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再表2018-131335端末、基地局、無線通信システム及び回線状態情報取得方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2018年7月19日
【発行日】2019年12月19日
(54)【発明の名称】端末、基地局、無線通信システム及び回線状態情報取得方法
(51)【国際特許分類】
   H04B 7/0452 20170101AFI20191122BHJP
   H04W 16/28 20090101ALI20191122BHJP
   H04W 24/10 20090101ALN20191122BHJP
【FI】
   H04B7/0452 100
   H04W16/28 130
   H04W24/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】29
【出願番号】特願2018-561852(P2018-561852)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2017年12月6日
(31)【優先権主張番号】特願2017-5375(P2017-5375)
(32)【優先日】2017年1月16日
(33)【優先権主張国】JP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JO,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】特許業務法人栄光特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 修
(72)【発明者】
【氏名】志水 紀之
(72)【発明者】
【氏名】新宮 秀樹
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067DD43
5K067EE08
5K067GG01
5K067HH23
(57)【要約】
基地局は、複数の端末との間で無線通信が可能であって、基地局と接続中のP(P:3以上の整数)個の端末に関する情報を保持するメモリと、データ送信周期毎に、P個の端末に関する情報に基づいて、P個の端末の中から、基地局との間の伝搬路の状態を示す回線状態情報の報告を行わせるL(L:2≦L<Pを満たす整数)個の端末を決定する決定部と、L個の端末からの回線状態情報の報告に基づいて、データ送信周期において空間多重通信が可能なM(M:2≦M≦Lを満たす整数)個の端末を選定する選定部と、複数のアンテナを介して、M個の端末との間で空間多重通信を用いて、データを送信する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の端末との間で無線通信が可能な基地局であって、
前記基地局と接続中のP(P:3以上の整数)個の端末に関する情報を保持するメモリと、
データ送信周期毎に、前記P個の端末に関する情報に基づいて、前記P個の端末の中から、前記基地局との間の伝搬路の状態を示す回線状態情報の報告を行わせるL(L:2≦L<Pを満たす整数)個の端末を決定する決定部と、
前記L個の端末からの前記回線状態情報の報告に基づいて、前記データ送信周期において空間多重通信が可能なM(M:2≦M≦Lを満たす整数)個の端末を選定する選定部と、
複数のアンテナを介して、前記M個の端末との間で前記空間多重通信を用いて、データを送信する通信部と、を備える、
基地局。
【請求項2】
前記P個の端末に関する情報は、前記基地局に接続した個々の端末における端末識別情報を有し、
前記決定部は、前記個々の端末における端末識別情報の順に前記L個の端末を決定する、
請求項1に記載の基地局。
【請求項3】
前記P個の端末に関する情報は、個々の端末に送信する下り回線データ量に関する情報を有し、
前記決定部は、前記下り回線データ量が大きい端末を優先して前記L個の端末を決定する、
請求項1に記載の基地局。
【請求項4】
前記P個の端末に関する情報は、所定の契約におけるランク情報を有し、
前記決定部は、前記所定の契約におけるランク情報に基づいて、前記ランク情報が高い端末を優先して前記L個の端末を決定する、
請求項1に記載の基地局。
【請求項5】
複数の端末との間で無線通信が可能な基地局における回線状態情報取得方法であって、
前記基地局と接続中のP(P:3以上の整数)個の端末に関する情報を保持するステップと、
データ送信周期毎に、前記P個の端末に関する情報に基づいて、前記P個の端末の中から、前記基地局との間の伝搬路の状態を示す回線状態情報の報告を行わせるL(L:2≦L<Pを満たす整数)個の端末を決定するステップと、
前記L個の端末からの前記回線状態情報の報告に基づいて、前記データ送信周期において空間多重通信が可能なM(M:2≦M≦Lを満たす整数)個の端末を選定するステップと、
複数のアンテナを介して、前記M個の端末との間で前記空間多重通信を用いて、データを送信するステップと、を有する、
回線状態情報取得方法。
【請求項6】
複数の端末と基地局とが無線通信可能な無線通信システムであって、
前記基地局は、
前記基地局と接続中のP(P:3以上の整数)個の端末に関する情報を保持し、
データ送信周期毎に、前記P個の端末に関する情報に基づいて、前記P個の端末の中から、前記基地局との間の伝搬路の状態を示す回線状態情報の報告を行わせるL(L:2≦L<Pを満たす整数)個の端末を決定し、更に、前記回線状態情報の報告指示を前記P個の端末に送信し、
前記端末は、
前記基地局から送信された前記回線状態情報の報告指示を基に、前記回線状態情報を測定し、更に、前記回線状態情報の測定結果を前記基地局に報告し、
前記基地局は、
前記L個の端末からの前記回線状態情報の測定結果の報告に基づいて、前記データ送信周期において空間多重通信が可能なM(M:2≦M≦Lを満たす整数)個の端末を選定し、
複数のアンテナを介して、前記M個の端末との間で前記空間多重通信を用いて、データを送信する、
無線通信システム。
【請求項7】
基地局との間で通信可能な端末であって、
自端末に関する情報を保持するメモリと、
データ送信周期毎に、前記自端末に関する情報に基づいて、前記基地局との間の伝搬路の状態を示す回線状態情報の報告の要否を決定する決定部と、
前記回線状態情報の報告を行う事の決定に基づいて、前記回線状態情報を測定する測定部と、
前記回線状態情報の測定結果を前記基地局に報告する通信部と、を備え、
前記通信部は、前記回線状態情報の測定結果に基づいて前記データ送信周期において前記基地局との間での空間多重通信が可能なM(M:2以上の既定値)個の端末に選定された場合に、前記基地局から送信されたデータを受信する、
端末。
【請求項8】
前記自端末に関する情報は、前記自端末の識別番号に対応するグループ情報を有し、
前記決定部は、前記グループ情報に基づいて、前記回線状態情報の報告の要否を決定する、
請求項7に記載の端末。
【請求項9】
前記自端末に関する情報は、過去の前記データ送信周期毎の前記基地局からのデータの受信の有無を示す受信履歴情報を有し、
前記決定部は、過去のn(n:2以上の整数)回分の前記データ送信周期にわたって前記基地局からのデータの受信が無い場合に、前記回線状態情報の報告を行う事を決定する、
請求項7に記載の端末。
【請求項10】
前記nの値は、2以上の既定の整数値である、
請求項9に記載の端末。
【請求項11】
前記自端末に関する情報は、前記基地局から送信されるデータ量の情報を更に有し、
前記決定部は、前記基地局から送信されるデータ量が所定閾値より大きい場合には、前記データ量に応じて、前記nの値を現在値よりも小さく設定する、
請求項9に記載の端末。
【請求項12】
前記自端末に関する情報は、前記基地局から送信されるデータ量の情報を更に有し、
前記決定部は、前記基地局から送信されるデータ量が所定閾値より小さい場合には、前記データ量に応じて、前記nの値を現在値よりも大きく設定する、
請求項9に記載の端末。
【請求項13】
基地局との間で通信可能な端末における回線状態情報取得方法であって、
自端末に関する情報を保持するステップと、
データ送信周期毎に、前記自端末に関する情報に基づいて、前記基地局との間の伝搬路の状態を示す回線状態情報の報告の要否を決定するステップと、
前記回線状態情報の報告を行う事の決定に基づいて、前記回線状態情報を測定するステップと、
前記回線状態情報の測定結果を前記基地局に報告するステップと、
前記回線状態情報の測定結果に基づいて前記データ送信周期において前記基地局との間での空間多重通信が可能なM(M:2以上の既定値)個の端末に選定された場合に、前記基地局から送信されたデータを受信するステップと、を有する、
回線状態情報取得方法。
【請求項14】
複数の端末と基地局とが無線通信可能な無線通信システムであって、
前記端末は、
自端末に関する情報を保持し、
データ送信周期毎に、前記自端末に関する情報に基づいて、前記基地局との間の伝搬路の状態を示す回線状態情報の報告の要否を決定し、
前記回線状態情報の報告を行う事の決定に基づいて、前記回線状態情報を測定し、
前記回線状態情報の測定結果を前記基地局に報告し、
前記基地局は、
前記端末からの前記回線状態情報の測定結果の報告に基づいて、前記データ送信周期において空間多重通信が可能なM(M:2≦M≦Lを満たす整数)個の端末を選定し、
複数のアンテナを介して、前記M個の端末との間で前記空間多重通信を用いて、データを送信し、
前記端末は、
前記回線状態情報の測定結果に基づいて前記データ送信周期において前記基地局との間での空間多重通信が可能なM(M:2以上の既定値)個の端末に選定された場合に、前記空間多重通信を用いて前記基地局から送信されたデータを受信する、
無線通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、送信側から受信側への無線通信における伝搬路の状態を示す回線状態情報を取得する端末、基地局、無線通信システム及び回線状態情報取得方法に関する。
【背景技術】
【0002】
無線LAN(Local Area Network)のスループットの増大を実現した技術の一例として、MIMO(Multi-Input Multi-Output)が知られている。MIMOでは、送信側及び受信側において多くのアンテナを用いてデータを送受信する事で、データレート(つまり、周波数利用効率)を向上でき、更に、高度なビームフォーミングも可能となる。ビームフォーミングは、それぞれのアンテナにおいて、送信される信号及び受信される信号の振幅や位相を制御する事で、送受信ビームに指向性を持たせ、そのビームの形状を変更できる技術である。
【0003】
ビームフォーミングでは、送信側(例えば基地局)が送る信号が受信側(例えば端末)においてどのような伝搬路の状態で受信されるかを推定した上で、受信側において最大の信号電力が得られるように信号が送られる。この伝搬路の状態を送信側が推定するために、例えばCSI(Channel State Information)が使用される。
【0004】
CSIは回線状態情報(チャネル状態情報)を示し、例えば送信側から送られたリファレンスシンボル(RS:Reference Symbol)が受信側で受信された時の品質情報を基に受信側にて測定される。送信側は、受信側からフィードバックされたCSIを基に、送信側のそれぞれのアンテナから受信側のそれぞれのアンテナへの伝達関数を成分とするチャネル推定行列を演算し、このチャネル推定行列を用いてビームフォーミングを実行する。これにより、送信側(例えば基地局)は、単一の受信側(例えば端末)との間でMIMOによる無線通信を行う事もできるし、複数の受信側(例えば端末)との間でMIMOによる無線通信(つまり、MU(Multiple User)−MIMOという空間多重伝送)が可能となる。
【0005】
MIMOが適用される通信システムにおいてビームフォーミングを用いてデータ信号を送る事に関する先行技術として、例えば特許文献1が提案されている。特許文献1では、基地局から離れた位置にいるユーザ端末にもビームフォーミングを適用してデータ信号を送信できるように、固定ウェイトを用いたビームフォーミングによって下りリンクの参照信号(例えば、チャネル状態測定用参照信号(CSI−RS))をユーザ端末に送り、ユーザ端末からの推定結果(CSI)を用いて適切なウェイトを設定する事が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2015−53569号公報
【発明の概要】
【0007】
送信側(例えば基地局)と複数の受信側(例えば端末)とがMU−MIMOによってデータ通信できると、快適な無線通信環境の実現が可能と期待されている。ここで、上述したMU−MIMOにおける送信側(例えば基地局)の空間多重数の上限値(以下、上限値を示す文字として便宜的に「M」を用いる)は例えば2〜8程度とそれほど大きくない事が知られている。従って現存の技術では、例えばスタジアム、テーマパーク又は大会議場のように多くの人が集まる場所において例えば100台の端末が基地局に接続している時には、1回のデータ送信周期内では最大M台の端末としか通信できないが、基地局がデータ送信周期毎にデータ送信対象の端末を切り替える事で100台の端末との無線通信を実現させている。
【0008】
しかし、この現存の技術による方式では、上限値Mを前提にしたMU−MIMOの無線通信の実現を考察した場合、送信側(例えば基地局)との接続候補となる受信側(例えば端末)の数が多いと、次の点について課題が生じると考えられる。
【0009】
つまり、データ送信周期毎に100台の端末がCSI(つまり、端末の個々のアンテナと基地局の個々のアンテナとの間の伝搬路の回線状態情報)を基地局に報告する事が全ての接続中の端末の中から最適な端末の組み合わせを選択できるため、下り回線の周波数利用効率の最大化の観点では理想的である。しかしながら、上り回線(言い換えると、端末から基地局)のトラフィックが膨大な数のCSIによって浪費されてしまうという課題がある。
【0010】
また、MU−MIMOにおける空間多重数の上限値Mは一定値であって全ての端末のうち一部の端末しかデータ信号の送信に選定されないにも拘わらず、データ送信周期毎にCSIを測定して基地局に報告する事を継続すると、端末における電力消費が大きくなるという課題がある。このような課題については特許文献1においても考慮されていないので、依然として未解決といえる。
【0011】
本開示は、上述した従来の事情に鑑みて案出され、接続中の基地局の個々のアンテナとの間の伝搬路の状況を示す回線状態情報の測定並びに回線状態情報の基地局への報告によって生じる、上り回線のトラフィックの増大や端末における消費電力の増大を適応的に抑制し、快適なMU−MIMOの通信環境を実現する端末、基地局、無線通信システム及び回線状態情報取得方法を提供する事を目的とする。
【0012】
本開示は、複数の端末との間で無線通信が可能な基地局であって、前記基地局と接続中のP(P:3以上の整数)個の端末に関する情報を保持するメモリと、データ送信周期毎に、前記P個の端末に関する情報に基づいて、前記P個の端末の中から、前記基地局との間の伝搬路の状態を示す回線状態情報の報告を行わせるL(L:2≦L<Pを満たす整数)個の端末を決定する決定部と、前記L個の端末からの前記回線状態情報の報告に基づいて、前記データ送信周期において空間多重通信が可能なM(M:2≦M≦Lを満たす整数)個の端末を選定する選定部と、複数のアンテナを介して、前記M個の端末との間で前記空間多重通信を用いて、データを送信する通信部と、を備える、基地局を提供する。
【0013】
また、本開示は、複数の端末との間で無線通信が可能な基地局における回線状態情報取得方法であって、前記基地局と接続中のP(P:3以上の整数)個の端末に関する情報を保持するステップと、データ送信周期毎に、前記P個の端末に関する情報に基づいて、前記P個の端末の中から、前記基地局との間の伝搬路の状態を示す回線状態情報の報告を行わせるL(L:2≦L<Pを満たす整数)個の端末を決定するステップと、前記L個の端末からの前記回線状態情報の報告に基づいて、前記データ送信周期において空間多重通信が可能なM(M:2≦M≦Lを満たす整数)個の端末を選定するステップと、複数のアンテナを介して、前記M個の端末との間で前記空間多重通信を用いて、データを送信するステップと、を有する、回線状態情報取得方法を提供する。
【0014】
また、本開示は、複数の端末と基地局とが無線通信可能な無線通信システムであって、前記基地局は、前記基地局と接続中のP(P:3以上の整数)個の端末に関する情報を保持し、データ送信周期毎に、前記P個の端末に関する情報に基づいて、前記P個の端末の中から、前記基地局との間の伝搬路の状態を示す回線状態情報の報告を行わせるL(L:2≦L<Pを満たす整数)個の端末を決定し、更に、前記回線状態情報の報告指示を前記P個の端末に送信し、前記端末は、前記基地局から送信された前記回線状態情報の報告指示を基に、前記回線状態情報を測定し、更に、前記回線状態情報の測定結果を前記基地局に報告し、前記基地局は、前記L個の端末からの前記回線状態情報の測定結果の報告に基づいて、前記データ送信周期において空間多重通信が可能なM(M:2≦M≦Lを満たす整数)個の端末を選定し、複数のアンテナを介して、前記M個の端末との間で前記空間多重通信を用いて、データを送信する、無線通信システムを提供する。
【0015】
また、本開示は、基地局との間で通信可能な端末であって、自端末に関する情報を保持するメモリと、データ送信周期毎に、前記自端末に関する情報に基づいて、前記基地局との間の伝搬路の状態を示す回線状態情報の報告の要否を決定する決定部と、前記回線状態情報の報告を行う事の決定に基づいて、前記回線状態情報を測定する測定部と、前記回線状態情報の測定結果を前記基地局に報告する通信部と、を備え、前記通信部は、前記回線状態情報の測定結果に基づいて前記データ送信周期において前記基地局との間での空間多重通信が可能なM(M:2以上の既定値)個の端末に選定された場合に、前記基地局から送信されたデータを受信する、端末を提供する。
【0016】
また、本開示は、基地局との間で通信可能な端末における回線状態情報取得方法であって、自端末に関する情報を保持するステップと、データ送信周期毎に、前記自端末に関する情報に基づいて、前記基地局との間の伝搬路の状態を示す回線状態情報の報告の要否を決定するステップと、前記回線状態情報の報告を行う事の決定に基づいて、前記回線状態情報を測定するステップと、前記回線状態情報の測定結果を前記基地局に報告するステップと、前記回線状態情報の測定結果に基づいて前記データ送信周期において前記基地局との間での空間多重通信が可能なM(M:2以上の既定値)個の端末に選定された場合に、前記基地局から送信されたデータを受信するステップと、を有する、回線状態情報取得方法を提供する。
【0017】
また、本開示は、複数の端末と基地局とが無線通信可能な無線通信システムであって、前記端末は、自端末に関する情報を保持し、データ送信周期毎に、前記自端末に関する情報に基づいて、前記基地局との間の伝搬路の状態を示す回線状態情報の報告の要否を決定し、前記回線状態情報の報告を行う事の決定に基づいて、前記回線状態情報を測定し、前記回線状態情報の測定結果を前記基地局に報告し、前記基地局は、前記端末からの前記回線状態情報の測定結果の報告に基づいて、前記データ送信周期において空間多重通信が可能なM(M:2≦M≦Lを満たす整数)個の端末を選定し、複数のアンテナを介して、前記M個の端末との間で前記空間多重通信を用いて、データを送信し、前記端末は、前記回線状態情報の測定結果に基づいて前記データ送信周期において前記基地局との間での空間多重通信が可能なM(M:2以上の既定値)個の端末に選定された場合に、前記空間多重通信を用いて前記基地局から送信されたデータを受信する、無線通信システムを提供する。
【0018】
本開示によれば、接続中の基地局の個々のアンテナとの間の伝搬路の状況を示す回線状態情報の測定並びに回線状態情報の基地局への報告によって生じる、上り回線のトラフィックの増大や端末における消費電力の増大を適応的に抑制でき、快適なMU−MIMOの通信環境を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、各実施の形態の無線通信システムのシステム構成の一例を示す図である。
図2図2は、実施の形態1の基地局の内部構成の一例を詳細に示すブロック図である。
図3図3は、実施の形態1の端末の内部構成の一例を詳細に示すブロック図である。
図4A図4Aは、基地局が保持する接続端末リストの第1例を示す模式図である。
図4B図4Bは、基地局が保持する接続端末リストの第2例を示す模式図である。
図5図5は、実施の形態1の基地局及び端末の各動作手順の一例を詳細に示すフローチャートである。
図6図6は、実施の形態2の基地局の内部構成の一例を詳細に示すブロック図である。
図7図7は、実施の形態2の端末の内部構成の一例を詳細に示すブロック図である。
図8図8は、基地局に接続している端末毎の端末関連情報の一例を示す図である。
図9図9は、実施の形態2の基地局及び端末の各動作手順の一例を詳細に示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、適宜図面を参照しながら、本開示に係る端末、基地局、無線通信システム及び回線状態情報取得方法を具体的に開示した各実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になることを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるものであって、これらにより請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
【0021】
(実施の形態1)
実施の形態1では、基地局が、基地局に接続している全ての端末の中から、回線状態情報(CSI)の測定及び報告を行う一部の端末を決定する。図1は、各実施の形態の無線通信システム10のシステム構成の一例を示す図である。
【0022】
実施の形態1において、無線通信システム10は、1台の基地局BS1と複数の端末TM1,TM2,…,TM100とを含む構成である。基地局BS1と個々の端末とは、無線通信回線を介して接続並びに無線通信する事が可能である。無線通信回線は、様々な公衆回線、携帯電話回線、広域無線回線等を広く含む。以下、基地局BS1が、空間多重通信(言い換えると、MU−MIMO(Multiple User Multi Input Multi Output)通信)を用いて、下り回線(DL:Down Link)のデータを、所定個(後述参照)の端末に送信する例を説明する。なお、下り回線(DL)は基地局BS1から端末に向かう無線回線であり、一方、上り回線は端末から基地局BS1に向かう無線回線である。
【0023】
基地局BS1は、複数のアンテナAb1,Ab2,…,Ab100を有する。基地局BS1が有するアンテナの設置数は100を例示しているが、100に限定されず、例えば128、1024等の2のべき乗の数であってもよい事は言うまでもない。
【0024】
基地局BS1は、データ送信周期毎に、同一の周波数上で同時に空間多重通信が可能な所定個(以下、M(M:2以上の既定の整数値)個とする)の端末との間で、アンテナAb1〜Ab100を介して下り回線のデータ(以下、「DL送信データ」という)を送信する。つまり、Mは、1回のデータ送信周期における空間多重数の最大値を示す。Mは例えば2〜8程度の整数値である。例えば図1では、M個の端末として、端末識別番号「#1」を有する端末TM1と、端末識別番号「#100」を有する端末TM100とが、同一のデータ送信周期において、空間多重通信によって基地局BS1から送信されたDL送信データを受信した事が図示されている。端末識別番号は、端末を識別可能な番号であって、例えば端末の電話番号でもよいし、端末の製造番号でもよい。
【0025】
基地局BS1は、DL送信データを端末TM1や端末TM100に送信する前に、基地局BS1の個々のアンテナi(i:1〜100の整数)から端末TM1や端末TM100の個々のアンテナj(j:1〜400の整数)に至る伝達関数aijを成分とするチャネル行列Aを把握している。jは、例えば端末のアンテナ設置数が4であって、端末数が100である場合に最大値が400となる。これにより、基地局BS1と端末TM1との間や、基地局BS1と端末TM100との間のそれぞれのマルチユーザ空間多重伝送(つまり、MU−MIMO伝送)が可能となる。
【0026】
また、伝達関数aijは時間的に変動するため、基地局BS1は、例えばデータ送信周期(例えば1m秒又は10m秒)毎に伝達関数aijを更新して取得する必要がある。この伝達関数aijの取得のために、実施の形態1では、基地局BS1は、データ送信周期毎に、基地局BS1が決定した一部の端末に対し、基地局BS1との間の伝搬路の状態を示す回線状態情報(CSI)の測定及び測定の実行指示を送信する。端末は、基地局BS1からの実行指示を受信した場合には、基地局BS1との間の伝搬路の状態を示す回線状態情報(CSI)を測定し、測定結果を基地局BS1に報告する。基地局BS1は、該当する一部の端末から報告された回線状態情報(CSI)を用いて、下り回線送信対象とする端末を最大M台決定し、そのM台以下の端末からの回線状態情報(CSI)に基づいて推定される伝達関数aijよりMU−MIMOの空間多重送信信号を生成する事で、同一の周波数上で同時に最大M台の端末にDL送信データを送信する。
【0027】
無線通信システム10において、基地局BS1と個々の端末との間で用いられる無線規格方式は、高周波数帯(例えば、5G(第5世代移動通信システム)での使用が検討されている28GHz帯)が想定可能である。各実施の形態において主に適用される無線通信方式は、例えば基地局に多数のアンテナを持ち、基地局と複数の端末との間の空間多重通信機能を持ったものであり、5G(第5世代移動通信システム)がその代表例である。しかし、無線通信システム10での基地局及び端末が別の無線通信規格(例えばLTE(Long Term Evolution)、無線LAN(Local Area Network)、DECT(Digital Enhanced Cordless Telecommunication)、3G(第3世代移動通信システム)などの無線通信規格)を併せ持ってもよい。
【0028】
無線通信システム10により構成されるネットワークは、C/U分離型のネットワークでなくてもよいし、C/U分離型のネットワークであってもよい。本実施の形態では、C/U分離型ではないネットワークを例示する。つまり、無線通信システム10では、制御データの通信とユーザデータの通信とが同じ基地局BS1により実施される。
【0029】
基地局BS1は、例えば上述した28GHz帯に基づく高速なスループットを提供可能なスモールセル基地局又はマクロセル基地局である。基地局BS1の通信可能範囲は、例えば基地局BS1の位置とセル半径に応じて定まる。基地局BS1は、例えば工場、工事現場、スタジアム、テーマパーク、国際会議場等の大会議室に配置される。端末は、基地局BS1との間においても、制御データを通信し、ユーザデータを通信する。制御データは、C(Control)−Planeに係るデータを含む。ユーザデータは、U(User)−Planeに係るデータを含む。ユーザデータは、例えば画像データ(例えば動画、静止画)、音声データを含み、データ量の多いデータを含み得る。
【0030】
C−planeは、無線通信における呼接続や無線資源割当の制御データを通信するための通信プロトコルである。U−planeは、端末と基地局BS1との間で、割り当てられた無線資源を使用して実際に通信(例えば映像通信、音声通信、データ通信)するための通信プロトコルである。
【0031】
図2は、実施の形態1の基地局BS1の内部構成の一例を詳細に示すブロック図である。
【0032】
図2に示す基地局BS1は、プロセッサPRB1と、メモリMB1と、DL無線送信部17と、UL無線受信部18と、アンテナAb1〜Ab100とを含む構成である。図1及び図2には、基地局BS1のアンテナ保有数が100と例示されているが、100に限定されない事は言うまでもない。
【0033】
プロセッサPRB1は、例えばCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)又はDSP(Digital Signal Processor)を用いて構成される。プロセッサPRB1は、メモリMB1と協働して、各種処理や制御を行う。具体的には、プロセッサPRB1は、メモリMB1に保持されたプログラム及びデータを参照し、そのプログラムを実行することにより、以下の各部の機能を実現する。この各部は、DL送信対象端末決定部11と、DL送信ウェイト決定部12と、DL送信信号生成部13と、CSI報告要求指定端末決定部14と、CSI取得部15と、UL受信信号復号部16とを含む。
【0034】
DL(Down Link)送信対象端末決定部11には、基地局BS1に上位装置(例えばコアネットワーク装置)からのDL送信データが入力される。DL送信データは、上述したユーザデータであり、例えば画像データや音声データである。DL送信対象端末決定部11は、データ送信周期毎に、同一周波数上で同時に空間多重通信(MU−MIMO通信)が可能なM台(個)の端末を決定していない場合、基地局BS1との間の伝搬路の状態を示す回線状態情報(CSI)の報告が要求される指定端末の決定指示をCSI報告要求指定端末決定部14に出力する。これは、DL送信対象端末決定部11がCSI報告要求指定端末決定部14に、回線状態情報(CSI)の測定及び報告を行わせる端末を、基地局BS1に接続中の全端末から一部(後述するL個)の指定端末に限定する事で、CSI報告に伴うUL(Up Link、つまり端末から基地局BS1)のトラフィックの増大を抑制するためである。
【0035】
また、選定部の一例としてのDL送信対象端末決定部11は、データ送信周期に、それぞれの指定端末(後述するL個の端末)からの回線状態情報(CSI)の測定結果の報告に基づいて、同一周波数上で同時に空間多重通信(MU−MIMO通信)が可能なM台(個)の端末を決定する。DL送信対象端末決定部11は、DL送信データとM台の端末に関する情報とをDL送信ウェイト決定部12に出力する。
【0036】
DL送信ウェイト決定部12は、データ送信周期毎に、M台の端末に関する情報とそれぞれの指定端末(後述するL台の端末)からの回線状態情報(CSI)の測定結果とに基づいて、MIMO空間多重送信信号の送信ビーム指向性形成の送信ウェイトを算出して決定する。DL送信ウェイト決定部12は、送信ウェイトとDL送信データとをDL送信信号生成部13に出力する。DL送信ウェイト決定部12の動作は公知技術であるため、詳細な説明を省略する。
【0037】
DL送信信号生成部13は、回線状態情報(CSI)の測定及び報告が要求される指定端末(後述するL台個の端末)はどれであるかを示す報知情報(後述するCSI報告要求指定端末情報)、及び回線状態情報(CSI)を測定させるための固定パターンである参照信号(RS:Reference Symbol)を生成してDL無線送信部17に出力する。これらCSI報告要求指定端末情報及び参照信号(RS)は、基地局BS1からL台の端末に向けたビームフォーミング送信ではなく、例えば基地局BS1に接続中の全ての端末に対して共通の共通制御チャネルにて送信される。CSI報告要求指定端末情報は基地局BS1のアンテナの全てから送信される必要性はない。参照信号(RS)は、回線状態情報(CSI)測定の対象なので基地局アンテナの全てから送信される必要がある。
【0038】
また、DL送信信号生成部13は、データ送信周期毎に、送信ウェイトとDL送信データとを用いて、同一周波数上で同時に空間多重通信(MU−MIMO通信)が可能なM台(個)の端末に送信可能なDL送信信号を生成する。つまり、DL送信信号生成部13は、ビームフォーミング技術を用いて、M台の端末においてDL送信データの受信が可能なDL送信信号を生成してDL無線送信部17に出力する。
【0039】
決定部の一例としてのCSI報告要求指定端末決定部14は、データ送信周期毎に、回線状態情報(CSI)の報告が要求される指定端末の決定指示に基づいて、基地局BS1に接続中の合計P(P:3以上の整数)台(個)の端末の中から、回線状態情報(CSI)の報告を行わせるL(L:2≦L<Pを満たす整数)台(個)の端末を決定する。CSI報告要求指定端末決定部14は、回線状態情報(CSI)の報告を行わせるL台の指定端末に関する情報(以下、「CSI報告要求指定端末情報」という)をDL送信信号生成部13に出力する。
【0040】
図4Aは、基地局BS1が保持する接続端末リストの第1例を示す模式図である。
【0041】
図4Aに示す接続端末リストT1は、基地局BS1と接続した端末に関する情報の一例として、それぞれの端末の識別番号(端末識別番号)の情報と、それぞれの端末において基地局BS1と接続した順序(順番)に関する情報とを有する。図4Aにおいて、端末識別情報と個々の端末が基地局BS1に接続した順序(順番)とは一致するように対応している。従って、基地局BS1は、例えば現在、端末識別番号「#1」〜「#60」の合計60台の端末と接続中であり、「#1」の端末、「#2」の端末、「#3」の端末、…、「#53」の端末、…、「#59」の端末、「#60」の端末の順に接続を開始した事になる。なお、図4Aには図示されていないが、基地局BS1と接続した順を示す情報として、例えば端末が基地局BS1と接続した時刻情報を更に有しても構わない。
【0042】
CSI報告要求指定端末決定部14は、データ送信周期毎に、メモリMB1に保持されている接続端末リストT1を読み出し、基地局BS1と接続した個々の端末における端末識別番号の順にL台ずつ、回線状態情報(CSI)の報告を行わせるL(L:2≦L<Pを満たす整数)台(個)の端末を決定する。これにより、CSI報告要求指定端末決定部14は、回線状態情報(CSI)の報告を行わせるL台の端末をデータ送信周期毎に簡易かつ迅速に決定できる。
【0043】
図4Bは、基地局BS1が保持する接続端末リストの第2例を示す模式図である。
【0044】
図4Bに示す接続端末リストT2は、基地局BS1と接続した端末に関する情報の一例として、それぞれの端末の識別番号(端末識別番号)の情報と、基地局BSがそれぞれの端末に送信するべきDL送信データ量の情報とを有する。例えばDL送信データ量の大きい順に、図4Bの紙面左側から紙面右側に向かって示される。従って、基地局BS1は、例えば現在、端末識別番号「#1」〜「#60」の合計60台の端末と接続中であり、「#7」の端末、「#1」の端末、「#3」の端末、…、「#60」の端末、…、「#18」の端末、「#13」の端末の順にDL送信データ量を多く送信する。DL送信データ量は、それぞれ「#7」の端末には「27メガバイト」、「#1」の端末には「26.1メガバイト」、「#3」の端末には「25メガバイト」、…、「#60」の端末には「5.2メガバイト」、…、「#18」の端末には「2.5メガバイト」、「#13」の端末には「1.1メガバイト」である。
【0045】
CSI報告要求指定端末決定部14は、データ送信周期毎に、メモリMB1に保持されている接続端末リストT2を読み出し、DL送信データ量の多い順に優先してL台の端末を、回線状態情報(CSI)の報告を行わせるL(L:2≦L<Pを満たす整数)台(個)の端末として決定する。これにより、CSI報告要求指定端末決定部14は、DL送信データ量が大きいデータ(例えば映像データ)の送り先(宛先)となる端末との通信を優先して継続できるように、回線状態情報(CSI)の報告を行わせるL台の指定端末を決定できる。
【0046】
また、CSI報告要求指定端末決定部14は、データ送信周期毎に、メモリMB1に保持されている接続端末リストT2を読み出し、DL送信データ量に応じて、回線状態情報(CSI)の報告を行わせるL台の端末の選定頻度を変更してもよい。例えば、CSI報告要求指定端末決定部14は、DL送信データ量が大きい端末が既定値以上である場合には、現在のデータ送信周期を含む所定回数分のデータ送信周期にわたって、現在のデータ送信周期において決定した同一のL台の端末を続けて選択してもよい。これにより、CSI報告要求指定端末決定部14は、DL送信データ量が大きい端末が所定回数分のデータ送信周期にわたって回線状態情報(CSI)の報告を行える端末として決定できるので、そのDL送信データ量が大きい端末と基地局BS1との通信の連続的な継続を支援できる。
【0047】
また、メモリMT1は、基地局BS1と接続中の端末の中に所定の契約(SLA:Service Level Agreement)を締結したか否かを示す情報とその契約におけるランク情報又はレベル情報(以下、「契約関連情報」という)を保持する。CSI報告要求指定端末決定部14は、データ送信周期毎に、メモリMB1に保持されている契約関連情報(不図示)を読み出し、上述した所定の契約を締結済みの端末であってかつその契約におけるランク情報又はレベル情報が高い端末から優先してL台の端末を、回線状態情報(CSI)の報告を行わせるL(L:2≦L<Pを満たす整数)台(個)の端末として決定する。これにより、CSI報告要求指定端末決定部14は、例えば所定の契約を締結した一部の有料会員、更にはその有料会員の中でも契約の高いランク又はレベルに属する有料会員の端末との通信を優先できるように、回線状態情報(CSI)の報告を行わせるL台の指定端末を決定できる。
【0048】
CSI取得部15は、UL受信信号復号部16の出力から、L台の指定端末からそれぞれ送信されてきた回線状態情報(CSI)の測定結果を取得する。CSI取得部15は、L台の指定端末からそれぞれ送信されてきた回線状態情報(CSI)の測定結果を、DL送信対象端末決定部11及びDL送信ウェイト決定部12にそれぞれ出力する。
【0049】
UL受信信号復号部16は、UL無線受信部18の出力(つまり、UL受信信号)を取得して復号する。UL受信信号復号部16の復号出力は、L台の指定端末からそれぞれ送信されてきた回線状態情報(CSI)の測定結果、又はM台の端末(つまり、データ送信周期において基地局BSとの間でMU−MIMO伝送が可能な端末)からそれぞれ送信されてきたUL受信データのうちいずれか又はその両方である。
【0050】
UL受信信号復号部16は、L台の指定端末からそれぞれ送信されてきた回線状態情報(CSI)の測定結果を得た場合には、L台の指定端末からそれぞれ送信されてきた回線状態情報(CSI)の測定結果をCSI取得部15に出力する。一方、UL受信信号復号部16は、M台の端末(つまり、データ送信周期において基地局BSとの間でMU−MIMO伝送が可能な端末)からそれぞれ送信されてきたUL受信データを得た場合には、M台の端末(つまり、データ送信周期において基地局BSとの間でMU−MIMO伝送が可能な端末)からそれぞれ送信されてきたUL受信データを基地局BS1の上位装置(例えばコアネットワーク装置、不図示)に出力する。
【0051】
通信部の一例としてのDL無線送信部17は、ビームフォーミング技術を用いてDL送信信号生成部13により生成されたDL送信信号をそれぞれのアンテナAb1〜Ab100からM台の端末に向けて送信する。また、DL無線送信部17は、DL送信信号生成部13により生成された参照信号(RS)をそれぞれのアンテナAb1〜Ab100からL台の端末に向けて送信する。
【0052】
通信部の一例としてのUL無線受信部18は、M台の端末から送信されたUL受信信号を、アンテナAb1〜Ab100を介して受信してUL受信信号復号部16に出力する。
【0053】
メモリMB1は、例えば基地局BS1の処理時に用いられるワークメモリとしてのRAM(Random Access Memory)と、基地局BS1の動作を規定したプログラム及びデータを格納するROM(Read Only Memory)とを有する。RAMには、各種データや情報が一時的に保存される。ROMには、基地局BS1の動作(例えば、本実施の形態に係る回線状態情報取得方法として行われる処理(ステップ))を規定したプログラムが書き込まれている。
【0054】
また、メモリMB1は、図4Aに示す接続端末リストT1、又は図4Bに示す接続端末リストT2を保存(保持)する。なお図2では、メモリMB1は、プロセッサPRB1とは別構成として示されているが、プロセッサPRB1に内蔵されてもよい。メモリMB1は、一次記憶装置とともに、二次記憶装置を含んでもよい。
【0055】
図3は、実施の形態1の端末TM1の内部構成の一例を詳細に示すブロック図である。
【0056】
図1に示すそれぞれの端末TM1〜TM100の内部構成は同一であるため、図3では端末TM1を例示して詳細に説明する。それぞれの端末TM1〜TM100は、基地局BS1との間で無線通信が可能な端末であって、例えば携帯電話機、スマートフォン、タブレット端末である。なお、端末TM1〜TM100は、電話機能を有してもよいし、電話機能を有さなくてもよい。
【0057】
図3に示す端末TM1は、プロセッサPRT1と、メモリMT1と、UL無線送信部25と、DL無線受信部26と、アンテナAt11〜At14とを含む構成である。図1及び図3には、端末TM1のアンテナ保有数が4と例示されているが、4に限定されない事は言うまでもない。
【0058】
プロセッサPRT1は、例えばCPU、MPU又はDSPを用いて構成される。プロセッサPRT1は、メモリMT1と協働して、各種処理や制御を行う。具体的には、プロセッサPRT1は、メモリMT1に保持されたプログラム及びデータを参照し、そのプログラムを実行することにより、以下の各部の機能を実現する。この各部は、UL送信信号生成部21と、DL受信信号復号部22と、CSI報告有無決定部23と、CSI測定部24とを含む。
【0059】
UL送信信号生成部21は、例えば端末TM1のユーザのアプリケーションに対する操作に応じて生成された上り回線のデータ(以下、「UL送信データ」という)を取得する。UL送信信号生成部21は、UL送信データを基地局BS1に送信するためのUL送信信号を生成してUL無線送信部25に出力する。UL送信データは、ユーザデータ(例えば画像データや音声データ)でもよいし、制御データ(例えば画像や音声の配信リクエスト)でもよい。
【0060】
また、UL送信信号生成部21は、CSI測定部24により測定された回線状態情報(CSI:基地局BS1と端末TM1との間の伝搬路の状態を示す情報)を取得する。UL送信信号生成部21は、回線状態情報(CSI)を基地局BS1に送信するためのUL送信信号を生成してUL無線送信部25に出力する。
【0061】
DL受信信号復号部22は、DL無線受信部26の出力(つまり、DL受信信号)を取得して復号する。DL受信信号復号部22の復号出力は、基地局BS1から送信されてきた参照信号(RS)又はDL受信データのうちいずれかである。
【0062】
DL受信信号復号部22は、基地局BS1から送信されてきた参照信号(RS)を得た場合には、参照信号(RS)をCSI測定部24に出力するとともに、参照信号(RS)のデータフレームに含まれるCSI報告要求指定端末情報をCSI報告有無決定部23に出力する。一方、DL受信信号復号部22は、基地局BS1から送信されてきたDL受信データを得た場合には、DL受信データをアプリケーション(不図示)に出力する。
【0063】
CSI報告有無決定部23は、DL受信信号復号部22の出力(つまり、参照信号(RS)のデータフレームに含まれるCSI報告要求指定端末情報)に基づいて、自端末が回線状態情報(CSI)の測定及び報告を行う必要の有無を決定する。CSI報告有無決定部23は、決定結果に応じて、回線状態情報(CSI)の測定のオンオフ制御信号をCSI測定部24に出力する。
【0064】
例えば、CSI報告有無決定部23は、CSI報告要求指定端末情報に自端末の識別番号(端末識別番号)が含まれていると判断した場合に、自端末が回線状態情報(CSI)の測定及び報告を行う事を決定し、その旨のオンオフ制御信号(つまり、CSIの測定及び報告を行うための制御信号)をCSI測定部24に出力する。一方、CSI報告有無決定部23は、CSI報告要求指定端末情報に自端末の識別番号(端末識別番号)が含まれていないと判断した場合に、自端末が回線状態情報(CSI)の測定及び報告を行わない事を決定し、その旨のオンオフ制御信号(つまり、CSIの測定及び報告を行わないための制御信号)をCSI測定部24に出力する。
【0065】
CSI測定部24は、CSI報告有無決定部23からのオンオフ制御信号が回線状態情報(CSI)の測定及び報告を行う事の決定を示す場合に、DL受信信号復号部22からの出力(つまり、参照信号(RS))に基づいて、基地局BS1と自端末(例えば端末TM1)との間の伝搬路の状態を示す回線状態情報(CSI)を測定する。CSI測定部24は、基地局BS1から送信されてきた参照信号(RS)に対して、回線状態情報(CSI)を測定する。CSI測定部24は、回線状態情報(CSI)の測定結果をUL送信信号生成部21に出力する。
【0066】
通信部の一例としてのUL無線送信部25は、UL送信信号生成部21により生成されたUL送信信号(具体的には、UL送信データを基地局BS1に送信するためのUL送信信号)をアンテナAt11〜At14から基地局BS1に向けて送信する。また、UL無線送信部25は、UL送信信号生成部21により生成されたUL送信信号(具体的には、回線状態情報(CSI)を基地局BS1に送信するためのUL送信信号)をアンテナAt11〜At14から基地局BS1に向けて送信する。
【0067】
通信部の一例としてのDL無線受信部26は、基地局BS1から送信されたDL受信信号を、アンテナAt11〜At14を介して受信してDL受信信号復号部22に出力する。
【0068】
メモリMT1は、例えば端末TM1の処理時に用いられるワークメモリとしてのRAMと、端末TM1の動作を規定したプログラム及びデータを格納するROMとを有する。RAMには、各種データや情報が一時的に保存される。例えばメモリMT1は、CSI測定部24により測定された回線状態情報(CSI)の測定結果を一時的に保存する。
【0069】
次に、実施の形態1における基地局BS1及び端末の動作手順について、図5を参照して説明する。図5は、実施の形態1の基地局BS1及び端末TM1の各動作手順の一例を詳細に示すフローチャートである。図5の説明においても、端末の動作手順を図1に示す端末TM1を例示して説明する。基地局BS1及び端末TM1は、図5に示すそれぞれの動作フローをデータ送信周期毎に繰り返す。図5において説明する端末の動作手順は、基地局BS1において、回線状態情報(CSI)の測定及び報告を行わせるL台の端末として決定された端末における動作フローを示す。
【0070】
図5において、基地局BS1は、データ送信周期毎に、現在基地局BS1に接続中のP(例えば100)台の端末から、回線状態情報(CSI)の測定及び報告を行わせるL台(例えばkM台、kは例えば2〜5の整数)の端末を決定する(S1)。L台の端末の決定方法は、上述したように、例えばメモリMB1に保持される接続端末リストT1に基づいて基地局BS1に接続した順に決定する方法、メモリMB1に保持される接続端末リストT2に基づいてDL送信データ量が大きい端末の順に決定する方法、又は、所定の契約を締結済みであってかつその契約におけるランク情報又はレベル情報が高い端末から順に決定する方法のいずれかである。但し、L台の端末の決定方法は、これらの決定方法に限定されなくても構わない。
【0071】
従って、実施の形態1では、ステップS1の処理により、基地局BS1に接続中の全て(P台)の端末からCSIの測定結果の報告が基地局BS1になされる事が無く、P台の端末のうち一部(L台の端末、L<P)の端末からCSIの測定結果が報告される。これにより、端末からCSIの測定結果の報告がなされるときに、上り回線(UL)におけるトラフィックの増大の抑制が可能となる。
【0072】
基地局BS1は、回線状態情報(CSI)の報告指示として、ステップS1において決定したL台の端末はどれであるかの報知情報(つまり、CSI報告要求指定端末情報)及び回線状態情報(CSI)を測定させるための固定パターンである参照信号(RS)をP台の端末に送信する(S2)。これらCSI報告要求指定端末情報及び参照信号は、例えば共通制御チャネルにてビームフォーミング送信ではなく送信される。CSI報告要求指定端末情報は、基地局BS1のアンテナの全てから送信される必要性はない。参照信号(RS)は、回線状態情報(CSI)の測定の対象なので基地局BS1のアンテナの全てから送信される必要がある。
【0073】
基地局BS1のステップS1の処理によりL台の端末として決定された端末(指定端末)は、ステップS2において基地局BS1から送信されたCSI報告要求指定端末情報により自身が回線状態情報(CSI)の測定及び報告を行うべきことを知る(S11)。そして、それらの端末(指定端末)は、基地局BS1から送信される参照信号(RS)を受信処理する事により、基地局BS1と自端末との間の伝搬路の状態を示す回線状態情報(CSI)を測定する(S12)。端末(指定端末)は、回線状態情報(CSI)の測定結果を生成して基地局BS1に送信(報告)する(S13)。
【0074】
基地局BS1は、ステップS13において端末(指定端末)から送信された回線状態情報(CSI)の測定結果を受信する(S3)。基地局BS1は、ステップS3においては合計L台の端末からのそれぞれの回線状態情報(CSI)の測定結果を受信する。
【0075】
基地局BS1は、ビームフォーミング技術を用いて、下り回線の送信データ(DL送信データ)の送信用の各種の信号処理を実行する(S4)。例えば、基地局BS1は、DL送信対象端末決定部11において、ステップS3において受信した合計L台の端末(指定端末)からの回線状態情報(CSI)の測定結果の中で回線状態情報(CSI)が良好か或いはどのM台の端末を組み合わせるとMIMOの各ストリームが大きな伝送速度になるか等を考慮してM台の端末を、UL送信データの送り先(宛先)となる端末として選定する。基地局BS1は、DL送信ウェイト決定部12において、M台の端末に関する情報とそれぞれの指定端末(L台の端末)からの回線状態情報(CSI)の測定結果とに基づいて、MIMO空間多重送信信号の送信ビーム指向性形成の送信ウェイトを算出して決定する。基地局BS1は、DL送信信号生成部13において、送信ウェイトとDL送信データとを用いて、同一周波数上で同時に空間多重通信(MU−MIMO通信)が可能なM台の端末に送信可能なDL送信信号を生成する。
【0076】
基地局BS1は、ステップS4においてビームフォーミング技術を用いて生成したDL送信信号をそれぞれのアンテナAb1〜Ab100からM台の端末に向けて送信する(S5)。
【0077】
ステップS4において下り回線の送信データ(DL送信データ)の送り先(宛先)として選定された端末(言い換えると、合計M台の端末として選定された端末)は、ステップS5において基地局BS1から送信されたDL送信信号を受信する(S14)。なお、ステップS1において決定されたL台の端末であっても、ステップS4において下り回線の送信データ(DL送信データ)の送り先(宛先)として選定されなかった端末は、ステップS5において基地局BS1から送信されたDL送信信号は受信されない。
【0078】
以上により、実施の形態1の無線通信システム10では、基地局BS1は、基地局BS1と接続中の全て(具体的には、P(P:3以上の整数)台)の端末に関する情報をメモリMB1に保持し、データ送信周期毎に、P台の端末に関する情報に基づいて、P台の端末の中から、基地局BS1との間の伝搬路の状態を示す回線状態情報(CSI)の報告を行わせるL(L:2≦L<Pを満たす整数)台の端末を決定する。基地局BS1は、回線状態情報(CSI)の測定及び報告の実行指示をCSI報告要求指定端末情報として、基地局BS1に接続中のそれぞれの端末に送信する。回線状態情報(CSI)の報告の要求が指定されたL台の端末は、回線状態情報(CSI)を測定し、回線状態情報(CSI)の測定結果を基地局BS1に報告する。基地局BS1は、L個の端末からの回線状態情報(CSI)の測定結果の報告に基づいて、データ送信周期において空間多重通信が可能なM(M:2≦M≦Lを満たす整数)台の端末を選定し、複数のアンテナAb1〜Ab100を介して、M個の端末との間で空間多重通信を用いて、データを送信する。
【0079】
つまり、無線通信システム10は、基地局BS1において全ての端末(P台の端末)から、回線状態情報(CSI)の測定及び報告を行わせる端末をL台の端末に限定的に決定する。これにより、無線通信システム10は、端末が接続している基地局BS1の個々のアンテナAb1〜Ab100と端末の個々のアンテナとの間の伝搬路の状況を示す回線状態情報(CSI)の測定、並びに回線状態情報(CSI)の基地局BS1への報告によって生じる、上り回線(UL)のトラフィックの増大を適応的に抑制できる。また、無線通信システム10は、基地局BS1においてL台の端末に決定されなかった端末において回線状態情報(CSI)の測定及び報告を行わせる必要が無いので、それらの端末における消費電力の増大を適応的に抑制できる。従って、無線通信システム10は、基地局BS1と回線状態情報(CSI)の測定結果に基づいて選定された合計M台の端末との間で、良好かつ快適な下り回線(DL)のMU−MIMOの通信環境を実現できる。
【0080】
また、基地局BS1がメモリMB1に保持するP台の端末に関する情報は、基地局BS1に接続した個々の端末における端末識別情報を有する。基地局BS1は、基地局BS1に接続した端末の順に対応する端末識別番号に従い、データ送信周期毎にL個の端末を決定する。データ送信周期毎に選ばれるL台の番号は、シフト及び巡回(最後の番号の次は1番に戻る)させる。これにより、基地局BS1は、回線状態情報(CSI)の報告を行わせるL台の端末をデータ送信周期毎に簡易かつ迅速に決定できる。
【0081】
また、基地局BS1がメモリMB1に保持するP台の端末に関する情報は、基地局BS1が個々の端末に送信した下り回線データ量に関する情報を有する。基地局BS1は、下り回線データ量が大きい端末を優先してL個の端末を決定する。これにより、基地局BS1は、DL送信データ量が大きいデータ(例えば映像データ)の送り先(宛先)となる端末との通信を優先して継続できるように、回線状態情報(CSI)の報告を行わせるL台の指定端末を決定できる。
【0082】
また、基地局BS1がメモリMB1に保持するP台の端末に関する情報は、所定の契約におけるランク情報を有する。基地局BS1は、所定の契約におけるランク情報に基づいて、ランク情報が高い端末を優先してL個の端末を決定する。これにより、基地局BS1は、例えば所定の契約を締結した一部の有料会員、更にはその有料会員の中でも契約の高いランク又はレベルに属する有料会員の端末との通信を優先できるように、回線状態情報(CSI)の報告を行わせるL台の指定端末を決定できる。
【0083】
(実施の形態2)
実施の形態1では、回線状態情報(CSI)の測定及び報告を行う端末は基地局BS1により決定される。実施の形態2では、基地局に接続している端末自身が、回線状態情報(CSI)の測定及び報告の要否を決定する。
【0084】
実施の形態2の無線通信システム10の構成は図1に示す実施の形態1の無線通信システム10の構成と同一であるため、実施の形態1と重複する説明は簡略化又は省略する。実施の形態2において、無線通信システム10は、1台の基地局BS1aと複数の端末TM1a,TM2a,…,TM100aとを含む構成である。実施の形態2では、基地局BS1a及びそれぞれの端末の内部構成が実施の形態1の基地局BS1及びそれぞれの端末の内部構成と一部において異なる。
【0085】
図6は、実施の形態2の基地局BS1aの内部構成の一例を詳細に示すブロック図である。
【0086】
図6に示す基地局BS1aは、プロセッサPRB1aと、メモリMB1aと、DL無線送信部17と、UL無線受信部18と、アンテナAb1〜Ab100とを含む構成である。図1及び図6には、基地局BS1aのアンテナ保有数が100と例示されているが、100に限定されない事は言うまでもない。
【0087】
プロセッサPRB1aは、例えばCPU、MPU又はDSPを用いて構成される。プロセッサPRB1aは、メモリMB1aと協働して、各種処理や制御を行う。具体的には、プロセッサPRB1aは、メモリMB1aに保持されたプログラム及びデータを参照し、そのプログラムを実行することにより、以下の各部の機能を実現する。この各部は、DL送信対象端末決定部11と、DL送信ウェイト決定部12と、DL送信信号生成部13と、CSI取得部15と、UL受信信号復号部16とを含むが、これらの各部の動作は実施の形態1とほぼ同一であるため、説明を省略する。
【0088】
実施の形態1では、回線状態情報(CSI)の測定を可能とする参照信号(RS:Reference Symbol、例えば固定パターンデータなど)とL台の端末を指定する制御信号(つまり、CSI報告指定端末情報)の両者が基地局BS1から送信された。実施の形態2では、回線状態情報(CSI)の測定を可能とする参照信号(RS:Reference Symbol、例えば固定パターンデータなど)が周期的に基地局から送信されていればよい。
【0089】
メモリMB1aは、例えば基地局BS1aの処理時に用いられるワークメモリとしてのRAMと、基地局BS1aの動作を規定したプログラム及びデータを格納するROMとを有する。RAMには、各種データや情報が一時的に保存される。
【0090】
図7は、実施の形態2の端末の内部構成の一例を詳細に示すブロック図である。
【0091】
図1に示すそれぞれの端末TM1a〜TM100aの内部構成は同一であるため、図7では端末TM1aを例示して詳細に説明する。
【0092】
図7に示す端末TM1aは、プロセッサPRT1aと、メモリMT1aと、UL無線送信部25と、DL無線受信部26と、アンテナAt11〜At14とを含む構成である。図1及び図7には、端末TM1aのアンテナ保有数が4と例示されているが、4に限定されない事は言うまでもない。
【0093】
プロセッサPRT1aは、例えばCPU、MPU又はDSPを用いて構成される。プロセッサPRT1aは、メモリMT1aと協働して、各種処理や制御を行う。具体的には、プロセッサPRT1aは、メモリMT1aに保持されたプログラム及びデータを参照し、そのプログラムを実行することにより、以下の各部の機能を実現する。この各部は、UL送信信号生成部21と、DL受信信号復号部22と、CSI報告有無決定部23aと、CSI測定部24と、DL受信予定データ量判定部27と、DL受信有無履歴計測部28とを含むが、UL送信信号生成部21と、DL受信信号復号部22と、CSI測定部24との動作は実施の形態1と同一であるため、説明を省略する。
【0094】
DL受信信号復号部22の復号出力は、基地局BS1aから送信されてきた参照信号(RS)およびDL受信データである。自分宛のDL受信データは無い場合もある。
【0095】
DL受信信号復号部22は、基地局BS1aから送信されてきた参照信号(RS)をCSI測定部24に出力する。一方、DL受信信号復号部22は、基地局BS1aから送信されてきたDL受信データを得た場合には、DL受信データをアプリケーション(不図示)に出力するとともに、そのデータ送信周期においてデータを受信したことを記憶するためにDL受信予定データ量判定部27及びDL受信有無履歴計測部28にそれぞれ出力する。
【0096】
DL受信予定データ量判定部27は、DL受信信号復号部22から参照信号(RS)を受信した旨の情報を取得すると、メモリMT1aに保存(保持)されている端末関連情報(自端末に関する情報の一例、図8参照)を読み出し、基地局BS1aからの自端末への下り回線(DL)における受信予定のデータ量[メガバイト]を判定する。DL受信予定データ量判定部27は、下り回線における受信予定のデータ量の判定値に関する情報をCSI報告有無決定部23aに出力する。
【0097】
DL受信有無履歴計測部28は、DL受信信号復号部22から参照信号(RS)を受信した旨の情報を取得すると、メモリMT1aに保存(保持)されている端末関連情報(自端末に関する情報の一例、図8参照)を読み出し、基地局BS1aからの自端末へのデータ送信周期毎の過去の受信履歴の状況を計測する。DL受信有無履歴計測部28は、データ送信周期毎の過去の受信履歴の状況の計測結果に関する情報をCSI報告有無決定部23aに出力する。
【0098】
CSI報告有無決定部23aは、メモリMT1aに保存(保持)されている端末関連情報(自端末に関する情報の一例、図8参照)を読み出し、自端末に関する端末関連情報に基づいて、自端末が回線状態情報(CSI)の測定及び報告を行う必要の有無を決定する。
【0099】
図8は、基地局BS1aに接続している端末毎の端末関連情報の一例を示す図である。
【0100】
図8では、基地局BS1aに接続している全て(例えばP=100台)の端末のそれぞれの端末関連情報が結合されて示されているが、個々の端末のメモリMT1aは、図8に示す自端末の端末識別番号に対応するレコードの情報のみ保持している。
【0101】
個々の端末のメモリMT1aに保持される端末関連情報は、端末識別番号と、グループと、データ送信周期毎のDL受信予定データ量と、端末のn値(後述参照)と、過去のデータ送信周期毎のDL受信履歴と、過去連続してデータを未受信となったデータ送信周期の回数(r値、後述参照)と、CSI測定及び報告の要否決定結果とを有する。
【0102】
グループは、端末識別番号(例えば端末識別番号の下1桁又は下2桁の値)に対応して設定される。図8では、例えば下1桁の値に対応して設定されており、端末識別番号の下1桁が「1」の端末はグループ「G1」、下1桁が「2」の端末はグループ「G2」、…、下1桁が「0」の端末はグループ「G10」にそれぞれ設定される。また、グループの設定方法は、端末識別番号の下1桁又は下2桁の値に対応して設定する方法に限定されない。また、端末識別番号は、例えば端末の電話番号でもよいし、端末の製造番号でもよい。
【0103】
なお、CSI報告有無決定部23aは、グループの順に自端末が回線状態情報(CSI)の測定及び報告を行う必要の有無を決定する場合には、送信データ周期の番号等の端末にとって既知の情報を基に全端末がグループ番号の更新を同期して把握できるようにしている。これにより、CSI報告有無決定部23aは、回線状態情報(CSI)の測定及び報告を行う必要があるか否かをデータ送信周期毎に簡易かつ迅速に決定できる。また、実施の形態1で必要であった基地局BS1から端末へのCSI報告要求指定端末情報の送信を実施の形態2では不要とできる。
【0104】
端末のn値は、CSI報告有無決定部23aにより、自端末が回線状態情報(CSI)の測定及び報告を行う必要の有無を決定する際に用いられる閾値である。
【0105】
CSI報告有無決定部23aは、メモリMT1aに保存(保持)される自端末に関する端末関連情報から読み出したn値と、DL受信有無履歴計測部28からのデータ送信周期毎の過去の受信履歴の状況の計測結果に関する情報とに基づいて、自端末が回線状態情報(CSI)の測定及び報告を行う必要の有無を決定する。具体的には、CSI報告有無決定部23aは、過去n回のデータ送信周期において下り回線データ(DL受信データ)を未受信である場合に、自端末が回線状態情報(CSI)の測定及び報告を行う事を決定する。これにより、CSI報告有無決定部23aは、基地局BS1aが特定の端末にのみ下り回線データ(DL受信データ)の送信を継続する事を排除でき、下り回線データ(DL受信データ)の受信が暫く無い自端末において下り回線データ(DL受信データ)の受信を期待できる。
【0106】
また、n値は例えば2以上の既定の整数値(つまり、固定値)であってよい。これにより、CSI報告有無決定部23aは、基地局BS1aに接続している全ての端末において万遍なくかつ均等に下り回線データ(DL受信データ)を送信できる。従って、CSI報告有無決定部23aは、基地局BS1aが短いデータ送信周期(例えば1ミリ秒又は10ミリ秒)毎に多くの端末との間で空間多重通信を行う事を支援できる。
【0107】
また、CSI報告有無決定部23aは、n値を固定値とせずに、例えばDL受信予定データ量判定部27からの下り回線における受信予定のデータ量の判定値に関する情報に基づいて、n値をデータ送信周期の度に変更してもよい。例えば、CSI報告有無決定部23aは、n値=「10÷(下り回線における受信予定のデータ量[メガバイト])」を演算する事によって、n値をデータ送信周期の度に求めてもよい。これにより、CSI報告有無決定部23aは、基地局BS1aから送信されてくる下り回線データ(DL受信データ)のサイズの大きさに鑑みて、例えば大きなサイズの下り回線データ(DL受信データ)が送信されてくる場合には基地局BS1aとの通信の優先度が大きくなるようにn値を小さい値に臨機応変に設定できる。また、CSI報告有無決定部23aは、基地局BS1aから送信されてくる下り回線データ(DL受信データ)のサイズの大きさに鑑みて、例えば小さなサイズの下り回線データ(DL受信データ)が送信されてくる場合には基地局BS1aとの通信の優先度が小さくなるようにn値を大きい値に臨機応変に設定できる。
【0108】
図8において、過去のDL受信履歴は、図8の紙面左側から紙面右側に向けて、データ送信周期毎の下り回線データ(DL受信データ)の受信の有無(「○」は受信あり、「×」は受信なし)を示す。
【0109】
例えば端末識別番号「#1」の端末では、直近5回分のデータ送信周期において下り回線データ(DL受信データ)の受信が無く、r=5となっている。従って、CSI報告有無決定部23aが自端末のn値を用いて回線状態情報(CSI)の測定及び報告の要否を決定する場合、端末識別番号「#1」の端末では、CSI報告有無決定部23aは、n(=4)<r(=5)であるため、自端末が回線状態情報(CSI)の測定及び報告を行う事を決定する。
【0110】
例えば端末識別番号「#2」の端末では、直近2回分のデータ送信周期において下り回線データ(DL受信データ)の受信が無く、r=2となっている。従って、CSI報告有無決定部23aが自端末のn値を用いて回線状態情報(CSI)の測定及び報告の要否を決定する場合、端末識別番号「#2」の端末では、CSI報告有無決定部23aは、n(=33)>r(=2)であるため、自端末が回線状態情報(CSI)の測定及び報告を行わない事を決定する。CSI報告有無決定部23aが自端末のn値を用いて回線状態情報(CSI)の測定及び報告の要否を決定する場合、他の端末においても同様の決定がなされる。
【0111】
メモリMT1aは、例えば端末TM1aの処理時に用いられるワークメモリとしてのRAMと、端末TM1aの動作を規定したプログラム及びデータを格納するROMとを有する。RAMには、各種データや情報が一時的に保存される。例えばメモリMT1aは、CSI測定部24により測定された回線状態情報(CSI)の測定結果や、自端末に関する端末関連情報(図8参照)を一時的に保存する。
【0112】
次に、実施の形態2における基地局BS1a及び端末の動作手順について、図9を参照して説明する。図9は、実施の形態2の基地局BS1a及び端末の各動作手順の一例を詳細に示すフローチャートである。図9の説明においても、端末の動作手順を図1に示す端末TM1aを例示して説明する。基地局BS1a及び端末TM1aは、図9に示すそれぞれの動作フローをデータ送信周期毎に繰り返す。
【0113】
図9において、端末TM1aは、メモリMT1aに保存(保持)されている端末関連情報(自端末に関する情報の一例、図8参照)を読み出し、自端末に関する端末関連情報に基づいて、自端末が回線状態情報(CSI)の測定及び報告を行う必要の有無を決定する(S15)。自端末が回線状態情報(CSI)の測定及び報告を行う必要の有無の決定方法は、上述したように、例えばメモリMT1aに保持されている端末関連情報に基づいて自端末の端末識別番号に対応するグループ情報により示されるグループに属するか否かで決定する方法、メモリMT1aに保持されている端末関連情報に基づいて過去n回分のデータ送信周期にわたって下り回線データ(DL受信データ)を受信していないかどうかで決定する方法のいずれかである。但し、自端末が回線状態情報(CSI)の測定及び報告を行う必要の有無の決定方法は、これらの決定方法に限定されなくても構わない。
【0114】
従って、実施の形態2では、ステップS15の処理により、基地局BS1aに接続中の全て(P台)の端末からCSIの測定結果の報告が基地局BS1aになされる事が無く、P台の端末のうち一部の端末からCSIの測定結果が報告される。これにより、端末からCSIの測定結果の報告がなされるときに、上り回線(UL)におけるトラフィックの増大の抑制が可能となる。
【0115】
端末TM1aは、自端末が回線状態情報(CSI)の測定及び報告を行う必要があるか否かを判断する(S16)。端末TM1aは自端末が回線状態情報(CSI)の測定及び報告を行う必要が無いと判断した場合には(S16、NO)、端末TM1aの処理は終了する。
【0116】
一方、端末TM1aは、自端末が回線状態情報(CSI)の測定及び報告を行う必要があると判断した場合には(S16、YES)、基地局BS1aから送信されてきた参照信号(RS)の受信処理に基づいて、基地局BS1aと自端末との間の伝搬路の状態を示す回線状態情報(CSI)を測定する(S12)。端末TM1aは、回線状態情報(CSI)の測定結果を生成して基地局BS1aに送信(報告)する(S13)。
【0117】
基地局BS1aは、ステップS13において端末TM1aから送信された回線状態情報(CSI)の測定結果を受信する(S3)。基地局BS1aは、ステップS3においては、回線状態情報(CSI)の測定及び報告を行う事を決定した、P台の端末のうち一部の端末からのそれぞれの回線状態情報(CSI)の測定結果を受信する。
【0118】
基地局BS1aは、ビームフォーミング技術を用いて、下り回線の送信データ(DL送信データ)の送信用の各種の信号処理を実行する(S4A)。例えば、基地局BS1aは、DL送信対象端末決定部11において、ステップS3において受信した一部の端末からの回線状態情報(CSI)の測定結果の中で回線状態情報(CSI)が良好か或いはどのM台の端末を組み合わせるとMIMOの各ストリームが大きな伝送速度になるか等を考慮して、UL送信データの送り先(宛先)となる端末としてM台の端末を選定する。基地局BS1aは、DL送信ウェイト決定部12において、M台の端末に関する情報とそれぞれの指定端末からの回線状態情報(CSI)の測定結果とに基づいて、基地局BS1aからM台のそれぞれの端末に対する送信ビームの指向性を形成可能な送信ウェイトを算出して決定する。基地局BS1aは、DL送信信号生成部13において、送信ウェイトとDL送信データとを用いて、同一周波数上で同時に空間多重通信(MU−MIMO通信)が可能なM台の端末に送信可能なDL送信信号を生成する。
【0119】
基地局BS1aは、ステップS4Aにおいてビームフォーミング技術を用いて生成したDL送信信号をそれぞれのアンテナAb1〜Ab100からM台の端末に向けて送信する(S5)。
【0120】
ステップS4Aにおいて下り回線の送信データ(DL送信データ)の送り先(宛先)として選定された端末(言い換えると、合計M台の端末として選定された端末)は、ステップS5において基地局BS1aから送信されたDL送信信号を受信する(S14)。なお、ステップS15において回線状態情報(CSI)の測定及び報告を行う事を決定した端末であっても、ステップS4Aにおいて下り回線の送信データ(DL送信データ)の送り先(宛先)として選定されなかった端末は、ステップS5において基地局BS1aから送信されたDL送信信号は受信されない。
【0121】
以上により、実施の形態2の無線通信システム10では、基地局BS1aに接続している端末は、自端末に関する端末関連情報(自端末に関する情報の一例)をメモリMT1aに保持し、データ送信周期毎に、自端末に関する端末関連情報に基づいて、基地局BS1aとの間の伝搬路の状態を示す回線状態情報(CSI)の報告の要否を決定する。端末は、回線状態情報(CSI)の報告を行う事の決定に基づいて、回線状態情報(CSI)を測定し、回線状態情報(CSI)の測定結果を基地局BS1aに報告する。基地局BS1aは、端末からの回線状態情報(CSI)の測定結果の報告に基づいて、データ送信周期において空間多重通信が可能なM(M:2≦M≦Lを満たす整数)個の端末を選定する。基地局BS1aは、複数のアンテナAb1〜Ab100を介して、M個の端末との間で空間多重通信を用いて、DL送信データ(データの一例)を送信する。端末は、回線状態情報(CSI)の測定結果に基づいてデータ送信周期において基地局BS1aとの間での空間多重通信が可能なM(M:2以上の既定値)個の端末に選定された場合に、空間多重通信を用いて基地局BS1aから送信されたDL送信データ(データの一例)を受信する。
【0122】
つまり、無線通信システム10は、基地局BS1aに接続している全ての端末(P台の端末)のそれぞれにおいて、回線状態情報(CSI)の測定及び報告を行う必要があるか否かを判断させる。この判断の結果として、P台の端末のうち一部の端末(例えば実施の形態1のL台の端末程度、又はL台から多少の幅の増減を含む)においてのみ、回線状態情報(CSI)の測定及び報告が行われる。これにより、無線通信システム10は、端末が接続している基地局BS1の個々のアンテナAb1〜Ab100と端末の個々のアンテナとの間の伝搬路の状況を示す回線状態情報(CSI)の測定、並びに回線状態情報(CSI)の基地局BS1への報告によって生じる、上り回線(UL)のトラフィックの増大を適応的に抑制できる。また、無線通信システム10は、端末自らの判断によって回線状態情報(CSI)の測定及び報告を行う必要が無い端末を決定できるので、それらの端末における消費電力の増大を適応的に抑制できる。従って、無線通信システム10は、基地局BS1と回線状態情報(CSI)の測定結果に基づいて選定された合計M台の端末との間で、良好かつ快適な下り回線(DL)のMU−MIMOの通信環境を実現できる。
【0123】
また、個々の端末がメモリMT1aに保持する自端末に関する端末関連情報は、自端末の端末識別番号に対応するグループ情報を有する。端末は、このグループ情報により示されるグループの順に、自端末が回線状態情報(CSI)の測定及び報告を行う必要の有無を決定する。これにより、端末は、回線状態情報(CSI)の測定及び報告を行う必要があるか否かをデータ送信周期毎に簡易かつ迅速に決定できる。
【0124】
また、個々の端末がメモリMT1aに保持する自端末に関する端末関連情報は、過去のデータ送信周期毎の基地局BS1aからの下り回線データ(DL受信データ)の受信の有無を示す受信履歴情報を有する。端末は、過去のn(n:2以上の整数)回分のデータ送信周期にわたって基地局BS1aからのデータの受信が無い場合に、回線状態情報(CSI)の測定及び報告を行う事を決定する。これにより、端末は、基地局BS1aが特定の端末にのみ下り回線データ(DL受信データ)の送信を継続する事を排除でき、下り回線データ(DL受信データ)の受信が暫く無い自端末において下り回線データ(DL受信データ)の受信を期待できる。
【0125】
また、個々の端末がメモリMT1aに保持する自端末に関する端末関連情報において、n値は固定値であってもよい。これにより、端末は、基地局BS1aに接続している全ての端末において万遍なくかつ均等に下り回線データ(DL受信データ)を送信できる。従って、端末は、基地局BS1aが短いデータ送信周期(例えば1ミリ秒又は10ミリ秒)毎に多くの端末との間で空間多重通信を行う事を支援できる。
【0126】
また、個々の端末がメモリMT1aに保持する自端末に関する端末関連情報は、基地局BS1aから送信される下り回線データ量(DL受信データ量)の情報を更に有する。端末は、基地局BS1aから送信される下り回線データ量(DL受信データ量)が所定閾値より大きい場合には、その下り回線データ量(DL受信データ量)に応じて、n値を現在値よりも小さく設定する。これにより、端末は、基地局BS1aから送信されてくる下り回線データ(DL受信データ)のサイズの大きさに鑑みて、例えば大きなサイズの下り回線データ(DL受信データ)が送信されてくる場合には基地局BS1aとの通信の優先度が大きくなるようにn値を小さい値に臨機応変に設定できる。
【0127】
また、個々の端末がメモリMT1aに保持する自端末に関する端末関連情報は、基地局BS1aから送信される下り回線データ量(DL受信データ量)の情報を更に有する。端末は、基地局BS1aから送信される下り回線データ量(DL受信データ量)が所定閾値より小さい場合には、その下り回線データ量(DL受信データ量)に応じて、n値を現在値よりも大きく設定する。これにより、端末は、基地局BS1aから送信されてくる下り回線データ(DL受信データ)のサイズの大きさに鑑みて、例えば小さなサイズの下り回線データ(DL受信データ)が送信されてくる場合には基地局BS1aとの通信の優先度が小さくなるようにn値を大きい値に臨機応変に設定できる。
【0128】
以上、図面を参照しながら各種の実施形態について説明したが、本開示本開示はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示本開示の技術的範囲に属するものと了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述実施形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0129】
本開示は、基地局に接続している端末における、接続中の基地局の個々のアンテナとの間の伝搬路の状況を示す回線状態情報の測定並びに回線状態情報の基地局への報告によって生じる、上り回線のトラフィックの増大や端末における消費電力の増大を適応的に抑制し、快適なMU−MIMOの通信環境を実現する端末、基地局、無線通信システム及び回線状態情報取得方法として有用である。
【符号の説明】
【0130】
10 無線通信システム
11 DL送信対象端末決定部
12 DL送信ウェイト決定部
13 DL送信信号生成部
14 CSI報告要求指定端末決定部
15 CSI取得部
16 UL受信信号復号部
17 DL無線送信部
18 UL無線受信部
21 UL送信信号生成部
22 DL受信信号復号部
23,23a CSI報告有無決定部
24 CSI測定部
25 UL無線送信部
26 DL無線受信部
27 DL受信予定データ量判定部
28 DL受信有無履歴計測部
Ab1,Ab2,Ab100,At11,At14,At21,At24,At1001,At1004 アンテナ
BS1,BS1a 基地局
TM1,TM1a,TM2,TM2a,TM100,TM100a 端末
MB1,MB1a,MT1,MT1a メモリ
PRB1,PRB1a,PRT1,PRT1a プロセッサ
T1,T2 接続端末リスト
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】