特表-18134973IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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再表2018-134973車両挙動予測方法及び車両挙動予測装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2018年7月26日
【発行日】2019年12月26日
(54)【発明の名称】車両挙動予測方法及び車両挙動予測装置
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20191129BHJP
【FI】
   G08G1/16 C
【審査請求】有
【予備審査請求】有
【全頁数】23
【出願番号】特願2018-562829(P2018-562829)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2017年1月20日
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】方 芳
(72)【発明者】
【氏名】南里 卓也
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181AA05
5H181AA21
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC11
5H181CC12
5H181CC14
5H181EE02
5H181FF05
5H181LL04
5H181LL09
5H181LL14
(57)【要約】
車両挙動予測装置1は、自車両の周囲における他車両の位置を検出する物体検出部10と、他車両の位置の周囲における、少なくとも車線を含む道路構造を取得するコントローラ40とを備える。コントローラ40は、道路構造における交通規則を取得し、取得した交通規則に基づいて他車両が走行する経路を予測する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両の周囲における他車両の位置を検出するセンサを備え、前記他車両が走行する経路を予測する車両挙動予測方法において、
前記他車両の位置の周囲における、少なくとも車線を含む道路構造を取得し、
前記道路構造における交通規則を取得し、
前記交通規則に基づいて前記他車両が走行する経路を予測することを特徴とする車両挙動予測方法。
【請求項2】
前記交通規則には、信号機、横断歩道、標識に関する規則のうち少なくとも一つが含まれることを特徴とする請求項1に記載の車両挙動予測方法。
【請求項3】
前記道路構造に基づいて前記他車両が走行する複数の候補経路を抽出し、
前記交通規則に基づいて前記複数の候補経路から前記他車両が走行する経路を予測することを特徴とする請求項1または2に記載の車両挙動予測方法。
【請求項4】
前記複数の候補経路上における前記他車両以外の車両の位置を検出し、
前記他車両以外の車両の位置と前記交通規則とに基づいて前記複数の候補経路から前記他車両が走行する経路を予測することを特徴とする請求項3に記載の車両挙動予測方法。
【請求項5】
前記複数の候補経路の前方を検出できない場合、前記他車両が走行する経路の予測を中止することを特徴とする請求項3または4に記載の車両挙動予測方法。
【請求項6】
前記他車両の車速を検出し、
前記他車両の車速が所定値以下の場合に、前記他車両が走行する経路を予測することを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の車両挙動予測方法。
【請求項7】
前記他車両の走行軌跡を検出し、
前記走行軌跡及び前記交通規則に基づいて前記他車両が走行する経路を予測することを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の車両挙動予測方法。
【請求項8】
自車両の周囲における他車両の位置を検出するセンサと、
前記他車両の位置の周囲における、少なくとも車線を含む道路構造を取得するコントローラとを備え、
前記コントローラは、前記道路構造における交通規則を取得し、取得した前記交通規則に基づいて前記他車両が走行する経路を予測することを特徴とする車両挙動予測装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両挙動予測方法及び車両挙動予測装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、他車両の情報を検出し運転者を支援する運転支援装置が知られている(特許文献1)。特許文献1に係る運転支援装置は、検出した他車両の走行履歴に基づいて他車両の走行車線を予測し、自車両と他車両との衝突可能性を判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−134567号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に係る運転支援装置は、他車両の車速が低い場合を考慮していない。車速が低い他車両からは姿勢や走行履歴などの情報を取得することが難しいことがあり、他車両が走行する車線を予測できないおそれがある。
【0005】
本発明は、上記問題に鑑みて成されたものであり、その目的は、車速が低い他車両の姿勢や走行履歴が難しい場合でも他車両が走行する経路の予測精度を向上させることができる車両挙動予測方法及び車両挙動予測装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る車両挙動予測方法は、自車両の周囲における他車両の位置を検出し、他車両の位置の周囲における、少なくとも車線を含む道路構造を取得し、道路構造における交通規則を取得し、交通規則に基づいて他車両が走行する経路を予測する。
【発明の効果】
【0007】
他車両の姿勢や走行履歴の検出が難しい場合でも他車両が走行する経路の予測精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本発明の第1実施形態に係る車両挙動予測装置の構成図である。
図2図2は、本発明の第1実施形態に係る車両挙動予測装置の動作例を説明する図である。
図3図3は、本発明の第1実施形態に係る車両挙動予測装置の動作例を説明するフローチャートである。
図4図4は、本発明の第2実施形態に係る車両挙動予測装置の構成図である。
図5図5は、本発明の第2実施形態に係る交差点の領域を説明する図である。
図6図6は、本発明の第2実施形態に係る車両挙動予測装置の動作例を説明する図である。
図7図7は、本発明の第2実施形態に係る車両挙動予測装置の他の動作例を説明する図である。
図8図8は、本発明の第2実施形態に係る車両挙動予測装置の他の動作例を説明する図である。
図9図9は、本発明の第2実施形態に係る車両挙動予測装置の他の動作例を説明する図である。
図10図10は、本発明の第2実施形態に係る絞り込み結果を示す表である。
図11図11は、本発明の第2実施形態に係る絞り込み結果を示す表である。
図12図12は、本発明の第2実施形態に係る車両挙動予測装置の他の動作例を説明する図である。
図13図13は、本発明の第2実施形態に係る車両挙動予測装置の他の動作例を説明する図である。
図14図14は、本発明の第2実施形態に係る車両挙動予測装置の動作例を説明するフローチャートである。
図15図15は、本発明の第2実施形態に係る車両挙動予測装置の動作例を説明するフローチャートである。
図16図16は、本発明の第2実施形態に係る車両挙動予測装置の動作例を説明するフローチャートである。
図17図17は、本発明のその他の実施形態に係る車両挙動予測装置の動作例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。図面の記載において同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0010】
[第1実施形態]
図1を参照して、第1実施形態に係る車両挙動予測装置1について説明する。図1に示すように、車両挙動予測装置1は、物体検出部10と、GPS受信機20と、地図データベース30と、コントローラ40とを備える。
【0011】
物体検出部10は、自車両の周囲に存在する物体(歩行者、自転車、二輪車、他車両など)を検出するセンサであって、自車両に設置される。これにより、自車両の周囲に存在する物体の速度、位置など物体の情報を取得する。第1実施形態では物体検出部10は、レーザレンジファインダーとして説明する。レーザレンジファインダーは、レーザ光をある角度範囲内で走査し、その時の反射光を受光して、レーザ発射時点と反射光の受光時点との時間差を検知することにより、自車両と物体との距離や角度を検知するセンサである。また、レーザレンジファインダーは、自車両に対する物体の相対位置や相対距離も検出できる。物体検出部10は、検出した情報をコントローラ40に出力する。なお、物体検出部10はレーザレンジファインダーに限定されるものではなく、ミリ波レーダや超音波センサなどを用いてもよい。
【0012】
GPS受信機20は、人工衛星からの電波を受信することにより、自車両の現在位置を検出する。GPS受信機20は、検知した自車両の現在位置をコントローラ40に出力する。
【0013】
地図データベース30には、道路情報や施設情報など経路案内に必要となる各種データが記憶されている。また、道路情報には、道路構造に関するデータが含まれる。道路構造に関するデータとは、交差点、道路の車線数、道幅情報、左折専用レーンまたは右折専用レーン、信号機、横断歩道、歩道橋などに関するデータである。
【0014】
また、地図データベース30には、道路構造における交通規則が記憶されている。交通規則とは、例えば、法律で定められている規則であって、車両は、走行する車線に対面する信号機に従わなければならないなどの規則である。また、交通規則には、信号が赤の場合、車両は停止位置を越えて進行してはならないなどの規則も含まれる。さらに、交通規則には、一時停止、制限速度、一方通行、進入禁止、右左折禁止などの標識による規則なども含まれる。なお、道路情報、交通規則、標識は、必ずしも地図データベース30から取得するものに限定されず、自車両M1が備えるセンサにより取得するものでもよく、また車車間通信、路車間通信を用いて取得するようにしてもよい。
【0015】
地図データベース30は、コントローラ40の要求に応じて道路情報や交通規則をコントローラ40に出力する。なお、地図データベース30は、必ずしも自車両に記憶される必要はなく、サーバ上に記憶されていてもよい。地図データベース30がサーバ上に記憶されている場合、コントローラ40は、通信により随時地図情報を取得することができる。
【0016】
コントローラ40は、物体検出部10とGPS受信機20と地図データベース30から取得したデータを処理する回路であり、例えばIC、LSI等により構成される。コントローラ40は、これを機能的に捉えた場合、情報取得部41と経路予測部42とに分類することができる。
【0017】
情報取得部41は、物体検出部10とGPS受信機20と地図データベース30からデータを取得する。情報取得部41は、取得したデータを経路予測部42に出力する。
【0018】
経路予測部42は、情報取得部41から取得したデータに基づいて、他車両が走行する経路を予測する。経路予測部42の詳細については後述する。なお、予測される他車両の経路には、他車両がこれから走行する方向、領域、車線などが含まれ、他車両がこれから走行する先であれば、特に限定されるものではない。
【0019】
次に図2を参照して、車両挙動予測装置1の動作例を説明する。第1実施形態では図2に示すように走行シーンとして交差点を例にとって説明する。
【0020】
図2に示すように、物体検出部10が自車両M1の周囲に存在する他車両M2を検出した場合、物体検出部10は他車両M2の位置情報をコントローラ40に出力する。なお、他車両は、自動車等に限定されず、道路を走行する自転車、バイクなどでもよい。
【0021】
経路予測部42は、他車両M2の位置情報を取得した場合、他車両M2の車速が所定値以下かを判断する。他車両M2の車速が所定値以下(例えば、10km/h)か否かについて、経路予測部42は、自車両M1に対する他車両M2の相対速度や相対位置からも判断することができる。経路予測部42は、他車両M2の車速が所定値以下と判断した場合、GPS受信機20から取得した自車両M1の現在位置と自車両に対する他車両M2の相対位置から、地図データベース30とを参照し、他車両M2の位置の周囲における道路構造を取得する。図2に示すように、経路予測部42は、他車両M2の位置の周囲における道路構造が片側2車線の交差点であることを取得する。なお、車速が低いほど、移動量が小さくなり、移動方向が算出し難くなるため、他車両の姿勢を取得することは困難である。してみれば、他車両M2の車速が所定値以下か否かを判断する代わりに、他車両M2が停止しているか否かで判断するようにしてもよい。これにより、他車両M2が停止していて他車両の姿勢を取得することが難しい場合でも、他車両M2の姿勢を予測することができるようになる。
【0022】
次に、経路予測部42は、地図データベース30を参照し、取得した道路構造における交通規則を取得する。つまり経路予測部42は、図2に示す交差点における交通規則を取得する。ここで、他車両M2が存在する車線が左折専用レーンであるとする。この場合、交通規則により、他車両M2は左折以外を禁止される。よって、経路予測部42は、他車両M2が走行する経路は図2の矢印に示すように左折経路R1であると判断できる。このように、経路予測部42は、交通規則に基づいて他車両M2が走行する経路を予測することにより、他車両M2が走行する経路の予測精度を向上させることができる。なお、経路予測部42は、他車両M2が存在する車線が左折専用レーンであることは、地図データベース30から取得した道路構造から判断できる。
【0023】
次に、図3に示すフローチャートを参照して、車両挙動予測装置1の一動作例について説明する。このフローチャートは、イグニッションスイッチがオンされたときに開始する。
【0024】
ステップS101において、物体検出部10は、自車両M1の周囲の他車両を検出する。
【0025】
ステップS102において、経路予測部42は、ステップS101で検出された他車両M2の車速が所定値以下か否かを判断する。他車両M2の車速が所定値以下である場合(ステップS102でYes)、処理はステップS103に進む。一方、他車両M2の車速が所定値以下でない場合、処理はステップS101に戻る。
【0026】
ステップS103において、GPS受信機20は、自車両M1の現在位置における道路構造を取得するために自車両M1の現在位置を検出する。そして、自車両M1に対する他車両M2の相対位置を検出する。
【0027】
ステップS104において、経路予測部42は、自車両M1に対する他車両M2の相対位置と地図データベース30とを参照し、他車両M2の位置の周囲における道路構造を取得する。道路構造は、例えば交差点である。道路構造には、車線の数や左折専用レーンまたは右折専用レーンの有無など、少なくとも車線に関する情報が含まれる。
【0028】
ステップS105において、経路予測部42は、道路構造における交通規則を取得する。交通規則を取得する理由は、交通規則から他車両M2が走行する経路を予測できる場合があるからである。
【0029】
ステップS106において、経路予測部42は、他車両M2の位置における交通規則に基づいて他車両M2が走行する経路を予測する。他車両M2が存在している車線が左折専用レーンまたは右折専用レーンである場合、交通規則により他車両M2が走行する経路は一意に決まるため、経路予測部42は、他車両M2が走行する経路を予測できる。
【0030】
ステップS107において、コントローラ40は、イグニッションスイッチがオフか否かを判断する。イグニッションスイッチがオフの場合(ステップS107でYes)、一連の処理は終了する。イグニッションスイッチがオフでない場合(ステップS107でNo)、処理はステップS101に戻る。なお、他車両M2の車両軌跡を検出するようにして、車両軌跡を検出した場合は、車両軌跡から他車両M2の走行経路を予測するようにしてもよい。加えて、交通規則に基づく予測と、車両軌跡に基づく予測とを組み合わせて、他車両の走行経路を予測することにより、予測精度を向上させることができる。
【0031】
以上説明したように、第1実施形態に係る車両挙動予測装置1によれば、以下の作用効果が得られる。
【0032】
車両挙動予測装置1は、自車両M1の周囲における他車両M2を検出した場合、他車両M2の位置及び自車両M1の位置を取得する。車両挙動予測装置1は、他車両M2の位置と地図データベース30とを参照し、他車両M2の位置の周囲における少なくとも車線を含む道路構造を取得し、取得した道路構造における交通規則を取得する。そして、車両挙動予測装置1は、交通規則に基づいて他車両M2が走行する経路を予測する。これにより、車両挙動予測装置1は他車両M2の姿勢や走行履歴の検出が難しい場合でも、他車両M2が走行する経路の予測精度を向上させることができる。
【0033】
車両挙動予測装置1は、自車両M1の周囲における他車両M2を検出した場合、物体検出部10により他車両M2の車速を検出する。そして、車両挙動予測装置1は、他車両M2の車速が所定値以下の場合に、他車両M2が走行する経路を予測する。これにより、車両挙動予測装置1は、他車両M2の姿勢や走行履歴の検出が難しい場合でも、他車両M2の車速が所定値以下の場合に、他車両M2が走行する経路の予測精度をより向上させることができる。
【0034】
車両挙動予測装置1は、他車両M2の走行軌跡を検出し、走行軌跡及び交通規則に基づいて他車両M2が走行する経路を予測する。これにより、交通規則に基づく予測に加え、走行軌跡に基づく予測を組み合わせて、他車両M2が走行する経路を予測することができるようになるため、他車両M2が走行する経路の予測精度をさらに向上させることができる。
【0035】
[第2実施形態]
次に図4を参照して、第2実施形態に係る車両挙動予測装置2について説明する。図4に示すように第2実施形態が第1実施形態と相違するのは、車両挙動予測装置2が通信機50を備えることである。第1実施形態と重複する構成については符号を引用してその説明は省略することとし、以下、相違点を中心に説明する。
【0036】
通信機50は、道路側に設けられた路側通信装置との間で無線通信を行う装置である。路側通信装置は、設置された通信エリアを走行する車両に対しインフラ情報を送信する装置である。インフラ情報には、例えば信号機の点灯状態に関する信号機情報が含まれる。通信機50は、路側通信装置から取得した信号機情報を情報取得部41に出力する。なお、信号機情報は、車両に備わるセンサや、車車間通信、路車間通信を用いて取得するようにしてもよい。
【0037】
次に図5図9を参照して車両挙動予測装置2の動作例を説明する。第2実施形態においても第1実施形態と同様に走行シーンとして交差点を例にとって説明する。第2実施形態では、図5に示すように、経路予測部42は、他車両M2の位置が交差点の内側か外側かを判断する。交差点の内側とは、図5に示すように交差する車線と交わる領域T1を意味する。一方、交差点の外側とは、図5に示すように領域T1を除いた交差点周辺の領域T2を意味する。なお、交差点の内側及び外側の定義はこれに限定されず、例えば、交差点の内側は、停止線や横断歩道を越えた交差点内の範囲としてもよい。なお、図5以降の図面では、領域T1及び領域T2の図示は省略する。
【0038】
次に図6を参照して、他車両M2が交差点の内側(図5に示す領域T1)を所定値以下の車速で走行している場合について説明する。図6に示すように、物体検出部10が交差点の内側に存在する他車両M2を検出した場合、経路予測部42は、他車両M2の位置と、道路構造に基づいて他車両M2が走行する複数の経路候補を抽出する。このとき、経路予測部42は、他車両M2から一定距離内、例えば1m以内の経路を候補経路として抽出する。図6に示す道路構造上、候補経路として3つの経路が抽出される。すなわち、経路予測部42は、自車両M1の進行方向と交差する方向に直進する直進経路R2と、自車両M1の進行方向と同じ方向に直進する直進経路R3と、自車両M1の進行方向と交差する方向に左折する左折経路R4の3つの候補経路を抽出する。
【0039】
次に経路予測部42は、抽出した3つの候補経路について交通規則や交通状況を用いて絞り込む。まず経路予測部42は、候補経路上の交通量が所定量以上か否かを判断する。例えば、図6に示すように直進経路R3上を走行する他車両M3、M4が存在し、直進経路R3上の交通量が所定量以上である場合、他車両M2が走行する経路が直進経路R3である可能性は低い。理由として、直進経路R3を走行する上で、道路上で車速が低くなる可能性は低く、また交通の流れを阻害することになるからである。よって、経路予測部42は、直進経路R3を候補から除外する。なお、交通量が所定量以上とは、ある地点において30秒間に5台以上の車両が通過する場合をいう。なお、本実施形態においては、候補を除外して走行する経路を予測したが、必ずしもこれに限定されず、それぞれの候補経路を走行する尤度(可能性)を算出し、尤度を調整して、他車両M2が走行する経路を予測するようにしてもよい。尤度を用いて他車両M2が走行する経路を予測する場合は、例えば、図6に示すように直進経路R3上を走行する他車両M3、M4が存在し、直進経路R3上の交通量が所定量以上である場合、他車両M2が走行する経路が直進経路R3である可能性は低いので、経路予測部42が、直進経路R3を走行する尤度を低くする。もしくは、経路予測部42が、その他の候補経路を走行する尤度を高くする。これにより、他車両M2が走行する経路を予測するようにしてもよい。
【0040】
続いて経路予測部42は、通信機50から取得した信号機情報を用いて候補経路を絞り込む。図6に示すように自車両M1の進行方向に設置された信号機80が青であり、自車両M1の進行方向と交差する方向に設置された信号機81が赤である場合、他車両M2が走行する経路が直進経路R2である可能性は低い。他車両M2が直進経路R2に進む場合、信号機81が赤であるため、他車両M2が交差点の中央付近で停止することは交通規則上、可能性は低い。信号機81で、他車両M2の車速が低くなる場合は、停止線の手前である可能性が高い。よって、経路予測部42は、直進経路R2を候補から除外する。以上より、3つの候補経路の内、2つが除外されたため、経路予測部42は、残る1つの候補経路である左折経路R4が、他車両M2が走行する経路であると予測する。
【0041】
なお、経路予測部42は、信号機情報を取得できない場合、横断歩道に関する歩行者情報を用いて候補経路を絞り込んでもよい。横断歩道に関する歩行者情報とは、横断歩道を渡る歩行者の情報や横断歩道手前で停止する歩行者の情報である。図7に示すように、直進経路R2上の横断歩道90を歩行者が渡っていて、自車両M1の進行方向上の横断歩道91の手前で歩行者が停止している場合、経路予測部42は、歩行者の動きから自車両M1の進行方向に設置された信号機80が青であり、自車両M1の進行方向と交差する方向に設置された信号機81が赤であると推定する。このように経路予測部42は、歩行者情報を用いることにより、信号機情報を取得できない場合でも信号機情報を推定できる。そして経路予測部42は、推定した信号機情報を用いることにより、直進経路R2を候補経路から除外することができる。また、経路予測部42は、信号機情報を取得した場合においても、歩行者情報を用いてもよい。すなわち、経路予測部42は、信号機情報と歩行者情報の両方を用いて候補経路を絞ってもよい。
【0042】
次に図8を参照して、他車両M2が交差点の外側(図5に示す領域T2)で車速が所定値以下の場合について説明する。図8に示すように、物体検出部10が交差点の外側に存在する他車両M2を検出した場合、経路予測部42は、自車両M1に対する他車両M2の相対位置と地図データベース30とを参照し、他車両M2の位置の周囲における道路構造を取得する。図8に示すように、経路予測部42は、他車両M2の位置における道路構造が片側1車線の交差点であることを取得する。次に経路予測部42は、他車両M2の位置と、道路構造に基づいて他車両M2が走行する複数の経路候補を抽出する。図8に示す道路構造上、候補経路として3つの経路が抽出される。すなわち、経路予測部42は、自車両M1の進行方向と交差する方向に右折する右折経路R5と、自車両M1の進行方向と反対方向に直進する直進経路R6と、自車両M1の進行方向と交差する方向に左折する左折経路R7の3つの候補経路を抽出する。
【0043】
次に経路予測部42は、抽出した3つの候補経路について交通規則や交通状況を用いて絞り込む。具体的にはまず経路予測部42は、物体検出部10から取得した自車両M1の周囲の交通状況や信号機情報を用いて候補経路を絞り込む。物体検出部10から取得した自車両M1の周囲の交通状況とは、例えば渋滞状況や横断歩道上の歩行者の有無である。図8に示すように、自車両M1の進行方向に設置された信号機80が青であり、自車両M1の周囲において他車両が存在せず渋滞が発生していない場合、経路予測部42は、直進経路R6を候補から除外する。理由として、図8に示す交通状況において他車両M2は直進経路R6に進みたいなら進むことができるからである。それにも関わらず交差点の外側で車速を低くしているのは進みたい経路が右折経路R5または左折経路R7である可能性が高いことを意味する。
【0044】
次に、経路予測部42は、他車両M2が走行する経路が右折経路R5または左折経路R7のどちらであるか絞り込む。ここで、他車両M2が走行する経路が左折経路R7である場合、図8に示すように自車両M1の周囲において渋滞が発生していないため、他車両M2は交差点の内側に進み、左折しやすい位置で車速を低くするする可能性が高い。それにも関わらず交差点の外側で車速を低くするのは進みたい経路が右折経路R5である可能性が高いためである。よって、経路予測部42は、左折経路R7を候補経路から除外し、残る1つの候補である右折経路R5が、他車両M2が走行する経路であると予測する。
【0045】
一方、図9に示すように、左折経路R7に他車両M3、M4が停止(または低速走行)していて、他車両M3の後方に空いているスペースがない場合、経路予測部42は、左折経路R7に渋滞が発生していると判断する。このように左折経路R7に渋滞が発生している場合において、他車両M2が進みたい経路が左折経路R7である場合、他車両M2は交差点の外側で停止するのが通常である。この状況で他車両M2が交差点内側に進み、渋滞が解消されず信号が変わった場合、交差車線の交通を阻害することになるからである。すなわち、図9に示す交通状況において、経路予測部42は、他車両の位置情報を用いても他車両M2が走行する経路が右折経路R5または左折経路R7のどちらであるか予測できない場合がある。
【0046】
そこで、経路予測部42は、さらに横断歩道に関する歩行者情報を用いて候補経路を絞り込む。図9に示すように右折経路R5と交差する横断歩道90に歩行者がいない場合、経路予測部42は、右折経路R5を候補経路から除外し、左折経路R7が他車両M2が走行する経路であると予測する。理由は、右折経路R5上に渋滞が発生しておらず、さらに右折経路R5に交差する横断歩道90に歩行者がいないため、他車両M2は右折経路R5に進みたいなら進むことができるからである。それにも関わらず交差点の外側で車速を低くしているのは進みたい経路が左折経路R7であることを意味する。このように渋滞状況や歩行者情報を用いて候補経路を絞り込んだ結果を図10及び図11に示す。図10に示す絞り込み結果は、直進経路R6に渋滞が発生していない場合において、右折経路R5及び左折経路R7の渋滞の有無を用いて候補経路を絞り込んだ結果である。図11に示す絞り込み結果は、図10における右折経路R5に渋滞が発生しておらず、左折経路R7に渋滞が発生している場合において(図10に示す一番下のケース)、歩行者情報を用いて候補経路を絞り込んだ結果である。なお、図10及び図11に示す例では、経路予測部42は、渋滞状況を判断した後に歩行者情報を用いて候補経路を絞り込んだが、これに限定されない。経路予測部42は、歩行者情報を用いた後に渋滞状況を判断して候補経路を絞り込んでもよい。
【0047】
図10及び図11に示すように、渋滞状況や歩行者情報を用いても他車両M2が走行する経路が右折経路R5または左折経路R7のどちらであるか予測できないケースがある。この場合、経路予測部42は、図12に示すように車線の中心線CLに対する他車両M2の位置を用いて候補経路を絞り込む。
【0048】
具体的には図12に示すように、経路予測部42は、他車両M2が位置している車線の中心線CLから、他車両M2の中心位置までの距離Dを算出する。他車両M2の中心位置とは車幅の中心位置である。経路予測部42は、物体検出部10が取得した他車両M2の車幅を用いて距離Dを算出する。そして経路予測部42は、算出した距離Dを用いて候補経路を絞り込む。交通規則上、ドライバは、右折または左折する際に車線の右側または左側に車両を寄せることが求められる。また、一般にドライバは直進する場合、車線の中心線を走行する。よって、距離Dが所定値(例えば0.3m)以下である場合、経路予測部42は、他車両M2が走行する経路は直進経路R6であると予測する。なお、経路予測部42は、交通状況などにより直進経路R6を候補経路から除外している場合は、予測を中止する。
【0049】
図12に示すように、距離Dが所定値より大きく、かつ距離Dが自車両M1から見て左側に大きい場合、つまり中心線CLをY座標とすると距離D<0である場合、経路予測部42は、他車両M2が走行する経路は右折経路R5であると予測する。また、距離Dが所定値より大きく、かつ距離Dが自車両M1から見て右側に大きい場合、つまり中心線CLをY座標とすると距離D>0である場合、経路予測部42は、他車両M2が走行する経路は左折経路R7であると予測する。このように、渋滞状況や歩行者情報を用いても他車両M2が走行する経路を予測できない場合でも、経路予測部42は、距離Dを用いることにより他車両M2が走行する経路を予測できる。
【0050】
なお、図13に示すように、他車両に隠れるなどの理由により物体検出部10が他車両M2の車幅Wを正確に検出できない場合がある。経路予測部42は、検出された車幅Wが所定値(例えば車種の8割)より小さい場合は、距離Dを用いた候補経路の絞り込みを行わない。検出された車幅Wが所定値より小さい場合、車幅全体のどの部分が検出されたのか判断できず、中心線CLに対する他車両M2の位置を正確に算出できないケースがあるからである。
【0051】
次に、図14図16に示すフローチャートを参照して、第2実施形態に係る車両挙動予測装置2の一動作例を説明する。なお、ステップS201〜ステップS205、ステップS215の動作はそれぞれ、図3のステップS101〜ステップS105、ステップS107の動作と同じであるため詳細な説明を省略する。
【0052】
ステップS206において、経路予測部42は、他車両M2が交差点の内側に位置しているのか、交差点の外側に位置しているのか判断する。交差点の内側と外側では、抽出する候補経路が異なる場合があるからである。他車両M2が交差点の内側に位置している場合(ステップS206でYes)、処理はステップS207に進む。一方、他車両M2が交差点の外側に位置している場合(ステップS206でNo)、処理はステップS220に進む。
【0053】
ステップS207において、経路予測部42は、他車両M2の位置と、道路構造に基づいて他車両M2が走行する複数の候補経路を抽出する。道路構造に基づいて抽出するとは、道路構造上、他車両M2の位置から走行可能な経路を抽出することをいう。
【0054】
ステップS208において、経路予測部42は、自車両M1の周囲に存在する他車両M3、M4の情報を用いて候補経路上の交通量が所定量以上か否かを判断する。他車両M3、M4の情報とは、位置、速度、加速度、進行方向などである。交通量が所定量以上ある道路上で留まることは通常では考えにくく、また交通の流れを阻害することになり交通規則上好ましくない。よって、候補経路上の交通量や交通規則を用いることにより経路予測部42は、候補経路を絞り込むことができる。候補経路上の交通量が所定量以上ある場合(ステップS208でYes)、処理はステップS209に進む。一方、交通量が所定量より小さい場合(ステップS208でNo)、処理はステップS210に進む。
【0055】
ステップS209において、経路予測部42は、候補経路上の交通量や交通規則を用いて候補経路を絞り込む。図6に示すように直進経路R3上の交通量が所定量以上である場合、経路予測部42は、直進経路R3を候補から除外する。
【0056】
ステップS210において、経路予測部42は、候補経路が2つ以上あるか否かを判断する。候補経路が1つの場合(ステップS210でNo)、経路予測部42は、残った1つの候補経路が他車両M2が走行する経路と予測し、処理はステップS215に進む。一方、候補経路が2つ以上ある場合(ステップS210でYes)、処理はステップS211に進む。
【0057】
ステップS211において、経路予測部42は、候補経路を絞り込むために自車両M1の周囲の信号機情報を取得する。経路予測部42が信号機情報を取得した場合(ステップS211でYes)、処理はステップS214に進む。一方、経路予測部42が信号機情報を取得しない場合(ステップS211でNo)、処理はステップS212に進む。
【0058】
ステップS212において、経路予測部42は、横断歩道に関する歩行者情報を取得する。信号機情報を取得できない場合でも歩行者情報を用いることにより、経路予測部42は、信号機情報を推定できるからである。
【0059】
ステップS213において、経路予測部42は、取得した歩行者情報を用いて信号機情報を推定する。図7に示すように、直進経路R2上の横断歩道90を歩行者が渡っていて、自車両M1の進行方向上の横断歩道91の手前で歩行者が停止している場合、経路予測部42は、歩行者の動きから自車両M1の進行方向に設置された信号機80が青であり、自車両M1の進行方向と交差する方向に設置された信号機81が赤であると推定する。
【0060】
ステップS214において、経路予測部42は、ステップS211で取得した信号機情報、またはステップS213で推定した信号機情報を用いて候補経路を絞り込む。なお、経路予測部42は、ステップS211で取得した信号機情報と、ステップS213で推定した信号機情報との両方を用いて候補経路を絞り込んでもよい。
【0061】
次に、図15に示すステップS220において、経路予測部42は、他車両M2の位置と、道路構造に基づいて他車両M2が走行する複数の候補経路を抽出する。
【0062】
ステップS221において、物体検出部10は、経路予測部42によって抽出された候補経路の前方を検出する。候補経路の前方とは候補経路の先を意味する。物体検出部10は、検出可能な範囲において候補経路の前方を検出するが、自車両M1の周囲の他車両や建物などの影響を受ける。すなわち、物体検出部10は、他車両や建物が多いほど候補経路の前方を検出しにくくなり、他車両や建物が少ないほど候補経路の前方を検出しやすくなる。物体検出部10が候補経路の前方を検出しやすい場合(ステップS221でYes)、処理はステップS222に進む。一方、物体検出部10が候補経路の前方を検出しにくい場合(ステップS221でNo)、処理はステップS225に進む。
【0063】
ステップS222において、経路予測部42は、物体検出部10によって検出された候補経路の前方の情報に基づいて候補経路の前方の渋滞状況を取得する。渋滞状況に基づいて候補経路の絞り込みが可能となる場合があるからである。
【0064】
ステップS223において、経路予測部42は、地図データベース30を参照して、自車両M1の周囲において歩道橋があるか否かを検出する。歩道橋があるか否かを検出する理由は、自車両M1の周囲において横断歩道に関する歩行者情報を利用可能か簡単に判断できるからである。つまり、自車両M1の周囲において歩道橋があれば、経路予測部42は、交差点に横断歩道がないことを簡単に判断できる。横断歩道がない交差点において、歩行者情報は候補経路の絞り込みに寄与しないため、経路予測部42は歩行者情報を取得する必要がなくなる。経路予測部42が歩行者情報を取得しない場合、処理する情報が減るためリソースの節約となる。自車両M1の周囲に歩道橋がある場合(ステップS223でYes)、処理はステップS228に進む。一方、自車両M1の周囲に歩道橋がない場合(ステップS223でNo)、処理はステップS224に進む。
【0065】
ステップS224において、経路予測部42は、横断歩道に関する歩行者情報を取得する。歩行者情報を用いることにより、候補経路の絞り込みが可能となる場合があるからである。
【0066】
ステップS225において、物体検出部10が候補経路の前方を検出しにくいため、経路予測部42は、取得しやすい情報から取得する。そこで経路予測部42は、地図データベース30を参照して、自車両M1の周囲において歩道橋があるか否かを検出する。歩道橋があるか否かを検出する理由は、上述した通りである。自車両M1の周囲に歩道橋がある場合(ステップS225でYes)、処理はステップS228に進む。一方、自車両M1の周囲に歩道橋がない場合(ステップS225でNo)、処理はステップS226に進む。
【0067】
ステップS226において、経路予測部42は、横断歩道に関する歩行者情報を取得する。歩行者情報を用いることにより、候補経路の絞り込みが可能となる場合があるからである。
【0068】
ステップS227において、物体検出部10は検出可能な範囲において候補経路の前方を検出する。経路予測部42は、物体検出部10によって検出された情報に基づいて候補経路の前方の渋滞状況を取得する。渋滞状況に基づいて候補経路の絞り込みが可能となる場合があるからである。
【0069】
ステップS228において、経路予測部42は、候補経路の前方の渋滞状況や、横断歩道に関する歩行者情報を用いて候補経路を絞り込む。なお、経路予測部42は、渋滞状況と歩行者情報との両方を用いて候補経路を絞り込んでもよく、渋滞状況のみまたは歩行者情報のみを用いて候補経路を絞り込んでもよい。
【0070】
次に、図16に示すステップS230において、経路予測部42は、候補経路が2つ以上あるか否かを判断する。候補経路が1つの場合(ステップS230でNo)、経路予測部42は、残った1つの候補経路を他車両M2が走行する経路と予測し、処理はステップS215に進む。一方、候補経路が2つ以上ある場合(ステップS230でYes)、処理はステップS231に進む。
【0071】
ステップS231において、物体検出部10は、他車両M2が位置している車線の中心線CLから、他車両M2の中心位置までの距離Dを算出するために、他車両M2の車幅Wを検出する。経路予測部42は、検出された車幅Wが所定値より小さい場合は、距離Dを用いた候補経路の絞り込みを行わない。検出された車幅Wが所定値より小さい場合、車幅全体のどの部分が検出されたのか判断できず、中心線CLに対する他車両M2の位置を正確に算出できないケースがあるからである。検出された車幅Wが所定値以上の場合(ステップS231でYes)、処理はステップS232に進む。一方、検出された車幅Wが所定値より小さい場合(ステップS231でNo)、処理はステップS215に進む。
【0072】
ステップS232において、経路予測部42は、物体検出部10が検出した他車両M2の車幅Wを用いて、車線の中心線CLから他車両M2の中心位置までの距離Dを算出する。渋滞状況や歩行者情報を用いても他車両M2が走行する経路を予測できない場合でも、距離Dを用いることにより経路予測部42は他車両M2が走行する経路を予測できる場合があるからである。
【0073】
ステップS233において、経路予測部42は、算出した距離Dが所定値以下か否かを判断する。これにより、経路予測部42は、候補経路を絞り込むことができる。距離Dが所定値以下の場合(ステップS233でYes)、処理はステップS234に進む。一方、距離Dが所定値より大きい場合(ステップS233でNo)、処理はステップS235に進む。
【0074】
ステップS234において、経路予測部42は、図8に示すように他車両M2が走行する経路は直進経路R6であると予測する。なお、経路予測部42は、交通状況などにより直進経路R6を候補経路から除外している場合は、予測を中止する。
【0075】
ステップS235において、経路予測部42は、距離Dが自車両M1から見て左側に大きいか、右側に大きいかを判断する。つまり経路予測部42は、中心線CLをY座標として距離D<0であるか、距離D>0であるかを判断する。距離Dが自車両M1から見て右側に大きい場合、つまり距離D>0である場合(ステップS235でYes)、処理はステップS236に進む。一方、距離Dが自車両M1から見て左側に大きい場合、つまり距離D<0である場合(ステップS235でNo)、処理はステップS237に進む。
【0076】
ステップS236において、経路予測部42は、他車両M2が走行する経路は左折経路R7であると予測する。ステップS237において、経路予測部42は、他車両M2が走行する経路は右折経路R5であると予測する。
【0077】
以上説明したように、第2実施形態に係る車両挙動予測装置2によれば、以下の作用効果が得られる。
【0078】
車両挙動予測装置2は、他車両M2の位置と、道路構造に基づいて他車両M2が走行する複数の経路候補を抽出する。車両挙動予測装置2は、抽出した候補経路について交通規則を用いて絞り込む。これにより、車両挙動予測装置2は、他車両M2の姿勢や走行履歴の検出が難しい場合でも他車両M2が走行する経路の予測精度を向上させることができる。
【0079】
また、交通規則には、信号機、横断歩道または標識に関する規則のうち少なくとも一つが含まれる。車両挙動予測装置2は、信号機の色に関する交通規則を用いて候補経路を絞り込む。また、車両挙動予測装置2は、信号機情報を取得できない場合、横断歩道に関する歩行者情報を用いて信号機情報を推定し、候補経路を絞り込む。このように信号機、横断歩道または標識に関する規則を用いて候補経路を絞り込むことにより、車両挙動予測装置2は、他車両M2の姿勢や走行履歴の検出が難しい場合でも他車両M2が走行する経路の予測精度を向上させることができる。
【0080】
また、車両挙動予測装置2は、候補経路上における他車両M2以外の他車両M3、M4の位置を検出し、候補経路の前方が渋滞しているか否かを判断する。そして、車両挙動予測装置2は、交通規則と渋滞状況に基づいて候補経路を絞り込む。これにより、車両挙動予測装置2は、他車両M2の姿勢や走行履歴が検出できない場合でも他車両M2が走行する経路の予測精度を向上させることができる。
【0081】
上記のように、本発明の実施形態を記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0082】
例えば、第2実施形態では、通信機50を用いて信号機情報を取得したが、信号機情報を取得する方法はこれに限られず、例えばカメラを用いて信号機情報を取得してもよい。
【0083】
また、第2実施形態では、経路予測部42は他車両M3、M4の位置情報を用いて候補経路の前方が渋滞しているか否かを判断したが、図17に示すように物体検出部10は建物92によって隠蔽される領域S1の情報を検出できない場合がある。図17に示すように、他車両M3、M4が左折経路R7の前方に存在していても、物体検出部10は他車両M3、M4を検出できず、経路予測部42は左折経路R7の前方に渋滞が発生していることを判断できない。このように物体検出部10が候補経路の前方を検出できない場合、経路予測部42は、誤った予測を回避するため、他車両M2が走行する経路の予測を中止する。
【0084】
また、第1実施形態及び第2実施形態において、右側通行の道路について説明したが、本発明は左側通行の道路にも適用できる。また、本発明は、自動運転機能を備える車両に適用することができる。
【0085】
なお、上述の実施形態の各機能は、1または複数の処理回路により実装され得る。処理回路は、電気回路を含む処理装置等のプログラムされた処理装置を含む。処理回路は、また、実施形態に記載された機能を実行するようにアレンジされた特定用途向け集積回路(ASIC)や従来型の回路部品のような装置を含む。
【符号の説明】
【0086】
1、2 車両挙動予測装置
10 物体検出部
20 GPS受信機
30 地図データベース
40 コントローラ
41 情報取得部
42 経路予測部
50 通信機
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17

【手続補正書】
【提出日】2017年9月15日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両の周囲における他車両の位置を検出するセンサを備え、前記他車両が走行する経路を予測する車両挙動予測方法において、
前記他車両の位置の周囲における、少なくとも車線を含む道路構造を取得し、
前記道路構造における交通規則を取得し、
前記他車両が停止しているか否かを判定し、
前記他車両が停止している場合に、前記交通規則に基づいて前記他車両が走行する経路を予測することを特徴とする車両挙動予測方法。
【請求項2】
前記交通規則には、信号機、横断歩道、標識に関する規則のうち少なくとも一つが含まれることを特徴とする請求項1に記載の車両挙動予測方法。
【請求項3】
前記道路構造に基づいて前記他車両が走行する複数の候補経路を抽出し、
前記交通規則に基づいて前記複数の候補経路から前記他車両が走行する経路を予測することを特徴とする請求項1または2に記載の車両挙動予測方法。
【請求項4】
前記複数の候補経路上における前記他車両以外の車両の位置を検出し、
前記他車両以外の車両の位置と前記交通規則とに基づいて前記複数の候補経路から前記他車両が走行する経路を予測することを特徴とする請求項3に記載の車両挙動予測方法。
【請求項5】
前記複数の候補経路の前方を検出できない場合、前記他車両が走行する経路の予測を中止することを特徴とする請求項3または4に記載の車両挙動予測方法。
【請求項6】
前記他車両の車速を検出し、
前記他車両の車速が所定値以下の場合に、前記他車両が走行する経路を予測することを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の車両挙動予測方法。
【請求項7】
前記他車両の走行軌跡を検出し、
前記走行軌跡及び前記交通規則に基づいて前記他車両が走行する経路を予測することを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の車両挙動予測方法。
【請求項8】
自車両の周囲における他車両の位置を検出するセンサと、
前記他車両の位置の周囲における、少なくとも車線を含む道路構造を取得するコントローラとを備え、
前記コントローラは、前記道路構造における交通規則を取得し、前記他車両が停止しているか否かを判定し、前記他車両が停止している場合に、取得した前記交通規則に基づいて前記他車両が走行する経路を予測することを特徴とする車両挙動予測装置。

【手続補正書】
【提出日】2018年2月15日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両の周囲における他車両の位置を検出するセンサを備え、前記他車両が走行する経路を予測する車両挙動予測方法において、
前記他車両の位置の周囲における、少なくとも車線を含む道路構造を取得し、
前記道路構造における交通規則を取得し、
前記他車両が停止しているか否かを判定し、
前記道路構造に基づいて前記他車両が走行する方向として複数の候補経路を抽出し、
前記他車両が停止している場合に、前記交通規則に基づいて前記複数の候補経路から前記他車両が走行する経路を予測することを特徴とする車両挙動予測方法。
【請求項2】
自車両の周囲における他車両の位置を検出するセンサを備え、前記他車両が走行する経路を予測する車両挙動予測方法において、
前記他車両の位置の周囲における、少なくとも車線を含む道路構造を取得し、
前記道路構造における交通規則を取得し、
前記他車両の姿勢を取得することが難しい場合は、前記交通規則に基づいて前記他車両が走行する経路を予測することを特徴とする車両挙動予測方法。
【請求項3】
前記交通規則には、信号機、横断歩道、標識に関する規則のうち少なくとも一つが含まれることを特徴とする請求項1または2に記載の車両挙動予測方法。
【請求項4】
前記複数の候補経路上における前記他車両以外の車両の位置を検出し、
前記他車両以外の車両の位置と前記交通規則とに基づいて前記複数の候補経路から前記他車両が走行する経路を予測することを特徴とする請求項1に記載の車両挙動予測方法。
【請求項5】
前記複数の候補経路の前方を検出できない場合、前記他車両が走行する経路の予測を中止することを特徴とする請求項1または4に記載の車両挙動予測方法。
【請求項6】
前記他車両の車速を検出し、
前記他車両の車速が所定値以下の場合に、前記他車両が走行する経路を予測することを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の車両挙動予測方法。
【請求項7】
前記他車両の走行軌跡を検出し、
前記走行軌跡及び前記交通規則に基づいて前記他車両が走行する経路を予測することを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の車両挙動予測方法。
【請求項8】
自車両の周囲における他車両の位置を検出するセンサと、
前記他車両の位置の周囲における、少なくとも車線を含む道路構造を取得するコントローラとを備え、
前記コントローラは、前記道路構造における交通規則を取得し、前記他車両が停止しているか否かを判定し、前記道路構造に基づいて前記他車両が走行する方向として複数の候補経路を抽出し、
前記他車両が停止している場合に、前記コントローラは、取得した前記交通規則に基づいて前記複数の候補経路から前記他車両が走行する経路を予測することを特徴とする車両挙動予測装置。
【国際調査報告】