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再表2018-138776対象物支持装置、車両制御システム、車両制御方法、車両制御プログラム、および車両のシートの支持構造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】再公表特許(A1)
(11)【国際公開番号】WO/0
(43)【国際公開日】2018年8月2日
【発行日】2019年11月7日
(54)【発明の名称】対象物支持装置、車両制御システム、車両制御方法、車両制御プログラム、および車両のシートの支持構造
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/39 20060101AFI20191011BHJP
   A47C 3/02 20060101ALI20191011BHJP
【FI】
   B60N2/39
   A47C3/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】31
【出願番号】特願2018-563968(P2018-563968)
(21)【国際出願番号】PCT/0/0
(22)【国際出願日】2017年1月24日
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DJ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KH,KN,KP,KR,KW,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100154852
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 太一
(74)【代理人】
【識別番号】100194087
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 伸一
(72)【発明者】
【氏名】金子 和之
【テーマコード(参考)】
3B087
3B091
【Fターム(参考)】
3B087CE10
3B091AA07
3B091AB03
3B091AC01
3B091AC03
3B091AD02
(57)【要約】
対象物支持装置において、車両の床に固定され、凹状の曲面部を有する底部と、前記底部の上側に三個以上配置され、対象物の底面に形成された凸状の曲面部に当接して前記対象物を支持する支持部材であって、表面が曲面で形成されている支持部材と、を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の床に固定され、凹状の曲面部を有する底部と、
前記底部の上側に三個以上配置され、対象物の底面に形成された凸状の曲面部に当接して前記対象物を支持する支持部材であって、表面が曲面で形成されている支持部材と、
を備える、対象物支持装置。
【請求項2】
前記底部上において、前記支持部材の移動範囲を制限する制限部を更に備え、
前記制限部により制限された前記支持部材の移動範囲に基づいて前記対象物の変位を制限する、
請求項1に記載の対象物支持装置。
【請求項3】
前記制限部は、前記底部の曲面から上方に突出して壁面を形成する仕切り部である、
請求項2記載の対象物支持装置。
【請求項4】
前記制限部は、前記底部の曲面に設けられた凹部である、
請求項2に記載の対象物支持装置。
【請求項5】
前記対象物は、前記車両の乗員が着座するシートであり、
前記シートに、前記車両の加減速または操舵の少なくとも一方の操作を受け付ける運転操作子を備える、
請求項1から4のうち、いずれか1項に記載の対象物支持装置。
【請求項6】
前記対象物は、前記車両の乗員が着座するシートであり、
前記底部と前記シートとを固定する固定部を更に備える、
請求項1から5のうち、いずれか1項に記載の対象物支持装置。
【請求項7】
前記固定部は、前記底部と前記シートまたは前記シートに連結された部材とに設けられた穴部のそれぞれに、固定部材を挿入することで、前記底部と前記シートとを固定する、
請求項6に記載の対象物支持装置。
【請求項8】
前記穴部には、前記固定部材の挿入口側が広くなるテーパー部が形成されている、
請求項7に記載の対象物支持装置。
【請求項9】
前記シートの位置を移動させる駆動部を制御するシート制御部を更に備え、
前記シート制御部は、前記底部と前記シートとを固定する場合に、前記シートを所定のポジションに移動させる、
請求項5から8のうち、いずれか1項に記載の対象物支持装置。
【請求項10】
前記底部に対する前記シートの移動量を抑制する抑制部材を備える、
請求項5から9のうち、いずれか1項に記載の対象物支持装置。
【請求項11】
請求項5から10のうち、いずれか1項に記載の対象物支持装置と、
前記車両の加減速または操舵の少なくとも一方を自動的に制御する自動運転制御部と、
前記自動運転制御部による自動運転と、前記車両の乗員による手動運転とを切り替える切替制御部と、
前記シートの位置を移動させる駆動部を制御するシート制御部と、
を備える車両制御システム。
【請求項12】
前記車両の走行状態を認識する走行状態認識部を更に備え、
前記シート制御部は、前記走行状態認識部が認識した走行状態に基づいて、前記シートを移動する、
請求項11に記載の車両制御システム。
【請求項13】
前記シート制御部は、前記自動運転制御部による前記自動運転から前記手動運転に切り替わる場合に、前記底部と前記シートとを固定し、前記手動運転から前記自動運転に切り替える場合に、前記底部と、前記シートとの固定を解除する、
請求項11または12に記載の車両制御システム。
【請求項14】
車載コンピュータが、
車両の加減速または操舵の少なくとも一方を自動的に制御し、
前記車両の自動運転と、前記車両の乗員による手動運転とを切り替え、
前記自動運転から前記手動運転への切り替え時に、前記車両の床に固定され、凹状の曲面部を有する底部と、前記底部の上側に三個以上配置され、前記車両の乗員が着座するシートの底面に形成された凸状の曲面部に当接して前記シートを支持する支持部材であって、表面が曲面で形成されている支持部材とを備える対象物支持装置によって、前記シートの位置を移動させる駆動部を制御する、
車両制御方法。
【請求項15】
車載コンピュータに、
車両の加減速または操舵の少なくとも一方を自動的に制御させ、
前記車両の自動運転と、前記車両の乗員による手動運転とを切り替えさせ、
前記自動運転から前記手動運転への切り替え時に、前記車両の床に固定され、凹状の曲面部を有する底部と、前記底部の上側に三個以上配置され、前記車両の乗員が着座するシートの底面に形成された凸状の曲面部に当接して前記シートを支持する支持部材であって、表面が曲面で形成されている支持部材とを備える対象物支持装置によって、前記シートの位置を移動させる駆動部を制御させる、
車両制御プログラム。
【請求項16】
車両に搭載されるシートの支持構造であって、
前記シートが、前記車両に作用する加速度に応じて慣性力の方向に変位可能であり、前記慣性力の低下に応じて元の位置に戻る車両のシートの支持構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象物支持装置、車両制御システム、車両制御方法、車両制御プログラム、および車両のシートの支持構造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両の走行状態に基づいて、乗員が着座するシートの位置を制御する技術についての研究が進められている。これに関連して、乗物の横回転位置、横回転速度、横回転加速度、横方向への加速度のいずれかを検出するセンサからの出力信号により駆動手段を作動させて、座席の座部を最適横回転位置に設定する技術が開示されている(例えば、特許文献1および2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−149171号公報
【特許文献2】特開2001−163098号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術の手法では、センサからの出力信号に基づいて駆動手段が座席の位置を移動するため、座席のスムーズなバランス調整ができない場合があった。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、車両内の対象物の姿勢を好適に調整することができる対象物支持装置、車両制御システム、車両制御方法、車両制御プログラム、および車両のシートの支持構造を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、車両の床に固定され、凹状の曲面部を有する底部(41)と、前記底部の上側に三個以上配置され、対象物の底面に形成された凸状の曲面部に当接して前記対象物を支持する支持部材(43)であって、表面が曲面で形成されている支持部材と、を備える、対象物支持装置(40)である。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の対象物支持装置であって、前記底部上において、前記支持部材の移動範囲を制限する制限部(44、48)を更に備え、前記制限部により制限された前記支持部材の移動範囲に基づいて前記対象物の変位を制限するものである。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の対象物支持装置であって、前記制限部は、前記底部の曲面から上方に突出して壁面を形成する仕切り部(44)である。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の対象物支持装置であって、前記制限部は、前記底部の曲面に設けられた凹部(48)である。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のうち、いずれか1項に記載の対象物支持装置であって、前記対象物は、前記車両の乗員が着座するシート(42)であり、前記シートに、前記車両の加減速または操舵の少なくとも一方の操作を受け付ける運転操作子(80)を備えるものである。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項1から5のうち、いずれか1項に記載の対象物支持装置であって、前記対象物は、前記車両の乗員が着座するシート(42)であり、前記底部と前記シートとを固定する固定部(47、49)を更に備えるものである。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の対象物支持装置であって、前記固定部は、前記底部と前記シートまたは前記シートに連結された部材とに設けられた穴部(49A、49B)のそれぞれに、固定部材(49C)を挿入することで、前記底部と前記シートとを固定するものである。
【0013】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の対象物支持装置であって、前記穴部には、前記固定部材の挿入口側が広くなるテーパー部(49E、49F)が形成されている。
【0014】
請求項9に記載の発明は、請求項5から8のうち、いずれか1項に記載の対象物支持装置であって、前記シートの位置を移動させる駆動部を制御するシート制御部(160)を更に備え、前記シート制御部は、前記底部と前記シートとを固定する場合に、前記シートを所定のポジションに移動させるものである。
【0015】
請求項10に記載の発明は、請求項5から9のうち、いずれか1項に記載の対象物支持装置であって、前記底部に対する前記シートの移動量を抑制する抑制部材を備えるものである。
【0016】
請求項11に記載の発明は、請求項5から10のうち、いずれか1項に記載の対象物支持装置と、前記車両の加減速または操舵の少なくとも一方を自動的に制御する自動運転制御部(120、140)と、前記自動運転制御部による自動運転と、前記車両の乗員による手動運転とを切り替える切替制御部(142)と、前記シートの位置を移動させる駆動部(45)を制御するシート制御部(160)と、を備える車両制御システムである。
【0017】
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の車両制御システムであって、前記車両の走行状態を認識する走行状態認識部(170)を更に備え、前記シート制御部は、前記走行状態認識部が認識した走行状態に基づいて、前記シートを移動するものである。
【0018】
請求項13に記載の発明は、請求項11または12に記載の車両制御システムであって、前記シート制御部は、前記自動運転制御部による前記自動運転から前記手動運転に切り替わる場合に、前記底部と前記シートとを固定し、前記手動運転から前記自動運転に切り替える場合に、前記底部と、前記シートとの固定を解除するものである。
【0019】
請求項14に記載の発明は、車載コンピュータが、車両の加減速または操舵の少なくとも一方を自動的に制御し、前記車両の自動運転と、前記車両の乗員による手動運転とを切り替え、前記自動運転から前記手動運転への切り替え時に、前記車両の床に固定され、凹状の曲面部を有する底部と、前記底部の上側に三個以上配置され、前記車両の乗員が着座するシートの底面に形成された凸状の曲面部に当接して前記シートを支持する支持部材であって、表面が曲面で形成されている支持部材とを備える対象物支持装置によって、前記シートの位置を移動させる駆動部を制御する、車両制御方法である。
【0020】
請求項15に記載の発明は、車載コンピュータに、車両の加減速または操舵の少なくとも一方を自動的に制御させ、前記車両の自動運転と、前記車両の乗員による手動運転とを切り替えさせ、前記自動運転から前記手動運転への切り替え時に、前記車両の床に固定され、凹状の曲面部を有する底部と、前記底部の上側に三個以上配置され、前記車両の乗員が着座するシートの底面に形成された凸状の曲面部に当接して前記シートを支持する支持部材であって、表面が曲面で形成されている支持部材とを備える対象物支持装置によって、前記シートの位置を移動させる駆動部を制御させる、車両制御プログラムである。
【0021】
請求項16に記載の発明は、車両に搭載されるシート(42)の支持構造(41、42D、43、44、48)であって、前記シートが、前記車両に作用する加速度に応じて慣性力の方向に変位可能であり、前記慣性力の低下に応じて元の位置に戻る車両のシートの支持構造である。
【発明の効果】
【0022】
請求項1、14、15、および16に記載の発明によれば、対象物支持装置は、車両内の対象物の姿勢を好適に調整することができる。
【0023】
請求項2から4に記載の発明によれば、対象物が大きな移動をすることなく、対象物の姿勢を一定範囲内に収めることができる。
【0024】
請求項5に記載の発明によれば、対象物支持装置は、シートに着座する乗員と、運転操作子との距離を一定に保つことができる。そのため、乗員は、シートが移動した場合でも、車両の運転操作を円滑に行うことができる。
【0025】
請求項6および7に記載の発明によれば、乗員は、好みに応じてシートの移動と固定とを切り替えることができる。また、乗員は、シートを固定することで、安定した状態で車両を運転することができる。
【0026】
請求項8に記載の発明によれば、対象物支持装置は、底部と、シートまたはシートに連結された部材とに設けられた二以上の穴部のそれぞれがずれている場合であっても、固定部材がテーパー部と摺動しながら、穴部に向けてスライドしていくため、シートを固定することができる。
【0027】
請求項9に記載の発明によれば、対象物支持装置は、シートを適切な位置に固定することができる。
【0028】
請求項10に記載の発明によれば、対象物支持装置は、移動したシートを抑制部材によって元の位置に戻すため、移動量を抑制することができ、また早期に元の位置に戻ることができる。
【0029】
請求項11および13に記載の発明によれば、車両制御システムは、車両内のシートの姿勢を自動運転時と手動運転時とで好適に調整することができる。
【0030】
請求項12に記載の発明によれば、車両制御システムは、車両の走行状態に基づいて、車両内のシートの姿勢を、より好適に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】実施形態の車両システム1の構成図である。
図2】自車位置認識部122により走行車線L1に対する車両Mの相対位置および姿勢が認識される様子を示す図である。
図3】推奨車線に基づいて目標軌道が生成される様子を示す図である。
図4】シート装置40の構成の一例を示す図である。
図5】底部41Aの曲面に形成される凹部の一例を示す図である。
図6】シート42の回転移動を可能にするシート装置40−1の一例を示す図である。
図7】回転移動と拡大範囲のシート42の移動とを可能にするシート装置40−2の一例を示す図である。
図8】シート装置40の作用および効果について説明するための図である。
図9】シート42に対する慣性力が生じた場合のシート42の姿勢について説明するための図である。
図10】シート42を底部41に固定するための構成の一例を示す図である。
図11】底部41とシート42とを固定した状態の一例を示す図である。
図12】底部41に設けられたテーパー部の一例を示す図である。
図13】底部側穴部49Bの一部にテーパー部が形成された例を示す図である。
図14】底部41とシート42とをゴム部材で連結した様子を説明するための図である。
図15】底部41とシート42とをバネ部材で連結した様子を説明するための図である。
図16】底部41およびシート42のそれぞれに磁石を設定した様子を説明するための図である。
図17】テーブルを備えたシート42−1の一例を示す図である。
図18】運転操作子80を備えたシート42−2の一例を示す図である。
図19】操作レバーを備えたシート42−3の一例を示す図である。
図20】車両M内のキャビン300を底部41上に配置した例を示す図である。
図21】実施形態の車両制御処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図面を参照し、本発明の対象物支持装置、車両制御システム、車両制御方法、車両制御プログラム、および車両のシートの支持構造の実施形態について説明する。
【0033】
[全体構成]
図1は、実施形態の車両システム1の構成図である。車両システム1が搭載される車両(以下、車両Mと称する)は、例えば、二輪や三輪、四輪等の車両であり、その駆動源は、ディーゼルエンジンやガソリンエンジン等の内燃機関、電動機、或いはこれらの組み合わせである。電動機は、内燃機関に連結された発電機による発電電力、或いは二次電池や燃料電池の放電電力を使用して動作する。
【0034】
車両システム1は、例えば、カメラ10と、レーダ装置12と、ファインダ14と、物体認識装置16と、通信装置20と、HMI(Human Machine Interface)30と、シート装置40と、ナビゲーション装置50と、MPU(Micro-Processing Unit)60と、車両センサ70と、運転操作子80と、車室内カメラ90と、自動運転制御ユニット100と、走行駆動力出力装置200と、ブレーキ装置210と、ステアリング装置220とを備える。これらの装置や機器は、CAN(Controller Area Network)通信線等の多重通信線やシリアル通信線、無線通信網等によって互いに接続される。なお、図1に示す構成はあくまで一例であり、構成の一部が省略されてもよいし、更に別の構成が追加されてもよい。
【0035】
第1実施形態において「車両制御システム」は、例えば、シート装置40と、自動運転制御ユニット100とを含む。また、シート装置40は、「対象物支持装置」の一例である。また、自動運転制御ユニット100内の第1制御部120と、第2制御部140とは、「自動運転制御部」の一例である。自動運転制御部は、車両Mの加減速または操舵の少なくとも一方を自動的に制御する。
【0036】
カメラ10は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の固体撮像素子を利用したデジタルカメラである。カメラ10は、車両システム1が搭載される車両Mの任意の箇所に一つまたは複数が取り付けられる。前方を撮像する場合、カメラ10は、フロントウインドシールド上部やルームミラー裏面等に取り付けられる。後方を撮像する場合、カメラ10は、リアウインドシールド上部やバックドア等に取り付けられる。側方を撮像する場合、カメラ10は、ドアミラー等に取り付けられる。カメラ10は、例えば、周期的に繰り返し車両Mの周辺を撮像する。カメラ10は、ステレオカメラであってもよい。
【0037】
レーダ装置12は、車両Mの周辺にミリ波等の電波を放射するとともに、物体によって反射された電波(反射波)を検出して少なくとも物体の位置(距離および方位)を検出する。レーダ装置12は、車両Mの任意の箇所に一つまたは複数が取り付けられる。レーダ装置12は、FMCW(Frequency Modulated Continuous Wave)方式によって物体の位置および速度を検出してもよい。
【0038】
ファインダ14は、照射光に対する散乱光を測定し、対象までの距離を検出するLIDAR(Light Detection and Ranging、或いはLaser Imaging Detection and Ranging)である。ファインダ14は、車両Mの任意の箇所に一つまたは複数が取り付けられる。
【0039】
物体認識装置16は、カメラ10、レーダ装置12、およびファインダ14のうち一部または全部による検出結果に対してセンサフュージョン処理を行って、物体の位置、種類、速度等を認識する。物体認識装置16は、認識結果を自動運転制御ユニット100に出力する。
【0040】
通信装置20は、例えば、セルラー網やWi−Fi網、Bluetooth(登録商標)、DSRC(Dedicated Short Range Communication)等を利用して、車両Mの周辺に存在する他車両と通信し、或いは無線基地局を介して各種サーバ装置と通信する。また、通信装置20は、車外の人物が所持する端末装置と通信する。
【0041】
HMI30は、車内の乗員に対して各種情報を提示するとともに、乗員による入力操作を受け付ける。HMI30は、例えば、各種表示装置、スピーカ、ブザー、タッチパネル、スイッチ、キー等である。
【0042】
シート装置40は、車両Mの乗員が着座するシート(座席)であり、電気的に駆動可能なシートである。シート装置40には、運転操作子80を用いて車両Mを手動で運転するために着座する運転席、運転席を横にある助手席、運転席や助手席の後部にある後部座席等が含まれる。以下の説明において「シート装置40」は、運転席、助手席、または後部座席のうち、少なくとも1つである。シート装置40の具体的な構成については、後述する。
【0043】
ナビゲーション装置50は、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機51と、ナビHMI52と、経路決定部53とを備え、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等の記憶装置に第1地図情報54を保持している。GNSS受信機は、GNSS衛星から受信した信号に基づいて、車両Mの位置を特定する。車両Mの位置は、車両センサ70の出力を利用したINS(Inertial Navigation System)によって特定または補完されてもよい。ナビHMI52は、表示装置、スピーカ、タッチパネル、キー等を含む。ナビHMI52は、前述したHMI30と一部または全部が共通化されてもよい。経路決定部53は、例えば、GNSS受信機51により特定された車両Mの位置(或いは入力された任意の位置)から、ナビHMI52を用いて乗員により入力された目的地までの経路(例えば、目的地まで走行するときの経由地に関する情報を含む)を、第1地図情報54を参照して決定する。第1地図情報54は、例えば、道路を示すリンクと、リンクによって接続されたノードとによって道路形状が表現された情報である。第1地図情報54は、道路の曲率やPOI(Point Of Interest)情報等を含んでもよい。経路決定部53により決定された経路は、MPU60に出力される。また、ナビゲーション装置50は、経路決定部53により決定された経路に基づいて、ナビHMI52を用いた経路案内を行ってもよい。なお、ナビゲーション装置50は、例えば、ユーザの保有するスマートフォンやタブレット端末等の端末装置の機能によって実現されてもよい。また、ナビゲーション装置50は、通信装置20を介してナビゲーションサーバに現在位置と目的地を送信し、ナビゲーションサーバから返信された経路を取得してもよい。
【0044】
MPU60は、例えば、推奨車線決定部61として機能し、HDDやフラッシュメモリ等の記憶装置に第2地図情報62を保持している。推奨車線決定部61は、ナビゲーション装置50から提供された経路を複数のブロックに分割し(例えば、車両進行方向に関して100[m]毎に分割し)、第2地図情報62を参照してブロックごとに推奨車線を決定する。推奨車線決定部61は、左から何番目の車線を走行するといった決定を行う。推奨車線決定部61は、経路において分岐箇所や合流箇所等が存在する場合、車両Mが、分岐先に進行するための合理的な走行経路を走行できるように、推奨車線を決定する。
【0045】
第2地図情報62は、第1地図情報54よりも高精度な地図情報である。第2地図情報62は、例えば、車線の中央の情報あるいは車線の境界の情報等を含んでいる。また、第2地図情報62には、道路情報、交通規制情報、住所情報(住所・郵便番号)、施設情報、電話番号情報等が含まれてよい。道路情報には、高速道路、有料道路、国道、都道府県道といった道路の種別を表す情報や、道路の車線数、非常駐車帯の領域、各車線の幅員、道路の勾配、道路の位置(経度、緯度、高さを含む3次元座標)、車線のカーブの曲率、車線の合流および分岐ポイントの位置、道路に設けられた標識等の情報が含まれる。第2地図情報62は、通信装置20を用いて他装置にアクセスすることにより、随時、アップデートされてよい。
【0046】
車両センサ70は、車両Mの速度を検出する車速センサ、加速度を検出する加速度センサ、鉛直軸回りの角速度を検出するヨーレートセンサ、車両Mの向きを検出する方位センサ等を含む。また、加速度センサは、より詳細に、車両Mの縦加速度や横加速度の向きおよび大きさを検出してもよい。
【0047】
運転操作子80は、例えば、アクセルペダル、ブレーキペダル、シフトレバー、ステアリングホイールその他の操作子を含む。運転操作子80には、操作量あるいは操作の有無を検出するセンサが取り付けられており、その検出結果は、自動運転制御ユニット100、もしくは、走行駆動力出力装置200、ブレーキ装置210、およびステアリング装置220のうち一方または双方に出力される。
【0048】
車室内カメラ90は、例えば、シート装置40に着座した乗員の顔を中心として上半身を撮像する。車室内カメラ90は、例えば、周期的に繰り返し乗員を撮像する。車室内カメラ90の撮像画像は、自動運転制御ユニット100に出力される。
【0049】
[自動運転制御ユニット]
自動運転制御ユニット100は、例えば、第1制御部120と、第2制御部140と、インターフェース制御部150と、シート制御部160と、走行状態認識部170とを備える。第1制御部120と、第2制御部140と、インターフェース制御部150と、シート制御部160と、走行状態認識部170とは、それぞれ、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することで実現される。また、以下に説明する第1制御部120、第2制御部140、インターフェース制御部150、シート制御部160、および走行状態認識部170の各機能部のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等のハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。
【0050】
第1制御部120は、例えば、外界認識部121と、自車位置認識部122と、行動計画生成部123とを備える。
【0051】
外界認識部121は、カメラ10、レーダ装置12、およびファインダ14から物体認識装置16を介して入力される情報に基づいて、周辺車両の位置および速度、加速度等の状態を認識する。周辺車両の位置は、その周辺車両の重心やコーナー等の代表点で表されてもよいし、周辺車両の輪郭で表現された領域で表されてもよい。周辺車両の「状態」とは、周辺車両の加速度やジャーク、あるいは「行動状態」(例えば車線変更をしている、またはしようとしているか否か)を含んでもよい。
【0052】
また、外界認識部121は、周辺車両に加えて、ガードレールや電柱、駐車車両、歩行者等の人物、その他の物体の位置を認識してもよい。
【0053】
自車位置認識部122は、例えば、車両Mが走行している車線(走行車線)、並びに走行車線に対する車両Mの相対位置および姿勢を認識する。自車位置認識部122は、例えば、第2地図情報62から得られる道路区画線のパターン(例えば実線と破線の配列)と、カメラ10によって撮像された画像から認識される車両Mの周辺の道路区画線のパターンとを比較することで、走行車線を認識する。この認識において、ナビゲーション装置50から取得される車両Mの位置やINSによる処理結果が加味されてもよい。
【0054】
そして、自車位置認識部122は、例えば、走行車線に対する車両Mの位置や姿勢を認識する。図2は、自車位置認識部122により走行車線L1に対する車両Mの相対位置および姿勢が認識される様子を示す図である。自車位置認識部122は、例えば、車両Mの基準点(例えば重心)の走行車線中央CLからの乖離OS、および車両Mの進行方向の走行車線中央CLを連ねた線に対してなす角度θを、走行車線L1に対する車両Mの相対位置および姿勢として認識する。なお、これに代えて、自車位置認識部122は、走行車線L1のいずれかの側端部に対する車両Mの基準点の位置等を、走行車線に対する車両Mの相対位置として認識してもよい。自車位置認識部122により認識される車両Mの相対位置は、推奨車線決定部61および行動計画生成部123に提供される。
【0055】
行動計画生成部123は、車両Mが目的地等に対して自動運転を行うための行動計画を生成する。例えば、行動計画生成部123は、推奨車線決定部61により決定された推奨車線を走行するように、且つ、車両Mの周辺状況に対応できるように、自動運転制御において順次実行されるイベントを決定する。実施形態の自動運転におけるイベントには、例えば、一定速度で同じ走行車線を走行する定速走行イベント、車両Mの走行車線を変更する車線変更イベント、前走車両を追い越す追い越しイベント、前走車両に追従して走行する追従走行イベント、合流地点で車両を合流させる合流イベント、道路の分岐地点で車両Mを目的の方向に走行させる分岐イベント、車両Mを緊急停車させる緊急停車イベント、自動運転を終了して手動運転に切り替えるためのハンドオーバイベント等がある。また、これらのイベントの実行中に、車両Mの周辺状況(周辺車両や歩行者の存在、道路工事による車線狭窄等)に基づいて、回避のための行動が計画される場合もある。
【0056】
行動計画生成部123は、車両Mが将来走行する目標軌道を生成する。目標軌道は、例えば、速度要素を含んでいる。例えば、目標軌道は、所定のサンプリング時間(例えば0コンマ数[sec]程度)ごとに将来の基準時刻を複数設定し、それらの基準時刻に到達すべき目標地点(軌道点)の集合として生成される。このため、軌道点の間隔が広い場合、その軌道点の間の区間を高速に走行することを示している。
【0057】
図3は、推奨車線に基づいて目標軌道が生成される様子を示す図である。図示するように、推奨車線は、目的地までの経路に沿って走行するのに都合が良いように設定される。行動計画生成部123は、推奨車線の切り替わり地点の所定距離手前(イベントの種類に応じて決定されてよい)に差し掛かると、車線変更イベント、分岐イベント、合流イベント等を起動する。各イベントの実行中に、障害物を回避する必要が生じた場合には、図示するように回避軌道が生成される。
【0058】
行動計画生成部123は、例えば、複数の目標軌道の候補を生成し、安全性と効率性の観点に基づいて、その時点で目的地までの経路に適合する最適な目標軌道を選択する。
【0059】
第2制御部140は、例えば、走行制御部141と、切替制御部142とを備える。走行制御部141は、行動計画生成部123によって生成された目標軌道を、予定の時刻通りに車両Mが通過するように、走行駆動力出力装置200、ブレーキ装置210、およびステアリング装置220を制御する。
【0060】
切替制御部142は、例えばHMI30の各種操作スイッチ等に設けられた自動運転切替スイッチから入力される信号に基づいて自動運転および手動運転の各運転モードを相互に切り替える。また、切替制御部142は、例えば、アクセルペダルやブレーキペダル、ステアリングホイール等の運転操作子80に対する加速、減速または操舵を指示する操作に基づいて、自車両Mの運転モードを自動運転から手動運転へ切り替える。また、切替制御部142は、行動計画生成部123により生成される行動計画に基づいて、自動運転と手動運転とを相互に切り替える。なお、手動運転時には、運転操作子80からの入力情報が走行駆動力出力装置200、ブレーキ装置210、およびステアリング装置220に出力される。また、運転操作子80からの入力情報は、自動運転制御ユニット100を介して走行駆動力出力装置200、ブレーキ装置210、およびステアリング装置220に出力されてもよい。走行駆動力出力装置200、ブレーキ装置210、およびステアリング装置220の各ECU(Electronic Control Unit)は、運転操作子80等からの入力情報に基づいて、各装置に対する手動運転の制御を行う。
【0061】
インターフェース制御部150は、車両Mの自動運転時または手動運転時の走行状態、自動運転と手動運転とが相互に切り替わるタイミング、乗員に手動運転を行わせるための要求等に関する通知等を、HMI30に出力させる。また、インターフェース制御部150は、シート制御部160による制御内容に関する情報を、HMI30に出力させてもよい。また、インターフェース制御部150は、HMI30により受け付けた情報を第1制御部120やシート制御部160に出力してもよい。
【0062】
シート制御部160は、切替制御部142による自動運転と手動運転との切り替え時、またはインターフェース制御部150による乗員からの指示に基づいて、シート装置40の姿勢等を制御する。例えば、シート制御部160は、後述するシート位置検出部46からの位置情報に基づいて、シート装置40が所定の位置に位置付けられるように、シート駆動装置45を用いてシート装置40を駆動する。また、シート制御部160は、自動運転と手動運転との切り替え時、または乗員からの指示を受け付けた場合に、シート装置40の固定または固定の解除を行う。
【0063】
また、シート制御部160は、走行状態認識部170が認識した車両Mの走行状態から得られる車両Mに対する縦加速度または横加速度の向きや大きさに対応した慣性力に基づいて、シート装置40を駆動してもよい。シート制御の詳細については後述する。
【0064】
走行状態認識部170は、車両Mの走行状態を認識する。例えば、走行状態認識部170は、現在走行中の車両Mにおいて、車両センサ70により車両Mに作用する縦加速度や横加速度の向きおよび大きさを取得する。また、走行状態認識部170は、行動計画生成部123が生成した目標軌道または、第2地図情報62からこれから走行する坂道、カーブ路等において、車両Mが将来受ける縦加速度や横加速度の向きおよび大きさを予測してもよい。
【0065】
走行駆動力出力装置200は、車両が走行するための走行駆動力(トルク)を駆動輪に出力する。走行駆動力出力装置200は、例えば、内燃機関、電動機、および変速機等の組み合わせと、これらを制御するECUとを備える。ECUは、走行制御部141から入力される情報、或いは運転操作子80から入力される情報に従って、上記の構成を制御する。
【0066】
ブレーキ装置210は、例えば、ブレーキキャリパーと、ブレーキキャリパーに油圧を伝達するシリンダと、シリンダに油圧を発生させる電動モータと、ブレーキECUとを備える。ブレーキECUは、走行制御部141から入力される情報、或いは運転操作子80から入力される情報に従って電動モータを制御し、制動操作に応じたブレーキトルクが各車輪に出力されるようにする。ブレーキ装置210は、運転操作子80に含まれるブレーキペダルの操作によって発生させた油圧を、マスターシリンダを介してシリンダに伝達する機構をバックアップとして備えてよい。なお、ブレーキ装置210は、上記説明した構成に限らず、走行制御部141から入力される情報、或いは運転操作子80から入力される情報に従ってアクチュエータを制御して、マスターシリンダの油圧をシリンダに伝達する電子制御式油圧ブレーキ装置であってもよい。また、ブレーキ装置210は、安全面を考慮して複数系統のブレーキ装置を備えていてもよい。
【0067】
ステアリング装置220は、例えば、ステアリングECUと、電動モータとを備える。電動モータは、例えば、ラックアンドピニオン機構に力を作用させて転舵輪の向きを変更する。ステアリングECUは、走行制御部141から入力される情報、或いは運転操作子80から入力される情報に従って、電動モータを駆動し、転舵輪の向きを変更させる。
【0068】
[実施形態のシート制御]
以下、実施形態のシート装置40の構成およびシート制御部160によるシート装置40の駆動制御について説明する。実施形態の車両Mは、車両M内の対象物の姿勢を好適に調整するためのシート装置40を備える。また、車両Mは、自動運転または手動運転のそれぞれの運転モードに基づいて、シート制御部160によりシート装置40を駆動する。実施形態のシート装置40は、シート制御部160による制御を行わない状態においても、車両Mの走行状態や乗員の操作による移動が可能である。
【0069】
[シート装置40の構成]
図4は、シート装置40の構成の一例を示す図である。シート装置40は、例えば、底部41と、シート(シート本体)42と、球状部材43と、仕切り部44と、シート駆動装置45と、シート位置検出部46と、シート固定制御部47とを備える。なお、図4では、説明の便宜上、底部41と、シート42とを離した状態を示している。シート42は、「対象物」の一例である。また、球状部材43は、表面が曲面で形成されている「支持部材」の一例である。また、仕切り部44と、凹部48(後述)とは、「制限部」の一例である。また、シート駆動装置45は、「駆動部」の一例である。
【0070】
底部41は、車両Mの床に固定される。また、底部41の上側(図4に示すZ方向)の面)には、凹状の曲面部が形成される。凹状の曲面は、例えば球面である。凹状の曲面部は、例えば車両Mの前後または左右には、よく動くように楕円を基本とした曲面部を形成してもよい。
【0071】
シート42は、例えば、着座部42Aと、背もたれ部(シートバック)42Bと、ヘッドレスト42Cと、ベース部42Dとを備える。着座部42Aは、乗員が着座する部分である。背もたれ部42Bは、着座部42Aに着座した乗員の背中を支持する。ヘッドレスト42Cは、着座部42Aに着座した乗員の頭部を支持する。
【0072】
ベース部42Dは、例えば、着座部42Aと一体に形成される。また、ベース部42Dは、着座部42Aに着脱可能な連結された部材であってもよい。ベース部42Dの下側(図4に示す−Z方向)の面には凸状の曲面部が形成される。凸状の曲面は、例えば球面である。凸状の曲面部は、楕円を基本とした曲面部を形成してもよい。
【0073】
球状部材43は、ゴム等の弾性体でもよく、樹脂や金属等でもよい。球状部材43は、底部の上面に三個以上配置され、対象物の底面に形成された凸状の曲面部に当接してシート42を支持する。図4の例では、四個の球状部材43−1〜43−4を示している。なお、以下の説明において、球状部材43−1〜43−4は、それぞれ同様の構成とし、いずれの球状部材であるかを区別しないときは、いずれの球状部材であるかを示すハイフン以降の符号を省略し、「球状部材43」と称して説明する。また、ハイフンで示された他の構成についても同様とする。
【0074】
球状部材43は、底部41に所定の間隔を空けて配置される。図4の例では、矩形上の底部41の四隅に配置されているが、これに限定されるものではない。また、球状部材43の直径は、仕切り部44の高さよりも大きい。そのため、ベース部42Dの凸状の曲面は、仕切り部44に接することなく、球状部材43に支持される。
【0075】
なお、底部41の凹状の曲面部と、球状部材43と、ベース部42Dの凸状の曲面とは、それぞれの当接部分により摺動することがない(或いは抑制される)ように、所定の摩擦力が生じるような素材が選択され、或いは表面加工等がされている。なお、実施形態では、上述の摺動を許容することを前提とし、シート42と底部41との相対変位を所定範囲内に制限する部材が設けられてもよい。
【0076】
仕切り部44は、球状部材43の移動範囲を制限するものである。図4の例では、底部41の四隅に仕切り部44−1〜44−4が形成されている。仕切り部44は、底部41から上方に突出して側壁(壁面)を形成する。仕切り部44は、円筒状に形成されていてもよい。球状部材43−1〜43−4は、それぞれの仕切り部44−1〜44−4に対して1個ずつ設置される。球状部材43の移動範囲は、仕切り部44の側壁で囲まれた領域内に制限される。したがって、球状部材43に支持されるシート42のベース部42Dの可動範囲も、球状部材43の移動範囲に付随して制限される。これにより、シート42が大きな移動をすることなく、シート42の姿勢を一定範囲内に収めることができる。
【0077】
図4の例では、球状部材43の移動範囲を制限する仕切り部44が底部41の曲面上に凸状に形成されているが、球状部材43の移動範囲を制限するための凹部が設けられ、凹部内に球状部材43を配置してもよい。図5は、底部41Aの曲面に形成される凹部の一例を示す図である。図5の例では、底部41Aの曲面上の四隅に、凹部48−1〜48−4が形成されている。また、球状部材43の直径は、凹部48の高さよりも大きい。そのため、ベース部42Dの凸状の曲面は、底部41Aの曲面に接することなく、球状部材43に支持される。なお、凹部48は、全体が曲面で形成されていてもよい。
【0078】
球状部材43−1〜43−4は、それぞれの凹部48−1〜48−4に対して1個ずつ設置される。球状部材43は、それぞれの凹部48の側壁により、移動範囲が制限される。このように、凹部を形成し、その中に球状部材43を移動させることで、仕切り部44と同様に、球状部材43の移動範囲を制限することができる。また、図5に示す凹部48が形成された底部41は、上方に突出する仕切り部44を設けた場合よりも、剛性を向上させることができる。
【0079】
また、実施形態におけるシート装置40は、例えば自動運転中に車両Mの進行方向を向いていなくてもよい場合がある。したがって、シート42を回転可能な構成を備えていてもよい。図6は、シート42の回転移動を可能にするシート装置40−1の一例を示す図である。底部41Bは、図示するように円筒状に設けられる。
【0080】
底部41Bの上部には、凹状の曲面部が形成されている。また、凹部の曲面には、リング状の凹部48−5が形成されている。球状部材43−1〜43−4は、所定の間隔を空けて凹部48−5内に配置される。シート42は、球状部材43と、シート42のベース部42Dとが当接することで支持される。球状部材43の直径は、凹部48−5の高さよりも大きい。そのため、ベース部42Dの凸状の曲面部は、底部41Bの曲面部に接することなく、球状部材43に支持される。
【0081】
シート装置40−1は、球状部材43をリング状の凹部48−5に移動させることで、シート42を、Z軸を中心に360度回転させることができる。回転方向は、図6に示す矢印A方向でもよく、A方向とは逆方向でもよい。これにより、車両Mの乗員は、例えば、自動運転時等の運転操作子80を操作する必要がない場合に、シート42を好きな方向に回転移動させることができる。
【0082】
なお、図6に示す底部41Bにおいて、例えば、車両Mに作用する縦加速度または横加速度により、シート42の前後または左右方向に慣性力が作用する場合には、リング状の凹部48−5の側壁と球状部材43との間に所定の隙間を設けておくことで、前後左右へのシート42の移動も可能となる。
【0083】
また、実施形態では、球状部材43がリング状の凹部48−5の所定の基本位置にある場合に、拡大した範囲内でシート42の移動を可能にしてもよい。図7は、回転移動と拡大範囲のシート42の移動とを可能にするシート装置40−2の一例を示す図である。図7の例に示すシート装置40−2は、図6に示すシート装置40−1と比して、底部41Cのリング状の凹部48−5に、拡大領域48−6が形成されている。
【0084】
例えば、各拡大領域48−6のそれぞれに球状部材43が配置された状態である場合に、シート42は、基本位置にあるとする。図7の例では、シート42の基本位置とは、例えば、車両Mの正面をX方方向として、シート42の正面が±X方向または±Y方向のいずれかを向いている位置である。シート42が基本位置に位置付けられている場合に、移動範囲を拡大させることで、車両内のシートの姿勢を好適に調整することができる。
【0085】
シート駆動装置45は、シート制御部160の指示に基づいて、モータ等を駆動させてシート42のリクライニング角度、前後左右方向の位置、シート42の姿勢等を変更する。
【0086】
また、シート駆動装置45は、シート42の底部41に対する相対位置を駆動する。この場合、シート駆動装置45は、例えばマグネット作動により、球状部材43を所定の位置に移動させることで、シート42を移動させてもよい。マグネット作動とは、例えばシート42または底部41の一方に永久磁石、他方に電磁石を埋め込み、電磁石が作動することで引き合う現象である。
【0087】
また、シート駆動装置45は、底部41の側面に設けられた棒状の押圧部材により球状部材43を所定の方向に押すことでシート42の位置を調整してもよい。また、シート駆動装置45は、球状部材43に連結されたワイヤーで球状部材43を所定の方向に引っ張ることで、シート42の位置を調整してもよい。また、シート駆動装置45は、球状部材43が強磁性体で形成されている場合に、誘導モータの原理で球状部材43を回転駆動させてもよい。また、シート駆動装置45は、球状部材43に溝が形成されている場合、モータに連結されたギヤと嵌合させて球状部材43を所定方向に回転駆動させることで、シート42の位置を調整してもよい。シート駆動装置45は、上述した手法のうち、複数の手法を組み合わせて、シート42の位置を調整してもよい。
【0088】
シート位置検出部46は、シート42のリクライニング角度、前後左右方向の基本位置からの変位、ヨー角等を検出する。シート位置検出部46は、検出した結果を、シート制御部160に出力する。
【0089】
シート固定制御部47は、シート制御部160の指示に基づいて、シート固定部49(後述)を用いて、底部41と、シート42とを固定する。シート固定部49は、「固定部」の一例である。シート固定制御部47による制御の具体例については、後述する。
【0090】
次に、上述したシート装置40の構成による作用および効果の一例について説明する。図8は、シート装置40の作用および効果について説明するための図である。図8の例では、車両Mを正面方向(−X方向)から見たときの断面図の一部を示している。図8の例では、車両Mが進行方向(X方向)に対して右側が下に傾いている斜面を走行する状態を示している。この場合、底部41は、車両Mの床に固定されているため、斜面と同一方向に傾く(ここではサスペンションの寄与については考慮しない)。一方、シート42は、球状部材43により支持されているため、球状部材43の回転により、シート42の中心軸が重心方向(図8に示すに示す−Z方向)を向くようにシート42の姿勢を調整する。そのため、シート42に着座した乗員は、身体の水平方向に対する傾きが抑制され、車両Mの傾きによる不快感が軽減される。このように、シート装置40は、車両M内のシート42の姿勢を好適に調整することができる。
【0091】
図9は、シート42に対する慣性力が生じた場合のシート42の姿勢について説明するための図である。図9は、図8と同様に、車両Mを正面方向(−X方向)から見たときの断面図の一部を示している。例えば、車両Mが進行方向(X方向)に対して左側のカーブ路を走行した場合、車両Mの進行方向に対して左側(図9に示す右側)に横加速度が作用する。これに伴い、シート42には車両Mの進行方向に対して右側(図9に示す左側)に慣性力が作用する。この場合、シート42は、球状部材43によりシート42が−Y方向に移動するが、ベース部42Dが凸状の曲面形状であるため、曲面に対応する球体の中心を基準として角度θだけ傾く。これにより、車両Mの乗員に対する慣性力により乗員が横に振られることを抑制し、姿勢を安定させることができる。
【0092】
つまり、実施形態の構成において、シート装置40は、車両Mに作用する加速度に応じて慣性力の方向に変位可能であり、慣性力の低下に応じて元の位置に戻る支持構造を備える。図9の例では、慣性力がシート42を横方向に動かそうとするが、この力は、ベース部42Dの凸状の曲面を形成する球体の中心Oを基準に回転させる方向に作用する。図中、θは回転角度を示している。この結果、乗員には、横方向の加速度が唐突に作用することが抑制される。したがって、乗員は、不快感を軽減することができる。更に、実施形態の構成によれば、ベース部42Dの凸状の曲面部による回転方向に移動するため、シート駆動装置45によるシートの制御がなくても、シート42を自動的に元に戻すことができる。
【0093】
なお、走行状態認識部170によって車両Mが現在受けている横加速度や、将来受ける横加速度が予測できている場合、シート制御部160は、シート駆動装置45を用いて、シート42を、図9に示す位置に移動してもよい。これにより、乗員には、横方向の加速度が唐突に作用することが抑制される。したがって、乗員の姿勢を安定させることができる。
【0094】
また、図9の例では、横加速度についての作用および効果の一例について説明したが、縦加速度についても同様の作用および効果を備える。実施形態では、球状部材43によって支持されるベース部42Dが、凸状の曲面部を備えているため、車両Mに縦加速度および横加速度の両方が作用する場合や、車両Mに作用する縦加速度および横加速度の比率が変動する場合において、シート42の移動を違和感なく円滑に行うことができる。
【0095】
また、球状部材43によるシート42の移動量は、球状部材43の移動範囲に依存するため、上述した仕切り部44や凹部48を形成することで、シート42の移動量を制限することができる。これにより、乗員は、より安全な姿勢を維持することができる。
【0096】
[シート42の固定]
次に、シート固定制御部47によりシート42を底部41に固定することについて説明する。図10は、シート42を底部41に固定するための構成の一例を示す図である。図10では、シート装置40の固定部分の構成を説明するために必要な構成を簡略的に示している。後述する図11図13についても同様である。
【0097】
例えば、手動運転時に車両Mのシートを可動させた場合、シートに着座する乗員と、運転操作子80との距離や角度が変わるため、運転が困難となる場合がある。したがって、実施形態では、手動運転時には、シート固定制御部47により、シート42を底部41に固定する。なお、実施形態では、例えばHMI30からの乗員の指示を受け付けることで、乗員の好みでシート42の固定維持が選択できてもよい。
【0098】
シート装置40は、例えば1または複数の固定部49を備える。図10の例では、二つのシート固定部49−1および49−2を備えている。シート固定部49−1および49−2は、所定の間隔を設けて設置される。
【0099】
シート固定部49は、シート側穴部49Aと、底部側穴部49Bと、シート側穴部49Aと底部側穴部49Bとの内部を可動する固定部材49Cと、固定部材49Cを可動させるモータ49Dとを備える。固定部材49Cは、例えば金属である。固定部材49Cは、例えば棒状部材である。また、固定部材49Cは、板状部材でもよく、爪状部材でもよい。モータ49Dは、固定部材49Cを上下動させる。
【0100】
図11は、底部41とシート42とを固定した状態の一例を示す図である。シート固定制御部47は、底部41とシート42とを固定する場合に、モータ49Dを駆動させ、固定部材49Cを下に移動させて、底部側穴部49Bに固定部材49Cを挿入する。これにより、図11に示すように、シート42は、底部41上の球状部材43に支持された状態で、固定部材49Cにより底部41と固定される。これにより、シート42は、車両M内で固定される。したがって、乗員は、運転操作子80を操作して、車両Mの手動運転等を行うことができる。
【0101】
また、手動運転時には、シート固定制御部47は、モータ49Dを駆動させ、固定部材49Cを上に移動させて、シート側穴部49A内に固定部材49Cを収納する。これにより、シート42の固定は、解除される。なお、シート固定部49は、上述した構成に限定されるものではなく、例えば電磁石等を用いて固定してもよい。
【0102】
また、シート制御部160は、底部41とシート42とを固定する場合に、シート駆動装置45にシート42を所定のポジションに移動させた後、シート固定制御部47に底部41とシート42とを固定させてもよい。これにより、シート42を適切な位置で固定することができる。
【0103】
また、実施形態では、シート側穴部49Aと、底部側穴部49Bとの位置がずれている状態で固定部材49Cの駆動した場合に、底部側穴部49Bに固定部材49Cが挿入されるように、底部側穴部49Bの上部にテーパー部が形成されてもよい。
【0104】
図12は、底部41に設けられたテーパー部の一例を示す図である。図12の例では、底部側穴部49Bの上部に、固定部材49Cの挿入口側が徐々に広くなるように突出したテーパー部49Eが設けられている。挿入口の大きさは、例えば、シート42の移動範囲に対応する大きさであることが好ましい。これにより、シート42が傾いていた場合であっても、固定部材49Cをテーパー部49E内に挿入することで、テーパー部49Eの側面により、固定部材49Cが摺動しながら、底部側穴部49Bに向けてスライドしていくため、シート42を固定することができる。
【0105】
また、実施形態のテーパー部は、底部側穴部49Bの一部に形成されてもよい。図13は、底部側穴部49Bの一部にテーパー部が形成された例を示す図である。図13の例では、底部側穴部49Bにおいて、固定部材49Cの挿入口側が徐々に広くなるテーパー部49Fが形成されている。これにより、図12の例と同様に、シート42が傾いた場合であっても、固定部材49Cを底部側穴部49Bに挿入して、シート42を底部41に固定することができる。また、図13に示すように、底部側穴部49Bにテーパー部49Fを設けることで、テーパー部を一体成型することができるとともに、図12に示すテーパー部49Eよりも、剛性を向上させることができる。
【0106】
なお、上述した実施形態では、シート側穴部49A側から底部側穴部49Bに固定部材49Cを挿入することで、底部41と、シート42とを固定したが、底部側穴部49B側に収納された固定部材49Cをシート側穴部49Aに挿入することで、底部41とシート42とを固定してもよい。この場合、テーパー部49Eまたは49Fは、シート側に形成される。
【0107】
[底部41に対するシート42の移動量の抑制]
次に、底部41に対するシート42の移動量の抑制について説明する。実施形態において、シート装置40は、底部41と、シート42との間に底部41に対するシート42の移動量を抑制する抑制部材を設けてもよい。抑制部材は、例えば、ゴム部材やバネ部材等の弾性体である。また、抑制部材は、磁力を発生させる物体でもよい。
【0108】
図14は、底部41とシート42とをゴム部材で連結した様子を説明するための図である。図14の例では、底部41およびシート42と、抑制部材との位置関係を説明するために、簡略化したシート装置40が示されている。後述する図15および図16についても同様である。また、図14から図16の例では、シート42が底部41に対して元の位置から移動している様子を示している。
【0109】
図14の例では、底部41と、シート42のベース部42Dとをゴム部材49−3で連結している。ゴム部材49−3は、底部41とシート42とが基準位置(元の位置)にある場合には、反発力を発生しないように設置される。シート42は、ゴム部材49−3により底部41と連結することで、底部41に対してゴム部材49−3の反発力に対応する移動量で移動することができる。また、シート42は、移動後にゴム部材49−3の反発力によって、元の位置に戻ろうとするため、移動量を抑制することができ、また早期に元の位置に戻ることができる。なお、底部41とシート42との間には、複数のゴム部材49−3が設置されてもよい。
【0110】
図15は、底部41とシート42とをバネ部材で連結した様子を説明するための図である。図15の例では、底部41と、シート42のベース部42Dとをバネ部材49−4で連結している。バネ部材49−4は、底部41とシート42とが基準位置(元の位置)にある場合には、反発力を発生しないように設置される。シート42は、バネ部材49−4により底部41と連結することで、底部41に対してバネ部材49−4の反発力に対応する移動量で移動することができる。また、シート42は、バネ部材49−4による反発力によって、元の位置に戻ろうとするため、移動量を抑制することができ、また早期に元の位置に戻ることができる。なお、底部41とシート42との間には、複数のバネ部材49−4が設置されてもよい。
【0111】
図16は、底部41およびシート42のそれぞれに磁石を設定した様子を説明するための図である。図16の例では、シート42のベース部42DにS極の磁石49−5aが設置され、底部41にN極の磁石49−5bが設置されているが、それぞれ逆の磁極が設置されてもよい。磁石49−5aおよび49−5bは、底部41とシート42とが基準位置(元の位置)にある場合には、最も近い位置(例えば、垂直方向に並んだ位置)となるように設置される。磁極の異なる磁石を近づけるように配置することで、磁石49−5aと磁石49−5bとの間で引き合う力が働く。したがって、シート42は、元の位置に戻ろうとするため、移動量を抑制することができ、また早期に元の位置に戻ることができる。なお、底部41と、シート装置42との間には、複数の磁石49−5aおよび49−5bが設置されてもよい。
【0112】
[対象物の他の例]
上述した実施形態では、「対象物」の一例としてシート42を用いたが、上述したシート42に加えて(または、代わりに)テーブルを「対象物」としてもよい。図17は、テーブルを備えたシート42−1の一例を示す図である。図17に示すシート42−1は、例えば、着座部42Aと、背もたれ部42Bと、ヘッドレスト42Cと、ベース部42Dと、テーブル42Eとを備える。図17の例において、テーブル42Eは、例えば着座部42Aに設置されているが、ベース部42Dに設置されていてもよく、背もたれ部42Bに設置されていてもよい。また、テーブル42Eは、シート42−1と着脱可能な構成であってもよい。また、テーブル42Eは、折り畳んでシート42−1の内部または側面等に収納可能であってもよい。
【0113】
シート42−1を底部41上の球状部材43に支持させることで、シート42−1およびテーブル42Eの姿勢を好適に調整することができる。これにより、乗員は、例えば、テーブル42E上に飲料が入ったコップ等を載置した場合であっても、車両Mの走行状態等に応じて、飲料をこぼしたりコップを倒したりすることを軽減することができる。また、また、「対象物」は、ドリンクホルダー等であってもよい。
【0114】
また、実施形態において、「対象物」は、上述したシート装置40にステアリングホイールやアクセルペダル、ブレーキペダル等の運転操作子80の少なくとも一部を含んでいてもよい。図18は、運転操作子80を備えたシート42−2の一例を示す図である。図18の例において、シート42−2は、着座部42Aに設置されたフレーム42Fと、フレーム42Fに設置されたステアリングホイール42Gとを備える。また、シート42−2は、アクセルペダル42Hと、ブレーキペダル42Iとを備える。図18に示すように、シート42−2に運転操作子80の少なくとも一部を備えることで、シート42−2が移動した場合に、ステアリングホイール42G、アクセルペダル42H、およびブレーキペダル42Iがシート42−2と一体で移動するため、シート42−2に着座する乗員と、運転操作子80との距離を一定に保つことができる。そのため、乗員は、シート42−2が移動した場合でも、車両Mの運転操作を円滑に行うことができる。
【0115】
また、図19は、操作レバーを備えたシート42−3の一例を示す図である。図19の例に示すシート42−3は、背もたれ部42Bに設置されたアームレスト42Jと、アームレスト42Jに設置された操作レバー42Kとを備える。また、シート42−3は、シート42−2と同様に、アクセルペダル42Hと、ブレーキペダル42Iとを備える。
【0116】
操作レバー42Kは、運転操作子80の一例である。操作レバー42Kは、ステアリングホイール42Gと同様に、車両Mの操舵に関する制御を行う。図19に示すように、ステアリングホイール42Gの代わりに操作レバー42Kを設けることで、乗員の邪魔にならない位置に操舵に関する運転操作子80を配置することができる。そのため、乗員は、シート42−3が移動した場合でも、車両Mの運転操作を円滑に行うことができる。
【0117】
また、「対象物」は、車両M内に構成されるキャビン全体であってもよい。図20は、車両M内のキャビン300を底部41上に配置した例を示す図である。図20の例では、説明の便宜上、車両Mの外形と、車両Mの内部の構成とを分けて示している。
【0118】
図20の例において、キャビン300には、運転操作子80と、乗員が着座するシート310とを備える。キャビン300の下面には、凸状の曲面部を備える。シート310は、キャビン300に固定される。また、底部41Dの上面には、球状部材43と、仕切り部44とを備える。底部41Dの上面は、凹状の曲面部を備える。また、図20に示す例の場合、自動運転制御ユニット100のシート制御部160は、キャビン制御部に読み替える。また同様に、シート42は、キャビン300に読み替える。したがって、キャビン制御部は、キャビン300の位置検出、キャビン300の固定または固定の解除、キャビン300の駆動等の制御を行う。
【0119】
図20に示すように、底部41D上に設けられた球状部材43により、キャビン300の下面を支持することで、車両Mの運転モードまたは走行状態に応じて、キャビン300全体を好適に調整することができる。
【0120】
[車両制御処理]
以下、実施形態の車両システム1による各種車両制御の一例について説明する。図21は、実施形態の車両制御処理の一例を示すフローチャートである。なお、図21の処理は、例えば、車両Mの停止または走行中において、繰り返し実行される。
【0121】
図21の例において、切替制御部142は、車両Mの運転モードを自動運転から手動運転に切り替えるか否かを判定する(ステップS100)。自動運転から手動運転に切り替える場合、切替制御部142は、底部41とシート42とが固定されているか否かを判定する(ステップS102)。底部41とシート42とが固定されていない場合、シート制御部160は、底部41とシート42とを固定する(ステップS104)。
【0122】
次に、切替制御部142は、車両Mの運転モードを自動運転から手動運転に切り替える(ステップS106)。また、ステップS100の処理において、自動運転から手動運転に切り替えない場合、切替制御部142は、手動運転から自動運転に切り替えるか否かを判定する(ステップS108)。手動運転から自動運転に切り替える場合、乗員から底部とシートとの固定を解除する指示を受け付けたか否かを判定する(ステップS110)。底部とシートとの固定を解除する指示を受け付けた場合、シート制御部160は、底部41とシート42との固定を解除する(ステップS112)。次に、切替制御部142は、車両Mの運転モードを手動運転から自動運転に切り替える(ステップS114)。これにより、本フローチャートの処理は、終了する。
【0123】
なお、図21の例において、各ステップの処理の順序を、適宜入れ替えてもよいし、いずれかのステップを省略してもよい。また、図21の例は、車両M内の全てのシート42に適用してもよく、運転席のシートだけに適用し、車両M内の他のシートについては、乗員の指示によりシートの固定と固定解除とを切り替えてもよい。
【0124】
以上説明した実施形態における対象物支持装置、車両制御システム、車両制御方法、車両制御プログラム、および車両のシートの支持構造によれば、車両内の対象物の姿勢を好適に調整することができる。なお、上述した実施形態で説明した車両は、例えば電車等でもよい。また、本実施形態は、船舶、飛行機等に適用してもよい。
【0125】
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0126】
1…車両システム、10…カメラ、12…レーダ装置、14…ファインダ、16…物体認識装置、20…通信装置、30…HMI、40…シート装置、41…底部、42、310…シート、43…球状部材、44…仕切り部、45…シート駆動装置、46…シート位置検出部、47…シート固定制御部、48…凹部、49…シート固定部、50…ナビゲーション装置、60…MPU、70…車両センサ、80…運転操作子、90…車室内カメラ、100…自動運転制御ユニット、120…第1制御部、121…外界認識部、122…自車位置認識部、123…行動計画生成部、140…第2制御部、141…走行制御部、142…切替制御部、150…インターフェース制御部、160…シート制御部、170…走行状態認識部、200…走行駆動力出力装置、210…ブレーキ装置、220…ステアリング装置、300…キャビン、M…車両
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21

【手続補正書】
【提出日】2018年5月23日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の床に固定され、凹状の曲面部を有する底部と、
前記底部の上側に三個以上配置され、対象物の底面に形成された凸状の曲面部に当接して前記対象物を支持する支持部材であって、表面が曲面で形成されている支持部材と、
を備え、
前記対象物は、前記車両の乗員が着座するシートであり、
前記シートの位置を移動させる駆動部を制御するシート制御部を更に備え、
前記シート制御部は、前記底部と前記シートとを固定する場合に、前記シートを所定のポジションに移動させる、
対象物支持装置。
【請求項2】
前記底部上において、前記支持部材の移動範囲を制限する制限部を更に備え、
前記制限部により制限された前記支持部材の移動範囲に基づいて前記対象物の変位を制限する、
請求項1に記載の対象物支持装置。
【請求項3】
前記制限部は、前記底部の曲面から上方に突出して壁面を形成する仕切り部である、
請求項2記載の対象物支持装置。
【請求項4】
前記制限部は、前記底部の曲面に設けられた凹部である、
請求項2に記載の対象物支持装置。
【請求項5】
前記シートに、前記車両の加減速または操舵の少なくとも一方の操作を受け付ける運転操作子を備える、
請求項1から4のうち、いずれか1項に記載の対象物支持装置。
【請求項6】
前記底部と前記シートとを固定する固定部を更に備える、
請求項1から5のうち、いずれか1項に記載の対象物支持装置。
【請求項7】
前記固定部は、前記底部と前記シートまたは前記シートに連結された部材とに設けられた穴部のそれぞれに、固定部材を挿入することで、前記底部と前記シートとを固定する、
請求項6に記載の対象物支持装置。
【請求項8】
前記穴部には、前記固定部材の挿入口側が広くなるテーパー部が形成されている、
請求項7に記載の対象物支持装置。
【請求項9】
(削除)
【請求項10】
前記底部に対する前記シートの移動量を抑制する抑制部材を備える、
請求項5から8のうち、いずれか1項に記載の対象物支持装置。
【請求項11】
請求項1から8、および10のうち、いずれか1項に記載の対象物支持装置と、
前記車両の加減速または操舵の少なくとも一方を自動的に制御する自動運転制御部と、
前記自動運転制御部による自動運転と、前記車両の乗員による手動運転とを切り替える切替制御部と、
前記シートの位置を移動させる駆動部を制御するシート制御部と、
を備える車両制御システム。
【請求項12】
前記車両の走行状態を認識する走行状態認識部を更に備え、
前記シート制御部は、前記走行状態認識部が認識した走行状態に基づいて、前記シートを移動する、
請求項11に記載の車両制御システム。
【請求項13】
前記シート制御部は、前記自動運転制御部による前記自動運転から前記手動運転に切り替わる場合に、前記底部と前記シートとを固定し、前記手動運転から前記自動運転に切り替える場合に、前記底部と、前記シートとの固定を解除する、
請求項11または12に記載の車両制御システム。
【請求項14】
車載コンピュータが、
車両の加減速または操舵の少なくとも一方を自動的に制御し、
前記車両の自動運転と、前記車両の乗員による手動運転とを切り替え、
前記自動運転から前記手動運転への切り替え時に、前記車両の床に固定され、凹状の曲面部を有する底部と、前記底部の上側に三個以上配置され、前記車両の乗員が着座するシートの底面に形成された凸状の曲面部に当接して前記シートを支持する支持部材であって、表面が曲面で形成されている支持部材とを備える対象物支持装置によって、前記シートの位置を移動させる駆動部を制御し、
前記底部と前記シートとを固定する場合に、前記駆動部により前記シートを所定のポジションに移動させる、
車両制御方法。
【請求項15】
車載コンピュータに、
車両の加減速または操舵の少なくとも一方を自動的に制御させ、
前記車両の自動運転と、前記車両の乗員による手動運転とを切り替えさせ、
前記自動運転から前記手動運転への切り替え時に、前記車両の床に固定され、凹状の曲面部を有する底部と、前記底部の上側に三個以上配置され、前記車両の乗員が着座するシートの底面に形成された凸状の曲面部に当接して前記シートを支持する支持部材であって、表面が曲面で形成されている支持部材とを備える対象物支持装置によって、前記シートの位置を移動させる駆動部を制御させ、
前記底部と前記シートとを固定する場合に、前記駆動部により前記シートを所定のポジションに移動させる、
車両制御プログラム。
【請求項16】
車両に搭載されるシートの支持構造であって、
前記シートが、前記車両に作用する加速度に応じて慣性力の方向に変位可能であり、前記慣性力の低下に応じて元の位置に戻し、
更に前記シートを固定する場合に、前記シートの位置を移動させる駆動部により、前記シートを所定のポジションに移動させる、
車両のシートの支持構造。
【国際調査報告】