特表-18012427IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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再表2018-12427小売物品用アテンション及びこれを付した小売物品
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2018年1月18日
【発行日】2018年12月27日
(54)【発明の名称】小売物品用アテンション及びこれを付した小売物品
(51)【国際特許分類】
   G06K 19/077 20060101AFI20181130BHJP
   G06K 19/04 20060101ALI20181130BHJP
   G09F 3/00 20060101ALI20181130BHJP
   G09F 3/10 20060101ALI20181130BHJP
   H01Q 9/16 20060101ALI20181130BHJP
   H01Q 1/38 20060101ALI20181130BHJP
【FI】
   G06K19/077 248
   G06K19/077 296
   G06K19/077 280
   G06K19/077 224
   G06K19/04 010
   G09F3/00 M
   G09F3/10 A
   H01Q9/16
   H01Q1/38
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】23
【出願番号】特願2018-527579(P2018-527579)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2017年7月7日
(31)【優先権主張番号】特願2016-139563(P2016-139563)
(32)【優先日】2016年7月14日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(72)【発明者】
【氏名】木村 育平
(72)【発明者】
【氏名】加藤 登
(72)【発明者】
【氏名】駒木 邦宏
【テーマコード(参考)】
5J046
【Fターム(参考)】
5J046AA04
5J046AB07
5J046AB11
5J046PA07
5J046PA09
(57)【要約】
小売物品用アテンション(20)は、小売物品(24)に接着される接着領域(23)及び小売物品(24)から突出する突出領域(22)を有するラベル部(21)と、ラベル部(21)に設けられたRFIDタグ(10)であって、RFIC素子(1)と、RFIC素子(1)の一端部及び他端部にそれぞれ接続された第1アンテナ部(3a)及び第2アンテナ部(3b)を有するアンテナパターン(3)と、を有するRFIDタグ(10)と、を備え、RFIDタグ(10)の第1アンテナ部(3a)は、ラベル部(21)の突出領域(22)に設けられており、RFIDタグ(10)の第2アンテナ部(3b)は、ラベル部(21)の接着領域(23)に小売物品(24)の一部と対向配置して設けられている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
小売物品に接着される接着領域及び前記小売物品から突出する突出領域を有するラベル部と、
前記ラベル部に設けられたRFIDタグであって、RFIC素子と、前記RFIC素子の一端部及び他端部にそれぞれ接続された第1アンテナ部及び第2アンテナ部を有するアンテナパターンと、を有するRFIDタグと、
を備え、
前記RFIDタグの前記第1アンテナ部は、前記ラベル部の前記突出領域に設けられており、前記RFIDタグの前記第2アンテナ部は、前記ラベル部の前記接着領域に前記小売物品の一部と対向配置して設けられている、
小売物品用アテンション。
【請求項2】
前記第1アンテナ部と前記第2アンテナ部とは、前記RFIC素子について互いに非対称形状である、請求項1に記載の小売物品用アテンション。
【請求項3】
前記第1アンテナ部は、前記RFIC素子の前記一端部及び前記他端部を接続するループ部であり、前記第2アンテナ部は、前記他端部の近傍から突出した引出し部である、請求項1に記載の小売物品用アテンション。
【請求項4】
前記アンテナパターンは、前記RFIC素子の前記一端部及び前記他端部を接続するループ部を含まない、請求項1に記載の小売物品用アテンション。
【請求項5】
前記第1アンテナ部は、前記RFIC素子の一端部から第1方向に延在し、前記第2アンテナ部は、RFIC素子の他端部から前記第1方向と反対方向に第2方向に延在している、請求項1に記載の小売物品用アテンション。
【請求項6】
前記第1アンテナ部の長手方向は、前記第2アンテナ部の長手方向に対してほぼ直交方向である、請求項1に記載の小売物品用アテンション。
【請求項7】
前記RFIC素子は、RFICチップと、前記RFICチップに接続された整合回路と、を含むRFICパッケージとして構成され、
前記整合回路によって、通信周波数に相当する共振周波数を画定する、請求項1に記載の小売物品用アテンション。
【請求項8】
前記第1アンテナ部の電気長は、前記第2アンテナ部の電気長より短い、請求項1に記載の小売物品用アテンション。
【請求項9】
前記ラベル部は、絶縁性の粘着剤で前記小売物品に取り付けられている、請求項1に記載の小売物品用アテンション。
【請求項10】
小売物品用アテンションが取り付けられた小売物品であって、前記小売物品用アテンションは、前記小売物品に接着される接着領域及び前記小売物品から突出する突出領域を有するラベル部と、
前記ラベル部に設けられたRFIDタグであって、RFIC素子と、前記RFIC素子の一端部及び他端部にそれぞれ接続された第1アンテナ部及び第2アンテナ部を有するアンテナパターンと、を有するRFIDタグと、
を備え、
前記RFIDタグの前記第1アンテナ部は、前記ラベル部の前記突出領域に設けられており、前記RFIDタグの前記第2アンテナ部は、前記ラベル部の前記接着領域に前記小売物品の一部と対向配置して設けられている、
小売物品用アテンションが取り付けられた小売物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小売物品用アテンション及びこれを付した小売物品に関する。
【背景技術】
【0002】
UHF帯RFIDシステムは、通信距離が長く、一度に複数のタグを読み取ることができることから、小売物品の管理(店頭在庫の管理や一括精算処理)への応用が期待されている。UHF帯RFIDタグが付された小売物品としては、物品本体にタグを直接的に取り付けた構造(例えば、特許文献1参照。)や、物品本体からタグを浮かした状態で取り付けた構造(例えば、特許文献2参照。)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4674638号公報
【特許文献2】特開2007−69975号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、物品本体にタグを直接的に取り付ける場合、物品本体の材質(誘電率)によってアンテナの実効的な電気長が変わってしまうため、その種類に応じたタグが必要になる。特に、物品本体が金属の場合、アンテナ利得が大幅に低下してしまう。
【0005】
一方、物品本体をタグから浮かした状態で取り付ける場合、タグは物品本体の影響を受けにくくなる。しかし、物品本体が金属の場合、タグとは反対側からの読取りができないため、多方向からの読取りが必要になる。
【0006】
そこで、本発明は、小売物品の材質によらず、高いアンテナ利得が得られる小売物品用アテンション及びこれを取り付けた小売物品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る小売物品用アテンションは、小売物品に接着される接着領域及び前記小売物品から突出する突出領域を有するラベル部と、
前記ラベル部に設けられたRFIDタグであって、RFIC素子と、前記RFIC素子の一端部及び他端部にそれぞれ接続された第1アンテナ部及び第2アンテナ部を有するアンテナパターンと、を有するRFIDタグと、
を備え、
前記RFIDタグの前記第1アンテナ部は、前記ラベル部の前記突出領域に設けられており、前記RFIDタグの前記第2アンテナ部は、前記ラベル部の前記接着領域に前記小売物品の一部と対向配置して設けられている。
【0008】
本発明に係る小売物品は、小売物品用アテンションが取り付けられた小売物品であって、前記小売物品用アテンションは、前記小売物品に接着される接着領域及び前記小売物品から突出する突出領域を有するラベル部と、
前記ラベル部に設けられたRFIDタグであって、RFIC素子と、前記RFIC素子の一端部及び他端部にそれぞれ接続された第1アンテナ部及び第2アンテナ部を有するアンテナパターンと、を有するRFIDタグと、
を備え、
前記RFIDタグの前記第1アンテナ部は、前記ラベル部の前記突出領域に設けられており、前記RFIDタグの前記第2アンテナ部は、前記ラベル部の前記接着領域に前記小売物品の一部と対向配置して設けられている。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る小売物品用アテンションによれば、小売物品が金属体であった場合にも、ラベル部の接着領域に小売物品の一部と対向配置して設けられた第2アンテナ部によって金属体をブースターアンテナとして利用できるので小売物品の材質によらず、高いアンテナ利得が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1A】実施の形態1に係る小売物品用アテンションを小売物品に取り付けた状態を示す概略斜視図である。
図1B】実施の形態1に係る小売物品用アテンションを別の小売物品に取り付けた状態を示す概略斜視図である。
図1C】実施の形態1に係る小売物品用アテンションをさらに別の小売物品に取り付けた状態を示す概略斜視図である。
図2】実施の形態1に係る小売物品用アテンションに用いるRFIDタグの構成を示す平面図である。
図3図1Aの小売物品用アテンションを金属体の小売物品に取り付けた場合のRFIDタグと金属体との関係を示す概略図である。
図4A図2のRFIDタグに含まれるRFIC素子の断面構造を示す概略断面図である。
図4B図4AのRFIC素子の等価回路図である。
図5】実施の形態2に係る小売物品用アテンションの構成を示す概略斜視図である。
図6図5の小売物品用アテンションを金属体の小売物品に取り付けた場合のRFIDタグと金属体との関係を示す概略図である。
図7A】実施の形態2に係る小売物品用アテンションの構成を示す平面図である。
図7B図7Aの概略断面図である。
図8図7Aの小売物品用アテンションに含まれるRFIDタグの等価回路図である。
図9A】実施の形態3に係る小売物品用アテンションに含まれるRFIDタグの構成を示す平面図である。
図9B】実施の形態3に係る小売物品用アテンションを金属体の小売物品に取り付けた場合のRFIDタグと金属体との関係を示す概略図である。
図10A】実施の形態4に係る小売物品用アテンションに含まれるRFIDタグの構成を示す平面図である。
図10B】実施の形態4に係る小売物品用アテンションを金属体の小売物品に取り付けた場合のRFIDタグと金属体との関係を示す概略図である。
図11】実施の形態5に係る小売物品用アテンションに含まれるRFIDタグの構成を示す平面図である。
図12A】実施の形態5に係る小売物品用アテンションを長い金属体の小売物品に取り付けた場合のRFIDタグと金属体との関係を示す概略図である。
図12B】実施の形態5に係る小売物品用アテンションを短い金属体の小売物品に取り付けた場合のRFIDタグと金属体との関係を示す概略図である。
図13A】実施の形態6に係る小売物品のRFIDタグ読み取りシステムの概要を示す概略図である。
図13B図13Aの小売物品のRFIDタグ読み取りシステムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
第1の態様に係る小売物品用アテンションは、小売物品に接着される接着領域及び前記小売物品から突出する突出領域を有するラベル部と、
前記ラベル部に設けられたRFIDタグであって、RFIC素子と、前記RFIC素子の一端部及び他端部にそれぞれ接続された第1アンテナ部及び第2アンテナ部を有するアンテナパターンと、を有するRFIDタグと、
を備え、
前記RFIDタグの前記第1アンテナ部は、前記ラベル部の前記突出領域に設けられており、前記RFIDタグの前記第2アンテナ部は、前記ラベル部の前記接着領域に前記小売物品の一部と対向配置して設けられている。
【0012】
上記構成によれば、小売物品が金属体であった場合にも、ラベル部の接着領域に小売物品の一部と対向配置して設けられた第2アンテナ部によって金属体をブースターアンテナとして利用できるので小売物品の材質によらず、高いアンテナ利得が得られる。
【0013】
第2の態様に係る小売物品用アテンションは、上記第1の態様の構成において、前記第1アンテナ部と前記第2アンテナ部とは、前記RFIC素子について互いに非対称形状であってもよい。
【0014】
第3の態様に係る小売物品用アテンションは、上記第1の態様の構成において、前記第1アンテナ部は、前記RFIC素子の前記一端部及び前記他端部を接続するループ部であり、前記第2アンテナ部は、前記他端部の近傍から突出した引出し部であってもよい。
【0015】
第4の態様に係る小売物品用アテンションは、上記第1の態様の構成において、前記アンテナパターンは、前記RFIC素子の前記一端部及び前記他端部を接続するループ部を含まなくてもよい。
【0016】
上記構成によれば、アンテナパターンには整合回路を構成するループ部を設けなくてもよい。この場合には、例えば、RFIC素子内に、RFIC素子の一端部及び他端部を接続し、整合回路を構成するループ部を設ければよい。
【0017】
第5の態様に係る小売物品用アテンションは、上記第1の態様の構成において、前記第1アンテナ部は、前記RFIC素子の一端部から第1方向に延在し、前記第2アンテナ部は、RFIC素子の他端部から前記第1方向と反対方向に第2方向に延在していてもよい。
【0018】
第6の態様に係る小売物品用アテンションは、上記第1の態様の構成において、前記第1アンテナ部の長手方向は、前記第2アンテナ部の長手方向に対してほぼ直交方向であってもよい。
【0019】
第7の態様に係る小売物品用アテンションは、上記第1の態様の構成において、前記RFIC素子は、RFICチップと、前記RFICチップに接続された整合回路と、を含むRFICパッケージとして構成され、
前記整合回路によって、通信周波数に相当する共振周波数を画定してもよい。
【0020】
第8の態様に係る小売物品用アテンションは、上記第1の態様の構成において、前記第1アンテナ部の電気長は、前記第2アンテナ部の電気長より短くてもよい。
【0021】
第9の態様に係る小売物品用アテンションは、上記第1の態様の構成において、前記ラベル部は、絶縁性の粘着剤で前記小売物品に取り付けられていてもよい。
【0022】
第10の態様に係る小売物品は、小売物品用アテンションが取り付けられた小売物品であって、前記小売物品用アテンションは、前記小売物品に接着される接着領域及び前記小売物品から突出する突出領域を有するラベル部と、
前記ラベル部に設けられたRFIDタグであって、RFIC素子と、前記RFIC素子の一端部及び他端部にそれぞれ接続された第1アンテナ部及び第2アンテナ部を有するアンテナパターンと、を有するRFIDタグと、
を備え、
前記RFIDタグの前記第1アンテナ部は、前記ラベル部の前記突出領域に設けられており、前記RFIDタグの前記第2アンテナ部は、前記ラベル部の前記接着領域に前記小売物品の一部と対向配置して設けられている。
【0023】
以下、実施の形態に係る小売物品用アテンションについて、添付図面を参照しながら説明する。なお、図面において実質的に同一の部材については同一の符号を付している。
【0024】
(実施の形態1)
図1Aは、実施の形態1に係る小売物品用アテンション20を小売物品(金属体)24に取り付けた状態を示す概略斜視図である。図1Bは、実施の形態1に係る小売物品用アテンション20を別の小売物品(飲料水入りペットボトル)24aに取り付けた状態を示す概略斜視図である。図1Cは、実施の形態1に係る小売物品用アテンション20をさらに別の小売物品(カップ麺)24bに取り付けた状態を示す概略斜視図である。図2は、実施の形態1に係る小売物品用アテンション20に用いるRFIDタグ10の構成を示す平面図である。図3は、図1Aの小売物品用アテンション20を金属体の小売物品24に取り付けた場合のRFIDタグ10と金属体24との関係を示す概略図である。なお、図面には、発明の理解を助けるために、互いに直交するx軸、y軸、およびz軸を備えるx−y−z座標系を示している。なお、本明細書においては、z軸方向を小売物品用アテンション20aの厚さ方向とし、x軸方向を幅方向とし、y軸方向を長手方向とする。
【0025】
実施の形態1に係る小売物品用アテンション20は、小売物品24に接着される接着領域23及び小売物品から突出する突出領域22を有するラベル部21と、ラベル部21に設けられたRFIDタグ10と、を備える。RFIDタグ10は、RFIC素子1と、RFIC素子1の一端部及び他端部にそれぞれ接続された第1アンテナ部3a及び第2アンテナ部3bを有するアンテナパターンと、を有する。RFIDタグの第1アンテナ部3aは、ラベル部21の突出領域22に設けられており、RFIDタグ10の第2アンテナ部3bは、ラベル部21の接着領域23に小売物品24の一部とラベル部21を介して対向配置して設けられている。
【0026】
図3に示すように、実施の形態1に係る小売物品用アテンション20によれば、小売物品24が金属体であった場合にも、第2アンテナ部3bは、ラベル部21を介して金属体24と容量結合する。そこで、金属体24をブースターアンテナとして利用できるので小売物品が金属体24の場合(図1A)にも高いアンテナ利得が得られる。なお、小売物品が高い誘電率を有する飲料水入りペットボトル24aの場合(図1B)、小売物品が低い誘電率を有するカップ麺24bの場合(図1C)、のいずれの場合にも高いアンテナ利得が得られる。
【0027】
以下に、この小売物品用アテンション20を構成する構成部材について説明する。
【0028】
<小売物品用アテンション>
小売物品用アテンション20とは、小売物品24に取り付けて目立たせるために追加されるラベルである。ここでは、小売物品用アテンション20は、小売物品24の表面に沿って設けられるものではなく、小売物品24から突出し、空間に露出している。この小売物品用アテンション20は、ラベル部21と、ラベル部21に設けられたRFIDタグ10と、を有する。
【0029】
<小売物品>
小売物品としては、金属体、例えば、アルミ箔からなる袋体、金属缶24の場合(図1A)、誘電率の高い物品、例えば、飲料水入りペットボトル24aの場合(図1B)、誘電率の低い物品、例えば、カップ麺24bの場合(図1C)のいずれであってもよい。なお、上記の例は一例であって、これらに限定するものではない。
【0030】
<ラベル部>
ラベル部21は、小売物品24に接着される接着領域23及び小売物品24から突出する突出領域22を有する。ラベル部21は、例えば、紙、PETフィルムであってもよい。
ラベル部21の突出領域22は、小売物品24の表面から離間して空間に飛び出している。また、ラベル部21の突出領域22には、RFIDタグの第1アンテナ部3aが設けられている。他の小売物品との接触を考慮すると、突出領域22の突出長さは、30mm以下が好ましく、さらに、20mm以下がより好ましい。
また、ラベル部21の接着領域23は、粘着剤が設けられ、小売物品24に取り付けられている。粘着剤は絶縁性の粘着剤が好ましい。ラベル部21の接着領域23には、RFIDタグ10の第2アンテナ部3bが小売物品24の一部とラベル部21を介して対向配置して設けられている。
【0031】
<RFIDタグ>
図2は、RFIDタグ10の構成を示す平面図である。このRFIDタグ10は、RFIC素子1と、RFIC素子1の一端部2a及び他端部2bにそれぞれ接続された第1アンテナ部3a及び第2アンテナ部3bを有するアンテナパターンと、を有する。第1アンテナ部3aは、RFIC素子1の一端部2a及び他端部2bを接続するループ部4aである。第2アンテナ部3bは、他端部2bの近傍から突出した引出し部4bである。つまり、このRFIDタグ10は、ループ部4aと引き出し部4bとを有するいわゆるおたまじゃくし型(tadpole shape)を有する。なお、「おたまじゃくし型」とは、例えば、円又は楕円状の本体部と、本体部から延びる尾部と、を有する形状を意味する。あるいは、「お玉杓子状(ladle shape)」又は「スプーン状(spoon shape)」として表現できる。RFIDタグの第1アンテナ部3aは、ラベル部21の突出領域22に設けられている。また、RFIDタグ10の第2アンテナ部3bは、ラベル部21の接着領域23に小売物品24の一部とラベル部21を介して対向配置して設けられている。これによって、小売物品24が金属体の場合には、第2アンテナ部3aと金属体24とはラベル部21を介して容量結合する。これによって金属体24をブースターアンテナとして利用できる。一方、第1アンテナ部3aは、金属体24の表面から突出しており、第1アンテナ部3aは、それ自体で放射電極として機能させることも可能である。また、第1アンテナ部3aは、励振電極として機能させることも可能である。
【0032】
以下にRFIDタグ10の各構成要素について説明する。
<RFIC素子>
図4Aは、RFIC素子1の断面構造を示す概略断面図である。図4Bは、図4Aの等価回路図である。
RFIC素子1は、RFID信号を処理するRFICチップ11と、RFICチップ11を実装する多層基板15とを有するRFICパッケージとして構成される。RFICチップ11は、メモリ回路や信号処理回路を内蔵し、かつエポキシ樹脂製の封止樹脂14等によって封止してもよい。RFICチップ11は、導電性接合材12と端子電極13とを介して給電回路(整合回路)を構成する多層基板15に実装されている。給電回路(整合回路)は、多層基板状に形成してもよい。
【0033】
また、多層基板15は、LTCC等のセラミックを材料からなるセラミック多層基板であって、L1及びL2等のLパターン及びC1、C2及びCIC等のCパターンからなる給電回路が内蔵されている。CICは、RFICチップ11の浮遊容量である。給電回路(整合回路)によって共振回路が形成されており、その共振周波数はキャリア周波数に対応する。このように給電回路(整合回路)を設けることによって、RFIDタグ10の第2アンテナ部3b及びそれに接続する金属材24とによって第2アンテナ部3aの電気長が変化してもキャリア周波数の中心周波数は大きく変化しないようにすることができる。なお、多層基板15は、端子電極2a、2bを介して第1アンテナ部3a及び第2アンテナ部3bと接続する。
【0034】
<アンテナパターン>
アンテナパターンとしては、RFIC素子1の一端部及び他端部にそれぞれ接続された第1アンテナ部3a及び第2アンテナ部3bを有する。第1アンテナ部3aと第2アンテナ部3bとは、RFIC素子1について互いに非対称形状である。このアンテナパターンは、非対称型ダイポール、あるいは、異形ダイポールと呼ばれる。
【0035】
<第1アンテナ部>
第1アンテナ部3aは、RFIC素子1の一端部及び他端部を接続するループ部4aである。このループ部4aは、それ自体で放射電極として機能するとともに、共振周波数を規定する整合回路を構成する励振電極としても機能する。また、放射電極としては、指向性を改善することができる。
【0036】
<第2アンテナ部>
第2アンテナ部3bは、小売物品が金属体でない場合には、図1B図1Cに示すように、それ自体が放射電極として機能する。一方、小売物品が金属体である場合には、図1A及び図3に示すように、第2アンテナ部3bは、金属体24との接点5から端部にわたって金属体24とラベル部を介して容量結合する。その結果、金属体24をブースターアンテナとして利用できる。金属体24が金属缶の場合には、その全周囲にわたってキャリアを受信する、あるいはキャリアを放射することができる。これによって、小売物品が金属体24であってもRFIDタグ10は遮蔽されることなくキャリアの受信及び放射が可能である。そこで、例えば、一方向からの読み取りであっても小売物品24に取り付けられた小売物品用アテンションに含まれるRFIDタグ10を読み取ることができる。
【0037】
第1アンテナ部3a及び第2アンテナ部3bは、通常のアンテナ素子に用いられるものであれば使用でき、例えば、銅箔、銅板、銅めっき膜、金箔、金板、金めっき膜等の材料を用いることができる。材料は上記の例に限られず、通常使用されるものであれば使用できる。
【0038】
<小売物品とRFIDタグとの接続>
図1A図1B図1Cに示すように、小売物品24とRFIDタグ10の第2アンテナ部3bとの接続は、ラベル部21を介した容量結合である。
【0039】
(実施の形態2)
図5は、実施の形態2に係る小売物品用アテンション20aの構成を示す概略斜視図である。図6は、図5の小売物品用アテンション20aを金属体の小売物品24に取り付けた場合のRFIDタグ10aと金属体24との関係を示す概略図である。図7Aは、実施の形態2に係る小売物品用アテンション20aの構成を示す平面図である。図7Bは、図7Aの概略断面図である。図8は、図7Aの小売物品用アテンション20aに含まれるRFIDタグ10aの等価回路図である。なお、図面には、発明の理解を助けるために、互いに直交するx軸、y軸、およびz軸を備えるx−y−z座標系を示している。なお、本明細書においては、z軸方向を小売物品用アテンション20aの厚さ方向とし、x軸方向を幅方向とし、y軸方向を長手方向とする。
【0040】
実施の形態2に係る小売物品用アテンション20aは、実施の形態1に係る小売物品用アテンションと対比すると、第1アンテナ部33aがRFIC素子1aの一端部と他端部とを接続するループ部を含まない点で相違する。
【0041】
図6に示すように、実施の形態2に係る小売物品用アテンション20aに含まれるRFIDタグ10aは、第2アンテナ部33bがラベル部21を介して金属体24と容量結合する。これによって、金属体24をブースターアンテナとして利用できる。そこで、小売物品が金属体24の場合にも高いアンテナ利得が得られる。
【0042】
図5に示す小売物品用アテンション20aに含まれるRFIDタグ10aは、UHF帯、例えば900MHzのキャリア周波数で無線通信を行うRFID(Radio Frequency Identification)タグであって、様々な小売物品に取り付けられて使用される。
【0043】
この小売物品用アテンション20aは、ラベル部21と、ラベル部21の主面に設けられたRFIDタグ10aとを備える。RFIDタグ10aは、RFIC素子1aと、第1および第2アンテナ部33a、33bとを有する。ラベル部21は、主面とその主面に対して平行に対向する裏面(取り付け面)とを備える平面視で矩形状の薄板形状であって、一様な厚さを備える。ラベル部21は、また、低誘電率(好ましくは比誘電率が10以下)の誘電体材料から作製されている。ラベル部21は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、フッ素系樹脂、ウレタン系樹脂、紙などの可撓性の誘電体材料から作製される。なお、ラベル部21は、誘電体材料、且つ、磁性体材料から作製されていてもよい。
【0044】
図7Aに示すように、ラベル部21の主面側には、第1アンテナ部33a、第2アンテナ部33b、およびRFIC素子1aが設けられている。一方、図7Bに示すように、裏面の取り付け面には電極等が設けられておらず、小売物品の金属体に取り付けられる手段として機能する。なお、ラベル部21の取り付け面には、小売物品24に貼り付けるためのシール層が設けられている。このラベル部21により、第1および第2アンテナ部33a、33bが、ラベル部21の厚さに相当する所定の距離をあけて、小売物品24の金属体に対して対向させることができる。すなわち、ラベル部21は、第2アンテナ部33bを小売物品の金属体に対して距離をあけて設けるためのスペーサの役割をしている。
【0045】
第1アンテナ部および第2アンテナ部33a,33bは、例えば銅膜、アルミニウム膜などであって、可撓性且つ導電性の材料によって作製されている。本実施の形態の場合、第1および第2アンテナ部33a、33bは、長手方向と短手方向とを備える矩形状である。
【0046】
また、第1アンテナ部および第2アンテナ部33a,33bは、RFIDタグ10aの長さ方向(y軸方向)に対向している。具体的には、第2アンテナ部33bが、第1アンテナ部33aに対して独立した状態で、すなわち第1アンテナ部33aから形状的に距離をあけて離れた状態である。
【0047】
第1アンテナ部33aは、図7Aに示すように、幅方向(x軸方向)に延在する2つのT字状部34a、34bを有し、長さl1と幅W1とを備え(l1>W1)、RFIDタグ10aの幅方向(x軸方向)に、主面に沿って延在している。一方、第2アンテナ部33bは、長さl2と幅W2とを備え(l2>W2)、RFIDタグ10aの長さ方向(y軸方向)に、主面に沿って延在している。すなわち、主面において、第1および第2アンテナ部33a、33bは、互いに交差する方向、例えば互いに90度異なる方向に延在している。
【0048】
第1アンテナ部33aの幅W1は、第2アンテナ部33bの幅W2に比べて小さい。また、第1アンテナ部33aの長さl1(延在方向の長さ)は、第2アンテナ部33bの長さl2に比べて短い。したがって、第1アンテナ部33aの大きさ(上面視での大きさ)は、第2アンテナ部33bの大きさに比べて小さい。
【0049】
なお、本実施の形態の場合、第1アンテナ部33aの長さl1は、第2アンテナ部33bの幅W2とほぼ等しい。これにより、RFIDタグ10aの幅方向(x軸方向)のサイズがコンパクト化される。
【0050】
さらに、第1および第2アンテナ部33a、33bは、RFIC素子1aと接続するためのランド部32a、32bを備える。ランド部32a、32bは、それぞれ第1および第2アンテナ部33a、33bの間で互いに対向するように設けられている。
【0051】
図8は、小売物品(金属体)24に取り付けられた状態のRFIDタグの等価回路である。
図8に示すように、第1アンテナ部33aと金属体24の一部(第1アンテナ部33aと対向する部分)との間には浮遊容量C11が存在する。また、第2アンテナ部33bと金属体24の一部(第2アンテナ部33bと対向する部分)との間には浮遊容量C12が存在する。この浮遊容量C12と、第2アンテナ部33bの寄生インダクタL5とにより、共振周波数が所定の周波数(例えば900MHz)の並列共振回路が形成されている。
【0052】
次に、RFIC素子1aについて説明する。
【0053】
図8に示すRFIC素子1aは、例えば、900MHz帯、すなわちUHF帯の通信周波数に対応するRFIC素子である。また、RFIC素子1aは、可撓性を備えてもよい。さらに、RFIC素子1aは、RFICチップ11と、RFICチップ11と第1アンテナ部33aおよび第2アンテナ部33bとの間でインピーダンス整合をとるための整合回路18とを有する。この整合回路18では、第1及び第2入出力端子2a、2bとの間を接続するコイル部L3、L4を有している。これは、例えば、実施の形態1の第1アンテナ部のループ部を、RFIC素子1aの中に取り込んでいることに相当する。この場合、第1アンテナ部33aには実施の形態1のような整合回路を構成するループ部を設けなくてもよい。なお、RFIC素子1a内の上記コイル部L3、L4は、整合回路18の一部として機能するが、一方、放射部としては機能しない。
【0054】
RFICチップ11はまた、第1および第2入出力端子13a、13bを備える。第1入出力端子13aは、整合回路18を介して第1アンテナ部33aに接続されている。第2入出力端子13bは、整合回路18を介して第2アンテナ部33bに接続されている。
【0055】
RFICチップ11は、アンテナとして機能する第1および第2アンテナ部33a、33bが外部から高周波信号を受信すると、その受信によって誘起された電流の供給を受けて起動する。また、起動したRFICチップ11は、高周波信号を生成し、その生成信号を第1および第2アンテナ部33a、33bを介して電波として外部に出力する。
【0056】
(実施の形態3)
図9Aは、実施の形態3に係る小売物品用アテンションに含まれるRFIDタグ10bの構成を示す平面図である。図9Bは、実施の形態3に係る小売物品用アテンションを金属体の小売物品24に取り付けた場合のRFIDタグ10bと金属体24との関係を示す概略図である。
【0057】
実施の形態3に係る小売物品用アテンションに含まれるRFIDタグ10bは、実施の形態1に係る小売物品用アテンションに含まれるRFIDタグと対比すると、第1アンテナ部43aがRFIC素子1の一端部と他端部とを接続するループ部を含まない点で相違する。このRFIDタグ10bは、通常の両側のアンテナ部が同じ長さのダイポールではなく、第1アンテナ部43aが第2アンテナ部43bより短い非対称型ダイポールである。この非対称型ダイポールを用いたRFIDタグは、一端子型タグとも呼ばれる。一端子型タグは、例えば、国際出願公開WO2015/111466号パンフレット、WO2012/093541号パンフレット、WO2012/117843号パンフレットに記載している通りである。
【0058】
通常の対称型のダイポールアンテナでは、中心の給電点で電圧ゼロ、電流分布最大となり、低インピーダンスで実現できる。一方、この一端子型タグ(非対称型ダイポール)では、左右の第1アンテナ部43a及び第2アンテナ部43bとはアンバランスな長さを有し、給電点で電圧ゼロとならず、電流分布も低い状態であり、高インピーダンスとなる。このため通常であればインピーダンス不整合によって電力が伝わらなくなる。これに対して、この一端子型タグ(非対称型ダイポール)では、内部に整合回路を有し通信周波数に相当する共振周波数を画定することができるRFIC素子1を用いている。そこで、一端子型タグ(非対称型ダイポール)における高インピーダンスに対応することができ、電力を伝えることができる。
【0059】
第1アンテナ部43aは、RFIC素子1の一端部から第1方向に延在し、第2アンテナ部43bは、RFIC素子1の他端部から第1方向と反対方向に第2方向に延在している。
【0060】
この第1アンテナ部43aは、第2アンテナ部43bより短く、励振電極として機能する場合がある。また、第1アンテナ部43aは、それ自体で放射電極として機能する場合がある。また、励振電極及び放射電極の両方の機能を有する場合もある。
【0061】
また、第2アンテナ部43bは、小売物品が金属体でない場合にはそれ自体が放射電極として機能する。一方、小売物品が金属体である場合には、図9Bに示すように、第2アンテナ部43bは、金属体24との接点45から端部にわたって金属体24とラベル部を介して容量結合する。その結果、金属体24をブースターアンテナとして利用できる。金属体24が金属缶の場合には、その全周囲にわたってキャリアを受信する、あるいはキャリアを放射することができる。これによって、小売物品が金属体24であってもRFIDタグ10bは遮蔽されることなくキャリアの受信及び放射が可能である。そこで、例えば、一方向からの読み取りであっても小売物品を読み取ることができる。
【0062】
第1アンテナ部43a及び第2アンテナ部43bは、通常のアンテナ素子に用いられるものであれば使用でき、例えば、銅箔、銅板、銅めっき膜、金箔、金板、金めっき膜等の材料を用いることができる。材料は上記の例に限られず、通常使用されるものであれば使用できる。
【0063】
(実施の形態4)
図10Aは、実施の形態4に係る小売物品用アテンションに含まれるRFIDタグ10cの構成を示す平面図である。図10Bは、実施の形態4に係る小売物品用アテンションを金属体の小売物品24に取り付けた場合のRFIDタグ10cと金属体24との関係を示す概略図である。
【0064】
実施の形態4に係る小売物品用アテンションに含まれるRFIDタグ10cは、実施の形態3に係る小売物品用アテンションに含まれるRFIDタグと対比すると、第1アンテナ部53aの長手方向が途中で変化して、屈曲している点で相違する。具体的には、第1アンテナ部53aの長手方向が途中で90°変化している。これによって、第1アンテナ部53aの最初の長手方向に対する長さを抑制しながら全体の電気長を長くすることができる。つまり、小売物品24から突出する突出領域の長さを抑制できる。
【0065】
(実施の形態5)
図11は、実施の形態5に係る小売物品用アテンションに含まれるRFIDタグ10dの構成を示す平面図である。図12Aは、実施の形態5に係る小売物品用アテンションを長い金属体24cの小売物品に取り付けた場合のRFIDタグ10dと金属体24cとの関係を示す概略図である。図12Bは、実施の形態5に係る小売物品用アテンションを短い金属体24dの小売物品に取り付けた場合のRFIDタグ10dと金属体24dとの関係を示す概略図である。
【0066】
実施の形態5に係る小売物品用アテンションに含まれるRFIDタグ10dは、実施の形態1に係る小売物品用アテンションに含まれるRFIDタグと対比すると、第1アンテナ部63a及び第2アンテナ部63bがミアンダ状である点で相違する。ミアンダ状にすることで、全体の電気長を保ちながら長手方向の長さを圧縮することができる。また、RFIC素子1bは、実施の形態1におけるRFIC素子及び実施の形態2におけるRFIC素子と対比すると、第1アンテナ部63a及び第2アンテナ部63bと金属体24との接続に応じて共振周波数が変化する点で相違する。
【0067】
このRFIDタグ10dでは、第1アンテナ部63aの電気長を第2アンテナ部63bの電気長より短くしている。また、第1アンテナ部63aの端部64aと、第2アンテナ部63bの端部64bとは、それぞれ小売物品24と容量結合可能なように構成されている。つまり、このRFIDタグ10dは、第1アンテナ部63a及び第2アンテナ部63bのいずれも金属体とラベル部を介して容量結合しうる。
【0068】
図12Aでは、金属体24cの長さh5が比較的長く、第1アンテナ部63aの電気長と金属体24cの長さh5との合計がキャリアの波長λについて、およそλ/2(15cm〜16cm)に近い場合を示している。この場合には、第2アンテナ部63bの端部64bを金属体24cとラベル部を介して容量結合させる。これによって、RFIDタグ10dのアンテナパターンの電気長をλ/2に近づけることができ、十分な通信距離を保つことができる。
【0069】
図12Bでは、金属体24dの長さh6が比較的短く、第1アンテナ部63aの電気長と金属体24dの長さh6との合計がキャリアの波長λについて、およそλ/2(15cm〜16cm)より短くなる場合を示している。この場合には、第1アンテナ部63aより長い第2アンテナ部63bの電気長を利用し、第1アンテナ部63aの端部を金属体24dとラベル部を介して容量結合させる。これによってRFIDタグ10dのアンテナパターンの電気長をλ/2にできるだけ近づけて、十分な通信距離を保つことができる。
【0070】
以上のように、実施の形態5に係る小売物品用アテンションに含まれるRFIDタグのRFIC素子1aは、、第1アンテナ部63a及び第2アンテナ部63bと金属体24との接続に応じて共振周波数が変化する。この場合、金属体24c、24dの長さh5、h6に応じて電気長の異なる第1アンテナ部63a又は第2アンテナ部63bのいずれかをラベル部を介して容量結合させている。これによって、アンテナパターン全体の電気長をλ/2に近づけることができ、十分な通信距離を保つことができる。
【0071】
(実施の形態6)
図13Aは、実施の形態6に係る小売物品24のRFIDタグ読み取りシステム70の概要を示す概略図である。図13Bは、図13Aの小売物品24のRFIDタグ読み取りシステム70のブロック図である。なお、図13Aでは、便宜上買い物かごの側方部分が透明な場合として示している。
【0072】
実施の形態6に係る小売物品24のRFIDタグ読み取りシステム70は、アンテナ付きトレイ72と、アンテナ付きトレイ72とケーブル74で接続されたリーダ80と、を備える。アンテナ付きトレイ72は、通常のRFIDタグを読み取るためのアンテナ(図示せず)を有する。リーダ80は、例えば、制御部81と、記憶部82と、表示部83と、入力部84と、出力部85と、を有する。図13Aに示すように、アンテナ付きトレイ72には、実施の形態1に係る小売物品用アテンション20を取り付けた小売物品24e、24f、24gが収容された買い物かご76が載せられている。
【0073】
上述のように、小売物品用アテンション20を取り付けた小売物品24は、小売物品24が金属体であってもRFIDタグの第2アンテナ部と金属体24とを容量結合することで、金属体自体をブースターアンテナとして利用できる。
そこで、このRFIDタグ読み取りシステム70では、買い物かご76の中の小売物品用アテンション20を取り付けた小売物品24e、24f、24gについてそれぞれ読み取ることができる。つまり、買い物かご76の中で、小売物品24e、24f、24gは、互いに重なっているが、金属体の小売物品24e、24fによる遮蔽を生じることなくアンテナ付きトレイ72の一方向、例えば、図13Aの場合には鉛直下方からそれぞれ読み取ることができる。これによって、小売物品の精算の際に設けるアンテナの数を少なくできる。
なお、アンテナは1つだけでなく、必要に応じて複数設けてもよい。
【0074】
また、上記RFIDタグ読み取りシステム70は、卓上タイプに限られず、例えば、ハンディタイプにしてもよい。この場合には、各小売物品が陳列棚に置かれた状態でアンテナ付きトレイ72を陳列棚に近接させて各小売物品に付された小売物品用アテンション20に含まれるRFIDタグを読み取ることができる。これによって、小売物品を陳列棚から一つづつ取り出す必要がなく、小売物品の棚卸し作業を簡易に行うことができる。
【0075】
上記図5に示す小売物品用アテンション、及び、図9Aに示すRFIDタグを含む小売物品用アテンションによれば、整合回路をパッケージ内に設けており、整合回路としても機能するループ部を外部に設けていない。これによって、整合回路が小売物品の材料や貼り付け位置による影響を受けないので、通信特性が安定化する。
【0076】
なお、上記小売物品用アテンションは、「フラッグ型タグ」と呼ばれることがある。
【0077】
なお、本開示においては、前述した様々な実施の形態及び/又は実施例のうちの任意の実施の形態及び/又は実施例を適宜組み合わせることを含むものであり、それぞれの実施の形態及び/又は実施例が有する効果を奏することができる。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明に係る小売物品用アテンション及びこれを取り付けた小売物品によれば、小売物品が金属体であった場合にも、ラベル部の接着領域に小売物品の一部と対向配置して設けられた第2アンテナ部によって金属体をブースターアンテナとして利用できるので小売物品の材質によらず、高いアンテナ利得が得られる。
【符号の説明】
【0079】
1 RFIC素子
2a 第1入出力端子(端子電極)
2b 第2入出力端子(端子電極)
3 アンテナパターン
3a 第1アンテナ部
3b 第2アンテナ部
4a ループ部
4b 引き出し部
10、10a、10b、10c、10d 無線通信デバイス(RFIDタグ)
11 RFICチップ
12 導電性接合材
13 端子電極
14 封止樹脂
15 多層基板
18 整合回路
20、20a、20b アテンション
21 ラベル部
22 突出領域
23 接着領域
24、24a、24b、24c、小売物品
32a 第1入出力端子
32b 第2入出力端子
33a、43a、53a、63a 第1アンテナ部
33b、43b、53b、63b 第2アンテナ部
34a 第1アンテナ第1分岐部
34b 第1アンテナ第2分岐部
35、45、55、65 金属体との接点
64a 第1アンテナ幅広部
64b 第2アンテナ幅広部
70 RFIDタグ読み取りシステム
72 アンテナ付きトレイ
74 ケーブル
76 買い物かご
80 リーダ
81 制御部
82 記憶部
83 表示部
84 入力部
85 出力部
図1A
図1B
図1C
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9A
図9B
図10A
図10B
図11
図12A
図12B
図13A
図13B

【手続補正書】
【提出日】2018年8月3日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
小売物品の金属体に接着される接着領域及び前記小売物品から突出する突出領域を有するラベル部と、
前記ラベル部に設けられたRFIDタグであって、RFICチップと、前記RFICチップに接続された整合回路と、前記RFICチップの一端部及び他端部にそれぞれ接続された第1アンテナ部及び第2アンテナ部を有するアンテナパターンと、を有するRFIDタグと、
を備え、
前記RFIDタグの前記整合回路および前記第1アンテナ部は、前記ラベル部の前記突出領域に設けられており、前記RFIDタグの前記第2アンテナ部は、前記ラベル部の前記接着領域に前記小売物品の金属体と対向配置して設けられている、
小売物品用アテンション。
【請求項2】
前記第1アンテナ部と前記第2アンテナ部とは、前記RFICチップについて互いに非対称形状である、請求項1に記載の小売物品用アテンション。
【請求項3】
前記第1アンテナ部は、前記RFICチップの前記一端部及び前記他端部を接続するループ部であり、前記第2アンテナ部は、前記他端部の近傍から突出した引出し部である、請求項1に記載の小売物品用アテンション。
【請求項4】
前記アンテナパターンは、前記RFICチップの前記一端部及び前記他端部を接続するループ部を含まない、請求項1に記載の小売物品用アテンション。
【請求項5】
前記第1アンテナ部は、前記RFICチップの一端部から第1方向に延在し、前記第2アンテナ部は、RFICチップの他端部から前記第1方向と反対方向に第2方向に延在している、請求項1に記載の小売物品用アテンション。
【請求項6】
前記第1アンテナ部の長手方向は、前記第2アンテナ部の長手方向に対してほぼ直交方向である、請求項1に記載の小売物品用アテンション。
【請求項7】
記RFICチップと、前記整合回路と、を含むRFICパッケージ構成され、
前記整合回路によって、通信周波数に相当する共振周波数を画定する、請求項1に記載の小売物品用アテンション。
【請求項8】
前記第1アンテナ部の電気長は、前記第2アンテナ部の電気長より短い、請求項1に記載の小売物品用アテンション。
【請求項9】
前記ラベル部は、絶縁性の粘着剤で前記小売物品に取り付けられている、請求項1に記載の小売物品用アテンション。
【請求項10】
小売物品用アテンションが取り付けられた小売物品であって、前記小売物品用アテンションは、前記小売物品の金属体に接着される接着領域及び前記小売物品から突出する突出領域を有するラベル部と、
前記ラベル部に設けられたRFIDタグであって、RFICチップと、前記RFICチップに接続された整合回路と、前記RFICチップの一端部及び他端部にそれぞれ接続された第1アンテナ部及び第2アンテナ部を有するアンテナパターンと、を有するRFIDタグと、
を備え、
前記RFIDタグの前記整合回路および前記第1アンテナ部は、前記ラベル部の前記突出領域に設けられており、前記RFIDタグの前記第2アンテナ部は、前記ラベル部の前記接着領域に前記小売物品の金属体と対向配置して設けられている、
小売物品用アテンションが取り付けられた小売物品。
【国際調査報告】