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再表2018-131090車両制御装置、車両制御方法、および車両制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2018年7月19日
【発行日】2019年11月7日
(54)【発明の名称】車両制御装置、車両制御方法、および車両制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   B60W 30/10 20060101AFI20191011BHJP
   B60W 30/09 20120101ALI20191011BHJP
   B60W 30/095 20120101ALI20191011BHJP
   B60W 40/06 20120101ALI20191011BHJP
   B60W 40/04 20060101ALI20191011BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20191011BHJP
【FI】
   B60W30/10
   B60W30/09
   B60W30/095
   B60W40/06
   B60W40/04
   G08G1/16 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】27
【出願番号】特願2018-561133(P2018-561133)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2017年1月11日
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100154852
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 太一
(74)【代理人】
【識別番号】100194087
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 伸一
(72)【発明者】
【氏名】石岡 淳之
【テーマコード(参考)】
3D241
5H181
【Fターム(参考)】
3D241BA11
3D241BA32
3D241BA33
3D241BA51
3D241CE02
3D241CE03
3D241CE04
3D241CE05
3D241DA13Z
3D241DA23Z
3D241DA39Z
3D241DA52Z
3D241DB01Z
3D241DB02Z
3D241DB05Z
3D241DB12Z
3D241DC38Z
3D241DC39Z
3D241DC42Z
3D241DC43Z
3D241DC44Z
3D241DC45Z
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB05
5H181BB13
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC12
5H181CC14
5H181FF04
5H181FF22
5H181FF27
5H181LL01
5H181LL02
5H181LL04
5H181LL09
(57)【要約】
車両制御装置は、自車両の周辺物体を検出する検出部と、自車両が走行する走行路の形状に基づいて第1の目標軌道を生成する生成部と、第1の目標軌道に沿って走行することによる安全性を表す誘導ポテンシャルを算出する第1のポテンシャル算出部と、自車両の周辺物体に基づく安全性を表す周辺ポテンシャルを算出する第2のポテンシャル算出部と、誘導ポテンシャルと周辺ポテンシャルとに基づいて、第1の目標軌道を基準として自車両が将来に走行可能な領域に含まれる地点ごとに、自車両の進行方向と交わる方向に自車両を移動させた場合の安全性を表す走行ポテンシャルを算出する第3のポテンシャル算出部と、走行ポテンシャルに基づいて第1の目標軌道を修正した第2の目標軌道に基づいて、自車両の走行制御を行う走行制御部とを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両の周辺物体を検出する検出部と、
前記自車両が走行する走行路の形状に基づいて第1の目標軌道を生成する生成部と、
前記第1の目標軌道に沿って走行することによる安全性を表す誘導ポテンシャルを算出する第1のポテンシャル算出部と、
前記自車両の周辺物体に基づく安全性を表す周辺ポテンシャルを算出する第2のポテンシャル算出部と、
前記第1のポテンシャル算出部により算出された誘導ポテンシャルと、前記第2のポテンシャル算出部により算出された周辺ポテンシャルとに基づいて、前記第1の目標軌道を基準として前記自車両が将来に走行可能な領域に含まれる地点ごとに、前記自車両の進行方向と交わる方向に自車両を移動させた場合の安全性を表す走行ポテンシャルを算出する第3のポテンシャル算出部と、
前記第3のポテンシャル算出部により演算された走行ポテンシャルに基づいて前記第1の目標軌道を修正した第2の目標軌道に基づいて、前記自車両の走行制御を行う走行制御部と、
を備える車両制御装置。
【請求項2】
前記第1のポテンシャル算出部は、前記走行路に設けられた側壁の位置、および前記走行路に描かれた白線の位置に基づいて誘導ポテンシャルを算出する、
請求項1に記載の車両制御装置。
【請求項3】
前記第1のポテンシャル算出部は、前記第1の目標軌道に対応する地点における誘導ポテンシャルを、安全性が最も高い値に設定し、前記安全性が最も高いことを示す値の誘導ポテンシャルが設定された地点から離れた地点ほど、次第に前記安全性が最も高いことを示す値から、安全性が低下したことを示す値の誘導ポテンシャルを算出する、
請求項1に記載の車両制御装置。
【請求項4】
前記周辺物体は、前記自車両の周辺の障害物の位置、および前記走行路に描かれた白線の位置を含み、
前記第2のポテンシャル算出部は、前記障害物の位置および前記白線の位置に基づく安全性を表す周辺ポテンシャルを算出する、
請求項1に記載の車両制御装置。
【請求項5】
前記第2のポテンシャル算出部は、前記安全性が最も高いことを示す値の誘導ポテンシャルが設定された地点から離れた地点ほど、次第に前記安全性が最も高いことを示す値から、安全性が低下したことを示す値の誘導ポテンシャルを算出する、
請求項1に記載の車両制御装置。
【請求項6】
前記第2のポテンシャル算出部は、前記周辺物体のうち白線を除く物体の周囲に対応する地点における周辺ポテンシャルを、安全性が最も高い値から急峻に安全性が低下した値に変化させる、
請求項1に記載の車両制御装置。
【請求項7】
前記第2のポテンシャル算出部は、前記自車両の将来の加減速度、および前記自車両の周辺の他車両の加減速度を予測し、予測された前記自車両の将来の加減速度、および前記自車両の周辺の他車両の加減速度に基づく前記自車両と前記他車両との相対位置に基づいて、前記自車両が将来走行する地点に対応する前記周辺ポテンシャルを算出する、
請求項1に記載の車両制御装置。
【請求項8】
前記第2のポテンシャル算出部は、前記自車両の乗員により指定された条件、前記周辺物体の種類、または前記自車両の走行履歴の少なくとも一つに基づいて、前記周辺物体の周囲に対応する前記地点における周辺ポテンシャルを変化させる勾配を変化させる、
請求項1に記載の車両制御装置。
【請求項9】
前記自車両が走行可能な領域のうち、前記検出部の死角領域に存在する周辺物体の位置情報を取得する周辺物体取得部を更に備え、
前記第2のポテンシャル算出部は、前記周辺物体取得部により取得された前記周辺物体の位置情報に基づいて周辺ポテンシャルを算出する、
請求項1から7のうちいずれか1項に記載の車両制御装置。
【請求項10】
コンピュータが、
車外の状況を取得し、
自車両の周辺物体を検出し、
前記自車両が走行する走行路の形状に基づいて第1の目標軌道を生成し、
前記第1の目標軌道に沿って走行することによる安全性を表す誘導ポテンシャルを算出し、
前記自車両の周辺物体に基づく安全性を表す周辺ポテンシャルを算出し、
前記誘導ポテンシャルと、前記周辺ポテンシャルとに基づいて、前記第1の目標軌道を基準として前記自車両が将来に走行可能な領域に含まれる地点ごとに、前記自車両の進行方向と交わる方向に自車両を移動させた場合の安全性を表す走行ポテンシャルを算出し、
前記走行ポテンシャルに基づいて前記第1の目標軌道を修正した第2の目標軌道に基づいて、前記自車両の走行制御を行う、
車両制御方法。
【請求項11】
コンピュータに、
車外の状況を取得させ、
自車両の周辺物体を検出させ、
前記自車両が走行する走行路の形状に基づいて第1の目標軌道を生成させ、
前記第1の目標軌道に沿って走行することによる安全性を表す誘導ポテンシャルを算出させ、
前記自車両の周辺物体に基づく安全性を表す周辺ポテンシャルを算出させ、
前記誘導ポテンシャルと、前記周辺ポテンシャルとに基づいて、前記第1の目標軌道を基準として前記自車両が将来に走行可能な領域に含まれる地点ごとに、前記自車両の進行方向と交わる方向に自車両を移動させた場合の安全性を表す走行ポテンシャルを算出させ、
前記走行ポテンシャルに基づいて前記第1の目標軌道を修正した第2の目標軌道に基づいて、前記自車両の走行制御を行わせる、
車両制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両制御装置、車両制御方法、および車両制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、加減速や操舵を自動的に行う自動運転について研究が進められている。これに関連し、既定経路に沿った走行をできるだけ維持しつつ、障害物の遭遇可能性が高まったときには先行車両の走行軌跡経路に基づいた自動操舵を行う技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−78333号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された技術は、先行車両が存在しない場合には適切な自動操舵が実現できない可能性があり、自車両周辺の障害物の存在によって車両乗員に与える不安感が大きくなる可能性があった。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、自車両周辺の状況によって車両乗員に与える不安感を抑制することができる車両制御装置、車両制御方法、および車両制御プログラムを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、自車両の周辺物体を検出する検出部(10、12、14)と、前記自車両が走行する走行路の形状に基づいて第1の目標軌道を生成する生成部(123a)と、前記第1の目標軌道に沿って走行することによる安全性を表す誘導ポテンシャルを算出する第1のポテンシャル算出部(123b)と、前記自車両の周辺物体に基づく安全性を表す周辺ポテンシャルを算出する第2のポテンシャル算出部(123c)と、前記第1のポテンシャル算出部により算出された誘導ポテンシャルと、前記第2のポテンシャル算出部により算出された周辺ポテンシャルとに基づいて、前記第1の目標軌道を基準として前記自車両が将来に走行可能な領域に含まれる地点ごとに、前記自車両の進行方向と交わる方向に自車両を移動させた場合の安全性を表す走行ポテンシャルを算出する第3のポテンシャル算出部(123d)と、前記第3のポテンシャル算出部により演算された走行ポテンシャルに基づいて前記第1の目標軌道を修正した第2の目標軌道に基づいて、前記自車両の走行制御を行う走行制御部(140)と、を備える車両制御装置(100)である。
【0007】
請求項2記載の発明は、前記第1のポテンシャル算出部は、前記走行路に設けられた側壁の位置、および前記走行路に描かれた白線の位置に基づいて誘導ポテンシャルを算出する、ものである。
【0008】
請求項3記載の発明は、請求項1に記載の車両制御装置であって、前記第1のポテンシャル算出部は、前記第1の目標軌道に対応する地点における誘導ポテンシャルを、安全性が最も高い値に設定し、前記安全性が最も高いことを示す値の誘導ポテンシャルが設定された地点から離れた地点ほど、次第に前記安全性が最も高いことを示す値から、安全性が低下したことを示す値の誘導ポテンシャルを算出する、ものである。
【0009】
請求項4記載の発明は、請求項1に記載の車両制御装置であって、前記周辺物体は、前記自車両の周辺の障害物の位置、および前記走行路に描かれた白線の位置を含み、前記第2のポテンシャル算出部は、前記障害物の位置および前記白線の位置に基づく安全性を表す周辺ポテンシャルを算出する、ものである。
【0010】
請求項5記載の発明は、前記第2のポテンシャル算出部は、前記安全性が最も高いことを示す値の誘導ポテンシャルが設定された地点から離れた地点ほど、次第に前記安全性が最も高いことを示す値から、安全性が低下したことを示す値の誘導ポテンシャルを算出する、ものである。
【0011】
請求項6記載の発明は、前記第2のポテンシャル算出部は、前記周辺物体のうち白線を除く物体の周囲に対応する地点における周辺ポテンシャルを、安全性が最も高い値から急峻に安全性が低下した値に変化させる、ものである。
【0012】
請求項7記載の発明は、請求項1に記載の車両制御装置であって、前記第2のポテンシャル算出部は、前記自車両の将来の加減速度、および前記自車両の周辺の他車両の加減速度を予測し、予測された前記自車両の将来の加減速度、および前記自車両の周辺の他車両の加減速度に基づく前記自車両と前記他車両との相対位置に基づいて、前記自車両が将来走行する地点に対応する前記周辺ポテンシャルを算出する、ものである。
【0013】
請求項8記載の発明は、請求項1に記載の車両制御装置であって、前記第2のポテンシャル算出部は、前記自車両の乗員により指定された条件、前記周辺物体の種類、または前記自車両の走行履歴の少なくとも一つに基づいて、前記周辺物体の周囲に対応する前記地点における周辺ポテンシャルを変化させる勾配を変化させる、ものである。
【0014】
請求項9記載の発明は、請求項1から7のうちいずれか1項に記載の車両制御装置であって、前記自車両が走行可能な領域のうち、前記検出部の死角領域に存在する周辺物体の位置情報を取得する周辺物体取得部を更に備え、前記第2のポテンシャル算出部は、前記周辺物体取得部により取得された前記周辺物体の位置情報に基づいて周辺ポテンシャルを算出する、ものである。
【0015】
請求項10記載の発明は、コンピュータ(100)が、コンピュータが、車外の状況を取得し、自車両の周辺物体を検出し、前記自車両が走行する走行路の形状に基づいて第1の目標軌道を生成し、前記第1の目標軌道に沿って走行することによる安全性を表す誘導ポテンシャルを算出し、前記自車両の周辺物体に基づく安全性を表す周辺ポテンシャルを算出し、前記誘導ポテンシャルと、前記周辺ポテンシャルとに基づいて、前記第1の目標軌道を基準として前記自車両が将来に走行可能な領域に含まれる地点ごとに、前記自車両の進行方向と交わる方向に自車両を移動させた場合の安全性を表す走行ポテンシャルを算出し、前記走行ポテンシャルに基づいて前記第1の目標軌道を修正した第2の目標軌道に基づいて、前記自車両の走行制御を行う、車両制御方法である。
【0016】
請求項11記載の発明は、コンピュータ(100)に、車外の状況を取得させ、自車両の周辺物体を検出させ、前記自車両が走行する走行路の形状に基づいて第1の目標軌道を生成させ、前記第1の目標軌道に沿って走行することによる安全性を表す誘導ポテンシャルを算出させ、前記自車両の周辺物体に基づく安全性を表す周辺ポテンシャルを算出させ、前記誘導ポテンシャルと、前記周辺ポテンシャルとに基づいて、前記第1の目標軌道を基準として前記自車両が将来に走行可能な領域に含まれる地点ごとに、前記自車両の進行方向と交わる方向に自車両を移動させた場合の安全性を表す走行ポテンシャルを算出させ、前記走行ポテンシャルに基づいて前記第1の目標軌道を修正した第2の目標軌道に基づいて、前記自車両の走行制御を行わせる、車両制御プログラムである。
【発明の効果】
【0017】
請求項1、10、および11記載の発明によれば、誘導ポテンシャルに加えて、周辺ポテンシャルに基づいて、車両Mの幅方向Wの位置を調整することができるので、自車両周辺の状況によって車両乗員に与える不安感を抑制することができる。
【0018】
請求項2記載の発明によれば、走行路に設けられた側壁の位置、および走行路に描かれた白線の位置に基づいて誘導ポテンシャルを算出するので、側壁や白線の位置に基づいて自車両の位置を幅方向に移動することができる。
【0019】
請求項3記載の発明によれば、安全性が最も高い値の誘導ポテンシャルが設定された地点から離れた地点ほど、次第に安全性が最も高い値から上昇した誘導ポテンシャルを算出するので、白線から走行路の外に自車両が走行した場合に、走行路Lに戻すように自車両を制御することができる。
【0020】
請求項4記載の発明によれば、障害物の位置および白線の位置に基づく安全性を表す周辺ポテンシャルを算出するので、白線や側壁の状況によって車両乗員に与える不安感を抑制することができる。
【0021】
請求項5、6記載の発明によれば、白線を除く側壁など状況によって車両乗員に与える不安感を抑制することができる。
【0022】
請求項7記載の発明によれば、車両の将来の加減速度、および車両の周辺の他車両の加減速度を予測し、予測結果に基づいて、車両が将来走行する地点に対応する周辺ポテンシャルを算出するので、他車両の状況によって車両乗員に与える不安感を抑制することができる
【0023】
請求項8記載の発明によれば、車両の乗員により指定された条件、周辺物体の種類、または車両の走行履歴を考慮して車両の走行を制御することができる。
【0024】
請求項9記載の発明によれば、死角領域に存在する周辺物体によって車両乗員に与える不安感を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】車両Mに搭載される構成の一例を示す図である。
図2】自車位置認識部122により走行車線L1に対する自車両Mの相対位置および姿勢が認識される様子を示す図である。
図3】推奨車線に基づいて目標軌道が生成される様子を示す図である。
図4】目標軌道生成手法の一例について説明するための図である。
図5】行動計画生成部123において目標軌道を生成する処理の一例を示すフローチャートである。
図6】第1の目標軌道を修正して第2の目標軌道を生成する処理の説明図である。
図7】軌道生成部123aにより目標軌道TLを演算することを説明する図である。
図8】軌道ポテンシャル、周辺ポテンシャル、および走行ポテンシャルの一例を示す図である。
図9】軌道ポテンシャル、周辺ポテンシャル、および走行ポテンシャルの他の一例を示す図である。
図10】軌道ポテンシャル、周辺ポテンシャル、および走行ポテンシャルの他の一例を示す図である。
図11】周辺ポテンシャルの一例を示す図である。
図12】他車両M2が停車している場合の周辺ポテンシャルおよび修正した目標軌道TLを表す図である。
図13】他車両M2が自車両M1よりも低速で走行している場合の周辺ポテンシャルおよび修正した目標軌道TLを表す図である。
図14】他車両M2が自車両M1と等速走行している場合の周辺ポテンシャルおよび修正した目標軌道TLを表す図である。
図15】自車両M1が車線変更する場合の目標軌道の一例を示す図である。
図16】白線に基づく周辺ポテンシャル、側壁に基づく周辺ポテンシャル、障害物に基づく周辺ポテンシャル、および誘導ポテンシャルの一例を示す図である。
図17】自車両M1が車線変更する場合において、他車両M2が存在する場合の目標軌道TLを表す図である。
図18】自車両M1が車線変更する場合において、他車両M2が存在する場合の走行ポテンシャルを表す図である。
図19】自車両M1が車線変更する場合において、他車両M2が存在する場合の目標軌道TLを表す他の図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照し、本発明の車両制御装置、車両制御方法、および車両制御プログラムの実施形態について説明する。
【0027】
[車両構成]
まず、車両Mに搭載される構成について説明する。図1は、車両Mに搭載される構成の一例を示す図である。車両Mには、例えば、カメラ10と、レーダ装置12と、ファインダ14と、物体認識装置16と、通信装置20と、HMI(Human Machine Interface)30と、ナビゲーション装置50と、MPU(Micro-Processing Unit)60と、車両センサ70と、運転操作子80と、車室内カメラ90と、自動運転制御ユニット100と、走行駆動力出力装置200と、ブレーキ装置210と、ステアリング装置220とが搭載される。これらの装置や機器は、CAN(Controller Area Network)通信線等の多重通信線やシリアル通信線、無線通信網等によって互いに接続される。なお、図1に示す構成はあくまで一例であり、構成の一部が省略されてもよいし、更に別の構成が追加されてもよい。図1に示す構成のうち、カメラ10、レーダ装置12、ファインダ14、第1制御部120、および第2制御部140を少なくとも含むものが、「車両制御装置」の一例である。
【0028】
カメラ10は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の固体撮像素子を利用したデジタルカメラである。カメラ10は、車両Mの任意の箇所に一つまたは複数が取り付けられる。前方を撮像する場合、カメラ10は、フロントウインドシールド上部やルームミラー裏面等に取り付けられる。カメラ10は、例えば、周期的に繰り返し車両Mの周辺を撮像する。カメラ10は、ステレオカメラであってもよい。
【0029】
レーダ装置12は、車両Mの周辺にミリ波などの電波を放射すると共に、物体によって反射された電波(反射波)を検出して少なくとも物体の位置(距離および方位)を検出する。レーダ装置12は、車両Mの任意の箇所に一つまたは複数が取り付けられる。レーダ装置12は、FM−CW(Frequency Modulated Continuous Wave)方式によって物体の位置および速度を検出してもよい。
【0030】
ファインダ14は、照射光に対する散乱光を測定し、対象までの距離を検出するLIDAR(Light Detection and Ranging、或いはLaser Imaging Detection and Ranging)である。ファインダ14は、車両Mの任意の箇所に一つまたは複数が取り付けられる。
【0031】
物体認識装置16は、カメラ10、レーダ装置12、およびファインダ14のうち一部または全部による検出結果に対してセンサフュージョン処理を行って、物体の位置、種類、速度などを認識する。物体認識装置16は、認識結果を自動運転制御ユニット100に出力する。
【0032】
通信装置20は、例えば、セルラー網やWi−Fi網、Bluetooth(登録商標)、DSRC(Dedicated Short Range Communication)などを利用して、車両Mの周辺に存在する他車両と通信し、或いは無線基地局を介して遠隔操作管理設備300などの外部装置と通信する。
【0033】
HMI30は、車両Mの乗員に対して各種情報を提示すると共に、乗員による入力操作を受け付ける。HMI30は、各種表示装置、スピーカ、ブザー、タッチパネル、スイッチ、キーなどを含む。
【0034】
ナビゲーション装置50は、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機51と、ナビHMI52と、経路決定部53とを備え、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶装置に第1地図情報54を保持している。GNSS受信機は、GNSS衛星から受信した信号に基づいて、車両Mの位置を特定する。車両Mの位置は、車両センサ70の出力を利用したINS(Inertial Navigation System)によって特定または補完されてもよい。ナビHMI52は、表示装置、スピーカ、タッチパネル、キーなどを含む。ナビHMI52は、前述したHMI30と一部または全部が共通化されてもよい。経路決定部53は、例えば、GNSS受信機51により特定された車両Mの位置(或いは入力された任意の位置)から、ナビHMI52を用いて乗員により入力された目的地までの経路を、第1地図情報54を参照して決定する。第1地図情報54は、例えば、道路を示すリンクと、リンクによって接続されたノードとによって道路形状が表現された情報である。第1地図情報54は、道路の曲率やPOI(Point Of Interest)情報などを含んでもよい。経路決定部53により決定された経路は、MPU60に出力される。また、ナビゲーション装置50は、経路決定部53により決定された経路に基づいて、ナビHMI52を用いた経路案内を行ってもよい。なお、ナビゲーション装置50は、例えば、ユーザの保有するスマートフォンやタブレット端末等の端末装置の機能によって実現されてもよい。また、ナビゲーション装置50は、通信装置20を介してナビゲーションサーバに現在位置と目的地を送信し、ナビゲーションサーバから返信された経路を取得してもよい。
【0035】
MPU60は、例えば、推奨車線決定部61として機能し、HDDやフラッシュメモリなどの記憶装置に第2地図情報62を保持している。推奨車線決定部61は、ナビゲーション装置50から提供された経路を複数のブロックに分割し(例えば、車両進行方向に関して100[m]毎に分割し)、第2地図情報62を参照してブロックごとに推奨車線を決定する。推奨車線決定部61は、左から何番目の車線を走行するといった決定を行う。推奨車線決定部61は、経路において分岐箇所や合流箇所などが存在する場合、車両Mが、分岐先に進行するための合理的な経路を走行できるように、推奨車線を決定する。
【0036】
第2地図情報62は、第1地図情報54よりも高精度な地図情報である。第2地図情報62は、例えば、車線の中央の情報あるいは車線の境界の情報等を含んでいる。また、第2地図情報62には、道路情報、交通規制情報、住所情報(住所・郵便番号)、施設情報、電話番号情報などが含まれてよい。道路情報には、高速道路、有料道路、国道、都道府県道といった道路の種別を表す情報や、道路の車線数、各車線の幅員、道路の勾配、道路の位置(経度、緯度、高さを含む3次元座標)、車線のカーブの曲率、車線の合流および分岐ポイントの位置、道路に設けられた標識等の情報が含まれる。第2地図情報62は、通信装置20を用いて他装置にアクセスすることにより、随時、アップデートされてよい。
【0037】
車両センサ70は、車両Mの速度を検出する車速センサ、加速度を検出する加速度センサ、鉛直軸回りの角速度を検出するヨーレートセンサ、車両Mの向きを検出する方位センサ等を含む。
【0038】
運転操作子80は、例えば、アクセルペダル、ブレーキペダル、シフトレバー、ステアリングホイールその他の操作子を含む。運転操作子80には、操作量あるいは操作の有無を検出するセンサが取り付けられており、その検出結果は、自動運転制御ユニット100、もしくは、走行駆動力出力装置200、ブレーキ装置210、およびステアリング装置220のうち一方または双方に出力される。運転操作子80には、操作の有無を検出するセンサに加えて、運転操作子80に対する接触の有無を検出するタッチセンサが備えられている。タッチセンサは、例えば、ステアリングホイールの把持部分に内蔵されたセンサである。タッチセンサは、車両乗員の手がステアリングホイールに触れたことを検出し、検出結果を自動運転制御ユニット100に出力する。
【0039】
車室内カメラ90は、運転席に着座した乗員の顔を中心として上半身を撮像する。車室内カメラ90の撮像画像は、自動運転制御ユニット100に出力される。
【0040】
自動運転制御ユニット100は、例えば、第1制御部120と、第2制御部140とを備える。第1制御部120、および第2制御部140は、それぞれ、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することで実現される。また、以下に説明する第1制御部120、および第2制御部140の機能部のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)などのハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。
【0041】
第1制御部120は、例えば、外界認識部121と、自車位置認識部122と、行動計画生成部123とを備える。
【0042】
外界認識部121は、カメラ10、レーダ装置12、およびファインダ14から直接的に、或いは物体認識装置16を介して入力される情報に基づいて、周辺車両の位置、および速度、加速度等の状態を認識する。周辺車両の位置は、その周辺車両の重心やコーナー等の代表点で表されてもよいし、周辺車両の輪郭で表現された領域で表されてもよい。周辺車両の「状態」とは、周辺車両の加速度やジャーク、あるいは「行動状態」(例えば車線変更をしている、またはしようとしているか否か)を含んでもよい。また、外界認識部121は、周辺車両に加えて、ガードレールや電柱、駐車車両、歩行者その他の物体の位置を認識してもよい。
【0043】
自車位置認識部122は、例えば、車両Mが走行している車線(走行車線)、並びに走行車線に対する車両Mの相対位置および姿勢を認識する。自車位置認識部122は、例えば、第2地図情報62から得られる道路区画線のパターン(例えば実線と破線の配列)と、カメラ10によって撮像された画像から認識される車両Mの周辺の道路区画線のパターンとを比較することで、走行車線を認識する。この認識において、ナビゲーション装置50から取得される車両Mの位置やINSによる処理結果が加味されてもよい。
【0044】
自車位置認識部122は、例えば、走行車線に対する自車両Mの位置や姿勢を認識する。図2は、自車位置認識部122により走行車線L1に対する自車両Mの相対位置および姿勢が認識される様子を示す図である。自車位置認識部122は、例えば、自車両Mの基準点(例えば重心)の走行車線中央CLからの乖離OS、および自車両Mの進行方向の走行車線中央CLを連ねた線に対してなす角度θを、走行車線L1に対する自車両Mの相対位置および姿勢として認識する。なお、これに代えて、自車位置認識部122は、自車線L1のいずれかの側端部に対する自車両Mの基準点の位置などを、走行車線に対する自車両Mの相対位置として認識してもよい。自車位置認識部122により認識される自車両Mの相対位置は、推奨車線決定部61および行動計画生成部123に提供される。
【0045】
行動計画生成部123は、推奨車線決定部61により決定されて推奨車線を走行するように、且つ、車両Mの周辺状況に対応できるように、自動運転において順次実行されるイベントを決定する。イベントには、例えば、一定速度で同じ走行車線を走行する定速走行イベント、前走車両に追従する追従走行イベント、車線変更イベント、合流イベント、分岐イベント、緊急停止イベント、自動運転を終了して手動運転に切り替えるためのハンドオーバイベントなどがある。また、これらのイベントの実行中に、車両Mの周辺状況(周辺車両や歩行者の存在、道路工事による車線狭窄など)に基づいて、回避のための行動が計画される場合もある。
【0046】
行動計画生成部123は、軌道生成部123a、および第1ポテンシャル算出部123b、第2ポテンシャル算出部123c、第3ポテンシャル算出部123dの機能によって、自車両Mが将来走行する目標軌道を生成する。目標軌道は、例えば、速度要素を含んでいる。例えば、目標軌道は、所定のサンプリング時間(例えば0コンマ数[sec]程度)ごとに将来の基準時刻を複数設定し、それらの基準時刻に到達すべき目標地点(軌道点)の集合として生成される。このため、軌道点同士の間隔が広い場合、その軌道点の間の区間を高速に走行することを示している。なお、軌道生成部123a、および第1ポテンシャル算出部123b、第2ポテンシャル算出部123c、第3ポテンシャル算出部123dの詳細な説明は、後述する。
【0047】
図3は、推奨車線に基づいて目標軌道が生成される様子を示す図である。図示するように、推奨車線は、目的地までの経路に沿って走行するのに都合が良いように設定される。行動計画生成部123は、推奨車線の切り替わり地点の所定距離手前(イベントの種類に応じて決定されてよい)に差し掛かると、車線変更イベント、分岐イベント、合流イベントなどを起動する。各イベントの実行中に、障害物を回避する必要が生じた場合には、図示するように回避軌道が生成される。
【0048】
行動計画生成部123は、例えば、目標軌道の候補を複数生成し、安全性と効率性の観点に基づいて、その時点での最適な目標軌道を選択する。
【0049】
第2制御部140は、走行制御部141を備える。走行制御部141は、行動計画生成部123によって生成された目標軌道を、予定の時刻通りに車両Mが通過するように、走行駆動力出力装置200、ブレーキ装置210、およびステアリング装置220を制御する。
【0050】
走行駆動力出力装置200は、車両が走行するための走行駆動力(トルク)を駆動輪に出力する。走行駆動力出力装置200は、例えば、内燃機関、電動機、および変速機などの組み合わせと、これらを制御するECUとを備える。ECUは、自動運転制御ユニット100から入力される情報、或いは運転操作子80から入力される情報に従って、上記の構成を制御する。
【0051】
ブレーキ装置210は、例えば、ブレーキキャリパーと、ブレーキキャリパーに油圧を伝達するシリンダと、シリンダに油圧を発生させる電動モータと、ブレーキECUとを備える。ブレーキECUは、自動運転制御ユニット100から入力される情報、或いは運転操作子80から入力される情報に従って電動モータを制御し、制動操作に応じたブレーキトルクが各車輪に出力されるようにする。ブレーキ装置210は、運転操作子80に含まれるブレーキペダルの操作によって発生させた油圧を、マスターシリンダを介してシリンダに伝達する機構をバックアップとして備えてよい。なお、ブレーキ装置210は、上記説明した構成に限らず、走行制御部141から入力される情報に従ってアクチュエータを制御して、マスターシリンダの油圧をシリンダに伝達する電子制御式油圧ブレーキ装置であってもよい。
【0052】
ステアリング装置220は、例えば、ステアリングECUと、電動モータとを備える。電動モータは、例えば、ラックアンドピニオン機構に力を作用させて転舵輪の向きを変更する。ステアリングECUは、自動運転制御ユニット100から入力される情報、或いは運転操作子80から入力される情報に従って、電動モータを駆動し、転舵輪の向きを変更させる。
【0053】
[目標軌道の修正処理]
以下、行動計画生成部123により生成された目標軌道を、自車両の周辺物体などに基づいて修正する処理について説明する。
図4は、目標軌道生成手法の一例について説明するための図である。行動計画生成部123の軌道生成部123aは、まず、自車両M1が走行可能な区間における路面領域を、道路の長手方向に沿った方向(進行方向)S、道路の幅方向に沿った方向(横方向)Wを軸とした座標系を想定し、路面領域を二方向に一定幅で仮想的に区切って得られるグリッドを設定する。グリッドの区切り幅は、進行方向と横方向とで等しくなるように設定してもよいし、異なるように設定してもよい。また、図4は説明を簡易化するために直線路で表しているが、カーブに関しても、何らかの変換処理を介することで同様の処理を行うことができる。
【0054】
軌道生成部123aは、横方向に並ぶグリッドの中から一つ選択することを、進行方向Sに関して一座標ごとに行う。軌道生成部123aは、原則として、自車両M1が走行する車線L1の幅方向Wにおける中央位置のグリッドを選択する。軌道生成部123aは、選択されたグリッド群を、目標軌道とする。なお、これに代えて、進行方向に関して所定数おきにグリッドを選択してもよい。図中、ハッチングが付けられたグリッドが、一つの目標軌道に相当する。この目標軌道は、自車両Mの代表点(前述したように重心など)が通過するものである。
【0055】
図5は、行動計画生成部123において目標軌道を生成する処理の一例を示すフローチャートである。図6は、第1の目標軌道を修正して第2の目標軌道を生成する処理の説明図である。まず、行動計画生成部123は、軌道生成部123aにより目標軌道を生成する(ステップS100)。軌道生成部123aは、図4に示したように、自車両M1が走行する車線L1におけるグリッドのうち幅方向Wにおける中央位置のグリッドを選択する(図6(a))。次に行動計画生成部123は、外界認識部121の認識結果に基づいて、周囲状況を取得する(ステップS102)。周囲状況は、例えば、車線L1、L2、およびその周囲に描かれた白線、他車両M2、およびガードレールなどの側壁(不図示)が含まれる。
【0056】
次に、行動計画生成部123は、誘導ポテンシャル、周辺ポテンシャル、および走行ポテンシャルを算出する(ステップS104)。第1ポテンシャル算出部123bは、生成した目標軌道(第1の目標軌道)に沿って走行することによる安全性を表す誘導ポテンシャルを算出する。また、第2ポテンシャル算出部123cは、自車両M1の周辺物体に基づく安全性を表す周辺ポテンシャルを算出する。さらに、第3ポテンシャル算出部123dは、誘導ポテンシャルと、周辺ポテンシャルとに基づいて、第1の目標軌道を基準として自車両M1が将来に走行可能な領域に含まれる地点ごとに、自車両M1の進行方向Sと交わる幅方向Wに自車両M1を移動させた場合の安全性を表す走行ポテンシャルを算出する。
【0057】
次に、軌道生成部123aは、走行ポテンシャルに基づいて第1の目標軌道を修正することで、修正された目標軌道(第2の目標軌道)を生成する(ステップS106)。軌道生成部123aは、図6(b)に示すように、他車両M2との距離を長くする方向にグリッドをずらす。また、軌道生成部123aは、グリッド群をスプライン関数に従って目標軌道TLを演算する。なお、軌道生成部123aは、スプライン関数に限らず、エルミート関数により目標軌道を演算してよい。次に、第2制御部140は、第2の目標軌道に基づいて、自車両M1を操舵制御する(ステップS108)。
[目標軌道の補間処理]
【0058】
図7は、軌道生成部123aにより目標軌道TLを演算することを説明する図である。図7は、自車両M1が存在する空間をXY座標で表している。軌道生成部123aは、ベクトルVの打ち出し位置を始点Psに設定する。軌道生成部123aは、始点Psから終点Peまでを補間する曲線を演算する。
【0059】
始点Psの座標(x0,y0)において自車両Mの速度がv0であり、加速度がa0であるものとする。自車両M1の速度v0は、速度のx方向成分vx0とy方向成分vy0とが合成されたものである。自車両M1の加速度a0は、加速度のx方向成分ax0とy方向成分ay0とが合成されたものである。終点Peの座標(x1,y1)において自車両Mの速度がv1であり、加速度がa1であるものとする。自車両M1の速度v1は、速度のx方向成分vx1とy方向成分vy1とが合成されたものである。自車両M1の加速度a1は、加速度のx方向成分ax1とy方向成分ay1とが合成されたものである。
【0060】
軌道生成部123aは、自車両M1が始点Psから終点Peまでに至る単位時間Tが経過する周期中の時間tごとに、目標点(x,y)を設定する。目標点(x,y)の演算式は、下記式(1)および式(2)のスプライン関数により表される。
x:f(t)=m5×t5+m4×t4+m3×t3+(1/2)×ax0×t2+vx0×t+x0 式(1)
y:f(t)=m5×t5+m4×t4+m3×t3+(1/2)×ay0×t2+vy0×t+y0 式(2)
式(1)および式(2)において、m5、m4、およびm3は、下記の式(3)、式(4)および式(5)のように表される。
m5=−(20p0−20p1+12v0T+8v1T+3a0T2−a1T2)/2T3 式(3)
m4=(30p0−30p1+16v0T+14v1T+3a0T2−2a1T2)/2T4 式(4)
m3=−(12p0−12p1+6v0T+6v1T+a0T2−a1T2)/2T5 式(5)
式(3)、式(4)および式(5)においてp0は始点Psにおける自車両M1の位置(x0,y0)であり、p1は終点Peにおける自車両M1の位置(x1,y1)である。
【0061】
軌道生成部123aは、式(1)および式(2)におけるvx0およびvy0に車両状態取得部114により取得された車速にゲインを掛け合わせた値を代入して、単位時間Tを時刻tごとに式(1)および式(2)の演算結果により特定された目標点(x(t),y(t))を取得する。これにより、経路演算部115は、始点Psと終点Peとを複数の目標点(x(t),y(t))により補間したスプライン曲線を得る。軌道生成部123aは、得られたスプライン曲線を、目標軌道TLとして第2制御部140に出力する(ステップS110)。なお、軌道生成部123aは、5次元のスプライン関数によってスプライン曲線を演算しているが、5次元のスプライン関数に限らず、高次元のスプライン関数であれば、式(1)〜式(5)を変形して目標経路TLを演算してもよい。
【0062】
[ポテンシャルの算出処理]
図8は、軌道ポテンシャル、周辺ポテンシャル、および走行ポテンシャルの一例を示す図である。図8(a)に示すように、走行路Lの幅方向Wの両端に道路境界線としての白線LRおよびLLが描かれ、走行路Lの左側にカーブ路内側領域L#が形成され、さらに、走行路Lの右側およびカーブ路内側領域L#の左側に側壁WRおよびWLが設けられている場合を想定する。図8(b)、(c)、(d)、および(e)は、自車両M1が将来走行する進行方向Sの予測位置に対して幅方向Wに伸びるグリッドラインGL上のグリッドごとに設定されるポテンシャルの大きさを表す図である。
【0063】
第1ポテンシャル算出部123bは、図8(b)に示すように、走行路Lの幅方向Wにおける中央位置CPに対応するグリッドの誘導ポテンシャルを、極小値として算出する。第1ポテンシャル算出部123bは、走行路Lの幅方向Wにおける中央位置CPから遠くなるほど次第に高くなる誘導ポテンシャルを算出する。第1ポテンシャル算出部123bは、白線LLおよびLRに対応するグリッドの誘導ポテンシャルを、極大値として算出する。
【0064】
第2ポテンシャル算出部123cは、図8(c)に示すように、走行路Lの幅方向Wにおける中央位置に対応するグリッドの周辺ポテンシャル(P2)を、極小値として算出する。第2ポテンシャル算出部123cは、走行路Lの幅方向Wにおける中央位置から遠くなるほど、次第に高くなる周辺ポテンシャルを算出する。第2ポテンシャル算出部123cは、側壁WRおよびWLに対応するグリッドの周辺ポテンシャルを、極大値として算出する。さらに、第2ポテンシャル算出部123cは、図8(d)に示すように、カーブ路内側領域L#に対応するグリッドの周辺ポテンシャルを算出する。第2ポテンシャル算出部123cは、白線LLに対応するグリッドの周辺ポテンシャルを、最小値として算出する。第2ポテンシャル算出部123cは、白線LLから側壁WLに向かって遠くなるほど、次第に高くなる周辺ポテンシャルを算出する。
【0065】
ここで、誘導ポテンシャルおよび周辺ポテンシャルの値は、安全度が高いほど低くなり、危険度が高いほど高くなるものとする。すなわち、第2ポテンシャル算出部123cは、側壁WRおよびWLに対応するグリッドの周辺ポテンシャルの極大値を、カーブ路内側領域L#に対応するグリッドの周辺ポテンシャルの極大値よりも高く算出する。また、第1ポテンシャル算出部123bは、走行路Lから外れた領域における誘導ポテンシャルを、周辺ポテンシャルよりも低く算出する。
【0066】
第3ポテンシャル算出部123dは、誘導ポテンシャルと周辺ポテンシャルとを合算した値を、走行ポテンシャルとして算出する。第3ポテンシャル算出部123dは、図8(e)に示すように、走行路Lの中央位置CPから白線LL側にずれたグリッドの走行ポテンシャルを、最小値として算出する。軌道生成部123aは、走行ポテンシャルが最小値のグリッドに対応する位置を走行するように目標軌道を修正する。
【0067】
第1ポテンシャル算出部123b、第2ポテンシャル算出部123c、および第3ポテンシャル算出部123dは、第1の目標軌道に対応する地点における誘導ポテンシャルを、安全性が最も高い極小値に設定し、極小値の誘導ポテンシャルが設定された地点から離れた地点ほど、次第に極小値から上昇した誘導ポテンシャルを算出する。具体的に、第1ポテンシャル算出部123b、第2ポテンシャル算出部123c、および第3ポテンシャル算出部123dは、図8(b)〜(e)に示したように、ポテンシャルを、走行路L幅方向Wにおいて極小値から線形的な勾配で極大値に変化させる。これにより、行動計画生成部123は、自車両M1の走行している位置が極小値からずれた場合に、自車両M1の位置を極小値に向かうまでの速度を調整する。
【0068】
第2ポテンシャル算出部123cは、自車両M1が走行可能な領域のうち、カメラ10などの検出部の死角領域に存在する周辺物体の位置情報に基づいて、周辺ポテンシャルを算出してもよい。第2ポテンシャル算出部123cは、周辺物体取得部123eにより、第2地図情報62を参照して、死角領域に含まれる周辺物体を取得する。周辺物体取得部123eは、例えば、図8(a)に示すように、カーブ路よりも先の走行路Lにおける周辺物体の位置を取得する。第2ポテンシャル算出部123cは、取得された周辺物体の位置情報に基づいて周辺ポテンシャルを算出する。
【0069】
第1ポテンシャル算出部123b、第2ポテンシャル算出部123c、および第3ポテンシャル算出部123dは、自車両M1の乗員により指定された条件、周辺物体の種類、または自車両M1の走行履歴の少なくとも一つに基づいて、幅方向Wにおいてポテンシャルを変化させてもよい。図9は、軌道ポテンシャル、周辺ポテンシャル、および走行ポテンシャルの他の一例を示す図である。例えば、HMI30により、自車両M1の乗員により指定された条件として、安心感を重視して走行することが選択されたものとする。この場合、第1ポテンシャル算出部123bは、図9(c)に示すように、図中Aで示すような、幅方向Wにおいてなだらかに極小値から極大値まで変化する周辺ポテンシャルを、図中Bで示すような、幅方向Wにおいて急峻に極小値から極大値まで変化する周辺ポテンシャルに変更することができる。第1ポテンシャル算出部123bは、自車両M1が走行している車線の隣接車線に走行している他車両M2が普通車である場合には、図中Aで示すような、幅方向Wにおいてなだらかに極小値から極大値まで変化する周辺ポテンシャルを算出する。一方、第1ポテンシャル算出部123bは、他車両M2が貨物トラックなどの大型車である場合には、図中Bで示すような、幅方向Wにおいて急峻に極小値から極大値まで変化する周辺ポテンシャルに変更することができる。第1ポテンシャル算出部123bは、自車両M1の走行履歴に基づいて、自車両M1の乗員が、カーブ路おいて走行路Lの端部を走行することを好む場合、図中Aで示すような、幅方向Wにおいてなだらかに極小値から極大値まで変化する周辺ポテンシャルを算出する。一方、第1ポテンシャル算出部123bは、自車両M1の乗員が、自車両M1が斜線の中央に向けて走行することを好む場合には、図中Bで示すような、幅方向Wにおいて急峻に極小値から極大値まで変化する周辺ポテンシャルに変更することができる。
【0070】
第2ポテンシャル算出部123cは、自車両M1が走行可能な領域のうち、カメラ10などの検出部の死角領域に存在する周辺物体の位置情報に基づいて、周辺ポテンシャルを算出してもよい。第2ポテンシャル算出部123cは、周辺物体取得部123eにより、第2地図情報62を参照して、死角領域に含まれる周辺物体を取得する。周辺物体取得部123eは、例えば、図8(a)に示すように、カーブ路よりも先の走行路Lにおける周辺物体の位置を取得する。第2ポテンシャル算出部123cは、取得された周辺物体の位置情報に基づいて周辺ポテンシャルを算出する。
【0071】
図10は、軌道ポテンシャル、周辺ポテンシャル、および走行ポテンシャルの他の一例を示す図である。図10(a)に示すように、走行路Lの幅方向Wの両端に道路境界線としての白線LRおよびLLが描かれ、走行路Lの左側にカーブ路内側領域L#が形成され、さらに、走行路Lの右側およびカーブ路内側領域L#の左側に側壁WRおよびWLが設けられている場合を想定する。図10(b)、(c)、(d)、および(e)は、自車両M1が将来走行する進行方向Sの予測位置に対して幅方向Wに伸びるグリッドラインGL上のグリッドごとに設定されるポテンシャルの大きさを表す図である。
【0072】
第1ポテンシャル算出部123bは、図10(b)に示すように、走行路Lの幅方向Wにおける中央位置CPに対応するグリッドの誘導ポテンシャルを、極小値として算出する。第1ポテンシャル算出部123bは、極大値付近において急峻に上昇するように高くなる誘導ポテンシャルを算出する。
【0073】
第2ポテンシャル算出部123cは、図10(c)に示すように、走行路Lの幅方向Wにおける中央位置に対応するグリッドの周辺ポテンシャル(P2)を、極小値として算出する。第2ポテンシャル算出部123cは、極大値付近において急峻に上昇するように高くなる周辺ポテンシャルを算出する。さらに、第2ポテンシャル算出部123cは、図9(d)に示すように、カーブ路内側領域L#に対応するグリッドの周辺ポテンシャルを算出する。第2ポテンシャル算出部123cは、白線LLに対応するグリッドの周辺ポテンシャルを、最小値として算出する。第2ポテンシャル算出部123cは、白線LLから側壁WLに向かって遠くなるほど、極大値付近において急峻に上昇するように高くなる周辺ポテンシャルを算出する。
【0074】
第3ポテンシャル算出部123dは、誘導ポテンシャルと周辺ポテンシャルとを合算した値を、走行ポテンシャルとして算出する。第3ポテンシャル算出部123dは、図10(e)に示すように、走行路Lの中央位置CPから白線LL側にずれたグリッドの走行ポテンシャルを、最小値として算出する。軌道生成部123aは、走行ポテンシャルが最小値のグリッドに対応する位置を走行するように目標軌道を修正する。
【0075】
図11は、周辺ポテンシャルの一例を示す図である。図11は、幅方向Wおよび進行方向Sにおける自車両M1の現在位置を0(基準)として表し、極大値「1」から極小値「0」の範囲で周辺ポテンシャル(P)を表した図である。進行方向Sにおける数値は、自車両M1が将来走行する進行方向S方向にならぶグリッド数に対応する。第2ポテンシャル算出部123cは、周辺物体として白線、側壁、他車両M2などの障害物が存在する場合、図11(a)、図11(b)、および図11(c)に示す周辺ポテンシャルを算出する。
【0076】
第2ポテンシャル算出部123cは、自車両M1の将来の加減速度、および自車両M1の周辺の他車両M2の加減速度を予測する。第2ポテンシャル算出部123cは、予測された自車両M1の将来の加減速度、および自車両M1の周辺の他車両M2の加減速度に基づく自車両M1と他車両M2との相対位置に基づいて、自車両M1が将来走行する地点に対応する周辺ポテンシャルを算出する。
【0077】
図12は、他車両M2が停車している場合の周辺ポテンシャルおよび修正した目標軌道TLを表す図である。第1ポテンシャル算出部123bは、図12(A)に示すように、自車両M1の前方に停車した他車両M2が存在ことが予測される場合、他車両M2の存在位置に対応するグリッドの周辺ポテンシャルを極大値として算出し、当該グリッドを中心として当該グリッドから離れるほど次第に周辺ポテンシャルを低くする。軌道生成部123aは、図12(A)に示すような周辺ポテンシャルが算出された場合、図12(B)に示すように、他車両M2の位置から幅方向Wにおいて他車両M2から遠ざかるように目標軌道TLを修正し、さらに進行方向Sにおいて他車両M2の位置を通過した後に、幅方向Wにおいて修正前の位置に戻るように目標軌道TLを修正する。
【0078】
図13は、他車両M2が自車両M1よりも低速で走行している場合の周辺ポテンシャルおよび修正した目標軌道TLを表す図である。第1ポテンシャル算出部123bは、図13(A)に示すように、自車両M1の前方に、自車両M1よりも速度が低い他車両M2が存在することが予測される場合、他車両M2の存在位置の前方に対応するグリッドの周辺ポテンシャルを極大値として算出し、当該グリッドを中心として当該グリッドから離れるほど次第に周辺ポテンシャルを低くする。軌道生成部123aは、図13(A)に示すような周辺ポテンシャルが算出された場合、図13(B)に示すように、幅方向Wにおいて他車両M2から遠ざかるように目標軌道TLを修正し、さらに、幅方向Wにおいて他車両M2との距離を保つように目標軌道TLを修正する。
【0079】
図14は、他車両M2が自車両M1と等速走行している場合の周辺ポテンシャルおよび修正した目標軌道TLを表す図である。第1ポテンシャル算出部123bは、図14(A)に示すように、自車両M1の前方に、自車両M1と等速走行する他車両M2が存在することが予測される場合、他車両M2の位置を中心、および他車両M2の位置の周辺の周辺ポテンシャルを、他車両M2の存在によっては変更しない。なお、第1ポテンシャル算出部123bは、自車両M1の前方に、自車両M1よりも高い速度で走行する他車両M2が存在することが予測される場合も、他車両M2の位置を中心、および他車両M2の位置の周辺の周辺ポテンシャルを、他車両M2の存在によっては変更しない。
【0080】
図15は、自車両M1が車線変更する場合の目標軌道の一例を示す図である。軌道生成部123aは、車線L1からL2に車線変更する場合、図15に示すように、車線L1からL2に斜めに進入するグリッド群を選択する。第2ポテンシャル算出部123cは、例えば、車線変更する操作を受け付けた場合、図16(a)、(b)、および(c)に示すように、車線L1とL2との間の境界を表す白線WLを無視して、周辺ポテンシャルを算出する。図16は、白線に基づく周辺ポテンシャル、側壁に基づく周辺ポテンシャル、障害物に基づく周辺ポテンシャル、および誘導ポテンシャルの一例を示す図である。また、第1ポテンシャル算出部123bは、図16(d)に示すように、軌道生成部123aにより選択されたグリッドの誘導ポテンシャルを最小値として算出する。第1ポテンシャル算出部123bは、軌道生成部123aにより選択されたグリッドから離れたグリッドほど、次第に値が高くなるように誘導ポテンシャルを算出する。
【0081】
図17は、自車両M1が車線変更する場合において、他車両M2が存在する場合の目標軌道TLを表す図である。図18は、自車両M1が車線変更する場合において、他車両M2が存在する場合の走行ポテンシャルを表す図である。軌道生成部123aは、自車両M1が車線変更する場合において、車線L2に他車両M2が存在する場合、他車両M2から遠ざかる方向に目標軌道を修正する。
【0082】
図19は、自車両M1が車線変更する場合において、他車両M2が存在する場合の目標軌道TLを表す他の図である。軌道生成部123aは、自車両M1が車線L1からL2に車線変更する場合において、他車両M2が車線L3からL2に車線変更する場合、自車両M1の目標軌道を、車線L2の中央位置から、他車両M2から離れる方向にずらした目標軌道TLを算出する。
【0083】
以上説明した車両制御システム1によれば、第1の目標軌道に沿って走行することによる安全性を表す誘導ポテンシャルを算出する第1ポテンシャル算出部123bと、自車両の周辺物体に基づく安全性を表す周辺ポテンシャルを算出する第2ポテンシャル算出部123cと、第1ポテンシャル算出部123bにより算出された誘導ポテンシャルと、第2ポテンシャル算出部123cにより算出された周辺ポテンシャルとに基づいて、第1の目標軌道を基準として自車両が将来に走行可能な領域に含まれる地点ごとに、自車両の進行方向と交わる方向に自車両を移動させた場合の安全性を表す走行ポテンシャルを算出する第3ポテンシャル算出部123dと、第3ポテンシャル算出部123dにより演算された走行ポテンシャルに基づいて第1の目標軌道を修正した第2の目標軌道に基づいて、自車両の走行制御を行う第2制御部140と、を備える。この車両制御システム1によれば、誘導ポテンシャルに加えて、周辺ポテンシャルに基づいて、車両Mの幅方向Wの位置を調整することができるので、自車両周辺の状況によって車両乗員に与える不安感を抑制することができる。
【0084】
また、車両制御システム1によれば、走行路に設けられた側壁の位置、および走行路に描かれた白線の位置に基づいて誘導ポテンシャルを算出するので、側壁や白線の位置に基づいて自車両M1の位置を幅方向Wに移動することができる。これにより、車両制御システム1によれば、白線や側壁の状況によって車両乗員に与える不安感を抑制することができる。
【0085】
さらに、車両制御システム1によれば、障害物の位置および白線の位置に基づく安全性を表す周辺ポテンシャルを算出するので、白線や側壁の状況によって車両乗員に与える不安感を抑制することができる。
【0086】
さらに、車両制御システム1によれば、第1の目標軌道に対応する地点における誘導ポテンシャルを、安全性が最も高い値に設定し、安全性が最も高い値の誘導ポテンシャルが設定された地点から離れた地点ほど、次第に前記安全性が最も高い値から上昇した誘導ポテンシャルを算出するので、白線から走行路Lの外に自車両M1が走行した場合に、走行路Lに戻すように自車両M1を制御することができる。
【0087】
さらに、車両制御システム1によれば、周辺物体のうち白線を除く物体の周囲に対応する地点における周辺ポテンシャルを、安全性が最も高い値から急峻に上昇させるので、白線を除く側壁など状況によって車両乗員に与える不安感を抑制することができる。
【0088】
さらに、車両制御システム1によれば、自車両M1の将来の加減速度、および自車両M1の周辺の他車両M2の加減速度を予測し、予測結果に基づいて、自車両M1が将来走行する地点に対応する周辺ポテンシャルを算出するので、他車両M2の状況によって車両乗員に与える不安感を抑制することができる。
【0089】
さらに、車両制御システム1によれば、自車両M1の乗員により指定された条件、周辺物体の種類、または自車両M1の走行履歴などにより、周辺物体の周囲に対応する地点における周辺ポテンシャルを変化させる勾配を変化させるので、自車両M1の乗員により指定された条件、周辺物体の種類、または自車両M1の走行履歴を考慮して自車両M1の走行を制御することができる。
【0090】
さらに、車両制御システム1によれば、自車両M1が走行可能な領域のうち死角領域に存在する周辺物体の位置情報に基づいて周辺ポテンシャルを算出するので、死角領域に存在する周辺物体によって車両乗員に与える不安感を抑制することができる。
【0091】
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0092】
1‥車両制御システム
30‥HMI
40‥HUD
60‥MPU
61‥推奨車線決定部
70‥車両センサ
100‥自動運転制御ユニット
120‥第1制御部
123‥行動計画生成部
123a‥軌道生成部
123b‥第1ポテンシャル算出部
123c‥第2ポテンシャル算出部
140‥第2制御部
図1
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【国際調査報告】