
合成例13
ナス型フラスコに合成例12で得られた(M2c)を0.740g(0.753mmol)、ベンゼン2.5mLを加え撹拌した。1,1,3,3−テトラメチルグアニジニウム−2−エチルヘキサノエート(1,1,3,3−テトラメチルグアニジン:2−エチルヘキサン酸=1:1molでの混合物)をスパチュラ1杯加え24時間還流撹拌した。
反応終了後、メタノールによる洗浄を3回行い、Poly[2,5−(perfluorohexylethylsulfanyl)tetramethyl−1,4−silphenylenesiloxane](P2c)を回収した。
【0155】
実施例1
合成例13で得られたPoly[2,5−(perfluorohexylethylsulfanyl)tetramethyl−1,4−silphenylenesiloxane](P2c)を100℃、10分間プレスしてシートを作製し、さらにカッターナイフを用いて一辺5mmの角形サンプルを作製し、RF電極の中心部に配置した後、以下の条件下でプラズマ照射処理を行い、照射前後の重量を測定して単位面積あたりの重量減少を調べた。結果を表1に示す。
【0156】
プラズマ照射装置:
サムコ株式会社製高密度プラズマICPエッチング装置MODEL RIE−101iPH
【0157】
プラズマ照射条件:
ガス:酸素
ガス流量:16sccm
RF出力:400W
圧力:2.66Pa
エッチング時間:60分間
【0158】
重量測定:
ザルトリウス(Sartorius)・GMBH(株)製の電子分析天秤BP211Dを使用し、0.01mgまで重量を測定し0.01mgの桁を四捨五入する。
【0159】
比較例1
Cancarb社製カーボンブラックThermax N990を錠剤成型器により7mmφの錠剤を作製して被験サンプルとして用いたほかは実施例1と同様にしてプラズマ照射し、照射前後の重量を測定して単位面積あたりの重量減少を調べた。結果を表1に示す。
【0160】
【表1】
【0161】
実施例2
実施例1と同様にしてPoly[2,5−(perfluorohexylethylsulfanyl)tetramethyl−1,4−silphenylenesiloxane](P2c)の一辺5mmの角形サンプルを作製し、RF電極の中心部に配置した後、以下の条件下でプラズマ照射処理を行い、照射前後の重量を測定して単位面積あたりの重量減少を調べた。結果を表2に示す。
【0162】
プラズマ照射条件:
ガス:CF
ガス流量:16sccm
RF出力:400W
圧力:2.66Pa
エッチング時間:60分間
【0163】
比較例2
日本アエロジル社製シリカAerosil 50を錠剤成型器により7mmφの錠剤を作製して被験サンプルとして用いたほかは実施例2と同様にしてプラズマ照射し、照射前後の重量を測定して単位面積あたりの重量減少を調べた。結果を表2に示す。
【0164】
【表2】
【0165】
実施例3
含フッ素エラストマー(TFE/PMVE/シアノ基含有単量体=59.4/40.1/0.5(モル比))100質量部に対して、合成例13で得られたPoly[2,5−(perfluorohexylethylsulfanyl)tetramethyl−1,4−silphenylenesiloxane](P2c)10質量部、架橋剤2,2−ビス[3−アミノ−4−(N−フェニルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン0.8質量部を1500質量部の含フッ素溶剤中で予備混合してから、60℃で含フッ素溶剤を揮発させ、オープンロールにて混練して含フッ素エラストマー組成物を得た。なお、含フッ素溶剤は、R−318(ダイキン工業(株)製、主成分:CCl)を用いた。
【0166】
得られた含フッ素エラストマー組成物を、180℃で30分間プレスして架橋を行ったのち、さらに290℃のオーブン中で18時間かけてオーブン架橋し成形品を得た。
得られた成形品について、後述の耐プラズマ性評価を行った。耐プラズマ性評価の結果を表3に示す。
【0167】
比較例3
実施例1のPoly[2,5−(perfluorohexylethylsulfanyl)tetramethyl−1,4−silphenylenesiloxane](P2c)を配合しなかった以外は、実施例3と同様にして、含フッ素エラストマー組成物を得た。得られた含フッ素エラストマー組成物から、実施例3と同様にして、成形品を得た。得られた成形品について、後述の耐プラズマ性評価を行った。耐プラズマ性評価の結果を表3に示す。
【0168】
(耐プラズマ性評価)
実施例3、比較例3で得られた成形品について、一部をカプトン電気絶縁用テープにて被覆し、以下の条件下でプラズマ照射処理を行い、被覆面と暴露面との段差を測定してエッチング量を調べた。結果を表3に示す。
【0169】
プラズマ照射条件:
ガス:酸素、CF
ガス流量:16sccm
RF出力:400W
圧力:2.66Pa
エッチング時間:30分間
【0170】
エッチング量測定:
株式会社キーエンス製 レーザマイクロスコープVK−9700を使用し、被覆面と暴露面との段差を測定してエッチング量を調べた。
【0171】
【表3】
【0172】
実施例4
含フッ素エラストマー(TFE/PMVE=60/40/(モル比))100質量部に対して、合成例13で得られたPoly[2,5−(perfluorohexylethylsulfanyl)tetramethyl−1,4−silphenylenesiloxane](P2c) 10質量部を1500質量部の含フッ素溶剤中で予備混合してから、60℃で含フッ素溶剤を揮発させ、オープンロールにて混練して含フッ素エラストマー組成物を得た。また、含フッ素溶剤は、R−318(ダイキン工業(株)製、主成分:CCl)を用いた。
【0173】
得られた含フッ素エラストマー組成物を、85℃で、10分間かけてプレス成形を行った。得られた成形品について、50%質量減少温度の測定を行った。測定結果を表4に示す。
【0174】
比較例4
合成例13で得られたPoly[2,5−(perfluorohexylethylsulfanyl)tetramethyl−1,4−silphenylenesiloxane](P2c)を配合しなかった以外は、実施例4と同様にして、含フッ素エラストマー組成物を得た。得られた含フッ素エラストマー組成物から、実施例4と同様にして、成形品を得た。得られた成形品について、50%質量減少温度の測定を行った。測定結果を表4に示す。
【0175】
50%質量減少温度
示差熱熱重量同時測定装置(セイコーインスツルメンツ社製 TG−DTA6200)を用い、空気200ml/min、昇温速度10℃/min、温度範囲20〜600℃の条件で質量変化を測定し、50%質量減少時の温度を測定した。結果を表4に示す。
【0176】
【表4】

【国際調査報告】